説明

調光めがね

【課題】 偏光板の傷つきを防止でき、且つつまみを用いずに偏光板の回動の微調整を行うことができる調光めがねを提供する。
【解決手段】 めがねフレーム2及び連結棒5によって支持される左右一対の調光部3R、3Lを、第1カバー6、不動偏光板8、可動偏光板10、第2カバー12を配列して形成し、これらをボルト4a及びナット4bにて一体に構成する。このとき、可動偏光板10を、第2カバー12の収容部14に収容するようにする。これにより、両偏光板8、10が傷つくことを防止できるようになると共に、収容部14と可動偏光板10との摩擦により、当該可動偏光板10の回動を微調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の偏光板を用いて調光を行うように構成された調光めがねに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の調光めがね(サングラス)としては、特許文献1に、次のような構成が開示されている。即ち、この調光めがねは、2枚の偏光板を有しており、一方の偏光板を固定し、他方の偏光板を回動させることにより、これら2枚の偏光板を透過する光を調光している。偏光板の回動は当該偏光板に一体的に設けられたつまみによって行うようになっている。そして、偏光板の回動の調整(つまり、光の透過率の調整)は、偏光板の外周に形成された複数の凹部に、板バネを押圧することで段階的に行うようになっている。
【特許文献1】特開2000−171760号公報(図3及び図4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記構成の場合、次のような問題があった。即ち、偏光板の回動を、つまみを用いて行うため、どうしてもつまみが偏光板の外周よりも突出してしまい当該つまみが折損し易くなっていた。また、偏光板の回動の調整も段階的であるため微調整できず、使用者の所望する調光を細かく行うことができなかった。更に、偏光板が外界に対してむき出しになっているため、当該偏光板に傷が付き易いという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、偏光板の傷つきを防止でき、且つつまみを用いずに偏光板の回動の微調整を行うことができる調光めがねを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、左右一対の調光部を連結して構成される調光めがねにおいて、前記調光部は、重ね合わせた状態で配置される不動偏光板及び可動偏光板と、これら2枚の偏光板の両面側を覆い、透光性を有する材質で構成される第1及び第2カバーとを備えて構成され、前記不動偏光板は、前記第1カバー側に固定され、
前記第2カバーは、前記可動偏光板を回動可能に収容支持し、前記可動偏光板は円形をなし、その外周端部の一部は、前記第1及び第2カバーの上端もしくは下端の少なくとも一方より突出するように配置されていることを特徴とする(請求項1記載の発明)。
この構成によれば、一対の偏光板は、その両側面を第1及び第2カバーに挟まれることにより覆われているため、これら偏光板に傷が付くことを防止できる。更に、可動偏光板の回動は、当該可動偏光板のいずれかの突出部分を用いて行えるため、可動偏光板につまみ等の別部材を設ける必要がなくなる。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明の調光めがねによれば、偏光板の傷つきを防止でき、且つつまみを用いずに偏光板の回動の微調整を行うことができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
<第1の実施例>
以下、本発明の第1の実施例を図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、調光めがね1は、棒状をなすめがねフレーム2を有している。このめがねフレーム2は、一端側(図1中、手前側)に回動機構を有しており、他端側は屈曲されてテンプル2aとして形成されている。めがねフレーム2の回動機構は、左右一対の調光部3R、3Lにおいて、調光部3Rの左端側(図1中、左端側)、及び調光部3Lの右端側(図1中、右端側)に、例えばボルト4a及びナット4b(図2(b)参照)にて取り付けられている。そして、一対の調光部3R、3Lは、鼻当てを供えた連結棒5が、当該調光部3Rの右端側及び調光部3Lの左端側に、同じくボルト4a及びナット4bで固定されることで連結されている。これにより、調光めがね1全体は、図1示すように、一体に構成されている。
【0008】
