Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
調節可能な生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を調製する方法
説明

調節可能な生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を調製する方法

本発明は、非常に早いバイオリソープション速度を有するゾル−ゲル誘導SiO2を調製するための方法に関し、ゾル−ゲル誘導SiO2は、触媒として鉱酸または塩基を用いて水、アルコキシドまたは無機シリケートおよび低級アルコールを含有するゾルから調製され、前記ゾルは熟成し乾燥される。該方法の特徴は、pHは1.5から2.5、水対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比が0.5〜2.5で、アルコール対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比が0.5以上であり、かつゾルを組成の誘導変化なしに、かつゾルの強制乾燥なしにゲル化させ、または組成の変化を誘導し、誘導変化してから30分以内にゾルの強制乾燥が行われるかまたは開始されることである。本発明はゾル−ゲル誘導SiO2のバイオリソープション速度を調節するための方法にも関する。調節方法についての特徴は、非常に早いバイオリソープション速度を有するSiO2は上で該当する方法により得られ、もっとも早いバイオリソープション速度よりゆっくりしたバイオリソープション速度を有するSiO2はパラメータのいくつかを変化させることによって得られる。pH、水対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比および/またはアルコール対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比、成分または複数の成分および/または任意の生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の添加による誘導変化、強制乾燥を行わない、または後にゾルの強制乾燥を行うか、または開始することによる値に影響を及ぼす前記変化を行うこと、および/またはゾルを自然にゲル化させるために温度を変化させることである。本発明は、さらに本発明の方法により得られる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2に関し、生物学上活性な薬剤の投与における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゾル−ゲル誘導SiO2の生体吸収速度を調節する方法に関する。さらに、本発明は、その方法で得ることができるゾル−ゲル誘導SiO2に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景を例示するために本明細書に使用される出版物および他の材料、特に、実施を予想した追加の詳細を提供する事例は、参照して組込まれる。
【0003】
ゾル−ゲル誘導SiO2は、一般に、加水分解を介して、部分的に加水分解されたシリカスピーシーズ(species)または完全に加水分解されたケイ酸のいずれかを含有するゾルを形成するアルコキシドまたは無機シリケートから調製される。結果として起こるSiOH含有スピーシーズの縮合反応は、シロキサン結合の量を増大しつつ、大型シリカスピーシーズの形成を導く。さらに、そのスピーシーズは、凝集し、ゲルが形成されるナノサイズの粒子および/または大型凝集体を形成する。アルコキシドから誘導されるゾルは、部分的加水分解についての可能性により、シロキサン結合形成および凝集を調節する可能性を供する。反応(一般的に、≦40℃で)は、一般に、鉱酸(HClおよびHNO3など)または塩基(NH3など)のいずれかにより触媒作用を受ける。その後、形成されたゲルを、熟成(一般的に、≦40℃で)させ、乾燥(一般的に、≦40℃で)および所望の形態に熱処理(一般的に、≦700℃で)させ、一般的に、不定形および多孔性SiO2を生じる。系が、生物学的に活性な薬剤を含有する場合、最後の工程、つまり、高温(50〜700℃)の熱処理を、一般的に飛ばす。中程度の温度(≦50℃で)で乾燥されたゲルは、キセロゲル(<Gr。キセロ(xero)=乾燥)と称される。不定形で、多孔性のゾル−ゲル誘導SiO2は、生体適合性であることが知られており、生体組織に、並びに実際のヒト体液の無機部分を想定する溶液に、たとえば、実際の体液で見られる無機塩を用いて、または用いずに37℃でpH7.4に中和された水溶液中に溶解することが知られている。
【0004】
生きている組織、たとえば生体組織中、またはそれと接触した、または植物、微生物などと接触した材料の分解のために使用される用語は、膨大である。用語「生体分解性/生体分解」は、しばしば、生きている組織中、またはそれと接触した分解について一般定義として使用される。また、その用語は、分解機構が、体液中で溶解、並びに重合体マトリックスの酵素的分解の両方を含みうることを示すために、特に、炭素系の重合体とに関連して、使用される。炭素系の重合体に関して、これは、しばしば、分子量の減少または質量損失におけるいずれか、またはその両方を意味する。用語「生体再吸収性/生体再吸収」および「生体吸収性/生体吸収」は、しばしば、体液中の溶解により、または正確に知られていない機構により、主に左右される分解機構を示して、主に生体組織での移植された生体材料について、生きている組織中で、またはそれと接触した材料分解を示すために使用される。生体再吸収は、しばしば、生物活性ガラスまたはゾル−ゲル誘導SiO2などの移植可能なセラミック製生体材料について使用される。一般用語、体液への「溶解/可溶性」は、しばしば、生体組織に移植された生体材料について使用される。用語「(生体)腐食/(生体)腐食性」は、さらにしばしば、薬剤送達で使用され、特に、放出を制御する機構のあいだを区別することが望ましい場合、使用される。「表面腐食」は、非常に疎水性であるので、吸水が起こらず、溶解/分解は、表面で起こり、大量の腐食性材料が吸水を行う材料を示す。
【0005】
生体再吸収性材料の重要性は、生物学上活性な薬剤の徐放中に高まる。所望の組織における局所および/またはより有効な結果、または制御された全身の効果のいずれかを達成するために、移植片として、または注入マトリックスとして薬剤を投与することが、しばしば望ましい。この目的のための生物学上活性な薬剤の大半の有望な群は、バイオテクノロジーで生成された薬剤である。これらの薬剤の数は、どんどん増え、ヒトゲノムにおける首尾よい研究により促進される。新規バイオテクノロジー薬剤は、典型的には、ペプチド、タンパク質および多糖などのようにサイズが大きく、直接経口投与では、小腸分解により困難となる。さらに、生体再吸収性マトリックスは、たとえば、日に数回投与することを避けるために、または薬剤療法中の患者の従順性を最大限利用するために、移植による小型分子の投与を最適化するための有望な材料である。さらに、生体再吸収性材料は、生体安定性送達マトリックス(PDMS、ポリジメチルシロキサンのような)のために共通して行われる余剰の除去操作を避けることが望ましい場合、有望なマトリックスである。1〜100nmのあいだの孔サイズを有する材料は、多くのペプチドおよびタンパク質のサイズと同じ桁の規模にあるが、単に拡散制御放出は、決して最適でない。
【0006】
ズィンク(Zink)らによる国際公開第93/04196号パンフレットは、ゾル−ゲル法で調製された多孔性透明ガラス中に酵素を封入する案を開示する。その目的は、孔構造中に酵素を固定化することであり、したがって、酵素の放出を避けることである。これらの多孔性透明ガラスは、捕捉された材料と反応する有機および無機の両方の化合物を定性および定量的に検出するためのセンサーを製造するために使用されうる。これらのガラスにおける孔の半径は、非常に小さい(約4nmより下)ので、捕捉された生物学上活性な材料は、ガラスから拡散できない。
【0007】
デュケイン(Ducheyne)らによる国際公開第96/03117号パンフレットは、生物学上活性な分子を、シリカ系のガラスのマトリックス内に組込む徐放担体を開示する。ここで、シリカ系のガラスは、特に、多成分ガラスであり、そして100%SiO2は、非常に溶解しにくい特定の事例である。担体からの生物学上活性な分子の放出は、孔構造を通した拡散により最初に起こることが要求され、バイオリソープション(bioresorption)が、生物学上活性な薬剤の放出に影響を及ぼすことは明記されていない。
【0008】
アホラ(Ahola)らによる国際公開第97/45367号パンフレットは、ゾル−ゲル法を介して調製された制御された溶解性シリカ−キセロゲルを記述する。溶解性酸化物(シリカキセロゲル)の調製は、同時のゲル化および蒸散により行われ、主に、噴霧−乾燥により作成される小型粒子、または引伸しにより作成される繊維に関する。アホラらによる国際公開第01/13924号パンフレットは、ゾル−ゲル誘導シリカキセロゲルから得られる生物学上活性な薬剤の徐放を記述する。これらの発明は、生物学上活性な薬剤のための持続および/または徐放送達デバイスを提供するが、バイオリソープションを調節するための方法を付与しないか、またはただ、バイオリソープションを調節するための非常に限定された手段を付与するのみである。
【0009】
ヨキネン(Jokinen)らによる国際公開第00/50349号パンフレットおよびペルトラ(Peltola)らによる国際公開第01/40556号パンフレットは、ゾル−ゲル誘導シリカ繊維の製造の方法を開示する。国際公開第00/50349号パンフレットは、旋回工程の粘度を制御することによって繊維の生体分解速度を調節する方法を開示する。国際公開第01/40556号パンフレットは、生物活性ゾル−ゲル誘導シリカ繊維を製造する方法を開示する。
【0010】
コスキネン(Koskinen)らによる国際公開第02/080977号パンフレットは、ウイルスを感染および/またはトランスフェクトさせることを包含する生体分解性シリカキセロゲルの調製の方法を開示する。
【0011】
先行技術は、目的にかなった生体再吸収速度でゾル−ゲル誘導SiO2を調製する万能の手段を提供しない。特に、それは、非常に早い生体再吸収速度でゾル−ゲル誘導SiO2を調製するための手段を提供しない。
【発明の開示】
【0012】
本発明の目的は、非常に早い生体再吸収速度でゾル−ゲル誘導SiO2を調製する方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、ゾル−ゲル誘導SiO2の生体再吸収速度を調節する方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、所望の生体再吸収速度を有するという目的に適合したゾル−ゲル誘導SiO2モノリスを提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、所望の生体再吸収速度を有するという目的に適合したゾル−ゲル誘導SiO2被覆材を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、所望の生体再吸収速度を有するという目的に適合したゾル−ゲル誘導SiO2粒子を提供することである。
【0017】
本発明の目的は、生物学上活性な薬剤を、ヒトまたは動物の体に、または植物に投与する方法を提供することにもある。
【0018】
