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調整された質量分析用合成デンドリマー較正物質
説明

調整された質量分析用合成デンドリマー較正物質

質量分析のための単分散合成デンドリマー較正物質が提供される。該較正物質は、その合成の相対的な容易さおよび迅速さ、比較的低コスト、長い貯蔵寿命、高純度、および混合物としてのバッチ合成への適合性において区別される。後者の特質は、有用な離散的分子量分布を示す、より高分子量の化合物の並行調製を可能にし、それによって、質量分析の多点較正標準を提供する。前記較正物質を製造し使用する方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本米国特許非仮出願は、2009年2月3日に出願された米国特許仮出願第61/149,506号、2009年4月8日に出願された米国特許仮出願第61/167,708号、および2009年6月10日に出願された米国特許仮出願第61/185,665号の利益を主張し、その各々は、参照によって本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
本開示は、枝の少なくとも1つが第2の分岐構造を有する連続した分枝構造を有する樹枝状分子に関する。本開示はまた、前記樹枝状分子の調製の方法、1000ダルトンより大きい分子量の化合物の分析のための、飛行時間基材支援レーザー脱着イオン化(MALDI−TOF)質量分析(MS)、エレクトロスプレイイオン化(ESI−MS)、大気圧化学イオン化(APCI−MS)、高速原子衝撃(FAB−MS)および他のMS手法の較正物質としてのその使用を含む。
【背景技術】
【0003】
質量分析(MS)は、試料(例えばタンパク質、化合物など)の元素組成を求めるための解析手法である。MSはまた、そのような試料の化学構造を求めるのに使用されてもよい。一般に、MSは、試料をイオン化し帯電分子(およびそのフラグメント)を生成することおよびその質量電荷比の測定を含む。
【0004】
飛行時間質量分析(TOF−MS)は、qがイオン電荷であり、Vが印加電圧である場合、電場によって、イオンはqVの運動エネルギーを持って無電場ドリフト領域へ加速される方法である。mが質量であり、vが速度である場合、各イオンの運動エネルギーは(1/2)mvであるので、より軽いイオンはより重いイオンより高速である。したがって、より軽いイオンは、ドリフト領域の終端にある検出器に、重いイオンより早く到達する。基材支援レーザー脱着イオン化(MALDI)は質量分析において使用されるイオン化手法であり、生体分子(例えば、タンパク質、ペプチドおよび糖)、および大きい有機分子(例えば、ポリマーおよび他の高分子)の分析を容易にする。
【0005】
エレクトロスプレイイオン化(ESI)は、揮発性溶剤(例えば、アセトニトリル、CHOH、CHCl、水など)に溶解した分析種を、帯電した小さい毛細管(通常、金属)を強制的に通す大気圧イオン化手法である。分析種は溶液中にイオンとして存在し、試料が毛細管から強制的に出されるとエアロゾル化する。これによって、同様に帯電した分析種粒子同士間の距離を広げる。中性気体担体(例えば、窒素)が、小滴から溶媒を蒸発させるためにしばしば使用される。溶媒が蒸発すると、帯電した分析種分子は互いに接近する。しかし、同時に、分析種分子の同種の電荷は、互いを遠ざける。試料が溶媒を含まず孤立イオンになるまで、収縮および膨脹のこのプロセスが繰り返される。次いで、孤立イオンは質量アナライザーに進む。
【0006】
大気圧化学イオン化(APCI)も、加熱管(例えば、400℃より高温)を通過する試料溶液を揮発させ、窒素噴霧化支援によりコロナ放電を受ける大気圧イオン化手法である。APCIはESIの変形であり、修正されたESI源で実施することができる。イオンは、放電によって生成し、質量分析装置へ抜き取られる。この手法は、非常に高い液体流量(例えば1mL/分)を適用することができるので、比較的極性で、半揮発性の試料に対して最も良好で、液体クロマトグラフィー・質量分析(LC/MS)インターフェースとして使用してもよい。APCI−MSからのスペクトルは通常、擬分子イオン[M+H]を含む。
【0007】
高速原子衝撃(FAB)は、中性原子(通常、キセノンまたはアルゴン)の高エネルギービームを使用し、これが真空下で固体試料(matrxと混合された分析種)を強打して、脱着およびイオン化を引き起す。一般的な基材としては、グリセロール、チオグリセロール、3−ニトロベンジルアルコール(3−NBA)、18−クラウン−6−エーテル、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、スルフォラン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンが挙げられる。FABは、気相にさせるのが困難である、大きい生体分子に対して使用される。高エネルギービームは、イオン源から電荷交換セルを通してイオンを加速することにより生成する。これらのイオンは中性の原子との衝突によって電子を蓄積し、高エネルギーの原子のビームを形成する。FABスペクトルがしばしば、ごくわずかなフラグメントおよび偽分子イオン(例えば、[M+H]、[M+Na])の信号を含んでいるので、FABは分子量を求めるのに有用である。しかしながら、低m/z領域は、通常基材からの信号で込み合っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチドおよび合成高分子の特性評価および構造決定を包含する分析作業の範囲で質量分析装置を較正するためには、多様な組の分子量の既知の較正物質を必要とする。通常、タンパク質およびペプチドは、単分散性(単一および正確な分子量のみが純粋試料中に存在する)および生物学的起源からの入手しやすさのために使用されてきた。例としては、ブラジキニン、副腎皮質刺激ホルモン、インシュリンB鎖、シトクロムc、アポミオグロビン、アルブミン、アルドラーゼおよびアンジオテンシンIIが挙げられる。しかし、そのような標準の生産(特に精製)は時間がかかり技術的に複雑で、グラム量当たりかなり高い費用がかかることになる。さらに、そのような標準は、酵素の不安定性および酸敏感性により本質的に不十分な貯蔵寿命を有している。
【0009】
合成高分子は、はるかに安価な代替物を提供するが、広範囲の分子量分布として存在する。その理由は、統計的分子量分布を必然的にもたらす、1モノマー単位(生物学的合成と比較して)間の相対的に非媒介的な反応を使用して、これらが調製されるからである。この広範囲の分子量分布は、一般的には質量スペクトルでモノマー質量の倍数として一定間隔で配置されたピークのガウス級数として観察される。しかし、効率的なデンドリマー合成の開発は、従来生合成された物質が持つ正確な分子量と、合成物質の拡張可能な低コストの合体を提案する。
【0010】
「真の」デンドリマー(高度に分枝し、高度の構造規則性がある分子)の調製には対照的な2つの合成経路が知られている。
【0011】
第1の方法(発散法)では、まず核分子に分枝モノマーをカップリングさせ、中間体を得て、次いで、中間体を「活性化」し、表面官能基の数が増した、より大きい新しい分子を生成する。これらの2ステップを繰り返すと、樹枝状分子が外へ向かって層ごとに成長し、指数関数的に大きさが増える。
【0012】
第2の方法(収束法)では、1モノマー単位によってつながれた周辺の基を用い、「楔」または「樹状突起」を生成する。これらの樹状突起のうちの2個は、追加のモノマー分子と結合してより大きい樹状突起を作ってもよく、また、成長は、核と結合するまで内側へ層ごとに継続する。
【0013】
通常、発散手法は技術的に単純である。大過剰の小分子は、成長する分子と反応し、次いで、(例えば、蒸留によって)除去され、比較的コスト効率的で拡張可能な合成を提供する。しかし、発散手法では、カップリング反応の数が、世代ごとに指数関数的に増加する。結果的に、少量の構造的不純物を含むデンドリマーがほとんど避けられず、容易に除去することができない(例えば、nが大きい数である場合、nカップリング反応の生成物はn−1カップリングの生成物とほぼ同一の物理的性質を有する。)。その結果、MS較正などの用途のためには十分に規定された物質ではない。
【0014】
収束手法は、各カップリングが一定の小さい数の反応(通常2つまたは3つの反応)を有するという明瞭な利点を有する。したがって、収束手法を用いると、反応を完了に追い込むことができ、副反応によって生成されたいかなる不純物も容易に検出され(nが小さいので)、除去される。しかしながら、収束手法を用いて生成された物質は十分に規定されるが、その合成は要求が厳しい。このことが、特殊用途以外のすべての経済的な使用の妨げになっている。
【0015】
したがって、本開示の土台となる技術的問題は、改善された貯蔵寿命、低コストの、および広範囲の分子量にわたる単分散較正物質を提供することにより、これらの先行技術の困難を克服することであった。この技術的問題に対する解決策は特許請求の範囲において特徴付けられる実施形態によって提供される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本開示は、質量分析装置の較正に対して有用な、特にMALDI−TOF、ESI、APCIおよびFAB質量分析手法において有用な樹枝状分子(デンドリマー)、および約1,000ダルトンを超える分子量の物質の質量分析に使用される任意の追加の手法に関する。本開示はまた、前記デンドリマーを合成する方法、ならびにこれらを使用する方法に関する。
【0017】
本開示は、一態様において、合成較正物質に関する。本開示の合成較正物質は、ヒドロキシル末端核分子の「樹状突起化」、および任意選択で、後続の「脱保護」ステップによって合成される(「生成される」)樹枝状分子(デンドリマー)である。また任意選択で、樹状突起化および脱保護ステップは複数回実施されてもよく(各脱保護ステップは樹状突起化ステップに続き、また、第1の樹状突起化ステップ後の各樹状突起化ステップは脱保護ステップに続く)、有用な既知の大きさのデンドリマーを与える。各回の樹状突起化/脱保護のデンドリマー生成物は、同一の「世代」の一部である。例えば、核分子を用いて実施する第1の樹状突起化ステップは、第一世代、すなわち「G−1」デンドリマーを与える。同様に、結果として得られたG−1デンドリマーで実施された次の脱保護ステップは第一世代デンドリマーを与える。しかし、G−1脱保護ステップの後の樹状突起化ステップは第二世代、すなわち「G−2」デンドリマーをもたらす。したがって、各回の樹状突起化および脱保護は、同一の「世代」のデンドリマー生成物を与える。好ましい実施形態において、本開示は、相異なる分子量のデンドリマーの混合物、および特に前記デンドリマーの具体的な比例混合物(例えば等モル混合物)に関する。特に、本開示は、並行合成されたデンドリマーの混合物に関し、相異なる数のアルコール官能基を有する等モル量の核分子は、一緒に混合され、少なくとも1回の樹状突起化を受ける。任意選択で、結果として得られる混合物は数回の樹状突起化および脱保護を受け、広範囲の分子量にわたる、有用な既知の大きさのデンドリマー混合物を算出する場合がある。これらの各混合物内では、デンドリマーは同一世代であり、すべてが質量分析に有用である。さらに、樹状突起化および脱保護によって末端基を変性することができるので、本開示のデンドリマーはMSに有用なほとんど全範囲の溶媒、基材および分析種中で高い溶解性を有する。結果的に、本開示のデンドリマーは、内部較正物質(すなわち、試料調製の間に分析種および基材と直接混合することができる。)として有用である。
【0018】
一実施形態において、式(Core)(DM)の少なくとも1つの化合物、またはその互変異性型、またはその塩、またはその溶媒和物を含むデンドリマー組成物が提供される。式中、xが3から6の整数であり、また
A)Coreは、
A.1)xが3である場合、
【化1】