ここで、調光部3L及び調光部3Rは、互いに同じ構成をなしているため、以下、調光部3Lについて説明する。図2(a)は、調光部3Lの透視正面図、図2(b)は、調光部3Lの組立斜視図を示している。図2(a)に示すように、全体としては略矩形状をなす調光部3Lは、図2(b)に示すように、透光性を有する第1カバー6を備えている。この第1カバー6は略矩形状をなしており、上方両隅には、前述したボルト4aを挿入するボルト挿入孔7が形成されていると共に、裏面(図2中、奥方の面)には、同一形状をなす不動偏光板8が配設されている。この不動偏光板8も、上方両隅にボルト挿入孔9が形成されており、裏面には可動偏光板10が配設されている。可動偏光板10は、全体としては略円形をなすものであり、その外周部の一部には円弧状の切欠部11が形成されている。この切欠部11は、可動偏光板10の回動範囲に応じて形成されるものであり、本実施例では可動偏光板10の回動範囲が90度となるように、後述する凸部16の幅を考慮して、中心角が(90度+α)となるように形成されている。
【0009】
可動偏光板10の裏面には、透光性を有する第2カバー12が配設されている。この第2カバー12は、略矩形状をなしており、上方両隅には、ボルト挿入孔13が形成されている。また、第2カバー12の中央には、前述した可動偏光板10を収容支持するための収容部14が形成されている。この収容部14は、可動偏光板10の形状に沿って第2カバー12の厚み方向に概ね円形の凹みをなしているため、可動偏光板10は(第2カバー12の)収容部14に支持されながら回動可能になっている。なお、収容部14に収容支持された可動偏光板10は、その外周の一部分が、図2(a)や図3に示すように、第1及び第2カバー6、12の下端よりも突出するようになっており、図4に示すように、この突出部分10aにかかる可動偏光板10の外周部には、複数の回動操作用の切欠き15が形成されている。この切欠き15は、その断面を示す図3のように、外周を部分的に切欠いた凹みをなしている。
【0010】
収容部14の段部をなしている内周面の一部には、前記切欠部11側に突出する凸部16が形成されている。この凸部16には、前記可動偏光板10が回動することによって、当該可動偏光板10における切欠部11の両端の何れかが当接し、これにより可動偏光板10の回動が90度に規制される。なお、可動偏光板10の切欠部11と、第2カバー12の凸部16とによって回動規制手段は構成されている。以上のように第1カバー6、不動偏光板8、可動偏光板10、第2カバー12を配列して調光部3Lを形成し、前記各ボルト挿入孔7、9、13及びめがねフレーム2、連結棒5にボルト4aを挿入し、ナット4bにて締めつけることにより、図3に示すように、第1及び第2カバー6、12が不動偏光板8及び可動偏光板10を密に挟み込むようになると共に、調光めがね1が一体に構成される。
【0011】
次に、本実施例における調光めがね1の作用について説明する。
まず、使用者は、調光めがね1のテンプル2aを耳に引掛けることにより当該調光めがね1を顔に装着する。その後、使用者は光の加減によって、突出部分10aを触認しながら可動偏光板10を指で回動させる。そして、所望の調光を行った時点で可動偏光板10の回動をやめ、その後は普通の、いわゆるサングラスと同様な使用を行うと共に、光の強さが変化する毎に都度可動偏光板10を回動させるようにする。
【0012】
以上のように本実施例の調光めがねによれば、まず重ね合わされた不動偏光板8と可動偏光板10との両側面を第1及び第2カバー6、12にて覆うように構成した。このため、何らかの外力によって2枚の偏光板8、10が傷つくことを防止でき、調光の効力を長期に亘って維持することができる。
【0013】
また、可動偏光板10の回動を当該可動偏光板10の一部である突出部分10aにて行うようにした。このため、可動偏光板10の回動を別部材を用いず、簡単な構成で行うことができると共に、調光めがね1自体の外観を損ねることを防止できる。更に、突出部分10aには複数の切欠き15を形成したので、使用者は、当該突出部分10aを認識し易く、そして操作し易くなる。
また、可動偏光板10は収容部14に収容されており、従ってその回動は、収容部14と適度な摩擦を有しながら行われる、このため、前記摩擦によって、可動偏光板10の回動及び一時停止は、使用者の所望に沿うような微調整が可能となる。
【0014】
<第2の実施例>
次に、本発明の第2の実施例を図5〜図7を参照して説明する。なお、上記第1の実施例と同様な箇所には同符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、可動偏光板10の突出部分10aには、切欠き20が形成されている。この切欠き20は、図7に示すように、外周を完全に切欠くことで外周縁が凹凸をなすようにしている。不動偏光板21は、図5に示すように、略円形をなし、外周の一部には切欠22を有している。可動偏光板10と不動偏光板21とは、図6に示すように、互いに重ね合わされた状態で第2カバー23の収容部24に収容される。収容部24は、可動偏光板10と不動偏光板21との両方を収容するため、その凹みの深さは、第1実施例の収容部14よりも深くなるように形成されている。このとき、不動偏光板21の切欠22が収容部24の凸部16と嵌合することで、当該不動偏光板21は固定されるように構成されている。
