説明

読取装置および読取方法

【課題】商品の五面のいずれの面にバーコードが付された場合にも単一の読取窓によってバーコードを読み取ること。
【解決手段】光走査手段20により形成された走査線を第一の走査線分割手段30および第二の走査線分割手段40で分割し、第一の走査線分割手段30によって分割された走査線が第二の走査線分割手段40にいたるまでに光走査手段20の回転軸を横切るよう第一の走査線分割手段30および第二の走査線分割手段40を配置することとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源から出射された光線を走査し、装置外部にある物品に走査光を照射して、物品からの反射光を検出することによって物品に付された識別情報を読み取る読取装置および読取方法に関し、特に、直方体形状の5面のいずれの面に識別情報が付された場合にも単一の読取窓で識別情報を読み取ることができる、小型・低コストで読取性能の高い読取装置および読取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパのチェックアウトカウンタなどに設置され、商品に付されたバーコードを商品にレーザ走査光を照射して読み取るバーコードスキャナ装置は、単一ないし二つの読取窓ガラスを備えている。
【0003】
単一の読取窓ガラスを備えた従来装置は、小型であるが、装置から提供されるレーザ走査パターンが少なく、読取可能な面数が2〜4面と少ないことから、商品を移動操作する際にバーコードの位置によってはバーコードの読取が不可能な場合がある。商品を傾けてもかまわない場合には、商品の移動操作時に商品を傾けることによって読取可能面数が少ないときでもバーコードを読み取ることができるが、ケーキなど傾けることができない場合には、バーコードの読取を行うことができない。
【0004】
そこで、読取可能面数を増やすために、開口方向が異なる二つの読取窓ガラスを備えたバーコードスキャナ装置が利用されている。二つの読取窓ガラスを備えたバーコードスキャナ装置では、走査線の方向を増やすことができ、より多くの面からバーコードを読み取ることができる(例えば、特許文献1および2参照。)。なお、二つの読取窓ガラスを備えたバーコードスキャナ装置には、チェックアウトカウンタ上部に縦に設置される装置とチェックアウトカウンタに埋め込まれて使用される装置がある。
【0005】
【特許文献1】特開平9−167198号公報
【特許文献2】特開平11−109272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、二つの読取窓ガラスを備えたバーコードスキャナ装置には、以下のような問題点がある。すなわち、チェックアウトカウンタ上部に縦に設置される装置では、装置の高さ方向の寸法が長くなり、特にスキャナ装置の上に電子多項目キーボードを配置した構成では、店員と買い物客との対面性が悪いという問題がある。
【0007】
また、チェックアウトカウンタに埋め込まれて使用される装置では、装置が大型になってコスト高になるばかりでなく、読取作業を終えた後に商品籠をカウンタ上でスライドさせることができず、スキャナの上を通過させるためには商品籠を上方に持ち上げる操作が必要になり、店員の負荷が高くなるという問題がある。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、直方体形状の5面のいずれの面にバーコードなどの識別情報が付された場合にも単一の読取窓で識別情報を読み取ることができる、小型・低コストで読取性能の高い読取装置および読取方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る読取装置は、光源から出射された光線を光走査手段によって走査し、第一の走査線分割手段、第二の走査線分割手段を経て単一の読取開口部から装置外部にある物品に走査光を照射し、物品からの反射光を検出することによって該物品に付された識別情報を読み取る読取装置であって、前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光の一部は前記第二の走査線分割手段に至るまでに前記光走査手段の回転軸を横切るように該第一の走査線分割手段と第二の走査線分割手段が配置された構成であることを特徴とする。
【0010】
この請求項1の発明によれば、第一の走査線分割によって得られた走査光の一部は第二の走査線分割までに光走査手段の回転軸を横切るように第一の走査線分割手段と第二の走査線分割手段を配置するよう構成したので、光走査手段が走査光を形成する角度を広げ、第二の走査線分割手段による分割範囲を広げることができる。
【0011】
また、請求項2の発明に係る読取装置は、請求項1の発明において、前記第一の走査線分割手段は異なる角度で配置された2枚のミラーで構成され、該2枚のミラーで得られた二つの走査光の一部は、前記第二の走査線分割手段に至る光路において、互いに交錯するように該2枚のミラーが配置された構成であることを特徴とする。
【0012】
この請求項2の発明によれば、第一の走査線分割手段は異なる角度で配置された2枚のミラーで構成され、2枚のミラーで得られた二つの走査光の一部は、第二の走査線分割手段に至る光路において、互いに交錯するように2枚のミラーを配置するよう構成したので、第二の走査線分割手段に対していずれかのミラーで反射された走査光を照射させることができる。
