調理玩具
【課題】 具材包込食品を生成可能であり、取り扱いが容易な調理玩具を提供する。
【解決手段】 調理玩具は、同期回転可能に構成された1対の成形ロール140、150と、本体部110と、を備え、前記1対の成形ロール140、150の周面144、152には、それぞれ、具材包込食品の皮の中央部により具材を包みこむ凹部と、前記凹部の外縁に沿って配され、該皮の外周部を圧着させる圧着部と、前記凹部と前記圧着部との間に配され、前記具材包込食品の皮の前記中央部と前記外周部との間の領域が、前記1対の成形ロールに接触しないようにするための接触回避部と、が配されており、前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする。
【解決手段】 調理玩具は、同期回転可能に構成された1対の成形ロール140、150と、本体部110と、を備え、前記1対の成形ロール140、150の周面144、152には、それぞれ、具材包込食品の皮の中央部により具材を包みこむ凹部と、前記凹部の外縁に沿って配され、該皮の外周部を圧着させる圧着部と、前記凹部と前記圧着部との間に配され、前記具材包込食品の皮の前記中央部と前記外周部との間の領域が、前記1対の成形ロールに接触しないようにするための接触回避部と、が配されており、前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理玩具に関するものであり、特に餃子やワンタン等の具材包込食品(具材を皮等で包み込んだ食品)を生成するための調理玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、餃子の皮に具材を詰め、該具材を包み込みながら皮の外周部を貼りあわせることで、餃子を成形する成形器具が知られている(例えば、特開平6−197743号公報参照)。
【0003】
特開平6−197743号公報によれば、連動する2本の成形ロールの周面に成形用凹部を設け、成形用ロールを回動させることで、餃子の皮の外周部を互いに貼り合わせることができる。このため、当該成形器具を用いれば、ユーザは、当該成形用凹部上に餃子の皮と具材とを載置し、当該成形ロールを回動させるだけで、簡単に、餃子の成形を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−197743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、近年、家庭で子供達が手軽に調理を楽しめるようにするための、様々な調理玩具が提供されている。そこで、このような調理玩具の1つとして、餃子やワンタン等の具材包込食品を生成するための調理玩具を提供することができれば、子供達の調理の幅が更に広がるものと期待される。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された成形器具は、子供達が手軽に調理を楽しめるようにするための調理玩具を目的として提供されたものではない。このため、子供達が利用しようとした場合、いくつかの問題がある。
【0007】
例えば、上記特許文献1の場合、成形ロールの周面に設けられた成形用凹部に、餃子の皮が密着する構成となっているため、成形ロールを回動させ具材を包み込んだ際に、皮の外周部(耳部)と具材を包み込む中央部(具材内包部)との境界領域に大きな負荷がかかることとなる。このため、適切な操作を行わないと、成形ロールを回動させた際に、当該境界領域で皮が破れてしまうことが考えられる。
【0008】
また、生成された餃子は、一般に、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすい。このため、成形用凹部上に餃子の皮を載置する際の載置の仕方によっては、生成した餃子を調理した際に、中央部と耳部との間の境界領域で皮が破れてしまうことが考えられる。
【0009】
更に、これらの事態は、皮の外周部を貼り合わせるための水をつけすぎた場合や具材を入れすぎた場合、あるいは具材を入れた位置が偏っていた場合などに、特に生じやすくなるものと思われる。
【0010】
このため、調理玩具への適用に際しては、簡単な操作だけで、水のつけすぎや具材の入れすぎ、あるいは具材を入れる位置の偏り等を回避できるようにするとともに、皮が破れにくい構成とすることも不可欠である。
【0011】
また、上記特許文献1の場合、生成後に、洗浄等のために容易に成形ロールを取り外したり、組み立てたりすることが可能な構成とはなっていない。このため、生成後に子供達が自分達で成形器具の洗浄等を行うことができないといった問題もある。このため、調理玩具への適用に際しては、簡単な操作で分解/組み立てが可能な構成とすることが望ましい。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、餃子やワンタン等の具材包込食品を生成可能であり、取り扱いが容易な調理玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために本発明に係る調理玩具は以下のような構成を備える。即ち、
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記一対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、
前記凹部と前記圧着部との間に配され、前記具材包込食品の皮の前記中央部と前記外周部との間の領域が、前記1対の成形ロールに接触しないようにするための接触回避部と、が配されており、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、餃子やワンタン等の具材包込食品を生成可能であり、取り扱いが容易な調理玩具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る調理玩具の分解図である。
【図2】調理玩具100の組み立て図である。
【図3】軸受け112及び軸受け113にそれぞれ軸支された状態における、成形ロール140及び成形ロール150の平面図である。
【図4】成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の形状を示す図である。
【図5】成形ロール140及び150のB−B断面(図3のB−B断面)を示す図である。
【図6】成形ロール140及び150のC−C断面(図3のC−C断面)を示す図である。
【図7】成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図である。
【図8】餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材を示す図である。
【図9】調理玩具100を用いて、餃子を生成するための全体手順を説明するための図である。
【図10】成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の他の形状を示す図である。
【図11】成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図である。
【図12】餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
<1.調理玩具の全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る調理玩具の分解図である。図1に示すように、調理玩具100は、本体部(ハウジング)110と、蓋部120と、容器130と、成形ロール140と、成形ロール150とを備える。
【0018】
本体部110は、餃子やワンタン等を生成するための生成領域111を備える。生成領域111には、成形ロール140を軸支するための軸受け112と、成形ロール150を軸支するための軸受け113とが設けられている。更に、生成領域111の中央底部には、生成された餃子やワンタン等を、容器130に格納するための開口部114が設けられている。
【0019】
また、本体部110の正面側には、容器収納部115が設けられており、これにより、容器130は、矢印131方向に自由に出し入れすることができる。
【0020】
蓋部120は、矢印124方向に回動するよう、回動部121を介して本体部110に取り付けられている。蓋部120は、生成領域111を覆うように動作した場合、軸受け112に軸支された成形ロール140の回転軸を上から押圧することで、成形ロール140の安定回転を実現する押圧部材122を備える。さらに、軸受け113に軸支された成形ロール150の回転軸を上から押圧することで、成形ロール150の安定回転を実現する押圧部材123を備える。
【0021】
成形ロール140は、周面144に、餃子またはワンタンの皮の中央部を支持するとともに、該皮により具材を包みこむように動作する凹部を備える。また、餃子またはワンタンの皮の外周部を支持するとともに、該皮の外周部を圧着させる圧着部を備え、該圧着部は、更に、餃子やワンタンの皮の外周部(耳部)に凹凸模様を付すための模様付加部を備える。なお、凹部及び模様付加部を含む圧着部の詳細形状は後述する。
【0022】
また、成形ロール140は、回転軸143を有し、回転軸143の端面には、軸受け112に軸支された成形ロール140を回転させるためのハンドルアーム141が設けられている。更に、ハンドルアーム141の先端部分には、ハンドル142が設けられている。
【0023】
また、成形ロール140の周面144の端面には、成形ロール150を成形ロール140と同期回転させるための円板部145が設けられている。なお、円板部145の詳細構成は後述する。
【0024】
成形ロール140と同様に、成形ロール150は、餃子またはワンタンの皮の中央部を支持するとともに、該皮により具材を包みこむように動作する凹部を備える。また、餃子またはワンタンの皮の外周部を支持するとともに、該皮の外周部を圧着させる圧着部を備え、該圧着部は、更に、餃子やワンタンの皮の外周部(耳部)に凹凸模様を付すための模様付加部を備える。なお、凹部及び模様付加部を含む圧着部の詳細形状は後述する。
【0025】
また、成形ロール150は、回転軸151を有するとともに、周面152の端面には、成形ロール150を成形ロール140と同期回転するための円板部153が設けられている。なお、円板部153の詳細構成は後述する。
【0026】
<2.調理玩具の組み立て図>
図2は、調理玩具100の組み立て図であり、成形ロール140及び成形ロール150をそれぞれ軸受け112、113に取り付け、容器130を容器収納部115に収納した様子を示している。
【0027】
成形ロール140及び成形ロール150をそれぞれ軸受け112及び軸受け113に取り付けることで、成形ロール140と成形ロール150とは近接状態となり、円板部145及び円板部153が作用することにより、同期回転可能となる。
【0028】
また、このとき、成形ロール140のハンドルアーム141及びハンドル142は、本体部110の外側側面に位置することとなる。このため、ユーザは、ハンドル142を回転させることで容易に成形ロール140及び150を同期回転させることができる。
【0029】
なお、図1に示す分解図と図2に示す組み立て図との対比から明らかなように、容器130、成形ロール140、成形ロール150は、本体部110に対して、容易に着脱することができる。つまり、子供達が利用する場合であっても、簡単に組み立てたり、分解して洗浄したりすることができる。
【0030】
<3.成形ロールの詳細構成>
次に、成形ロール140及び150の凹部、圧着部(模様付加部を含む)、円板部の詳細について説明する。図3は、軸受け112及び軸受け113にそれぞれ軸支された状態での、成形ロール140及び成形ロール150の平面図である。
【0031】
図3に示すように、成形ロール140の周面144には、半円形状の凹部301が設けられており、凹部301の外縁に沿って、複数の模様付加部302’を有する圧着部302が設けられている。更に、凹部301の外縁と圧着部302との間には、接触回避部である溝部303が設けられている。
