説明

識別される特性を有する卵を選択的に処理する方法および装置

【課題】 孵化していない鳥の性別および他の特性を確実に決定することとした。
【解決手段】 性別に基づいて卵を処理する方法において、複数の卵から生存卵を識別する工程と、生存卵として識別された卵から内容物を抽出する工程と、各卵から識別された内容物を検査し、卵の性別を識別する工程と、性別に基づいて生存卵にワクチンを選択的に注射する工程とを含むようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は2001年4月17日に提出された米国仮出願番号60/284、267の利
益を主張し、前記仮出願の開示内容はすべて引例として本明細書の一部をなすものとする

【0002】
[発明の分野]
本発明は一般的には卵に関し、さらに詳細には卵を処理する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0003】
家禽卵(以下、卵と呼ぶ)を観察可能な品質に基づいて識別する手法は家禽業界におい
て古くから実施されている公知の技術である。「透光検卵(キャンドリング)」という用
語はこのような技術の1つに付された一般名であるが、その語源は蝋燭(キャンドル)の
光を用いて卵を検査した初期の慣例に基づくものである。ほとんどの照明条件下において
、卵の殻は不透明であるが、実際には、卵はいくらか透けて見える。従って、卵を光によ
って透かすことによって、卵の中身を観察することができる。
【0004】
家禽の孵化場において卵を透光検卵する1つの目的は非生存卵(例えば、無精卵、死亡
卵、腐敗卵、空の卵など)から生存卵(すなわち、生存家禽に孵化される卵)を識別し、
かつ分離することにある。ヘブランクに付与された米国特許第4、955、728号およ
び第4、914、672号は赤外線検出器と卵から放出される赤外線を用いることによっ
て生存卵を識別する技術を記載している。バン・アッセルトらに付与された米国特許第4
、671、652号は複数の光源と対応する光検出器が所定の配列パターンに配置された
透光検卵装置を記載している。この装置は卵を光源と光検出器間を通過させ、光によって
生存卵を識別するように構成されている。
【0005】
生存卵と識別された卵は、胚子がまだそれらの卵内(in ovo)にある間に、物質、栄養
素、ホルモン、および/または有益な物質によって処理される。孵化後の疾病率および死
亡率を低下させ、成長率または家禽の最終的な大きさを増し、および胚子の性別の決定に
影響を与えるために、家禽の卵に種々の物質が卵内注射される。生存卵にワクチンを注射
することによって、卵内の鳥を効果的に免疫することができる。家禽工業界において、卵
内胚子を処理して、生育中の胚子中に異質の核酸分子を導入して移植遺伝子鳥を生成する
こと、または異質セルを導入してキメラ鳥を生成することも望まれている。
【0006】
ワクチンの生成に用いられる特定のウイルスを繁殖させるために、ウイルスの卵内注射
が利用されることがある。卵内注射に用いられてきた、または用いられることが提案され
てきた物質の例として、ワクチン、抗生物質、ビタミンなどが挙げられる。卵内処理物質
および卵内注射の方法はシャルマらに付与された米国特許第4、458、630号および
フレデリクセンらに付与された米国特許第5、028、421号に記載されている。
【0007】
また、注射の1つの変形例として、卵から胚子を含む内容物および胚子以外の内容物か
らなるサンプルを抽出するために、胚子を含む卵に注射針を刺す方法も知られている。さ
らに、他の好ましい例として、例えば、ヘブランクに付与された米国特許第6、244、
214号に記載されているように、胚子を含む卵内に感応具を挿入し、卵内の情報を収集
する技術も開示されている。なお、この特許文献はその全体を引例として本明細書の一部
をなすものとする。
【0008】
商業用孵化場において、孵卵期間中、通常、卵は据付卵座板内に保持されている。選択
された時期、例えば、孵卵サイクルの18日目に、卵は孵卵器から取出される。不適当な
卵(すなわち、死亡卵、腐敗卵、空の卵、および無精卵)が識別されて除去され、生存卵
が処理(例えば、接種)され、次いで、孵化バスケットに移送される。
孵化の管理において、種々の特性、例えば、性別、病気、遺伝形質などに基づいて鳥を
分別することが望まれている。例えば、雄の鳥に特定のワクチンを接種し、雌の鳥に異な
るワクチンを接種することが望まれている。孵化における鳥の性別を分別することは他の
理由からも重要である。例えば、七面鳥は、雄と雌の成長率のおよび栄養補給の相違から
、通常、性別によって分別される。ライヤーまたは食卓卵の業界においては、雌のみを育
成することが好ましい。ブロイラーの業界においては、餌の効率を高め、処理の均一化を
改善し、生産コストを低減するために、ブロイラーを性別によって分別することが望まれ
ている。
【0009】
しかし、従来の鳥の性別鑑定は高価であり、手間が掛かり、時間を浪費し、特殊な技術
を有する熟練作業者を必要とする。従来の鳥の性別鑑定の例として、羽毛を介する性別鑑
定、肛門を介する性別鑑定、DNAまたは血液による性別鑑定などが挙げられる。羽毛を
介する性別鑑定の場合、雛鳥の処理効率は約3、000羽/時間であり、その処理コスト
は約0.7−2.5セント/羽である。肛門を介する性別鑑定の場合、雛鳥の処理効率は
約1、500羽/時間であり、その処理コストは約3.6−4.8セント/羽である。ま
た、DNAまたは血液による性別鑑定は鳥から採取したわずかな量の血液を分析すること
によって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4、955、728号公報
【特許文献2】米国特許第4、914、672号公報
【特許文献3】米国特許第4、671、652号公報
【特許文献4】米国特許第4、458、630号公報
【特許文献5】米国特許第5、028、421号公報
【特許文献6】米国特許第6、244、214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このような観点から、孵化の前に、鳥の性別や他の特性を識別することが望まれている
。孵化前に性別を識別することによって、家禽工業の種々の部材のコストを著しく低減す
ることができる。しかし、従来の透光検卵技術は生存卵と非生存卵をある程度効果的に識
別することは可能であるが、孵化していない鳥の性別および他の特性を確実に決定するこ
とはできない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[発明の要約]
従って、本発明の実施態様による識別される特性(例えば、性別)を有する卵を処理す
る方法は、複数の生存卵の各々から内容物(羊膜、卵黄、卵殻、卵白、組織、薄膜、およ
び/または血液など)を抽出する工程と、抽出した内容物を検査する工程と、特性を有す
る卵を識別する工程と、特性を有すると識別された卵を選択的に処理する工程とを含む。
例えば、本発明の実施態様による性別に基づいて卵を処理する方法は、複数の卵から生存
卵を識別する工程と、生存卵と識別された卵から尿膜液を抽出する工程と、各生存卵から
抽出された尿膜液内のエストラゲン化合物の存在を検出する工程と、尿膜液の色の変化を
検出し、各卵の性別を識別する工程と、識別された性別によって生存卵にワクチンを選択
的に注射する工程とを含む。
【0013】
本発明の実施態様によれば、卵から尿膜液を抽出する工程は、各卵を略水平配向に位置
決めし、各卵の尿膜を移動させ、各卵の殻の上部の下方に尿膜嚢を貯留して肥大化させる
工程と、探針(例えば、注射針)を卵の殻を通して前記肥大化した尿膜嚢に直接的に挿入
する工程と、卵の尿膜から尿膜液のサンプルを前記探針によって抽出する工程とからなる
。本発明の実施態様によれば、尿膜液内のエストラゲン化合物の存在を検出する前記工程
は、卵から抽出された尿膜液を各容器に注入する工程と、容器にバイオセンサを注入する
工程からなり、バイオセンサは尿膜液内のエストラゲン化合物と化学的に反応し、尿膜液
の色を変化させるように構成されている。
【0014】
本発明の実施態様によれば、識別された性別によって生存卵にワクチンを選択的に注射
する工程は、雄と識別された卵に第1ワクチンを注射し、雌と識別された卵に第2ワクチ
ンを注射する工程からなる。あるいは、本発明の実施態様によれば、識別された性別によ
って生存卵にワクチンを選択的に注射する工程は、同一の性別を有すると識別された生存
卵内にワクチンを注射する工程からなる。
【0015】
本発明の他の実施態様によれば、卵から抽出された内容物を検査し、各卵内の1つ以上
の病源菌を識別するように構成され、また、1つ以上の病源菌を有すると識別された卵を
その後残りの卵から取除くように構成される。
【0016】
本発明の他の実施態様によれば、卵から抽出した内容物に対してワクチン分析を行うよ
うに構成される。
【0017】
本発明の実施態様によれば、自動性別分別システムはネットワークを介して連結された
3つの独立したモジュールを備えている。第1モジュールは尿膜液採取モジュールである
。まず、設置孵卵器から、代表的には21日の孵卵サイクルの15日目、16日目、また
は17日目に卵座板が取出される。卵座板内の卵は光学的センサによって自動的に選別さ
れ、それらの卵(生存卵のみまたは全ての卵のいずれか)は所定の配列パターンに配置さ
れた受台内に移送される。各卵受台は各卵を受け、対向する両側部に卵を挟みこんで再位
置決めし、さらに卵を心出しするように構成されている。次いで、各卵の約中間点に約5
−6mmの深さまで注射針が挿入され、例えば、約20μLの尿膜液が抽出される。各卵
から抽出された尿膜液のサンプルはバーコード検査テンプレート内の各容器内に保存され
る。本発明の実施態様によれば、テンプレートの容器は卵座板の配列パターンと同じ配列
パターンで配列されるとよい。各採取ヘッドは他の卵から内容物を抽出する前に消毒する
とよい。
【0018】
卵は受台を介して直立位置に再位置決めされ、バーコード付き卵座板に戻される。これ
らの卵座板は、例えば、設置孵卵器に戻される。卵から抽出された内容物(例えば、尿膜
液)を含む検査テンプレートは処理されるために積み重ねられ、ネットワーク上のデータ
プロセッサによって各卵座板のバーコードと検査テンプレートのバーコードが照合される

【0019】
第2モジュールは自動検査モジュールである。卵から抽出された内容物(例えば、尿膜
液)を含む複数の検査テンプレートがオペレータによって検査モジュール内に装填される
。検査モジュール内において、各検査テンプレートはコンベヤシステムによって注入ヘッ
ドの下方に移送する。注入ヘッドは所定量(例えば、約75μL)の試薬(例えば、セル
型ライブセンサーズ(「LiveSensorsTM」、ライフセンサーズ社、マルヴァン
、ペンシルバニア州))を各容器内に注入するように構成されている。各検査テンプレー
トは環境制御室内を所定時間(例えば、約3.5時間)かけて通過する。各検査テンプレ
ートはコンベヤシステムによって他の注入ヘッドの下方に移送される。この注入ヘッドは
所定量の色基質(例えば、ONPG基質)を各容器に注入するように構成されている。各
検査テンプレートは環境制御室内を所定時間(例えば、約45分)かけて通過し、その結
果、各容器内に着色反応が生じる。
【0020】
CCD(電荷結合素子)カメラを各容器に走査し、その容器内に内容物が抽出されてい
る卵の性別を決定する。この情報はネットワーク上のデータプロセッサを介して記憶され
る。本発明の実施態様によれば、各容器内の試薬(例えば、セル型ライブセンサーズ(「
LiveSensorsTM」)は各検査テンプレートを廃棄する前に、例えば、熱処理お
よび/または化学処理を介して、破壊される。
【0021】
第3モジュールは卵処理/分別モジュールである。本発明の実施態様によれば、バーコ
ード卵座板は21日の孵卵サイクルの後段(例えば、18日目または19日目)に孵卵器
から取出され、コンベヤシステム上に載置される。本発明の実施態様によれば、ネットワ
ーク上のデータプロセッサが予め記憶した情報に基づいてどの卵が雄で、どの卵が雌かを
識別するように構成されている。雄の卵は雄用のワクチンを注射され、雌の卵は雌用のワ
クチンを注射される。本発明の実施態様によれば、雄の卵と雌の卵に対して別個のワクチ
ン注射装置を用いるように構成されている。ワクチン注射のあと、卵は性別によって分別
され、性別ごとの孵化バスケットに移送される。次いで、孵化バスケットは孵化器に移送
される。本発明の実施態様によれば、1つの性別の卵はワクチン注射を行わずに取出され
、孵化バスケットに移送されてもよい。
【0022】
本発明の実施態様によれば、卵を性別(または他の特性)によって分別し、次いで、そ
れらの分別した卵を処理するように構成されている。例えば、卵は性別によって分別され
、次いで、雄の卵と雌の卵は別個に処理されるように構成されている。
【0023】
本発明の実施態様によれば、雌の胚子の尿膜液に存在して雄の胚子には存在しないエス
トロゲン化合物を検出するように構成されている。ブロイラー、自己繁殖ブロイラー、七
面鳥、レイヤー(採卵鳥)などの鳥の胚子に関して、孵卵サイクルの13日目―18日目
の雌の胚子の尿膜液内のエストロゲン化合物の存在に基づいて、加齢または変種に関係な
く、性別を分別することができる。
【0024】
本発明の実施態様によれば、孵卵空間の節約(例えば、孵化前に雄と識別された雛鳥の
孵化をなくすことによる孵卵空間の節約)、ワクチン注射の節約、手作業の低減、および
孵化処理速度の向上によって、容易に生産効率を高めることができる。例えば、本発明の
実施態様によれば、約20、000−30、000個の卵/時間のスループット(処理能
力)かつ98%を超える精度で、卵を性別によって分別しワクチン注射することができる
。卵の性別はワクチン注射の前に判別されるので、特に特定の性別の卵にのみワクチン注
射が望まれる場合、ワクチン注射のコストを節約することができる。なお、本発明の実施
態様は、未熟練作業者によっても容易に実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例による卵を処理する工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例による複数の卵から生存卵を識別する工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例による透光検卵の工程を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例によるスペクトル検卵の工程を示すフローチャートである。
【図5】図4に示すスペクトル検卵が施された3つの卵のスペクトルの例を示す図である。
【図6】本発明の実施例による光・熱組合せ検卵の工程を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例による卵から内容物を抽出する工程を示すフローチャートである。
【図8】傾斜配向された卵とその卵の上部殻下の尿膜の貯留状態を示す概略図である。
【図9】本発明の実施例による抽出された卵の内容物を検査して卵の特性を識別する工程を示すフローチャートである。
【図10A】本発明の実施例による識別された特性に基づいて卵を選択的に処理する工程を示すフローチャートである。
【図10B】本発明の実施例による識別された特性に基づいて卵を選択的に処理する工程を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例による卵を処理するシステムおよび方法を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施例による孵化器内において用いられる卵処理システム、例えば、内容物抽出ステーション、検査ステーション、および処理および分別ステーションを個々のPLCによって制御する場合の制御の基本設計概念を示す概略図である。
【図13A】本発明の実施例による孵化器内において用いられる卵処理システム、例えば、内容物抽出ステーション(採取モジュール)、検査モジュール、および移送モジュールを個々のPLCによって制御する場合の制御の基本設計概念を示す詳細図である。
【図13B】本発明の実施例による孵化器内において用いられる卵処理システム、例えば、内容物抽出ステーション(採取モジュール)、検査モジュール、および移送モジュールを個々のPLCによって制御する場合の制御の基本設計概念を示す詳細図である。
【図13C】本発明の実施例による孵化器内において用いられる卵処理システム、例えば、内容物抽出ステーション(採取モジュール)、検査モジュール、および移送モジュールを個々のPLCによって制御する場合の制御の基本設計概念を示す詳細図である。
【図13D】本発明の実施例による孵化器内において用いられる卵処理システム、例えば、内容物抽出ステーション(採取モジュール)、検査モジュール、および移送モジュールを個々のPLCによって制御する場合の制御の基本設計概念を示す詳細図である。
【図14】本発明の実施例による複数の卵から内容物を抽出する装置(採取モジュールとも呼ぶ)の側面図である。
【図15】移送装置とその移送装置の両側に設けられた2つの採取装置を説明するための図14に示す内容物を抽出する装置の拡大図である。
【図16】内容物抽出装置の卵座板コンベヤシステムと卵受台を示す、図14の線16−16に沿った平面図である。
【図17】2つの卵座板コンベヤシステムと卵受台間の卵移送装置の横方向の移動を説明するための図14の内容物抽出装置の側面図である。
【図18A】入側卵座板を入側卵座コンベヤシステムに装填する状態および空の卵座板を出側卵座コンベヤシステムに装填する状態を示し、また、図14の内容物抽出装置の透光検卵区域内に配置された入側卵座板を示す図である。
【図18B】卵移送装置が卵を入側卵座板から卵受板に移送する吊上げ区域に向かう入側卵座板コンベヤシステムに沿った入側卵座板の移動を示す図である。
【図18C】卵移送装置によって入側卵座板から吊上げた後複数の卵受台内に着座した複数の卵を示す図である。
【図18D】採取装置が卵受台内に配置した卵から内容物を抽出する場所に向かう卵受台の移動を示す図である。
【図19】本発明の実施例による、略垂直配向の卵を受けてそれらの卵を略水平配向に変換するように構成された一連の卵受台の一部を示す透視図である。
【図20】図19に示す一連の受台の1つの受台を示す拡大透視図である。
【図21】卵受台を示す図20の線19−19に沿った上面図である。
【図22】卵受台を示す図20の線22−22に沿った側面図である。
【図23】卵が略水平位置にある状態を示す、本発明の実施例による卵方向付け装置の側面図である。
【図24】卵が方向付け部材によって略垂直配向に付勢された状態を示す、図23に示す卵位置決め装置の側面図である。
【図25】卵位置決め装置の第1および第2部の傾斜した上端を示す、図23の線25−25に沿った部分上面図である。
【図26】卵位置決め装置を示す、図25の線26−26に沿った部分端面図である。
【図27】拡張した状態の一連の分岐ブロックと真空カップを示す図14に示す卵移送装置の吊上げヘッドの上面図である。
【図28】一連の分岐ブロックと真空カップが第1方向に沿って収縮した状態を示す図27の吊上げヘッドの上面図である。
【図29】吊上げヘッドを示す図27の線29−29に沿った側面図である。
【図30】本発明の実施例による各卵を吊上げるように構成された図27の吊上げヘッドの可撓性カップの1つを示す拡大側面図である。
【図31】本発明の実施例による卵から内容物を抽出する採取ヘッドを示す側面図である。
【図32】採取ヘッドが略水平位置に保持された卵と接触している状態を示す、図19に示す一連の卵受台の1つの卵受台の側断面図である。
【図33】卵から内容物を抽出する前に採取ヘッドが各卵受台内の卵の殻に接触し、各採取ヘッドの採取用注射針が引込み位置にある状態を示す、図14に示す4つの採取装置の1つの採取装置における複数の採取ヘッドの側面図である。
【図34】採取用注射針が第1伸張位置にあり、各卵の殻を穿孔し、各卵から内容物を抽出する状態を示す、図33と同様の図である。
【図35】採取用注射針が第2伸張位置にあり、各卵から抽出した内容物を検査テンプレート内の各サンプル容器内に注入する状態を示す、図33と同様の図である。
【図36A】仮想線で示す付勢部材を有する図33の複数の採取ヘッドの1つを示す図である。
【図36B】採取用注射針に付加される力が採取ヘッドのシリンダの下半部内の空気による付勢力を上回り、注射針が第1伸張位置に至り、卵の殻を穿孔し、卵から内容物を抽出する状態を示す、図36Aに続く図である。
【図36C】採取用注射針に付加される力が付勢部材の付勢力を上回り、注射針が第2伸長位置に至り、卵から抽出した内容物をサンプル容器内に注入し、次いで、消毒される状態を示す、図36Bに続く図である。
【図36D】本発明の実施例による採取用注射針を消毒するのに用いられる消毒噴射装置の一例を示す図である。
【図37】各卵から内容物を抽出するときに各採取ヘッドをその卵に対して垂直方向に固定するように構成された本発明の実施例による係止板を示す図33の線37−37に沿った平面図である。
【図38A】本発明の実施例による図37に示す係止板の平面図である。
【図38B】本発明の変更例による係止板の平面図である。
【図39A】採取ヘッドに対して非係合位置にある係止板を示す図33に示す一連の採取ヘッドの1つを示す側面図である。
【図39B】係止板が右に移動し採取ヘッドと係合し、採取ヘッドを2つの固定板に押し付ける状態を示す、図39Aに続く図である。