【0013】
また、請求項3の発明に係る読取装置は、請求項1または2の発明において、前記第二の走査線分割手段は異なる角度で配置された複数のミラーで構成され、少なくとも1枚のミラー上に、前記二つの走査光が交錯して提供されるよう該複数のミラーが配置された構成であることを特徴とする。
【0014】
この請求項3の発明によれば、第二の走査線分割手段は異なる角度で配置された複数のミラーで構成され、少なくとも1枚のミラー上に、第一の走査線分割手段により分割された二つの走査光が交錯して提供されるよう複数のミラーを配置するよう構成したので、第二の走査線分割手段を構成するいずれかのミラーに二つ走査光を照射させることができる。
【0015】
また、請求項4の発明に係る読取装置は、請求項1、2または3の発明において、前記物品からの反射光を集光して光検知器に導くための集光手段をさらに備え、前記集光手段は、前記光走査手段に対して前記第一の走査線分割手段と同一方向に配置されていることを特徴とする。
【0016】
この請求項4の発明によれば、集光手段を光走査手段に対して第一の走査線分割手段と同一方向に配置するよう構成したので、装置内の空間を効率良く使用することができる。
【0017】
また、請求項5の発明に係る読取装置は、請求項4の発明において、前記第一の走査線分割手段は、前記集光手段に対して前記読取開口部側に配置されていることを特徴とする。
【0018】
この請求項5の発明によれば、第一の走査線分割手段を集光手段に対して読取開口部側に配置するよう構成したので、装置内の空間を効率良く使用することができる。
【0019】
また、請求項6の発明に係る読取装置は、請求項4または5の発明において、前記集光手段によって集光された反射光は前記光検知器に至る光路において、前記光走査手段の回転軸を横切るよう該光検知器が配置された構成であることを特徴とする。
【0020】
この請求項6の発明によれば、集光手段によって集光された反射光は光検知器に至る光路において、光走査手段の回転軸を横切るよう光検知器を配置する構成としたので、装置内の空間を効率良く使用することができる。
【0021】
また、請求項7の発明に係る読取装置は、請求項1〜6の発明において、前記第二の走査線分割手段が形成する走査線には、前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光を複数のミラーで反射して形成される走査線が含まれることを特徴とする。
【0022】
この請求項7の発明によれば、第二の走査線分割手段が形成する走査線には、第一の走査線分割手段によって得られた走査光を複数のミラーで反射して形成される走査線が含まれるよう構成したので、走査線の方向の数を増やすことができる。
【0023】
また、請求項8の発明に係る読取装置は、請求項7の発明において、前記第二の走査線分割手段が形成する走査線は、前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光を2枚のミラーまたは1枚のミラーで反射して形成されることを特徴とする。
【0024】
この請求項8の発明によれば、第二の走査線分割手段が形成する走査線は、第一の走査線分割手段によって得られた走査光を2枚のミラーまたは1枚のミラーで反射して形成されるよう構成したので、ミラーの数が不必要に増加することを防ぐことができる。
【0025】
また、請求項9の発明に係る読取装置は、請求項1〜8の発明において、前記光走査手段は、直方体の4側面に対応する4枚のミラーで構成されることを特徴とする。
【0026】
この請求項9の発明によれば、光走査手段を直方体の4側面に対応する4枚のミラーで構成することとしたので、走査線を反射する角度と走査線の数との関係を適切なものとすることができる。
【0027】
また、請求項10の発明に係る読取方法は、光源から出射された光線を光走査手段によって走査し、第一の走査線分割工程、第二の走査線分割工程を経て単一の読取開口部から装置外部にある物品に走査光を照射し、物品からの反射光を検出することによって該物品に付された識別情報を読み取る読取方法であって、前記第一の走査線分割工程によって得られた走査光の一部は前記第二の走査線分割工程に至るまでに前記光走査手段の回転軸を横切るように該第一の走査線分割工程が走査線を分割することを特徴とする。
【0028】
この請求項10の発明によれば、第一の走査線分割によって得られた走査光の一部は第二の走査線分割に至るまでに光走査手段の回転軸を横切るように第一の走査線分割を行うよう構成したので、光走査手段が走査光を形成する角度を広げ、第二の走査線分割による分割範囲を広げることができる。
【発明の効果】
【0029】
請求項1および10の発明によれば、光走査手段が走査光を形成する角度を広げ、第二の走査線分割による分割範囲を広げるので、形成する走査線の方向を増加させ、直方体形状の5面のいずれの面に識別情報が付された場合にも単一の読取窓で識別情報を読み取ることができるという効果を奏する。
【0030】