A.2)xが4である場合、
【化2】


A.3)xが5である場合、
【化3】


A.4)xが6である場合
【化4】


A.5)これらの組合せを表し、
B)Dは
【化5】


C)MはRまたはRを表し、式中、
C.1)R
【化6】


C.2)R
【化7】


D)RはDまたはMであり、
E)rはp−1であり、
F)pは2n−lであり、
G)nは1から10の整数であり、かつ、
H)Xは(CQCQおよびCH−O−CH−Phからなる群から選択され、式中、Qは独立してHまたはハロゲンを表し、Phはフェニルを表し、かつaは0から16の整数である。
【0019】
一実施形態において、式(Core)(DM)の少なくとも1つの化合物、またはその互変異性型、またはその塩、またはその溶媒和物を含むデンドリマー組成物が提供される。式中、xが3から6の整数であり、
A)Coreは、
A.1)xが3である場合、
【化8】


A.2)xが4である場合、
【化9】


A.3)xが5である場合、
【化10】


A.4)xが6である場合
【化11】


A.5)これらの組合せを表し、
B)Dは
【化12】


を表し、
C)MはRまたはRを表し、式中、
C.1)R
【化13】


C.2)R
【化14】


D)RはDまたはMであり、
E)rはp−1であり、
F)pは3n−lであり、かつ
G)nは1から10の整数である。
【0020】
一実施形態において、デンドリマー組成物のA.1、A.2、A.3およびA.4は、ほぼ等モル量存在する。別の実施形態において、A.1、A.2、A.3およびA.4は同位体濃縮されている。別の実施形態において、A.1、A.2、A.3、A.4、B.1、B.2およびRは、同位体濃縮されている。別の実施形態において、同位体濃縮は12Cの同位体濃縮である。
【0021】
一実施形態において、a)1,1,1−トリスヒドロキシエチルメタン、ペンタエリトリトール、キシリトール、ジペンタエリトリトールおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの核を準備するステップと、b)少なくとも1つの核が1回の樹状突起化を受けるステップと、c)任意選択で、続いて少なくとも1つの核が1回の脱保護を受けるステップと、d)任意選択で、続いてステップb)およびc)を繰り返すステップと、任意選択で、続いてステップd)を繰り返し、それによって所望のデンドリマー組成物を取得するステップを含む、デンドリマー組成物を製造する方法が提供される。本実施形態の一態様において、少なくとも1つの核は、1,1,1−トリスヒドロキシエチルメタン、ペンタエリトリトール、キシリトールおよびジペンタエリトリトールの組合せである。本実施形態の別の態様において、1,1,1−トリスヒドロキシエチルメタン、ペンタエリトリトール、キシリトールおよびジペンタエリトリトールの組合せは、ほぼ等モルである。本実施形態の一態様において、樹状突起化ステップb)はビス(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシル)酸無水物モノマーを使用するステップを含む。本実施形態の別の態様において、ステップb)は式1(下記)の化合物を使用するステップを含む。
【0022】
一実施形態において、本開示の少なくとも1つのデンドリマーを使用する質量分析装置を較正する方法であって、特定の物理的性質を有する少なくとも1つの本開示のデンドリマー準備することと、前記少なくとも1つのデンドリマーをイオン化し、前記少なくとも1つのデンドリマーの1つまたは複数のイオンを提供することと、前記1つまたは複数のイオンからデータを集めることと、前記データを前記特定の物理的性質と関連付けることと、を含む、質量分析装置を較正する方法が提供される。
【0023】
一実施形態において、特定のデンドリマーの物理的性質を有する、本開示の少なくとも1つのデンドリマーを準備することと、試料を準備することと、試料の少なくとも一部を少なくとも1つのデンドリマーの少なくとも一部と組み合わせることと、試料および少なくとも1つのデンドリマーをタンデムでイオン化し、前記少なくとも1つのデンドリマーの1つまたは複数のイオンおよび前記試料の1つまたは複数のイオンを提供することと、前記少なくとも1つのデンドリマーの1つまたは複数のイオンおよび前記試料の1つまたは複数のイオンからデータを集めることと、前記データを前記少なくとも1つのデンドリマーの前記特定の物理的性質と関連付け、それによって前記試料の物理的性質を判定することと、を含む、試料の物理的性質を判定する方法が提供される。
【0024】
さらなる態様において、本開示は、水酸基末端核分子の樹状突起化、および任意選択により後続の脱保護ステップによって合成較正物質(デンドリマー)を製造する方法に関する。好ましい実施形態において、樹状突起化および脱保護ステップは複数回実施されてもよく、(ただし、各脱保護ステップは樹状突起化ステップに続き、また、第1の樹状突起化ステップ後の各樹状突起化ステップは脱保護ステップに続く。)既知の有用な大きさのデンドリマーを与える。第1の樹状突起化ステップに続く各樹状突起化および各脱保護ステップは、任意選択である。各樹状突起化ステップおよび各脱保護ステップは、本開示の有用な新規デンドリマーを与える。特に、本開示は、並行合成された較正物質(デンドリマー)の混合物を製造する方法に関し、相異なる数のアルコール官能基を有する等モル量の核分子は、一緒に混合され、少なくとも1回の樹状突起化を受ける。任意選択で、結果として得られる混合物は、数回の樹状突起化および脱保護を受け、広範囲の分子量にわたって、既知の有用な大きさのデンドリマー混合物を得ることができる。結果として得られる各混合物において、デンドリマーは同一世代であり、すべてが質量分析に有用である。
【0025】
さらに別の態様において、本開示は、本開示の少なくとも1つのデンドリマーを使用する、質量分析装置を較正する方法であって、1)特定の物理的性質を有する、本開示の少なくとも1つのデンドリマーを準備することと、2)前記少なくとも1つのデンドリマーをイオン化し、前記デンドリマーの1つまたは複数のイオンを提供することと、3)前記1つまたは複数のイオンからデータを集めることと、4)前記特定の物理的性質に前記データを関連付けることと、を含む、方法に関する。好ましい実施形態において、本開示は、試料の特定の物理的性質を判定する方法であって、1)特定のデンドリマーの物理的性質を有する、本開示の少なくとも1つのデンドリマーを準備することと、2)特定の試料の物理的性質を有する試料を準備することと、3)試料の少なくとも一部をデンドリマーの少なくとも一部と組み合わせることと、4)試料および少なくとも1つのデンドリマーをタンデムでイオン化し、前記デンドリマーの1つまたは複数のイオンおよび前記試料の1つまたは複数のイオンを提供することと、5)前記デンドリマーの1つまたは複数のイオンおよび前記試料の1つまたは複数のイオンからデータを集めることと、6)前記少なくとも1つのデンドリマーの特定の物理的性質と前記データを関連付けることと、を含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の性質、目的および利点についてさらに理解するためには、以下の詳細な説明を参照し、以下の図面(図中、同様な参照番号は同様な要素を示す。)に関連付けて読まれるべきである。
【0027】
【図1】本開示の三官能性「C−3」較正物質の合成を示す概略図である。
【図2】本開示の四官能性「C−4」較正物質の合成を示す概略図である。
【図3】本開示の五官能性「C−5」較正物質の合成を示す概略図である。
【図4】本開示の六官能性「C−6」較正物質の合成を示す概略図である。
【図5】本開示の三、四、五および六官能性較正物質の並行合成を示す概略図である。
【図6】本開示のデンドリマー1、11、21および31の等モル混合物のMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図7】本開示のデンドリマー3、13、23および33の等モル混合物のMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図8】本開示のデンドリマー4、14、24および34の等モル混合物のMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図9】本開示のデンドリマー5、15、25および35の等モル混合物のMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図10】本開示のデンドリマー6、16、26および36の等モル混合物のMALDT−TOF分析の結果を示す図である。
【図11】本開示のデンドリマー7、17、27および37の等モル混合物のMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図12】本開示のデンドリマー8、18、28および38の等モル混合物のMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図13A】樹状突起化キャビタンド(Cav−([G1]−Ph)、分子式C19217648を有する)のMALDI−TOF分析の結果のMALDI−TOFスペクトルを示す図である。
【図13B】樹状突起化キャビタンド(Cav−([G1]−Ph)、分子式C19217648を有する)の構造を示す図である。
【図14】分子式C6613434を有するPEG1970 33merのMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図15】分子式C8617444を有するPEG1970 43merのMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図16】分子式C10621454を有するPEG1970 53merのMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図17】式C881181622を有する、専有ペプチドJF−1485のMALDI−TOF分析の結果を示す図である。
【図18】デンドリマー1(C3−([G−1]Ph))、11(C4−([G−1]Ph))、21(C5−([G−1]Ph))、および31(C6−([G−1]Ph))のG1混合物のESI質量スペクトルを示す図である。試料は、アセトニトリル中で溶解し、対イオンを添加しないで直接注入することにより調製した。残留ナトリウムは、単一のナトリウム陽イオンが観察される質量スペクトルを与えた。
【図19】デンドリマー3(C3−([G−2]Ph)、13(C4−([G−2]Ph)、23(C5−([G−2]Ph)、および33(C6−([G−2]Ph)のG1混合物のESI質量スペクトルを示す図である。試料は、アセトニトリル中で溶解し、対イオンを添加しないで直接注入することにより調製した。残留ナトリウムは、デンドリマー3に対して1個のナトリウム陽イオン、ならびにデンドリマー13、23および33に対して2倍に帯電した錯体(2個のナトリウム陽イオン)により、観察される質量スペクトルを与えた。
【発明を実施するための形態】
【0028】
主題の開示がさらに記載される前に、本開示は、特定の実施形態の変形を行うことができるが、それでもなお、添付された特許請求の範囲内にあり、下記の本開示の特定の実施形態に限定されるものではないことが理解されるべきである。また、使用される用語は、特定の実施形態を記載するためであり、限定されるようには意図されないことが理解されるべきである。むしろ、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によって確立される。
【0029】
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別途指示しない限り、複数への言及を包含する。別途規定しない限り、本明細書において使用される技術および科学用語はすべて、本開示が属する分野の当業者が一般に理解されるのと同一の意味を有する。
【0030】
本明細書において使用される場合、用語「[M+Ag]」は、1分子当たり1個の銀陽イオンが対イオンとして試料のイオン化中に結合されることを示す。他の対イオンは、当業者によって容易に認識されるように、例えば「H」、「Na」および「K」を包含することができるが、これらに限定されない。本明細書において使用される場合、用語「m/z」は質量電荷比を示す。本明細書において使用される場合、「MW」は分子量を意味する。
【0031】
最近開発された脂肪族ポリ(エステル)の発散合成は、両方の技術の欠点を最小限に抑えつつ、両方の利点を提供するように見える。枝状の発散合成は、「カップリングステップ」および「脱保護ステップ」という2つの合成ステップをそれぞれ繰り返して、質量を十分に規定されるように(指数関数的であるが)増加させる反復プロセスである。図1において、例えば、「カップリングステップ」(例えば図1のステップ「i」)は、核構造からの特定の数のアルコール官能基(OH基)の、ベンジリデン保護ビスMPA酸無水物(IUPAC名はビス(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシル)酸無水物モノマー(図1の「モノマー」)との反応を含む。そうする際に、正確な数のモノマー単位が核分子に結合され、離散的な分子量の新規の樹枝状分子を与える。「脱保護ステップ」(例えば図1のステップ「ii」)において、パラジウム触媒(Pearlman触媒としても知られる黒鉛に支持されたパラジウム(II)水酸化物)は、新規核を生成する水素化分解反応によって、ベンジリデン保護基を除去するために使用される。そのように行うことにおいて、カップリングおよび脱保護の各反復を行った後のアルコール官能基の数は倍加し、それによりプロセスの繰り返しを可能にし、また構造を(ただし十分に制御された方式で)指数関数的に成長するのを可能にし、単分散生成物を得ることが留意されるべきである。カップリングステップが、酸無水物とのアルコール官能基の、簡潔で高活性のエステル化反応を伴っているので、反応は「定量的」収率(99.9%より大きい)で副生物なしで実施することができる。さらに、いくつかの脱保護ステップ(例えば、パラジウム(「Pd」)で触媒される水素化分解および対応するベンジリデンおよびアセタール保護モノマーの酸触媒加水分解)は、質量分析の較正物質として働くのに十分に純粋な単分散の化合物を準備して、同様に簡潔で定量的様式で行うことができる。同時に、この発散法は、クロマトグラフィー精製なしで技術的に単純な高速の経路を提供し、費用効率が高く拡張可能な生産を可能にする。
【0032】
本開示の合成デンドリマー較正物質には、他の較正物質に勝るいくつかの明瞭な利点がある。ペプチドおよびタンパク質は、従来、調製し精製することができた、十分に高い分子量を有する唯一の単分散高分子であったので、これらは市販標準として較正に使用されてきた。ペプチドおよびタンパク質の較正物質が実現可能な標準を提供している一方で、それらは、短い貯蔵寿命(ペプチダーゼの蔓延のために)および高いコスト(この合成および精製が典型的にはミリグラム規模で行われるので)の不利益を被る。これらの較正物質の代表的な例は表1に示される。
【表1】

