説明

課金システム

【課題】ポストペイドカードにより決済を行う際に、カード所有者を確認することがなかった。また、例えば、利用者に応じて、プリペイドカードシステム及びポストペイドカードシステムを使い分けることができなかった。
【解決手段】カードタイマが、ポストペイドカードから個人識別データを読み取り、内部に記録されている個人識別データと照合して、一致したときのみ、支払い金額を支払い金額データに加算する課金手段を備えることを特徴とする課金システムを提供する。さらに、プリペイドカードシステムを備える課金システムもまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポストペイドカード若しくはプリペイドカードに課金を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院やホテルなどの宿泊施設において、ポストペイドカードシステムを導入することにより、管理業務を効率的にすることが可能である。また、ポストペイドカードには、プリペイドカードシステムと異なり、カード購入や入金の手間が必要ないというメリットがある。施設内の設備を、施設利用者若しくは職員が利用する際に、ポストペイドカードを用いて電子的に支払い金額を積算することによって、施設内をキャッシュレスにすることができる。
【0003】
特許文献1には、中央管理サーバを利用しないで、病院内で、患者がポストペイドカードを使用することを可能にする発明が記載されている。また、特許文献2には、プリペイドカードを用いて、テレビを使用する際に、番組の利用状況に応じて、施設管理者が番組提供者に支払う料金を管理することを可能にする発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−259335号公報
【特許文献2】特開2006−295407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来のシステムでは、ポストペイドカードにより決済を行う際に、カード所有者を確認することがなかったため、所有者以外の者が、拾得するなどによってポストペイドカードを取得した場合において、所有者の許可なく、ポストペイドカードの残金を使用することが可能だった。また、ポストペイドカードの無断使用を目的とした盗難の発生も懸念される。さらに、従来は、一つの機器で、プリペイドカード及びポストペイドカードに対応できるシステムが存在しなかったため、例えば、利用者に応じて、プリペイドカードシステム及びポストペイドカードシステムを使い分けることができなかった。また、病院の特別室、個室等を使用される患者は、TVの視聴、冷蔵庫の使用、保管庫の使用が無償で使用出来る場合が多く、プリペイドカードを日常的に所持する必要が無いため、患者が不便さを感じることが多かった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、支払い金額データを格納するポストペイドカードに対して支払い金額を更新する課金システムであって、個人識別データが記録された個人識別証と、前記個人識別証の前記個人識別データを読み取って内部に記録するとともに、前記ポストペイドカードに当該個人識別データを記録するリーダ/ライタと、前記個人識別証の前記個人識別データを読み取って内部に記録するカードタイマと、を備える課金システムにおいて、前記カードタイマは、前記ポストペイドカードから前記個人識別データを読み取り、内部に記録されている前記個人識別データと照合して、一致したときのみ、支払い金額を前記支払い金額データに加算する課金手段を備え、前記リーダ/ライタは、前記ポストペイドカードに格納された前記支払い金額データを表示することを特徴とする課金システムを提供する。
【0007】
また、本発明は、残存金額データを格納するプリペイドカードと、前記プリペイドカードの前記残存金額データに入金額を加算する入金機と、前記プリペイドカードの前記残存金額データを払い戻す精算機と、前記ポストペイドカードと前記プリペイドカードとを識別する課金機とをさらに備え、前記課金器は、前記ポストペイドカードが挿入された場合には、前記ポストペイドカードの前記支払い金額データに支払い金額を加算し、前記プリペイドカードが挿入された場合には、前記プリペイドカードの前記前記残存金額データから支払い金額を減算することを特徴とする課金システムを提供する。
【0008】