【0032】
同様に、成形ロール150の周面152には、半円形状の凹部311が設けられており、凹部311の外縁に沿って、模様付加部312’を有する圧着部312が設けられている。更に、凹部311の外縁と圧着部312との間には、接触回避部である溝部313が設けられている。
【0033】
また、周面144の端面に設けられた円板部145は、歯車304と位置合わせ部材305とから構成されている。同様に、周面152の端面に設けられた円板部153は、歯車314と位置合わせ部材315とから構成されている。
【0034】
歯車304と歯車314とは、ギヤ比が1:1となっており、歯車304と歯車314とが結合された状態では、成形ロール140と成形ロール150とは同じ周期で回転する。
【0035】
位置合わせ部材305と位置合わせ部材315は、成形ロール140の周面144に設けられた凹部301が上方位置まで回転した際に、成形ロール150の周面152に設けられた凹部311が、同様に上方位置にくるように、成形ロール140と成形ロール150との回転方向の位置合わせ(回転位置合わせ)を行うための部材である。
【0036】
以下、凹部301、311(溝部303及び313を含む)、圧着部302、312(模様付加部302’及び312’を含む)、円板部145、153(歯車304及び314、位置合わせ部材305及び315を含む)について個別に詳細を説明する。
【0037】
<3.1 凹部及び溝部の説明>
図4は、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の形状を示す図である。図4(A)に示すように、凹部301及び凹部311は、内側から外側に向かって形成されたなだらかな曲面を有している。溝部303は、凹部301を形成するなだらかな曲面の端部(外縁)と、圧着部302との間に形成されている。同様に、溝部313は、凹部311を形成するなだらかな曲面の端部(外縁)と、圧着部312との間に形成されている。
【0038】
このように、溝部303及び溝部313を配することで、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮を載置し、更に具材を載置した場合に、当該載置された餃子の皮は、凹部301、311を形成するなだらかな曲面および圧着部302、312に接触する一方で、溝部303及び313には接触しないこととなる。
【0039】
図4(B)は、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した様子を示す図である。図4(B)に示すように、餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置すると、具材412の重みで餃子の皮411は、凹部301、311に沿って湾曲することとなる。その結果、餃子の皮411の中央部は、凹部301、311に接触する。また、餃子の皮411の外周部(耳部)は、貼り合わせのための水が塗布されることで、圧着部302、312に接触する。
【0040】
一方、餃子の皮411の外周部(耳部)と中央部との間の境界領域(溝部303、313に対応する領域)は、溝部303、313には接触しない。図4(B)の400は、凹部301から圧着部302にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した状態における、溝部303の拡大図である。図4(B)の400に示すように、凹部301の曲面に沿って中央部が湾曲した餃子の皮411は、溝部303において、その境界領域が一旦離れ、再び、圧着部302において、耳部が接触する。
【0041】
このように、溝部303において、一旦、その境界領域が離れることで、耳部を貼り合わせる際に、中央部が具材412の重みで矢印401方向に引っ張られたとしても、境界領域が遊びとなって、境界領域(特に矢印402で示す部分)に加わる負荷を和らげることが可能となる。この結果、境界領域で皮が破れるといった事態が生じる可能性を低減させることができる。
【0042】
また、上述したように、生成された餃子は、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、凹部と圧着部との間に溝部を設ける構成とすることにより、餃子を生成する際に、餃子の皮の中央部と耳部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時においても、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性について低減させることが可能となる。
【0043】
<3.2 円板部の説明>
次に、円板部145、153の詳細構成について説明する。図5は、成形ロール140及び150のB−B断面(図3のB−B断面)を示す図である。図5において、304、305はそれぞれ円板部145の歯車及び位置合わせ部材である。また、314、315はそれぞれ円板部153の歯車及び位置合わせ部材である。更に、501は成形ロール140の回転中心を通る直線を、502は成形ロール150の回転中心を通る直線をそれぞれ表している。
【0044】
図5に示すように、円板部145の位置合わせ部材305には、切り欠き部511が設けられており、円板部153の位置合わせ部材315には、切り欠き部511に挿入可能な突起部512が設けられている。
【0045】
図5(A)に示すように、ユーザによって、成形ロール140及び150が、それぞれ軸受け112及び113に取り付けられると、歯車304と歯車314は結合した状態となる。このため、成形ロール140を回転させ、円板部145が矢印521方向に回転すると、成形ロール150の円板部153は、矢印522方向に同期回転する。
【0046】
なお、この時点では、成形ロール140の周面144に設けられた凹部301が上方位置まで回転したとしても、成形ロール150の周面152に設けられた凹部311が、上方位置にくるとは限らない(つまり、成形ロール140と成形ロール150とは、回転方向の位置合わせがなされていない状態で、回転することとなる)。
【0047】
ここで、円板部153が矢印522方向に回転すると、位置合わせ部材315に設けられた突起部512が、やがて、円板部145の位置合わせ部材305の側面に接触する。図5(B)は、位置合わせ部材315の突起部512が、円板部145の位置合わせ部材305の側面に接触した様子を示している。
【0048】
ここで、成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との間の距離Dは、突起部512が位置合わせ部材305の側面を摺動することで回転してしまうことがないように調整されているものとする。
【0049】
このため、図5(B)に示すように、位置合わせ部材315の突起部512が、円板部145の位置合わせ部材305の側面に接触すると、位置合わせ部材315は、紙面右向きの力を受け、結果として、成形ロール150の回転中心は、紙面右方向にずれることとなる。つまり、成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との距離がD’となる(ただし、D’>D)。
【0050】
成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との距離がD’となると、歯車314と歯車304との結合が解除される。この結果、成形ロール140と同期回転していた成形ロール150の回転は停止し、成形ロール140のみが回転することとなる。
【0051】
そして、成形ロール140のみが回転すると、位置合わせ部材305に設けられた切り欠き部511は、やがて、円板部153の突起部512の位置に到達する。
【0052】
図5(C)は、位置合わせ部材305に設けられた切り欠き部511が、円板部153の突起部512の位置に到達した様子を示している。図5(C)に示すように、位置合わせ部材305に設けられた切り欠き部511が、円板部153の突起部512の位置に到達すると、円板部153の突起部512は、位置合わせ部材305の切り欠き部511に挿入されることとなる。
【0053】
この結果、成形ロール150の回転中心は、紙面左方向に戻る。つまり、成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との距離がDに戻る。この結果、歯車304との結合が解除されていた歯車314が、歯車304に再結合し、成形ロール150が再び成形ロール140と同期回転することとなる。
【0054】
上述したように、歯車304と歯車314のギヤ比は1:1であることから、位置合わせ部材305の切り欠き部511と、位置合わせ部材315の突起部512とは、同じ周期で回転することとなる。つまり、以降、歯車314と歯車304とは結合が解除されることなく回転することとなる(図5の(D)参照)。
【0055】
このように、位置合わせ部材305及び315を有することにより、成形ロール140と成形ロール150を、回転方向に位置合わせすることなく本体部110に取り付けたとしても、ユーザは、成形ロール140を回転させるだけで、簡単に回転方向の位置合わせを行うことができる。
【0056】
つまり、突起部512が切り欠き部511に挿入された状態で、凹部301と凹部311とが相対応位置にくるように、凹部301及び凹部311を配置しておくことで、位置合わせを容易に行うことが可能となる。
【0057】
<3.3 圧着部の説明>
次に、模様付加部302’及び模様付加部312’を含む圧着部302及び圧着部312の詳細構成について説明する。図6は、成形ロール140及び150のC−C断面(図3のC−C断面)を示す図である。図6において、302、312はそれぞれ成形ロール140の周面144及び成形ロール150の周面152に配された圧着部である。
【0058】
図6(A)に示すように、圧着部302、312は、周面144及び152に沿って凹凸が形成された模様付加部302’及び312’を有する。また、図6(B)に示すように、圧着部302及び312は、相対応位置まで回転した状態で、模様付加部302’の山部と模様付加部312’の谷部とが重なり、また、模様付加部302’の谷部と模様付加部312’の山部とが重なるように構成されている。
【0059】
<4.餃子の皮で具材を包み込む手順の説明>
次に、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順について説明する。
【0060】
図7は、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図であり、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)を示す図である。
【0061】
図7(A)に示すように、成形ロール140と成形ロール150の回転方向の位置合わせが完了すると、ユーザは、凹部301及び凹部311を、上方位置まで回転させた状態で停止させる。この状態で、餃子の皮411を載置し、更に、具材412を載置する。
【0062】
餃子の皮411及び具材412を載置し終えたら、ユーザは、成形ロール140を回転させる。図7(B)は、成形ロール140の回転を開始させた様子を示している。図7(B)に示すように、成形ロール140の回転を開始させると、成形ロール150も同期回転するため、凹部301及び311に載置された餃子の皮411は、具材412を包み込むように湾曲する。
【0063】
図7(C)は、成形ロール140を更に回転させた様子を示している。図7(C)に示すように、餃子の皮411は、成形ロール140の中央部301及び耳部302、ならびに成形ロール150の中央部311及び耳部312において成形ロール140及び150と密着しているため、具材412を包み込んだ状態でも、下方に落ちることなく、具材412を支持する。
【0064】
