調理器具収納ラック
【課題】調理器具をスペース効率よく安定的に収納でき、調理器具の収納および取り出しも容易にできる調理器具収納ラックを低コストで提供する。
【解決手段】固定枠体2,3と、調理器具を支持して水平方向に移動可能な複数の移動支持枠と、前記固定枠体に固定され、前記移動支持枠を水平方向に案内可能な2本のガイドレール5とを有する。前記移動支持枠は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが前記調理器具の外周輪郭形状に近似した形状とされた2本以上の棒状支持部611,621,631,…を含む。前記棒状支持部は、それらの間の間隙に前記調理器具のフランジ部を挿入して前記調理器具を横倒しの状態で支持するものである。そして、複数の前記移動支持枠は、複数種類の前記調理器具の中の小径の調理器具の一部が他の大径の調理器具内に収容可能となるように配置されたものである。
【解決手段】固定枠体2,3と、調理器具を支持して水平方向に移動可能な複数の移動支持枠と、前記固定枠体に固定され、前記移動支持枠を水平方向に案内可能な2本のガイドレール5とを有する。前記移動支持枠は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが前記調理器具の外周輪郭形状に近似した形状とされた2本以上の棒状支持部611,621,631,…を含む。前記棒状支持部は、それらの間の間隙に前記調理器具のフランジ部を挿入して前記調理器具を横倒しの状態で支持するものである。そして、複数の前記移動支持枠は、複数種類の前記調理器具の中の小径の調理器具の一部が他の大径の調理器具内に収容可能となるように配置されたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、調理容器やその蓋等の調理器具を収納する調理器具収納ラックに関するものであり、さらに詳しくは、スペース効率を向上させて調理器具の収納空間をコンパクト化するとともに、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことのできる調理器具収納ラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電磁誘導加熱調理器は燃焼炎を使用しない安全かつ高効率の加熱調理器として急速に普及が拡大している。このような電磁誘導加熱調理器とともに使用するための調理容器としても種々の形態のものが製造されている。調理容器も料理の種類、量などに応じて種々の大きさの鍋やフライパン等が必要であり、これらを通常の棚などに収納する場合、調理容器を個別に置いて収納すると、非常に広大な収納空間を必要としてしまい、全ての調理容器を収納しきれなくなるという不具合がある。
【0003】
そこで、複数の調理容器を積み重ねて収納するようにすると、積み重ねた調理容器の安定性が悪くなってくずれたり、必要な調理容器を取り出すのに手間がかかって面倒になったりする。さらに、調理容器の積み重ね順序等にも気を遣うため、調理容器を収納する手間も増大してしまう。このため、これらの多種類の調理容器を効率よく収納できる設備が求められていた。
【0004】
調理器具の収納効率を向上させ、数多くの調理器具をコンパクトな空間に収納できるようにした収納設備としては、下記の特許文献1に記載されたようなものが公知である。特許文献1には、吊り下げバーに吊り具を移動可能に設け、その吊り具に調理器具を吊り下げて収納するようにした調理器具の収納構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−135126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、複数の調理容器を積み重ねて収納するのは、調理容器の安定性が悪くなるという問題点があり、さらに、調理容器の収納や取り出しにも手間がかかるという問題点があった。また、特許文献1のような収納構造にも、次のような問題点がある。まず、調理器具を吊り具に吊り下げて収納しているので、調理器具に吊り下げるための構造が必要になる。調理器具の取っ手等に吊り具に吊り下げるための穴が形成されていなければならず、必ずしも全ての種類の調理器具を収納できるわけではない。
【0007】
さらに、調理器具が1点で吊り下げ支持されているので、調理器具の収納安定性にも問題点があった。調理器具を収納したり取り出したりする際に、調理器具の下端側が大きく揺れて他の調理器具に衝突したり、吊り具から脱落して落下し、調理器具が損傷するおそれもあった。また、調理器具の収納および取り出し行うために、吊り下げバーを引き出す必要があり、調理器具の収納および取り出しの作業性は良好とは言えず、特に一番奥側の調理器具の作業性が悪化するという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、調理容器やその蓋等の調理器具を収納スペースの点で効率よく収納することができ、スペース効率を向上させて調理器具の収納空間をコンパクト化するとともに、調理器具の収納安定性を向上させ、さらに、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことのできる調理器具収納ラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の調理器具収納ラックは、固定枠体と、調理器具を支持して水平方向に移動可能な複数の移動支持枠と、前記固定枠体に固定され、前記移動支持枠を水平方向に案内可能な2本のガイドレールとを有する。前記移動支持枠は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが前記調理器具の外周輪郭形状に近似した形状とされた2本以上の棒状支持部を含む。前記棒状支持部は、それらの間の間隙に前記調理器具のフランジ部を挿入して前記調理器具を横倒しの状態で支持するものである。そして、複数の前記移動支持枠は、複数種類の前記調理器具の中の小径の調理器具の一部が他の大径の調理器具内に収容可能となるように配置されたものである。
【0010】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記ガイドレールは、ガイドレール間の空間に前記調理器具が収容可能となるように平行に配置され、前記移動支持枠を案内する案内路として内側に配置された内側案内路と外側に配置された外側案内路が設けられたものであり、前記移動支持枠は、前記内側案内路または前記外側案内路のいずれかに案内されて転動するローラを備えたものであることが好ましい。
【0011】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、複数の前記移動支持枠の隣接するもの同士が前記内側案内路または前記外側案内路の互いに異なる案内路に案内されるように配置されたものであることが好ましい。
【0012】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記内側案内路および前記外側案内路は、それぞれが上下に2本の案内面を備えたものであることが好ましい。
【0013】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記移動支持枠は、1本の前記ガイドレールに対してそれぞれ前記ローラを4個ずつ備えたものであることが好ましい。
【0014】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記棒状支持部は、前記調理器具の横倒し方向が水平に近くなるように、曲線部分を含む平面が鉛直方向に対して所定角度傾斜して配置されたものであることが好ましい。
【0015】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記固定枠体に固定され、前記調理器具を支持する固定支持部を有することが好ましい。
【0016】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記調理器具を支持し、前記ガイドレールに案内されて水平方向に移動可能な第2移動支持枠を有し、前記第2移動支持枠は、支持棒を前記調理器具に設けられた貫通孔に挿入して前記調理器具を支持するものであることが好ましい。
