調理排気の測定方法
【課題】調理排気に含まれるオイルミストの主成分は脂肪酸であると考えられ、オイルミストには脂肪酸の他にも様々な成分が含まれている。例えば、不完全燃焼生成物である多環芳香族炭化水素、及び直鎖炭化水素が含まれている。このため、オイルミストそのものを捕集して成分を同定、定量することが、オイルミストの捕集効率を検証するために不可欠である。調理排気のオイルミストを直接捕集して成分の測定を行う。
【解決手段】調理排気のオイルミストを捕集し、捕集したオイルミストの脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を分離して測定し、オイルミストそのものから、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を分離して成分を測定する。
【解決手段】調理排気のオイルミストを捕集し、捕集したオイルミストの脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を分離して測定し、オイルミストそのものから、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を分離して成分を測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理排気のオイルミストを直接捕集することで化学成分の測定を行う調理排気の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
調理は特殊な場合を除いて厨房内で行われ、調理排気のオイルミストを捕集する排気システムが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。調理器具としては、ガス調理器やIH調理器による加熱調理が広く実施されている。調理排気を吸引する排気フードに関し、ガス加熱器を用いた場合、吸引するオイルミストに加えて燃焼に用いた空気を吸引して屋外に排出する必要がある。一方、IH調理器を用いた場合、加熱に燃焼を伴わないため、排気フードでは、発生したオイルミストだけを捕集するのに十分な面風速があればよい。
【0003】
このようなことから、調理排気(オイルミスト)の捕集効率を検証・評価することにより、調理器具の違いによる最適な面風速を選択して効率の良い排気システムを構築することができる。調理排気(オイルミスト)の捕集効率を検証・評価するため、硫黄成分や二酸化炭素等を含むトレーサガスを用いた模擬試験が行われている。しかし、調理に伴い発生するオイルミストは、粒径が様々でありガスとは異なる挙動を示すことが考えられ、捕集効率を正確に検証することは不可能である。
【0004】
また、調理排気に含まれるオイルミストの主成分は脂肪酸であると考えられ、オイルミストには脂肪酸の他にも様々な成分が含まれている。例えば、不完全燃焼生成物である多環芳香族炭化水素、及び直鎖炭化水素が含まれている。このため、オイルミストそのものを捕集して成分を同定、定量することが、オイルミストの捕集効率を検証するために不可欠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−91223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、調理排気のオイルミストを直接捕集して成分の測定を行うことができる調理排気の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の調理排気の測定方法は、調理排気のオイルミストを捕集し、捕集したオイルミストの化学成分を分離し、分離した化学成分を測定することを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る本発明では、オイルミストそのものから、化学成分を分離して化学成分を測定することができ、調理排気のオイルミストを直接捕集して化学成分の測定を行うことが可能になる。
【0009】
そして、請求項2に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項1に記載の調理排気の測定方法において、化学成分は、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る本発明では、オイルミストそのものから、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を分離して成分を測定することができる。
【0011】
また、請求項3に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項2に記載の調理排気の測定方法において、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素の極性差を利用し、固定吸着剤を用いて各成分を分離することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る本発明では、脂肪酸と多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を容易に分離して同定・定量することができる。
【0013】
