説明

調理用シート包装体

【課題】調理用シートを収納箱から取り出して広げた際に巻き戻らず、その後の作業性に優れ、コンパクトで収納しやすい調理用シート包装体を提供する。
【解決手段】調理用包装体1は、収納箱10と、少なくとも一箇所折られた状態で、多数枚積層した上で丸めて収納箱10に収納された調理用シート11と、を有している。調理用シート11は、少なくとも片面にシリコーン樹脂が塗布されたアルミホイル又はクッキングシートである。また、収納箱10は、側面を構成する側面部20と、その両端面に位置する底部21及び天井部22を有し、天井部22が、開閉可能な蓋を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納箱から調理用シートを一枚ずつ取り出すことができ、コンパクトで棚などに収納しやすい調理用シート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、調理用の紙製品やアルミホイルなどのシートを予め一定量収納箱に収納しておき、使用に際して収納箱から一枚ずつ取り出すことのできる包装体として、特許文献1や特許文献2のように、筒状に巻き丸めて巻き芯がない状態で調理用シートを収納箱に収納した包装体が知られている。これらは、使用する際に一枚ずつ、切断することなく、折り目をつけることなく取り出すことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−62868号
【特許文献2】特開2007−91332号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2のように、調理用シートを筒状に巻き丸めて収納すると、取り出して使用する際に、調理用シートが巻き戻ってしまい、作業性が悪くなる。また、調理用シートの一枚の大きさに収納箱の大きさが左右され、調理用シートが大きい場合には包装体が大きくなり、家庭での棚等への収納の際、場所が取られてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、これらの課題を解決するため、収納箱から調理用シートを取り出し広げた際に巻き戻らず、その後の作業性に優れ、コンパクトで棚などに収納しやすい調理用シート包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記課題を解決するため、少なくとも一箇所折られた状態で調理用シートを丸めることにより、調理用シートを取り出して広げた際に巻き戻らずに作業性に優れ、調理用シートが少なくとも一箇所折られた状態で収納箱に収納されることにより、コンパクトになることを見出し、本発明を創作するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)収納箱と、少なくとも一箇所折られた状態で、多数枚積層した上で丸めて前記収納箱に収納された調理用シートと、を有する、調理用シート包装体、
(2)前記調理用シートは、少なくとも片面にシリコーン樹脂が塗布されたアルミホイル又はクッキングシートである、(1)に記載の調理用シート包装体、
(3)前記収納箱は、側面を構成する側面部と、その両端面に位置する底部及び天井部を有し、前記天井部が、開閉可能な蓋を有している、(1)又は(2)に記載の調理用シート包装体、
(4)前記調理用シートは、前記調理用シートの角が前記天井部側に向くように前記収納箱に収納されている、(3)に記載の調理用シート包装体、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収納箱から調理用シートを取り出して広げた際に調理用シートが巻き戻らず、その後の作業性に優れ、コンパクトで棚などに収納しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態にかかる調理用シート包装体の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)は、調理用シートを広げた図であり、(b)は、調理用シートを斜めに折り曲げた図である。
【図3】(a)は、折り曲げた調理用シートを重ねた図であり、(b)は、重ねた調理用シートを丸める途中の図であり、(c)は、重ねた調理用シートを丸めた図である。
【図4】丸めた調理用シートを収納箱に収納するときの図である。
【図5】丸めた調理用シートを収納箱に収納した図である。
【図6】(a)は、調理用シートを広げた図であり、(b)は、調理用シートを折り曲げた図である。
【図7】(a)は、折り曲げた調理用シートを重ねた図であり、(b)は、重ねた調理用シートを丸めた図である。
【図8】丸めた調理用シートを収納箱に収納するときの図である。
【図9】丸めた調理用シートを収納箱に収納した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る調理用シート包装体1の構成の概略を示す斜視図である。
【0011】
調理用シート包装体1は、収納箱10と、当該収納箱10に収納された調理用シート11からなる。
【0012】
収納箱10は、例えば直方体状に形成され、4つの側面を構成する側面部20と、その上下の両端面に位置する底部21及び天井部22とを有している。天井部22は、開閉可能な蓋になっている。
【0013】
調理用シート11は、例えば少なくとも片面にシリコーン樹脂が塗布されたアルミホイル又はクッキングシートである。調理用シート11は、所定の大きさに切り揃えられ、少なくとも一箇所折られた状態で、多数枚積層し、それを丸めて収納箱10に収納されている。
【0014】
具体的には、例えば先ず図2に示すように方形の調理用シート11が用意され、対角線上の折り線C1で半分に三角形に折られる。次に図3(a)に示すように半分に折られた調理用シート11が、複数枚、折り線C1が同じ向き、同じ位置になるように重ねられる。次に、積層された調理用シート11が収納箱10に入るように丸められる。このとき、図3(b)に示すように調理用シート11の折り線C1上の第1の角A1が第2の角A2に合わせられるように内側に曲げられ、さらに図3(c)に示すように第1の角A1と第2の角A2が内側に返されて丸められる。折り線C1上にない第3の角A3は、丸められず、尖った状態が維持される。なお、このとき、調理用シート11は、シリコーン樹脂の塗布面が外面になるように丸められるとよい。
