説明

読取装置、情報処理システム、および媒体偽造防止方法

【課題】より効果的に特定媒体の偽造防止を図った読取装置、情報処理システム、および媒体偽造防止方法を提供する。
【解決手段】媒体3には、不可視かつ赤外光を吸収する色材でコード画像が印刷されている。情報読取装置4は、媒体3上のコード画像に赤外LEDランプ42Aから赤外光を照射し、白色LEDランプ42Bから白色光を照射すると、赤外光および反射光の照射により媒体3で反射した光は、ビームスプリッタ430で2つの方向に分岐され、赤外光除去フィルタ431Bを透過した可視光は可視光用CCD432Bに入射し、可視光除去フィルタ431Aを透過した赤外光は赤外光用CCD432Aに入射する。制御部は、可視光用CCD432Bで撮像されたコード画像からコードが読み取れたとき、媒体3は偽造であると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の媒体上に赤外光を吸収するトナー、インク等の色材で印刷されたコード画像からコードを読み取る読取装置、この読取装置を用いた情報処理システム、および媒体偽造防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、用紙等の媒体に文字や図、絵等を手書きしてその情報をパーソナルコンピュータ等の外部機器に入力する情報処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この情報処理システムで用いる媒体は、人間が視覚的に読み取り可能な状態で文書が印刷され、媒体上の座標情報がエンコードされたコードシンボルが人間が視覚的に読み取り不可能で赤外領域で光学的に読み取り可能な不可視のインクで印刷されている。
【0004】
また、情報処理システムで用いる座標入力装置は、筆記具状の装置本体と、装置本体の先端に取り付けられた筆記具と、媒体上の画像を読み取り、情報処理装置に送信する画像読取装置とを備える。画像読取装置は、媒体を照明する照明部と、媒体上の画像を撮像する光電変換素子とを備える。
【0005】
この構成によれば、コードシンボルが不可視材料で印刷されているので、媒体が見やすくなり、また、コードシンボルにエンコードされた文書ID等が即座に判別できないため、セキュリティを高めることができる。
【特許文献1】特開2000−293303号公報(段落[0041]、[0046]、[0054]、[0074]、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の情報処理システムによると、座標入力装置の画像読取装置は、文書とコードシンボルの両方からの反射光を受光するため、文書とコードシンボルとが重ねて印刷されている場合には、コードシンボルを正確に読み取ることが難しくなる。また、コードシンボルが印刷された媒体を赤外情報の読取りが可能な複写機で読み取り、黒トナーでコードシンボルを印刷すれば、座標入力装置を用いて同様の機能を発揮することができるため、媒体の真偽の判別が困難となり、複写物が悪用される恐れがある。
【0007】
従って、本発明の目的は、より効果的に特定媒体の偽造防止を図った読取装置、情報処理システム、および媒体偽造防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、上記目的を達成するため、媒体上の不可視かつ赤外光を吸収する色材で印刷されたコード画像に可視領域および赤外領域の波長を含む光を照射する照射系と、前記照射系からの前記光の照射により前記媒体で反射した赤外光および可視光をそれぞれ受光して前記コード画像を撮像する受光系と、前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像からコードを読み取るデコード部と、少なくとも前記可視光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて前記媒体の真偽を判定する判定部とを備えたことを特徴とする読取装置を提供する。
【0009】
上記色材における「不可視」とは、目視により認識できるかどうかとは関係なく、複写機で読取不可あるいは困難な程度の吸収率をいい、例えば、可視領域(400nm〜700nm)における平均吸収率が15%以下の場合をいう。これと同様に、上記色材における「赤外光を吸収」とは、機械読取可能な吸収率をいい、例えば、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が20%以上の場合をいう。
【0010】
前記判定部は、前記可視光を受光して撮像された前記コード画像、および前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて、前記媒体の真偽を判定してもよい。両コード画像を用いることにより、精度の高い真偽判定を行うことができる。
【0011】
前記判定部は、前記可視光を受光して撮像された前記コード画像を前記デコード部に入力して前記コードが読み取れたとき、前記媒体は偽造であると判定してもよい。
【0012】
前記判定部は、前記媒体は偽造であると判定したとき、その旨の警報信号を出力してもよい。警報信号に基づいて、例えば、読取装置あるいは外部の情報処理装置においてアラームを鳴らすことにより、ユーザが直ちに当該媒体が偽造であることを認識することができる。なお、媒体が偽造である旨は、聴覚的に表示するだけでなく、読取装置あるいは外部の情報処理装置の表示画面に視覚的に表示してもよい。
【0013】