また、請求項4に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項3に記載の調理排気の測定方法において、多環芳香族炭化水素及び直鎖炭化水素を共存させて各成分を分離することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、オイルミストの捕集は、調理排気のダクトに備えたフィルターで捕集することを特徴とする。また、請求項6に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項5に記載の調理排気の測定方法において、フィルターはガラス繊維フィルターであることを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る本発明では、フィルターによりオイルミストを捕集することができ、請求項6に係る本発明では、ガラス繊維フィルターによりオイルミストを捕集することができ、大部分のオイルミストを捕集することができる。
【0016】
フードとダクトの間に目の粗いフィルターを装着することにより、フードの面風速を落とすことなくオイルミストをサンプリングすることが可能になる。また、オイルミストの化学成分を測定するに際し、一般的には、フードにつながるダクトから一部のオイルミストを取り出し、取り出した化学成分と風量との関係から全体の化学成分の状態を推定している。これに対し、ガラス繊維フィルターを装着することにより、発生するオイルミストの殆どを捕集することができるので、一部を取り出す既存の測定に比べて正確に測定することができる。
【0017】
また、請求項7に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項6に記載の調理排気の測定方法において、ガラス繊維フィルターの後流側のダクトから補助ダクトを分岐して備えると共に、補助ダクトに石英繊維ろ紙を備え、ガラス繊維フィルターを通過した調理排気を石英繊維ろ紙で捕集することにより、ガラス繊維フィルターでのオイルミストの捕集状況を評価することを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る本発明では、ガラス繊維フィルターを通過した調理排気を石英繊維ろ紙で捕集することで、ダクトの風量の低下を招かずにガラス繊維フィルターでオイルミストを捕集できたか否かを容易に確認することができる。
【0019】
ガラス繊維フィルターの後段で、目の細かい石英繊維ろ紙により調理排気を捕集することで、ガラス繊維フィルターで捕集しきれなかった一部のオイルミストの成分量を把握することができる。そして、ガラス繊維フィルターで捕集したオイルミストをガラス繊維フィルターで捕集したオイルミストに加えることで、調理排気全体のオイルミストの成分量を極めて正確に把握することができ、オイルミストの捕集効率の評価を正確に行うことができる。
【0020】
また、請求項8に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、化学成分を測定することで、オイルミストの捕集効率を評価することを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る本発明では、オイルミストの捕集効率を評価することで、例えば、調理機器に応じて必要な面風速を的確に導き出すことができ、吸引する調理排気に応じた効率の良い排気システムを構築することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の調理排気の測定方法は、調理排気のオイルミストを直接捕集して化学成分の測定を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】測定対象成分の表図である。
【図2】オイルミストの捕集状況を表す概念図である。
【図3】ガスクロマトグラフ質量分析計のクロマトグラムである。
【図4】標準物質混合試料の成分の回収率を表すグラフである。
【図5】模擬試料の成分の回収率を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の調理排気の測定方法は、調理排気に含まれるオイルミストそのものを捕集し、オイルミストの化学成分を個別に同定、定量する方法である。測定対象とした化学成分は、オイルミストの主成分である脂肪酸、不完全燃焼生成物である多環芳香族炭化水素(PAH)、及び、直鎖炭化水素としている。
【0025】
測定対象とした化学成分は、図1の表に示すように、脂肪酸が10成分、PAHが19成分、直鎖炭化水素が3成分である。脂肪酸(Cx:y)は、炭素数をx、分子内の不飽和結合数をyで表してある。対象とした脂肪酸は、主要な植物油や動物油脂に多く含まれるものであり、これらの測定によりオイルミスト中の脂肪酸がほとんど網羅される。直鎖炭化水素は、化石燃料の燃焼により排出される他、食材の加熱調理により排出されると考えられる。
【0026】
脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素の分離は、各成分の極性差を利用し、固定吸着剤を用いて分離し、脂肪酸とPAH、直鎖炭化水素を同定・定量する。この場合、PAH及び直鎖炭化水素を共存させて個別の成分を分析する。
【0027】
