説明

調節放出性抗生組成物およびその製造方法

有効成分として少なくとも1種の抗生物質、好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を単独でかまたは他の抗生物質と組み合わせて含み、さらにβ−ラクタム系抗生物質の放出を制御する少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤も含む新規な調節放出性医薬組成物が提供され、この製剤はin vitro溶出試験時またはin vivo試験時に約30分で約60%以下の抗生物質、8時間後に約70%以上の抗生物質を放出する。また、本発明の組成物は健康なヒトのグループで試験すると製剤の投与から少なくとも約0.5時間後に平均ピーク血漿中濃度(Cmax)をもたらす。本発明は、上記製剤を調製する方法、および上記製剤の使用方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効成分として少なくとも1種の抗生物質、好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を単独でかまたは他の抗生物質と組み合わせて含み、さらにβ−ラクタム系抗生物質の放出を制御する少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤も含む新規な調節放出性医薬組成物に係わり、この製剤はin vitro溶出試験時またはin vivo試験時に約30分で約60%以下の抗生物質、8時間後に約70%以上の抗生物質を放出する。また、本発明の組成物は健康なヒトのグループで試験すると製剤の投与から少なくとも約0.5時間後に平均ピーク血漿中濃度(Cmax)をもたらす。本発明は上記製剤を調製する方法、および上記製剤の使用方法も提供する。好ましくは一日1回または2回投与用に設計された本発明の調節放出性組成物は、in vivoで抗生物質療法に関連する有害作用を回避するか、少なくとも最小限に留めつつ治療レベルの有効成分を長期間維持するのに望ましい仕方で抗生物質を放出し、この組成物は容易に、かつ高い費用効率で調製することができる。
【背景技術】
【0002】
抗生物質とは、疾病の原因となる有害細菌群を根絶するべく経口で、または注射により投与されるペニシリン、ストレプトマイシンおよびエリスロマイシンなどの薬物のことである。異なる化学的クラスに属し、それぞれの活性スペクトルに応じて或る特定の、または様々な細菌感染の治療に有用である多数の抗生物質が文献から公知である。夥しく存在するそれら一連の救命薬物は、その化学的特性に基づき幾つかに分類することができる。ペニシリン群には、最も普通に用いられるペニシリンであるペニシリンG、およびアンピシリン、アモキシシリンが含まれる。ペニシリンは特に、肺炎、髄膜炎、連鎖球菌感染、および性行為感染症の治療に用いられる。セファロチンおよびセファレキシンなどのセファロスポリンは、その用途の多くがペニシリンと共通する。アミノグリコシド群には、主として結核などのグラム陰性菌感染に対して用いられるストレプトマイシン、およびネオマイシンが含まれ、後者はかつて全身感染の治療に用いられたが、今日では多くの場合カナマイシンおよびゲンタマイシンが替わって用いられている。テトラサイクリンおよびクロルテトラサイクリンを含めたテトラサイクリン類は広域スペクトル抗生物質で、しばしば副作用を及ぼし、従って用途が限られている。マクロライド類に含まれるエリスロマイシンはグラム陽性菌を攻撃する薬物であり、ペニシリンに対してアレルギーの患者に投与されることが多い。バシトラシンは、通常グラム陰性菌に対して有効であるポリペプチド群に属する。スルファジアジンなどのスルホンアミド剤は、主に尿路感染に対して、しばしばペニシリンと共に用いられる合成薬物である。
【0003】
アモキシシリンは長年用いられている周知のβ−ラクタム系抗生物質である。アモキシシリンは、耐性微生物の産生するβ−ラクタマーゼによって阻害され易いにもかかわらず、広域スペクトル抗生物質として一般的な細菌感染の治療に広く用いられている。アモキシシリンは特に、病原体がほぼ例外なく化膿連鎖球菌である咽喉炎―急性細菌性扁桃炎および/または咽頭炎の治療に有効である。アモキシシリンは様々な製剤として、例えば250mgまたは500mgのアモキシシリンを含むカプセル剤、アモキシシリン500mgまたは875mg含有の錠剤、アモキシシリン125mgまたは250mg含有の咀嚼錠、および経口懸濁剤に還元して用いる乾燥散剤として市販されている。ほかにも、500mgのアモキシシリンを放出する分散性錠剤、アモキシシリン125mg、250mgまたは250mg含有の咀嚼沸騰錠、および750mgまたは3000mgのアモキシシリンを含む1回量分包剤などの製剤が有る。成人への投与は、標準的には用量250mgで一日3回(tid)行なわれ、重篤な感染の場合は500mgに増量してtid投与される。875mg錠剤は一日2回(bid)投与用であり、用量500mgでtid投与する投与計画の代替計画で用いられる。近年、1000mg咀嚼錠が開発中であることが公表された(AC Pharma: 非特許文献1参照)。気道の重篤な、または再発性の化膿性感染の治療には、3gという高用量でのbid投与が適宜推奨される。単純な尿路感染の短期治療では、用量3gでの投与が10〜12時間間隔で2回行なわれ、歯性膿瘍の場合は用量3gでの投与が8時間間隔で2回、淋疾の場合は用量3gでの投与が1回行なわれる。また、消化性潰瘍ではヘリコバクター・ピロリを根絶するべく、併用療法の薬物の一つとして1gのアモキシシリンがbid投与される。クラブラン酸塩はβ−ラクタマーゼ阻害剤であり、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質のアモキシシリンと共に含有されて、β−ラクタマーゼが介在する耐性機序に対抗する。肺炎連鎖球菌など或る種の微生物はβ−ラクタマーゼが介在しない耐性機序を有する。特許文献1は、β−ラクタマーゼ酵素が介在する以外の耐性機序を有する微生物に対するアモキシシリンなどのβ−ラクタム系抗生物質の有効性をクラブラン酸カリウムが高め得ることを全体として開示している。アモキシシリンがβ−ラクタマーゼ阻害剤のクラブラン酸カリウムと組み合わせて提供され、その際アモキシシリンおよびクラブラン酸カリウムはこれらを異なる重量および比率で含有する様々な錠剤、例えば250/125mg、500/125mg、500/62.5mg、および875/125mgのアモキシシリン/クラブラン酸(クラブラン酸カリウムの形態)を含有する通常の飲み込み服用型錠剤へと製剤化される。上記錠剤はアモキシシリンおよびクラブラン酸を2:1、4:1、8:1、および7:1の比率でそれぞれ含有する。
【0004】
薬物レベルをより長期にわたって治療的血漿中濃度の下方レベルより高く維持することは、通常のように製剤化された製剤をより多量に投与することによって可能であるが、この方法では薬物の血漿中濃度が高くなることに起因して中毒作用が現われるかもしれない。これとは別に、薬物を所定の時間間隔で投与する方法が有り、この場合には薬物レベルの振動、いわゆる波状効果(peak and valley effect)が生じる。この方法は通常、前記効果が極端になる(波の山が大きいと中毒が起こり、谷が大きいと薬物が有効でなくなる)、患者の薬剤服用順守(コンプライアンス)が得られず、薬物療法が低効率または失敗に終わる、といった幾つかの潜在的問題点を伴う。このような課題を克服するべく、薬物を長期間持続的に、もしくは制御下に放出すること、または薬物の一部を即時放出し、その後薬物を持続的に、もしくは制御下に放出することを目差して調節放出性組成物を製剤化し得る。
【0005】
特許文献2は細菌感染の治療を要するヒトに該治療を施す方法を開示しており、この方法はヒトに用量約2000mgのアモキシシリンおよび約125mgのクラブラン酸カリウムを投与間隔約12時間で投与することを含み、その際投与物質は調節放出性の製剤から放出されるが、この製剤は、1995年のUSP 23、装置2において37±0.5℃で、脱イオン水(900mL)を用い、かつパドル速度を75rpmとして行なう溶出試験で測定した場合30分以内に含有アモキシシリンの約45%から約65%が溶出するin vitro溶出プロファイルを有する。特許文献3は、即放相および徐放相に約2000mgのアモキシシリンを含む調節放出性医薬製剤を開示しており、この製剤の即放相には1種以上の製薬学的に許容される添加剤と配合されたアモキシシリンの第1の部分が含まれ、それによってアモキシシリンの前記第1部分の即時放出が可能となり、一方徐放相にはアモキシシリンの第2の部分が含まれ、この部分は1種以上の製薬学的に許容される放出調節用添加剤と配合されている。即放相対徐放相のアモキシシリン比は、1995年のUSP 23、装置2において37±0.5℃で、900mLの脱イオン水を用い、かつパドル速度を75rpmとして行なう溶出試験で測定した場合30分以内に含有アモキシシリンの45〜65%が溶出するin vitro溶出プロファイルを製剤が有するように、3:1から1:3までとされる。しかし、特許文献2および3に開示されたような高用量のアモキシシリンは関連する副作用の増大を招き、望ましくない。特許文献4および5は調節放出性アモキシシリン製剤に係わり、この製剤は、30分以内に含有アモキシシリンの45%から65%、好ましくは45%から55%が溶出し、60分以内に含有アモキシシリンの50%から75%、好ましくは55%から65%が溶出し、120分以内に含有アモキシシリンの55%から85%、好ましくは60%から70%が溶出し、180分以内に含有アモキシシリンの70%から95%、好ましくは75%から85%が溶出し、240分以内に含有アモキシシリンの70%から100%、好ましくは75%から100%が溶出するin vitro溶出プロファイルを有する。これに対し、通常の即放性アモキシシリン錠剤は30分以内に実質的に完全に溶解する。上記溶出プロファイルは標準的な溶出アッセイ、例えば1995年のUSP 23、装置2において37±0.5℃で、脱イオン水(900mL)を用い、かつパドル速度を75rpmとして行なう溶出試験で測定される。特許文献6はアモキシシリンおよびクラブラン酸カリウムを含有する医薬製剤を開示しており、この製剤は、約50〜75mgのクラブラン酸カリウムおよび約850〜1250mgのアモキシシリン、または約100〜150mgのクラブラン酸カリウムおよび約1700〜2500mgのアモキシシリンを含有する固形組成物を含む。クラブラン酸カリウムの全量および0〜60%のアモキシシリンが第1放出相中、40〜100%のアモキシシリンが第2放出相中に存在し、それによって、ヒトへの投与時8μg/mlのMICに対して少なくとも4時間のT>MICが得られる。
【0006】
特許文献7(SmithKline Beecham)には、アモキシシリンおよびクラブラン酸を12:1から20:1、好ましくは14:1の割合で含む錠剤が記載されている。また、1750/125mgという好ましい用量が2種の錠剤、すなわち875/125mgのアモキシシリンおよびクラブラン酸を含有する第1の錠剤と、875mgのアモキシシリンを含有する第2の錠剤として提供され得ることが示唆されている。上記14:1の割合は、薬剤耐性肺炎連鎖球菌(DRSP)によって潜在的に引き起こされる細菌感染の経験的治療に有用であるとされている。特許文献8(SmithKline Beecham)には、アモキシシリンを場合によってはクラブラン酸カリウムとの組み合わせで含む層状錠剤が記載されており、この錠剤は即放層である第1層と、徐放層である第2層とを有する。アモキシシリン対クラブラン酸の割合は、最も広くて30:1から1:1までの範囲内とされ、8:1から1:1であることが好ましい。例示された二層錠は、即放層中にアモキシシリン三水和物を、徐放層中にアモキシシリンおよびクラブラン酸塩を有する。特許文献9(Jagotec AG)にはより一般的な多層錠が記載されている。クラブラン酸およびアモキシシリンを含有する二層錠は特許文献10(Quadrant Holdings Ltd.)にも記載されている。この錠剤では、第1層にアモキシシリンが含まれ、第2層にクラブラン酸塩と、クラブラン酸塩成分を安定させる添加剤のトレハロースとが含まれる。特許文献11(SmithKline Beecham)に記載されたアモキシシリン/クラブラン酸カリウム錠剤はアモキシシリンおよびクラブラン酸カリウムを含有するコアを有し、このコアは放出抑制剤で被覆された上に、アモキシシリンおよびクラブラン酸カリウムから成る外被層によって覆われている。放出抑制剤が腸溶コーティングを構成するので、コア外側の成分が即時放出された後に第2段階としてコアからの放出が、コアが腸に到達するのを待って生起する。特許文献12(SmithKline Beecham)に記載されたアモキシシリン/クラブラン酸カリウム組成物は、マトリックス中に存在するアモキシシリンおよびクラブラン酸カリウムを即時放出用に含むと共に、アモキシシリンおよびクラブラン酸カリウムを含有する遅延放出形態の顆粒も含む。顆粒は腸溶コーティングで被覆されているので、腸に到達するまで放出を起さない。
