説明

課金システム

【課題】カードの利用状況をカード所有者若しくはカード所有者以外の人が知る必要が有る場合であっても、カードの利用状況を示せなかった。施設管理者等が、施設利用者のカード利用状況を把握することができる。
【解決手段】合計支払い金額データと個人識別データとを格納することができるポストペイドカード及びプリペイドカードに対して支払い金額を更新する課金システムであって、管理用リーダ/ライタ装置と、第2のリーダ/ライタと課金手段と更新する際に少なくとも個人識別データと支払い金額を示す支払い金額データとを含む精算データを格納する第2の格納装置と格納された精算データを出力する出力インターフェースとを備える加算減算用リーダ/ライタ装置と、出力インターフェースを介して出力された精算データを入力する入力インターフェースと第3の格納装置と表示装置とを備える管理コンピュータと、を備えることを特徴とする課金システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポストペイドカード若しくはプリペイドカードに課金を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院やホテルなどの宿泊施設において、ポストペイドカード若しくはプリペイドカードシステムを導入することにより、管理業務を効率的にすることが可能である。施設内の設備を、施設利用者若しくは職員が利用する際に、ポストペイドカード若しくはプリペイドカードを用いて電子的に支払い金額を積算することによって、施設内をキャッシュレスにすることができる。
【0003】
特許文献1には、中央管理サーバを利用しないで、病院内で、患者がポストペイドカードを使用することを可能にする発明が記載されている。また、特許文献2には、プリペイドカードを用いて、テレビを使用する際に、番組の利用状況に応じて、施設管理者が番組提供者に支払う料金を管理することを可能にする発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−259335号公報
【特許文献2】特開2006−2907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムでは、病院などの施設において、利用者が、プリペイドカード若しくはポストペイドカードを利用しても、カードの利用状況は、記録されなかった。そのため、カードの利用状況をカード所有者若しくはカード所有者以外の人が知る必要が有る場合であっても、カードの利用状況を示すことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、合計支払い金額データと個人識別データとを格納することができるポストペイドカードに対して支払い金額を更新する課金システムであって、個人識別データが記録された個人識別証と、個人識別証の個人識別データを読み取り、ポストペイドカードに個人識別データを書き込む第1のリーダ/ライタと、個人識別データを格納する第1の格納装置とを備える管理用リーダ/ライタ装置と、ポストペイドカードから個人識別データ及び合計支払い金額データを読み取り、合計支払い金額データをポストペイドカードに書き込む第2のリーダ/ライタと、合計支払い金額データに支払い金額を加算して、合計支払い金額データを更新し、更新された合計支払い金額データを第2のリーダ/ライタによってポストペイドカードに書き込ませる課金手段と、合計支払い金額データを更新するときに少なくとも個人識別データと支払い金額を示す支払い金額データとを含む精算データを格納する第2の格納装置と、精算データを出力する出力インターフェースとを備える加算減算用リーダ/ライタ装置と、出力インターフェースを介して出力された精算データを入力する入力インターフェースと、精算データを格納する第3の格納装置と、精算データとを表示する表示装置とを備える管理コンピュータとを備えることを特徴とする課金システムを提供する。
【0007】
また、本発明は、加算減算用リーダ/ライタ装置を複数備え、管理コンピュータは、表示装置によって、複数の加算減算用リーダ/ライタ装置から出力されて、管理コンピュータに入力された精算データを、個人識別データごとに印刷することによって表示することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、加算減算用リーダ/ライタ装置が、加算を行った時間を示すための時計を備え、精算データが、加算を行った時間を示す時間データを含む、ことを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、精算データが、支払い金額の発生の契機となる商品又はサービスの名前を示す名前データを含むことを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