図2に基づいて調理排気に含まれるオイルミストそのものを捕集する状況を説明する。図2には本発明の一実施例に係る調理排気の測定方法を実施するためのフード周りの概略を示してある。
【0028】
調理器具(ガス加熱器、IH調理器等)1の上部には排気フード2が配され、排気フード2にはダクト3が接続されている。排気フード2の内部のダクト3の入口部にはフィルターとしてのガラス繊維フィルター4が備えられ、ガラス繊維フィルター4により調理排気5のオイルミストが捕集される。
【0029】
ガラス繊維フィルター4の後流側のダクト3から分岐して補助ダクト6が備えられ、補助ダクト6には石英繊維ろ紙7が設けられている。補助ダクト6には吸引ポンプ8が設けられ、吸引ポンプ8によりガラス繊維フィルター4を通過した調理排気の一部が補助ダクト6に導かれる。ガラス繊維フィルター4を通過した調理排気の一部を石英繊維ろ紙7で捕集し、捕集した成分を評価することにより、ガラス繊維フィルター4でのオイルミストの捕集状態を確認することができる(捕集状況の評価)。
【0030】
ガラス繊維フィルター4を装着した場合であっても、風速の低下はほとんどなく、排気ファンの圧力損失を抑えてオイルミストを捕集することができる。排気フード2に到達したオイルミストを全量とした場合の捕集率を評価した。補助ダクト6に導く調理排気は、ダクト3の平均風速に近い中心点から採取し、PAH及び直鎖炭化水素を測定した(測定の具体例は後述する)。
【0031】
測定の結果、対象成分の90%以上がガラス繊維フィルター4に捕捉されていることが確認されている。特に、PAHはガラス繊維フィルター4に捕捉されていることが確認されている。このため、ガラス繊維フィルター4を用いることで調理排気のオイルミストの全量を略定量的に採取することが可能である。
【0032】
ガラス繊維フィルター4の捕捉されたオイルミストの成分量と石英繊維ろ紙7で捕集したオイルミストの成分量を合算することで、発生したオイルミストの全量を評価することが可能である。
【0033】
オイルミストの成分測定について具体的に説明する。
【0034】
脂肪酸、PAH、直鎖炭化水素の分離は、極性差を利用し、固定吸着剤を用いてカラム分離を行った。つまり、固定吸着剤をシリカ系吸着剤とし、展開溶媒としてヘキサン+ジクロロメタン(10+1)、ジクロロメタン+メタノール(1+1)、メタノールを順に流して対象成分を分離した。尚、展開溶媒の割合は一例であり、他の割合の溶媒を用いることができる。
【0035】
PAHと全ての直鎖炭化水素がヘキサン+ジクロロメタンの画分に分離され、脂肪酸は全てがジクロロメタン+メタノールの画分で溶出した。PAHと直鎖炭化水素は分離されていないものの、PAHと直鎖炭化水素のオイルミスト中の存在比率は大差ないので、PAHと直鎖炭化水素が共存していても互いの同定、定量に与える影響は極めて少ない。
【0036】
カラムによる成分分離後は、脂肪酸試料をメチルエステル化する。そして、PAHと直鎖炭化水素の混合試料と、メチルエステル化した脂肪酸試料とに分けることができる。各試料について、ガスクロマトグラフ質量分析計により成分分析を行った。
【0037】
PAHと直鎖炭化水素の混合試料について、ガスクロマトグラフ質量分析計のカラム槽昇温条件を以下の通り設定した。50℃(min)→(30℃/min昇温)→140℃(0min)→(5℃/min昇温)→320℃(10min)。この条件で、各成分濃度を1(ng/μL)としたPAH+直鎖炭化水素の混合試料(標準試薬)を測定した結果、各成分は注入量に対して±10%の範囲で、他成分の妨害を受けることなく、同定、定量できることが確認された。また、10回の繰り返し測定の結果、各成分の定量値の変動幅は平均値±15%の範囲に収まったことが確認された。
【0038】
メチルエステル化した脂肪酸試料について、ガスクロマトグラフ質量分析計のカラム槽昇温条件を以下の通り設定した。50℃(min)→(30℃/min昇温)→170℃(0min)→(1℃/min昇温)→190℃(0min)→(10℃/min昇温)→320℃(12min)。脂肪酸エステル(標準試料)のガスクロマトグラフ質量分析計のクロマトグラムを示した図3より、C18:2とC18:3のピークは近接するものの、同定、定量に支障がないことが確認された。
【0039】
尚、上記諸条件は一例であり、種々変更することが可能である。
【0040】
この条件で、各成分濃度を1(ng/μL)とした脂肪酸メチルエステル混合試料(標準試薬)を測定した結果、各成分は注入量に対して±15%の範囲で、他成分の妨害を受けることなく、同定、定量できることが確認された。また、10回の繰り返し測定の結果、各成分の定量値の変動幅は平均値±15%の範囲に収まったことが確認された。
【0041】
従って、測定対象成分はガスクロマトグラフ質量分析計で測定できることが判る。
【0042】
上述した調理排気の測定方法の妥当性を評価するため、標準試薬及びモデル試料を用いた測定を実施した。図4、図5に基づいて評価の測定の状況を説明する。
【0043】
図1に示した各成分の濃度を1(ng/μL)とした直鎖炭化水素、PAH及び脂肪酸の各標準物質の混合液(ヘキサン溶液)を作製した。この一定量をガラス繊維フィルター上に噴霧したものを分析試料として各成分を測定した。合わせて、一定量のヘキサンをガラス繊維フィルター上に噴霧したものを分析試料として、前述同様に前処理を行うと共に工程ブランクを確認した。
