説明

調理鍋およびその蓋

【課題】加熱されて温度が高くなっても、硬度や非粘着性、撥水性を良好に維持し、変色を防止することができる調理鍋およびその蓋を提供する。
【解決手段】本発明の調理鍋は、金属製の内面44および外面42を有する母材21と、前記内面42に形成される有機樹脂層33,34と、前記有機樹脂層33,34に重ねて形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する第1無機質層31と、前記外面42に形成される銅メッキ層37と、前記銅メッキ層37の外面43に形成され、無機物からなり、外表面に露出する第2無機質層39とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層構造を有する調理鍋およびその蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の調理鍋は、炊飯器に用いられる場合、主に熱伝導性がよいアルミニウムが使用される。IH炊飯器の場合には、アルミニウムの外面に磁性を有する金属が接合される。調理鍋の外表面がこうした磁性金属の場合には、例えば特許文献1に開示されるように、磁性金属表面に粗面化処理を施したものに銅を主成分とするメッキ層を設けることで、調理鍋の発熱性を向上している。さらに、銅メッキ処理層外面には、シリコーンやフッ素、PES(ポリエーテルサルフォン)などの有機化合物の非粘着層がコーティングされる場合もある。また、調理鍋の外表面がアルミニウムの場合には、アルマイト加工で表面にアルミナ膜を形成したり、塗装を施したりして、アルミニウムの酸化や加熱時の変色を防止している。
【0003】
また、調理鍋の内面は、アルミニウムが主流になっている。この場合、アルミニウムにアルマイト加工して耐食性を確保している。さらに、表面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などのフッ素塗装を行うことで、非粘着性を向上することが主流となっている。
【0004】
また、調理鍋の上面開口部を覆う炊飯器の内蓋には、耐食性に優れたアルミニウムにアルマイト加工した材質やステンレスが主に使用されている。さらに、シリコーンやフッ素などを主とする塗装を施して、非粘着性を向上する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−22448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、調理鍋の外表面がアルマイト層である調理鍋は、アルマイト層の非粘着性が悪いことから、ご飯粒や汚れが付着するとその汚れがこびりついて容易に汚れを落とすことができず、清掃し難い問題がある。
【0007】
清掃性を改善する目的で、調理鍋の外表面にシリコーンやフッ素、PESなどを主成分とする塗装を行った調理鍋は、塗料が有機系の塗料であることから、表面硬度がアルマイト層に比べて軟らかく、使用中に傷が付きやすい問題がある。また、炊飯器が故障するなどして調理鍋が異常加熱になった場合には、有機材料が溶解して有害ガスが発生する場合がある。
【0008】
ステンレスや銅メッキに塗装を施した外表面を有する調理鍋は、前述の問題に加えて、ステンレスや銅は熱で容易に酸化することから、調理鍋が高温になった場合にステンレスや銅が酸化し、その酸化面から塗装膜が剥離してしまう問題がある。
【0009】
また、外表面が銅メッキである調理鍋は、炊飯器に使用される場合、調理鍋の外面と所定の空間をもって側面から加熱する側面ヒータの熱吸収性が低下する問題がある。
【0010】
調理鍋の内面は、前述のようにフッ素塗装を行うことが主流となっている。しかしながら、塗装が剥離してご飯に混ざり、フッ素が口から体内に入る可能性があり、脱フッ素化が望まれている。
【0011】
清掃性を改善する目的で、有機系の塗料で表面を塗装した炊飯器の内蓋は、前述のように傷が付きやすく、傷口から腐食が拡大する場合がある。また、シリコーン系やフッ素系の塗料の塗装時には、塗料の焼成温度が高いことから、略平坦状の内蓋が熱変形する場合がある。そのため、内蓋は、炊飯時の内部圧力に耐え、かつ塗装時の熱変形に耐える強度を有する形状および材厚が必要であり、内蓋が重くなって使用性が悪化する問題がある。