、加算減算用リーダ/ライタ装置が、第2の格納装置に格納されてから一定の時間が経過した精算データを削除することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、第2のリーダ/ライタが、個人識別証から個人識別データを読み取り、第2の格納装置は、個人識別データを格納し、課金手段は、第2の格納装置に記録されている個人識別データと個人識別データを照合して、一致したときのみ、合計支払い金額データに支払い金額を加算して、合計支払い金額データを更新することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、課金手段が、個人識別データごとに、第2の格納装置に格納された支払い金額データを合計した金額を示す合計データを計算し、第2の格納装置は、個人識別データごとに合計データを格納し、第2の格納装置は、個人識別データごとに限度金額データを格納し、課金手段は、同一の個人識別データにおいて、支払い金額と合計データが示す金額との和が、限度金額データを超える場合には、合計支払い金額データに支払い金額を更新しないことを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0013】
また、本発明は、課金手段が、個人識別データごとに、第2の格納装置に格納された支払い金額データを合算した金額を示す合計データを計算し、第2の格納手段は、個人識別データごとに合計データを格納し、出力インターフェースは、合計データを管理コンピュータに出力し、出力インターフェースが合計データを管理コンピュータに出力した後に、課金手段がポストペイドカードの合計支払い金額データを更新する場合には、課金手段は、出力された合計データの示す金額をポストペイドカードに記録された合計支払い金額データから減算して、合計支払い金額データを更新することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、出力インターフェースが、USBポートであり、入力インターフェースが、USBポートである上記の課金システムを提供する。
【0015】
また、本発明は、管理用リーダ/ライタ装置が、ポストペイドカードに格納された合計支払い金額データを表示する上記の課金システムを提供する。
【0016】
また、本発明は、管理コンピュータは、予め格納された精算データと、入力された精算データが同一の場合には、どちらかの精算データを削除することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0017】
また、本発明は、残金データと個人識別データとを格納することができるプリペイドカードに対して残金を更新する課金システムであって、個人識別データが記録された個人識別証と、個人識別証の個人識別データを読み取り、プリペイドカードに個人識別データを書き込む第1のリーダ/ライタと、個人識別データを格納する第1の格納装置とを備える管理用リーダ/ライタ装置と、プリペイドカードから個人識別データ及び残金データ読み取り、残金データをプリペイドカードに書き込む第2のリーダ/ライタと、残金データから支払い金額を減算して、残金データを更新し、更新された残金データを第2のリーダ/ライタによってプリペイドカードに書き込ませる課金手段と、残金データを更新するときに少なくとも個人識別データと支払い金額を示す支払い金額データとを含む精算データを格納する第2の格納装置と、精算データを出力する出力インターフェースとを備える加算減算用リーダ/ライタ装置と、出力インターフェースを介して出力された精算データを入力する入力インターフェースと、精算データを格納する第3の格納装置と、精算データとを表示する表示装置とを備える管理コンピュータと、を備えることを特徴とする課金システムを提供する。
【0018】
また、本発明は、加算減算用リーダ/ライタ装置を複数備え、管理コンピュータは、表示装置によって、複数の加算減算用リーダ/ライタ装置から出力されて、管理コンピュータに入力された精算データを、個人識別データごとに印刷することによって表示することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0019】
また、本発明は、加算減算用リーダ/ライタ装置が、減算を行った時間を示すための時計を備え、精算データは、減算を行った時間を示す時間データを含むことを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0020】
また、本発明は、精算データが、支払い金額の発生の契機となる商品又はサービスの名前を示す名前データを含むことを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0021】