前記受光系は、前記媒体で反射した光から赤外光と可視光を分離する分離部と、前記分離部で分離された前記赤外光および前記可視光をそれぞれ受光して前記コード画像を撮像する撮像部とを備えた構成とすることができる。
【0014】
撮像部は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。
【0015】
前記分離部は、前記媒体で反射した光を2つの方向に分岐する光学素子と、前記2つの方向の一方に設けられ、前記光学素子からの光から赤外光を除去する赤外光除去フィルタと、前記2つの方向の他方に設けられ、前記光学素子からの光から可視光を除去する可視光除去フィルタとを備え、前記撮像部は、前記赤外光除去フィルタを透過した可視光を受光する可視光用撮像素子と、前記可視光除去フィルタを透過した赤外光を受光する赤外光用撮像素子とを備えた構成とすることができる。
【0016】
前記分離部は、前記媒体で反射した光のうち赤外光および可視光の一方を透過させ、他方を反射させる光学素子を備え、前記撮像部は、前記光学素子からの前記赤外光を受光する赤外光用撮像素子と、前記光学素子からの前記可視光を受光する可視光用撮像素子とを備えた構成とすることができる。この構成によれば、フィルタを省くことができるので、部品点数を低減することができる。
【0017】
前記分離部は、前記媒体で反射した光のうち赤外光および可視光の一方を透過させ、他方を反射させる光学素子と、前記光学素子を透過した光の光路上、および前記光学素子で反射した光の光路上にそれぞれ配置され、択一的に開閉制御される第1および第2の液晶シャッタとを備え、前記撮像部は、前記第1および第2の液晶シャッタを透過した前記可視光あるいは前記赤外光を受光する単一の撮像素子を備えた構成とすることができる。この構成によれば、単一の撮像素子で済むので、後段の回路を簡素化することができる。
【0018】
前記照射系は、赤外光を発生する赤外光源と、白色光を発生する白色光源とを備えた構成とすることができる。赤外光源として、例えば、LED(Light Emitting Diode)、レーザ等を用いることができる。
【0019】
前記照射系は、単一の光源を用いた構成とすることができる。この構成によれば、構成の簡素化、小型化を図ることができる。可視領域および赤外領域の波長を含む光を発生する単一の光源として、例えば、ハロゲンランプ等を用いることができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、上記目的を達成するため、不可視かつ赤外光を吸収する色材で複数のコード画像がマトリックス状に印刷された媒体に筆記可能な筆記用ペンと、前記媒体上の前記コード画像に可視領域および赤外領域の波長を含む光を照射する照射系と、前記照射系からの前記光の照射により前記媒体で反射した赤外光および可視光をそれぞれ受光して前記筆記用ペンの先端付近の前記コード画像を撮像する受光系と、前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像からその撮像された前記コード画像の位置を示す位置コードを読み取るデコーダ部と、前記デコーダ部によって読み取られた前記位置コードに基づいて前記筆記用ペンの軌跡を演算する演算部と、少なくとも前記可視光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて前記媒体の真偽を判定する判定部とを備えたことを特徴とする読取装置を提供する。
【0021】
本発明の第3の態様は、上記目的を達成するため、媒体上の不可視かつ赤外光を吸収する色材で印刷されたコード画像からコードを読み取る読取装置と、前記読取装置によって読み取られた前記コードに基づいて所定の処理を行う処理装置とを有し、前記読取装置は、前記媒体上の前記コード画像に可視領域および赤外領域の波長を含む光を照射する照射系と、前記照射系からの前記光の照射により前記媒体で反射した赤外光および可視光をそれぞれ受光して前記コード画像を撮像する受光系と、前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像からコードを読み取るデコード部と、少なくとも前記可視光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて前記媒体の真偽を判定する判定部とを備えたことを特徴とする情報処理システムを提供する。
【0022】
前記処理装置は、前記媒体上の特定の位置に印刷された前記コード画像から読み取られた前記コードに基づいて、所定のプログラムを起動させて前記所定の処理を実行する構成とすることができる。プログラムに応じて各種のサービスを提供することができる。
【0023】
本発明の第4の態様は、上記目的を達成するため、媒体上の不可視かつ赤外光を吸収する色材で印刷されたコード画像に可視領域の波長を含む光を照射して前記コード画像を撮像するステップと、撮像された前記コード画像からコードを読み取るステップとを含むことを特徴とする媒体偽造防止方法を提供する。
【0024】
上記第1乃至第4の態様によれば、媒体上のコード画像は、不可視の色材で印刷されているため、汎用の複写機(プリンタ)では複写(プリント)により利用可能な媒体を再現することが難しくなる。また、赤外情報の読取りが可能な複写機で複写したとしても、コード画像の不可視性が失われてしまう可能性が高い。このため、その不可視性が失われたコード画像に可視光を照射して撮像すると、コード画像から本来読み取れないはずのコードを読み取ることができ、その媒体は偽造であると判定することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、媒体の偽造が困難であり、その偽造の発見が容易であるので、より効果的に特定媒体の偽造防止を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
