説明

課金システムとプログラム

【課題】 改良された課金システムを提供する。
【解決手段】 管理装置と、該管理装置に接続されている第1ルータと、物理的な伝送速度の上限値がLmaxであるような通信回線を介して第1ルータに接続されている下流側の顧客の第2ルータと、で構成され、顧客に示す料金を、第1ルータと第2ルータとの間の、予め定めた契約伝送速度Scommitに基づいて定める課金システムであって、前記管理装置が、データベースと、制御装置と、を備えており、前記制御装置が、伝送速度Sの検知を行い、契約伝送速度Scommitを超える累積時間が、予め定めた制限を逸脱しようとしたときに、伝送速度Sの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流に位置するISP(インターネット・サービス・プロバイダ、以下、第1ISPという)と、通信回線を介して接続されている、その下流に位置する顧客側のISP、又は、例えば、LAN等を介して接続されている端末(以下、第2ISPという)と、の間での課金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1ISPが第2ISPに対して課す料金の算出方法には、従量制と、固定制と、の2つが知られている。
【0003】
従量制とは、次のようなものである。まず、第1ISPと第2ISPとの間の伝送速度を、上り(第2ISPから第1ISPへの方向の通信)と下り(第1ISPから第2ISPへの方向の通信)についてそれぞれ、例えば1月等の予め定めた期間(31日間)、例えば5分間等の予め定めたタイミング毎で(31日間の場合は8928回で)、調べる。
【0004】
次に、調べた伝送速度の代表値をパーセンタイルの計算により算出する。Pパーセンタイルの値を調べるとは、対象とする数値群を昇順に並び替え、並び替え後の数値群の先頭からPパーセントの位置にある値を調べることをいう。例えば、時間軸T〜T、T〜T、…、T99〜T100の各間で調べた数値群が100個あるとき、例えば95パーセンタイルの値を計算することとは、並び替え後の数値群の小さい方から95番目の位置にある値をいう。パーセンタイル計算で得られた、上りの伝送速度の代表値と下りの伝送速度の代表値とで大きい方を、その月の料金を定めるのに使う使用伝送速度Susedという。なお、Tの位置としてPより算出される値が整数にならない場合の小数点以下の処理は、切り捨て、切り上げ、その他様々であり、かつ、第1ISPと第2ISPとの契約では厳密に定められないことがほとんどである。この処理では、小数点以下を切り上げた場合が、算出される代表値が最も大きくなる。以降、Pパーセンタイルの算出における位置を示す値の小数点以下の端数は、切り上げるものとして扱う。
【0005】
月の料金は、予め定めてある契約伝送速度Scommitと、単位伝送速度当たりの例えば1Mbps当たりの単価Cと、に基づいて定める。使用伝送速度Susedの値が、契約伝送速度Scommit以下の場合、契約伝送速度Scommitに単価Cを掛け合わせて求まる値を、その月の料金とする。使用伝送速度Susedの値が、契約伝送速度Scommitを超えた場合、使用伝送速度Susedに単価Cを掛け合わせて求まる値を、その月の料金とする。
【0006】
例えば、特許文献1には、情報提供装置と端末装置との間でやりとりする情報の量に応じて、2つの料金を切り換えて用いる課金システムが記載されている。該システムは、前記の従量制で使用伝送速度Susedが求められた後に実行する方法に類似する課金方法を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−151786号公報
【0008】
一方、固定制とは、次のようなものである。まず、第1ISPと第2ISPとの間で、契約によって、予め契約最大伝送速度Smaxを定める。第1ISPは、第2ISPとの通信が、上りおよび下りの伝送速度のそれぞれの最大がSmaxを超えないように通信設備の設定を行う。固定制では、実際の通信に使用した伝送速度の大小にかかわらず、契約最大伝送速度Smaxに単価Cを掛け合わせて求まる値を、その月の料金とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば、動画ファイルのダウンロードのように、数分といった短い時間に多量のデータをやり取りする必要が生じる場合がある。
【0010】
前記従量制では、前記のように伝送速度が突発的に増加することがあっても、Pパーセンタイルの値で算出される代表値への影響が小さければ、月の料金の増加量は少ない、という利点がある。
【0011】
しかし、月の料金が通信状況によって変動するので、年間予算の割り当てが予め決められているような法人ユーザにとっては、利用しにくいという問題がある。
【0012】
固定制では、月の料金が変動しないという利点があるが、予め定めた契約最大伝送速度が高い場合、必要な伝送速度に対して不必要に料金が高くなる可能性があるという問題が生じ、あるいは、予め定めた契約最大伝送速度が低い場合、通信品質の悪化、処理時間の増大、接続障害等の好ましくない現象が、生じ得るという問題がある。
【0013】