【0033】
合成較正物質には、貯蔵寿命の向上を含むいくつかの潜在的な利点がある。しかし、最近まで、競争的価格で製造することができる製品は唯一、多分散ポリマー(すなわち、これらは広範囲の質量特性を示す。)であった。複数種が存在すること(およびMALDI−TOF、ESI、APCIおよびFABを含む、MSでの相異なる対イオンの蔓延)が、ペプチドおよびタンパク質に代わる魅力のある代替になることを妨げてきた。P14Rなどの単分散の合成較正物質は、次に安価なペプチド較正物質(インシュリン)の少なくとも3倍高価であり、また最も安価なペプチド較正物質(インシュリンB鎖)より1,000倍を超えて高価である。
【0034】
対照的に、本開示の合成デンドリマー較正物質を製造することはより安価である。これが、費用効率が高く、にもかかわらず、高度に純粋な樹枝状化合物への迅速な合成法であるため、特にMALDI−TOF、ESI、APCIまたはFAB方法を使用する場合、本開示のデンドリマー較正物質は、質量分析装置の較正に対し競合的解決法を提供する。さらに、これらは混合物として合成し、それにより、調製、精製および包装コストを低減させることができる。目下利用可能なペプチドおよびタンパク質較正物質が広く使用され受け入れられているが、本開示のデンドリマー較正物質の低減されたコスト、ならびにその改善された貯蔵寿命および溶媒相溶性によって、これらの即座の受け入れをもたらすはずである。
【0035】
デンドリマーには、その構造を示すための標準命名法が与えられている。例えば、名称「CX−([G−n]Ph」および「CX−([G−n]OH」において、「CX」という用語は、核上のアルコール官能基の数(「核数」)を指す。ただし、「X」は整数である。したがって、「C3」は核として1,1,1−トリスヒドロキシエチルメタン(トリオール)を指す。「C4」は核としてペンタエリトリトール(テトラオール)を指す。「C5」は核としてキシリトール(ペンタオール)を指す。また、C6は核としてジペンタエリトリトール(ヘキサオール)を指す。「G−n」という用語は世代数を指し、付加された分岐ポイントの層数を示し、また起こったカップリングおよび脱保護反復の数を指す。例えば、「[G−1]」は「世代1」を示し、1回のカップリングが生じたこと(例えば図1のデンドリマー1、「C3([G−l]Ph)」を参照)または1回のカップリング−脱保護が生じたこと(例えば図1のデンドリマー2、「C3([G−1]OH」を参照)を示す。言いかえれば、デンドリマー1およびデンドリマー2は同一の世代である、世代1、すなわち「G−1」である。各出発アルコールは楔形の樹枝状部分を有し、「樹状突起」と呼ばれる。末端基(1樹状突起当たり)は、ベンジリデン保護構造についてPh(ここで「p」は、2n−1の値を有する)、またはヒドロキシル化構造についてOH(ここで「q」は、2の値を有する)のいずれかによって示され、ここで、「p」および「q」は、1樹状突起当たり(楔形の樹枝状部分当たり)の末端基の数を示す。最終的に、核数に対応する1核当たりの樹状突起の数は、「z」によって示される。
【0036】
実施例1
一般合成手順
樹枝状較正物質の調製のための一般手順は、Graysonら(Grayson,S.M.;Frechet,J.M.J. Macromolecules,2001;34:6542−6544)、およびIhreら(Ihre,H.;Padilla de Jesus,O.L.;Frechet,J.M.J J.Am.Chem.Soc.2001;123:5908−5917)によって公開されたものに一般に従い、その各々は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。図1に示されるように、樹枝状合成は重要な2つのステップ、すなわち、i)「保護」モノマーがすべての活性な周辺の官能基に結合される樹枝状成長、すなわち「樹状突起化」ステップ、およびii)表面上の活性な官能基の増加した多重度を暴露するために、各モノマーを変化させる活性化、すなわち「脱保護」ステップの繰り返しを含む。これらの2ステップの連続する繰り返しは、周辺の官能基および分子量の両方において指数関数的な増加をもたらす。
【0037】
実施例2
ベンジリデン保護ビスMPA無水物モノマーの調製
ベンジリデン保護ビスMPA無水物モノマーは、以前にIhre,H.;Padilla de Jesus,O.L.;Frechet,J.M.J J.Am.Chem.Soc.2001,123,5908−5917(これらは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)によって報告された合成に従って調製された。
【0038】
実施例3
CX−([G−n]Phの調製のための一般樹状突起化手順
本実施例の手順は、図1のステップ「i」(例えば、水酸基末端核からのデンドリマー1の合成、デンドリマー2からのデンドリマー3の合成、等々)として概略的に示される。丸底フラスコに、既知の量の水酸基末端核(例えば1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、ペンタエリトリトール、キシリトールまたはジペンタエリトリトール)、またはデンドリマー(例えば、「r」が適宜2(n−1)の値を有する一般式CX−([G−(n−1)]OHを有するもの)のいずれか、ベンジリデン保護ビスMPA無水物モノマー(ビス(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシル)酸無水物モノマーの1.1当量(水酸基末端核またはデンドリマーの1つの−OH当たり)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の0.1モル当量(水酸基末端核、またはデンドリマーの1つの−OH当たり)を添加した。反応混合物を最小量のピリジンに溶解し、その量の2倍(ピリジンに対して)のジクロロメタンに希釈し、次いで、反応混合物は、標準温度および圧力で4時間激しく撹拌した。その反応を、カップリング度を求めるためにMALDI−TOF MSによって定期的にモニターした。エステル化の完結がMALDI−TOF MSによって観察された後、フラスコ内容物を分液漏斗に移し、ジクロロメタンで希釈して、1M水性NaHSO(重硫酸ナトリウム)で3回抽出し、また1M水性NaHCO(重炭酸ナトリウム)で3回抽出した。有機層を真空内で減量させ(reduced)試料を濃縮し、ヘキサン中に沈澱させ、濾過して、ベンジリデン保護デンドリマーCX−([G−n]Phを、白色粉状の沈殿物として得た。次いで、結果として得られた沈殿物は標準プロトコルによって分光分析のために調製されてもよい。
【0039】
実施例4
CX−([G−n]OHの調製のための一般脱保護手順
本実施例の手順は、図1のステップ「ii」(例えば、デンドリマー1からのデンドリマー2の合成、デンドリマー3からのデンドリマー4の合成、等々)として概略的に示される。丸底フラスコに、「r」が2(n−1)の値を有する(CX−([G−n]Phの測った量を加え、十分な量のジクロロメタン:メタノール2:1溶液に溶解した。Pearlman触媒(Pd(OH)/C)を反応混合物に添加し、フラスコ内容物は水素ガスの8気圧(atm)の下に配置した。反応混合物を室温で24時間激しく撹拌した。完全な脱保護をMALDI MSの生データによって確認し、その後にPd(OH)/Cはセライト(登録商標)上で濾過によって除去した。次いで、濾液を真空中で減量させ(reduced)式CX−([G−n]OHを有する透明なガラス質固体が得られた。次いで、結果として得られた濾液は標準プロトコルによって分光分析のために調製してもよい。
【0040】
実施例5
三官能性「C−3」較正物質の合成
本実施例5の三官能性デンドリマー種を図1に示す。
【0041】
図1のデンドリマー1、C3−([G−l]Ph)の合成:市販の1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン(IUPAC名:2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパン−1,3−ジオール)を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C3−([G−l]Ph)が得られた。分子式:C414812、MALDI−TOF MS:理論的に正確なMW:[M+Ag]m/z=839.220。観察されたMW:[M+Ag]m/z=839.20。
【0042】
図1のデンドリマー2、C3−([G−1]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー1を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C3−([G−1]OHが得られた。分子式:C203612。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=491.210。観察されたMW:[M+Na]m/z=491.22。
【0043】
図1のデンドリマー3、C3−([G−2]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー2を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C3−([G−2]Phが得られた。分子式:C9210830。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=1799.598。観察されたMW:[M+Ag]m/z=1799.59。
【0044】
図1のデンドリマー4、C3−([G−2]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー3を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C3−([G−2]OHが得られた。分子式:C508430。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=1187.495。観察されたMW:[M+Na]m/z=1187.46。
【0045】
図1のデンドリマー5、C3−([G−3]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー4は、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C3−([G−3]Phが得られた。分子式:C19422866。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=3720.354。観察されたMW:[M+Ag] m/z=3720.42。
【0046】
図1のデンドリマー6、C3−([G−3]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー5は、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C3−([G−3]OHが得られた。分子式:C11018066。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=2580.063。観察されたMW:[M+Na]m/z2580.10。
【0047】
図1のデンドリマー7、C3−([G−4]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー6を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C3−([G−4]Phが得られた。分子式:C398468138。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=7561.865。観察されたMW:[M+Ag]m/z=7559.9。
【0048】
図1のデンドリマー8、C3−([G−4]OH16の合成:ベンジリデン保護デンドリマー7を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C3−([G−4]OH16が得られた。分子式:C230372138。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=5365.256。観察されたMW:[M+Na]m/z=5366.6。
【0049】
図1のデンドリマー9、C3−([G−5]Ph16の合成:ヒドロキシル化デンドリマー8を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、C3−([G−5]Ph16が得られよう。分子式:C806948282。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=15256.1。観察されたMW:[M+Ag]m/z=測定予定。
【0050】
図1のデンドリマー10、C3−([G−5]OH32の合成:ベンジリデン保護デンドリマー9を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、C3−([G−5]OH32が得られよう。分子式:C470756282。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=10942.0。観察されたMW:[M+Na]m/z=測定予定。
【0051】
実施例6
四官能性「C−4」較正物質の合成
本実施例6の四官能性デンドリマー種を図2に示す。
【0052】
図2のデンドリマー11、C4−([G−l]Ph)の合成:市販のペンタエリトリトール(IUPAC名:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール)を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C4−([G−1]Ph)が得られた。分子式:C536016。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=1059.292。観察されたMW:[M+Ag]m/z=1059.28。
【0053】
図2のデンドリマー12、C4−([G−1]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー11を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C4−([G−1]OHが得られた。分子式:C254416。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=623.252。観察されたMW:[M+Na]m/z=623.05。
【0054】
図2のデンドリマー13、C4−([G−2]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー12を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C4−([G−2]Phが得られた。分子式:C12114040。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=2339.797。観察されたMW:[M+Ag]m/z=2339.85。
【0055】
図2のデンドリマー14、C4−([G−2]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー13を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C4−([G−2]OHが得られた。分子式:C6510840。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=1551.631。観察されたMW:[M+Na]m/z=1551.62。
【0056】
図2のデンドリマー15、C4−([G−3]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー14を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C4−([G−3]Phが得られた。分子式:C25730088。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=4900.805。観察されたMW:[M+Ag]m/z=4900.98。
【0057】