[第1の実施の形態]
(システムの全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムを示す。この情報処理システム1は、用紙に不可視のコード画像および可視の文書画像を印刷して媒体3を形成する画像形成装置2と、媒体3上のコード画像から情報を読み取り、その情報を電波で送信する情報読取装置4と、情報読取装置4から送信された情報を処理する情報処理装置5とを有して構成されている。
【0027】
情報読取装置4と情報処理装置5との間の電波による通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)等の通信方式を用いることができる。なお、情報読取装置4と情報処理装置5とは、電波による通信に場合に限らず、赤外線等の無線を用いてもよく、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線を用いてもよい。
【0028】
(画像形成装置)
画像形成装置2は、例えば、電子写真方式によりトナーを用いて印刷するものであり、トナーは、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)のトナーの他、特定のトナーを用いる。特定のトナーは、不可視で赤外光を吸収するトナー(以下「不可視トナー」ともいう。)を用いる。なお、Y、M、Cを重ねることで黒を表現することができるので、Kのトナーを用いなくてもよい。
【0029】
不可視トナーは、例えば、可視領域(400nm〜700nm)における平均吸収率が15%以下であることが必要であり、さらに10%以下であることが好ましい。また、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が20%以上であることが必要であり、さらに30%以上であることが好ましい。
【0030】
可視領域(400nm〜700nm)における平均吸収率が15%を超えると、不可視性の低下により目視にて視認することができ、汎用の複写機による偽造が可能となる。また、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が20%未満であると、精度良く機械読取および複合化を行えなくなる。
【0031】
上記不可視トナーは、例えば、ポリエステル、ポリスチレン等を主成分とする結着樹脂と、CuOおよびP25を含む無機系近赤外光吸収材料とを含有するもの(特開2003−186238号公報)や、ポリエステル、ポリスチレン等を主成分とする結着樹脂と、イモニウム塩、アミニウム塩等の有機系近赤外光吸収材料とを含有するもの(特開2005−249968号公報)等を用いることができる。
【0032】
なお、上記電子写真方式の他に、インクジェット方式、感熱転写方式等の各種の方式のものを用いることができる。例えば、インクジェット方式や感熱転写方式を用いる場合は、特定の色材として、不可視で赤外光を吸収するインクを用いる。
【0033】
媒体3は、紙、プラスチック、布等からなるものや、ホワイトボード等でもよい。
【0034】
(情報読取装置)
情報読取装置4は、一般的なペンとほぼ同様の外形を有するケース40と、このケース40の先端部分に設けられた筆記用のペン部41とを備え、媒体3のコード画像を撮像する機能、コード画像からコードを読み取る機能、ペン部41による筆記データを取得する機能等を有する。これらの機能については後述する。
【0035】
ペン部41は、先端にペン先を有し、後方にインクタンクと、ペン先への筆圧を検出する後述する筆圧検出部とを備える。
【0036】
(情報処理装置)
情報処理装置5は、この装置5全体を制御するCPUと、CPUのアプリケーションプログラムや各種のデータを記憶するROM,RAM,ハードディスク等によって構成された記憶部と、キーボード,マウス等からなる入力デバイスと、情報読取装置4と情報を電波により送受信する通信部と、ネットワークに接続されたネットワークインターフェイスと、画面等を表示するLCD(液晶ディスプレイ)等からなる表示部と、音声を出力するスピーカを有する音声出力部とを備える。このような情報処理装置5は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)によって実現することができる。
【0037】
(媒体上の画像)
図2(a)〜(c)は、媒体3の詳細を示す。本実施の形態では、媒体3を名刺に適用した場合について説明する。この名刺の媒体3には、図2(a),(b)に示すように、用紙全体に、例えば、2×2mmの多数の不可視かつ赤外光吸収係数な大きいコード画像30がマトリックス状に印刷され、用紙の所定の位置に文字、記号、図形等からなる文書画像31が印刷されている。
【0038】
文書画像31として、例えば、ロゴ31aが赤色で印刷され、氏名31b、社名31c、住所31d、電話番号31e、Eメールアドレス31f等が黒色で印刷されている。ロゴ31aは、ロゴエリア31g内に印刷され、Eメールアドレス31fは、Eメールアドレスエリア31h内に印刷されている。ロゴエリア31gおよびEメールアドレスエリア31hは、情報読取装置4によって指定されると、情報処理装置5において所定のプログラムが起動するようになっている。