さらに、本発明は、前記カードタイマが、前記ポストペイドカードが挿入された場合には、前記ポストペイドカードに格納された前記支払い金額データを読み取って内部に記録することを特徴とする課金システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、集計カードをさらに備え、前記カードタイマは、前記集計カードが挿入された場合には、前記カードタイマの内部に記録された前記支払い金額データを、前記集計カードに書き込み、前記カードタイマは、前記集計カードが挿入された後に、前記ポストペイドカードが挿入された場合には、前記カードタイマの内部に記録された前記支払い金額データを、前記ポストペイドカードに記録された前記支払い金額データから減算することを特徴とする課金システムを提供する。
【0010】
さらに、本発明は、クリアカードをさらに備え、前記カードタイマは、前記クリアカードが挿入された場合には、前記リーダ/ライタ内部に記録された支払い金額データ及び個人識別データを消去することを特徴とする課金システムを提供する。
【0011】
さらに、本発明は、前記リーダ/ライタが、元カードを、ユーザの選択に応じて、プリペイドカード化するか、若しくは、ポストペイドカード化することができることを特徴とする課金システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
個人の識別データが記録された個人識別証(例えば、入院患者の取り違えを防止するための個人識別データがバーコードとして印刷されたリストバンド)から個人識別データを読み取ってリーダ/ライタの内部及びポストペイドカードに記録しておく。ポストペイドカードをカードタイマに挿入することによって、ポストペイドカードに記録された個人識別データが、カードタイマに記録される。以後カードタイマを利用するときは、当該ポストペイドカードに記録された個人識別データとカードタイマの内部に記録された個人識別データとが一致したときのみ利用可能にすることによって、所有者の個人識別データが内部に記録されたカードタイマ以外のカードタイマにおいて当該ポストペイドカードを使用しようとしても拒絶されるので、当該ポストペイドカードを不正に取得して課金を伴う使用を行うことを有効に防止できる。特定のカードタイマ以外のカードタイマで使用できないことが周知されることによって、ポストペイドカードの盗難等を未然に防ぐ効果も期待できる。また、例えば、ポストペイドカードを患者に貸与する事によって、院内のランドリーや商業施設をキャッシュレスで使用することが可能になる。更に、診察券をICカード化し、ポストペイド機能をICカード化された診察券に追加することにより、入院患者のみならず外来患者にもキャッシュレスの利便性を享受することも可能である。
【0013】
また、ポストペイドカードシステムとプリペイドカードシステムを一つの課金システムで実現することによって、使用者に応じて、カードシステムを使い分けることが可能になる。例えば、病院に本発明の実施形態であるカードシステムを導入した場合には、病院の職員は、プリペイドカードを利用し、患者は、ポストペイドカードを利用することが可能になる。また、逆に、病院の職員が、ポストペイドカードを利用し、患者が、プリペイドカードを使用することも可能になる。更に、短期の入院患者は、プリペイドカードを使用し、長期の入院患者がポストペイドカードを使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態である、課金システム10の概略図を示す。
【図2】本発明実施形態に関するポストペイドカード12の機能ブロック図を示す。
【図3】本発明実施形態に関するカードタイマ18の概略図を示す。
【図4】本発明の実施形態である、課金システム70の概略図を示す。
【図5】本発明実施形態に関するプリペイドカード72の機能ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図面を参照して、本発明の実施の一形態について説明する。図1は、本発明に係る課金システム10を病院に設置した実施形態を示した概略図である。
【0016】