【図39C】係止板が採取ヘッドを2つの固定板に固定し、採取ヘッドの垂直方向の移動を拘束する状態を示す、図39Bに続く図である。
【図40】本発明の実施例による卵から抽出された内容物を受ける複数のサンプル容器を有するサンプルトレイを示す平面図である。
【図41】サンプルトレイの各サンプル容器内に注入された卵から抽出された内容物を示す、図40のサンプルトレイの拡大部分平面図である。
【図42A】図14の採取装置に対して移動するサンプルトレイを示す、本発明の実施例によるサンプルトレイ操作システムの上面図である。
【図42B】図14の採取装置に対して移動するサンプルトレイを示す、本発明の実施例によるサンプルトレイ操作システムの上面図である。
【図43】本発明の実施例による、複数の卵から抽出された内容物を検査し、1つ以上の特性を識別するシステムと方法を示すブロック図である。
【図44】本発明の実施例による、複数の卵から抽出された内容物を検査し、1つ以上の特性を識別するシステムと方法を示すブロック図である。
【図45】各容器内の卵の内容物を検査し、各卵の特性を示す可視徴候を生成する状態を示す、採取トレイの一部の平面図である。
【図46】本発明の実施例による複数のサンプルトレイ内に含まれる卵から抽出される内容物を検査する検査装置の側面図である。
【図47】本発明の実施例による分別装置の側面図である。
【図48】分別装置を示す図47の線48−48に沿った上面図である。
【図49】本発明の実施例による、図47の分別装置と共に用いる再載置/注入装置の上面図である。
【図50】本発明の実施例による、図47の分別装置および処理装置と共に用いる再載置/注入装置の上面図である。
【図51】図50の再載置装置の側面図である。
【図52】本発明の実施例による処理/分別装置を示す透視図である。
【図53】本発明の実施例による複数の卵から抽出された内容物を検査する検査装置を備える、図14の線16−16に沿った卵座板コンベヤシステムおよび内容物抽出装置の卵受台の平面図である。
【図54】図53の検査装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[発明の詳細な説明]
以下、好適な実施例が記載された添付の図面に基づき、本発明をさらに詳細に説明する
。なお、本発明は種々の異なる形態で実施可能であり、ここに述べる実施例に制限される
ものではない。むしろ、これらの実施例は当業者に本発明の範囲を十分に理解せしめるた
めに完全な開示内容であることを意図してなされたものである。特に注記がなければ、こ
こで用いる技術的かつ科学的用語はすべて当業者によって通常使われているのと同じ意味
を有しているものとする。また、ここで用いる用語は具体的な実施例を説明するためのも
のであり、本発明を制限するものではない。
本発明の説明および請求の範囲に用いる冠詞"a"、"an"、および"the"は、特に注記がな
ければ、単数のみならず複数(の内の任意の1つ)をも表すものとする。
【0027】
ここに記載する全ての刊行物、特許出願、特許、および他の文献はそれらの全体を引例
として本明細書の一部をなすものとする。
【0028】
ここで用いる「鳥」および「鳥類」という用語はあらゆる種類の鳥類の雌および雄を含
むが、主として卵または食用肉の生産を目的として商業的に飼育される家禽類を含むもの
とする。具体的に、「鳥」および「鳥類」という用語は特に鶏、七面鳥、アヒル、ガチョ
ウ、うずら、およびキジを含む。ここで用いる「卵内(in ovo)」という用語は孵化前の
卵内に含まれる鳥を意味する。本発明はどのような鳥類の卵にも適用されるが、特に鶏、
七面鳥、アヒル、ガチョウ、うずら、およびキジの卵に対して好適に適用される。
【0029】
ここで用いる「注射」および「注射する」という用語は、卵または胚子内に道具(代表
的には細長の道具)を挿入する方法を意味し、さらに具体的には、卵または胚子内に物質
を送達または卵または胚子から物質を排出する方法、卵または胚子から内容物をサンプル
として抽出する方法、および/または卵または胚子内に検出器を挿入する方法を意味する

【0030】
ここで用いる「尿膜液」という用語は、尿膜液のみではなく卵の他の内容物を伴う尿膜
液も意味する。例えば、「尿膜液」という用語は血液と尿膜液との混合物も含む。
【0031】
ここで用いる「所定の場所」という用語は卵内の定まった位置または深さを意味する。
例えば、道具を卵内の「所定の場所」に注射するという表現は道具を卵内の定まった深さ
および/または定まって位置に注射することを意味する。あるいは、「所定の場所」に注
射するという表現は所定の場所、たとえば、胚子または卵内の胚下腔の位置に関する情報
に基づいて、注射をすることを意味する場合もある。
【0032】
なお、胚の生長期間(以下、孵卵期間とも呼ぶ)の任意の時点において1つ以上の卵の
特性を特定するのに、本発明の実施例による方法および装置を用いることができる。すな
わち、本発明の実施例の実行は胚の生長期間中の特定の日に制限されるものではない。
【0033】
図1は本発明の実施例による特定された特性に基づいて生存卵を処理する方法を示して
いる。ブロック1000に示す工程において、孵卵中の複数の卵から生存卵を識別する。
例えば、透光検卵によって、生存卵を識別する。ブロック2000に示す工程において、
各生存卵から内容物を抽出する。ブロック3000に示す工程において、抽出した内容物
を検査し、各卵の1つ以上の特性(例えば、性別、病原菌の含有量、鳥の健康または品質
に関する遺伝標識、および栄養状態、内分泌物、または免疫に関する指標または因子等)
を確定する。ブロック4000に示す工程において、識別された1つ以上の特性に基づき
、卵を選択的処理する。なお、これらの処理の詳細は後で詳しく説明する。
【0034】
図2に示すように、ブロック1000に示す複数の卵から生存卵を識別する工程は、種
々の手法によって行うことができるが、例えば、従来の透光検卵(ブロック1100)、
スペクトルによる検卵(ブロック1200)、または光検卵と熱検卵の組合せ(ブロック
1300)によって行うとよい。本発明の実施例は卵が生存胚を含むかどうかを検査する
どのような方法をも採用することが可能であり、ここに述べた方法に制限されるものでは
ない。
【0035】
図3に示すように、従来の透光検卵技術は、可視光、赤外線、およびまたは他の電磁線
に対する卵の不透明性を測定する工程(ブロック1110)と、測定した不透明度を用い
て生存卵を識別する工程(ブロック1120)からなる。具体的な透光検卵法および装置
はヘブランクに付与された米国特許第4、955、728号および4、914、672号
、およびバン・アッセルトらに付与された米国特許第4、671、652号に記載されて
いる。これらの特許文献はその全体を引例として本明細書の一部をなすものとする。従来
の透光検卵技術は当業者によっては公知であり、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0036】
図4に示すように、ブロック1200に示すスペクトル検卵は可視光および赤外波長域
の光を卵に照射する工程(ブロック1210)と、卵に隣接して位置する検出器によって
卵内を通過する光を受光する工程(ブロック1220)を含んでいる。例えば、約300n
mから約1、100nmの範囲の波長域の光を卵に照射するとよい。スペクトル検卵工程
はさらに、卵ごとに受光した光の強度、具体的には、選択した可視光および赤外波長にお
ける光の強度を測定する工程(ブロック1230)と、選択した可視光および赤外波長に
おける光の強度を表すスペクトルを生成する工程(ブロック1240)と、生成したスペ
クトルを生存卵に関連する既知のスペクトルと比較し、その卵が生存卵であるかどうかを
識別する工程(ブロック1250)を含んでいる。
【0037】
図5はスペクトル検卵技術によって検査した3つの卵に対する3つのスペクトルを示し
ている。X軸は波長(単位:nm)を示し、Y軸は光強度(カウント数)を示す。曲線2
は無精卵のスペクトルを示している。曲線3は早期死亡卵のスペクトルを示している。曲
線4は生存卵のスペクトルを示している。スペクトル検卵は2000年12月20日に出
願された、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願番号09/742、167に記載さ
れている。この特許文献はその全体を引例として本明細書の一部をなすものとする。
【0038】
図6に示すように、ブロック1300に示す光検卵と熱検卵の組合せは卵の不透明度を
測定する工程(ブロック1310)と、卵の温度を測定する工程(ブロック1320)と
、測定した不透明度と温度を用いてその卵が生存卵であるかどうかを識別する工程(ブロ
ック1330)とを含んでいる。光検卵と熱検卵の組合せは2000年5月2日に出願さ
れた、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願番号09/563、218に記載されて
いる。この特許文献はその全体を引例として本明細書の一部をなすものとする。
【0039】
図7に基づいて、本発明の実施例による内容物を抽出する操作(ブロック2000)を
説明する。ブロック2100に示す工程において、複数の生存卵を略水平に配置すること
によって、各卵の尿膜を移動させ、尿膜嚢を卵殻の上部の下方に貯留させる。ここで用い
る「略水平」という用語は、真上を向く卵の大端の配向をゼロ(0°)としたとき、卵の
長軸が垂直方向から約10°―約180°の角度だけ傾斜している卵の位置を意味する。
ブロック2200に示す工程において、探針(例えば、注射針)を卵殻を通して卵殻の上
部の下方の尿膜嚢内に直接挿入する。図8は非垂直方向(例えば、長軸Aが約10°―約
180°の角度だけ傾斜している方向)に配置した卵の上部の下方の尿膜16の貯留状態
を示している。
【0040】
当業者によく知られているように、孵卵の最終段階において、通常、尿膜は卵の内殻膜
下に比較的薄い層として存在し、その内部に胚子を実質的に包囲している。後期(第3四
半期および第4四半期)の胚子を有する卵において、尿膜はそこへ注射針または探針を挿
入するのが難しい状態にある。本発明の実施例によれば、卵内において尿膜が確実に標的
になるように位置付けられる略水平に卵を配向する。卵を略水平方向に再位置決めするこ
とによって、尿膜への注射針の到達性を向上させることができる。詳細は、ゴアらに付与
された米国特許第6、176、199号およびフェルプスらに付与された米国特許第5、
699、751号に記載されている。これらの特許文献はそれらの全体を引例として本明
細書の一部をなすものとする。
【0041】
当業者にとって容易に理解されるように、尿膜の大きさは注射される卵の胚発育の段階
と関連があり、尿膜に到達する注射針の挿入深さは対象となる卵の種類や変形と共にその
卵の発育状態にも依存する。採取装置(例えば、注射針)は尿膜内に十分に深く挿入され
る必要がある一方、羊膜または胚子を刺し通すほど深く挿入されてはならない。本発明の
実施例によれば、先が丸くなった注射針を用いることによって、羊膜または胚子を刺し通
す可能性を最小限に抑制することができる。
【0042】
卵内への採取装置(例えば、注射針)の挿入の正確な位置および角度は任意に選択可能
であり、卵のどの区域であってもよい。採取装置の配向は、抽出される内容物の種類と共
に卵の配向および内容物の抽出を行う採取装置の種類に依存する。
【0043】
本発明の実施例は尿膜または卵の上面の近傍の組織からの内容物の抽出に制限されるも
のではない。ここに述べる尿膜からの内容物の抽出に関する実施例は本発明の単なる例示
にすぎない。すなわち、本発明の実施例は尿膜液のみの抽出に制限されない。種々の内容
物(例えば、羊膜、卵黄、卵殻、卵白、組織、薄膜、および/または血液など)を卵から
抽出し、それらを検査し、以下に述べるように、1つ以上の特性を識別することができる
。さらに、内容物の抽出の前に必ずしも卵を略水平方向に再位置決めする必要はない。内
容物は実質的にどの配向の卵から抽出してもよい。
【0044】
図7を再び参照し、各卵の尿膜から尿膜液のサンプルを抽出する(ブロック2300)
。サンプルが抽出された卵は、後続の処理における取扱いを容易にするために、略垂直方
向に再位置決めする(ブロック2400)。次いで、それらの卵を後続の処理を行う他の
場所に移動させる(ブロック2500)。
【0045】
図9に基づいて、本発明の実施例による各生存卵から抽出した内容物を検査し、卵の1
つ以上の特性、例えば、性別を識別する操作について説明する(ブロック3000)。卵
から抽出した内容物、例えば、尿膜液をテンプレート内のサンプル容器内に注入する(ブ
ロック3100)。卵の内容物と化学的に反応して検出可能な信号(例えば、電磁気信号
、発光信号、蛍光信号、伝導信号、色信号、pH信号など)を生成するバイオセンサを各
サンプル容器に注入する(ブロック3200)。さらに、卵の内容物とバイオセンサ間の
化学反応に対応して内容物の色を変化させる色基質(ONPG基質)を各容器に添加する
とよい(ブロック3300)。
【0046】
卵の特性の存在を検出する(ブロック3400)。例えば、各サンプル容器内における
尿膜液にエストロゲン化合物が存在していることが色の変化によって確認することができ
、このエストロゲン可能物の存在によって尿膜液が抽出された卵の性別を決定することが
できる。ブロック3400に示す工程はサンプル容器内において卵の特性の存在を示す電
磁気信号を検出する操作を含んでいるとよい。また、本発明の実施例によれば、ブロック
3400に示す工程は卵の内容物に含まれる病原菌を検出する操作を含んでいるとよい。
【0047】
サンプル容器内の卵の内容物に対して1つ以上の付加的な分析を行うとよい(ブロック
3500)。例えば、卵の内容物に対して遺伝子分析を行うとよい。
【0048】
図10Aおよび10Bに基づいて、本発明の実施例による識別された特性に基づいて生
存卵を選択的に処理する工程(ブロック4000)について説明する。各卵に1つ以上の物
質を識別された特性に基づいて卵内注射を行う(ブロック4100)。例えば、卵の性別
に基づいてワクチンを卵に注射するとよい。さらに、雄と識別された卵に第1ワクチンを
注射し、雌と識別された卵に第2ワクチンを注射するとよい。さらに、生存卵を識別され
た特性に基づいて分別するとよい(ブロック4200)。例えば、識別された特性が性別
の場合、雄の卵を雌の卵から分別するとよい。
【0049】
分別は卵内注射または他の処理/操作の前、後、または独立して行うとよい。図10B
に示すように、図10Aに示すブロック4100および4200の工程を逆に行ってもよ
い。例えば、卵を性別によって分別し、次いで、その性別に基づいて1つ以上の物質を注
射してもよい(例えば、雄にはある物質を接種し、雌には異なる物質を接種するおよび/
または異なる回数接種する)。
【0050】
図11は本発明の実施例による卵を処理するための卵処理システム10を示している。
卵処理システム10は入側卵座板5内の複数の卵1から生存卵を識別する分類器12を備
えている。分類器12は制御装置20に操作可能に接続されている。制御装置20は分類
器12を制御し、各卵に関する情報(例えば、卵が生存卵、無精卵、死亡卵、または腐敗
卵かどうかに関する情報)を記憶する。前述したように、分類器12は生存卵(および/
または死亡卵、無精卵、または腐敗卵)を識別するための従来の透光検卵システム、スペ
クトル検卵システム、光・熱組合せ検卵システム、または他の装置/技術からなるとよい
。好ましくは、オペレータが制御装置20と交信するオペレータインターフェイス(例え
ば、ディスプレイ)22を設けるとよい。
【0051】
(採取モジュールとも呼ぶ)内容物抽出ステーション30、卵処理ステーション40、
および卵分別ステーション50が分類器12の下流に設けられ、各々、制御装置20に対
して操作可能に接続されている。検査ステーション60もまた制御装置20に操作可能に
接続されている。内容物抽出ステーション30は選択された卵から内容物、例えば、尿膜
液を抽出するように構成されている。各卵から抽出された内容物を検査ステーション60
において分析し、各卵の1つ以上の特性の識別または診断などを行う。例えば、卵から抽
出した内容物を分析することによって各卵の性別を識別する。あるいは、病原菌の存在を
検出し、および/または抽出した内容物に対して種々の遺伝子分析を行う。
【0052】
処理ステーション40は、例えば、処理用物質(ワクチンや栄養物など)を接種するこ
とによって、選択した卵を処理するように構成されている。処理ステーション40は選択
された卵に注射される処理用物質を保持する少なくとも1つの保存容器42を備えている
とよい。制御装置20は検査ステーション60を介して識別された1つの卵(または卵群
)に対する選択的処理信号を生成する。例えば、制御装置20から処理信号を受け、処理
ステーション40は雌と識別された卵に特定のワクチンを注射するとよい。
【0053】
分別ステーション50は識別された特性に基づいて卵を分別する。制御装置20は検査
ステーション60を介して識別された1つの卵(または卵群)の特性に基づいて1つの卵
(または卵群)に対する選択的な分別信号を生成する。例えば、雄と識別された卵を第1
孵化容器に載置し、雌と識別された卵を第2孵化容器に載置するとよい。
【0054】
検査ステーション60は各卵の1つ以上の特性(例えば、性別)を識別するためにその卵
から抽出した内容物に種々のテストを行う。種々のテストは検査ステーション60を介し
て行うとよい。本発明は卵の性別の識別のみに制限されるものではない。
【0055】
制御装置20は、好ましくは、適切なソフトウエアを備えるプロセッサまたは他のプロ
グラム制御回路または非プログラム制御回路を備えているとよい。制御装置20はまた内
容物抽出ステーション30、卵処理ステーション40、卵分別ステーション50、および
検査ステーション60を制御するのに適した他の装置を備えているとよい。制御装置20
を実行する適当な装置、回路やソフトウエアは、上記の説明、以下の説明、およびヘブラ
ンクらに付与された米国特許第5、745、228号およびヘブランクらに付与された米
国特許第4、955、728号を一読することによって、当業者にとって容易に明らかに
なるであろう。
【0056】
オペレータインターフェイス22はどのようなユーザインターフェイス装置であっても
よいが、好ましくは、タッチ画面および/またはキーボードを備えているとよい。オペレ
ータインターフェイス22は、そのインターフェイス22を介して、ユーザが制御装置2
0から種々の情報を検索し、種々のパラメータを制御装置20に設定し、および/または
制御装置20をプログラム化/再プログラム化できるように構成されているとよい。オペ
レータインターフェイス22はさらに他の周辺装置、例えば、プリンターやコンピュータ
ネットワークへの通信部を備えているとよい。
【0057】
本発明の一変更例によれば、図11に基づいて説明した1つ以上のステーションを個々
のプログラム制御可能な論理制御装置(PLC)によって制御するように構成される。こ
の場合、PCLと記録用の中央コンピュータデータベース制御装置との間でデータを授受
するとよい。例えば、中央データベースは処理される卵の情報、例えば、性別などの識別
された特性を記憶するように構成されるとよい。中央コンピュータデータベース制御装置
は、個々のPLCがデータを要求した場合またはデータを送る場合、それらのPLCに応
答するように構成されている。中央コンピュータデータベース制御装置は、それぞれのス
テーションが個々のPLCによって制御されるので、それらのステーションを直接制御す
る必要がない。
【0058】
図12は本発明の実施例による種々の孵化ステーションを個々のPLCによって制御す
る場合の制御の基本設計概念を概略的に示す説明図である。図示の実施例において、複数
のPLC70a、70b、および70cは、それぞれ、内容物抽出ステーション30、検
査ステーション60、および処理および分別ステーション40および50を制御する。P
LC70a、70bおよび70cは各々ローカルエリア・ネットワーク(LAN)を介し
てサーバ72に接続されている。サーバ72は(局在的、遠隔、またはその組合せの)デ
ータベースと通信し、個々のPLC70a、70b、および70cからの要求に対応して
データベースにデータを記憶させるかまたはデータベースからデータを検索する。サーバ
72は通信ネットワーク、例えば、インターネット90を介して遠隔装置と通信すること
もできる。
【0059】
図示の実施例において、LANはワイヤレスLANであり、PLC70a、70bおよ
び70cはワイヤレスLANワークグループ・ブリッジ71a、71b、および71cを
介してサーバ72と通信する。ただし、他の型式のLAN,例えば、有線LANを用いる
こともできる。例えば、図13Aないし13Dは有線LANを用いる実施例を示している

【0060】
図示の実施例において、PLC70aは複数の卵から内容物を抽出するための前述の内
容物抽出ステーション30を制御するように構成されている。PLC70aはまた、生存
/死亡卵検出サブシステム74(例えば、図11に示す分類器12)、卵から抽出した内
容物を受け取るサンプルトレイの場所を制御するためのX−Yテーブルステッパ制御装置
75、卵座板バーコード読取器77、および検査用サンプルトレイバーコード読取器78
を制御するように構成されている。本発明の実施例によれば、バーコードは孵化器内の卵
を追跡するために用いられる。具体的には、バーコードは卵座板に付され、孵化器内での
処理中何度も読み取られる。他の実施例として、卵座板または卵のいずれかにバーコード