図2のデンドリマー16、C4−([G−3]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー15を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C4−([G−3]OHが得られた。分子式:C14523688。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=3408.389。観察されたMW:[M+Na]m/z=3408.41。
【0058】
図2のデンドリマー17、C4−([G−4]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー16を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、C3−([G−4]Phが得られよう。分子式:C529620184。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=10030.5。観察されたMW:[M+Ag]m/z=10018.1。
【0059】
図2のデンドリマー18、C4−([G−4]OH16の合成:ベンジリデン保護デンドリマー17を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、C4−([G−4]OH16が得られよう。分子式:C305492184。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=7126.1.観察されたMW:[M+Na]m/z=7123.5。
【0060】
図2のデンドリマー19、C4−([G−5]Ph16の合成:ヒドロキシル化デンドリマー18を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、C4−([G−5]Ph16が得られよう。分子式:C10731260376。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=20281.4。観察されたMW:[M+Ag]m/z=測定予定。
【0061】
図2のデンドリマー20、C4−([G−5]OH32の合成:ベンジリデン保護デンドリマー19を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、C4−([G−5]OH32が得られよう。分子式:C6251004376。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=14557.6。観察されたMW:[M+Na]m/z=測定予定。
【0062】
実施例7
五官能性「C−5」較正物質の合成
本実施例7の五官能性デンドリマー種を図3に示す。
【0063】
図3のデンドリマー21C5−([G−l]Ph)、の合成:市販のキシリトール(IUPAC名:ペンタン−1,2,3,4,5−pentol)を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C5−([G−l]Ph)が得られた。分子式:C657220。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=1279.366。観察されたMW:[M+Ag]m/z=1279.39。
【0064】
図3のデンドリマー22、C5−([G−l]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー21を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C5−([G−l]OHが得られた。分子式:C305220。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=755.295。観察されたMW:[M+Na]m/z=755.17。
【0065】
図3のデンドリマー23、C5−([G−2]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー22を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C5−([G−2]Phが得られた。分子式:C15017250。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=2879.997。観察されたMW:[M+Ag]m/z=2880.01。
【0066】
図3のデンドリマー23、C5−([G−2]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー22を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C5−([G−2]Phが得られた。分子式:C15017250。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=2879.997。観察されたMW:[M+Ag]m/z=2880.01。
【0067】
図3のデンドリマー24、C5−([G−2]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー23を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C5−([G−2]OHが得られた。分子式:C8013250。分子式:C8013250。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=1915.768。観察されたMW:[M+Na]m/z=1915.78。
【0068】
図3のデンドリマー25、C5−([G−3]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー24を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C5−([G−3]Phが得られた。分子式:C320372110。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=6081.257。観察されたMW:[M+Ag]m/z=6081.51。
【0069】
図3のデンドリマー26、C5−([G−3]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー25を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C5−([G−3]OHが得られた。分子式:C180292110。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=4236.715。観察されたMW:[M+Na]m/z=4236.80。
【0070】
図3のデンドリマー27、C5−([G−4]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー26は、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、C5−([G−4]Phが得られよう。分子式:C660772230。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=12493.1。観察されたMW:[M+Ag]m/z=12476.0。
【0071】
図3のデンドリマー28、C5−([G−4]OH16の合成:ベンジリデン保護デンドリマー27を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、C5−([G−4]OH16が得られよう。分子式:C380612230。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=8883.9。観察されたMW:[M+Na]m/z=8880.1。
【0072】
図3のデンドリマー29、C5−([G−5]Ph16の合成:ヒドロキシル化デンドリマー28を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、C5−([G−5]Ph16が得られよう。分子式:C13401572470。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=25306.7。観察されたMW:[M+Ag]m/z=測定予定。
【0073】
図3のデンドリマー30、C5−([G−5]OH32の合成:ベンジリデン保護デンドリマー29を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、C5−([G−5]OH32が得られよう。分子式:C7801252470。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=18173.2。観察されたMW:[M+Na]m/z=測定予定。
【0074】
実施例8
六官能性「C−6」較正物質の合成
本実施例8の六官能性デンドリマー種を図4に示す。
【0075】
図4のデンドリマー31、C6−([G−l]Ph)の合成:市販のジペンタエリトリトール(IUPAC名:2−[[3−ヒドロキシ−2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロポキシ]メチル]−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール)を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C6−([G−l]Ph)が得られた。分子式:C829425。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=1585.514。観察されたMW:[M+Ag]m/z=1585.53。
【0076】
図4のデンドリマー32、C6−([G−l]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー31を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C6−([G−1]OHが得られた。分子式:C407025。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=973.410。観察されたMW:[M+Na]m/z=973.34。
【0077】
図4のデンドリマー33、C6−([G−2]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー32を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C6−([G−2]Phが得られた。分子式:C18421461。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=3506.269。観察されたMW:[M+Ag]m/z=3506.25。
【0078】
図4のデンドリマー34、C6−([G−2]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー33を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C6−([G−2]OHが得られた。分子式:C10016661。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=2365.979。観察されたMW:[M+Na]m/z=2365.98。
【0079】
図4のデンドリマー35、C6−([G−3]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー34を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、C6−([G−3]Phが得られた。分子式:C388454133。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=7347.781。観察されたMW:[M+Ag]m/z=7347.0。
【0080】
図4のデンドリマー36、C6−([G−3]OHの合成:ベンジリデン保護デンドリマー35を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、C6−([G−3]OHが得られた。分子式:C220358133。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=5151.115。観察されたMW:[M+Na]m/z=5151.28。
【0081】
図4のデンドリマー37、C6−([G−4]Phの合成:ヒドロキシル化デンドリマー36を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、C6−([G−4]Phが得られよう。分子式:C796934277。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=14969.7。観察されたMW:[M+Ag]m/z=15020.1。
【0082】
図4のデンドリマー38、C6−([G−4]OH16の合成:ベンジリデン保護デンドリマー37を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、C6−([G−4]OH16が得られよう。分子式:C460742277。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=10655.6。観察されたMW:[M+Na]m/z=10722.6。
【0083】
図4のデンドリマー39、C6−([G−5]Ph16の合成:ヒドロキシル化デンドリマー38を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、C6−([G−5]Ph16が得られよう。分子式:C16121894565。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=30346.1。観察されたMW:[M+Ag]m/z=測定予定。
【0084】
図4のデンドリマー40、C6−([G−5]OH32の合成:ベンジリデン保護デンドリマー39を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、C6−([G−5]OH32が得られよう。分子式:C9401510565。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=21802.8。観察されたMW:[M+Na]m/z=測定予定。
【0085】
実施例9
デンドリマー1、11、21および31の並行合成
先行技術においては、広範囲較正物質は、較正物質カクテルを得るために、別々に調製され精製された個々のペプチドの適正量を混合することにより製造される。しかし、本明細書において記載され、図5に概略図で示される合成方法論は、十分に規定された市販の出発物質の混合物から始めて並行してそれらを樹状突起化することによって較正物質の組を調製する独特の方法を提供する。
【0086】
実施例3および4に詳述されるように(また、例えば図1に示されるように)、ステップ「i」および「ii」の連続する繰り返しによって、(近似的に)指数関数的に増加する分子量を有するデンドリマーを調製することができる。例えば、C−3水酸基末端核のみから始めることによって、ステップ「i」および「ii」の連続する繰り返しで、730、1690、3610、7450、15100および30500の近似分子量を有する単分散デンドリマー較正物質(例えば、図1のデンドリマー1、3、5、7および9など)を製造することができる。相異なる数のアルコール官能基(例えばC−4、C−5またはC−6ヒドロキシル末端核)を有する異なる核から始めることによって、広範囲の分布の広範囲の較正物質を効率的に調製することができる。
【0087】
較正物質混合物を製造する特に効率的な方法は、単一バッチで核の混合物(例えばC−3、C−4、C−5および/またはC−6核の等モル混合物)を使用して、樹状突起化プロセスを行うことである。例えば、また図5に示すように、単一樹状突起化ステップの後に、4つの核の混合物は、(図6に実証されるように)839、1059、1279および1585の分子量(銀対イオンを含む)を有する1組の「第一世代」デンドリマー1、11、21および31を与える。ステップ「ii」および「i」の追加の繰り返しの後に、図5にも示されるように、「第2世代」較正物質(3、13、23、33)の組は、(図7に実証されるように)1800、2340、2880および3506の分子量を有する。このように、ステップ「i」および「ii」の連続する繰り返しで、一連の4点組(例えば図6〜図12参照)への迅速なアクセスを可能にする。