【0015】
その後、図4に示すように収納箱10の天井部22の蓋が開けられ、調理用シート11の第3の角A3の反対側から収納箱10に入れられ、図5に示すように第3の角A3が天井部22側に向くように調理用シート11が収納箱10に収納される。
【0016】
以上の実施の形態によれば、調理用シート11を一箇所折り曲げて収納箱10に収納することで、調理用シート11を収納箱10から取り出して開いた際に調理用シート11が巻き戻ることがなく、直ちに食品を置いたり包んだりすることができるので、作業性が向上する。また、調理用シート11を一箇所折り曲げることで、調理用シート包装体1をコンパクト化することができ、キッチンの棚などへの収納性が向上する。さらに、調理用シート11は、一箇所折ったものであれば、そのまま食品を置き、両端を捻り止めると、包み焼きや包み蒸し等の調理に利用しやすくなり好ましい。
【0017】
また、調理用シート11は、少なくとも片面にシリコーン樹脂が塗布されたアルミホイル又はクッキングシートであるので、収納箱10から引き出す際に、抵抗が少なく取り出しやすくなる。なお、調理用シート11としては、紙製であっても、アルミホイルのような金属製であってもよく、調理用を主とするシート類であればよい。また、調理用シート11のシリコーン樹脂加工は、少なくとも片面に施されていればよいので、両面に施されていてもよく、さらに片面の一部にのみ施されていてもよい。
【0018】
以上の実施の形態では、調理用シート11を対角線上の折り線C1で折り曲げていたが、2辺と平行の折り線で折り曲げてもよい。かかる場合、先ず図6に示すように方形の調理用シート11が用意され、2辺と平行の中央の折り線C2で半分に折られる。次に図7(a)に示すように半分に折られた調理用シート11が、複数枚、折り線C2が同じ向き、同じ位置になるように重ねられる。次に、図7(b)に示すように積層された調理用シート11が収納箱10に入るように丸められる。このとき、調理用シート11の折り線C2と反対側の2つの角のうちの一つの第1の角B1が曲げられずそのまま残るように丸められる。例えば第1の角B1の隣の折り線C2上の第2の角B2とその対角の第3の角B3が内側に曲げられて丸められる。
【0019】
その後、図8に示すように収納箱10の天井部22の蓋が開けられ、調理用シート11の第1の角B1の反対側からから収納箱10に入れられ、図9に示すように第1の角B1が天井部22側に向くように調理用シート11が収納箱10に収納される。
【0020】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0021】
例えば以上の実施の形態では、調理用シート11が一箇所折られていたが複数個所折られていてもよい。かかる場合、調理用シート包装体1をさらにコンパクト化することができる。また、以上の実施の形態では、調理用シート11を半分に折り曲げていたが、半分の面積になる位置よりもずれた位置で折り曲げてもよく、かかる場合、調理用シート11を取り出す際に、調理用シート11の端が摘み易くなる。また、収納箱10への収納時に調理用シート11は、シリコーン樹脂の塗布面が内面になるように丸められてもよい。
【実施例】
【0022】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】
[実施例1]
シリコーン樹脂が両面に塗布された厚み50μmの紙製のシートを、33cm×33cmの大きさに切りそろえ、相対する2辺に平行する位置で、面積が半分になるように一回折り畳んだ。この折り畳んだ調理用シートを20枚積層した上で丸めて、天井部が開閉可能な直方体の収納箱に収納し、調理用シート包装体を得た。
【0024】
この調理用シート包装体を用いると、紙製の調理用シートを取り出し、調理用シートを広げた際に巻き戻らず、そのまま次の作業に取り掛かることができた。
【0025】
[実施例2]
実施例1と同じ紙製の調理用シートを、対角線上に、面積が半分になるように一回折り畳んだ。この折り畳んだ調理用シートを同じ20枚積層した上で丸めて、天井部が開閉可能な直方体の収納箱に、天井部に先端が位置するように収納し、調理用シート包装体を得た。
【0026】
この調理用シート包装体を用いると、紙製の調理用シートを取り出す際、先端部を摘めばよいため取り出しやすく、更に取り出した調理用シートを広げた際に巻き戻らず、そのまま次の作業に取り掛かることができた。
【0027】
[比較例1]
実施例1で使用したものと同じ紙製の調理用シートを、折らずに同じ20枚積層した上で筒状に丸めて、天井部が開閉可能な直方体の収納箱に収納し、調理用シート包装体を得た。
【0028】
この調理用シート包装体から、紙製の調理用シートを取り出すと、紙が丸まってしまい、使用する前に丸まらないように両端を押える、又は反対側に再度丸める等の作業が必要となり、作業性が悪かった。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の調理用シート包装体は、調理に関する様々な用途の調理用シートを包装する際に有用である。
【符号の説明】
【0030】
1 調理用シート包装体
10 収納箱
11 調理用シート
22 天井部
C1、C2 折り線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納箱と、
少なくとも一箇所折られた状態で、多数枚積層した上で丸めて前記収納箱に収納された調理用シートと、を有する、調理用シート包装体。
【請求項2】
前記調理用シートは、少なくとも片面にシリコーン樹脂が塗布されたアルミホイル又はクッキングシートである、請求項1に記載の調理用シート包装体。
【請求項3】
前記収納箱は、側面を構成する側面部と、その両端面に位置する底部及び天井部を有し、
前記天井部が、開閉可能な蓋を有している、請求項1又は2に記載の調理用シート包装体。
【請求項4】
前記調理用シートは、前記調理用シートの角が前記天井部側に向くように前記収納箱に収納されている、請求項3に記載の調理用シート包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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