説明

調湿装置及びその吸収液濃度調整方法

【課題】外気温の変動に伴う運転モードの変更が成される場合でも高い効率で運転することができる調湿装置とその溶液濃度調整方法を提供する。
【解決手段】本発明の調湿装置は、第1処理部及び第2処理部と、第1液送ポンプ及び第2液送ポンプと、を有する湿式デシカント装置と、少なくとも圧縮機と第1熱交換器と第2熱交換器と膨張弁とを配管を介して接続してなる作動媒体循環回路を有するヒートポンプ装置と、冬季加湿運転モードと夏季除湿運転モードとを切替自在に有し、夏季除湿運転モードから冬季加湿運転モードへの切替時に、ヒートポンプ装置による吸収液の温度制御により吸収液を濃縮する吸収液濃縮動作を実行する一方、冬季加湿運転モードから夏季除湿運転モードへの切替時には、ヒートポンプ装置による吸収液の温度制御により吸収液を希釈する吸収液希釈動作を実行する運転モード制御部と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調湿装置及びその吸収液濃度調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気中の水分を除去する調湿装置として、塩化リチウム水溶液を吸収液に用いるKathabar式デシカント装置であって、吸収液の加熱冷却をヒートポンプにより行うものが知られている(例えば特許文献1参照)。また、湿式デシカント装置と空気熱源圧縮式ヒートポンプとを組み合わせたハイブリッドシステムにおいて、低外気温運転時の着霜による性能低下を防止する技術が知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−045803号公報
【特許文献2】特開2010−054136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2記載の装置は、夏季除湿運転と冬季加湿運転とを切替ながら行う形態には最適化されておらず、少なくとも一方の運転においてヒートポンプのCOPが低下してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、外気温の変動に伴う運転モードの変更が成される場合でも高い効率で運転することができる調湿装置とその溶液濃度調整方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の調湿装置は、吸収液と空気とを接触させる第1処理部及び第2処理部と、前記第1処理部から前記吸収液を搬出する第1液送ポンプと、前記第2処理部から前記吸収液を搬出する第2液送ポンプと、を有する湿式デシカント装置と、少なくとも圧縮機と第1熱交換器と第2熱交換器と膨張弁とを配管を介して接続してなる作動媒体循環回路を有し、前記第1熱交換器が前記第1処理部への前記吸収液の供給経路に接続され、前記第2熱交換器が前記第2処理部への前記吸収液の供給経路に接続されたヒートポンプ装置と、冬季加湿運転モードと夏季除湿運転モードとを切替自在に有し、前記夏季除湿運転モードから前記冬季加湿運転モードへの切替時に、前記ヒートポンプ装置による前記吸収液の温度制御により前記吸収液を濃縮する吸収液濃縮動作を実行する一方、前記冬季加湿運転モードから前記夏季除湿運転モードへの切替時には、前記ヒートポンプ装置による前記吸収液の温度制御により前記吸収液を希釈する吸収液希釈動作を実行する運転モード制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、運転モードを切り替える際に、吸収液濃縮動作又は吸収液希釈動作を実行する運転モード制御部を備えたことで、夏季除湿運転モードと冬季加湿運転モードのそれぞれにおいて最適な吸収液濃度で運転することができる。これにより、夏季除湿運転モードにおける吸収液の再生速度と、冬季加湿運転モードにおける吸収液の除湿速度を高めることができる。したがって、年間を通じて効率良く運転することができる。
【0008】
前記吸収液濃縮動作は、前記第2液送ポンプにより前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により加熱して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、加熱された前記吸収液から空気中に水分を放出させることで前記吸収液を濃縮する動作であり、前記吸収液希釈動作は、前記第2液送ポンプにより前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により冷却して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、冷却された前記吸収液に空気中の水分を吸収させることで前記吸収液を希釈する動作である構成としてもよい。
