読取システム、光学的情報読取装置、及び情報コード
【課題】情報コード内に実質的に大容量のデータを格納することができ、特定の使用者が情報コード内の情報を利用できるようにする。
【解決手段】読取システム1で用いられる光学的情報読取装置10は、情報コードCを読み取ったときに、情報コードCに含まれるモード識別情報に基づき、読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認する。テーブル使用モードが確認された場合には、メモリ35内のテーブルが、情報コードCに記録された使用テーブル識別情報に対応するか否かを確認し、対応するテーブル(該当テーブル)である場合には情報コードCに記録された個別データ番号に対応する個別データをこの該当テーブルにて検索する。そして、情報コードCの個別データ番号をその検索された個別データに変換したデータを生成する。更に、メモリ35の記憶内容を、管理装置50の蓄積データに基づいて更新するテーブル更新手段が設けられている。
【解決手段】読取システム1で用いられる光学的情報読取装置10は、情報コードCを読み取ったときに、情報コードCに含まれるモード識別情報に基づき、読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認する。テーブル使用モードが確認された場合には、メモリ35内のテーブルが、情報コードCに記録された使用テーブル識別情報に対応するか否かを確認し、対応するテーブル(該当テーブル)である場合には情報コードCに記録された個別データ番号に対応する個別データをこの該当テーブルにて検索する。そして、情報コードCの個別データ番号をその検索された個別データに変換したデータを生成する。更に、メモリ35の記憶内容を、管理装置50の蓄積データに基づいて更新するテーブル更新手段が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取システム、光学的情報読取装置、及び情報コードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、QRコード(商標名)等の二次元コードが様々な用途で用いられている。この二次元コードは、一次元コードと比較すると、一般的に大量のデータを扱うことができ、この特質を利用した二次元コード特有の運用もなされている。その一例としては、データベース全体を二次元コード内に格納するといった運用が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−254037公報
【特許文献2】特開平6−214916公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二次元コードにデータベースなどの大容量のデータを格納する場合、コードサイズが大型化してしまうという問題がある。このようにコードが大型化してしまうと、小さな印字スペースしか確保できない場合にコード全体を印字できなくなるといった問題が生じうる。さらに、データ量が多すぎると、二次元コード内に格納しきれない場合なども生じ得る。また、二次元コードは、様々な読み取り装置で読取可能な形式のものが多く、このような汎用形式のものは、例えば特定の使用者のみに読み取らせたい場合(特定の使用者以外には知らせたくない場合等)に不向きである。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、情報コード内に実質的に大容量のデータを格納することができ、特定の使用者が情報コード内の情報を利用し得る読取システム、光学的情報読取装置、情報コードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る読取システムは、情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置と、前記光学的情報読取装置と通信を行う通信手段と、前記テーブル記憶手段での前記テーブルの追加又は更新に利用可能な蓄積データが記憶されたデータ蓄積手段とを備えた管理装置と、を有している。
また、前記情報コードは、当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、前記使用テーブル識別情報で特定される前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、を備えている。
更に、前記情報コード読取手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、前記テーブル記憶手段の記憶内容を、前記管理装置の前記蓄積データに基づいて更新するテーブル更新手段と、を有している。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の読取システムにおいて、前記情報コードが、前記使用テーブル識別情報として前記使用テーブル番号とバージョン番号とを含んでおり、前記該当テーブル確認手段は、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルにおいて、前記情報コードに含まれる前記使用テーブル番号及び前記バージョン番号のいずれにも対応する前記テーブルを前記該当テーブルとして確認することを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の読取システムにおいて、前記テーブル記憶手段に、いずれかの前記テーブル番号について複数の前記バージョン番号の各テーブルが記憶可能とされていることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段が、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認されない場合に、前記管理装置に蓄積された前記蓄積データから前記該当テーブルについての更新用データをダウンロードすることを特徴としている。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の読取システムにおいて、前記光学的情報読取装置が、前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段と、前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行う第1モードと、前記管理装置に記録された前記該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段と、を備えており、前記テーブル更新手段が、前記モード選択手段によって前記第1モードが選択された場合に前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行い、前記参照手段が、前記モード選択手段によって前記第2モードが選択された場合に前記管理装置に記録される前記該当テーブルを参照することを特徴としている。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の読取システムにおいて、前記モード切替手段が、ユーザによる選択操作に基づいて前記第1モードと前記第2モードとを切り替えることを特徴としている。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5に記載の読取システムにおいて、前記モード切替手段が、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて当該テーブル記憶手段に前記更新用データが記憶可能か否かを判断し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能な場合には前記第1モードを選択し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶不能な場合には前記第2モードを選択することを特徴としている。
【0013】
請求項8の発明は、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記管理装置の前記データ蓄積手段には、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、前記テーブル更新手段が、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データと前記他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードすることを特徴としている。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段は、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データを先にダウンロードし、前記情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、前記他のテーブルのデータをダウンロードすることを特徴としている。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記情報コード読取手段が、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記情報コードの読み取りを中止する中止手段を備えていることを特徴としている。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1から請求項3に記載の読取システムにおいて、前記光学的情報読取装置が、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
請求項12の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、更に、所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスすると共に、前記データ蓄積手段に記憶される前記蓄積データの中に、前記テーブル記憶手段に記憶された前記テーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認する新規データ確認手段が設けられており、前記テーブル更新手段が、前記新規データ確認手段によって前記新規データが確認された場合に、前記管理装置から前記新規データに基づく更新用データをダウンロードして前記テーブル記憶手段の記憶内容を更新することを特徴としている。
【0018】
請求項13の発明は、請求項12に記載の読取システムにおいて、前記管理装置の前記データ蓄積手段に、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、前記テーブル更新手段は、前記所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスしたときに前記データ蓄積手段において前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合、前記他のテーブルのデータをダウンロードしている。
【0019】
請求項14の発明は、請求項4から請求項13のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段が、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除することを特徴としている。
【0020】
請求項15の発明は、請求項14に記載の読取システムにおいて、前記光学的情報読取装置が、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段を備え、前記テーブル更新手段が、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古い前記テーブルを前記優先削除テーブルとして選択することを特徴としている。
【0021】
請求項16の発明は、請求項14又は請求項15に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段が、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段を備え、前記記憶可否判断手段によって前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶できないと判断された場合に、前記優先削除テーブルを選択して削除することを特徴としている。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル記憶手段に記憶された内容と、前記データ蓄積手段に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段を備え、前記テーブル更新手段は、前記差分情報検出手段によって検出された前記差分情報を前記更新用データとしてダウンロードすることを特徴としている。
【0023】
請求項18の発明は、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルが、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データの少なくともいずれかに属するデータが集合した構成をなしている。そして、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変える並び替え手段が設けられている。
【0024】
請求項19の発明は、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、更に、前記情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する使用頻度算出手段と、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、前記使用頻度算出手段によって算出される前記各情報の前記使用頻度に基づいて並び変える並び替え手段とが設けられていることを特徴としている。
【0025】
請求項20の発明は、情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段と、を備えた光学的情報読取装置であって、読取対象となる前記情報コードにおいて、当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、が設けられている。
更に、前記情報コード読取手段が、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、前記テーブル記憶手段の記憶内容を、外部からの情報に基づいて更新するテーブル更新手段と、を有することを特徴としている。
【0026】
請求項21の発明は、撮像手段と、情報コード読取手段と、読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置によって読み取られる情報コードであって、当該情報コードの読取モードがテーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、を備えており、前記光学的情報読取装置の前記テーブル記憶手段に前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルが存在する場合に、前記個別データ番号に換えて、前記該当テーブルにおける前記個別データ番号に対応した前記個別データが使用されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に係る読取システムでは、情報コード内に、当該情報コードの読取モードがテーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、使用テーブル識別情報で特定される使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号とが含まれている。このようにすることで、情報コード内の情報に基づいて当該情報コードの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを判断できると共に、当該情報コードの読取に用いる使用テーブル、及び当該使用テーブル内の個別データを特定できるようになる。
一方、光学的情報読取装置側では、読取モード確認手段により、撮像された情報コードの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認でき、読み取った情報コードにおいてテーブル使用モードが確認された場合には、該当テーブル確認手段により、テーブル記憶手段内に該当テーブル(使用テーブル識別情報に対応するテーブル)が存在するか否かを迅速に確認できる。そして、テーブル記憶手段内に該当テーブルが確認された場合には、個別データ検索手段により、当該該当テーブルの中から情報コードで指定された個別データ(即ち、個別データ番号に対応する個別データ)を検索し、データ生成手段により、情報コードの個別データ番号を当該個別データに変換したデータを生成することができる。このように、情報コード内の一部データ(個別データ番号)を、光学的情報読取装置に記憶されたデータに変換して解読するシステム構成とすることで、情報コード内に全てのデータを格納しておく必要がなくなり、情報コードをよりコンパクトに構成しつつ大容量のデータを解読し得るシステムを構築できる。また、該当テーブルを有さない光学的情報読取装置では情報コードの解読ができなくなるため、特定の使用者のみが情報コード内の情報を利用できるシステムを構築できる。更に、テーブル更新手段により、テーブル記憶手段の記憶内容を管理装置の蓄積データに基づいて更新することができるため、必要なテーブルを管理装置から光学的情報読取装置内にダウンロードしてテーブル記憶手段を使用者に適した適切な記憶内容にしやすくなる。
【0028】
請求項2の発明は、情報コードが、使用テーブル識別情報として使用テーブル番号とバージョン番号とを含んでおり、該当テーブル確認手段は、テーブル記憶手段に記憶される1又は複数のテーブルにおいて、情報コードに含まれる使用テーブル番号及びバージョン番号のいずれにも対応するテーブルを該当テーブルとして確認している。このようにすると、バージョンが対応していないテーブルは該当テーブルとして使用されなくなり、適切なバージョン管理が可能となる。
【0029】
請求項3の発明では、テーブル記憶手段に、いずれかのテーブル番号について複数のバージョン番号の各テーブルが記憶可能とされている。このようにすると、いずれかのテーブル番号のテーブルに関して、バージョンが変更された過渡期にも対応できるようになる。例えば、あるテーブル番号のテーブルに関し、バージョン変更前の旧バージョンのテーブルと、バージョン変更後の新バージョンのテーブルとがテーブル記憶手段に記憶されていれば、バージョン変更前後に過渡期に旧バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても、新バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても解読できるようになる。
【0030】
請求項4の発明では、テーブル更新手段が、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認されない場合に、管理装置に蓄積された蓄積データから該当テーブルについての更新用データをダウンロードしている。このようにすると、光学的情報読取装置内のテーブル記憶手段を利用してデータ処理の迅速化を実現しつつ、該当テーブルが確認されない場合には管理装置の蓄積データから更新用データをダウンロードして補充することができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0031】
請求項5の発明では、光学的情報読取装置が、管理装置に記録された該当テーブルを参照する参照手段を備えると共に、管理装置から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行う第1モードと、管理装置に記録された該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段を備えている。そして、モード選択手段によって第1モードが選択された場合には、テーブル更新手段が管理装置から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行い、モード選択手段によって第2モードが選択された場合には、参照手段が管理装置に記録される該当テーブルを参照している。このようにすると、管理装置から更新用データをダウンロードするモードと、管理装置にテーブルを参照するモードとを使い分けることができ、テーブルを利用する上での自由度が高まる。
【0032】
請求項6の発明では、モード切替手段が、ユーザによる選択操作に基づいて第1モードと第2モードとを切り替えている。このようにすると、ユーザが第1モードと第2モードとを任意に使い分けることができるようになる。
【0033】
請求項7の発明は、モード切替手段が、管理装置から更新用データをダウンロードする際に、テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて当該テーブル記憶手段に更新用データが記憶可能か否かを判断し、更新用データがテーブル記憶手段に記憶可能な場合には第1モードを選択し、更新用データがテーブル記憶手段に記憶不能な場合には第2モードを選択している。このようにすると、テーブル記憶手段に更新用データを記憶できる場合には、テーブル記憶手段に更新用データをダウンロードしてテーブル記憶手段の内容を更新することができ、テーブル記憶手段をより適切な状態とすると共に、当該テーブル記憶手段に記憶されたテーブルに基づいてより迅速に読取処理を行いやすくなる。一方、テーブル記憶手段に更新用データを記憶できない場合には、次善の策として管理装置のテーブルデータを参照して用いることができ、テーブル記憶手段にテーブルが存在しないことに起因数する読み取りの失敗を低減することができる。
【0034】
請求項8の発明は、管理装置のデータ蓄積手段には、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されており、データ蓄積手段に該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、テーブル更新手段が、該当テーブルの更新用データと他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードしている。このようにすると、情報コードで指定されたテーブル(該当テーブル)の属するグループの他のテーブルがデータ蓄積手段に存在する場合にこれをダウンロードすることができるため、使用可能性のある同一グループの他のテーブルを予めダウンロードしておき、後の読み取りに備えておくことができる。そして、後の読み取りで他のテーブルが指定されたときにはダウンロード処理が不要となるため、当該他のテーブルを迅速に利用し、当該他のテーブルを指定する情報コードを迅速かつ良好に解読できるようになる。
【0035】
請求項9の発明では、データ蓄積手段に該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、テーブル更新手段は、該当テーブルの更新用データを先にダウンロードし、情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、情報コードの解読については先にダウンロードした該当テーブルを用いて迅速に終了することができ、他のテーブルのデータについては、その情報コードの解読後にダウンロードして後の読み取りに備えるこことができる。
【0036】
請求項10の発明では、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合に情報コードの読み取りを中止する中止手段を備えている。このようにすると、テーブル記憶手段に該当テーブルが存在しない場合に迅速に処理を終わらせることができる。
【0037】
請求項11の発明は、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合に管理装置に記録された該当テーブルを参照する参照手段が設けられている。このようにすると、テーブル記憶手段に該当テーブルが存在しない場合に、管理装置に記録された該当テーブルを参照して用いることができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0038】
請求項12の発明は、所定のアクセス条件に従って管理装置にアクセスすると共に、データ蓄積手段に記憶される蓄積データの中に、テーブル記憶手段に記憶されたテーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認する新規データ確認手段が設けられており、テーブル更新手段は、新規データ確認手段によって新規データが確認された場合に、管理装置から新規データに基づく更新用データをダウンロードしてテーブル記憶手段の記憶内容を更新している。このようにすると、データ蓄積手段の蓄積データを所定時期に確認することができ、このデータ蓄積手段内にテーブル記憶手段のテーブルがアップデートされた新規データが存在する場合には、それに合わせてテーブル記憶手段の記憶内容も最新の状態にすることができる。
【0039】
請求項13の発明は、管理装置のデータ蓄積手段に、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されており、データ蓄積手段においてテーブル記憶手段に記憶されるテーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合に、テーブル更新手段は、当該他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、テーブル記憶手段のテーブルの内容を最新の状態に維持し易い環境を実現しつつ、テーブル記憶手段内のテーブルと関連性の高いテーブルを適切に増やすことができる。
【0040】
請求項14の発明は、管理装置から更新用データをダウンロードする場合に、テーブル記憶手段に記憶される1又は複数のテーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データのダウンロードによって必要なデータを補充しつつ、テーブル記憶手段に記憶される情報量の増大を適切に抑えることができる。
【0041】
請求項15の発明は、光学的情報読取装置において、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段が設けられており、テーブル更新手段は、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択している。このようにすると、使用される可能性に低いテーブルを優先的に削除し新しいテーブルの記憶領域を確保することができる。
【0042】
請求項16の発明は、管理装置から更新用データをダウンロードする際に、テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて更新用データがテーブル記憶手段に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段を備え、記憶可否判断手段によって更新用データがテーブル記憶手段に記憶できないと判断された場合に、優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データをダウンロードするタイミングでテーブル記憶手段の内容を適切に整理することができ、且つ更新用データが記憶できなくなる事態を回避することができる。
【0043】
請求項17の発明は、テーブル記憶手段に記憶された内容と、データ蓄積手段に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段を備え、テーブル更新手段は、差分情報検出手段によって検出された差分情報を更新用データとしてダウンロードしている。このようにすると、更新用データのダウンロード量を効果的に抑えることができ、更新処理時間の短縮化を図ることができる。
【0044】
請求項18の発明は、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルが、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データの少なくともいずれかに属するデータが集合した構成をなしている。そして、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルの各データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変える並び替え手段が設けられている。このようにすると、並び替えられた順序に基づいてテーブルの各データを検索し易くなる。
【0045】
請求項19の発明は、更に、情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する使用頻度算出手段と、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルの各データを、使用頻度算出手段によって算出される各情報の使用頻度に基づいて並び変える並び替え手段とが設けられている。このようにすると、テーブルの各データを使用頻度順に検索できるようになり、必要なデータが迅速に検索されやすくなる。
【0046】
請求項20の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する光学的情報読取装置を実現できる。
【0047】