【0012】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、加熱効率を高めつつ表面の熱変色を防止し、また表面の非粘着性を高め、かつ表面硬度を高めて耐摩耗性を向上することで、調理性能や汚れの清掃性を高めた調理鍋およびその蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の発明の調理鍋では、金属製の外面を有する母材と、前記外面に形成されて外表面に露出し、非粘着性を有する無機質層とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明の調理鍋では、前記無機質層はアルマイト加工よりも微細で平滑な無機物からなることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明の調理鍋では、前記外面は光沢仕上げされ、前記無機質層は微細無機質体の指紋付着抑制透明膜であることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明の調理鍋では、前記無機質層は、酸素の透過を抑制する透明無機質素材からなるガスバリアー膜であることを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明の調理鍋では、前記無機質層は、有機化合物を含まない無機質素材からなることを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明の調理鍋では、前記外面と前記無機質層との間に形成される樹脂層をさらに備え、前記無機質層は透明な酸素透過遮断膜であることを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明の調理鍋では、前記外面と前記無機質層との間に形成される銅メッキ層をさらに備え、前記無機質層は微細無機質透明膜であることを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明の調理鍋では、前記外面と前記無機質層との間で、前記外面に形成される銅メッキ層と銅メッキ層の外面に形成される樹脂層とをさらに備え、前記無機質層は無機物からなることを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明の調理鍋では、金属製の内面を有する母材と、前記内面に形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する無機質層とを備えることを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明の調理鍋では、前記内面と前記無機質層との間に形成される有機樹脂層をさらに備えることを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明の調理鍋では、金属製の内面および外面を有する母材と、前記内面に形成される有機樹脂層と、前記有機樹脂層に重ねて形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する第1無機質層と、前記外面に形成される銅メッキ層と、前記銅メッキ層の外面に形成され、無機物からなり、外表面に露出する第2無機質層とを備えることを特徴とする。
【0024】
請求項12の発明の調理鍋の蓋では、金属製の内面を有する母材と、前記内面に形成され、無機質素材または有機樹脂からなるベース層と、前記ベース層の内面に形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する無機質層とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1の発明によれば、清掃性を向上するとともに、外部からの加熱効率を向上することができる。
【0026】
請求項2の発明によれば、従来の有機化合物の非粘着層より硬度を高くして傷がつきにくくし、加熱時においても硬度や非粘着性、撥水性を良好に維持することができる。
【0027】
請求項3の発明によれば、加熱を繰り返し行った場合や異常加熱があった場合でも、無機質層が透明性を維持し、光沢のある外観性を維持することができる。
【0028】
請求項4の発明によれば、加熱を繰り返し行った場合や異常加熱があった場合でも、酸素の透過を抑制して金属面の酸化を抑制し、外観を良好に維持することができる。
【0029】
請求項5の発明によれば、被調理物が焦げ付いた場合でも、容易に汚れを落とすことができ、調理なべに傷がつくことを防止することができる。
【0030】
請求項6の発明によれば、樹脂層の酸化による劣化を抑制し、樹脂層の熱変色を防止したり、母材への密着の耐熱温度を高くしたりすることができる。
【0031】
請求項7の発明によれば、鍋全体を均一に加熱することができるとともに、加熱による銅メッキの変色を抑制することができる。
【0032】
請求項8の発明によれば、樹脂層の酸化による劣化を抑制し、樹脂層の熱変色を防止したり、母材への密着の耐熱温度を高くしたりすることができる。
【0033】
請求項9の発明によれば、調理なべの内面の非粘着性や摩耗性を向上し、さらに被調理物が接する内表面に有機化合物を含む材質を使用しないことで、脱ケミカルを実現することができる。
【0034】
請求項10の発明によれば、母材の耐食性を確保しつつ、非粘着性や摩耗性を向上し、さらに被調理物が接する内表面に有機化合物を含む材質を使用しないことで、脱ケミカルを実現することができる。
【0035】
