説明

読み取り装置およびレイアウト設計支援システム

【課題】操作に不慣れなものであっても事前に操作方法を覚えることなく直観的に自在に操作できる読み取り装置および設計支援システムを提供する。
【解決手段】読み取り装置(RD)は、無線タグを含む物体からタグ情報を無線で読み取る複数のアンテナが設けられたボードと、複数のアンテナとそれぞれ接続する複数のスイッチ(SW-W,Y)と、複数のスイッチのオンオフの切り替えによって、前記複数のアンテナを切り替えるアンテナ切替部(AS)と、複数のアンテナを切り替えながら、各アンテナから前記タグ情報の読み取りを試行するタグ読取部(TR)と、タグ情報と、当該タグ情報が読み取られたアンテナの配置情報とを出力する通信部(COM)とを有する。本構成によれば、操作に不慣れなものであっても事前に操作方法を覚えることなく直観的に自在に操作できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み取り装置およびレイアウト設計支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CADなどの設計支援システムの入力装置(読み取り装置)として、デジタイザ(特許文献1を参照されたい。)が開発されてきた。また、一般的な情報(典型的には文字情報)を入力するための機器としてはタブレットと称するものが開発されてきた。デジタイザおよびタブレットは、製図板のような平らなボード上をポインティングデバイス(スタイラスペンやカーソル)でなぞることで文字や図形などを入力/読み取る装置である。
【特許文献1】特公平06-005497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
デジタイザやタブレットの開発が進むにつれて入力精度がより高くなってきているが、その操作原理は開発当初と同じであり、機器を操作するユーザが入力すべき内容を任意にデジタイザやタブレット上にスタイラスペンで入力していく形式のものである。このような入力操作は、高度に訓練を受けた職業人(設計者、CADオペレータ、技術者など)やPC操作に慣れている世代にとっては簡単であるが、一般的なユーザには煩雑で難しい操作である。また、このような特殊な入力装置を使用せずに、マウスなどの一般的な入力装置を使ったアプリケーションソフトウェアとしてのCADソフトなどもあるが、PCの操作に慣れていない女性や高齢者などには、やはり難しい操作である。
【0004】
このようなデジタイザ、タブレット、マウスなどの入力装置で入力した図形情報などは、入力装置に接続しているPCの表示装置上に描画されることになるが、「ユーザが確かに入力しているのだ」という操作感覚が得られないといった問題点がある。特に、電子機器の操作に不慣れなユーザは、デジタイザやタブレット用のスタイラスペンやマウスなどの入力装置で間違った操作をしたり、操作自体も分からなったりすることが多い。このようなユーザは、入力装置の操作に気を取られてしまい、非常に不自由な思いでのデータ入力を強いられることになる。特に、年配のユーザは、タップ、ダブルクリック、左クリック、ドローなどの片仮名の指示動作を示す名称にアレルギーがあり、そもそも自分で入力装置を操作することを敬遠しがちである。
【0005】
しかしながら、民間の設計市場で大きな地位を占める住宅設計、リフォーム設計などでは、その購買対象者は、経済的に余裕がある年配者やリフォームや建て替えを必要とする年配者となる。また、若い夫婦が住宅を購入する場合でも、多くの場合、両親や親族などが資金の一部を負担しているといった現状がある。さらに、夫婦単位で考えた場合、住居を主として管理する主婦が、レイアウトなどに注文や意見がある場合多い。このような年配者や女性向けに、直観的かつ簡単な操作でレイアウトなどを入力する技法や装置があれば便利であるが、上述したように従来の入力装置/読み取り装置ではそのような用途には適しない。特に、電子機器の操作に不慣れなものが、予備的な知識や操作技術を会得せずに直観的かつ簡単にレイアウト入力ができて、しかも、「自分が確かに操作しているのだ」という感覚でレイアウトを入力/読み取る読み取り装置(入力装置)や設計支援システムの開発が切望されている。
【0006】