本実施形態の課金システム10は、ポストペイドカード12と、個人識別証14と、リーダ/ライタ16と、カードタイマ18と、課金機20によって構成される。カードタイマ18は、テレビ21、電話22、冷蔵庫24に接続することができ、ポストペイドカード12に対して課金することによって、これらの機器を利用することができる。また、カードタイマ18に、電子保管庫26を接続することができ、ポストペイドカード12を鍵として利用し、ポストペイドカード12をカードタイマ18に挿入している場合にのみ電子保管庫26のロックが解除されるようにしてもよい。課金機20は、洗濯機28、乾燥機30、自販機32、インターネット接続機器(PC)34、食堂/喫茶店の券売機36若しくは売店のレジ38、駐車場の集金機40に取り付けられており、利用者は、ポストペイドカード12を各機器に取り付けられている課金機20に挿入し、課金機20がポストペイドカード12に課金することによって、利用者が、これらの設備を利用できるようにしてもよい。
【0017】
カードタイマ18とテレビなどの機器との通信及び課金機20と洗濯機などの設備との通信は、有線で行ってもよいし、無線で通信してもよいし、一体となっていてもよい。また、課金機20の代わりにカードタイマ18を用いて、課金を行ってもよい。
【0018】
本実施形態の課金システム10では、個人識別証14として、入院患者の取り違いを防ぐために患者が手首(又は足首)などに装着するようにされているリストバンドを利用する。このリストバンドには、患者の氏名その他の情報が文字で記載されている他、機械的に情報を読み取ることができるように必要な情報が例えばバーコードによって印刷されている。
【0019】
図2は、本例に係るポストペイドカード12の機能ブロック図を示す。ポストペイドカード12には、各種情報を記憶するメモリ50、及び、データの入出力を行うインターフェース52が設けられている。メモリ50は、少なくとも、患者などの利用者を特定する個人識別データ54、及び、利用者が、施設に支払うべき金額を示す支払い金額データ56を記録できる。利用者が施設の設備などを利用したり、食堂で食券を購入したりするときに、支払い金額データ56に、カードタイマ18又は課金機20によって、設備の利用料金もしくは食券の代金が加算される。支払い金額データ56は、加算された合計金額のみを含んでもよいし、加算された料金を加算処理ごとの個々のデータとして分けて含んでいてもよい。さらに、料金を加算した加算機の識別番号が、加算された料金の個々のデータと共に読み出せるようにポストペイドカード12に記録されてもよい。
【0020】
ポストペイドカード12は、ICカードとしてもよいし、磁気カードでもよい。また、ICカードの場合は、接触式でも非接触式でもよい。例えば、RFIDでポストペイドカード12とリーダ/ライタ16、カードタイマ18若しくは課金機20とが通信されてもよい。また、ポストペイドカード12は、診察券に関する情報をメモリ50に格納し、IC化された診察券として使用することができるようにしてもよい。
【0021】
本実施形態における課金システム10の利用を開始するときには、まず、利用者は、個人識別証14に印刷された利用者を識別する情報をリーダ/ライタ16が読み取る。この読み取りは、バーコードによって利用者を識別する情報が記載されている場合には、バーコードリーダを用いるが、ICチップなど他の方法で該情報が記載されていてもよく、情報の記載方式に適した方法で読み取られる。リーダ/ライタ16に読み取られた利用者を識別する情報は、リーダ/ライタ16の内部にあるメモリに記録される。次に、利用者のポストペイドカード12に利用者を識別する情報を書き込む。書き込みは、ポストペイドカード12の入出力インターフェース52に適した方法で行われ、例えば、電磁誘導や電磁波によって行われる。
【0022】
図3にカードタイマ18の一実施形態を示す。カードタイマ18は、カードタイマ18に接続された機器を使用する場合に用いられる。例えば、病院の入院患者が、患者の居室にあるテレビ21、電話22、冷蔵庫24若しくは保管庫26などの機器を使用する場合に、カードタイマ18は、利用される。機器の利用を開始するときには、利用準備のために、利用者は、ポストペイドカード12をカードタイマ18のカード挿入口90に挿入し、ポストペイドカード12の個人識別データ54が、カードタイマ18に記録される。
【0023】