請求項11の発明によれば、調理なべの外面では、鍋全体を均一に加熱することができるようにするとともに、加熱による銅メッキの変色を抑制することができ、調理なべの内面では、母材の耐食性を確保しつつ、非粘着性や摩耗性を向上し、さらに被調理物が接する内表面に有機化合物を含む材質を使用しないことで、脱ケミカルを実現することができる。
【0036】
請求項12の発明によれば、蓋表面の非粘着性や撥水性、硬度を高くして清掃性が向上するとともに、蓋の材厚を必要以上に厚くして蓋が重くなり、使用性が悪化することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の全体断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す調理鍋の、図1における部分Aの拡大断面図である。
【図3】本発明の別な実施例を示す調理鍋の、図1における部分Aの拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す調理鍋の蓋の、図1における部分Bの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における調理鍋およびその蓋の好ましい実施例を説明する。
【0039】
図1は、本実施例の調理鍋を適用可能な炊飯器の基本的な全体構成を示す。同図において、炊飯器の外郭をなす本体1は、外枠2とその下面開口を覆う底板3とにより外郭が形成される。外枠2は、その上端より内側に向けて下方に落ち込む折返し部4が別に形成されており、この折返し部4の下端開口を塞ぐように、椀状の内枠5が本体1の内部に設けられる。
【0040】
有底筒状の鍋6は、米や水などの被調理物を収容し、折返し部4と内枠5とで有底筒状に形成される鍋収容部7内に挿脱自在に収容される。この鍋6は、鍋本体8の主材料である熱伝導性のよいアルミニウムなどの金属や、鍋本体8の外面の側面下部から底面部にかけて接合され、発熱体9として機能する磁性金属板を形成するフェライト系ステンレスなどの磁性金属を母材21とするものである。鍋6は、この母材21の他、無機質層や樹脂層などを積層した積層構造を有し、その詳細は後述する。鍋6は、その上部開口部の周囲にフランジ状に形成された把手部10が鍋収容部7の上縁部上に載ることで、鍋収容部7内に支持される。また、折返し部4の側面には、鍋6を間接的に輻射熱で加熱する側面ヒータ11が設けられる。
【0041】
前記内枠8の外面の発熱体9に対向する側面下部および底面部には、鍋6の特に底部を電磁誘導加熱する加熱手段としての加熱コイル12が設けられる。この加熱コイル12に高周波電流を供給すると、加熱コイル12から発生する交番磁界によって鍋6の発熱体9が発熱し、鍋6ひいては鍋6内の被調理物が加熱されるようになっている。鍋温度検出センサ13は、鍋6の底面に弾性的に当接して鍋6の温度を検出するものであり、これにより加熱コイル12などによる加熱が制御される。
【0042】
蓋体14は、本体1の上側に開閉自在に設けられる。蓋体14の下面には、放熱板15との間に所定の隙間を形成して、鍋6の上部開口部を直接覆う内蓋16が着脱自在に装着されている。この内蓋16の外周部には、環状の蓋パッキン17が環状のパッキンホルダ18とともに固定される。蓋パッキン17は、シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性部材からなり、内蓋16を装着した蓋体14を閉じたときに、本体1に収容された鍋6の把手部10上に密着するものである。こうして内蓋16は、鍋6を密閉する蓋として機能する。内蓋16は積層構造を有し、その詳細は後述する。また、放熱板15の裏面すなわち上面には、この放熱板15を加熱する蓋ヒータ19が設けられる。蓋ヒータ19は、コードヒータなどの電熱式ヒータや電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。蓋ヒータ19による加熱は、蓋温度センサ20で放熱板15の温度を検出することで制御される。
【0043】
次に、図を参照しながら、本実施例における鍋6の積層構造について詳しく説明する。
前述のように、鍋6は、アルミニウムなどの金属やフェライト系ステンレスなどの磁性金属からなる母材21を有する。本実施例においては、図1における部分Aの拡大図である図2に示すように、アルミニウムなどからなる熱伝導層35の外面41にフェライト系ステンレスなどからなる発熱層36が接合されている。この発熱層36の外面42には、銅メッキ層37が形成される。銅メッキ層37の外面43には、必要であれば、模様や文字、記号、数字などがパッド印刷やシルク印刷といった手法で印刷される。これらの印刷に用いられるアクリルやシリコーンなどの有機塗料の樹脂層38に重ねて、透明なアルミナセラミックス層39(銅メッキ保護層)が形成される。すなわち、発熱層36の外面42とアルミナセラミックス層39との間に銅メッキ層37が形成され、銅メッキ層37の外面43に樹脂層38が形成される。
