説明

課金装置および課金方法

【課題】ネットワークを介して提供される仮想化されたコンピュータリソースを用いた情報サービスを、ユーザに対して課金させずに提供する。
【解決手段】ユーザ端末に提供された情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、提供する情報サービスに応じてユーザに対する課金を行なうか否かを示す情報である課金タイプとを対応付けて記憶し、コンピュータリソース提供装置によってユーザ端末に提供されたコンピュータリソースの利用実績情報を受信して、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに応じた課金料金を算出し、課金タイプがユーザに対して課金を行なうことを示す場合、ユーザ識別情報に対応付けて課金料金を記憶し、ユーザに対して課金を行なわないことを示す場合、情報サービス提供者識別情報に対応付けて課金料金を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して提供される仮想化されたコンピュータリソースを用いて情報サービスを提供する情報サービスシステムにおけるコンピュータリソース利用料金の課金装置および課金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数台の仮想化装置によって仮想化されたコンピュータリソースを、ネットワークを介して時間単位でユーザ端末に提供するコンピュータリソース提供サービスが普及してきている。クラウドサービスなどとも呼ばれるこのようなサービスによれば、コンピュータのハードウェアやソフトウェアを買い取りやリースではなく、従量制の支払いにより利用したり、必要な時に必要なだけ利用したりすることが可能である。このようなコンピュータリソース提供サービスにより提供されるコンピュータリソースを用いて、情報サービス提供者が情報サービスをユーザ端末に提供することも可能である。すなわち、情報サービス提供者の情報サービス提供装置は、コンピュータリソース提供サービスにより提供されるコンピュータリソース上に、自身が提供する情報サービスのプログラムを記憶させて動作させることにより、ユーザ端末に情報サービスを提供することができる。このようにすれば、情報サービス提供者は、情報サービスを提供するために必要な物理マシンの購入費用や保守費用などを削減できる。
【0003】
例えば、図9は、このようなコンピュータリソースを用いて情報サービスを提供する情報サービスシステムの例を示す図である。ユーザ端末1100−1は、コンピュータリソース提供装置1200に対して自身を識別するアカウントの登録を行なう(ステップS101)。ここで、ユーザ端末1100−1は、ユーザからの操作情報の入力に応じて、ユーザのクレジットカード番号などの情報を、コンピュータリソースの利用料金の課金対象としてコンピュータリソース提供装置1200に登録する。
【0004】
情報サービス提供装置1300は、コンピュータリソース提供装置1200に、自身が提供する情報サービスのプログラムが含まれるイメージファイルを予め記憶させておく(ステップS102)。ユーザ端末1100−1は、コンピュータリソース提供装置1200にコンピュータリソースの提供要求を送信し、ネットワークを介して提供されたコンピュータリソースを識別するコンピュータリソース識別情報を受信する(ステップS101)。この際、ユーザ端末1100−1は、サービス提供装置1300によってコンピュータリソース提供装置1200に記憶された情報サービスのイメージファイルを指定して、仮想化装置1210−1に仮想マシンを起動させる。これにより、ユーザ端末1100−1は、仮想化装置1210−1に接続することにより、サービス提供装置1300による情報サービスを利用することができる。
【0005】
あるいは、ネットワークを介して提供されるコンピュータリソースを用いた情報サービスの例として、ネットワークを介して仮想ストレージとして提供されるコンピュータリソースに対する接続の利便性を向上させる情報サービスが存在する。例えば、非特許文献1に示される情報サービスは、ユーザ端末に記憶されたファイルに対して行なわれる情報更新を、ネットワーク上の仮想ストレージに記憶されたファイルに反映させてファイルを同期するものである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Dropbox”、[online]、[平成21年4月21日検索]、インターネットURL: http://developer.amazonwebservices.com/connect/entry.jspa?externalID=1955&categoryID=72
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のようにネットワークを介してコンピュータリソース提供者からコンピュータリソースが提供され、提供されたコンピュータリソース上で情報サービス提供者の情報サービスが動作する場合、情報サービスを利用するユーザ端末のユーザに対して、コンピュータリソースの利用料金と、情報サービスの利用料金とが課金されることとなる。
【0008】
