説明

識別コード付き遊技媒体及び遊技媒体の選別装置

【課題】画像処理で読み取り易い識別コードを付した球状遊技媒体を提供する。
【解決手段】この球状遊技媒体は、その表面に2次元的に等間隔に複数の識別コードが付されていることを特徴とする。2次元的に等間隔に複数の識別コードが付すことによって、球状遊技媒体をどの角度から撮影しても識別コードが写る可能性が高くなる。好ましくは、4個以上の識別コードが2次元的に等間隔に付されている。さらには、識別コードの大きさが、球状遊技媒体を撮影したときの画像に少なくとも一つの識別コード全体が映る大きさであることが好ましい。さらには、識別コードは、2以上の点群で構成されるものであり、その点群のレイアウトが識別情報を表すものであるのが良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場で遊技媒体を選別するための技術に関する。詳しくは、選別するための識別コードを付した遊技媒体、識別コードに基づいて遊技媒体を選別する選別装置、遊技媒体に識別コードを印刷するための方法と印刷装置、及び、球状の遊技媒体の径を選別する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店やパチスロ店などの遊技店では、遊技者が獲得したパチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を、それらの数に応じてタバコや菓子などの景品と交換することが慣行になっている。つまり、遊技店において遊技媒体は一種の通貨の機能を有することになる。そのため、遊技者が勝手に持ち込んだ遊技媒体で景品交換することは防止したい。また、遊技者の多様な嗜好に応えるため、例えば一部の遊技店では、貸出単価の異なる遊技媒体を用意しているとともに、夫々の貸出単価に対応した遊技機を用意している。そして、貸出単価Aの遊技媒体に対応する複数の遊技機Aは特定のまとまったエリア(一般に「島」と呼ばれるエリア)に配置され、貸出単価Bの遊技媒体に対応する複数の遊技機Bは別のエリアに配置される。貸出単価Aの遊技媒体を遊技機Bで使われること、あるいは逆に、貸出単価Bの遊技媒体を遊技機Aで使われることは防止したい。さらには、他店から持ち込まれた遊技媒体を自店の遊技機で使われることも防止したい。そのような背景から、遊技媒体を識別したいという要求がある。
【0003】
これまで、遊技媒体を識別するいくつかの技術が提案されている。なお、遊技店は膨大な数の遊技媒体を扱うため、ICタグなどの高価な仕組みは敬遠されるので、印刷や刻印などの経済的な手法で遊技媒体を識別する技術が望まれる。例えば、特許文献1では、遊技媒体の一種であるメダルの表面に識別コードを付すことが提案されている。また、特許文献2では、球状の遊技媒体の赤道線に沿って線状の識別コードを付すことが提案されている。識別コードは、例えばバーコードのように予め定められた規則に基づいた特定の模様を付すことによって、ある程度複雑な情報を記録させておくことができる。単純に遊技媒体に色を付しただけでも遊技媒体を識別することは可能であるが、不正を防止するためにはある程度複雑な情報を記録することが必要であり、特許文献1や2の技術は、そのような事情に則したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−144739号公報
【特許文献2】特開2006−343708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遊技媒体を識別する場合、画像処理を用いることが一つの方法である。特に、遊技媒体の表面に識別コードを付し、それを識別する場合には、画像処理が必要である。ここで、球状の遊技媒体に識別コードを付す場合、球状であるがゆえに、識別コードがカメラの視野に捉えられるようにしなければならないという課題がある。例えば、識別コードがカメラからみて球状遊技媒体の裏側に位置してしまっては、識別コードを画像に捉えることができない。特許文献1の技術は、メダルに特化しており、この課題についての対策には言及していない。また、赤道に線状の識別コードを付す特許文献2の技術も、カメラの画像上では識別コードの一部が欠けてしまうので、識別コードを読み取れない場合が頻発することが予想される。さらには、識別コードが傷やサビにより見えなくなることもある。また、直径が相違する遊技媒体が用いられる場合がある。そのため、一方においては、識別コードの有無に関わらずに遊技媒体を選別したいという要求もある。
本発明は上記の課題に鑑みて創作された。本発明は、遊技媒体を選別するのに好適な技術を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する技術の一つは、画像処理によって読み取り易い識別コードを付した球状遊技媒体に具現化することができる。その一つの態様の球状遊技媒体は、球状遊技媒体の表面に複数の識別コード領域が存在しており、その識別コード領域内には識別コードが表示されていることを特徴とする。さらには、少なくとも1つの識別コード領域とその識別コード領域の隣の識別コード領域との間の表面に沿った距離が、その識別コード領域と他方の隣の識別コード領域との間の表面に沿った距離と等しいことが好ましい。ここで、「その識別コード領域と他方の隣の識別コード領域との間の表面に沿った距離と等しい」とは、厳密に「等しい」場合だけでなく、一見して「等しい」と認識できる場合を含むことに留意されたい。なお、本明細書が開示する技術における「等しい」に含まれる事例を発明の実施形態の欄にて幾つか列挙するので参照されたい。
【0007】
さらに本明細書が開示する技術の別の態様の球状遊技媒体は、その表面に2次元的に等間隔に複数の識別コードが付されていることを特徴とする。ここで、「2次元的に等間隔に」とは、球表面の2次元面上で、いずれの一つの識別コードから見ても少なくとも2方向(180度の正反対の方向以外の2方向)において他の識別コードが隣接しており、隣接する識別コードまでの距離がいずれも等しいことをいう。なお、本明細書が開示する技術では、2次元的に等間隔に複数の識別コードが付されていれば、さらに付加的に識別コードが付されていてもよい。
【0008】
複数の識別コードを2次元的に等間隔に球状遊技媒体に付すことを考えた場合、球状遊技媒体を近似する正多面体を想定し、その各面に対応する球面上の領域に識別コードを一つずつ付すことが実際的である。そうすると、上記の球状遊技媒体には、4個以上の識別コードが2次元的に等間隔に付されていることが好ましく、さらには6個の識別コードが2次元的に等間隔に付されていることが一層好ましい。4個(あるいは6個)の識別コードは、球状遊技媒体を近似する正四面体(あるいは正六面体)を想定し、その各面に対応する球面上の領域に付せばよい。
【0009】
複数の識別コードが2次元的に等間隔に球状遊技媒体に付してあれば、球状遊技媒体を撮影したときに少なくとも一つの識別コードはその全体が画像に捉えられる確率が極めて高くなる。識別コード全体が画像に写っていないために識別コードを読み取ることができない、という事態が発生する確率を低く抑えることができる。
【0010】
識別コード読み取り不能という事態が発生することをできるだけ回避するために、識別コードの大きさは、球状遊技媒体を撮影したときの画像に必ず少なくとも一つの識別コード全体が映る大きさであることが好ましい。一つの好適な具体例として、6個の識別コードが2次元的に等間隔に付されており、球状遊技媒体の半径をR(mm)としたときに識別コードが、半径が「0.34×R(mm)」の範囲内に納まる大きさであることが好ましい。この関係を満たすと、少なくとも一つの識別コードが画像に捉えられることが保証される。その理論的根拠は実施形態の欄で説明する。
【0011】
次に、識別コード自体の好適な態様について説明する。識別コードとしてはバーコード、QRコード(登録商標)など代表的なものがあり、これらを球状遊技媒体に用いることはできる。しかし、球状遊技媒体に付す識別コードとしては、球状遊技媒体に付される2以上の点群で構成されるものであり、点群中の各2点間の距離に対して論理的な情報(識別情報)が対応付けられるものであるのが好適である。なお、本明細書では、点群中の2点間の距離に対して情報が対応付けられることを、簡単のため、「点群のレイアウトが識別情報を表す」あるいは、「点群のレイアウトに対して識別情報が対応付けられる」と表現する。
【0012】
2点間の距離は、各点の座標から簡単に導くことができる。即ち点群のレイアウトに識別情報を対応付けた識別コードは読み取りが簡単である。さらに、そのような識別コードは、各点の座標が計測できればよいから、識別コードの上下左右を気にする必要もない。即ち、そのような識別コードは、上下左右のない球に付するのに好適であるとともに、極めて簡単なアルゴリズムで情報を読み取れるという利点がある。さらには、この方式によれば、半径の異なる球状遊技媒体も選別できる。半径が異なれば、点群のレイアウトにおける2点間の距離も異なってくるからである。