また、請求項2の発明によれば、第二の走査線分割手段に対していずれかのミラーで反射された走査光を照射させるので、第二の走査線分割手段を無駄なく利用することができるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項3の発明によれば、第二の走査線分割手段を構成するいずれかのミラーに二つ走査光を照射させるので、複数のミラーを無駄なく利用することができるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項4、5および6の発明によれば、装置内の空間を効率良く使用するので、装置を小型化することができるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項7の発明によれば、走査線の方向の数を増やすので、識別情報が読取可能な面数を増やすことができるという効果を奏する。
【0034】
また、請求項8の発明によれば、ミラーの数が不必要に増加することを防ぐので、装置を小型化することができるという効果を奏する。
【0035】
また、請求項9の発明によれば、走査線を反射する角度と走査線の数との関係を適切なものとするので、識別情報の読取性能を向上することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る読取装置および読取方法の好適な実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0037】
まず、本実施例に係るスキャナシステムについて説明する。図1は、本実施例に係るスキャナシステムを示す図である。同図に示すように、このスキャナシステムは、チェックアウトカウンタ上部に縦に設置され、単一の読取窓ガラスを備えたスキャナ部を有する。
【0038】
スキャナは、多方向の走査光を照射することができ、商品の5面のいずれにバーコードが付された場合にもバーコードを読み取ることができる。また、スキャナ部の上方には電子多項目キーボードが配置されるため、読取窓ガラスを単一にすることによって、高さ方向の寸法を短くすることができる。
【0039】
このように、本実施例に係るスキャナシステムでは、単一の読取窓ガラスを備えたスキャナで商品の5面のいずれにバーコードが付されたバーコードを読み取ることができるようにすることによって、小型・低コストで読取性能の高いスキャナシステムを構築することができる。
【0040】
次に、本実施例に係るスキャナの概略について説明する。図2は、本実施例に係るスキャナの概略を示す図である。同図に示すように、このスキャナ100は、レーザ光源10と、光走査手段20と、第一の走査線分割手段30と、第二の走査線分割手段40と、集光手段50と、光検知器60と、読取開口部70とを有する。
【0041】
レーザ光源10は、レーザ光を発射する光源であり、レーザ光を光走査手段20に向けて発射する。光走査手段20は、レーザ光源10から発射されたレーザ光から回転によって走査光を形成するポリゴンミラーであり、具体的には、4面がミラーである直方体を回転させることによって走査光を形成する。ミラーを4面とすることによって、走査光を反射する角度と走査線の数との関係を適切なものとすることができる。
【0042】
第一の走査線分割手段30は、走査光を二方向に分割するミラーであり、走査光を反射面の角度が異なる二つのミラーで反射することによって走査光を二方向に分割する。また、この第一の走査線分割手段30は、走査光を第二の走査線分割手段40に向けて反射する。
【0043】
また、この第一の走査線分割手段30は、光走査手段20に対して、第二の走査線分割手段40と反対方向に配置される。すなわち、この第一の走査線分割手段30によって反射された走査光の一部は、第二の走査線分割手段40に到達するまでに光走査手段20の回転軸を横切る。
【0044】
この第一の走査線分割手段30を、光走査手段20に対して、第二の走査線分割手段40と反対方向に配置し、かつ、反射面の角度が異なる二つのミラーによって構成することによって、光走査手段20が走査光を反射する角度を広げることができる。すなわち、光走査手段20が直方体形状の4面ミラーから構成される場合には、光走査手段20が走査光を反射する角度は最大で180°であるが、走査光を一旦第一の走査線分割手段30によって反射させることによって、走査光を反射する角度を180°より大きくすることができる。
【0045】
第二の走査線分割手段40は、走査光を五方向に分割するミラーであり、第一の走査線分割手段30からの走査光を反射面の角度が異なる五つのミラーで反射することによって走査光を五方向に分割し、読取窓ガラスから物品に走査光を照射する。
【0046】
図2の正面図において、第一の走査線分割手段30の右側のミラーで反射された走査光は、点線で示すように第二の走査線分割手段40の左、左上、上、右上の4つのミラーで反射され、第一の走査線分割手段30の左側のミラーで反射された走査光は、一点鎖線で示すように第二の走査線分割手段40の左上、上、右上、右の4つのミラーで反射される。すなわち、第一の走査線分割手段30の左右のミラーを用いて第二の走査線分割手段40の五つのミラー全てに走査光を照射することができる。
【0047】