【0007】
幾つかのグループが、アモキシシリンを含む制御放出性製剤について述べている。非特許文献2には、500mgのアモキシシリンを含む制御放出性製剤の薬物動態特性およびバイオアベイラビリティが記載されている。製剤は、最初の60分の間に21%から35%放出し、4時間で51%から66%、6時間で70%から80%、8時間で81%から90%放出、さらに12時間で94%より多く放出するように設計された。しかし、in vitro溶出速度と薬物動態学的な体内挙動との相関関係は、存在した場合でも僅かしか見出されなかった。非特許文献3には、親水性ポリマーマトリックスおよび気体放出系を有し、胃内で浮力を発生させて胃内滞留時間を延長する制御放出性代用錠剤が記載されている。この錠剤は通常のカプセル剤に優る利点を示さず、バイオアベイラビリティも低かった。これに対して、非特許文献4には、腸溶ポリマーのヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを含む制御放出性750mg錠剤が記載されている。しかし、この錠剤も通常のカプセル剤に優る利点を何ら示し得なかった。特にバイオアベイラビリティは、同一用量を含むカプセル剤とした場合の64.6%に低下した。比較的新しいところで非特許文献5および特許文献13には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むマトリックス中に存在させた500mgのアモキシシリンを含有する錠剤が記載されており、この錠剤は、最初の3時間でその中身の50%を放出し、かつ薬物放出を8時間掛けて完了するように設計される。カプセル剤と比較してMIC超過時間が有意に延長されることが判明したが、投与間隔を12時間とするには十分でなかった。これは、理論MICを0.2μg/mlとしての議論である。
【特許文献1】国際特許出願公開第WO94/16696号
【特許文献2】米国特許第6,878,386号
【特許文献3】米国特許第6,660,299号
【特許文献4】米国特許第6,746,692号
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0241227号
【特許文献6】米国特許第6,756,057号
【特許文献7】国際特許出願公開第WO97/09042号
【特許文献8】国際特許出願公開第WO95/20946号
【特許文献9】国際特許出願公開第WO94/06416号
【特許文献10】国際特許出願公開第WO98/05305号
【特許文献11】国際特許出願公開第WO95/28148号
【特許文献12】国際特許出願公開第WO96/04908号
【特許文献13】国際特許出願公開第WO98/22091号
【非特許文献1】SCRIP No. 2472, Sep. 15, 1999, page 11
【非特許文献2】Arancibia et al., Int. J. of Clin. Pharm., Ther. and Tox., 1987, 25, 97−100
【非特許文献3】Hilton et al., International Journal of Pharmaceutics, 1992, 86, 79−88
【非特許文献4】Hilton et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 1993, 82, 737−743
【非特許文献5】Hoffman et al., Journal of Controlled Release, 1998, 54, 29−37
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来技術の検討から、特にアモキシシリンを場合によってはクラブラン酸塩と共に含み、安全であると同時に通常の用量において、さらにはより低い用量でも比較的高耐性の細菌に対して有効性が高く、しかも関連する副作用が少ないので患者のコンプライアンスを向上させる新規な抗生組成物を開発する必要性は依然として存在すると考えられる。本発明の発明者等は従来技術の欠点を軽減するべく広範な研究と幾つかの実験とを行ない、異なる添加剤を用いて、従来技術からの有意の進歩を証する特定のin vitroおよびin vivo放出プロファイルを実現することにより、特にアモキシシリンを場合によってはクラブラン酸塩と共に含む新規な調節放出性抗生製剤組成物を開発した。
【0009】
本発明は、有効成分として少なくとも1種の抗生物質もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含み、この有効成分は少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤で処理されている調節放出性医薬製剤組成物であって、in vitro溶出試験時またはin vivo試験時に約30分で約60%以下の抗生物質、8時間後に約70%以上の抗生物質を放出する製剤組成物を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、有効成分として少なくとも1種のβ−ラクタム系抗生物質、好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含み、この有効成分は少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤で処理されている調節放出性医薬組成物であって、in vitro溶出試験時またはin vivo試験時に約30分で約60%以下のβ−ラクタム系抗生物質、8時間後に約70%以上のβ−ラクタム系抗生物質を放出する製剤組成物を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、有効成分として少なくとも1種の抗生物質、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、さらに好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含み、この有効成分は少なくとも1種の放出調節剤で処理されている調節放出性医薬組成物であって、毎分75回転のUSP II型装置により37±0.5℃で、溶出媒体として900mlの蒸留水を用いて試験するか、または同等条件下で試験した場合30分で約60%以下のβ−ラクタム系抗生物質、8時間後に約70%以上のβ−ラクタム系抗生物質をin vitro放出する製剤組成物を提供することも目的とする。
【0012】
本発明は、有効成分として少なくとも1種の抗生物質、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、さらに好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含み、この有効成分は少なくとも1種の放出調節剤で処理されている調節放出性医薬組成物であって、毎分75回転のUSP II型装置により37±0.5℃で、溶出媒体として900mlの蒸留水または0.01N HClを用いて試験した場合約30分で約60%以下のβ−ラクタム系抗生物質、約8時間後に約70%以上のβ−ラクタム系抗生物質をin vitro放出し、健康なヒトのグループで(in vivoで)試験すると製剤の投与から少なくとも約0.5時間後、好ましくは0.5時間以上12時間以下の時間内に平均ピーク血漿中濃度(Cmax)をもたらす製剤組成物を提供することも目的とする。
【0013】
本発明は、毎分75回転のUSP II型装置(パドル法)において900mlのpH7.4リン酸緩衝液を用いて溶出試験を実施すると約8時間後に約80%以上の抗生物質を放出する調節放出性医薬組成物を提供することも目的とする。
【0014】
本発明は、約1から約5.5までのpH、好ましくは約1〜約5のpHを有する溶出媒体中へのin vitro溶出試験において約2時間以内に約0〜50%の有効成分を放出し、約8時間の試験後に約40%より多くの有効成分を放出する調節放出性医薬組成物を提供することも目的とする。
【0015】
本発明は、アモキシシリン約300〜約1900mgに相当し、好ましくはアモキシシリン約425mgから約1500mgに相当する量のアモキシシリン三水和物、およびクラブラン酸約62.5〜約300mgに相当し、好ましくはクラブラン酸約125mgから約250mgに相当する量のクラブラン酸カリウムを少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤と共に含む調節放出性組成物を提供することも目的とする。
【0016】
本発明は、有効成分としての抗生物質を少なくとも1種の他の抗生物質と組み合わせて含む調節放出性組成物を提供することも目的とする。
【0017】
本発明はまた、上記組成物を調製する方法であって、抗生物質、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤で処理し、それを製剤化して所望の製剤とすることを含む方法の提供を目的とする。
【0018】
本発明は、上記新規な組成物の使用方法であって、有効量の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法の提供も目的とする。
【0019】
上記組成物を細菌感染の予防、改善および/または治療といった管理に用いる方法であって、有効量の抗生物質、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、さらに好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を長期間提供するような量の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法の提供も本発明の目的である。
【発明の効果】
【0020】
好ましくは一日1回または2回投与用に設計された本発明の調節放出性医薬組成物は、特にin vivoで抗生物質療法に関連する有害作用を回避するか、少なくとも最小限に留めつつ治療レベルの薬物を長期間維持するのに望ましい仕方で抗生物質を放出し、またこの組成物は容易に、かつ高い費用効率で調製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、有効成分として少なくとも1種の抗生物質もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含み、この有効成分は少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤で処理されている調節放出性医薬製剤組成物であって、in vitro溶出試験時またはin vivo試験時に約30分で約60%以下の抗生物質、約8時間後に約70%以上の抗生物質を放出する製剤組成物を提供することを目的とする。有効成分は、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、さらに好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体である。本明細書中、放出プロファイルとは、溶出試験によって得られた抗生物質のin vitro放出プロファイル、および特にヒトで試験した抗生物質のin vivo放出プロファイルのいずれか一方、または両方のことである。一実施形態において、放出調節剤は好ましくは粘膜付着性ポリマーである。
【0022】
一実施形態において本発明は、有効成分として少なくとも1種の抗生物質、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、さらに好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含み、この有効成分は少なくとも1種の放出調節剤で処理されている調節放出性医薬組成物を提供し、この製剤組成物は毎分75回転のUSP II型装置により37±0.5℃で、溶出媒体として900mlの蒸留水(本明細書では「媒体I」と呼称)または0.01N HCl(本明細書では「媒体II」と呼称)を用いて試験した場合約30分で約60%以下のβ−ラクタム系抗生物質、約8時間後に約70%以上のβ−ラクタム系抗生物質を放出する。