また、本発明は、加算減算用リーダ/ライタ装置が、第2の格納装置に格納されてから一定の時間が経過した精算データを削除することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0022】
また、本発明は、第2のリーダ/ライタが、個人識別証の個人識別データを読み取り、第2の格納装置は、個人識別データを格納し、課金手段は、個人識別データを第2の格納装置に記録されている個人識別データと照合して、一致したときのみ、残金データから支払い金額を減算して、残金データを更新することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0023】
また、本発明は、課金手段が、個人識別データごとに、第2の格納装置に格納された支払い金額データを合計した金額を示す合計データを計算し、第2の格納装置は、個人識別データごとに合計データを格納し、第2の格納装置は、個人識別データごとに限度金額データを格納し、課金手段は、同一の個人識別データにおいて、支払い金額と合計データが示す金額との和が、限度金額データを超える場合には、残金データに支払い金額を更新しないことを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0024】
また、本発明は、プリペイドカードの残金データに入金額を加算する入金機と、プリペイドカードの残金データが示す金額を払い戻す精算機とを更に備えることを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【0025】
また、本発明は、出力インターフェースが、USBポートであり、入力インターフェースが、USBポートである上記の課金システムを提供する。
【0026】
また、本発明は、管理用リーダ/ライタ装置が、プリペイドカードに格納された残金データを表示する上記の課金システムを提供する。
【0027】
また、本発明は、管理コンピュータは、予め格納された精算データと、入力された精算データが同一の場合には、どちらかの精算データを削除することを特徴とする上記の課金システムを提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、施設管理者等が、施設利用者のカード利用状況を把握することが可能となる。
【0029】
例えば、病院において、カードを患者や職員に貸与する事によって、院内のランドリーや商業施設をキャッシュレスで使用することが可能になる一方で、患者の親族や行政庁などがカードの利用状況を知りたい場合に、カードの利用状況を知ることが可能となる。特に精神科病棟では、患者の代理として、病院職員が、商品の購入若しくはサービスの利用を行うことが多く、そのような場合には、行政庁に代理状況を報告する必要がある場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態である、課金システム10の概略図を示す。
【図2】本発明実施形態に関するポストペイドカード12の概略図を示す。
【図3】本発明実施形態に関する加算減算用リーダ/ライタ18の概略図を示す。
【図4】本発明の実施形態である、精算データの表示画面を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。図1は、本発明の病院に設置した一実施形態に係る課金システム10を示した概略図である。
【0032】
課金システム10は、カード12(以下、特に指示が無い場合には、ポストペイドカード及びプリペイドカードの両方を示す。)と、個人識別証14と、管理用リーダ/ライタ16と、加算減算用リーダ/ライタ18と、管理コンピュータ20によって構成される。加算減算用リーダ/ライタ18は、テレビ21、電話22、冷蔵庫24に接続することができ、カード12に対して課金することによって、これらの機器を利用することができる。加算減算用リーダ/ライタ18は、洗濯機28、乾燥機30、自販機32、インターネット接続機器(PC)34、食堂/喫茶店の券売機36若しくは売店のレジ38、駐車場の集金機40に取り付けられており、利用者は、カード12に格納されデータを各機器に取り付けられている加算減算用リーダ/ライタ18に読み取らせて、加算減算用リーダ/ライタ18がカード12に課金することによって、利用者が、これらの設備を利用できるようにしてもよい。さらに、定期的に病院を訪れる理容師若しくは美容師が、持ち運び可能な加算減算用リーダ/ライタ若しくは予め設置された加算減算用リーダ/ライタ(図示せず)を用いて、カード12に課金を行ってもよい。
【0033】
加算減算用リーダ/ライタ18とテレビなどの機器との通信は、有線で行ってもよいし、無線で通信してもよいし、一体となっていてもよい。また、管理用リーダ/ライタ16と加算減算用リーダ/ライタ18が一体になっていてもよい。