【0039】
コード画像30は、左上に配置されたローテンションコード部30aと、ローテンションコード部30aの下に配置されたX座標コード部30bと、ローテンションコード部30aの右に配置されたY座標コード部30cと、ローテンションコード部30aの右下に配置された識別コード部30dとからなる。
【0040】
ローテンションコード部30aには、自己のコード画像30の領域を示す情報がエンコードされ、X座標コード部30bおよびY座標コード部30cには、それぞれ自己のコード画像30の媒体3上のX座標およびY座標がエンコードされ、識別コード部30dには、媒体3の識別情報や媒体3に印刷された文書画像31の識別情報がエンコードされている。X座標コード部30bは、縦方向に同じX座標がエンコードされ、Y座標コード部30cは、横方向に同じY座標がエンコードされている。ローテンションコード部30aおよび識別コード部30dは、コード画像30の位置によらず、全て同じコードが記録されている。
【0041】
媒体3の識別情報としては、例えば、用紙に関する情報(サイズ、紙質等)、文書の種類(名詞、カルテ、小切手等)等がある。文書画像31の識別情報としては、例えば、文書ID、個人ID、ファイル名、URL等がある。
【0042】
上記各コード部30a〜30dは、図2(c)に示すように、スラッシュ「/」からなる斜線パターン300aとバックスラッシュ「\」からなる斜線パターン300bの組合せから構成されている。各斜線パターン300a,300bは、例えば、0.2mmピッチで形成され、一つの斜線パターン300a,300bにより1ビットの情報(0または1)を表現している。
【0043】
なお、コード画像30におけるパターンは、上記斜線パターン300a,300bに限定されず、周知のQRコード、PDF417、Data Matrix、Maxi Code等の2次元コードでもよく、バーコード等の1次元コードや独自コードでもよい。また、目的に応じて複数種のコードを組み合わせて用いてもよい。
【0044】
(情報読取装置の内部構造)
図3は、情報読取装置4の内部構造を示す要部断面図である。この情報読取装置4は、ペン型のケース40と、ケース40の先端からペン先410が露出するように配置されたペン部41と、媒体3に可視領域および赤外領域の波長を含む光を照射する照射系42と、媒体3上の画像30,31を撮像する受光系43とを備える。これらのペン部41、照射系42、および受光系43は、ケース40に収容されている。
【0045】
照射系42は、媒体3に波長が800nm〜1000nmの近赤外光を照射する赤外LED(Light Emitting Diode)ランプ42Aと、媒体3に可視領域(400nm〜700nm)の波長を含む白色光を照射する白色LEDランプ42Bとを備える。
【0046】
白色LEDランプ42Bとしては、例えば、青色LEDチップと青色光を黄色光に変換する蛍光体とを組み合わせたものや、青色LEDチップと黄色LEDチップとを組み合わせたものを用いることができる。
【0047】
なお、赤外LEDランプ42Aおよび白色LEDランプ42Bの代わりに、ハロゲンランプのように可視光および赤外光を発生する単一の光源を用いてもよい。
【0048】
受光系43は、媒体3からの反射光を所定の比率で分岐する光学素子としてのビームスプリッタ430と、ビームスプリッタ430で反射した光のうち可視光を除去する可視光除去フィルタ431Aと、ビームスプリッタ430を透過した光うち赤外光を除去する赤外光除去フィルタ431Bと、可視光除去フィルタ431Aを透過した赤外光を撮像する赤外光用撮像素子としての赤外光用CCD(Charge Coupled Device)432Aと、赤外光除去フィルタ431Bを透過した可視光を撮像する可視光用撮像素子としての可視光用CCD432Bとを備える。
【0049】
なお、ビームスプリッタ430、およびフィルタ431A,431Bは、分離部を構成する。また、ビームスプリッタ430の代わりに、ハーフミラーを用いてもよい。
【0050】
赤外光用CCD432Aおよび可視光用CCD432Bは、受光した光をその強度に応じた電気信号に光電変換するものであり、可視領域から近赤外領域まで感度を有するものを共通に用いることができる。また、赤外光用CCD432Aは、近赤外領域に感度を有するもの、可視光用CCD432Bは、可視領域に感度を有するものを用いることができる。なお、撮像素子として、CCD432A,432Bの代わりにCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いてもよい。
【0051】
(情報読取装置の制御系)
図4は、情報読取装置4の制御系を示すブロック図である。この情報読取装置4は、前述したように、LEDランプ42A,42B、CCD432A,432B、および筆圧検出部411を備える他、CCD432A,432Bからの信号をそれぞれ信号処理する第1および第2の信号処理部44A,44Bと、信号処理部44A,44Bによって処理された信号をデコードするデコード部45と、デコード部45によってデコードされたコードを記憶するメモリ46と、情報処理装置5との間で電波による通信を行う通信部47と、この装置4の各部を制御する判定部としての制御部48と、装置4の各部に電源を供給する図示しない電池とを備える。
【0052】
筆圧検出部411、信号処理部44A,44B、デコード部45、メモリ46、通信部47、および制御部48は、ケース40に収容されている。
【0053】