したがって、本発明は、ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは最小直径≧0.5mmを有するゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆剤、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆剤、または粒子、好ましくは最大直径≦100μmを有する粒子、非常に早い生体再吸収速度で、上記生物学上活性な薬剤または複数の薬剤用の保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の特定の百分率、またはそうでない百分率を任意に包含する前記SiO2を調製する方法を提供し、ゾル−ゲル誘導SiO2は、触媒として鉱酸または塩基を、好ましくは鉱酸を使用して、水、アルコキシドまたは無機シリケートおよび低級アルコール、すなわち、≦4の炭素を有するアルコールを包含するゾルから調製される、および上記ゾルは、熟成および乾燥される。その方法についての特徴は、
a)ゾル中で、出発時、
i)pHが、0.05から2.5、好ましくは1.5から2.5、最も好ましくは、2.0であり、
ii)水対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比は、0.5から2.5、好ましくは1.5から2.5であり、
iii)アルコール対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比は、≧0.5、好ましくは≧1.0であり;および
b)i)ゾルは、ゾル組成物の誘導変化なしで、
・≦25℃の温度、または65℃から90℃の高温で、好ましくは65℃から90℃の高温で自然にゲル化させるか、または
・ゾルのゲル化が、ゾルの強制乾燥により行われるか、または
ii)ゾル組成物の変化または複数の変化が、ゾル熟成の後、しかし、ゲル形成前に誘導され、上記保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、任意に、上記生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の添加を包含し、
比t/tゲルは、≧0.005、好ましくは≧0.1、最も好ましくは≧0.9
(式中、tは、ゾルの熟成時間、すなわち、上記ゾルの調製から誘導変化までの時間であり、
ゲルは、ゾルが、誘導変化なしにゲルに変わったであろう時点である。)である、
ゾルの強制乾燥は、上記誘導変化または複数の変化から、≦30分、好ましくは≦15分、最も好ましくは≦5分の時間以内に行われるか、開始される。
【0019】
本発明は、ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは最小直径≧0.5mmを有するゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆剤、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆剤、または粒子、好ましくは最大直径≦100μmを有する粒子、生物学上活性な薬剤または複数の薬剤用の保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の特定の百分率、またはそうでない百分率を任意に包含するSiO2の生体吸収速度を調節する方法も提供する。その方法についての特徴は、非常に早い生体再吸収性速度を有するSiO2が、上記で定義したようにSiO2を調製する方法により得られ、かつ定義されたSiO2を調製する方法に対して非常に早い生体再吸収性速度よりゆっくりとした生体再吸収性速度を有するSiO2が、所望のSiO2の生体再吸収性速度を変化a)、b)および/またはc)と相関させることによって得られ、
a)ゾル中で、請求項1のa)i)〜iii)中で定義された値から、出発の値:
i)pH、
ii)水対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比、および/または
iii)アルコール対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比
のいずれかを外すことを包含し;
b)上記保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の任意の添加を含めた成分または複数の成分の添加により誘導変化を行うことを包含し、前記変化が、
i)強制乾燥を行わないか、または
ii)請求項1のb)ii)に定義されるより後にゾルの強制乾燥を行うか、または開始することによって使用される場合、請求項1のa)値i)〜iii)またはa)のいずれかに影響を及ぼし、
c)非常に早い生体分解速度でSiO2を調製するためにb)i)で定義された値から、ゾルを、自然にゲル化させるために温度を外すことを包含し;および
所望の生体分解性と相関する変化を有するSiO2を調製する方法が、所望の遅い生体分解性を有するSiO2を得るために行われることである。
【0020】
本発明は、さらに、本発明の方法により得ることができるゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。SiO2についての特徴は、
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間であることである。
【0021】
本発明は、さらに、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。SiO2についての特徴は、
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤の少なくとも1種を含むこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.35重量%/時間であることである。
【0022】
本発明は、さらに、
a)SiO2が、被覆材、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材であり、
b)SiO2が、生物学上活性な薬剤を含まないか、またはSiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤の少なくとも1種を含むかのいずれかであること、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間であることが特徴である、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。
【0023】
本発明は、さらに、
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間であることが特徴である、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。
【0024】
本発明は、さらに、
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含すること、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.5重量%/時間であることが特徴である、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。
【0025】
本発明は、さらに、
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.001から0.15重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、0.006から0.05重量%/時間であることが特徴である、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。
【0026】
本発明は、さらに、
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を含むこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、0.001から0.06重量%/時間、好ましくは0.002から0.05重量%/時間、0.006から0.025重量%/時間であることが特徴である、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。
【0027】
本発明は、さらに別に、
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、0.001から0.008、好ましくは0.002から0.003重量%/時間であることが特徴である、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。
【0028】
本発明は、さらに、
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含すること、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、0.001から0.10重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間であることが特徴である、本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2を提供する。
【0029】
本発明は、さらに、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含するSiO2を特徴とする、および上記生物学上活性な薬剤が、ペプチド、タンパク質または細胞である本発明の方法により得ることができる、生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有する生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、または粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子を提供する、ここで、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.15重量%/時間である。
【0030】
本発明は、さらに、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含する前記SiO2、および上記生物学上活性な薬剤が、ペプチド、タンパク質または細胞である本発明の方法により得ることができる、生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有する生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、または粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子を提供する、ここで、SiO2の溶解速度が、≧0.5重量%/時間、そして好ましくは≧4.0重量%/時間である。
【0031】
本発明は、さらに、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含する前記SiO2、および上記生物学上活性な薬剤が、ペプチド、タンパク質または細胞である本発明の方法により得ることができる、生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有する生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、または粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子を提供する、ここで、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、0.001から0.15重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間である。
【0032】
本発明は、ヒトまたは動物体内に生物学上活性な薬剤を投与するために、上で定義されたように本発明による生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材、または粒子の使用の方法も提供する、上記使用が、経口、頬、直腸、非経口、肺、鼻、眼、子宮内、膣、尿道、局所、経皮および手術的に移植可能な投与より構成される群から選択される投与を包含するものである。