図7(D)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが、相対応位置に到達した様子を示している。図7(D)に示すように、相対応位置に到達すると、餃子の皮411の耳部が互いに貼り合わされ、餃子の皮411により具材412は完全に包まれることとなる。
【0065】
成形ロール140及び150が更に回転すると、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れていく。図7(E)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れる位置まで回転した様子を示している。
【0066】
図7(E)に示すように、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れると、具材412を包み込んだ餃子の皮411は、重力にしたがって、下方に落下する。以上の手順により、餃子700が生成されることとなる。
【0067】
<5.貼り合わせのための水分塗布部材の説明>
次に、餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材について説明する。図8は、餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材を示す図である。
【0068】
図8(A)は、水分塗布部材800の斜視図である。図8(A)に示すように、水分塗布部材800は、餃子の皮の形状に合致する円形状の上部801を備えており、上部801の中央部には、具材挿入口802が設けられている。
【0069】
具材挿入口802は、餃子の皮が成形ロール140及び150上に載置された状態で、水分塗布部材800を当該餃子の皮の上にセットした際に、具材を載置する位置を特定するための開口部である。具材挿入口802を介してユーザが具材を載置することで、具材が偏った位置に載置されるのを防止することができる。
【0070】
803は取っ手部であり、ユーザは取っ手部803を持って水分塗布部材800を餃子の皮の上にセットする。
【0071】
804は支持部であり、水分塗布部材800を餃子の皮の上にセットした際に、安定するように、支持部804は、成形ロール140及び150の周面144及び152に沿った形状を有している。
【0072】
支持部804の底面は、水分塗布部805となっており、水分塗布部材800を餃子の皮の上にセットした際に、水分塗布部805に付着した水分が、餃子の皮の耳部に塗布されることとなる。
【0073】
図8(B)は、水分塗布部材800が餃子の皮の上にセットされた様子を示している(図3のC−C断面位置における断面図を示している)。図8(B)に示すように、水分塗布部805が、周面144及び152の圧着部302及び312に沿ってセットされるため、餃子の皮の耳部に、確実に水分を塗布することができるとともに、水分塗布部材800を安定した状態を維持することができる。
【0074】
<6.餃子を生成するための全体手順>
次に、本実施形態に係る調理玩具100を用いて、餃子を生成するための全体手順について説明する。
【0075】
図9は、本実施形態に係る調理玩具100を用いて、餃子を生成するための全体手順を説明するための図である。
【0076】
図9(A)に示すように、はじめにユーザは、成形ロール140及び成形ロール150、ならびに容器130を本体部110に取り付ける。成形ロール140及び成形ロール150、ならびに容器130の本体部110への取り付けが完了すると、図9(B)に示すように、成形ロール140を回転させ、成形ロール140と成形ロール150の回転方向の位置合わせを行うとともに、凹部301及び凹部311が上方位置にくるように調整する。
【0077】
凹部301及び凹部311を上方位置まで回転させた時点で、成形ロール140の回転を停止させると、ユーザは、次に、凹部301及び凹部311に餃子の皮411を載置する。図9(C)は、凹部301及び凹部311に餃子の皮411を載置した様子を示している。
【0078】
餃子の皮411を載置し終えると、ユーザは、水分塗布部材800を、餃子の皮411の上にセットする。なお、セットするにあたっては、水分塗布部材800を水に浸すなどして、水分塗布部805に水分が付着した状態にしておく。
【0079】
水分塗布部材800を、餃子の皮411の上にセットすることで、餃子の皮411の耳部に水分が塗布される。次に、図9(D)に示すように、水分塗布部材800を餃子の皮411の上にセットした状態のまま、スプーン901等を用いて、具材412を餃子の皮411の上に載置する。なお、上述したように、具材412は、水分塗布部材800の具材挿入口を介して、餃子の皮411の上に載置される。
【0080】
具材412を餃子の皮411の上に載置し終えたら、水分塗布部材800を外し、蓋部120を閉める。そして、図9(E)に示すように、ハンドル142を操作することで、成形ロール140及び成形ロール150を同期回転させる。
【0081】
成形ロール140及び成形ロール150を同期回転させることで、餃子が生成され、容器130に落下する。生成された餃子700は、図9(F)に示すように、容器130を引き出すことで取り出すことができる。
【0082】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る調理玩具100では、凹部と圧着部との間に溝部を設ける構成とした。これにより、餃子を生成する際に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性を低減させることが可能となった。
【0083】
更に、生成された餃子は、一般に、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、凹部と圧着部との間に溝部を設ける構成とすると、餃子を生成する際に、餃子の皮の中央部と耳部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性についても低減させることが可能となる。
【0084】
更に、本実施形態では、餃子の皮の耳部に水分を塗布するための専用の水分塗布部材を設けるとともに、水分塗布部材に、具材挿入口を設ける構成とした。これにより、餃子の皮の耳部に適切な量の水分を塗布することが可能となるとともに、具材を載置する位置の偏りをなくすことが可能となった。この結果、餃子を生成する際あるいは餃子を調理する際の餃子の皮が破れる可能性を更に低減させることが可能となった。
【0085】
また、本実施形態に係る調理玩具では、成形ロールを容易に着脱可能とする構成とした。これにより、ユーザは、容易に調理玩具を分解し、洗浄することができるようになった。
【0086】
また、本実施形態に係る調理玩具では、位置合わせ部材を配する構成とした。これにより、成形ロールを本体部に取り付けた際に、容易に位置合わせを行うことができるようになった。
【0087】
つまり、餃子を生成可能であり、かつ取り扱いが容易な調理玩具を提供することが可能となった。
【0088】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、生成時または調理時に餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性を低減させるために、成形ロールの凹部と圧着部との間に溝部を設けることで、餃子の皮の境界領域が成形ロールと非接触となるように構成したが、本発明はこれに限定されない。
【0089】
餃子の皮の境界領域が、成形ロールと非接触となるように構成するにあたっては、溝部を設ける代わりに、例えば、圧着部近傍に、凸部を設けるようにしてもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0090】
<1.凹部及び凸部の説明>
図10は、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の他の形状を示す図である。図10(A)に示すように、凹部301及び凹部311は、内側から外側に向かって形成されたなだらかな曲面を有しており、凹部301を形成するなだらかな曲面上であって、圧着部302近傍には、凸部1001が形成されている。同様に、凹部311を形成するなだらかな曲面上であって、圧着部312近傍には凸部1011が形成されている。
【0091】
このように、凸部1001及び1011を形成することで、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮を載置し、更に具材を載置した場合に、当該載置された餃子の皮は、凹部301、311を形成するなだらかな曲面および圧着部302、312に接触する一方で、凸部1001及び1011と圧着部302及び312との間において、成形ロール140及び150に接触しないこととなる。
【0092】
図10(B)は、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した様子を示す図である。図10(B)に示すように、餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置すると、具材412の重みで餃子の皮411は、凹部301、311に沿って湾曲することとなる。その結果、餃子の皮411の中央部は、凹部301、311に接触する。
【0093】
また、凹部301、311の曲面に対して連続的な曲面を形成する凸部1001の曲面1002及び、曲面1002に対して連続的な曲面を形成するとともに圧着部302方向に、餃子の皮411を導く曲面1003においても、接触する(なお、図10(B)では、凸部1001の拡大図のみを示しているが、凸部1011についても同様であるものとする)。
【0094】
更に、餃子の皮411の外周部(耳部)は、貼り合わせのための水が塗布されることで、圧着部302、312に接触する。
【0095】
一方、餃子の皮411の外周部(耳部)と中央部との間の境界領域(凸部1001と圧着部302との間の領域に対応する領域)は、成形ロール140、150には接触しない。図10(B)の1000は、凹部301から圧着部302にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した状態における、凸部1001の拡大図である。
【0096】
図10(B)の1000に示すように、凹部301の曲面に沿って中央部が湾曲した餃子の皮411は、凸部1001の曲面1002及び曲面1003に沿い、凸部1001と圧着部302との間において、その境界領域が一旦離れ、再び、圧着部302において、耳部が接触する。
【0097】
このように、凸部1001と圧着部302との間において、一旦、その境界領域が離れることで、耳部を貼り合わせる際に、中央部が具材412の重みで矢印401方向に引っ張られたとしても、境界領域が遊びとなって、境界領域(特に矢印402で示す部分)に加わる負荷を和らげることができる。
【0098】
また、境界領域に遊びができることで、調理時(生成された餃子を焼いたり、煮たりした時)に、具材412が包み込まれた領域が熱で膨張したとしても、餃子の皮412が破れることはない。この結果、境界領域で皮が破れるといった事態が生じる可能性を低減させることができる。
【0099】
また、上述したように、生成された餃子は、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、圧着部近傍に凸部を設ける構成とすることにより、餃子を生成する際に、餃子の皮の中央部と耳部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時においても、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性について低減させることが可能となる。
【0100】
<2.餃子の皮で具材を包み込む手順の説明>
