調光中の色度ドリフトを制御するためフィルターを有するガス放電ランプ及び方法
【課題】減光誘発の色度ドリフトの影響を受けやすい他の放電ランプと同様に、減光用途においてメタルハライドランプを使用することを可能にするための技術が記載される。
【解決手段】そのようなランプの試験は、減光中に色度ドリフトを引き起こす複数のスペクトル変化がスペクトルの狭周波数帯域に局在化し、これらの領域におけるランプ発光が、残りのスペクトルに比べて増強される(又は増加されるか又は減少される)ことを明らかにする。減光により発生する増強発光の選択的フィルタリングが、色度シフトを低減させるために用いられることができる。ランプ構成物品(例えばアーク管、隔壁及び/又は外側ジャケット等)に蒸着及び/又は統合されたフィルターが、スペクトルのそれらの領域の送信をブロックするために動作する。
【解決手段】そのようなランプの試験は、減光中に色度ドリフトを引き起こす複数のスペクトル変化がスペクトルの狭周波数帯域に局在化し、これらの領域におけるランプ発光が、残りのスペクトルに比べて増強される(又は増加されるか又は減少される)ことを明らかにする。減光により発生する増強発光の選択的フィルタリングが、色度シフトを低減させるために用いられることができる。ランプ構成物品(例えばアーク管、隔壁及び/又は外側ジャケット等)に蒸着及び/又は統合されたフィルターが、スペクトルのそれらの領域の送信をブロックするために動作する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ガス放電ランプに関し、より詳細には、調光用途において色度ドリフトを制御するために放電ランプ発光をフィルタリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
メタルハライドガス放電ランプは、スポーツ競技場やスタジアム、植物養樹園及び工業プラント等の多くの会場に広く用いられている。他のガス放電ランプのように、メタルハライドランプは、アーク管に含まれるガスの混合物(アルゴン、水銀及び金属ハロゲン化物等)に電気アークを通すことによって光を生成する。アルゴンは容易にイオン化され、電圧がランプに印加される際に、ランプ電極の両端にアークをぶつける(ストライクする)ことを可能にする。温度及び圧力が増加するにつれて、アークにより生成された熱は、順次、水銀及び金属ハロゲン化物を蒸発させ、これが光を生成する。ハロゲン化物は一般に、生成された光の色及び強度(明度)を制御する。
【0003】
メタルハライドランプのより広範囲の使用に対する1つの障壁、特に調光(減光)用途では、運転出力が低下するにつれて、色座標又は色度に望ましくない変化があることである。特定のドリフト方向は許容できるかもしれないが、一般には、一定の色度が大部分の照明用途に望まれている。例えば、ピンク−赤色又はより低い相対色温度(CCT)へ向かう等の温かい外観に向かって調光(減光)するランプは許容可能であり得る。しかしながら、他の用途では色度ドリフトに許容できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5057743号明細書
【特許文献2】米国特許第4963790号明細書
【特許文献3】米国特許第4859899号明細書
【特許文献4】米国特許第4709184号明細書
【特許文献5】米国特許第5327042号明細書
【特許文献6】米国特許第7030543号明細書
【特許文献7】米国特許第7256546号明細書
【特許文献8】米国特許第5694002号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この問題の現在の解決は、単に、色度ドリフトを許容できない調光(減光)用途にメタルハライドランプを使用しないことである。これは勿論、メタルハライドランプと関連する様々な利益(効率が良く高強度である等)を利用する利用可能な機会を制限するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
調光(減光)用途においてメタルハライドランプの使用を可能にする技術及び色度ドリフトを許容しないこれらの用途でさえも可能にする技術が記載される。
【0007】
総括
特定の実験用メタルハライドランプのスペクトル出力の試験は、調光(減光)中に色度ドリフトを引き起こす複数のスペクトル変化が、スペクトルの1又は複数の狭周波数帯域に予想外に局在化されたことを明らかにする。更に予想外なことに、これらの狭い帯域における発光は、残りのスペクトルに対して増強されていた。もはや理解されるように、増強発光は、残りのスペクトルに対して線の中心において発光強度を増加させることに繋がる強い原子発光線の自己反転の減少によるものである。
【0008】
一例として、図1は、約100Wから20Wに減光されるNaを含むガス放電ランプに関して、ナトリウム(Na)共鳴線(約589nm)付近で生じるスペクトル変化を示す。見て分かるように、Naを含むランプは、589nmでのNa共鳴線中心の増強により、黄色に向かう色度ドリフト成分を経験する。同様の挙動は、それぞれ構成されたランプの強いジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ツリウム(Tm)及びタリウム(Tl)線に示される。特に、Dy、Ho、又はTmを含むランプは、一般に、スペクトルのその部分での強い線の増強のために色度ドリフト成分を青色に向かって経験し、そしてTlを含むランプは、一般に、発光の増強により535nm線の線中心で色度ドリフト成分を緑色に向かって経験する。図1に示すように、より低いワット数でのそのような増強発光のスペクトル位置は、一般に、減光ピークとして指定される。この位置におけるランプ発光(W/nm)は、最も高いランプワット数の100Wに比べると、最も低いランプワット数の20Wにおいて驚くほど高いことに注意されたい。それはまた、減光ピークが、ランプ発光の低いワット数設定において驚くほど低い位置でのスペクトル位置を表す場合であるかもしれない。
【0009】
いずれにしても、減光ピークを含むスペクトルの一部をフィルタリングすることは、より高いワット数条件とより低いワット数条件との間で推移する場合の減光ピークの不均衡な変化により引き起こされた色度ドリフトを制御する。フィルターは、増強発光が生じた場合にスペクトルのこれらの領域の推移をブロックするように動作する。そういうものとして、人間の目は、それらの波長の相対的増大及び結果として生じる色度ドリフト成分をもはや検知することはできない。スペクトル変化は、一般には、わずかな(又はそれ以下の)狭周波数帯域に局在化されるため、総合的な光度出力は許容できる。
【0010】
参照は、以下の図面とともに以下の詳細な説明によってなされ、その中において類似する数字は類似する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、調光(減光)運転時に色度ドリフトを引き起こすスペクトル変化がどのようにスペクトルの狭周波数帯域内に局在化するかを説明する。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る1以上の減光フィルターで構成されたメタルハライドランプを表す。
【図3】図3は、メタルハライドランプのフィルター無しのスペクトル出力を表す。
【図4a】図4aは、図3に示す本発明の実施の形態に係るメタルハライドランプのスペクトル出力を表すが、ロングパスフィルターにより減光フィルター処理することによる増強発光を含むスペクトルを有する。
【図4b】図4bは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図4c】図4cは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図4d】図4dは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図5a】図5aは、図3に示す本発明の他の実施の形態に係るメタルハライドランプのスペクトル出力を表すが、ノッチフィルターにより減光フィルター処理することによる増強発光を含むスペクトルを有する。
【図5b】図5bは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図5c】図5cは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図5d】図5dは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図6】図6は、減光用途において色度ドリフトを制御するための放電ランプ発光をフィルター処理するための方法を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
減光フィルターを有するランプ構造
図2は、本発明の実施の形態に係る1以上のスペクトル選択性を有する減光フィルター(8a、8b、8c及び/又は8d)で構成されたメタルハライドランプの一例を表す。この例のランプ構造は、広範囲なランプを表すことを意図しており、本発明が、任意の特定のランプ構成に制限されることを意図するものではない。それどころか、そのフィルタリング技術は、減光の結果として、あるランプ化学(メタルハライドランプ等)に関連する色度ドリフトを最小化するか、又はそうでなければ低減させるのに望ましい多くのランプ構成に使用されることができる。多数の代替構成及び従来のランプ特徴及び材料の種々の組み合わせは、この開示の観点から明らかになるであろう。
【0013】
例示されたランプは、外側密封ガラス製容器又はジャケット11内に配置された放電管又はアーク管1を含む。外側ジャケット11は真空引きされており、外部ベース部材10を有する固定されたガラス製のステム部材14に対してシール(密封)されている。電気導体18及び19のペアは、ステム部材14内にシールされ、ステム部材14を貫通している。放電管1は電極のペア2及び3を有し、これらがそれぞれの端部で放電管1の内部に突出し、運転中に外部電源により放電ランプの通電を与える。
【0014】
