説明

調味調理一体型ソースの製造方法

【課題】この発明は、醤油、味噌等の主に日本の伝統的な調味料産業の活性化の切り札として新たな食文化の提供を目的としてより簡便で、誰でも一様に美味しい料理が油を引くことなくフライパン一つで出来るように本来分離して調和することのない調味料と調理用油が一体となった新たなソースの開発と提供にある。
【解決手段】醤油,味噌,ウースターソース,ケチャップソース等のベース調味料にオリーブオイルやその他の食用植物性油脂を加味し、又、調味の王様とも言えるニンニク や、コショウ等の香辛料や、レモン汁,食塩等を加味して世界共通の食味に高めるとともに、上記食油分と上記各ベース調味料の安定的な混和を卵黄又は卵白の混入により解決した。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、特に若者のに伝統的な日本食離れとそのことによる日本伝統調味料の衰退を食い止めるため日本が誇る調味料、醤油・味噌の消費増大を主たる目的とした新たな食文化を創造する。また調味料と調理用油を一体化させることにより簡便、合理的に新たな食感の美味しい調味料の提供とそのままフライパン料理に必用な油分の提供という二つの要素を同時に提供することにある。そのため基本的な調味料である醤油,味噌或いは又、ウースターソース,ケチャップソースをベースとする料理に於いて、それらベース調味料にニンニク又はショウガ,香辛料,果汁,塩等を加味した風味豊かな調味料とし、各種サラダのドレッシングやトンカツ等のかけソース,焼肉のたれ,野菜スティックや飲茶等への付けソース,から揚げ用の鳥肉や焼肉用の各種肉類のための漬け肉用ソース等々の各種調味料としての役割と、スパゲッティ,焼きそば,焼きうどん,焼肉,チャーハン,野菜炒め等の所謂フライパン料理と呼ばれる炒め物料理に於いて、本発明各請求項調味料において実験的に混和し最適量化したオリーブオイル又は、その他の食用植物性油脂がフライパンの熱にて溶け出して、炒めもの本来の油分としての用を足すようにした調味料と調理用油が一体化されたソースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本発明が主題とする炒め物料理に於いては、調理には必ず最初に油を引き、その次に料理具材を投入して加熱し、主たる味付けのための醤油,味噌やウースターソース,ケチャップソースをメイン調味料とし加え、また味の幅を広めるためコショウ等の香辛料やニンニクやショウガ,果汁,塩等を混和して料理を完成させていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって此れでは油は必ず買い置きが必要であるし、その他の調味材料にしても、醤油は醤油、ケチャップソースはケチャップソースで買い置きがなければそれらの料理は完成されない。ニンニクもコショウや唐辛子にしても現在は個別に売られているものを買い置きして料理毎にそれら多くの個別のビン容器ややペットボトル容器に入った調味料をを並べて、しかも個々計量しながら味を確認しつつ仕上げなければならなかった。又、この方法では、料理に精通していない子供や学生、サラリーン、単身赴任者等にはなかなか味の決め手の基準値までは把握できず失敗することも多かった。
【0004】
又、確かにオリーブ油やその他の植物性油脂と味噌や醤油を含むドレッシング等も市販されているが、これらはあくまでサラダ等のドレッシングようであり、本発明が当該発明の基本とする醤油や味噌、ウースターソース、ケチャップソース等のベース調味料を使った調理、例えば焼きそばやチャーハン用に開発された訳ではないので、それらを使って焼きそばやチャーハンができる筈はなかった。
【0005】
醤油や、特に味噌は当該発明の主旨を完成させようとすると食油と満遍なく混合せざるを得ない。しかし、水と油の諺が表すとおり、醤油も味噌も完全に食油と分離してしまって特に味噌はそれが顕著であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、これらの煩雑で専門性を必用とする料理を、主たるフライパン料理に共通する基本的な味を実験的に調え、それら香辛料やベース味を構成する醤油、味噌、ウースターソース、ケチャップソース等に混和して、そのベース調味料に適合した食用油の油分量をはじき出して原材料比を決定した。又、上記[0005]の課題に関しては、卵黄や卵白を添加することで、食油分と醤油,味噌,ウースターソース,ケチャップソース等の融合を見た。当初、味噌は全く油と融合する気配はなかったが、卵黄の添加で略100%の融合を達成することができた。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、本発明の実施について実験結果を例にあげて説明する。
第1例