次に、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順について説明する。
【0101】
図11は、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図であり、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)を示す図である。
【0102】
図11(A)に示すように、成形ロール140と成形ロール150の回転方向の位置合わせが完了すると、ユーザは、凹部301及び凹部311を、上方位置まで回転させた状態で停止させる。この状態で、餃子の皮411を載置し、更に、具材412を載置する。
【0103】
餃子の皮411及び具材412を載置し終えたら、ユーザは、成形ロール140を回転させる。図11(B)は、成形ロール140の回転を開始させた様子を示している。図11(B)に示すように、成形ロール140の回転を開始させると、成形ロール150も同期回転するため、凹部301及び311に載置された餃子の皮411は、具材412を包み込むように湾曲する。
【0104】
図11(C)は、成形ロール140を更に回転させた様子を示している。図11(C)に示すように、餃子の皮411は、成形ロール140の中央部301及び耳部302、ならびに成形ロール150の中央部311及び耳部312において成形ロール140及び150と密着しているため、具材412を包み込んだ状態でも、下方に落ちることなく、具材412を支持する。
【0105】
図11(D)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが、相対応位置に到達した様子を示している。図11(D)に示すように、相対応位置に到達すると、餃子の皮411の耳部が互いに貼り合わされ、餃子の皮411により具材412は完全に包まれることとなる。
【0106】
成形ロール140及び150が更に回転すると、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れていく。図11(E)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れる位置まで回転した様子を示している。
【0107】
図11(E)に示すように、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れると、具材412を包み込んだ餃子の皮411は、重力にしたがって、下方に落下する。以上の手順により、餃子700が生成されることとなる。
【0108】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る調理玩具100では、圧着部近傍に凸部を設ける構成とした。これにより、餃子を生成する際に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性を低減させることが可能となった。
【0109】
更に、生成された餃子は、一般に具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、圧着部近傍に凸部を設ける構成とすると、餃子を生成する際に、餃子の皮の耳部と中央部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性についても低減させることが可能となる。
【0110】
更に、本実施形態のように、圧着部近傍に凸部を設けることにより、具材を載置する範囲が規定されることとなる。この結果、同形・同大の餃子を大量生産することを目的とした従来の業務用の餃子メーカでは、子供達が、一定量の具材を適切な位置に載置することが困難であったところ、本実施形態に係る調理玩具100によれば、一定量の具材を適切な位置に載置することが可能となる。
【0111】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、餃子の皮の耳部に適切な量の水分を塗布するために、水分塗布部材を設けることとし、図8に水分塗布部材の形状の一例を示したが、本発明に係る水分塗布部材の形状はこれに限られない。
【0112】
例えば、水分塗布部材の水分塗布部を、滑らかな面ではなく、凹凸を有する面により形成するようにしてもよい。水分塗布部を凹凸を有する面により形成することで、水分塗布部に適量の水を付着させることができるからである。
【0113】
図12は、本実施形態における水分塗布部材を説明するための図であり、図12(A)は、水分塗布部材800の斜視図である。なお、水分塗布部材800を上方から見た場合の形状は、図8に示した水分塗布部材の形状と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0114】
一方、図12(B)は、水分塗布部材800の底面図である。図12(B)に示すように、本実施形態の水分塗布部材800の水分塗布部805には、直線状の凸部1201が、一定間隔(例えば、1mm間隔)で設けられている。
【0115】
このように、水分塗布部を凹凸を有する面により形成することで、水分塗布部に適量の水を付着させることが可能となる。
【0116】
なお、図12(B)の例では、凸部1201を一定間隔に配することとしたが、本発明はこれに限定されず、隣り合う凸部1201の間隔は一定でなくてもよい。また、凸部1201の形状は、直線形状でなくてもよい。
【0117】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、成形ロール140及び150の周面144及び152に、1組の凹部(凹部301、311)及び圧着部(圧着部302、312)を設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、周面に、凹部及び圧着部を複数配する構成(例えば周面の一方に配された凹部及び圧着部で餃子を、他方に配された凹部及び圧着部でワンタンを生成できるような構成)としてもよい。更に、その場合、それぞれの凹部の形状や模様付加部の形状が異なるように構成してもよい。
【0118】
また、上記第1の実施形態では、餃子を生成する場合について説明したが、餃子以外の具材包込食品を生成する場合においても同様に適用可能であることはいうまでもない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理玩具に関するものであり、特に餃子やワンタン等の具材包込食品(具材を皮等で包み込んだ食品)を生成するための調理玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、餃子の皮に具材を詰め、該具材を包み込みながら皮の外周部を貼りあわせることで、餃子を成形する成形器具が知られている(例えば、特開平6−197743号公報参照)。
【0003】
特開平6−197743号公報によれば、連動する2本の成形ロールの周面に成形用凹部を設け、成形用ロールを回動させることで、餃子の皮の外周部を互いに貼り合わせることができる。このため、当該成形器具を用いれば、ユーザは、当該成形用凹部上に餃子の皮と具材とを載置し、当該成形ロールを回動させるだけで、簡単に、餃子の成形を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−197743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、近年、家庭で子供達が手軽に調理を楽しめるようにするための、様々な調理玩具が提供されている。そこで、このような調理玩具の1つとして、餃子やワンタン等の具材包込食品を生成するための調理玩具を提供することができれば、子供達の調理の幅が更に広がるものと期待される。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された成形器具は、子供達が手軽に調理を楽しめるようにするための調理玩具を目的として提供されたものではない。このため、子供達が利用しようとした場合、いくつかの問題がある。
【0007】
例えば、上記特許文献1の場合、成形ロールの周面に設けられた成形用凹部に、餃子の皮が密着する構成となっているため、成形ロールを回動させ具材を包み込んだ際に、皮の外周部(耳部)と具材を包み込む中央部(具材内包部)との境界領域に大きな負荷がかかることとなる。このため、適切な操作を行わないと、成形ロールを回動させた際に、当該境界領域で皮が破れてしまうことが考えられる。
【0008】
また、生成された餃子は、一般に、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすい。このため、成形用凹部上に餃子の皮を載置する際の載置の仕方によっては、生成した餃子を調理した際に、中央部と耳部との間の境界領域で皮が破れてしまうことが考えられる。
【0009】
更に、これらの事態は、皮の外周部を貼り合わせるための水をつけすぎた場合や具材を入れすぎた場合、あるいは具材を入れた位置が偏っていた場合などに、特に生じやすくなるものと思われる。
【0010】
このため、調理玩具への適用に際しては、簡単な操作だけで、水のつけすぎや具材の入れすぎ、あるいは具材を入れる位置の偏り等を回避できるようにするとともに、皮が破れにくい構成とすることも不可欠である。
【0011】
また、上記特許文献1の場合、生成後に、洗浄等のために容易に成形ロールを取り外したり、組み立てたりすることが可能な構成とはなっていない。このため、生成後に子供達が自分達で成形器具の洗浄等を行うことができないといった問題もある。このため、調理玩具への適用に際しては、簡単な操作で分解/組み立てが可能な構成とすることが望ましい。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、餃子やワンタン等の具材包込食品を生成可能であり、取り扱いが容易な調理玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために本発明に係る調理玩具は以下のような構成を備える。即ち、
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記一対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、
前記凹部と前記圧着部との間に配され、前記具材包込食品の皮の前記中央部と前記外周部との間の領域が、前記1対の成形ロールに接触しないようにするための接触回避部と、が配されており、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、餃子やワンタン等の具材包込食品を生成可能であり、取り扱いが容易な調理玩具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る調理玩具の分解図である。
【図2】調理玩具100の組み立て図である。
【図3】軸受け112及び軸受け113にそれぞれ軸支された状態における、成形ロール140及び成形ロール150の平面図である。
【図4】成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の形状を示す図である。
【図5】成形ロール140及び150のB−B断面(図3のB−B断面)を示す図である。
【図6】成形ロール140及び150のC−C断面(図3のC−C断面)を示す図である。
【図7】成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図である。
【図8】餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材を示す図である。
【図9】調理玩具100を用いて、餃子を生成するための全体手順を説明するための図である。
【図10】成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の他の形状を示す図である。