放電管1は、一般に、例えば石英から形成されるが、多結晶アルミナ等の他の種類の好適な材料が使用されてもよい。以下に示す実施の形態の例では、放電管1は、減光ピークと関連するスペクトル位置を特に取り除くために、フィルタリング品質(一般に図2の8aとして指定される)で更に構成されることができる。例えば、放電管1は、吸収性のフィルタリング品質に沿った典型的な放電管品質で構成されることができる。知られるように、吸水性フィルターは、様々な無機又は有機化合物(ダイ等)が添加されたガラス等の光学材料で構成され、写真及び映画用途に特別な効果を生み出すために典型的には用いられる。本出願では、放電管1は、同様な方法で実装されるが、特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くために合わせられている。例えば、放電管の材料に、1以上の吸収性のイオン種を加えることも可能であろうし、又は、減光ピークのスペクトル領域を除去する吸水性のコーティングによりその管をコーティングすることも可能であろう。その代わりに、又はそれに加えて、二色性又はいわゆる干渉フィルターが用いられることができ、ここでは薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか、又はそうでなければ放電管1に(例えば真空蒸着を用いて)統合(一体化)される。所望のスペクトルに対してフィルター処理されるスペクトルの位置に応じて、そのような干渉フィルターは、ショートパスフィルター(即ち、フィルターエッジが通過する波長よりも短い場合)として、ロングパスフィルター(即ち、フィルターエッジが通過する波長よりも長い場合)として、バンドパスフィルター(即ち、ローワーフィルターエッジとアッパーフィルターエッジが通過する波長の間である場合)として、又はノッチフィルター(即ち、ローワーフィルターエッジが通過する波長よりも短く、フィルターエッジが通過する波長よりも長い場合)として構成される。この開示の観点から明らかなように、フィルターエッジは、特定された減光ピークに関連するスペクトル位置がブロックされるか、又はそうでなければ減衰されるように選択されることができる。フィルター8aは任意であり、ここに説明される全てのフィルタリングを提供するために個別に使用され得ること、又は他のフィルター(例えば、8b、8c及び/又は8d)と組み合わされるために個別に使用され得ることに注意されたい。
【0015】
各電極2及び3は、例えばモリブデン又はタングステンワイヤコイルにより取り囲まれたコア部を含む。この例のランプ構成における電極2及び3のそれぞれは、金属箔4及び5にそれぞれに接続され、これら金属箔4及び5はピンチシールされ、例えば、モリブデンにより形成されることができる。箔4及び5にそれぞれ電気的に接続された電気導体6及び7は、それぞれのプレスシールを外側に拡がらせている。導体6及び7は、ガラスステム部材14から突出する導体18及び19にそれぞれ接続されている。更に理解されるように、この例のランプ構成における導体6と導体18との接続は、保護透明隔壁13の外側に延伸する垂直に配置されたワイヤにより行われる。任意の1組のゲッター20及び21が、ランプの外側容器内の真空を維持するために、支持構造12上にマウントされる。
【0016】
放電管1は、隔壁13内に位置し、隔壁13及び支持構造12から電気的に絶縁されている。そのような「フローティングフレーム」構造は、アーク管1からのアルカリ金属の損失を制御するために用いられることができ、米国特許第5,057,743号及び第4,963,790号に更に記載されており、このそれぞれはその全体が参照によりここに組み込まれる。支持構造12は、その上端が外側ジャケット11内のくぼみ15により留められる。
【0017】
例示する実施形態においては、例えば、隔壁13は、減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くように、フィルタリング品質(一般に図2の8bで指定される)で更に構成されることができる。例えば、隔壁13は、放電管1に関して前述したような同様な方法において吸収性のフィルタリング品質に準拠した、典型的な隔壁品質で構成されることができ、ここでは、隔壁13が特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くように動作する材料で製造される。或いは、又は追加的には、干渉フィルターが使用されることができ、ここには薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか又はそうでなければ隔壁13に(例えば真空蒸着を用いて)統合される。ショートパス、ロングパス、バンドパス及びノッチフィルターに関する前述の議論は、ここでは同様に適用可能である。
【0018】
隔壁13は、離間して配置されたストラップ16及び17により支持構造12に固定され、ストラップ16及び17はそれぞれ溶接されているか又はそうでなければ支持構造12の垂直に並んだ一部に連結されている。この例のランプ構成の隔壁13は、管状形を有し、一端にドーム形のキャップ(クロージャ)を有しても有さなくてもよい石英スリーブで形成され得る。各ストラップ16及び17は、隔壁13を所定の位置にしっかりつかむように、スプリングのような材料で形成されることができる。その全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,859,899号に説明するように、隔壁13の直径及び長さは、均一なアーク管1壁面温度をもたらす最適温度再分布を達成するために、アーク管1寸法に関して選択され得る。
【0019】
外側ジャケット11は、減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くように、フィルタリング品質(一般に図2の8cで指定される)で更に構成されることができる。例えば、外側ジャケット11は、放電管1及び隔壁13に関して前述したようなフィルタリング品質に準拠した典型的な外側ジャケット品質で構成されることができ、ここでは外側ジャケット11が、特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くために合わせられる。或いは、又は追加的には、干渉フィルターが使用されることができ、ここでは薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか又はそうでなければ外側ジャケット11に(例えば真空蒸着を用いて)統合される。ショートパス、ロングパス、バンドパス及びノッチフィルターに関する前述の議論はここで同様に適用可能である。
【0020】
ベース10は、例えば、エジソン又はモーグル型ベース、例えばE27又はE39スクリューベースで実装され得る。しかしながら、ランプには、ミディアムベース又はダブルエンド構成、又は電源への電気的接続を可能にする任意の数の好適なベースまたはインターフェースを有することに注意されたい。ランプはまた、メタルハライドガス放電ランプ又は他のそのようなランプに共通に見られる他の構造的特徴を含んでいてもよい。例えば、ランプは、補助スターティングプローブ又は電極(例えば一般にタンタル又はタングステンで形成される)を含んでいてもよく、これが主電極3に隣接するアーク管のベース端に設けられ得る。
【0021】
一つの例では、放電管1は、不活性原料ガス、水銀、アルカリ金属ヨウ化物及びヨウ化スカンジウムの化学充填物を含む。本発明のランプのアーク管内に化学充填物を供給する際、非気体の成分が、原料ガスの導入前にシールされていないアーク管内に有益に供給されることができる。もはや理解されるように、水銀の投入は、アーク管に望ましい放電を持続させるために必要なアンペア数要求を望ましく減少させることによりランプの電気的特性を高めるために、十分な量で存在している。水銀に加えて、アルゴン等のような不活性イオン化原料ガスが放電管内に含まれる。しかしながら、ランプを始動して電極スパッタリング又は蒸着を最小化するのに役立つ適切な圧力が維持されるように設けられたアルゴンに対して、他の貴ガスが代用され得る。ガス充填圧力は、数トルから数大気圧の範囲となり得る。
【0022】
任意のゲッター20及び21とともに用いられることができるランプの1形態についての更に詳細なものが、米国特許第4,709,184号に記載され、その全体が参照によりここに組み込まれる。そこに記載されたランプは、ヨウ化スカンジウムを使用し、ランプ動作中にはアルカリ金属ヨウ化物が化学充填物として放電ガス内に存在する。ある特定のそのような構成においては、ヨウ化スカンジウム及びアルカリ金属ヨウ化物の成分は、白熱灯の出力に比べて、暖色のランプの光の出力を与える比率で存在している。この開示の観点から理解されるように、本発明の実施の形態は、様々な化学充填物を含むランプで利用され得る。
【0023】
放電管1の壁面温度は、複数の要因、例えばアーク管1の光透過特性、直径、長さ及び壁面厚さ等に依存する。真空引きされた外側ジャケット11を設けることは、コールドスポット温度を増加させる傾向にある。ある特定の実施の形態によれば、アーク管1のコールドスポット温度は、約800℃〜約1000℃である。
【0024】
ランプが変色する傾向は、ゲッター20及び21を真空容器11内に含ませることにより低減できる。ゲッター20及び21は、鉄類支持物に固定することができ、示された例のランプ構成においては、溶接又は他の好適な取付技術により支持構造12に固定されることができる。組立後のランプの外側容器11は、ランプのステム14内に位置する管を介して真空にされる。真空引き前に、外側容器11は、酸素などの反応ガスを取り除くために不活性ガスでパージされ得る。パージ及び真空引きは、例えば容器内に存在する水分も排出されるような炉焼き付け温度で行われることができる。好適なゲッター材料に関する追加的な詳細は、米国特許第5,327,042号に提供されており、その全体が参照によりここに組み込まれる。しかしながら、他の実施の形態は、ゲッター20及び21を含まないかもしれないことに注意されたい。
【0025】
また、図2に示すのは、ハウジング(一般に波線で示される)であり、この中には、外側ジャケット11内に含まれるこれまでに説明した光源が封入されることができ、これによりリフレクターランプ構成を提供する。見て分かるように、ハウジングは一般に、光源から光を出力するための反射内壁23及びレンズ22を含む。レンズ22は、単純な平坦な透明カバーから光をフォーカス又は拡散させるための複雑な光学素子にまで及び得る(ランプから放射された光をハウジング内に残す以外に、レンズという用語の使用によって特定の光学特性が意図されるものではない)。レンズ22は、外側ジャケット11内に含まれる光源を封入するために、反射内壁23のエッジに向けて取り付けられ得る。レンズ22は、溶融されるか、接着されるか又は通常行われるように反射内壁23に同様に結合され得る。反射内壁23は、外側ジャケット11内に含まれる光源から放射される光を反射するための内部反射表面を有する。そのようなリフレクターランプ構成の追加的な詳細例は、米国特許第7,030,543号に提供されており、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0026】
この開示の観点から明らかなように、そのようなリフレクターランプ構成は、選択的なスペクトルフィルタリングを含むように変形され得ることに更に注意されたい。示される例示的な実施形態では、例えば、レンズ22は、減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くためにフィルタリング品質(一般に図2の8dで指定される)で更に構成され得る。例えば、レンズ22は、放電管1、隔壁13及び外側ジャケット11に関して前述したような吸着性のフィルタリング品質に準拠した典型的な隔壁品質で構成されることができ、ここではレンズ22が特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くために製造されることができるか、又はそうでなければ合わせることができる。或いは、又は追加的には、干渉フィルターが使用されることができ、ここでは薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか又はそうでなければレンズ22に(例えば真空蒸着を用いて)統合(一体化)される。重ねて、フィルター形態(ロングパスフィルター等)及び実装(コーティング、一体化(統合)等)に関する前述の議論は、ここで同様に適用可能である。