【0017】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、調理器具収納ラック全体の寸法が、台所に備えられた通常のキャビネットに収納可能な大きさであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成されているので、以下のような効果を奏する。
【0019】
調理容器のフランジ部を2本の棒状支持部の間隙に挟み込んで支持するため、調理容器を横倒しの状態で安定して支持することができる。調理容器は揺れ動いたりせずに棒状支持部に対してほぼ一定の位置に保持される。そして、多種類の調理容器を横倒し状態で互いに重ね合わせて効率よく収納することができ、収納のための空間を大幅にコンパクト化することができる。
【0020】
移動支持枠の棒状支持部は、簡素な構成により調理容器を正確な位置に安定して支持することができ、調理器具の収納安定性が良好な調理器具収納ラックを低コストで製造することができる。
【0021】
隣接する移動支持枠を互いに異なる案内路に配置するようにしたので、各移動支持枠の移動可能範囲が広がり、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の調理器具収納ラック1の構成を示す平面図である。調理器具収納ラック1を上方から見た平面図である。
【図2】図2は、本発明の調理器具収納ラック1の構成を示す正面図である。
【図3】図3は、調理器具収納ラック1の断面図であり、図1におけるA−A矢視断面図である。
【図4】図4は、調理器具収納ラック1に調理器具を収納した状態を示す断面図であり、図1におけるB−B矢視断面図である。
【図5】図5は、移動支持枠66の構成を示す正面図である。
【図6】図6は、移動支持枠66の平面図である。
【図7】図7は、移動支持枠66の右側面図である。
【図8】図8は、移動支持枠65の構成を示す正面図である。
【図9】図9は、移動支持枠65の平面図である。
【図10】図10は、移動支持枠65の右側面図である。
【図11】図11は、ガイドレール4の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の調理器具収納ラック1の構成を示す平面図であり、調理器具収納ラック1を上方から見た図である。また、図2は調理器具収納ラック1の構成を示す正面図である。そして、図3は調理器具収納ラック1を右側面から見た断面図であり、図1におけるA−A矢視断面図である。本発明の調理器具収納ラック1は、調理容器やその蓋等の多数の調理器具をコンパクトな空間に効率よく収納するものである。本明細書において調理器具とは、調理容器とその蓋を包括的に意味する用語である。
【0024】
調理器具は電磁誘導加熱調理器とともに使用するための調理容器とその蓋である。料理の種類、量などに応じて種々の大きさの鍋やフライパン等が必要であり、一般家庭においても多種類の調理容器とその蓋が用意されている。本発明の調理器具収納ラック1は、複数の調理容器を横倒しの状態で、かつ、それぞれの中心線がほぼ一致するように支持し、大径の調理容器の内部に小径の調理容器を重ね合わせて収納することにより、多種類の調理容器とその蓋をコンパクトな空間に収納可能とするものである。
【0025】
調理器具収納ラック1の左右両側には固定枠体2,3が配置されている。固定枠体2,3は、ステンレス綱のパイプ材を曲げ加工により成形したものである。左側の固定枠体2には水平方向の補強バー20,21,22が溶接により固定されている。同様に、右側の固定枠体3にも水平方向の補強バー30,31,32が溶接により固定されている。固定枠体2の下面の補強バー21,22上には固定支持部23が固定されている。固定支持部23の載置凹部には、内径26cmの浅形鍋のフランジ部が載置できる。
【0026】
固定枠体3の下方の補強バー31,32上には固定支持部33が固定されている。固定支持部33には、載置凹部が左右に2個所設けられており、左方の載置凹部には内径30cmのフライパンが載置でき、右方の載置凹部には30cmフライパンの蓋が載置できる。
【0027】
これらの固定枠体2,3は、ガイドレール4,5によって互いに接続固定されている。固定枠体2と補強バー20の接続部近傍には、図示されていないが、ガイドレール4,5を接続固定するための固定金具が溶接により固定されている。固定枠体3と補強バー30の接続部近傍にも同様の固定金具が溶接により固定されている。ガイドレール4,5はこれらの接続金具にねじ止め固定されている。これにより、固定枠体2,3とガイドレール4,5は一体となって調理器具収納ラック1の本体部分を構成する。
【0028】
前面側のガイドレール4と後面側のガイドレール5の内部には、それぞれ内側の案内路と外側の案内路が設けられており、それらの案内路に沿って水平方向に移動可能に移動支持枠61〜68と第2移動支持枠69が設けられている。なお、ガイドレール4,5内部の案内路の構成に関しては、後に詳しく説明する。
【0029】
移動支持枠63には、2本の棒状支持部631,631が設けられている。2本の棒状支持部631,631は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。同様に、移動支持枠64には、2本の棒状支持部641,641が設けられている。2本の棒状支持部641,641は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。
【0030】
図3に示すように、棒状支持部631は外径の大きな調理容器(内径22cmの蒸し器)を支持するように成形され、棒状支持部641はそれよりも外径の小さな調理容器(内径20cmの深形鍋)を支持するように成形されている。なお、図3では繁雑さを避けるために移動支持枠63,64のみを表示している。
【0031】
2本の棒状支持部631,631の間の間隙に調理容器のフランジ部を挿入して、調理容器を横倒しの状態で移動支持枠63に支持する。調理容器はフランジ部を棒状支持部631,631によって挟まれ、また、近似形状の棒状支持部631によって外周面に沿って支持されるため、正確で安定した位置に保持される。移動支持枠64についても同様である。他の移動支持枠61,62,65〜68も同様の構成である。各移動支持枠にそれぞれ2本の棒状支持部が設けられている。これらの移動支持枠の構成に関しては、後に詳しく説明する。
【0032】
第2移動支持枠69もガイドレール4,5に案内されて水平方向に移動可能に設けられている。第2移動支持枠69は他の移動支持枠61〜68とは調理器具の支持構造が異なるものである。第2移動支持枠の中央上部には、左右両側に張り出すように支持棒691が固定されている。調理容器の蓋にはそれぞれ空気抜きの貫通孔が設けられている。この貫通孔に支持棒691を挿入することにより、複数の蓋を第2移動支持枠69に支持するものである。
【0033】
次に、調理器具収納ラック1への調理器具の収納について説明する。図4は、調理器具収納ラック1に調理器具を収納した状態を示す断面図である。図4の調理器具収納ラック1は、図1におけるB−B矢視断面図である。収納した状態の調理器具は二点鎖線で示されている。調理器具収納ラック1には、図示のように調理容器70〜79、蓋81〜87が収納できる。調理容器70は、内径26cmの浅形鍋であり、そのフランジ部を固定支持部23の載置凹部に載置して収納する。
【0034】
調理容器71は、内径24cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠61の2本の棒状支持部611,611間の間隙に挿入して収納する。調理容器72は、内径22cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠62の2本の棒状支持部621,621間の間隙に挿入して収納する。調理容器73は、内径22cmの蒸し器であり、そのフランジ部を移動支持枠63の2本の棒状支持部631,631間の間隙に挿入して収納する。
【0035】