分量比、醤油3〜4に対し、1に当たるオリーブオイル又は食用植物性油脂を加えニンニク2分の1、唐辛子又はコショウ4分の1〜5分の1、レモン汁3分の1〜4分の1に、卵黄1を混合加味した所、食油分と醤油やレモン汁は卵黄の働きで満遍なく融合し、卵黄追加前には油脂分と醤油が分離層をなしていたものが全く消えてしまった。
フライパンに当該ソースを大匙2杯ほど入れてガスコンロにて加熱し、茶碗で軽く2杯分のご飯を入れて先ほどのソースとよく混ぜながら調理したところ、フライパンにご飯が張り付くことはなく、美味しいチャーハンが出来上がった。
第2例
同様に、上記と同じ分量で、卵黄の変わりに卵白を同分量使用したソースをつくり同様の実験をしたところ、卵黄ほどの油分融和は図れなかったものの、うま味という観点からは、卵黄を大きき凌ぐものがあり、新しい風味もともなっていた。また、焼きうどん、スパゲッティ等にも頗る調和して醤油ベースのソースがこれほどの旨味を醸し出すことに驚かされた。
第3例
味噌1に対し、オリーブオイル又はその他の食用植物性油脂を1〜2分の1、ニンニクまたはショウガ3分の1〜5分の1、唐辛子又はコショウ10分の1〜20分の1、レモン汁3分の1〜6分の1、卵黄3分の1〜5分の1を一緒にし、撹拌したところ見事に味噌と食油分、レモン汁等は融和し、味噌色のソースを出現させた。当該ソースを加熱したフライパンに大匙2杯を入れソースが溶け出したところに市販されている茹で上げうどんを入れて炒めたところ、うどんは焦げることなく味噌味もよくうどんに絡んで市場ではほぼ見ることがない頗る美味しい味噌味焼きうどんが完成した。
第4例
ウースターソース1に対し、本発明上記、第3例と同様の分量、調味用原材料にてウースターソースベースの調味調理一体型ソースを造り、フライパンに大匙2杯ほどの当該ソースを入れ、市販の焼きそばを調理したところソバは焦げることなく美味しいソース焼きそばが完成した。
第5例
ケチャップソース1に対し、本発明上記、第3例と同様の分量、調味用原材料にてケチャップソースベースの調味調理一体型ソースを造り、フライパンに大匙2杯の当該ソースを入れて加熱し、ゆでた市販のスパゲッティを一人分投入し炒めたところ焦げ付くことなく美味しいトマト味のスパッゲティが完成した。
第6例
本発明の第3例の味噌ベースのソースにきゅうりスティックを作り付けて食してみたところ、単なる味噌を付けて食した時と比べ格段にまろやかで、新しい味噌ベース調味ソースの世界が開けた感を強くした。
【発明の効果】
【0008】
以上のような実験結果から、当該発明に係わる調味と調理を一つでこなすソースは単に可能であると言うばかりでなく、本発明[発明の実施の形態]上記第2例のように今までほとんどのドレッシングやタレ等の調味料でも採用されたことのなかったレシピである醤油ベースの調味料に卵白のみを混和使用することにより、考えられない程の醤油との相性の良さを発見することができた。このことは当該ソースが利便性や消費拡大策という当初の発明者の思惑を大きく越えた思わぬ料理界における発見をもたらしたともいえる。日本発の新しい食文化の提案に大きな貢献をするものと自負している。総括効果として、当該発明に係わる各種調味調理一体型のソースの提供によれば、老若男女を問わず、忙しい今日の社会に画期的な利便性・簡便性をもたらし、無駄な多くの容器を削減し、そのためのエネルギーやコストを削減して経済・環境にも貢献するとともに、醤油や味噌といった最近消費が停滞気味の日本の伝統調味料産業の活性化につながる。特にフライパンを使う料理の多い欧米人、諸外国人の新たな調味調理文化の提供として、日本の調味料業界の新たな輸出産品として業界の活性化にもつながるものと大いに期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
醤油をベースとした時、オリーブオイル又はその他の食用植物性油脂をベース醤油の3分の1程度、又、卵黄又は卵白,香辛料,果汁,ニンニク又はショウガを適宜調合しその総量を上記食油と同量程度とし、それら全てを混和してなる調味料と調理用油が一体化したソースの製造方法。
【請求項2】
味噌をベースとした時、オリーブオイル又はその他の食用植物性油脂をベース味噌と同量程度、又、卵黄,ニンニク又はショウガ,香辛料,果汁,醤油を適宜あわせてベース味噌と同最程度とし、それら全てを混和してなる調味料と調理用油が一体化したソースの製造方法。
【請求項3】
ウースターソースをベースとした時、オリーブオイル又はその他の食用植物性油脂をベースウースターソースと同量程度、又、卵黄又は卵白,ニンニク又はショウガ,香辛料,果汁,塩,醤油を適宜合わせてベースウースターソースと同量程度とし、それら全てを混和してなる調味料と調理用油が一体化したソースの製造方法。
【請求項4】
ケチャップソースをベースとした時、オリーブオイル又はその他の食用植物性油脂をベースケチャップソースと同量程度、又、卵黄又は卵白,ニンニク又はショウガ,香辛料,果汁,塩,醤油を適宜合わせてベースケチャップソースと同量程度混和してなる調味料と調理用油が一体化したソースの製造方法。