【0027】
この開示の観点から理解されるように、1以上の減光フィルター、例えば、フィルター8a、8b、8c及び8dの任意の1つ又は組み合わせは、ランプの減光誘発の色度ドリフトを取り除くか又はそうでなければ低減するために用いられ得る。フィルタリングは、例えば、統合されたフィルター品質を有するランプ構成物品により、又はランプ構成物品に付加され、ターゲットスペクトル範囲でスペクトルフィルタリングが可能な従来の薄膜又はコーティングにより達成され得る。従来のフィルタリング技術がここで用いられることができ、例えば、干渉ソフトコートフィルター(メレスグリオ 03 LWP 604等)及びカラーガラスフィルター(メレスグリオ 03 FCG 063等)を含むCVIメレスグリオ社により製造されたフィルターを実装するのに用いられる技術が用いられることができる。フィルターの通過帯域は、フィルター処理されるランプ出力のスペクトル位置に依存し、それに従って従来のフィルター製造プロセスを用いて設定され得る。組み合わせのフィルタリングスキームが同様に使用され得る。例えば、長波長域と同時に短波長を除去するために、ロングパスフィルター及びノッチフィルターが使用されることができ、これにより色度ドリフトが全体的に低減される。
【0028】
フィルタリングの利益を得ることができる多数の他のランプ構造が、この開示の観点から明らかになろう。例えば、例示的なセラミックメタルハライドランプが米国特許第7,256,546号に記載され、例示的な石英メタルハライドランプが米国特許第5,694,002号に記載される。これらの特許のそれぞれは、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0029】
ランプ化学例
更に明らかにするために、水銀(Hg)及びマルチバー・キセノン(Xe)をそれぞれ含む種々の実験用39ワットセラミックメタルハライドランプが構築された。表1のランプ組成から分かるように、全部で9個のサンプルランプに関して、3つの例示的なランプのグループがあり、各グループが1.5、2.0及び2.5mgのターゲットHg投入量を有し、それぞれのグループに対して4、6及び8barのターゲットXeコールドフィル圧力を有する。表1から更に理解されるように、各サンプルランプは、3mgのメタルハライド塩混合物を含み、この特定の例はNaI:InI:CaI2:MgI2:TmI3が10.7:12.5:15.7:16.7:44.4wt%の比で構成されていた。アーク管は投入されシールされて覆いを被された(シングルエンド管、G12ベース)。
【0030】
【表1】
【0031】
電力が45Wから20Wに減光される際の色度シフトに関するこれらのランプの測光データが調査された。測光データは、ルーメン・パー・ワット(LPW)、演色評価数(CRI)及び相関色温度(CCT)を含んでいた。減光により、色度シフトは、黒体軌跡に沿って、青色及びより高い色温度に向かって移行する。表1に反映された例では、色度のシフトは、ある程度、スペクトルの残りに関してインジウム原子(In)の451nm線において相対的に増加する。約590nm(Na、黄色)の発光においても相対的な増加があり、これは青色に向かうドリフトを一部打ち消すが完全ではない。様々な動作電力(45Wから20Wまで)でのランプID5(表1の)のスペクトル出力を図3に示す。本発明の実施の形態によれば、約451nmでのインジウム(In)線強度の変化の影響は、スペクトルの一部を除去することにより取り除かれる。
【0032】
例えば、ロングパスフィルターは、スペクトルの短波長部分を除去するために用いられる。そのようなロングパスフィルターにより改良された減光電力でのスペクトルを図4aに示す。図4b、4c及び4dに示すプロットは、フィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)と比較した場合のフィルター処理されたスペクトル(白丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれ示す。図4bから分かるように、フィルタリングが適用されると、対応する色度シフトが減光中に小さくなる。図4cに示すように、効率(LPW)が無視しうる程度にわずかに影響をうけるように、この例におけるフィルタリングが、人間の目の相対的な感度が低いスペクトルの一部に影響を与えることに注意されたい。しかしながら、図4dに示すいくらかの減少は、これは許容可能であるかもしれないし許容可能でないかもしれないが、特定の用途に依存する。
【0033】
代替的な実施の形態においては、約452nmでの狭帯域における放射をブロックするノッチフィルターがCRI(そのようなCRI減少が許容可能でない場合の用途に関して)における減少を抑制するためにも用いられることができる。そのようなノッチフィルターにより改良された減光電力でのスペクトルを図5aに示す。図5b、5c及び5dに示すプロットは、フィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)と比較した場合のフィルター処理されたスペクトル(白丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれ示す。見て分かるように、色度シフトは低減され(図5b)、効率(LPW)は無視出来る程度に影響する(図5c)が、CRIは、ロングパスフィルター(図4d)によるCRIのインパクトに対してより影響が小さくなっている(図5d)。
【0034】
図4a及び5aに示すフィルター処理されたスペクトルは、シャープなカットオフを有する完全なフィルター、ある波長での100%送信、及び他の波長での0%送信により、理想的なフィルタリングを反映することに注意されたい。理解されるように、実際のフィルターが完全に近づく間、それらは一般に、波長の有限範囲(例えばエッジスティープネス)における低い送信から高い送信においてはよりソフトなカットオフ及び送信を有し、それらの高い送信は例えば95%又はそれ以下になるであろう。いずれの場合でも、ここに記載したように、色度ドリフトを低減させるためにフィルター(完全以下のものでさえも)が用いられ得る。しかしながら、減衰送信(例えば95%以下)により、図4c及び5cに表されるように殆ど影響を受けない代わりに、フィルター付きのランプに対するLPWは、幾分より押し下げられる(例えば5%から20%)であろう。
【0035】
方法
図6は、減光用途において色度ドリフトを制御するための放電ランプ発光をフィルタリングするための方法を表す。放電ランプは、スペクトル内の1以上の狭周波数帯位置での増強されたスペクトル出力により引き起こされた減光誘発の色度ドリフトに引き起こされるメタルハライドランプ又は任意の他のランプであり得る。
【0036】
方法は、放電ランプに対して電圧を印加すること601で始まり、そして最大ワット数と最小ワット数(又は単にランプの全体範囲内での高ワット数及び低ワット数)との間にあるその減光範囲でランプを運転すること603である。この減光運転中、方法は、ランプのスペクトル出力(W/nm等)を監視すること605を更に含む。この監視は、例えば、スペクトル内の光の出力を測定することができる従来の分光器又は他の好適な監視装置を用いて達成され得る。
【0037】
方法は、減光ピークのスペクトル位置を特定すること607を継続する。減光ピークは一般に、より低いワット数での発光に対応し、それがより高いワット数での同じ位置での発光よりも高い(即ち増強されている)ことを思い出されたい。そのような場合、スペクトルの一部におけるランプ発光が、最も高いランプワット数と比較した場合に最も低いランプワット数においてより高くなる。しかしながら、この関係は、存在する減光ピークに対しては必要ではない。他の減光ピーク状況は、特に減光運転により少なくとも部分的に増強発光が起こる場合に、この開示の観点から理解されるであろう。
【0038】
例えば、ある場合では、ここで説明されるようなフィルタリングは、減光の間、特に自己吸収が減少することによって生じる線強度の増加をマスクするのに用いられ得る。しかし、なぜ特定の発光線が増加するか又は減光の間(例えば、多くの場合において、線は一般に減光と共に減少する)に減少さえ生じるかについての他の理由も存在する。この意味で、それは関連するスペクトルの異なる部分の間の相関強度における変化であり、減光ピークは、それが増加した強度又は減少した強度を反映するため、「増強」され得る。ここで説明されるようなそのような増強されたスペクトル変化を除去することは、増強発光が強度において増加しているか減少するピークに起因するか否かに関わらず、観察された色度ドリフトを有効に減少させる。よって、減光ピークのスペクトル位置を特定することは、特に、増強発光が減光運転により少なくとも一部生じる場合に、スペクトルの他の部分に対して減少されるか又は増加された増強発光を特定することを含む。
【0039】
方法は、減光ピークのスペクトル位置をブロックするように構成されたフィルターを設けること609を引き続き行う。前述のように、ランプ発光のこのフィルタリングは、例えば、アーク管、隔壁、外側ジャケット及び/又はランプ構造の他の好適な特徴を作製するのに用いられる特別なコーティング及び/又は材料により達成される。あるいは、ランプは、ランプの外側又はそうでなければランプから独立したフィルター構造によりフィルター処理され得る。例えば、ランプが配置される容器であって、ここでは、その容器の透明な表面がコーティングされるか又はそうでなければ適切なフィルターとともに構成される。ショートパス、ロングパス、バンドパス及び/又はノッチフィルターの組み合わせが、減光誘発の色度シフトを抑制する必要に応じて、スペクトルの独立した部分をフィルター処理するのに用いられ得る。同様に、複数のスペクトル位置が、2つ又はそれ以上のフィルターによりマルチフィルター処理されることができ、それは同一フィルタータイプ(例えば、各ロングパスフィルターエッジが同じ位置にあるか又は他のものに比べて20%以内であるダブルロングパスフィルター又はノッチフィルターと組み合わされたロングパスフィルターであって、ノッチフィルターがロングパスフィルターエッジのスティープネスを改良するのに用いられたもの)であってもそうでなくても良い。
【0040】
この方法は、ステップ601〜607を繰り返すことなく、任意のランプ構成に対して一旦実行され、他の同様な構成のランプは、類似するフィルターが適用されるか又はその中に統合できることに留意されたい。よって、例えば、方法は、任意の用途(又は用途のセット)に対してガス放電ランプを製造するプロセスを検証するために、1度実行されるか又はそうでなければ最小回数で実行され得る。一旦、製造プロセスが検証されると、その用途のために構成された他の類似するランプは(検証無しで)設置されたフィルターを有することができ、それらのランプが減光誘発の色度ドリフトを減少させることができると想定できる。
【0041】