【図11】成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図である。
【図12】餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、必要に応じて添付図面を参照しながら本発明の各実施形態を詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
<1.調理玩具の全体構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る調理玩具の分解図である。図1に示すように、調理玩具100は、本体部(ハウジング)110と、蓋部120と、容器130と、成形ロール140と、成形ロール150とを備える。
【0018】
本体部110は、餃子やワンタン等を生成するための生成領域111を備える。生成領域111には、成形ロール140を軸支するための軸受け112と、成形ロール150を軸支するための軸受け113とが設けられている。更に、生成領域111の中央底部には、生成された餃子やワンタン等を、容器130に格納するための開口部114が設けられている。
【0019】
また、本体部110の正面側には、容器収納部115が設けられており、これにより、容器130は、矢印131方向に自由に出し入れすることができる。
【0020】
蓋部120は、矢印124方向に回動するよう、回動部121を介して本体部110に取り付けられている。蓋部120は、生成領域111を覆うように動作した場合、軸受け112に軸支された成形ロール140の回転軸を上から押圧することで、成形ロール140の安定回転を実現する押圧部材122を備える。さらに、軸受け113に軸支された成形ロール150の回転軸を上から押圧することで、成形ロール150の安定回転を実現する押圧部材123を備える。
【0021】
成形ロール140は、周面144に、餃子またはワンタンの皮の中央部を支持するとともに、該皮により具材を包みこむように動作する凹部を備える。また、餃子またはワンタンの皮の外周部を支持するとともに、該皮の外周部を圧着させる圧着部を備え、該圧着部は、更に、餃子やワンタンの皮の外周部(耳部)に凹凸模様を付すための模様付加部を備える。なお、凹部及び模様付加部を含む圧着部の詳細形状は後述する。
【0022】
また、成形ロール140は、回転軸143を有し、回転軸143の端面には、軸受け112に軸支された成形ロール140を回転させるためのハンドルアーム141が設けられている。更に、ハンドルアーム141の先端部分には、ハンドル142が設けられている。
【0023】
また、成形ロール140の周面144の端面には、成形ロール150を成形ロール140と同期回転させるための円板部145が設けられている。なお、円板部145の詳細構成は後述する。
【0024】
成形ロール140と同様に、成形ロール150は、餃子またはワンタンの皮の中央部を支持するとともに、該皮により具材を包みこむように動作する凹部を備える。また、餃子またはワンタンの皮の外周部を支持するとともに、該皮の外周部を圧着させる圧着部を備え、該圧着部は、更に、餃子やワンタンの皮の外周部(耳部)に凹凸模様を付すための模様付加部を備える。なお、凹部及び模様付加部を含む圧着部の詳細形状は後述する。
【0025】
また、成形ロール150は、回転軸151を有するとともに、周面152の端面には、成形ロール150を成形ロール140と同期回転するための円板部153が設けられている。なお、円板部153の詳細構成は後述する。
【0026】
<2.調理玩具の組み立て図>
図2は、調理玩具100の組み立て図であり、成形ロール140及び成形ロール150をそれぞれ軸受け112、113に取り付け、容器130を容器収納部115に収納した様子を示している。
【0027】
成形ロール140及び成形ロール150をそれぞれ軸受け112及び軸受け113に取り付けることで、成形ロール140と成形ロール150とは近接状態となり、円板部145及び円板部153が作用することにより、同期回転可能となる。
【0028】
また、このとき、成形ロール140のハンドルアーム141及びハンドル142は、本体部110の外側側面に位置することとなる。このため、ユーザは、ハンドル142を回転させることで容易に成形ロール140及び150を同期回転させることができる。
【0029】
なお、図1に示す分解図と図2に示す組み立て図との対比から明らかなように、容器130、成形ロール140、成形ロール150は、本体部110に対して、容易に着脱することができる。つまり、子供達が利用する場合であっても、簡単に組み立てたり、分解して洗浄したりすることができる。
【0030】
<3.成形ロールの詳細構成>
次に、成形ロール140及び150の凹部、圧着部(模様付加部を含む)、円板部の詳細について説明する。図3は、軸受け112及び軸受け113にそれぞれ軸支された状態での、成形ロール140及び成形ロール150の平面図である。
【0031】
図3に示すように、成形ロール140の周面144には、半円形状の凹部301が設けられており、凹部301の外縁に沿って、複数の模様付加部302’を有する圧着部302が設けられている。更に、凹部301の外縁と圧着部302との間には、接触回避部である溝部303が設けられている。
【0032】
同様に、成形ロール150の周面152には、半円形状の凹部311が設けられており、凹部311の外縁に沿って、模様付加部312’を有する圧着部312が設けられている。更に、凹部311の外縁と圧着部312との間には、接触回避部である溝部313が設けられている。
【0033】
また、周面144の端面に設けられた円板部145は、歯車304と位置合わせ部材305とから構成されている。同様に、周面152の端面に設けられた円板部153は、歯車314と位置合わせ部材315とから構成されている。
【0034】
歯車304と歯車314とは、ギヤ比が1:1となっており、歯車304と歯車314とが結合された状態では、成形ロール140と成形ロール150とは同じ周期で回転する。
【0035】
位置合わせ部材305と位置合わせ部材315は、成形ロール140の周面144に設けられた凹部301が上方位置まで回転した際に、成形ロール150の周面152に設けられた凹部311が、同様に上方位置にくるように、成形ロール140と成形ロール150との回転方向の位置合わせ(回転位置合わせ)を行うための部材である。
【0036】
以下、凹部301、311(溝部303及び313を含む)、圧着部302、312(模様付加部302’及び312’を含む)、円板部145、153(歯車304及び314、位置合わせ部材305及び315を含む)について個別に詳細を説明する。
【0037】
<3.1 凹部及び溝部の説明>
図4は、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の形状を示す図である。図4(A)に示すように、凹部301及び凹部311は、内側から外側に向かって形成されたなだらかな曲面を有している。溝部303は、凹部301を形成するなだらかな曲面の端部(外縁)と、圧着部302との間に形成されている。同様に、溝部313は、凹部311を形成するなだらかな曲面の端部(外縁)と、圧着部312との間に形成されている。
【0038】
このように、溝部303及び溝部313を配することで、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮を載置し、更に具材を載置した場合に、当該載置された餃子の皮は、凹部301、311を形成するなだらかな曲面および圧着部302、312に接触する一方で、溝部303及び313には接触しないこととなる。
【0039】
図4(B)は、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した様子を示す図である。図4(B)に示すように、餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置すると、具材412の重みで餃子の皮411は、凹部301、311に沿って湾曲することとなる。その結果、餃子の皮411の中央部は、凹部301、311に接触する。また、餃子の皮411の外周部(耳部)は、貼り合わせのための水が塗布されることで、圧着部302、312に接触する。
【0040】
一方、餃子の皮411の外周部(耳部)と中央部との間の境界領域(溝部303、313に対応する領域)は、溝部303、313には接触しない。図4(B)の400は、凹部301から圧着部302にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した状態における、溝部303の拡大図である。図4(B)の400に示すように、凹部301の曲面に沿って中央部が湾曲した餃子の皮411は、溝部303において、その境界領域が一旦離れ、再び、圧着部302において、耳部が接触する。
【0041】
このように、溝部303において、一旦、その境界領域が離れることで、耳部を貼り合わせる際に、中央部が具材412の重みで矢印401方向に引っ張られたとしても、境界領域が遊びとなって、境界領域(特に矢印402で示す部分)に加わる負荷を和らげることが可能となる。この結果、境界領域で皮が破れるといった事態が生じる可能性を低減させることができる。
【0042】
また、上述したように、生成された餃子は、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、凹部と圧着部との間に溝部を設ける構成とすることにより、餃子を生成する際に、餃子の皮の中央部と耳部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時においても、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性について低減させることが可能となる。
【0043】
<3.2 円板部の説明>
次に、円板部145、153の詳細構成について説明する。図5は、成形ロール140及び150のB−B断面(図3のB−B断面)を示す図である。図5において、304、305はそれぞれ円板部145の歯車及び位置合わせ部材である。また、314、315はそれぞれ円板部153の歯車及び位置合わせ部材である。更に、501は成形ロール140の回転中心を通る直線を、502は成形ロール150の回転中心を通る直線をそれぞれ表している。
【0044】
図5に示すように、円板部145の位置合わせ部材305には、切り欠き部511が設けられており、円板部153の位置合わせ部材315には、切り欠き部511に挿入可能な突起部512が設けられている。
【0045】
図5(A)に示すように、ユーザによって、成形ロール140及び150が、それぞれ軸受け112及び113に取り付けられると、歯車304と歯車314は結合した状態となる。このため、成形ロール140を回転させ、円板部145が矢印521方向に回転すると、成形ロール150の円板部153は、矢印522方向に同期回転する。
【0046】
なお、この時点では、成形ロール140の周面144に設けられた凹部301が上方位置まで回転したとしても、成形ロール150の周面152に設けられた凹部311が、上方位置にくるとは限らない(つまり、成形ロール140と成形ロール150とは、回転方向の位置合わせがなされていない状態で、回転することとなる)。
【0047】
ここで、円板部153が矢印522方向に回転すると、位置合わせ部材315に設けられた突起部512が、やがて、円板部145の位置合わせ部材305の側面に接触する。図5(B)は、位置合わせ部材315の突起部512が、円板部145の位置合わせ部材305の側面に接触した様子を示している。
【0048】
ここで、成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との間の距離Dは、突起部512が位置合わせ部材305の側面を摺動することで回転してしまうことがないように調整されているものとする。