本発明は、第1ISPが第2ISPに課す料金の上限が契約伝送速度Scommitに基づいて定める従量制を採用する課金システムにおいて、課される料金が一定となり、なおかつ突発的に多量のデータ通信が必要となる場合を考慮したものを、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の課金システムは、管理装置と、該管理装置に接続されている第1ルータと、物理的な伝送速度の上限値がLmaxであるような通信回線を介して第1ルータに接続されている下流側の顧客の第2ルータと、で構成され、顧客に示す料金を、第1ルータと第2ルータとの間の、予め定めた契約伝送速度Scommitに基づいて定める課金システムであって、前記第1ルータが、第2ルータから入力される入力伝送速度Sinと、第2ルータへと出力される出力伝送速度Soutと、を検知することと、制限することと、ができるものであり、前記管理装置が、制御装置を備えており、前記制御装置が、演算手段を備えており、該演算手段が、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、設定処理手段と、前記伝送速度Sin、Sout用の第1、第2管理処理手段と、を実現するものであり、前記設定処理手段が、処理対象の月の期間Tmと、周期Tと、期間Tm内の伝送速度の代表値を決定するためのパーセンタイル計算に用いるPと、を設定するものであり、前記第1管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Sin(iは、1乃至nの範囲内にある整数、ただしnは処理対象月の計測回数であり、Tm/Tで求まる)を検知し、検知した伝送速度Sin〜Sinが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、前記第2管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Soutを検知し、検知した伝送速度Sout〜Soutが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、備えている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の課金システムは、請求項1記載の課金システムであって、前記第1管理処理手段は、検知した伝送速度Sinが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、予め定めたn(=(100−P)/100×n−1)(nは、小数点以下を切り下げる丸め処理を行なった整数)の度数を超えたときに、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定し、前記第2管理処理手段は、検知した伝送速度Soutが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、前記予め定めたnを超えたときに、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の課金システムは、請求項1記載の課金システムであって、前記管理装置が、検知した伝送速度Sin〜Sinを記録するデータベースとを更に備えており、前記第1管理処理手段が、検知した伝送速度Sin〜Sinと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSini+1、Sini+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、前記第2管理処理手段が、検知した伝送速度Sout〜Soutと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSouti+1、Souti+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載のプログラムは、管理装置と、該管理装置に接続されている第1ルータと、物理的な伝送速度の上限値がLmaxであるような通信回線を介して第1ルータに接続されている下流側の顧客の第2ルータと、で構成され、顧客に示す料金を、第1ルータと第2ルータとの間の、予め定めた契約伝送速度Scommitに基づいて定める課金システムで用いる、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、前記第1ルータが、第2ルータから入力される入力伝送速度Sinと、第2ルータへと出力される出力伝送速度Soutと、を検知することと、制限することと、ができるものであり、前記管理装置が、制御装置を備えており、前記制御装置が、演算手段を備えており、該演算手段が、前記コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、設定処理手段と、前記伝送速度Sin、Sout用の第1、第2管理処理手段と、を実現するものであり、前記設定処理手段が、処理対象の月の期間Tmと、周期Tと、期間Tm内の伝送速度の代表値を決定するためのパーセンタイル計算に用いるPと、を設定するものであり、前記第1管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Sin(iは、1乃至nの範囲内にある整数、ただしnは処理対象月の計測回数であり、Tm/Tで求まる)を検知し、検知した伝送速度Siniが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、前記第2管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Soutを検知し、検知した伝送速度Soutが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5記載のプログラムは、請求項4記載のプログラムであって、前記第1管理処理手段は、検知した伝送速度Sinが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、予め定めたn(=(100−P)/100×n−1)(nは、小数点以下を切り下げる丸め処理を行なった整数)の度数を超えたときに、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定し、前記第2管理処理手段は、検知した伝送速度Soutが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、前記予め定めたnを超えたときに、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項6記載のプログラムは、請求項4記載のプログラムであって、前記管理装置が、検知した伝