【0015】
このような構成においても、上記第1の実施例と同様な効果を得ることが可能となると共に、不動偏光板21の形状を小さくすることができ、当該不動偏光板21をボルト4aを介さずに固定することができるようになる。また、切欠き20を完全に切欠いたので、この切欠き20に指先が引掛かり易く、操作し易くすることができる。
【0016】
<第3の実施例>
次に、本発明の第3の実施例を図8及び図9を参照して説明する。
図8に示すように、調光めがね30は、既存のめがね(図示せず)に後付する構成となっている。即ち、この調光めがね30は、金属製の薄板を折り曲げて、断面視が逆三角フラスコ状に形成された板バネ31(いわゆる、クリップのような構成)を有している。この板バネ31は、その形状により、両先端を近接させる方向に付勢力が発生するように構成されている。板バネ31には、図9にも示すように、その両側端面から一部突出した耳部31aを、外方に向かって略カール状に折り曲げることにより形成された一対の第1レバー支持部(側方支持部)32と、両先端面から一部突出した耳部31bを、同じく外方に向かって略カール状に折り曲げることにより形成された一対の第2レバー支持部(下方支持部)33とを有している。なお、前記第1レバー支持部32及び第2レバー支持部33は、板バネ31の表裏面に形成されるものである。
【0017】
板バネ31の表面(図8中、(a)では図面の表面、(b)では左面)において、第1レバー支持部32及び第2レバー支持部33には、前レバー34が組み付けられている。なお、板バネ31の裏面にも、前記前レバー34と同様な構成の後レバー35が組み付けられている。これら互いの構成は同様であるので、以下には前レバー34の構成についてのみ説明する。
【0018】
前レバー34は、金属性の線材を曲げ加工することにより、略U字の形状に形成されている。この前レバー34の両側部の途中には、クランク形状をなす一対の段部36が形成されている。前レバー34は、その両側面が第1レバー支持部32に支持され、更に前記段部36が第2レバー支持部33に支持されることにより、板バネ31に対して位置決めされて組み付けられている。これにより、前レバー34と板バネ31とは一体となって動作するようになっていると共に、前レバー34及び後レバー35は、常に閉方向(図8中、矢印A方向)に付勢されるようになっている。
【0019】
前レバー34の板バネ31への組み付けは、まず前レバー34の両側部を抑えて収縮させ、この両側部を第1レバー支持部32の間に配置させる。そして、この状態で段部36を第2レバー支持部33に嵌合(いわゆる、位置決めのため)させた後に、両側部の収縮を解放して当該両側部を弾性反発力により第1レバー支持部32に当接させる。
前レバー34の両先端、換言すれば既存のめがねのレンズ(図示せず)と当接する箇所には、略球状をなす樹脂37が取付け(コーティング)られている。なお、前レバー34の上端側(図8中、上端側)は、つまみ部38として形成されている。
【0020】
板バネ31において、前レバー34が取付けられる側の内面31c(図8(b)中、右方側)、には、断面視で下方側に凹部39a(図9参照)を有し、全体としては略矩形箱状をなすレンズホルダ支持部材39が配設されている。このレンズホルダ支持部材39は、その上端側が板バネ31に対しネジ40にて固定されており、前記凹部が形成されている下方側は自由端となっている。このように、レンズホルダ支持部材39の上端側をネジ40にて固定することにより、前記凹部39a側(自由端)は前記板バネ31の内面31c方向に常時付勢力が付与される構成となっており、更に凹部39aと前記内面31cとで空間Z(図8参照)が区画されるようになっている。
【0021】
前記空間Zには、金属製の線材を折り曲げることにより略コ字状に形成されたレンズホルダ41が挿通され、支持されるようになっている。このレンズホルダ41において、レンズホルダ支持部材39に支持される支持部41aの断面は、図9に示すように、一部に偏平部を有する概略楕円形に形成されている。
支持部41aの両側面には、2本の腕部41b、41bが前方側(図8(b)中、左側)に延びるように形成されている。そして、それら腕部41b、41bの先端からは、レンズ支持部41c、41cが、左右方向(図9(a)中、左右方向)に延びるように形成されている。レンズ支持部41c、41cには、調光部に相当する調光レンズ(詳細は後述する)42の上端部がボルト42a及びナット42b(図9参照、図8では説明の便宜上、省略している)によって取り付けられている。
【0022】
調光レンズ42は、互いに同じ構成をなしているため、以下においては、左側(図8、及び図9中、左側)の調光レンズ42についてのみ説明する。図8(a)に示すように、全体としては略矩形状をなす調光レンズ42は、図9に示すような、透光性を有する第1カバー43を備えている。この第1カバー43は略矩形状をなしており、上方両隅には、前述したボルト42aを挿入するボルト挿入孔44が形成されていると共に、裏面(図9中、後方の面)には、同一形状をなす不動偏光板45が配設されている。