【0013】
上記のように2次元的に等間隔に複数の識別コードを付すのは、どの角度から撮影した画像にも必ず識別コードが写るようにしたいからである。即ち、どの角度から撮影しても球状遊技媒体を識別できるようにしたいからである。その目的を達成するには、単純に、同じ識別コードを付せばよい。しかし、2次元的に等間隔に付されている複数の識別コードのうち少なくとも1つを、他の識別コードとは異なる点群レイアウトにすると、さらなる効果が期待できる。即ち、異なる識別コードを付すことによって、一つの球状遊技媒体に記録可能な情報量を増やすことができるという利点を生む。この場合、一つの手法として、全ての識別コードに共通する情報(共通情報)と、識別コードによって異なる情報(個別情報)の両者が、それぞれの識別コードに記録される。共通情報は、どの角度から撮影しても球状遊技媒体を識別できるようにするという目的のための情報であり、個別情報は、読み取れない頻度が高くてもよい、付加的な情報のために記録される。個別情報の一例は、その球状遊技媒体の製造日などである。あるいは、個別情報は、球状遊技媒体を識別するための点群がどれであるかをカムフラージュするために付されることも好適である。
【0014】
異なる識別コードを付す場合の好適例の別の態様は次の通りである。即ち、6個又は8個の識別コードが2次元的に等間隔に付されており、隣接する識別コード同士は異なる点群レイアウトであり、球状遊技媒体の中心を挟んで対向している(相対している)識別コード同士は同じ点群レイアウトとする。そのような配置にすると、一つの画像に異なる識別コードが写る確率を高くすることができる。また、対向している同一の2個の識別コードのいずれか一方が必ず画像に写ることになる。
【0015】
球状遊技媒体に識別コードを付す手法としては、電解着色法が好適である。電解着色法は、電解マーキング法とも呼ばれる。この方法で付されたマーク(識別コード)は、摩擦に強いので、球状遊技媒体には好適である。さらには、電解着色法は、刻印と比べて、遊技媒体の表面を浅く削るだけなので、遊技媒体の直径を小さくするような不正に対しても効果がある。またこの手法は、表面精度を損なうことなく鮮明なマーキングができること、中性の電解液を用いればサビも出難いこと、短時間でマーキングできること、など様々な利点を有している。
【0016】
本明細書が開示する技術の他の一つは、複数種類の遊技媒体が混在する場合に、遊技媒体の種類を判別する装置(選別装置)に具現化することができる。選別装置の一つの態様は、遊技媒体を撮影するカメラと、カメラの視野内を通過しており遊技媒体が転がり流れる誘導路と、選別手段を備える。選別手段は、誘導路の複数の場所で同一の遊技媒体を撮影した複数の画像を読み取り、特定の種類の遊技媒体を選別する。球状の遊技媒体の場合、誘導路の複数の場所では、球状遊技媒体のカメラを向いている面が異なっている可能性が極めて高い。即ち、複数の場所における画像は、球状遊技媒体を異なる角度から撮影した画像に相当する。この選別装置は、異なる角度から撮影した複数の画像に基づいて特定種類の遊技媒体を選別する。従って、高い読み取り精度が期待できる。
【0017】
上記の選別装置は、表面の複数箇所に識別コードが付された球状遊技媒体を選別するのに好適である。その場合の選別装置の選別手段は、異なる角度から撮影した複数の画像から一つの球状遊技媒体に付された識別コードを読み取り、読み取った識別コードが基準となる識別コード(予め定められた識別コード)と異なる球状遊技媒体を選別する。
【0018】
選別装置のさらに好適な一態様は、誘導路を流れる遊技媒体の速度を減速させる減速手段をさらに備えている。減速手段は、誘導路の複数の地点において遊技媒体の速度を減速させる。この場合、選別手段は、上記した複数地点における画像に基づいて特定種類の遊技媒体を選別する。
【0019】
減速手段のさらに好適な一態様は次の通りである。誘導路には複数の屈曲箇所が設けられており、減速手段は、屈曲箇所に設けられた壁であって誘導路の上流から流れてくる遊技媒体が衝突する壁である。この場合、選別手段は、球状遊技媒体が屈曲箇所で誘導路の壁に衝突して減速している間の画像から識別コードを読み取ることが好ましい。さらに屈曲箇所では、誘導路が直角に曲がっていることが好ましい。減速している間の画像であるから、鮮明な画像が期待できる。なお、球状遊技媒体を減速させることが目的であるから、誘導路の屈曲箇所の「直角」とは、厳密な直角である必要はなく、概ね直角であればよい。
【0020】
球状遊技媒体が相互に離間して誘導路を転がり流れるように、球状遊技媒体を一つずつ誘導路に放出する玉切手段が誘導路の上流に備えられているとなお好適である。画像上で一つの球状遊技媒体を切り出すことが容易になるからである。より詳しくいうと、二つの遊技媒体自身やその識別コードが相互に鏡面反射して写ってしまうのを避けることと、選別時間確保のためである。
【0021】
球状遊技媒体は反射率の高い表面を有していることが多い。典型的にはメッキ加工されて鏡面状態となっていることが多い。そのため、カメラレンズが球状遊技媒体の表面に写り込む可能性がある。撮影した画像における球状遊技媒体にカメラレンズが写り込んでいると識別コードの読み取りに支障をきたす虞がある。そこで、球状遊技媒体に付されている識別コードが点群であって点群のレイアウトに情報が対応付けられたマーク(コード)である場合、点群における2点間の最小距離Lmよりも、球状遊技媒体に映り込んでいるカメラレンズの画像上の直径Lcが小さくなるように誘導路とカメラの間の距離が設定されているとよい。さらにより好ましくは、識別コードの点の直径をLrとして、識別コードの点の直径Lrとカメラレンズの画像上の直径Lcを足した長さよりも、点群における2点間の最小距離Lmが大きくなるように設定されているとよい(即ち、Lm>Lr+Lc)。そのような設定がなされていれば、写り込んだカメラレンズの中に2個以上の点群が含まれる可能性がなくなり、画像処理において識別コードの点群の夫々を確実に分離することができる。
【0022】
上記したように、点群レイアウトに論理情報を対応付けた識別コードは読み取りアルゴリズムが簡単で済むという利点がある。これとは別に、識別コードにどのような情報が記録されているかを読み取るのではなく、予め定められた情報が記録されているか否かを判別するだけであるならば、次に述べるテンプレート方式も有効である。即ち、画像処理ユニットは、予め定められた識別コード(のテンプレート)を記憶しており、球状遊技媒体の画像とテンプレートを比較してテンプレートが抽出できたか否かを出力し、選別手段は、テンプレートが抽出できた球状遊技媒体とテンプレートを抽出できなかった球状遊技媒体を選別する。この手法は、予め決められた識別コードが付された球状遊技媒体を選別するのに好都合であり、例えば、予め決められた遊技機群から放出された球状遊技媒体(特定の識別コードが付されている球状遊技媒体)を選別するのに好適である。
【0023】
球状遊技媒体に付されている識別コードがテンプレートと僅かに相違する場合であっても、その識別コードはテンプレートと一致していると判断できることが好ましい。そのため、選別手段は、遊技媒体に付されている識別コードとテンプレートとの一致度を算出し、一致度が閾値よりも高い遊技媒体を選別することが好ましい。さらに選別手段は、複数の画像の夫々に対して一致度を算出し、複数の一致度に基づいて遊技媒体を選別することが好ましい。
【0024】
本明細書が開示する新規な技術の他の態様は、上記した選別装置を備える遊技機そのもの、アウトメータ、遊技媒体計数機、あるいは、遊技媒体補給装置に具現化することも好適である。
【0025】
本明細書が開示する技術のさらに他の一つは、球状の遊技媒体に識別コードを印刷する装置に具現化することができる。前述したように、球状遊技媒体に識別コードを付す方法としては電解着色法が好適である。また、識別コード印刷装置の好適な一態様は次の通りである。その印刷装置は、一対のステンシルと電極を備える。夫々のステンシルは、半球状の窪みを有しており、その窪みの半球面に識別コードの形状と同じ形状の貫通孔が設けられている。一対のステンシルで球状遊技媒体を挟み、双方のステンシルに設けられた幾つかの細い孔を通じて電解液を球状遊技媒体に噴射する。電極は、その電解液を介して球状遊技媒体に通電する。ステンシルと球状遊技媒体の間に通電すると、ステンシルに設けられた孔と同じ形のマークが球状遊技媒体に形成される。なお、以下では、簡単のため、球状遊技媒体の表面にマーク(識別コード)を付すことを、マークを「印刷する」と表現することがある。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、遊技媒体を選別するのに好適な技術を提供することができる。特に、選別に適した識別コード付きの球状遊技媒体やその識別装置、さらには識別コードの印刷装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】遊技場に配備されたシステムの模式図を示す。