【0023】
別の実施形態では本発明の調節放出性医薬組成物は、毎分75回転のUSP II型装置(パドル法)を用い、pH7.4リン酸緩衝液(本明細書では「媒体III」と呼称)を溶出媒体とする試験において、約8時間の試験後に約80%以上の抗生物質を放出することを含む放出プロファイルを示す。
【0024】
さらに別の実施形態において、薬物活性物質を含む本発明の組成物に毎分75回転のUSP II型装置(パドル法)を用いて、pH約1〜約5.5、好ましくはpH約1〜約5の溶出媒体中へのin vitro溶出試験を行なったところ、約2時間以内に約0〜50%の有効成分が放出され、8時間の試験後に約40%より多くの有効成分が放出された。ただし、in vitro溶出試験の媒体、パラメーターおよび装置は当該試験を行なう科学的根拠および/またはin vivoデータとの論理的相関関係を当業者に理解されるように示すべく選択されるものであり、上記試験にin vitroまたはin vivoで加えられたいかなる変更も本発明の範囲内であることを指摘しておきたい。
【0025】
本発明の一実施形態において、医薬製剤組成物は複数の粒子を含み、各粒子は少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては、抗生物質の放出を制御する1種以上の製薬学的に許容される添加剤で処理された少なくとも1種の抗生物質もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含む。
【0026】
一実施形態において、本発明の有効成分は抗生物質、好ましくはセファロスポリンおよびペニシリンなどのβ−ラクタム系抗生物質、例えばアモキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、ピバンピシリン、ピブメシリナム、チカルシリン、クラブラン酸;シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン等といった他の抗生物質、もしくはこれらの混合物、またはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物もしくは誘導体を含む群から選択されるが、この群に限定はされない。別の実施形態において、本発明の製剤は有効成分として少なくとも2種の抗生物質を含む。
【0027】
一実施形態において、製剤は有効成分としてアモキシシリンを、該製剤の少なくとも約20重量%、好ましくは少なくとも約50重量%の量で含む。別の実施形態において本発明の調節放出性製剤は、徐放出型、持続放出型、時限放出型、周期放出型、延長放出型もしくは遅延放出型であるか、または即時放出と徐放出との複合型である。好ましい一実施形態では、調節放出性製剤の一方の抗生有効成分は徐放形態で存在するアモキシシリンもしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体であり、また他方の抗生物質は即放形態で存在する。別の実施形態では、抗生物質、好ましくはアモキシシリンの少なくとも一部分は徐放形態で存在し、抗生物質、好ましくはアモキシシリンの少なくとも別の一部分は即放形態で存在する。好ましくは、本発明の調節放出性組成物は徐放形態のアモキシシリン三水和物と、即放形態のクラブラン酸カリウムとを含む。別の実施形態において調節放出性組成物は、アモキシシリン約300〜約1900mgに相当し、好ましくはアモキシシリン約425mgから約1500mgに相当する量のアモキシシリン三水和物、およびクラブラン酸約62.5〜約300mgに相当し、好ましくはクラブラン酸約125mgから約250mgに相当する量のクラブラン酸カリウムを少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤と共に含む。
【0028】
一実施形態において、調節放出性医薬製剤組成物は、アモキシシリンの徐放出を実現するべく少なくとも1種の放出調節剤および1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤と配合されたアモキシシリンと、クラブラン酸塩の即時または急速放出を実現するべく即放形態とされたクラブラン酸カリウムとを含む。一実施形態においてクラブラン酸カリウムは、毎分75回転のUSP II型装置を用い、かつ溶出媒体として900mlの蒸留水(本明細書では「媒体I」と呼称)または0.01N HCl(本明細書では「媒体II」と呼称)を用いる37±0.5℃でのin vitro試験において約2時間で約20%以上、約1〜約15時間で約75%の該抗生物質の放出をもたらす。
【0029】
一実施形態において、本発明の新規な調節放出性医薬組成物は、抗生物質の濃度は常にその有害レベルを実質的に下回るが、抗生物質の血漿中濃度は治療効果の達成に十分な期間MIC(最小発育阻止濃度)を上回るようにピーク血漿中濃度(Cmax)を制御し、それによって抗生物質に関連する有害作用または副作用を軽減するべく構成される。また、抗生物質の定常濃度を実質的に変動させない。副作用の出現低下により、患者の療法遵守(コンプライアンス)の向上が図られる。本発明の別の実施形態において本発明の発明者等は、医薬品添加剤、好ましくは放出制御剤が抗生物質療法に関連する、特に胃腸疾患/障害の形態の副作用の軽減に役立つことを意外にも見出した。特に、ポリカルボフィルまたはポリエチレンオキシドといった粘膜付着性ポリマーの使用には、主な病因が抗生物質療法の間に起こるGITの有用な微生物フローラの破壊、および/または抗生物質が胃腸管に及ぼす有害作用である胃腸疾患を軽減する効果が有ることが判明した。
【0030】
アモキシシリンを含めたβ−ラクタムの場合、最小発育阻止濃度超過時間(T>MIC)は効力に最も密接に関連する薬力学的パラメーターであると認められる。様々なβ−ラクタムにおいて、血清中濃度が投与間隔の約40%より長くMICを超過すれば、細菌学的治癒率は85〜100%に到達する。本発明の一実施形態において、抗生組成物に関するMIC超過時間(T>MIC)はMICにおける抗生物質の、少なくとも約0.25μg/mlである濃度において少なくとも40%である。本発明の抗生組成物は、治療レベルの有効成分を約0.25μg/mlの抗生物質濃度で、投与後少なくとも約4〜6時間、もしくは抗生物質が有効に作用するのに必要な時間だけ提供する。
【0031】
最大血漿中濃度(Cmax)対MICの比も、耐性発現の可能性に関連し得るので、有効な抗生物質療法のために重要なパラメーターの一つである。この比が小さすぎると耐性株の発育が助長されかねない。一実施形態において、本発明の組成物は好ましくは、耐性微生物株の発育が回避されるか、または少なくとも最小限となるようなCmax対MIC比を有する。別の実施形態では本発明の組成物は、好ましくはMIC値より十分大きい、例えばMIC値の少なくとも2倍か3倍のCmax値を有する。
【0032】
本発明の組成物はβ−ラクタム系抗生物質の調節放出を実現するための製剤化技術を用いて、得られる製剤が好ましくは摂食状態において投与されて通常の即放性製剤と同等以上のバイオアベイラビリティを示すと共に、少ない有害作用しか及ぼさないように調製される。一態様において、本発明の製剤からのβ−ラクタム系抗生物質の放出は放出調節剤の使用によって、該抗生物質の治療上有効な血漿中濃度が長期間、望ましくない副作用を一切伴わずに達成され得るように制御され、その結果患者のコンプライアンスは向上する。
【0033】
別の実施形態において本発明の製剤は通常、有効成分、好ましくはアモキシシリン三水和物およびクラブラン酸カリウム以外に、経口投与用製剤の分野で標準的な添加剤であって概して標準的な比率、ならびに概して標準的な粒径および等級などで用いられるものも含む。経口懸濁剤の場合、上記添加剤には懸濁化助剤、流動化剤(賦形補助用)、稀釈剤、増量剤、香味剤、甘味剤、安定剤が含まれ得、また水性懸濁液に還元して用いる乾燥製剤であれば、貯蔵時大気中の水分による加水分解からクラブラン酸カリウムを守るのに役立つ摂取可能な乾燥剤が含まれ得る。クラブラン酸カリウムは通常、稀釈剤の微晶質セルロースまたは二酸化ケイ素と混合して供給される。
【0034】
本発明の一実施形態において、製剤中に用いられる放出調節剤はカーボポール;カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースといったセルロース系ポリマー;Gantrez(R)などの、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー;腸溶ポリマー;ヒアルロン酸ナトリウム;ガム;アルギネート;ポリカルボフィル;ポリエチレンオキシド;デンプン;デキストラン;キトサン等、またはこれらの混合物を含む群から選択されるが、この群に限定はされない。
【0035】
別の実施形態において、本発明の放出調節剤は、pH依存性ポリマー;pH非依存性ポリマー;膨潤性ポリマー;非膨潤性ポリマー;親水性ポリマー;疎水性ポリマーおよび/または1種以上の他の疎水性材料;アルギン酸ナトリウム、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムといったイオン性ポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの非イオン性ポリマー;アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、デキストリン、カンテン、カラギーナン、ペクチン、ファーセレラン、デンプンおよびデンプン誘導体を含む群から選択される合成または天然多糖、およびこれらの混合物を含む群から非限定的に選択されたポリマー材料を含む。本発明に用いられるポリマー材料は、単独でかまたは組み合わせて用いられるセルロース系ポリマー、メタクリレートポリマー、Eudragit(R) EPO、Eudragit(R) E100、Eudragit(R) E12,5等またはこれらの混合物などのメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルギネート、ポリビニルピロリドン−ポリ酢酸ビニル(PVP−PVA)コポリマー、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース(低、中または高分子量)、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、三酢酸セルロース、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(アルキルアクリレート)、ポリ(オクタデシルアクリレート)、ポリ(エチレン)、ポリ(アルキレン)、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(アルキレンテレフタレート)、ポリ(ビニルイソブチルエーテル)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル)、およびポリウレタン、またはこれらの混合物を含む群から選択されるが、この群に限定はされない。別の実施形態において、製剤は、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、カラギーナンガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アカシアガム、トラガントガム、カンテン等、またはこれらの混合物を含む群から非限定的に選択されたガムを付加的に含む。
【0036】