この不動偏光板45においても、上方両隅にボルト挿入孔46が形成されており、その裏面には可動偏光板47が配設されている。可動偏光板28は、上記第2の実施例とは異なり、全体としては円形をなしている。そして、その外周部には、円弧状の切欠き47aが形成されると共に、その一部は、前記第1カバー43及び不動偏光板45の下面よりも突出するように構成されている。なお、前記切欠き47aは、可動偏光板47の回動範囲に応じて形成されるものであるが、本実施例では全周に亘って形成するようにしている。
【0023】
可動偏光板47の裏面には、透光性を有する第2カバー48が配設されている。この第2カバー48は、略矩形状をなしており、上方両隅には、ボルト挿入孔49が形成されている。また、第2カバー48の中央には、前述した可動偏光板47を収容支持するための収容部50が形成されている。この収容部50は、上記第2の実施例のような凸部16は有さず、単に可動偏光板47の形状に沿って第2カバー48の厚み方向に概ね円形の凹みをなしているため、可動偏光板47は(第2カバー48の)収容部50に支持されながら自由に回動可能になっている。
【0024】
以上のように第1カバー43、不動偏光板45、可動偏光板47、第2カバー48を配列して調光レンズ42を形成し、前記各ボルト挿入孔44、46、49及びレンズホルダ41(レンズ支持部41c、41c)にボルト42aを挿入し、ナット42bにて締めつけることにより、全部材が一体的に構成される。なお、このような構成の調光レンズ42を支持するレンズホルダ41は、支持部41aによって、上方に跳ね上げられる上方位置(図8(b)中、二点鎖線)と、下方に下げられる下方位置(図8(b)中、実線)とを節度的に回動可能(支持部41aは、偏平部を有する概略楕円となっているため)になっている。
【0025】
次に、上記のように構成された調光めがね30を、既存のメガネ(図示せず)に(後付け)装着する方法を説明する。
使用者は、まず前レバー34及び後レバー35の両つまみ部38、38をつまみ、この状態で、両レバー34、35を支持する板バネ31の弾性反発力に抗しながら当該両つまみ部38、38が互いに近接する方向(図8中、B方向)へ力を加えていく。すると、両レバー34、35の両先端が徐々に離間する方向へと移動するのに伴って、板バネ31の両先端も徐々に離間する方向へと広がっていく。使用者は、この状態で調光めがね30を既存のメガネの上方で、且つ両レバー34、35が、前記既存のメガネのレンズ(図示せず)を挟むような位置に移動させる。それから、調光めがね30をゆっくり既存のメガネに被せ、両レバー34、35の樹脂37、37が既存のメガネのレンズに対して高さ方向に一致する位置まで下降させる。そして、今度は両つまみ部38、38に加えていた力を徐々に緩める。
【0026】
すると、板バネ31の弾性復元力によって、両レバー34、35の先端の樹脂37、37が、レンズの表裏面を徐々に挟みこむようになり、これにより調光めがね30は、既存のメガネに対して装着される。そして、使用者は、この状態で既存のメガネを通常通りかけて使用する。ここで、平時の場合、つまり使用者が眩しさを感じないときには、当該使用者は調光レンズ42の端面を摘まんで当該調光レンズ42を上方に跳ね上げた状態で使用する。一方、使用者が眩しいと感じた場合、前記使用者は、調光レンズ42の端面を摘まんで当該調光レンズ42を下方に下げて使用する。このような動作により、使用者は、視界の明るさを所望の光の強さに調整する。更に、光の加減によって、使用者が調光レンズ42における光の透過率を調整したいという状態になったら、前記使用者は、切欠き47aを触認しながら可動偏光板47を指にて回動させ、2枚の偏光板45、47が重なる角度に応じて所望の調光を行った時点で可動偏光板47の回動をやめるといった動作を、光の強さが変化する毎に行うようにする。
【0027】
以上のような第3の実施例によれば、上記第1及び第2の実施例と同様な効果を得られると共に、既存のめがねに後付けできる構成としたので、使用者の好みによって、調光めがねの使用を選択できるようになる。
【0028】
また、既存のめがねへの装着を、前レバー34及び後レバー35(いわゆる、クリップのような構成)によって前記既存のレンズを表裏面から挟み込むように構成したので、既存のメガネの形状や材質を問うことなく、簡単に、且つ確実に装着することができる。また、両レバー34、35は板バネ31にて常に閉方向(レンズを挟む方向)に付勢される構成であるので、既存のめがねへの調光めがね30の装着力を向上させることができる。
また、前レバー34及び後レバー35の付勢力を当該両レバー34、35を組み付ける板バネ31によって得るようにした。このため、軸心を有するコイルバネのような複雑で、且つ機構が複雑なものを使用しなくてもよいので、構成を簡素化することができると共に、メンテナンスも容易にすることができる。