【図2】球状遊技媒体の模式的側面図である。
【図3】仰角と射影半径と画素数の関係を示す表である。
【図4】射影の中心xと射影半径rsの関係を示すグラフである。
【図5】球状遊技媒体を表示しているVGAサイズの画面の模式図である。
【図6】点群で表すことのできる数(情報量)を示す表である。
【図7】3点で構成される識別コードの点配置の例を示す。
【図8】正6面体の場合の識別コード配置例を示す。
【図9】識別コード配置方針を説明するための図である。
【図10】図10(A)は、正四面体の場合の識別コード配置例を示す。図10(B)は、正六面体の場合の識別コード配置例を示す。
【図11】正多面体の面数Gと識別コード領域径Lの関係を示す表である。
【図12】正六面体配置において3個の識別コードが撮影されるときの画像を模式的に示した図である。
【図13】識別コード領域が取り得る大きさを説明する図である。
【図14】有効画像率Rvと識別コード領域径L0の関係を示す表である。
【図15】ブロック割り当て例を示す図である。
【図16】選別装置の平面図(A)と側面図(B)である。
【図17】カメラと球状遊技媒体との好適な位置関係を説明する図である。
【図18】印刷装置の模式図である。
【図19】ステンシルの模式的側面図である。
【図20】他の実施形態の選別装置の要部機構の模式図である。
【図21】図20のBB線に沿って見た選別装置の断面図である。
【図22】図20と図21に示した実施形態の変形例の模式図である。
【図23】さらに別の実施例の選別装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
1.遊技場の構成
図1に、遊技場に配備されたシステムの模式図を示す。システム100には、ホールコンピュータ2を中心に、多数の遊技機6、7や、遊技媒体を数える計数機14などがネットワークを介して接続されている。複数の遊技機6が集まって「島A」を構成し、遊技機6とは別種の遊技機7が複数集まって「島B」を構成している。島Aの遊技機6の情報(遊技情報)は、島コンピュータ4aを介してホールコンピュータ2に送られる。島Bの遊技機7の情報は、島コンピュータ4bを介してホールコンピュータ2に送られる。
【0029】
遊技機6と遊技機7は、いずれも直径5.5mmのパチンコ玉(球状遊技媒体)を用いる装置であるが、ユーザの嗜好の多様性に応じて異なる設定がなされている。遊技機6が設置されている島Aはパチンコ玉が1玉当たり4円で貸し出されている(貸出単価が4円である)。一方、遊技機7が設置されている島Bはパチンコ玉が1玉当たり1円で貸し出されている(貸出単価が1円である)。遊技機6から放出されるパチンコ玉と遊技機7から放出されるパチンコ玉には異なる識別コードが印刷されている。また、遊技機6にはアウトメータ12が内蔵されており、さらにそのアウトメータ12には選別装置8aが内蔵されている。また、図示を省略しているが、各遊技機の背後にはパチンコ玉補給装置が備えられており、そのパチンコ玉供給装置にも同様の選別装置が内蔵されていてもよい。選別装置8aは、パチンコ玉に印刷された識別コードが、遊技機6に対応するものであるか否かを判定し、遊技機6に対応付けられた識別コードを読み取ることができなかったパチンコ玉を選り分ける。遊技機7にもアウトメータ12が内蔵されており、さらにそのアウトメータ12にも選別装置8bが内蔵されていてもよい。選別装置8bは、パチンコ玉に印刷された識別コードが、遊技機7に対応するものであるか否かを判定し、遊技機7に対応付けられた識別コードを読み取ることができなかったパチンコ玉を選り分ける。
【0030】
計数機14にも別の選別装置8cが内蔵されていてもよい。例えば、選別装置8cは、投入されたパチンコ玉に付された識別コードを読み取り、識別コード毎のパチンコ玉の数を記録する。即ち、計数機14は、遊技機6用の識別コードが付されたパチンコ玉の数と、遊技機7用の識別コードが付されたパチンコ玉の数と、いずれの遊技機用にも該当しない識別コードが付されたパチンコ玉、あるいは識別コードを読み取れなかったパチンコ玉の数を計数する。計数機14は、識別コード毎にパチンコ玉の数を計数するだけでなく、投入されたパチンコ玉を、識別コード毎に夫々別の箱、あるいは、別の流路に選り分ける。なお、選別装置8a、8b、及び、8cは、機械的構造は同一であり、プログラム上で、読み取るべき識別コードが異なっているだけである。
【0031】
以下、パチンコ玉に代表される球状遊技媒体に付される識別コード、その識別コードを読み取って球状遊技媒体を選別する装置(選別装置)、識別コードの印刷装置、及び、印刷方法について説明する。
【0032】
2.識別コードの大きさと数
(1)識別コードの基本図形
まず、球状遊技媒体に付す識別コードの適切な大きさと数について説明する。球状遊技媒体に付す識別コードは、角度依存性がなく、見た目に見えにくい面積最小となる「円点」で構成されるものがよい。図2は、球状遊技媒体Qを模式的に表した側面図である。今、球状遊技媒体Qの中心Oを原点とするXY座標を図2のとおり定める。中心が原点Oにある半径Rの球表面上の半径rの円点を上方遠方から(Y軸方向から)みて、xの位置に中心が見える場合、x上方球面上の点cと原点Oのなす角度をαとすると、射影の中心xは、x=R・cos(α)である。従って、α=acos(x/R)となる。
【0033】
「円点」の円周上の射影が最小となるx座標をx1とし、対応する角度をα1とすると、次の(数1)の関係が成立する。
【0034】
【数1】

【0035】
球面直径の撮影画素数をVとすると、画像中央の画素密度ε=V/R(pixel/mm)であり、射影半径rsに相当する画素数mは、m=ε・rsで表すことができる。仰角αと射影円の短い方の半径(射影半径)rs、及び、画素数mの関係を算出した結果を図3に示す。また、射影の中心xと射影半径rsの関係を示すグラフを図4に示す。画像を認識できる為にはmが1画素程度必要とすると、VGAサイズ(640x480)のカメラでは1/4領域に球状遊技媒体の画像の80%の大きさで撮影した場合、V=100画素程度になる(図5参照)。従って、図3の表、図4のグラフからα=12度、cos(α)=0.978の近辺が認識限界となる。
【0036】
(2)印刷面積和が最小となる識別コード
「印刷面積和が最小となる識別コード」とは、印刷と撮影の劣る方の分解能で決まる径を持つ点状の円で座標を識別可能なコードとなる。分解能で印刷は0.3[mm]、撮影は点認識のために5[dot]が必要であると考えると、VGA画面の1/4に玉+α撮影するとして、5×14[mm]/240=0.25程度であるから印刷分解能である0.3[mm]径の円が最小となる。単一コード内にコードとノイズの識別機能を入れる場合、2点間の距離を使う方法が簡易なので、基準線分を表す2個の端点とさらにもう1個の位置関係(コード点)でコードを表せば最低3点でコード化ができる。なお、本項では、球状遊技媒体に識別コードを付すことを「印刷する」と表現した。
【0037】
(3)識別コード図形で表せる数
次に、識別コードで表せる情報量について説明する。ここでは、「情報量」を単純に数で代表する。即ち、識別コードで表せる「数」が、その識別コードが表すことのできる情報量を意味する。前述したように、識別コードは、角度依存性がなく、見た目に見えにくい面積最小となる「円点」で構成されるものがよい。複数の「円点」の集まりを以下、点群と称する。即ち、識別コードは、球状遊技媒体に付された2以上の点の集まりである「点群」で表される。この「点群」で所定の論理情報を表現する場合、点群の中から2点を取り出し、その2点間の距離に論理情報を対応させるのがよい。例えば「点群」が3点の集まりであれば、2点の選び方は3通りあるから、3種類の「距離」が設定できる。2点間の距離の集合は、点群の「レイアウト」と表現することができる。即ち、識別コードは、球状遊技媒体の表面に付された2以上の点の集まりである点群で表され、点群のレイアウトが識別情報を表すものである。なお、情報は2点間の距離に対応付けられており、点群全体の形には依存しないから、実際には異なるレイアウトに同一の情報が付されることもあり得る。ただし、レイアウトが同じであれば、そこに付されている情報も同じであるから、点群のレイアウトに情報が対応付けられている、と表現してよい。
【0038】
球面上に識別コードと呼ぶr個の点を配置する場合、最初の点A0から画像処理ユニットの分解能で定まる間隔dごとに配置可能な範囲までn本の同心円を想定し、同心円の中心(点A0)から第k0番目の円周上に第二点A1を配置する。同様に、点A0から第k1番目の同心円上に第三点A2を配置するが同時に点A1の第k2番目の同心円上に置く場合、重複を除く為にk0≧k1≧k2>0、さらに三角形ができる条件k0<k1+k2という条件を付けると、図6の表に示すごとく識別コード数Eが計算される。なお、3点が直線上に並ぶk0=k1+k2の場合も利用可能ではあるがここでは採用しない)。例えば、r=3点をn=6種類の距離で配置したとき、可能な組み合わせの3点コード数Eは34通りとなる。図7(A)に、表面に4点コードを付した球状遊技媒体Qの一例を示し、図7(B)に、その4点の位置関係を示す。4点コードの場合は282通りとなる。即ち、点群の2点間の距離を6段階に分け、距離に応じて論理情報を対応付けるとすると、3点で構成される識別コードの場合はそのレイアウトにより34通りの情報を割り当てることができ、4点で構成される識別コードの場合はそのレイアウトにより282通りの論理情報を割り当てることができる。