【0044】
その結果を図4に示してある。図4に示すように、直鎖炭化水素3成分及び脂肪酸10成分はいずれも80%以上の高い回収率を示した。これに対しPAHは、低分子量のナフタレン、アセナフチレンにおいて回収率が低くなったものの、それ以外の成分は80%以上の回収率を示した。ナフタレンやアセナフチレンは揮発性が高いため、前処理工程で一部が揮発したもので、内部標準を加えることで補正が可能である。工程ブランクは何れの成分もほとんど検出されなかった。各試料について3回の繰り返し測定を行った結果、各成分の定量値は±10%の範囲に収まった。
【0045】
これらの結果により、標準試薬を用いた場合に、上述した調理排気の測定方法によって、各成分が同定、定量できることが確認された。尚、図中のエラーバーは、繰り返し測定の平均からのずれを表している。
【0046】
一方、模擬試料として市販のオリーブオイル5μLに、直鎖炭化水素とPAHの混合溶液(ヘキサン溶液、各成分1ng/μL)50μLを添加して、ヘキサンで0.5mLに定容した試料を作成した。このとき、直鎖炭化水素及びPAHの存在比率は、脂肪酸の10−5を下回る。このモデル試料に対し、前述した前処理を行ってガスクロマトグラフ質量分析計で測定を実施した。また、ブランク試験として、直鎖炭化水素とPAHの混合溶液を添加しないオリーブオイルについても同様の測定を実施した。
【0047】
この評価では、脂肪酸と比較してごく僅かしか存在していない直鎖炭化水素とPAHが、脂肪酸の影響を受けずに同定、定量できるか否かを評価することを主眼としている。このため、脂肪酸は測定対象としていない。
【0048】
標準物質を添加した試料の測定結果を図5に示してある。図5に示すように、低分子量のナフタレン、アセナフチレンを除いて、各成分は80%以上の割合で回収された。また、3回の繰り返し測定においても、定量値は±10%の範囲に収まった。尚、標準物質を添加していない試料からは、直鎖炭化水素とPAHは全く検出されなかった。
【0049】
これらの結果により、脂肪酸が直鎖炭化水素やPAHと比較して105倍以上多く存在するオイルミスト試料においても調理排気の測定方法を適用できることが確認された。尚、図中のエラーバーは、繰り返し測定の平均からのずれを表している。
【0050】
上述した調理排気の測定方法では、試料採取はガラス繊維フィルターを用いて行い、前処理ではシリカ系吸着剤による成分分離により行うことで、各成分は妨害しあうことなく、ガスクロマトグラフ質量分析計で同定、定量できることが確認された。また、妥当性を評価した結果、対象成分が同定、定量できることが確認され、破過の可能性がないことが確認された。この結果、調理排気中のオイルミストの各成分の同定、定量を行うことができ、調理排気のオイルミストを直接捕集して成分の測定を行うことが可能になる。
【0051】
調理排気のオイルミストを直接捕集して成分の測定を行うことで、例えば、調理排気の成分に基づいて、燃焼を伴う調理器具や電気調理器等毎に、捕集のための面風速等の排気基準の評価を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、調理排気のオイルミストを直接捕集することで化学成分の測定を行う調理排気の測定方法の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 調理器具
2 排気フード
3 ダクト
4 ガラス繊維フィルター
5 調理排気
6 補助ダクト
7 石英繊維ろ紙
8 吸引ポンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理排気のオイルミストを直接捕集することで化学成分の測定を行う調理排気の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
調理は特殊な場合を除いて厨房内で行われ、調理排気のオイルミストを捕集する排気システムが種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。調理器具としては、ガス調理器やIH調理器による加熱調理が広く実施されている。調理排気を吸引する排気フードに関し、ガス加熱器を用いた場合、吸引するオイルミストに加えて燃焼に用いた空気を吸引して屋外に排出する必要がある。一方、IH調理器を用いた場合、加熱に燃焼を伴わないため、排気フードでは、発生したオイルミストだけを捕集するのに十分な面風速があればよい。
【0003】
このようなことから、調理排気(オイルミスト)の捕集効率を検証・評価することにより、調理器具の違いによる最適な面風速を選択して効率の良い排気システムを構築することができる。調理排気(オイルミスト)の捕集効率を検証・評価するため、硫黄成分や二酸化炭素等を含むトレーサガスを用いた模擬試験が行われている。しかし、調理に伴い発生するオイルミストは、粒径が様々でありガスとは異なる挙動を示すことが考えられ、捕集効率を正確に検証することは不可能である。
【0004】