請求項21の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する情報コードを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る読取システムを概略的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の読取システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図3は、図1の読取システムで用いられる光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】図4(A)は、図1の読取システム1で用いられる情報コードの構成を概念的に説明する説明図であり、図4(B)は、図4(A)の情報コード内における一部のコードブロックのセル構成を概念的に例示する説明図である。
【図5】図5は、第1実施形態で用いる情報コードのデータ構成を概念的に例示する説明図である。
【図6】図6(A)は、モード指示子と読取モードとの対応を示す説明図であり、図6(B)は、型番とモードに応じた文字数指示子の設定例を示す説明図である。
【図7】図7(A)は、テーブルのデータ構成を概念的に説明する説明図であり、図7(B)は、テーブルのデータ構成の別例を示す説明図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。
【図9】図9は、図8のS10の処理で行われるデータ変換方法を概念的に説明する説明図である。
【図10】図10は、第2実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。
【図11】図11は、第3実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。
【図12】図12は、第4実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。
【図13】図13は、第5実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[第1実施形態]
以下、本発明の読取システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1を参照して本実施形態に係る読取システム1の全体構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る読取システムを概略的に説明する説明図である。図2は、図1の読取システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。図3は、図1の読取システムで用いられる光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、本実施形態に係る読取システム1(以下、単にシステム1とも称する)は、情報コードC(例えば、QRコード(商標名)、データマトリックスコード、マキシコードなどの二次元コードやバーコードなどの一次元コード)を読み取るシステムとして構成されており、図2に示すように、光学的情報読取装置10と、管理装置50と、サーバ60とを備えている。
【0051】
光学的情報読取装置10は、例えば図3のような構成をなしており、一次元コードや二次元コードを読み取り可能なコードリーダとして機能している。この光学的情報読取装置10は、図3に示すように、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系などから構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。
【0052】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDと、このLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、例えば受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、図示しないケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、図3では、読取対象物Rに情報コードCが、印刷、ダイレクトマーキング、表示装置による表示、などによって形成された例を示している。
【0053】
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードCに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光し得るように、図略のプリント配線板に実装されている。また、フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタとして構成され、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コードCのコード画像を結像するように構成されている。
【0054】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0055】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0056】
メモリ35は、複数の半導体メモリ装置からなるものであり、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ等)などによって構成されている。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0057】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態では、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48は、コンピュータ50等の外部装置と通信するためのインターフェースであり、外部装置と有線通信を行う有線通信部、或いは無線通信を行う無線通信部、若しくはこれら両方を備えた構成をなしている。
【0058】
コンピュータ50は、例えば公知のパーソナルコンピュータ等として構成されており、図1に示すように、CPU51と、記憶部52と、通信部53とを有している。CPU51は、コンピュータ50の全体的な制御や、光学的情報読取装置10からのデータに対する各種情報処理等を行うものである。また、記憶部52は、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどの記憶手段によって構成されており、少なくとも、光学的情報読取装置10から取得したデータやサーバ60から取得したデータを一時的に記憶し得る構成をなしている。また、通信部53は、光学的情報読取装置10やサーバ60と通信を行う際のインタフェースとして構成されており、LAN通信部(例えば有線LAN通信部又は無線LAN通信部若しくはこれら両方)、その他の通信部(RS232C規格などによるシリアル通信部等)などを備えている。本実施形態では、光学的情報読取装置10とコンピュータ50との間で、例えば、シリアル通信やLAN通信が可能となっており、コンピュータ50とサーバ60とは、例えばインターネット等の通信網を介して接続されている。なお、通信部53は、「通信手段」の一例に相当し、光学的情報読取装置10と通信を行うように機能する。
【0059】
サーバ60も、公知のパーソナルコンピュータ等として構成されており、図1に示すように、CPU61と、記憶部62と、通信部63とを有している。CPU61は、サーバ60の全体的な制御や、コンピュータ50から取得したデータに対する各種演算処理などを行うものである。また、記憶部62は、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどの記憶手段によって構成されている。また、通信部63は、コンピュータ50と通信を行う際のインタフェースとして構成されており、上述のようにインターネット等の通信網を介してコンピュータ50と通信を行うように構成されている。本実施形態では、サーバ60から管理装置50内に各種データがダウンロードできるようになっており、例えば、記憶部52(データ蓄積手段)内に蓄積すべきデータをサーバ60から取得できるようになっている。
【0060】
(情報コードの構成)
次に、上記システム1によって読み取られる情報コードについて説明する。
図4(A)は、図1の読取システム1で用いられる情報コードの構成を概念的に説明する説明図であり、図4(B)は、図4(A)の情報コード内における一部のコードブロックのセル構成を概念的に例示する説明図である。図5は、第1実施形態で用いる情報コードのデータ構成を概念的に例示する説明図である。図6(A)は、モード指示子と読取モードとの対応を示す説明図であり、図6(B)は、型番とモードに応じた文字数指示子の設定例を示す説明図である。 図7(A)は、テーブルのデータ構成を概念的に説明する説明図であり、図7(B)は、テーブルのデータ構成の別例を示す説明図である。
【0061】
システム1によって読み取られる情報コードC(図1、図3)は、例えば、図4(A)のように、複数の情報表示単位セルC1(以下、単にセルとも称する)が集合したセル集合体として構成され、矩形形態をなしている。この図4(A)の代表例では、情報コードCがQRコード(商標名)の規格に従って構成されており、QRコード(登録商標)の位置検出パターンと同様の構成、機能を有する位置検出パターンFP1、FP2,FP3が、コード領域の3つの角部にそれぞれ配置され、矩形状のセルC1がM行N列(具体的には21行21列)に配列されたマトリックス状となっている。
【0062】
また、情報コードCには、データを記録するデータ記録領域AR1と、形式情報を記録する形式情報記録領域AR2、AR3とが設けられている。データ記録領域AR1は、符号化したデータを複数のセルC1によって表現する領域であり、本実施形態で用いる情報コードCでは、後述するフォーマット(図5)で構成されたデータがデータ記録領域AR1に記録されている。データ記録領域AR1は、例えば、図4(B)のように8つのセルによってブロックが構成されており、暗色セルが「1」、明色セルが「0」を表わしている。なお、図4(A)では、データ記録領域AR1を一点鎖線にて概念的に示しており、形式情報記録領域AR2、AR3についてはハッチングを付して概念的に示している。これらデータ記録領域AR1や形式情報記録領域AR2、AR3の各セルは実際には図4(B)で示されるような明色セルや暗色セルが用いられるが、図4(A)では、各セルの具体的構成については省略している。
【0063】
データ記録領域AR1に記録されるデータは、図5のように構成されている。図5の例では、データ領域の先頭側にモード指示子が設けられ、モード指示子の後に、テーブル番号データ、テーブルバージョン番号データ、文字数指示子が続いて配されている。更に、文字数指示子に続いて個別データ番号が配されており、その後にターミネータが設けられている。
【0064】
モード指示子は、「モード識別情報」の一例に相当するものであり、当該モード指示子を含む情報コードCの読取モードがテーブルを使用するモード(テーブル使用モード)であるか否かを識別可能な情報として構成されている。本実施形態では、例えば図6(A)のように予め各モードに対応する指示子が規定されており、モード指示子が「0110」というデータであればテーブルを使用するモードであることが特定できるようになっている。
【0065】
テーブル番号データは、「使用テーブル識別情報」の一例に相当するものであり、情報コードCの読み取りに用いる使用テーブルの番号(使用テーブル番号)を含んでいる。また、テーブルバージョン番号データも「使用テーブル識別情報」の一例に相当しており、テーブル番号データで指定される使用テーブルのバージョンを指定するデータとして構成されている。このように、本実施形態では、テーブル番号データとテーブルバージョン番号データとによって、使用テーブルとそのバージョンが特定されるようになっている。
【0066】
また、文字数指示子は、その後に続くデータの文字数を指示するものであり、例えば、図6(B)のように、情報コードの型番(図4の例ではQRコードの型番)とモード(モード指示子によって指定されるモード)との組み合わせに応じてデータが定まるようになっている。なお、型番データは、例えば、図4(A)における形式情報記録領域AR2、AR3に記録されるようになっている。
【0067】
個別データ番号は、テーブル番号データ(使用テーブル識別情報)で特定された使用テーブルにおいて個別データを指定するものであり、図5の例では、情報コードCに複数の個別データ番号が記録され、複数の個別データが指定されている。例えば、図7(A)では、タイ語の音節のテーブルを示しており、各個別データ番号に音節が対応付けられている。テーブル番号データで特定される使用テーブルがこのようなテーブルの場合、図5に含まれる各個別データ番号では、図7(A)のように各個別データ番号に対応付けられたタイ語の各音節が特定されることとなる。また、図7(B)の例では、単語のテーブルを示しており、テーブル番号データ特定される使用テーブルがこのようなテーブルの場合には、図5に含まれる各個別データ番号では、各個別データ番号に対応付けられた各単語が特定されることとなる。
【0068】
このように構成される情報コードCは、撮像手段、情報コード読取手段、テーブル記憶手段(後述)を備えた上述の光学的情報読取装置10によって読み取りが可能とされており、当該光学的情報読取装置10のテーブル記憶手段内に上記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルが存在する場合に、個別データ番号に換えて、該当テーブルにおける個別データ番号に対応した個別データが使用されるようになっている。このような情報コードCの具体的読取方法は後述する。
【0069】
(読取処理)
次に、読取システム1で行われる読取処理について図8等を参照しつつ説明する。なお、図8は、第1実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。図8に示す読み取り処理は、例えば光学的情報読取装置10の制御回路40によって実行されるものであり、光学的情報読取装置10において所定の開始条件が成立したとき(例えば、操作スイッチ42に対する所定操作がなされたとき)に開示される。
【0070】
図1に示す読取処理では、まず、情報コードCの撮像・解析処理を行う(S1)。このS1の処理では、情報コードCを撮像して当該情報コードCの画像データを取得し、この画像データに基づいて情報コードCに記録される各データ(形式情報記録領域AR2、AR3に記録されるデータやデータ記録領域AR1に記録されるデータコードブロックなど)の値を公知の方法で取得し、例えば図5のようなフォーマットのデータを取得する。なお、本実施形態では、受光センサ23が「撮像手段」の一例に相当する。また、図8の読取処理を実行する制御回路40が「情報コード読取手段」の一例に相当し、撮像手段によって撮像された情報コードCを読み取るように機能する。
【0071】
S1の後には、情報コードCに含まれるモード指示子(図5)を参照し、当該モード指示子によってテーブル使用モードが指示されているか否かを判断する(S2)。情報コードCのモード指示子がテーブル使用モードを指示していない場合にはS2にてNoに進み、解読データ生成・出力処理を行う(S10)。なお、S2にてNoに進む場合、S10では公知の情報コード(例えば、QRコード等)で行われる通常のデコード処理(テーブルを用いないデコード処理)がなされる。一方、情報コードCに記録されるモード指示子がテーブル使用モードを指示している場合には、S2にてYesに進む。
なお、本実施形態では、S2の処理を実行する制御回路40が「読取モード確認手段」の一例に相当し、撮像手段によって撮像された情報コードCに含まれるモード指示子(モード識別情報)に基づき、その撮像された情報コードCの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認するように機能する。
【0072】
S2でYesに進む場合、情報コードCに記録されたテーブル番号データ(図5)で指示されているテーブルがメモリ35に存在するか否かを判断する(S3)。情報コードCのテーブル番号データで指定されるテーブル(即ち、テーブル番号データとテーブル番号が同じテーブル)が、メモリ35に記憶されていない場合には、S3にてNoに進み、S9のダウンロード処理を行う。なお、S9の処理については後述する。
【0073】
一方、情報コードCのテーブル番号データで指定されるテーブルがメモリ35に記憶されている場合には、S3にてYesに進み、メモリ35に記録される当該テーブル(即ち、情報コードCのテーブル番号データと同じテーブル番号のテーブル)のテーブルバージョン番号が、情報コードCに記録されたテーブルバージョン番号データ(図5)と異なるか否かを判断する(S4)。そして、メモリ35に記録される当該テーブルのテーブルバージョン番号が、情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一の場合にはS4にてNoに進む。例えば、図1のように、情報コードCのテーブル番号データが「B3」であり、テーブルバージョン番号データがVer.「3.0」の場合、図1の光学的情報読取装置10のようにメモリ35内にテーブル番号が「B3」でVer.「3.0」のテーブルが記録されている場合には、S3にてYesに進むと共にS4にてNoに進むこととなる。一方、メモリ35に情報コードCで指定されるテーブル番号と同じテーブル番号のテーブルが記録されているものの当該テーブルのテーブルバージョン番号が情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一ではない場合、S4にてYesに進む。
【0074】
本実施形態では、S3の処理を実行する制御回路40が、「該当テーブル確認手段」の一例に相当し、読取モード確認手段によってテーブル使用モードが確認された場合に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルのいずれかが、使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認するように機能する(具体的には、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルにおいて、情報コードCに含まれる使用テーブル番号及びバージョン番号のいずれにも対応するテーブルを該当テーブルとして確認するように機能する)。
【0075】
S4にてNoに進む場合、解読データを生成・出力する処理を行う(S10)。本実施形態では、光学的情報読取装置10のメモリ35が「テーブル記憶手段」の一例に相当しており、例えば、上述した図7(A)(B)のようなテーブルデータが格納されている。メモリ35に記憶されるテーブルは、各データ(個別データ)に個別データ番号が対応付けられており、個別データ番号を特定することで、対応する個別データを検索できるようになっている。例えば、図7(B)のテーブルでは、個別データ番号を「1」と特定することで、「青森県」という単語データが取得できるようになっている。このようなテーブルがメモリ35に記憶されていることを前提とし、S4でNoに進んでS10の処理を行う場合には、メモリ35に記録される該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データと同一のテーブル番号であって、当該情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一のテーブルバージョン番号のテーブル)において、情報コードCに記録された個別データ番号(図5)を検索し、前記該当テーブルから個別データ番号に対応する個別データを読み出す。そして、図9のように、情報コードCに記録された各個別データ番号を対応する各個別データに変換した変換データを生成し、これを解読データとして液晶表示器46や外部装置などに出力する。
【0076】
なお、メモリ35に格納するテーブルの構成は、図7のような構成に限られず、様々なテーブル構成を採用することができる。各テーブルの要素となる個別データも、様々なデータが挙げられ、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データのいずれか1種又は複数種類のデータによって個別データを構成することができる。例えば、個別データを文字データとして構成する場合、1又は複数の文字によって構成することができ、その内容も、単語、熟語、一文、複数文など様々な内容とすることができる。また、個別データを記号データや図形データとして構成する場合も同様であり、1又は複数の記号、或いは1又は複数の図形によって個別データを構成することができる。また、個別データを画像データとして構成する場合、1又は複数の画像によって個別データを構成することができ、画像の種類としても静止画、動画、これらの混合画像などによって個別データを構成することができる。いずれの種類の個別データを用いる場合でも、各個別データに個別データ番号が割り当てられ、S10の処理では、情報コードCで指定された個別データ番号が図9のように変換されて出力されることとなる。
【0077】
なお、本実施形態では、S10の処理を実行する制御回路40が、「個別データ検索手段」の一例に相当し、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから個別データ番号に対応する個別データを検索するように機能する。また、S10の処理を実行する制御回路40は、「データ生成手段」の一例にも相当し、情報コードCの個別データ番号を、検索手段によって検索された個別データに変換したデータを生成するように機能する。
【0078】
次に、該当テーブルが存在しない場合について説明する。
まず、図8のS3でNoに進む場合について説明する。S1で読み取った情報コードCのテーブル番号データと同一のテーブル番号のテーブル(指定テーブル)がメモリ35に存在しない場合、S3にてNoに進み、その指定テーブルについての指定バージョン番号(情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一のバージョン番号)のテーブルを管理装置50(図1等)からダウンロードする(S9)。
【0079】
本実施形態では、図2に示す管理装置50の記憶部52が「データ蓄積手段」の一例に相当しており、例えば、図1のようなデータベース(複数のテーブルを格納したデータベース)を備え、光学的情報読取装置10のメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されたテーブルの追加又は更新に利用可能な蓄積データが記憶されている。S9の処理では、管理装置50にアクセスすると共に、S1で読み取った情報コードCで指定されたテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブルのダウンロードを要求する。一方、管理装置50側では、CPU51(図2)の制御により、光学的情報読取装置10からのアクセスを監視しており、光学的情報読取装置10から該当テーブル(情報コードCで指定されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブル)のダウンロード要求があった場合には、その要求される該当テーブルを記憶部52から読み出し、光学的情報読取装置10に対して送信する。そして、光学的情報読取装置10は、このように管理装置50から送信される該当テーブルのデータを受信し、メモリ35に記憶する。
【0080】
なお、本実施形態では、メモリ35内において、いずれかのテーブル番号について複数のバージョン番号の各テーブルが記憶可能とされており、例えば、情報コードCで指定されるテーブル番号についての古いテーブルバージョン番号のデータがメモリ35に記憶されている場合には、この古いデータをメモリ35に残したまま、ダウンロードされた新しいデータ(即ち、情報コードCで指定されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブルデータ)をメモリ35に蓄積することができる。また、このようにせず、メモリ35に記憶されるテーブルと同一テーブル番号についての新しいバージョンのデータをダウンロードする場合に、メモリ35に記憶されていた当該テーブル番号の古いバージョンのテーブルデータを消去するようにしてもよい。
【0081】
なお、本実施形態では、S7及びS9の処理を実行可能な制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、メモリ35(テーブル記憶手段)の記憶内容を、管理装置50の蓄積データに基づいて更新するように機能し、具体的には、該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認されない場合に、管理装置50に蓄積された蓄積データから該当テーブルについての更新用データをダウンロードするように機能する。
【0082】
S9でテーブルデータをダウンロードした後には、そのダウンロードしたテーブルに基づいて解読データの生成・出力を行う(S10)。なお、S9の後にS10の処理を行う場合、情報コードCで指定される該当テーブル(情報コードCで指定されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブル)のデータがメモリ35に記憶されているため、S4にてNoに進む場合のS10の処理(上述)と同様の方法でS10の処理を行う。
【0083】
次に、S4にてYesに進む場合について説明する。S1で読み取った情報コードCのテーブル番号データ(図5)と同一のテーブル番号のテーブルがメモリ35に存在するものの、そのメモリ35に存在する当該テーブル番号のテーブルのテーブルバージョン番号が情報コードCのテーブルバージョン番号データ(図5)と異なる場合、S4にてYesに進み、メジャー更新を行うか否かを判断する。本実施形態では、当該システム1で扱われるテーブルバージョン番号の中にメジャー更新か否かの識別に用いる識別情報が含まれており、S4にてテーブルバージョン番号が異なると判断された場合にはこの識別情報に基づいてメジャー更新を行うか否かを判断している。例えば、テーブルバージョン番号は「1.1」「2.1」「3.2」といったように、少数点形式で示されるようになっており、情報コードCに記録されたテーブルバージョン番号データ(図5)の整数部分と、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが異なる場合にメジャー更新と判断している。例えば情報コードCのテーブルバージョン番号データがver.3.2となっており、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号がver.2.2の場合にはメジャー更新と判断する。一方、情報コードCに記録されるテーブルバージョン番号データの整数部分と、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが同じで、これらテーブルバージョン番号の小数部分が異なる場合にマイナー更新と判断している。例えば情報コードCのテーブルバージョン番号データがver.3.2となっており、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号がver.3.3の場合にはマイナー更新と判断する。
【0084】
S5でメジャー更新と判断される場合にはS5にてYesに進み、上述したS9のダウンロード処理を行う。即ち、メジャー更新の場合には、情報コードCで指定された該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)のテーブル全体をダウンロードしている。なお、S9の後に行われるS10の処理は上述と同様である。
【0085】
一方、S5でメジャー更新ではないと判断される場合、S5にてNoに進み、更新データを一括してダウンロードするか否かの判断処理を行う(S6)。この判断処理の方法は様々であり、例えば、ユーザによる所定の初期設定に基づいて判断する方法を用いる場合、ユーザが初期設定においてマイナー更新のダウンロードを一括で行うことを指定している場合にはS6にてYesに進み、そうでない場合にはS6にてNoに進むこととなる。他の方法として、S6の処理前に、一括ダウンロードするか否かの判断を促す表示を行い、当該表示に応じて一括ダウンロードが指示された場合にS6にてYesに進み、そうでない場合にはNoに進むようにしてもよい。いずれにせよ、S6にてYesに進む場合には、上述したS9のダウンロード処理を行う。即ち、マイナー更新の場合であっても、一括ダウンロードが指示される場合には、情報コードCで指定された該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)のテーブル全体をダウンロードする。
【0086】
一方、S6にてNoに進む場合(即ち、一括ダウンロードが指示されなかった場合)、記憶部52に記憶されている該当テーブル(即ち、情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)と、メモリ35に記録されている異なるテーブルバージョン番号のテーブル(即ち、前記該当テーブルとテーブル番号が同一であってテーブルバージョン番号が異なるテーブル)の差分データをダウンロードする処理を行う。
【0087】