デコード部45は、コード画像30のローテーションコード部30aからローテーションコード、X座標コード部30bからX座標コード、Y座標コード部30cからY座標コード、識別コード部30dから識別コードをそれぞれ読み取るものであり、これについては図面を参照して説明する。
【0054】
図5は、デコード部45によるコードの読み取りを説明するための図である。媒体3上には、図5(a)に示すように、ローテーションコード部30a、X座標コード部30b、Y座標コード部30c、識別コード部30dからなるコード画像30が2次元状に配置されている。図5(a)中、一点鎖線で囲んだ領域は、CCD43A,43Bによる撮像イメージ6、すなわち読取領域を示している。図5(b)は、その撮像イメージ6の詳細を示している。
【0055】
CCD43A,43Bの撮像イメージ6は、コード画像30よりも大きくしており、コード画像30のサイズを前述したように2×2mmとすると、撮像イメージ6のサイズを例えば3×3mmとしている。デコード部45は、図6(b)に示すように撮像イメージ6の各イメージ部60a,60b,61a,61b,62a,62b,62c,62dを組み合わせ、各X座標コード、Y座標コード、識別コードを復元している。実際の撮像イメージ6は、コード画像30に対して傾いていることが多いが、図5(a),(b)に示したのと同様に各部を組み合わせることにより、各コードを復元することができる。
【0056】
第1および第2の信号処理部44A,44Bは、CCD432A,432Bからのアナログの電気信号をデジタル信号に変換するとともに、傾き補正、ガンマ補正、ノイズ除去等の各種の処理を行うものである。
【0057】
制御部48は、筆圧検出部411が一定以上の筆圧を検出しているとき、デコード部45がデコードしたペン先410の座標を示すX座標コードおよびY座標コードからペン先410の軌跡を算出し、筆記データとして通信部47を介して情報処理装置5に通信するように構成されている。
【0058】
また、制御部48は、所定のタイミングで可視光用CCD432Bの出力信号をデコード部45に入力してデコードできたとき、媒体3は偽造である旨の警報信号を通信部47を介して情報処理装置5に送信するようになっている。
【0059】
(情報処理システムの動作)
次に、情報処理システム1の動作を説明する。
【0060】
(1)媒体の真偽判定
画像形成装置2によって作成された媒体3に情報読取装置4の先端を近づけ、情報読取装置4の図示しないスイッチをONすると、赤外LEDランプ42Aは赤外光を発生し、白色LEDランプ42Bは白色光を発生する。赤外光および白色光は、媒体3で反射してその反射光が透明板40aを透過して受光系43に入射する。
【0061】
受光系43に反射光が入射すると、その反射光はビームスプリッタ430によって所定の比率で反射および透過される。ビームスプリッタ430で反射した光は、可視光除去フィルタ431Aによって可視光が除去された後、赤外光用CCD432Aに入射する。赤外光用CCD432Aは、入射した赤外光を電気信号に変換する。
【0062】
一方、ビームスプリッタ430を透過した光は、赤外光除去フィルタ431Bによって赤外光が除去された後、可視光用CCD432Bに入射する。可視光用CCD432Bは、入射した可視光を電気信号に変換する。
【0063】
第1および第2の信号処理部44A,44Bは、CCD432A,432Bからのアナログの電気信号をデジタル信号に変換するとともに、傾き補正、ガンマ補正、ノイズ除去等の各種の処理を行う。
【0064】
このようにして赤外光用CCD432Aおよび可視光用CCD432Bによってそれぞれ毎秒60〜100回撮像が行われ、第1および第2の信号処理部44A,44Bによって信号処理が行われる。
【0065】
制御部48は、初回と複数回(例えば10回)に1回は可視光用CCD432Bの出力信号をデコード部45に入力し、その他は赤外光用CCD432Aの出力信号をデコード部45に入力するように制御する。なお、CCD432A,432Bの出力信号のデコード部45への入力タイミングは、上記に限定されない。
【0066】
可視光用CCD432Bの出力信号をデコード部45に入力した場合、デコード部45にてデコードできたときは、制御部48は、媒体3は偽造である旨の警報信号を通信部47を介して情報処理装置5に送信し、デコードの中止等の処理を行う。情報処理装置5は、警報信号を受けて音声出力部からアラーム音を発生する。なお、アラーム音の代わりに、あるいはアラーム音とともに情報処理装置5の表示部に媒体3は偽造である旨のメッセージを表示してもよい。
【0067】
図6は、赤外を含む白色光(太陽光)を照射した場合の各トナーの光吸収率を示す。不可視トナーとして、850nmに最大吸収率を有し、赤外LEDランプ42Aとして850nmの近赤外光を照射するものを用いたとする。媒体3が赤外情報の読取りが可能な複写機で複写された偽造の場合、コード画像30はK(黒)のトナーで印刷され、図6に示すように、白色光の照射に対して90%以上の光吸収率を有する。このため、偽造されたコード画像30に白色LEDランプ42Bから白色光を照射した場合、白色光はコード画像30にほとんど吸収されるため、デコード部45にてデコードすることができる。一方、媒体3が正規の場合は、コード画像30に可視光(400〜700nm)を照射しても可視光のほとんどが吸収されないため、デコード部45でデコードすることはできない。従って、白色光を照射してデコードできたら偽造と判定することができ、赤外光を照射してデコードできたら正規の媒体であると判定することができる。
【0068】
(2)筆記データの取得