この構成によれば、湿式デシカント装置とヒートポンプ装置とを用いて、効率良く吸収液濃縮動作及び吸収液希釈動作を実行することができる。すなわち、空気との水分交換によって吸収液の濃度を調整するので、吸収液濃度を変更するための溶液や水の供給及び排出を行う装置が不要となる。
【0009】
前記吸収液濃縮動作及び前記吸収液希釈動作の少なくとも一方において、前記第1液送ポンプにより前記第1処理部から前記吸収液を搬出し、前記第1熱交換器を経由して前記第1処理部へ帰還させる構成としてもよい。
この構成によれば、第2処理部から第1処理部への吸収液の搬送が終了した後も、吸収液濃縮動作又は吸収液希釈動作を続行することができ、吸収液を確実に所望の濃度に調整することができる。
【0010】
本発明の調湿装置の吸収液濃度調整方法は、吸収液と空気とを接触させる第1処理部及び第2処理部と、前記第1処理部から前記吸収液を搬出する第1液送ポンプと、前記第2処理部から前記吸収液を搬出する第2液送ポンプと、を有する湿式デシカント装置と、少なくとも圧縮機と第1熱交換器と第2熱交換器と膨張弁とを配管を介して接続してなる作動媒体循環回路を有し、前記第1熱交換器が前記第1処理部への前記吸収液の供給経路に接続され、前記第2熱交換器が前記第2処理部への前記吸収液の供給経路に接続されたヒートポンプ装置と、を備えた調湿装置の吸収液濃度調整方法であって、夏季除湿運転モードから冬季加湿運転モードに移行する際に、前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により加熱して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、加熱された前記吸収液から空気中に水分を放出させることで前記吸収液を濃縮する一方、冬季加湿運転モードから夏季除湿運転モードに移行する際には、前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により冷却して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、冷却された前記吸収液に空気中の水分を吸収させることで前記吸収液を希釈することを特徴とする。
【0011】
この方法によれば、運転モードを切り替える際に、吸収液濃縮動作又は吸収液希釈動作を実行することで、夏季除湿運転モードと冬季加湿運転モードのそれぞれにおいて最適な吸収液濃度で運転することができる。これにより、夏季除湿運転モードにおける吸収液の再生速度と、冬季加湿運転モードにおける吸収液の除湿速度を高めることができる。したがって、年間を通じて効率良く運転することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の調湿装置によれば、高外気温時と低外気温時の双方において高い効率で調湿運転が可能である。
本発明の調湿装置の吸収液濃度調整方法によれば、高外気温時と低外気温時の双方において吸収液濃度を最適化することができ、湿式デシカント装置を高い効率で運転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態の調湿装置における夏季除湿運転モードを示す概略構成図。
【図2】実施形態の調湿装置における冬季加湿運転モードを示す概略構成図。
【図3】吸収液濃縮動作を示す説明図。
【図4】吸収液希釈動作を示す説明図。
【図5】夏季除湿運転における空気と吸収液の状態変化を示すグラフ。
【図6】吸収液濃度に対する吸収液冷却負荷(Qc)/加熱負荷(Qh)の変化曲線。
【図7】冬季加湿運転における空気と吸収液の絶対湿度差を示すグラフ。
【図8】吸収液濃度に対する飽和水蒸気分圧相当絶対湿度を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の調湿装置における夏季除湿運転モードを示す概略構成図である。図2は、本実施形態の調湿装置における冬季加湿運転モードを示す概略構成図である。
【0015】
図1及び図2に示す調湿装置100は、ヒートポンプ装置110と、湿式デシカント装置120と、制御装置150と、を備えている。
【0016】
ヒートポンプ装置110は、第1熱交換器10と、圧縮機6と、第2熱交換器7と、第1膨張弁91と、余剰熱処理用熱交換器81と、第2膨張弁92とを、この順に配管で循環接続し、内部に作動媒体(冷媒)を封入した構成を備えている。
湿式デシカント装置120は、室外機(第1処理部)1と、室内機(第2処理部)2と、予備温調用熱交換器3と、第1液送ポンプ4と、第2液送ポンプ5と、を備えている。
制御装置150は、運転モード制御部20と、デシカント装置制御部21と、ヒートポンプ制御部22とを備えている。
【0017】
本実施形態の湿式デシカント装置120は、室外機1及び室内機2に循環させる吸収液105として、塩化リチウム水溶液を用いる。吸収液105としては、0℃〜−40℃程度の温度域でも凍らず、大気開放系で使用可能な吸収液であれば特に限定されない。