この処理では、まず、光学的情報読取装置10が管理装置50にアクセスし、管理装置50に対して情報コードCで指定されたテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データを送信すると共に、メモリ35に記憶されている当該テーブル番号のテーブルのバージョン番号(旧バージョン番号)を送信する。一方、管理装置50では、情報コードCで指定されたテーブル番号について、新バージョン番号(情報コードCで指定されたテーブルバージョン番号)のテーブルと旧バージョン番号のテーブルとの差分データを検出し、この差分データのみを記憶部52から読み出すと共に光学的情報読取装置10に送信する。一方、光学的情報読取装置10では、管理装置50から送信される当該差分データを受信し(S7)、メモリ35に記憶される当該テーブル番号についての旧バージョン番号のテーブルを更新する。この場合、管理装置50のCPU51が「差分情報検出手段」の一例に相当し、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶された内容と、記憶部52(データ蓄積手段)に記憶された内容との差分情報を検出するように機能しており、上述のテーブル更新手段が、この差分情報検出手段によって検出された差分情報を更新用データとしてダウンロードすることとなる。
【0088】
なお、差分情報の検出は、光学的情報読取装置10側で行ってもよい。例えば、S7の処理において制御回路40が、情報コードCで指定されたテーブル番号について、新バージョン番号(情報コードCで指定されたテーブルバージョン番号)のテーブルと旧バージョン番号のテーブルとの差分データを検出し、管理装置50に対してこの差分データを特定する情報(例えば、個別データ番号)を送信して差分データを要求するようにしてもよい。この場合、管理装置50ではその差分データを特定する情報に基づいて差分データを読み出し、これを光学的情報読取装置10に送信することとなる。この場合、制御回路40が「差分情報検出手段」の一例に相当することとなる。
【0089】
なお、差分データは、旧バージョン番号のテーブルの一部の個別データを変更するデータであってもよく、旧バージョン番号のテーブルに存在しない個別データを個別データ番号とともに追加するデータであってもよい。S8の処理により、該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)がメモリ35に記憶されることとなるため、S8の後に行われるS10の処理は上述と同様に行われる。
【0090】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る読取システム1では、情報コードCの内部に、当該情報コードCの読取モードがテーブルを使用するモード(テーブル使用モード)であるか否かを識別可能なモード指示子(モード識別情報)と、少なくとも当該情報コードCの読み取りに用いる使用テーブルの番号(使用テーブル番号)を含んだ使用テーブル識別情報と、使用テーブル識別情報で特定される使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号とが含まれている。このようにすることで、情報コードCに記録された情報に基づいて当該情報コードCの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを判断できると共に、当該情報コードCの読取に用いる使用テーブル、及び当該使用テーブル内の個別データを特定できるようになる。
一方、光学的情報読取装置10側では、読取モード確認手段により、撮像された情報コードCの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認でき、読み取った情報コードCにおいてテーブル使用モードが確認された場合には、該当テーブル確認手段により、メモリ35(テーブル記憶手段)内に該当テーブル(使用テーブル識別情報に対応するテーブル)が存在するか否かを迅速に確認できる。そして、メモリ35(テーブル記憶手段)内に該当テーブルが確認された場合には、個別データ検索手段により、当該該当テーブルの中から情報コードCで指定された個別データ(即ち、個別データ番号に対応する個別データ)を検索し、データ生成手段により、情報コードの個別データ番号を当該個別データに変換したデータを生成することができる。このように、情報コードCに記録された一部データ(個別データ番号)を、光学的情報読取装置10に記憶されたデータに変換して解読するシステム構成とすることで、情報コードCに全てのデータを格納しておく必要がなくなり、情報コードCをよりコンパクトに構成しつつ大容量のデータを解読し得るシステムを構築できる。また、該当テーブルを有さない光学的情報読取装置では情報コードCの解読ができなくなるため、特定の使用者のみが情報コードCに記録された情報を利用できるシステムを構築できる。更に、テーブル更新手段により、メモリ35(テーブル記憶手段)の記憶内容を管理装置50の蓄積データに基づいて更新することができるため、必要なテーブルを管理装置50から光学的情報読取装置10内にダウンロードしてメモリ35(テーブル記憶手段)を使用者に適した適切な記憶内容にしやすくなる。
【0091】
更に、情報コードCは、「使用テーブル識別情報」として「使用テーブル番号」と「バージョン番号」とを含んでおり、該当テーブル確認手段は、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルにおいて、情報コードCに含まれる使用テーブル番号及びバージョン番号のいずれにも対応するテーブルを該当テーブルとして確認している。このようにすると、バージョンが対応していないテーブルは該当テーブルとして使用されなくなり、適切なバージョン管理が可能となる。
【0092】
更に、メモリ35(テーブル記憶手段)には、いずれかのテーブル番号について複数のバージョン番号の各テーブルが記憶可能とされている。このようにすると、いずれかのテーブル番号のテーブルに関して、バージョンが変更された過渡期にも対応できるようになる。例えば、あるテーブル番号のテーブルに関し、バージョン変更前の旧バージョンのテーブルと、バージョン変更後の新バージョンのテーブルとがメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されていれば、バージョン変更前後に過渡期に旧バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても、新バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても解読できるようになる。
【0093】
また、本実施形態では、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認されない場合に、テーブル更新手段が管理装置50に蓄積された蓄積データから該当テーブルについての更新用データをダウンロードしている。このようにすると、光学的情報読取装置10内のメモリ35(テーブル記憶手段)を利用してデータ処理の迅速化を実現しつつ、該当テーブルが確認されない場合には管理装置50の蓄積データから更新用データをダウンロードして補充することができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0094】
また、本実施形態では、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶された内容と、記憶部52(データ蓄積手段)に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段が設けられており、所定の場合(具体的には例えばマイナー更新が確認された場合)に、テーブル更新手段は、この差分情報検出手段によって検出された差分情報を更新用データとしてダウンロードしている。このようにすると、更新用データのダウンロード量を効果的に抑えることができ、更新処理時間の短縮化を図ることができる。
【0095】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。なお、第2実施形態は、第1実施形態に加え、図10のような更新処理を行うようにしている。従って、以下では第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略し、追加する構成について重点的に説明することとする。なお、図1〜図9は、第1実施形態と同様であるため、適宜これらの図を参照して説明することとする。
【0096】
本実施形態では、図10のような更新処理が行われるようになっている。この更新処理の概要を説明すると、当該更新処理は光学的情報読取装置10の制御回路40によって行われるものであり、この更新処理では、所定のアクセス条件に従って図2に示す管理装置50にアクセスすると共に、記憶部52(データ蓄積手段)に記憶される蓄積データの中に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されたテーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認している。なお、そして、新規データが確認された場合には、管理装置50から新規データに基づく更新用データをダウンロードしてメモリ35(テーブル記憶手段)の記憶内容を更新している。なお、本実施形態では図10の更新処理を実行可能な制御回路40が「新規データ確認手段」「テーブル更新手段」の一例に相当する。
【0097】
図10に示す更新処理は、予め定められた所定のアクセス条件が成立した時に実行される。「所定のアクセス条件が成立した時」の例としては、例えば、「光学的情報読取装置10が管理装置10に接続した時」などであってもよく、「光学的情報読取装置10にて予め設定された時刻となった時」などであってもよい。当該更新処理が開始されると、まず、管理装置50にアクセスし、管理装置50にアップデートされたテーブルが存在するか否かを確認する処理を行う(S21)。アップデートされたテーブルの確認方法は様々であるが、例えば、当該光学的情報読取装置10が前回アクセスした時刻から今回のS21の処理でアクセスするまでの間に記憶部52内でテーブルの追加や更新があったか否かを判断し、記憶部52内で新しいテーブルの追加や更新があった場合にはアップデートされたテーブルがあったと判断するといった方法などが挙げられる。S22の処理でアップデートされたテーブルが存在しないと判断される場合には、S22にてNoに進み当該更新処理を終了する。一方、アップデートされたテーブルが存在すると判断される場合には、S22にてYesに進む。
【0098】
S22でYesに進む場合には、そのアップデートされたテーブルのテーブル番号と、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブル番号とが同一か否かを判断する(S23)。テーブル番号が異なる場合には、S23にてNoに進み、管理装置50からメモリ35内にアップデートされたテーブルをダウンロードする処理を行う(S29)。なお、図10では、S23にてNoに進む場合にS29の処理を行っているが、このような処理を行わず、当該更新処理を終了してもよい。即ち、アップデートされたテーブルのテーブル番号がメモリ35に記憶されるテーブルのテーブル番号と異なる場合には、ダウンロードしないようにしてもよい。
【0099】
一方、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブル番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブル番号と同一の場合には、S23にてYesに進み、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号と異なるか否かを判断する。なお、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号と同一の場合、アップデートされたテーブルが既にメモリ35に存在するということなので、S24にてNoに進み、当該更新処理を終了する。
【0100】
一方、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号と異なる場合、S24にてYesに進み、アップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号とメモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号とに基づいてメジャー更新か否かを判断する。なお、メジャー更新か否かの判断方法は図8のS5と同様であり、例えばアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが異なっている場合にはメジャー更新と判断してS25にてYesに進み、S29の処理を行う。
【0101】
一方、メジャー更新ではない場合(例えば、アップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが同一で、小数部分が異なっている場合)には、S25にてNoに進み、対象となるテーブル(ここではアップデートされたテーブル)の一括ダウンロードを判断する判断処理を行う(S26)。S26の判断処理は、図8のS6と同様の方法で行うことができ、対象となるテーブルの一括ダウンロードを行う場合には、S26にてYesに進み、S29の処理を行う。一方、対象となるテーブルの一括ダウンロードを行わない場合には、対象となるテーブル(ここではアップデートされたテーブル)とメモリ35に記憶されるテーブルとの差分データをダウンロードする処理を行う(S27)。なお、S27の処理は、図8のS7の処理と同様の方法で行われる。その後、S27でダウンロードされた差分データに基づき、S8(図8)と同様の方法でテーブルデータを生成する(S28)。
【0102】
(第2実施形態の主な効果)
本実施形態の構成によれば、記憶部52(データ蓄積手段)の蓄積データを所定時期に確認することができ、この記憶部52(データ蓄積手段)内にメモリ35(テーブル記憶手段)のテーブルがアップデートされた新規データが存在する場合には、それに合わせてメモリ35の記憶内容も最新の状態にすることができる。従って、バージョンが異なることに基づく読み取りの失敗を効果的に解消することができ、迅速かつ良好な読み取りに寄与することとなる。
【0103】
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。図11は、第3実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。なお、第3実施形態は、第1実施形態に加え、図11のような更新処理を行うようにしている。従って、以下では第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略し、追加する構成について重点的に説明することとする。なお、図1〜図9は、第1実施形態と同様であるため、適宜これらの図を参照して説明することとする。
【0104】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、管理装置50の記憶部52(データ蓄積手段)に、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されている。例えば、図1では各テーブルが業種別に分類されており、各業種毎にグループ番号が付されている。例えば、グループ番号G1が付されたグループは、医療業種に関するテーブルのグループとして構成され、グループ番号G2が付されたグループは、物流業種に関するテーブルのグループとして構成されている。それ以外にも様々な業種のテーブルをグループ化することができる。また、グループ化のカテゴリは様々に考えられ、例えば、テーブルで用いる個別データの言語別に分類したり(例えば、個別データが英語のグループ、個別データが日本語のグループといった分け方など)、データ種別毎に分類するといった方法(例えば、個別データが文字データのグループ、個別データが画像データのグループ、個別データが音声データのグループといった分け方など)を用いることができる。
【0105】
図10に示す更新処理は、光学的情報読取装置10の制御回路40によって行われるものであり、予め定められた所定のアクセス条件が成立した時に開始される。「所定のアクセス条件が成立した時」の例としては、例えば、「光学的情報読取装置10が管理装置10に接続した時」などであってもよく、「光学的情報読取装置10にて予め設定された時刻となった時」などであってもよい。当該更新処理が開始されると、まず、管理装置50にアクセスし(S31)、メモリ35に記憶されるテーブルが属するグループのテーブルが全て格納されているか否かを判断する(S32)。具体的には、例えば、メモリ35に記憶されているテーブルのテーブル番号及びテーブルバージョン番号を管理装置50に送信し、管理装置50側では、当該テーブル番号のテーブルが属するグループの「他のテーブル」(当該グループのテーブルであって、メモリ35に記憶されたテーブルとテーブル番号及びテーブルバージョン番号の少なくともいずれかが異なるテーブル)が記憶部52に記憶されているか否かを判断する。そして、記憶部52に上記「他のテーブル」が存在する場合には、この「他のテーブル」のリストを送信する。このように管理装置50から「他のテーブル」が存在する旨の応答がなされる場合にはS32にてYesに進む。一方、「他のテーブル」が存在しない旨の応答がなされる場合にはS32にてNoに進む。
【0106】
例えば、図1のように、メモリ35において物流業種のグループG2のテーブルB1(ver.1.1)、テーブルB3(ver.3.0)が記憶され、記憶部52に蓄積される当該グループG2の他のテーブルがメモリ35に記憶されていない場合には、S32にてYesに進むこととなる。逆に、メモリ35内に特定のグループのテーブルが全て格納され、他のグループのテーブルが格納されていない場合には、S32にてNoに進み当該更新処理を終了する。
【0107】
S32にてYesに進む場合には、メモリ35に記憶されるテーブルと同一グループに属する未格納の「他のテーブル」のいずれかを選択し、その選択された「他のテーブル」がメモリ35内のいずれかのテーブルとテーブル番号が同一か否かを判断する。テーブル番号が同一でない場合にはS34にてNoに進み、「当該他のテーブル(S33で選択されたテーブル)を管理装置50からダウンロードする(S38)。
【0108】
S33で選択された「他のテーブル」がメモリ35内のいずれかのテーブルとテーブル番号が同一であり、テーブルバージョン番号のみが異なる場合にはS34にてYesに進み、メジャー更新か否かを判断する。更新対象となるテーブル(ここではS33で選択された他のテーブル」とメモリ35に記憶されたテーブルとを比較してメジャー更新か否かを判断する方法については、第1実施形態のS5(図8)や第2実施形態のS25(図10)と同様であり、例えばS33で選択された他のテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが異なっている場合にはメジャー更新と判断してS35にてYesに進み、S38の処理を行う。
【0109】
一方、メジャー更新ではない場合(例えば、S33で選択された他のテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが同一で、小数部分が異なっている場合)には、S35にてNoに進み、対象となるテーブル(ここではS33で選択された他のテーブル)の一括ダウンロードを判断する判断処理を行う(S36)。S36の判断処理は、図8のS6と同様の方法で行うことができ、対象となるテーブル(S33で選択された他のテーブル)の一括ダウンロードを行う場合には、S36にてYesに進み、S38の処理を行う。一方、対象となるテーブル(S33で選択された他のテーブル)の一括ダウンロードを行わない場合には、対象となるテーブルとメモリ35に記憶されるテーブルとの差分データをダウンロードする処理を行う(S37)。なお、S37の処理は、図8のS7の処理と同様の方法で行われる。その後、S37でダウンロードされた差分データに基づき、S8(図8)と同様の方法でテーブルデータを生成する(S28)。
【0110】
以上のようにS38或いはS39に処理によってS33で選択された他のテーブルがメモリ35に格納されることとなる。そして、S38、S39の後には、記憶部52内にメモリ35に格納されていない他のテーブル(メモリ35内のテーブルと同一グループであってメモリ35に記憶されていない他のテーブル)が残っているか否かを判断し(S40)、残っている場合にはS40にてYesに進み、その残りの「他のテーブル」のいずれかを選択し(S33)、S33以降の処理を行う。一方、記憶部52内にメモリ35に格納されていない他のテーブルが残っていない場合にはS40にてNoに進み、当該更新処理を終了する。
【0111】
本実施形態では、図11の処理を実行する制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、所定のアクセス条件に従って管理装置50にアクセスしたときに記憶部52(データ蓄積手段)においてメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの属するグループの「他のテーブル」のデータが記憶されている場合、当該他のテーブルのデータをダウンロードするように機能している。
【0112】
上記実施形態では、「所定のアクセス条件が成立した時」として、「光学的情報読取装置10が管理装置50に接続した時」などを例示したが、例えば第1実施形態で説明した図8のような読取処理が終了直前(例えば、図8のS10の処理の後)を、「所定のアクセス条件が成立した時」としてもよい。この場合、読取処理は基本的に図8の流れで行うことができ、記憶部52(データ蓄積手段)に第1実施形態で上述した該当テーブル(情報コードCに記録されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号で指定されるテーブル)の属するグループの他のテーブルが記憶されている場合であっても、まずは該当テーブルの更新用データを先にダウンロードすることができる(図8のS7、S9等参照)。そして、S10の処理(図8)により、該当テーブル(即ちS8で生成されたテーブル又はS9でダウンロードしたテーブル)を用いた読み取りが行われた後に、図11の更新処理を行い、他のテーブルのデータをダウンロードすることができる。
【0113】
(第3実施形態の主な効果)
本実施形態では、管理装置50の記憶部52(データ蓄積手段)に、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されており、記憶部52(データ蓄積手段)においてメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合に、テーブル更新手段が当該他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、メモリ35(テーブル記憶手段)のテーブルの内容を最新の状態に維持し易い環境を実現しつつ、メモリ35内のテーブルと関連性の高いテーブルを適切に増やすことができる。
【0114】
また、図8のS10の後に図11の更新処理を行う例では、記憶部52(データ蓄積手段)に情報コードCで指定される該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合に、該当テーブルの更新用データと、他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードできるようになっている。このようにすると、情報コードで指定された該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶部52(データ蓄積手段)に存在する場合にこれをダウンロードすることができるため、使用可能性のある同一グループの他のテーブルを予めダウンロードしておき、後の読み取りに備えておくことができる。そして、後の読み取りで他のテーブルが指定されたときにはダウンロード処理が不要となるため、当該他のテーブルを迅速に利用し、当該他のテーブルを指定する情報コードを迅速かつ良好に解読できるようになる。
【0115】
また、図8のS10の後に図11の更新処理を行う例では、記憶部52(データ蓄積手段)に該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合に、該当テーブルの更新用データを先にダウンロードし、情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、情報コードCの解読については先にダウンロードした該当テーブルを用いて迅速に終了することができ(図8のS10)、他のテーブルのデータについては、その情報コードCの解読後にダウンロードして後の読み取りに備えるこことができる。
【0116】
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。図12は、第4実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。なお、第4実施形態は図8の読取処理を図12のように変更した点が第1実施形態と異なり、読取処理以外(図1〜図7、図9及びこれら図面に関連する構成)は第1実施形態と同様である。よって、同様の部分については詳細な説明は省略し、適宜図1〜図7及び図9を参照して説明することとする。
【0117】
本実施形態の読取処理(図12)も、所定の開始条件が成立したとき(例えば、操作スイッチ42に対する所定操作がなされたとき)に制御回路40によって実行され、まず、第1実施形態のS1(図8)と同様に情報コードCの撮像・解析処理を行う(S41)。そして、情報コードCに含まれるモード指示子(図5)を参照し、当該モード指示子によってテーブル使用モードが指示されているか否かを判断する(S42)。情報コードCのモード指示子がテーブル使用モードを指示していない場合にはS42にてNoに進み、解読データ生成・出力処理を行う(S48)。なお、S42にてNoに進む場合、S48では公知の情報コード(例えば、QRコード等)で行われる通常のデコード処理(テーブルを用いないデコード処理)がなされる。
【0118】
一方、情報コードCに記録されるモード指示子がテーブル使用モードを指示している場合には、S42にてYesに進む。そして、情報コードCに記録されるテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号及び同一のテーブルバージョン番号のテーブル(該当テーブル)がメモリ35に存在するか否かを判断する(S43)。該当テーブルがメモリ35に存在する場合にはS43にてYesに進み、S48の処理を行う。なお、S43にてYesに進む場合のS48の処理(即ち該当テーブルを用いた解読処理(図9等参照))は、S4にてNoに進む場合のS10の処理(図8)と同様である。
【0119】
情報コードCに記録されるテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号及び同一のテーブルバージョン番号のテーブル(該当テーブル)がメモリ35に存在しない場合、S43にてNoに進み、該当テーブルのデータ量がメモリ35の空き容量よりも大きいか否かを判断する(S44)。S44の処理の具体的方法は様々に考えられるが、例えば、光学的情報読取装置10から管理装置50にアクセスすると共に管理装置50に対して情報コードCに記録されるテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データを送信し、これらテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データで特定される該当テーブルのデータ量が要求する方法が挙げられる。この場合、管理装置50はこの要求に応じて該当テーブルを検索し、この該当テーブルのデータ量を光学的情報読取装置10に送信する。そして、光学的情報読取装置10では、管理装置50から与えられた該当テーブルのデータ量とメモリ35の空き容量とを比較し、該当テーブルのデータ量がメモリ35の空き容量よりも大きい場合にはS44にてYesに進む。
【0120】
S44でYesに進む場合には、該当テーブルの参照処理を行う(S47)。本実施形態では、例えばメモリ35の一部を構成する不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ等)などがテーブル記憶手段として機能しており、これ以外のRAMなどを一時的に格納可能なワークメモリとして利用できるようになっている。この場合、S44ではテーブルの格納エリアである不揮発性メモリの空き容量を確認し、該当テーブルのデータ量が空き容量よりも大きい場合にはS44にてYesに進み、RAMなどの他の記憶領域を利用して該当テーブルの参照処理を行う(S47)。S47の処理では、例えば、管理装置50にアクセスすると共に、管理装置50に対して情報コードCに記録されたテーブル番号データ、テーブルバージョン番号データ、個別データ番号(図5参照)を送信し、管理装置50から該当テーブルの個別データ(情報コードCの個別データ番号で指定されるデータ)を取得する。そして、その取得した個別データに基づき、情報コードCの個別データ番号を個別データに変換した解読データを生成する(S48)。
【0121】
本実施形態では、S47の処理を実行可能な制御回路40が「参照手段」の一例に相当し、メモリ35内に該当テーブルが確認できない場合に管理装置50に記録された該当テーブルを参照するように機能する。なお、本実施形態における「管理装置に記録された該当テーブルの参照」とは、管理装置50に記録された該当テーブルの一部又は全部を情報コードCの解読に一時的に利用し、当該情報コードCの解読後に該当テーブルのデータをメモリ35内に残さないことを意味している。
【0122】