の代わりにRFID(無線標識)や(直接読み取れる)オンザフライ印字識別子を設けて
もよい。
【0061】
PLC70bは各卵の1つ以上の特性を識別するための前述の検査ステーション60を
制御するように構成されている。PLC70bはまた、検査用読取サブシステム80(例
えば、検査用テンプレート内の各サンプル容器を走査して容器内の卵の性別を決定するC
CDカメラシステム)、検査用読取ステッパ制御装置81、基質注入ステッパ制御装置8
2、イースト菌注入ステッパ制御装置83、および検査用バーコード読取器84を制御す
るように構成されている。PLC70bはさらに内容物抽出ステーション30に直接接続
されているかまたは単独型の検査ステーション60を制御するように構成されている。
【0062】
PLC70cは前述の処理ステーション40および分別ステーション50を制御するよ
うに構成されている。PLC70cはさらに処理ステーション40および分別ステーショ
ン50を通過する卵座板を識別する卵座板バーコード読取器5を制御するように構成され
ている。
【0063】
図13Aないし13Dは本発明の実施例による孵化器内における卵処理システム、例え
ば、内容物抽出ステーション(採取モジュール)、検査モジュール、および移送モジュー
ルを個々のPLCによって制御する場合の制御の基本設計概念を詳細に示す説明図である
。この実施例は有線LANを用いて、システムサーバ(図13A)は採取モジュール(図
13B)、検査モジュール(図13C),および移送モジュール(図13D)と通信するよ
うに構成されている。
【0064】
図14ないし図17は本発明の実施例による複数の卵から内容物を抽出する内容物抽出
ステーション30を示している。内容物抽出ステーション30はフレーム100を備えて
いる。フレーム100は、図16に示すように、フレーム100の互いに対向する側面1
00aおよび100bに沿って延在する入側卵座板コンベヤシステム102と出側卵座板
コンベヤシステム104を有している。内容物抽出ステーション30はさらに、複数の卵
から生存卵を識別するように構成された分類器12(図16を参照)と、フレーム100
に移動可能に取り付けられた卵受台テーブル110、卵移送装置130、サンプルトレイ
操作システム150、4組の採取装置160、および採取装置160の採取部を消毒する
消毒システム(図示せず)を備えている。
【0065】
入側卵座板コンベヤシステム102は卵1の入側卵座板5を分類器12を介して卵移送
装置130に移送するように構成されている。後述するように、本発明の実施例によれば
、生存卵は入側卵座板5から取出される。非生存卵は入側卵座板5内に残され、入側卵座
板コンベヤシステム120によって運び出され、破棄されるかまたは他の処理を施される
。本発明の実施例によれば、出側卵座板コンベヤシステム104は、内容物が抽出された
卵の卵座板7を孵卵器に移送するか、および/または後続の処理、および/または分別ス
テーションに移送する。
【0066】
本発明の実施例は生存卵のみを入側卵座板5から除去する上記の構成に制限されるもの
ではない。例えば、全ての卵を入側卵座板5から取り出し、一連の卵受台内に載置しても
よい。生存卵を分別ステーション50(図11を参照)を介して非生存卵から分別しても
よい。例えば、生存卵のみを分別ステーション50を介して孵化バスケットに移送しても
よい。
【0067】
入側卵座板コンベヤシステム102は分類器12における透光検卵を容易にするために
一部を光が通過するベルトおよび/または他のコンベヤシステム部品を用いるとよい。卵
座板コンベヤシステムは当業者にとっては公知であり、詳細な説明は省略する。さらに、
本発明の実施例は図示の入側卵座板コンベヤシステム102および出側卵座板コンベヤシ
ステム104の配置方向、構成、および/または移送方向に制限されない。入側卵座板お
よび出側卵座板を本発明の種々の装置に対して種々の方向に移送してもよいし、種々の構
成および配置方向を有していてもよい。
【0068】
卵は通常卵座板内に保持された状態で運ばれるが、複数の卵を(生存卵を識別する)分
類器12に運搬するどのような手段を用いてもよい。卵を一度に1個ずつ分類器12内に
通過させるか、または多数の卵(すなわち、卵座板内の卵)を同時に分類器12内に通過
させてもよい。
【0069】
本発明の実施例において、実質的にどのような種類の入側および出側卵座板5および7
を用いてもよい。卵座板として、任意の数の列、例えば7列の卵が配列された卵座板を用
いるとよい。6および7列が最も一般的である。さらに隣接する列が互いに平行な卵座板
、例えば、矩形状卵座板、または千鳥状に列が配置された卵座板、例えば、食違い卵座板
などを用いるとよい。市販されている適切な卵座板として、制限するわけではないが、「
チックマスタ54」卵座板、ジェームスウエイ42」卵座板、および「ジェームスウエイ
84」卵座板などが挙げられる。なお、各市販卵座板における数字は運搬される卵の数で
ある。卵座板は当業者にとっては公知であり、詳細な説明は省略する。
【0070】
なお、入側卵座板5の卵配列構成は出側卵座板7の卵配列構成と異なっていてもよい。
卵移送装置130は、後述するように、異なった卵座板の異なった卵配列に調整できるよ
うに構成されている。
【0071】
図示の卵受台テーブル110は、隣接している第1列113a、第2列113b、およ
び第3列113cに配置されている第1、第2、および第3組の受台112を備えている
。図示されている卵受台テーブル110は入側コンベヤシステム102および出側コンベ
ヤシステム104間においてフレーム100に摺動可能に取り付けられ、卵移送装置13
0および図示の4つの採取装置160の各々に対して相対的に矢印A1の方向に沿って移
動可能である。卵受台テーブル110は、詳細は後述するが、1つの受台組(例えば、1
13a、113bまたは113c)が卵移送装置130の下方に位置し、もうひとつの受
台組(113a、113bまたは113c)が採取装置160の1つの下方に位置するよ
うに、移動する。
【0072】
3つの容器列113a、113b、および113c、および4つの採取装置160を図
示しているが、本発明の実施例による卵から内容物を抽出する装置は1つ以上の受台組1
12および1つ以上の採取装置160を有するように構成してもよい。例えば、本発明に
よる卵から内容物を抽出する装置は単一の容器列と単一の採取装置160を有していても
よい。
【0073】
図15は、図示の移送装置130の吊上げヘッド132および移送装置130の互いに
対向する側に配置された図14に示す2つの採取装置160を示している。図示の吊上げ
ヘッド132は拡張・収縮可能な複数列のブロック状真空カップ137を備えている。こ
れらのカップ137は略矩形状のフレーム138によって支持されている。吊上げヘッド
132は受台組112から複数の卵を吊り上げ、それらの卵を出側卵座板7に載置するよ
うに構成されている。
【0074】
図示する卵受台テーブル110はアクチュエータ装置122によって同時に制御される
複数の細長ロッド118を備えている。具体的に、アクチュエータ装置122は細長ロッ
ド118を各受台112内において引込み位置と伸張位置間において矢印A2で示される
方向に沿って移動させ、後述するように、卵の姿勢を水平位置から垂直位置に変換する。
各採取装置160は卵受台112に位置するそれぞれの卵から内容物を抽出する一連の採
取ヘッド162を備えている。各採取ヘッド162は、後述するように、卵受台テーブル
110に対して略垂直方向(矢印A3の方向)に移動可能である。
図17は卵移送装置130の2つの吊上げヘッド132および134を説明するための
図14に示す内容物抽出装置の側面図である。図示するように、吊上げヘッド132およ
び134は入側および出側卵座板コンベヤシステム102および104と卵受台テーブル
110間において(矢印A4で示す)横方向に移動するように構成されている。
【0075】
図18Aないし18Dは内容物抽出ステーション30における卵の処理の工程を示して
いる。図18Aは複数の卵1を含む入側卵座板5を入側卵座板コンベヤシステム102に
装填するし、空の卵座板7を出口側卵座板コンベアシステム104に装填する工程を示し
ている。図18Aはまた内容物抽出装置30の透光検卵区域(すなわち、図16に示す分
類器12の下方)に位置する複数の卵1を含む入側卵座板5を示している。
【0076】
図18Bは入側卵座板コンベヤシステムに沿って透光検卵区域から吊上げ区域に入側卵
座板5を移動させる工程を示している。吊上げ区域において、卵吊上げヘッド134は卵
座板5から複数の卵1を吊上げ、それらの卵1を摺動可能な他卵受台テーブル110上の
一連の受台112内に載置するように構成されている。空の出側卵座板7は一連の受台1
12に隣接して配置されている。
【0077】
図18Cは入側卵座板5から吊上げられた後複数の卵受台112内に着座される複数の
卵1を示している。説明を簡単にするために、卵1は卵受台112内において略垂直配向
された姿勢で描いているが、後述するように、卵1の姿勢はそれらの卵1から内容物を抽
出する前に卵受台112によって略水平配向に変換される。卵受台112はまた卵から内
容物が抽出された後出側卵座板7に移送される前にその姿勢を略垂直配向に再変換するよ
うに構成されている。
【0078】
内容物が抽出された卵1‘は出側卵座板7に移送される。サンプルの採取された卵1’
を含む出側卵座板7は検査ステーション60(図11)からの結果を待ちながら従来の手
順によって孵卵器に載置される。検査結果によって各卵の特性(例えば、性別)が識別さ
れたあと、卵を孵卵器から1つ以上の処理ステーション40(図11)および/または分
別ステーション50(図11)に移動させる。以下に述べる本発明の実施例によれば、検
査ステーション60は内容物抽出ステーションに接続され、卵から抽出された内容物を迅
速に検査するように構成されている。このように、内容物が抽出された卵が載置された卵
座板は処理ステーションおよび/または分別ステーションに移送される前に1つ以上の保
存モジュール内に保持されるとよい。
【0079】
図18Dは卵受台テーブル110を採取装置160(図14)の下方において卵1を含
む一連の卵受台112が位置する場所に向かって矢印A1に方向に沿って移動させる工程
を示している。
【0080】
図19は卵受台テーブル110上の一連の受台112の一部を示している。各受台11
2は、略垂直配向の卵を受け、その卵を略水平配向に移動させる(心出しする)ように構
成されている。
【0081】
図20は図19に図示した一連の受台112における1個の受台112を代表的に示す
拡大透視図である。受台112は卵を受取る容器を画成する傾斜した円弧面114を備え
ている。受台112の円弧面114は傾斜した上部114aと、下部(または床)114
bと、互いに対向する側面部115aおよび115bを備えている。
【0082】
受台112の円弧面114は互いに対向する側面部115aおよび115b間において
略凹面であってもよい。このような構成によって、円弧面114の略中心位置に卵を良好
に保持することができる。円弧面114の上部114aは垂直方向に配位された卵の端部
を受け、その端部を円弧面114の下部114bの方に滑らせるように構成されている。
この構成によって、卵を略傾斜した姿勢を保って円弧面114の下部114bに配置する
ことができる。
【0083】
本発明の実施例は図示の受台112または図示の円弧面114の構成に制限されるもの
ではない。受台112の円弧面114は実質的に滑らかな連続的円弧面であってもよい。
あるいは、円弧面114は略円弧形状を形成するように配置された複数の平坦な隣接面に
よって構成してもよい。なお、受台112の円弧面114は互いに対向する側面部115
aおよび115b間において略平坦であってもよい。
【0084】
略垂直配向の卵を受け、その卵を略水平配向に移動させ、再び、その卵を略垂直配向に
再位置決めして取出すように構成される卵受台は、「卵を垂直配向および水平配向間にお
いて再位置決めする装置と方法」と題する本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願番号
09/835、990に詳細に記載されている。この特許文献はその全体を引例として本
明細書の一部をなすものとする。
【0085】
各受台112はさらに、図示するように、受台112に固着された1対の細長保持アー
ム119を備えている。これらの保持アーム119は円弧面114の側面部115aおよ
び115bに沿って互いに離間されている。各保持アーム119は固定具120によって
受台112に固着された一端119aと、自由端である他端119bを有している。留め
具120として、公知の種々の固定装置、例えば、ネジ締付け具(例えば、ネジ、ボルト
など)および非ネジ締付け具(例えば、リベット、テーパ付き埋込みボルト、テーパなし
埋込みボルトなど)を用いることができる。あるいは、保持アーム119を受台112に
接着剤によって固定してもよいし、または受台112に溶接、ロウ付け、半田付け、また
は他の公知の方法によって固定してもよい。
【0086】
保持アーム119は卵が受台112の円弧面114上で回転するのを防ぎ、または卵が
円弧面114から脱落するのを防ぐ機能を有している。さらに、保持アーム119は後述
するように略水平位置から略垂直位置に再位置決めする途中の卵を安定化させる機能を有
している。図21に示すように、保持アーム119は狭幅の卵を支持するのみならず、外
側に曲がることによって広幅の卵を受けるように構成されている。なお、保持アーム11
9はさらに、卵を受台112の円弧面114上において横方向に心出しをして、卵の長軸
を受台の長軸と一直線上に揃えかつ卵を略水平位置に保持する機能を有している。
【0087】
本発明の実施例は図示の保持アーム119に制限されるものではない。保持アームは他
の構成を有していてもよく、受台112の他の位置に他の構成によって取り付けてもよい
。さらに、本発明の実施例は保持アームを必ずしも用いる必要はない。
【0088】
各受台112を受台テーブル110に固定具、例えば、ネジ締付け具(例えば、ネジ、
ボルトなど)または非ネジ締付け具(例えば、リベット、テーパ付き埋込みボルト、テー
パなし埋込みボルトなど)を介して固定する。あるいは、各受台112を受台テーブル1
10に接着剤によって固定するか、または溶接、ロウ付け、半田、または他の公知の方法
によって固定する。図22は受台112内に形成されたネジ付き通路121を示している
。本発明の実施例において、ネジ付き通路121は受台112を受台テーブル110に固
定するためのネジ付き固定部材(図示せず)とネジ係合するように構成されている。
【0089】
複数の通路116は各受台112内を延在し、図示するように、円弧面114のそれぞ
れの開口117において終端する。方向付け部材として機能する細長ロッド118は各通
路116内において引込み位置と伸張位置間で往復運動するように構成されている。伸張
位置において、各受台112ごとに設けられた複数の細長ロッド118は円弧面114の
下部114b上に水平に配置された(または垂直方向に対して相対的に傾斜された)卵を
垂直方向に付勢し、その状態で卵が卵移送装置130を介して受台112から取出される

【0090】
本発明の実施例は図示された細長ロッド118または各受台112に対する細長ロッド
118の配向に制限されるものではない。方向付け部材は他の構成を有していてもよく、
引込み位置と伸張位置間で往復運動する限り、受台112内において他の配向を有するよ
うに他の方法で配置させてもよい。
【0091】
図15に示すように、複数の細長ロッド118は所定の配列パターンで配置され、アク
チュエータ装置122によって同時に制御される。すなわち、アクチュエータ装置122
は複数の細長ロッド118を同時に引込み位置から伸張位置に移動させ、または同時に伸
張位置から引込み位置に移動させる。配列された細長ロッド118の全てが引込み位置に
あるとき、対応する複数の受台112内の卵は上述したように略水平配向の姿勢を保って
いる。これらの細長ロッド118が伸張位置に移動すると、細長ロッド118は受台11
2内を通って上方に突出し、卵を略垂直配向の姿勢になるように移動させる。卵を引込み
位置と伸張位置間で移動させるアクチュエータ122は空圧、流体圧、または磁気力によ
って操作されるとよい。あるいは、電磁気によって作動可能なアクチュエータを用いても
よい。
【0092】
図23ないし図26は本発明の他の実施例による卵受台212を示している。卵受台2
12は卵の姿勢を垂直位置から水平位置に変更し、その後、再び垂直位置に変更するよう
に構成されている。図示するように、受台212は卵を受ける容器を画成する第1部22
0aおよび第2部220bを有している。第1部220aは傾斜上端222aおよび22
4aを有する1対の互いに離間した部材222および224を有している。傾斜上端22
2aおよび224aは内側傾斜面226および228をそれぞれ有している。第2部22
0bは傾斜上端232aおよび234aを有する1対の互いに離間した部材232および
234を有している。傾斜上端232aおよび234aは内側傾斜面236および238
をそれぞれ有している。
【0093】
第2部220bの傾斜上端232aおよび234aは垂直位置の卵の端部を受け、その
卵を下方に滑らせ、第1部220aおよび第2部220b上において卵を略傾斜した姿勢
に保つように構成されている。第1部220aおよび第2部220bの傾斜上端222a
、224a、232a、および234aの構成によって、卵を受台212内においてほぼ
心出しされた姿勢に保つことができる。
【0094】
第2部220bは方向付け部材として機能し、引込み位置(図23)と伸張位置(図2
4)間において往復運動する。伸張位置において、第2部220bは受台212内におい
て水平方向に位置した(あるいは垂直方向から傾斜した)卵を垂直方向に付勢する。
【0095】
図17に示すように、図14の内容物抽出ステーション30の卵移送装置130は直列
に並んで作動する互いに隣接した第1吊上げヘッド134および第2吊上げヘッド132
を備えている。第1吊上げヘッド134は略垂直に配向した複数の卵1を入側卵座板コン
ベヤシステム102上の入側卵座板5から同時に吊上げ、受台112の第1配列組内に載
置する。典型的には、卵はその大端を略上方に向けて入側卵座板5に配置されている。第
1吊上げヘッド134は入側卵座板5から選択された卵1を吊上げるように制御すること
もできる。例えば、第1吊上げヘッド134は分類器12によって識別された生存卵のみ
を吊上げるように制御することもできる。
【0096】
隣接する第2吊上げヘッド132は複数の卵1を卵受台テーブル110上の複数の受台
112から同時に吊上げ、出側卵座板コンベヤシステム104上の出側卵座板7内に載置
するように構成されている。このとき、受台112からの取り出しを容易にするため、卵
1を略垂直配向に再位置決めする。典型的には、卵はその大端を略上方に向けて出側卵座
板7内に配置される。
【0097】
図示するように、卵受台テーブル110はフレーム100上に摺動可能に取り付けられ
、第1吊上げヘッド134および第2吊上げヘッド132に対して相対的に移動可能であ
り、第1列113a目の受台組112、第2列113b目の受台組112、および第3列
113c目の受台組112を所定時において卵移送装置130の下方に配置する。この状
態において、前述したように、卵を吊上げヘッド132および134によって受台112
に載置し、または卵を受台112から取出すことができる。
【0098】
卵受台テーブル110は摺動可能に移動できるので、吊上げヘッド132および134
の1つから卵を1つの列の受台組112に載置し、他の列の受台組112を対応する採取
装置160の下方に配置して後述するように内容物をそれらの卵から抽出することができ
る。卵受台テーブルの往復運動に沿って移動する多列の卵受台組を用いることによって、
処理のスループットを向上することができる。
【0099】
図27ないし図29に示すように、卵移送装置130の吊上げヘッド132および13
4は、各々、略矩形状フレーム138によって支持された拡張・収縮可能な分岐ブロック
136/真空カップ137の組を備えている。フレーム138は第1方向L1に沿って延
在する互いに対向する側部材139aおよび139b、および実質的に第1方向L1と直
交する第2方向L2に沿って延在する互いに対向する側部材140aおよび140bを備
えている。
【0100】
図示するように、分岐ブロック136/真空カップ137の各組は側部材140aおよ
び140b間において延在する各横断レール142によって支持されている。中央の横断
レール142は側部材140aおよび140b間において固定されている。固定された中
央の横断レール142の両側の横断レール142はフレーム138によって摺動可能に支
持され、第2方向L2に沿って移動できるように構成されている。隣接する横断レール1
42は1つの保持部材143によって連結されている。
【0101】
図示するように、アクチュエータ部材144aおよび144bがレール142に接続さ
れ、分岐ブロック136/真空カップ137の各組を第2方向L2に沿って拡張・収縮す
る。アクチュエータ部材144aおよび144bは各々制御装置(例えば、図12のPL
C70a)と連通しているアクチュエータ装置145によって制御される。アクチュエー
タ装置145は空圧、流体圧、磁気力によって作動されるように構成されるとよい。ある
いは、電磁気によって作動されるアクチュエータ装置を用いてもよい。