【0044】
アルミナセラミックスの粒径は、100nm以下であり、好ましくは50nm以下であり、粒径の平均はおよそ10nmである。アルミナセラミックスは、後述する方法により微細粒体の分子間力で表面に固着される。耐熱温度は500℃であり、その色は透明である。また、アルミナセラミックス層39は、アルミナ特有の触媒作用に基づき、酸素の透過を遮断するガスバリアー膜として機能し、さらに非粘着性および撥水性を有する無機質層である。
【0045】
鍋6の内面側である熱伝導層35の内面44には、ベース層34としてアルミナセラミックス層が形成される。さらに、このアルミナセラミックス層の内面45には、中間層33としてアルミナセラミックス層が形成される。ただし、この中間層は省略することもできる。そして、このアルミナセラミックス層の内面46には、必要であれば、模様や文字、記号、数字などがパッド印刷やシルク印刷といった手法で印刷される。本実施例のように、鍋6が炊飯器に用いられる場合、例えば水位線や数字などが印刷される。さらに、この印刷物である樹脂層32に重ねて透明なアルミナセラミックス層31が露出して形成される。すなわち、熱伝導層35の内面44と無機質層であるアルミナセラミックス層31との間にベース層および中間層33が形成される。アルミナセラミックス層31は、有機化合物を含まない無機質素材からなるものである。
【0046】
アルミナセラミックスは、粒径が10nm程度と微細であることから、鍋6の内面44に30〜60μm以上の膜を形成し、かつ膜厚のムラをなくしてピンホールの発生を確実に抑制して母材の耐食性に悪影響がないようにするためには、複数回の重ね塗りを行わなければならない。そこで、ベース層34および中間層33のうち少なくとも一方を、アルミナセラミックスに替えて厚塗りが可能なPFA樹脂やPTFE樹脂で予め30μmのフッ素樹脂層(有機樹脂層)を形成し、その上にアルミナセラミックスを形成するようにしてもよい。
【0047】
図3に示すように鍋6の母材21の外面42には、銅メッキ加工を行わず、母材21の外面42に非粘着性を有する無機質層39を外表面に露出させて形成してもよい。無機質層39は、セラミックスなどからなる無機物で形成されればよい。また、無機質層39は、アルマイト加工よりも微細で平滑なセラミックスから形成されればよい。このようなセラミックス層39は、緻密で平滑なことから、非粘着性を有する高硬度の表面を有し、シリコーンやフッ素、PES樹脂よりも硬度が高くなる。また、母材21の外面に光沢仕上げを施し、その表面にセラミックスなどからなる微細無機質体の指紋付着抑制透明膜を形成してもよい。また、無機質層39は、酸素の透過を抑制するアルミナセラミックスなどの透明無機質素材からなるガスバリアー膜であってもよい。また、無機質層39は、有機化合物を含まず、アルミナセラミックスなどを主体とした無機質素材から構成されてもよい。また、母材21の外面42にカラーリングの有機塗料の塗装や、模様、文字、記号および数字などをパッド印刷やシルク印刷を行って樹脂層38を形成した場合に、その樹脂層38の表面にアルミナセラミックスなどの透明な酸素透過遮断膜を形成してもよい。
【0048】
次に、鍋6にアルミナセラミックス層31,39を形成する方法について説明する。まず、粒径が100nm以下であり、好ましくは50nm以下であり、粒径の平均がおよそ10nmのアルミナセラミックス粒体を、水を主とする溶剤中に分散させた塗料を作成する。次に、アルミニウムやフェライト系ステンレス、銅、銅メッキなどの金属で形成される母材21の外面41,42や銅メッキの外面43に塗料を塗装する。その後、塗装した鍋を150℃/30分〜200℃/15分で焼成して水分を蒸発させる。こうして微細粒体の分子間引力でアルミナセラミックス粒体が金属表面に固着され、酸素の透過を遮断し、非粘着性や撥水性を有する無機質層31,39が露出して形成される。アルミナセラミックス層31,39の厚さは10〜50μmである。
【0049】
前述のようにPFAフッ素コーティングの内面および銅メッキの外面43にアルミナセラミックス層39を形成する場合には、次のようにするとよい。まず、鍋6の内面へPFAコーティングを行う。次に鍋6の外面へ銅メッキ加工を行う。銅メッキ加工を行った後は、できるだけ早く銅メッキの外面にアルミナセラミックスコーティングを行い、銅の自然酸化を防止することが望ましい。そこで、銅メッキ加工後、アルミナセラミックス粒体を分散させたアルミナセラミックス溶液に鍋6を浸漬して、アルミナセラミックスをコーティングする。こうすると、鍋6の内面と外面とを同時にアルミナセラミックスでコーティングすることができ、鍋6の内外面へのコーティングが容易となる。
【0050】