【0018】
室外機1は、筐体1aと、筐体1a内に設けられたフィン等からなる構造体1bとを備えている。筐体1aの側壁下部には、外気140を筐体内部に導入する図示略の開口部が設けられており、筐体1aの上部には、吸収液105との水分交換後の排気131を排出する図示略の開口部が設けられている。
【0019】
室外機1では、筐体1a内に導入した外気140を、構造体1b上に掛け流された吸収液105を接触させた後、排気131として外部に排出する。構造体1bに掛け流された吸収液105は筐体1aの底部に貯留される。
【0020】
筐体1aの吸収液105を貯留する領域には、吸収液105の液量を監視するための液面センサ16(第1の液量検知装置)が設けられている。また、吸収液105を貯留する領域には、吸収液105を筐体1aの外側へ搬出する第1液送ポンプ4が接続されている。
【0021】
室内機2は、筐体2aと、筐体2a内に設けられたフィン等からなる構造体2bとを備えている。筐体2aは、筐体1aと同様に、下部近傍及び上部にそれぞれ空気の導入口及び排出口となる図示略の開口部を有している。
【0022】
室内機2では、筐体2a内に導入した外気140を構造体2b上に掛け流した吸収液105に接触させた後、調湿空気141として空調対象の室内へ排出する。構造体2bに掛け流された吸収液105は筐体2aの底部に貯留される。
【0023】
筐体2aの吸収液105を貯留する領域には、吸収液105の液量を監視するための液面センサ17(第2の液量検知装置)が設けられている。また、吸収液105を貯留する領域には、第2液送ポンプ5が接続されている。
【0024】
予備温調用熱交換器3は、第1液送ポンプ4の排出側と第2液送ポンプ5の排出側とに接続されており、第1液送ポンプ4から圧送された第1の濃度の吸収液105と、第2液送ポンプ5から圧送された第2の濃度の吸収液105とを熱交換させる。
【0025】
第1液送ポンプ4から延びる配管は、予備温調用熱交換器3を経由して第2熱交換器7に接続されており、さらに第2熱交換器7から延長された位置で室内機2に接続されている。また、第2液送ポンプ5から延びる配管は、予備温調用熱交換器3を経由して第1熱交換器10に接続されており、さらに第1熱交換器10から延長された位置で室外機1に接続されている。
【0026】
また本実施形態の場合、第1液送ポンプ4と予備温調用熱交換器3との間に三方弁9が介挿されている。三方弁9の入力端子に第1液送ポンプ4が接続される一方、2つの出力端子には、予備温調用熱交換器3の入口側配管30(経路A)と、予備温調用熱交換器3と第1熱交換器10とを接続する配管31(経路B;図3参照)とが接続されている。経路Aが選択された場合、第1液送ポンプ4から送出される吸収液105は室内機2へ搬送され、経路Bが選択された場合には、第1液送ポンプ4から送出される吸収液105は室外機1へ帰還される。
【0027】
ヒートポンプ装置110は、第1熱交換器10と第2熱交換器7とにおいて湿式デシカント装置120に接続されており、第1熱交換器10及び第2熱交換器7により、吸収液105の予備加熱又は予備冷却を実施する。またヒートポンプ装置110には、圧縮機6の入口における作動媒体の圧力を計測する圧力センサ50と、圧縮機6の出口における作動媒体の圧力を計測する圧力センサ51とが設けられている。
【0028】
ヒートポンプ装置110は、圧縮機6と第1熱交換器10、第2熱交換器7との間に、四方切替弁101を備えており、四方切替弁101により作動媒体の循環方向を切り替えることができる。具体的に、図1に示す夏季除湿運転モードでは、第1熱交換器10を凝縮器、第2熱交換器7を蒸発器として動作させる。一方、図2に示す冬季加湿運転モードでは、第1熱交換器10を蒸発器、第2熱交換器7を凝縮器として動作させる。
【0029】
第1膨張弁91と第2膨張弁92は、全開機能を有する膨張弁であり、余剰熱処理用熱交換器81を挟んで配置されている。余剰熱処理用熱交換器81にはファン41が併設されている。ファン41は、余剰熱処理用熱交換器81に対して余剰熱処理用空気160(室内排気130又は外気140)を送風する。
【0030】
余剰熱処理用熱交換器81は、ヒートポンプ装置110の余剰熱を除去し、あるいは不足する熱を供給する手段として機能する。ヒートポンプ装置110の余剰熱が凝縮熱である場合には、第1膨張弁91を全開にすることで余剰熱処理用熱交換器81を凝縮器として機能させ、第2膨張弁92により制御する。逆に、熱が不足する場合には、第2膨張弁92を全開にすることで余剰熱処理用熱交換器81を蒸発器として機能させ、第1膨張弁91によって制御する。
【0031】