【0102】
図27は拡張した状態の分岐ブロック136/真空カップ137の配列を示し、図28
は収縮した状態の分岐ブロック136/真空カップ137の配列を示している。図28に
おいて、図面を明瞭化するために、保持部材143の図示は省略している。吊上げヘッド
132および134の各々における分岐ブロック136/真空カップ137の各組が上記
のように拡張・収縮するので、複数(または一群)の卵を異なった寸法および構成を有す
る卵座板および卵受板組から吊上げ、またはそれらに載置することができる。
【0103】
本発明の実施例によれば、分岐ブロック136/真空カップ137の組を2方向におい
て拡張・収縮させることができる。例えば、一列に並ぶ卵の隣接卵間の間隙が1インチで
、隣接する列間の間隙が1インチの配列構成を有する入側卵座板から、それとは異なった
配列構成を有する卵受台テーブル110内の一連の卵受台112、例えば、一列に並ぶ卵
の隣接卵間の間隙が0.5インチで、隣接する列間の間隙が1.5インチの配列構成を有
する一連の卵受台に、複数の卵を移すことができる。同様に、ある配列構成を有する一連
の卵受台からそれとは異なった配列構成を有する出側卵座板に複数の卵を移すことができ
る。このように配列を2方向において拡張・収縮することができるので、異なった配列の
卵座板および受台組に対応することができる。
【0104】
吊上げヘッド132および134の各々の配列構成は、複数の卵を異なった寸法および
/または配列構成を有する卵座板および受台に移送するように、中央制御装置(PLC)
または専用制御装置(PLC)、例えば、図12のPLC70aのような制御装置を介し
て制御することができる。吊上げヘッド132および134の各々は、清掃を容易に行う
ために、好ましくは、容易に取り外すことができるように構成されるとよい。
【0105】
図30に示すように、各分岐ブロック136は端部136aと内部通路144を備えて
いる。内部通路144は端部136aから延在するノズル149において終端する。各分
岐ブロック136の内部通路144は、当業者にとってよく知られているように、各分岐
ブロック136の頂部の取付け具に接続された真空ラインおよび空気ラインを介して、真
空源(図示せず)と空気源が流体的に連通している。好ましくは、分岐ブロック136/
真空カップ137の各組は卵を選択的に移送するために個別の真空供給源と連通している
とよい。
【0106】
可撓性真空カップ137は各分岐ブロック136のノズル149に固着されている。各
可撓性真空カップ137は、内部通路144を介して真空に引かれたときに卵と係合して
その着座状態を維持し、内部通路144内の真空が開放されたときに卵を離脱する。この
場合、可撓性真空カップ137からの卵の離脱を容易にするために、空気源からの空気を
内部通路144内に供給してもよい。
【0107】
卵移送装置130の吊上げヘッド132および134として、種々の吸引式の吊上げ装
置を用いることができる。さらに、本発明の実施例によれば、卵座板から卵受台組および
卵受台組から卵座板へ卵を移送する手段として、どのような手段を用いてもよい。
【0108】
図14に示す内容物抽出装置30の各採取装置160は所定の配列組161の採取ヘッ
ド162を備えている。各採取ヘッド162は卵から内容物を抽出し、その内容物をサン
プルトレイ150(図40)内の各サンプル容器152に保存する。図14に示す実施例
においては、採取装置160が固定され、受台テーブル110が前述したように採取装置
160に対して移動するように構成されている。従って、卵1を含む1組の受台112が
採取装置160の下方に位置したときに、各採取ヘッド162が各卵1から内容物を抽出
し、その内容物をサンプルトレイ150内の各サンプル容器152内に保存する。
【0109】
図31に示すように、本発明の実施例によれば、各採取ヘッド162は細長のハウジン
グ163を備えている。ハウジング163は互いに対向する第1端163aおよび第2端
163b、およびそれらの間に延在する細長の通路(ガイド)164を有している。細長
の注射針165は細長の通路164内に配置され、引込み位置と第1、第2伸張位置間で
移動可能である。注射針165が引込み位置にあるとき、注射針165の先端166は通
路164内に位置している。一方、注射針165が第1、第2伸張位置にあるとき、注射
針165の先端166はハウジング163の第1端163aから突出する。第1伸張位置
にあるとき、注射針165は卵殻を穿孔し、卵から内容物(例えば、尿膜液)を抽出する
。第2伸張位置にあるとき、後述するように、注射針165は抽出した内容物をサンプル
トレイ内の各サンプル容器内に放出する。
【0110】
注射針165は卵殻を刺し通す先端を有する皮下注射式の針であるとよい。本発明の実
施例によれば、注射針165の先端166は卵殻を容易に穿孔するために傾斜面または丸
面を有しているとよい。本発明の実施例によれば、注射針165の先端166に開口を設
けると、卵殻を穿孔するときにその開口が閉塞する可能性があるので、注射針165の側
部に開口を設けるとよい。本発明の実施例による採取ヘッド162の注射針165は特に
卵から尿膜液を取出すのに好適である。
【0111】
当業者にとってよく知られているように、尿膜液は鳥類の胚子にとって含窒素代謝物と
なる排泄媒体である。尿膜液は孵卵の約5日目に形成が始まり、13日目に最も大きくな
り、孵卵がさらに進行すると、水分損失および液の再吸収によって小さくなる。しかし、
孵卵の18日目になっても、かなりの量の尿膜液が残っている。
【0112】
尿膜液は内外殻膜および漿尿膜によって卵殻から分離されている。尿膜液は卵の上部に
おいて気嚢を覆う膜の直下に貯留され、さらに発育卵の全周を薄く覆っている。卵の上部
に尿膜液が貯留されるのは密度の高い胚子と卵黄嚢の重力による変位による。しかし、卵
を上方に配向させてその卵の上部から尿膜液を正確に採取するのは困難である。その理由
は卵の気嚢の位置が卵ごとに異なるためである。しかし、本発明の実施例によれば、重力
を利用して、尿膜液を局在化させることができる。具体的に、卵の長軸を回転させること
によって、尿膜液を卵の上側において卵殻の直下に貯留させることができる。その結果、
尿膜液を容易に採取できる標的とすることができる。
【0113】
本発明の実施例によれば、卵からの(尿膜液のような)内容物の抽出は種々の手法によ
って行うことができる。例えば、生存卵のみを最初卵受台テーブル110の受台112内
に載置した場合、全ての卵が採取の対象となる。しかし、非生存卵も卵受台テーブル11
0の受台112に載置されている場合、生存卵のみを選択的に採取の対象とすることも可
能である。あるいは、非生存卵を含む全ての卵の殻を穿孔し、内容物の抽出は生存卵から
のみとすることも可能である。一変更例として、各採取ヘッド162を卵の内容物(例え
ば、尿膜液)をその場で分析するように設計されたバイオセンサのような装置によって構
成してもよい。本発明の他の実施例によれば、詳細は後述するが、卵の内容物の抽出およ
びその抽出された内容物の検査は同一の採取装置によって行うこともできる。
【0114】
図31に示す実施例における各採取ヘッド162は位置合わせ部材168を備えている
。位置合わせ部材168は採取ヘッド163の第1端163aに移動可能に固定された本
体部169を備えている。2対の互いに対向する車輪170aおよび170bが本体部1
69の互いに対向する端部171aおよび171bに取り付けられている。
【0115】
図32に示すように、採取ヘッド162が受台112内の卵1に接触すると、卵1は採
取ヘッド162の位置合わせ部材168によって受台112内の適切な位置に保持される
。位置合わせ部材168は卵の位置を調整し、卵を受台112内において心出しする。図
示の実施例において、互いに対向する車輪170aおよび170bは採取ヘッド162の
ハウジング163の第1端163aと共に卵殻と接触する。
【0116】
本発明の実施例は図31に示す採取ヘッド162の構成に制限されるものではない。例
えば、採取ヘッドは対の車輪170aおよび170bを有しない位置合わせ部材を備えて
いてもよい。さらに、本発明の実施例によれば、種々の形状、寸法、および構成を有する
位置合わせ部材を用いることができる。
【0117】
図33ないし図35は採取ヘッドの操作を示している。図33は図14に示す4つの採
取装置160の1つにおける複数の採取ヘッド162を示す側面図である。各卵受台11
2内の卵1から内容物を抽出する前に、その卵の殻に各採取ヘッドを接触させる。この状
態において、各採取ヘッド162内における採取用注射針165は引込み位置にある。ア
クチュエータ180はアクチュエータピストン181を介してアーム182を、矢印A5
で示すように、第1位置から第2位置に移動させる。アーム182は採取ヘッド162の
係止板185に連結されている。係止板185は固定板186および187間に移動可能
に挟み込まれている。後述するように、係止板185は、卵1から内容物を抽出する間、
各採取ヘッド162を垂直方向における卵に対する係止位置に保持するように構成されて
いる。
【0118】
図34に示すように、アーム182が第2位置に移動すると、係止板185は採取ヘッ
ド162の垂直方向の移動を拘束する係止位置まで拡張する。次いで、採取用注射針16
5が第1伸張位置まで拡張し、各卵の殻を穿孔する。この第1伸張位置において、採取用
注射針165は各卵から内容物(例えば、尿膜液)を抽出することができる。
【0119】
図35に示すように、アーム182が第1位置に戻ると、係止板185は採取ヘッド1
62の垂直方向の移動を拘束しない。採取用注射針165は第2伸張位置まで伸張し、こ
の位置において、各卵から採取した内容物をサンプルテンプレート150内のサンプル容
器152内に放出する。第2伸張位置において、サンプルトレイ150内のサンプル容器
152に達することができ、かつ消毒ノズルまたは消毒液を投薬する他の装置に達するこ
とができるように、注射針165を採取ヘッド162および/または位置合わせ部材16
8から十分な距離だけ突き出すことができる。
【0120】
本発明の実施例は、注射針が第1および第2伸張位置に伸張するように構成された前述
の採取ヘッドに制限されるものではない。変更例として、注射針を引込み位置から卵の内
容物を抽出するための1つの伸張位置にのみ移動させるように構成してもよい。この場合
、抽出した内容物をサンプル容器内に放出するために、サンプルトレイを注射針に向かっ
て上方に移動させるとよい。同様に、消毒ノズルまたは他の装置も注射針に向かって移動
可能とする。
【0121】
図36Aないし36Cは採取ヘッド162内における採取用注射針165の移動を示す
詳細図である。図36Aに示すように、各採取ヘッド162は付勢部材(例えば、スプリ
ング)190を備えている。圧縮空気源(または他の流体源)から供給される空気圧(ま
たは他の流体圧)によって、各採取ヘッド165を引込み位置から第1および第2伸張位
置に容易に移動させることができる。採取用注射針165を引込み位置から第1伸張位置
に移動させるために(図36B)、採取ヘッド162の下半部における空気の付勢力より
も十分に大きく、採取ヘッド162の下半部における空気の付勢力と付勢部材190によ
る付勢力の組合せ力よりは小さい値(例えば、28psi)の空気圧(または他の流体圧
)を供給する。次いで、採取用注射針165を引込み位置から第2伸張位置に移動させる
ために(図36C)、採取ヘッド162の下半部における空気の付勢力と付勢部材190
による付勢力の組合せ力よりも十分に大きい値(例えば、75psi)の空気圧(または
他の流体圧)を採取ヘッド162の1つ以上の取付け具(図示せず)を介して供給する。
【0122】
図示の実施例において、付勢部材190は、採取ヘッド162の下半部内の空気圧が減
少したとき、採取用注射針165を第2伸張位置から第1伸張位置に付勢するように構成
されている。採取ヘッド162の下半部内の空気圧を増すことによって採取ヘッド165
を引込み位置に移動させることができる。付勢部材190の形状、構成、および/または
寸法はここに例示した実施例における形状、構成、および/または寸法に制限されるもの
ではない。
【0123】
図示の実施例において、各採取用注射針165を消毒したあと、ノズル192を介して
空気を各採取ヘッド162に供給し、採取ヘッド165の外側部を乾燥させる。
【0124】
図36Dは本発明の実施例による各採取用注射針165を消毒するための消毒噴射装置
200を示している。消毒噴射装置200は各採取用注射針165が嵌入される穴201
を有している。消毒液は液源から供給ライン202を介して噴射装置200に供給される
。噴射装置200は採取用注射針165に消毒液を噴霧する1つ以上のノズル(図示せず
)を有している。本発明の実施例によれば、一連の噴射装置200が設けられ、抽出した
内容物をサンプルトレイ内のサンプル容器に放出したあと、一連の採取ヘッド162にお
ける採取用注射針165を同時に一連の噴射装置200に挿入する。しかし、本発明の実
施例は図示の消毒噴射装置200に制限されるものではない。消毒液を採取用注射針に付
与するための種々の型式の消毒装置を用いることができる。
【0125】
図37、図38A、図38B、および図39Aないし図39Cに基づいて、係止板18
5について説明する。図37は係止板185を説明するための図33の線37−37に沿
った一連の採取ヘッド162の平面図である。係止板185は一連の採取ヘッド162の
配列パターンに対応する複数の開口300を備えている。各採取ヘッド162は該当する
開口300内で摺動可能に配置され、係止板185が非係止位置に配置されていないとき
、垂直方向に自由に移動することができる。
【0126】
1対の弾性アーム302が各開口300内に設けられている。弾性アーム302は係止
板185が係止位置に移動したときに各採取ヘッド162に付勢力を付加するように構成
されている。なお、弾性アーム302はその弾性変形によっていくらか大きい採取ヘッド
でも他の採取ヘッドと同様に扱えるように構成されている。図38Aに示すように、2枚
の係止板185は、係止位置に移動するとき、互いに離間するように移動する。しかし、
本発明の実施例は図示の係止板185またはそれらの移動方向に制限されるものではない

【0127】
図38Bは本発明の他の実施例による係止板185‘を示している。係止板185’は
一連の採取ヘッド162の配列に対応する複数の開口300を備えている。各採取ヘッド
162は該当する開口300内で摺動可能に配置され、係止板185‘が非係止位置に配
置されていないとき、垂直方向に自由に移動することができる。この実施例においても、
2枚の係止板185’は、係止位置に移動するとき、互いに離間するように移動する。
【0128】
1対の弾性アーム302‘、支持ブロック303、および弾性アーム302’に接合さ
れて支持ブロック303に付勢力を付加するスプリング304が各開口300内に設けら
れている。係止板185‘が上下固定板に対して相対的に移動すると、弾性アーム302
’は各採取ヘッドと係合し、スプリング304がブロック303に付勢力を付加して採取
ヘッドの垂直方向の移動を拘束する。図38Aに示した実施例の場合と同様に、弾性アー
ム302‘はその弾性変形によっていくらか大きい採取ヘッドでも他の採取ヘッドと同様
に扱えるように構成されている
【0129】
本発明の実施例は図38Aおよび38Bに示す係止板185に制限されるものではない
。前述した構成と異なる構成を有する係止板を用いることもできる。なお、ポールらに付
与された米国特許第5、136、976号には採取ヘッドの移動を拘束する他の方法が記
載されている。この特許文献はその全体を引例として本明細書の一部をなすものとする。
【0130】
図39Aないし図39Cは係止板185の移動を示している。図39Aは係止板185
が非係止位置にある状態を示している。この状態において、採取ヘッド162は係止板1
85の開口300および上下固定板186および187の開口186aおよび187a内
において垂直方向に移動可能である。図39Bは係止板185が矢印A6で示す係止位置
に向かって移動している状態を示している。この状態において、係止板185は採取ヘッ
ド162を上下固定板186および187に向かって押し付けている。図39Cは採取ヘ
ッド162が係止板185によって上下固定板186および187に食い込んでいる状態
を示している。この状態において、採取ヘッド162の垂直方向の移動が拘束される。
【0131】
図40は複数のサンプル容器152が配列されたサンプルトレイ151の一例を示す図
である。各サンプル容器152は各卵から抽出された内容物、例えば尿膜液をサンプルと
して保管するように構成されている。なお、本発明の実施例において、サンプル容器の配
列パターンおよびサンプルトレイの構成は種々変更することが可能である。例えば、サン
プルトレイは種々の技術によって種々の材料から形成することができる。その他の構成に
ついても、本発明は図示のサンプルトレイ150に制限されるものではない。
【0132】
図41は、卵から抽出された内容物をサンプルトレイの各サンプル容器に注入する状態
を示す、図40のサンプルトレイの部分拡大平面図である。卵から抽出された内容物は種
々の方法によってサンプルトレイ150の各サンプル容器152に注入される。例えば、
図41に示すように、ある卵座板の卵から抽出した内容物を一つの容器グループの第1列
の第1容器152aに注入し、次の卵座板の卵から抽出した内容物を第1列の第2容器1
52bに注入する。このような注入パターンは好ましくは制御装置(例えば、図12に示
すPLC70a)によって制御するとよい。
【0133】
図42Aおよび図42Bは本発明の実施例によるサンプルトレイ操作システム150の
上面図である。サンプルトレイ151は図14に示す採取装置160に対して相対的に(
具体的には、採取装置160の下側に)矢印A7で示すように移動する。図14に示す内
容物抽出装置の各採取装置160は固定されているので、サンプルトレイ操作システム1
50はサンプル容器152を各採取ヘッド162の下方に移動させ、その位置において、
卵から抽出した内容物を対応するサンプル容器に注入させるように構成されている。サン
プルトレイ151のサンプル容器152に卵から抽出された内容物が注入されると、サン
プルトレイ151は(手動または自動的に)取り外される。次いで、取り外されたサンプ
ルトレイ151内の抽出した内容物は乾燥される。また、サンプルトレイ151が取り外
されると、サンプルトレイ操作システム150は後方に移動してオペレータによって装填
された次のサンプルトレイ151を受取る。
【0134】
図示しないが、好ましくは、消毒システムを図14に示す内容物抽出装置30に設ける
とよい。例えば、消毒システムは各採取装置160の採取ヘッド162と関連して操作可
能であるように構成されるとよい。具体的には、消毒システムは採取ヘッド162の内外
、特に細長の注射針165および内部通路164に消毒液を噴出させるように構成される
とよい。一例として、消毒液を採取用注射針165に噴射する図36Dに示す噴射装置2
00を挙げることができる。好ましくは、各卵から抽出した内容物をサンプルトレイ15
0内の各サンプル容器152内に注入した後、消毒液を卵と接触している最初ヘッド16
2の端部に接触させるとよい。好ましくは、消毒液を接触させた後、各採取ヘッド162
、注射針165、および通路164を乾燥する手段を設けるとよい。例えば、各採取ヘッ
ド162、注射針165、および通路164に空気を導入するシステムを設けるとよい。
図36Aないし36Cに示す実施例において、乾燥空気はノズル192を介して導入され
る。
【0135】
本発明の実施例に用いることができる消毒液を導入するための具体的な消毒液システム
が米国特許第5、176、101号および再発行特許35、974に記載されている。こ
れらの特許文献はそれらの全体を引例として本明細書の一部をなすものとする。
【0136】
本発明の実施例は図14に示す内容物抽出装置30および前述の具体的なプロセスに宣
言されるものではない。構成要素(卵移送装置130、卵受台テーブル110、採取装置
160、卵座板コンベヤシステム102、104)の各々は、卵から抽出された内容物を
識別または特定するように作動可能である限り、どのような方法で作動してもよい。
【0137】
検査ステーション
図43ないし図46に基づいて、本発明の実施例による検査ステーション60および検
査ステーション60を用いて卵の特性を決定する方法について説明する。検査ステーショ
ン60は前述したように卵から抽出した内容物を含む複数のサンプルトレイを処理し、卵
の1つ以上の特性を決定するように構成されている。
【0138】
図43および図44に示すように、保持区域410は複数の卵から抽出した内容物を含
む複数のサンプルトレイを受け、それらのサンプルトレイを所定時間保持するように構成
されている。次いで、各サンプルトレイは保持区域410からバイオセンサ(例えば、イ
ースト菌)適応区域420内に移送され、このバイオセンサ適応区域420において、バ
イオセンサが各サンプルトレイ内のサンプル容器に添加される。次いで、各サンプルトレ
イは色適応区域430に移送され、この色適応区域430において、色基質(例えば、O
PNG基質)が各サンプルトレイ内のサンプル容器に添加される。一般的に、バイオセン
サおよび色基質は卵から抽出された(乾燥した)内容物(例えば、尿膜液)に添加され、
化学反応を引き起こし、卵の特性(例えば、性別)に基づいて乾燥した内容物の色の変化