【0039】
(4)識別コード配置図形生成時の目標
球状遊技媒体をどの方向から撮影しても識別コードが写るようにするには、複数の識別コードを2次元的に等間隔に付すのがよい。この場合、球状遊技媒体を近似する正多面体を想定し、正多面体の各面に対応する球面上の領域に(さらには正多面体の各面の中央に対応する領域に)、識別コードを一つずつ付すことが実際的である。このことについて以下に説明する。
【0040】
正G面体の各面中央点{C1,C2,・・・,Cg}をコード配置ブロックとして、各ブロックのコードをG個のキーとして持ち、識別コードがキーと同じか否かを判定すれば、組み合わせ数EのコードをG個のブロックに配置する場合の総組み合わせ数EtはE/(Gの階乗)となる。なお、G=6の場合の例を図8に示す。しかし、G=6の正六面体の場合でも6ブロック全てを認識するのは現実的ではないので、冗長化を行うとすると、コード化要件は次の3個であることが好ましい。
(a)1回の撮影で必ず出現する単一ブロックが認識できれば判定できるようにする。ただし、概ね複数ブロックが認識できるようにして、その場合はより識別能力を上げる。
(b)セキュリティ性(不正のし難さ)を向上する為に全ブロックに異なる識別コードを付す。
(c)設定作業の容易性の為、解錠キーは4桁程度の数値にする。
【0041】
(5)球面上への識別コードの配置方針
次に、球状遊技媒体の表面に配置する識別コードの数と大きさの関係について説明する。図9に、以下の説明で用いる記号の幾何学的な意味を示し、図10(A)に正四面体の場合の識別コード配置例を示し、図10(B)に正六面体の場合の識別コード配置例を示す。
【0042】
半球面の撮影画像に常に有効な識別コードが写っている為には、識別コードの領域形状を円とすると、球中心から印刷精度(球状遊技媒体に識別コードを付したときの鮮明さ)とカメラ性能によって決まる有効画像率Rvの範囲内に2個以上並ぶ位置への配置が必要条件となる。ここで、有効画像率Rvとは、球に対応する画像上の円の直径を1としたときに、画像処理によって識別コードが識別できる範囲の円の直径を意味する。画像上では球は円として写るが、円の周縁では球表面に付された識別コード画像が歪むため、物理的にも有効画像Rvは1.0未満となる。なお、現在の通常の印刷技術とカメラ精度からすると、有効画像率Rvは0.8程度であると推定される。
【0043】
識別コード領域半径Lは、球半径をR、有効画像画角をαとすると、L=(π/2−α)/2である(図9参照)。また、図9においてRv=cos(α)である。G個の面からなる正多面体の1面の射影が、有効画像範囲に2個並ぶとすると、G=球面積/領域面積=2πR/2πL=1/Lである。上記したLとRvの式から、Rvは次の式(数2)で表すことができる。
【0044】
【数2】

【0045】
図11に、仮想正多面体の面数Gに対する有効画像率Rvと半径R=5.5mmのときの領域径Lの算出結果を示す。なお、「仮想正多面体」とは、物理的に3次元空間に正多面体が成立するか否かは無視し、隣接する2つの識別コード間の距離が等しくなる仮想的な概念(あるいは球面上に面積が均等になるように並べた仮想的な概念)を意味する。実際に成立し得る正多面体はG=4、6、8、12、20の場合しかないことに留意されたい。
【0046】
実際の有効画像率Rvの大きさは0.8程度である。また、識別コードの大きさ(識別コードの領域面積)は大きい方がよい(識別コードが大きい方が画像認識には有利である)。従って、図11の表から、G=6が最も好ましく、次いで、G=4又は8が好ましい値であることが判る。次に、G=6の場合について、識別コードが取り得る大きさについて説明する。
【0047】
正六面体配置を採用した場合に識別コードの画像処理において最も厳しい状況は、3個の識別コードが均等に見える場合である(図12参照)。この条件下で、識別コードが取り得る大きさを検討する。検討に際して用いる記号を図13に示す。3個の識別コードが均等に見える場合であっても全ての識別コードが有効画像率Rvの範囲に収まるための条件は次のとおりである。有効画像率Rv内に収まる識別コードの領域径をL0とし、図13において、ひとつの識別コード領域の中心がX軸上のxにあり、球中心Oから仰角αとすると、x=cos(α)=1/√3=0.577である。領域投影円半径dは、d=R(Rv−1/(√3))(=0.816−0.577=0.239)である。有効画像領域の仰角をβとすると、cos(β)=Rvである。従って、球面上の領域径L0は、L0=(α−β)=acos(x)−acos(Rv)となる。
【0048】
有効画像率Rvと領域径L0と配置可能数nの関係を図14に示す。図14より、正六面体配置でL0=1.87(球半径R=5.5mmのとき、R=1.0のときはL0=0.34)程度であれば、必ず一つ以上の識別コードが画像に写ることが保証される(ただし、配置可能数n=6、即ち、正六面体の場合)。即ち、6個の識別コードを2次元的に等間隔に付した場合(正六面体配置)、球状遊技媒体の半径をR[mm]としたときに識別コードが半径(0.34×R)の面積内に納まる大きさであれば、必ず一つ以上の識別コードが画像に写ることが保証される。ただし、有効画像率Rv=0.8の場合である。なお、「半径が0.34×Rの面積内に収まる大きさ」とは、正確には、「球状遊技媒体の半径をR[mm]としたときに、球面に付された識別コードの中心を球の中心に一致させて平面に投影したときの大きさが、半径が0.34×Rの円内に収まる大きさ」を意味する。実際の3次元の球面上での大きさは、「平面に投影したときの大きさ」に比べて10%〜20%程度大きくなることに留意されたい。
【0049】
(6)同値異コード(冗長コード)について
球状遊技媒体を選別するのに、複数の同一の識別コードを付す必要はない。(4)、(5)での検証の結果から、正六面体の場合、球状遊技媒体の中心を挟んで対向している識別コード同士が同じであれば、その2個の識別コードのいずれか一方は必ず画像に写るから、その識別コードは確実に画像に捉えることができる。より詳しくは、識別コードの一部は写るが、完全な形で写ることが保証されるのは6個のうちの一つだけである。同様のことは正八面体についても言える。従って、6個又は8個の識別コードが球状遊技媒体の表面に2次元的に等間隔に付されており、隣接する識別コード同士は異なる点群レイアウトであり、球状遊技媒体の中心を挟んで対向している識別コード同士は同じ点群レイアウトであれば、球状遊技媒体を選別できるとともに、より多くの情報を球状遊技媒体に付すことができる。以下、この点について検証する。
【0050】
G個のブロックの全てに異なる識別コードを割り当てると、照合の為のキーもG個必要となる。しかし、1回の撮影では半球しか写らないので同時にG/2個しか照合キーは必要としない。例えば、正六面体の対向する2個の面は1回の撮影では同時に画像上に現れることはないので、これを共通ブロックとして、同じコードを球状遊技媒体に付し、3個の共通ブロックに3個のキーを割り当てれば6ブロックの照合が可能となる。
【0051】
さらに、冗長性とセキュリティ性の為に全ブロック異なるコード値でキーの量を減らしたい。そのために、例えば、3点コードで点間配置可能数nのとき点間(k0、k1、k2)とすると生成されるコードを重複しない数値Ecにコード化すると、Ec=k2・n+k1・n+k0となる。組み合わせ数Eを共通ブロック数Tで割った値をFとすると、F=E/T(ただしFは整数)である。すると、j、mを整数として、Ec=j×F+mと表せる(ただし、0≦j<T、0≦m<F)。共通ブロック内のどのブロックにも共通するmと、第0番共通ブロックコードはj=0、第二番はj=1・・・となる識別コードを割り当てることが可能となる。このことを図で例示したのが図15である。撮影画像の(k1,k2,k3)から生成された値EcをFで割った商jが共通ブロック番号を、余りmがキーを示すので、認識装置(例えば後述する選別装置の画像処理ユニット)は自己に設定されたキー値Kmと算出された余りmが等しいか否かを判定すればよい。なお、上記した「Ec=k2・n+k1・n+k0」の式は、概算値を算出する式であることに留意されたい。実際には、E個のエントリを持つテーブルに(k0、k1、k2)の値を保持し、そのインデックス値がEcとなる。
【0052】
以上、例示したように、隣接する識別コード同士は異なる点群レイアウトであり、球状遊技媒体の中心を挟んで対向する識別コード同士は同じ点群レイアウトであると、球状遊技媒体の選別に有利である。