制御装置150は、調湿装置100を総合的に制御する。制御装置150は、湿式デシカント装置120の第1液送ポンプ4、第2液送ポンプ5、液面センサ16,17に接続されるとともに、ヒートポンプ装置110の圧縮機6、余剰熱処理用熱交換器81、ファン41、第1膨張弁91、第2膨張弁92、及び四方切替弁101に接続されている。
【0032】
運転モード制御部20は、調湿装置100において夏季除湿運転モードと冬季加湿運転モードとの切替動作、及び上記切替動作に伴う各部の動作制御を実行する機能部である。
デシカント装置制御部21は、運転モード制御部20による制御のもと、湿式デシカント装置120を駆動制御する。ヒートポンプ制御部22は、運転モード制御部20による制御のもと、ヒートポンプ装置110を駆動制御する。
【0033】
制御装置150は、各運転モード(夏季除湿運転モード、冬季除湿運転モード)における調湿動作を実行する一方、運転モードの切替が生じたときには、運転モード制御部20に対して、吸収液濃度調整動作の実行を命令する制御信号を出力する。上記制御信号を受信した運転モード制御部20は、デシカント装置制御部21及びヒートポンプ制御部22を介して湿式デシカント装置120及びヒートポンプ装置110を動作させることにより、吸収液濃度調整動作を実行する。
【0034】
(調湿装置の動作説明)
以下、図1から図4を参照しつつ、調湿装置100における通常運転時の動作(図1,2)と、運転モード切替時の吸収液濃度調整動作(図3,4)について説明する。図3は吸収液濃縮動作の説明図であり、図4は吸収液希釈動作の説明図である。
【0035】
本実施形態の調湿装置100は、図1に示す夏季除湿運転モードと、図2に示す冬季加湿運転モードとを切替自在に備えており、運転モードの切替時に、図3に示す吸収液濃縮動作又は図4に示す吸収液希釈動作が実行される。
【0036】
[夏季除湿運転モード]
まず、図1を参照して夏季除湿運転モードについて説明する。
夏季除湿運転モードは、外気140を室内機2に導入して吸収液105と接触させることにより、外気140から湿分Mを吸収液105に移動させ、除湿された調湿空気141を室内へ供給する運転モードである。夏季除湿運転モードでは、室内機2が除湿器、室外機1が再生器として動作する。
【0037】
湿式デシカント装置120は、デシカント装置制御部21の制御のもと、三方弁9は経路Aが選択された状態となり、第1液送ポンプ4及び第2液送ポンプ5により、吸収液105が室外機1と室内機2との間で循環される。
ヒートポンプ装置110は、ヒートポンプ制御部22の制御のもと、四方切替弁101が図1に示すように設定され、圧縮機6で圧縮された作動媒体は第1熱交換器10側へ流通する。これにより、第1熱交換器10が凝縮器、第2熱交換器7が蒸発器として動作する。
【0038】
なお、余剰熱処理用熱交換器81は必要に応じて動作させればよい。ヒートポンプ装置110における熱量の過不足が無ければ、ファン41を停止した状態で、第1膨張弁91又は第2膨張弁92のいずれか一方により作動媒体の絞り制御を実行し、他方は全開にすればよい。一方、凝縮熱が余剰である場合には、第2膨張弁92を全開にして余剰熱処理用熱交換器81を凝縮器の一部として動作させ、ファン41からの送風により余剰熱処理用熱交換器81を冷却しつつ、第1膨張弁91により絞り制御を行えばよい。また熱量が不足する場合には、第1膨張弁91を全開とするとともに第2膨張弁92により絞り制御を行えば、余剰熱処理用熱交換器81を蒸発器として機能させることができ、ファン41により送風される余剰熱処理用空気160から不足の熱を賄うことができる。ファン41は、余剰熱処理用熱交換器81の処理熱量に応じて回転数を上下させることが好ましい。
【0039】
夏季除湿運転モードにおいて、室内機2の構造体2b上に掛け流されて除湿に使用された後の吸収液105は、湿分を吸収して希薄な溶液となって筐体2aの底部に貯留されるとともに、第2液送ポンプ5により予備温調用熱交換器3へ送出される。吸収液105は、予備温調用熱交換器3において予備加熱され、さらに第1熱交換器10により所定温度に加熱された後、室外機1に回収される。
【0040】
室外機1に回収された吸収液105は、構造体1bに掛け流されて外気140と接触する間に、外気140へ湿分を放出し、濃縮される。濃縮された吸収液105は、筐体1aの底部に貯留されるとともに、第1液送ポンプ4から送出される。送出された吸収液105は、予備温調用熱交換器3において予備冷却され、さらに第2熱交換器7により所定温度に冷却された後、室内機2へ供給される。
【0041】
[冬季加湿運転モード]
次に、図2を参照して冬季加湿運転モードについて説明する。
冬季加湿運転モードは、外気140を室内機2に導入して吸収液105と接触させ、吸収液105から外気140に湿分Mを移動させることにより加湿を行い、加湿された調湿空気141を室内へ供給する運転モードである。冬季加湿運転モードでは、室内機2が再生器、室外機1が除湿器として動作する。