をもたらす。所定時間が経過した後、各サンプルトレイは、移送区域(440)を経て読
取区域450に導かれ、この読取区域450において、各サンプル容器内の内容物の色が
分析され、特性を決定する。例えば、対象となる特性が性別の場合、雌の卵から抽出され
た内容物は雄の卵の内容物が呈する色と容易に識別可能な色を呈する。サンプルトレイを
破棄する前に、好ましくは、浄化区域460においてバイオセンサを破壊するとよい。
【0139】
本発明の実施例によれば、検査ステーション60は特に卵の性別を決定するのに適して
いる。オペレータは卵から抽出された内容物(例えば、尿膜液)を含む複数のサンプルテ
ンプレートを検査ステーション60に装填する。検査モジュール60内において、各サン
プルテンプレートはコンベヤシステムによって注入ヘッドの下方に移動する。注入ヘッド
は所定量(例えば、約75μL)の試薬(例えば、セル型バイオセンサ「LiveSen
sorsTM」、ライフセンサーズ社、マルヴァン、ペンシルバニア州)を各サンプル容器
に注入する。各サンプルテンプレートは環境制御室内を所定時間(例えば、3.5時間)
かけて通過し、コンベヤシステムによって他の注入ヘッドの下方に移動する。この注入ヘ
ッドは所定量の色基質(例えば、ONPG基質)を各サンプル容器に注入する。各サンプ
ルテンプレートは環境制御室内を所定時間(例えば、約45分)かけて通過し、その結果
として、各容器内に着色反応が生じる。
【0140】
セル型バイオセンサ「LiveSensorsTM」は尿膜液内のエストロゲン化合物を
検出するのに用いられる。具体的に、セル型バイオセンサ「LiveSensorsTM
はヒト・エストラゲンレセプター用のイースト菌発現ベクターによって変質させた遺伝学
的改質イースト菌と、E.コリβ―ガラクタシダーゼと結合するエストラゲン感応元素を
有するプロモータを含むリポータ遺伝子からなる。エストラゲンの存在下において、エス
トラゲン・レセプタはエストラゲン感応元素と結合し、リポータ遺伝子の転写を開始する
。尿膜液内のエストラゲンの濃度はリポータ遺伝子の誘発のレベルと相関性がある。リポ
ータ遺伝子生成物であるB−ガラクタシダーゼの活量をONPG−基質を用いて測定し、
色信号(黄色)を生じる。セル型バイオセンサ「LiveSensorsTM」は10-15
モルのレベルのエストラゲンを検出ことができる。セル型バイオセンサ「LiveSen
sorsTM」のイースト菌の種類はパン焼き工業において通常用いられる出芽酵母と同じ
種類である。セル型バイオセンサ「LiveSensorsTM」は約4μL程度の尿膜液
を用いて雄と雌を識別することができる。
【0141】
具体的に、卵から抽出された尿膜液は初期の尿膜液とイーストセンサの培養中にイース
ト菌が分泌する酵素(グルクロニダーゼ)によって分裂する共役エストラジオールを含ん
でいる。遊離エストラジオールの存在によって、イースト菌内のリポータ遺伝子系が速や
かに誘発され、β―ガラクタシダーゼを生成する。β―ガラクタシダーゼは尿膜液とイー
ストセンサの培養の後に添加されるONPG−基質と反応し、色信号を生成する。
【0142】
本発明の他の実施例によれば、β―ガラクタシダーゼの代わりにGFP(緑色蛍光タン
パク質)を分泌するイースト菌を用いてもよい。GFPはそれ自身が蛍光性であり、色基
質を添加する必要がない。
【0143】
各サンプル容器内の内容物の色は種々の方法によって測定可能である。一例として、抽
出された内容物に白色光を照射し、CCD(電荷結合素子)カメラを用いて内容物の色を
検出する方法が挙げられる。具体的には、CCDカメラを各サンプル容器に対して走査し
、性別(例えば、雌)を識別する特定の色信号(例えば、黄色、ピンク色など)以外の全
ての色信号を電子的にろ過して除くことによって、内容物の色を検出する。好ましくは、
各サンプルトレイを移送し、各サンプルトレイ内の抽出内容物を下方から照射するとよい
。CCDカメラは各サンプル容器内の色の画素数を計数し、その画素数が所定の閾値を超
えたかどうかを判断する。もし画素数が閾値を超えた場合、CCDカメラはその場で雌を
示すデジタル信号を出力する。この情報はネットワーク上のデータプロセッサを介して記
憶される。
【0144】
図45は種々の量(例えば、4、10、20μL)の尿膜液をセル型バイオセンサ「L
iveSensorsTM」を用いて検査した結果を示している。CCDカメラによる画素
数を単位として測定された色(例えば、黄色)の強度を各サンプル容器に対して示してい
る。図示するように、雌は雄よりも黄色の色強度が大きい。
【0145】
本発明の実施例によれば、各サンプルテンプレートの廃棄の前に浄化区域460におい
て各容器内の試薬(例えば、セル型バイオセンサ「LiveSensorsTM」)を、例
えば、熱処理および/または化学処理によって破壊する。
【0146】
セル型バイオセンサ「LiveSensorsTM」を用いる本発明の実施例によれば、
卵から抽出された尿膜液のような内容物のサンプルは約20%以上の血液を不純物として
含んでいる。また、孵卵温度は約±5℃の変動があり、孵卵時間も30分以上の変動があ
る。本発明の実施例によれば、卵から抽出されたサンプルを、検査手順を開始する前に、
所定期間(例えば、夜通し)放置するように構成してもよい。
【0147】
他の例として、抽出された内容物に白色光を照射し、カラーフィルタを有する光ダイオ
ードアレイを用いて内容物の色を検出する方法が挙げられる。各光ダイオードは色の強度
に応じた信号を出力する。
【0148】
本発明の実施例はイースト菌を用いる検査技術に制限されるものではない。また、本発
明の実施例は卵の性別の識別に制限されるものではない。卵から抽出された内容物を分析
し、卵の種々の特性(例えば、性別、病源菌の量、鳥の健康または品質に関連する遺伝標
識など)を識別する種々の検査技術を用いることができる。例えば、抗体に基づく体系お
よび方法(例えば、市販されている妊娠テスト体系および方法)を用いて卵の内容物内の
エストロゲンを検出してもよい。さらに、抗体に基づく体系を用いて、病源菌(例えば、
サルモネラ菌やウイルス性リンパ球性腫瘍であるマレック病など)を検出してもよい。他
の例として、PCR(ポリマー鎖反応)を用いて、卵の内容物内のW染色体の存否を検出
してもよい。さらにPCRを用いて、卵の内容物における種々の遺伝形質/遺伝欠陥を検
出してもよい。すなわち、本発明の実施例による検査モジュールを鳥類の卵の病源菌検出
および遺伝子分析を容易に行うことができる検査モジュールとして構成することもできる

【0149】
図46は本発明の実施例による検査ステーション装置60を示している。この検査ステ
ーション装置60は複数のサンプルトレイ151内のサンプル容器内に含まれる卵から抽
出された内容物を検査するように構成されている。図示の装置60はコンベヤシステムを
介して互いに連結された複数のチャンバまたは区域を備えている。ここで、コンベヤシス
テムはサンプルトレイを連続的にそれらの区域内を移送するように構成されている。好ま
しくは、これらの区域は所定の温度および湿度に維持されているとよい。例えば、ファン
416によって装置60から空気を所定の流速で排気し、HEPA(高効率粒子捕捉)ろ
過システムを介してろ過するように構成するとよい。
【0150】
図46に示すように、複数のサンプルトレイ151がカート405から保持区域410
に装填される。保持区域410は複数のサンプルトレイを互いに離間した状態で所定期間
内にバイオセンサ適用区域420に達するように上向きに移送する第1無端コンベヤシス
テム411を備えている。保持区域410の上端において、第1無端コンベヤシステム4
11上の最上端サンプルトレイはバイオセンサ適用区域420内の注入器(図示せず)の
下方に引き込まれる。注入器はバイオセンサ(例えば、イースト菌)をサンプルトレイの
各サンプル容器内に注入するように構成されている。
【0151】
バイオセンサがサンプルトレイのサンプル容器内に注入された後、サンプルトレイは第
2無端コンベヤシステム412によって色基質適用区域430に向かって下向きに運搬さ
れる。第2無端コンベヤシステム412の下端において、最下端サンプルトレイが色基質
適用区域430内の注入器(図示)の下方に引き込まれる。注入器は色基質(例えば、O
NPG基質)をサンプルトレイの各サンプル容器内に注入するように構成されている。
【0152】
色基質がサンプルトレイのサンプル容器内に注入された後、サンプルトレイは第3無端
コンベヤシステム413によって読取区域450に向かって下向きに運搬される。第3無
端コンベヤシステム413の下端において、最下端サンプルトレイは読取区域450内の
1つ以上のCCDカメラ415の下方に引き込まれる。CCDカメラ415は上述したよ
うに各サンプル容器内の抽出内容物の色を読み取るように構成されている。各サンプル容
器内のバイオセンサは注入ヘッド417を介して化学薬品を注入することによって破壊さ
れる。
【0153】
注入処理ステーション
図11に示す実施例の処理ステーション40は卵を任意の適切な方法によって選択的に
処理することができるように構成されているとよい。特に、処理ステーション40は生存
卵の処理物質を注射できるように構成されているとよい。本明細書における「処理物質」
という用語は卵内に注射されて所望の結果をもたらす物質を意味する。処理物質の例とし
て、ワクチン、抗生物質、ビタミン、ウイルス、および免疫調整物質などが挙げられる。
孵化された鳥類の疾患の出現に対処しうるように構成された卵内処理物質としてワクチン
が市販されている。代表的に、処理物質は流体媒体(例えば、流体または懸濁液)、流体
に溶解された固体、あるいは流体に分散または懸濁された粒状物の形態で卵内に注入され
る。
【0154】
本発明の実施例において、イノボジェクト(INOVOJECTR)自動注射システム
(エンブレックス社、リサーチトライアングルパーク、北カルフォルニア州)からなる処
理ステーション40を好適に用いることができる。しかし、ここで述べたように制御装置
に操作可能に接続可能などのような卵内注射装置を本発明の実施例に用いてもよい。好ま
しくは、注射装置は前述したような市販の卵移送装置または卵座板と連携して操作可能で
あるように構成されているとよい。
【0155】
分別前の処理
図47−51は本発明の実施例による処理前の卵1‘の分別および移送を示している。
図47に示すように、分別ステーション500は無端コンベヤシステム502とその無端
コンベヤシステム502と操作可能に連結される1対の移送ヘッド504および506を
備えている。卵座板または他の保持容器に保持された特性(例えば、性別)の識別された
卵がコンベヤシステム502の一端502aに載置され、コンベヤシステム502に沿っ
て矢印A8の方向に移送される。移送ヘッド504は図27ないし図29に基づいて説明
した一連の真空カップ137を備えている。すなわち、図48に示すように、一連の真空
カップ137は複数の卵をコンベヤシステム502から同時に吊上げ、それらの卵を同時
に第1コンベヤベルト508上に載置するように構成されている。移送ヘッド506も複
数の卵をコンベヤシステム502から同時に吊上げ、それらの卵を同時に第2コンベヤベ
ルト510上に載置するように構成されている一連の真空カップ137を備えている(図
48を参照)。
【0156】
移送ヘッド504および506は各々卵の特性(例えば、性別)に基づいて卵をコンベ
ヤシステム502から選択的に吊上げるように構成されるとよい。例えば、移送ヘッド5
04は雄の卵のみを吊上げ、移送ヘッド506は雌の卵のみを吊上げるように構成される
とよい。移送ヘッド504および506およびコンベヤシステム502は好ましくはコン
ピュータ(例えば、図12に示すPLC70c)によって制御可能であるとよい。
【0157】
図48に示すように、移送ヘッド504および506は卵をそれぞれのコンベヤベルト
508および510に載置するように矢印A9の方向に移動する。コンベヤベルト508
および510の運行方向も矢印A9によって示されている。
【0158】
図49に示すように、コンベヤシステム508および510の各々は再位置調整装置5
20と操作可能に連結している。各再位置調整装置520は処理(例えば、注射など)の
ために所定の位置に卵を配向かつ保持するように構成されている。各再位置調整装置52
0は端部が駆動機構(例えば、チェーン)と回転可能に接続している複数の平行ローラ5
24を有する無端コンベヤ522を備えている。ローラ524は矢印A9の方向に移動し
、図51に示すように時計方向に回転する。ローラ524の移動と回転によって、図51
に示すように、卵1‘は、(狭幅端が矢印A9によって示される卵の移動方向と略直交し
て)矢印A9によって示される方向に沿って溝528内を移動し、狭幅端を下側に向けて
受けカップ530内に装填される。受けカップ530は矢印A9によって示される方向に
カップ530を移動する無端コンベヤシステム540に取付けられている。再位置調整装
置520の一例が米国特許第3、592、327号に記載されている。この特許文献はそ
の全体を引例として本明細書の一部となすものである。
【0159】
各受けカップ530は卵1‘をイノボジェクト(INOVOJECTR)自動注射シス
テムのような処理ステーション40に移送する。例えば、図49に示す実施例において、
受けカップ530内の卵1’は処理ステーション40および移送ステーション50内に移
送される。各処理ステーション40は物質を卵1‘内に注射するように構成された一組の
注射送達装置を含んでいる。移送ステーション50は各処理ステーション40の下流側に
配置され、卵1’を各バスケット(図示せず)に移送するように構成されている。
【0160】
本発明の実施例による再位置調整装置は種々の構成を有することができ、例示した実施
例に制限されるものではない。再位置調整装置は異なる数の溝を備えていてもよいし、種
々の寸法および/または構成を有する受けカップを備えていてもよい。さらに、種々の型
式のローラおよびコンベヤシステムを制限なしで用いることができる。
【0161】
処理後分別
図52は本発明の他の実施例による処理ステーション40および分別/移送ステーショ
ン50を示している。サンプルが採取された後の卵1‘の卵座板7が処理ステーション4
0内に運搬されると、制御装置20(図11を参照)が処理ステーション40に特定の特
性を有すると識別された卵1’に注射をするよう指示する注射信号を選択的に生成する。
当業者にとって明らかなように、選択的な注射信号の生成は種々の方法で行なうことがで
きる。例えば、選択された卵に注射を行なうように指示する信号を生成してもよいし、選
択されなかった卵に注射を行なわないように指示する信号を生成してもよい。
【0162】
図示の実施例において、イノボジェクト(INOVOJECTR)自動注射システムの
ような処理ステーション41および42を用いることができる。第1注射ステーション4
1は第1特性を有していると識別された卵1‘に物質を注射するように構成された第1組
の注射送達装置を含んでいる。第2注射ステーション42は第2特性を有していると識別
された卵1‘に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置を含んでいる。例
えば、識別された特性が性別の場合、第1注射ステーション41はワクチンまたは他の物
質を雄の卵に注射し、第2注射ステーション42はワクチンまたは他の物質を雌の卵に注
射するように構成することができる。
【0163】
分別/移送ステーション50は処理ステーション40の下流側に設けられるとよい。制
御装置20は種々の識別された特性(例えば、性別)を有する卵を取除くよう分別/移送
ステーション50を指示する選択的除去信号を生成する。分別/移送ステーション50は
内容物抽出装置30の吊上げヘッド132および134に関して前述した吸引式吊上げ装
置を用いるとよい。当業者にはよく知られている卵を取除くための他のいかなる適切な手
段を用いてもよい。
【0164】
図示の実施例においては、性別によって識別された卵が分別される。具体的には、雄の
卵が卵座板7から各バスケット51に移送され、雌の卵が卵座板7から各バスケット52
に移送される。非生存卵は次の処理または廃棄に備えて卵座板7に残されるとよい。
【0165】
分別/移送ステーション50は好ましくは自動的にかつロボットを用いて操作されると
よい。あるいは、選択された卵はオペレータインターフェイス22上において識別され、
必要に応じてマークが付され、次いで、手動によって取出される。
【0166】
本発明の実施例によれば、生死判別、病原菌の量、および/または遺伝子分析に基づい
て分類することができる。例えば、病源菌を含む卵は正常な卵集団から引き出され、孵化
器には移送されず、従って、疾患媒体の画一的な感染を防ぐことができる。
【0167】
情報収集
本発明の実施例によるシステムは家禽工業界に有益な情報を提供することができる。例
えば、種々の胚子の死亡率を識別および編集した結果を育種鳥群の管理や卵の取扱いおよ
び孵卵条件にフィードバックすることができる。生存卵の数や性別に関する知識を生産物
(鳥)の正確な予想、業務の合理化、および最適な実務業務に利用することができる。病
源菌を識別し、それらのデータを編集することによって、疾患の管理を補助することがで
きる。遺伝標識の識別も畜産業者によっては有益である。卵内の栄養元素を特定すること
によって、食餌療法を最適化することができる。タンパク質または細胞分子を特定するこ
とによって、免疫性を追跡、予測、または最適化することができる。さらに、本発明の実
施例による情報を用いることによって、卵の構成成分を追跡し、鳥の機能を推測し、さら
に生産物(鳥)の発育にこれらの情報を利用することもできる。
【0168】
内容物抽出/検査組合せシステム
本発明の実施例によれば、内容物抽出ステーションにおいて卵の特性を決定する種々の
検査を行うように構成してもよい。図53および54は図14に示す内容物抽出装置30
に取り付けられたモジュール600を示している。以下に述べる競合的抗体検査手順を用
いて内容物を検査する本発明の実施例によるモジュール600はテキサス州、オースチン
在のルミネックス社から市販されている。
【0169】
モジュール600はサンプル容器から少量の卵の抽出内容物のサンプルを取り出し、分
析用読取システムに送給するように構成されている。好ましくは、卵から抽出される内容
物を含む複数のサンプル容器152を有するサンプルトレイ151をサンプルトレイ操作
システム150からモジュール600内に送給するように構成するとよい。
【0170】
モジュール600による競合的抗体検査手順は内部が着色された「ビーズ」と抗体との
結合に基づく。モジュール600は任意の数のサンプルトレイ151を一括処理できるよ
うに構成されている。モジュール600はサンプルトレイ151ごとに液処理器を備えて
いる。液処理器はサンプルトレイ151内のサンプル容器から少量のサンプルを取り出し
、読取システム内に送給するように構成されている。
【0171】
具体的には、卵から抽出された内容物が尿膜液の場合、モジュール600はその尿膜液
をエストラジオール分子と結合するポリスチレン微小球、すなわち、(テキサス州、オー
スチン在のルミネックス社から市販されている)ビーズと混合し、蛍光色素の種類が標示
されたエストラジオール抗体をビーズ/尿膜液混合物に混入し、この混合物を暗室内にお
いて室温で15−30分培養する。その後、混合物の一定量(例えば、50μL−60μ
L)を取り出し、蛍光信号を(テキサス州、オースチン在のルミネックス社から市販され
ている)レーザ分析器によって検出することによって、混合物を分析する。
【0172】
この検査手順は競合的培養に基づいている。すなわち、ビーズに結合したエストラジオ
ールと尿膜液サンプル内のエストラジオール間において、蛍光色素の種類が標示されたエ
ストラジオール抗体の競合的反応が生じる。尿膜液のサンプルが雌の胚子でエストラジオ
ールを含んでいる場合、サンプル内のエストラジオールは蛍光色素が標示された抗体と競
合的に反応し、ビーズとはわずかしか結合しない。その結果、ビーズと結合した抗体の量
に依存する検査信号は雌のサンプルの場合小さくなる(蛍光信号が抑制される)。尿膜液
のサンプルが雄の胚子でエストラジオールを含んでいない場合、サンプル内のエストラジ
オールとの競合は少なく、多くのビーズが抗体と結合する。ビーズに結合する抗体が多く
なると、信号が高くなる。
【0173】
本発明の実施例によれば、結合したビーズと抗体はサンプルトレイのサンプル容器内に
すでに存在している。抽出された尿膜液にそれらのビーズと抗体を添加する工程を省略す
ることによって、商業的な観点から、検査時間を減少できるという利点を得ることができ
る。
【0174】
図54に示すように、モジュール600はテンプレート操作システム602、サンプル
を分析する高スループット読取システム604、制御装置606、および液供給/排出シ
ステム608を備えている。
【0175】
以上、本発明のいくつかの具体的な実施例について説明したが、それらは単なる例示に
すぎず、本発明をなんら制限するものではなく、前述の実施例に基づいて多くの変更例を
本発明の新規の示唆および利点から実質的に逸脱することなく行うことができることは、
当業者にとっては明らかである。従って、それらの変更例はすべて請求の範囲において定
義される本発明の範囲に包含されるものである。すなわち、前述の実施例は本発明の単な
る例示であって、本発明はそれらの実施例に制限されるものではなく、ここに開示した実
施例に基づく変更例および他の実施例は請求の範囲に含まれものであり、本発明は請求の