【0049】
このため、図5(B)に示すように、位置合わせ部材315の突起部512が、円板部145の位置合わせ部材305の側面に接触すると、位置合わせ部材315は、紙面右向きの力を受け、結果として、成形ロール150の回転中心は、紙面右方向にずれることとなる。つまり、成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との距離がD’となる(ただし、D’>D)。
【0050】
成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との距離がD’となると、歯車314と歯車304との結合が解除される。この結果、成形ロール140と同期回転していた成形ロール150の回転は停止し、成形ロール140のみが回転することとなる。
【0051】
そして、成形ロール140のみが回転すると、位置合わせ部材305に設けられた切り欠き部511は、やがて、円板部153の突起部512の位置に到達する。
【0052】
図5(C)は、位置合わせ部材305に設けられた切り欠き部511が、円板部153の突起部512の位置に到達した様子を示している。図5(C)に示すように、位置合わせ部材305に設けられた切り欠き部511が、円板部153の突起部512の位置に到達すると、円板部153の突起部512は、位置合わせ部材305の切り欠き部511に挿入されることとなる。
【0053】
この結果、成形ロール150の回転中心は、紙面左方向に戻る。つまり、成形ロール140の回転中心と成形ロール150の回転中心との距離がDに戻る。この結果、歯車304との結合が解除されていた歯車314が、歯車304に再結合し、成形ロール150が再び成形ロール140と同期回転することとなる。
【0054】
上述したように、歯車304と歯車314のギヤ比は1:1であることから、位置合わせ部材305の切り欠き部511と、位置合わせ部材315の突起部512とは、同じ周期で回転することとなる。つまり、以降、歯車314と歯車304とは結合が解除されることなく回転することとなる(図5の(D)参照)。
【0055】
このように、位置合わせ部材305及び315を有することにより、成形ロール140と成形ロール150を、回転方向に位置合わせすることなく本体部110に取り付けたとしても、ユーザは、成形ロール140を回転させるだけで、簡単に回転方向の位置合わせを行うことができる。
【0056】
つまり、突起部512が切り欠き部511に挿入された状態で、凹部301と凹部311とが相対応位置にくるように、凹部301及び凹部311を配置しておくことで、位置合わせを容易に行うことが可能となる。
【0057】
<3.3 圧着部の説明>
次に、模様付加部302’及び模様付加部312’を含む圧着部302及び圧着部312の詳細構成について説明する。図6は、成形ロール140及び150のC−C断面(図3のC−C断面)を示す図である。図6において、302、312はそれぞれ成形ロール140の周面144及び成形ロール150の周面152に配された圧着部である。
【0058】
図6(A)に示すように、圧着部302、312は、周面144及び152に沿って凹凸が形成された模様付加部302’及び312’を有する。また、図6(B)に示すように、圧着部302及び312は、相対応位置まで回転した状態で、模様付加部302’の山部と模様付加部312’の谷部とが重なり、また、模様付加部302’の谷部と模様付加部312’の山部とが重なるように構成されている。
【0059】
<4.餃子の皮で具材を包み込む手順の説明>
次に、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順について説明する。
【0060】
図7は、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図であり、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)を示す図である。
【0061】
図7(A)に示すように、成形ロール140と成形ロール150の回転方向の位置合わせが完了すると、ユーザは、凹部301及び凹部311を、上方位置まで回転させた状態で停止させる。この状態で、餃子の皮411を載置し、更に、具材412を載置する。
【0062】
餃子の皮411及び具材412を載置し終えたら、ユーザは、成形ロール140を回転させる。図7(B)は、成形ロール140の回転を開始させた様子を示している。図7(B)に示すように、成形ロール140の回転を開始させると、成形ロール150も同期回転するため、凹部301及び311に載置された餃子の皮411は、具材412を包み込むように湾曲する。
【0063】
図7(C)は、成形ロール140を更に回転させた様子を示している。図7(C)に示すように、餃子の皮411は、成形ロール140の中央部301及び耳部302、ならびに成形ロール150の中央部311及び耳部312において成形ロール140及び150と密着しているため、具材412を包み込んだ状態でも、下方に落ちることなく、具材412を支持する。
【0064】
図7(D)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが、相対応位置に到達した様子を示している。図7(D)に示すように、相対応位置に到達すると、餃子の皮411の耳部が互いに貼り合わされ、餃子の皮411により具材412は完全に包まれることとなる。
【0065】
成形ロール140及び150が更に回転すると、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れていく。図7(E)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れる位置まで回転した様子を示している。
【0066】
図7(E)に示すように、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れると、具材412を包み込んだ餃子の皮411は、重力にしたがって、下方に落下する。以上の手順により、餃子700が生成されることとなる。
【0067】
<5.貼り合わせのための水分塗布部材の説明>
次に、餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材について説明する。図8は、餃子の皮の耳部を貼り合わせるために耳部に水分を塗布する水分塗布部材を示す図である。
【0068】
図8(A)は、水分塗布部材800の斜視図である。図8(A)に示すように、水分塗布部材800は、餃子の皮の形状に合致する円形状の上部801を備えており、上部801の中央部には、具材挿入口802が設けられている。
【0069】
具材挿入口802は、餃子の皮が成形ロール140及び150上に載置された状態で、水分塗布部材800を当該餃子の皮の上にセットした際に、具材を載置する位置を特定するための開口部である。具材挿入口802を介してユーザが具材を載置することで、具材が偏った位置に載置されるのを防止することができる。
【0070】
803は取っ手部であり、ユーザは取っ手部803を持って水分塗布部材800を餃子の皮の上にセットする。
【0071】
804は支持部であり、水分塗布部材800を餃子の皮の上にセットした際に、安定するように、支持部804は、成形ロール140及び150の周面144及び152に沿った形状を有している。
【0072】
支持部804の底面は、水分塗布部805となっており、水分塗布部材800を餃子の皮の上にセットした際に、水分塗布部805に付着した水分が、餃子の皮の耳部に塗布されることとなる。
【0073】
図8(B)は、水分塗布部材800が餃子の皮の上にセットされた様子を示している(図3のC−C断面位置における断面図を示している)。図8(B)に示すように、水分塗布部805が、周面144及び152の圧着部302及び312に沿ってセットされるため、餃子の皮の耳部に、確実に水分を塗布することができるとともに、水分塗布部材800を安定した状態を維持することができる。
【0074】
<6.餃子を生成するための全体手順>
次に、本実施形態に係る調理玩具100を用いて、餃子を生成するための全体手順について説明する。
【0075】
図9は、本実施形態に係る調理玩具100を用いて、餃子を生成するための全体手順を説明するための図である。
【0076】
図9(A)に示すように、はじめにユーザは、成形ロール140及び成形ロール150、ならびに容器130を本体部110に取り付ける。成形ロール140及び成形ロール150、ならびに容器130の本体部110への取り付けが完了すると、図9(B)に示すように、成形ロール140を回転させ、成形ロール140と成形ロール150の回転方向の位置合わせを行うとともに、凹部301及び凹部311が上方位置にくるように調整する。
【0077】
凹部301及び凹部311を上方位置まで回転させた時点で、成形ロール140の回転を停止させると、ユーザは、次に、凹部301及び凹部311に餃子の皮411を載置する。図9(C)は、凹部301及び凹部311に餃子の皮411を載置した様子を示している。
【0078】
餃子の皮411を載置し終えると、ユーザは、水分塗布部材800を、餃子の皮411の上にセットする。なお、セットするにあたっては、水分塗布部材800を水に浸すなどして、水分塗布部805に水分が付着した状態にしておく。
【0079】
水分塗布部材800を、餃子の皮411の上にセットすることで、餃子の皮411の耳部に水分が塗布される。次に、図9(D)に示すように、水分塗布部材800を餃子の皮411の上にセットした状態のまま、スプーン901等を用いて、具材412を餃子の皮411の上に載置する。なお、上述したように、具材412は、水分塗布部材800の具材挿入口を介して、餃子の皮411の上に載置される。
【0080】
具材412を餃子の皮411の上に載置し終えたら、水分塗布部材800を外し、蓋部120を閉める。そして、図9(E)に示すように、ハンドル142を操作することで、成形ロール140及び成形ロール150を同期回転させる。
【0081】
成形ロール140及び成形ロール150を同期回転させることで、餃子が生成され、容器130に落下する。生成された餃子700は、図9(F)に示すように、容器130を引き出すことで取り出すことができる。
【0082】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る調理玩具100では、凹部と圧着部との間に溝部を設ける構成とした。これにより、餃子を生成する際に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性を低減させることが可能となった。
【0083】
更に、生成された餃子は、一般に、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、凹部と圧着部との間に溝部を設ける構成とすると、餃子を生成する際に、餃子の皮の中央部と耳部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性についても低減させることが可能となる。
【0084】
更に、本実施形態では、餃子の皮の耳部に水分を塗布するための専用の水分塗布部材を設けるとともに、水分塗布部材に、具材挿入口を設ける構成とした。これにより、餃子の皮の耳部に適切な量の水分を塗布することが可能となるとともに、具材を載置する位置の偏りをなくすことが可能となった。この結果、餃子を生成する際あるいは餃子を調理する際の餃子の皮が破れる可能性を更に低減させることが可能となった。
【0085】
また、本実施形態に係る調理玩具では、成形ロールを容易に着脱可能とする構成とした。これにより、ユーザは、容易に調理玩具を分解し、洗浄することができるようになった。
【0086】
また、本実施形態に係る調理玩具では、位置合わせ部材を配する構成とした。これにより、成形ロールを本体部に取り付けた際に、容易に位置合わせを行うことができるようになった。