【0053】
上記した球状遊技媒体では、その表面に複数の識別コード領域が存在している(例えば図9)。そして、その識別コード領域内に識別コードが表示されている。識別コードは典型的には点と点の間の距離に情報を対応させた点群で表される。そして、少なくとも1つの識別コード領域(例えば領域A)とその識別コード領域(領域A)の隣の識別コード領域(例えば領域B)との間の表面に沿った距離が、その識別コード領域(領域A)と他方の隣の識別コード領域(領域B)との間の表面に沿った距離と等しくなっている。なお、「等しい」とは、厳密に「等しい」場合だけでなく、一見したときに「等しい」と認められる程度に等しい場合を含むことに留意されたい。
【0054】
さらに、「その識別コード領域と他方の隣の識別コード領域との間の表面に沿った距離と等しい」ことに含まれる事例を説明する。
(ケース1)少し解像度の高いカメラを使う場合であり、単一の識別コードのサイズ(識別コード領域の大きさ)を10%程度小さくして、隣接する一方の識別コードの位置をその10%分だけずらす。すなわち、解像度の高いカメラを用いる場合には、「その識別コード領域と他方の隣の識別コード領域との間の表面に沿った距離」が10%程度異なる場合も「等しい」に含まれる。なお、この場合、全ての識別コードは必ず正六面体中央位置から10%以内に配置され、間隔の平均値は一致し正六面体配置範囲に必ず収まる。
(ケース2)識別コードが点群で表される場合、一つの識別コードに含まれる点群のなかで2点間の距離が最長となる2点を結ぶ直線方向ではない方向にずらす。この場合、全ての識別コード間隔の平均は一致し、正六面体配置範囲に必ず収まる。
(ケース3)確率的に撮影できない場合があることを承知の上で(許容した上で)、単に上記ケース1やケース2において各点が正六面体配置範囲に収まらない識別コードを1個以上含む場合。この場合、全ての識別コード間隔の平均はずれる。正六面体配置範囲に収まらない識別コードが存在する。
(ケース4)識別コードを5個しか配置せずこれらを正六面体配置し、等間隔ではない箇所を設ける。
【0055】
3.選別装置
次に、識別コードが付された球状遊技媒体を選別する装置(選別装置)について説明する。図1を参照して説明したように、遊技場は多数の選別装置8a、8b、及び、8cを備えており、備えられる場所によって判別する識別コードが異なる。しかし、機械的構成は皆同じである。以下では、種々の選別装置8a、8b、及び、8cを代表して「選別装置8」と称する。また、以下では、簡単のため、球状遊技媒体Qをパチンコ玉Qと称する。パチンコ玉Qには、前述した識別コードが印刷されている。
【0056】
図16(A)に選別装置8の平面図を示し、図16(B)に選別装置8の側面図を示す。なお、理解を助けるために、側面図(図16(B))では選別装置内の主要な部品のみを示しており、また平面図(図16(A))では、側面図に現れる部品のうち誘導路32(後述)よりも上方に位置する部品は図示していない。また、図中のZ軸が鉛直方向に相当する。選別装置8に導入されたパチンコ玉Qaは、まず上皿41にまとめて蓄えられる。選別装置8内にはパチンコ玉を誘導する誘導路32が設けられている。誘導路32は、角度Aの傾斜をもって、上皿41と第1玉ケース47あるいは第2玉ケース48の間を繋いでいる。誘導路32の上側は開放されており(或いは透明な板で覆われており)、後述するカメラ44が誘導路内を転がるパチンコ玉を撮影できるようになっている。上皿41内のパチンコ玉Qaは、重力により誘導路32を下流へと転がり流れ、第1玉ケース47あるいは第2玉ケース48へ達する。誘導路32の上流側(上皿41に近い側)には歯車31が配置されており、上皿41から流れてきたパチンコ玉Qbは、この歯車31で一旦せき止められる。歯車31はゆっくり回転し、歯が1ピッチ回転する毎にパチンコ玉が一つずつ下流へと送られる。歯車31には、ストッパ42と、ストッパ42を作動させるソレノイド43が配置されている。コントローラ(不図示)が異常を検知すると、ソレノイド43を駆動し、ストッパ42を動かして歯車31の回転を停止する。歯車31が玉切手段の一例に相当する。
【0057】
歯車31の下流側において、誘導路32内に仕切り板33、34が配置されており、これらの仕切り板によって誘導路はほぼ直角に屈曲している。後述するように誘導路32を視野に含めるカメラ44が配置されているが、誘導路32の一部は、カメラ44の視野を通過しており、さらにはカメラ44の視野内で屈曲している。さらに厳密に表現すれば、誘導路32は、カメラ44の視野内であってカメラ44の光軸に交差する面内で屈曲している。
【0058】
歯車31から流れてきたパチンコ玉Qcは、第1の仕切り板33に衝突し(パチンコ玉Qd)、進行方向をほぼ90度変更したのち、重力によってさらに下流側へ90度進路を変更し、そこで第2の仕切り板34に衝突する(パチンコ玉Qe)。第2の仕切り板34に衝突したパチンコ玉Qeは再度、進行方向を約90度変え、重力によってさらに進行方向を90度変更する(パチンコ玉Qf)。誘導路32のさらに下流には、移動仕切り板35が備えられている。コントローラ(不図示)は、画像処理の結果に基づいて移動仕切り板35を駆動し、流れてきたパチンコ玉を、第1玉ケース47あるいは第2玉ケース48のいずれかに振り分ける。
【0059】
符号Pvはカメラ44の視野を示している。カメラ44は、パチンコ玉が第1仕切り板33に衝突して減速している間(パチンコ玉Qd)、及び、第2仕切り板34に衝突して減速している間(パチンコ玉Qe)にパチンコ玉を撮影する。パチンコ玉は、Qdの位置からQeの位置へ移動する間に転がるので、Qdの位置で撮影した画像とQeの位置で撮影した画像は、同一のパチンコ玉でありながら異なる面を撮影したものとなる。前述したように、パチンコ玉には複数の識別コードが2次元的に等間隔に付されているので、画像処理ユニット45は、位置Qdと位置Qeの2枚の画像から幾つかの識別コードを読み取ることができる。
以上説明した選別装置では、レンズを下に向けてカメラを配置した。これは、カメラの視野内を流れるパチンコ玉の速度を上がり難くするために、パチンコ玉の通路(誘導路)を小さい高低差で傾けるためと、レンズとパチンコ玉の間にゴミ等が存在することを予防するためである。
【0060】
画像処理ユニット45は、予め登録されている識別コードのテンプレートを画像と照合し、パチンコ玉に付された識別コードがテンプレートと一致するか否かをチェックする。例えば、選別装置8が、図1の遊技機6に内蔵された選別装置8aである場合、選別装置8aには、遊技機6に対応する識別コードのテンプレートが記憶されおり、画像中のパチンコ玉の識別コードがそのテンプレートに一致するか否かをチェックする。画像処理ユニット45(選別装置のコントローラ)は、パチンコ玉の識別コードがテンプレートと一致した場合には、移動仕切り板を図16(A)の符号35aが示す位置に移動し、パチンコ玉Qfを第2玉ケース48へと誘導する(パチンコ玉Qh)。他方、パチンコ玉にテンプレートと一致する識別コードが抽出できなかった場合には、移動仕切り板を図16(A)の符号35bが示す位置に移動し、パチンコ玉Qfを第1玉ケース47へと誘導する(パチンコ玉Qg)。すなわち、選別装置8は、予め定められた識別コードが検出できたパチンコ玉と検出できなかったパチンコ玉を選り分ける。移動仕切り板35が、選別手段の一例に相当する。なお、テンプレートと画像の照合アルゴリズムについては、様々な手法が広く知られているのでここではその説明は省略する。
【0061】
画像処理ユニット45は、複数の画像に対してテンプレートマッチングを実施するので、画像から複数の識別コードを抽出する。それぞれの識別コードに対してテンプレートマッチングを実施し、一致する識別コードが一つでもないかをチェックする。このように一つのパチンコ玉に付されている複数の識別コードでテンプレートマッチングを実施するので、高い認識率(そのパチンコ玉が定められた識別コードを有しているか否かの認識率)が期待できる。
【0062】
また、選別装置8は、誘導路32を転がり流れてくるパチンコ玉が誘導路の壁に衝突して減速している間の画像を用いて識別コードを読み取る。パチンコ玉の動きが遅くなったときの画像を用いることでも、画像処理による識別コードの認識率が向上する。
【0063】
なお、図1の計数機14が内蔵する選別機では、複数のテンプレート(遊技機6用の識別コードに一致するテンプレートと遊技機7用の識別コードに一致するテンプレート)を記憶しており、それぞれのテンプレートを使って照合する。その結果、遊技機6用の識別コードが抽出できたパチンコ玉と、遊技機7用の識別コードが抽出できたパチンコ玉と、いずれの識別コードも抽出できなかったパチンコ玉を夫々選り分ける。なお、本実施例の選別装置8は、先に説明した点群の識別コードが付された球状遊技媒体を選別するのに好適ではあるが、識別コードはこれに限られるものではない。
【0064】