【0034】
課金システム10では、個人識別証14として、入院患者の取り違いを防ぐために患者が手首(又は足首)などに装着するようにされているリストバンドを利用してもよい。このリストバンドには、患者の氏名その他の情報が文字で記載されている他、例えば、管理用リーダ/ライタ16によって、患者を識別する情報を示す個人識別データを読み取ることができるように、例えば、バーコードが印刷されている。
【0035】
図2は、本例に係るカード12の概略図を示す。カード12には、各種情報を記憶するメモリ50、及び、データの入出力を行うインターフェース52が設けられている。メモリ50は、少なくとも患者などの利用者を特定する個人識別データを格納する。また、カード12がポストペイドカードの場合には、メモリ50は、利用者が施設に支払うべき金額を示す合計支払い金額データを格納する。一方で、カード12がプリペイドカードの場合には、メモリ50は、カードの残金を示す残金データを格納する。
【0036】
カード12は、ICカードとしてもよいし、磁気カードでもよい。また、ICカードの場合は、接触式でも非接触式でもよい。例えば、RFIDでカード12と加算減算用リーダ/ライタ18が通信してもよい。また、カード12は、診察券に関する情報をメモリ50に格納し、IC化された診察券として使用することができるようにしてもよい。さらに、診察券に関する情報に加えて、処方箋に関する情報をメモリ50に格納して、処方箋としてカード12を使用してもよい。また、管理用リーダライタに格納された個人識別データ及び処方箋に関する情報を、薬局(特に、院外薬局)にインターネットを通じて送信することも可能である。
【0037】
課金システム10の利用を開始するときには、利用者は、個人識別証14に記録された利用者を識別する個人識別データを管理用リーダ/ライタ16に読み取らせる。この読み取りは、バーコードによって利用者を識別する情報が記載されている場合には、バーコードリーダを用いるが、ICチップなど他の方法で個人識別データが個人識別証14に記載されている場合には、データの記載方式に適した方法で読み取られる。管理用リーダ/ライタ16に読み取られた個人識別データは、管理用リーダ/ライタ16の内部にある格納装置に格納される。次に、管理用リーダ/ライタ16は、利用者のカード12に個人識別データを書き込む。書き込みは、カード12の入出力インターフェース52に適した方法で行われ、例えば、電磁誘導や電磁波によって行われる。なお、管理用リーダ/ライタ16は、個人識別証14との通信及びカード12との通信を同一のリーダ/ライタによって行ってもよいし、それぞれに対して専用のリーダ/ライタを用いて行ってもよい。
【0038】
図3に加算減算用リーダ/ライタ18の一実施形態を示す。加算減算用リーダ/ライタ18は、カード挿入口内部60内部に付けられたリーダ/ライタ(図示せず)を備え、リーダ/ライタを介して、カード12に対して課金を行う。また、加算減算用リーダ/ライタ18は、さらに、プロセッサなどを用いて実装される課金手段(図示せず)と、ハードディスクドライブなどの格納装置(図示せず)と、格納装置に格納されたデータを出力する出力インターフェース62とを有する。
【0039】
利用者は、商品又はサービスを購入する場合には、カード12をカード挿入口60に挿入し、商品又はサービスの代金に相当する支払い金額を決済する。ポストペイドカードを利用して、決済する場合には、加算減算用リーダ/ライタのリーダ/ライタは、少なくとも個人識別データ及び合計支払い金額データを読み取る。課金手段は、合計支払い金額データに対して、支払い金額を加算して、合計支払い金額データを更新し、上記リーダ/ライタに、更新された合計支払い金額データをポストペイドカードに書き込ませる。このとき、格納装置は、少なくとも個人識別データ及び支払い金額を含む精算データを格納する。すなわち、課金手段は、格納装置に、精算データを格納させる。加算減算用リーダ/ライタに、購入した商品若しくはサービスの名前が入力されることによって、精算データは、購入した商品若しくはサービスの名前を示す名前データを含んでもよい。例えば、売店のレジと接続している加算減算用リーダ/ライタは、レジにおいて、商品から読み取ったバーコードによって特定された商品名を示す名前データをレジから受信してもよい。また、自動販売機によって、商品が購入された場合には、加算減算用リーダ/ライタは、商品が、飲み物と決まっているため、自動販売機から商品の金額を示す表示金額データのみを受け取ってもよく、さらに、管理者が、キーボード等の入力装置によって、商品名若しくはサービス名を加算減算用リーダ/ライタに入力してもよい。また、加算減算用リーダ/ライタ18は、時計をさらに備え、決済(カードへの課金)を行った日時分といった時間を示す時間データを精算データに含めて、格納装置に格納してもよい。商品若しくはサービスの名前及び決済を行った時間を精算データに含めることによって、精算データの表示を見て、利用者が、いつ何にいくらの金額を使ったかを知ることができる。