別の実施形態において本発明の製剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、双生イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物を含む群から選択された少なくとも1種の界面活性剤を付加的に含む。本発明の組成物に用いられる他の製薬学的に許容される添加剤は当業者に公知である一群の添加剤、例えば単独でかまたは組み合わせて用いられる、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微晶質セルロース、キシリトール、フルクトース、スクロース、デキストロース、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムといった稀釈剤;崩壊剤;結合剤;賦形剤;増量剤;有機酸類;着色剤;安定剤;防腐剤;滑沢剤;流動化剤;キレート剤;ビヒクル;増量剤;安定剤;防腐剤;親水性ポリマー;グリセリン、様々な等級のポリエチレンオキシド、トランスクトールおよびグリコフロールなどの溶解促進剤;張度調節剤;局所麻酔剤;pH調節剤;酸化防止剤;等張化剤;キレート剤;粘稠化剤;酸;糖アルコール;還元糖;非還元糖などの中から非限定的に選択される。本発明で用いる崩壊剤には、単独でかまたは組み合わせて用いられるクロスカルメロースナトリウム(例えばPrimellose(R))、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えばAc−di−sol(R))、Solutab(R)、Vivasol(R)、デンプン、予備糊化デンプン、セルロース、架橋カルボキシメチルセルロース、クロスポビドン、クレー、アルギネート、ガムなどを含めた一群の崩壊剤が非限定的に含まれる。本発明に有用な稀釈剤または賦形剤は、ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、デキストロース、微晶質セルロース、第二リン酸カルシウム、スクロース主体の稀釈剤、精製粉末糖、第一硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、デキストロース、デキストラン、デキストレート、イノシトール、固形穀物加水分解物、アミロース、粉末セルロース、炭酸カルシウム、セルロース末、デンプン、予備糊化デンプン、スクロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール、グリシン、またはベントナイトなどを含む群から選択されるが、この群に限定はされない。本発明で用いる滑沢剤は、単独でかまたは組み合わせて用いられるタルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、硬化植物油、ステアリルフマル酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリル、蝋などを含む群から選択されるが、この群に限定はされない。付着防止剤もしくは流動化剤は、タルク、コーンスターチ、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素などを含む群から選択されるが、この群に限定はされない。本発明での使用に好適なビヒクルは、N−メチルピロリドンのジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシド、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、ポリオキシエチレングリコール化ヒマシ油(Cremophor(R) EL)、ポリエチレングリコールでMW 200〜6000のもの、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ならびにヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660(Solutrol(R) HS15として市販)などのグリコール誘導体を含む群から非限定的に選択できる。本発明の別の実施形態において、組成物はベンジルアルコールなどの抗菌防腐剤を好ましくは該組成物の2.0% v/vの濃度で付加的に含有してもよい。本発明の一実施形態において、組成物はパルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール等、またはこれらの混合物といった公知の酸化防止剤を付加的に含有してもよい。
【0037】
一実施形態において、本発明の組成物は、望ましい色を実現するための着色剤を付加的に含んでいてもよい。「FD&C」法で認可されたことが知られているものであれば、どのような色素でも用いて製品を着色することができる。好適な着色剤には天然の着色剤、すなわち鉱物、植物および動物由来の顔料および染料が含まれる。天然着色剤の例には、赤色酸化鉄(III)、黄色酸化鉄(III)、アナテネス(annattenes)、アリザリン、インジゴ、ルチン、クエルセチンなどが有る。合成着色剤を用いてもよく、その典型例はFD&CまたはD&C染料、例えば、ニトロソ染料、ニトロ染料、アゾ染料、オキサジン、チアジン、ピラゾロール、キサンテン、インジゴイド、アントラキノン、アクリジン、ローザニリン、フタレイン、キノリン、またはこれらの「レーキ」、すなわちこれらのアルミニウムもしくはカルシウム塩といったいわゆる「コールタール」染料の中から選択される認可染料である。特に好ましい着色剤は、「GRAS(Generally Regarded As Safe)」カテゴリーに属する食品着色剤である。
【0038】
本発明の別の実施形態において、放出調節剤は、高活性薬物送達系(Enhanced Activity Drug Delivery System: EADDS)の重要な一特徴であるムチン結合特性を有するポリカルボフィルおよび/またはポリエチレンオキシドなどの粘膜付着性ポリマー、またはそのようなポリマーの組み合わせである。このポリマーは、有効成分を伴って粘膜表面に付着することによって、微生物の存在する作用部位における有効成分のアベイラビリティを高める。さらに、本発明の組成物がin vivo投与時に崩壊して多数の粒子/破片となる場合は、それら多数の粒子/破片の粘膜への付着によって好ましくは抗生物質吸収部位が胃上部のみに限られ、従って腸内微生物の抗生物質への過度の曝露が防止されることで、下痢などの関連副作用も防止されるか、少なくとも最小限となる。このことは、薬物療法に対する患者のコンプライアンス向上の一助となり、かつ微生物における耐性の発現を防止する。
【0039】
本発明の一実施形態では、上記製剤を調製する方法であって、抗生物質、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、さらに好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては他の製薬学的に許容される添加剤で処理し、それを製剤化して所望の製剤とすることを含む方法が提供される。
【0040】
本発明の医薬製剤組成物は好ましくは経口製剤として、すなわち錠剤、カプセル剤、貼付剤、散剤、顆粒剤、ドライシロップ剤、懸濁剤、局所用ゲル剤、溶液剤、乳剤等といった固形、半固形、ゲル状または液状の調製物として製剤化される。一実施形態において、本発明の組成物は好ましくは固形の経口製剤とされ、さらに好ましくは錠剤の形態を取る。錠剤は直接打錠、乾式圧縮(スラッグ法)、または顆粒化によって製造し得る。顆粒化は水性または非水性の方法で行なう。用いる非水性溶媒は、エタノール、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、またはこれらの混合物を含む群から選択される。小児用懸濁剤用製剤などの散剤または顆粒剤は、医薬製剤製造分野、および懸濁剤に還元して用いる乾燥製剤の製造において一般的な技術を用いて製造することができる。好適技術の一例では、乾燥粉末または顆粒状成分同士を混合し、適当な容器に詰める。一実施形態において本発明の組成物は、圧縮錠剤、すりこみ錠剤、押出またはフィルム流延製品等の形態を取る。小児への投与のためには、本発明の製剤は好ましくは(新規なアモキシシリン対クラブラン酸塩比および用途以外)通常のような、甘味を具えた水性シロップ剤の形態とされ、その際1回量、例えば5mlまたは2.5mlのシロップ剤中に好適重量のアモキシシリンおよびクラブラン酸塩が含有される。クラブラン酸塩が水と反応し易いため、シロップ剤は乾燥散剤または顆粒剤として製造して防湿性の容器もしくはサシェに収容し、使用直前に水または他の好適な水性溶媒で還元することが好ましい。
【0041】
別の実施形態では本発明の組成物は、分散液剤、経口懸濁剤、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏剤、クリーム剤、制御放出性製剤、急速融解製剤、凍結乾燥製剤、遅延放出性製剤、徐放性製剤、周期放出性製剤、および即時放出と制御放出との複合型の製剤から成る群から選択された製剤とすることができる。本発明の組成物を胃内保持製剤として製剤化することも可能であり、その際胃での保持は、製剤の寸法を胃腸管の寸法より大きくするか、製剤を、胃腸管の内容物中で浮遊し、それによって保持されるような形態とするか、または製剤を粘膜付着性とし、粘膜付着性製剤がそのままで、または急速な崩壊の結果複数の粒子となって胃粘膜に付着し、長期間残留して有効成分をin vivoで調節放出するようにすることで達成される。本発明の組成物からの有効成分の放出は、好ましくは食物摂取に依存せず、従って食物の影響を回避するか、少なくとも摂食状態での製剤投与に関連する変動の低下を示す。さらに、本発明の組成物は、摂食条件下であれ空腹条件下であれ有効成分のバイオアベイラビリティを損わないと期待される。
【0042】
一実施形態において、本発明は上述の新規な組成物を使用する方法を提供し、この方法は有効量の該組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。一実施形態において本発明は、上記組成物を細菌感染の予防、改善および/または治療といった管理に用いる方法を提供し、この方法は有効量の抗生物質、好ましくはβ−ラクタム系抗生物質、さらに好ましくはアモキシシリン、もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を長期間提供するような量の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。上記組成物は一般的な細菌感染、主として咽喉炎、急性細菌性扁桃炎および/もしくは咽頭炎等、またはこのような疾患の組み合わせなどの上気道感染の治療に特に有用であり、中でも異なるグラム陽性またはグラム陰性菌など2種以上の微生物に起因する細菌感染の治療に有用である。
【0043】
一実施形態において、本発明の製剤組成物は、毎分75回転のUSP II型装置により37±0.5℃で、溶出媒体として900mlの蒸留水を用いて試験した場合0.5時間後に約5%以上約70%以下の抗生物質、特にアモキシシリンをin vitro放出し、3時間で約15%以上のアモキシシリン、6時間で約60%以上のアモキシシリンを放出する。
【0044】
一実施形態において、本発明の溶出試験法は次のパラメーターを有する。
溶出媒体(900ml): 蒸留水、または0.01N塩酸(HCL)、またはpH7.4リン酸緩衝液
装置: USP II型装置(パドル)
パドル速度: 75rpm
溶出媒体温度: 37℃±0.5℃
【0045】
アモキシシリンのin vitro溶出試験を、溶出媒体として900mlの蒸留水を用いて行なう方法を説明する本発明の実施形態を以下に詳述する。有効成分、およびin vitro試験で用いる特定の薬物放出(溶出)媒体の諸特性に対応して必要な変更を加えることにより、アモキシシリンまたは他のβ−ラクタム系抗生物質に対し別の溶出方法を用いることも可能である。有効成分(薬物)の放出を、UV/VIS分光光度計を用いるUV分光法で解析および測定した。有効成分の解析には、当該分野で公知のHPLCその他の機器など、別の解析機器を用いてもよい。
【0046】
溶出手順: 温度、回転、および連続稼働時間(run time)を37℃±0.5℃、75rpm、および12時間にそれぞれプログラムすることによって溶出装置を準備した。溶出装置の6個の容器の各々に900mlの蒸留水(溶出媒体)を入れた。装置を組み立て、溶出媒体を37℃±0.5℃で平衡に保ち、温度計を除去した。6個の容器の各々に一回投与量を入れた。直ちにパドルの回転を開始し、速度75rpmで12時間継続した。サンプリング間隔は0.5、1.0、2.0、3.0、4.0、6.0、8.0および12.0時間を選択した。6個の容器の各々において溶出媒体の表面と、回転翼の頂部との中間領域から所望の時間間隔でアリコートを取り出し、その都度等量の新鮮な溶出媒体を補充し、その後「試験調製物」の項に記した操作を行なった。試験中、容器を覆い、媒体の温度を所定の間隔で確認した。
【0047】
緩衝液調製物: 6.804gのリン酸二水素カリウムを1000mlの水に溶解させた。水酸化カリウム溶液でpHを5.0±0.05に調節した。
【0048】