送速度Sin〜Sinを記録するデータベースとを更に備えており、前記第1管理処理手段が、検知した伝送速度Sin〜Sinと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSini+1、Sini+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、前記第2管理処理手段が、検知した伝送速度Sout〜Soutと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSouti+1、Souti+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の課金システムによれば、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Sinおよび伝送速度Soutを検知し、検知した伝送速度Sinもしくは伝送速度Soutが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Sinもしくは伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する。該構成を採用することによって、例えば、動画ファイルのダウンロード等の突発的な伝送速度の増加には、伝送速度に対する制限をかけないが、Pパーセンタイルの伝送速度が、契約伝送速度Scommitを超えた場合には、その後の通信の状況によらず、伝送速度の上限値を契約伝送速度Scommitに制限することで、使用伝送速度Susedを契約伝送速度Scommit以下とし、料金を一定にするという制御を実現することができる。
【0021】
請求項2記載の課金システムでは、検知した伝送速度Sinもしくは伝送速度Soutが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、予め定めたn(=(100−P)/100×n−1)(nは、小数点以下を切り下げる丸め処理を行なった整数)を超えたときに、伝送速度Sinもしくは伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する。該構成を採用することによって、例えば、動画ファイルのダウンロード等の突発的な伝送速度の増加には、伝送速度に対する制限をかけないが、Pパーセンタイルの伝送速度が、契約伝送速度Scommitを超えた場合には、その後の通信の状況によらず、伝送速度の上限値を契約伝送速度Scommitに制限することで、使用伝送速度Susedを契約伝送速度Scommit以下とし、料金を一定にする、という制御を、全期間にわたるパーセンタイルを求めるような複雑な演算を伴うことなく、比較的簡単な演算処理によって実現することができる。
【0022】
請求項3記載の課金システムでは、伝送速度の検査を行っている時点までの経過時間に基づいて求められるPパーセンタイルの値が、契約伝送速度Scommitを超えたときに、伝送速度の上限値の制限を行なう。該構成を採用することによって、例えば、動画ファイルのダウンロード等の突発的な伝送速度の増加には、伝送速度に対する制限をかけないが、Pパーセンタイルの伝送速度が、契約伝送速度Scommitを超えた場合には、伝送速度の上限値を契約伝送速度Scommitに制限し、時間の経過によりPパーセンタイルの伝送速度が、契約伝送速度Scommit以下になった場合には、伝送速度の上限値の制限を外し、かつ使用伝送速度Susedを契約伝送速度Scommit以下とし、料金を一定にする、という制御を実現することができる。
【0023】
請求項4、5、6記載のプログラムを、管理装置と、該管理装置に接続されている第1ルータと、通信回線を介して第1ルータに接続されている下流側の顧客の第2ルータと、で構成され、顧客に示す料金を、第1ルータと第2ルータとの間の、予め定めた契約伝送速度Scommitに基づいて定める課金システムで用いる、ことによって、前記請求項1、2、3記載の課金システムを実現することができ、前記効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】上流側のISPと下流側のISPとの関係を示す図である。
【図2】本発明の課金システムの第1実施形態例の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態の課金システムの機能ブロック図である。
【図4】第1実施形態の課金システムで実行するメインルーチンのフローチャートである。
【図5】第1実施形態の設定処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図6】第1実施形態の最大伝送速度管理処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図7】第1実施形態の最大伝送速度管理処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図8】第1実施形態の課金システムの処理内容を説明するための図である。
【図9】第2実施形態の課金システムで実行する最大伝送速度管理処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図10】第2実施形態の課金システムで用いる最大伝送速度管理処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図11】第2実施形態で実行する検出した伝送速度をデータベース化する処理のサブルーチンを示す図である。
【図12】第2実施形態の課金システムの処理内容を説明するための図である。
【図13】第2実施形態の課金システムの処理内容を説明するための図である。