【0033】
本発明は、さらに、生物学上活性な薬剤を、植物に投与するために、上で定義されたように本発明による生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材、または粒子の使用の方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
用語
用語「ゾル−ゲル誘導SiO2」は、SiO2が、ゾル−ゲルプロセスによって調製されるSiO2に該当する、ここで、ゲルになったSiO2を包含するゾルから調製されるものである。ゾル−ゲル誘導SiO2は、一般に、加水分解を介して、部分的に加水分解されたシリケートスピーシーズまたは完全に加水分解されたケイ酸のいずれかを含むゾルを形成するアルコキシドまたは無機シリケートから調製される。結果として起こるSiOH含有スピーシーズの縮合反応は、シロキサン結合の量を増大しつつ、大型シリカスピーシーズの形成を導く。さらに、そのスピーシーズは、凝集し、ゲルが形成されるまで、ナノサイズの粒子および/または大型凝集体を形成する。ゲルの形態では、固形状態が目立つが、その系は、なお、可変量の液体を含有し、材料は、乾燥前に、典型的には、軟質で、やや粘着性であり、集約的に乾燥される場合、硬質で、脆い。ゾルの形態では、液体状態が目立つが、その系は、可変量の固形相(類)を含有し、系は、なお流動性がある。
【0035】
ゾルの熟成は、ゾルの当初の調製の後、変化が誘導されるまで、または変化が誘導されない場合には、それが自然にゲルに変わるまで、ゾルが、周囲条件下で、自然乾燥なしに、または同時の自然乾燥を伴わせる(すなわち、反応および/または凝集は、組成物中で誘導変化なしに起こる)ことを意味すると理解されるべきである。調製から変化が誘導されるまで、または変化が誘導されない場合には、ゾルがゲルに変わるまでの時間は、ゾル熟成時間と称される。自然乾燥は、系が、周囲条件で蒸散を可能にするようにゾルが熟成されるときに起こる。任意に、これは、ゾルを閉鎖系中で保持することによって防止される。
【0036】
本発明の内容で、語句「ゾル中で、出発pH/モル比」は、ゾルが調製されるとき、すなわち、ゾルの当初の成分を混合する(ゾルの熟成の後に任意に添加される成分のものを除外して)ときのpH/モル比に該当する。
【0037】
本発明の内容で、語句「ゾル組成物の誘導変化または複数の変化」は、ゾルの組成物に集約的に誘導されたいずれかの変化を意味すると理解されるべきである。それは、ゾルの当初の成分、たとえば、水、アルコキシドまたは無機シリケート、アルコールまたは触媒、すなわち、鉱酸または塩基の内の1つまたはそれより多くのさらなる添加により誘導される組成物の変化でありうる。それは、ゾルに、1つまたはそれより多くの新たな成分、たとえばゾルのpHを変化させる場合に、たとえば生物学上活性な薬剤、pHを調整する酸、塩基または緩衝液、または最終のSiO2の所望の特性を得るために必要とされる他のいずれかの成分を添加することによる組成物の変化でありうる。それは、ゾルの組成に影響を及ぼす突然の物理的変化でありうる。このような物理的変化は、たとえば、ゾルの揮発性成分(たとえば、水、アルコール、および/または揮発性酸または塩基)の突然の放出を生じる温度の上昇、または圧力における減少、たとえば噴霧乾燥のような突然の強制乾燥でありうる。このような物理的変化は、ゾルを、様々な形態のエネルギー、たとえば組成物における際だった変化を生じうる電磁または音響エネルギーにもさらしうる。
【0038】
変化を誘発するために添加されるべき成分または複数の成分は、成分または複数の成分が、ゾルの当初の構成要素または生物学上活性な薬剤または複数の薬剤であるかどうかにかかわらず添加されるいずれかの成分、または生物学上活性な薬剤または複数の薬剤を保護する剤または複数の薬剤に該当する。
【0039】
ゲル形成は、液体相が優勢であるゾルのものと対照的に、固形相が、優勢、すなわち連続相になるとき、ゾルがゲルになる時点を意味すると理解されるべきである。ゲルの形態では、固形状態が優勢であるが、系は、なお、可変量の液体を含有し、材料は、乾燥前に、典型的には、軟質で、やや粘着性であり、集約的に乾燥される場合、硬質で、脆い。ゾルの形態では、液体状態が優勢であるが、その系は、可変量の固形相(類)を含有し、系は、なお流動性がある。
【0040】
ゲルの熟成は、ゲル形成の後、ゲルが自然乾燥なしに、または同時の自然乾燥を伴ってかのいずれかでなされることを意味すると理解されるべきである。
【0041】
本出願の内容で生物学上活性な薬剤は、生物学上活性であるいずれかの有機または無機剤に該当し、すなわち、それは、生体組織、臓器または生物における統計学上有為な生物学的応答を誘発する。生物学上活性な薬剤は、医薬品、ペプチド、タンパク質、多糖またはポリヌクレオチドでありうる。それは、生存しているか、または死滅した細胞または組織、細菌、ウイルス、バクテリオファージおよびプラスミドまたはそれの一部でありうる。それは、栄養/代謝、血液および血栓、心臓血管、皮膚学上、泌尿生殖器、ホルモン、免疫学上、感染、癌、筋肉骨格、神経学上、寄生性、眼科、呼吸器および感覚器のような治療領域における疾患の治療のための薬剤でありうる。それは、さらに、骨粗鬆症、てんかん、パーキンソン病、疼痛および認知症のような疾患の治療のためでもありうる。それは、ホルモン機能不全疾患の治療またはホルモン治療のための、たとえば避妊法、ホルモン置換療法またはステロイドホルモンを用いた治療のための薬剤でありうる。それは、さらに、抗生物質または抗ウイルス、抗炎症、神経保護、予防ワクチン、記憶増強剤、鎮痛剤(または複合鎮痛剤)、免疫抑制剤、抗糖尿病、または抗ウイルス剤のような薬剤でありうる。それは、抗喘息剤、抗痙攣薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、または抗新生物薬でありうる。それは、抗精神病薬、抗痙攣薬、抗コリン作動薬、交感神経作用薬、抗不整脈薬、抗高血圧薬、または利尿薬であるうる。それは、疼痛解放または鎮静作用のための薬剤でありうる。それは、トランキライザーまたは認知症のための薬剤でもありうる。剤は、遊離酸または塩基形態、塩または中性化合物でありうる。それは、ペプチド、たとえばレボドーパ;タンパク質、たとえば成長因子;または抗体でありうる。それは、ポリヌクレオチド、可溶性イオンまたは塩でありうる。
【0042】
本出願の内容で、保護剤または複数の薬剤は、生物学上活性な薬剤の生物学上の活性を保護および/または増強するのに有用である物質または複数の物質に該当する。
【0043】
本出願の内容で、用語「強制乾燥」は、ゾルにおける反応を停止または非常に低下させて、ゲルの形成に導く突然の物理的変化を包含する乾燥プロセスの使用に該当する。物理的変化は、乾燥の速度を;好ましくは、瞬間的に10倍より多く速度を向上させる変化でありうる。このような物理的変化は、たとえば、ゾルの揮発性成分(たとえば、水、アルコール、および/または揮発性酸または塩基)の突然の放出を生じる温度の目立った上昇および/または圧力における減少でありうる。このような物理的変化は、ゾルを様々の形態のエネルギー、たとえば電磁または音響エネルギーにかけることでもありうる。物理的変化は、温度の基本的な減少、好ましくは、反応を停止または基本的に低下させるためにゾルを凍結させて、ゲル形成に導くことでもありうる。典型的には、ゾルの強制乾燥は、噴霧乾燥または凍結乾燥によるものである。強制乾燥の開始は、たとえば、凍結乾燥の場合には、ゾルの凍結に該当する。
【0044】
用語「溶解速度」は、体液の状態を装うpH7.4および37℃で緩衝化されたトリス(たとえば、トリズマ予備硬化結晶、シグマ社)溶液中でのSiO2マトリックス再吸収に該当する。トリス溶液は、0.005Mから0.05Mである。実際に、生物学上活性な薬剤の放出速度の決定は、特に、マトリックスの溶解速度が測定されるときに行われるので、トリス溶液の濃度は、生物学上活性な薬剤の解析の特定の要求により変化する。緩衝液が、解析される標的分子と相互作用する特定の試薬を含む多くの解析系を干渉することは、一般的である。このような干渉は、しばしば、所定の緩衝液濃度に関連する。
【0045】
溶解速度の決定は、以下のとおりに行われる:トリス緩衝液を、使用前に122℃で滅菌する。トリス中でのSiO2濃度は、溶解のあいだじゅう30ppm(シンク中で条件を確保する;SiO2マトリックスの遊離溶解)より下に保たれる。pH7.4でのSiO2飽和濃度は、約150ppmである。必要とされる場合、SiO2濃度を30ppmより下に保つために、溶解媒体の一部を、新鮮なトリス緩衝液に変える。特に、典型的な当初の偏差(放出の線状の主要部分より遅い、または早い放出の期間)の後であり、総計100%SiO2溶解の前の放出の典型的な遅い時期の前である線状期の放出曲線から、溶解速度を測定する。放出の線状期は、典型的には、放出の開始における、または終点における偏差期より長い。放出曲線の線状期(重量%で溶解されたSiO2/時間)を、測定された放出点の線状回帰解析(重量%で溶解されたSiO2/時間)を行うことによって定義しうる。可能な当初の偏差期の点(放出の線状の主要部分より遅い、または早い放出の期間)は、その点が、線状回帰相関因子(r2)を<0.9に減少させる場合には除外される。放出曲線の線状期(重量%で溶解されたSiO2/時間)を、測定された放出点の線状回帰解析(重量%で溶解されたSiO2/時間)を、線状回帰相関因子≧0.9を用いて行うことによって定義しうる。SiO2の総量(100重量%)を、総反応によるゾル組成物から得ることができるSiO2の理論量(たとえば、1モルの使用アルコキシド、TEOSは、1モルSiO2に対応する)から計算する。
【0046】
用語「細胞」は、あらゆる生物のあらゆる生存または死滅細胞を意味する。したがって、ヒトを含めた哺乳類のようないずれかの動物、植物、細菌および真菌の細胞が含まれる。
【0047】
用語「被覆材」は、本出願の内容で、いずれかの表面上のいずれかの被覆材に該当する。それは、特に、<0.5mmの厚みを有する被覆材を意味する。
【0048】
本発明の特性
本発明は、一般に、生体組織で、または生きている組織、たとえば植物と接触して組織操作、再生性医薬品および細胞療法における、たとえば薬剤送達マトリックスに有用な生体適合性で、生体再吸収性のゾル−ゲル誘導SiO2に関連する。ゾル−ゲル誘導SiO2の使用は、たとえば、モノリス、被覆材、またはナノもしくは微細粒子、またはそのようなもの、または懸濁液中での経口、頬、直腸、非経口(たとえば、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与および動脈内投与)、肺、鼻、眼、子宮内、膣、尿道、局所、経皮および手術で移植可能な送達でありうる。SiO2マトリックスの生体再吸収は、加水分解されたシリカスピーシーズの縮合および凝集に影響を及ぼす前駆体比の簡便な調節によって制御されうる。本発明により得られうる生体再吸収性マトリックスは、SiO2マトリックス生体再吸収に依存する制御手段で様々の型の生物学上活性な薬剤を放出するために使用されうる。
【0049】
本発明は、ゾル−ゲル誘導SiO2の生体再吸収を制御する方法を提供する。生体再吸収の制御は、主に、生体再吸収に影響を及ぼす反応を抑える前駆体比調節および特定のプロセス・パラメーターに基づく。調節可能に生体再吸収可能なマトリックスを、生物学上活性な薬剤の徐放に利用しうる。生物学上活性な薬剤は、たとえば、塩酸セレギリンのような塩の形態で、または遊離酸(イブプロテン)または遊離塩基(ミコナゾール)または中性化合物の形態にありうる。生物学上活性な薬剤は、ペプチド、たとえばレボドーパ、タンパク質または骨形態学的タンパク質のエナメル質マトリックス誘導体でもあるタンパク質でありうる。有効量の生物学上活性な薬剤を、工程のいずれかの段階で、反応に加えうる。溶解中のSiO2マトリックスも、それ自身、特に、溶解シリカスピーシーズが新たな骨の形成に影響として知られている骨中で生物学上活性な薬剤として作用しうる。調節可能に生体再吸収可能なゾル−ゲル誘導SiO2も、他の生きている組織と接触して、たとえば疾患に対してのたとえば植物の性能を増強する植物の細胞壁の接触で、使用されうる。生物学上活性な薬剤は、さらに、先に定義され、例示されるとおり、あらゆる組織、細胞または生物における生物学上の影響を有する剤でありうる。