したがって、本発明の実施の形態によれば、ガス放電ランプが提供される。ランプは一般に、アーク管と、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成され、これにより減光誘発のランプの色度ドリフトを減少させるフィルターとを含む。ある特定の場合では、ランプは、ランプの低ワット数及び高ワット数の間で動作し、減光ピークのスペクトル位置は、低ワット数でのランプ発光が高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含む。他の特定の場合では、ランプは、少なくとも1の真空引きされた外側ジャケット及び外側ジャケット内の隔壁を更に含み、ここではフィルターが少なくとも1のアーク管、隔壁及び/又は外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。ある特定のそのような場合において、フィルターは、外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、ランプは、レンズを更に含み、フィルターがレンズに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、フィルターが、少なくとも1のショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及び/又はノッチフィルターを含む。他の特定の場合では、ランプが、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするように特に構成された第2のフィルターを含む。増強発光が他のスペクトル位置に対して減光ピーク強度を増加又は減少させることを表すことを想起されたい。
【0042】
本発明の他の実施の形態によれば、ガス放電ランプが提供され、それは一般に真空引きされた外側ジャケット、外側ジャケット内の隔壁及び隔壁内のアーク管を含む。ランプは、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第1の減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより減光誘発のランプの色度ドリフトを減少されるように特に構成された第1のフィルターを更に含み、ここでランプがランプの低及び高ワット数の間で動作し、第1の減光ピークのスペクトル位置が低ワット数でのランプ発光が高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含む。ランプは、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを更に含む。ある特定の場合では、フィルターは、少なくとも1のアーク管、隔壁及び/又は外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、フィルターは、外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、ランプは、レンズを更に含み、フィルターがレンズに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、フィルターは、少なくとも1のショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及び/又はノッチフィルターを含む。他の特定の場合では、フィルターは、複数のフィルター(重複する阻止帯域を有するか又は有しない)を含む。重ねて、増強発光が、他のスペクトル位置に対して減光ピーク強度を増加させるか又は減少させることを表し得ることを想起されたい。
【0043】
本発明の他の実施の形態によれば、減光用途における色度ドリフトを制御するためにガス放電ランプ発光をフィルタリングする方法が提供される。方法は、その減光範囲でガス放電ランプを運転すること及び減光運転の間にランプのスペクトル出力監視することを含む。方法は、減光ピークのスペクトル位置を特定することを引き続き行い、ここでは減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する。方法は、減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより減光誘発のランプの色度ドリフトを減少させるように特に構成されたフィルターを設けることを更に含む。あるそのような場合では、その減光範囲でランプを運転することは、ランプの最大ワット数と最小ワット数との間でランプを運転することを含む。他のそのような場合では、その減光範囲でランプを運転することは、ランプの低及び高ワット数の間でランプを運転することを含み、減光ピークのスペクトル位置を特定することは、低ワット数でのランプ発光が高ワット数でのランプ発光より高い位置を特定することを含む。他のそのような場合では、フィルターは、ランプの少なくとも1のアーク管、隔壁、外側ジャケット及び/又はレンズに関連する。他のそのような場合では、フィルターは、少なくとも1のショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及び/又はノッチフィルターを含む。他のそのような場合では、方法は、運転すること、監視すること、特定すること及び設けることを実行せずに、似たような構成を有する他のガス放電ランプにフィルターを設けることを更に含む。他のそのような場合では、方法は、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置を特定することと、第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを設けることを更に含む。重ねて、増強発光が、他のスペクトル位置に対して減光ピーク強度を増加させるか又は減少させることを表し得ることを想起されたい。
【0044】
本発明の原理はここに記載されるが、この記載は単に例示的なものであり、本発明の範囲を制限するものとして取り扱われるものではないことは、当業者であれば理解されるであろう。例示された実施の形態及びここに記載されたものに加えて、本発明の範囲内において他の実施の形態が熟考されるであろう。当業者により、本発明の範囲内において変形例及び代替例が考慮され、これは以下の特許請求の範囲にのってのみ制限されるものではない。
【符号の説明】
【0045】
1…放電管(アーク管)
2、3…電極
4、5…金属箔
6、7…導体
8a、8b、8c、8d…フィルター
10…ベース
11…ジャケット(外側容器又は真空容器)
12…支持構造
13…隔壁
14…ステム部材
16…ストラップ
18、19…導体
20、21…ゲッター
22…レンズ
23…反射内壁
【技術分野】
【0001】
本出願は、ガス放電ランプに関し、より詳細には、調光用途において色度ドリフトを制御するために放電ランプ発光をフィルタリングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
メタルハライドガス放電ランプは、スポーツ競技場やスタジアム、植物養樹園及び工業プラント等の多くの会場に広く用いられている。他のガス放電ランプのように、メタルハライドランプは、アーク管に含まれるガスの混合物(アルゴン、水銀及び金属ハロゲン化物等)に電気アークを通すことによって光を生成する。アルゴンは容易にイオン化され、電圧がランプに印加される際に、ランプ電極の両端にアークをぶつける(ストライクする)ことを可能にする。温度及び圧力が増加するにつれて、アークにより生成された熱は、順次、水銀及び金属ハロゲン化物を蒸発させ、これが光を生成する。ハロゲン化物は一般に、生成された光の色及び強度(明度)を制御する。
【0003】
メタルハライドランプのより広範囲の使用に対する1つの障壁、特に調光(減光)用途では、運転出力が低下するにつれて、色座標又は色度に望ましくない変化があることである。特定のドリフト方向は許容できるかもしれないが、一般には、一定の色度が大部分の照明用途に望まれている。例えば、ピンク−赤色又はより低い相対色温度(CCT)へ向かう等の温かい外観に向かって調光(減光)するランプは許容可能であり得る。しかしながら、他の用途では色度ドリフトに許容できない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5057743号明細書
【特許文献2】米国特許第4963790号明細書
【特許文献3】米国特許第4859899号明細書
【特許文献4】米国特許第4709184号明細書
【特許文献5】米国特許第5327042号明細書
【特許文献6】米国特許第7030543号明細書
【特許文献7】米国特許第7256546号明細書
【特許文献8】米国特許第5694002号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この問題の現在の解決は、単に、色度ドリフトを許容できない調光(減光)用途にメタルハライドランプを使用しないことである。これは勿論、メタルハライドランプと関連する様々な利益(効率が良く高強度である等)を利用する利用可能な機会を制限するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
調光(減光)用途においてメタルハライドランプの使用を可能にする技術及び色度ドリフトを許容しないこれらの用途でさえも可能にする技術が記載される。
【0007】
総括
特定の実験用メタルハライドランプのスペクトル出力の試験は、調光(減光)中に色度ドリフトを引き起こす複数のスペクトル変化が、スペクトルの1又は複数の狭周波数帯域に予想外に局在化されたことを明らかにする。更に予想外なことに、これらの狭い帯域における発光は、残りのスペクトルに対して増強されていた。もはや理解されるように、増強発光は、残りのスペクトルに対して線の中心において発光強度を増加させることに繋がる強い原子発光線の自己反転の減少によるものである。
【0008】
一例として、図1は、約100Wから20Wに減光されるNaを含むガス放電ランプに関して、ナトリウム(Na)共鳴線(約589nm)付近で生じるスペクトル変化を示す。見て分かるように、Naを含むランプは、589nmでのNa共鳴線中心の増強により、黄色に向かう色度ドリフト成分を経験する。同様の挙動は、それぞれ構成されたランプの強いジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ツリウム(Tm)及びタリウム(Tl)線に示される。特に、Dy、Ho、又はTmを含むランプは、一般に、スペクトルのその部分での強い線の増強のために色度ドリフト成分を青色に向かって経験し、そしてTlを含むランプは、一般に、発光の増強により535nm線の線中心で色度ドリフト成分を緑色に向かって経験する。図1に示すように、より低いワット数でのそのような増強発光のスペクトル位置は、一般に、減光ピークとして指定される。この位置におけるランプ発光(W/nm)は、最も高いランプワット数の100Wに比べると、最も低いランプワット数の20Wにおいて驚くほど高いことに注意されたい。それはまた、減光ピークが、ランプ発光の低いワット数設定において驚くほど低い位置でのスペクトル位置を表す場合であるかもしれない。
【0009】
いずれにしても、減光ピークを含むスペクトルの一部をフィルタリングすることは、より高いワット数条件とより低いワット数条件との間で推移する場合の減光ピークの不均衡な変化により引き起こされた色度ドリフトを制御する。フィルターは、増強発光が生じた場合にスペクトルのこれらの領域の推移をブロックするように動作する。そういうものとして、人間の目は、それらの波長の相対的増大及び結果として生じる色度ドリフト成分をもはや検知することはできない。スペクトル変化は、一般には、わずかな(又はそれ以下の)狭周波数帯域に局在化されるため、総合的な光度出力は許容できる。