制御部48は、筆圧検出部411が一定以上の筆圧を検出しているとき、デコード部45が取得したペン先410の座標を示すX座標コードおよびY座標コードを基にペン先410の軌跡を算出し、それを筆記データとしてメモリ46に記憶する。その後、制御部48は、メモリ46に記憶した筆記データを通信部47を介して情報処理装置5に送信する。情報処理装置5では、情報読取装置4から送信された筆記データを記憶部に蓄積する。
【0069】
(3)各種アプリケーションの起動
情報読取装置4の先端をロゴエリア31gに近づけ、情報処理装置4の図示しないボタンを操作してロゴエリア31gを指定すると、ロゴエリア31gのX座標コードおよびY座標コードからなる位置情報がデコード部45によってデコードされ、通信部47を介して情報処理装置5に送信される。情報処理装置5は、ロゴエリア31gの位置情報に対応付けられている会社のホームページにインターネットを介してアクセスし、当該会社のホームページを情報処理装置5の表示部に表示する。
【0070】
また、これと同様に、情報読取装置4によってEメールアドレスエリア31hを指定すると、そのEメールアドレスエリア31hのX座標コードおよびY座標コードからなる位置情報が情報処理装置5に送信され、情報処理装置5においてEメールアドレスエリア31hの位置情報に対応付けられている電子メールアプリケーションが起動する。
【0071】
(第1の実施の形態の効果)
この第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(イ)媒体3上のコード画像30は、不可視のトナーで印刷されているため、汎用の複写機では複写により利用可能な媒体を再現することが難しい。また、本媒体3を赤外情報の読取りが可能な複写機で読み取り、コード画像を黒トナーで印刷した場合、コード画像の不可視性が失われてしまうため、可視光をコード画像に照射してコードを読み取れるか否かにより容易に媒体の真偽判定を行うことができる。すなわち、媒体の複製の困難性、および媒体の偽造の発見容易性により、媒体の偽造防止をより効果的に防止することができる。
(ロ)本媒体3を赤外情報の読取り機能を有していない汎用の複写機で読み取り、不可視性の低い、粗悪な不可視トナー(インク)でコード画像が印刷された場合でも、可視光を用いた判定により媒体の偽造をある程度防止することが可能となる。
(ハ)コード画像30は、不可視のトナーで印刷されているため、コード画像30上に文書画像31を重ねて印刷したり、ペン部41で筆記しても、コード画像30に邪魔されずに文書画像31や手書きを視覚的に読み取ることができる。
【0072】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図だる。この第2の実施の形態の情報読取装置4は、第1の実施の形態とは受光系43が異なり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0073】
この第2の実施の形態の受光系43は、媒体3からの反射光のうち赤外光を反射させ、可視光を透過させる分離部としてのダイクロイックプリズム433と、ダイクロイックプリズム433で反射した赤外光を撮像する赤外光用CCD432Aと、ダイクロイックプリズム433を透過した可視光を撮像する可視光用CCD432Bとを備える。
【0074】
ダイクロイックプリズム433は、直角二等辺三角形の断面形状を有する2つのプリズムの斜面同士を、赤外光を反射させ、可視光を透過させる誘電体多層膜433aを介して接合したものである。なお、ダイクロイックプリズム433は、赤外光を透過させ、可視光を反射させるものでもよく、また、ダイクロイクプリズム433の代わりに、誘電体多層膜をコーティングしたダイクロイックミラーを用いてもよい。
【0075】
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、第1の実施の形態と比較してフィルタ431A,431Bを省略できるため、構成の簡素化、小型化を図ることができる。
【0076】
[第3の実施の形態]
図8は、本発明の第3の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。本実施の形態の情報読取装置4は、第1の実施の形態とは受光系43が異なり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0077】
本実施の形態の受光系43は、赤外光を反射させ、可視光を透過させるダイクロイックミラー434と、ダイクロイックミラー434で反射した赤外光を折り返す折り返しミラー435A,435Bと、折り返しミラー435Bで折り返された赤外光の一部を反射させ、ダイクロイックミラー434を透過した可視光の一部を透過させるハーフミラー436と、ダイクロイックミラー434とハーフミラー436との間、および折り返しミラー435A,435B間にそれぞれ配置された液晶シャッタ437A,437Bと、ハーフミラー436で反射した赤外光、あるいはハーフミラー436を透過した可視光を受光するCCD438とを備える。ダイクロイックミラー434、折り返しミラー435A,435B、ハーフミラー436、および液晶シャッタ437A,437Bは、分離部を構成する。
【0078】