【図14】第2実施形態の課金システムの処理内容を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、上流側のISPと下流側のISPとの関係を示す図である。最も左側に位置する上流のISP1は、通信回線2を介して、下流の複数のISP3a、3b…に対して、サービス提供を行っている。ISP3aは、通信回線4を介して、更に下流のISP5a、5b…に対して、サービス提供を行なっている。ISP5aは、通信回線6を介して、又は、更にLAN等を介して、エンドユーザの端末7a乃至7cにサービス提供を行なっている。本発明の課金システムは、上流のISPと、該ISPがサービス提供を行なっている下流のISP又はエンドユーザの端末と、の関係の成立する箇所、例えば、点線で示す枠R1、R2、R3で囲んで示す関係の成立する箇所に用いられる。
【0026】
図2は、例えば、図1に示す枠R2の箇所で用いる、本発明の課金システムの第1実施形態を示す図である。課金システムは、管理装置30aと、第1ルータ31aと、第2ルータ50aと、で構成されており、顧客に示す料金を、第1ルータ31aと第2ルータ50aとの間での契約伝送速度Scommitに基づいて定める。第1ルータ31aは、ISP内のLANと、管理装置3aと、に接続されている。第1ルータ31aと第2ルータ50aとは、双方向の通信回線4、例えば、Ethernet(登録商標)、ATM、SDH等の周知の回線技術を用いて接続されている。第2ルータ50aは、顧客側の通信回線6に接続されている。通信回線6には、エンドユーザの端末7a乃至7cが接続されている。
【0027】
通信回線4の物理的な伝送速度の上限値は、伝送限界速度Lmaxである。第1ルータ31aは、前記周期T当たりに、第2ルータ50aから入力される入力伝送速度と、第2ルータ50aへと出力される出力伝送速度と、を検知することと、伝送速度の制限、即ち、最大伝送速度IFmax(但し、IFmaxは、0≦IFmax≦Lmaxの関係を満たす)を定めることと、ができるものである。
【0028】
図3は、課金システムの機能ブロック図である。図2と同じ構成物には同じ参照番号を付して示し、重複した説明は省く。管理装置30aは、データベース350と、制御装置300と、を備えている。
【0029】
制御装置300は、中央演算処理装置(以下、CPUと表す)301と、作業メモリであるRAM302と、OS(オペレーティング・システム)と本発明の課金システム用のプログラムとを格納しているROM303と、を備えている。CPU301は、前記プログラムをROM303からRAM302へと読み出し、実行する。CPU301には、データベース350が接続されている。CPU301は、データベース350にデータの登録を行なうと共に、必要に応じてデータの読み出しを行なうことができる。CPU301は、時計を内部に持ち、プログラムで日付時刻データを読み出すことができる。
【0030】
更に、制御装置300は、入力手段であるキーボード、マウス等で構成される設定手段304と、液晶ディスプレイ又はプリンタ等の出力手段305と、を備えている。
【0031】
(1)第1実施形態
図4は、第1実施形態に係る課金システムで実行するメインルーチンのフローチャートである。CPU301は、以下に説明する、ステップS1の設定処理と、ステップS2の入力伝送速度Sin用の最大伝送速度管理処理と、ステップS2’の出力伝送速度Sout用の最大伝送速度管理処理と、を実行する。ステップS2とステップS2’とは、並行処理される。ステップS2とステップS2’とは、伝送速度とダミー伝送速度として用いるデータが、Sinであるか、Soutであるのかの違いのみである。以下、重複記載を避け、ステップS2についてのみ説明する。
【0032】
図5は、ステップS1の設定処理のサブルーチンのフローチャートである。CPU301は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、設定処理手段として、各計測期間の周期Tと、当該処理月の伝送速度の代表値を決定するPパーセンタイルと、を設定する手段を実現している。
【0033】
まず、ステップS11で、契約伝送速度Scommitの設定を行なう。該値は、上流側のISPと、顧客となる下流のISP又はエンドユーザの端末との間での契約によって定まる値である。ステップS12で、周期Tの設定を行う。該値は、上流側のISPと、顧客となる下流のISP又はエンドユーザの端末との間での契約によって定まる値である。
【0034】
ステップS13で、伝送速度の代表値を決定するためのパーセンタイル計算に用いるPの値を設定を行う。該値は、上流側のISPと、顧客となる下流のISP又はエンドユーザの端末との間での契約によって定まる値である。本発明の課金システムにおいて、顧客の周期T毎の伝送速度の最大値は、その月のP(%)以上の時間帯で契約伝送速度Scommit以下に、残りの100−P(%)未満の時間帯で契約伝送速度Scommitを超えて、物理的な最大の伝送速度である伝送限界速度Lmaxまでの使用を許可とすることによって、顧客が毎月払う金額を、契約伝送速度Scommitに単価Cを掛け合わせた一定の値にすること、を特徴とする。
【0035】
前記Pの値設定後、メインルーチンにリターンする。
【0036】
なお、前記周期Tはその整数倍が1日の長さと一致する値を取り、その最頻値は5分である。伝送速度の代表値を決定するためのパーセンタイル計算に用いるPの値は、実用上は整数値が用いられ、その最頻値は95%である。本実施例において有効なPの範囲は、Pの最小値は2/n×100であり、最大値は(n−2)/n×100である。これは、nが小さいほど範囲が狭まるので、月の日数が最も少ない2月において制約が最も厳しい。Tが5分の場合に、それぞれ、1%弱と99%強であり、実用上、Pとして0を超えて100未満の整数であれば任意の値を使用することができる。
【0037】
図6、図7は、ステップS2で実行する、入力伝送速度Sinについての最大伝送速度管理処理のサブルーチンのフローチャートである。便宜上、フローチャートを2つに分けた。図6、図7で、丸で囲んで示すA、B、Cに対応する位置で、フローは繋がっている。
【0038】