また、調理排気に含まれるオイルミストの主成分は脂肪酸であると考えられ、オイルミストには脂肪酸の他にも様々な成分が含まれている。例えば、不完全燃焼生成物である多環芳香族炭化水素、及び直鎖炭化水素が含まれている。このため、オイルミストそのものを捕集して成分を同定、定量することが、オイルミストの捕集効率を検証するために不可欠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−91223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、調理排気のオイルミストを直接捕集して成分の測定を行うことができる調理排気の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の調理排気の測定方法は、調理排気のオイルミストを捕集し、捕集したオイルミストの化学成分を分離し、分離した化学成分を測定することを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る本発明では、オイルミストそのものから、化学成分を分離して化学成分を測定することができ、調理排気のオイルミストを直接捕集して化学成分の測定を行うことが可能になる。
【0009】
そして、請求項2に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項1に記載の調理排気の測定方法において、化学成分は、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る本発明では、オイルミストそのものから、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を分離して成分を測定することができる。
【0011】
また、請求項3に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項2に記載の調理排気の測定方法において、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素の極性差を利用し、固定吸着剤を用いて各成分を分離することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る本発明では、脂肪酸と多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素を容易に分離して同定・定量することができる。
【0013】
また、請求項4に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項3に記載の調理排気の測定方法において、多環芳香族炭化水素及び直鎖炭化水素を共存させて各成分を分離することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、オイルミストの捕集は、調理排気のダクトに備えたフィルターで捕集することを特徴とする。また、請求項6に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項5に記載の調理排気の測定方法において、フィルターはガラス繊維フィルターであることを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る本発明では、フィルターによりオイルミストを捕集することができ、請求項6に係る本発明では、ガラス繊維フィルターによりオイルミストを捕集することができ、大部分のオイルミストを捕集することができる。
【0016】
フードとダクトの間に目の粗いフィルターを装着することにより、フードの面風速を落とすことなくオイルミストをサンプリングすることが可能になる。また、オイルミストの化学成分を測定するに際し、一般的には、フードにつながるダクトから一部のオイルミストを取り出し、取り出した化学成分と風量との関係から全体の化学成分の状態を推定している。これに対し、ガラス繊維フィルターを装着することにより、発生するオイルミストの殆どを捕集することができるので、一部を取り出す既存の測定に比べて正確に測定することができる。
【0017】
また、請求項7に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項6に記載の調理排気の測定方法において、ガラス繊維フィルターの後流側のダクトから補助ダクトを分岐して備えると共に、補助ダクトに石英繊維ろ紙を備え、ガラス繊維フィルターを通過した調理排気を石英繊維ろ紙で捕集することにより、ガラス繊維フィルターでのオイルミストの捕集状況を評価することを特徴とする。
【0018】
請求項7に係る本発明では、ガラス繊維フィルターを通過した調理排気を石英繊維ろ紙で捕集することで、ダクトの風量の低下を招かずにガラス繊維フィルターでオイルミストを捕集できたか否かを容易に確認することができる。
【0019】
ガラス繊維フィルターの後段で、目の細かい石英繊維ろ紙により調理排気を捕集することで、ガラス繊維フィルターで捕集しきれなかった一部のオイルミストの成分量を把握することができる。そして、ガラス繊維フィルターで捕集したオイルミストをガラス繊維フィルターで捕集したオイルミストに加えることで、調理排気全体のオイルミストの成分量を極めて正確に把握することができ、オイルミストの捕集効率の評価を正確に行うことができる。
【0020】