調理容器74は、内径20cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠64の2本の棒状支持部641,641間の間隙に挿入して収納する。調理容器75は、内径18cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠65の2本の棒状支持部651,651間の間隙に挿入して収納する。調理容器76は、内径16cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠66の2本の棒状支持部661,661間の間隙に挿入して収納する。
【0036】
蓋81〜86は各種調理容器の蓋である。第2移動支持枠69の支持棒691を各蓋の貫通孔に挿入することにより、これらの蓋を第2移動支持枠69に支持するものである。なお、図4においては、第2移動支持枠69の支持棒691は、両端が上方に傾斜するようにV字状に固定されているが、両端を上方に傾斜させずに水平状に設けてもよい。
【0037】
調理容器77は、内径22cmのフライパンであり、そのフランジ部を移動支持枠67の2本の棒状支持部671,671間の間隙に挿入して収納する。調理容器78は、内径26cmのフライパンであり、そのフランジ部を移動支持枠68の2本の棒状支持部681,681間の間隙に挿入して収納する。
【0038】
調理容器79は、内径30cmのフライパンであり、そのフランジ部を固定支持部33の左方の載置凹部に載置して収納する。蓋87は、30cmフライパンの蓋であり、固定支持部33右方の載置凹部にその外周部を載置して収納する。以上のように、調理容器70〜76は大径の調理容器から小径の調理容器まで大きさの順番に並べて収納するようにしている。また、これらの調理容器70〜76は全て同じ方向に向けて横倒しの状態で収納される。
【0039】
そして、調理容器70〜76は、それらの中心線がほぼ共通の水平線となるような位置に支持されているため、大径の調理容器の内部に隣接する小径の調理容器の一部が収納されることとなる。図示のように、調理容器によってはその大部分が隣接する大径の調理容器内に収納されるため、収納のための空間が大幅にコンパクト化されることになる。
【0040】
調理容器77〜79についても同様である。調理容器77〜79は大径の調理容器から小径の調理容器まで大きさの順番に右側から並べて収納するようにしている。また、これらの調理容器77〜79は全て同じ方向に向けて横倒しの状態で収納され、それらの中心線がほぼ共通の水平線となるような位置に支持されているため、大径の調理容器の内部に隣接する小径の調理容器の一部が収納されることとなる。図示のように、調理容器によってはその大部分が隣接する大径の調理容器内に収納されるため、収納のための空間が大幅にコンパクト化されることになる。
【0041】
移動支持枠61〜68および第2移動支持枠69は、ガイドレール4,5に沿って水平移動が可能であり、また移動可能範囲も広範囲であるため、移動支持枠61〜68にそれぞれの大きさに合致した調理容器を載置した後、移動支持枠を移動させて隣接するより大径の調理容器内に重なり合うようにできる。また、必要な調理容器を取り出す際には、必要な調理容器を移動させて隣接する大径の調理容器から露出させ、容易に取り出すことができる。
【0042】
なお、移動支持枠61〜68および第2移動支持枠69には、それぞれ収納支持する調理器具の大きさおよび種類が決められている。ガイドレール4,5のいずれか一方または両方の上面に、収納する調理器具の大きさおよび種類を概略図形および内径数値などにより収納する順番に従って表示することが好ましい。このように調理器具の収納位置を表示しておけば、調理器具の収納位置を間違えることが防止できる。
【0043】
次に、移動支持枠の構成について詳しく説明する。例として、移動支持枠66の構成を説明する。図5は移動支持枠66の構成を示す正面図である。また、図6は移動支持枠66の平面図である。そして、図7は移動支持枠66の右側面図である。移動支持枠66は、ガイドレール4,5内に収納されて移動する移動板663をその両端に備えている。移動板663の内側には図示のように4つのローラ601が回転可能に軸支されている。
【0044】
また、移動板663の間には、2本の棒状支持部661,661が溶接により固定されて設けられている。2本の棒状支持部661,661は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。補強金具662は、棒状支持部661,661の配置および位置関係を補強するためのものである。補強金具662は、移動板663および棒状支持部661,661に溶接固定されている。
【0045】
この移動支持枠66は、ローラ601がガイドレール4,5の内側の案内路に配置される。なお、補強金具662の端部が移動板663の外側に突出されている。これは、隣接する移動支持枠とこの移動支持枠66との順番が入れ違ってしまわないように、相対位置関係を規制するためのものである。
【0046】
また、棒状支持部661は、1本の棒状支持部661の曲線部分を含む平面がほぼ鉛直方向を向くように配置されている。しかし、実際には図5に示すように、棒状支持部661の曲線部分を含む平面が鉛直方向から微小な所定角度だけ傾斜するように配置することが好ましい。図5において鉛直方向が直線Vによって示されている。棒状支持部661は、その下端が鉛直位置よりも左方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置されている。
【0047】
棒状支持部661の曲線部分を含む平面を完全に鉛直方向に配置した場合、調理容器を載置したときに、調理容器のフランジ部と棒状支持部661との間隙や棒状支持部661の撓みによって、調理容器が正面から見て(図8の方向から見て)左回りに微小角度回動してしまう。これは調理容器の重心位置が支持位置よりも左側に位置しているためである。調理容器が水平方向の横倒し状態から傾斜してしまうと、調理容器同士を重ね合わせて収納する際に、調理容器が接触したり、移動が妨げられるおそれが出てくる。
【0048】
したがって、この調理容器の微小角度回動を打ち消すために、棒状支持部661を逆方向に傾斜させておくのである。棒状支持部661を前述のように微小角度傾斜させておくことにより、調理容器をより正確に水平方向の横倒し状態とすることができる。
【0049】
次に、移動支持枠66と隣接する移動支持枠65の構成について説明する。図8は移動支持枠65の構成を示す正面図である。また、図9は移動支持枠65の平面図である。そして、図10は移動支持枠65の右側面図である。移動支持枠65は、ガイドレール4,5内に収納されて移動する移動板653をその両端に備えている。移動板653の外側には図示のように4つのローラ601が回転可能に軸支されている。
【0050】
また、移動板653の間には、2本の棒状支持部651,651が溶接により固定されて設けられている。2本の棒状支持部651,651は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。補強金具652は、棒状支持部651,651の配置および位置関係を固定し補強するためのものである。補強金具652は、移動板653および棒状支持部651,651に溶接固定されている。
【0051】
また、移動支持枠66と同様に、移動支持枠65の棒状支持部651もその曲線部分を含む平面が鉛直方向から微小な所定角度だけ傾斜するように配置されている。図8において鉛直方向が直線Vによって示されている。棒状支持部651は、その下端が鉛直位置よりも左方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置されている。
【0052】
この移動支持枠65は、ローラ601がガイドレール4,5の外側の案内路に配置される。隣接する移動支持枠66はガイドレール4,5の内側の案内路に配置されているので、移動支持枠65と移動支持枠66は移動板653,663やローラ601が衝突することなく、広範囲の移動が可能である。このため、棒状支持部651と棒状支持部661は非常に接近した位置にまで移動することができる。
【0053】
このような関係は他の移動支持枠でも同様である。隣接する移動支持枠および第2移動支持枠は互いに異なる案内路に配置され、交互に内側案内路と外側案内路とに順番に配置されている。図1を参照すれば、移動支持枠61,63,65、第2移動支持枠69、移動支持枠68は外側案内路に配置されており、移動支持枠62,64,66,67は内側案内路に配置されている。