CPU301は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、ステップS26において、期間Tm内において、周期Tで、前記第1ルータから前記入力との伝送速度Sin(iは、1乃至n(=Tm/T)の整数)を検知し、検知した伝送速度Sinが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、予め定めたn(=(100−P)/100×n−1)(nは、小数点以下を切り下げる丸め処理を行なった整数)を超えたときに、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに制約する、管理処理手段を実現する。
【0039】
より詳しく説明する。ステップS21では、処理する月の初日の0時0分0秒に、最大伝送速度IFmaxの値を伝送限界速度Lmaxに設定する。
【0040】
ステップS23では、CPU301の持つ時計より年と月との値を読み出し、課金対象とする期間Tm(分)を設定する。ステップS24では、月の初めから何番目の周期であるのかを表す変数iの値を1に設定する。
【0041】
ステップS25では、前記nを定める。nは、伝送速度Sinが契約伝送速度Scommitを超えることを許容する累積度数の最大値から1を減じた数である。(nは、小数点以下を切り下げる丸め処理を行なった整数)
【0042】
ステップS26では、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定するi番目の周期Tで、第1ルータ31aの第2ルータ50aに対する入力伝送速度Sinを検知する。例えば、最初であれば、1番目の周期Tの入力伝送速度Sinを検知する。CPU301は、ステップS26では、検知した入力伝送速度Sinをデータベース350に記録する。
【0043】
ステップS27では、伝送速度Sinの値が、契約伝送速度Scommitより大きいか否かを判断する。大きい場合(ステップS27でYes)、ステップS28でnの値を1つ減らす。小さい場合(ステップS27でNo)、ステップS28をスキップする。
【0044】
ステップS29では、nの値が、0であるか否かを判断する。0の場合(ステップS29でYes)、ステップS30で伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する。0で無い場合(ステップS29でNo)、ステップS30をスキップする。
【0045】
ステップS31では、何番目の周期かを表す変数iがn−2に等しいか否かを判断する。等しく無い場合(ステップS31でNo)、ステップS32で、変数iの値に1を加算し、前記ステップS26に戻る。また、変数iがn−2に等しい場合(ステップS31でYes)、その月についての伝送速度制限処理を終了する(ステップS33)。ここで、図6のステップS21へと戻り次の月の初日の0時0分0秒から再度処理を始める。
【0046】
前記処理を実行することによって、例えば、動画ファイルのダウンロード等の突発的な伝送速度の増加には、伝送速度に対する制約をかけないが、Pパーセンタイルの伝送速度が、契約伝送速度Scommitを超える直前に至った場合には、その後の通信の状況によらず、伝送速度の上限値を契約伝送速度Scommitに制限することで、使用伝送速度Susedを契約伝送速度Scommit以下とし、料金を一定にする、という制御を、全期間にわたるパーセンタイルを求めるような複雑な演算を伴うことなく、比較的簡単な演算処理によって実現することができる。
【0047】
図8は、第1実施形態に係る課金システムでの処理内容を説明するための図である。図8(a)は、縦軸が伝送速度、横軸が時間Tmを表している。本図は、検出した伝送速度Sinが契約伝送速度Scommitを超えた回数が、nとなった場合を示している。矢印で示す時点から、伝送速度Sinの上限値を契約伝送速度Scommitに制限する。なお、図8(b)は、月の終わりに処理が終了した時点において、検知した伝送速度Sinの値を昇順に並べ直した、参考図である。1からP×n/100の度数(但し、度数は、小数点以下の値を切り下げた整数)までの伝送速度が、契約伝送速度Scommit以下で、それ以降の度数での伝送速度が契約伝送速度Scommitを超えていることを表している。
【0048】
(2)第2実施形態
以下、第2実施形態に係る課金システムについて説明する。第2実施形態に係る課金システムは、第1実施形態に係る課金システムに比べ、最大伝送速度管理処理が異なる。第2実施形態の最大伝送速度管理処理は、「期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Sinを検知し、検知した伝送速度Sin〜Sinが契約伝送速度Scommitを超えた度数、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する」という点で、第1実施形態の課金システムと共通する。しかし、実施する具体的な処理において相違し、異なる効果を奏する。
【0049】
即ち、第2実施形態に係る最大伝送速度管理処理では、CPU301がコンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、前記検知した伝送速度Sin〜Sinと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSini+1、Sini+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する管理処理手段、を備えていることを特徴とする。
【0050】
前記構成を採用することで、月の初めに多量のデータ通信を行い、結果、最大伝送速度IFmaxが伝送限界速度LmaxからScommitに制限された後であっても、その後、Scommit以下の伝送速度が続き、伝送速度Sin検出時のPパーセンタイルの値Sが契約伝送速度Scommit以下になった場合には、再び、最大伝送速度IFmaxを伝送限界速度Lmaxに設定する、という制御内容が実現される。これにより、継続的に契約伝送速度Scommitを超えるような通信需要がある場合に、第1実施形態に比較して、該月全体で疎に広く制約が解除されるような伝送速度制御を行なうことができる。