また、請求項8に係る本発明の調理排気の測定方法は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、化学成分を測定することで、オイルミストの捕集効率を評価することを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る本発明では、オイルミストの捕集効率を評価することで、例えば、調理機器に応じて必要な面風速を的確に導き出すことができ、吸引する調理排気に応じた効率の良い排気システムを構築することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の調理排気の測定方法は、調理排気のオイルミストを直接捕集して化学成分の測定を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】測定対象成分の表図である。
【図2】オイルミストの捕集状況を表す概念図である。
【図3】ガスクロマトグラフ質量分析計のクロマトグラムである。
【図4】標準物質混合試料の成分の回収率を表すグラフである。
【図5】模擬試料の成分の回収率を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の調理排気の測定方法は、調理排気に含まれるオイルミストそのものを捕集し、オイルミストの化学成分を個別に同定、定量する方法である。測定対象とした化学成分は、オイルミストの主成分である脂肪酸、不完全燃焼生成物である多環芳香族炭化水素(PAH)、及び、直鎖炭化水素としている。
【0025】
測定対象とした化学成分は、図1の表に示すように、脂肪酸が10成分、PAHが19成分、直鎖炭化水素が3成分である。脂肪酸(Cx:y)は、炭素数をx、分子内の不飽和結合数をyで表してある。対象とした脂肪酸は、主要な植物油や動物油脂に多く含まれるものであり、これらの測定によりオイルミスト中の脂肪酸がほとんど網羅される。直鎖炭化水素は、化石燃料の燃焼により排出される他、食材の加熱調理により排出されると考えられる。
【0026】
脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素の分離は、各成分の極性差を利用し、固定吸着剤を用いて分離し、脂肪酸とPAH、直鎖炭化水素を同定・定量する。この場合、PAH及び直鎖炭化水素を共存させて個別の成分を分析する。
【0027】
図2に基づいて調理排気に含まれるオイルミストそのものを捕集する状況を説明する。図2には本発明の一実施例に係る調理排気の測定方法を実施するためのフード周りの概略を示してある。
【0028】
調理器具(ガス加熱器、IH調理器等)1の上部には排気フード2が配され、排気フード2にはダクト3が接続されている。排気フード2の内部のダクト3の入口部にはフィルターとしてのガラス繊維フィルター4が備えられ、ガラス繊維フィルター4により調理排気5のオイルミストが捕集される。
【0029】
ガラス繊維フィルター4の後流側のダクト3から分岐して補助ダクト6が備えられ、補助ダクト6には石英繊維ろ紙7が設けられている。補助ダクト6には吸引ポンプ8が設けられ、吸引ポンプ8によりガラス繊維フィルター4を通過した調理排気の一部が補助ダクト6に導かれる。ガラス繊維フィルター4を通過した調理排気の一部を石英繊維ろ紙7で捕集し、捕集した成分を評価することにより、ガラス繊維フィルター4でのオイルミストの捕集状態を確認することができる(捕集状況の評価)。
【0030】
ガラス繊維フィルター4を装着した場合であっても、風速の低下はほとんどなく、排気ファンの圧力損失を抑えてオイルミストを捕集することができる。排気フード2に到達したオイルミストを全量とした場合の捕集率を評価した。補助ダクト6に導く調理排気は、ダクト3の平均風速に近い中心点から採取し、PAH及び直鎖炭化水素を測定した(測定の具体例は後述する)。
【0031】
測定の結果、対象成分の90%以上がガラス繊維フィルター4に捕捉されていることが確認されている。特に、PAHはガラス繊維フィルター4に捕捉されていることが確認されている。このため、ガラス繊維フィルター4を用いることで調理排気のオイルミストの全量を略定量的に採取することが可能である。
【0032】
ガラス繊維フィルター4の捕捉されたオイルミストの成分量と石英繊維ろ紙7で捕集したオイルミストの成分量を合算することで、発生したオイルミストの全量を評価することが可能である。
【0033】
オイルミストの成分測定について具体的に説明する。
【0034】
脂肪酸、PAH、直鎖炭化水素の分離は、極性差を利用し、固定吸着剤を用いてカラム分離を行った。つまり、固定吸着剤をシリカ系吸着剤とし、展開溶媒としてヘキサン+ジクロロメタン(10+1)、ジクロロメタン+メタノール(1+1)、メタノールを順に流して対象成分を分離した。尚、展開溶媒の割合は一例であり、他の割合の溶媒を用いることができる。
【0035】
PAHと全ての直鎖炭化水素がヘキサン+ジクロロメタンの画分に分離され、脂肪酸は全てがジクロロメタン+メタノールの画分で溶出した。PAHと直鎖炭化水素は分離されていないものの、PAHと直鎖炭化水素のオイルミスト中の存在比率は大差ないので、PAHと直鎖炭化水素が共存していても互いの同定、定量に与える影響は極めて少ない。
【0036】
カラムによる成分分離後は、脂肪酸試料をメチルエステル化する。そして、PAHと直鎖炭化水素の混合試料と、メチルエステル化した脂肪酸試料とに分けることができる。各試料について、ガスクロマトグラフ質量分析計により成分分析を行った。
【0037】