範囲およびその等価物によって定められると見なされるべきである。
【符号の説明】
【0176】
10 卵処理システム
12 分類器
20 制御装置
22 オペレータインターフェイス
30 内容物抽出ステーション
40 卵処理ステーション
42 保存容器
50 卵分別ステーション
60 検査ステーション
72 サーバ
75 X−Yテーブルステッパ制御装置
77 卵座板バーコード読取器
78 検査用サンプルトレイバーコード読取器
80 検査用読取サブシステム
81 検査用読取ステッパ制御装置
83 イースト菌注入ステッパ制御装置
84 検査用バーコード読取器
90 インターネット
100 フレーム
102 入側卵座板コンベヤシステム
104 出側卵座板コンベヤシステム
110 卵受台テーブル
112 受台
119 保持アーム
122 アクチュエータ装置
136 分岐ブロック
137 カップ
138 フレーム
130 卵移送装置
143 保持部材
144 内部通路
145 アクチュエータ装置
149 ノズル
150 サンプルトレイ操作システム
160 採取装置
162 採取ヘッド
163 ハウジング
165 注射針
168 位置合わせ部材
180 アクチュエータ
181 アクチュエータピストン
182 アーム
186 固定板
187 固定板
190 付勢部材
200 消毒噴射装置
202 供給ライン
300 開口
302 弾性アーム
303 支持ブロック
304 スプリング
410 保持区域
420 適応区域
430 色適応区域
440 移送区域
450 読取区域
460 浄化区域
500 分別ステーション
502 無端コンベヤシステム
504 移送ヘッド
506 移送ヘッド
508 第1コンベヤベルト
520 再位置調整装置
522 無端コンベヤ
524 ローラ
540 無端コンベヤシステム
600 モジュール
602 テンプレート操作システム
604 高スループット読取システム
606 制御装置
608 液供給/排出システム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別される特性を有する卵を処理する方法において、
複数の卵の各々から内容物を抽出する工程と、
各卵から抽出した内容物を検査し、所定の特性を有する卵を識別する工程と、
前記特性を有すると識別された卵を選択的に処理する工程と
を含む方法。
【請求項2】
内容物を抽出する前に前記複数の卵から生存卵を識別する工程と、
生存卵と識別された卵から内容物を抽出する工程と
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生存卵を識別する前記工程は生存卵を透光検卵する工程を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
生存卵を識別する前記工程は
各卵に光源からの光を照射する工程であって、前記光は可視波長域および赤外波長域の波長を有する光であるような工程と、
各卵を通過する光を各卵に隣接して配置された検出器によって受光する工程と、
卵ごとに前記可視波長域および赤外波長域内の選択された波長における前記受光した光の強度を測定する工程と、
卵ごとに前記複数の可視波長および赤外波長における光強度を表すスペクトルを生成する工程と、
卵ごとの前記生成したスペクトルを生存卵に関連するスペクトルと比較し、生存卵を識別する工程と
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各卵に光を照射する前記工程は各卵に約300ナノメートルから約1100ナノメートル(300nm−1100nm)の範囲内の波長を有する光を照射する工程を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
生存卵を識別する前記工程は
前記複数の卵の不透明度を測定する工程と、
前記複数の卵の温度を測定する工程と、
前記不透明度と温度を用いて生存卵を識別する工程と
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項7】
卵から内容物を抽出する前記工程は卵から尿膜液、羊膜、卵黄、殻、卵白、組織、細胞膜、および/または血液を抽出する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
卵から内容物を抽出する前記工程は
各卵を略水平配向に位置決めし、各卵の尿膜を移動させ、各卵の殻の上部の下方に尿膜嚢を貯留して肥大化させる工程と、
探針を卵の殻を通して前記肥大化した尿膜嚢に直接的に挿入する工程と、
卵の尿膜から尿膜液のサンプルを前記探針によって抽出する工程と
を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各卵を略水平配向に位置決めする前記工程は卵の長軸が垂直方向から約10°から180°の範囲内の角度だけ傾斜するように卵を位置決めする工程からなり、垂直方向である0°の角度は垂直方向に沿って配置された卵の上側の位置にある大端によって定められる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
尿膜液を各卵から抽出したあと、前記卵を略水平配向から略垂直配向に再位置決めする工程と、
前記略垂直に配向された卵を他の場所に移動させる工程と
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
各卵から抽出された内容物を検査し、卵の1つ以上の特性を識別する前記工程は前記抽出された尿膜液内のエストラゲン化合物の存在を検出する工程を含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
エストラゲン化合物の存在を検出する前記工程は
卵から抽出された尿膜液を各容器に注入する工程と、
前記容器にバイオセンサを注入する工程であって、前記バイオセンサを尿膜液内のエストラゲン化合物と化学的に反応させ、尿膜液の色を変化させるような工程と、
前記容器内における尿膜液の色の変化を検出する工程と
を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
エストラゲン化合物の存在を検出する前記工程は
各卵から抽出した尿膜液を容器に注入する工程であって、前記容器は尿膜液内のエストラゲン化合物と化学的に反応し、尿膜液の色を変化させるバイオセンサを含んでいるような工程と、
前記容器内の尿膜液の色の変化を検出する工程と
を含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
各卵から抽出された内容物を検査し、卵の1つ以上の特性を識別する前記工程は卵の性別を識別する工程からなり、生存卵を選択的に処理する前記工程は性別の識別された卵にワクチンを選択的に注射する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
雄と識別された卵に第1ワクチンを注射し、雌と識別された卵に第2ワクチンを注射する工程をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
各卵から抽出された内容物を検査し、卵の1つ以上の特性を識別する前記工程は卵の性別を識別する工程からなり、生存卵を処理する前記工程は同一の性別を有していると識別された卵を取除く工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
各卵から抽出された内容物を検査し、卵の1つ以上の特性を識別する前記工程は卵内の1つ以上の病源菌を識別する工程からなり、生存卵を処理する前記工程は1つ以上の病源菌を有していると識別された卵を取除く工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
各卵から抽出された内容物を検査し、卵の1つ以上の特性を識別する工程は卵に遺伝子分析を施す工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
性別に基づいて卵を処理する方法において、
複数の卵から生存卵を識別する工程と、
生存卵として識別された卵から内容物を抽出する工程と、
各卵から識別された内容物を検査し、卵の性別を識別する工程と、
性別に基づいて生存卵にワクチンを選択的に注射する工程と
を含む方法。
【請求項20】
生存卵にワクチンを選択的に注射する前記工程の前に性別によって生存卵を分別する工程をさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
生存卵にワクチンを選択的に注射する前記工程の後に生存卵によって生存卵を分別する工程をさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項22】
生存卵を識別する前記工程は生存卵を透光検卵する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項23】
生存卵を識別する前記工程は
各卵に光源からの光を照射する工程であって、前記光は可視波長域および赤外波長域の波長を有する光であるような工程と、
各卵を通過する光を各卵に隣接して配置された検出器によって受光する工程と、
卵ごとに前記可視波長域および赤外波長域内の選択された波長における前記受光した光の強度を測定する工程と、
卵ごとに前記複数の可視波長および赤外波長における光強度を表すスペクトルを生成する工程と、
卵ごとの前記生成したスペクトルを生存卵に関連するスペクトルと比較し、生存卵を識別する工程と
を含む請求項19に記載の方法。
【請求項24】
各卵に光を照射する前記工程は各卵に約300ナノメートルから約1100ナノメートル(300nm−1100nm)の範囲内の波長を有する光を照射する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項25】
生存卵を識別する前記工程は
前記複数の卵の不透明度を測定する工程と、
前記複数の卵の温度を測定する工程と、
前記不透明度と温度を用いて生存卵を識別する工程と
を含む請求項19に記載の方法。
【請求項26】
卵から内容物を抽出する前記工程は卵から尿膜液、羊膜、卵黄、殻、卵白、組織、細胞膜、および/または血液を抽出する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項27】
各生存卵から抽出された内容物を検査し、生存卵の性別を識別する工程は生存卵から抽出された尿膜液内のエストロゲン化合物の存在を検出する工程を含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
卵から内容物を抽出する前記工程は
各卵を略水平配向に位置決めし、各卵の尿膜を移動させ、各卵の殻の上部の下方に尿膜嚢を貯留して肥大化させる工程と、
探針を卵の殻を通して前記肥大化した尿膜嚢に直接的に挿入する工程と、
卵の尿膜から尿膜液のサンプルを前記探針によって抽出する工程と
を含む請求項26に記載の方法。
【請求項29】
各卵を略水平配向に位置決めする前記工程は卵の長軸が垂直方向から約10°から180°の範囲内の角度だけ傾斜するように卵を位置決めする工程からなり、垂直方向である0°の角度は垂直方向に沿って配置された卵の上側の位置にある大端によって定められる請求項28に記載の方法。
【請求項30】
尿膜液を各卵から抽出したあと、前記卵を略水平配向から略垂直配向に再位置決めする工程と、
前記略垂直に配向された卵を他の場所に移動させる工程と
をさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項31】
エストラゲン化合物の存在を検出する前記工程は
卵から抽出された尿膜液を各容器に注入する工程と、
前記容器にバイオセンサを注入する工程であって、前記バイオセンサを尿膜液内のエストラゲン化合物と化学的に反応させ、尿膜液の色を変化させるような工程と、
前記容器内における尿膜液の色の変化を検出する工程と
を含む請求項27に記載の方法。
【請求項32】
エストラゲン化合物の存在を検出する前記工程は
各卵から抽出した尿膜液を容器に注入する工程であって、前記容器は尿膜液内のエストラゲン化合物と化学的に反応し、尿膜液の色を変化させるバイオセンサを含んでいるような工程と、
前記容器内の尿膜液の色の変化を検出する工程と
を含む請求項27に記載の方法。
【請求項33】
エストラゲン化合物の存在を検出する前記工程は
各卵から抽出した尿膜液を容器に注入する工程であって、前記容器は尿膜液内のエストラゲン化合物と化学的に反応し、検出可能な信号を生成するバイオセンサを含んでいるような工程と、
1つ以上の前記容器内に生成した信号を検出する工程と
を含む請求項27に記載の方法。
【請求項34】
性別によって卵を処理する方法において、
複数の卵から生存卵を識別する工程と、
生存卵と識別された卵から尿膜液を抽出する工程と、
生存卵から抽出された尿膜液内のエストラゲン化合物の存在を検出し、各生存卵の性別を識別する工程と、
性別の識別された生存卵にワクチンを選択的に注射する工程と
からなり、
尿膜液を抽出する前記工程は、各卵を略水平配向に位置決めし、各卵の尿膜を移動させ、各卵の殻の上部の下方に尿膜嚢を貯留して肥大化させる工程と、探針を卵の殻を通して前記肥大化した尿膜嚢に直接的に挿入する工程と、卵の尿膜から尿膜液のサンプルを前記探針によって抽出する工程とからなり、
エストラゲン化合物の存在を検出する前記工程は、生存卵から抽出された尿膜液を各容器内に注入する工程と、前記容器にバイオセンサを注入する工程であって、前記バイオセンサを尿膜液内のエストラゲン化合物と化学的に反応させ、尿膜液の色を変化させるような工程と、前記容器内における尿膜液の色の変化を検出する工程とからなる
方法。
【請求項35】
性別によって生存卵を分別する工程をさらに含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
生存卵を識別する前記工程は生存卵を透光検卵する工程を含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
性別の識別された生存卵にワクチンを選択的に注射する工程は雄と識別された生存卵に第1ワクチンを注射し、雌と識別された生存卵に第2ワクチンを注射する工程を含む請求項34に記載の方法。
【請求項38】
性別の識別された生存卵にワクチンを選択的に注射する工程は同一の性別を有していると識別された生存卵内にワクチンを注射する工程を含む請求項34に記載の方法。
【請求項39】
複数の卵から内容物を抽出する装置において、
所定の配列パターンに配置された複数の受台を備えるテーブルと、
前記テーブルと操作可能に連結する卵移送装置と、
前記テーブルと操作可能に連結する複数の採取ヘッドと
からなり、
前記テーブルにおける各受台は略垂直配向の卵を受取り、前記卵を略水平配向の位置に移動するように構成され、
前記卵移送装置は複数の垂直方向に配向した卵を同時に1つの卵座板から吊上げて各受台に載置し、前記卵移送装置は前記複数の卵を前記複数の受台から同時に吊上げて取出すように構成され、
前記複数の採取ヘッドの各々は各受台内の卵から内容物を抽出し、その抽出した内容物をサンプルテンプレート内の各サンプル容器に保存するように構成されている
装置。
【請求項40】
複数の方向付け部材をさらに備え、各方向付け部材は各受台と操作可能に連結し、各方向付け部材は各受台内の卵を略水平配向から略垂直配向に付勢するように構成されている請求項39に記載の装置。
【請求項41】
複数の卵から生存卵を識別する分類器をさらに備える請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記分類器は透光検卵装置を含む請求項41に記載の装置。
【請求項43】
各採取ヘッドが卵から抽出した内容物を各サンプル容器に保存したあと、前記採取ヘッドに消毒液を付与するように構成された消毒器をさらに備える請求項39に記載の装置。
【請求項44】
サンプル容器内に保存された内容物とその内容物が抽出された卵との関連データを生成し、かつ記憶するプロセッサをさらに備える請求項39に記載の装置。
【請求項45】
前記卵移送装置は前記分類器と操作可能に連結し、卵座板から生存卵と識別された卵のみを同時に吊上げるように構成されている請求項41に記載の装置。
【請求項46】
前記採取ヘッドは前記分類器と操作可能に連結し、生存卵と識別された卵からのみ内容物を抽出するように構成されている請求項41に記載の装置。
【請求項47】
前記卵移送装置は
フレームと、
前記フレームによって移動可能に支持された所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在する前記ノズルにおいて終端する前記内部通路からなり、前記分岐ブロックは拡張/収縮可能であり、異なった寸法および/または異なった配列構成を有するどのような卵座板に対しても卵を吊上げ/載置することが可能であり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項39に記載の装置。
【請求項48】
前記採取ヘッドの各々は
互いに対向する第1端および第2端と前記第1端および第2端間に延長する細長の通路とを有する細長のハウジングと、
前記細長の通路内に配置され、引込み位置と第1および第2伸張位置間において移動可能な細長の注射針と
からなり、
前記注射針は先端を備え、前記先端は、前記引込み位置においては前記通路内に含まれ、前記第1伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から第1距離だけ突出し、前記第2伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ突出し、
前記注射針は前記第1伸張位置においては卵から内容物を抽出し、前記第2伸張位置においては卵から抽出した内容物をサンプル容器に注入するように構成されている
請求項39に記載の装置。
【請求項49】
前記採取ヘッドに取り付けられる位置合せ部材をさらに備え、前記位置合せ部材は各受台内において卵の位置を調整するように構成されている請求項39に記載の装置。
【請求項50】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置に移送する卵座板移送システムと、
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置から移送する卵座板移送システムと
をさらに備える請求項39に記載の装置。
【請求項51】
前記テーブルに隣接して配置され、前記複数の採取ヘッドと操作可能に連結するサンプルテンプレート移送システムをさらに備え、前記サンプルテンプレートはサンプルテンプレートを前記複数の採取ヘッドに移送し、かつ前記複数の採取ヘッドから移送するように構成されている請求項39に記載の装置。
【請求項52】
前記テーブルと操作可能に連結し、前記一連の受台を前記複数の採取ヘッドに対して相対的に移動させる卵座板移送システムをさらに備えている請求項39に記載の装置。
【請求項53】
複数の採取ヘッドと操作可能に連結する係止板をさらに備え、前記係止板は前記注射針が前記ハウジングの前記第1端から前記第1伸張位置に突出したときに前記細長ハウジングの移動を解除可能に拘束するように構成されている請求項48に記載の装置。
【請求項54】
複数の卵から内容物を抽出する装置において、
所定の配列パターンに配置された複数の受台を備えるテーブルであって、前記複数の受台の各々は略垂直配向の卵を受け、前記卵を略水平配向の位置に移動するように構成されるようなテーブルと、
前記テーブルと操作可能に連結する卵移送装置と、
前記テーブルと操作可能に連結する複数の採取ヘッドであって、各々が前記受台内の各卵から内容物を抽出し、抽出した内容物をサンプルテンプレート内の各サンプル容器に保存するような採取ヘッドと
からなり、
前記卵移送装置は、フレームと、前記フレームによって移動可能に支持された所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップとからなり、前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在する前記ノズルにおいて終端する前記内部通路からなり、前記分岐ブロックは拡張/収縮可能であり、異なった寸法および/または異なった配列構成を有するどのような卵座板に対しても卵を吊上げ/載置することが可能であり、前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成され、かつ前記卵移送装置は各卵座板から複数の略垂直方向に配置された卵を同時に吊上げ、前記複数の卵を同時に各受台に載置し、前記複数の受台から前記複数の卵を同時に吊上げて取出すように構成され、
前記採取ヘッドの各々は互いに対向する第1端および第2端と前記第1端および第2端間に延長する細長の通路とを有する細長のハウジングと、前記細長の通路内に配置され、引込み位置と第1および第2伸張位置間において移動可能な細長の注射針とからなり、前記注射針は先端を備え、前記先端は、前記引込み位置においては前記通路内に含まれ、前記第1伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から第1距離だけ突出し、前記第2伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ突出し、前記注射針は前記第1伸張位置においては卵から内容物を抽出し、前記第2伸張位置においては卵から抽出した内容物をサンプル容器に注入するように構成されている