【0050】
ゾル−ゲル誘導SiO2は、徐放のために使用される非常に適切な材料である。生体組織とのそれの接触は、優れており、すなわち、それは、非毒性および生体適合性である。液体相中のゾルから出発するゾル−ゲル工程の特性は、生物学上活性な薬剤を添加するのを容易にし、所望の場合には、温度は、全工程のあいだ、≦40℃に維持され得て、pHは、おおむね調整されうる。さらに、不定形SiO2は、pH7.4および37℃で生体再吸収可能である。不定形SiO2は、たとえばガラスを製造する従来の高温溶融−冷却工程により、数種の方法によって調製されうるが、不定形SiO2の調製におけるゾル−ゲル工程の使用は、バイオリソープションを調節し、並びに封入された剤の生物学上の活性を保存する最高の可能性を提供する。バイオリソープションは、SiO2の化学的構造(たとえば、遊離SiOH基の数、または縮合の程度)、並びに多孔構造の両方に依存する。ゲル構造が周密になればなるほど、いっそう重要なのは、生体再吸収に関する材料のサイズである。たとえばSiO2モノリスまたは粒子が、数百m2/gのような非常に大きな表面積を有する場合、それは、通常に、多量のナノサイズの孔を含有し、それは、小さくなる、たとえば1cmから50μmのモノリスまたは粒子の研磨は、表面積を明らかには増大せず、拡散経路長のみが短くなることを意味する。周密なSiO2モノリスまたは粒子の場合には、表面積と拡散経路長との両方が、研磨によって強力に影響される。化学的および多孔の構造を、ゾル−ゲル工程によって大規模に調節しうる。前駆体濃度を調節することに加えて、多孔構造は、追加の有機鋳型(たとえば、中間孔のMCM−41型SiO2)を使用して共通に調節されるが、有機鋳型の大半は、生体適合性でなく、多孔構造は、有機添加剤なしに十分に(バイオリソープションに関して)調節しうる。
【0051】
調製されたSiO2からの生物学上活性な薬剤の放出の機構は、制御された拡散または再吸収、または両方の組み合わせでありうるが、いずれかの場合には、生物学上活性な薬剤の総体的放出速度におけるバイオリソープションの役割を、有為になるまで調節しうる。
【0052】
本発明は、大規模に、SiO2のバイオリソープション速度を調節する方法を提供する。これは、前駆体比(水対アルコキシド比、アルコール量、pH)を調節し、ゾルの熟成をすることにより、様々な製造法[たとえば、熟成およびゲル形成、および通常の雰囲気で、または100%または部分的気体(たとえば、N2)雰囲気での加熱オーブンでのゾルまたはゲルの乾燥、または真空、電磁エネルギー、音響エネルギー、噴霧乾燥または凍結乾燥によるゾルまたはゲルの乾燥]を使用することによって、数種の生物学上活性な薬剤にやさしいように調節されうる条件で、アルコキシ系のゾル−ゲルまたは無機シリケート法によって行われる。製造されうる形態としては、主に、経口、頬、直腸、非経口、肺、鼻、眼、子宮内、膣、尿道、局所、経皮、および手術で移植可能な投与のための、または組織操作、再生性医薬品および細胞療法のためのモノリス(たとえば、スティック、桿状、錠剤など)、被覆材、ナノおよびマイクロスフェアが挙げられる。さらに、SiO2マトリックスでの生物学上活性な薬剤の量、生物学上活性な薬剤それ自身、熟成および乾燥温度、および乾燥工程条件は、バイオリソープションに影響を及ぼすが、全体のバイオリソープション速度を制御する主要因子は、前駆体の比である。多量の生物学上活性な薬剤、上記生物学上活性な薬剤のための保存剤、またはSiO2マトリックス内に包含されるゾルのいずれかの追加の物質は、単に、SiO2構造をいっそう非定型にするそれらの存在により、SiO2の溶解を増大させることも特筆されるべきである。
【0053】
本発明は、早く溶解するSiO2構造を生じる特定の狭い範囲の前駆体比を提供し、これから得られる全ての偏差は、SiO2マトリックスを、pH7.0から7.5で、水溶液中でゆっくりと溶解させる。さらに、本発明は、SiO2生体再吸収における当初の前駆体比の当初の効果を失うことなく、短時間で、選択された前駆体比から外れる手段を提供する。
【0054】
非常に早く溶解するSiO2マトリックスを、たとえば加水分解の速度が比較的速いが、縮合の速度が、最小限で約2のpHで約2の水対アルコキシド(たとえば、TEOS)のモル比(R値)、および約1のアルコール(たとえば、EtOH)対アルコキシド(たとえば、TEOS)の十分高いモル比に近い条件下で、アルコキシドから調製しうる。これらのゾルを形成し、さらに熟成し、ゲルが形成されるまで、任意に低温、好ましくは≦50℃(任意に包含される生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の生物学上の活性を保存するのに十分に低い)で乾燥させる。ゲルも熟成および/または低温で、好ましくは≦50℃で乾燥できる。代わりに、ターモラビル(termolabile)生物学上活性な薬剤は、高温または非常に高温でさえ構成されるものがない場合、たとえば700℃まで使用しうる。
【0055】
ゾル乾燥のある種の方法は、SiO2生体再吸収における当初の前駆体比の当初の効果を失うことなく、選択された前駆体比から短時間の偏差を可能にする。これらの方法は、強制ゲル形成に導き、実際には、生体再吸収速度に影響を及ぼす全ての(たとえば、縮合)反応を停止または非常に低下、好ましくは抑える(縮合のあいだにSiOHの減少量が、SiO2溶解速度を減少させる)。ゾルについての熟成時間は、調節に影響を及ぼす短い時間の前に自由に選択されうる。調節に影響を及ぼす短い時間により、たとえば、成分の生物学上の活性を維持するために要求される場合、pH5から7のpHの調整および/または相当量のエタノールを減らすための水の添加でありうる。熟成時間は、反応したシリカスピーシーズの相対比に影響を及ぼす。ゾルの所望の熟成時間の後、噴霧または凍結乾燥のいずれかであるので、偏差の効果は、短い、好ましく≦5分であるが、少なくとも≦30分より早い。噴霧乾燥によって作成される微細粒子については、ゾルをH2Oおよび/またはアルコール、たとえばEtOHで希釈することによる最適な高速溶解前駆体比からの偏差は、高速溶解微細粒子を製造することを可能にする。高t/tゲル値(≧0.9)での未希釈ゾルの噴霧乾燥は、しばしば、それの高粘度により不可能である。
【0056】
本発明のSiO2モノリス、被覆材および粒子は、先行技術で既知の多様な方法で生成されうる。したがって、モノリスは、型に適量のゾル−ゲルを吹込み、型でゾル−ゲルをゲル化させることによって生成されうる。被覆材は、表面にゾル−ゲルを塗布し、その表面でゾル−ゲルをゲル化させることによって生成されうる。粒子は、たとえば、噴霧により直接的に生成されうるが、モノリスを破砕することによっても間接的に生成されうる。
【0057】
本発明の方法により提供されるSiO2の生体再吸収速度を調節するための多才な可能性により、先行技術の方法によって達成されなかった生体再吸収速度を有するSiO2モノリス、被覆材、および粒子を得ることが可能であることが特筆されるべきである。これまでに、SiO2モノリス、被覆材および粒子は、所望の特性を有するSiO2モノリス、被覆材および粒子を得る上での困難さにより多くの用途にとって非常に魅力的な代替策ではなかった。多くの用途で、たとえば、SiO2モノリス、被覆材または粒子の生体再吸収速度は、SiO2を調製するときに、特に望まれたものであり、組込まれる生物活性剤は変わっていないことは最も重要なことである。本発明の方法は、その方法中での生体再吸収速度を調節するための数種の手段を提供し、したがって、たとえばpHおよび/または温度における変化、特に長期期間の変化に敏感な生物活性剤は、SiO2を生成するために使用される方法によって有害に影響されはしないように、特定の手段を選択することが、最もしばしば可能である。
【0058】
本発明は、あらゆる溶解速度で、ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材または粒子を生成するための非常に実現可能な方法を提供する。したがって、先行技術で達成されない溶解速度を有するSiO2モノリス、被覆材または粒子、並びに先行技術の方法で達成されたか、または達成されえたものは、本発明の方法で容易に生成されうる。
【0059】
本発明は、上記使用が、経口、頬、直腸、非経口、肺、鼻、眼、子宮内、膣、尿道、局所および経皮投与より構成される群から選択される投与を包含する、生物学上活性な薬剤を、ヒトまたは動物体内に投与するために、本発明の方法により得ることができるゾル−ゲル誘導SiO2を使用するのを実現可能にすることも特筆されるべきである。本発明は、植物に生物学上活性な薬剤を投与するために、本発明の方法により得ることができるゾル−ゲル誘導SiO2を使用するのを実現可能にする。
【0060】
好ましい実施の形態
典型的に、アルコキシド、好ましくはテトラエトキシシラン(TEOS)は、ゾル−ゲル誘導SiO2を調製するために使用される。無機シリケートが、ゾル−ゲル誘導SiO2を調製するために使用される場合、それは、好ましくはケイ酸ナトリウムまたはカリウムである。低級アルコールは、好ましくはエタノールである。
【0061】
ゾル組成物の誘発変化なしに、ゾルを、≦25℃の温度、または65℃から90℃の高温で、自然にゲル化させうる。≦25℃の温度で、ゲルの非定型構造は、早い生体再吸収を生じうる。65℃から90℃の好ましい高温で、ゲル化反応は、早い生体再吸収速度を有するゲルを早く生じている。
【0062】
ゾルの組成物の誘導変化が行われる場合、その変化または複数の変化は、好ましくは、水を添加すること、アルコキシドまたは無機シリケートを添加すること、アルコールを添加すること;酸または塩基、好ましくは触媒として使用される酸または塩基を添加することによりpHを調整すること;pH、水対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比、および/またはアルコール対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比、およびそれのいずれかの組み合わせに影響を及ぼす上記生物学上活性な薬剤または複数の薬剤についての保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、任意の生物活性剤または複数の薬剤を添加することより構成される群から選択される。
【0063】
ゾルの乾燥は、周囲加熱、真空乾燥、電磁乾燥、音響乾燥、噴霧乾燥または凍結乾燥、好ましくは噴霧乾燥または凍結乾燥により乾燥されうる。ゾルの強制乾燥は、噴霧乾燥または凍結乾燥によって行われうる。凍結乾燥は、ゾルを凍結することによって開始されうる。
【0064】
ゾルの温度は、特に≦+90℃、好ましくは≦+50℃、最も好ましくは≦+40℃である。
【0065】
得られたゲルを乾燥させうる。ゲルの乾燥は、特に、周囲加熱、真空乾燥、電磁乾燥、音響乾燥、噴霧乾燥または凍結乾燥、好ましくは周囲加熱または凍結乾燥により乾燥されうる。ゲルは、特に、≦700℃、好ましくは≦50℃、最も好ましくは≦40℃の温度で乾燥される。
【0066】
ゆっくりした生体再吸収速度を得るために外されうる値は、水対アルコキシドまたは無機シリケートの比であり、水対アルコキシドまたは無機シリケートの比が、高いか、または低くて外されるものが多ければ多いほど、得られるバイオリソープション速度はゆっくりになる。ゆっくりしたバイオリソープション速度を得るために外されうる別の値はアルコール対アルコキシドまたは無機シリケートの比であり、その比が高いか、または低くて外されるものが多ければ多いほど、得られるバイオリソープション速度はゆっくりになる。アルコール対アルコキシドの比は、ゼロと同程度に低くて外されうる、すなわち、ゾルは、最初には、アルコールを包含しない。ゆっくりしたバイオリソープション速度を得るために外されうる別のパラメーターは、pHであり、そのpHが高いか、または低くて外されるものが多ければ多いほど、得られるバイオリソープション速度はゆっくりになる。