そこで、本発明は、操作に不慣れなものであっても事前に操作方法を覚えることなく、直観的に自在に操作できる読み取り装置および設計支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による読み取り装置(入力装置)は、
無線タグを含む物体からタグ情報を無線で読み取る複数のアンテナが設けられたボードと、
前記複数のアンテナとそれぞれ接続する複数のスイッチと、
前記複数のスイッチのオンオフの切り替えによって、前記複数のアンテナを切り替えるアンテナ切替部と、
前記アンテナ切替部により前記複数のアンテナを切り替えながら、各アンテナから前記タグ情報の読み取りを試行するタグ読取部と、
読み取ったタグ情報と、当該タグ情報が読み取られたアンテナの配置情報とを出力する通信部と、
を有する。
【0008】
また、第2の発明による読み取り装置(入力装置)は、
前記ボードの上面には、無線タグを含む物体が置かれるべき複数の区画が形成され、物体を区画に誘導して載置するための標識および/またはガイド形状が設けられている、
ことを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明による読み取り装置(入力装置)は、
前記ボードの少なくとも一部が透明或いは半透明な材料からなる、
ことを特徴とする。
また、好適には、前記読み取り装置は、表示装置またはPCの表示部の筐体の所定の位置に装着、固定、或いは誘導するための治具/装着誘導形状部を具える。
【0010】
また、第4の発明によるレイアウト設計支援システムは、
上記第1〜3の発明のいずれか1つに記載の読み取り装置と、該読み取り装置に接続するコンピュータとを有するレイアウト設計支援システムであって、
前記コンピュータが、
前記読み取り装置の通信部と接続する通信インターフェイス部(例えばUSBまたはRS232C)と、
前記通信インターフェイス部を介して取得したタグ情報と、当該タグ情報が読み取られたアンテナの配置情報とを解析することによって、各タグ情報に対応したレイアウト要素(例えば、玄関、洗面所、トイレ、居間、ダイニング、押し入れ、クローゼット、廊下、寝室など)およびその配置(レイアウト要素の方向および位置)を含むレイアウト情報を出力するレイアウト解析部と、
前記レイアウト解析部により出力されたレイアウト情報に応じて前記レイアウト要素がそれぞれ配置された図面を生成する図面生成部と、
前記図面生成部により生成された図面を表示する表示部とを有する、
ことを特徴とする。
【0011】
また、第5の発明によるレイアウト設計支援システムは、
前記図面生成部が、3次元の図面を生成する、
ことを特徴とする。
【0012】
また、第6の発明によるレイアウト設計支援システムは、
前記タグ情報が、レイアウト要素の名称、コード、および、占有領域情報(例えば、右横方向3区画、下方向に2区画、或いは3次元情報の垂直方向情報としての高さ情報など)の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする。
【0013】
また、第7の発明によるレイアウト設計支援システムは、
前記物体が当該物体のほぼ対角線状に置かれた2つの無線タグを含む、
ことを特徴とする。
【0014】
また、第7の発明によるレイアウト設計支援システムは、
前記物体が、当該物体が関連するレイアウト要素の形態を模した形態の少なくとも1つを有することを特徴とする。また、前記物体は、透明或いは半透明な材料からなる。例えば、模した形態には、形状(例えば、ドアの形状、台所のシンクの形状、居間を象徴するソファなどの形状)、色彩(風呂場であれば青)、質感、触感(和室であれば畳を象徴するざらざらした畳表の触感、模様、表示/標識(例えば、居間という文字やサイン)などがある。
【0015】
上記発明は、主として住宅のレイアウト設計支援に適したものであるが、事務所レイアウト設計支援などレイアウト設計支援に広く利用し得る。例えば、簡単な庭園設計、プラント設計、機械設計などにも使用し得るものである。即ち、物体に埋め込む無線タグの形態やレイアウト要素の内容によって、様々な用途に使用し得る。事務所レイアウト設計の場合に、物体は、デスク、チェア、キャビネット、コピー機、会議用デスク、パーティションなどのレイアウト要素を示す無線タグを設け、好ましくは、各レイアウト要素を模倣した形態を有する。また、物体は、取扱いを容易にするためカードにすることが好適である。また、カード表面に無線タグを装着してもよいし、無線タグをカード内に埋め込む、或いは収容させてもよい。