PAHと直鎖炭化水素の混合試料について、ガスクロマトグラフ質量分析計のカラム槽昇温条件を以下の通り設定した。50℃(min)→(30℃/min昇温)→140℃(0min)→(5℃/min昇温)→320℃(10min)。この条件で、各成分濃度を1(ng/μL)としたPAH+直鎖炭化水素の混合試料(標準試薬)を測定した結果、各成分は注入量に対して±10%の範囲で、他成分の妨害を受けることなく、同定、定量できることが確認された。また、10回の繰り返し測定の結果、各成分の定量値の変動幅は平均値±15%の範囲に収まったことが確認された。
【0038】
メチルエステル化した脂肪酸試料について、ガスクロマトグラフ質量分析計のカラム槽昇温条件を以下の通り設定した。50℃(min)→(30℃/min昇温)→170℃(0min)→(1℃/min昇温)→190℃(0min)→(10℃/min昇温)→320℃(12min)。脂肪酸エステル(標準試料)のガスクロマトグラフ質量分析計のクロマトグラムを示した図3より、C18:2とC18:3のピークは近接するものの、同定、定量に支障がないことが確認された。
【0039】
尚、上記諸条件は一例であり、種々変更することが可能である。
【0040】
この条件で、各成分濃度を1(ng/μL)とした脂肪酸メチルエステル混合試料(標準試薬)を測定した結果、各成分は注入量に対して±15%の範囲で、他成分の妨害を受けることなく、同定、定量できることが確認された。また、10回の繰り返し測定の結果、各成分の定量値の変動幅は平均値±15%の範囲に収まったことが確認された。
【0041】
従って、測定対象成分はガスクロマトグラフ質量分析計で測定できることが判る。
【0042】
上述した調理排気の測定方法の妥当性を評価するため、標準試薬及びモデル試料を用いた測定を実施した。図4、図5に基づいて評価の測定の状況を説明する。
【0043】
図1に示した各成分の濃度を1(ng/μL)とした直鎖炭化水素、PAH及び脂肪酸の各標準物質の混合液(ヘキサン溶液)を作製した。この一定量をガラス繊維フィルター上に噴霧したものを分析試料として各成分を測定した。合わせて、一定量のヘキサンをガラス繊維フィルター上に噴霧したものを分析試料として、前述同様に前処理を行うと共に工程ブランクを確認した。
【0044】
その結果を図4に示してある。図4に示すように、直鎖炭化水素3成分及び脂肪酸10成分はいずれも80%以上の高い回収率を示した。これに対しPAHは、低分子量のナフタレン、アセナフチレンにおいて回収率が低くなったものの、それ以外の成分は80%以上の回収率を示した。ナフタレンやアセナフチレンは揮発性が高いため、前処理工程で一部が揮発したもので、内部標準を加えることで補正が可能である。工程ブランクは何れの成分もほとんど検出されなかった。各試料について3回の繰り返し測定を行った結果、各成分の定量値は±10%の範囲に収まった。
【0045】
これらの結果により、標準試薬を用いた場合に、上述した調理排気の測定方法によって、各成分が同定、定量できることが確認された。尚、図中のエラーバーは、繰り返し測定の平均からのずれを表している。
【0046】
一方、模擬試料として市販のオリーブオイル5μLに、直鎖炭化水素とPAHの混合溶液(ヘキサン溶液、各成分1ng/μL)50μLを添加して、ヘキサンで0.5mLに定容した試料を作成した。このとき、直鎖炭化水素及びPAHの存在比率は、脂肪酸の10−5を下回る。このモデル試料に対し、前述した前処理を行ってガスクロマトグラフ質量分析計で測定を実施した。また、ブランク試験として、直鎖炭化水素とPAHの混合溶液を添加しないオリーブオイルについても同様の測定を実施した。
【0047】
この評価では、脂肪酸と比較してごく僅かしか存在していない直鎖炭化水素とPAHが、脂肪酸の影響を受けずに同定、定量できるか否かを評価することを主眼としている。このため、脂肪酸は測定対象としていない。
【0048】
標準物質を添加した試料の測定結果を図5に示してある。図5に示すように、低分子量のナフタレン、アセナフチレンを除いて、各成分は80%以上の割合で回収された。また、3回の繰り返し測定においても、定量値は±10%の範囲に収まった。尚、標準物質を添加していない試料からは、直鎖炭化水素とPAHは全く検出されなかった。
【0049】
これらの結果により、脂肪酸が直鎖炭化水素やPAHと比較して105倍以上多く存在するオイルミスト試料においても調理排気の測定方法を適用できることが確認された。尚、図中のエラーバーは、繰り返し測定の平均からのずれを表している。
【0050】
上述した調理排気の測定方法では、試料採取はガラス繊維フィルターを用いて行い、前処理ではシリカ系吸着剤による成分分離により行うことで、各成分は妨害しあうことなく、ガスクロマトグラフ質量分析計で同定、定量できることが確認された。また、妥当性を評価した結果、対象成分が同定、定量できることが確認され、破過の可能性がないことが確認された。この結果、調理排気中のオイルミストの各成分の同定、定量を行うことができ、調理排気のオイルミストを直接捕集して成分の測定を行うことが可能になる。
【0051】
調理排気のオイルミストを直接捕集して成分の測定を行うことで、例えば、調理排気の成分に基づいて、燃焼を伴う調理器具や電気調理器等毎に、捕集のための面風速等の排気基準の評価を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、調理排気のオイルミストを直接捕集することで化学成分の測定を行う調理排気の測定方法の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 調理器具