【0067】
水を添加することによる、水対アルコキシドのモル比、たとえば2から50または100までの大きな変化は、同時に、ゾルをいっそう生体適合性にし、たとえばアルコール濃度は、低くなる。
【0068】
生物学上活性な薬剤または複数の薬剤を、ゲル形成の前にゾルに添加しうる。生物学上活性な薬剤または複数の薬剤は、上に定義され、例示される生体組織、臓器または生物中での生物学上の応答を誘発するあらゆる剤でありうる。典型的な生物学上活性な薬剤は、薬剤、ペプチド、タンパク質、ホルモン、成長因子、酵素、多糖、生存または死滅細胞またはウイルスまたはそれの一部、プラスミド、ポリヌクレオチド、水溶性イオン、塩およびそれのいずれかの組み合わせより構成される群から選択される。
【0069】
pH値、水対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比値、および/またはアルコール対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比値は、≦30分、好ましくは≦15分、および最も好ましくは≦5分以内に、その変化から、ゾルの強制乾燥が行われるか、または開始される場合、ゾル熟成の後であるが、ゲル形成および/または上記生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の任意の添加の前に、非常に早い生体再吸収速度が得られる範囲から外れるように変えられうる。
【0070】
ゾル−ゲル誘導SiO2は、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリス;被覆材、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材;または粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子である。
【0071】
SiO2の好ましい溶解は、SiO2が意図される用途に依存する。経口、頬、直腸、肺、経皮および他の非経口用途のような多くの用途については、高い溶解速度が要求される。
【0072】
SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤なしに、モノリスは、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスは、特に、≧0.04重量%/時間、好ましくは、≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは、≧0.15重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を有する。
【0073】
SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含しないか、またはSiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含する、被覆財、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材は、特に、≧0.04重量%/時間、好ましくは、≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは、≧0.15重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を有する。
【0074】
SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含しない、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子は、特に、≧0.04重量%/時間、好ましくは、≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは、≧0.15重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を有する。SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含する、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子は、特に、≧0.5重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を有する。
【0075】
ある種の目的については、高い、非常に高い、およびきわめて高い溶解速度が好ましい。これらの目的のためのモノリス、被覆材および/または粒子におけるSiO2の特に好ましい溶解速度は、特定の用途によって、≧0.30量%/時間、≧0.5重量%/時間、≧1.0重量%/時間、≧2.0重量%/時間、≧4.0重量%/時間、≧6.0重量%/時間、≧8.0重量%/時間、および≧10.0重量%/時間まででありうる。最も早い溶解速度は、たとえば経口製剤として好ましい。
【0076】
他の場合には、長期溶解速度は、たとえば、ある種の非経口用途、組織操作および再生性医薬品用途として要求される。
【0077】
SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含しない、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスは、特に、0.001から0.15重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を示しうる。
【0078】
SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含する、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスは、一般に、0.001から0.06重量%/時間、好ましくは0.002から0.05重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.025重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を示しうる。
【0079】
SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含しないか、またはSiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含する、被覆材、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材は、一般に、0.001から0.15重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を示しうる。
【0080】
SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含しない、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子は、一般に、0.001から0.008重量%/時間、好ましくは0.002から0.003重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を示しうる。
【0081】
SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含する、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子は、一般に、0.001から0.10重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を示しうる。
【0082】
ペプチド、タンパク質または細胞である、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含する、本発明の方法により得ることができる生体再吸収可能なゾル−ゲル誘導SiO2は、一般に、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間である、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度を示しうる。いくつかの用途については、さらにいっそう好ましい溶解速度は、≧0.5重量%/時間、≧4.0重量%/時間でさえある。他の用途については、典型的な溶解速度は、0.001から0.15重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間である。
【実施例】
【0083】
実施例1
シンク中条件(SiO2<30ppm)で、0.005または0.05Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・モノリスを浸漬させることによって、マトリックス溶解を、調査した。トリス緩衝液を、使用前に121℃で滅菌した。溶解の調査は、振蘯水浴中で行われた。様々な時点で、トリス緩衝液のSi濃度を、820nmで、モリブデン・ブルー錯体吸光度を解析する分光光度計(UV−1601、シマズ)で測定した。マトリックスの溶解は、マトリックスからのSiO2の集積放出として表される。SiO2の総量(100%)を、総反応(1モルの使用アルコキシド、TEOSは、1モルSiO2に対応する)によるゾル組成物から得られうるSiO2の閾値量から計算する。
【0084】
実施例1のSiO2モノリス・マトリックス1から4の溶解は、図1に表される。
【0085】
マトリックス1(図1)
当初のゾル濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=2、エタノール/TEOS=1、pH2(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルを熟成させ、65時間、40℃で同時に乾燥させた。熟成および乾燥の後、ゾルのpHを、0.5M NaOHで、6.3まで上昇させた。200mlのゾルを、ピペットで、試験管に採取し、サンプルを凍結させるために、液体窒素に沈めた。その後、サンプルを、真空で凍結乾燥させた。計算されたSiO2溶解速度は、0.407重量%/時間であった。
【0086】
マトリックス2(図1)
当初のH2O/TEOS(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=30、pH2.8(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルのpHを、1M NH3で、5.1に上昇させた。ゾルを、ピペットで、型に採取し、密閉系で1時間熟成させ、その後、ゲルを、熟成させ、40℃で同時に乾燥させた。ゲルの乾燥は、一定重量まで自由蒸散と共に40℃で起こった。計算されたSiO2溶解速度は、0.179重量%/時間であった。
【0087】
マトリックス3(図1)
当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=15、pH2(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルを熟成させ、42時間、40℃で乾燥させた。その後、ゾルを、ピペットで、型に採取し、密閉型中で、29時間、4℃で熟成させた。ゾルおよびゲルの乾燥および熟成は、一定重量まで自由蒸散と共に4℃で起こった。計算されたSiO2溶解速度は、0.131重量%/時間であった。
【0088】