【0054】
このように移動支持枠および第2移動支持枠を交互に内側案内路と外側案内路とに配置することにより、隣接する移動支持枠および第2移動支持枠が非常に接近した位置まで移動することが可能となる。そのため多種類の調理容器を重ね合わせて効率よく収納することができるようになる。そして、収納のための空間が大幅にコンパクト化されることになる。
【0055】
図11は、ガイドレール4の構成を示す断面図であり、ガイドレール4を右方向から見た断面図である。ガイドレール5についても、ガイドレール4と対称な構造であり、図の左右が逆になることを除けばガイドレール4と同じ構造である。ガイドレール4は、下方に開口溝が形成された、長手方向に一様な構造体である。ガイドレール4には、図示のように移動支持枠の移動板とローラ601が収容される。移動支持枠は、ガイドレール4の内側案内路または外側案内路に案内され、水平方向に移動可能となっている。
【0056】
ガイドレール4の内部にはローラ601を案内するための4つの案内面41,42,43,44が形成されている。案内面42,41はガイドレール4の内側部分の上下に配置されており、これらの案内面41,42が内側案内路を構成している。案内面44,43はガイドレール4の外側部分の上下に配置されており、これらの案内面43,44が外側案内路を構成している。
【0057】
このように上下の2つの案内面により1つの案内路を構成し、ガイドレール4には内側案内路と外側案内路の2つの案内路を備えているので、前述のように、移動支持枠および第2移動支持枠の移動範囲を広げ、隣接する移動支持枠および第2移動支持枠が非常に接近した位置まで移動することが可能となる。また、各案内路は上下2つの案内面により構成され、その各案内路を4つのローラ601を備えた移動板が移動するものであるため、移動支持枠は傾斜することなく水平状態を保って移動することができる。
【0058】
調理器具収納ラック1は、全体の寸法が一般家庭の台所に備えられた通常のキャビネットに収納可能な大きさであることが好ましい。実際の寸法は、幅:656mm、奥行き:373mm、高さ:257mmである。この大きさであればほとんどのメーカ製キッチン・キャビネットに収納可能である。なお、寸法は一例でありこれ以外の寸法でもよく、キャビネットに収納可能であれば好ましい。
【0059】
また、移動支持枠65,66と同様に、移動支持枠61〜64の棒状支持部も鉛直方向から微小な所定角度だけ傾斜するように配置することが望ましい。移動支持枠を正面から見た場合、棒状支持部は、その下端が鉛直位置よりも左方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置することが望ましい。
【0060】
移動支持枠67,68では、移動支持枠を正面から見た場合、支持する調理容器の重心が棒状支持部より右方となるため、棒状支持部の傾斜方向を逆方向とする。すなわち、移動支持枠67,68では、棒状支持部は、その下端が鉛直位置よりも右方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置することが望ましい。
【0061】
以上のように、本発明の調理器具収納ラック1は、調理容器のフランジ部を2本の棒状支持部の間隙に挟み込んで支持するため、調理容器を横倒しの状態で安定して支持することができる。調理容器は揺れ動いたりせずに棒状支持部に対してほぼ一定の位置に保持される。そして、多種類の調理容器を横倒し状態で互いに重ね合わせて効率よく収納することができ、収納のための空間を大幅にコンパクト化することができる。また、各移動支持枠の移動可能範囲も広く、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことができる。
【0062】
移動支持枠61〜64の棒状支持部は、簡素な構成により調理容器を正確な位置に安定して支持することができ、調理器具の収納安定性が良好な調理器具収納ラックを低コストで製造することができる。なお、以上に説明した実施の形態では、各移動支持枠に2本の棒状支持部を設けているが、2本に限らず3本以上の同様の棒状支持部を水平方向に互いに間隙を持って並行して配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、調理器具収納ラックに多種類の調理容器を横倒し状態で互いに重ね合わせて効率よく収納することができ、収納のための空間を大幅にコンパクト化することができる。また、調理器具の収納安定性が良好な調理器具収納ラックを低価格で提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 調理器具収納ラック
2,3 固定枠体
4,5 ガイドレール
20,21,22 補強バー
30,31,32 補強バー
23,33 固定支持部
41,42,44,43 案内面
61〜68 移動支持枠
69 第2移動支持枠
70〜79 調理容器
81〜87 蓋
601 ローラ
611,621,631,641 棒状支持部
651,661,671,681 棒状支持部
652,662 補強金具
653,663 移動板
691 支持棒
【技術分野】
【0001】
この発明は、調理容器やその蓋等の調理器具を収納する調理器具収納ラックに関するものであり、さらに詳しくは、スペース効率を向上させて調理器具の収納空間をコンパクト化するとともに、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことのできる調理器具収納ラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電磁誘導加熱調理器は燃焼炎を使用しない安全かつ高効率の加熱調理器として急速に普及が拡大している。このような電磁誘導加熱調理器とともに使用するための調理容器としても種々の形態のものが製造されている。調理容器も料理の種類、量などに応じて種々の大きさの鍋やフライパン等が必要であり、これらを通常の棚などに収納する場合、調理容器を個別に置いて収納すると、非常に広大な収納空間を必要としてしまい、全ての調理容器を収納しきれなくなるという不具合がある。
【0003】
そこで、複数の調理容器を積み重ねて収納するようにすると、積み重ねた調理容器の安定性が悪くなってくずれたり、必要な調理容器を取り出すのに手間がかかって面倒になったりする。さらに、調理容器の積み重ね順序等にも気を遣うため、調理容器を収納する手間も増大してしまう。このため、これらの多種類の調理容器を効率よく収納できる設備が求められていた。
【0004】
調理器具の収納効率を向上させ、数多くの調理器具をコンパクトな空間に収納できるようにした収納設備としては、下記の特許文献1に記載されたようなものが公知である。特許文献1には、吊り下げバーに吊り具を移動可能に設け、その吊り具に調理器具を吊り下げて収納するようにした調理器具の収納構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−135126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、複数の調理容器を積み重ねて収納するのは、調理容器の安定性が悪くなるという問題点があり、さらに、調理容器の収納や取り出しにも手間がかかるという問題点があった。また、特許文献1のような収納構造にも、次のような問題点がある。まず、調理器具を吊り具に吊り下げて収納しているので、調理器具に吊り下げるための構造が必要になる。調理器具の取っ手等に吊り具に吊り下げるための穴が形成されていなければならず、必ずしも全ての種類の調理器具を収納できるわけではない。
【0007】