【0016】
上述したように本発明の解決手段を装置、システムとして説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、下記の方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどを磁気テープ、HDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、操作に不慣れなものであっても事前に操作方法を覚えることなく、直観的に自在に操作できる読み取り装置や設計支援システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施態様によるレイアウト設計支援システムの概要を示すブロック図である。図に示すように、レイアウト設計支援システムLDSSは、コンピュータ100と読み取り装置(入力装置)RDとから構成される。コンピュータ100は、制御部(CPU)110と、通信インターフェイス部120と、記憶部130と、表示部140とを有する。制御部110は、レイアウト解析部112と、図面生成部114とを具える。記憶部130は、タグ関連情報132と、レイアウト要素情報134と、要素単価・要素工期情報136とを予め格納している。通信インターフェイス部120は、USB端子とすることが好適であり、後述する読み取り装置RDの通信部COMと接続して、データ(制御信号、読み取ったタグ情報、アンテナ位置情報など)を送受信することができる。
【0020】
読み取り装置RDは、制御基板CB、Y軸(垂直方向)スイッチSW−Y、X軸(水平方向)スイッチSW−X、および物体載置領域(ボード)OPRを有する。制御基板CBは、一般的な無線タグであるRFIDの読み取り、書き込み機能、アンテナスキャン(切り替え)機能を持つ市販のRFIDリーダライタモジュールを利用してもよい。制御基板CBは、アンテナ切替部(スキャン部)ASと、タグ読取部TRと、通信部COMとを含む。物体載置領域OPRには、アンテナANTが縦横のマトリックス状に埋め込まれている。また、物体載置領域OPRは、上面が区画分けされ、個々の物体(典型的には無線タグとしてRFIDやICタグを埋め込んだカード)が区画単位の位置に載置できるようになっている。1つの区画に縦1つ、横1つのアンテナがそれぞれ横たわっており、区画別に物体(無線タグ)の位置を読み取ることが可能な構成になっている。
【0021】
図2は、物体載置領域の詳細な上面図である。物体載置領域(ボード)OPRの上面に、区画SCで区分されている。区画SCには、1つずつ座標が割り振られる。縦軸であるY軸にはY1〜16、横軸であるX軸にはX1〜16がそれぞれ割り振られ、各区画の下を通過するアンテナでタグ情報の読み取りを試行することによって、どの区画に物体が載置され、その物体からタグ情報を読み取ることができるようになっている。
【0022】
図3は、物体の典型例であるカード型の物体を示す図である。図中の(a)は、区画1つ分を占有する物体OB1であり、その中央には、タグ情報を格納している無線タグTAG1が埋め込まれている。図中の(b)は、縦横2×2の4区画を占有する玄関を示す物体OB2であり、無線タグTAG3,TAG4が4つの角のうちの2つの角に対角線状に配置されている。このように配置することによって、方形であれば、どのような物体であってもその位置および向きを読み取ることが可能である。図中の(c)は、和室6畳を示す物体OB3であり、同様にほぼ対角線状に無線タグTAG4,TAG5が配置されていている。図中の(d)は、洗面所を示す物体であり、同様にほぼ対角線状に無線タグTAG6,TAG7が配置されていている。無線タグに格納されるタグ情報は、要素名称(風呂場、玄関など)、コード(英数字:A001など)、横×縦(占有領域)、メインサブを示す情報(1つの物体に2つのタグがある場合)などを含む。コードのみをタグ情報として無線タグに格納しておき、他の情報は、コード情報に関連付けてコンピュータ側の記憶部に格納しておいてもよい。
【0023】