ここで、情報サービス提供者は、自身が提供する情報サービスの普及促進のために、ユーザに情報サービスを試用してもらうために情報サービスを無料で提供することがある。このような場合、情報サービス提供者は、ユーザに対して情報サービスの利用料金を無料とすることはできるが、他社であるコンピュータリソース提供者によって提供されるコンピュータリソースの利用料金を無料とすることはできない。これでは、利用料金を無料とすることで数多くのユーザに情報サービスを試用してもらい、情報サービスの利用者数の増加を図りたいという情報サービス提供者の意図には合わない。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、ネットワークを介して提供される仮想化されたコンピュータリソースを用いた情報サービスを、ユーザに対して課金させずに提供する課金装置および課金方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、自身のコンピュータリソースを仮想化する仮想化装置と、ユーザ端末から送信されるコンピュータリソース提供要求に応じて、仮想化装置によって仮想化されたコンピュータリソースをユーザ端末に提供するコンピュータリソース提供装置と、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに定められた情報を記憶させることによりユーザ端末に定められた情報サービスを提供するサービス提供装置と、コンピュータリソース提供装置によってユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに応じた課金料金を算出する課金装置とを備えた情報サービスシステムにおける課金装置であって、ユーザ端末に対して提供されるコンピュータリソースの一定利用量当たりの利用料金が予め記憶される利用料金記憶部と、ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別情報と、情報サービス提供装置の情報サービス提供者を識別する情報サービス提供者識別情報とのいずれかに対応付けて、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースの利用量に応じた課金料金が記憶される課金料金記憶部と、ユーザ端末に提供された情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、情報サービスに応じてユーザに対する課金を行なうか否かを示す情報である課金タイプとが対応付けられて記憶される課金タイプ記憶部と、コンピュータリソース提供装置によってユーザ端末に提供されたコンピュータリソースの利用量の実績値が含まれる利用実績情報を、コンピュータリソース提供装置から受信する利用実績情報受信部と、利用料金記憶部に記憶された利用料金と、利用実績情報受信部が受信した利用実績情報とに基づいて、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに応じた課金料金を算出する課金料金算出部と、課金タイプ記憶部に記憶された課金タイプが、情報サービスに応じてユーザ端末に対して課金を行なうことを示すか否かを判定し、課金タイプが情報サービスに応じてユーザに対して課金を行なうことを示す場合、ユーザ識別情報に対応付けて、課金料金算出部が算出した課金料金を課金料金記憶部に記憶させ、課金タイプが情報サービスに応じてユーザに対して課金を行なわないことを示す場合、情報サービス提供者識別情報に対応付けて、課金料金算出部が算出した課金料金を課金料金記憶部に記憶させる課金処理部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、ユーザ端末に提供されるコンピュータリソースの利用量に応じた課金料金がサービス提供事業者に課金される利用量の上限値が予め記憶される上限値記憶部と、上限値記憶部に記憶された上限値と、利用実績情報受信部が受信する利用実績情報とを比較して、利用実績情報に含まれる利用量が、上限値を超えるか否かを判定する上限値判定部と、を備え、課金処理部は、課金タイプがユーザに対する課金を行なわないことを示す場合、上限値判定部によって、利用実績情報に示される利用量が上限値を超えると判定されると、課金料金算出部が算出した課金料金をユーザ識別情報に対応付けて課金料金記憶部に記憶させる処理か、あるいはコンピュータリソース提供装置にユーザ端末へのコンピュータリソースの提供を停止させる処理かのいずれかの処理を行うことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述の利用実績情報受信部は、定期的にコンピュータリソース提供装置から送信される利用実績情報を受信して記憶し、上限値判定部は、利用実績情報受信部に記憶された利用実績情報に基づいて、利用実績情報に含まれる利用量の一定時間経過後の予測値を算出し、算出した予測値と、上限値記憶部に記憶された上限値とを比較して、予測値が、上限値を超えるか否かを判定し、課金タイプがユーザに対する課金を行なわないことを示す場合、上限値判定部によって、予測値が、上限値を超えると判定されると、ユーザ端末に対して警告情報を出力する警告部を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、自身のコンピュータリソースを仮想化する仮想化装置と、ユーザ端末から送信されるコンピュータリソース提供要求に応じて、仮想化装置によって仮想化されたコンピュータリソースをユーザ端末に提供するコンピュータリソース提供装置と、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに定められた情報を記憶させることによりユーザ端末に定められた情報サービスを提供するサービス提供装置と、コンピュータリソース提供装置によってユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに応じた課金料金を算出する課金装置とを備えた情報サービスシステムにおいて、ユーザ端末に対して提供されるコンピュータリソースの一定利用量当たりの利用料金が予め記憶される利用料金記憶部と、ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別情報と、情報サービス提供装置の情報サービス提供者を識別する情報サービス提供者識別情報とのいずれかに対応付けて、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースの利用量に応じた課金料金が記憶される課金料金記憶部と、ユーザ端末に提供された情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、情報サービスに応じてユーザに対する課金を行なうか否かを示す情報である課金タイプとが対応付けられて記憶される課金タイプ記憶部とを備えた課金装置の課金方法であって、コンピュータリソース提供装置によってユーザ端末に提供されたコンピュータリソースの利用量の実績値が含まれる利用実績情報を、コンピュータリソース提供装置から受信するステップと、受信した利用実績情報と、利用料金記憶部に記憶された利用料金とに基づいて、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに応じた課金料金を算出するステップと、課金タイプ記憶部に記憶された課金タイプが、情報サービスに応じてユーザ端末に対して課金を行なうことを示すか否かを判定し、課金タイプが情報サービスに応じてユーザに対して課金を行なうことを示す場合、ユーザ識別情報に対応付けて、算出した課金料金を課金料金記憶部に記憶させ、課金タイプが情報サービスに応じてユーザに対して課金を行なわないことを示す場合、情報サービス提供者識別情報に対応付けて、算出した課金料金を課金料金記憶部に記憶させるステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザ端末に提供された情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、情報サービスに応じてユーザに対する課金を行なうか否かを示す情報である課金タイプとを対応付けて記憶し、コンピュータリソース提供装置によってユーザ端末に提供されたコンピュータリソースの利用実績情報を受信して、ユーザ端末に提供されたコンピュータリソースに応じた課金料金を算出し、課金タイプがユーザに対して課金を行なうことを示す場合、ユーザ識別情報に対応付けて課金料金を記憶し、ユーザに対して課金を行なわないことを示す場合、情報サービス提供者識別情報に対応付けて課金料金を記憶するようにしたので、提供された情報サービスを識別する情報サービス識別情報に対応付けられた課金タイプに応じて、コンピュータリソースに応じた課金料金を情報サービス提供者に課金することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による情報サービスシステムの概要を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による情報サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による利用実績情報のデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による課金タイプのデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による課金料金のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による利用料金予測の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による課金処理の動作例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による警告処理の動作例を示すフローチャートである。
【図9】従来技術による情報サービスシステムの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による情報サービスシステム1の概要を説明する図である。情報サービスシステム1は、複数台のユーザ端末100−N(ユーザ端末100−1、ユーザ端末100−2、ユーザ端末100−3、・・・)と、コンピュータリソース提供装置200と、複数台の仮想化装置210−N(仮想化装置210−1、仮想化装置210−2、仮想化装置210−3、仮想化装置210−4、・・・)と、サービス提供装置300と、リバース課金装置400とを備えている。ここで、複数台のユーザ端末100−Nは同様の構成であり、特に区別して説明する必要がない場合には、ユーザ端末100として説明する。また、複数台の仮想化装置210−Nは同様の構成であり、特に区別して説明する必要がない場合には、仮想化装置210として説明する。
【0017】
サービス提供装置300は、ネットワークを介して動作する情報サービスをユーザ端末100に提供するコンピュータ装置である。サービス提供装置300は、自身が情報サービスを提供するための情報サービスプログラムを動作させるコンピュータリソースとして、コンピュータリソース提供装置200によって提供される仮想化装置210のコンピュータリソースを用いる。サービス提供装置300は、自身が提供する情報サービスに対応する情報サービスプログラムが含まれるイメージファイルを、コンピュータリソース提供装置200に記憶させる(ステップS10)。