【0040】
同様に、プリペイドカードを利用して、決済する場合には、加算減算用リーダ/ライタのリーダ/ライタは、少なくとも個人識別データ及び残金データを読み取る。課金手段は、残金データに対して、支払い金額を減算して、残金データを更新し、上記リーダ/ライタに、更新された残金データをプリペイドカードに書き込ませる。このとき、格納手段は、個人識別データ及び支払い金額を含む精算データを格納する。ポストペイドカードを用いた場合と同様に、精算データは、購入した商品名若しくはサービス名を含んでもよく、加算減算用リーダ/ライタ18は、時計をさらに備え、決済を行った日時分を示す時間データを精算データに含めて、格納装置に格納してもよい。
【0041】
加算減算用リーダ/ライタ18の出力インターフェース62は、管理コンピュータ20に、精算データを出力するために用いられる。管理コンピュータ20は、例えば、コンピュータによって実施される。図3に示される加算減算用リーダ/ライタ18の実施形態においては、USBポートによって出力インターフェース62を実施している。管理者は、USBポートにUSBメモリを挿入し、加算減算用リーダ/ライタ18からUSBメモリに精算データを移す。そして、管理者は、管理コンピュータ20に備えられた、例えば、USBポートによって実施される入力インターフェースに、USBメモリを挿入して、精算データを管理コンピュータ20に移す。このとき、すでに管理コンピュータ20に移された精算データと同一の精算データが管理コンピュータ20に移された場合には、該同一の精算データを削除して、管理コンピュータ20が同一の精算データを複数持たないようにすることもできる。例えば、された予め格納されている精算データと、新しく移動された精算データの個人識別情報及び時間データを照合して、精算データが同一か否かを判断し、同一の精算データについては、どちらかの精算データを削除してもよい。本実施形態では、加算減算用リーダ/ライタ18の出力インターフェース62及び管理コンピュータ20の入力インターフェースは、USBポートによって実装されているが、出力インターフェース62及び入力インターフェースとして、有線LANポート若しくは無線LANポートを用いて、有線LAN若しくは無線LANを介して、精算データを加算減算用リーダ/ライタ18から管理コンピュータ20に移してもよい。また、その他の適切な通信手段によって、(すなわち、該通信手段を実現する出力インターフェース62及び入力インターフェースを利用して、)精算データを加算減算用リーダ/ライタ18から管理コンピュータ20に移してもよい。
【0042】
管理コンピュータ20は、精算データを表示する。例えば、精算データをモニタによって、表示してもよいし、プリンタによる印刷によって、精算データを表示してもよい。精算データの表示の際には、例えば、図4に示すように、個人識別情報ごとに、表示してもよい。また、図4では、精算データを個々の決済ごとに表示しているが、例えば、食品として、菓子及びパンなどをまとめてしまい、金額をそれぞれの和にすることもできる。加算減算用リーダ/ライタ18は、図1に示すように、複数であってもよく、複数の加算減算用リーダ/ライタ18で決済した場合に、管理コンピュータ20に精算データまとめて表示することができる。
【0043】
別の実施形態においては、加算減算用リーダ/ライタ18は、精算データを格納装置に格納してから、例えば6ヶ月といった一定の期間を経過すると、自動的に精算データを削除するようにしてもよい。加算減算用リーダ/ライタ18における精算データの量を抑制することができるため、加算減算用リーダ/ライタ18における格納装置の容量を少なくすることができ、加算減算用リーダ/ライタ18の生産費用を小さくすることができる。一方で、管理コンピュータ20において、精算データを半永久的に保存することができる。
【0044】
別の実施形態においては、加算減算用リーダ/ライタ18は、利用開始時において、個人識別証14から個人識別データを読み取り、加算減算用リーダ/ライタ18の格納装置に格納することができる。個人識別データの読み取りは、カード12と同一のリーダ/ライタから読み取ってもよいし、別のリーダ/ライタを用いてもよい。例えば、個人識別データの読み取りをバーコードリーダによって行い、カード12からのデータの読み取りを、RFIDの利用によって行ってもよい。この実施形態の場合には、加算減算用リーダ/ライタ18によって課金をするときには、カード12から読み取った個人識別データと、加算減算用リーダ/ライタ18内に記録された個人識別データを照合して、一致した場合にのみ、加算減算用リーダ/ライタ18が、支払い金額に基づいてカード12の合計支払い金額データ若しくは残金データを更新(ポストペイドカードの場合には加算、プリペイドカードの場合には減算)するようにしてもよい。例えば、患者が使用する加算減算用リーダ/ライタ18のみに、(特に、図1における病室内の加算減算用リーダ/ライタ18のみに、)個人識別データを格納しておく場合には、カード12が盗難にあっても、個人識別データを照合することによって、カード12の不正使用を防ぐことができる。また、カード12の紛失後、加算減算用リーダ/ライタ18に格納された個人識別データを消去することによって、カード12の不正使用を防ぐことが可能となる。