標準調製物: 約80.0mgのアモキシシリン三水和物WS(常用標準)を計量し、正確に100ml容のメスフラスコに移した。水を用いてアモキシシリンを溶解させ、かつ液量をフラスコ容量まで増やし、その後混合した。0.45μmメンブランフィルター(Millipore HVLPタイプ)での濾過を行ない、濾液の最初の5mlは廃棄した。得られた濾液2.0mlを緩衝液で稀釈して100mlとし、その後混合した。
【0049】
試験調製物: 0.45μmメンブランフィルター(Millipore HVLPタイプ)に通して、取り出した各溶出試料を濾過し、濾液の最初の5.0mlは廃棄した。2.0mlの濾液を緩衝液で稀釈して100mlとし、その後混合した。
【0050】
ブランク調製物: 2.0mlの蒸留水を正確に100ml容のメスフラスコに移し、緩衝液でフラスコ容量まで稀釈し、その後混合した。
【0051】
手順: 標準調製物、および異なる時間間隔で取得した試験調製物それぞれの約228nmでの吸光度を、ブランクとして溶出媒体を用いてUV/VIS分光光度計で測定した。異なる時間間隔で取得した当該試験調製物中に存在する放出されたアモキシシリンの、公称値に対するパーセンテージで表わされる量を下記式を用いて算出した。例えば最初のサンプリング時点すなわち0.5時間後、および最後のサンプリング時点すなわち12.0時間後の場合、用いる式は次のようになる。
【0052】
【数1】

上記式中、
Ab= 試験調製物の吸光度。
Ab= 標準調製物の吸光度。
= 計測したアモキシシリンWSの重量(mg)。
P= アモキシシリンWSの濃度(potency)(% w/w)。
C= 一回投与量に含まれるアモキシシリンの公称値。
CR= %で表わされる、異なる時間間隔での(すなわち、1、2、3、4、6、8および12時間経過時点での)放出アモキシシリン量補正値。
【0053】
その他の時間間隔で、すなわち1.0、2.0、3.0、4.0、6.0および8.0時間経過時点で取得した当該試験調製物中存在する放出されたアモキシシリンの、公称値に対するパーセンテージで表わされる量も同様の式を用いて算出される。
【0054】
様々な製法パラメーターが本発明のβ−ラクタム系抗生物質製剤組成物の溶出速度に及ぼす影響を評価した。本発明の発明者等による研究は、β−ラクタム系抗生物質溶出速度が組成物中に用いられる添加剤、および組成物の製造に採用される製法に依存することを示唆した。
【0055】
別の実施形態において、本発明の製剤は、健康なヒトのグループで試験すると製剤の投与から少なくとも約0.5時間後、好ましくは約0.5時間以上12時間以下の時間内、さらに好ましくは約1時間以上8時間以下の時間内に平均ピーク血漿中濃度(Cmax)をもたらす。本発明のさらに別の実施形態において、組成物は、少なくとも12人の健康なヒトのグループで試験すると約0.1〜50μg/ml、好ましくは約3〜30μg/mlの平均アモキシシリンピーク血漿中濃度(Cmax)を示す。
【0056】
健康な自発的被験者のグループにおいて、本発明のアモキシシリン調節放出製剤をバイオアベイラビリティに関してAmoxil(R)錠剤(Glaxo SmithKline)と比較する(in vivo)試験を行なった。試験の目的は4種の調節放出性錠剤、すなわちアモキシシリンを375mg含有する錠剤(「T−1」と呼称)、425mg含有する錠剤(「T−2」と呼称)、625mg含有する錠剤(「T−3」と呼称)、および750mg含有する錠剤(「T−4」と呼称)を薬物動態学的に比較評価することであった。組成物T−1、T−2、T−3およびT−4は実施例1に開示した組成に従って調製した。無作為、オープンラベル、平衡、三処理、三期、三系列、単回投与、交叉式(cross over)設計を用い、摂食前および摂食後の健康な自発的被験者においてアモキシシリン調節放出製剤(TEST組成物、すなわちT−1およびT−2)を、アモキシシリン500mgを通常のように放出する錠剤(Amoxil(R)500mg錠; 「REFERENCE」もしくはR−1と呼称)との比較で評価し、アモキシシリン調節放出製剤(TEST組成物、すなわちT−3およびT−4)を、アモキシシリン875mgを通常のように放出する錠剤(Amoxil(R)875mg錠; 「REFERENCE」もしくはR−2と呼称)との比較で評価した。この試験は12人の健康な自発的被験者において実施するべく設計し、被験者の年齢は18〜45歳、体重は70.1±8kgで、平均BMI(ボディーマス指数)は16.9±1.9であった。重たい朝食を摂取させた後、および絶食させた後に製剤を与えることによって二通りの試験、即ち摂食時試験と空腹時試験とを行なった。監視下に一晩、12時間にわたり絶食させた後、および高脂肪の朝食を30分以内に残さず摂取させた後、被験者にTEST/REFERENCE組成物を240mlの水と共に単一回経口投与して試験を行なった。試験の間中、すなわちTEST/REFERENCE組成物の投与前ならびに投与の0.25、0.5、0.75、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、10.0、12.0および14.0時間後に留置カニューレ/清浄静脈穿刺を介してバイアル内に血液試料を採取することにより薬物解析を行なった。血液試料は、抗凝血薬であるヘパリンナトリウムで被覆した試料採取管内に採取した。得られたヘパリン化血漿を血液から遠心によって分離し、血漿試料を最後の試料が採取されるまで−20℃で貯蔵し、その後温度を−75±5℃として解析に備えた。様々な薬物動態学的パラメーター、即ちCmax(薬物のピーク血漿中濃度)、Tmax(ピーク血漿中濃度に到達するまでの時間)、AUC0−t(ゼロ時点から濃度測定可能な最終時点である時点tに至る「血漿中濃度対時間」曲線の下側の面積)、AUC0−α(ゼロ時点から、無限時間後の時点である時点αに至る「血漿中濃度対時間」曲線の下側の面積)、およびt1/2(血漿からの消失による半減期)について評価を行なった。WinNonlin(R)ソフトウェア(バージョン5.0)を用い、統計学的、および薬物動態学的に解析した。下記表1および表2に薬物動態学的パラメーターのデータを示す。「REFERENCE」(R−1)およびTEST組成物(T−1およびT−2)に関して、また「REFERENCE」(R−1)およびTEST組成物(T−1およびT−2)に関しても同様に、様々な血漿中薬物濃度におけるMIC超過時間パーセンテージも求めた。表3および表4にそれぞれのデータを示す。
【0057】
【表1】

【表2】

【0058】
【表3】

【表4】

【0059】
上述の試験は、TEST組成物の示す薬物動態学的パラメーター、および異なる血漿中濃度での「MIC超過時間パーセンテージ」の値が、低用量の場合も、REFERENCE製品との比較において所望の治療応答を長期間実現するのに十分なものであることを示唆した。この試験はまた、TEST製品T−1およびT−2が薬物動態学的パラメーターにおいて有意の差異を有しないことも示した。すなわちこの試験は、本発明の組成物がREFERENCE製品に比べて、有意に低用量である場合も有効成分のバイオアベイラビリティにおいて優るか、少なくとも比肩することを証明するものである。従って、本発明の組成物は、低用量の場合もかなりの効力を有すると共に、用量と結び付けられる抗生物質療法関連の有害事象の低減を助長する新規な抗生物質含有製剤の設計に有意の進歩をもたらし、それによって患者のコンプライアンスも向上させる。以下に示す医薬組成物例によって、本発明の実施形態を具体的に説明する。しかし、これらの例は本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0060】
A. 顆粒の製造
【表5】

【0061】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、ポリエチレンオキシド、ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、およびポリカルボフィルを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドを精製水で顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を8号篩に掛けた。
iv) 工程(iii)の顆粒を温度50℃で半乾状態とし、24号篩に掛け、篩上に残った塊を破砕した。
v) 工程(iv)の顆粒を80号篩に掛け、さらに回収した。
vi) 工程(v)で得られた網下顆粒を粉砕し、精製水で再度顆粒化した。工程(iii)の操作を繰り返し、24号篩別分は戻し、80号篩別分は除去した材料の少なくとも95%を得た。
vii) 得られた顆粒を全部ブレンドし、二重ポリエチレンバッグに入れて密閉HDPE容器内に貯蔵した。
(「」は、アモキシシリン三水和物431.25mg、488.75mg、718.75mgおよび862.50mgがアモキシシリン375mg、425mg、625mgおよび725mgにそれぞれ相当することを示す)。
【0062】
B. 顆粒の被覆
【表6】

【0063】
手順:
viii) A型メタクリル酸コポリマーおよびポリカルボフィルを100号篩に掛け、イソプロピルアルコールと精製水との混合物(2:1)に溶解させた。
ix) 赤色酸化鉄を少量のイソプロピルアルコール/精製水混合物中に分散させ、コロイドミルに通した。
x) 工程(viii)の溶液を工程(ix)の分散液と混合し、得られた溶液にクエン酸トリエチルを添加した。溶液を1〜2時間攪拌した。
xi) 流動層被覆装置(FBC)を用い、上部噴霧または下部噴霧法によって工程(vii)の顆粒を工程(x)の溶液で被覆し、乾燥した顆粒を得た。
【0064】
C. 被覆顆粒の圧縮
【表7】

【0065】
手順:
xii) 微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、タルク、およびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、40号篩に掛けた。
xiii) 工程(xii)で得られたブレンドをさらにアモキシシリン三水和物顆粒の一部と混合した。
xiv) 工程(xiii)の混合物をアモキシシリン三水和物顆粒の残部とブレンドし、圧縮して錠剤とした。
【0066】
D. 錠剤の被覆
【表8】

【0067】
手順:
xv) カラギーナンおよび微晶質セルロースを含む被膜形成系を60号篩に掛けた。
xvi) 工程(xv)の材料を精製水中に分散させ、得られた溶液を1〜2時間攪拌した。
xvii) 工程(xiv)の錠剤を工程(xvi)の被覆溶液で被覆した。
(「**」は、製造過程で消失することを示す)。
【実施例2】
【0068】
A. 顆粒の製造
通し番号 成分名 量/錠(mg)
1. アモキシシリン三水和物 862.5
(アモキシシリン750mg相当)
2. ポリエチレンオキシド 50.0
3. ポリカルボフィル 20.0
4. ラクトース 30.0
5. クロスカルメロースナトリウム 25.0
6. 精製水 製造過程で消失
【0069】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、ポリエチレンオキシド、ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、およびポリカルボフィルを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドを精製水で顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を8号篩に掛けた。
iv) 工程(iii)の顆粒を温度50℃で半乾状態とし、24号篩に掛け、篩上に残った塊を破砕した。
v) 工程(iv)の顆粒を80号篩に掛け、さらに回収した。
vi) 工程(v)で得られた網下顆粒を粉砕し、精製水で再度顆粒化した。工程(iii)の操作を繰り返し、24号篩別分は戻し、80号篩別分は除去した材料の少なくとも95%を得た。
vii) 得られた顆粒を全部ブレンドし、二重ポリエチレンバッグに入れて密閉HDPE容器内に貯蔵した。
【0070】
B. 顆粒の被覆
通し番号 成分名 パーセント(%)w/w
7. A型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L−100) 20.00
8. ポリカルボフィル 0.30
9. クエン酸トリエチル 2.00
10. 赤色酸化鉄 0.13
11. イソプロピルアルコール 製造過程で消失
12. 精製水 製造過程で消失
【0071】
手順:
viii) A型メタクリル酸コポリマーおよびポリカルボフィルを100号篩に掛け、イソプロピルアルコールと精製水との混合物(2:1)に溶解させた。