【0042】
ヒートポンプ装置110は、ヒートポンプ制御部22の制御のもと、四方切替弁101が図2に示すように設定され、圧縮機6で圧縮された作動媒体は第2熱交換器7側へ流通する。これにより、第2熱交換器7が凝縮器、第1熱交換器10が蒸発器として動作する。
湿式デシカント装置120は、デシカント装置制御部21の制御のもと、三方弁9は経路Aが選択された状態となり、第1液送ポンプ4及び第2液送ポンプ5により、吸収液105が室外機1と室内機2との間で循環される。
【0043】
冬季加湿運転モードにおいても、余剰熱処理用熱交換器81は必要に応じて動作させればよい。ヒートポンプ装置110における熱量の過不足が無ければ、ファン41を停止した状態で、第1膨張弁91又は第2膨張弁92のいずれか一方により作動媒体の絞り制御を実行し、他方は全開にすればよい。一方、凝縮熱が余剰である場合には、第1膨張弁91を全開にして余剰熱処理用熱交換器81を凝縮器の一部として動作させ、ファン41からの送風により余剰熱処理用熱交換器81を冷却しつつ、第2膨張弁92により絞り制御を行えばよい。また熱量が不足する場合には、第2膨張弁92を全開とするとともに第1膨張弁91により絞り制御を行えば、余剰熱処理用熱交換器81を蒸発器として機能させることができ、ファン41により送風される余剰熱処理用空気160から不足の熱を賄うことができる。ファン41は、余剰熱処理用熱交換器81の処理熱量に応じて回転数を上下させることが好ましい。
【0044】
冬季加湿運転モードにおいて、室内機2の構造体2b上に掛け流されて加湿に使用された後の吸収液105は、湿分を放出して濃縮された溶液となって筐体2aの底部に貯留されるとともに、第2液送ポンプ5により予備温調用熱交換器3へ送出される。送出された吸収液105は、予備温調用熱交換器3において予備冷却され、さらに第1熱交換器10により所定温度に冷却された後、室外機1に回収される。
【0045】
室外機1に回収された吸収液105は、構造体1bに掛け流されて外気140と接触する間に、外気140から湿分を吸収し、希釈される。希釈された吸収液105は、筐体1aの底部に貯留されるとともに、第1液送ポンプ4から送出される。送出された吸収液105は、予備温調用熱交換器3において予備加熱され、さらに第2熱交換器7により所定温度に加熱された後、室内機2へ供給される。
【0046】
(運転モードの切替)
本実施形態の調湿装置100では、運転モードの切替時に、吸収液105の濃度を運転モードに最適な状態とするための吸収液濃度調整動作が実行される。具体的には、夏季除湿運転モードから冬季加湿運転モードへの切替時に、図3に示す吸収液濃縮動作が実行され、冬季加湿運転モードから夏季除湿運転モードへの切替時には、図4に示す吸収液希釈動作が実行される。
【0047】
ここで、図5から図8を参照して、夏季除湿運転モードと冬季加湿運転モードにおける吸収液105の最適濃度について説明する。
図5は、夏季除湿運転における空気と吸収液の状態変化を示すグラフである。図5の横軸は温度、縦軸は絶対湿度である。図6は、吸収液濃度に対する吸収液冷却負荷(Qc)/加熱負荷(Qh)の変化曲線である。
【0048】
図5のグラフにおいて、塩化リチウム水溶液の各濃度における水蒸気分圧の絶対湿度への換算は、下記式(1)を用いることで得られる。式(1)において、X[kg/kgDA]は絶対湿度、Pvap[Pa]は水蒸気分圧である。
【0049】
【数1】

【0050】
また、除湿器に供給される除湿用の吸収液105の冷却負荷、再生器に供給される再生用の吸収液105の加熱負荷は、それぞれ、下記の式(2)、式(3)で求めることができる。式(2)、式(3)において、Qcは除湿用の吸収液105(除湿溶液)の冷却負荷、Qhは再生用の吸収液105(再生溶液)の加熱負荷、ma,cは除湿器に流入する空気流量(除湿空気流量)、ma,hは再生器に流入する空気流量(再生空気流量)、ΔMvapは水分移動量、γは水の蒸発熱、Cp,aは空気定圧比熱、ΔTcは空気(外気)と除湿用の吸収液105(除湿溶液)との温度差、ΔThは空気(外気)と再生用の吸収液105(再生溶液)との温度差である。
【0051】
【数2】

【0052】
式(2)及び式(3)において、除湿空気流量(ma,c)と再生空気流量(ma,h)が同じであると仮定すると、除湿溶液の冷却負荷Qcは、空気と除湿溶液の温度差ΔTcの関数であり、再生溶液の加熱負荷Qhは、空気と再生溶液の温度差ΔThの関数である。
【0053】
図5に示すように、温度33℃、相対湿度70%(絶対湿度22.9g/kgDA)の外気に対して、吸収液105の濃度が15%から45%に変化すると、再生溶液(再生用の吸収液105)の加熱温度は37℃から74℃に上昇し、除湿溶液(除湿用の吸収液105)の冷却温度は11℃から41℃に上昇する。したがって、吸収液105の濃度が上昇すると、ΔTcは減少し、ΔThは上昇する。