集光手段50は、物品から反射された反射光を集光する凹面鏡であり、集光した反射光を光検知器60に向けて照射する。光検知器60は、物品からの反射光を検出する検出器である。この光検知器60で検出された光に基づいてバーコードの認識が行われる。読取開口部70は、第二の走査線分割手段40により反射された走査光をスキャナ外部の商品に照射するための窓である。
【0048】
次に、本実施例に係るスキャナの構成について説明する。図3は、本実施例に係るスキャナの構成を示す図である。同図において、YLミラーおよびYRミラーが図2の第一の走査線分割手段30に対応する。
【0049】
また、T3L/T3Rミラー、T2L/T2Rミラー、T1L/T1Rミラー、H3L/H3Rミラー、H2L/H2Rミラー、H1L/H1Rミラー、Zミラー、V1L/V1Rミラー、V2L/V2Rミラーが図2の第二の走査線分割手段40に対応する。ここで、T*LミラーとT*Rミラー(*は1〜3)、H*LミラーとH*Rミラー(*は1〜3)、V*LミラーとV*Rミラー(*は1〜2)はそれぞれ光走査手段20に対して対称に配置されている。
【0050】
すなわち、図2では、概略の説明として第二の走査線分割手段40が五つのミラーから構成されているものとして説明したが、実際には、第二の走査線分割手段40は、これら17個のミラーから構成される。
【0051】
ただし、17個のミラーが個々に走査線を分割するのではなく、例えば、YLミラーに反射された走査光は、光走査手段20の回転角度に応じてH1LミラーまたはH2Lミラーに反射した後H3Lミラーで反射されるなど、二つのミラーの組み合わせによって一つの走査線が形成される場合もある。なお、図3では、代表的な走査線として走査線A〜Eが図示されているが、このスキャナはより多くの走査線を形成する。
【0052】
図4は、本実施例に係るスキャナによって形成される走査線を示す図である。同図に示すように、レーザ光源10から発射されたレーザ光は、図3に示したAミラーおよびBミラーで反射され、光走査手段20によって走査光としてYLミラーおよびYRミラーに照射される。そして、YLミラーおよびYRミラーで反射された走査光が第二の走査線分割手段40によって反射されて多くの走査線が形成される。
【0053】
例えば、YLミラーで反射された走査光は、H1LミラーおよびH3Lミラーで反射されて走査線H1Lが形成され、V1LミラーおよびV2Lミラーで反射されて走査線V1Lが形成される。
【0054】
また、YRミラーで反射された走査光は、T1LミラーおよびT3Lミラーで反射されて走査線T1Rが形成され、H1LミラーおよびH3Lミラーで反射されて走査線H2Rが形成される。
【0055】
なお、図4において、「省略」は、図5で走査パターンが図示されない走査線を示し、「無効」は、読取窓ガラスから外に出ない走査線を示す。
【0056】
図5は、走査パターンを示す図である。同図は、図4の経路で形成された走査線H1L、V1L、ZL1、V2L、H2L、T1L、T1R、H2R、V2R、ZR1、V1R、H1R、ZL2、T2L、T2R、ZR2の読取窓ガラスでの走査パターンおよび読取窓ガラスから50mm離れた面上での走査パターンを示している。
【0057】
このように、本実施例に係るスキャナ100は、多方向の走査パターンを形成することによって、商品の5面のいずれの面にバーコードが付された場合にも単一の読取窓でバーコードを読み取ることができる。
【0058】
図6は、YLミラー反射による走査線の形成を示す図である。同図に示すように、YLミラーで反射された走査光は、光走査手段20の図に示すような回転にともなって、H1Lミラー、V1Lミラー、Zミラー、V1Rミラー、H1Rミラー、T1Rの順に反射される。そして、Zミラーで反射された走査光を除いて他の走査光は他のミラーで反射されて走査線が形成される。
【0059】
図7は、YRミラー反射による走査線の形成を示す図である。同図に示すように、YRミラーで反射された走査光は、光走査手段20の図に示すような回転にともなって、T1Lミラー、H1Lミラー、V1Lミラー、Zミラー、V1Rミラー、H1Rミラーの順に反射される。そして、Zミラーで反射された走査光を除いて他の走査光は他のミラーで反射されて走査線が形成される。
【0060】
上述してきたように、本実施例では、光走査手段20により形成された走査線を第一の走査線分割手段30および第二の走査線分割手段40で分割し、第一の走査線分割手段30によって分割された走査線が第二の走査線分割手段40にいたるまでに光走査手段20の回転軸を横切るよう第一の走査線分割手段30および第二の走査線分割手段40を配置することとしたので、単一読取窓で多方向のレーザ走査パターンを形成し、商品の5面のいずれにバーコードが付された場合にもバーコードを読み取ることができる。
【0061】
また、本実施例では、光走査手段20が4つのミラーから構成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、光走査手段20が3つのミラーから構成される場合など、他の数のミラーから構成される場合にも同様に適用することができる。
【0062】
また、本実施例では、第二の走査線分割手段40として17個のミラーを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の個数のミラーを用いる場合にも同様に適用することができる。