さらに、調理器具が1点で吊り下げ支持されているので、調理器具の収納安定性にも問題点があった。調理器具を収納したり取り出したりする際に、調理器具の下端側が大きく揺れて他の調理器具に衝突したり、吊り具から脱落して落下し、調理器具が損傷するおそれもあった。また、調理器具の収納および取り出し行うために、吊り下げバーを引き出す必要があり、調理器具の収納および取り出しの作業性は良好とは言えず、特に一番奥側の調理器具の作業性が悪化するという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、調理容器やその蓋等の調理器具を収納スペースの点で効率よく収納することができ、スペース効率を向上させて調理器具の収納空間をコンパクト化するとともに、調理器具の収納安定性を向上させ、さらに、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことのできる調理器具収納ラックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の調理器具収納ラックは、固定枠体と、調理器具を支持して水平方向に移動可能な複数の移動支持枠と、前記固定枠体に固定され、前記移動支持枠を水平方向に案内可能な2本のガイドレールとを有する。前記移動支持枠は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが前記調理器具の外周輪郭形状に近似した形状とされた2本以上の棒状支持部を含む。前記棒状支持部は、それらの間の間隙に前記調理器具のフランジ部を挿入して前記調理器具を横倒しの状態で支持するものである。そして、複数の前記移動支持枠は、複数種類の前記調理器具の中の小径の調理器具の一部が他の大径の調理器具内に収容可能となるように配置されたものである。
【0010】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記ガイドレールは、ガイドレール間の空間に前記調理器具が収容可能となるように平行に配置され、前記移動支持枠を案内する案内路として内側に配置された内側案内路と外側に配置された外側案内路が設けられたものであり、前記移動支持枠は、前記内側案内路または前記外側案内路のいずれかに案内されて転動するローラを備えたものであることが好ましい。
【0011】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、複数の前記移動支持枠の隣接するもの同士が前記内側案内路または前記外側案内路の互いに異なる案内路に案内されるように配置されたものであることが好ましい。
【0012】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記内側案内路および前記外側案内路は、それぞれが上下に2本の案内面を備えたものであることが好ましい。
【0013】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記移動支持枠は、1本の前記ガイドレールに対してそれぞれ前記ローラを4個ずつ備えたものであることが好ましい。
【0014】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記棒状支持部は、前記調理器具の横倒し方向が水平に近くなるように、曲線部分を含む平面が鉛直方向に対して所定角度傾斜して配置されたものであることが好ましい。
【0015】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記固定枠体に固定され、前記調理器具を支持する固定支持部を有することが好ましい。
【0016】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、前記調理器具を支持し、前記ガイドレールに案内されて水平方向に移動可能な第2移動支持枠を有し、前記第2移動支持枠は、支持棒を前記調理器具に設けられた貫通孔に挿入して前記調理器具を支持するものであることが好ましい。
【0017】
また、上記の調理器具収納ラックにおいて、調理器具収納ラック全体の寸法が、台所に備えられた通常のキャビネットに収納可能な大きさであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、以上のように構成されているので、以下のような効果を奏する。
【0019】
調理容器のフランジ部を2本の棒状支持部の間隙に挟み込んで支持するため、調理容器を横倒しの状態で安定して支持することができる。調理容器は揺れ動いたりせずに棒状支持部に対してほぼ一定の位置に保持される。そして、多種類の調理容器を横倒し状態で互いに重ね合わせて効率よく収納することができ、収納のための空間を大幅にコンパクト化することができる。
【0020】
移動支持枠の棒状支持部は、簡素な構成により調理容器を正確な位置に安定して支持することができ、調理器具の収納安定性が良好な調理器具収納ラックを低コストで製造することができる。
【0021】
隣接する移動支持枠を互いに異なる案内路に配置するようにしたので、各移動支持枠の移動可能範囲が広がり、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の調理器具収納ラック1の構成を示す平面図である。調理器具収納ラック1を上方から見た平面図である。
【図2】図2は、本発明の調理器具収納ラック1の構成を示す正面図である。
【図3】図3は、調理器具収納ラック1の断面図であり、図1におけるA−A矢視断面図である。
【図4】図4は、調理器具収納ラック1に調理器具を収納した状態を示す断面図であり、図1におけるB−B矢視断面図である。
【図5】図5は、移動支持枠66の構成を示す正面図である。
【図6】図6は、移動支持枠66の平面図である。
【図7】図7は、移動支持枠66の右側面図である。
【図8】図8は、移動支持枠65の構成を示す正面図である。
【図9】図9は、移動支持枠65の平面図である。
【図10】図10は、移動支持枠65の右側面図である。
【図11】図11は、ガイドレール4の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の調理器具収納ラック1の構成を示す平面図であり、調理器具収納ラック1を上方から見た図である。また、図2は調理器具収納ラック1の構成を示す正面図である。そして、図3は調理器具収納ラック1を右側面から見た断面図であり、図1におけるA−A矢視断面図である。本発明の調理器具収納ラック1は、調理容器やその蓋等の多数の調理器具をコンパクトな空間に効率よく収納するものである。本明細書において調理器具とは、調理容器とその蓋を包括的に意味する用語である。
【0024】
調理器具は電磁誘導加熱調理器とともに使用するための調理容器とその蓋である。料理の種類、量などに応じて種々の大きさの鍋やフライパン等が必要であり、一般家庭においても多種類の調理容器とその蓋が用意されている。本発明の調理器具収納ラック1は、複数の調理容器を横倒しの状態で、かつ、それぞれの中心線がほぼ一致するように支持し、大径の調理容器の内部に小径の調理容器を重ね合わせて収納することにより、多種類の調理容器とその蓋をコンパクトな空間に収納可能とするものである。
【0025】
調理器具収納ラック1の左右両側には固定枠体2,3が配置されている。固定枠体2,3は、ステンレス綱のパイプ材を曲げ加工により成形したものである。左側の固定枠体2には水平方向の補強バー20,21,22が溶接により固定されている。同様に、右側の固定枠体3にも水平方向の補強バー30,31,32が溶接により固定されている。固定枠体2の下面の補強バー21,22上には固定支持部23が固定されている。固定支持部23の載置凹部には、内径26cmの浅形鍋のフランジ部が載置できる。
【0026】
固定枠体3の下方の補強バー31,32上には固定支持部33が固定されている。固定支持部33には、載置凹部が左右に2個所設けられており、左方の載置凹部には内径30cmのフライパンが載置でき、右方の載置凹部には30cmフライパンの蓋が載置できる。
【0027】
これらの固定枠体2,3は、ガイドレール4,5によって互いに接続固定されている。固定枠体2と補強バー20の接続部近傍には、図示されていないが、ガイドレール4,5を接続固定するための固定金具が溶接により固定されている。固定枠体3と補強バー30の接続部近傍にも同様の固定金具が溶接により固定されている。ガイドレール4,5はこれらの接続金具にねじ止め固定されている。これにより、固定枠体2,3とガイドレール4,5は一体となって調理器具収納ラック1の本体部分を構成する。
【0028】
前面側のガイドレール4と後面側のガイドレール5の内部には、それぞれ内側の案内路と外側の案内路が設けられており、それらの案内路に沿って水平方向に移動可能に移動支持枠61〜68と第2移動支持枠69が設けられている。なお、ガイドレール4,5内部の案内路の構成に関しては、後に詳しく説明する。
【0029】