球状遊技媒体に付されている識別コードがテンプレートと僅かに相違する場合であっても、その識別コードはテンプレートと一致していると判断できることが好ましい。そのため、選別手段は、遊技媒体に付されている識別コードとテンプレートとの一致度を算出し、一致度が閾値よりも高い遊技媒体を選別することが好ましい。さらに選別手段は、複数の画像の夫々に対して一致度を算出し、複数の一致度に基づいて遊技媒体を選別することが好ましい。なお、カメラ44の画像を解析する画像処理ユニット45、移動仕切り板35、及び、画像ユニット45の結果に基づいて移動仕切り板35を制御するコントローラが、「選別手段」の一態様に相当する。
【0065】
次に、誘導路32を流れるパチンコ玉とカメラとの間の距離Ldとカメラの焦点距離fとの関係について説明する。図17に示すように、カメラ44の焦点距離をf、カメラ44と誘導路32(パチンコ玉Q)との間の距離をLd、パチンコ玉Qに写り込んでいるカメラレンズの画像上の径をLc、パチンコ玉Qの半径をR、比例定数をCとすると、Lc=C×f/(2Ld)の関係が成立する。識別コードとして、前述した点群で表されるコードを用いるとすると、2点間の最小距離Lm(予め定められている)よりも、パチンコ玉に写り込んでいるレンズの画像上の径Lcが小さければ、識別コードを構成する複数の点が同時にレンズの写り込みに隠れることがない。例えば、焦点距離f=2.9[mm]、Ld=10[mm]、比例定数C=37.93(発明者による実測値)とし、2点間の最小距離Lmを0.3[mm]とすると、カメラ44と誘導路32との間の距離Ld=37.93×2.9/(2×0.3)=183[mm]となる。即ち、識別コードにおける2点間の最小距離Lmを0.3[mm]とした場合、焦点距離f=2.9のカメラであれば、カメラ44と誘導路32との間の距離Ldを183[mm]以上とすれば、パチンコ玉に写り込んだレンズの中に複数の点が含まれることがなく、識別コードの認識率低下を防止できる。なお、カメラ44と誘導路32の間にハーフミラーを配置してパチンコ玉への写り込みを防止することも好適である。球面に対して直接に十分な照明が与えられる場合や、ハーフミラーで反射した照明光を照射して、レンズからの光が相対的に低下することで、球面で反射するレンズの影が薄くなり、画像処理がし易くなる。
【0066】
4.識別コードの印刷装置、及び印刷方法
次に、球状遊技媒体へ識別コードを印刷する装置について説明する。図18に、識別コード印刷装置60の模式図を示す。印刷装置60は、電解着色法により、球状遊技媒体Qに点群で表される識別コードを付すことができる。なお、印刷できるマークは点群に限られない。電解着色法そのものについては良く知られているので説明は省略する。図中のZ軸が鉛直方向に相当する。ここでも、理解をし易くするため、「球状遊技媒体」を「パチンコ玉」と称することにする。
【0067】
印刷前のパチンコ玉Qaは、上皿61に蓄えられる。上皿61から第1ガイドディスク65に向けて第1案内路63が通じている。なお、第1案内路63の途中には玉入ストッパソレノイド62が配置されており、異常時にはこの玉入ストッパソレノイド62が作動して第1案内路63を閉じてパチンコ玉Qaの供給をストップする。
【0068】
第1ガイドディスク65は、外周に溝65aが設けられた円板である。なお、第1ガイドディスク65は、パチンコ玉と接触して通電可能であってさらに腐食し難いステンレスやカーボンで作られているのが好ましい。そのため、接触部には弾性を持たせた切り込みが入れられている。図18の第1ガイドディスク65にはその外周に等間隔に8個の溝65aが設けられている。溝を示す符号「65a」は一つの溝にのみ付していることに留意されたい。第1案内路63の下端は第1ガイドディスク65の外周に面して開いており、先頭のパチンコ玉は第1ガイドディスク65の外周に突き当たる。第1ガイドディスク65は、ステッピングモータ66によって、一定回転で反時計回りに回転する。なお、第1ガイドディスク65の回転は、歯車位置センサ67によって検知され、そのセンサデータに基づいてステッピングモータ66が正確に制御される。溝65aがちょうど第1案内路63の下端に到達すると、パチンコ玉が一つ、溝65aに収容される(パチンコ玉Qb)。パチンコ玉Qbの位置には玉通過センサ64が設置されており、このセンサによって、溝65aに新たにパチンコ玉が収容されたことが検知される。なお、図18では図示を省略しているが、溝65aには電解着色法にて所望の形状の識別コードを印刷するための円筒状のステンシル(マスク)が配置されている。ステンシルは一対で一組であり、それぞれのステンシルの端部には半球状の窪みが設けられている。パチンコ玉は、一対のステンシルの窪みに挟み込まれる。ステンシルについては後に説明する。
【0069】
溝65aに収容されたパチンコ玉Qbは、第1ガイドディスク65の回転に伴い、印刷槽68へと運ばれる。印刷槽68には、電解液を噴射するノズルが配置されている。印刷槽68の中をパチンコ玉Qcが通過している間に、ノズルを介して電解液がパチンコ玉に噴射される。さらに印刷槽68の中で、パチンコ玉とステンシルの間に電圧が印加され、ステンシルに設けられた孔と同じ形状のマークがパチンコ玉Qcの表面に形成される(識別コードが印刷される)。
【0070】
印刷済みのパチンコ玉は、さらに運ばれてQdの位置に到達する。ここでパチンコ玉Qdは自重により第2案内路69を通って第2ガイドディスク71の溝71aに収容される(パチンコ玉Qe)。第2ガイドディスク71にもその外周に等間隔に8個の溝71aが設けられている。第1ガイドディスク65と同様に、第2ガイドディスク71についても、溝を示す符号「71a」は一つの溝にのみ付していることに留意されたい。第2ガイドディスク71は、歯車位置センサ73とステッピングモータ72によって正確な角速度で時計回りに回転する。
【0071】
パチンコ玉Qeは、第2ガイドディスク71によって運ばれ、洗浄槽74に到達する(パチンコ玉Qf)。ここで、パチンコ玉Qfは、水洗ノズル(不図示)から噴射される水で洗われる。パチンコ玉Qfは第2ガイドディスク71によってさらに運ばれ、脱水槽75に到達する(パチンコ玉Qg)。脱水槽75にはエアを噴射するノズル(不図示)が備えられており、噴射されるエアによって、パチンコ玉Qg表面の水滴が吹き飛ばされる。
【0072】
パチンコ玉Qgはさらに運ばれ、Qhの位置に到達する。ここでパチンコ玉Qhは、第3案内路76を通って乾燥槽80に移動する(パチンコ玉Qj)。乾燥槽80には温風ファン81が備えられており、この温風ファン81によってパチンコ玉Qjは乾燥させられる。最後にパチンコ玉Qjは、第4案内路82を通り、貯玉槽84に収容される。こうして、パチンコ玉に順次に所望の識別コード(マーク)が印刷されていく。なお、第4案内路82には、玉センサ83が設けられており、貯玉槽84が満杯になったことを検知すると、コントローラ(不図示)が印刷装置60全体の動作を停止する。
【0073】
図19に、一対のステンシル90a、90bの側面図を示す。前述したようにステンシル90a、90bは、第1ガイドディスク65の溝65aに配置されており、第1案内路63を通ってきたパチンコ玉は、一対のステンシル90a、90bに挟み込まれる。
【0074】
夫々のステンシル(90a又は90b)は、円筒状をなしており、その先端には半球状の窪み(92a、92bが形成されている。窪み92a、90bの直径は、パチンコ玉Qの直径とほぼ同じであり、内部にちょうどパチンコ玉が嵌り込む大きさである。それぞれの窪み92a、92bの半球面には、識別コードである点群のレイアウトと同じ配置の孔(不図示)が設けられている。例えば、正六面体の各面に相当する6箇所に識別コードを付する場合、一方の窪み面には互いに隣接する3個の識別コードに相当する孔が設けられており、他方の窪み面にも互いに隣接する3個の識別コードに相当する孔が設けられている。一対のステンシル90a、90bが合わさったとき、正六面体の各面に相当する6箇所に識別コードに対応した孔が配置される。一対のステンシル90aと90bでパチンコ玉Qを挟み込んだとき、ちょうど全ての識別コードに対応する部分がステンシルから露出することになる。
【0075】
図19(A)は、パチンコ玉Qを挟み込む前のステンシル90a、90bを側面から見たときの図を模式的に示しており、図19(B)は、パチンコ玉Qを挟み込んだステンシル90a、90bを側面から見たときの図を模式的に示している。図19A、Bに示すように、窪み92a(92b)の背後には電極94a(94b)が配置されている。
【0076】
ステンシル90aの内部には、カーボン製のマーカヘッド99aが配置されている。マーカヘッド99aのほぼ中央には、電解液噴射口97aが設けられている。電解液は、電解液噴射口97aを通じて供給され、窪み92aに設けられた孔96aに充填される。ステンシル90aと同様にステンシル90bにも、マーカヘッド99b、電解液噴射口97b、孔96bが設けられている。また、パチンコ玉Qには、回転軸93から伸びるガイドディスク電極98が接触している。ガイドディスク電極98はAC電源95の一方の電極に接続されており、AC電源95の他方の電極は電極94a、94bに接続されている。