次に、図4を参照しながら、本実施例における内蓋16の積層構造について詳しく説明する。図1におけるB部分の拡大図である図4に示すように、内蓋16はアルミニウムなどの金属からなる母材53を有する。内蓋16の上側である外面側の母材53の外面61には、ベース層52としてアルミナセラミックス層が形成される。このベース層52はPFAフッ素コーティングなどのフッ素樹脂層で形成されてもよい。さらに、このアルミナセラミックス層の外面62には、透明なアルミナセラミックス層51が形成される。このアルミナセラミックス層51は有機化合物を含まない無機質素材からなるものである。
【0051】
内蓋16の下側であり鍋6の上部開口部に面する内面側の母材53の内面63には、ベース層54としてアルミナセラミックス層が形成される。さらに、このアルミナセラミックス層の内面64には、中間層55としてアルミナセラミックス層が形成される。ただし、この中間層55は省略することもできる。また、ベース層54および中間層55の少なくとも一方がPFAフッ素コーティングなどのフッ素樹脂層で形成されてもよい。さらに、この中間層55の内面65には、透明なアルミナセラミックス層56が内表面に露出して形成される。このアルミナセラミックス層56は、有機化合物を含まない無機質素材からなるものである。アルミナセラミックス層51,52,54,55,56は、前述の鍋6の場合と同様の方法で形成することができる。
【0052】
次に、上記の構成の調理鍋およびその蓋の作用について説明する。鍋6の外表面に非粘着性を有する無機質層39を形成することで、ご飯粒や調味料といった被調理物などの汚れが付着しにくくなる。また、汚れを簡単に洗い落とすことができ、清掃性が改善される。さらに、鍋6の外表面と鍋温度検出センサ13との間に異物が介在する可能性が低くなり、炊飯時の鍋6の温度コントロール精度が向上する。また、無機質層39をアルミナセラミックスなどのセラミックスで形成することで、従来のシリコーンやフッ素、PES樹脂などの有機化合物の非粘着層に比べ、鍋6の外表面の硬度が高くなり、清掃時に鍋6の外表面に傷がつきにくくなる。さらに、セラミックスは撥水性を有することから、鍋6を洗浄後に炊飯器本体1へ鍋を入れて炊飯加熱したときに、鍋6の外面に付着した水が蒸気となって本体1の隙間から蒸気が漏れることを防止することができる。
【0053】
また、セラミックス層39は、アルミニウムやフェライト系ステンレスなどの母材21に比べて熱吸収性が優れており、輻射熱で鍋6の外面を非接触で間接的に加熱した場合の熱吸収性が向上する。例えば、鍋6の外面周囲に離間して設けた側面ヒータ11での鍋6の加熱効率が向上し、炊飯ムラを低減することができる。さらに、加熱効率が高くなれば、側面ヒータ11の発熱は効率的に鍋6に供給され、側面ヒータ11や側面ヒータ11の取付け部の表面温度が低下し、本体1の温度上昇を抑制することができる。
【0054】
従来、鍋6の外面にセラミックス層を形成する技術として、アルマイトなどのアルミナ(AL)セラミックス層を形成し、表面硬度を高くして耐食性を向上する技術があった。しかしながら、表面の凹凸やピンホールなどで、ご飯粒などの被調理物が付着しやすい問題があった。これに対し、本実施例のように、100nm以下の微細なアルミナセラミックスの粉末を分子間引力で鍋6の外面に固着させることで、微細で平滑なセラミックス層39を形成することができる。こうして、鍋6の外表面は、被調理物が付着しない非粘着性を有し、高硬度で撥水性を有するものとすることができる。また、従来、アルマイト加工以外のセラミックス層形成手段として、シリコーンやフッ素樹脂の中に、アルミナ粉末やチタニア(TiO)粉末を含有させてコーティングする方法がある。しかしながら、バインダーが樹脂であることから、表面硬度が軟らかく、温度が高くなるとさらに軟らかくなる問題があった。これに対し、本実施例のように、ナノサイズのセラミックスを分子間引力で固着させることにより、従来の有機化合物などの有機系バインダーが不要となり、表面硬度を飛躍的に向上することができる。さらに、鍋6が加熱されて温度が高くなっても、硬度や非粘着性、撥水性を良好に維持することができる。
【0055】
鍋6の外面をアルミニウムやステンレスとし、これらの表面をバフ仕上げなどで研磨して光沢面としたり、銅メッキなどの光沢面としたりする場合、光沢仕上げの研磨加工やメッキ加工の後に、手や指の油脂分が付着しやすく、外観の悪化の要因となっている。従来、外観性を損なわずに透明膜を設ける場合は、アクリルやシリコーンなどの樹脂製の有機化合物の透明膜をコーティングしていた。しかしながら、炊飯時のこげを付けるような高温加熱時や制御手段の故障などの異常加熱時には、鍋6の外面の温度は、通常は150℃以下程度であるのに対し、150℃を超える状況になり、樹脂製の透明膜が熱的に耐えられない状況となる。すなわち、短時間では、アクリルは150℃程度、シリコーンは200℃程度の耐熱温度を有するものの、炊飯を繰り返し行った場合は、150℃程度でも樹脂製の透明膜は劣化し、透明膜が容易に剥離してしまう問題があった。これに対し、粒径が100nm以下であり、好ましくは50nm以下であるアルミナセラミックス粒体を分子間引力で鍋6の外面に固着させたことにより、人体の油脂分が付着しにくい透明膜が形成される。また、有機化合物を含まないことから、耐熱温度は500℃以上となり、鍋6を高温で加熱して炊飯を繰り返し行った場合や、異常加熱があった場合でも、指紋の付着を抑制する効果を維持することができる。さらに、透明性も維持することができ、鍋6の外面のアルミニウムやステンレスなどを研磨した光沢面や、銅メッキなどの光沢面の外観性を良好に維持することができる。