【0054】
そして、冷却負荷ΔQcは温度差ΔTcの関数であり、加熱負荷ΔQhは温度差ΔThの関数であるから、吸収液105の濃度変化に対する冷却負荷(Qc)、加熱負荷(Qh)の変化は、図6に示すグラフのようになる。すなわち、吸収液105の濃度が高くなると、冷却負荷Qcは低下し、加熱負荷Qhは増加する。
【0055】
本実施形態の調湿装置100では、除湿溶液の冷却にヒートポンプ装置110の蒸発器を用い、再生溶液の加熱にはヒートポンプ装置110の凝縮器を用いるので、図6に示すQc、Qhの大きい方を満たすようにヒートポンプ装置110を運転する必要がある。ここで、凝縮器における加熱負荷Qhは、蒸発器における冷却負荷Qcと圧縮機6の消費電力Wcompとの和であることから、圧縮機6の消費電力Wcompが最小となる吸収液105の濃度は、図6に示す31%となる。したがって、夏季除湿運転モードにおける吸収液105(除湿溶液)の最適濃度は31%である。
【0056】
次に、図7は、冬季加湿運転における空気と吸収液の絶対湿度差を示すグラフである。
図7に示すように、冬季加湿運転モードにおいて、例えば外気温が2℃、除湿溶液の冷却温度が5℃である場合には、除湿溶液(吸収液105)の濃度が30%以下であると、除湿溶液の絶対湿度が外気の絶対湿度よりも高くなるため、空気を除湿することができない。冬季加湿運転モードでは外気の絶対湿度も非常に低くなるため、除湿のしやすさの点では、除湿溶液の濃度は濃ければ濃いほどよい。しかしその一方で、除湿溶液の濃度が37%を超えると、0℃付近で除湿溶液中に結晶を生じるおそれがある。以上から、冬季加湿運転モードにおける吸収液105(除湿溶液)の最適濃度は37%である。
【0057】
図8は、吸収液濃度に対する飽和水蒸気分圧相当絶対湿度を示すグラフである。図8に示すように夏季と冬季で吸収液105の濃度を変えることで、冬季加湿運転モードにおける安定運転を確保しつつ、夏季除湿運転モードにおける効率を高めることができる。
なお、上記した吸収液105の最適濃度は、吸収液105が塩化リチウム水溶液である場合を例示したものである。吸収液を105の種類が異なる場合にも、上記と同様にして最適濃度を求めればよい。
【0058】
以下、図3及び図4に戻り、運転モード切替時の具体的動作について詳細に説明する。
【0059】
[吸収液濃縮動作]
図3に示す吸収液濃縮動作は、図1に示す夏季除湿運転モードから図2に示す冬季加湿運転モードへ移行する際に、運転モード制御部20により実行される動作である。かかる動作により、夏季除湿運転モードに最適な濃度とされている吸収液105が冬季加湿運転モードに最適な濃度とされる。
【0060】
まず、吸収液濃縮動作を開始する前の調湿装置100は、夏季除湿運転モードに最適な状態とされているため、吸収液105(塩化リチウム水溶液)の濃度は約31%である。吸収液濃縮動作では、ヒートポンプ装置110と湿式デシカント装置120を動作させることにより、吸収液105の濃度を、冬季加湿運転モードに最適な約37%にまで濃縮する。
【0061】
運転モード制御部20からデシカント装置制御部21に制御信号が入力されると、デシカント装置制御部21は、湿式デシカント装置120の三方弁9を経路Bを選択した状態とするとともに、室内機2への外気導入を停止し、室外機1のみに外気140が導入される状態とする。そして、第1液送ポンプ4及び第2液送ポンプ5を動作させて、吸収液105を搬送する。
【0062】
また、運転モード制御部20からの制御信号を入力されたヒートポンプ制御部22は、ヒートポンプ装置110の四方切替弁101を圧縮機6から第1熱交換器10に向かって作動媒体が流通する方向に選択し、第1熱交換器10を凝縮器、第2熱交換器7を蒸発器として動作させる。余剰熱処理用熱交換器81は、第2膨張弁92を絞り制御し、蒸発器として動作させ、ファン41も動作させて余剰熱処理用熱交換器81に対する送風を行う。
【0063】
上記のように動作させると、室内機2の筐体2a内の吸収液105が、第2液送ポンプ5により送出され、予備温調用熱交換器3及び第1熱交換器10を経由して室外機1へ供給される。一方、室外機1の筐体1a内の吸収液105は、第1液送ポンプ4から送出されるが、三方弁9が経路Bに設定されているため、室内機2へは搬送されず、第1熱交換器10を経由して室外機1へ帰還される。すなわち、吸収液105は、室内機2から室外機1へ一方通行で搬送されるとともに、第1熱交換器10と室外機1との間で循環される。なお、第2熱交換器7には吸収液105が流れないため、熱交換は行われない
【0064】
上記の動作により、吸収液105は、凝縮器である第1熱交換器10により加熱された後、筐体1a内の構造体1b上に掛け流され、外気140に湿分Mを放出することで濃縮される。吸収液濃縮動作は、吸収液105が所定の濃度(約37%)になるまで実行される。運転モード制御部20は、液面センサ16、17により吸収液105の液量(体積)を検出することで溶液濃度を検出し、吸収液濃縮動作の終了時点を判断する。