【0051】
以下、第1実施形態に係る課金システムと共通する構成については、説明を省き、異なる部分についてのみ説明する。
【0052】
図9、図10は、図4に示したステップS2で実行する、第2実施形態の最大伝送速度管理処理のサブルーチン(ステップS2”)のフローチャートである。便宜上、フローチャートを2つに分けてある。図9、図10で、丸で囲んで示すA、B、Cに対応する位置で、フローは繋がっている。
【0053】
CPU301は、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、ステップS226において、期間Tm内において、周期Tで、前記第1ルータから前記入力と出力との伝送速度Sin(iは、1乃至n(=Tm/T)の整数)を検知し、検知した伝送速度Sin〜Sinと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSini+1、Sini+2と、を前記データベースに記録させる手段と、ステップS227、S228において、前記データベースのデータSin〜Sinn+2から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、ステップS229、S230において、前記値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、前記第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている管理処理手段を実現している。
【0054】
より詳しく説明する。ステップS221では、処理する月の初日の0時0分0秒に、最大伝送速度IFmaxの値を伝送限界速度Lmaxに設定する。
【0055】
ステップS223では、CPU301の持つ時計より年と月との値を読み出し、課金対象とする期間Tm(分)を設定する。ステップS224では、月の初めから何番目の周期T(例えば5分)であるのかを表す変数iの値を1に設定する。ステップS225では、i番目の周期Tで、第1ルータ31aの第2ルータ50aに対する入力伝送速度Sinを検知する。例えば、最初であれば、1番目の周期Tの入力伝送速度Sinを検知する。CPU301は、ステップS226では、検知した入力伝送速度Sinをデータベース350に記録する。
【0056】
ステップS227では、データベース350に記録したレコードに基づいて、伝送速度のデータSin乃至Sini+2を昇順に並び替える。ステップS228では、Pパーセンタイルの値Sを求める。ステップS229では、求めた入力伝送速度SinのPパーセンタイルの値Sの値が、契約伝送速度Scommitを超える場合(ステップS229でNo)、次のステップS230では、最大伝送速度IFmaxをScommitに設定する。また、ステップS229では、Pパーセンタイルの値が契約伝送速度Scommitに満たない場合(ステップS229でYes)、ステップS231で、最大伝送速度IFmaxの値を伝送限界速度Lmaxに設定する。ステップS232では、i番目の周期Tを表す変数iがn−2に等しくない場合(ステップS232でNo)、ステップS233で、変数iの値に1を加算し、前記ステップS225に戻る。また、ステップS232では、変数iがn−2に等しい場合(ステップS232でYes)、その月についての伝送速度制限処理を終了する(ステップS234)。ここで、図9のステップS221へと戻り、次の月の初日の0時0分0秒から再度処理を始める。
【0057】
図11は、図9に示すステップS226のサブルーチンのフローチャートである。データベース350は、合計n個の伝送速度Sin1〜Sinで1つのレコードを構成している。ステップS2201では、前記レコードに、実際に検出した伝送速度Sin〜Sinのi個のデータを、記録する。
【0058】
次のステップS2202では、Ti+1で想定しうる最大の伝送速度をデータベースに記録する。具体的には、Sini+1として現状の最大伝送速度IFmaxを、記録する。これは、ステップS226乃至S230を含めた演算処理がTi+1の期間に行なわれるため、実際の処理中に伝送速度が最大でIFmaxにいたることを仮定して計算をおこなうためである。
【0059】
さらに、ステップS2203では、Ti+2で想定しうる最大の伝送速度をデータベースに記録する。具体的には、Sini+2として制約が行なわれなかった際に流れうる最大の伝送限界速度Lmaxを、記録する。これは、仮に、処理の判定として、Ti+2に対する最大伝送速度IFmaxの制限を伝送限界速度Lmaxとした場合を仮定して計算を行うためである。
【0060】
ステップS2204では、データベース上の残りのダミーデータとして、伝送速度Sini+3〜Sinの値をScommitに設定する。これは、アルゴリズム上は任意の値でかまわない。伝送速度Sini+3〜Sinとしてどのような値を設定しても、動作には一切関係しない。ここで、Scommitにする理由は、月の計測途中でデータベースを運用者が見た場合に、PパーセンタイルがScommitであり、かつ最も伝送速度が大きくなるような場合に相当するデータ列を提供するためである。図9のフローチャートにリターンする。
【0061】
上記構成を採用したことによって、第2実施形態の課金システムでは、経過時間に基づいて求められるPパーセンタイルの値が、契約伝送速度Scommitを超えたときに限り、最大伝送速度IFmaxの値を伝送限界速度Lmaxから契約伝送速度Scommitに制限する。該構成を採用することによって、例えば、動画ファイルのダウンロード等の突発的な伝送速度の増加には、伝送速度に対する制限をかけないが、Pパーセンタイルの伝送速度が、契約伝送速度Scommitを超えた場合には、伝送速度の上限値を契約伝送速度Scommitに制限し、時間の経過によりPパーセンタイルの伝送速度が、契約伝送速度Scommit以下になった場合には、伝送速度の上限値の制限を外し、かつ使用伝送速度Susedを契約伝送速度Scommit以下とし、料金を一定にする、という制御が実現できる。