一方、S44でNoに進む場合には、該当テーブルをダウンロードするか否かの判断処理を行う。この判断処理の方法は様々であり、例えば、ユーザによる所定の初期設定に基づいて判断する方法を用いる場合、ユーザが初期設定において該当テーブルを参照することを指定し、当該設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S45にてNoに進み、上述の参照処理を行う(S47)。一方、ユーザが初期設定において該当テーブルをダウンロードすることを指定し、この設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S45にてYesに進み、管理装置50から該当テーブルをダウンロードする処理を行う。なお、該当テーブルをダウンロードした後のS48の処理は、S43でYesに進む場合のS48の処理と同様である。また、上述の説明では初期設定に基づいてS45の判断処理を行う例を説明したが、S44でNoに進む場合に、該当テーブルをダウンロードするか否かを問い合わせる表示を行うようにしてもよい。この場合、その問い合わせの表示に応じてユーザによって該当テーブルのダウンロードが指示された場合にS45にてYesに進み、問い合わせの表示に応じてユーザによって該当テーブルの参照が指示された場合にS45にてNoに進むようにしてもよい。
【0123】
なお、本実施形態では、S44、S45の処理を実行可能な制御回路40が「モード選択手段」の一例に相当し、管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロード(S46)を行う第1モード(即ち、S45でYesに進むモード)と、管理装置50に記録された該当テーブルの参照(S47)を行う第2モード(即ち、S44でYes又はS45でNoに進むモード)とを切り替えるように機能する。具体的には、S44では、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35(テーブル記憶手段)の記憶可能領域に基づいてメモリ35に更新用データが記憶可能か否かを判断し、更新用データがメモリ35に記憶可能な場合には第1モードを選択可能とし、更新用データがメモリ35に記憶不能な場合には第2モードを選択している。また、S45では、ユーザによる選択操作に基づいて第1モードと第2モードとを切り替えるように機能している。
【0124】
また、S45、S46、S47の処理を実行可能な制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、上記モード選択手段によって第1モードが選択された場合に管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行うように機能する。また、S47の処理を実行する上記参照手段(制御回路40)は、モード選択手段によって第2モードが選択された場合に管理装置50に記録される該当テーブルを参照するように機能している。
【0125】
(第4実施形態の主な効果)
本実施形態では、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合(即ち、メモリ35に該当テーブルが記憶されていない場合)に管理装置50に記録された該当テーブルを参照する参照手段が設けられている。このようにすると、メモリ35に該当テーブルが存在しない場合に、管理装置50に記録された該当テーブルを参照して用いることができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0126】
具体的には、管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行う第1モードと、管理装置50に記録された該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段を備えている。そして、モード選択手段によって第1モードが選択された場合には、テーブル更新手段が管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行い、モード選択手段によって第2モードが選択された場合には、参照手段が管理装置50に記録される該当テーブルを参照している。このようにすると、管理装置50から更新用データをダウンロードするモードと、管理装置50に記憶された該当テーブルを参照するモードとを使い分けることができ、テーブルを利用する上での自由度が高まる。
【0127】
また、本実施形態では、モード切替手段が、ユーザによる選択操作に基づいて第1モードと第2モードとを切り替えている。このようにすると、ユーザが第1モードと第2モードとを任意に使い分けることができるようになる。
【0128】
また、本実施形態では、モード切替手段は、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35の記憶可能領域に基づいて当該メモリ35に更新用データが記憶可能か否かを判断し、更新用データがメモリ35に記憶可能な場合には第1モードを選択可能とし、更新用データがメモリ35に記憶不能な場合には第2モードを選択している。このようにすると、メモリ35に更新用データを記憶できる場合には、メモリ35に更新用データをダウンロードしてメモリ35の内容を更新することができ、メモリ35をより適切な状態とすると共に、メモリ35に記憶されたテーブルに基づいてより迅速に読取処理を行いやすくすることができる。一方、メモリ35に更新用データを記憶できない場合には、次善の策として管理装置50のテーブルデータを参照して用いることができ、メモリ35にテーブルが存在しないことに起因数する読み取りの失敗を低減することができる。
【0129】
[第5実施形態]
次に第5実施形態について説明する。図13は、第5実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。なお、第5実施形態は図12の読取処理の一部を図13のように変更した点が第4実施形態と異なり、読取処理以外(図1〜図7、図9及びこれら図面に関連する構成)は第4実施形態と同様(即ち第1実施形態と同様)である。よって、同様の部分については詳細な説明は省略し、適宜図1〜図7及び図9を参照して説明することとする。
【0130】
本実施形態で行われる読取処理(図13)は、S51〜S54までは第4実施形態のS41〜S44(図12)と同様である。よってこれら処理の詳細な説明は省略する。図13の処理では、情報コードCで指定される該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データとテーブル番号、テーブルバージョン番号が同一のテーブル)のデータ量がメモリ35の空き容量よりも大きい場合、S54にてYesに進み、メモリ35に記憶されている一部のテーブルを削除した上で該当テーブルをダウンロードする処理を行う(S57)。
【0131】
メモリ35に記憶されたテーブルを削除する方法は様々であり、例えば、メモリ35に記憶されるテーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択し、削除するといった方法が挙げられる。このような方法を用いる場合、S58でメモリ35内のテーブルを用いる毎にその用いられたテーブルの最新の参照時刻(S58でテーブルが使用された時刻)をテーブルと対応付けて記録しておけばよい(このような処理をS58に追加すればよい)。そうすれば、メモリ35に記憶される各テーブル毎に最新の参照時刻が記録されることとなるため、S57の処理を行うときに最も古い参照時刻のテーブルがどのテーブルであるかを特定できるようになる。なお、この場合、上記S58の処理を行う制御回路40が「参照時刻記録手段」の一例に相当し、メモリ35に記憶されるテーブルが参照された時刻を記録するように機能する。
【0132】
なお、上記説明では、S57の処理において、該当テーブルのダウンロードに先立ち、メモリ35に記憶されたテーブルの中で最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択し、これを削除する例を示したが、優先削除テーブルの選定方法はこのような例に限られない。例えば、メモリ35に記憶されたテーブルの中で最も使用回数の低いテーブルを優先削除テーブルとして削除してもよい。
【0133】
また、S54でNoに進む場合には、該当テーブルのダウンロードと共にメモリ35内のテーブルの削除を行うか否かを判断する判断処理を行う。この判断処理の方法は様々であり、例えば、ユーザによる所定の初期設定に基づいて判断する方法を用いる場合、ユーザが初期設定においてダウンロード時に既存テーブルを削除することを指定し、当該設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S55にてYesに進み、上述の削除及びダウンロード処理を行う(S57)。一方、ユーザが初期設定において既存テーブルの削除を指定しておらず、この設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S55にてNoに進み、メモリ35内の既存テーブルを残したまま管理装置50から該当テーブルをダウンロードする処理を行う。なお、S56又はS57で該当テーブルをダウンロードした後のS58の処理は、第4実施形態のS48(図12)と同様である。
【0134】
また、上述の説明では初期設定に基づいてS55の判断処理を行う例を説明したが、S54でNoに進む場合に、メモリ35内の既存テーブルを削除するか否かを問い合わせる表示を行うようにしてもよい。この場合、その問い合わせの表示に応じてユーザによって既存テーブルの削除が指示された場合にS55にてYesに進み、問い合わせの表示に応じてユーザによって既存テーブルの削除が指定されない場合にS55にてNoに進むようにしてもよい。
【0135】
本実施形態では、S57の処理を実行可能な制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、管理装置50から更新用データをダウンロードする場合に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除するように機能している。また、S54の処理を実行する制御回路40は、「記憶可否判断手段」の一例に相当し、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35の記憶可能領域に基づいて更新用データがメモリ35に記憶可能か否かを判断している。そして、上記テーブル更新手段(即ち制御回路40)は、S54、S57のように、記憶可否判断手段によって更新用データがメモリ35に記憶できないと判断された場合に、優先削除テーブルを選択して削除している。
【0136】
(第5実施形態の主な効果)
本実施形態では、管理装置50から更新用データをダウンロードする場合に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データのダウンロードによって必要なデータを補充しつつ、メモリ35に記憶される情報量の増大を適切に抑えることができる。
【0137】
また、光学的情報読取装置10において、メモリ35に記憶されるテーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段が設けられており、テーブル更新手段は、メモリ35に記憶されるテーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択している。このようにすると、使用される可能性に低いテーブルを優先的に削除し新しいテーブルの記憶領域を確保することができる。
【0138】
また、本実施形態では、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35の記憶可能領域に基づいて更新用データがメモリ35に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段が設けられ、更新用データがメモリ35に記憶できないと記憶可否判断手段によって判断された場合に、優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データをダウンロードするタイミングでメモリ35の内容を適切に整理することができ、且つ更新用データが記憶できなくなる事態を回避することができる。
【0139】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0140】
上記実施形態では、QRコードとして構成される情報コードCを代表例として説明したが、図9のようなデータを記録しうるものであれば他の種類(例えばデータマトリックスコード、マキシコード等のその他の二次元コードなど)であってもよい。
【0141】
上記実施形態では、各テーブルについてテーブル番号とテーブルバージョン番号とを付していたが、テーブル番号のみを付してもよい。この場合、例えば、第1実施形態では、情報コードCで指定されるテーブル番号と同一のテーブル番号のテーブルが「該当テーブル」となり、当該該当テーブルがメモリ35に記憶されている場合にはメモリ35のテーブルを用いて読み取りが行われ、メモリ35に記憶されていない場合には、管理装置50から該当テーブル(情報コードCに記録されたテーブル番号データと同一のテーブル番号のテーブル)がダウンロードされることとなる。
【0142】
上記実施形態では端末単体で光学的情報読取装置10が構成される例を示したが、読取端末と他の装置(例えばコンピュータ)とによって光学的情報読取装置10が構成されていてもよい。この場合、読取端末に接続されるコンピュータのCPUを、前述又は後述の、情報コード読取手段、読取モード確認手段、該当テーブル確認手段、個別データ検索手段、データ生成手段、テーブル更新手段、参照手段、モード選択手段、中止手段、新規データ確認手段、記憶可否判断手段、差分情報検出手段、並び替え手段、使用頻度算出手段などとして機能させることができ、コンピュータの記憶部をテーブル記憶手段として機能させることができる。そして、管理装置50は、例えば当該コンピュータに通信可能に接続されることとなる。
【0143】
上記実施形態では、管理装置50とサーバ60とが接続され、管理装置50がサーバ60から各種データをダウロードし得る構成を例示したが、このようなサーバ60が存在しなくてもよい。
【0144】
第1実施形態では、メモリ35(テーブル記憶手段)に該当テーブル(情報コードCに記録されたテーブル番頭データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブル)が記憶されていない場合(即ち、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合)に、管理措置50から該当テーブルをダウンロードする構成を例示したが、メモリ35に該当テーブルが存在しない場合に読取処理を中止するようにしてもよい。例えば、図8にてNoに進む場合及び図4にてYesに進む場合のいずれにおいても、S1で撮像された情報コードの読み取りを中止するようにしてもよい。このようにすると、メモリ35(テーブル記憶手段)に該当テーブルが存在しない場合に迅速に処理を終わらせることができる。なお、この場合、図8の処理を実行する制御回路40が「中止手段」の一例に相当する。
また、第4実施形態の読取処理(図12)の一部を変更し、S44にてYesに進む場合(即ちメモリ35の空き容量が該当テーブルのデータ量よりも大きい場合)に読取処理を中止するようにしてもよい。この場合、例えば、図12のS45、S47の処理を省略し、S44にてYesに進む場合に当該読取処理を終了するように変更すればよい。
【0145】
上記いずれの実施形態でも、制御回路40を「並び替え手段」として機能させ、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの各個別データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変えるようにしてもよい。なお、データを頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順等にソートする技術は公知であるので詳細な並べ方は省略する。このようにすると、並び替えられた順序に基づいてテーブルの各データを検索し易くなる。
【0146】
上記いずれの実施形態でも、制御回路40を「並び換え手段」として機能させると共に、情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する「使用頻度算出手段」として機能させ、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの各個別データを、この使用頻度算出手段によって算出される各情報の使用頻度に基づいて並び変えるようにしてもよい。その一例としては、例えば、メモリ35のテーブルの各個別データに対応付けて使用回数データ(使用頻度)を記録するようにし、読取処理で各個別データが使用される毎に(例えば、図8のS10で使用される毎に)各個別データの使用回数データをカウントアップするといった方法を用いることができる。この場合、定期的に、或いは各個別データの使用回数データが更新される毎にテーブル内の各個別データを使用頻度順(使用回数が多い順)に並び替えるようにすればよい。このようにすると、テーブルの各個別データを使用頻度順に検索できるようになり、必要なデータが迅速に検索されやすくなる。
【符号の説明】
【0147】
1…読取システム
10…光学的情報読取装置
23…受光センサ(撮像手段)
35…メモリ(テーブル記憶手段)
40…制御回路(情報コード読取手段、読取モード確認手段、該当テーブル確認手段、個別データ検索手段、データ生成手段、テーブル更新手段、参照手段、モード選択手段、中止手段、新規データ確認手段、記憶可否判断手段、差分情報検出手段、並び替え手段、使用頻度算出手段)
50…管理装置
52…記憶部(データ蓄積手段)
53…通信部(通信手段)
C…情報コード
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取システム、光学的情報読取装置、及び情報コードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、QRコード(商標名)等の二次元コードが様々な用途で用いられている。この二次元コードは、一次元コードと比較すると、一般的に大量のデータを扱うことができ、この特質を利用した二次元コード特有の運用もなされている。その一例としては、データベース全体を二次元コード内に格納するといった運用が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−254037公報
【特許文献2】特開平6−214916公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、二次元コードにデータベースなどの大容量のデータを格納する場合、コードサイズが大型化してしまうという問題がある。このようにコードが大型化してしまうと、小さな印字スペースしか確保できない場合にコード全体を印字できなくなるといった問題が生じうる。さらに、データ量が多すぎると、二次元コード内に格納しきれない場合なども生じ得る。また、二次元コードは、様々な読み取り装置で読取可能な形式のものが多く、このような汎用形式のものは、例えば特定の使用者のみに読み取らせたい場合(特定の使用者以外には知らせたくない場合等)に不向きである。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、情報コード内に実質的に大容量のデータを格納することができ、特定の使用者が情報コード内の情報を利用し得る読取システム、光学的情報読取装置、情報コードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る読取システムは、情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置と、前記光学的情報読取装置と通信を行う通信手段と、前記テーブル記憶手段での前記テーブルの追加又は更新に利用可能な蓄積データが記憶されたデータ蓄積手段とを備えた管理装置と、を有している。
また、前記情報コードは、当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、前記使用テーブル識別情報で特定される前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、を備えている。
更に、前記情報コード読取手段は、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、前記テーブル記憶手段の記憶内容を、前記管理装置の前記蓄積データに基づいて更新するテーブル更新手段と、を有している。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の読取システムにおいて、前記情報コードが、前記使用テーブル識別情報として前記使用テーブル番号とバージョン番号とを含んでおり、前記該当テーブル確認手段は、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルにおいて、前記情報コードに含まれる前記使用テーブル番号及び前記バージョン番号のいずれにも対応する前記テーブルを前記該当テーブルとして確認することを特徴としている。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の読取システムにおいて、前記テーブル記憶手段に、いずれかの前記テーブル番号について複数の前記バージョン番号の各テーブルが記憶可能とされていることを特徴としている。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段が、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認されない場合に、前記管理装置に蓄積された前記蓄積データから前記該当テーブルについての更新用データをダウンロードすることを特徴としている。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の読取システムにおいて、前記光学的情報読取装置が、前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段と、前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行う第1モードと、前記管理装置に記録された前記該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段と、を備えており、前記テーブル更新手段が、前記モード選択手段によって前記第1モードが選択された場合に前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行い、前記参照手段が、前記モード選択手段によって前記第2モードが選択された場合に前記管理装置に記録される前記該当テーブルを参照することを特徴としている。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の読取システムにおいて、前記モード切替手段が、ユーザによる選択操作に基づいて前記第1モードと前記第2モードとを切り替えることを特徴としている。
【0012】
請求項7の発明は、請求項5に記載の読取システムにおいて、前記モード切替手段が、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて当該テーブル記憶手段に前記更新用データが記憶可能か否かを判断し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能な場合には前記第1モードを選択し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶不能な場合には前記第2モードを選択することを特徴としている。
【0013】
請求項8の発明は、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記管理装置の前記データ蓄積手段には、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、前記テーブル更新手段が、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データと前記他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードすることを特徴としている。
【0014】
請求項9の発明は、請求項8に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段は、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データを先にダウンロードし、前記情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、前記他のテーブルのデータをダウンロードすることを特徴としている。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記情報コード読取手段が、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記情報コードの読み取りを中止する中止手段を備えていることを特徴としている。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1から請求項3に記載の読取システムにおいて、前記光学的情報読取装置が、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段を備えていることを特徴としている。
【0017】
請求項12の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、更に、所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスすると共に、前記データ蓄積手段に記憶される前記蓄積データの中に、前記テーブル記憶手段に記憶された前記テーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認する新規データ確認手段が設けられており、前記テーブル更新手段が、前記新規データ確認手段によって前記新規データが確認された場合に、前記管理装置から前記新規データに基づく更新用データをダウンロードして前記テーブル記憶手段の記憶内容を更新することを特徴としている。
【0018】
請求項13の発明は、請求項12に記載の読取システムにおいて、前記管理装置の前記データ蓄積手段に、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、前記テーブル更新手段は、前記所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスしたときに前記データ蓄積手段において前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合、前記他のテーブルのデータをダウンロードしている。
【0019】
請求項14の発明は、請求項4から請求項13のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段が、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除することを特徴としている。
【0020】
請求項15の発明は、請求項14に記載の読取システムにおいて、前記光学的情報読取装置が、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段を備え、前記テーブル更新手段が、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古い前記テーブルを前記優先削除テーブルとして選択することを特徴としている。
【0021】
請求項16の発明は、請求項14又は請求項15に記載の読取システムにおいて、前記テーブル更新手段が、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段を備え、前記記憶可否判断手段によって前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶できないと判断された場合に、前記優先削除テーブルを選択して削除することを特徴としている。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル記憶手段に記憶された内容と、前記データ蓄積手段に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段を備え、前記テーブル更新手段は、前記差分情報検出手段によって検出された前記差分情報を前記更新用データとしてダウンロードすることを特徴としている。
【0023】
請求項18の発明は、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルが、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データの少なくともいずれかに属するデータが集合した構成をなしている。そして、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変える並び替え手段が設けられている。
【0024】
請求項19の発明は、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システムにおいて、更に、前記情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する使用頻度算出手段と、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、前記使用頻度算出手段によって算出される前記各情報の前記使用頻度に基づいて並び変える並び替え手段とが設けられていることを特徴としている。