【0018】
ユーザ端末100−1は、コンピュータリソース提供装置200に、サービス提供装置300によって記憶されたイメージファイルに基づく仮想マシンの提供要求を送信する(ステップS20)。コンピュータリソース提供装置200は、仮想化装置210−1が備えるコンピュータリソースをユーザ端末100−1に提供すると判定すると、仮想化装置210−1が備えるコンピュータリソースに、サービス提供装置300によって記憶されたイメージファイルに基づく仮想マシンを起動させる。コンピュータリソース提供装置200は、仮想化装置210−1に起動された仮想マシンを識別する仮想マシン識別情報をユーザ端末100−1に送信する。ユーザ端末100−1は、送信された仮想マシン識別情報に基づいて仮想化装置210−1に接続し、仮想化装置210−1において動作する仮想マシンと通信を行って、情報サービスを利用する。
【0019】
コンピュータリソース提供装置200は、ユーザ端末100−1からの要求に応じて仮想化装置210−1が動作している利用時間を計測する。コンピュータリソース提供装置200は、計測した仮想化装置210の利用時間が含まれる利用実績情報を、リバース課金装置400に送信する(ステップS30)。リバース課金装置400は、ユーザ端末100−1による仮想化装置210−1の利用時間に応じた課金料金を算出し、サービス提供装置300を識別する情報サービス提供者識別情報に対応付けて記憶する。このようにすれば、サービス提供装置300が、コンピュータリソース提供装置200から提供されるコンピュータリソースを用いてユーザ端末100に情報サービスを提供する際に、ユーザ端末100によるコンピュータリソースの利用実績に応じた利用料金を、サービス提供装置300に対して課金することが可能となる。これにより、例えば、サービス提供装置300がユーザ端末100に対して情報サービスの提供を行なう際に、情報サービス提供者が情報サービスとコンピュータリソースとの双方の利用に基づく利用料金を負担し、ユーザ端末100に対する料金負担を無料として情報サービスを提供することが可能である。これにより、ユーザにとって情報サービスの利用を開始する敷居を下げ、より多くのユーザに利用されることが期待できる。
【0020】
次に、本実施形態による情報サービスシステム1の構成を詳細に説明する。図2は、本実施形態による情報サービスシステム1の構成を示すブロック図である。
ユーザ端末100は、サービス提供装置300により提供される情報サービスを利用するコンピュータ装置である。ユーザ端末100は、ユーザから入力される操作情報に応じて、サービス提供装置300によってサービス提供装置300に記憶されたイメージファイルに基づく仮想マシンの提供を要求するコンピュータリソース提供要求を、コンピュータリソース提供装置200に送信する。ユーザ端末100は、コンピュータリソース提供要求に応じて提供される仮想マシンに接続し、情報サービスを利用する。
【0021】
ここで、サービス提供装置300によって提供される情報サービスとしては、例えば、従量課金制によりオンラインで提供されるワープロソフト、表計算ソフト、オンラインゲーム、動画配信サービスなどの各種ソフトウェアが適用できる。ここでは、ユーザ端末100が送信するコンピュータリソース提供要求に応じて、情報サービスを提供する仮想マシンを識別する仮想マシン識別情報がコンピュータリソース提供装置200からユーザ端末100に通知される。ユーザ端末100は、受信した仮想マシン識別情報に基づいて仮想マシンにアクセスし、情報サービスを利用する。ここで、仮想マシン識別情報には、例えば、情報サービスを提供する仮想マシンのIP(Internet Protocol)アドレスが適用できる。
【0022】
コンピュータリソース提供装置200は、サービス提供装置400から送信されるコンピュータリソース提供要求を受信し、受信したコンピュータリソース提供要求に応じて、複数台のコンピュータ仮想化装置210のうちいずれかのコンピュータ仮想化装置210を割り当て、割り当てたコンピュータ仮想化装置210によって仮想化されたコンピュータリソースに仮想マシンを起動させ、起動した仮想マシンのIPアドレスをサービス提供装置400に送信する。
【0023】
ここで、コンピュータリソース提供装置200は、コンピュータ装置を動作させるOS(Operating System)やそのOS上で動作するアプリケーションなどのプログラムが含まれる複数種類のイメージファイルが予め記憶されている。コンピュータリソース提供装置200に記憶されるイメージファイルは、サービス提供装置300によって提供される情報サービスのプログラムが含まれるイメージファイルを含む。また、コンピュータリソース提供装置200に記憶されたイメージファイルには、それぞれのイメージファイルに基づく仮想マシンがユーザに対して有償で提供されるか無償で提供されるかを示す課金タイプの情報が対応付けられて記憶されている。コンピュータリソース提供装置200は、ユーザ端末100から指定されたイメージファイルに基づいて仮想マシンを起動させるとともに、起動させたイメージファイルを識別する情報サービス識別情報や、課金タイプ等の情報をリバース課金装置400に送信する。
【0024】
また、コンピュータリソース提供装置200は、ユーザ端末100に提供したコンピュータリソースの利用量の実績値が含まれる利用実績情報を、リバース課金装置400に送信する。ここでは、ユーザ端末100に提供したコンピュータリソースの利用量の実績値として、ユーザ端末100に提供した仮想マシンの利用時間を適用する。