装置。
【請求項55】
複数の方向付け部材をさらに備え、各方向付け部材は各受台と操作可能に連結し、各方向付け部材は各受台内の卵を略水平配向から略垂直配向に付勢するように構成されている請求項54に記載の装置。
【請求項56】
複数の卵から生存卵を識別する分類器をさらに備える請求項54に記載の装置。
【請求項57】
前記分類器は透光検卵装置を含む請求項56に記載の装置。
【請求項58】
各採取ヘッドが卵から抽出した内容物を各サンプル容器に保存したあと、前記採取ヘッドに消毒液を付与するように構成された消毒器をさらに備える請求項54に記載の装置。
【請求項59】
サンプル容器内に保存された内容物とその内容物が抽出された卵との関連データを生成し、かつ記憶するプロセッサをさらに備える請求項54に記載の装置。
【請求項60】
前記卵移送装置は前記分類器と操作可能に連結し、卵座板から生存卵と識別された卵のみを同時に吊上げるように構成されている請求項56に記載の装置。
【請求項61】
前記採取ヘッドは前記分類器と操作可能に連結し、生存卵と識別された卵からのみ内容物を抽出するように構成されている請求項56に記載の装置。
【請求項62】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置に移送する卵座板移送システムをさらに備えている請求項54に記載の装置。
【請求項63】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置から移送する卵座板移送システムをさらに備えている請求項54に記載の装置。
【請求項64】
前記テーブルに隣接して配置され、前記複数の採取ヘッドと操作可能に連結するサンプルテンプレート移送システムをさらに備え、前記サンプルテンプレートはサンプルテンプレートを前記複数の採取ヘッドに移送し、かつ前記複数の採取ヘッドから移送するように構成されている請求項54に記載の装置。
【請求項65】
前記テーブルと操作可能に連結し、前記一連の受台を前記複数の採取ヘッドに対して相対的に移動させる卵座板移送システムをさらに備えている請求項54に記載の装置。
【請求項66】
複数の採取ヘッドと操作可能に連結する係止板をさらに備え、前記係止板は前記注射針が前記ハウジングの前記第1端から前記第1伸張位置に突出したときに前記細長ハウジングの移動を解除可能に拘束するように構成されている請求項54に記載の装置。
【請求項67】
前記複数の採取ヘッドは第1組の採取ヘッドおよび第2組の採取ヘッドからなり、前記第1組の採取ヘッドは複数の受台内の卵から内容物を抽出するように構成され、前記第2組の採取ヘッドは抽出した内容物をサンプル容器に注入するように構成されている請求項54に記載の装置。
【請求項68】
卵から内容物を抽出する装置において、
互いに対向する第1端および第2端および前記第1端および第2端間に延長する細長の通路を有する細長のハウジングであって、前記第1端は卵の殻の一部と接触するように構成されているハウジングと、
前記細長の通路内に配置され、引込み位置と第1および第2伸張位置間において移動可能な細長の注射針と
からなり、
前記注射針は流体通路と先端を有し、前記先端は、前記引込み位置においては前記通路内に含まれ、前記第1伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から第1距離だけ突出し、前記第2伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ突出し、
前記細長の注射針は、前記細長のハウジングの前記第1端が卵の殻と接触して前記細長の注射針が前記第1伸張位置に突出したとき、前記卵の殻を穿孔し、前記第1伸張位置において前記卵から内容物を前記流体通路に抽出し、前記第2伸張位置において前記流体通路内における抽出した内容物をサンプル容器に注入するように構成されている
装置。
【請求項69】
前記細長のハウジング内に配置された付勢部材をさらに備え、前記付勢部材は前記細長の注射針に力を付加し、前記細長の注射針を前記第2伸張位置から前記第1伸張位置に付勢する請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記引込み位置と前記第1および第2伸張位置間において前記細長の注射針を移動させるアクチュエータをさらに備え、前記アクチュエータは第1アクチュエータ力および第2アクチュエータ力を前記細長の注射針に付加し、前記第1アクチュエータ力は前記細長の注射針を前記第1伸張位置に移動させるのに十分な大きさを有し、前記第2アクチュエータ力は前記細長の注射針を前記第2伸張位置に移動させるのに十分な大きさを有する請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記アクチュエータは圧縮空気システムと流体的に連通している空気アクチュエータである請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記細長の注射針の先端は丸められている請求項68に記載の装置。
【請求項73】
前記細長の注射針の先端は斜面を有している請求項68に記載の装置。
【請求項74】
複数の卵から抽出した内容物を検査し、所定の特性を有する卵を識別し、各卵から抽出された内容物をテンプレートの各サンプル容器内に保存する装置において、
テンプレートの各容器に試薬を注入する試薬注入器であって、前記試薬は各容器内の卵の内容物と化学的に反応し、卵の特性の徴候を生成するような試薬注入器と、
各容器内の卵の特性の徴候を検出する検出器と
を含む装置。
【請求項75】
前記検出器はCCDカメラを含む請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記試薬を破壊するように構成された装置をさらに備えている請求項76に記載の装置。
【請求項77】
前記消毒装置は前記容器の各々に消毒剤を注入して前記試薬を破壊するように構成された消毒剤注入器を含む請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記消毒装置は熱生成装置を含む請求項76に記載の装置。
【請求項79】
前記消毒装置は放射線生成装置を含む請求項76に記載の装置。
【請求項80】
前記試薬注入器はバイオセンサ注入器を含む請求項74に記載の装置。
【請求項81】
複数の卵から抽出した内容物を検査し、特性を有する卵を識別し、各卵から抽出した内容物をテンプレートの各サンプル容器内に保存する装置において、
温度および/または湿度を1つまたは複数の所定範囲内に保持する環境制御チャンバと、
複数のサンプル容器テンプレートを前記チャンバ内に運搬するコンベヤシステムと、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬されるテンプレートの各容器内にバイオセンサを注入するように構成されたバイオセンサ注入器と、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬されるテンプレートの各容器に色基質を注入するように構成され、上記バイオセンサと色基質とは、卵の内容物と化学的に反応し、卵の特性の徴候を生成するようにした色基質注入器と、
前記コンベヤシステムと操作可能に連結し、前記コンベヤシステムを介して運搬されるテンプレート内の各サンプル容器を走査し、特性の存在の徴候を検出する検出器と
を含む装置。
【請求項82】
前記検出器はテンプレートの各サンプル容器内の内容物の色の変化を検出するように構成されている請求項81に記載の装置。
【請求項83】
前記バイオセンサを破壊するように構成された消毒装置をさらに備える請求項81に記載の装置。
【請求項84】
前記消毒装置は各容器内に消毒剤を注入して前記バイオセンサを破壊するように構成された消毒剤注入器を含む請求項83に記載の装置。
【請求項85】
前記消毒装置は熱生成装置を含む請求項83に記載の装置。
【請求項86】
前記消毒装置は放射線生成装置を含む請求項83に記載の装置。
【請求項87】
前記バイオセンサ注入器はイースト菌注入器を含む請求項81に記載の装置。
【請求項88】
複数の卵から抽出した内容物を検査し、性別を有する卵を識別し、各卵から抽出した内容物をテンプレートの各サンプル容器内に保存する装置において、
温度および/または湿度を1つまたは複数の所定範囲内に保持する環境制御チャンバと、
複数のサンプル容器テンプレートを前記チャンバ内に運搬するコンベヤシステムと、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬されるテンプレートの各容器内にイースト菌を注入するように構成されたバイオセンサ注入器と、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬されるテンプレートの各容器に色基質を注入するように構成された色基質注入器であって、前記イーストと色基質は各容器内において卵の内容物と化学的に反応して各卵の性別を示す色を生成するように構成されているような色基注入器と、
前記コンベヤシステムと操作可能に連結し、前記コンベヤシステムを介して運搬されるテンプレート内の各サンプル容器を走査し、特性の存在の徴候を検出するCCDカメラと を含む装置。
【請求項89】
前記イースト菌を破壊するように構成された消毒装置をさらに備える請求項88に記載の装置。
【請求項90】
前記消毒装置は消毒剤を各容器に注入し、前記イースト菌を破壊するように構成された消毒剤注入器を含む請求項89に記載の装置。
【請求項91】
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内の複数の卵の内所定の特性を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された複数の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される各卵保持器から所定の特性を有すると識別された卵を取除くように構成された卵除去装置と
を含む装置。
【請求項92】
前記卵除去装置は
所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在するノズルにおいて終端する内部通路からなり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項91に記載の装置。
【請求項93】
前記特性が性別であり、各卵除去装置は同一の性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成されている請求項91に記載の装置。
【請求項94】
前記特性が性別であり、各卵除去装置は同一の性別を有すると識別された卵を卵保持器から取除くように構成されている請求項91に記載の装置。
【請求項95】
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内において第1性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、かつ前記第1組の注射送達装置と隣接して配置され、 前記コンベヤによって運搬される卵保持器において第2性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された第2組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記卵保持器から第1性別を有すると識別された卵を第1容器内に取除き、前記卵保持器から第2性別を有すると識別された卵を第2卵容器内に取除くように構成された卵除去装置と
を含む装置。
【請求項96】
前記卵除去装置は
所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在するノズルにおいて終端する内部通路からなり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項95に記載の装置。
【請求項97】
卵を選択的に処理する装置において、
複数の卵を含む卵保持器を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、雌の卵から雄の卵を分離するように構成された卵除去装置と、
雄の卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、雌の卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と
を含む装置。
【請求項98】
前記卵除去装置は
所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在するノズルにおいて終端する内部通路からなり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項97に記載の装置。
【請求項99】
卵を処理するシステムにおいて、
複数の卵から内容物を抽出する装置と、
前記卵から抽出した内容物を検査し、所定の特性を有する卵を識別する装置と、
所定の特性を有すると識別された卵を選択的に処理する装置と
を含むシステム。
【請求項100】
複数の卵から内容物を抽出する前記装置は
所定の配列パターンに配置された複数の受台を備えるテーブルと、
前記テーブルと操作可能に連結する卵移送装置と、
前記テーブルと操作可能に連結する複数の採取ヘッドと
からなり、
前記テーブルにおける各受台は略垂直配向の卵を受取り、前記卵を略水平配向の位置に移動するように構成され、
前記卵移送装置は複数の垂直方向に配向した卵を同時に1つの卵座板から吊上げて各受台に載置し、前記卵移送装置は前記複数の卵を前記複数の受台から同時に吊上げて取出すように構成され、
前記複数の採取ヘッドの各々は各受台内の卵から内容物を抽出し、その抽出した内容物をサンプルテンプレート内の各サンプル容器に保存するように構成されている
請求項99に記載のシステム。
【請求項101】
複数の方向付け部材をさらに備え、各方向付け部材は各受台と操作可能に連結し、各方向付け部材は各受台内の卵を略水平配向から略垂直配向に付勢するように構成されている請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
複数の卵から生存卵を識別する分類器をさらに備える請求項100に記載のシステム。
【請求項103】
前記分類器は透光検卵装置を含む請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
各採取ヘッドが卵から抽出した内容物を各サンプル容器に保存したあと、前記採取ヘッドに消毒液を付与するように構成された消毒器をさらに備える請求項100に記載のシステム。
【請求項105】
サンプル容器内に保存された内容物とその内容物が抽出された卵との関連データを生成し、かつ記憶するプロセッサをさらに備える請求項100に記載のシステム。
【請求項106】
前記卵移送装置は前記分類器と操作可能に連結し、卵座板から生存卵と識別された卵のみを同時に吊上げるように構成されている請求項102に記載のシステム。
【請求項107】
前記採取ヘッドは前記分類器と操作可能に連結し、生存卵と識別された卵からのみ内容物を抽出するように構成されている請求項102に記載のシステム。
【請求項108】
前記卵移送装置は
フレームと、
前記フレームによって移動可能に支持された所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在する前記ノズルにおいて終端する前記内部通路からなり、前記分岐ブロックは拡張/収縮可能であり、異なった寸法および/または異なった配列構成を有するどのような卵座板に対しても卵を吊上げ/載置することが可能であり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項100に記載のシステム。
【請求項109】
前記採取ヘッドの各々は
互いに対向する第1端および第2端と前記第1端および第2端間に延長する細長の通路とを有する細長のハウジングと、
前記細長の通路内に配置され、引込み位置と第1および第2伸張位置間において移動可能な細長の注射針と
からなり、
前記注射針は先端を備え、前記先端は、前記引込み位置においては前記通路内に含まれ、前記第1伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から第1距離だけ突出し、前記第2伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ突出し、
前記注射針は前記第1伸張位置においては卵から内容物を抽出し、前記第2伸張位置においては卵から抽出した内容物をサンプル容器に注入するように構成されている
請求項100に記載のシステム。
【請求項110】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置に移送する卵座板移送システムをさらに備える請求項100に記載のシステム。
【請求項111】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置から移送する卵座板移送システムをさらに備える請求項100に記載のシステム。
【請求項112】
前記テーブルに隣接して配置され、前記複数の採取ヘッドと操作可能に連結するサンプルテンプレート移送システムをさらに備え、前記サンプルテンプレートはサンプルテンプレートを前記複数の採取ヘッドに移送し、かつ前記複数の採取ヘッドから移送するように構成されている請求項100に記載のシステム。
【請求項113】
前記テーブルと操作可能に連結し、前記一連の受台を前記複数の採取ヘッドに対して相対的に移動させる卵座板移送システムをさらに備えている請求項100に記載のシステム。
【請求項114】
複数の採取ヘッドと操作可能に連結する係止板をさらに備え、前記係止板は前記注射針が前記ハウジングの前記第1端から前記第1伸張位置に突出したときに前記細長ハウジングの移動を解除可能に拘束するように構成されている請求項109に記載のシステム。
【請求項115】
卵から抽出した内容物を検査する装置は
テンプレートの各容器に試薬を注入する試薬注入器であって、前記試薬は各容器内の卵の内容物と化学的に反応し、卵の特性の徴候を生成するような試薬注入器と、
各容器内の卵の特性の徴候を検出する検出器と
を含む請求項99に記載のシステム。
【請求項116】
前記検出器はCCDカメラを含む請求項115に記載のシステム。
【請求項117】
前記試薬を破壊するように構成された装置をさらに備えている請求項115に記載のシステム。
【請求項118】
前記消毒装置は前記容器の各々に消毒剤を注入して前記試薬を破壊するように構成された消毒剤注入器を含む請求項117に記載のシステム。
【請求項119】
前記消毒装置は熱生成装置を含む請求項117に記載のシステム。
【請求項120】
前記消毒装置は放射線生成装置を含む請求項117に記載のシステム。
【請求項121】
前記試薬注入器はバイオセンサ注入器を含む請求項115に記載のシステム。
【請求項122】
卵を選択的に処理する前記装置は
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内の複数の卵の内所定の特性を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された複数の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される各卵保持器から所定の特性を有すると識別された卵を取除くように構成された卵除去装置と
を含む請求項99に記載のシステム。
【請求項123】
前記卵除去装置は
所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在するノズルにおいて終端する内部通路からなり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項122に記載のシステム。
【請求項124】
前記特性が性別であり、各卵除去装置は同一の性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成されている請求項122に記載のシステム。
【請求項125】
前記特性が性別であり、各卵除去装置は同一の性別を有すると識別された卵を卵保持器から取除くように構成されている請求項122に記載のシステム。
【請求項126】
卵を選択的に処理する前記装置は
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内において第1性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、かつ前記第1組の注射送達装置と隣接して配置され、 前記コンベヤによって運搬される卵保持器において第2性別を有すると識別された卵に物 質を注射するように構成された第2組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記卵保持器から第1性別を有すると識別された卵を第1容器内に取除き、前記卵保持器から第2性別を有すると識別された卵を第2卵容器内に取除くように構成された卵除去装置と
を含む請求項99に記載のシステム。
【請求項127】
前記卵除去装置は
所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在するノズルにおいて終端する内部通路からなり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項126に記載のシステム。