利用者が、カードタイマ18の利用を開始するときには、ポストペイドカード12に記録された個人識別データ54をカードタイマ18が読み取る。カードタイマ18に接続された各機器の利用するときには、ポストペイドカード12から読み取った個人識別データ54と、カードタイマ18内に記録された個人識別データ54を照合して、一致した場合にのみ、利用者は、各機器の利用をすることができる。カードタイマ18は、機器の使用料金をポストペイドカード12の支払い金額データに加算する。機器を使用している間には、ポストペイドカード12は、課金装置内に挿入されたままである。そして例えば、電話をかけている間に、一分当たり10円課金するなどのように、機器の使用時間に応じて使用料金を加算するようにしてもよい。また、機器の使用後に使用料金を一括して加算するようにしてもよい。
【0024】
カードタイマ18には、冷蔵庫ボタン92、保管庫オープンボタン94、カード解除ボタン96が設けられている。ポストペイドカード12が挿入されているときに、冷蔵庫ボタンを押すと冷蔵庫についた扉のロックが解除されるようにしてもよい。その場合には、商品の有無を感知するセンサによって、冷蔵庫内に配置された商品を利用者が取り出されたことが感知され、取り出された商品の代金が、ポストペイドカード12の支払い金額データ56に加算されるようにしてもよい。また、ポストペイドカード12が挿入されているときに、保管庫オープンボタンを押すことによって、カードタイマ18に接続された保管庫26が開錠されるようにしてもよい。また、カード解除ボタンを押すことによって、ポストペイドカード12の個人識別データ54を消去できるようにしてもよい。
【0025】
カードタイマ18は、ポストペイドカード12の支払い金額データ56を内部のメモリに記録することができる。内部に記録された支払い金額データ56は、ポストペイドカード12の紛失時にバックアップとして、利用することができる。別のカードタイマ18若しくは課金機20によって、ポストペイドカード12の支払い金額データ56に使用料金が加算された場合には、カードタイマ18にポストペイドカード12を挿入したときに、カードタイマ18に記録されている支払い金額データ56が、更新される。また、ポストペイドカード12の使用の終了後には、クリアカードをカードタイマ18に挿入し、カードタイマ内に記録された支払い金額データ56及び個人識別データ54を消去することができる。
【0026】
利用者が、施設内の洗濯機28などの設備を利用する場合には、該設備に取り付けられた課金機20にポストペイドカード12を挿入し、あるいはかざして、施設の利用手続きを行うことにより、施設利用料金が、支払い金額データ56に加算される。例えば、食堂を利用する場合には、食券券売機にポストペイドカード12を挿入し、利用者が、券売機に取り付けられた選択ボタンを押すことによって、選択された食券に応じた金額が、食券券売機内にある課金機20によって、支払い金額データ56に加算される。
【0027】
ポストペイドカード12の使用を終了する場合には、ポストペイドカード12をリーダ/ライタ16に挿入する。リーダ/ライタ16は、ポストペイドカード12の支払い金額データ56を表示し、利用者は、表示された支払い金額データ56に応じて、精算をすることができる。表示の方法は、ディスプレイに金額を映し出してもよいし、プリンタによって、金額を印刷した紙を出力してもよい。
【0028】
利用者が、長期入院患者である場合など、長期間施設を利用する場合には、カードタイマ18に記録された支払い金額データ56を利用して、中途精算処理をすることができる。中途精算処理を行う場合には、集計カードをカードタイマ18に挿入し、カードタイマ18が、支払い金額データ56を集計カードに記録する。次いで、集計カードをリーダ/ライタ16に挿入し、リーダ/ライタ16が、集計カードに記録された支払い金額データ56を表示する。このようにすることにより、ポストペイドカード12の利用者が立ち会うことなく、中途精算処理を行うことができるというメリットがある。また、集計カードによって、カードタイマ18から支払い金額データ56を読み取った後に、ポストペイドカード12がカードタイマ18に挿入された場合には、集計カードに記録された支払い金額データ56の金額分を、ポストペイドカード12の支払い金額データ56から減算し、減算された支払い金額データを、ポストペイドカード12及びカードタイマ18の支払い金額データに記録することができる。
【0029】