【0065】
なお、室内機2から室外機1への吸収液105の移動は、液面センサ17により筐体2a内の液面を監視し、筐体2a内の吸収液105が所定量となった時点で停止する(第2液送ポンプ5を停止する)。第2液送ポンプ5のエア咬み込みを防止するためである。吸収液105を可能な限り室外機1側へ移動させるために、液面センサ17は、筐体2aと第2液送ポンプ5とを接続する配管の開口部ぎりぎりの位置まで液面を検出可能に設置されていることが好ましい。
【0066】
上記のように室内機2から室外機1への吸収液105の搬送は、吸収液濃縮動作が完了する前に停止する場合があるが、このように停止された後も、第1液送ポンプ4による吸収液105の循環動作を続行することで、吸収液105を所望の濃度まで確実に濃縮することが可能である。吸収液濃縮動作が完了する前に必ず第2液送ポンプ5が停止する場合には、吸収液105の濃度判定を、液面センサ16の検出結果のみに基づいて行うことができる。
【0067】
以上に説明した吸収液濃縮動作を、夏季除湿運転モードから冬季加湿運転モードへ移行する際に実行することで、低外気温においても安定して外気から湿分を取り込むことができる吸収液105とすることができ、冬季加湿運転モードを安定稼働することができる。
【0068】
[吸収液希釈動作]
次に、図4を参照して、調湿装置100における吸収液希釈動作について説明する。
吸収液希釈動作は、図2に示す冬季加湿運転モードから図1に示す夏季除湿運転モードへ移行する際に、運転モード制御部20により実行される動作である。かかる動作により、冬季加湿運転モードに最適な濃度とされている吸収液105が夏季除湿運転モードに最適な濃度とされる。
【0069】
まず、吸収液希釈動作を開始する前の調湿装置100は、冬季加湿運転モードに最適な状態とされているため、吸収液105(塩化リチウム水溶液)の濃度は約37%である。吸収液希釈動作では、ヒートポンプ装置110と湿式デシカント装置120を動作させることにより、吸収液105の濃度を、夏季除湿運転モードに最適な約31%にまで希釈する。
【0070】
運転モード制御部20からデシカント装置制御部21に制御信号が入力されると、デシカント装置制御部21は、湿式デシカント装置120の三方弁9を経路Bを選択した状態とするとともに、室内機2への外気導入を停止し、室外機1のみに外気140が導入される状態とする。そして、第1液送ポンプ4及び第2液送ポンプ5を動作させて、吸収液105を搬送する。
【0071】
また、運転モード制御部20からの制御信号を入力されたヒートポンプ制御部22は、ヒートポンプ装置110の四方切替弁101を圧縮機6から第2熱交換器7に向かって作動媒体が流通する方向に選択し、第1熱交換器10を蒸発器、第2熱交換器7を凝縮器として動作させる。余剰熱処理用熱交換器81は、第2膨張弁92を絞り制御し、凝縮器として動作させ、ファン41も動作させて余剰熱処理用熱交換器81に対する送風を行う。
【0072】
上記のように動作させると、室内機2の筐体2a内の吸収液105が、第2液送ポンプ5により送出され、予備温調用熱交換器3及び第1熱交換器10を経由して室外機1へ供給される。一方、室外機1の筐体1a内の吸収液105は、第1液送ポンプ4から送出されるが、三方弁9が経路Bに設定されているため、室内機2へは搬送されず、第1熱交換器10を経由して室外機1へ帰還される。すなわち、吸収液105は、室内機2から室外機1へ一方通行で搬送されるとともに、第1熱交換器10と室外機1との間で循環される。なお、第2熱交換器7には吸収液105が流れないため、熱交換は行われない
【0073】
上記の動作により、吸収液105は、蒸発器である第1熱交換器10により冷却された後、筐体1a内の構造体1b上に掛け流され、外気140から湿分Mを吸収することで希釈される。吸収液希釈動作は、吸収液105が所定の濃度(約31%)になるまで実行される。運転モード制御部20は、液面センサ16、17により吸収液105の液量(体積)を検出することで溶液濃度を検出し、吸収液希釈動作の終了時点を判断する。
【0074】
吸収液希釈動作の場合にも、室内機2から室外機1への吸収液105の搬送は、吸収液希釈動作が完了する前に停止する場合があるが、このように停止された後も、第1液送ポンプ4による吸収液105の循環動作を続行することで、吸収液105を所望の濃度まで確実に希釈することが可能である。吸収液希釈動作が完了する前に必ず第2液送ポンプ5が停止する場合には、吸収液105の濃度判定を、液面センサ16の検出結果のみに基づいて行うことができる。
【0075】