【0025】
複数台のコンピュータ仮想化装置210は、自身のコンピュータリソースを仮想化する機能を備えたコンピュータ装置である。コンピュータ仮想化装置210は、自身のコンピュータリソースを仮想的に分割し、分割したコンピュータリソース上に仮想マシンを起動させる。コンピュータ仮想化装置210は、コンピュータリソース提供装置200に記憶されたイメージファイルに基づいて仮想マシンを起動し、ネットワークを介したユーザ端末100からの接続を受け付ける。このような仮想マシンを提供するソフトウェアとしては、例えばXen(登録商標)などが適用できる。
【0026】
サービス提供装置300は、コンピュータリソース提供装置200に、自身の情報サービスプログラムが含まれるイメージファイルを記憶させる。
リバース課金装置400は、利用実績情報受信部410と、利用料金記憶部420と、課金タイプ記憶部430と、課金料金算出部440と、課金料金記憶部450と、課金処理部460と、上限値記憶部470と、上限値判定部480と、警告部490とを備えている。
【0027】
利用実績情報受信部410は、コンピュータリソース提供装置200によってユーザ端末100に提供されたコンピュータリソースの利用時間の実績値が含まれる利用実績情報を、コンピュータリソース提供装置200から受信する。図3は、利用実績情報受信部410がコンピュータリソース提供装置200から受信する利用実績情報のデータ例を示す図である。利用実績情報には、ユーザ端末100を識別するユーザ識別情報に対応付けて、そのユーザ端末100に提供された情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、その情報サービスのためにユーザ端末100に提供されたコンピュータリソースが動作した利用時間を示す情報とが含まれる。利用実績情報受信部410は、定期的にコンピュータリソース提供装置200から送信される利用実績情報を受信して記憶する。
利用料金記憶部420には、ユーザ端末100に対して提供されるコンピュータリソースの一定利用量当たりの利用料金が予め記憶される。例えば、1時間当たりのコンピュータリソースの利用料金が記憶される。
【0028】
課金タイプ記憶部430には、ユーザ端末100に提供された情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、その情報サービスに応じてユーザ端末100のユーザに対する課金を行なうか否かを示す情報である課金タイプとが対応付けられて記憶される。図4は、課金タイプ記憶部430に記憶されるデータ例を示す図である。例えば、課金タイプが「有」(有償)であれば、情報サービスに応じてユーザ端末100に課金を行なうことを示し、課金タイプが「無」(無償)であれば、情報サービスに応じてユーザ端末100に課金を行なわないことを示す。また、課金タイプ記憶部430には、課金タイプが「無」であれば、その課金を負担する情報サービス提供者を識別する情報である課金対象者識別情報が対応付けられる。
【0029】
課金料金算出部440は、リバース課金装置400に記憶された利用料金と、利用実績情報受信部410が受信した利用実績情報とに基づいて、ユーザ端末100に提供されたコンピュータリソースに応じた課金料金を算出する。本実施形態では、利用料金記憶部420に記憶された単位時間当たりの利用料金に、利用実績情報受信部410が受信した利用実績情報に含まれる利用時間を乗ずることで課金料金を算出する。
【0030】
課金料金記憶部450には、ユーザ端末100のユーザを識別するユーザ識別情報と、サービス提供装置300の情報サービス提供者を識別する情報サービス提供者識別情報とのいずれかに対応付けて、ユーザ端末100に提供されたコンピュータリソースの利用量に応じた課金料金が記憶される。図5は、課金料金記憶部450に記憶された課金料金のデータ例を示す図である。課金対象識別情報は、ユーザ端末100に提供された情報サービスに基づくコンピュータリソースの利用料金を負担するユーザまたはサービス事業者を識別する情報である。課金料金は、対応する課金対象識別情報によって識別されるユーザまたはサービス事業者に課金される料金を示す情報である。課金料金記憶部450に記憶された課金対象者毎の課金料金は、コンピュータリソース提供装置200に送信されて記憶され、コンピュータリソース提供者によって課金対象者に課金料金が請求される。あるいは、コンピュータリソース提供者は、リバース課金装置400の課金料金記憶部450に記憶された課金料金に基づいて、対応する課金対象者に課金料金の決済を行なうようにしても良い。
【0031】
課金処理部460は、課金タイプ記憶部430に記憶された課金タイプがユーザ端末100に対して課金を行なうことを示すか否かを判定する。課金処理部460は、課金タイプがユーザ端末100に対して課金を行なうことを示す場合、ユーザ識別情報に対応付けて、課金料金算出部440が算出した課金料金を課金料金記憶部450に記憶させる。一方、課金タイプが情報サービスに応じてユーザ端末100に対して課金を行なわないことを示す場合、情報サービス提供者識別情報に対応付けて、課金料金算出部440が算出した課金料金を、課金料金記憶部450に記憶させる。
【0032】