【請求項128】
卵を選択的に処理する装置は、
複数の卵を含む卵保持器を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、雌の卵から雄の卵を分離するように構成された卵除去装置と、
雄の卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、雌の卵に物質を注射するように構成された第2組の注射送達装置と
を含む請求項99に記載の装置。
【請求項129】
前記卵除去装置は
所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在するノズルにおいて終端する内部通路からなり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項128に記載のシステム。
【請求項130】
卵を処理するシステムにおいて、
複数の卵から尿膜液を抽出する装置と、
前記卵から抽出した尿膜液を検査し、前記卵の性別を識別する装置と、
識別した性別に基づいて前記卵を選択的に処理する装置と
を含むシステム。
【請求項131】
複数の卵から尿膜液を抽出する前記装置は
所定の配列パターンに配置された複数の受台を備えるテーブルと、
前記テーブルと操作可能に連結する卵移送装置と、
前記テーブルと操作可能に連結する複数の採取ヘッドと
からなり、
前記テーブルにおける各受台は略垂直配向の卵を受取り、前記卵を略水平配向の位置に移動するように構成され、
前記卵移送装置は複数の垂直方向に配向した卵を同時に1つの卵座板から吊上げて各受台に載置し、前記卵移送装置は前記複数の卵を前記複数の受台から同時に吊上げて取出すように構成され、
前記複数の採取ヘッドの各々は各受台内の卵から尿膜液を抽出し、その抽出した尿膜液をサンプルテンプレート内の各サンプル容器に保存するように構成されている
請求項99に記載のシステム。
【請求項132】
複数の方向付け部材をさらに備え、各方向付け部材は各受台と操作可能に連結し、各方向付け部材は各受台内の卵を略水平配向から略垂直配向に付勢するように構成されている請求項131に記載のシステム。
【請求項133】
複数の卵から生存卵を識別する分類器をさらに備える請求項131に記載のシステム。
【請求項134】
前記分類器は透光検卵装置を含む請求項133に記載のシステム。
【請求項135】
各採取ヘッドが卵から抽出した尿膜液を各サンプル容器に保存したあと、前記採取ヘッドに消毒液を付与するように構成された消毒器をさらに備える請求項131に記載のシステム。
【請求項136】
サンプル容器内に保存された尿膜液とその尿膜液が抽出された卵との関連データを生成し、かつ記憶するプロセッサをさらに備える請求項131に記載のシステム。
【請求項137】
前記卵移送装置は前記分類器と操作可能に連結し、卵座板から生存卵と識別された卵のみを同時に吊上げるように構成されている請求項133に記載のシステム。
【請求項138】
前記採取ヘッドは前記分類器と操作可能に連結し、生存卵と識別された卵からのみ尿膜液を抽出するように構成されている請求項133に記載のシステム。
【請求項139】
前記卵移送装置は
フレームと、
前記フレームによって移動可能に支持された所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在する前記ノズルにおいて終端する前記内部通路からなり、前記分岐ブロックは拡張/収縮可能であり、異なった寸法および/または異なった配列構成を有するどのような卵座板に対しても卵を吊上げ/載置することが可能であり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項131に記載のシステム。
【請求項140】
前記採取ヘッドの各々は
互いに対向する第1端および第2端と前記第1端および第2端間に延長する細長の通路とを有する細長のハウジングと、
前記細長の通路内に配置され、引込み位置と第1および第2伸張位置間において移動可能な細長の注射針と
からなり、
前記注射針は先端を備え、前記先端は、前記引込み位置においては前記通路内に含まれ、前記第1伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から第1距離だけ突出し、前記第2伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ突出し、
前記注射針は前記第1伸張位置においては卵から尿膜液を抽出し、前記第2伸張位置においては卵から抽出した尿膜液をサンプル容器に注入するように構成されている
請求項131に記載のシステム。
【請求項141】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置に移送する卵座板移送システムをさらに備える請求項131に記載のシステム。
【請求項142】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置から移送する卵座板移送システムをさらに備える請求項100に記載のシステム。
【請求項143】
前記テーブルに隣接して配置され、前記複数の採取ヘッドと操作可能に連結するサンプルテンプレート移送システムをさらに備え、前記サンプルテンプレートはサンプルテンプレートを前記複数の採取ヘッドに移送し、かつ前記複数の採取ヘッドから移送するように構成されている請求項131に記載のシステム。
【請求項144】
前記テーブルと操作可能に連結し、前記一連の受台を前記複数の採取ヘッドに対して相対的に移動させる卵座板移送システムをさらに備えている請求項131に記載のシステム。
【請求項145】
複数の採取ヘッドと操作可能に連結する係止板をさらに備え、前記係止板は前記注射針が前記ハウジングの前記第1端から前記第1伸張位置に突出したときに前記細長ハウジングの移動を解除可能に拘束するように構成されている請求項140に記載のシステム。
【請求項146】
複数の卵から抽出した尿膜液を検査する装置は
温度および/または湿度が1つ以上の所定の範囲内に維持された環境制御チャンバと、 前記チャンバ内に複数のサンプル容器テンプレートを運搬するコンベヤシステムと、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬された各テンプレートの各サンプル容器内にバイオセンサを注入するように構成されたバイオセンサ注入器と、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬された各テンプレートの各サンプル容器内に色基質を注入するように構成された色基質注入器であって、前記バイオセンサと色基質は各サンプル容器内の尿膜液と化学的に反応して各卵の性別の徴候を生成するように構成されているような色基質注入器と、
前記コンベヤシステムと操作可能に連結し、前記コンベヤシステムを介して運搬される各テンプレート内の各サンプル容器を走査し、性別の徴候を検出するように構成された検出器と
を含む請求項130に記載のシステム。
【請求項147】
前記検出器は各テンプレートの各サンプル容器内の内容物の色の変化を検出するように構成されたCCDカメラを含む請求項146に記載のシステム。
【請求項148】
前記バイオセンサを破壊するように構成された装置をさらに備えている請求項146に記載のシステム。
【請求項149】
前記消毒装置は前記容器の各々に消毒剤を注入して前記バイオセンサを破壊するように構成された消毒剤注入器を含む請求項148に記載のシステム。
【請求項150】
前記消毒装置は熱生成装置を含む請求項148に記載のシステム。
【請求項151】
前記消毒装置は放射線生成装置を含む請求項148に記載のシステム。
【請求項152】
前記バイオセンサ注入器はイースト菌注入器を含む請求項146に記載のシステム。
【請求項153】
複数の卵から抽出した尿膜液を検査する装置は
温度および/または湿度が1つ以上の所定の範囲内に維持された環境制御チャンバと、
前記チャンバ内に複数のサンプル容器テンプレートを運搬するコンベヤシステムと、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬された各テンプレートの各サンプル容器内にイースト菌を注入するように構成されたイースト菌注入器と、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬された各テンプレートの各サンプル容器内に色基質を注入するように構成された色基質注入器であって、前記イースト菌と色基質は各サンプル容器内の尿膜液と化学的に反応して各卵の性別の徴候を生成するように構成されているような色基質注入器と、
前記コンベヤシステムと操作可能に連結し、前記コンベヤシステムを介して運搬される各テンプレート内の各サンプル容器を走査し、性別の徴候を検出するように構成されたCCDカメラと
を含む請求項130に記載のシステム。
【請求項154】
前記イースト菌を破壊するように構成された装置をさらに備えている請求項153に記載のシステム。
【請求項155】
前記消毒装置は前記容器の各々に消毒剤を注入して前記イースト菌を破壊するように構成された消毒剤注入器を含む請求項154に記載のシステム。
【請求項156】
卵を選択的に処理する前記装置は
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内の複数の卵の内所定の特性を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された複数の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される各卵保持器から所定の特性を有すると識別された卵を取除くように構成された卵除去装置と
を含む請求項130に記載のシステム。
【請求項157】
卵を選択的に処理する前記装置は
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内において第1性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、かつ前記第1組の注射送達装置と隣接して配置され、 前記コンベヤによって運搬される卵保持器において第2性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された第2組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記卵保持器から第1性別を有すると識別された卵を第1容器内に取除き、前記卵保持器から第2性別を有すると識別された卵を第2卵容器内に取除くように構成された卵除去装置と
を含む請求項130に記載のシステム。
【請求項158】
卵を選択的に処理する装置は、
複数の卵を含む卵保持器を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、雌の卵から雄の卵を分離するように構成された卵除去装置と、
雄の卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、雌の卵に物質を注射するように構成された第2組の注射送達装置と
を含む請求項130に記載の装置。
【請求項159】
複数の卵から尿膜液を抽出する装置と、前記卵から抽出した尿膜液を検査して前記卵の性別を識別する装置と、識別した性別に基づいて前記卵を選択的に処理する装置とからなる卵を処理するシステムにおいて、
複数の卵から尿膜液を抽出する前記装置は
所定の配列パターンに配置された複数の受台を備えるテーブルと、
前記テーブルと操作可能に連結する卵移送装置と、
前記テーブルと操作可能に連結する複数の採取ヘッドとからなり、
前記テーブルにおける各受台は略垂直配向の卵を受取り、前記卵を略水平配向の位置に 移動するように構成され、
前記卵移送装置は複数の垂直方向に配向した卵を同時に1つの卵座板から吊上げて各受台に載置し、前記卵移送装置は前記複数の卵を前記複数の受台から同時に吊上げて取出すように構成され、
前記複数の採取ヘッドの各々は各受台内の卵から尿膜液を抽出し、その抽出した尿膜液をサンプルテンプレート内の各サンプル容器に保存するように構成され、
複数の卵から抽出した尿膜液を検査する装置は
チャンバと、
前記チャンバ内に複数のサンプル容器テンプレートを運搬するコンベヤシステムと、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬された各テンプレートの各サンプル容器内にバイオセンサを注入するように構成されたバイオセンサ注入器と、
前記チャンバ内に前記コンベヤシステムと操作可能に連結して配置され、前記コンベヤシステムを介して運搬された各テンプレートの各サンプル容器内に色基質を注入するように構成された色基質注入器であって、前記バイオセンサと色基質は各サンプル容器内の尿膜液と化学的に反応して各卵の性別の徴候を生成するように構成されているような色基質注入器と、
前記コンベヤシステムと操作可能に連結し、前記コンベヤシステムを介して運搬される各テンプレート内の各サンプル容器を走査し、性別の徴候を検出するように構成された検出器とからなる
請求項130に記載のシステム。
【請求項160】
複数の方向付け部材をさらに備え、各方向付け部材は各受台と操作可能に連結し、各方向付け部材は各受台内の卵を略水平配向から略垂直配向に付勢するように構成されている請求項159に記載のシステム。
【請求項161】
複数の卵から生存卵を識別する分類器をさらに備える請求項159に記載のシステム。
【請求項162】
前記分類器は透光検卵装置を含む請求項161に記載のシステム。
【請求項163】
各採取ヘッドが卵から抽出した尿膜液を各サンプル容器に保存したあと、前記採取ヘッドに消毒液を付与するように構成された消毒器をさらに備える請求項159に記載のシステム。
【請求項164】
サンプル容器内に保存された尿膜液とその尿膜液が抽出された卵との関連データを生成し、かつ記憶するプロセッサをさらに備える請求項159に記載のシステム。
【請求項165】
前記卵移送装置は前記分類器と操作可能に連結し、卵座板から生存卵と識別された卵のみを同時に吊上げるように構成されている請求項161に記載のシステム。
【請求項166】
前記採取ヘッドは前記分類器と操作可能に連結し、生存卵と識別された卵からのみ尿膜液を抽出するように構成されている請求項161に記載のシステム。
【請求項167】
前記卵移送装置は
フレームと、
前記フレームによって移動可能に支持された所定の配列パターンに配置された一連の分岐ブロックと、
前記一連の分岐ブロックのそれぞれのノズルに固着され、前記分岐ブロックの内部通路と流体的に連通する複数の可撓性カップと
からなり、
前記分岐ブロックは端部と前記端部から延在する前記ノズルにおいて終端する前記内部通路からなり、前記分岐ブロックは拡張/収縮可能であり、異なった寸法および/または異なった配列構成を有するどのような卵座板に対しても卵を吊上げ/載置することが可能であり、
前記可撓性カップはその内部が前記内部通路を介して真空に引かれたときに卵と係合して前記卵を着座状態で保持し、前記内部通路内の真空が解除されたときに卵を離脱させるように構成されている
請求項159に記載のシステム。
【請求項168】
前記採取ヘッドの各々は
互いに対向する第1端および第2端と前記第1端および第2端間に延長する細長の通路とを有する細長のハウジングと、
前記細長の通路内に配置され、引込み位置と第1および第2伸張位置間において移動可能な細長の注射針と
からなり、
前記注射針は先端を備え、前記先端は、前記引込み位置においては前記通路内に含まれ、前記第1伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から第1距離だけ突出し、前記第2伸張位置においては前記ハウジングの前記第1端から前記第1距離よりも大きい第2距離だけ突出し、
前記注射針は前記第1伸張位置においては卵から尿膜液を抽出し、前記第2伸張位置においては卵から抽出した尿膜液をサンプル容器に注入するように構成されている
請求項159に記載のシステム。
【請求項169】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置に移送する卵座板移送システムをさらに備える請求項159に記載のシステム。
【請求項170】
前記テーブルに隣接して配置され、卵座板を前記卵移送装置から移送する卵座板移送システムをさらに備える請求項159に記載のシステム。
【請求項171】
前記テーブルに隣接して配置され、前記複数の採取ヘッドと操作可能に連結するサンプルテンプレート移送システムをさらに備え、前記サンプルテンプレートはサンプルテンプレートを前記複数の採取ヘッドに移送し、かつ前記複数の採取ヘッドから移送するように構成されている請求項159に記載のシステム。
【請求項172】
前記テーブルと操作可能に連結し、前記一連の受台を前記複数の採取ヘッドに対して相対的に移動させる卵座板移送システムをさらに備えている請求項159に記載のシステム。
【請求項173】
複数の採取ヘッドと操作可能に連結する係止板をさらに備え、前記係止板は前記注射針が前記ハウジングの前記第1端から前記第1伸張位置に突出したときに前記細長ハウジングの移動を解除可能に拘束するように構成されている請求項159に記載のシステム。
【請求項174】
前記検出器は各テンプレートの各サンプル容器内の内容物の色の変化を検出するように構成されたCCDカメラを含む請求項159に記載のシステム。
【請求項175】
前記バイオセンサを破壊するように構成された装置をさらに備えている請求項159に記載のシステム。
【請求項176】
前記バイオセンサ注入器はイースト菌注入器を含む請求項159記載のシステム。
【請求項177】
前記チャンバは温度および/または湿度が1つ以上の所定の範囲内に維持された環境制御チャンバである請求項159に記載のシステム。
【請求項178】
卵を選択的に処理する前記装置は
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内の複数の卵の内所定の特性を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された複数の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される各卵保持器から所定の特性を有すると識別された卵を取除くように構成された卵除去装置と
を含む請求項159に記載のシステム。
【請求項179】
卵を選択的に処理する前記装置は
卵保持具を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記コンベヤによって運搬される卵保持具内において第1性別を有すると識別された卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、かつ前記第1組の注射送達装置と隣接して配置され、 前記コンベヤによって運搬される卵保持器において第2性別を有すると識別された卵
に物質を注射するように構成された第2組の注射送達装置と、
前記コンベヤと操作可能に連結し、前記卵保持器から第1性別を有すると識別された卵を第1容器内に取除き、前記卵保持器から第2性別を有すると識別された卵を第2卵容器内に取除くように構成された卵除去装置と
を含む請求項159に記載のシステム。
【請求項180】
卵を選択的に処理する装置は、
複数の卵を含む卵保持器を運搬するコンベヤと、
前記コンベヤと操作可能に連結し、雌の卵から雄の卵を分離するように構成された卵除去装置と、
雄の卵に物質を注射するように構成された第1組の注射送達装置と、雌の卵に物質を注射するように構成された第2組の注射送達装置と
を含む請求項159に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図36D】
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【図37】
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【図38A】
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【図38B】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図40】
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【図41】
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【図42A】
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【図42B】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2010−273682(P2010−273682A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156780(P2010−156780)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【分割の表示】特願2007−304487(P2007−304487)の分割
【原出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【出願人】(501161398)エンブレクス,インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】