【0025】
請求項20の発明は、情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段と、を備えた光学的情報読取装置であって、読取対象となる前記情報コードにおいて、当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、が設けられている。
更に、前記情報コード読取手段が、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、前記テーブル記憶手段の記憶内容を、外部からの情報に基づいて更新するテーブル更新手段と、を有することを特徴としている。
【0026】
請求項21の発明は、撮像手段と、情報コード読取手段と、読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置によって読み取られる情報コードであって、当該情報コードの読取モードがテーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、を備えており、前記光学的情報読取装置の前記テーブル記憶手段に前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルが存在する場合に、前記個別データ番号に換えて、前記該当テーブルにおける前記個別データ番号に対応した前記個別データが使用されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0027】
請求項1に係る読取システムでは、情報コード内に、当該情報コードの読取モードがテーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、使用テーブル識別情報で特定される使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号とが含まれている。このようにすることで、情報コード内の情報に基づいて当該情報コードの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを判断できると共に、当該情報コードの読取に用いる使用テーブル、及び当該使用テーブル内の個別データを特定できるようになる。
一方、光学的情報読取装置側では、読取モード確認手段により、撮像された情報コードの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認でき、読み取った情報コードにおいてテーブル使用モードが確認された場合には、該当テーブル確認手段により、テーブル記憶手段内に該当テーブル(使用テーブル識別情報に対応するテーブル)が存在するか否かを迅速に確認できる。そして、テーブル記憶手段内に該当テーブルが確認された場合には、個別データ検索手段により、当該該当テーブルの中から情報コードで指定された個別データ(即ち、個別データ番号に対応する個別データ)を検索し、データ生成手段により、情報コードの個別データ番号を当該個別データに変換したデータを生成することができる。このように、情報コード内の一部データ(個別データ番号)を、光学的情報読取装置に記憶されたデータに変換して解読するシステム構成とすることで、情報コード内に全てのデータを格納しておく必要がなくなり、情報コードをよりコンパクトに構成しつつ大容量のデータを解読し得るシステムを構築できる。また、該当テーブルを有さない光学的情報読取装置では情報コードの解読ができなくなるため、特定の使用者のみが情報コード内の情報を利用できるシステムを構築できる。更に、テーブル更新手段により、テーブル記憶手段の記憶内容を管理装置の蓄積データに基づいて更新することができるため、必要なテーブルを管理装置から光学的情報読取装置内にダウンロードしてテーブル記憶手段を使用者に適した適切な記憶内容にしやすくなる。
【0028】
請求項2の発明は、情報コードが、使用テーブル識別情報として使用テーブル番号とバージョン番号とを含んでおり、該当テーブル確認手段は、テーブル記憶手段に記憶される1又は複数のテーブルにおいて、情報コードに含まれる使用テーブル番号及びバージョン番号のいずれにも対応するテーブルを該当テーブルとして確認している。このようにすると、バージョンが対応していないテーブルは該当テーブルとして使用されなくなり、適切なバージョン管理が可能となる。
【0029】
請求項3の発明では、テーブル記憶手段に、いずれかのテーブル番号について複数のバージョン番号の各テーブルが記憶可能とされている。このようにすると、いずれかのテーブル番号のテーブルに関して、バージョンが変更された過渡期にも対応できるようになる。例えば、あるテーブル番号のテーブルに関し、バージョン変更前の旧バージョンのテーブルと、バージョン変更後の新バージョンのテーブルとがテーブル記憶手段に記憶されていれば、バージョン変更前後に過渡期に旧バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても、新バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても解読できるようになる。
【0030】
請求項4の発明では、テーブル更新手段が、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認されない場合に、管理装置に蓄積された蓄積データから該当テーブルについての更新用データをダウンロードしている。このようにすると、光学的情報読取装置内のテーブル記憶手段を利用してデータ処理の迅速化を実現しつつ、該当テーブルが確認されない場合には管理装置の蓄積データから更新用データをダウンロードして補充することができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0031】
請求項5の発明では、光学的情報読取装置が、管理装置に記録された該当テーブルを参照する参照手段を備えると共に、管理装置から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行う第1モードと、管理装置に記録された該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段を備えている。そして、モード選択手段によって第1モードが選択された場合には、テーブル更新手段が管理装置から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行い、モード選択手段によって第2モードが選択された場合には、参照手段が管理装置に記録される該当テーブルを参照している。このようにすると、管理装置から更新用データをダウンロードするモードと、管理装置にテーブルを参照するモードとを使い分けることができ、テーブルを利用する上での自由度が高まる。
【0032】
請求項6の発明では、モード切替手段が、ユーザによる選択操作に基づいて第1モードと第2モードとを切り替えている。このようにすると、ユーザが第1モードと第2モードとを任意に使い分けることができるようになる。
【0033】
請求項7の発明は、モード切替手段が、管理装置から更新用データをダウンロードする際に、テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて当該テーブル記憶手段に更新用データが記憶可能か否かを判断し、更新用データがテーブル記憶手段に記憶可能な場合には第1モードを選択し、更新用データがテーブル記憶手段に記憶不能な場合には第2モードを選択している。このようにすると、テーブル記憶手段に更新用データを記憶できる場合には、テーブル記憶手段に更新用データをダウンロードしてテーブル記憶手段の内容を更新することができ、テーブル記憶手段をより適切な状態とすると共に、当該テーブル記憶手段に記憶されたテーブルに基づいてより迅速に読取処理を行いやすくなる。一方、テーブル記憶手段に更新用データを記憶できない場合には、次善の策として管理装置のテーブルデータを参照して用いることができ、テーブル記憶手段にテーブルが存在しないことに起因数する読み取りの失敗を低減することができる。
【0034】
請求項8の発明は、管理装置のデータ蓄積手段には、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されており、データ蓄積手段に該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、テーブル更新手段が、該当テーブルの更新用データと他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードしている。このようにすると、情報コードで指定されたテーブル(該当テーブル)の属するグループの他のテーブルがデータ蓄積手段に存在する場合にこれをダウンロードすることができるため、使用可能性のある同一グループの他のテーブルを予めダウンロードしておき、後の読み取りに備えておくことができる。そして、後の読み取りで他のテーブルが指定されたときにはダウンロード処理が不要となるため、当該他のテーブルを迅速に利用し、当該他のテーブルを指定する情報コードを迅速かつ良好に解読できるようになる。
【0035】
請求項9の発明では、データ蓄積手段に該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、テーブル更新手段は、該当テーブルの更新用データを先にダウンロードし、情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、情報コードの解読については先にダウンロードした該当テーブルを用いて迅速に終了することができ、他のテーブルのデータについては、その情報コードの解読後にダウンロードして後の読み取りに備えるこことができる。
【0036】
請求項10の発明では、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合に情報コードの読み取りを中止する中止手段を備えている。このようにすると、テーブル記憶手段に該当テーブルが存在しない場合に迅速に処理を終わらせることができる。
【0037】
請求項11の発明は、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合に管理装置に記録された該当テーブルを参照する参照手段が設けられている。このようにすると、テーブル記憶手段に該当テーブルが存在しない場合に、管理装置に記録された該当テーブルを参照して用いることができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0038】
請求項12の発明は、所定のアクセス条件に従って管理装置にアクセスすると共に、データ蓄積手段に記憶される蓄積データの中に、テーブル記憶手段に記憶されたテーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認する新規データ確認手段が設けられており、テーブル更新手段は、新規データ確認手段によって新規データが確認された場合に、管理装置から新規データに基づく更新用データをダウンロードしてテーブル記憶手段の記憶内容を更新している。このようにすると、データ蓄積手段の蓄積データを所定時期に確認することができ、このデータ蓄積手段内にテーブル記憶手段のテーブルがアップデートされた新規データが存在する場合には、それに合わせてテーブル記憶手段の記憶内容も最新の状態にすることができる。
【0039】
請求項13の発明は、管理装置のデータ蓄積手段に、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されており、データ蓄積手段においてテーブル記憶手段に記憶されるテーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合に、テーブル更新手段は、当該他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、テーブル記憶手段のテーブルの内容を最新の状態に維持し易い環境を実現しつつ、テーブル記憶手段内のテーブルと関連性の高いテーブルを適切に増やすことができる。
【0040】
請求項14の発明は、管理装置から更新用データをダウンロードする場合に、テーブル記憶手段に記憶される1又は複数のテーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データのダウンロードによって必要なデータを補充しつつ、テーブル記憶手段に記憶される情報量の増大を適切に抑えることができる。
【0041】
請求項15の発明は、光学的情報読取装置において、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段が設けられており、テーブル更新手段は、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択している。このようにすると、使用される可能性に低いテーブルを優先的に削除し新しいテーブルの記憶領域を確保することができる。
【0042】
請求項16の発明は、管理装置から更新用データをダウンロードする際に、テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて更新用データがテーブル記憶手段に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段を備え、記憶可否判断手段によって更新用データがテーブル記憶手段に記憶できないと判断された場合に、優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データをダウンロードするタイミングでテーブル記憶手段の内容を適切に整理することができ、且つ更新用データが記憶できなくなる事態を回避することができる。
【0043】
請求項17の発明は、テーブル記憶手段に記憶された内容と、データ蓄積手段に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段を備え、テーブル更新手段は、差分情報検出手段によって検出された差分情報を更新用データとしてダウンロードしている。このようにすると、更新用データのダウンロード量を効果的に抑えることができ、更新処理時間の短縮化を図ることができる。
【0044】
請求項18の発明は、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルが、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データの少なくともいずれかに属するデータが集合した構成をなしている。そして、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルの各データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変える並び替え手段が設けられている。このようにすると、並び替えられた順序に基づいてテーブルの各データを検索し易くなる。
【0045】
請求項19の発明は、更に、情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する使用頻度算出手段と、テーブル記憶手段に記憶されるテーブルの各データを、使用頻度算出手段によって算出される各情報の使用頻度に基づいて並び変える並び替え手段とが設けられている。このようにすると、テーブルの各データを使用頻度順に検索できるようになり、必要なデータが迅速に検索されやすくなる。
【0046】
請求項20の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する光学的情報読取装置を実現できる。
【0047】
請求項21の発明によれば、請求項1と同様の効果を奏する情報コードを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る読取システムを概略的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の読取システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図3は、図1の読取システムで用いられる光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】図4(A)は、図1の読取システム1で用いられる情報コードの構成を概念的に説明する説明図であり、図4(B)は、図4(A)の情報コード内における一部のコードブロックのセル構成を概念的に例示する説明図である。
【図5】図5は、第1実施形態で用いる情報コードのデータ構成を概念的に例示する説明図である。
【図6】図6(A)は、モード指示子と読取モードとの対応を示す説明図であり、図6(B)は、型番とモードに応じた文字数指示子の設定例を示す説明図である。
【図7】図7(A)は、テーブルのデータ構成を概念的に説明する説明図であり、図7(B)は、テーブルのデータ構成の別例を示す説明図である。
【図8】図8は、第1実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。
【図9】図9は、図8のS10の処理で行われるデータ変換方法を概念的に説明する説明図である。
【図10】図10は、第2実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。
【図11】図11は、第3実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。
【図12】図12は、第4実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。
【図13】図13は、第5実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[第1実施形態]
以下、本発明の読取システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、図1を参照して本実施形態に係る読取システム1の全体構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る読取システムを概略的に説明する説明図である。図2は、図1の読取システムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。図3は、図1の読取システムで用いられる光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【0050】
図1に示すように、本実施形態に係る読取システム1(以下、単にシステム1とも称する)は、情報コードC(例えば、QRコード(商標名)、データマトリックスコード、マキシコードなどの二次元コードやバーコードなどの一次元コード)を読み取るシステムとして構成されており、図2に示すように、光学的情報読取装置10と、管理装置50と、サーバ60とを備えている。
【0051】
光学的情報読取装置10は、例えば図3のような構成をなしており、一次元コードや二次元コードを読み取り可能なコードリーダとして機能している。この光学的情報読取装置10は、図3に示すように、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系などから構成されている。なお、これらは、図略のプリント配線板に実装あるいはケース(図示略)内に内装されている。
【0052】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDと、このLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、例えば受光センサ23を挟んだ両側に照明光源21が設けられており、図示しないケースに形成された読取口(図示略)を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、図3では、読取対象物Rに情報コードCが、印刷、ダイレクトマーキング、表示装置による表示、などによって形成された例を示している。
【0053】
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードCに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光し得るように、図略のプリント配線板に実装されている。また、フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタとして構成され、ケースに形成された読取口(図示略)と結像レンズ27との間に設けられている。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケースに形成された読取口(図示略)に入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aに情報コードCのコード画像を結像するように構成されている。
【0054】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像された情報コードCの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0055】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0056】
メモリ35は、複数の半導体メモリ装置からなるものであり、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ等)などによって構成されている。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0057】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を備え、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態では、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48は、コンピュータ50等の外部装置と通信するためのインターフェースであり、外部装置と有線通信を行う有線通信部、或いは無線通信を行う無線通信部、若しくはこれら両方を備えた構成をなしている。
【0058】
コンピュータ50は、例えば公知のパーソナルコンピュータ等として構成されており、図1に示すように、CPU51と、記憶部52と、通信部53とを有している。CPU51は、コンピュータ50の全体的な制御や、光学的情報読取装置10からのデータに対する各種情報処理等を行うものである。また、記憶部52は、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどの記憶手段によって構成されており、少なくとも、光学的情報読取装置10から取得したデータやサーバ60から取得したデータを一時的に記憶し得る構成をなしている。また、通信部53は、光学的情報読取装置10やサーバ60と通信を行う際のインタフェースとして構成されており、LAN通信部(例えば有線LAN通信部又は無線LAN通信部若しくはこれら両方)、その他の通信部(RS232C規格などによるシリアル通信部等)などを備えている。本実施形態では、光学的情報読取装置10とコンピュータ50との間で、例えば、シリアル通信やLAN通信が可能となっており、コンピュータ50とサーバ60とは、例えばインターネット等の通信網を介して接続されている。なお、通信部53は、「通信手段」の一例に相当し、光学的情報読取装置10と通信を行うように機能する。
【0059】
サーバ60も、公知のパーソナルコンピュータ等として構成されており、図1に示すように、CPU61と、記憶部62と、通信部63とを有している。CPU61は、サーバ60の全体的な制御や、コンピュータ50から取得したデータに対する各種演算処理などを行うものである。また、記憶部62は、ROM、RAM、ハードディスクドライブなどの記憶手段によって構成されている。また、通信部63は、コンピュータ50と通信を行う際のインタフェースとして構成されており、上述のようにインターネット等の通信網を介してコンピュータ50と通信を行うように構成されている。本実施形態では、サーバ60から管理装置50内に各種データがダウンロードできるようになっており、例えば、記憶部52(データ蓄積手段)内に蓄積すべきデータをサーバ60から取得できるようになっている。
【0060】
(情報コードの構成)
次に、上記システム1によって読み取られる情報コードについて説明する。
図4(A)は、図1の読取システム1で用いられる情報コードの構成を概念的に説明する説明図であり、図4(B)は、図4(A)の情報コード内における一部のコードブロックのセル構成を概念的に例示する説明図である。図5は、第1実施形態で用いる情報コードのデータ構成を概念的に例示する説明図である。図6(A)は、モード指示子と読取モードとの対応を示す説明図であり、図6(B)は、型番とモードに応じた文字数指示子の設定例を示す説明図である。 図7(A)は、テーブルのデータ構成を概念的に説明する説明図であり、図7(B)は、テーブルのデータ構成の別例を示す説明図である。
【0061】
システム1によって読み取られる情報コードC(図1、図3)は、例えば、図4(A)のように、複数の情報表示単位セルC1(以下、単にセルとも称する)が集合したセル集合体として構成され、矩形形態をなしている。この図4(A)の代表例では、情報コードCがQRコード(商標名)の規格に従って構成されており、QRコード(登録商標)の位置検出パターンと同様の構成、機能を有する位置検出パターンFP1、FP2,FP3が、コード領域の3つの角部にそれぞれ配置され、矩形状のセルC1がM行N列(具体的には21行21列)に配列されたマトリックス状となっている。
【0062】
また、情報コードCには、データを記録するデータ記録領域AR1と、形式情報を記録する形式情報記録領域AR2、AR3とが設けられている。データ記録領域AR1は、符号化したデータを複数のセルC1によって表現する領域であり、本実施形態で用いる情報コードCでは、後述するフォーマット(図5)で構成されたデータがデータ記録領域AR1に記録されている。データ記録領域AR1は、例えば、図4(B)のように8つのセルによってブロックが構成されており、暗色セルが「1」、明色セルが「0」を表わしている。なお、図4(A)では、データ記録領域AR1を一点鎖線にて概念的に示しており、形式情報記録領域AR2、AR3についてはハッチングを付して概念的に示している。これらデータ記録領域AR1や形式情報記録領域AR2、AR3の各セルは実際には図4(B)で示されるような明色セルや暗色セルが用いられるが、図4(A)では、各セルの具体的構成については省略している。
【0063】
データ記録領域AR1に記録されるデータは、図5のように構成されている。図5の例では、データ領域の先頭側にモード指示子が設けられ、モード指示子の後に、テーブル番号データ、テーブルバージョン番号データ、文字数指示子が続いて配されている。更に、文字数指示子に続いて個別データ番号が配されており、その後にターミネータが設けられている。
【0064】
モード指示子は、「モード識別情報」の一例に相当するものであり、当該モード指示子を含む情報コードCの読取モードがテーブルを使用するモード(テーブル使用モード)であるか否かを識別可能な情報として構成されている。本実施形態では、例えば図6(A)のように予め各モードに対応する指示子が規定されており、モード指示子が「0110」というデータであればテーブルを使用するモードであることが特定できるようになっている。
【0065】
テーブル番号データは、「使用テーブル識別情報」の一例に相当するものであり、情報コードCの読み取りに用いる使用テーブルの番号(使用テーブル番号)を含んでいる。また、テーブルバージョン番号データも「使用テーブル識別情報」の一例に相当しており、テーブル番号データで指定される使用テーブルのバージョンを指定するデータとして構成されている。このように、本実施形態では、テーブル番号データとテーブルバージョン番号データとによって、使用テーブルとそのバージョンが特定されるようになっている。
【0066】
また、文字数指示子は、その後に続くデータの文字数を指示するものであり、例えば、図6(B)のように、情報コードの型番(図4の例ではQRコードの型番)とモード(モード指示子によって指定されるモード)との組み合わせに応じてデータが定まるようになっている。なお、型番データは、例えば、図4(A)における形式情報記録領域AR2、AR3に記録されるようになっている。
【0067】
個別データ番号は、テーブル番号データ(使用テーブル識別情報)で特定された使用テーブルにおいて個別データを指定するものであり、図5の例では、情報コードCに複数の個別データ番号が記録され、複数の個別データが指定されている。例えば、図7(A)では、タイ語の音節のテーブルを示しており、各個別データ番号に音節が対応付けられている。テーブル番号データで特定される使用テーブルがこのようなテーブルの場合、図5に含まれる各個別データ番号では、図7(A)のように各個別データ番号に対応付けられたタイ語の各音節が特定されることとなる。また、図7(B)の例では、単語のテーブルを示しており、テーブル番号データ特定される使用テーブルがこのようなテーブルの場合には、図5に含まれる各個別データ番号では、各個別データ番号に対応付けられた各単語が特定されることとなる。
【0068】