以上に説明した吸収液希釈動作を、冬季加湿運転モード運転モードから夏季除湿運転モードへ移行する際に実行することで、夏季除湿運転モードにおいて再生しやすい吸収液105とすることができ、ヒートポンプ装置110による吸収液105の加熱を効率良く実施することができる。また、空気との水分交換によって吸収液の濃度を調整するので、吸収液濃度を変更するための溶液や水の供給及び排出を行う装置も不要である。
【符号の説明】
【0076】
1…室外機(第1処理部)、2…室内機(第2処理部)、4…第1液送ポンプ、5…第2液送ポンプ、6…圧縮機、7…第2熱交換器、A,B…経路、10…第1熱交換器、20…運転モード制御部、31…配管、100…調湿装置、105…吸収液、110…ヒートポンプ装置、120…湿式デシカント装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収液と空気とを接触させる第1処理部及び第2処理部と、前記第1処理部から前記吸収液を搬出する第1液送ポンプと、前記第2処理部から前記吸収液を搬出する第2液送ポンプと、を有する湿式デシカント装置と、
少なくとも圧縮機と第1熱交換器と第2熱交換器と膨張弁とを配管を介して接続してなる作動媒体循環回路を有し、前記第1熱交換器が前記第1処理部への前記吸収液の供給経路に接続され、前記第2熱交換器が前記第2処理部への前記吸収液の供給経路に接続されたヒートポンプ装置と、
冬季加湿運転モードと夏季除湿運転モードとを切替自在に有し、前記夏季除湿運転モードから前記冬季加湿運転モードへの切替時に、前記ヒートポンプ装置による前記吸収液の温度制御により前記吸収液を濃縮する吸収液濃縮動作を実行する一方、前記冬季加湿運転モードから前記夏季除湿運転モードへの切替時には、前記ヒートポンプ装置による前記吸収液の温度制御により前記吸収液を希釈する吸収液希釈動作を実行する運転モード制御部と、
を備えたことを特徴とする調湿装置。
【請求項2】
前記吸収液濃縮動作は、前記第2液送ポンプにより前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により加熱して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、加熱された前記吸収液から空気中に水分を放出させることで前記吸収液を濃縮する動作であり、
前記吸収液希釈動作は、前記第2液送ポンプにより前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により冷却して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、冷却された前記吸収液に空気中の水分を吸収させることで前記吸収液を希釈する動作であることを特徴とする請求項1に記載の調湿装置。
【請求項3】
前記吸収液濃縮動作及び前記吸収液希釈動作の少なくとも一方において、前記第1液送ポンプにより前記第1処理部から前記吸収液を搬出し、前記第1熱交換器を経由して前記第1処理部へ帰還させることを特徴とする請求項2に記載の調湿装置。
【請求項4】
吸収液と空気とを接触させる第1処理部及び第2処理部と、前記第1処理部から前記吸収液を搬出する第1液送ポンプと、前記第2処理部から前記吸収液を搬出する第2液送ポンプと、を有する湿式デシカント装置と、
少なくとも圧縮機と第1熱交換器と第2熱交換器と膨張弁とを配管を介して接続してなる作動媒体循環回路を有し、前記第1熱交換器が前記第1処理部への前記吸収液の供給経路に接続され、前記第2熱交換器が前記第2処理部への前記吸収液の供給経路に接続されたヒートポンプ装置と、を備えた調湿装置の吸収液濃度調整方法であって、
夏季除湿運転モードから冬季加湿運転モードに移行する際に、前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により加熱して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、加熱された前記吸収液から空気中に水分を放出させることで前記吸収液を濃縮する一方、
冬季加湿運転モードから夏季除湿運転モードに移行する際には、前記第2処理部から前記吸収液を搬出し、搬出した前記吸収液を前記第1熱交換器により冷却して前記第1処理部に供給し、前記第1処理部において、冷却された前記吸収液に空気中の水分を吸収させることで前記吸収液を希釈する
ことを特徴とする調湿装置の吸収液濃度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−132657(P2012−132657A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287588(P2010−287588)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【出願人】(000173809)一般財団法人電力中央研究所 (1,040)