【0045】
別の実施形態においては、加算減算用リーダ/ライタ18の格納装置は、個人識別データごとに、カードの使用金額の上限を示す限度金額データを格納することができる。また、加算減算用リーダ/ライタ18の課金手段は、個人識別データごとに、支払い金額の合計した合計データを計算し、格納装置に格納する。課金の際には、カード12から読み取った個人識別データが示す合計データに、新たな決済による支払い金額を足した金額が、同一の個人識別データが示す限度金額を超える場合には、課金手段が、課金を行わないようにすることができる。加算減算用リーダ/ライタは、さらに液晶ディスプレイなどの表示装置を備え、課金を行わないようにする場合には、該表示装置によって、限度金額を超えてカードを利用していることを利用者に示すようにしてもよい。本実施形態によって、患者等が、過度に商品又はサービスを購入することを防ぐことができる。なお、限度金額は、月ごとに使用できる金額であってもよいし、週ごと、若しくは、退院予定日までなどの他の期間ごとに使用できる金額であってもよい。
【0046】
別の実施形態においては、加算減算用リーダ/ライタ18の課金手段は、個人識別データごとに、支払い金額の合計した合計データを計算し、格納装置に格納する。そして、出力インターフェースによって、精算データを出力した後に、ポストペイドカードの合計支払い金額データが、加算減算用リーダ/ライタ18の課金手段によって、更新される場合には、合計支払い金額データの示す金額から合計データの示す金額を減算して、合計支払い金額データを更新する。管理者が、管理コンピュータ20に精算データを移動し、利用者に対して、支払いを要求する一方で、ポストペイドカードに格納される合計支払い金額データから、要求した金額を減算することができる。
【0047】
別の実施形態においては、管理用リーダ/ライタ装置20は、液晶ディスプレイなどの金額表示機を備え、カード12から個人識別データ及び合計支払い金額若しくは残存金額を読み取って、表示できるようにしてもよい。
【0048】
別の実施形態においては、プリペイドカードの残金データに入金額を加算する入金機と、プリペイドカードの残金データが示す残金を払い戻す精算機を備えてもよい。
【0049】
実施形態に応じて、本発明の課金システムは、ポストペイドカード若しくはプリペイドカードのどちらかのみを利用してもよいし、一つの課金システムにおいて、ポストペイドカード及びプリペイドカードを同時に利用できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 課金システム
12 カード(ポストペイドカード若しくはプリペイドカード)
14 個人識別証
18 加算減算用リーダ/ライタ
20 管理用リーダ/ライタ
60 カード挿入口
62 出力インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合計支払い金額データと個人識別データとを格納することができるポストペイドカードに対して支払い金額を更新する課金システムであって、
個人識別データが記録された個人識別証と、
前記個人識別証の前記個人識別データを読み取り、前記ポストペイドカードに前記個人識別データを書き込む第1のリーダ/ライタと、前記個人識別データを格納する第1の格納装置とを備える管理用リーダ/ライタ装置と、
前記ポストペイドカードから前記個人識別データ及び前記合計支払い金額データを読み取り、前記合計支払い金額データを前記ポストペイドカードに書き込む第2のリーダ/ライタと、前記合計支払い金額データに支払い金額を加算して、前記合計支払い金額データを更新し、更新された前記合計支払い金額データを前記第2のリーダ/ライタによって前記ポストペイドカードに書き込ませる課金手段と、前記合計支払い金額データを更新するときに、少なくとも前記個人識別データと前記支払い金額を示す支払い金額データとを含む精算データを格納する第2の格納装置と、前記精算データを出力する出力インターフェースとを備える加算減算用リーダ/ライタ装置と、
前記出力インターフェースを介して出力された前記精算データを入力する入力インターフェースと、前記精算データを格納する第3の格納装置と、前記精算データとを表示する表示装置とを備える管理コンピュータと、