【0010】
参照は、以下の図面とともに以下の詳細な説明によってなされ、その中において類似する数字は類似する部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、調光(減光)運転時に色度ドリフトを引き起こすスペクトル変化がどのようにスペクトルの狭周波数帯域内に局在化するかを説明する。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る1以上の減光フィルターで構成されたメタルハライドランプを表す。
【図3】図3は、メタルハライドランプのフィルター無しのスペクトル出力を表す。
【図4a】図4aは、図3に示す本発明の実施の形態に係るメタルハライドランプのスペクトル出力を表すが、ロングパスフィルターにより減光フィルター処理することによる増強発光を含むスペクトルを有する。
【図4b】図4bは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図4c】図4cは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図4d】図4dは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図5a】図5aは、図3に示す本発明の他の実施の形態に係るメタルハライドランプのスペクトル出力を表すが、ノッチフィルターにより減光フィルター処理することによる増強発光を含むスペクトルを有する。
【図5b】図5bは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図5c】図5cは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図5d】図5dは、フィルター処理したスペクトル(白丸で指定されたもの)と比較した場合におけるフィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれを示す。
【図6】図6は、減光用途において色度ドリフトを制御するための放電ランプ発光をフィルター処理するための方法を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
減光フィルターを有するランプ構造
図2は、本発明の実施の形態に係る1以上のスペクトル選択性を有する減光フィルター(8a、8b、8c及び/又は8d)で構成されたメタルハライドランプの一例を表す。この例のランプ構造は、広範囲なランプを表すことを意図しており、本発明が、任意の特定のランプ構成に制限されることを意図するものではない。それどころか、そのフィルタリング技術は、減光の結果として、あるランプ化学(メタルハライドランプ等)に関連する色度ドリフトを最小化するか、又はそうでなければ低減させるのに望ましい多くのランプ構成に使用されることができる。多数の代替構成及び従来のランプ特徴及び材料の種々の組み合わせは、この開示の観点から明らかになるであろう。
【0013】
例示されたランプは、外側密封ガラス製容器又はジャケット11内に配置された放電管又はアーク管1を含む。外側ジャケット11は真空引きされており、外部ベース部材10を有する固定されたガラス製のステム部材14に対してシール(密封)されている。電気導体18及び19のペアは、ステム部材14内にシールされ、ステム部材14を貫通している。放電管1は電極のペア2及び3を有し、これらがそれぞれの端部で放電管1の内部に突出し、運転中に外部電源により放電ランプの通電を与える。
【0014】
放電管1は、一般に、例えば石英から形成されるが、多結晶アルミナ等の他の種類の好適な材料が使用されてもよい。以下に示す実施の形態の例では、放電管1は、減光ピークと関連するスペクトル位置を特に取り除くために、フィルタリング品質(一般に図2の8aとして指定される)で更に構成されることができる。例えば、放電管1は、吸収性のフィルタリング品質に沿った典型的な放電管品質で構成されることができる。知られるように、吸水性フィルターは、様々な無機又は有機化合物(ダイ等)が添加されたガラス等の光学材料で構成され、写真及び映画用途に特別な効果を生み出すために典型的には用いられる。本出願では、放電管1は、同様な方法で実装されるが、特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くために合わせられている。例えば、放電管の材料に、1以上の吸収性のイオン種を加えることも可能であろうし、又は、減光ピークのスペクトル領域を除去する吸水性のコーティングによりその管をコーティングすることも可能であろう。その代わりに、又はそれに加えて、二色性又はいわゆる干渉フィルターが用いられることができ、ここでは薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか、又はそうでなければ放電管1に(例えば真空蒸着を用いて)統合(一体化)される。所望のスペクトルに対してフィルター処理されるスペクトルの位置に応じて、そのような干渉フィルターは、ショートパスフィルター(即ち、フィルターエッジが通過する波長よりも短い場合)として、ロングパスフィルター(即ち、フィルターエッジが通過する波長よりも長い場合)として、バンドパスフィルター(即ち、ローワーフィルターエッジとアッパーフィルターエッジが通過する波長の間である場合)として、又はノッチフィルター(即ち、ローワーフィルターエッジが通過する波長よりも短く、フィルターエッジが通過する波長よりも長い場合)として構成される。この開示の観点から明らかなように、フィルターエッジは、特定された減光ピークに関連するスペクトル位置がブロックされるか、又はそうでなければ減衰されるように選択されることができる。フィルター8aは任意であり、ここに説明される全てのフィルタリングを提供するために個別に使用され得ること、又は他のフィルター(例えば、8b、8c及び/又は8d)と組み合わされるために個別に使用され得ることに注意されたい。
【0015】
各電極2及び3は、例えばモリブデン又はタングステンワイヤコイルにより取り囲まれたコア部を含む。この例のランプ構成における電極2及び3のそれぞれは、金属箔4及び5にそれぞれに接続され、これら金属箔4及び5はピンチシールされ、例えば、モリブデンにより形成されることができる。箔4及び5にそれぞれ電気的に接続された電気導体6及び7は、それぞれのプレスシールを外側に拡がらせている。導体6及び7は、ガラスステム部材14から突出する導体18及び19にそれぞれ接続されている。更に理解されるように、この例のランプ構成における導体6と導体18との接続は、保護透明隔壁13の外側に延伸する垂直に配置されたワイヤにより行われる。任意の1組のゲッター20及び21が、ランプの外側容器内の真空を維持するために、支持構造12上にマウントされる。
【0016】
放電管1は、隔壁13内に位置し、隔壁13及び支持構造12から電気的に絶縁されている。そのような「フローティングフレーム」構造は、アーク管1からのアルカリ金属の損失を制御するために用いられることができ、米国特許第5,057,743号及び第4,963,790号に更に記載されており、このそれぞれはその全体が参照によりここに組み込まれる。支持構造12は、その上端が外側ジャケット11内のくぼみ15により留められる。
【0017】
例示する実施形態においては、例えば、隔壁13は、減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くように、フィルタリング品質(一般に図2の8bで指定される)で更に構成されることができる。例えば、隔壁13は、放電管1に関して前述したような同様な方法において吸収性のフィルタリング品質に準拠した、典型的な隔壁品質で構成されることができ、ここでは、隔壁13が特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くように動作する材料で製造される。或いは、又は追加的には、干渉フィルターが使用されることができ、ここには薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか又はそうでなければ隔壁13に(例えば真空蒸着を用いて)統合される。ショートパス、ロングパス、バンドパス及びノッチフィルターに関する前述の議論は、ここでは同様に適用可能である。
【0018】
隔壁13は、離間して配置されたストラップ16及び17により支持構造12に固定され、ストラップ16及び17はそれぞれ溶接されているか又はそうでなければ支持構造12の垂直に並んだ一部に連結されている。この例のランプ構成の隔壁13は、管状形を有し、一端にドーム形のキャップ(クロージャ)を有しても有さなくてもよい石英スリーブで形成され得る。各ストラップ16及び17は、隔壁13を所定の位置にしっかりつかむように、スプリングのような材料で形成されることができる。その全体が参照によりここに組み込まれる米国特許第4,859,899号に説明するように、隔壁13の直径及び長さは、均一なアーク管1壁面温度をもたらす最適温度再分布を達成するために、アーク管1寸法に関して選択され得る。
【0019】
外側ジャケット11は、減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くように、フィルタリング品質(一般に図2の8cで指定される)で更に構成されることができる。例えば、外側ジャケット11は、放電管1及び隔壁13に関して前述したようなフィルタリング品質に準拠した典型的な外側ジャケット品質で構成されることができ、ここでは外側ジャケット11が、特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くために合わせられる。或いは、又は追加的には、干渉フィルターが使用されることができ、ここでは薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか又はそうでなければ外側ジャケット11に(例えば真空蒸着を用いて)統合される。ショートパス、ロングパス、バンドパス及びノッチフィルターに関する前述の議論はここで同様に適用可能である。
【0020】
ベース10は、例えば、エジソン又はモーグル型ベース、例えばE27又はE39スクリューベースで実装され得る。しかしながら、ランプには、ミディアムベース又はダブルエンド構成、又は電源への電気的接続を可能にする任意の数の好適なベースまたはインターフェースを有することに注意されたい。ランプはまた、メタルハライドガス放電ランプ又は他のそのようなランプに共通に見られる他の構造的特徴を含んでいてもよい。例えば、ランプは、補助スターティングプローブ又は電極(例えば一般にタンタル又はタングステンで形成される)を含んでいてもよく、これが主電極3に隣接するアーク管のベース端に設けられ得る。
【0021】