【0077】
電解着色法による識別コードの印刷プロセスについて簡単に説明しておく。一対のステンシル90a、90bの間にパチンコ玉Qを収容した状態で電解液を吹きかける。パチンコ玉Qを正極とし、ステンシル90a、90bを負極として電流を流すと、窪み92a(92b)の孔の形状にパチンコ玉の表面の金属イオンが電解液中に溶け出す。溶け出した金属イオンは化学反応により黒色に変化する。次いで今度は逆に、パチンコ玉Qを負極とし、ステンシル90a、90bを正極として電流を流すと、黒色に変化した金属イオンが窪み92a(92b)の孔を通してパチンコ玉Qに付着する。こうして、ステンシル90a、90bの孔の配置と同じ配置の点群(識別コード)がパチンコ玉Qに形成される。一対のステンシルには全ての識別コードに対応する孔が設けられており、パチンコ玉Qの表面に等間隔に複数の識別コードが同時に形成される。
【0078】
5.選別装置の他の実施形態
以下では、直径が規定直径(例えば5.5mm)よりも小さい小径のパチンコ玉を選別する選別装置の実施形態を説明する。
【0079】
(1)サイズ異常玉選別装置その1
図20に選別装置200の要部機構の模式図を示す。選別装置200は、周方向に沿って8個の通路孔204が設けられたガイドディスク202を備えている。図21に、図20のBB線に沿って見たときのガイドディスク202の断面図、及び、ガイドディスク202に付随する機構の模式図を示す。
【0080】
ガイドディスク202は、モータ209によって図20において反時計回りに回転する。ガイドディスク202は、軸Cを中心に回転し、夫々の通路孔204は、後述する第1ポジション204a、第2ポジション204b、及び、第3ポジション204cへと順次移動する。選別装置200には、ガイドディスク202の一方の面(図21において左側の面)の側に、パチンコ玉Qを供給する供給路206が設けられている。供給路206は、ガイドディスク202の通路孔204が第1ポジション204a(供給ポジション)に移動したときにパチンコ玉Qを供給する位置に配置されている。
【0081】
通路孔204に供給されたパチンコ玉は、もしそのパチンコ玉の直径が規定直径F0である場合(別言すれば、選別したい小径パチンコ玉の直径F1よりも大きい場合)、供給路206と同じ側に配置された排出路208へと案内される。他方、供給されたパチンコ玉の直径が直径F1未満である場合には、供給路206とは反対側(図21において右側)に配置された選別路220へと案内される。以下、その機構を説明する。なお、以下では、選別したい小径パチンコ玉の直径F1を閾値直径と称する。
【0082】
図21に示すように、通路孔204は、ガイドディスク202の一方の面(図21において左側の面)から他方の面(図21において右側の面)に向けて先細りのテーパ状に形成されている。右面における開口直径L2は、閾値直径F1よりも僅かに大きい。ガイドディスク202の左面における開口直径をL1で表すと、左側開口直径L1、右側開口直径L2、は、以下の関係を満たすように定められる。閾値直径F1よりも大径のパチンコ玉が、通路孔204を通過しないためにL2は、F0>L2を満たすように定められる。ガイドディスク202が滑らかに回転するためには、ガイドディスク202の厚み方向の中央での孔径が規定直径F0となるのが好ましいので、F0=(L1−L2)/2+F1を満たすように、左側開口直径L1が定められる。即ち、L1=2(F0−F1)+L2となるように左側開口直径L1が定められる。なお、ガイドディスク202の厚みdには強い制約はないが、右側開口直径L2側の材質強度が許す厚みに定められる。
【0083】
通路孔の第2ポジション204b(チェックポジション)に対応する位置においてガイドディスク202の左側には、チェック突起212が配置されている。チェック突起212の背後にはバネ214が備えられており、チェック突起212をガイドディスク202に向けて付勢している。チェック突起212は、第2ポジション204bに到達したパチンコ玉Qbが、その直径が閾値直径F1よりも小さいにも関わらずに通路孔204に引っ掛かっていた場合にパチンコ玉Qbを選別路220の側へ押し出す。チェック突起212の可動範囲Mは、閾値直径F1よりも大径のパチンコ玉が第2ポジション204bに到達した際にガイドディスク202の厚み方向中央から距離F1だけ後退できる必要があるのでM=F1−d/2を満足するように定められる。
【0084】
通路孔の第3ポジション204c(排出ポジション)に対応する位置のガイドディスク202の右側には、排出突起216が配置されている。排出突起216の背後にはバネ218が備えられており、排出突起216をガイドディスク202に向けて付勢している。排出突起216は、第3ポジション204cに到達したパチンコ玉Qcを、排出路208へと押し出す。排出突起216の先端は丸みを帯びておりその曲率半径Rは、パチンコ玉自身が球面で回転に伴って徐々に当接するので強い制約はないが、摩擦によるガイドディスク202の回転を止める作用を少なくするように、装置が許す限り大きいことが望ましい。
【0085】
選別装置200では、ガイドディスク202に設けた通路孔204をテーパ状としたことにより、通路孔内でのパチンコ玉の摩擦を低く抑えて通路孔内に留まってしまう可能性を小さくしている。また、仮に通路孔204内にパチンコ玉が留まったとしても、モータ駆動によりパチンコ玉を通路孔204から押し出すことができる。
【0086】
(2)サイズ異常玉選別装置その2
図22に、他の実施形態の選別装置300の要部機構の模式図を示す。選別装置300は、選別装置200の変形例である。図22(A)は、ガイドディスク304を水平方向から見た図を示しており、図22(B)は、図22(A)のBB線に沿って見たときのガイドディスク304の断面図を示している。
【0087】
ガイドディスク304は、ディスク面を垂直方向に対して45度傾けた状態で支持されており、軸Cを中心に回転する。ガイドディスク304には、その周方向に沿って8個の通路孔304が設けられている。通路孔304の形状とサイズは、選別装置200における通路孔204と同じであり、テーパ状に形成されている。即ち、ガイドディスク304は、一方の面が他方の面よりも上方に位置するように傾けて配置されており、通路孔のディスク上面側開口直径L1がディスク下面側開口直径L2よりも大きい。ディスク下面側開口直径L2は、選別したいパチンコ玉直径(閾値直径F1)よりもわずかに大きい。
【0088】
ガイドディスク304の上面側には、通路孔304にパチンコ玉を供給する供給路306と、パチンコ玉を排出する排出路308が配置されている。ガイドディスク304の下面側には、通路孔下面側開口直径L1よりも小径のパチンコ玉を選別する選別路320が配置されている。
【0089】
供給路306は、第1ポジション304a(供給ポジション)に到達した通路孔にパチンコ玉Qを供給する。パチンコ玉Qが供給されるとそのパチンコ玉Qの自重によりガイドディスク302が反時計回りに回転する。供給されたパチンコ玉の直径が下側開口直径L2よりも小さい場合(即ち、パチンコ玉の直径が閾値直径F1よりも小さい場合)、パチンコ玉は通路孔304を通過して下側の選別路320へと移動する(パチンコ玉Qb)。供給されたパチンコ玉の直径が下側開口直径L2よりも大きい場合には、第2ポジション304c(排出ポジション)に到達したパチンコ玉Qcは、ガイドディスク304の下側に配置された排出突起334に押し出され、排出路308へと移動する。
【0090】
ガイドディスク304の外周には、隣接する通路孔304の間の位置に切欠305が設けられている。また、ガイドディスク304の外側にラチェット332が配置されている。ラチェット332は回転軸を挟んでツメと錘を備えており、ツメはガイドディスク304の切欠305に係合する位置にある。第1ポジション304aにてパチンコ玉が通路孔304に供給されると、パチンコ玉の自重がラチェット332の係合力に勝り、ガイドディスク302が回転する。パチンコ玉の供給がなくなると、ラチェット332の係合によりガイドディスク302の回転が止められる。
【0091】
ガイドディスク302には磁石340が埋設されており、この磁石340がガイドディスク302の下側に配置されたリードスイッチ(不図示)の上を通過する毎に、リードスイッチが信号をコントローラ(不図示)に送信する。コントローラはリードスイッチから送られる信号をカウントすることによってガイドディスク302の回転数を検知する。
【0092】
(3)サイズ異常玉選別装置その3
次に、全く別の機構による選別装置400を説明する。図23は、選別装置400の仕組みを模式的に示す図である。選別装置400は、パチンコ玉の通路402の途中に光センサ群を配置した構成を有している。
【0093】