を備えることを特徴とする課金システム。
【請求項2】
前記加算減算用リーダ/ライタ装置を複数備え、
前記管理コンピュータは、前記表示装置によって、複数の前記加算減算用リーダ/ライタ装置から出力されて、前記管理コンピュータに入力された精算データを、前記個人識別データごとに印刷することによって表示することを特徴とする請求項1に記載の課金システム。
【請求項3】
前記加算減算用リーダ/ライタ装置は、加算を行った時間を示すための時計を備え、
前記精算データは、加算を行った時間を示す時間データを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の課金システム。
【請求項4】
前記精算データは、前記支払い金額の発生の契機となる商品又はサービスの名前を示す名前データを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項5】
前記加算減算用リーダ/ライタ装置は、前記第2の格納装置に格納されてから一定の時間が経過した精算データを削除することを特徴とする請求項1から4のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項6】
前記第2のリーダ/ライタは、前記個人識別証から前記個人識別データを読み取り、前記第2の格納装置は、前記個人識別データを格納し、
前記課金手段は、前記第2の格納装置に記録されている前記個人識別データと前記個人識別データを照合して、一致したときのみ、前記合計支払い金額データに支払い金額を加算して、前記合計支払い金額データを更新する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項7】
前記課金手段は、前記個人識別データごとに、前記第2の格納装置に格納された前記支払い金額データを合計した金額を示す合計データを計算し、
前記第2の格納装置は、前記個人識別データごとに前記合計データを格納し、
前記第2の格納装置は、前記個人識別データごとに限度金額データを格納し、
前記課金手段は、同一の前記個人識別データにおいて、前記支払い金額と前記合計データが示す金額との和が、前記限度金額データを超える場合には、前記合計支払い金額データに支払い金額を更新しないことを特徴とする請求項1から6のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項8】
前記課金手段は、前記個人識別データごとに、前記第2の格納装置に格納された前記支払い金額データを合算した金額を示す合計データを計算し、
前記第2の格納手段は、前記個人識別データごとに前記合計データを格納し、
前記出力インターフェースは、前記合計データを前記管理コンピュータに出力し、
前記出力インターフェースが前記合計データを前記管理コンピュータに出力した後に、前記課金手段が前記ポストペイドカードの前記合計支払い金額データを更新する場合には、前記課金手段は、出力された前記合計データの示す金額を前記ポストペイドカードに記録された前記合計支払い金額データから減算して、前記合計支払い金額データを更新することを特徴とする請求項1から7のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項9】
前記出力インターフェースは、USBポートであり、
前記入力インターフェースは、USBポートである請求項1から8のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項10】
前記管理用リーダ/ライタ装置は、前記ポストペイドカードに格納された前記合計支払い金額データを表示する請求項1から9のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項11】
前記管理コンピュータは、予め格納された前記精算データと、入力された前記精算データが同一の場合には、どちらかの前記精算データを削除することを特徴とする請求項1から10のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項12】
残金データと個人識別データとを格納することができるプリペイドカードに対して残金を更新する課金システムであって、
個人識別データが記録された個人識別証と、
前記個人識別証の前記個人識別データを読み取り、前記プリペイドカードに前記個人識別データを書き込む第1のリーダ/ライタと、前記個人識別データを格納する第1の格納装置とを備える管理用リーダ/ライタ装置と、