マトリックス4(図1)
当初のゾル濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=3、pH2(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルを、ピペットで、型に採取し、145.5時間、40℃で熟成させた。ゾルおよびゲルの乾燥および熟成は、一定重量まで自由蒸散と共に40℃で起こった。計算されたSiO2溶解速度は、0.008重量%/時間であった。
【0089】
実施例2
シンク中条件(SiO2<30ppm)で、0.005または0.05Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・マイクロスフェアを浸漬させることによって、マトリックス溶解を、調査した。トリスを、使用前に121℃で滅菌した。溶解の調査は、振蘯水浴中で行われた。様々な時点で、トリス緩衝液のSi濃度を、820nmで、モリブデン・ブルー錯体吸光度を解析する分光光度計(UV−1601、シマズ)で測定した。マトリックスの溶解は、マトリックスからのSiO2の集積放出として表される。SiO2の総量(100%)を、総反応(1モルの使用アルコキシド、TEOSは、1モルSiO2に対応する)によるゾル組成物から得られうるSiO2の閾値量から計算する。
【0090】
実施例2のSiO2モノリス・マイクロスフェア1および2の溶解は、図2に表される。
【0091】
マイクロスフェア1(図2)
当初のゾル濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=2、pH2、エタノール/TEOS=1(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルを熟成させ、22時間、40℃で同時に乾燥させた。その後、水およびエタノールをゾルに添加し、H2O/TEOSモル比を、15に、エタノール/TEOSを5.3に変えた。その後、ゾルのpHを、5M NaOHで、6.9に調節した。水およびエタノール添加および6.9のpH調整後15分以内に、シリカゾルを、最小噴霧乾燥機(B−191、ビューヒ・ラボテヒニーク・アクチェン・ゲゼルシャフト、スイス国)を用いて噴霧することによって、マイクロスフェアを調製した。以下のプロセス・パラメーターを使用した:ポンプ16%、吸引装置95%、およびフロー600 l/時間。噴霧ノズルの温度は、120℃であった。計算したSiO2溶解速度は、2.70重量%/時間であった。
【0092】
マイクロスフェア2(図2)
当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=30、pH2.8(HClを、pHを調整するために使用した)であった。加水分解を、室温で行った。1M NH3で、5までにゾル加水分解の後に、ゾルのpHを調整した。5までのpH調整後15分以内に、シリカゾルを、最小噴霧乾燥機(B−191、ビューヒ・ラボテヒニーク・アクチェン・ゲゼルシャフト、スイス国)を用いて噴霧することによって、マイクロスフェアを調製した。以下のプロセス・パラメーターを使用した:ポンプ16%、吸引装置95%、およびフロー600 l/時間。噴霧ノズルの温度は、135℃であった。計算したSiO2溶解速度は、0.026重量%/時間であった。
【0093】
実施例3
以下の方法で、SiO2モノリスを調製し、当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=3、pH2(HClを、pHを調整するために使用した)であった。加水分解を、室温で行った。プロプラノロル(薬剤)を、そのゾルに添加した。プロプラノロルの量は、ゾル中の理論的SiO2量の5重量%(1モルTEOS=1モルSiO2)であった。プロプラノロルが溶解した後、ゾルを、ピペットで型に採取し、145.5時間、40℃で熟成させた。ゲルの乾燥は、一定重量まで自由蒸散と共に40℃で起こった。
【0094】
シンク中条件(SiO2<30ppm)で、0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)、およびSiO2で飽和した(SiO2120−130ppm)0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・モノリスを浸漬させることによって、マトリックス溶解およびプロプラノロル放出を、調査した。トリスを、使用前に121℃で滅菌した。溶解の調査は、振蘯水浴中で行われた。SiO2飽和トリス溶液中で、SiO2濃度は、溶解可能なシリカ・マトリックスを溶液に入れる場合でさえ、増大しない。様々な時点で、トリス緩衝液のSi濃度を、820nmで、モリブデン・ブルー錯体吸光度を解析する分光光度計(UV−1601、シマズ)で測定した。トリス中のマトリックスの溶解は、SiO2マトリックスの集積放出として表される。SiO2の総量(100%)を、総反応(1モルの使用アルコキシド、TEOSは、1モルSiO2に対応する)によるゾル組成物から得られうるSiO2の閾値量から計算する。SiO2飽和トリス中のマトリックス溶解で観察されたものはなかった。SiO2飽和トリス溶液中で、SiO2濃度は、溶解可能なシリカ・マトリックスを溶液に入れる場合でさえ、増大しない。プロプラノロル濃度を、227nmの波長で分光光度計を用いて直接的に測定する。トリス中、およびSiO2飽和トリス中でのプロプラノロルの放出は、集積放出として表される。
【0095】
トリス中のSiO2モノリスの溶解、およびトリス中およびSiO2飽和トリス溶液中のプロプラノリル放出は、図3に表される。
【0096】
曲線1(図3)
トリス溶液中のプロプラノロルの集積放出
曲線2(図3)
トリス溶液中のSiO2の集積放出。計算されたSiO2溶解速度は、0.009重量%/時間であった。
曲線3(図3)
SiO2飽和トリス溶液中のプロプラノロルの集積放出。
【0097】
実施例4
以下の方法で、SiO2マイクロスフェアを調製し、当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=30、pH2.8(HClを、pHを調整するために使用した)であった。加水分解を、室温で行った。プロプラノリル(薬剤)を、そのゾルに添加した。プロプラノリルの量は、ゾル中の理論的SiO2量の5重量%(1モルTEOS=1モルSiO2)であった。プロプラノリルの添加後15分以内に、シリカゾルを、最小噴霧乾燥機(B−191、ビューヒ・ラボテヒニーク・アクチェン・ゲゼルシャフト、スイス国)を用いて噴霧することによって、マイクロスフェアを調製した。以下のプロセス・パラメーターを使用した:ポンプ16%、吸引装置95%、およびフロー600 l/時間。噴霧ノズルの温度は、120℃であった。
【0098】
シンク中条件(SiO2<30〜130ppm)で、0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)、およびSiO2(SiO2 120〜130ppm)で飽和した0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・マイクロスフェアを浸漬させることによって、マトリックス溶解およびプロプラノロル放出を、調査した。トリスを、使用前に121℃で滅菌した。溶解の調査は、振蘯水浴中で行われた。SiO2飽和トリス溶液中で、SiO2濃度は、溶解可能なシリカ・マトリックスを溶液に入れる場合でさえ、増大しない。様々な時点で、トリス緩衝液のSi濃度を、820nmで、モリブデン・ブルー錯体吸光度を解析する分光光度計(UV−1601、シマズ)で測定した。トリス中のマトリックスの溶解は、SiO2マトリックスの集積放出として表される。SiO2の総量(100%)を、総反応(1モルの使用アルコキシド、TEOSは、1モルSiO2に対応する)によるゾル組成物から得られうるSiO2の閾値量から計算する。SiO2飽和トリス中のマトリックス溶解で観察されたものはなかった。プロパノイル濃度を、227nmの波長で、分光光度計で直接的に測定する。トリス中、およびSiO2飽和トリス中のプロプラノロルの放出、およびSiO2マイクロスフェア溶解は、図4中で集積放出として表される。
【0099】
曲線1(図4)
トリス溶液中のプロプラノロルの集積放出
曲線2(図4)
トリス溶液中のSiO2の集積放出。計算されたSiO2溶解速度は、0.016重量%/時間であった。
曲線3(図4)
SiO2飽和トリス溶液中のプロプラノロルの集積放出。
【0100】
実施例5
以下の方法で、SiO2モノリスを調製し、当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=30、pH2(HClを、pHを調整するために使用した)であった。加水分解を、室温で行った。ゾルを熟成させ、66時間、40℃で同時に乾燥させた。熟成および乾燥の後、ゾルのpHを、NaOHで、6.2に調整し、BSA−水溶液(タンパク質)を、そのゾルに添加した。BSAの量は、ゾル中の理論的SiO2量の5重量%(1モルTEOS=1モルSiO2)であった。BSA水溶液を添加した後のH2O/TEOSモル比は、34であった。ゾルを、ピペットで型に採取し、4℃で熟成させた。ゲルの乾燥は、一定重量まで、自由蒸散で、4℃で起こった。
【0101】
シンク中条件(SiO2<30ppm)で、0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・モノリスを浸漬させることによって、マトリックス溶解およびBSA放出を、調査した。トリスを、使用前に121℃で滅菌した。溶解調査は、振蘯水浴中で行われた。様々な時点で、トリス緩衝液のSi濃度を、820nmで、モリブデン・ブルー錯体吸光度を解析する分光光度計(UV−1601、シマズ)で測定した。マトリックスの溶解は、SiO2マトリックスの集積放出として表される。SiO2の総量(100%)を、総反応(1モルの使用アルコキシド、TEOSは、1モルSiO2に対応する)によるゾル組成物から得られうるSiO2の閾値量から計算する。BSA濃度を、ナノオレンジ・キット(モレキュラー・プローブズ)を用いた蛍光法(フォト・テクノロジー・インターナショナル)で解析した。
【0102】
SiO2モノリス溶解およびBSA放出は、図5に表される。
【0103】
曲線1(図5)
トリス溶液中のBSAの集積放出
曲線2(図5)
トリス溶液中のSiO2の集積放出。計算されたSiO2溶解速度は、0.196重量%/時間であった。
【0104】
実施例6
以下の方法で、SiO2モノリスを調製し、当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=22、pH2.8(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルのpHを、0.5M NaOHで、5.2に調節し、BSA−水溶液(タンパク質)を、そのゾルに添加した。BSAの量は、ゾル中の理論的SiO2量の7重量%(1モルTEOS=1モルSiO2)であった。BSA水溶液を添加した後のH2O/TEOSモル比は、30であった。ゾルを、ピペットで型に採取し、96時間、4℃で熟成させた。ゲルの乾燥は、一定重量まで、自由蒸散で、4℃で起こった。
【0105】
シンク中条件(SiO2<30ppm)で、0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)、およびSiO2で飽和した(SiO2 120〜130ppm)0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・モノリスを浸漬させることによって、BSA放出を、調査した。トリスを、使用前に121℃で滅菌した。溶解調査は、振蘯水浴中で行われた。SiO2飽和トリス溶液中で、BSA放出は、マトリックス溶解によって引起されない。BSA濃度を、220nmの波長で、分光光度計を用いて直接的に測定した。トリス中、およびSiO2飽和トリス中のBSAの放出は、集積放出として表される。