【0088】
最も望ましい較正物質は、多数の十分に規定された単分散化合物(例えば図5の反応スキームおよび図6〜図12のスペクトルに示されるような)の混合物であるので、各化学種を別々に調製し各生成物の分離後にそれらを混合するのではなく、1バッチで(核の選択された混合物を樹状突起化することによって)相異なる較正物質を一緒に調製することができるという追加の利点を、本明細書に記載された合成的手法は有する。デンドリマーを調製する以前の試みは十分に規定された単一生成物を求めたので、この並行方法は較正物質の組を調製するコストおよび負担の軽減において先例がなく価値がある。
【0089】
デンドリマー1、11、21および31の等モル混合物、CX−([G−l]Ph)の合成(例えば図5の反応スキーム参照):(トリスヒドロキシメチル)エタン(C3−OH)、ペンタエリトリトール(C4−OH)、キシリトール(C5−OH)およびジペンタエリトリトール(C6−OH)の等モル混合物を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、デンドリマー1、11、21および31の混合物であるCX−([G−1]Ph)が得られた。図6に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=839.220;1,059.293;1,279.367;1,585.514。観察されたMW:[M+Ag]m/z=839.20;1,059.28;1,279.39;1585.53。図6から理解できるように、デンドリマー1、11、21および31の混合物は、800〜1,600の質量範囲を包含する有効な四点較正を提供する。
【0090】
実施例10
デンドリマー2、12、22および32の並行合成
デンドリマー2、12、22および32の等モル混合物、CX−([G−1]OHの合成(例えば図5の反応スキーム、参照):実施例9からのベンジリデン保護デンドリマー1、11、21および31の混合物を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、デンドリマー2、12、22および32の混合物であるCX−([G−1]OHが得られた。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=491.210;623.253;755.295;973.410。観察されたMW:[M+Na]m/z=491.22;623.05;755.17;および973.34(図示せず)。
【0091】
実施例11
デンドリマー3、13、23および33の並行合成
デンドリマー3、13、23および33の等モル混合物、CX−([G−2]Phの合成(例えば図5の反応スキーム参照):実施例10からのヒドロキシル官能化デンドリマー2、12、22および32の混合物を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、デンドリマー3、13、23および33の混合物であるCX−([G−2]Phが得られた。図7に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=1,799.598;2,339.797;2,879.997;3,506.269。観察されたMW:[M+Ag]m/z=1,799.59;2,339.85;2,880.01;3,506.25。図7から理解できるように、デンドリマー3、13、23および33の混合物は、1,800〜3,600質量範囲を包含する有効な四点較正を提供する。
【0092】
実施例12
デンドリマー4、14、24および34の並行合成
デンドリマー4、14、24および34の等モル混合物、CX−([G−2]OHの合成(例えば図5の反応スキーム参照):実施例11からのベンジリデン保護デンドリマー3、13、23および33の混合物を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、デンドリマー4、14、24および34の混合物であるCX−([G−2]OHが得られた。図8に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=1,187.495;1,551.631;1,915.768;2,365.979。観察されたMW:[M+Na]m/z=1,187.46;1,551.62;1,915.78;2,365.98。図7から理解できるように、デンドリマー4、14、24および34の混合物は、1,200〜2,400の質量範囲を包含する有効な四点較正を提供する。
【0093】
実施例13
デンドリマー5、15、25および35の並行合成
デンドリマー5、15、25および35の等モル混合物、CX−([G−3]Phの合成(例えば図5の反応スキーム参照):実施例12からのヒドロキシル官能化デンドリマー4、14、24および34の混合物を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例2からのベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、デンドリマー5、15、25および35の混合物であるCX−([G−3]Phが得られた。図9に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Ag]m/z=3,720.354;4,900.805;6,081.257;7,347.781。観察されたMW:[M+Ag]m/z=3,720.42;4,900.98;6,081.51;および7,348.00。図9から理解できるように、デンドリマー5、15、25および35の混合物は、3,600〜7,200の質量範囲を包含する有効な四点較正を提供する。
【0094】
実施例14
デンドリマー6、16、26および36の並行合成
デンドリマー6、16、26、36の等モル混合物、CX−([G−3]OHの合成(例えば図5の反応スキーム参照):実施例13からのベンジリデン保護デンドリマー5、15、25および35の混合物を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、デンドリマー6、16、26、36の混合物であるCX−([G−3]OHが得られた。図10に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=2,580.063;3,408.389;4,236.715;5,151.115。観察されたMW:[M+Na]m/z=2,580.10;3,408.41;4,236.80;5,151.28。図10から認識することができるように、デンドリマー6、16、26および36の混合物は、2,500〜5,100の質量範囲を包含する有効な四点較正を提供する。
【0095】
実施例15
デンドリマー7、17、27および37の並行合成
デンドリマー7、17、27および37の等モル混合物、CX−([G−4]Phの合成(例えば図5の反応スキーム参照):実施例14からのヒドロキシル官能化デンドリマー6、16、26および36の混合物を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、ベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化し、デンドリマー7、17、27および37の混合物であるCX−([G−4]Phが得られた。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=7,561.9;10,022.8;12,483.8;15,030.8。観察されたMW:[M+Ag]m/z=7,562;10,023;12,484;15,031。図11から認識することができるように、デンドリマー7、17、27および37の混合物は、7,500〜15,000の質量範囲を包含する有効な四点較正を提供する。
【0096】
実施例16
デンドリマー8、18、28および38の並行合成
デンドリマー8、18、28および38の等モル混合物、CX−([G−4]OH16の合成:実施例15からのベンジリデン保護デンドリマー7、17、27および37の混合物を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護し、デンドリマー8、18、28および38の混合物であるCX−([G−4]OH16が得られた。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=5,365.2;7,121.9;8,878.6;10,721.4。観察されたMW:[M+Na]m/z=5,366.619;7,123.504;8,880.111;10,722.572。図12から理解できるように、デンドリマー8、18、28および38の混合物は、5,500〜10,500の質量範囲を包含する有効な四点較正を提供する。
【0097】
実施例17
デンドリマー9、19、29および39の並行合成
デンドリマー9、19、29および39の等モル混合物、CX−([G−5]Ph16の合成:実施例16からのヒドロキシル官能化デンドリマー8、18、28および38の混合物を、実施例3の一般樹状突起化手順に従って、実施例3のベンジリデン保護ビスMPA無水物およびDMAPを使用してエステル化すれば、デンドリマー9、19、29および39の混合物であるCX−([G−5]Ph16が得られよう。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Ag]m/z=15,244.9;20,266.9;25,288.8;30,396.9。観察されたMW:[M+Ag]m/z=測定予定。
【0098】
実施例18
デンドリマー10、20、30および40の並行合成
デンドリマー10、20、30および40の等モル混合物、CX−([G−5]OH32の合成:実施例17からのベンジリデン保護デンドリマー、9、19、29および39の混合物を、実施例4の一般脱保護手順に従って、5%Pd(OH)/Cおよび水素ガスを使用して脱保護すれば、デンドリマー10、20、30および40の混合物であるCX−([G−5]OH32が得られよう。MALDI−TOF MS:理論的な平均MW:[M+Na]m/z=10,935.5;14,548.9;18,162.4;21,861.9。観察されたMW:[M+Na]m/z=測定予定。
【0099】
実施例19
較正物質試験−樹状突起化キャビタンド
高質量分解能の正確なMALDI−TOFデータを得る際に本開示の較正物質の有用性を検証するために、樹状突起化キャビタンド(単分散合成分子)を検討した。結果は図13Aに示す。樹状突起化キャビタンド(図13Bに示すCav−([G1]−Ph))は分子式C19217648を有する。MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=3,272.122。観察されたMW:[M+Na]m/z=3,272.06。質量精度:18.9ppm。
【0100】
実施例20
較正物質試験−ポリ(エチレン)グリコール、PEG1970
高質量分解能の正確なMALDI−TOFデータを得る際の本開示の較正物質の有用性をさらに検証するために、合成高分子PEG1970(3つの相異なるオリゴマー:33mer、43merおよび53merの多分散ポリマー)を検討した。PEG1970の数平均分子量(Mn)は1970であり、その多分散性指数(PDI)は1.05である。分析結果は図14〜図16に示す。
【0101】
PEG1970 33merは分子式C6613434を有する。図14に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=1493.865。観察されたMW:[M+Na]m/z=1493.96。質量精度:63.6ppm。
【0102】
PEG1970 43merは分子式C8617444を有する。図15に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=1934.127。観察されたMW:[M+Na]m/z=1934.20。質量精度:37.7ppm。
【0103】
PEG1970 53merは分子式C10621454を有する。図16に示すように、MALDI−TOF MS:理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=2374.389。観察されたMW:[M+Na]m/z=2374.44。質量精度:21.5ppm。
【0104】
実施例21
較正物質試験−専有ペプチドJF−1485
高質量分解能の正確なMALDI−TOFデータを得る際の本開示の較正物質の有用性をさらに検証するために、式C881181622(および専有構造を有する)を有するペプチドJF−1485を検討した。図17に示すように、MALDT−TOF MS:H付加物の理論的な正確なMW:[M+H]m/z=1911.728。観察されたMW:[M+H]m/z=1911.68。Na付加物の理論的な正確なMW:[M+Na]m/z=1933.7102。観察されたMW:[M+Na]m/z=1933.69。K付加物の理論的な正確なMW:[M+K]m/z=1949.6842。観察されたMW:[M+K]m/z=1949.60。質量精度:25.1ppm。
【0105】
代替ヒドロキシル末端核
当業者によって理解されるように、上記のもの以外に様々な官能基のデンドリマーを、(任意選択で)実施例4の一般脱保護手順が後続する、実施例3の一般樹状突起化手順によって合成してもよい。これは、例えば、限定されるように意図するものではないが、実施例3の一般樹状突起化手順のために、単に上記の開示したものと異なる水酸基末端核(例えば1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、ペンタエリトリトール、キシリトールまたはジペンタエリトリトール以外の核)を選択することによって達成することができる可能性がある。例示の代替水酸基末端核は、限定されるように意図するものではないが、トリペンタエリトリトール(8個のヒドロキシル末端)およびテトラペンタエリトリトール(10個のヒドロキシル末端)を含む。当業者はまた、前述の説明から、実施例3の一般樹状突起化手順によって生み出されたデンドリマーはまた、代替水酸基末端核として機能することができることも理解するであろう。例えば、C3−([G−2]OHで示されるデンドリマー(図1のデンドリマー4)は12の−OH末端を有し、その各々が、1回の樹状突起化(実施例3の一般樹状突起化手順によって)を受けてもよい。次いで、結果として得られるデンドリマーは、実施例4の一般脱保護手順を受けて別のデンドリマーをさらに与え、また、そのステップを繰り返し一層大きいデンドリマーを生み出してもよい。したがって、約1から数百ものヒドロキシル(−OH)末端を含有するアルコールは、実施例3の一般樹状突起化手順において用いることができ、(好ましくは多価アルコール、ならびにポリ(ビニルアルコール)などの直鎖状ポリオールおよびポリ(グリセロール)などの超分枝ポリオールを含む)、かつそれに続く(任意選択で)、実施例4の一般脱保護手順によって質量分析、特にMALDI−TOF、ESI、APCIおよびFAB手法に有用な較正物質を製造することができる。さらに、そのようなアルコール(および好ましくは多価アルコール)の組合せは、並行合成に(例えば実施例9〜18に記載されるように)使用して広範囲のm/z比にわたって有用な一揃いの較正物質を生み出すことができる。
【0106】
さらに、実施例3に記載した「カップリング」または「樹状突起化」ステップ中にアルコールを対応するエステルに変換するために使用されるカップリングアシル化化学は、アミンをアミドに変換する同一の試薬を使用するアシル化反応に、同様に適用可能である。その結果、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)およびポリ(プロピレンアミン)(PPI)デンドリマーなどの樹枝状ポリアミンの市販の種類を含む、ポリアミン核分子も、(核分子として)使用することができる。
【0107】
トリスモノマー
下記式1に示す保護トリスモノマーを製造するために、上記のベンジリデン保護ビスMPAモノマーは、ペンダントメチル基の代わりにヒドロキシメチル基に置換することにより修正することができる。
【化15】