前記プリペイドカードから前記個人識別データ及び前記残金データ読み取り、前記残金データを前記プリペイドカードに書き込む第2のリーダ/ライタと、前記残金データから支払い金額を減算して、前記残金データを更新し、更新された前記残金データを前記第2のリーダ/ライタによって前記プリペイドカードに書き込ませる課金手段と、前記残金データを更新するときに、少なくとも前記個人識別データと前記支払い金額を示す支払い金額データとを含む精算データを格納する第2の格納装置と、前記精算データを出力する出力インターフェースとを備える加算減算用リーダ/ライタ装置と、
前記出力インターフェースを介して出力された前記精算データを入力する入力インターフェースと、前記精算データを格納する第3の格納装置と、前記精算データとを表示する表示装置とを備える管理コンピュータと、
を備えることを特徴とする課金システム。
【請求項13】
前記加算減算用リーダ/ライタ装置を複数備え、
前記管理コンピュータは、前記表示装置によって、複数の前記加算減算用リーダ/ライタ装置から出力されて、前記管理コンピュータに入力された精算データを、前記個人識別データごとに印刷することによって表示することを特徴とする請求項12に記載の課金システム。
【請求項14】
前記加算減算用リーダ/ライタ装置は、減算を行った時間を示すための時計を備え、
前記精算データは、減算を行った時間を示す時間データを含む、
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の課金システム。
【請求項15】
前記精算データは、前記支払い金額の発生の契機となる商品又はサービスの名前を示す名前データを含むことを特徴とする請求項12から14のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項16】
前記加算減算用リーダ/ライタ装置は、前記第2の格納装置に格納されてから一定の時間が経過した前記精算データを削除することを特徴とする請求項12から15のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項17】
前記第2のリーダ/ライタは、前記個人識別証の前記個人識別データを読み取り、前記第2の格納装置は、前記個人識別データを格納し、
前記課金手段は、前記個人識別データを前記第2の格納装置に記録されている前記個人識別データと照合して、一致したときのみ、前記残金データから支払い金額を減算して、前記残金データを更新する、
ことを特徴とする請求項12から16のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項18】
前記課金手段は、前記個人識別データごとに、前記第2の格納装置に格納された前記支払い金額データを合計した金額を示す合計データを計算し、
前記第2の格納装置は、前記個人識別データごとに前記合計データを格納し、
前記第2の格納装置は、前記個人識別データごとに限度金額データを格納し、
前記課金手段は、同一の前記個人識別データにおいて、支払い金額と前記合計データが示す金額との和が、前記限度金額データを超える場合には、前記残金データに支払い金額を更新しないことを特徴とする請求項12から17のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項19】
前記プリペイドカードの前記残金データに入金額を加算する入金機と、
前記プリペイドカードの前記残金データが示す金額を払い戻す精算機と、
を更に備えることを特徴とする請求項12から18のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項20】
前記出力インターフェースは、USBポートであり、
前記入力インターフェースは、USBポートである請求項12から19のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項21】
前記管理用リーダ/ライタ装置は、前記プリペイドカードに格納された前記残金データを表示する請求項12から20のいずれかの1項に記載の課金システム。
【請求項22】
前記管理コンピュータは、予め格納された前記精算データと、入力された前記精算データが同一の場合には、どちらかの前記精算データを削除することを特徴とする請求項12から21のいずれかの1項に記載の課金システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−221017(P2012−221017A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83410(P2011−83410)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【特許番号】特許第4850312号(P4850312)
【特許公報発行日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(590003308)株式会社アメニコ (5)
【Fターム(参考)】