一つの例では、放電管1は、不活性原料ガス、水銀、アルカリ金属ヨウ化物及びヨウ化スカンジウムの化学充填物を含む。本発明のランプのアーク管内に化学充填物を供給する際、非気体の成分が、原料ガスの導入前にシールされていないアーク管内に有益に供給されることができる。もはや理解されるように、水銀の投入は、アーク管に望ましい放電を持続させるために必要なアンペア数要求を望ましく減少させることによりランプの電気的特性を高めるために、十分な量で存在している。水銀に加えて、アルゴン等のような不活性イオン化原料ガスが放電管内に含まれる。しかしながら、ランプを始動して電極スパッタリング又は蒸着を最小化するのに役立つ適切な圧力が維持されるように設けられたアルゴンに対して、他の貴ガスが代用され得る。ガス充填圧力は、数トルから数大気圧の範囲となり得る。
【0022】
任意のゲッター20及び21とともに用いられることができるランプの1形態についての更に詳細なものが、米国特許第4,709,184号に記載され、その全体が参照によりここに組み込まれる。そこに記載されたランプは、ヨウ化スカンジウムを使用し、ランプ動作中にはアルカリ金属ヨウ化物が化学充填物として放電ガス内に存在する。ある特定のそのような構成においては、ヨウ化スカンジウム及びアルカリ金属ヨウ化物の成分は、白熱灯の出力に比べて、暖色のランプの光の出力を与える比率で存在している。この開示の観点から理解されるように、本発明の実施の形態は、様々な化学充填物を含むランプで利用され得る。
【0023】
放電管1の壁面温度は、複数の要因、例えばアーク管1の光透過特性、直径、長さ及び壁面厚さ等に依存する。真空引きされた外側ジャケット11を設けることは、コールドスポット温度を増加させる傾向にある。ある特定の実施の形態によれば、アーク管1のコールドスポット温度は、約800℃〜約1000℃である。
【0024】
ランプが変色する傾向は、ゲッター20及び21を真空容器11内に含ませることにより低減できる。ゲッター20及び21は、鉄類支持物に固定することができ、示された例のランプ構成においては、溶接又は他の好適な取付技術により支持構造12に固定されることができる。組立後のランプの外側容器11は、ランプのステム14内に位置する管を介して真空にされる。真空引き前に、外側容器11は、酸素などの反応ガスを取り除くために不活性ガスでパージされ得る。パージ及び真空引きは、例えば容器内に存在する水分も排出されるような炉焼き付け温度で行われることができる。好適なゲッター材料に関する追加的な詳細は、米国特許第5,327,042号に提供されており、その全体が参照によりここに組み込まれる。しかしながら、他の実施の形態は、ゲッター20及び21を含まないかもしれないことに注意されたい。
【0025】
また、図2に示すのは、ハウジング(一般に波線で示される)であり、この中には、外側ジャケット11内に含まれるこれまでに説明した光源が封入されることができ、これによりリフレクターランプ構成を提供する。見て分かるように、ハウジングは一般に、光源から光を出力するための反射内壁23及びレンズ22を含む。レンズ22は、単純な平坦な透明カバーから光をフォーカス又は拡散させるための複雑な光学素子にまで及び得る(ランプから放射された光をハウジング内に残す以外に、レンズという用語の使用によって特定の光学特性が意図されるものではない)。レンズ22は、外側ジャケット11内に含まれる光源を封入するために、反射内壁23のエッジに向けて取り付けられ得る。レンズ22は、溶融されるか、接着されるか又は通常行われるように反射内壁23に同様に結合され得る。反射内壁23は、外側ジャケット11内に含まれる光源から放射される光を反射するための内部反射表面を有する。そのようなリフレクターランプ構成の追加的な詳細例は、米国特許第7,030,543号に提供されており、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0026】
この開示の観点から明らかなように、そのようなリフレクターランプ構成は、選択的なスペクトルフィルタリングを含むように変形され得ることに更に注意されたい。示される例示的な実施形態では、例えば、レンズ22は、減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くためにフィルタリング品質(一般に図2の8dで指定される)で更に構成され得る。例えば、レンズ22は、放電管1、隔壁13及び外側ジャケット11に関して前述したような吸着性のフィルタリング品質に準拠した典型的な隔壁品質で構成されることができ、ここではレンズ22が特定された減光ピークに関連するスペクトル位置を取り除くために製造されることができるか、又はそうでなければ合わせることができる。或いは、又は追加的には、干渉フィルターが使用されることができ、ここでは薄膜又はコーティングの1以上の層がその上に蒸着されるか又はそうでなければレンズ22に(例えば真空蒸着を用いて)統合(一体化)される。重ねて、フィルター形態(ロングパスフィルター等)及び実装(コーティング、一体化(統合)等)に関する前述の議論は、ここで同様に適用可能である。
【0027】
この開示の観点から理解されるように、1以上の減光フィルター、例えば、フィルター8a、8b、8c及び8dの任意の1つ又は組み合わせは、ランプの減光誘発の色度ドリフトを取り除くか又はそうでなければ低減するために用いられ得る。フィルタリングは、例えば、統合されたフィルター品質を有するランプ構成物品により、又はランプ構成物品に付加され、ターゲットスペクトル範囲でスペクトルフィルタリングが可能な従来の薄膜又はコーティングにより達成され得る。従来のフィルタリング技術がここで用いられることができ、例えば、干渉ソフトコートフィルター(メレスグリオ 03 LWP 604等)及びカラーガラスフィルター(メレスグリオ 03 FCG 063等)を含むCVIメレスグリオ社により製造されたフィルターを実装するのに用いられる技術が用いられることができる。フィルターの通過帯域は、フィルター処理されるランプ出力のスペクトル位置に依存し、それに従って従来のフィルター製造プロセスを用いて設定され得る。組み合わせのフィルタリングスキームが同様に使用され得る。例えば、長波長域と同時に短波長を除去するために、ロングパスフィルター及びノッチフィルターが使用されることができ、これにより色度ドリフトが全体的に低減される。
【0028】
フィルタリングの利益を得ることができる多数の他のランプ構造が、この開示の観点から明らかになろう。例えば、例示的なセラミックメタルハライドランプが米国特許第7,256,546号に記載され、例示的な石英メタルハライドランプが米国特許第5,694,002号に記載される。これらの特許のそれぞれは、その全体が参照によりここに組み込まれる。
【0029】
ランプ化学例
更に明らかにするために、水銀(Hg)及びマルチバー・キセノン(Xe)をそれぞれ含む種々の実験用39ワットセラミックメタルハライドランプが構築された。表1のランプ組成から分かるように、全部で9個のサンプルランプに関して、3つの例示的なランプのグループがあり、各グループが1.5、2.0及び2.5mgのターゲットHg投入量を有し、それぞれのグループに対して4、6及び8barのターゲットXeコールドフィル圧力を有する。表1から更に理解されるように、各サンプルランプは、3mgのメタルハライド塩混合物を含み、この特定の例はNaI:InI:CaI2:MgI2:TmI3が10.7:12.5:15.7:16.7:44.4wt%の比で構成されていた。アーク管は投入されシールされて覆いを被された(シングルエンド管、G12ベース)。
【0030】
【表1】
【0031】
電力が45Wから20Wに減光される際の色度シフトに関するこれらのランプの測光データが調査された。測光データは、ルーメン・パー・ワット(LPW)、演色評価数(CRI)及び相関色温度(CCT)を含んでいた。減光により、色度シフトは、黒体軌跡に沿って、青色及びより高い色温度に向かって移行する。表1に反映された例では、色度のシフトは、ある程度、スペクトルの残りに関してインジウム原子(In)の451nm線において相対的に増加する。約590nm(Na、黄色)の発光においても相対的な増加があり、これは青色に向かうドリフトを一部打ち消すが完全ではない。様々な動作電力(45Wから20Wまで)でのランプID5(表1の)のスペクトル出力を図3に示す。本発明の実施の形態によれば、約451nmでのインジウム(In)線強度の変化の影響は、スペクトルの一部を除去することにより取り除かれる。
【0032】
例えば、ロングパスフィルターは、スペクトルの短波長部分を除去するために用いられる。そのようなロングパスフィルターにより改良された減光電力でのスペクトルを図4aに示す。図4b、4c及び4dに示すプロットは、フィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)と比較した場合のフィルター処理されたスペクトル(白丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれ示す。図4bから分かるように、フィルタリングが適用されると、対応する色度シフトが減光中に小さくなる。図4cに示すように、効率(LPW)が無視しうる程度にわずかに影響をうけるように、この例におけるフィルタリングが、人間の目の相対的な感度が低いスペクトルの一部に影響を与えることに注意されたい。しかしながら、図4dに示すいくらかの減少は、これは許容可能であるかもしれないし許容可能でないかもしれないが、特定の用途に依存する。
【0033】
代替的な実施の形態においては、約452nmでの狭帯域における放射をブロックするノッチフィルターがCRI(そのようなCRI減少が許容可能でない場合の用途に関して)における減少を抑制するためにも用いられることができる。そのようなノッチフィルターにより改良された減光電力でのスペクトルを図5aに示す。図5b、5c及び5dに示すプロットは、フィルター無しのスペクトル(黒丸で指定されたもの)と比較した場合のフィルター処理されたスペクトル(白丸で指定されたもの)の色度ドリフト、効率(LPW)及びCRIをそれぞれ示す。見て分かるように、色度シフトは低減され(図5b)、効率(LPW)は無視出来る程度に影響する(図5c)が、CRIは、ロングパスフィルター(図4d)によるCRIのインパクトに対してより影響が小さくなっている(図5d)。
【0034】
図4a及び5aに示すフィルター処理されたスペクトルは、シャープなカットオフを有する完全なフィルター、ある波長での100%送信、及び他の波長での0%送信により、理想的なフィルタリングを反映することに注意されたい。理解されるように、実際のフィルターが完全に近づく間、それらは一般に、波長の有限範囲(例えばエッジスティープネス)における低い送信から高い送信においてはよりソフトなカットオフ及び送信を有し、それらの高い送信は例えば95%又はそれ以下になるであろう。いずれの場合でも、ここに記載したように、色度ドリフトを低減させるためにフィルター(完全以下のものでさえも)が用いられ得る。しかしながら、減衰送信(例えば95%以下)により、図4c及び5cに表されるように殆ど影響を受けない代わりに、フィルター付きのランプに対するLPWは、幾分より押し下げられる(例えば5%から20%)であろう。
【0035】
方法
図6は、減光用途において色度ドリフトを制御するための放電ランプ発光をフィルタリングするための方法を表す。放電ランプは、スペクトル内の1以上の狭周波数帯位置での増強されたスペクトル出力により引き起こされた減光誘発の色度ドリフトに引き起こされるメタルハライドランプ又は任意の他のランプであり得る。