【0106】
トリス中、およびSiO2飽和トリス中のBSAの放出は、図6に表される。
【0107】
曲線1(図6)
トリス溶液中のBSAの集積放出
曲線2(図6)
SiO2飽和トリス溶液中のBSAの集積放出。
【0108】
実施例7
以下の方法で、SiO2モノリスを調製し、当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=22、pH2.8(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルのpHを、0.5M NaOHで、5.3に調節し、BSA−水溶液(タンパク質)を、そのゾルに添加した。BSAの量は、ゾル中の理論的SiO2量の5重量%(1モルTEOS=1モルSiO2)であった。BSA水溶液を添加した後のH2O/TEOSモル比は、30であった。5.3へのpH調節およびBSA添加後15分以内に、シリカゾルを、最小噴霧乾燥機(B−191、ビューヒ・ラボテヒニーク・アクチェン・ゲゼルシャフト、スイス国)を用いてシリガゾルを噴霧することによって、マイクロスフェアを調製した。以下のプロセス・パラメーターを使用した:ポンプ16%、吸引装置95%、およびフロー600 l/時間。噴霧ノズルの温度は、120℃であった。
【0109】
シンク中条件(SiO2<30ppm)で、0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)、およびSiO2で飽和した(SiO2120−130ppm)0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・マイクロスフェアを浸漬させることによって、BSA放出を、調査した。トリスを、使用前に121℃で滅菌した。放出調査は、振蘯水浴中で行われた。SiO2飽和トリス溶液中で、BSA放出は、マトリックス溶解によって引起されない。BSA濃度を、220nmの波長で、分光光度計を用いて直接的に測定した。トリス中、およびSiO2飽和トリス中のBSAの放出は、集積放出として表される。
【0110】
トリス中、およびSiO2飽和トリス中のBSAの放出は、図7に表される。
【0111】
曲線1(図7)
トリス溶液中のBSAの集積放出
曲線2(図7)
SiO2飽和トリス溶液中のBSAの集積放出。
【0112】
本発明の方法が、多様な実施の形態で組込まれうること、そのほんの少数が、ここに開示されることが予想される。他の実施の形態が存在し、本発明の概念から逸脱しないことが、当業界の専門家にとって明らかである。したがって、説明された実施の形態は、例示であり、制限とみなされるべきでない。
【0113】
実施例8
以下の方法で、SiO2モノリスを調製し、当初の濃度(モル比)および計算されたpHは、H2O/TEOS=24、pH2.8(HClを、pHを調整するために使用した)であった。ゾルの加水分解を、室温で行った。ゾルのpHを、0.5M NaOHで、5.0に調節し、BSA−水溶液(タンパク質)を、そのゾルに添加した。BSAの量は、ゾル中の理論的SiO2量の5重量%(1モルTEOS=1モルSiO2)であった。BSA水溶液を添加した後のH2O/TEOSモル比は、30であった。ゾルを、ピペットで型に採取し、96時間、4℃で熟成させた。ゲルの乾燥は、一定重量まで、自由蒸散で、4℃で起こった。
【0114】
シンク中条件(SiO2<30ppm)で、0.005Mトリス緩衝溶液(pH7.4、37℃)中にシリカ・モノリスを浸漬させることによって、BSA放出を、調査した。トリスを、使用前に121℃で滅菌した。放出調査は、振蘯水浴中で行われた。BSA濃度を、220nmの波長で、分光光度計を用いて直接的に測定した。トリス中のBSAの放出は、集積放出として表される。
【0115】
トリス中のBSAの放出は、図8中で表される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明によるSiO2モノリス・マトリックスの溶解を示す。
【図2】本発明によるSiO2マイクロスフェアの溶解を示す。
【図3】本発明によるSiO2モノリス・マトリックスを包含するプロプラノロルの溶解、およびそのマトリックスからのプロプラノロルの放出を示す。
【図4】本発明によるSiO2マイクロスフェアを包含するプロプラノロルの溶解、およびそのマイクロスフェアからのプロプラノロルの放出を示す。
【図5】本発明によるSiO2モノリス・マトリックスを包含するBSA(タンパク質)の溶解、およびそのマトリックスからのBSAの放出を示す。
【図6】本発明によるSiO2モノリス・マトリックスから得られるBSA(タンパク質)の放出を示す。
【図7】本発明によるSiO2マイクロスフェアから得られるBSA(タンパク質)の放出を示す。
【図8】本発明によるSiO2モノリス・マトリックスから得られるBSA(タンパク質)の放出を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ゾル中で、出発時は、
i)pHが、0.05から2.5、好ましくは1.5から2.5、最も好ましくは、2.0であり、
ii)水対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比は、0.5から2.5、好ましくは1.5から2.5であり、
iii)アルコール対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比は、≧0.5、好ましくは≧1.0であり;および
b)i)ゾルは、ゾル組成物の誘導変化なしで、
・≦25℃の温度、または65℃から90℃の高温で、好ましくは65℃から90℃の高温で自然にゲル化させるか、または
・ゾルのゲル化が、ゾルの強制乾燥により行われるか、または
ii)ゾル組成物の変化または複数の変化が、ゲル形成前でなくゾル熟成の後に誘導され、ゾル組成物の該変化または複数の変化が、該保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、任意に、該生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の添加を包含し、
比t/tゲルは、≧0.005、好ましくは≧0.1、最も好ましくは≧0.9
であるかのいずれかであり、
ゾルの強制乾燥は、上記誘導変化または複数の変化から、≦30分、好ましくは≦15分、最も好ましくは≦5分の時間以内に行われるか、開始されることを特徴する、
該SiO2が、該生物学上活性な薬剤または複数の薬剤のための保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、任意に、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の特定の百分率またはそうでない百分率を包含し、その方法で、ゾル−ゲル誘導SiO2は、触媒として鉱酸または塩基を、好ましくは鉱酸を使用して、水、アルコキシドまたは無機シリケートおよび低級アルコール、すなわち、≦4炭素を有するアルコールを包含するゾルから調製され、該ゾルは、熟成されるものである、非常に早いバイオリソープション速度で、ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材、好ましくは、≧0.5mmの最小直径を有するゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、または粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子を調製する方法であって、前記tは、ゾルの熟成時間、すなわち、上記ゾルの調製から誘導変化までの時間であり、tゲルは、ゾルが、誘導変化なしにゲルに変わったであろう時点である方法。
【請求項2】
非常に早いバイオリソープション速度を有するSiO2が、請求項1のSiO2を調製する方法により得られ;非常に早いバイオリソープション速度より非常に早いバイオリソープション速度を有するSiO2の所望の生体分解性が、変化a)、b)および/またはc)を有するSiO2の所望の生体分解性と、請求項1によるSiO2を調製する方法と相関させることによって得られ、
a)ゾル中で、請求項1のa)i)〜iii)中で定義された値から、出発の値:
i)pH、
ii)水対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比、および/または
iii)アルコール対、アルコキシドまたは無機シリケートのモル比
のいずれかを外すことを包含し;
b)上記保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の任意の添加を含めた成分または複数の成分の添加により誘導変化を行うことを包含し、前記変化が、
i)強制乾燥を行わないか、または
ii)請求項1のb)ii)に定義されるより後にゾルの強制乾燥を行うか、または開始することによって使用される場合、請求項1のa)またはa)の値i)〜iii)のいずれかに影響を及ぼし、
c)請求項1のb)i)で定義された値から、ゾルを、自然にゲル化させるための温度を外すことを包含し;および
所望の生体分解性と相関させる変化を有するSiO2を調製する方法は、所望の遅い生体分解性を有するSiO2を得るために行われることを特徴とする、
該生物学上活性な薬剤または複数の薬剤のための保護剤または複数の薬剤と共に、またはなしに、任意に、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の特定の百分率またはそうでない百分率を包含し、ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、被覆材、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、粒子、または好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子のバイオリソープション速度を調節する方法。
【請求項3】
アルコキシド、好ましくはテトラエトキシシラン(TEOS)は、ゾル−ゲル誘導SiO2を調製するために使用されることで特徴づけられる請求項2記載の方法。
【請求項4】
無機シリケート、好ましくはケイ酸ナトリウムまたはカリウムが、ゾル−ゲル誘導SiO2を調製するために使用されることで特徴づけられる請求項2または3記載の方法。
【請求項5】
低級アルコールは、エタノールであることで特徴づけられる請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
誘導される変化が、水を添加すること、アルコキシドまたは無機シリケートを添加すること、アルコールを添加すること;酸または塩基、好ましくは触媒として使用される酸または塩基を添加することによりpHを調整すること;使用される場合、請求項1のa)または請求項2のa)の値i)〜iii)のいずれかに影響を及ぼす該生物学上活性な薬剤または複数の薬剤のための保護剤と共に、またはなしに、任意の生物活性剤または複数の薬剤を添加すること、およびそのいずれかの組み合わせより構成される群から選択されることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ゾルの乾燥は、周囲加熱、真空乾燥、電磁乾燥、音響乾燥、噴霧乾燥または凍結乾燥、好ましくは噴霧乾燥または凍結乾燥により乾燥されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ゾルの強制乾燥は、噴霧乾燥または凍結乾燥によって行われることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
強制乾燥は、ゾルを凍結することによって開始される凍結乾燥であることを特徴とする請求項8記載の方法。
【請求項10】
ゾルの温度は、≦+90℃、好ましくは≦+50℃、最も好ましくは≦+40℃であることを特徴とする請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