利用者が、居室を移動するなど、移動元のカードタイマ18の使用を中止し、移動先のカードタイマ18の利用を開始する場合には、移動元のカードタイマ18にポストペイドカード12が挿入されている場合には、移動元のカードタイマ18から取り出す。移動先のカードタイマ18にクリアカードを挿入し、以前の使用者の個人識別データ54及び支払い金額データ56を消去し、移動元から持ってきたポストペイドカード12を移動先のカードタイマ18に挿入することによって、該ポストペイドカード12の個人識別データ54が移動先のカードタイマ18に記録され、利用者は、カードタイマの利用を開始することができるようになる。クリアカードは、ポストペイドカード12の使用を終了するときに、次の利用者が、初期状態のカードタイマ18を使用するために、カードタイマ18に記録された個人識別データ54及び支払い金額データ56を消去することに用いることも可能である。
【0030】
本願発明の一実施形態である、ポストペイドカードシステムとプリペイドカードシステムとを同一のシステムで実現する課金システム70の概略を図4に示す。プリペイドカードシステムとポストペイドカードシステムを同一のシステムで実現することによって、使用者に応じたカードシステムの使い分けをすることが可能になる。
【0031】
従来は、職員の食事などの経費を天引きする作業を人事部などの管理部門で行う必要があったが、プリペイドカードを用いることにより、各職員が、経費を自己管理することになり、管理部門の行う作業を大幅に軽減することが可能になる。例えば、本実施形態では、病院の患者がポストペイドカードシステムを利用し、病院の職員がプリペイドカードシステムを利用することが、一つのシステムで実現できる。課金システム70は、ポストペイドカード12と、個人識別証14と、リーダ/ライタ16と、カードタイマ18と、課金機20に加え、プリペイドカード72と、入金機74と、精算機76とをさらに備える。
【0032】
図5は、本例に係るプリペイドカード72の機能ブロック図を示す。プリペイドカード72には、各種情報を記憶するメモリ80、及び、データの入出力を行うインターフェース82が設けられている。メモリ80は、少なくとも残存金額データ84を記録しているが、プリペイドカードが、職員証を兼ねている場合などには、個人識別データ86を記録していてもよい。プリペイドカード72は、ICカードとしてもよいし、磁気カードでもよい。また、ICカードの場合は、接触式でも非接触式でもよい。例えば、RFIDでプリペイドカード72とリーダ/ライタ16若しくは課金機20とが通信するようにしてもよい。
【0033】
ポストペイドカード12とプリペイドカード72は、同一の元カードから作成されてもよい。例えば、元カードは、プリペイドカード化したか、ポストペイドカード化したかを識別するための記憶領域を持ち、元カードをリーダ/ライタ16に挿入し、該記憶領域に、ポストペイドカード化したことを示す信号、若しくは、プリペイドカード化したことを示す信号を書き込み、ポストペイドカード12及びプリペイドカード72を作成することができるようにしてもよい。また、元カードをリーダ/ライタ16が、ポストペイドカード用若しくはプリペイドカード用にフォーマット化することによって、ポストペイドカード12及びプリペイドカード72を作成することができるようにしてもよい。
【0034】
プリペイドカード72を入金機74に挿入し、入金機74に所望の金額を投入することによって、プリペイドカード72にチャージする。チャージされた金額は、入金機によってプリペイドカード72の残存金額データ84に加算される。
【0035】
プリペイドカード72は、例えば病院の売店等で商品を購入する場合や、自動販売機で飲料を購入する場合に使用できる。その場合は、売店等に設置された課金機20にプリペイドカード72を挿入し、あるいはかざして、課金機20が、プリペイドカード72の残存金額データ84から商品等と引き換えに必要な料金を減算するという態様で課金することができる。このとき、課金機20は、ポストペイドカード12が挿入等されたか、プリペイドカード72が挿入等されたか、例えば、カードのフォーマットから識別し、ポストペイドカードが挿入等されたと判断した場合には、支払い金額データ56に料金を加算し、プリペイドカードが挿入等されたと判断した場合には、残存金額データ84から、料金を減算することができる。
【0036】
プリペイドカード72の使用を終える際に、プリペイドカード72を精算機76に挿入することによって、残存金額データ84の示す金額を払い戻すことができる。
【0037】