移動支持枠63には、2本の棒状支持部631,631が設けられている。2本の棒状支持部631,631は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。同様に、移動支持枠64には、2本の棒状支持部641,641が設けられている。2本の棒状支持部641,641は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。
【0030】
図3に示すように、棒状支持部631は外径の大きな調理容器(内径22cmの蒸し器)を支持するように成形され、棒状支持部641はそれよりも外径の小さな調理容器(内径20cmの深形鍋)を支持するように成形されている。なお、図3では繁雑さを避けるために移動支持枠63,64のみを表示している。
【0031】
2本の棒状支持部631,631の間の間隙に調理容器のフランジ部を挿入して、調理容器を横倒しの状態で移動支持枠63に支持する。調理容器はフランジ部を棒状支持部631,631によって挟まれ、また、近似形状の棒状支持部631によって外周面に沿って支持されるため、正確で安定した位置に保持される。移動支持枠64についても同様である。他の移動支持枠61,62,65〜68も同様の構成である。各移動支持枠にそれぞれ2本の棒状支持部が設けられている。これらの移動支持枠の構成に関しては、後に詳しく説明する。
【0032】
第2移動支持枠69もガイドレール4,5に案内されて水平方向に移動可能に設けられている。第2移動支持枠69は他の移動支持枠61〜68とは調理器具の支持構造が異なるものである。第2移動支持枠の中央上部には、左右両側に張り出すように支持棒691が固定されている。調理容器の蓋にはそれぞれ空気抜きの貫通孔が設けられている。この貫通孔に支持棒691を挿入することにより、複数の蓋を第2移動支持枠69に支持するものである。
【0033】
次に、調理器具収納ラック1への調理器具の収納について説明する。図4は、調理器具収納ラック1に調理器具を収納した状態を示す断面図である。図4の調理器具収納ラック1は、図1におけるB−B矢視断面図である。収納した状態の調理器具は二点鎖線で示されている。調理器具収納ラック1には、図示のように調理容器70〜79、蓋81〜87が収納できる。調理容器70は、内径26cmの浅形鍋であり、そのフランジ部を固定支持部23の載置凹部に載置して収納する。
【0034】
調理容器71は、内径24cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠61の2本の棒状支持部611,611間の間隙に挿入して収納する。調理容器72は、内径22cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠62の2本の棒状支持部621,621間の間隙に挿入して収納する。調理容器73は、内径22cmの蒸し器であり、そのフランジ部を移動支持枠63の2本の棒状支持部631,631間の間隙に挿入して収納する。
【0035】
調理容器74は、内径20cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠64の2本の棒状支持部641,641間の間隙に挿入して収納する。調理容器75は、内径18cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠65の2本の棒状支持部651,651間の間隙に挿入して収納する。調理容器76は、内径16cmの深形鍋であり、そのフランジ部を移動支持枠66の2本の棒状支持部661,661間の間隙に挿入して収納する。
【0036】
蓋81〜86は各種調理容器の蓋である。第2移動支持枠69の支持棒691を各蓋の貫通孔に挿入することにより、これらの蓋を第2移動支持枠69に支持するものである。なお、図4においては、第2移動支持枠69の支持棒691は、両端が上方に傾斜するようにV字状に固定されているが、両端を上方に傾斜させずに水平状に設けてもよい。
【0037】
調理容器77は、内径22cmのフライパンであり、そのフランジ部を移動支持枠67の2本の棒状支持部671,671間の間隙に挿入して収納する。調理容器78は、内径26cmのフライパンであり、そのフランジ部を移動支持枠68の2本の棒状支持部681,681間の間隙に挿入して収納する。
【0038】
調理容器79は、内径30cmのフライパンであり、そのフランジ部を固定支持部33の左方の載置凹部に載置して収納する。蓋87は、30cmフライパンの蓋であり、固定支持部33右方の載置凹部にその外周部を載置して収納する。以上のように、調理容器70〜76は大径の調理容器から小径の調理容器まで大きさの順番に並べて収納するようにしている。また、これらの調理容器70〜76は全て同じ方向に向けて横倒しの状態で収納される。
【0039】
そして、調理容器70〜76は、それらの中心線がほぼ共通の水平線となるような位置に支持されているため、大径の調理容器の内部に隣接する小径の調理容器の一部が収納されることとなる。図示のように、調理容器によってはその大部分が隣接する大径の調理容器内に収納されるため、収納のための空間が大幅にコンパクト化されることになる。
【0040】
調理容器77〜79についても同様である。調理容器77〜79は大径の調理容器から小径の調理容器まで大きさの順番に右側から並べて収納するようにしている。また、これらの調理容器77〜79は全て同じ方向に向けて横倒しの状態で収納され、それらの中心線がほぼ共通の水平線となるような位置に支持されているため、大径の調理容器の内部に隣接する小径の調理容器の一部が収納されることとなる。図示のように、調理容器によってはその大部分が隣接する大径の調理容器内に収納されるため、収納のための空間が大幅にコンパクト化されることになる。
【0041】
移動支持枠61〜68および第2移動支持枠69は、ガイドレール4,5に沿って水平移動が可能であり、また移動可能範囲も広範囲であるため、移動支持枠61〜68にそれぞれの大きさに合致した調理容器を載置した後、移動支持枠を移動させて隣接するより大径の調理容器内に重なり合うようにできる。また、必要な調理容器を取り出す際には、必要な調理容器を移動させて隣接する大径の調理容器から露出させ、容易に取り出すことができる。
【0042】
なお、移動支持枠61〜68および第2移動支持枠69には、それぞれ収納支持する調理器具の大きさおよび種類が決められている。ガイドレール4,5のいずれか一方または両方の上面に、収納する調理器具の大きさおよび種類を概略図形および内径数値などにより収納する順番に従って表示することが好ましい。このように調理器具の収納位置を表示しておけば、調理器具の収納位置を間違えることが防止できる。
【0043】
次に、移動支持枠の構成について詳しく説明する。例として、移動支持枠66の構成を説明する。図5は移動支持枠66の構成を示す正面図である。また、図6は移動支持枠66の平面図である。そして、図7は移動支持枠66の右側面図である。移動支持枠66は、ガイドレール4,5内に収納されて移動する移動板663をその両端に備えている。移動板663の内側には図示のように4つのローラ601が回転可能に軸支されている。
【0044】
また、移動板663の間には、2本の棒状支持部661,661が溶接により固定されて設けられている。2本の棒状支持部661,661は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。補強金具662は、棒状支持部661,661の配置および位置関係を補強するためのものである。補強金具662は、移動板663および棒状支持部661,661に溶接固定されている。
【0045】
この移動支持枠66は、ローラ601がガイドレール4,5の内側の案内路に配置される。なお、補強金具662の端部が移動板663の外側に突出されている。これは、隣接する移動支持枠とこの移動支持枠66との順番が入れ違ってしまわないように、相対位置関係を規制するためのものである。
【0046】
また、棒状支持部661は、1本の棒状支持部661の曲線部分を含む平面がほぼ鉛直方向を向くように配置されている。しかし、実際には図5に示すように、棒状支持部661の曲線部分を含む平面が鉛直方向から微小な所定角度だけ傾斜するように配置することが好ましい。図5において鉛直方向が直線Vによって示されている。棒状支持部661は、その下端が鉛直位置よりも左方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置されている。