【0036】
方法は、放電ランプに対して電圧を印加すること601で始まり、そして最大ワット数と最小ワット数(又は単にランプの全体範囲内での高ワット数及び低ワット数)との間にあるその減光範囲でランプを運転すること603である。この減光運転中、方法は、ランプのスペクトル出力(W/nm等)を監視すること605を更に含む。この監視は、例えば、スペクトル内の光の出力を測定することができる従来の分光器又は他の好適な監視装置を用いて達成され得る。
【0037】
方法は、減光ピークのスペクトル位置を特定すること607を継続する。減光ピークは一般に、より低いワット数での発光に対応し、それがより高いワット数での同じ位置での発光よりも高い(即ち増強されている)ことを思い出されたい。そのような場合、スペクトルの一部におけるランプ発光が、最も高いランプワット数と比較した場合に最も低いランプワット数においてより高くなる。しかしながら、この関係は、存在する減光ピークに対しては必要ではない。他の減光ピーク状況は、特に減光運転により少なくとも部分的に増強発光が起こる場合に、この開示の観点から理解されるであろう。
【0038】
例えば、ある場合では、ここで説明されるようなフィルタリングは、減光の間、特に自己吸収が減少することによって生じる線強度の増加をマスクするのに用いられ得る。しかし、なぜ特定の発光線が増加するか又は減光の間(例えば、多くの場合において、線は一般に減光と共に減少する)に減少さえ生じるかについての他の理由も存在する。この意味で、それは関連するスペクトルの異なる部分の間の相関強度における変化であり、減光ピークは、それが増加した強度又は減少した強度を反映するため、「増強」され得る。ここで説明されるようなそのような増強されたスペクトル変化を除去することは、増強発光が強度において増加しているか減少するピークに起因するか否かに関わらず、観察された色度ドリフトを有効に減少させる。よって、減光ピークのスペクトル位置を特定することは、特に、増強発光が減光運転により少なくとも一部生じる場合に、スペクトルの他の部分に対して減少されるか又は増加された増強発光を特定することを含む。
【0039】
方法は、減光ピークのスペクトル位置をブロックするように構成されたフィルターを設けること609を引き続き行う。前述のように、ランプ発光のこのフィルタリングは、例えば、アーク管、隔壁、外側ジャケット及び/又はランプ構造の他の好適な特徴を作製するのに用いられる特別なコーティング及び/又は材料により達成される。あるいは、ランプは、ランプの外側又はそうでなければランプから独立したフィルター構造によりフィルター処理され得る。例えば、ランプが配置される容器であって、ここでは、その容器の透明な表面がコーティングされるか又はそうでなければ適切なフィルターとともに構成される。ショートパス、ロングパス、バンドパス及び/又はノッチフィルターの組み合わせが、減光誘発の色度シフトを抑制する必要に応じて、スペクトルの独立した部分をフィルター処理するのに用いられ得る。同様に、複数のスペクトル位置が、2つ又はそれ以上のフィルターによりマルチフィルター処理されることができ、それは同一フィルタータイプ(例えば、各ロングパスフィルターエッジが同じ位置にあるか又は他のものに比べて20%以内であるダブルロングパスフィルター又はノッチフィルターと組み合わされたロングパスフィルターであって、ノッチフィルターがロングパスフィルターエッジのスティープネスを改良するのに用いられたもの)であってもそうでなくても良い。
【0040】
この方法は、ステップ601〜607を繰り返すことなく、任意のランプ構成に対して一旦実行され、他の同様な構成のランプは、類似するフィルターが適用されるか又はその中に統合できることに留意されたい。よって、例えば、方法は、任意の用途(又は用途のセット)に対してガス放電ランプを製造するプロセスを検証するために、1度実行されるか又はそうでなければ最小回数で実行され得る。一旦、製造プロセスが検証されると、その用途のために構成された他の類似するランプは(検証無しで)設置されたフィルターを有することができ、それらのランプが減光誘発の色度ドリフトを減少させることができると想定できる。
【0041】
したがって、本発明の実施の形態によれば、ガス放電ランプが提供される。ランプは一般に、アーク管と、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成され、これにより減光誘発のランプの色度ドリフトを減少させるフィルターとを含む。ある特定の場合では、ランプは、ランプの低ワット数及び高ワット数の間で動作し、減光ピークのスペクトル位置は、低ワット数でのランプ発光が高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含む。他の特定の場合では、ランプは、少なくとも1の真空引きされた外側ジャケット及び外側ジャケット内の隔壁を更に含み、ここではフィルターが少なくとも1のアーク管、隔壁及び/又は外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。ある特定のそのような場合において、フィルターは、外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、ランプは、レンズを更に含み、フィルターがレンズに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、フィルターが、少なくとも1のショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及び/又はノッチフィルターを含む。他の特定の場合では、ランプが、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするように特に構成された第2のフィルターを含む。増強発光が他のスペクトル位置に対して減光ピーク強度を増加又は減少させることを表すことを想起されたい。
【0042】
本発明の他の実施の形態によれば、ガス放電ランプが提供され、それは一般に真空引きされた外側ジャケット、外側ジャケット内の隔壁及び隔壁内のアーク管を含む。ランプは、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第1の減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより減光誘発のランプの色度ドリフトを減少されるように特に構成された第1のフィルターを更に含み、ここでランプがランプの低及び高ワット数の間で動作し、第1の減光ピークのスペクトル位置が低ワット数でのランプ発光が高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含む。ランプは、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを更に含む。ある特定の場合では、フィルターは、少なくとも1のアーク管、隔壁及び/又は外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、フィルターは、外側ジャケットに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、ランプは、レンズを更に含み、フィルターがレンズに蒸着されるか及び/又は統合される。他の特定の場合では、フィルターは、少なくとも1のショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及び/又はノッチフィルターを含む。他の特定の場合では、フィルターは、複数のフィルター(重複する阻止帯域を有するか又は有しない)を含む。重ねて、増強発光が、他のスペクトル位置に対して減光ピーク強度を増加させるか又は減少させることを表し得ることを想起されたい。
【0043】
本発明の他の実施の形態によれば、減光用途における色度ドリフトを制御するためにガス放電ランプ発光をフィルタリングする方法が提供される。方法は、その減光範囲でガス放電ランプを運転すること及び減光運転の間にランプのスペクトル出力監視することを含む。方法は、減光ピークのスペクトル位置を特定することを引き続き行い、ここでは減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する。方法は、減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより減光誘発のランプの色度ドリフトを減少させるように特に構成されたフィルターを設けることを更に含む。あるそのような場合では、その減光範囲でランプを運転することは、ランプの最大ワット数と最小ワット数との間でランプを運転することを含む。他のそのような場合では、その減光範囲でランプを運転することは、ランプの低及び高ワット数の間でランプを運転することを含み、減光ピークのスペクトル位置を特定することは、低ワット数でのランプ発光が高ワット数でのランプ発光より高い位置を特定することを含む。他のそのような場合では、フィルターは、ランプの少なくとも1のアーク管、隔壁、外側ジャケット及び/又はレンズに関連する。他のそのような場合では、フィルターは、少なくとも1のショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及び/又はノッチフィルターを含む。他のそのような場合では、方法は、運転すること、監視すること、特定すること及び設けることを実行せずに、似たような構成を有する他のガス放電ランプにフィルターを設けることを更に含む。他のそのような場合では、方法は、減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置を特定することと、第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを設けることを更に含む。重ねて、増強発光が、他のスペクトル位置に対して減光ピーク強度を増加させるか又は減少させることを表し得ることを想起されたい。
【0044】
本発明の原理はここに記載されるが、この記載は単に例示的なものであり、本発明の範囲を制限するものとして取り扱われるものではないことは、当業者であれば理解されるであろう。例示された実施の形態及びここに記載されたものに加えて、本発明の範囲内において他の実施の形態が熟考されるであろう。当業者により、本発明の範囲内において変形例及び代替例が考慮され、これは以下の特許請求の範囲にのってのみ制限されるものではない。
【符号の説明】
【0045】
1…放電管(アーク管)
2、3…電極
4、5…金属箔
6、7…導体
8a、8b、8c、8d…フィルター
10…ベース
11…ジャケット(外側容器又は真空容器)
12…支持構造
13…隔壁
14…ステム部材
16…ストラップ
18、19…導体
20、21…ゲッター
22…レンズ
23…反射内壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減光用途において色度ドリフトを制御するためにガス放電ランプ発光をフィルタリングする方法であって、
ガス放電ランプをその減光範囲で運転することと、
減光運転中に前記ランプのスペクトル出力を監視することと、