制御部48は、赤外光に基づくコード画像を撮像するときは、液晶シャッタ437Aを閉じて液晶シャッタ437Bを開くように液晶シャッタ437A,437Bを駆動し、可視光に基づくコード画像を撮像するときは、液晶シャッタ437Aを開いて液晶シャッタ437Bを閉じるように液晶シャッタ437A,437Bを駆動する。これにより、CCD438には、赤外光か可視光のいずれかが入射するので、単一のCCD438でも、赤外光に基づくコード画像、および可視光に基づくコード画像を撮像することができる。
【0079】
この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、単一のCCDを用いているため、2つのCCDを用いた場合と比較して後段の回路構成を簡素化することができる。
【0080】
なお、2つの液晶シャッタ437A,437Bとして、単一の液晶シャッタを用い、開閉制御する領域を異ならせてもよい。これにより、構成を簡素化することができる。
【0081】
また、液晶シャッタ437A,437Bの開閉制御に連動させて赤外LEDランプ42Aおよび白色LEDランプ42Bを点滅させてもよい。これにより、低消費電力化が図れる。また、ミラー434,435A,435B,436、および液晶シャッタ437A,437Bを省き、赤外LEDランプ42Aおよび白色LEDランプ42Bを択一的に点灯してもよい。これにより、より一層構成の簡素化、小型化を図ることができる。
【0082】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。
【0083】
例えば、情報読取装置4は、上記実施の形態では、ペンに適用した場合について説明したが、携帯情報端末(PDA)や携帯電話等に適用してもよい。この場合、携帯情報端末や携帯電話等は筆記機能を有していなくてもよい。
【0084】
また、コード画像として、ローテンションコード部、座標コード部および識別コード部を設ける例を示したが、位置情報の取得が不要な簡易なケースでは、単に真偽の確認に必要な識別用のコード画像だけを媒体上に不可視で赤外光を吸収する色材で印刷しておき、この識別コードの可視光と赤外光での撮像から真偽の判定をし、この結果に基づいて例えばこの書類の複写を禁止する等の制御を行うこともできる。
【0085】
また、情報処理装置5は、上記実施の形態では、PCによって実現したが、携帯情報端末(PDA)や携帯電話等によって実現してもよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、媒体が偽造である旨のアラーム音の発生やメッセージの表示を情報処理装置5側で行ったが、情報読取装置4側で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報処理システムの概観図である。
【図2】(a)は、媒体の平面図、(b)は、コード画像の全体構成を示す図、(c)は、コード画像の詳細構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る情報読取装置の制御系を示すブロック図である。
【図5】(a),(b)は、本発明の第1の実施の形態に係るデコード部によるコードの読み取りを説明するための図である。
【図6】各トナーの光吸収率を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る情報読取装置の内部構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理システム
2 画像形成装置
3 媒体
4 情報読取装置
5 情報処理装置
6 撮像イメージ
30 コード画像
30a ローテンションコード部
30b X座標コード部
30c Y座標コード部
30d 識別コード部
31 文書画像
31a ロゴ
31b 氏名
31c 社名
31d 住所
31e 電話番号
31f Eメールアドレス
31g ロゴエリア
31h Eメールアドレスエリア
40 ケース
40a 透明板
41 ペン部
42A 赤外LEDランプ
42B 白色LEDランプ
43 受光系
44A,44B 信号処理部
45 デコード部
46 メモリ
47 通信部
48 制御部
60a,60b,61a,61b,62a,62b,62c,62d イメージ部
300a,300b 斜線パターン
410 ペン先
411 筆圧検出部
430 ビームスプリッタ
431A 可視光除去フィルタ
431B 赤外光除去フィルタ
432A 赤外光用CCD
432B 可視光用CCD
433 ダイクロイックプリズム
433a 誘電体多層膜
434 ダイクロイックミラー
435A,435B 折り返しミラー
436 ハーフミラー
437A,437B 液晶シャッタ
438 CCD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上の不可視かつ赤外光を吸収する色材で印刷されたコード画像に可視領域および赤外領域の波長を含む光を照射する照射系と、
前記照射系からの前記光の照射により前記媒体で反射した赤外光および可視光をそれぞれ受光して前記コード画像を撮像する受光系と、
前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像からコードを読み取るデコード部と、