【0087】
つまり、餃子を生成可能であり、かつ取り扱いが容易な調理玩具を提供することが可能となった。
【0088】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、生成時または調理時に餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性を低減させるために、成形ロールの凹部と圧着部との間に溝部を設けることで、餃子の皮の境界領域が成形ロールと非接触となるように構成したが、本発明はこれに限定されない。
【0089】
餃子の皮の境界領域が、成形ロールと非接触となるように構成するにあたっては、溝部を設ける代わりに、例えば、圧着部近傍に、凸部を設けるようにしてもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0090】
<1.凹部及び凸部の説明>
図10は、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)の他の形状を示す図である。図10(A)に示すように、凹部301及び凹部311は、内側から外側に向かって形成されたなだらかな曲面を有しており、凹部301を形成するなだらかな曲面上であって、圧着部302近傍には、凸部1001が形成されている。同様に、凹部311を形成するなだらかな曲面上であって、圧着部312近傍には凸部1011が形成されている。
【0091】
このように、凸部1001及び1011を形成することで、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮を載置し、更に具材を載置した場合に、当該載置された餃子の皮は、凹部301、311を形成するなだらかな曲面および圧着部302、312に接触する一方で、凸部1001及び1011と圧着部302及び312との間において、成形ロール140及び150に接触しないこととなる。
【0092】
図10(B)は、凹部301、311から圧着部302、312にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した様子を示す図である。図10(B)に示すように、餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置すると、具材412の重みで餃子の皮411は、凹部301、311に沿って湾曲することとなる。その結果、餃子の皮411の中央部は、凹部301、311に接触する。
【0093】
また、凹部301、311の曲面に対して連続的な曲面を形成する凸部1001の曲面1002及び、曲面1002に対して連続的な曲面を形成するとともに圧着部302方向に、餃子の皮411を導く曲面1003においても、接触する(なお、図10(B)では、凸部1001の拡大図のみを示しているが、凸部1011についても同様であるものとする)。
【0094】
更に、餃子の皮411の外周部(耳部)は、貼り合わせのための水が塗布されることで、圧着部302、312に接触する。
【0095】
一方、餃子の皮411の外周部(耳部)と中央部との間の境界領域(凸部1001と圧着部302との間の領域に対応する領域)は、成形ロール140、150には接触しない。図10(B)の1000は、凹部301から圧着部302にかけて餃子の皮411を載置し、更に具材412を載置した状態における、凸部1001の拡大図である。
【0096】
図10(B)の1000に示すように、凹部301の曲面に沿って中央部が湾曲した餃子の皮411は、凸部1001の曲面1002及び曲面1003に沿い、凸部1001と圧着部302との間において、その境界領域が一旦離れ、再び、圧着部302において、耳部が接触する。
【0097】
このように、凸部1001と圧着部302との間において、一旦、その境界領域が離れることで、耳部を貼り合わせる際に、中央部が具材412の重みで矢印401方向に引っ張られたとしても、境界領域が遊びとなって、境界領域(特に矢印402で示す部分)に加わる負荷を和らげることができる。
【0098】
また、境界領域に遊びができることで、調理時(生成された餃子を焼いたり、煮たりした時)に、具材412が包み込まれた領域が熱で膨張したとしても、餃子の皮412が破れることはない。この結果、境界領域で皮が破れるといった事態が生じる可能性を低減させることができる。
【0099】
また、上述したように、生成された餃子は、具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、圧着部近傍に凸部を設ける構成とすることにより、餃子を生成する際に、餃子の皮の中央部と耳部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時においても、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性について低減させることが可能となる。
【0100】
<2.餃子の皮で具材を包み込む手順の説明>
次に、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順について説明する。
【0101】
図11は、成形ロール140と成形ロール150とを用いて、餃子の皮で具材を包み込む手順を説明するための図であり、成形ロール140及び150のA−A断面(図3のA−A断面)を示す図である。
【0102】
図11(A)に示すように、成形ロール140と成形ロール150の回転方向の位置合わせが完了すると、ユーザは、凹部301及び凹部311を、上方位置まで回転させた状態で停止させる。この状態で、餃子の皮411を載置し、更に、具材412を載置する。
【0103】
餃子の皮411及び具材412を載置し終えたら、ユーザは、成形ロール140を回転させる。図11(B)は、成形ロール140の回転を開始させた様子を示している。図11(B)に示すように、成形ロール140の回転を開始させると、成形ロール150も同期回転するため、凹部301及び311に載置された餃子の皮411は、具材412を包み込むように湾曲する。
【0104】
図11(C)は、成形ロール140を更に回転させた様子を示している。図11(C)に示すように、餃子の皮411は、成形ロール140の中央部301及び耳部302、ならびに成形ロール150の中央部311及び耳部312において成形ロール140及び150と密着しているため、具材412を包み込んだ状態でも、下方に落ちることなく、具材412を支持する。
【0105】
図11(D)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが、相対応位置に到達した様子を示している。図11(D)に示すように、相対応位置に到達すると、餃子の皮411の耳部が互いに貼り合わされ、餃子の皮411により具材412は完全に包まれることとなる。
【0106】
成形ロール140及び150が更に回転すると、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れていく。図11(E)は、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れる位置まで回転した様子を示している。
【0107】
図11(E)に示すように、周面144の圧着部302と周面152の圧着部312とが離れると、具材412を包み込んだ餃子の皮411は、重力にしたがって、下方に落下する。以上の手順により、餃子700が生成されることとなる。
【0108】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る調理玩具100では、圧着部近傍に凸部を設ける構成とした。これにより、餃子を生成する際に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性を低減させることが可能となった。
【0109】
更に、生成された餃子は、一般に具材を包み込む中央部に対して耳部の皮の膨張率が低くなっていることから、従来は、調理時(焼いたり、煮たりした時)に加熱されることにより、中央部と耳部との間で破れやすかったが、本実施形態のように、圧着部近傍に凸部を設ける構成とすると、餃子を生成する際に、餃子の皮の耳部と中央部との間の境界領域に空気層を設けることが可能となり、当該空気層により中央部と耳部との膨張率の差を吸収させることができる。このため、本実施形態によれば、調理時に、餃子の皮が耳部と中央部との境界領域で破れる可能性についても低減させることが可能となる。
【0110】
更に、本実施形態のように、圧着部近傍に凸部を設けることにより、具材を載置する範囲が規定されることとなる。この結果、同形・同大の餃子を大量生産することを目的とした従来の業務用の餃子メーカでは、子供達が、一定量の具材を適切な位置に載置することが困難であったところ、本実施形態に係る調理玩具100によれば、一定量の具材を適切な位置に載置することが可能となる。
【0111】
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、餃子の皮の耳部に適切な量の水分を塗布するために、水分塗布部材を設けることとし、図8に水分塗布部材の形状の一例を示したが、本発明に係る水分塗布部材の形状はこれに限られない。
【0112】
例えば、水分塗布部材の水分塗布部を、滑らかな面ではなく、凹凸を有する面により形成するようにしてもよい。水分塗布部を凹凸を有する面により形成することで、水分塗布部に適量の水を付着させることができるからである。
【0113】
図12は、本実施形態における水分塗布部材を説明するための図であり、図12(A)は、水分塗布部材800の斜視図である。なお、水分塗布部材800を上方から見た場合の形状は、図8に示した水分塗布部材の形状と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0114】
一方、図12(B)は、水分塗布部材800の底面図である。図12(B)に示すように、本実施形態の水分塗布部材800の水分塗布部805には、直線状の凸部1201が、一定間隔(例えば、1mm間隔)で設けられている。
【0115】
このように、水分塗布部を凹凸を有する面により形成することで、水分塗布部に適量の水を付着させることが可能となる。
【0116】
なお、図12(B)の例では、凸部1201を一定間隔に配することとしたが、本発明はこれに限定されず、隣り合う凸部1201の間隔は一定でなくてもよい。また、凸部1201の形状は、直線形状でなくてもよい。
【0117】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、成形ロール140及び150の周面144及び152に、1組の凹部(凹部301、311)及び圧着部(圧着部302、312)を設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、周面に、凹部及び圧着部を複数配する構成(例えば周面の一方に配された凹部及び圧着部で餃子を、他方に配された凹部及び圧着部でワンタンを生成できるような構成)としてもよい。更に、その場合、それぞれの凹部の形状や模様付加部の形状が異なるように構成してもよい。
【0118】
また、上記第1の実施形態では、餃子を生成する場合について説明したが、餃子以外の具材包込食品を生成する場合においても同様に適用可能であることはいうまでもない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、
前記凹部と前記圧着部との間に配され、前記具材包込食品の皮の前記中央部と前記外周部との間の領域が、前記1対の成形ロールに接触しないようにするための接触回避部と、が配されており、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【請求項2】