ix) 赤色酸化鉄を少量のイソプロピルアルコール/精製水混合物中に分散させ、コロイドミルに通した。
x) 工程(viii)の溶液を工程(ix)の分散液と混合し、得られた溶液にクエン酸トリエチルを添加した。溶液を1〜2時間攪拌した。
xi) 流動層被覆装置(FBC)を用い、上部噴霧または下部噴霧法によって工程(vii)の顆粒を工程(x)の溶液で被覆し、乾燥した顆粒を得た。
【0072】
C. 被覆顆粒の圧縮
通し番号 成分名 量/錠(mg)
13. FBCで被覆したアモキシシリン三水和物顆粒 1209.00
14. 微晶質セルロース(Avicel(R)pH 102) 99.55
15. クロスカルメロースナトリウム(Ac−di−sol(R)) 50.00
16. タルク 10.00
17. ステアリン酸マグネシウム 10.00
18. クラブラン酸カリウムと微晶質セルロースとの
混合物(1:1) 298.00
【0073】
手順:
xii) クラブラン酸カリウムと微晶質セルロースとの混合物(1:1)、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、タルク、およびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、40号篩に掛けた。
xiii) 工程(xii)で得られたブレンドをさらにアモキシシリン三水和物顆粒の一部と混合した。
xiv) 工程(xiii)の混合物をアモキシシリン三水和物顆粒の残部とブレンドし、圧縮して錠剤とした。
【0074】
D. 錠剤の被覆
通し番号 成分名 量/錠(mg)
19. カラギーナンおよび微晶質セルロース
(Lustreclear(R))を含む被膜形成系 42.00
20. 精製水 製造過程で消失
手順:
xv) カラギーナンおよび微晶質セルロースを含む被膜形成系を60号篩に掛けた。
xvi) 工程(xv)の材料を精製水中に分散させ、得られた溶液を1〜2時間攪拌した。
xvii) 工程(xiv)の錠剤を工程(xvi)の被覆溶液で被覆した。
【実施例3】
【0075】
A. 顆粒の製造
通し番号 成分名 量/錠(mg)
1. アモキシシリン三水和物 862.5
(アモキシシリン750mg相当)
2. ポリカルボフィル(Noveon(R)AA1) 20.0
3. マンニトール 30.0
4. クロスポビドン 25.0
5. 精製水 製造過程で消失
【0076】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、マンニトール、クロスポビドン、およびポリカルボフィルを30号篩に掛け、その後上記成分を総てブレンドした。
ii) 工程(i)のブレンドを精製水で顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を8号篩に掛けた。
iv) 工程(iii)の顆粒を温度50℃で半乾状態とし、24号篩に掛け、篩上に残った塊を破砕した。
v) 工程(iv)の顆粒を80号篩に掛け、さらに回収した。
vi) 工程(v)で得られた顆粒を粉砕し、24号篩に掛けた。
【0077】
B. 顆粒の被覆
通し番号 成分名 パーセント(%)w/w
6. C型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L−100−55) 15.00
7. メチルセルロース 0.50
8. クエン酸トリエチル 1.50
9. 黄色酸化鉄 0.13
10. イソプロピルアルコール 製造過程で消失
11. 精製水 製造過程で消失
【0078】
手順:
vii) C型メタクリル酸コポリマーおよびメチルセルロースを100号篩に掛け、イソプロピルアルコールと精製水との混合物(2:1)に溶解させた。
viii) 黄色酸化鉄を少量のイソプロピルアルコール/精製水混合物中に分散させ、コロイドミルに通した。
ix) 工程(viii)の分散液を工程(vii)の溶液と混合し、得られた溶液にクエン酸トリエチルを添加した。溶液を1〜2時間攪拌した。
x) 流動層被覆装置(FBC)を用い、上部噴霧または下部噴霧法によって工程(vi)の顆粒を工程(ix)の溶液で被覆した。
【0079】
C.被覆顆粒の圧縮
通し番号 成分名 量/錠(mg)
12. FBCで被覆したアモキシシリン三水和物顆粒 1156.66
13. リン酸二カルシウム 99.55
14. カルボキシメチルセルロースナトリウム
(Solutab(R)) 50.00
15. デンプングリコール酸ナトリウム 75.00
16. タルク 10.00
17. ステアリン酸カルシウム 10.00
【0080】
手順:
xi) リン酸二カルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、タルク、デンプングリコール酸ナトリウム、およびステアリン酸カルシウムをブレンドし、40号篩に掛けた。
xii) 工程(xi)で得られた材料を、FBCで被覆したアモキシシリン三水和物顆粒と混合した。
xiii) 工程(xii)の材料を圧縮して錠剤とした。
【実施例4】
【0081】
A. 顆粒の製造
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
1. アモキシシリン三水和物 862.5
(アモキシシリン750mg相当)
2. A型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L100) 100.0
3. 硫酸カルシウム 30.0
4. デンプングリコール酸ナトリウム 20.0
5. イソプロピルアルコール/精製水(1:1) 製造過程で消失
6. デンプングリコール酸ナトリウム 50.00
7. タルク 10.00
8. ステアリン酸亜鉛 10.00
【0082】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、メタクリル酸コポリマー、硫酸カルシウム、およびデンプングリコール酸ナトリウムを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドをイソプロピルアルコール/精製水(1:1)で顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を12号篩に掛けた。
iv) 工程(iii)の顆粒を乾燥し、24号篩に掛けた。
v) デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、およびステアリン酸亜鉛を40号篩に掛け、工程(iv)の材料と混合した。
vi) 工程(v)の材料を圧縮してミニ錠剤とし、これをゼラチンカプセルに充填した。
【0083】
B. カプセル剤の被覆
通し番号 成分名 パーセント(%)w/w
9. ポリアクリレート30%分散液
(Eudragit(R)NE30D) 17.50
10. ポリエチレングリコール 1.50
11. タルク 6.25
12. 精製水 製造過程で消失
手順:
vii) 80号篩に掛けたポリアクリレート30%分散液およびタルク、ならびにポリエチレングリコールを精製水中に分散させた。
viii) 工程(vi)のカプセル剤を工程(vii)の溶液で被覆し、乾燥した。
【実施例5】
【0084】
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
1. アモキシシリン三水和物 431.25
(アモキシシリン375mg相当)
2. クロキサシリンナトリウム 273.00
3. ヒドロキシエチルセルロース 63.25
4. キサンタンガム 15.00
5. デキストロース 15.00
6. クロスカルメロースナトリウム(Vivasol(R)) 25.50
7. 微晶質セルロース(RQ(R)102) 40.00
8. タルク 3.00
【0085】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、クロキサシリンナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、デキストロース、クロスカルメロースナトリウム、およびキサンタンガムを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドをローラーで圧縮し、得られた圧縮体を破砕して30号篩に掛けた。
iii) クロスカルメロースナトリウムおよび微晶質セルロースを40号篩に掛け、混合した。
iv) 工程(iii)の材料を工程(ii)の材料に加え、混合した。
v) 工程(iv)の材料を硬ゼラチンカプセルに充填した。
【実施例6】
【0086】
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
1. セファクロル一水和物 262.23
(セファクロル250mg相当)
2. C型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L−100−55) 115.00
3. ポリカルボフィル(Noveon AA1) 25.00
4. ラクトース 15.00
5. クロスカルメロースナトリウム(Vivasol(R)) 25.50
6. イソプロピルアルコール/精製水(1:1) 製造過程で消失
7. 硬化植物油 2.20
8. コロイド状二酸化ケイ素 2.20
【0087】
手順:
i) セファクロル一水和物、メタクリル酸コポリマー、ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、およびポリカルボフィルを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドをイソプロピルアルコール/精製水(1:1)で顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を12号篩に掛け、かつ乾燥して顆粒を得た。
iv) 工程(iii)の顆粒を30号篩に掛け、回収した。
v) 硬化植物油およびコロイド状二酸化ケイ素を40号篩に掛け、工程(iv)の材料と混合した。
vi) 工程(v)の材料を硬ゼラチンカプセルに充填した。
【実施例7】
【0088】
A. 顆粒の製造
通し番号 成分名 量/錠(mg)
1. アモキシシリン三水和物 488.75
(アモキシシリン425mg相当)
2. クラブラン酸カリウム/微晶質セルロース1:1混合物 250.00
(クラブラン酸125mg相当)
3. A型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L−100) 115.00
4. ポリエチレンオキシド
(Polyox(R)WSR 303) 25.00
5. ラクトース 15.00
6. デンプングリコール酸ナトリウム 25.50
7. 精製水 製造過程で消失
8. イソプロピルアルコール 製造過程で消失
9. ステアリン酸マグネシウム 7.75
【0089】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、クラブラン酸カリウム/微晶質セルロース1:1混合物、A型メタクリル酸コポリマー、ラクトース、デンプングリコール酸ナトリウム、およびポリエチレンオキシドを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドをイソプロピルアルコール/精製水混合物(2:1)で顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を12号篩に掛け、乾燥した。
iv) 工程(iii)の顆粒を24号篩に掛け、40号篩に掛けたステアリン酸マグネシウムと混合した。
v) 工程(iv)の材料を圧縮して錠剤とした。
【0090】
B. 錠剤の被覆
通し番号 成分名 パーセント(%)w/w
10. 水性エチルセルロース分散液 15.00
11. ポリカルボフィル(Noveon(R)AA1) 0.50
12. ポリエチレングリコール 3.00
13. 赤色酸化鉄 0.12
14. 精製水 製造過程で消失
【0091】
手順:
vi) 水性エチルセルロース分散液およびポリカルボフィルを100号篩に掛け、精製水中に分散させた。
vii) 赤色酸化鉄を少量の精製水中に分散させ、コロイドミルに通した。
viii) 工程(vii)の分散液を工程(vi)の分散液と混合し、攪拌して均質な分散液を得た。
ix) 工程(v)の錠剤を工程(viii)の溶液で被覆し、乾燥した。
【実施例8】
【0092】
A. アモキシシリンナトリウム顆粒の製造
通し番号 成分名 量/錠(mg)
1. アモキシシリンナトリウム 530
(アモキシシリン500mg相当)