2 排気フード
3 ダクト
4 ガラス繊維フィルター
5 調理排気
6 補助ダクト
7 石英繊維ろ紙
8 吸引ポンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理排気のオイルミストを捕集し、
捕集したオイルミストの化学成分を分離し、分離した化学成分を測定する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の調理排気の測定方法において、
化学成分は、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素である
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の調理排気の測定方法において、
脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素の極性差を利用し、固定吸着剤を用いて各成分を分離する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の調理排気の測定方法において、
多環芳香族炭化水素及び直鎖炭化水素を共存させて各成分を分離する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、
オイルミストの捕集は、調理排気のダクトに備えたフィルターで捕集する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項6】
請求項5に記載の調理排気の測定方法において、
フィルターはガラス繊維フィルターである
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の調理排気の測定方法において、
ガラス繊維フィルターの後流側のダクトから補助ダクトを分岐して備えると共に、補助ダクトに石英繊維ろ紙を備え、ガラス繊維フィルターを通過した調理排気を石英繊維ろ紙で捕集することにより、ガラス繊維フィルターでのオイルミストの捕集状況を評価する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、
化学成分を測定することで、オイルミストの捕集効率を評価する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項1】
調理排気のオイルミストを捕集し、
捕集したオイルミストの化学成分を分離し、分離した化学成分を測定する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の調理排気の測定方法において、
化学成分は、脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素である
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項3】
請求項2に記載の調理排気の測定方法において、
脂肪酸、多環芳香族炭化水素、直鎖炭化水素の極性差を利用し、固定吸着剤を用いて各成分を分離する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項4】
請求項3に記載の調理排気の測定方法において、
多環芳香族炭化水素及び直鎖炭化水素を共存させて各成分を分離する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、
オイルミストの捕集は、調理排気のダクトに備えたフィルターで捕集する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項6】
請求項5に記載の調理排気の測定方法において、
フィルターはガラス繊維フィルターである
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の調理排気の測定方法において、
ガラス繊維フィルターの後流側のダクトから補助ダクトを分岐して備えると共に、補助ダクトに石英繊維ろ紙を備え、ガラス繊維フィルターを通過した調理排気を石英繊維ろ紙で捕集することにより、ガラス繊維フィルターでのオイルミストの捕集状況を評価する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の調理排気の測定方法において、
化学成分を測定することで、オイルミストの捕集効率を評価する
ことを特徴とする調理排気の測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−247590(P2011−247590A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117589(P2010−117589)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000173809)財団法人電力中央研究所 (1,040)
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