【0047】
棒状支持部661の曲線部分を含む平面を完全に鉛直方向に配置した場合、調理容器を載置したときに、調理容器のフランジ部と棒状支持部661との間隙や棒状支持部661の撓みによって、調理容器が正面から見て(図8の方向から見て)左回りに微小角度回動してしまう。これは調理容器の重心位置が支持位置よりも左側に位置しているためである。調理容器が水平方向の横倒し状態から傾斜してしまうと、調理容器同士を重ね合わせて収納する際に、調理容器が接触したり、移動が妨げられるおそれが出てくる。
【0048】
したがって、この調理容器の微小角度回動を打ち消すために、棒状支持部661を逆方向に傾斜させておくのである。棒状支持部661を前述のように微小角度傾斜させておくことにより、調理容器をより正確に水平方向の横倒し状態とすることができる。
【0049】
次に、移動支持枠66と隣接する移動支持枠65の構成について説明する。図8は移動支持枠65の構成を示す正面図である。また、図9は移動支持枠65の平面図である。そして、図10は移動支持枠65の右側面図である。移動支持枠65は、ガイドレール4,5内に収納されて移動する移動板653をその両端に備えている。移動板653の外側には図示のように4つのローラ601が回転可能に軸支されている。
【0050】
また、移動板653の間には、2本の棒状支持部651,651が溶接により固定されて設けられている。2本の棒状支持部651,651は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが調理容器の外周輪郭形状に近似した形状に成形されている。補強金具652は、棒状支持部651,651の配置および位置関係を固定し補強するためのものである。補強金具652は、移動板653および棒状支持部651,651に溶接固定されている。
【0051】
また、移動支持枠66と同様に、移動支持枠65の棒状支持部651もその曲線部分を含む平面が鉛直方向から微小な所定角度だけ傾斜するように配置されている。図8において鉛直方向が直線Vによって示されている。棒状支持部651は、その下端が鉛直位置よりも左方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置されている。
【0052】
この移動支持枠65は、ローラ601がガイドレール4,5の外側の案内路に配置される。隣接する移動支持枠66はガイドレール4,5の内側の案内路に配置されているので、移動支持枠65と移動支持枠66は移動板653,663やローラ601が衝突することなく、広範囲の移動が可能である。このため、棒状支持部651と棒状支持部661は非常に接近した位置にまで移動することができる。
【0053】
このような関係は他の移動支持枠でも同様である。隣接する移動支持枠および第2移動支持枠は互いに異なる案内路に配置され、交互に内側案内路と外側案内路とに順番に配置されている。図1を参照すれば、移動支持枠61,63,65、第2移動支持枠69、移動支持枠68は外側案内路に配置されており、移動支持枠62,64,66,67は内側案内路に配置されている。
【0054】
このように移動支持枠および第2移動支持枠を交互に内側案内路と外側案内路とに配置することにより、隣接する移動支持枠および第2移動支持枠が非常に接近した位置まで移動することが可能となる。そのため多種類の調理容器を重ね合わせて効率よく収納することができるようになる。そして、収納のための空間が大幅にコンパクト化されることになる。
【0055】
図11は、ガイドレール4の構成を示す断面図であり、ガイドレール4を右方向から見た断面図である。ガイドレール5についても、ガイドレール4と対称な構造であり、図の左右が逆になることを除けばガイドレール4と同じ構造である。ガイドレール4は、下方に開口溝が形成された、長手方向に一様な構造体である。ガイドレール4には、図示のように移動支持枠の移動板とローラ601が収容される。移動支持枠は、ガイドレール4の内側案内路または外側案内路に案内され、水平方向に移動可能となっている。
【0056】
ガイドレール4の内部にはローラ601を案内するための4つの案内面41,42,43,44が形成されている。案内面42,41はガイドレール4の内側部分の上下に配置されており、これらの案内面41,42が内側案内路を構成している。案内面44,43はガイドレール4の外側部分の上下に配置されており、これらの案内面43,44が外側案内路を構成している。
【0057】
このように上下の2つの案内面により1つの案内路を構成し、ガイドレール4には内側案内路と外側案内路の2つの案内路を備えているので、前述のように、移動支持枠および第2移動支持枠の移動範囲を広げ、隣接する移動支持枠および第2移動支持枠が非常に接近した位置まで移動することが可能となる。また、各案内路は上下2つの案内面により構成され、その各案内路を4つのローラ601を備えた移動板が移動するものであるため、移動支持枠は傾斜することなく水平状態を保って移動することができる。
【0058】
調理器具収納ラック1は、全体の寸法が一般家庭の台所に備えられた通常のキャビネットに収納可能な大きさであることが好ましい。実際の寸法は、幅:656mm、奥行き:373mm、高さ:257mmである。この大きさであればほとんどのメーカ製キッチン・キャビネットに収納可能である。なお、寸法は一例でありこれ以外の寸法でもよく、キャビネットに収納可能であれば好ましい。
【0059】
また、移動支持枠65,66と同様に、移動支持枠61〜64の棒状支持部も鉛直方向から微小な所定角度だけ傾斜するように配置することが望ましい。移動支持枠を正面から見た場合、棒状支持部は、その下端が鉛直位置よりも左方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置することが望ましい。
【0060】
移動支持枠67,68では、移動支持枠を正面から見た場合、支持する調理容器の重心が棒状支持部より右方となるため、棒状支持部の傾斜方向を逆方向とする。すなわち、移動支持枠67,68では、棒状支持部は、その下端が鉛直位置よりも右方となるように、鉛直方向から1.5度だけ傾斜して配置することが望ましい。
【0061】
以上のように、本発明の調理器具収納ラック1は、調理容器のフランジ部を2本の棒状支持部の間隙に挟み込んで支持するため、調理容器を横倒しの状態で安定して支持することができる。調理容器は揺れ動いたりせずに棒状支持部に対してほぼ一定の位置に保持される。そして、多種類の調理容器を横倒し状態で互いに重ね合わせて効率よく収納することができ、収納のための空間を大幅にコンパクト化することができる。また、各移動支持枠の移動可能範囲も広く、調理器具の収納および取り出しを容易に行うことができる。
【0062】
移動支持枠61〜64の棒状支持部は、簡素な構成により調理容器を正確な位置に安定して支持することができ、調理器具の収納安定性が良好な調理器具収納ラックを低コストで製造することができる。なお、以上に説明した実施の形態では、各移動支持枠に2本の棒状支持部を設けているが、2本に限らず3本以上の同様の棒状支持部を水平方向に互いに間隙を持って並行して配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、調理器具収納ラックに多種類の調理容器を横倒し状態で互いに重ね合わせて効率よく収納することができ、収納のための空間を大幅にコンパクト化することができる。また、調理器具の収納安定性が良好な調理器具収納ラックを低価格で提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 調理器具収納ラック
2,3 固定枠体
4,5 ガイドレール
20,21,22 補強バー
30,31,32 補強バー
23,33 固定支持部
41,42,44,43 案内面
61〜68 移動支持枠
69 第2移動支持枠
70〜79 調理容器
81〜87 蓋
601 ローラ
611,621,631,641 棒状支持部
651,661,671,681 棒状支持部
652,662 補強金具
653,663 移動板