2. エチルセルロース 75
3. アルギン酸ナトリウム 50
4. 第二リン酸カルシウム 15
5. クロスポビドン 30
6. イソプロピルアルコール 製造過程で消失
【0093】
手順:
i) アモキシシリンナトリウム、エチルセルロース、第二リン酸カルシウム、クロスポビドン、およびアルギン酸ナトリウムを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドをイソプロピルアルコールで顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を8号篩に掛け、乾燥した。
iv) 工程(iii)で得られた乾燥顆粒を粉砕し、20号篩に掛けた。
【0094】
B.顆粒の被覆
通し番号 成分名 パーセント(%)w/w
7. ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート 20.00
8. ポリカルボフィル(Noveon(R)AA1) 0.50
9. クエン酸トリエチル 2.50
10. 精製水 製造過程で消失
手順:
v) ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびポリカルボフィルを100号篩に掛け、精製水中に分散させ、これにクエン酸トリエチルを攪拌下に添加した。
vi) 工程(iv)の顆粒を工程(v)の溶液で被覆し、乾燥した。
【0095】
C. クラブラン酸塩材料の製造
通し番号 成分名 量/錠(mg)
11. クラブラン酸カリウム 125.00
12. 微晶質セルロース 125.00
13. 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 6.00
14. ステアリン酸マグネシウム 1.25
手順:
vii) クラブラン酸カリウム、微晶質セルロース、および低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを混合した。
viii) ステアリン酸マグネシウムを40号篩に掛け、工程(vii)の材料に添加し、混合した。
【0096】
D. 錠剤
ix) 工程(vi)のブレンドおよび工程(viii)の材料を圧縮して錠剤とした。
E. 錠剤の被覆
通し番号 成分名 量/錠(mg)
15. ポリビニルピロリドン 15.00
16. 精製水 製造過程で消失
手順:
x) ポリビニルピロリドンを精製水に、攪拌下に溶解させた。
xi) 工程(ix)の二層錠を工程(x)の材料で被覆し、乾燥した。
【実施例9】
【0097】
A. 顆粒の製造
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
1. アモキシシリン三水和物 288.63
(アモキシシリン250mg相当)
2. キサンタンガム 25.00
3. C型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L−100−55) 110.00
4. ラクトース 15.00
5. クロスカルメロースナトリウム 30.00
6. イソプロピルアルコール/精製水(1:1) 製造過程で消失
【0098】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、キサンタンガム、ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、およびC型メタクリル酸コポリマーを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) 工程(i)のブレンドをイソプロピルアルコール/精製水(1:1)で顆粒化した。
iii) 工程(ii)の湿潤材料を12号篩に掛け、乾燥した。
iv) 工程(iii)の顆粒を24号篩に掛け、回収した。
【0099】
B. 顆粒の被覆
通し番号 成分名 パーセント(%)w/w
7. 水性エチルセルロース分散液 15.0
8. ポリカルボフィル(Noveon(R)AA1) 0.50
9. トリアセチン 2.50
10. 黄色酸化鉄 0.12
11. 精製水 製造過程で消失
【0100】
手順:
v) 水性エチルセルロース分散液およびポリカルボフィルを100号篩に掛け、精製水中に分散させた。
vi) 黄色酸化鉄を少量の精製水中に分散させ、コロイドミルに通した。
vii) 工程(vi)の分散液を工程(v)の分散液と混合し、得られた溶液にトリアセチンを添加した。溶液を1〜2時間攪拌した。
viii) 工程(iv)の顆粒を工程(vii)の溶液で被覆し、乾燥した。
【0101】
C. クラブラン酸塩材料の製造
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
12. クラブラン酸カリウム 125.00
13. ラクトース 125.00
14. クロスカルメロースナトリウム 6.0
15. イソプロピルアルコール 製造過程で消失
16. ステアリン酸マグネシウム 1.25
【0102】
ix) クラブラン酸カリウム、ラクトース、およびクロスカルメロースナトリウムを40号篩に掛け、混合した。
x) 工程(ix)の材料をイソプロピルアルコールで顆粒化し、その後乾燥して24号篩に掛けた。
xi) ステアリン酸マグネシウムを40号篩に掛け、工程(x)の材料に添加し、混合した。
【0103】
D. カプセル剤
xii) 工程(viii)で得られた材料と工程(xi)の材料とを1:1の割合で混合し、硬ゼラチンカプセルに充填した。
【実施例10】
【0104】
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
1. オフロキサシン 200.0
2. C型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L−100−55) 45.0
3. 微晶質セルロース 45.0
4. ラクトース 15.0
5. クロスカルメロースナトリウム(Solutab(R)) 30.0
6. ベヘン酸グリセリル 2.0
【0105】
手順:
i) オフロキサシン、C型メタクリル酸コポリマー、ラクトース、微晶質セルロース、およびクロスカルメロースナトリウムを30号篩に掛け、その後混合した。
ii) ベヘン酸グリセリルを40号篩に掛け、工程(i)の材料と混合した。
iii) 工程(ii)の材料をカプセルに充填した。
【実施例11】
【0106】
A. 顆粒の製造
通し番号 成分名 量/錠(mg)
1. アモキシシリン三水和物 720.0
(アモキシシリン625mg相当)
2. ポリカルボフィル(Noveon(R)AA1) 145.0
3. ヒドロキシプロピルメチルセルロースE−15 15.0
4. ポンソー4R Supra 4.0
5. 微晶質セルロースRQ 102 160.0
6. デンプングリコール酸ナトリウム 25.0
7. クロスカルメロースナトリウム(Ac−di−sol(R)) 15.0
8. ベヘン酸グリセリル(Compritol(R)ATO 88) 50.0
9. イソプロピルアルコール/ジクロロメタン 製造過程で消失
【0107】
手順:
i) アモキシシリン三水和物およびポリカルボフィルをブレンドした。
ii) ヒドロキシプロピルメチルセルロースE−15をイソプロピルアルコール/ジクロロメタン1:2混合物に溶解させた。
iii) ポンソー4R Supraを100号篩に掛け、工程(i)の材料とブレンドした。
iv) 工程(iii)のブレンドを工程(ii)の溶液で顆粒化し、得られた湿潤材料を15号篩に掛けた。
v) 工程(iv)の湿潤材料を乾燥し、24号篩に掛けた。
vi) 微晶質セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、およびベヘン酸グリセリルを工程(v)の乾燥材料と共にブレンドし、圧縮して錠剤とした。
【0108】
B. 錠剤の被覆
通し番号 成分名 パーセント(%)w/w
10. アミノアルキルメタクリレートコポリマーE
(Eudragit(R)EPO) 15.0
11. タルク 0.6
12. ポリエチレングリコール400 10.0
13. イソプロピルアルコール 100.0
14. ジクロロメタン 300.0
【0109】
手順:
vii) アミノアルキルメタクリレートコポリマーEおよびポリエチレングリコール400をイソプロピルアルコールとジクロロメタンとの混合物に溶解させ、30〜60分攪拌した。
viii) タルクを200号篩に掛け、工程(vii)の溶液中に分散させた。
ix) 工程(vi)の錠剤を、工程(viii)で得られた溶液で被覆した。
【実施例12】
【0110】
A. 急速放出部分
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
1. アモキシシリン三水和物 435.0
(アモキシシリン375mg相当)
2. ラクトース 40.0
3. デンプングリコール酸ナトリウム 15.0
4. コロイド状二酸化ケイ素 12
5. ポビドンK−30 20
6. デンプン 5.0
7. ポリソルベート80 1.0
8. 精製水 製造過程で消失
9. ステアリン酸マグネシウム 10
10. クロスカルメロースナトリウム 8.0
【0111】
手順:
i) アモキシシリン三水和物、ラクトース、デンプングリコール酸ナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素を混合し、30号篩に掛けた。
ii) ポビドンK−30、デンプンおよびポリソルベート80を一緒に精製水に溶解させ、均質な溶液を形成した。
iii) 工程(i)の材料を工程(ii)の材料と混合し、乾燥して16号篩に掛けた。
iv) ステアリン酸マグネシウムおよびクロスカルメロースナトリウムを40号篩に掛けた。
v) 工程(iv)の材料を工程(iii)の材料と混合した。
【0112】
B. 持続放出部分
通し番号 成分名 量/カプセル(mg)
11. アモキシシリン三水和物 435.0
(アモキシシリン375mg相当)
12. ラクトース一水和物 40.0
13. A型メタクリル酸コポリマー
(Eudragit(R)L−100) 60.0
14. ドクセートナトリウム 5.0
15. ヒドロキシプロピルメチルセルロース 12.0
16. 精製水 製造過程で消失
17. コロイド状二酸化ケイ素 10.0
18. ステアリン酸マグネシウム 8.0
【0113】
手順:
vi) アモキシシリン三水和物、ラクトース一水和物、およびA型メタクリル酸コポリマーを混合し、30号篩に掛けた。
vii) ドクセートナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを精製水に溶解させて均質な分散液を得た。
viii) 工程(vi)の材料を工程(vii)の材料で顆粒化し、乾燥して24号篩に掛けた。
ix) コロイド状二酸化ケイ素およびステアリン酸マグネシウムを40号篩に掛けた。
x) 工程(ix)の材料を工程(viii)の材料と混合した。
【0114】
C. カプセル剤
xi) 工程(v)で得られた材料と工程(x)で得られた材料とを混合して硬ゼラチンカプセルに充填した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として少なくとも1種の抗生物質もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含み、この有効成分は少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤で処理されている調節放出性医薬製剤組成物であって、in vitro溶出試験時またはin vivo試験時に約30分で約60%以下の抗生物質、8時間後に約70%以上の抗生物質を放出する製剤組成物。
【請求項2】
毎分75回転のUSP II型装置により37±0.5℃で、溶出媒体として900mlの蒸留水を用いて試験するか、または同等条件下で試験した場合30分で約60%以下のβ−ラクタム系抗生物質、8時間後に約70%以上のβ−ラクタム系抗生物質をin vitro放出する請求項1に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項3】
健康なヒトのグループで試験すると製剤の投与から少なくとも約0.5時間後に平均ピーク血漿中濃度(Cmax)をもたらす請求項1または2に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項4】