また、課金処理部460は、課金タイプがユーザに対する課金を行なわないことを示す場合、後述する上限値判定部480によって、利用実績情報に示される利用量が上限値を超えると判定されると、課金料金算出部440が算出した課金料金をユーザ識別情報に対応付けて課金処理部460に記憶させる処理か、あるいはコンピュータリソース提供装置200にユーザ端末100へのコンピュータリソースの提供を停止させる処理かのいずれかの処理を行う。すなわち、課金タイプが「無」であり、情報サービス事業者がコンピュータリソースの利用料金を負担する場合にも、無条件に課金され続けると、情報サービス事業者に過剰な料金が課金される可能性があると考えられる。そこで、予め定められたコンピュータリソースの利用量の上限値を超えてユーザ端末100がコンピュータリソースを利用する場合には、コンピュータリソースの利用料金をユーザ端末100のユーザに課金するように切り替えるか、コンピュータリソース提供装置200によるコンピュータリソースの提供を停止する処理を行う。
【0033】
上限値記憶部470には、ユーザ端末100に提供されるコンピュータリソースの利用量に応じた課金料金がサービス提供事業者に対して課金される利用量の上限値が予め記憶される。利用量の上限値としては、例えば、定められた利用時間が適用できる。
上限値判定部480は、条件情報記憶部470に記憶された上限値と、利用実績情報受信部410が受信する利用実績情報とを比較して、利用実績情報に含まれる利用量が、上限値を超えるか否かを判定する。
【0034】
また、上限値判定部480は、利用実績情報受信部410に記憶された利用実績情報に基づいて、利用実績情報に含まれる利用量の一定時間経過後の予測値を算出し、算出した予測値と、上限値記憶部470に記憶された上限値とを比較して、予測値が上限値を超えるか否かを判定する。図6は、上限値判定部480が行う利用料金予測の例を示す図である。図において、横軸は時間(t)を示す。t1、t2、t3、t4は定期的に行なわれた過去の利用実績のサンプリング時点であり、Tは最新の利用時間のサンプリング時点である。縦軸は、上限値判定部480に記憶された利用時間の上限値と、利用実績情報受信部410に記憶された利用時間との差(R(t))を示す。R(t1)は、t1時点における利用時間の上限値と実績値との差であり、R(t2)は、t2時点における利用時間の上限値と実績値との差であり、R(t3)は、t3時点における利用時間の上限値と実績値との差であり、R(t4)は、t4時点における利用時間の上限値と実績値との差であり、R(T)は、T時点における利用時間の上限値と実績値との差である。
【0035】
上限値判定部480は、(ti、R(ti))と(T、R(T))とを結ぶ直線と、横軸とが交わる点を、利用時間の残量がゼロとなる予測時点として算出する。上限値判定部480は、算出した予測時点が、予め定めた一定時間後の時点より小さい時点が存在するか否かを判定する。上限値判定部480は、算出した予測時点が、予め定めた一定時間後の時点より小さい場合、利用量の予測値が利用量の上限値を超えたと判定する。
【0036】
警告部490は、課金タイプがユーザに対する課金を行なわないことを示す場合、上限値判定部480によって、予測値が上限値を超えると判定されると、ユーザ端末100に対して警告情報を出力する。ここで、警告部490は、上限値判定部480によって一定時間毎に判定処理が行われる場合、その都度、複数回に亘って警告情報を出力する。例えば、警告部490は、利用量の上限値が近づいていることを示す文章が含まれる電子メールを生成して、ユーザ端末100に送信する。あるいは、警告部490は、ユーザ端末100が仮想化装置210−1に接続した際にユーザ端末100に表示される画面に、警告を示す情報を表示させるようにしても良い。
【0037】
次に、本発明による情報サービスシステム1の動作例を説明する。図7は、本実施形態による課金処理の動作例を示すフローチャートである。
利用実績情報受信部410は、コンピュータリソース提供装置200から送信される利用実績情報を受信する(ステップS41)。そして、課金料金算出部440は、利用実績情報受信部410が受信した利用実績情報に含まれる利用時間と、予め利用料金記憶部420に記憶された単位時間当たりの利用料金とを乗ずることにより、コンピュータリソースの利用量に応じた課金料金を算出する(ステップS42)。課金処理部460は、課金タイプ記憶部430に記憶された課金タイプに基づいて、課金料金算出部440に算出された課金料金の課金対象者が、ユーザであるか情報サービス提供者であるかを判定し、課金対象者を識別する識別情報に対応付けて、課金料金記憶部450に記憶させる(ステップS43)。
【0038】
次に、図8を参照して、リバース課金装置400による警告処理の動作例を説明する。上限値判定部480は、利用実績情報受信部410に記憶された利用実績情報を読み出す(ステップS51)。また、上限値判定部480は、上限値記憶部470に記憶された上限値を読み出す(ステップS52)。上限値判定部480は、読み出した利用実績情報に基づいて、一定時間後の利用量の予測値を算出し、算出した利用量の予測値が上限値を超えるか否かを判定する(ステップS53)。上限値判定部480によって、利用量の予測値が上限値を超えると判定されると(ステップS53:YES)、警告部490が、ユーザ端末100に対して警告情報を出力し(ステップS54)、処理を終了する。一方、上限値判定部480によって、利用実績情報が停止条件を満たさないと判定されると(ステップS53:NO)、警告処理を終了する。
【0039】