691 支持棒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定枠体(2,3)と、
調理器具(71〜78)を支持して水平方向に移動可能な複数の移動支持枠(61〜68)と、
前記固定枠体(2,3)に固定され、前記移動支持枠(61〜68)を水平方向に案内可能な2本のガイドレール(4,5)とを有し、
前記移動支持枠(61〜68)は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが前記調理器具(71〜78)の外周輪郭形状に近似した形状とされた2本以上の棒状支持部を含み、
前記棒状支持部は、それらの間の間隙に前記調理器具(71〜78)のフランジ部を挿入して前記調理器具(71〜78)を横倒しの状態で支持するものであり、
複数の前記移動支持枠(61〜68)は、複数種類の前記調理器具(71〜78)の中の小径の調理器具の一部が他の大径の調理器具内に収容可能となるように配置されたものである調理器具収納ラック。
【請求項2】
請求項1に記載した調理器具収納ラックであって、
前記ガイドレール(4,5)は、ガイドレール間の空間に前記調理器具(71〜78)が収容可能となるように平行に配置され、前記移動支持枠(61〜68)を案内する案内路として内側に配置された内側案内路(41,42)と外側に配置された外側案内路(43,44)が設けられたものであり、
前記移動支持枠(61〜68)は、前記内側案内路(41,42)または前記外側案内路(43,44)のいずれかに案内されて転動するローラ(601)を備えたものである調理器具収納ラック。
【請求項3】
請求項2に記載した調理器具収納ラックであって、
複数の前記移動支持枠(71〜78)の隣接するもの同士が前記内側案内路(41,42)または前記外側案内路(43,44)の互いに異なる案内路に案内されるように配置されたものである調理器具収納ラック。
【請求項4】
請求項2,3のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記内側案内路(41,42)および前記外側案内路(43,44)は、それぞれが上下に2本の案内面を備えたものである調理器具収納ラック。
【請求項5】
請求項4に記載した調理器具収納ラックであって、
前記移動支持枠(71〜78)は、1本の前記ガイドレール(4,5)に対してそれぞれ前記ローラ(601)を4個ずつ備えたものである調理器具収納ラック。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記棒状支持部(651,661)は、前記調理器具(71〜78)の横倒し方向が水平に近くなるように、曲線部分を含む平面が鉛直方向に対して所定角度傾斜して配置されたものである調理器具収納ラック。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記固定枠体(2,3)に固定され、前記調理器具(70,79,87)を支持する固定支持部(23,33)を有する調理器具収納ラック。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記調理器具(81〜86)を支持し、前記ガイドレール(4,5)に案内されて水平方向に移動可能な第2移動支持枠(69)を有し、
前記第2移動支持枠(69)は、支持棒(691)を前記調理器具(81〜86)に設けられた貫通孔に挿入して前記調理器具(81〜86)を支持するものである調理器具収納ラック。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
調理器具収納ラック全体の寸法が、台所に備えられた通常のキャビネットに収納可能な大きさである調理器具収納ラック。
【請求項1】
固定枠体(2,3)と、
調理器具(71〜78)を支持して水平方向に移動可能な複数の移動支持枠(61〜68)と、
前記固定枠体(2,3)に固定され、前記移動支持枠(61〜68)を水平方向に案内可能な2本のガイドレール(4,5)とを有し、
前記移動支持枠(61〜68)は、水平方向に互いに間隙を持って並行して配置され、それぞれが前記調理器具(71〜78)の外周輪郭形状に近似した形状とされた2本以上の棒状支持部を含み、
前記棒状支持部は、それらの間の間隙に前記調理器具(71〜78)のフランジ部を挿入して前記調理器具(71〜78)を横倒しの状態で支持するものであり、
複数の前記移動支持枠(61〜68)は、複数種類の前記調理器具(71〜78)の中の小径の調理器具の一部が他の大径の調理器具内に収容可能となるように配置されたものである調理器具収納ラック。
【請求項2】
請求項1に記載した調理器具収納ラックであって、
前記ガイドレール(4,5)は、ガイドレール間の空間に前記調理器具(71〜78)が収容可能となるように平行に配置され、前記移動支持枠(61〜68)を案内する案内路として内側に配置された内側案内路(41,42)と外側に配置された外側案内路(43,44)が設けられたものであり、
前記移動支持枠(61〜68)は、前記内側案内路(41,42)または前記外側案内路(43,44)のいずれかに案内されて転動するローラ(601)を備えたものである調理器具収納ラック。
【請求項3】
請求項2に記載した調理器具収納ラックであって、
複数の前記移動支持枠(71〜78)の隣接するもの同士が前記内側案内路(41,42)または前記外側案内路(43,44)の互いに異なる案内路に案内されるように配置されたものである調理器具収納ラック。
【請求項4】
請求項2,3のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記内側案内路(41,42)および前記外側案内路(43,44)は、それぞれが上下に2本の案内面を備えたものである調理器具収納ラック。
【請求項5】
請求項4に記載した調理器具収納ラックであって、
前記移動支持枠(71〜78)は、1本の前記ガイドレール(4,5)に対してそれぞれ前記ローラ(601)を4個ずつ備えたものである調理器具収納ラック。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記棒状支持部(651,661)は、前記調理器具(71〜78)の横倒し方向が水平に近くなるように、曲線部分を含む平面が鉛直方向に対して所定角度傾斜して配置されたものである調理器具収納ラック。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記固定枠体(2,3)に固定され、前記調理器具(70,79,87)を支持する固定支持部(23,33)を有する調理器具収納ラック。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
前記調理器具(81〜86)を支持し、前記ガイドレール(4,5)に案内されて水平方向に移動可能な第2移動支持枠(69)を有し、
前記第2移動支持枠(69)は、支持棒(691)を前記調理器具(81〜86)に設けられた貫通孔に挿入して前記調理器具(81〜86)を支持するものである調理器具収納ラック。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載した調理器具収納ラックであって、
調理器具収納ラック全体の寸法が、台所に備えられた通常のキャビネットに収納可能な大きさである調理器具収納ラック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−90719(P2012−90719A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239569(P2010−239569)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(501469412)株式会社クリヤマ (3)
【出願人】(506360631)株式会社三条工機製作所 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(501469412)株式会社クリヤマ (3)
【出願人】(506360631)株式会社三条工機製作所 (4)
【Fターム(参考)】
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