図4は、本システムLDSSによってレイアウト設計をした場合の様子を示す図である。図中の(a)は、物体載置領域上の各区画に物体を置いたときの上面図である。レイアウト設計者であるユーザによって、玄関を示す物体、廊下を示す物体、和室6畳を示す物体、洗面所を示す物体が、図のような配置で置かれている。各区画に置かれた物体のタグ情報を読み取るために、Y軸の座標Y1、Y2、Y3、X軸の座標X1−6に各アンテナANTが配置されている。また、スイッチおよび配線を簡便化するために、各アンテナはループ状に形成されている。本システムの読み取り装置RDにおけるアンテナ切替部ASおよびタグ読取部TRが協働して、各アンテナを順次スキャンしてタグ情報を読みだす。下に各座標のアンテナが読みだしたタグ情報を示す。
Y1:廊下のタグ情報1、2、洗面所のタグ情報1
Y2:玄関のタグ情報1、和室のタグ情報1、洗面所のタグ情報2
Y3:玄関のタグ情報2、和室のタグ情報2
X1:廊下のタグ情報1、玄関のタグ情報1
X2:玄関のタグ情報2
X3:和室のタグ情報1
X4:読み取り情報なし
X5:廊下のタグ情報2、和室のタグ情報2
X6:洗面所のタグ情報1,2
【0024】
読み取られたタグ情報は、読み取ったアンテナの配置情報、即ち座標情報(上記のX1−6,Y1−3)と共に通信部COMからコンピュータ100に送信される。コンピュータ100の通信インターフェイス部120は、受信した情報を記憶部130内のワークエリアに一旦格納する。制御部110内のレイアウト解析部112は、受信し、ワークエリアに格納した情報を読み出し、当該情報から各物体の位置および方向を解析してレイアウト情報を生成する。上記の場合は、以下のように各物体の位置および方向が求められる。
玄関:座標Y2:X1にタグ情報1、座標Y3:X2にタグ情報2
廊下:座標Y1:X1にタグ情報1、座標Y1:X5にタグ情報2
和室6畳:座標Y2:X3にタグ情報1、座標Y3:X5にタグ情報2
洗面所:座標Y1:X6にタグ情報1、座標Y2:X6にタグ情報2
【0025】
図面生成部114は、レイアウト解析部により出力されたレイアウト情報に応じてレイアウト要素がそれぞれ配置された図面を生成する。生成された図面は、図中の(b)のように表示部140により表示領域DISの第1フィールドF1に表示される。このようにして、レイアウト要素が、ユーザの指示通りの位置および方向で表示領域DISに表示される。このようにして、ユーザは、レイアウト要素を表す物体を所望の位置、方向に置くという、極めて直観的な動作のみによって、レイアウト図を容易に作成することが可能となる。
【0026】
また、図面生成部114は、タグ情報に関連する情報が記憶部130のタグ関連情報132およびレイアウト要素情報134に格納されているか否かを確認する。何らかの情報が格納されている場合は、当該情報を読み出し、読み出した情報をさらに利用したレイアウト図を生成することも可能である。例えば、記憶部130のタグ関連情報132には、コード、物体(レイアウト要素)の名称、占有領域情報(例えば、右横方向3区画、下方向に2区画、或いは3次元情報の垂直方向情報としての高さ情報など)の少なくとも1つが格納される。例えば、上記のすべてを予めコンピュータ側に格納しておけば、無線タグには、例えばコードのみを格納しておけばよいことになり、記憶容量が小さい安価な無線タグを用いてコストを低減することができる。レイアウト要素情報134は、図面としての描画に必要な情報、例えば、色彩、模様、形状などが含まれている。レイアウト要素情報134に基づき、本システムはよりリアルな図面を描画することができる。さらに、図4の(b)は2次元描画のレイアウト図であるが、3次元描画することも可能である。本システムは、レイアウト要素情報134に含まれる高さ方向の情報に基づき、3次元図面(立体図)を描画することができる。高さ方向の情報は、要素別に格納してもよいが、1階は2.5mなどのデフォルト値を格納してもよい。
【0027】
要素単価・要素工期情報136には、各レイアウト要素の単価(材料費・施工費・人件費)、標準工期などが含まれており、第2フィールドF2に、生成したレイアウト図の家屋などを施工する場合の概算施工費用や概算施工期間などを表示することも可能である。本構成によって、ユーザは、リアルタイムでレイアウト図および費用を確認することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0028】