【0062】
顧客は、例えば、動画ファイルのダウンロード等、突発的に伝送速度が増加する場合に、従来の固定制のものと異なり、予め定めた契約伝送速度を超える伝送速度で、高速な処理が行なえ、かつ従量制であるにもかかわらず料金が変動せずに一定のままである、というきわめて優れた利益を受けることができる。他方、サービス提供する側には、長時間にわたって多量のデータ通信を行なうものに対しては、自動で、速やかにその最大伝送速度を制限できる、という利益がある。
【0063】
図12乃至図14は、第2実施形態の課金システムでの処理内容を説明するための図である。図12(a)は、縦軸が伝送速度、横軸が時間Tmを表している。本図は、伝送速度Sin〜SinおよびSini+1およびSini+2として想定しうる最大の伝送速度のPパーセンタイルの値SPがScommit以下の場合について示す。図12(b)は、検知した伝送速度Sinの値を昇順に並べ直した、図である。1からP×i/100の度数(但し、度数は、小数点以下の値を切り上げた整数)の伝送速度が、Scommit以下であり、結果、許容されている最大伝送速度が伝送限界速度Lmaxのままであることを表している。
【0064】
図13(a)は、縦軸が伝送速度、横軸が時間Tmを表している。本図は、伝送速度Sin〜SinおよびSini+1およびSini+2として想定しうる最大の伝送速度のPパーセンタイルの値SPがScommitを超えているので、Sini+2から最大伝送速度をScommitに制限することを示している。図13(b)は、検知した伝送速度Sinの値を昇順に並べ直した、図である。1からP×i/100の度数(但し、度数は、小数点以下の値を切り上げた整数)の伝送速度が、Scommit以下であることを表している。
【0065】
図14(a)は、縦軸が伝送速度、横軸が時間Tmを表している。本図は、月の最後の処理を示している。本図は、伝送速度Sin〜Sinn−2のPパーセンタイルの値SがScommitを超えている場合で、Sinの最大伝送速度をScommitに制限することを示している。図14(b)は、検知した伝送速度Sinの値を昇順に並べ直した、図である。1からP×n/100の度数(但し、度数は、小数点以下の値を切り上げた整数)の伝送速度が、Scommit以下であることを表している。
【0066】
以上に説明したように、上記第1、第2実施形態を用いて説明した課金システムを採用することによって、例えば、動画ファイルのダウンロード等の突発的な伝送速度の増加には、伝送速度に対する制限をかけないが、伝送速度が契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が予め定めた数を超えた場合、または、計測時点で想定されうる最悪のPパーセンタイルの値が契約伝送速度Scommitを超えた場合には、伝送速度の上限値をScommitに制限するという制御、かつ、従量課金の制度を用いるにもかかわらず、料金が一定であるような制御、を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本願に係る課金システムは、上流に位置する第1ISPと、その下流に位置する顧客側の第2ISPと、の関係に相当する関係の構築されるシステムで用いることができる。
【符号の説明】
【0068】
1、3a、5a ISP
2、4、6 通信回線
31a 第1ルータ
50a 第2ルータ
300 制御装置
301 CPU
302 RAM
303 ROM
304 設定手段
305 出力手段
350 データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置と、該管理装置に接続されている第1ルータと、物理的な伝送速度の上限値がLmaxであるような通信回線を介して第1ルータに接続されている下流側の顧客の第2ルータと、で構成され、顧客に示す料金を、第1ルータと第2ルータとの間の、予め定めた契約伝送速度Scommitに基づいて定める課金システムであって、
前記第1ルータが、第2ルータから入力される入力伝送速度Sinと、第2ルータへと出力される出力伝送速度Soutと、を検知することと、制限することと、ができるものであり、
前記管理装置が、制御装置を備えており、
前記制御装置が、演算手段を備えており、該演算手段が、コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、設定処理手段と、前記伝送速度Sin、Sout用の第1、第2管理処理手段と、を実現するものであり、
前記設定処理手段が、処理対象の月の期間Tmと、周期Tと、期間Tm内の伝送速度の代表値を決定するためのパーセンタイル計算に用いるPと、を設定するものであり、
前記第1管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Sin(iは、1乃至nの範囲内にある整数、ただしnは処理対象月の計測回数であり、Tm/Tで求まる)を検知し、検知した伝送速度Sin〜Sinが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、
前記第2管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Soutを検知し、検知した伝送速度Sout〜Soutが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、
ことを特徴とする課金システム。
【請求項2】