増強発光が前記減光運転により少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置を特定することと、
前記減光ピークの前記スペクトル位置をブロックし、これにより前記ランプの減光誘発の色度ドリフトを減少させるために特に構成されたフィルターを設けること
を含む方法。
【請求項2】
前記ランプをその減光範囲で運転することが、前記ランプを前記ランプの最大ワット数と最小ワット数との間で運転することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ランプをその減光範囲で運転することが、
前記ランプを前記ランプの低及び高ワット数の間で運転することと、
前記減光ピークのスペクトル位置を特定することであって、前記低ワット数でのランプ発光が前記高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を特定することを含むこと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルターが、前記ランプのアーク管、隔壁、外側ジャケット及びレンズの少なくとも1つに関連づけられている請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フィルターが、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及びノッチフィルターの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記運転すること、監視すること、特定すること及び設けることを実行せずに、類似する構造を有する他のガス放電ランプに前記フィルターを設けることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置を特定することと、
前記第2の減光ピークの前記スペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを設けること
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アーク管と、
減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより前記ランプの減光誘発の色度ドリフトを減少させるために特に構成されたフィルターと
を備えるガス放電ランプ。
【請求項9】
前記ランプが、前記ランプの低及び高ワット数の間で動作し、前記減光ピークの前記スペクトル位置が、前記低ワット数でのランプ発光が前記高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含む請求項8に記載のランプ。
【請求項10】
少なくとも1の外側ジャケット及び前記外側ジャケット内の隔壁を更に備え、
前記フィルターが少なくとも1の前記アーク管、前記隔壁及び前記外側ジャケットに蒸着されるか又は統合される請求項8に記載のランプ。
【請求項11】
前記フィルターが、前記外側ジャケットに蒸着されるか又は統合される請求項10に記載のランプ。
【請求項12】
前記ランプが、レンズ付きのハウジングを更に含み、前記フィルターが前記レンズに蒸着されるか又は統合される請求項8に記載のランプ。
【請求項13】
前記フィルターが、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及びノッチフィルターの少なくとも1つを含む請求項8に記載のランプ。
【請求項14】
前記減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを更に備える請求項8に記載のランプ。
【請求項15】
ガス放電ランプであって、
外側ジャケットと、
前記外側ジャケット内の隔壁と、
前記隔壁内のアーク管であって、前記アーク管がメタルハライド塩混合物を含み、
減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより前記ランプの減光誘発の色度ドリフトを減少させるために特に構成されたフィルターと
を備え、
前記ランプが前記ランプの低及び高ワット数の間で動作し、前記減光ピークの前記スペクトル位置が、前記低ワット数でのランプ発光が前記高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含むガス放電ランプ。
【請求項16】
前記フィルターが、前記アーク管、前記隔壁及び前記外側ジャケットの少なくとも1つに蒸着されるか又は統合される請求項15に記載のランプ。
【請求項17】
前記フィルターが、前記外側ジャケットに蒸着されるか又は統合される請求項15に記載のランプ。
【請求項18】
前記ランプが、レンズ付きハウジングを更に含み、前記フィルターが前記レンズに蒸着されるか又は統合される請求項15に記載のランプ。
【請求項19】
前記フィルターが、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及びノッチフィルターの少なくとも1つを含む請求項15に記載のランプ。
【請求項20】
前記メタルハライド塩混合物が、Na、Tl、Dy、Ho及びTmの少なくとも1つを含む請求項15に記載のランプ。
【請求項1】
減光用途において色度ドリフトを制御するためにガス放電ランプ発光をフィルタリングする方法であって、
ガス放電ランプをその減光範囲で運転することと、
減光運転中に前記ランプのスペクトル出力を監視することと、
増強発光が前記減光運転により少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置を特定することと、
前記減光ピークの前記スペクトル位置をブロックし、これにより前記ランプの減光誘発の色度ドリフトを減少させるために特に構成されたフィルターを設けること
を含む方法。
【請求項2】
前記ランプをその減光範囲で運転することが、前記ランプを前記ランプの最大ワット数と最小ワット数との間で運転することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ランプをその減光範囲で運転することが、
前記ランプを前記ランプの低及び高ワット数の間で運転することと、
前記減光ピークのスペクトル位置を特定することであって、前記低ワット数でのランプ発光が前記高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を特定することを含むこと
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルターが、前記ランプのアーク管、隔壁、外側ジャケット及びレンズの少なくとも1つに関連づけられている請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フィルターが、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及びノッチフィルターの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記運転すること、監視すること、特定すること及び設けることを実行せずに、類似する構造を有する他のガス放電ランプに前記フィルターを設けることを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置を特定することと、
前記第2の減光ピークの前記スペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを設けること
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アーク管と、
減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより前記ランプの減光誘発の色度ドリフトを減少させるために特に構成されたフィルターと
を備えるガス放電ランプ。
【請求項9】
前記ランプが、前記ランプの低及び高ワット数の間で動作し、前記減光ピークの前記スペクトル位置が、前記低ワット数でのランプ発光が前記高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含む請求項8に記載のランプ。
【請求項10】
少なくとも1の外側ジャケット及び前記外側ジャケット内の隔壁を更に備え、
前記フィルターが少なくとも1の前記アーク管、前記隔壁及び前記外側ジャケットに蒸着されるか又は統合される請求項8に記載のランプ。
【請求項11】
前記フィルターが、前記外側ジャケットに蒸着されるか又は統合される請求項10に記載のランプ。
【請求項12】
前記ランプが、レンズ付きのハウジングを更に含み、前記フィルターが前記レンズに蒸着されるか又は統合される請求項8に記載のランプ。
【請求項13】
前記フィルターが、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及びノッチフィルターの少なくとも1つを含む請求項8に記載のランプ。
【請求項14】
前記減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する第2の減光ピークのスペクトル位置をブロックするために特に構成された第2のフィルターを更に備える請求項8に記載のランプ。
【請求項15】
ガス放電ランプであって、
外側ジャケットと、
前記外側ジャケット内の隔壁と、
前記隔壁内のアーク管であって、前記アーク管がメタルハライド塩混合物を含み、
減光運転により増強発光が少なくとも一部発生する減光ピークのスペクトル位置をブロックし、これにより前記ランプの減光誘発の色度ドリフトを減少させるために特に構成されたフィルターと
を備え、
前記ランプが前記ランプの低及び高ワット数の間で動作し、前記減光ピークの前記スペクトル位置が、前記低ワット数でのランプ発光が前記高ワット数でのランプ発光よりも高い位置を含むガス放電ランプ。
【請求項16】
前記フィルターが、前記アーク管、前記隔壁及び前記外側ジャケットの少なくとも1つに蒸着されるか又は統合される請求項15に記載のランプ。
【請求項17】
前記フィルターが、前記外側ジャケットに蒸着されるか又は統合される請求項15に記載のランプ。
【請求項18】
前記ランプが、レンズ付きハウジングを更に含み、前記フィルターが前記レンズに蒸着されるか又は統合される請求項15に記載のランプ。
【請求項19】
前記フィルターが、ショートパスフィルター、ロングパスフィルター、バンドパスフィルター及びノッチフィルターの少なくとも1つを含む請求項15に記載のランプ。
【請求項20】
前記メタルハライド塩混合物が、Na、Tl、Dy、Ho及びTmの少なくとも1つを含む請求項15に記載のランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【公開番号】特開2011−108654(P2011−108654A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259125(P2010−259125)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]