一実施形態においては、例えばカード使用者が、ポストペイドカード12若しくはプリペイドカード72を紛失等した場合に、その旨を施設の担当者に連絡し、担当者は、個々のポストペイドカード12若しくはプリペイドカード72の個人識別データ54、80を各課金機20に入力することによって、当該ポストペイドカード12若しくはプリペイドカード72による全ての課金機での使用を禁止することができる。
【0038】
上記の実施形態では、リーダ/ライタと、カードタイマ18と、課金機20と、入金機74と、精算機76は、独立する機器として説明したが、一つの機器が複数の機器の役割を担うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 課金システム
12 ポストペイドカード
14 個人識別証
18 カードタイマ
70 課金システム
72 プリペイドカード
90 カード挿入口
92 冷蔵庫ボタンカード
94 保管庫オープンボタン
96 解除ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支払い金額データを格納するポストペイドカードに対して支払い金額を更新する課金システムであって、
個人識別データが記録された個人識別証と、
前記個人識別証の前記個人識別データを読み取って内部に記録するとともに、前記ポストペイドカードに当該個人識別データを記録するリーダ/ライタと、
前記個人識別証の前記個人識別データを読み取って内部に記録するカードタイマと、
を備え、
前記カードタイマは、前記ポストペイドカードから前記個人識別データを読み取り、内部に記録されている前記個人識別データと照合して、一致したときのみ、支払い金額を前記支払い金額データに加算する課金手段を備え、
前記リーダ/ライタは、前記ポストペイドカードに格納された前記支払い金額データを表示することを特徴とする課金システム。
【請求項2】
残存金額データを格納するプリペイドカードと、
前記プリペイドカードの前記残存金額データに入金額を加算する入金機と、
前記プリペイドカードの前記残存金額データを払い戻す精算機と、
前記ポストペイドカードと前記プリペイドカードとを識別する課金機と、
をさらに備え、
前記課金器は、前記ポストペイドカードが挿入された場合には、前記ポストペイドカードの前記支払い金額データに支払い金額を加算し、前記プリペイドカードが挿入された場合には、前記プリペイドカードの前記残存金額データから支払い金額を減算することを特徴とする請求項1に記載の課金システム。
【請求項3】
前記カードタイマは、前記ポストペイドカードが挿入された場合には、前記ポストペイドカードに格納された前記支払い金額データを読み取って内部に記録することを特徴とする請求項1又は2に記載の課金システム。
【請求項4】
集計カードをさらに備え、
前記カードタイマは、前記集計カードが挿入された場合には、前記カードタイマの内部に記録された前記支払い金額データを、前記集計カードに書き込み、
前記前記カードタイマは、前記集計カードが挿入された後に、前記ポストペイドカードが挿入された場合には、前記カードタイマの内部に記録された前記支払い金額データを、前記ポストペイドカードに記録された前記支払い金額データから減算する、
ことを特徴とする請求項3に記載の課金システム。
【請求項5】
クリアカードをさらに備え、
前記カードタイマは、前記クリアカードが挿入された場合には、前記リーダ/ライタ内部に記録された支払い金額データ及び個人識別データを消去することを特徴とする請求項3又は4に記載の課金システム。
【請求項6】
前記リーダ/ライタは、元カードを、ユーザの選択に応じて、プリペイドカード化するか、若しくは、ポストペイドカード化することができることを特徴とする請求項2乃至5に記載の課金システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−22514(P2012−22514A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159765(P2010−159765)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【特許番号】特許第4668353号(P4668353)
【特許公報発行日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(590003308)株式会社アメニコ (5)
【Fターム(参考)】