健康なヒトのグループで試験すると0.5時間以上12時間以下の時間内に平均ピーク血漿中濃度(Cmax)をもたらす請求項1または2に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項5】
ヒトで試験すると約0.1〜50μg/mlの平均アモキシシリンピーク血漿中濃度(Cmax)を示す請求項1から4のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項6】
毎分75回転のUSP II型装置により37±0.5℃で、溶出媒体として900mlの蒸留水または0.01N HClを用いて試験した場合約30分で約60%以下のβ−ラクタム系抗生物質、約8時間後に約70%以上のβ−ラクタム系抗生物質をin vitro放出し、健康なヒトのグループで試験すると製剤の投与から少なくとも約0.5時間後に平均ピーク血漿中濃度(Cmax)をもたらす請求項1に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項7】
毎分75回転のUSP II型装置(パドル法)において900mlのpH7.4リン酸緩衝液を用いて溶出試験を実施すると約8時間後に約80%以上の抗生物質を放出する請求項1から6のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項8】
約1から約5.5までのpHを有する溶出媒体中へのin vitro溶出試験において約2時間以内に約0〜50%の抗生物質を放出し、約8時間の試験後に約40%より多くの有効成分を放出する請求項1に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項9】
抗生有効成分がアモキシシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、ピバンピシリン、ピブメシリナム、チカルシリン、クラブラン酸;シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン等といった他の抗生物質、もしくはこれらの混合物、またはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含む群から選択される請求項1から8のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項10】
抗生物質がアモキシシリンもしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体である請求項1から9のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項11】
一日1回または2回投与用に設計され、アモキシシリンを、特にin vivoで抗生物質療法に関連する有害作用を回避するか、少なくとも最小限に留めつつ治療レベルの該薬物を血漿中に長期間維持するのに望ましい仕方で放出する請求項1に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項12】
毎分75回転のUSP II型装置により37±0.5℃で、溶出媒体として900mlの蒸留水を用いて試験した場合0.5時間後に約5%以上でかつ約60%以下の前記抗生物質を放出し、3時間で約15%以上のアモキシシリン、6時間で約60%以上のアモキシシリンを放出し、in vitro溶解させる請求項11に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項13】
有効成分として少なくとも2種の抗生物質を含む請求項1から11のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項14】
抗生有効成分がアモキシシリン三水和物およびクラブラン酸カリウムである請求項13に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項15】
アモキシシリン約300〜約1650mgに相当する量のアモキシシリン三水和物およびクラブラン酸約62.5〜約300mgに相当する量のクラブラン酸カリウムを少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤と共に含む請求項14に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項16】
アモキシシリン約425mgから約1500mgに相当する量のアモキシシリン三水和物およびクラブラン酸約125mgから約250mgに相当する量のクラブラン酸カリウムを少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤と共に含む請求項14に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項17】
アモキシシリンの徐放出を実現するべく少なくとも1種の放出調節剤および1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤と配合されたアモキシシリンと、クラブラン酸塩の即時または急速放出を実現するべく1種以上の製薬学的に許容される添加剤と配合して即放形態とされたクラブラン酸カリウムとを含む請求項14または15に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項18】
クラブラン酸カリウムが、毎分75回転のUSP II型装置を用い、かつ溶出媒体として900mlの蒸留水または0.01N HClを用いる37±0.5℃でのin vitro試験において約2時間で約20%以上、約1〜約15時間で約75%の該抗生物質の放出をもたらす請求項14から17のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項19】
抗生組成物に関するMIC超過時間(T>MIC)がMICにおける抗生物質の、少なくとも約0.25μg/mlである濃度において少なくとも40%である請求項1から18のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項20】
抗生組成物が治療レベルの抗生有効成分を約0.25μg/mlの抗生物質濃度で、投与後少なくとも約4〜6時間、もしくは抗生物質が有効に作用するのに必要な時間だけ提供する請求項1から19のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項21】
前記組成物が、抗生物質の濃度は常にその有害レベルを実質的に下回るが、抗生物質の血漿中濃度は治療効果の達成に十分な期間MICを上回るようにピーク血漿中濃度(Cmax)を制御することにより、抗生物質に関連する有害作用または副作用を軽減する請求項1から20のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項22】
放出制御剤が、抗生物質療法に関連する、特に胃腸疾患/障害の形態の副作用を軽減するポリカルボフィルおよび/またはポリエチレンオキシドの中から選択された粘膜付着性ポリマーである請求項1から21のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項23】
前記組成物が、耐性微生物株の発育が回避されるか、または少なくとも最小限となるようなCmax対MIC比を有する請求項1から22のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項24】
max値がMIC値の少なくとも2〜3倍である請求項23に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項25】
前記組成物が複数の粒子を含み、各粒子は少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては、抗生物質の放出を制御する1種以上の製薬学的に許容される添加剤で処理された少なくとも1種の抗生物質もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を含む請求項1から24のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項26】
放出調節剤がカーボポール;セルロース系ポリマー;メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー;腸溶ポリマー;ヒアルロン酸ナトリウム;ガム;アルギネート;ポリカルボフィル;ポリエチレンオキシド;デンプン;デキストラン;キトサン等、またはこれらの混合物を含む群から選択される請求項1から25のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項27】
放出調節剤が、pH依存性ポリマー;pH非依存性ポリマー;膨潤性ポリマー;非膨潤性ポリマー;親水性ポリマー;疎水性ポリマーおよび/または1種以上の他の疎水性材料;イオン性ポリマー;非イオン性ポリマー;合成または天然多糖、およびこれらの混合物を含む群から選択されたポリマー材料を含む請求項1から25のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項28】
アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、双生イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物を含む群から選択された少なくとも1種の界面活性剤を付加的に含む請求項1から27のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項29】
前記他の製薬学的に許容される添加剤が、単独でかまたは組み合わせて用いられる稀釈剤;崩壊剤;結合剤;賦形剤;増量剤;ビヒクル、有機酸類;着色剤;安定剤;防腐剤;滑沢剤;流動化剤;キレート剤;ビヒクル;増量剤;安定剤;防腐剤;親水性ポリマー;溶解促進剤;張度調節剤;局所麻酔剤;pH調節剤;酸化防止剤;等張化剤;キレート剤;粘稠化剤;酸;糖アルコール;還元糖;非還元糖などを含む群から選択される請求項1から28のいずれかに記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項30】
請求項1に記載の調節放出性医薬製剤組成物を調製する方法であって、抗生物質もしくはその製薬学的に許容される塩、エステル、多形体、異性体、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、またはその誘導体を少なくとも1種の放出調節剤、および場合によっては1種以上の他の製薬学的に許容される添加剤で処理し、それを製剤化して所望の製剤とすることを含む方法。
【請求項31】
請求項1に記載の調節放出性医薬製剤組成物を用いて細菌感染を予防、改善および/または治療する方法であって、有効量の前記組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
【請求項32】
一般的な細菌感染、主として咽喉炎、急性細菌性扁桃炎および/もしくは咽頭炎等、またはこのような疾患の組み合わせなどの上気道感染の治療に特に有用であり、中でも異なるグラム陽性またはグラム陰性菌など2種以上の微生物に起因する細菌感染の治療に有用である請求項31に記載の調節放出性医薬製剤組成物。
【請求項33】
請求項1に記載の調節放出性医薬製剤組成物を細菌感染の予防、改善および/または治療に使用する方法であって、有効量の前記組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法。
【請求項34】
実質的に本明細書に記載され、かつ実施例によって具体的に示された医薬組成物および該医薬組成物を調製する方法。

【公表番号】特表2009−530367(P2009−530367A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501021(P2009−501021)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【国際出願番号】PCT/IN2007/000086
【国際公開番号】WO2007/110875
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(500445631)パナセア バイオテック リミテッド (29)
【Fターム(参考)】