ベンジリデン保護ビス−MPA無水物モノマー((ビス(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシル)酸無水物モノマー)のペンダントメチル基の代わりにヒドロキシメチル基に置換することによって、各デンドリマー層は図1〜図5に示す2つの枝状部ではなく、3つの枝状部を含むことができる可能性がある。言いかえれば、実施例3の一般樹状突起化手順およびこれに続く実施例4の一般脱保護手順における式1のモノマーを使用することによって、各分岐点は図1〜図5中に示される2つの枝状部の代わりに、3つの枝状部を与えるであろう。例えば、それぞれ実施例3および実施例4による1回の樹状突起化および脱保護に対して、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタンから始めて式1のトリスモノマーを使用することによって、式2による(かつデンドリマー2と同様の)C3較正物質C3−([G−1]OHが製造されるであろう。
【化16】


式2の−OH基は、続く樹状突起化および脱保護ステップを行うためにメチリデンオルトエステルを使用して保護される場合がある。
【0108】
デンドリマーの調整
記載されたデンドリマーがビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸モノマーからほぼ独占的に生じるので、全般的な構造の組成物は、モノマー構造のわずかな変更によって容易に調整することができる。そのような調整は、ペンダントメチル基の修正および/または12C同位体濃縮モノマーを使用するデンドリマーの合成を包含することができる場合がある。
【0109】
すべての原子の正確な原子質量は整数に近いが、整数そのものではない。より大きい分子量(MW)化合物は多数の原子で構成されるので、これらは、著しい質量欠損、すなわち名目の質量(各原子質量に対する最も豊富な同位元素の最も近い整数近似値)からのずれを有する。簡単に言えば、質量欠損は、整数近似の「名目質量」と実際に観察されるモノ同位体の質量との間の違いである。質量欠損は化合物の種類を同定するために使用することができ、天然の生体分子を人工的に修正されたものから区別するために使用することができる。デンドリマー骨格の元素組成調整によって、質量欠損を調整して、天然化合物とそれらが重複しないように(かつ容易に識別することができるように)することができる。そのような調整はまた、分析種と較正物質との間の相違の単純化により自動化データ解析を容易にすることができる。開示されたデンドリマーが多層の同一モノマーによって主に作られるので、そのモノマーの元素組成を調整すれば、開示されたデンドリマーのすべての質量欠損を調整することが可能になる。例えば、平均的なペプチドは、分子量の1000Da当たり+0.506ダルトン(Da)の「アベルジン(avergine)」質量欠損を示す。「アベルジン」は、その元素組成(非整数分子式:C4.93847.75831.35771.47730.0417を有する)に関して理論的な「平均的」アミノ酸であり、ある範囲の分子量にわたってペプチドおよびタンパク質の予想される元素組成および質量欠損を算定するために使用することができる。ヒドロキシル官能化樹状突起(例えばデンドリマー2、4、6および8などを参照)は、分子量の1000Da当たり+0.42±0.02Daの質量欠損を示すが、一方、ベンジリデン官能化樹状突起(例えばデンドリマー1、3、5、7および9などを参照)は、分子量の1000Da当たり0.39±0.02Daの質量欠損を示す。この質量欠損をさらに識別するために、ヒドロキシル官能化樹状突起のペンダントメチルは、合成手順についての著しい影響なしで、様々なより長いアルキル鎖、またはハロゲン化アルキル鎖で修正または官能化することができる。これは、下記の式3に示されるベンジリデン保護ビスMPA無水物モノマー(ビス(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシル)酸無水物モノマー)を5−メチル位で修正することにより遂行される場合がある。
【化17】