このように構成される情報コードCは、撮像手段、情報コード読取手段、テーブル記憶手段(後述)を備えた上述の光学的情報読取装置10によって読み取りが可能とされており、当該光学的情報読取装置10のテーブル記憶手段内に上記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルが存在する場合に、個別データ番号に換えて、該当テーブルにおける個別データ番号に対応した個別データが使用されるようになっている。このような情報コードCの具体的読取方法は後述する。
【0069】
(読取処理)
次に、読取システム1で行われる読取処理について図8等を参照しつつ説明する。なお、図8は、第1実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。図8に示す読み取り処理は、例えば光学的情報読取装置10の制御回路40によって実行されるものであり、光学的情報読取装置10において所定の開始条件が成立したとき(例えば、操作スイッチ42に対する所定操作がなされたとき)に開示される。
【0070】
図1に示す読取処理では、まず、情報コードCの撮像・解析処理を行う(S1)。このS1の処理では、情報コードCを撮像して当該情報コードCの画像データを取得し、この画像データに基づいて情報コードCに記録される各データ(形式情報記録領域AR2、AR3に記録されるデータやデータ記録領域AR1に記録されるデータコードブロックなど)の値を公知の方法で取得し、例えば図5のようなフォーマットのデータを取得する。なお、本実施形態では、受光センサ23が「撮像手段」の一例に相当する。また、図8の読取処理を実行する制御回路40が「情報コード読取手段」の一例に相当し、撮像手段によって撮像された情報コードCを読み取るように機能する。
【0071】
S1の後には、情報コードCに含まれるモード指示子(図5)を参照し、当該モード指示子によってテーブル使用モードが指示されているか否かを判断する(S2)。情報コードCのモード指示子がテーブル使用モードを指示していない場合にはS2にてNoに進み、解読データ生成・出力処理を行う(S10)。なお、S2にてNoに進む場合、S10では公知の情報コード(例えば、QRコード等)で行われる通常のデコード処理(テーブルを用いないデコード処理)がなされる。一方、情報コードCに記録されるモード指示子がテーブル使用モードを指示している場合には、S2にてYesに進む。
なお、本実施形態では、S2の処理を実行する制御回路40が「読取モード確認手段」の一例に相当し、撮像手段によって撮像された情報コードCに含まれるモード指示子(モード識別情報)に基づき、その撮像された情報コードCの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認するように機能する。
【0072】
S2でYesに進む場合、情報コードCに記録されたテーブル番号データ(図5)で指示されているテーブルがメモリ35に存在するか否かを判断する(S3)。情報コードCのテーブル番号データで指定されるテーブル(即ち、テーブル番号データとテーブル番号が同じテーブル)が、メモリ35に記憶されていない場合には、S3にてNoに進み、S9のダウンロード処理を行う。なお、S9の処理については後述する。
【0073】
一方、情報コードCのテーブル番号データで指定されるテーブルがメモリ35に記憶されている場合には、S3にてYesに進み、メモリ35に記録される当該テーブル(即ち、情報コードCのテーブル番号データと同じテーブル番号のテーブル)のテーブルバージョン番号が、情報コードCに記録されたテーブルバージョン番号データ(図5)と異なるか否かを判断する(S4)。そして、メモリ35に記録される当該テーブルのテーブルバージョン番号が、情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一の場合にはS4にてNoに進む。例えば、図1のように、情報コードCのテーブル番号データが「B3」であり、テーブルバージョン番号データがVer.「3.0」の場合、図1の光学的情報読取装置10のようにメモリ35内にテーブル番号が「B3」でVer.「3.0」のテーブルが記録されている場合には、S3にてYesに進むと共にS4にてNoに進むこととなる。一方、メモリ35に情報コードCで指定されるテーブル番号と同じテーブル番号のテーブルが記録されているものの当該テーブルのテーブルバージョン番号が情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一ではない場合、S4にてYesに進む。
【0074】
本実施形態では、S3の処理を実行する制御回路40が、「該当テーブル確認手段」の一例に相当し、読取モード確認手段によってテーブル使用モードが確認された場合に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルのいずれかが、使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認するように機能する(具体的には、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルにおいて、情報コードCに含まれる使用テーブル番号及びバージョン番号のいずれにも対応するテーブルを該当テーブルとして確認するように機能する)。
【0075】
S4にてNoに進む場合、解読データを生成・出力する処理を行う(S10)。本実施形態では、光学的情報読取装置10のメモリ35が「テーブル記憶手段」の一例に相当しており、例えば、上述した図7(A)(B)のようなテーブルデータが格納されている。メモリ35に記憶されるテーブルは、各データ(個別データ)に個別データ番号が対応付けられており、個別データ番号を特定することで、対応する個別データを検索できるようになっている。例えば、図7(B)のテーブルでは、個別データ番号を「1」と特定することで、「青森県」という単語データが取得できるようになっている。このようなテーブルがメモリ35に記憶されていることを前提とし、S4でNoに進んでS10の処理を行う場合には、メモリ35に記録される該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データと同一のテーブル番号であって、当該情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一のテーブルバージョン番号のテーブル)において、情報コードCに記録された個別データ番号(図5)を検索し、前記該当テーブルから個別データ番号に対応する個別データを読み出す。そして、図9のように、情報コードCに記録された各個別データ番号を対応する各個別データに変換した変換データを生成し、これを解読データとして液晶表示器46や外部装置などに出力する。
【0076】
なお、メモリ35に格納するテーブルの構成は、図7のような構成に限られず、様々なテーブル構成を採用することができる。各テーブルの要素となる個別データも、様々なデータが挙げられ、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データのいずれか1種又は複数種類のデータによって個別データを構成することができる。例えば、個別データを文字データとして構成する場合、1又は複数の文字によって構成することができ、その内容も、単語、熟語、一文、複数文など様々な内容とすることができる。また、個別データを記号データや図形データとして構成する場合も同様であり、1又は複数の記号、或いは1又は複数の図形によって個別データを構成することができる。また、個別データを画像データとして構成する場合、1又は複数の画像によって個別データを構成することができ、画像の種類としても静止画、動画、これらの混合画像などによって個別データを構成することができる。いずれの種類の個別データを用いる場合でも、各個別データに個別データ番号が割り当てられ、S10の処理では、情報コードCで指定された個別データ番号が図9のように変換されて出力されることとなる。
【0077】
なお、本実施形態では、S10の処理を実行する制御回路40が、「個別データ検索手段」の一例に相当し、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから個別データ番号に対応する個別データを検索するように機能する。また、S10の処理を実行する制御回路40は、「データ生成手段」の一例にも相当し、情報コードCの個別データ番号を、検索手段によって検索された個別データに変換したデータを生成するように機能する。
【0078】
次に、該当テーブルが存在しない場合について説明する。
まず、図8のS3でNoに進む場合について説明する。S1で読み取った情報コードCのテーブル番号データと同一のテーブル番号のテーブル(指定テーブル)がメモリ35に存在しない場合、S3にてNoに進み、その指定テーブルについての指定バージョン番号(情報コードCのテーブルバージョン番号データと同一のバージョン番号)のテーブルを管理装置50(図1等)からダウンロードする(S9)。
【0079】
本実施形態では、図2に示す管理装置50の記憶部52が「データ蓄積手段」の一例に相当しており、例えば、図1のようなデータベース(複数のテーブルを格納したデータベース)を備え、光学的情報読取装置10のメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されたテーブルの追加又は更新に利用可能な蓄積データが記憶されている。S9の処理では、管理装置50にアクセスすると共に、S1で読み取った情報コードCで指定されたテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブルのダウンロードを要求する。一方、管理装置50側では、CPU51(図2)の制御により、光学的情報読取装置10からのアクセスを監視しており、光学的情報読取装置10から該当テーブル(情報コードCで指定されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブル)のダウンロード要求があった場合には、その要求される該当テーブルを記憶部52から読み出し、光学的情報読取装置10に対して送信する。そして、光学的情報読取装置10は、このように管理装置50から送信される該当テーブルのデータを受信し、メモリ35に記憶する。
【0080】
なお、本実施形態では、メモリ35内において、いずれかのテーブル番号について複数のバージョン番号の各テーブルが記憶可能とされており、例えば、情報コードCで指定されるテーブル番号についての古いテーブルバージョン番号のデータがメモリ35に記憶されている場合には、この古いデータをメモリ35に残したまま、ダウンロードされた新しいデータ(即ち、情報コードCで指定されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブルデータ)をメモリ35に蓄積することができる。また、このようにせず、メモリ35に記憶されるテーブルと同一テーブル番号についての新しいバージョンのデータをダウンロードする場合に、メモリ35に記憶されていた当該テーブル番号の古いバージョンのテーブルデータを消去するようにしてもよい。
【0081】
なお、本実施形態では、S7及びS9の処理を実行可能な制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、メモリ35(テーブル記憶手段)の記憶内容を、管理装置50の蓄積データに基づいて更新するように機能し、具体的には、該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認されない場合に、管理装置50に蓄積された蓄積データから該当テーブルについての更新用データをダウンロードするように機能する。
【0082】
S9でテーブルデータをダウンロードした後には、そのダウンロードしたテーブルに基づいて解読データの生成・出力を行う(S10)。なお、S9の後にS10の処理を行う場合、情報コードCで指定される該当テーブル(情報コードCで指定されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブル)のデータがメモリ35に記憶されているため、S4にてNoに進む場合のS10の処理(上述)と同様の方法でS10の処理を行う。
【0083】
次に、S4にてYesに進む場合について説明する。S1で読み取った情報コードCのテーブル番号データ(図5)と同一のテーブル番号のテーブルがメモリ35に存在するものの、そのメモリ35に存在する当該テーブル番号のテーブルのテーブルバージョン番号が情報コードCのテーブルバージョン番号データ(図5)と異なる場合、S4にてYesに進み、メジャー更新を行うか否かを判断する。本実施形態では、当該システム1で扱われるテーブルバージョン番号の中にメジャー更新か否かの識別に用いる識別情報が含まれており、S4にてテーブルバージョン番号が異なると判断された場合にはこの識別情報に基づいてメジャー更新を行うか否かを判断している。例えば、テーブルバージョン番号は「1.1」「2.1」「3.2」といったように、少数点形式で示されるようになっており、情報コードCに記録されたテーブルバージョン番号データ(図5)の整数部分と、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが異なる場合にメジャー更新と判断している。例えば情報コードCのテーブルバージョン番号データがver.3.2となっており、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号がver.2.2の場合にはメジャー更新と判断する。一方、情報コードCに記録されるテーブルバージョン番号データの整数部分と、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが同じで、これらテーブルバージョン番号の小数部分が異なる場合にマイナー更新と判断している。例えば情報コードCのテーブルバージョン番号データがver.3.2となっており、メモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号がver.3.3の場合にはマイナー更新と判断する。
【0084】
S5でメジャー更新と判断される場合にはS5にてYesに進み、上述したS9のダウンロード処理を行う。即ち、メジャー更新の場合には、情報コードCで指定された該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)のテーブル全体をダウンロードしている。なお、S9の後に行われるS10の処理は上述と同様である。
【0085】
一方、S5でメジャー更新ではないと判断される場合、S5にてNoに進み、更新データを一括してダウンロードするか否かの判断処理を行う(S6)。この判断処理の方法は様々であり、例えば、ユーザによる所定の初期設定に基づいて判断する方法を用いる場合、ユーザが初期設定においてマイナー更新のダウンロードを一括で行うことを指定している場合にはS6にてYesに進み、そうでない場合にはS6にてNoに進むこととなる。他の方法として、S6の処理前に、一括ダウンロードするか否かの判断を促す表示を行い、当該表示に応じて一括ダウンロードが指示された場合にS6にてYesに進み、そうでない場合にはNoに進むようにしてもよい。いずれにせよ、S6にてYesに進む場合には、上述したS9のダウンロード処理を行う。即ち、マイナー更新の場合であっても、一括ダウンロードが指示される場合には、情報コードCで指定された該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)のテーブル全体をダウンロードする。
【0086】
一方、S6にてNoに進む場合(即ち、一括ダウンロードが指示されなかった場合)、記憶部52に記憶されている該当テーブル(即ち、情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)と、メモリ35に記録されている異なるテーブルバージョン番号のテーブル(即ち、前記該当テーブルとテーブル番号が同一であってテーブルバージョン番号が異なるテーブル)の差分データをダウンロードする処理を行う。
【0087】
この処理では、まず、光学的情報読取装置10が管理装置50にアクセスし、管理装置50に対して情報コードCで指定されたテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データを送信すると共に、メモリ35に記憶されている当該テーブル番号のテーブルのバージョン番号(旧バージョン番号)を送信する。一方、管理装置50では、情報コードCで指定されたテーブル番号について、新バージョン番号(情報コードCで指定されたテーブルバージョン番号)のテーブルと旧バージョン番号のテーブルとの差分データを検出し、この差分データのみを記憶部52から読み出すと共に光学的情報読取装置10に送信する。一方、光学的情報読取装置10では、管理装置50から送信される当該差分データを受信し(S7)、メモリ35に記憶される当該テーブル番号についての旧バージョン番号のテーブルを更新する。この場合、管理装置50のCPU51が「差分情報検出手段」の一例に相当し、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶された内容と、記憶部52(データ蓄積手段)に記憶された内容との差分情報を検出するように機能しており、上述のテーブル更新手段が、この差分情報検出手段によって検出された差分情報を更新用データとしてダウンロードすることとなる。
【0088】
なお、差分情報の検出は、光学的情報読取装置10側で行ってもよい。例えば、S7の処理において制御回路40が、情報コードCで指定されたテーブル番号について、新バージョン番号(情報コードCで指定されたテーブルバージョン番号)のテーブルと旧バージョン番号のテーブルとの差分データを検出し、管理装置50に対してこの差分データを特定する情報(例えば、個別データ番号)を送信して差分データを要求するようにしてもよい。この場合、管理装置50ではその差分データを特定する情報に基づいて差分データを読み出し、これを光学的情報読取装置10に送信することとなる。この場合、制御回路40が「差分情報検出手段」の一例に相当することとなる。
【0089】
なお、差分データは、旧バージョン番号のテーブルの一部の個別データを変更するデータであってもよく、旧バージョン番号のテーブルに存在しない個別データを個別データ番号とともに追加するデータであってもよい。S8の処理により、該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号、テーブルバージョン番号のテーブル)がメモリ35に記憶されることとなるため、S8の後に行われるS10の処理は上述と同様に行われる。
【0090】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る読取システム1では、情報コードCの内部に、当該情報コードCの読取モードがテーブルを使用するモード(テーブル使用モード)であるか否かを識別可能なモード指示子(モード識別情報)と、少なくとも当該情報コードCの読み取りに用いる使用テーブルの番号(使用テーブル番号)を含んだ使用テーブル識別情報と、使用テーブル識別情報で特定される使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号とが含まれている。このようにすることで、情報コードCに記録された情報に基づいて当該情報コードCの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを判断できると共に、当該情報コードCの読取に用いる使用テーブル、及び当該使用テーブル内の個別データを特定できるようになる。
一方、光学的情報読取装置10側では、読取モード確認手段により、撮像された情報コードCの読取モードがテーブル使用モードであるか否かを確認でき、読み取った情報コードCにおいてテーブル使用モードが確認された場合には、該当テーブル確認手段により、メモリ35(テーブル記憶手段)内に該当テーブル(使用テーブル識別情報に対応するテーブル)が存在するか否かを迅速に確認できる。そして、メモリ35(テーブル記憶手段)内に該当テーブルが確認された場合には、個別データ検索手段により、当該該当テーブルの中から情報コードCで指定された個別データ(即ち、個別データ番号に対応する個別データ)を検索し、データ生成手段により、情報コードの個別データ番号を当該個別データに変換したデータを生成することができる。このように、情報コードCに記録された一部データ(個別データ番号)を、光学的情報読取装置10に記憶されたデータに変換して解読するシステム構成とすることで、情報コードCに全てのデータを格納しておく必要がなくなり、情報コードCをよりコンパクトに構成しつつ大容量のデータを解読し得るシステムを構築できる。また、該当テーブルを有さない光学的情報読取装置では情報コードCの解読ができなくなるため、特定の使用者のみが情報コードCに記録された情報を利用できるシステムを構築できる。更に、テーブル更新手段により、メモリ35(テーブル記憶手段)の記憶内容を管理装置50の蓄積データに基づいて更新することができるため、必要なテーブルを管理装置50から光学的情報読取装置10内にダウンロードしてメモリ35(テーブル記憶手段)を使用者に適した適切な記憶内容にしやすくなる。
【0091】
更に、情報コードCは、「使用テーブル識別情報」として「使用テーブル番号」と「バージョン番号」とを含んでおり、該当テーブル確認手段は、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルにおいて、情報コードCに含まれる使用テーブル番号及びバージョン番号のいずれにも対応するテーブルを該当テーブルとして確認している。このようにすると、バージョンが対応していないテーブルは該当テーブルとして使用されなくなり、適切なバージョン管理が可能となる。
【0092】
更に、メモリ35(テーブル記憶手段)には、いずれかのテーブル番号について複数のバージョン番号の各テーブルが記憶可能とされている。このようにすると、いずれかのテーブル番号のテーブルに関して、バージョンが変更された過渡期にも対応できるようになる。例えば、あるテーブル番号のテーブルに関し、バージョン変更前の旧バージョンのテーブルと、バージョン変更後の新バージョンのテーブルとがメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されていれば、バージョン変更前後に過渡期に旧バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても、新バージョンを指定する情報コードが読み取られた場合であっても解読できるようになる。
【0093】
また、本実施形態では、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認されない場合に、テーブル更新手段が管理装置50に蓄積された蓄積データから該当テーブルについての更新用データをダウンロードしている。このようにすると、光学的情報読取装置10内のメモリ35(テーブル記憶手段)を利用してデータ処理の迅速化を実現しつつ、該当テーブルが確認されない場合には管理装置50の蓄積データから更新用データをダウンロードして補充することができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0094】
また、本実施形態では、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶された内容と、記憶部52(データ蓄積手段)に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段が設けられており、所定の場合(具体的には例えばマイナー更新が確認された場合)に、テーブル更新手段は、この差分情報検出手段によって検出された差分情報を更新用データとしてダウンロードしている。このようにすると、更新用データのダウンロード量を効果的に抑えることができ、更新処理時間の短縮化を図ることができる。
【0095】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。なお、第2実施形態は、第1実施形態に加え、図10のような更新処理を行うようにしている。従って、以下では第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略し、追加する構成について重点的に説明することとする。なお、図1〜図9は、第1実施形態と同様であるため、適宜これらの図を参照して説明することとする。
【0096】
本実施形態では、図10のような更新処理が行われるようになっている。この更新処理の概要を説明すると、当該更新処理は光学的情報読取装置10の制御回路40によって行われるものであり、この更新処理では、所定のアクセス条件に従って図2に示す管理装置50にアクセスすると共に、記憶部52(データ蓄積手段)に記憶される蓄積データの中に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されたテーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認している。なお、そして、新規データが確認された場合には、管理装置50から新規データに基づく更新用データをダウンロードしてメモリ35(テーブル記憶手段)の記憶内容を更新している。なお、本実施形態では図10の更新処理を実行可能な制御回路40が「新規データ確認手段」「テーブル更新手段」の一例に相当する。
【0097】
図10に示す更新処理は、予め定められた所定のアクセス条件が成立した時に実行される。「所定のアクセス条件が成立した時」の例としては、例えば、「光学的情報読取装置10が管理装置10に接続した時」などであってもよく、「光学的情報読取装置10にて予め設定された時刻となった時」などであってもよい。当該更新処理が開始されると、まず、管理装置50にアクセスし、管理装置50にアップデートされたテーブルが存在するか否かを確認する処理を行う(S21)。アップデートされたテーブルの確認方法は様々であるが、例えば、当該光学的情報読取装置10が前回アクセスした時刻から今回のS21の処理でアクセスするまでの間に記憶部52内でテーブルの追加や更新があったか否かを判断し、記憶部52内で新しいテーブルの追加や更新があった場合にはアップデートされたテーブルがあったと判断するといった方法などが挙げられる。S22の処理でアップデートされたテーブルが存在しないと判断される場合には、S22にてNoに進み当該更新処理を終了する。一方、アップデートされたテーブルが存在すると判断される場合には、S22にてYesに進む。
【0098】
S22でYesに進む場合には、そのアップデートされたテーブルのテーブル番号と、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブル番号とが同一か否かを判断する(S23)。テーブル番号が異なる場合には、S23にてNoに進み、管理装置50からメモリ35内にアップデートされたテーブルをダウンロードする処理を行う(S29)。なお、図10では、S23にてNoに進む場合にS29の処理を行っているが、このような処理を行わず、当該更新処理を終了してもよい。即ち、アップデートされたテーブルのテーブル番号がメモリ35に記憶されるテーブルのテーブル番号と異なる場合には、ダウンロードしないようにしてもよい。
【0099】
一方、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブル番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブル番号と同一の場合には、S23にてYesに進み、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号と異なるか否かを判断する。なお、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号と同一の場合、アップデートされたテーブルが既にメモリ35に存在するということなので、S24にてNoに進み、当該更新処理を終了する。
【0100】
一方、管理装置50にアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号が、メモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号と異なる場合、S24にてYesに進み、アップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号とメモリ35に記憶されたテーブルのテーブルバージョン番号とに基づいてメジャー更新か否かを判断する。なお、メジャー更新か否かの判断方法は図8のS5と同様であり、例えばアップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが異なっている場合にはメジャー更新と判断してS25にてYesに進み、S29の処理を行う。
【0101】
一方、メジャー更新ではない場合(例えば、アップデートされたテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが同一で、小数部分が異なっている場合)には、S25にてNoに進み、対象となるテーブル(ここではアップデートされたテーブル)の一括ダウンロードを判断する判断処理を行う(S26)。S26の判断処理は、図8のS6と同様の方法で行うことができ、対象となるテーブルの一括ダウンロードを行う場合には、S26にてYesに進み、S29の処理を行う。一方、対象となるテーブルの一括ダウンロードを行わない場合には、対象となるテーブル(ここではアップデートされたテーブル)とメモリ35に記憶されるテーブルとの差分データをダウンロードする処理を行う(S27)。なお、S27の処理は、図8のS7の処理と同様の方法で行われる。その後、S27でダウンロードされた差分データに基づき、S8(図8)と同様の方法でテーブルデータを生成する(S28)。
【0102】
(第2実施形態の主な効果)