図5は、本システムで使用される基本フローチャートである。図に示すように、ステップS11では、読み取り対象アンテナを順次切り替えながら、ボード上に置かれた物体のタグ情報の読み取りを試行する。次にステップS12にて、読み取ったタグ情報およびそれを読み取ったアンテナ位置情報とを関連付けて、PC(コンピュータ)に送信する。次にステップS13にて、タグ情報とアンテナ位置情報とからレイアウト情報を生成する。最後にステップS14にて、レイアウト情報から図面(平面図、立体図)を表示する。
【0029】
図6は、本システムの変形例を示す図である。この実施態様では、コンピュータとしてノートパソコンNPCを使用する。ノートパソコンNPCは、本体側のキーボードKB、表示部NDISなどを具える。読み取り装置RDには、筐体の所定の位置に装着、固定、或いは誘導するための固定部材(治具/装着誘導形状部)を設けてある。また、物体載置領域(ボード)OPRおよびそこに載置される物体は、少なくとも一部が透明/半透明な材料で形成されており、表示部DISに表示される画面が透けて見えるように構成されている。表示部DISには、載置可能な領域、例えば、建物を構築する敷地、標準的レイアウト(模範レイアウト)などを描画する。ユーザは、透けて見える敷地形状(または、隣接宅地、隣接建造物を含む住宅地図など)や標準レイアウト(またはリフォーム前のレイアウト)などを参考にしながら、ユーザオリジナルのレイアウト設計を行うことが可能である。従って、本実施態様では、予め記憶部に、敷地形状の情報や幾つかの標準レイアウト情報を格納しておく必要がある。さらに、本実施態様では、1つのコンピュータに2つの表示部を設ける、或いは第2のコンピュータを接続して、設計したレイアウト図を別の表示部にリアルタイムで表示することが好適である。
【0030】
これまでの実施態様では、区画を線で示したが、線に加えて、或いは線に代えて、物体を区画に誘導して載置するための標識および/またはガイド形状を設けてもよい。図7に具体例を示す。図7は、本発明の一実施態様による物体および物体載置領域の形状を示す図である。図に示すように、物体OB10に凸部TK10を設け、物体載置領域の区画SC10、SC11には、凹部であるガイド形状部GD10、GD11を設ける。この凸部TK10は、ガイド形状部GD10,11によって、正確に各区画の中央に、上下左右の各方向を向くように誘導され、相互に嵌合する。このように構成すれば、区画の下を通過するアンテナの真上に無線タグが配置されるように物体を誘導することができ、精度良く位置を読み取ることが可能となる。
【0031】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。実施態様では、物体をカード型物体で説明したが、レイアウト要素を示す形態、例えば、風呂場には、バスタブの模様、色彩、形状のうちの少なくとも1つの形態を持つ物体を用いることが好適である。また、実施態様では、区画の中央で嵌合する形態で説明したが、区画の境界で嵌合するように、区画の境界には凹部を設け、物体の輪郭部には凸部を設けて、物体が区画の所定の位置に誘導して載置するためのガイド形状として機能させてもよい。このように構成すれば、区画の下を通過するアンテナの真上に無線タグが配置されるように物体を誘導することができ、精度良く位置を読み取ることが可能となるとともに、区画の境界がより分かり易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施態様によるレイアウト設計支援システムの概要を示すブロック図である。
【図2】物体載置領域の詳細な上面図である。
【図3】カード型の物体を示す図である。
【図4】本システムLDSSによってレイアウト設計をした場合の様子を示す図である。
【図5】本システムで使用される基本フローチャートである。
【図6】本システムの変形例を示す図である。
【図7】本発明の一実施態様による物体および物体載置領域の形状を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
LDSS レイアウト設計支援システム
100 コンピュータ
110 制御部
112 レイアウト解析部