【0110】
式3において、Xは、アルキル(例えば、CH、CHCH、CHCHCHまたはnが0から16の整数である(CHCH);Phがフェニルを表すCH−O−CH−Ph;「Q」がハロゲン、好ましくはフッ素(F)または塩素(Cl)(例えばCF、CClなど)を表すCQ;または「Q」がハロゲン、好ましくはフッ素(F)または塩素(Cl)を表しnが1から16から整数である(CQCQであってもよい。例えば、MWのかなり著しいずれが、メチル基をトリフルオロメチル基に置き換え、その結果、質量欠損のずれがMWの1000Da当たり+0.11±0.02Daになることにより示される可能性がある。分子量欠損はまた、所望の質量欠損を有する置換基を用いて周囲を単純な官能基化をすることによって修正することができる。「X」での修正にもかかわらず、式3のベンジリデン保護モノマーを使用するデンドリマー合成は、実施例3の一般樹状突起化手順および実施例4の一般脱保護手順の連続する反復によって進む場合がある。炭素含有分子の分子量が増加するにつれて、分子中の13C(天然存在度=1.109%)の自然蔓延は、それらの質量スペクトルにおいて分子同位体の分布の広がりをもたらす。約8,000Daを超えると、モノ同位体種(12Cのみを有する)に対応する信号は、ポリ同位体種に対して非常に小さく、ポリ同位体種からのピーク中でモノ同位体種のピークを識別するのが困難であるので、正確な質量決定は困難となる。したがって、ポリ同位体種の存在は分子量計算の分解能を大幅に低下させる。例えば、式C12によって表すことができる式4:
【化18】