【0056】
鍋6の外面をアルミニウムやステンレス、銅メッキとした場合、金属表面が酸化して光沢を失ったり、炊飯時の熱で金属の酸化が加速し変色が急速に発生したり、部分的に温度が高い部分の色が変わったりして、実用上、その外観性が問題となっていた。従来、酸化を抑制しつつ外観製を損なわずに透明膜を設ける場合は、アクリルやシリコーンなどの樹脂製の有機化合物の透明膜をコーティングしていた。しかしながら、炊飯時のこげを付けるような高温加熱時や制御手段の故障などの異常加熱時には、鍋6の外面の温度は、通常は150℃以下程度であるのに対し、150℃を超える状況になり、樹脂製の透明膜が熱的に耐えられない状況となる。すなわち、短時間では、アクリルは150℃程度、シリコーンは200℃程度の耐熱温度を有するものの、炊飯を繰り返し行った場合は、150℃程度でも酸化防止の透明膜は劣化し、透明膜が容易に剥離してしまう問題があった。これに対し、本実施例のように、粒径が100nm以下であり、好ましくは50nm以下であり、粒径の平均がおよそ10nmであるアルミナセラミックス粒体を分子間引力で鍋6の外面に固着させたことにより、ナノレベルに微細で、アルミナ特有の触媒作用で酸素の透過を遮断する透過遮断膜(ガスバリアー膜)が形成される。また、有機化合物を含まないことから、耐熱温度は500℃以上となり、鍋6を高温で加熱して炊飯を繰り返し行った場合や、異常加熱があった場合でも、酸素の透過を抑制して金属面の酸化を抑制することができる。その結果、鍋6の外面のアルミニウムやステンレス、銅メッキなどの熱酸化での変色を防止し、外観を良好に維持することができる。
【0057】
鍋6の外面をアルミニウムやステンレス、銅メッキなどの金属とした場合、使用時に外表面に傷がつきやすり問題があった。また、これらの金属は非粘着性が低いことから、被調理物などの汚れが付着し、使用時の加熱で焦げ付いた場合には、クレンザーや金属ヘラなどで強制的に焦げ付きを除去しなければならず、傷がつきやすい要因となっている。これに対し、本実施例のように、粒径が100nm以下であり、好ましくは50nm以下であるアルミナセラミックス粒体を分子間引力で鍋6の外面に固着させたことにより、ナノレベルに微細であり、硬度が高く傷がつきにくい膜が形成される。また、アルミナセラミックス層は、非粘着性および撥水性も優れており、汚れが付着しにくくなる。また、アルミナセラミックスを主体とするアルミナセラミックス層は、シリコーンやフッ素、PES、アクリルなどの有機化合物を含まない無機質素材で形成されるので、高温で加熱されることで有機化合物が軟化して硬度や非粘着性が低下することがない。したがって、たとえ被調理物が付着して、炊飯加熱で焦げ付いた場合でも、容易に汚れを落とすことができるので、クレンザーや金属ヘラなどで強制的に汚れを落とすことで傷がついてしまう問題も解消される。
【0058】
鍋6の母材21の外面42に銅メッキ加工を行うと、銅メッキは熱伝導性がよいことから、鍋6の全体を均一に加熱して炊飯時の炊きムラを低減することができる。また、銅メッキ層37の外側のセラミックス層39は断熱性に優れており、鍋6の保温性を高めて炊飯加熱効率を向上することができる。
【0059】
銅メッキ層37の外面43や母材21の外面41,42に形成されたアクリルやシリコーンなどの有機塗料の表面をアルミナセラミックスなどの透明で酸素の透過を遮断する酸素透過遮断膜を形成することで、アルミナセラミックスがガスバリアー膜として機能し、有機塗料の酸化による劣化を抑制して、有機塗料の熱による変色を防止したり、有機塗料の母材21への密着の耐熱温度を高くしたりすることができる。その結果、鍋6が例えば炊飯器に使用された場合に、鍋6の高温耐久性を向上することができる。
【0060】
また、アルミナセラミックスがガスバリアー膜として機能することで、銅メッキの酸化による変色も防止される。銅の変色は、メッキ加工後すぐに開始し、温度が高くなると短時間で進行する。すなわち、アルミナセラミックスのガスバリアー膜が形成されるまでの間に変色が進行してしまう。したがって、銅メッキの色は、焼成後に濃くなることから、焼成後の色の変化を想定して薄めの色になるようにメッキの厚みを設定することが望ましい。また、アルミナセラミックスの焼成温度は、例えば実際の炊飯器の使用温度と同等以上の温度とし、実際に使用する際に銅の変色が進行しにくくなるようにすることが望ましい。こうすることで、銅メッキの自然酸化による変色や使用時の加熱による変色が抑制され、鍋6の実用性を高めることができる。
【0061】