このように、本実施形態によれば、仮想化されたコンピュータリソースがネットワークを介してユーザに提供されるコンピュータリソース提供システムにおいて、コンピュータリソース提供装置200によって提供されるコンピュータリソースの利用料金を、情報サービスの提供を受けるユーザではなく、情報サービスを提供する情報サービス提供者側の負担とするリバース課金を行なうことが可能となる。これにより、情報サービス提供者は、エンドユーザに対して無料で情報サービスを提供することが可能となり、情報サービスの普及促進にあった課金を実現できる。また、リバース課金装置400に記憶された課金タイプを変更することにより課金対象者を変更することができるため、試用サービス向けのプログラムを新たに作成しなければならないということもない。さらに、ユーザ端末100に提供されるコンピュータリソースは、ユーザ端末100を所有者とした状態で提供することが可能であるため、ユーザ端末100はコンピュータリソースを占有して享受できる自由なコンピュータ環境を利用することができる。
また、本実施形態の利用シーンとして、例えば、コンピュータ開発の開発委託や依頼を行っている委託側が、開発者のためにクラウド上の開発環境を提供する場合などが考えられる。
【0040】
なお、本実施形態では、利用実績情報受信部410は、仮想化装置210によって100利用に提供されたコンピュータリソースの利用時間が含まれる利用実績情報に基づいて利用料金を算出することとしたが、ユーザ端末100によるコンピュータリソースの利用量を示す他の情報に基づいて算出するようにしても良い。コンピュータリソースの利用量を示す情報としては、利用時間の他に、例えば、コンピュータリソースのCPU性能、メモリ容量、ディスク容量、処理要求量、他の装置との通信容量などの負荷を示す情報が適用できる。
【0041】
また、本実施形態では、サービス提供装置300は、コンピュータリソース提供装置200から提供される仮想化装置210に仮想マシンを起動して、仮想マシン上で情報サービスプログラムを動作させることとしたが、コンピュータリソース提供装置200から提供される仮想ストレージとしてのコンピュータリソースに仮想ストレージとして提供されるコンピュータリソースに対する接続の利便性を向上させる情報サービスを提供するものであっても良い。例えば、サービス提供装置300が提供する情報サービスは、ユーザからの操作情報に応じてユーザ端末100に記憶されたファイルに対して行なわれる情報更新を、ネットワーク上の仮想ストレージに記憶されたファイルに反映させてファイルを同期するようなアプリケーションであっても良い。
【0042】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより課金処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0043】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 情報サービスシステム
100 ユーザ端末
200 コンピュータリソース提供装置
210 仮想化装置
220 課金装置
300 サービス提供装置
400 リバース課金装置
410 利用実績情報受信部
420 利用料金記憶部
430 課金タイプ記憶部
440 課金料金算出部
450 課金料金記憶部
460 課金処理部
470 上限値記憶部
480 上限値判定部
490 警告部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身のコンピュータリソースを仮想化する仮想化装置と、ユーザ端末から送信されるコンピュータリソース提供要求に応じて、前記仮想化装置によって仮想化された前記コンピュータリソースを前記ユーザ端末に提供するコンピュータリソース提供装置と、前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースに定められた情報を記憶させることにより前記ユーザ端末に定められた情報サービスを提供するサービス提供装置と、前記コンピュータリソース提供装置によって前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースに応じた課金料金を算出する課金装置とを備えた情報サービスシステムにおける前記課金装置であって、
前記ユーザ端末に対して提供される前記コンピュータリソースの一定利用量当たりの利用料金が予め記憶される利用料金記憶部と、
前記ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別情報と、前記情報サービス提供装置の情報サービス提供者を識別する情報サービス提供者識別情報とのいずれかに対応付けて、前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースの利用量に応じた課金料金が記憶される課金料金記憶部と、
前記ユーザ端末に提供された前記情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、当該情報サービスに応じて前記ユーザに対する課金を行なうか否かを示す情報である課金タイプとが対応付けられて記憶される課金タイプ記憶部と、
前記コンピュータリソース提供装置によって前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースの利用量の実績値が含まれる利用実績情報を、前記コンピュータリソース提供装置から受信する利用実績情報受信部と、
前記利用料金記憶部に記憶された前記利用料金と、前記利用実績情報受信部が受信した前記利用実績情報とに基づいて、前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースに応じた課金料金を算出する課金料金算出部と、