を挙げる。Cの1%より多くが13Cなので、いかなる炭素含有化合物のMSも、これらの13C同位元素に対応するより高分子量の信号を示す。化合物中の炭素数が増加するにつれて、化合物中に13Cが存在する可能性は増加する。このことは、136.07356の正確な質量を有する、式4のモノマーの同位体分布において見られ、136.07356(m/z;100.0%の相対的信号強度)のモノ同位体の信号、および137.07691(m/z;5.4%の相対的信号強度)のより高分子量種を示す。炭素含量が増加するにつれて(例えば、限定されるように意図するものではないが、1分子当たり500炭素原子)、相異なるポリ同位体種からの分子量の統計的分布は非常に広がるので、単一モノ同位体のピークは分離するのが困難になることがある。天然存在度は、12Cが98.89%であり、13Cが1.109%であり、Hが99.99%であり、Hが0.01%であり、16Oが99.76%であり、18Oが0.20%であり、また17Oが0.04%である。13C同位元素はほとんどの有機化合物中で最も一般的なより大きい同位元素である。したがって、高分子量で同位体の分布を狭くする最も簡単な方法は、13Cを枯渇させておいた物質、例えば、全炭素が12Cである原料物質から出発することである。記載のデンドリマーがビス(ヒドロキシメチル)プロパン酸モノマーからほぼ独占的に生じるので、その合成が12C同位体濃縮モノマーを用いて行われる場合、質量スペクトルのピークの広がりは実質的に低下し、10,000Daを超える高精度の較正を容易に達成することができる。18Oによる同位体の広がりは目立たないが(18Oは全O種のわずか0.201%しか占めないので)、16O同位体濃縮もまた、精度をさらに一層改善するために行うことができる。ここに企図されるこれらの同位体濃縮は、反応体およびデンドリマー生成物の分子量をわずかに変えること以外、合成パラメーターにいかなる影響をも有するとは予想されない。
【0111】
実施例3に記載されたCX−([G−n]Phの調製のための一般樹状突起化手順において示されるように、モノマーのアルコール官能基は、正確な単分散構造を与える反復デンドリマー成長を制御するために「保護」されなければならない。2つのアルコールはベンジリデン(実施例3に記載され、下式5に示される)を用いて同時に保護することができ、当業者はまた、アセトニド(式6)、または他のアセタールもしくはケタール保護基を用いてこれらが保護される場合があることを認識するであろう。(例えば、式7および式8参照。式中、RはHまたはCHであり、RはPh、CH、COCHまたはCNOであり、RはCHPh、Si(CH、CNO、CHOCH、CO(テトラヒドロピラニルエーテル)またはSiPht−Buであり、Phはフェニルである。)
【化19】


【化20】


【化21】


【化22】

【0112】
保護基のさらなる例は、P.G.M.WutsおよびT.W.Greeneによる「Protective Groups in Organic Synthesis」(4th edition,2007,John Wiley and Sons Inc.Hoboken,NJ)に見出される場合があり、これは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、ベンジルエーテル、置換ベンジルエーテルおよびシリルエーテルを含むいくつかの不安定なエーテル結合を、代わりにまたは追加で、構造上純粋なデンドリマーの合成を可能にするために使用することができる。樹状突起化手順に対するそのような修正は本開示の範囲内である。
【0113】
本明細書に引用された参考文献はすべて、あたかも、各参考文献が参照によって組み込まれるように具体的に別々に示されたかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。いずれの参考文献の引用も出願日に先行する開示のためのものであり、本開示には、先行発明を理由にそのような参考文献に先行する資格がないことを承認するものとして解釈されるべきでない。上記元素の各々、または2つ以上が一緒に、また、上記種類と異なる他の種類の方法に有用な用途を見出す場合があることが理解されるであろう。さらなる分析を加えなくとも、上記で、非常に全面的に本開示の要点を明らかにしているので、他の者は、目下の知識を適用することによって、先行技術の見地から、添付の特許請求の範囲において述べられる本開示の総括的または特定の態様の本質的な特性を適正に構成する特色を省略することなく、各種用途に対して容易にそれを適応させることができる。前述の実施形態は例としてのみ提供され、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Core)(DM)の少なくとも1つの化合物、またはその互変異性型、またはその塩、またはその溶媒和物を含む、デンドリマー組成物であって、式中xは3から6の整数であり、
A)Coreは:
A.1)xが3である場合、
【化23】


A.2)xが4である場合、
【化24】


A.3)xが5である場合、
【化25】


A.4)xが6である場合、
【化26】


A.5)これらの組合せを表し;
B)Dは
【化27】


C)MがRまたはRを表し、式中、
C.1)R
【化28】


C.2)R
【化29】


D)RはDまたはMであり;
E)rはp−1であり;
F)pは2n−lであり;
G)nは1から10の整数であり;かつ、
H)Xは(CQCQおよびCH−O−CH−Phからなる群から選択され、式中、Qは独立してHまたはハロゲンを表し、Phはフェニルを表し、またaは0から16の整数である、
デンドリマー組成物。
【請求項2】
式(Core)(DM)の少なくとも1つの化合物、またはその互変異性型、またはその塩、またはその溶媒和物を含むデンドリマー組成物であって、式中xが3から6の整数であり、
A)Coreは:
A.1)xが3である場合、
【化30】


A.2)xが4である場合、
【化31】


A.3)xが5である場合、
【化32】


A.4)xが6である場合、
【化33】


A.5)これらの組合せを表し;
B)Dは
【化34】


C)MはRまたはRを表し、式中、
C.1)R
【化35】


C.2)R
【化36】


D)RはDまたはMであり;
E)rはp−1であり;
F)pは3n−lであり;かつ
G)nは1から10の整数である
デンドリマー組成物。
【請求項3】
A.1、A.2、A.3およびA.4がほぼ等モル量存在する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
A.1、A.2、A.3、A.4、B、Cまたはこれらの任意の組合せが同位体濃縮されている、上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
BおよびCが同位体濃縮されている、上記請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記同位体濃縮が、12C同位体濃縮、16O同位体濃縮、または12Cおよび16C同位体濃縮である、請求項5または6に記載の組成物。
【請求項7】
デンドリマー組成物を製造する方法であって、
A)1,1,1−トリスヒドロキシエチルメタン、ペンタエリトリトール、キシリトール、ジペンタエリトリトールおよびこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの核を準備するステップと、
B)前記少なくとも1つの核が1回の樹状突起化を受けるステップと、
C)任意選択で、続いて少なくとも1つの核が1回の脱保護を受けるステップと、
D)任意選択で、続いてステップB)およびC)を繰り返すステップと、
E)任意選択で、所望に応じて続いてステップD)を繰り返し、それによって前記デンドリマー組成物を取得するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの核が、1,1,1−トリスヒドロキシエチルメタン、ペンタエリトリトール、キシリトールおよびジペンタエリトリトールの組合せである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップB)がビス(5−メチル−2−フェニル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシル)酸無水物モノマーを使用することを含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
ステップB)が式1の化合物を使用することを含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
A)請求項1〜6のいずれか一項に記載の、特定の物理的性質を有する少なくとも1つのデンドリマーを準備することと、
B)前記少なくとも1つのデンドリマーをイオン化し、前記少なくとも1つのデンドリマーの1つまたは複数のイオンを提供することと、
C)前記1つまたは複数のイオンからデータを集めることと、
D)前記特定の物理的性質と前記データを関連付けることと、
を含む、質量分析装置を較正する方法。
【請求項12】
A)請求項1〜6のいずれか一項に記載の、特定の物理的性質を有する少なくとも1つのデンドリマーを準備することと、
B)試料を準備することと、
C)前記試料の少なくとも一部を前記少なくとも1つのデンドリマーの少なくとも一部と組み合わせることと、
D)前記試料および前記少なくとも1つのデンドリマーをタンデムでイオン化し、前記少なくとも1つのデンドリマーの1つまたは複数のイオンおよび前記試料の1つまたは複数のイオンを提供することと、
E)前記少なくとも1つのデンドリマーの前記1つまたは複数のイオンおよび前記試料の1つまたは複数のイオンからデータを集めることと、
F)前記データを前記少なくとも1つのデンドリマーの前記特定の物理的性質と関連付け、それによって前記試料の物理的性質を判定することと、
を含む、前記試料の物理的性質を判定する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2012−517000(P2012−517000A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548422(P2011−548422)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/023087
【国際公開番号】WO2010/091109
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(507186366)
【Fターム(参考)】