前記第1管理処理手段は、検知した伝送速度Sinが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、予め定めたn(=(100−P)/100×n−1)(nは、小数点以下を切り下げる丸め処理を行なった整数)の度数を超えたときに、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定し、
前記第2管理処理手段は、検知した伝送速度Soutが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、前記予め定めたnを超えたときに、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する、
ことを特徴とする請求項1記載の課金システム。
【請求項3】
前記管理装置が、検知した伝送速度Sin〜Sinを記録するデータベースとを更に備えており、前記第1管理処理手段が、検知した伝送速度Sin〜Sinと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度であるダミーデータSini+1、Sini+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、
前記第2管理処理手段が、検知した伝送速度Sout〜Soutと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度であるダミーデータSouti+1、Souti+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、
ことを特徴とする請求項1記載の課金システム。
【請求項4】
管理装置と、該管理装置に接続されている第1ルータと、物理的な伝送速度の上限値がLmaxであるような通信回線を介して第1ルータに接続されている下流側の顧客の第2ルータと、で構成され、顧客に示す料金を、第1ルータと第2ルータとの間の、予め定めた契約伝送速度Scommitに基づいて定める課金システムで用いる、コンピュータ読み取り可能なプログラムであって、
前記第1ルータが、第2ルータから入力される入力伝送速度Sinと、第2ルータへと出力される出力伝送速度Soutと、を検知することと、制限することと、ができるものであり、
前記管理装置が、制御装置を備えており、
前記制御装置が、演算手段を備えており、該演算手段が、前記コンピュータ読み取り可能なプログラムを実行することによって、設定処理手段と、前記伝送速度Sin、Sout用の第1、第2管理処理手段と、を実現するものであり、
前記設定処理手段が、処理対象の月の期間Tmと、周期Tと、期間Tm内の伝送速度の代表値を決定するためのパーセンタイル計算に用いるPと、を設定するものであり、
前記第1管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Sin(iは、1乃至nの範囲内にある整数、ただしnは処理対象月の計測回数であり、Tm/Tで求まる)を検知し、検知した伝送速度伝送速度Sin〜Sinが契約伝送速度Scommit契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、
前記第2管理処理手段が、期間Tm内において、周期Tで、伝送速度Soutを検知し、検知した伝送速度Sout〜Soutが契約伝送速度Scommitを超えた度数が、予め定めた条件(条件は、契約伝送速度Scommitを超える時間を予め定めた値内に制限する上限値)を逸脱した場合に、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記第1管理処理手段は、検知した伝送速度Sinが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、予め定めたn(=(100−P)/100×n−1)(nは、小数点以下を切り下げる丸め処理を行なった整数)の度数を超えたときに、伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定し、
前記第2管理処理手段は、検知した伝送速度Soutが契約伝送速度Scommitを超えた累積度数が、前記予め定めたnを超えたときに、伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する、
ことを特徴とする請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記管理装置が、検知した伝送速度Sin〜Sinを記録するデータベースとを更に備えており、前記第1管理処理手段が、検知した伝送速度Sin〜Sinと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSini+1、Sini+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Sinの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えており、
前記第2管理処理手段が、検知した伝送速度Sout〜Soutと、検知した時点で想定されうる最も大きな伝送速度である2つのダミーデータSouti+1、Souti+2と、から伝送速度のPパーセンタイルの値Sを求める手段と、値Sが契約伝送速度Scommitを超えたときに、第1ルータと第2ルータとの間の伝送速度Soutの上限を、契約伝送速度Scommitに設定する手段と、を備えている、
ことを特徴とする請求項4記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−217027(P2012−217027A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81015(P2011−81015)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(509093026)公立大学法人高知工科大学 (95)
【Fターム(参考)】