【0063】
(付記1)光源から出射された光線を光走査手段によって走査し、第一の走査線分割手段、第二の走査線分割手段を経て単一の読取開口部から装置外部にある物品に走査光を照射し、物品からの反射光を検出することによって該物品に付された識別情報を読み取る読取装置であって、
前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光の一部は前記第二の走査線分割手段に至るまでに前記光走査手段の回転軸を横切るように該第一の走査線分割手段と第二の走査線分割手段が配置された構成であることを特徴とする読取装置。
【0064】
(付記2)前記第一の走査線分割手段は異なる角度で配置された2枚のミラーで構成され、該2枚のミラーで得られた二つの走査光の一部は、前記第二の走査線分割手段に至る光路において、互いに交錯するように該2枚のミラーが配置された構成であることを特徴とする付記1に記載の読取装置。
【0065】
(付記3)前記第二の走査線分割手段は異なる角度で配置された複数のミラーで構成され、少なくとも1枚のミラー上に、前記二つの走査光が交錯して提供されるよう該複数のミラーが配置された構成であることを特徴とする付記1または2に記載の読取装置。
【0066】
(付記4)前記物品からの反射光を集光して光検知器に導くための集光手段をさらに備え、
前記集光手段は、前記光走査手段に対して前記第一の走査線分割手段と同一方向に配置されていることを特徴とする付記1、2または3に記載の読取装置。
【0067】
(付記5)前記第一の走査線分割手段は、前記集光手段に対して前記読取開口部側に配置されていることを特徴とする付記4に記載の読取装置。
【0068】
(付記6)前記集光手段によって集光された反射光は前記光検知器に至る光路において、前記光走査手段の回転軸を横切るよう該光検知器が配置された構成であることを特徴とする付記4または5に記載の読取装置。
【0069】
(付記7)前記第二の走査線分割手段が形成する走査線には、前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光を複数のミラーで反射して形成される走査線が含まれることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の読取装置。
【0070】
(付記8)前記第二の走査線分割手段が形成する走査線は、前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光を2枚のミラーまたは1枚のミラーで反射して形成されることを特徴とする付記7に記載の読取装置。
【0071】
(付記9)前記光走査手段は、直方体の4側面に対応する4枚のミラーで構成されることを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の読取装置。
【0072】
(付記10)光源から出射された光線を光走査手段によって走査し、第一の走査線分割工程、第二の走査線分割工程を経て単一の読取開口部から装置外部にある物品に走査光を照射し、物品からの反射光を検出することによって該物品に付された識別情報を読み取る読取方法であって、
前記第一の走査線分割工程によって得られた走査光の一部は前記第二の走査線分割工程に至るまでに前記光走査手段の回転軸を横切るように該第一の走査線分割工程が走査線を分割することを特徴とする読取方法。
【0073】
(付記11)前記第一の走査線分割工程は異なる角度で配置された2枚のミラーで走査線を分割し、該2枚のミラーで得られた二つの走査光の一部は、前記第二の走査線分割工程に至る光路において、互いに交錯するように該2枚のミラーが配置された構成であることを特徴とする付記10に記載の読取方法。
【0074】
(付記12)前記第二の走査線分割工程は異なる角度で配置された複数のミラーで走査線を分割し、少なくとも1枚のミラー上に、前記二つの走査光が交錯して提供されるよう該複数のミラーが配置された構成であることを特徴とする付記10または11に記載の読取方法。
【0075】
(付記13)前記物品からの反射光を集光して光検知器に導くための集光工程をさらに含み、
前記集光工程の実行手段は、前記光走査手段に対して前記第一の走査線分割工程の実行手段と同一方向に配置されていることを特徴とする付記10、11または12に記載の読取方法。
【0076】
(付記14)前記第一の走査線分割工程の実行手段は、前記集光工程の実行手段に対して前記読取開口部側に配置されていることを特徴とする付記13に記載の読取方法。
【0077】
(付記15)前記集光工程によって集光された反射光は前記光検知器に至る光路において、前記光走査手段の回転軸を横切るよう該光検知器が配置された構成であることを特徴とする付記13または14に記載の読取方法。
【0078】
(付記16)前記第二の走査線分割工程が形成する走査線には、前記第一の走査線分割工程によって得られた走査光を複数のミラーで反射して形成される走査線が含まれることを特徴とする付記10〜15のいずれか一つに記載の読取方法。
【0079】
(付記17)前記第二の走査線分割工程が形成する走査線は、前記第一の走査線分割工程によって得られた走査光を2枚のミラーまたは1枚のミラーで反射して形成されることを特徴とする付記16に記載の読取方法。