少なくとも前記可視光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて前記媒体の真偽を判定する判定部とを備えたことを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記可視光を受光して撮像された前記コード画像、および前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて、前記媒体の真偽を判定することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記可視光を受光して撮像された前記コード画像を前記デコード部に入力して前記コードが読み取れたとき、前記媒体は偽造であると判定することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記媒体は偽造であると判定したとき、その旨の警報信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項5】
前記受光系は、前記媒体で反射した光から赤外光と可視光を分離する分離部と、前記分離部で分離された前記赤外光および前記可視光をそれぞれ受光して前記コード画像を撮像する撮像部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項6】
前記分離部は、前記媒体で反射した光を2つの方向に分岐する光学素子と、前記2つの方向の一方に設けられ、前記光学素子からの光から赤外光を除去する赤外光除去フィルタと、前記2つの方向の他方に設けられ、前記光学素子からの光から可視光を除去する可視光除去フィルタとを備え、
前記撮像部は、前記赤外光除去フィルタを透過した可視光を受光する可視光用撮像素子と、前記可視光除去フィルタを透過した赤外光を受光する赤外光用撮像素子とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の読取装置。
【請求項7】
前記分離部は、前記媒体で反射した光のうち赤外光および可視光の一方を透過させ、他方を反射させる光学素子を備え、
前記撮像部は、前記光学素子からの前記赤外光を受光する赤外光用撮像素子と、前記光学素子からの前記可視光を受光する可視光用撮像素子とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の読取装置。
【請求項8】
前記分離部は、前記媒体で反射した光のうち赤外光および可視光の一方を透過させ、他方を反射させる光学素子と、前記光学素子を透過した光の光路上、および前記光学素子で反射した光の光路上にそれぞれ配置され、択一的に開閉制御される第1および第2の液晶シャッタとを備え、
前記撮像部は、前記第1および第2の液晶シャッタを透過した前記可視光あるいは前記赤外光を受光する単一の撮像素子を備えたことを特徴とする請求項5に記載の読取装置。
【請求項9】
前記照射系は、赤外光を発生する赤外光源と、白色光を発生する白色光源とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項10】
前記照射系は、単一の光源を用いたことを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項11】
不可視かつ赤外光を吸収する色材で複数のコード画像がマトリックス状に印刷された媒体に筆記可能な筆記用ペンと、
前記媒体上の前記コード画像に可視領域および赤外領域の波長を含む光を照射する照射系と、
前記照射系からの前記光の照射により前記媒体で反射した赤外光および可視光をそれぞれ受光して前記筆記用ペンの先端付近の前記コード画像を撮像する受光系と、
前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像からその撮像された前記コード画像の位置を示す位置コードを読み取るデコード部と、
前記デコード部によって読み取られた前記位置コードに基づいて前記筆記用ペンの軌跡を演算する演算部と、
少なくとも前記可視光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて前記媒体の真偽を判定する判定部とを備えたことを特徴とする読取装置。
【請求項12】
媒体上の不可視かつ赤外光を吸収する色材で印刷されたコード画像からコードを読み取る読取装置と、
前記読取装置によって読み取られた前記コードに基づいて所定の処理を行う処理装置とを有し、
前記読取装置は、
前記媒体上の前記コード画像に可視領域および赤外領域の波長を含む光を照射する照射系と、
前記照射系からの前記光の照射により前記媒体で反射した赤外光および可視光をそれぞれ受光して前記コード画像を撮像する受光系と、
前記赤外光を受光して撮像された前記コード画像からコードを読み取るデコード部と、
少なくとも前記可視光を受光して撮像された前記コード画像に基づいて前記媒体の真偽を判定する判定部とを備えたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
前記処理装置は、前記媒体上の特定の位置に印刷された前記コード画像から読み取られた前記コードに基づいて、所定のプログラムを起動させて前記所定の処理を実行することを特徴とする請求項12に記載の情報処理システム。
【請求項14】
媒体上の不可視かつ赤外光を吸収する色材で印刷されたコード画像に可視領域の波長を含む光を照射して前記コード画像を撮像するステップと、
撮像された前記コード画像からコードを読み取るステップとを含むことを特徴とする媒体偽造防止方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−114869(P2007−114869A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303284(P2005−303284)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】