114 図面生成部
120 通信インターフェイス部
130 記憶部
132 タグ関連情報
134 レイアウト要素情報
136 要素単価・要素工期情報
140 表示部
RD 読み取り装置
ANT アンテナ
CB 制御基板
AS アンテナ切替部
TR タグ読取部
COM 通信部
DIS 表示領域
OPR 物体載置領域
F1 第1フィールド
F2 第2フィールド
OB1−4 物体
SC 区画
SW−X、SW−Y スイッチ
TAG,TAG1−7 無線タグ
NPC ノートパソコン
KB キーボード
NDIS 表示部
OB10 物体
TK10 凸部
SC10,11 区画
GD10,11 ガイド形状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグを含む物体からタグ情報を無線で読み取る複数のアンテナが設けられたボードと、
前記複数のアンテナとそれぞれ接続する複数のスイッチと、
前記複数のスイッチのオンオフの切り替えによって、前記複数のアンテナを切り替えるアンテナ切替部と、
前記アンテナ切替部により前記複数のアンテナを切り替えながら、各アンテナから前記タグ情報の読み取りを試行するタグ読取部と、
読み取ったタグ情報と、当該タグ情報が読み取られたアンテナの配置情報とを出力する通信部と、
を有する読み取り装置。
【請求項2】
請求項1に記載の読み取り装置において、
前記ボードの上面には、無線タグを含む物体が置かれるべき複数の区画が形成され、物体を区画に誘導して載置するための標識および/またはガイド形状が設けられている、
ことを特徴とする読み取り装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の読み取り装置において、
前記ボードの少なくとも一部が透明或いは半透明な材料からなる、
ことを特徴とする読み取り装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の読み取り装置と、該読み取り装置に接続するコンピュータとを有するレイアウト設計支援システムであって、
前記コンピュータが、
前記読み取り装置の通信部と接続する通信インターフェイス部と、
前記通信インターフェイス部を介して取得したタグ情報と、当該タグ情報が読み取られたアンテナの配置情報とを解析することによって、各タグ情報に対応したレイアウト要素およびその配置を含むレイアウト情報を出力するレイアウト解析部と、
前記レイアウト解析部により出力されたレイアウト情報に応じて前記レイアウト要素がそれぞれ配置された図面を生成する図面生成部と、
前記図面生成部により生成された図面を表示する表示部とを有する、
ことを特徴とするレイアウト設計支援システム。
【請求項5】
請求項4に記載のレイアウト設計支援システムにおいて、
前記図面生成部が、3次元の図面を生成する、
ことを特徴とするレイアウト設計支援システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載のレイアウト設計支援システムにおいて、
前記タグ情報が、レイアウト要素の名称、コード、および、占有領域情報の少なくとも1つを含む、
ことを特徴とするレイアウト設計支援システム。
【請求項7】
請求項4または5に記載のレイアウト設計支援システムにおいて、
前記物体が当該物体のほぼ対角線状に置かれた2つの無線タグを含む、
ことを特徴とするレイアウト設計支援システム。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか1項に記載のレイアウト設計支援システムにおいて、
前記物体は、当該物体が関連するレイアウト要素の形態を模した形態の少なくとも1つを有する。
ことを特徴とするレイアウト設計支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−39612(P2010−39612A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199443(P2008−199443)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(501263809)株式会社コンピュータシステム研究所 (26)
【Fターム(参考)】