【0080】
(付記18)前記光走査手段は、直方体の4側面に対応する4枚のミラーで構成されることを特徴とする付記10〜17のいずれか一つに記載の読取方法。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように、本発明に係る読取装置および読取方法は、バーコードの読取に有用であり、特に、ケーキなど傾けることができない商品に付されたバーコードの読取に適している。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本実施例に係るスキャナシステムを示す図である。
【図2】本実施例に係るスキャナの概略を示す図である。
【図3】本実施例に係るスキャナの構成を示す図である。
【図4】本実施例に係るスキャナによって形成される走査線を示す図である。
【図5】走査パターンを示す図である。
【図6】YLミラー反射による走査線の形成を示す図である。
【図7】YRミラー反射による走査線の形成を示す図である。
【符号の説明】
【0083】
10 レーザ光源
20 光走査手段
30 第一の走査線分割手段
40 第二の走査線分割手段
50 集光手段
60 光検知器
70 読取開口部
100 スキャナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射された光線を光走査手段によって走査し、第一の走査線分割手段、第二の走査線分割手段を経て単一の読取開口部から装置外部にある物品に走査光を照射し、物品からの反射光を検出することによって該物品に付された識別情報を読み取る読取装置であって、
前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光の一部は前記第二の走査線分割手段に至るまでに前記光走査手段の回転軸を横切るように該第一の走査線分割手段と第二の走査線分割手段が配置された構成であることを特徴とする読取装置。
【請求項2】
前記第一の走査線分割手段は異なる角度で配置された2枚のミラーで構成され、該2枚のミラーで得られた二つの走査光の一部は、前記第二の走査線分割手段に至る光路において、互いに交錯するように該2枚のミラーが配置された構成であることを特徴とする請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記第二の走査線分割手段は異なる角度で配置された複数のミラーで構成され、少なくとも1枚のミラー上に、前記二つの走査光が交錯して提供されるよう該複数のミラーが配置された構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記物品からの反射光を集光して光検知器に導くための集光手段をさらに備え、
前記集光手段は、前記光走査手段に対して前記第一の走査線分割手段と同一方向に配置されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の読取装置。
【請求項5】
前記第一の走査線分割手段は、前記集光手段に対して前記読取開口部側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の読取装置。
【請求項6】
前記集光手段によって集光された反射光は前記光検知器に至る光路において、前記光走査手段の回転軸を横切るよう該光検知器が配置された構成であることを特徴とする請求項4または5に記載の読取装置。
【請求項7】
前記第二の走査線分割手段が形成する走査線には、前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光を複数のミラーで反射して形成される走査線が含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の読取装置。
【請求項8】
前記第二の走査線分割手段が形成する走査線は、前記第一の走査線分割手段によって得られた走査光を2枚のミラーまたは1枚のミラーで反射して形成されることを特徴とする請求項7に記載の読取装置。
【請求項9】
前記光走査手段は、直方体の4側面に対応する4枚のミラーで構成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の読取装置。
【請求項10】
光源から出射された光線を光走査手段によって走査し、第一の走査線分割工程、第二の走査線分割工程を経て単一の読取開口部から装置外部にある物品に走査光を照射し、物品からの反射光を検出することによって該物品に付された識別情報を読み取る読取方法であって、
前記第一の走査線分割工程によって得られた走査光の一部は前記第二の走査線分割工程に至るまでに前記光走査手段の回転軸を横切るように該第一の走査線分割工程が走査線を分割することを特徴とする読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−149005(P2007−149005A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345880(P2005−345880)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】