母材21の表面に例えばPFAなどのフッ素樹脂で膜厚30μmのコーティングを行い、その上にセラミックス層をコーティングすることで、ピンホールの発生を防ぎ、母材21の耐食性への悪影響を排除することができる。また、セラミックスはPFA樹脂よりも表面の硬度が高いことから、従来のPFA樹脂面よりも傷がつきにくくなる。また、アルミナセラミックスは微細粒体であることから、例えば炊飯器に求められる非粘着性を確保することができ、さらに耐摩耗性を向上することができる。そして、有機化合物を含む材質が被調理物に接することがなく、脱ケミカルを図ることができる。
【0062】
内蓋16の内外面にアルミナセラミックスを形成することで、鍋6の場合と同様に、表面の非粘着性や撥水性、硬度を向上し、清掃性を向上することができる。また、アルミナセラミックスは熱吸収性が高いことから、蓋ヒータ19の加熱効率が向上する。さらに、アルミナセラミックスの焼成温度は、150℃/30分〜200℃/15分であり、従来のシリコーンやフッ素樹脂の焼成温度である300〜400℃に比べて低温であることから、焼成時の母材53の熱変形が少なくなる。したがって、内蓋16の材厚を必要以上に厚くして内蓋16が重くなり、使用性が悪化することを防ぐことができる。
【0063】
以上のように、本実施例は請求項1に対応しており、金属製の外面42を有する母材21と、前記外面42に形成されて外表面に露出し、非粘着性を有する無機質層39とを備えることで、鍋6の清掃性を向上するとともに、例えば側面ヒータ11などからの加熱効率を向上することができる。
【0064】
また本実施例は請求項2に対応しており、前記無機質層39が、アルマイト加工よりも微細で平滑な無機物で形成されることで、従来の有機化合物の非粘着層より硬度を高くして傷がつきにくくし、加熱時においても硬度や非粘着性、撥水性を良好に維持することができる。
【0065】
また本実施例は請求項3に対応しており、前記外面42は光沢仕上げされ、前記無機質層39が微細無機質体の指紋付着抑制透明膜であることで、炊飯を繰り返し行った場合や異常加熱があった場合でも、無機質層が透明性を維持し、光沢のある外観性を維持することができる。
【0066】
また本実施例は請求項4に対応しており、前記無機質層39が、酸素の透過を抑制する透明無機質素材からなるガスバリアー膜であることで、炊飯を繰り返し行った場合や異常加熱があった場合でも、酸素の透過を抑制して金属面の酸化を抑制し、外観を良好に維持することができる。
【0067】
また本実施例は請求項5に対応しており、前記無機質層39が、有機化合物を含まない無機質素材からなることで、被調理物が焦げ付いた場合でも、容易に汚れを落とすことができ、鍋6に傷がつくことを防止することができる。
【0068】
また本実施例は請求項6に対応しており、前記外面42と前記無機質層39との間に形成される樹脂層38をさらに備え、前記無機質層39が透明な酸素透過遮断膜であるで、樹脂層38の酸化による劣化を抑制し、樹脂層38の熱変色を防止したり、母材21への密着の耐熱温度を高くしたりすることができる。
【0069】
また本実施例は請求項7に対応しており、前記外面42と前記無機質層39との間に形成される銅メッキ層37をさらに備え、前記無機質層39が微細無機質透明膜であることで、鍋6の全体を均一に加熱することができるとともに、加熱による銅メッキの変色を抑制することができる。
【0070】
また本実施例は請求項8に対応しており、前記外面42と前記無機質層39との間で、前記外面42に形成される銅メッキ層37と銅メッキ層37の外面43に形成される樹脂層38とをさらに備え、前記無機質層39が無機物からなることで、樹脂層38の酸化による劣化を抑制し、樹脂層38の熱変色を防止したり、樹脂層38の母材21への密着の耐熱温度を高くしたりすることができる。
【0071】
また本実施例は請求項9に対応しており、金属製の内面44を有する母材21と、前記内面44に形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する無機質層31とを備えることで、鍋6の内面の非粘着性や摩耗性を向上し、さらに被調理物が接する内表面に有機化合物を含む材質を使用しないことで、脱ケミカルを実現することができる。
【0072】
また本実施例は請求項10に対応しており、前記内面44と前記無機質層31との間に形成される有機樹脂層33,34をさらに備えることで、母材の耐食性を確保しつつ、非粘着性や摩耗性を向上し、さらに被調理物が接する内表面に有機化合物を含む材質を使用しないことで、脱ケミカルを実現することができる。
【0073】
また本実施例は請求項11に対応しており、金属製の内面44および外面42を有する母材21と、前記内面42に形成される有機樹脂層33,34と、前記有機樹脂層33,34に重ねて形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する第1無機質層31と、前記外面42に形成される銅メッキ層37と、前記銅メッキ層37の外面43に形成され、無機物からなり、外表面に露出する第2無機質層39とを備えることで、鍋6の外面では、鍋6の全体を均一に加熱することができるようにするとともに、加熱による銅メッキの変色を抑制することができ、鍋6の内面では、母材21の耐食性を確保しつつ、非粘着性や摩耗性を向上し、さらに被調理物が接する内表面に有機化合物を含む材質を使用しないことで、脱ケミカルを実現することができる。