ゲルを乾燥させることを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ゲルの乾燥は、周囲加熱、真空乾燥、電磁乾燥、音響乾燥、噴霧乾燥または凍結乾燥、好ましくは周囲加熱または凍結乾燥による乾燥であることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
ゲルは、≦700℃、好ましくは≦50℃、最も好ましくは≦40℃の温度で乾燥されることを特徴とする請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
ゆっくりした生体再吸収速度を得るために外されるべき値は、水対アルコキシドまたは無機シリケートの比であり、水対アルコキシドまたは無機シリケートの比が、高いか、または低くて外されるものが多ければ多いほど、得られる生体再吸収速度は遅くなることを特徴とする請求項2〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
ゆっくりした生体再吸収速度を得るために外されるべき別の値は、アルコール対アルコキシドまたは無機シリケートの比であり、その比が高いか、または低くて外されるものが多ければ多いほど、得られるバイオリソープション速度はゆっくりになることを特徴とする請求項2〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ゆっくりした生体再吸収速度を得るために外されるべき別の値は、pHであり、そのpHが高いか、または低くて外されるものが多ければ多いほど、得られる生体再吸収速度はゆっくりになることを特徴とする請求項2〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
生物学上活性な薬剤または複数の薬剤を、ゲル形成の前にゾルに添加することを特徴とする請求項2〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
pH値、水対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比値、および/またはアルコール対アルコキシドまたは無機シリケートのモル比値のいずれかは、請求項1、a)i)−iii)で定義される範囲から外れるように変えられ、ゾル熟成の後であるが、ゲル形成および/または上記生物学上活性な薬剤または複数の薬剤の任意の添加の前に、その変化から≦30分、好ましくは≦15分、および最も好ましくは≦5分以内に、ゾルの強制乾燥が行われるか、または開始されることを特徴とする請求項2〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
生物学上活性な薬剤または複数の薬剤は、薬剤、ペプチド、タンパク質、ホルモン、成長因子、酵素、多糖、生存または死滅細胞またはウイルスまたはそれの一部、プラスミド、ポリヌクレオチド、水溶性イオン、塩およびそれのいずれかの組み合わせより構成される群から選択されることを特徴とする請求項2〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項21】
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を含むこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.35重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項22】
a)SiO2が、被覆材、好ましくは≧0.5mmの厚みを有する被覆材であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まず、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項23】
a)SiO2が、被覆材、好ましくは≧0.5mmの厚みを有する被覆材であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を含むこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項24】
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは≧0.15重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項25】
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含すること、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.5重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項26】
SiO2の溶解速度は、≧0.30量%/時間であることを特徴とする請求項20、22、23または24記載のSiO2
【請求項27】
SiO2の溶解速度は、≧0.5重量%/時間、好ましくは≧1.0重量%/時間、さらに好ましくは≧2.0重量%/時間、最も好ましくは≧4.0重量%/時間であることを特徴とする請求項21または26記載のSiO2
【請求項28】
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.001重量%/時間から0.15重量%/時間、好ましくは0.002重量%/時間から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項29】
a)SiO2が、モノリス、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有するモノリスであり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を含むこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.001から0.06重量%/時間、好ましくは0.002重量%/時間から0.05重量%/時間、0.006から0.025重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の本発明の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項30】
+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.001重量%/時間から0.15重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間であることを特徴とする請求項22または23記載のSiO2
【請求項31】
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を含まないこと、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.01から0.008、好ましくは0.002から0.003重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項32】
a)SiO2が、粒子、好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子であり、
b)SiO2が、SiO2それ自身以外の少なくとも1種の生物学上活性な薬剤を包含すること、および
c)+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.001から0.10重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間であることを特徴とする請求項2〜19のいずれか1項に記載の方法により得ることができる生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2
【請求項33】
前記SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含し、前記生物学上活性な薬剤が、ペプチド、タンパク質または細胞であり、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、≧0.04重量%/時間、好ましくは≧0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.15重量%/時間であること請求項2〜19のいずれか1項の方法により得ることができる、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有する生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、または好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子。
【請求項34】
前記SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含し、前記生物学上活性な薬剤が、ペプチド、タンパク質または細胞であり、SiO2の溶解速度が、≧0.5重量%/時間、好ましくは≧4.0重量%/時間であることで特徴づけられる、請求項2〜19のいずれか1項に記載の方法により得ることができる、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有する生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、または好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子。
【請求項35】
前記SiO2が、SiO2それ自身以外の生物学上活性な薬剤を包含し、前記生物学上活性な薬剤が、ペプチド、タンパク質または細胞であり、+37℃の温度およびpH7.4で、トリス緩衝液中のSiO2の溶解速度が、0.001から0.15重量%/時間、好ましくは0.002から0.07重量%/時間、さらに好ましくは0.006から0.05重量%/時間であることで特徴づけられる、請求項2〜19のいずれか1項に記載の方法により得ることができる、好ましくは≧0.5mmの最小直径を有する生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2モノリス、好ましくは<0.5mmの厚みを有する被覆材、または好ましくは≦100μmの最大直径を有する粒子。
【請求項36】
前記使用が、経口、頬、直腸、非経口、肺、鼻、眼、子宮内、膣、尿道、局所、経皮および手術的に移植可能な投与より構成される群から選択される投与を包含するものである、ヒトまたは動物体内に生物学上活性な薬剤を投与するための請求項20〜35のいずれか1項による生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2の使用。
【請求項37】
生物学上活性な薬剤を、植物に投与するための請求項20〜35のいずれか1項による生体再吸収性ゾル−ゲル誘導SiO2の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2007−524703(P2007−524703A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500241(P2007−500241)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/FI2005/050046
【国際公開番号】WO2005/082781
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(503360078)
【Fターム(参考)】