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、前記凹部と前記圧着部と前記接触回避部とが、複数配されていることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項3】
前記接触回避部は溝部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理玩具。
【請求項4】
前記接触回避部は、前記圧着部近傍に設けられた凸部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理玩具。
【請求項5】
前記凸部は、前記凹部が形成する曲面に対して連続する第1の曲面と、前記圧着部に向かって該第1の曲面に連続して形成された第2の曲面とを備えることを特徴とする請求項4に記載の調理玩具。
【請求項6】
前記1対の成形ロールは、
前記ハウジングに軸支された状態で互いに結合し、前記1対の成形ロールの同期回転を実現する歯車と、
前記1対の成形ロールが同期回転した場合であって、互いの回転位置が所定の回転位置になっていない場合に、前記歯車の結合を解除し、所定の回転位置になった場合に、前記歯車を再結合させる回転位置合わせ部材と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項7】
前記圧着部は、前記皮の外周部を圧着させる際に、該皮の外周部に凹凸模様を付加する模様付加部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項8】
前記具材包込食品の皮が前記1対の成形ロールに載置された状態で、該皮の外周部に水分を塗布する水分塗布部材を更に備え、
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に水分を塗布する面が、前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールの周面に沿った形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項9】
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に接触させた状態で、該皮の中央部の所定の位置に、具材が載置できるようにするための、具材挿入口を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の調理玩具。
【請求項10】
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に接触する面に、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の調理玩具。
【請求項11】
前記ハウジングに収納され、前記1対の成形ロールの回転により成形された具材包込食品を格納する容器を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項12】
前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールを覆う蓋部を更に備え、
前記蓋部は、前記1対の成形ロールを覆った状態で、該1対の成形ロールの回転軸を、前記軸受けの方向に押圧する押圧部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項13】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、が配されており、
前記1対の成形ロールは、
前記ハウジングに軸支された状態で互いに結合し、前記1対の成形ロールの同期回転を実現する歯車と、
前記1対の成形ロールが同期回転した場合であって、互いの回転位置が所定の回転位置になっていない場合に、前記歯車の結合を解除し、所定の回転位置になった場合に、前記歯車を再結合させる回転位置合わせ部材と、を更に備え、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【請求項14】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、が配されており、
前記具材包込食品の皮が前記1対の成形ロールに載置された状態で、該皮の外周部に水分を塗布する水分塗布部材を更に備え、
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に水分を塗布する面が、前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールの周面に沿った形状を有しており、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【請求項15】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、が配されており、
前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールを覆う蓋部を更に備え、
前記蓋部は、前記1対の成形ロールを覆った状態で、該1対の成形ロールの回転軸を、前記軸受けの方向に押圧する押圧部材を更に備え、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【請求項1】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、
前記凹部と前記圧着部との間に配され、前記具材包込食品の皮の前記中央部と前記外周部との間の領域が、前記1対の成形ロールに接触しないようにするための接触回避部と、が配されており、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【請求項2】
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、前記凹部と前記圧着部と前記接触回避部とが、複数配されていることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項3】
前記接触回避部は溝部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理玩具。
【請求項4】
前記接触回避部は、前記圧着部近傍に設けられた凸部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理玩具。
【請求項5】
前記凸部は、前記凹部が形成する曲面に対して連続する第1の曲面と、前記圧着部に向かって該第1の曲面に連続して形成された第2の曲面とを備えることを特徴とする請求項4に記載の調理玩具。
【請求項6】
前記1対の成形ロールは、
前記ハウジングに軸支された状態で互いに結合し、前記1対の成形ロールの同期回転を実現する歯車と、
前記1対の成形ロールが同期回転した場合であって、互いの回転位置が所定の回転位置になっていない場合に、前記歯車の結合を解除し、所定の回転位置になった場合に、前記歯車を再結合させる回転位置合わせ部材と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項7】
前記圧着部は、前記皮の外周部を圧着させる際に、該皮の外周部に凹凸模様を付加する模様付加部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項8】
前記具材包込食品の皮が前記1対の成形ロールに載置された状態で、該皮の外周部に水分を塗布する水分塗布部材を更に備え、
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に水分を塗布する面が、前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールの周面に沿った形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項9】
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に接触させた状態で、該皮の中央部の所定の位置に、具材が載置できるようにするための、具材挿入口を更に備えることを特徴とする請求項8に記載の調理玩具。
【請求項10】
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に接触する面に、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の調理玩具。
【請求項11】
前記ハウジングに収納され、前記1対の成形ロールの回転により成形された具材包込食品を格納する容器を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項12】
前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールを覆う蓋部を更に備え、
前記蓋部は、前記1対の成形ロールを覆った状態で、該1対の成形ロールの回転軸を、前記軸受けの方向に押圧する押圧部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の調理玩具。
【請求項13】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、が配されており、
前記1対の成形ロールは、
前記ハウジングに軸支された状態で互いに結合し、前記1対の成形ロールの同期回転を実現する歯車と、
前記1対の成形ロールが同期回転した場合であって、互いの回転位置が所定の回転位置になっていない場合に、前記歯車の結合を解除し、所定の回転位置になった場合に、前記歯車を再結合させる回転位置合わせ部材と、を更に備え、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【請求項14】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、が配されており、
前記具材包込食品の皮が前記1対の成形ロールに載置された状態で、該皮の外周部に水分を塗布する水分塗布部材を更に備え、
前記水分塗布部材は、前記皮の外周部に水分を塗布する面が、前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールの周面に沿った形状を有しており、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【請求項15】
同期回転可能に構成された1対の成形ロールと、
前記1対の成形ロールの回転軸を支持する軸受けを有し、前記1対の成形ロールを近接状態で着脱可能に軸支するハウジングと、を備え、
前記1対の成形ロールの周面には、それぞれ、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記1対の成形ロールに載置された具材包込食品の皮により該皮の中央部に載置された具材を包み込むように動作する凹部と、
前記1対の成形ロールが回転した場合に、前記皮の外周部を圧着させる圧着部と、が配されており、
前記ハウジングに軸支された前記1対の成形ロールを覆う蓋部を更に備え、
前記蓋部は、前記1対の成形ロールを覆った状態で、該1対の成形ロールの回転軸を、前記軸受けの方向に押圧する押圧部材を更に備え、
前記1対の成形ロールの回転により、具材包込食品を成形することを特徴とする調理玩具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−284142(P2010−284142A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145832(P2009−145832)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】
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