なお、本発明は、上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形或いは拡張が可能である。
即ち、上記第1及び第2の実施例においては、調光部3をめがねフレーム2及び連結棒5にて固形に支持するようにしたが、これに限定されるものではなく、連結棒を一体的に有するめがねフレームを用いて調光部3を支持してもよい。
【0029】
また、調光部3を支持する部材はボルト4a、ナット4bの代わりにビスやビレット等、調光部3とめがねフレーム2(連結棒5)とを確実に固定できるならば、特に限定するものではない。
また、回動規制手段においては、可動偏光板10の切欠部11と、第2カバー12の凸部16との関係は逆に構成してもよい。更には、第1カバー6側を前面としたが、これに限定されるものではく、第2カバー側を前面として調光めがねを構成してもよい。
また、第1及び第2カバー6、12のいずれかの一方には、視力を矯正するための度をいれて構成してもよい。
また、可動偏光板10の突出部分10aは、第1及び第2カバー6、12の下端に限らず、上端であったり、或いは上下端の両方であったりしてもよい。この場合、各突出部分に複数の切欠き15、20を形成すればよい。
【0030】
また、第3の実施例において、支持部41aの偏平度合いは、特に限定するものではなく、例えば複数の節度を持つような偏平度合いを付与するようにしてもよい。
また、板バネ31に代えてコイルバネを使用する構成で弾性復元力を得るようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施例において、例えば第1の実施例の調光部3L、3Rを、第3の実施例の調光レンズ42に適用するといったように、各実施例を組合わせて調光めがねを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、調光めがねの全体斜視図
【図2】(a)は調光部の透視正面図、(b)は組立斜視図
【図3】図2(a)のA−A線に沿う断面図
【図4】突出部分の拡大図
【図5】本発明の第2の実施例を示すもので、図2相当図
【図6】図5のB−B線に沿う断面図
【図7】図4相当図
【図8】本発明の第3の実施例を示すもので、(a)は調光めがねの透視正面図、(b)は同側面図
【図9】図2(b)相当図
【符号の説明】
【0032】
図面中、1は調光めがね、2はめがねフレーム、3R及び3Lは調光部、6は第1カバー、8は不動偏光板、10は可動偏光板、10aは突出部分、11は切欠部(回動規制手段)、12は第2カバー、15は切欠き、16は凸部(回動規制手段)、20は切欠き、21は不動偏光板、23は第2カバー、30は調光めがね、42は調光レンズ(調光部)、43は第1カバー、45は不動偏光板、47は可動偏光板、48は第2カバー、47aは切欠きである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の調光部を連結して構成される調光めがねにおいて、
前記調光部は、
重ね合わせた状態で配置される不動偏光板及び可動偏光板と、
これら2枚の偏光板の両面側を覆い、透光性を有する材質で構成される第1及び第2カバーとを備えて構成され、
前記不動偏光板は、前記第1カバー側に固定され、
前記第2カバーは、前記可動偏光板を回動可能に収容支持し、
前記可動偏光板は円形をなし、その外周端部の一部は、前記第1及び第2カバーの上端もしくは下端の少なくとも一方より突出するように配置されていることを特徴とする調光めがね。
【請求項2】
少なくとも前記突出部分にかかる前記可動偏光板の外周部には、複数の回動操作用の切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1の調光めがね。
【請求項3】
前記第2カバーと前記可動偏光板との間には、当該可動偏光板の回動を規制する回動規制手段が構成されていることを特徴とする請求項2記載の調光めがね。
【請求項4】
前記回動規制手段は、前記可動偏光板の外周部に当該可動偏光板の回動範囲に応じて形成される円弧状の切欠部と、前記第2カバーより前記切欠部側に突出するように形成される凸部とから構成されていることを特徴とする請求項3記載の調光めがね。
【請求項5】
前記第2カバーは、前記不動偏光板も収容するように構成され、
前記不動偏光板は外周の一部に切欠を有し、前記第2カバーに収容された場合に、前記切欠が前記凸部に嵌合することで固定されることを特徴とする請求項4記載の調光めがね。
【請求項6】
前記回動規制手段は、前記可動偏光板の回動を90度に規制するように構成されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の調光めがね。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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