本実施形態の構成によれば、記憶部52(データ蓄積手段)の蓄積データを所定時期に確認することができ、この記憶部52(データ蓄積手段)内にメモリ35(テーブル記憶手段)のテーブルがアップデートされた新規データが存在する場合には、それに合わせてメモリ35の記憶内容も最新の状態にすることができる。従って、バージョンが異なることに基づく読み取りの失敗を効果的に解消することができ、迅速かつ良好な読み取りに寄与することとなる。
【0103】
[第3実施形態]
次に第3実施形態について説明する。図11は、第3実施形態に係る読取システムで行われる更新処理を例示するフローチャートである。なお、第3実施形態は、第1実施形態に加え、図11のような更新処理を行うようにしている。従って、以下では第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略し、追加する構成について重点的に説明することとする。なお、図1〜図9は、第1実施形態と同様であるため、適宜これらの図を参照して説明することとする。
【0104】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、管理装置50の記憶部52(データ蓄積手段)に、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されている。例えば、図1では各テーブルが業種別に分類されており、各業種毎にグループ番号が付されている。例えば、グループ番号G1が付されたグループは、医療業種に関するテーブルのグループとして構成され、グループ番号G2が付されたグループは、物流業種に関するテーブルのグループとして構成されている。それ以外にも様々な業種のテーブルをグループ化することができる。また、グループ化のカテゴリは様々に考えられ、例えば、テーブルで用いる個別データの言語別に分類したり(例えば、個別データが英語のグループ、個別データが日本語のグループといった分け方など)、データ種別毎に分類するといった方法(例えば、個別データが文字データのグループ、個別データが画像データのグループ、個別データが音声データのグループといった分け方など)を用いることができる。
【0105】
図10に示す更新処理は、光学的情報読取装置10の制御回路40によって行われるものであり、予め定められた所定のアクセス条件が成立した時に開始される。「所定のアクセス条件が成立した時」の例としては、例えば、「光学的情報読取装置10が管理装置10に接続した時」などであってもよく、「光学的情報読取装置10にて予め設定された時刻となった時」などであってもよい。当該更新処理が開始されると、まず、管理装置50にアクセスし(S31)、メモリ35に記憶されるテーブルが属するグループのテーブルが全て格納されているか否かを判断する(S32)。具体的には、例えば、メモリ35に記憶されているテーブルのテーブル番号及びテーブルバージョン番号を管理装置50に送信し、管理装置50側では、当該テーブル番号のテーブルが属するグループの「他のテーブル」(当該グループのテーブルであって、メモリ35に記憶されたテーブルとテーブル番号及びテーブルバージョン番号の少なくともいずれかが異なるテーブル)が記憶部52に記憶されているか否かを判断する。そして、記憶部52に上記「他のテーブル」が存在する場合には、この「他のテーブル」のリストを送信する。このように管理装置50から「他のテーブル」が存在する旨の応答がなされる場合にはS32にてYesに進む。一方、「他のテーブル」が存在しない旨の応答がなされる場合にはS32にてNoに進む。
【0106】
例えば、図1のように、メモリ35において物流業種のグループG2のテーブルB1(ver.1.1)、テーブルB3(ver.3.0)が記憶され、記憶部52に蓄積される当該グループG2の他のテーブルがメモリ35に記憶されていない場合には、S32にてYesに進むこととなる。逆に、メモリ35内に特定のグループのテーブルが全て格納され、他のグループのテーブルが格納されていない場合には、S32にてNoに進み当該更新処理を終了する。
【0107】
S32にてYesに進む場合には、メモリ35に記憶されるテーブルと同一グループに属する未格納の「他のテーブル」のいずれかを選択し、その選択された「他のテーブル」がメモリ35内のいずれかのテーブルとテーブル番号が同一か否かを判断する。テーブル番号が同一でない場合にはS34にてNoに進み、「当該他のテーブル(S33で選択されたテーブル)を管理装置50からダウンロードする(S38)。
【0108】
S33で選択された「他のテーブル」がメモリ35内のいずれかのテーブルとテーブル番号が同一であり、テーブルバージョン番号のみが異なる場合にはS34にてYesに進み、メジャー更新か否かを判断する。更新対象となるテーブル(ここではS33で選択された他のテーブル」とメモリ35に記憶されたテーブルとを比較してメジャー更新か否かを判断する方法については、第1実施形態のS5(図8)や第2実施形態のS25(図10)と同様であり、例えばS33で選択された他のテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが異なっている場合にはメジャー更新と判断してS35にてYesに進み、S38の処理を行う。
【0109】
一方、メジャー更新ではない場合(例えば、S33で選択された他のテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とメモリ35に記憶されるテーブルのテーブルバージョン番号の整数部分とが同一で、小数部分が異なっている場合)には、S35にてNoに進み、対象となるテーブル(ここではS33で選択された他のテーブル)の一括ダウンロードを判断する判断処理を行う(S36)。S36の判断処理は、図8のS6と同様の方法で行うことができ、対象となるテーブル(S33で選択された他のテーブル)の一括ダウンロードを行う場合には、S36にてYesに進み、S38の処理を行う。一方、対象となるテーブル(S33で選択された他のテーブル)の一括ダウンロードを行わない場合には、対象となるテーブルとメモリ35に記憶されるテーブルとの差分データをダウンロードする処理を行う(S37)。なお、S37の処理は、図8のS7の処理と同様の方法で行われる。その後、S37でダウンロードされた差分データに基づき、S8(図8)と同様の方法でテーブルデータを生成する(S28)。
【0110】
以上のようにS38或いはS39に処理によってS33で選択された他のテーブルがメモリ35に格納されることとなる。そして、S38、S39の後には、記憶部52内にメモリ35に格納されていない他のテーブル(メモリ35内のテーブルと同一グループであってメモリ35に記憶されていない他のテーブル)が残っているか否かを判断し(S40)、残っている場合にはS40にてYesに進み、その残りの「他のテーブル」のいずれかを選択し(S33)、S33以降の処理を行う。一方、記憶部52内にメモリ35に格納されていない他のテーブルが残っていない場合にはS40にてNoに進み、当該更新処理を終了する。
【0111】
本実施形態では、図11の処理を実行する制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、所定のアクセス条件に従って管理装置50にアクセスしたときに記憶部52(データ蓄積手段)においてメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの属するグループの「他のテーブル」のデータが記憶されている場合、当該他のテーブルのデータをダウンロードするように機能している。
【0112】
上記実施形態では、「所定のアクセス条件が成立した時」として、「光学的情報読取装置10が管理装置50に接続した時」などを例示したが、例えば第1実施形態で説明した図8のような読取処理が終了直前(例えば、図8のS10の処理の後)を、「所定のアクセス条件が成立した時」としてもよい。この場合、読取処理は基本的に図8の流れで行うことができ、記憶部52(データ蓄積手段)に第1実施形態で上述した該当テーブル(情報コードCに記録されるテーブル番号及びテーブルバージョン番号で指定されるテーブル)の属するグループの他のテーブルが記憶されている場合であっても、まずは該当テーブルの更新用データを先にダウンロードすることができる(図8のS7、S9等参照)。そして、S10の処理(図8)により、該当テーブル(即ちS8で生成されたテーブル又はS9でダウンロードしたテーブル)を用いた読み取りが行われた後に、図11の更新処理を行い、他のテーブルのデータをダウンロードすることができる。
【0113】
(第3実施形態の主な効果)
本実施形態では、管理装置50の記憶部52(データ蓄積手段)に、複数のテーブルがグループ別に分類されて記憶されており、記憶部52(データ蓄積手段)においてメモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合に、テーブル更新手段が当該他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、メモリ35(テーブル記憶手段)のテーブルの内容を最新の状態に維持し易い環境を実現しつつ、メモリ35内のテーブルと関連性の高いテーブルを適切に増やすことができる。
【0114】
また、図8のS10の後に図11の更新処理を行う例では、記憶部52(データ蓄積手段)に情報コードCで指定される該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合に、該当テーブルの更新用データと、他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードできるようになっている。このようにすると、情報コードで指定された該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶部52(データ蓄積手段)に存在する場合にこれをダウンロードすることができるため、使用可能性のある同一グループの他のテーブルを予めダウンロードしておき、後の読み取りに備えておくことができる。そして、後の読み取りで他のテーブルが指定されたときにはダウンロード処理が不要となるため、当該他のテーブルを迅速に利用し、当該他のテーブルを指定する情報コードを迅速かつ良好に解読できるようになる。
【0115】
また、図8のS10の後に図11の更新処理を行う例では、記憶部52(データ蓄積手段)に該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合に、該当テーブルの更新用データを先にダウンロードし、情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、他のテーブルのデータをダウンロードしている。このようにすると、情報コードCの解読については先にダウンロードした該当テーブルを用いて迅速に終了することができ(図8のS10)、他のテーブルのデータについては、その情報コードCの解読後にダウンロードして後の読み取りに備えるこことができる。
【0116】
[第4実施形態]
次に第4実施形態について説明する。図12は、第4実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。なお、第4実施形態は図8の読取処理を図12のように変更した点が第1実施形態と異なり、読取処理以外(図1〜図7、図9及びこれら図面に関連する構成)は第1実施形態と同様である。よって、同様の部分については詳細な説明は省略し、適宜図1〜図7及び図9を参照して説明することとする。
【0117】
本実施形態の読取処理(図12)も、所定の開始条件が成立したとき(例えば、操作スイッチ42に対する所定操作がなされたとき)に制御回路40によって実行され、まず、第1実施形態のS1(図8)と同様に情報コードCの撮像・解析処理を行う(S41)。そして、情報コードCに含まれるモード指示子(図5)を参照し、当該モード指示子によってテーブル使用モードが指示されているか否かを判断する(S42)。情報コードCのモード指示子がテーブル使用モードを指示していない場合にはS42にてNoに進み、解読データ生成・出力処理を行う(S48)。なお、S42にてNoに進む場合、S48では公知の情報コード(例えば、QRコード等)で行われる通常のデコード処理(テーブルを用いないデコード処理)がなされる。
【0118】
一方、情報コードCに記録されるモード指示子がテーブル使用モードを指示している場合には、S42にてYesに進む。そして、情報コードCに記録されるテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号及び同一のテーブルバージョン番号のテーブル(該当テーブル)がメモリ35に存在するか否かを判断する(S43)。該当テーブルがメモリ35に存在する場合にはS43にてYesに進み、S48の処理を行う。なお、S43にてYesに進む場合のS48の処理(即ち該当テーブルを用いた解読処理(図9等参照))は、S4にてNoに進む場合のS10の処理(図8)と同様である。
【0119】
情報コードCに記録されるテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号及び同一のテーブルバージョン番号のテーブル(該当テーブル)がメモリ35に存在しない場合、S43にてNoに進み、該当テーブルのデータ量がメモリ35の空き容量よりも大きいか否かを判断する(S44)。S44の処理の具体的方法は様々に考えられるが、例えば、光学的情報読取装置10から管理装置50にアクセスすると共に管理装置50に対して情報コードCに記録されるテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データを送信し、これらテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データで特定される該当テーブルのデータ量が要求する方法が挙げられる。この場合、管理装置50はこの要求に応じて該当テーブルを検索し、この該当テーブルのデータ量を光学的情報読取装置10に送信する。そして、光学的情報読取装置10では、管理装置50から与えられた該当テーブルのデータ量とメモリ35の空き容量とを比較し、該当テーブルのデータ量がメモリ35の空き容量よりも大きい場合にはS44にてYesに進む。
【0120】
S44でYesに進む場合には、該当テーブルの参照処理を行う(S47)。本実施形態では、例えばメモリ35の一部を構成する不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ等)などがテーブル記憶手段として機能しており、これ以外のRAMなどを一時的に格納可能なワークメモリとして利用できるようになっている。この場合、S44ではテーブルの格納エリアである不揮発性メモリの空き容量を確認し、該当テーブルのデータ量が空き容量よりも大きい場合にはS44にてYesに進み、RAMなどの他の記憶領域を利用して該当テーブルの参照処理を行う(S47)。S47の処理では、例えば、管理装置50にアクセスすると共に、管理装置50に対して情報コードCに記録されたテーブル番号データ、テーブルバージョン番号データ、個別データ番号(図5参照)を送信し、管理装置50から該当テーブルの個別データ(情報コードCの個別データ番号で指定されるデータ)を取得する。そして、その取得した個別データに基づき、情報コードCの個別データ番号を個別データに変換した解読データを生成する(S48)。
【0121】
本実施形態では、S47の処理を実行可能な制御回路40が「参照手段」の一例に相当し、メモリ35内に該当テーブルが確認できない場合に管理装置50に記録された該当テーブルを参照するように機能する。なお、本実施形態における「管理装置に記録された該当テーブルの参照」とは、管理装置50に記録された該当テーブルの一部又は全部を情報コードCの解読に一時的に利用し、当該情報コードCの解読後に該当テーブルのデータをメモリ35内に残さないことを意味している。
【0122】
一方、S44でNoに進む場合には、該当テーブルをダウンロードするか否かの判断処理を行う。この判断処理の方法は様々であり、例えば、ユーザによる所定の初期設定に基づいて判断する方法を用いる場合、ユーザが初期設定において該当テーブルを参照することを指定し、当該設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S45にてNoに進み、上述の参照処理を行う(S47)。一方、ユーザが初期設定において該当テーブルをダウンロードすることを指定し、この設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S45にてYesに進み、管理装置50から該当テーブルをダウンロードする処理を行う。なお、該当テーブルをダウンロードした後のS48の処理は、S43でYesに進む場合のS48の処理と同様である。また、上述の説明では初期設定に基づいてS45の判断処理を行う例を説明したが、S44でNoに進む場合に、該当テーブルをダウンロードするか否かを問い合わせる表示を行うようにしてもよい。この場合、その問い合わせの表示に応じてユーザによって該当テーブルのダウンロードが指示された場合にS45にてYesに進み、問い合わせの表示に応じてユーザによって該当テーブルの参照が指示された場合にS45にてNoに進むようにしてもよい。
【0123】
なお、本実施形態では、S44、S45の処理を実行可能な制御回路40が「モード選択手段」の一例に相当し、管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロード(S46)を行う第1モード(即ち、S45でYesに進むモード)と、管理装置50に記録された該当テーブルの参照(S47)を行う第2モード(即ち、S44でYes又はS45でNoに進むモード)とを切り替えるように機能する。具体的には、S44では、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35(テーブル記憶手段)の記憶可能領域に基づいてメモリ35に更新用データが記憶可能か否かを判断し、更新用データがメモリ35に記憶可能な場合には第1モードを選択可能とし、更新用データがメモリ35に記憶不能な場合には第2モードを選択している。また、S45では、ユーザによる選択操作に基づいて第1モードと第2モードとを切り替えるように機能している。
【0124】
また、S45、S46、S47の処理を実行可能な制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、上記モード選択手段によって第1モードが選択された場合に管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行うように機能する。また、S47の処理を実行する上記参照手段(制御回路40)は、モード選択手段によって第2モードが選択された場合に管理装置50に記録される該当テーブルを参照するように機能している。
【0125】
(第4実施形態の主な効果)
本実施形態では、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合(即ち、メモリ35に該当テーブルが記憶されていない場合)に管理装置50に記録された該当テーブルを参照する参照手段が設けられている。このようにすると、メモリ35に該当テーブルが存在しない場合に、管理装置50に記録された該当テーブルを参照して用いることができ、該当テーブルが存在しないことに起因する読み取りの失敗を効果的に低減できる。
【0126】
具体的には、管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行う第1モードと、管理装置50に記録された該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段を備えている。そして、モード選択手段によって第1モードが選択された場合には、テーブル更新手段が管理装置50から該当テーブルについての更新用データのダウンロードを行い、モード選択手段によって第2モードが選択された場合には、参照手段が管理装置50に記録される該当テーブルを参照している。このようにすると、管理装置50から更新用データをダウンロードするモードと、管理装置50に記憶された該当テーブルを参照するモードとを使い分けることができ、テーブルを利用する上での自由度が高まる。
【0127】
また、本実施形態では、モード切替手段が、ユーザによる選択操作に基づいて第1モードと第2モードとを切り替えている。このようにすると、ユーザが第1モードと第2モードとを任意に使い分けることができるようになる。
【0128】
また、本実施形態では、モード切替手段は、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35の記憶可能領域に基づいて当該メモリ35に更新用データが記憶可能か否かを判断し、更新用データがメモリ35に記憶可能な場合には第1モードを選択可能とし、更新用データがメモリ35に記憶不能な場合には第2モードを選択している。このようにすると、メモリ35に更新用データを記憶できる場合には、メモリ35に更新用データをダウンロードしてメモリ35の内容を更新することができ、メモリ35をより適切な状態とすると共に、メモリ35に記憶されたテーブルに基づいてより迅速に読取処理を行いやすくすることができる。一方、メモリ35に更新用データを記憶できない場合には、次善の策として管理装置50のテーブルデータを参照して用いることができ、メモリ35にテーブルが存在しないことに起因数する読み取りの失敗を低減することができる。
【0129】
[第5実施形態]
次に第5実施形態について説明する。図13は、第5実施形態に係る読取システムで行われる読取処理を例示するフローチャートである。なお、第5実施形態は図12の読取処理の一部を図13のように変更した点が第4実施形態と異なり、読取処理以外(図1〜図7、図9及びこれら図面に関連する構成)は第4実施形態と同様(即ち第1実施形態と同様)である。よって、同様の部分については詳細な説明は省略し、適宜図1〜図7及び図9を参照して説明することとする。
【0130】
本実施形態で行われる読取処理(図13)は、S51〜S54までは第4実施形態のS41〜S44(図12)と同様である。よってこれら処理の詳細な説明は省略する。図13の処理では、情報コードCで指定される該当テーブル(情報コードCのテーブル番号データ及びテーブルバージョン番号データとテーブル番号、テーブルバージョン番号が同一のテーブル)のデータ量がメモリ35の空き容量よりも大きい場合、S54にてYesに進み、メモリ35に記憶されている一部のテーブルを削除した上で該当テーブルをダウンロードする処理を行う(S57)。
【0131】
メモリ35に記憶されたテーブルを削除する方法は様々であり、例えば、メモリ35に記憶されるテーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択し、削除するといった方法が挙げられる。このような方法を用いる場合、S58でメモリ35内のテーブルを用いる毎にその用いられたテーブルの最新の参照時刻(S58でテーブルが使用された時刻)をテーブルと対応付けて記録しておけばよい(このような処理をS58に追加すればよい)。そうすれば、メモリ35に記憶される各テーブル毎に最新の参照時刻が記録されることとなるため、S57の処理を行うときに最も古い参照時刻のテーブルがどのテーブルであるかを特定できるようになる。なお、この場合、上記S58の処理を行う制御回路40が「参照時刻記録手段」の一例に相当し、メモリ35に記憶されるテーブルが参照された時刻を記録するように機能する。
【0132】
なお、上記説明では、S57の処理において、該当テーブルのダウンロードに先立ち、メモリ35に記憶されたテーブルの中で最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択し、これを削除する例を示したが、優先削除テーブルの選定方法はこのような例に限られない。例えば、メモリ35に記憶されたテーブルの中で最も使用回数の低いテーブルを優先削除テーブルとして削除してもよい。
【0133】
また、S54でNoに進む場合には、該当テーブルのダウンロードと共にメモリ35内のテーブルの削除を行うか否かを判断する判断処理を行う。この判断処理の方法は様々であり、例えば、ユーザによる所定の初期設定に基づいて判断する方法を用いる場合、ユーザが初期設定においてダウンロード時に既存テーブルを削除することを指定し、当該設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S55にてYesに進み、上述の削除及びダウンロード処理を行う(S57)。一方、ユーザが初期設定において既存テーブルの削除を指定しておらず、この設定データがメモリ35に記憶されている場合には、S55にてNoに進み、メモリ35内の既存テーブルを残したまま管理装置50から該当テーブルをダウンロードする処理を行う。なお、S56又はS57で該当テーブルをダウンロードした後のS58の処理は、第4実施形態のS48(図12)と同様である。
【0134】
また、上述の説明では初期設定に基づいてS55の判断処理を行う例を説明したが、S54でNoに進む場合に、メモリ35内の既存テーブルを削除するか否かを問い合わせる表示を行うようにしてもよい。この場合、その問い合わせの表示に応じてユーザによって既存テーブルの削除が指示された場合にS55にてYesに進み、問い合わせの表示に応じてユーザによって既存テーブルの削除が指定されない場合にS55にてNoに進むようにしてもよい。
【0135】
本実施形態では、S57の処理を実行可能な制御回路40が「テーブル更新手段」の一例に相当し、管理装置50から更新用データをダウンロードする場合に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除するように機能している。また、S54の処理を実行する制御回路40は、「記憶可否判断手段」の一例に相当し、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35の記憶可能領域に基づいて更新用データがメモリ35に記憶可能か否かを判断している。そして、上記テーブル更新手段(即ち制御回路40)は、S54、S57のように、記憶可否判断手段によって更新用データがメモリ35に記憶できないと判断された場合に、優先削除テーブルを選択して削除している。
【0136】
(第5実施形態の主な効果)
本実施形態では、管理装置50から更新用データをダウンロードする場合に、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶される1又は複数のテーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データのダウンロードによって必要なデータを補充しつつ、メモリ35に記憶される情報量の増大を適切に抑えることができる。
【0137】
また、光学的情報読取装置10において、メモリ35に記憶されるテーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段が設けられており、テーブル更新手段は、メモリ35に記憶されるテーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古いテーブルを優先削除テーブルとして選択している。このようにすると、使用される可能性に低いテーブルを優先的に削除し新しいテーブルの記憶領域を確保することができる。
【0138】
また、本実施形態では、管理装置50から更新用データをダウンロードする際に、メモリ35の記憶可能領域に基づいて更新用データがメモリ35に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段が設けられ、更新用データがメモリ35に記憶できないと記憶可否判断手段によって判断された場合に、優先削除テーブルを選択して削除している。このようにすると、更新用データをダウンロードするタイミングでメモリ35の内容を適切に整理することができ、且つ更新用データが記憶できなくなる事態を回避することができる。
【0139】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0140】
上記実施形態では、QRコードとして構成される情報コードCを代表例として説明したが、図9のようなデータを記録しうるものであれば他の種類(例えばデータマトリックスコード、マキシコード等のその他の二次元コードなど)であってもよい。
【0141】
上記実施形態では、各テーブルについてテーブル番号とテーブルバージョン番号とを付していたが、テーブル番号のみを付してもよい。この場合、例えば、第1実施形態では、情報コードCで指定されるテーブル番号と同一のテーブル番号のテーブルが「該当テーブル」となり、当該該当テーブルがメモリ35に記憶されている場合にはメモリ35のテーブルを用いて読み取りが行われ、メモリ35に記憶されていない場合には、管理装置50から該当テーブル(情報コードCに記録されたテーブル番号データと同一のテーブル番号のテーブル)がダウンロードされることとなる。
【0142】
上記実施形態では端末単体で光学的情報読取装置10が構成される例を示したが、読取端末と他の装置(例えばコンピュータ)とによって光学的情報読取装置10が構成されていてもよい。この場合、読取端末に接続されるコンピュータのCPUを、前述又は後述の、情報コード読取手段、読取モード確認手段、該当テーブル確認手段、個別データ検索手段、データ生成手段、テーブル更新手段、参照手段、モード選択手段、中止手段、新規データ確認手段、記憶可否判断手段、差分情報検出手段、並び替え手段、使用頻度算出手段などとして機能させることができ、コンピュータの記憶部をテーブル記憶手段として機能させることができる。そして、管理装置50は、例えば当該コンピュータに通信可能に接続されることとなる。
【0143】