前記課金タイプ記憶部に記憶された前記課金タイプが、前記情報サービスに応じて前記ユーザ端末に対して課金を行なうことを示すか否かを判定し、当該課金タイプが前記情報サービスに応じて前記ユーザに対して課金を行なうことを示す場合、前記ユーザ識別情報に対応付けて、前記課金料金算出部が算出した前記課金料金を前記課金料金記憶部に記憶させ、当該課金タイプが前記情報サービスに応じて前記ユーザに対して課金を行なわないことを示す場合、前記情報サービス提供者識別情報に対応付けて、前記課金料金算出部が算出した前記課金料金を前記課金料金記憶部に記憶させる課金処理部と、
を備えることを特徴とする課金装置。
【請求項2】
前記ユーザ端末に提供される前記コンピュータリソースの利用量に応じた前記課金料金が前記サービス提供事業者に対して課金される前記利用量の上限値が予め記憶される上限値記憶部と、
前記上限値記憶部に記憶された前記上限値と、前記利用実績情報受信部が受信する前記利用実績情報とを比較して、前記利用実績情報に含まれる利用量が、前記上限値を超えるか否かを判定する上限値判定部と、を備え、
前記課金処理部は、前記課金タイプが前記ユーザに対する課金を行なわないことを示す場合、前記上限値判定部によって、前記利用実績情報に示される利用量が前記上限値を超えると判定されると、前記課金料金算出部が算出した前記課金料金を前記ユーザ識別情報に対応付けて前記課金料金記憶部に記憶させる処理か、あるいは前記コンピュータリソース提供装置に前記ユーザ端末への前記コンピュータリソースの提供を停止させる処理かのいずれかの処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の課金装置。
【請求項3】
前記利用実績情報受信部は、定期的に前記コンピュータリソース提供装置から送信される利用実績情報を受信して記憶し、
前記上限値判定部は、前記利用実績情報受信部に記憶された利用実績情報に基づいて、利用実績情報に含まれる前記利用量の一定時間経過後の予測値を算出し、算出した予測値と、前記上限値記憶部に記憶された前記上限値とを比較して、前記予測値が、前記上限値を超えるか否かを判定し、
前記課金タイプが前記ユーザに対する課金を行なわないことを示す場合、前記上限値判定部によって、前記予測値が、前記上限値を超えると判定されると、前記ユーザ端末に対して警告情報を出力する警告部
を備えることを特徴とする請求項2に記載の課金装置。
【請求項4】
自身のコンピュータリソースを仮想化する仮想化装置と、ユーザ端末から送信されるコンピュータリソース提供要求に応じて、前記仮想化装置によって仮想化された前記コンピュータリソースを前記ユーザ端末に提供するコンピュータリソース提供装置と、前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースに定められた情報を記憶させることにより前記ユーザ端末に定められた情報サービスを提供するサービス提供装置と、前記コンピュータリソース提供装置によって前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースに応じた課金料金を算出する課金装置とを備えた情報サービスシステムにおいて、前記ユーザ端末に対して提供される前記コンピュータリソースの一定利用量当たりの利用料金が予め記憶される利用料金記憶部と、前記ユーザ端末のユーザを識別するユーザ識別情報と、前記情報サービス提供装置の情報サービス提供者を識別する情報サービス提供者識別情報とのいずれかに対応付けて、前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースの利用量に応じた課金料金が記憶される課金料金記憶部と、前記ユーザ端末に提供された前記情報サービスを識別する情報サービス識別情報と、当該情報サービスに応じて前記ユーザに対する課金を行なうか否かを示す情報である課金タイプとが対応付けられて記憶される課金タイプ記憶部とを備えた前記課金装置の課金方法であって、
前記コンピュータリソース提供装置によって前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースの利用量の実績値が含まれる利用実績情報を、前記コンピュータリソース提供装置から受信するステップと、
受信した前記利用実績情報と、前記利用料金記憶部に記憶された前記利用料金とに基づいて、前記ユーザ端末に提供された前記コンピュータリソースに応じた課金料金を算出するステップと、
前記課金タイプ記憶部に記憶された前記課金タイプが、前記情報サービスに応じて前記ユーザ端末に対して課金を行なうことを示すか否かを判定し、当該課金タイプが前記情報サービスに応じて前記ユーザに対して課金を行なうことを示す場合、前記ユーザ識別情報に対応付けて、算出した前記課金料金を前記課金料金記憶部に記憶させ、当該課金タイプが前記情報サービスに応じて前記ユーザに対して課金を行なわないことを示す場合、前記情報サービス提供者識別情報に対応付けて、算出した前記課金料金を前記課金料金記憶部に記憶させるステップと、
を備えることを特徴とする課金方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−272052(P2010−272052A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125145(P2009−125145)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)