【0074】
また本実施例は請求項12に対応しており、金属製の内面63を有する母材53と、前記内面63に形成され、無機質素材または有機樹脂からなるベース層54と、前記ベース層54の内面64に形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する無機質層56とを備えることで、内蓋16の表面の非粘着性や撥水性、硬度を高くして清掃性が向上するとともに、内蓋16の材厚を必要以上に厚くして内蓋16が重くなり、使用性が悪化することを防ぐことができる。
【0075】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。実施例では、鍋6を電磁誘導で加熱するようにしたが、鍋6の加熱手段は電熱ヒータなどであってもよい。鍋6の母材21は、熱伝導層35と発熱層36とからなるとしたが、例えば熱伝導層35だけであってもよい。また、鍋6の形状は、炊飯器用の形状を示したが、この形状に限定されるものではない。鍋6の蓋として機能する内蓋16の形状も同様である。
【符号の説明】
【0076】
21 母材
31 無機質層(第1無機質層)
33 中間層(アルミナセラミックス層または有機樹脂層)
34 ベース層(アルミナセラミックス層または有機樹脂層)
37 銅メッキ層
38 樹脂層
39 無機質層(第2無機質層)
42 (母材の)外面
43 (銅メッキ層の)外面
44 (母材の)内面
53 母材
54 ベース層
56 無機質層
63 (母材の)内面
64 (ベース層の)内面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の外面を有する母材と、前記外面に形成されて外表面に露出し、非粘着性を有する無機質層とを備えることを特徴とする調理鍋。
【請求項2】
前記無機質層は、アルマイト加工よりも微細で平滑な無機物からなることを特徴とする請求項1に記載の調理鍋。
【請求項3】
前記外面は光沢仕上げされ、前記無機質層は微細無機質体の指紋付着抑制透明膜であることを特徴とする請求項1に記載の調理鍋。
【請求項4】
前記無機質層は、酸素の透過を抑制する透明無機質素材からなるガスバリアー膜であることを特徴とする請求項1に記載の調理鍋。
【請求項5】
前記無機質層は、有機化合物を含まない無機質素材からなることを特徴とする請求項1に記載の調理鍋。
【請求項6】
前記外面と前記無機質層との間に形成される樹脂層をさらに備え、前記無機質層は透明な酸素透過遮断膜であることを特徴とする請求項1に記載の調理鍋。
【請求項7】
前記外面と前記無機質層との間に形成される銅メッキ層をさらに備え、前記無機質層は微細無機質透明膜であることを特徴とする請求項1に記載の調理鍋。
【請求項8】
前記外面と前記無機質層との間で、前記外面に形成される銅メッキ層と銅メッキ層の外面に形成される樹脂層とをさらに備え、前記無機質層は無機物からなることを特徴とする請求項1に記載の調理鍋。
【請求項9】
金属製の内面を有する母材と、前記内面に形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する無機質層とを備えることを特徴とする調理鍋。
【請求項10】
前記内面と前記無機質層との間に形成される有機樹脂層をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の調理鍋。
【請求項11】
金属製の内面および外面を有する母材と、前記内面に形成される有機樹脂層と、前記有機樹脂層に重ねて形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する第1無機質層と、前記外面に形成される銅メッキ層と、前記銅メッキ層の外面に形成され、無機物からなり、外表面に露出する第2無機質層とを備えることを特徴とする調理鍋。
【請求項12】
金属製の内面を有する母材と、前記内面に形成され、無機質素材または有機樹脂からなるベース層と、前記ベース層の内面に形成され、有機化合物を含まない無機質素材からなり、内表面に露出する無機質層とを備えることを特徴とする調理鍋の蓋。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−250977(P2011−250977A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126571(P2010−126571)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】