上記実施形態では、管理装置50とサーバ60とが接続され、管理装置50がサーバ60から各種データをダウロードし得る構成を例示したが、このようなサーバ60が存在しなくてもよい。
【0144】
第1実施形態では、メモリ35(テーブル記憶手段)に該当テーブル(情報コードCに記録されたテーブル番頭データ及びテーブルバージョン番号データと同一のテーブル番号及びテーブルバージョン番号のテーブル)が記憶されていない場合(即ち、該当テーブル確認手段によって該当テーブルが確認できない場合)に、管理措置50から該当テーブルをダウンロードする構成を例示したが、メモリ35に該当テーブルが存在しない場合に読取処理を中止するようにしてもよい。例えば、図8にてNoに進む場合及び図4にてYesに進む場合のいずれにおいても、S1で撮像された情報コードの読み取りを中止するようにしてもよい。このようにすると、メモリ35(テーブル記憶手段)に該当テーブルが存在しない場合に迅速に処理を終わらせることができる。なお、この場合、図8の処理を実行する制御回路40が「中止手段」の一例に相当する。
また、第4実施形態の読取処理(図12)の一部を変更し、S44にてYesに進む場合(即ちメモリ35の空き容量が該当テーブルのデータ量よりも大きい場合)に読取処理を中止するようにしてもよい。この場合、例えば、図12のS45、S47の処理を省略し、S44にてYesに進む場合に当該読取処理を終了するように変更すればよい。
【0145】
上記いずれの実施形態でも、制御回路40を「並び替え手段」として機能させ、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの各個別データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変えるようにしてもよい。なお、データを頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順等にソートする技術は公知であるので詳細な並べ方は省略する。このようにすると、並び替えられた順序に基づいてテーブルの各データを検索し易くなる。
【0146】
上記いずれの実施形態でも、制御回路40を「並び換え手段」として機能させると共に、情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する「使用頻度算出手段」として機能させ、メモリ35(テーブル記憶手段)に記憶されるテーブルの各個別データを、この使用頻度算出手段によって算出される各情報の使用頻度に基づいて並び変えるようにしてもよい。その一例としては、例えば、メモリ35のテーブルの各個別データに対応付けて使用回数データ(使用頻度)を記録するようにし、読取処理で各個別データが使用される毎に(例えば、図8のS10で使用される毎に)各個別データの使用回数データをカウントアップするといった方法を用いることができる。この場合、定期的に、或いは各個別データの使用回数データが更新される毎にテーブル内の各個別データを使用頻度順(使用回数が多い順)に並び替えるようにすればよい。このようにすると、テーブルの各個別データを使用頻度順に検索できるようになり、必要なデータが迅速に検索されやすくなる。
【符号の説明】
【0147】
1…読取システム
10…光学的情報読取装置
23…受光センサ(撮像手段)
35…メモリ(テーブル記憶手段)
40…制御回路(情報コード読取手段、読取モード確認手段、該当テーブル確認手段、個別データ検索手段、データ生成手段、テーブル更新手段、参照手段、モード選択手段、中止手段、新規データ確認手段、記憶可否判断手段、差分情報検出手段、並び替え手段、使用頻度算出手段)
50…管理装置
52…記憶部(データ蓄積手段)
53…通信部(通信手段)
C…情報コード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置と、
前記光学的情報読取装置と通信を行う通信手段と、前記テーブル記憶手段での前記テーブルの追加又は更新に利用可能な蓄積データが記憶されたデータ蓄積手段とを備えた管理装置と、
を有する読取システムであって、
前記情報コードは、
当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、
少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、
前記使用テーブル識別情報で特定される前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、
を備え
前記情報コード読取手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、
前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、
前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、
前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、
前記テーブル記憶手段の記憶内容を、前記管理装置の前記蓄積データに基づいて更新するテーブル更新手段と、
を有することを特徴とする読取システム。
【請求項2】
前記情報コードは、前記使用テーブル識別情報として前記使用テーブル番号とバージョン番号とを含んでおり、
前記該当テーブル確認手段は、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルにおいて、前記情報コードに含まれる前記使用テーブル番号及び前記バージョン番号のいずれにも対応する前記テーブルを前記該当テーブルとして確認することを特徴とする請求項1に記載の読取システム。
【請求項3】
前記テーブル記憶手段には、いずれかの前記テーブル番号について複数の前記バージョン番号の各テーブルが記憶可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の読取システム。
【請求項4】
前記テーブル更新手段は、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認されない場合に、前記管理装置に蓄積された前記蓄積データから前記該当テーブルについての更新用データをダウンロードすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項5】
前記光学的情報読取装置は、
前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段と、
前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行う第1モードと、前記管理装置に記録された前記該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段と、
を備え、
前記テーブル更新手段は、前記モード選択手段によって前記第1モードが選択された場合に前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行い、
前記参照手段は、前記モード選択手段によって前記第2モードが選択された場合に前記管理装置に記録される前記該当テーブルを参照することを特徴とする請求項4に記載の読取システム。
【請求項6】
前記モード切替手段は、ユーザによる選択操作に基づいて前記第1モードと前記第2モードとを切り替えることを特徴とする請求項5に記載の読取システム。
【請求項7】
前記モード切替手段は、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて当該テーブル記憶手段に前記更新用データが記憶可能か否かを判断し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能な場合には前記第1モードを選択し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶不能な場合には前記第2モードを選択することを特徴とする請求項5に記載の読取システム。
【請求項8】
前記管理装置の前記データ蓄積手段には、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、
前記テーブル更新手段は、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データと前記他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードすることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項9】
前記テーブル更新手段は、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データを先にダウンロードし、前記情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、前記他のテーブルのデータをダウンロードすることを特徴とする請求項8に記載の読取システム。
【請求項10】
前記情報コード読取手段は、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記情報コードの読み取りを中止する中止手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項11】
前記光学的情報読取装置は、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の読取システム。
【請求項12】
所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスすると共に、前記データ蓄積手段に記憶される前記蓄積データの中に、前記テーブル記憶手段に記憶された前記テーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認する新規データ確認手段を備え、
前記テーブル更新手段は、前記新規データ確認手段によって前記新規データが確認された場合に、前記管理装置から前記新規データに基づく更新用データをダウンロードして前記テーブル記憶手段の記憶内容を更新することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項13】
前記管理装置の前記データ蓄積手段には、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、
前記テーブル更新手段は、前記所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスしたときに前記データ蓄積手段において前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合、前記他のテーブルのデータをダウンロードすることを特徴とする請求項12に記載の読取システム。
【請求項14】
前記テーブル更新手段は、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除することを特徴とする請求項4から請求項13のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項15】
前記光学的情報読取装置は、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段を備え、
前記テーブル更新手段は、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古い前記テーブルを前記優先削除テーブルとして選択することを特徴とする請求項14に記載の読取システム。
【請求項16】
前記テーブル更新手段は、
前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段を備え、
前記記憶可否判断手段によって前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶できないと判断された場合に、前記優先削除テーブルを選択して削除することを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の読取システム。
【請求項17】
前記テーブル記憶手段に記憶された内容と、前記データ蓄積手段に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段を備え、
前記テーブル更新手段は、前記差分情報検出手段によって検出された前記差分情報を前記更新用データとしてダウンロードすることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項18】
前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルは、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データの少なくともいずれかに属するデータが集合してなるものであり、
前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変える並び替え手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項19】
前記情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する使用頻度算出手段を備え、
前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、前記使用頻度算出手段によって算出される前記各情報の前記使用頻度に基づいて並び変える並び替え手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項20】
情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、
前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段と、
を備えた光学的情報読取装置であって、
読取対象となる前記情報コードにおいて、
当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、
少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、
前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、
が設けられており、
前記情報コード読取手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、
前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、
前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、
前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、
前記テーブル記憶手段の記憶内容を、外部からの情報に基づいて更新するテーブル更新手段と、
を有することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項21】
撮像手段と、情報コード読取手段と、読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置によって読み取られる情報コードであって、
当該情報コードの読取モードがテーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、
少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、
前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、
を備え、
前記光学的情報読取装置の前記テーブル記憶手段に前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルが存在する場合に、前記個別データ番号に換えて、前記該当テーブルにおける前記個別データ番号に対応した前記個別データが使用されることを特徴とする情報コード。
【請求項1】
情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置と、
前記光学的情報読取装置と通信を行う通信手段と、前記テーブル記憶手段での前記テーブルの追加又は更新に利用可能な蓄積データが記憶されたデータ蓄積手段とを備えた管理装置と、
を有する読取システムであって、
前記情報コードは、
当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、
少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、
前記使用テーブル識別情報で特定される前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、
を備え
前記情報コード読取手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、
前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、
前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、
前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、
前記テーブル記憶手段の記憶内容を、前記管理装置の前記蓄積データに基づいて更新するテーブル更新手段と、
を有することを特徴とする読取システム。
【請求項2】
前記情報コードは、前記使用テーブル識別情報として前記使用テーブル番号とバージョン番号とを含んでおり、
前記該当テーブル確認手段は、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルにおいて、前記情報コードに含まれる前記使用テーブル番号及び前記バージョン番号のいずれにも対応する前記テーブルを前記該当テーブルとして確認することを特徴とする請求項1に記載の読取システム。
【請求項3】
前記テーブル記憶手段には、いずれかの前記テーブル番号について複数の前記バージョン番号の各テーブルが記憶可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の読取システム。
【請求項4】
前記テーブル更新手段は、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認されない場合に、前記管理装置に蓄積された前記蓄積データから前記該当テーブルについての更新用データをダウンロードすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項5】
前記光学的情報読取装置は、
前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段と、
前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行う第1モードと、前記管理装置に記録された前記該当テーブルの参照を行う第2モードとを切り替えるモード選択手段と、
を備え、
前記テーブル更新手段は、前記モード選択手段によって前記第1モードが選択された場合に前記管理装置から前記該当テーブルについての前記更新用データのダウンロードを行い、
前記参照手段は、前記モード選択手段によって前記第2モードが選択された場合に前記管理装置に記録される前記該当テーブルを参照することを特徴とする請求項4に記載の読取システム。
【請求項6】
前記モード切替手段は、ユーザによる選択操作に基づいて前記第1モードと前記第2モードとを切り替えることを特徴とする請求項5に記載の読取システム。
【請求項7】
前記モード切替手段は、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて当該テーブル記憶手段に前記更新用データが記憶可能か否かを判断し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能な場合には前記第1モードを選択し、前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶不能な場合には前記第2モードを選択することを特徴とする請求項5に記載の読取システム。
【請求項8】
前記管理装置の前記データ蓄積手段には、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、
前記テーブル更新手段は、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データと前記他のテーブルのデータとを含んだグループデータをダウンロードすることを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項9】
前記テーブル更新手段は、前記データ蓄積手段に前記該当テーブルの属するグループの他のテーブルが記憶されている場合、前記該当テーブルの前記更新用データを先にダウンロードし、前記情報コード読取手段により当該該当テーブルを用いた読み取りが行われた後に、前記他のテーブルのデータをダウンロードすることを特徴とする請求項8に記載の読取システム。
【請求項10】
前記情報コード読取手段は、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記情報コードの読み取りを中止する中止手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項11】
前記光学的情報読取装置は、前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認できない場合に前記管理装置に記録された前記該当テーブルを参照する参照手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の読取システム。
【請求項12】
所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスすると共に、前記データ蓄積手段に記憶される前記蓄積データの中に、前記テーブル記憶手段に記憶された前記テーブルがアップデートされた新規データが存在するか否かを確認する新規データ確認手段を備え、
前記テーブル更新手段は、前記新規データ確認手段によって前記新規データが確認された場合に、前記管理装置から前記新規データに基づく更新用データをダウンロードして前記テーブル記憶手段の記憶内容を更新することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項13】
前記管理装置の前記データ蓄積手段には、複数の前記テーブルがグループ別に分類されて記憶されており、
前記テーブル更新手段は、前記所定のアクセス条件に従って前記管理装置にアクセスしたときに前記データ蓄積手段において前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの属するグループの他のテーブルのデータが記憶されている場合、前記他のテーブルのデータをダウンロードすることを特徴とする請求項12に記載の読取システム。
【請求項14】
前記テーブル更新手段は、前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルの中から所定の優先削除テーブルを選択して削除することを特徴とする請求項4から請求項13のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項15】
前記光学的情報読取装置は、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルが参照された時刻を記録する参照時刻記録手段を備え、
前記テーブル更新手段は、前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの中で、最後に参照された時刻が最も古い前記テーブルを前記優先削除テーブルとして選択することを特徴とする請求項14に記載の読取システム。
【請求項16】
前記テーブル更新手段は、
前記管理装置から前記更新用データをダウンロードする際に、前記テーブル記憶手段の記憶可能領域に基づいて前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶可能か否かを判断する記憶可否判断手段を備え、
前記記憶可否判断手段によって前記更新用データが前記テーブル記憶手段に記憶できないと判断された場合に、前記優先削除テーブルを選択して削除することを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の読取システム。
【請求項17】
前記テーブル記憶手段に記憶された内容と、前記データ蓄積手段に記憶された内容との差分情報を検出する差分情報検出手段を備え、
前記テーブル更新手段は、前記差分情報検出手段によって検出された前記差分情報を前記更新用データとしてダウンロードすることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項18】
前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルは、文字データ、記号データ、図形データ、画像データ、音データの少なくともいずれかに属するデータが集合してなるものであり、
前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、頭文字順、文字数順、ファイルサイズ順、ファイル名順の内の少なくともいずれかの順序で並び変える並び替え手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項19】
前記情報コードに格納された各情報の使用頻度を算出する使用頻度算出手段を備え、
前記テーブル記憶手段に記憶される前記テーブルの各データを、前記使用頻度算出手段によって算出される前記各情報の前記使用頻度に基づいて並び変える並び替え手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の読取システム。
【請求項20】
情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードを読み取る情報コード読取手段と、
前記情報コードの読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段と、
を備えた光学的情報読取装置であって、
読取対象となる前記情報コードにおいて、
当該情報コードの読取モードが前記テーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、
少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、
前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、
が設けられており、
前記情報コード読取手段は、
前記撮像手段によって撮像された前記情報コードに含まれる前記モード識別情報に基づき、その撮像された前記情報コードの読取モードが前記テーブル使用モードであるか否かを確認する読取モード確認手段と、
前記読取モード確認手段によって前記テーブル使用モードが確認された場合に、前記テーブル記憶手段に記憶される1又は複数の前記テーブルのいずれかが、前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルであるか否かを確認する該当テーブル確認手段と、
前記該当テーブル確認手段によって前記該当テーブルが確認された場合に、当該該当テーブルから前記個別データ番号に対応する前記個別データを検索する個別データ検索手段と、
前記情報コードの前記個別データ番号を、前記検索手段によって検索された前記個別データに変換したデータを生成するデータ生成手段と、
前記テーブル記憶手段の記憶内容を、外部からの情報に基づいて更新するテーブル更新手段と、
を有することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項21】
撮像手段と、情報コード読取手段と、読み取りに使用可能なデータを複数集合させてなるテーブルを1又は複数記憶したテーブル記憶手段とを備えた光学的情報読取装置によって読み取られる情報コードであって、
当該情報コードの読取モードがテーブルを使用するテーブル使用モードであるか否かを識別可能なモード識別情報と、
少なくとも当該情報コードの読み取りに用いる使用テーブルの使用テーブル番号を含んだ使用テーブル識別情報と、
前記使用テーブル識別情報で特定された前記使用テーブルにおいて個別データを指定する個別データ番号と、
を備え、
前記光学的情報読取装置の前記テーブル記憶手段に前記使用テーブル識別情報に対応する該当テーブルが存在する場合に、前記個別データ番号に換えて、前記該当テーブルにおける前記個別データ番号に対応した前記個別データが使用されることを特徴とする情報コード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−170430(P2011−170430A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31312(P2010−31312)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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