通路402は、水平に対して僅かに傾斜しており、パチンコ玉は自重で通路402を流れる。通路402の途中には、主発光素子403、通過確認用発光素子404、主受光素子406、サブ受光素子405、通過確認用受光素子407が配置されている。発光素子群は、通路402の一方の側壁に配置されており、受光素子群は他方の側壁に配置されている。
【0094】
主発光素子403は、想定している小径の遊技媒体の直径(閾値直径F1)と同じ高さHで光線が通路402を横切るように配置されている。主受光素子406は、主発光素子403が発した光線であって通路402を横切った後の光線を受光する位置に配置されている。別言すれば、主受光素子406は主発光素子403とほぼ同じ高さHに配置されている。通路402の下流では通路は2方向に分岐しており、分岐方向を切り換える切換器(不図示)が備えられている。切換器は、パチンコ玉が光線を横切ったときに主受光素子406が受光した光量に応じて、光線横断後のパチンコ玉の通路を切り換える。
【0095】
通過確認用発光素子404は、主発光素子403が発する光線よりも低い位置で光線が通路402を横切るように配置されている。通過確認用受光素子407は、通過確認用発光素子404とほぼ同じ高さに配置されており、通過確認用発光素子404が発した光線であって通路を横切った後の光線を受光する。切換器は、通過確認用受光素子407によってパチンコ玉の通過が確認されたときに主受光素子403が受光した光量に応じて、光線横断後のパチンコ玉の通路を切り換える。
【0096】
主受光素子406の上方にはサブ受光素子405が配置されている。さらに、そのサブ受光素子405の上方から通路402の上方へと伸びている光遮蔽板410が設けられている。切換器は、パチンコ玉が光線を横切ったときに主受光素子406とサブ受光素子405が受光したそれぞれの光量に応じて、光線横断後のパチンコ玉の通路を切り換える。
【0097】
具体的には、主受光素子403が発した光りを遮断するパチンコ玉の直径が大きいほど、主受光素子406が受光する光量が少なくなる。そのため、主受光素子406が受光する光量に閾値を設けており、切換器は、光量が閾値を下回った場合に、そのときのパチンコ玉を選別するように通路を切り換える。
【0098】
光遮蔽板410とサブ受光素子405は、パチンコ玉の直径が閾値直径F1より小さいか否かを判定する際、パチンコ玉表面の反射率のばらつきによる判定精度の低下を抑制する目的で配置されている。例えば、パチンコ玉の表面反射率をTで表し、主受光素子406が受光する光量をS1、サブ受光素子40が受光する光量をS2とすると、光量の比R=TS1/(TS1+TS2)=S1/(S1+S2)は、反射率Tに依存しないので、パチンコ玉の直径が閾値直径F1よりも小さいか否かを判定するのに反射率Tの影響を受けなくなる。従って、主受光素子403のみで判断する場合に比べて、パチンコ玉の表面反射状態に依存しない検出が可能となる。
【0099】
図23のように、通路402を通過するパチンコ玉の半径をr、主発光素子403の高さをH、パチンコ玉の中心から受光素子までの距離をDとする。また、パチンコ玉の規定直径をR、光束半径をφとし、主発光素子403が発した光りが当ったパチンコ玉上の座標をP(x,y)、パチンコ玉の中心とP(x,y)を結ぶ直線が鉛直方向となす角度をθとする。このとき、cos(θ)=(H−r)/rより、θ=acos((H−r)/r)となる。このθからx=−rsin(θ)となる。受光素子へ入射する光遮蔽板入り口でのY座標ys=H+(D−x)tan(2θ)となる。ys=H+Gとなる閾値ys0は、G=(D+rsinθ)tan(2θ)となる。
【0100】
通過確認用発光素子404と通過確認用受光素子407は、パチンコ玉が通過したことを確実に検知するために備えられている。なお、発光素子403、404は、半導体レーザ、あるいは、光りが広がり難く細い光学レンズ系を備えたLEDであることが望ましい。さらに、光軸のずれを抑えるため、受発光素子を固定する部品は、通路402に固定されていることが好ましい。
【0101】
また、上記説明した選別装置の技術は、メダル等の円板状の遊技媒体に適用することも可能である。さらにまた、遊技媒体を通路の途中でひっくり返すか、あるいは鏡を使って両面を1つのカメラで撮影するように構成することも好適である。
【0102】
上記説明した技術についての留意点を述べる。実施例では球状遊技媒体としてパチンコ玉を扱ったが、本明細書が開示する技術は、球状であればパチンコ玉に限られない。
【0103】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0104】
2:ホールコンピュータ
4a。4b:島コンピュータ
6、7:遊技機
8:選別装置
12:アウトメータ
14:計数機
31:歯車
32:誘導路
41:上皿
42:ストッパ
43:ソレノイド
44:カメラ
45:画像処理ユニット
47、47:玉ケース
60:識別コード印刷装置
61:上皿
62:玉入ストッパソレノイド
63、69、76、82:案内路
64:玉通過センサ
65、71:ガイドディスク
65a、71a:溝
66、72:ステッピングモータ
67、73:歯車位置センサ
68:印刷槽
74:洗浄槽
75:脱水槽
80:乾燥槽
81:温風ファン
83:玉センサ
84:貯玉槽
90:ステンシル
100:システム
200、300、400:選別装置
202、302:ガイドディスク
204、304:通過孔
206、306:供給路
208、308:排出路
209:モータ
220:選別路
212:チェック突起
214、218:バネ
216:排出突起
305:切欠
332:ラチェット
334:排出突起
340:磁石
402:通路
403:主発光素子
404:通過確認用発光素子
405:サブ受光素子
406:主受光素子
407:通過確認用受光素子
410:光遮蔽板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状遊技媒体の表面に複数の識別コード領域が存在しており、その識別コード領域内には識別コードが表示されている、ことを特徴とする球状遊技媒体。
【請求項2】
少なくとも1つの識別コード領域とその識別コード領域の隣の識別コード領域との間の表面に沿った距離が、その識別コード領域と他方の隣の識別コード領域との間の表面に沿った距離と等しいことを特徴とする請求項1に記載の球状遊技媒体。
【請求項3】
4個以上の識別コードが2次元的に等間隔に付されていることを特徴とする請求項2に記載の球状遊技媒体。
【請求項4】
識別コードの大きさが、球状遊技媒体を撮影したときの画像に少なくとも一つの識別コード全体が映る大きさであることを特徴とする請求項3に記載の球状遊技媒体。
【請求項5】
6個の識別コードが2次元的に等間隔に付されており、球状遊技媒体の半径をR(mm)としたときに識別コードの大きさが、半径が0.34×R(mm)の面積内に納まる大きさであることを特徴とする請求項4に記載の球状遊技媒体。
【請求項6】
識別コードは、2以上の点群で構成されるものであり、その点群のレイアウトが識別情報を表すものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の球状遊技媒体。
【請求項7】
2次元的に等間隔に付されている複数の識別コードのうち少なくとも1つが、他の識別コードとは異なる点群レイアウトであることを特徴とする請求項6に記載の球状遊技媒体。
【請求項8】
6個又は8個の識別コードが等間隔に付されており、隣接する識別コード同士は異なる点群レイアウトであり、球状遊技媒体の中心を挟んで対向している識別コード同士は同じ点群レイアウトであることを特徴とする請求項7に記載の球状遊技媒体。
【請求項9】
前記識別コードが、電解着色法によって球状遊技媒体に付されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の球状遊技媒体。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の球状遊技媒体を選別する選別装置。
【請求項11】
複数種類の遊技媒体が混在する場合に、遊技媒体の種類を判別する選別装置であって、
遊技媒体を撮影するカメラと、
カメラの視野内を通過しており、遊技媒体が流れる誘導路と、
誘導路の複数の場所で同一の遊技媒体を撮影した複数の画像を読み取り、特定の種類の遊技媒体を選別する選別手段と、
を備えることを特徴とする選別装置。
【請求項12】
誘導路を流れる遊技媒体の速度を減速させる減速手段をさらに備えており、
減速手段は、誘導路の複数の地点において遊技媒体の速度を減速させ、
選別手段は、前記複数の地点における画像に基づいて特定種類の遊技媒体を選別することを特徴とする請求項11に記載の選別装置。
【請求項13】
誘導路には複数の屈曲箇所が設けられており、
前記減速手段は、屈曲箇所に設けられた壁であって誘導路の上流から流れてくる遊技媒体が衝突する壁であることを特徴とする請求項12に記載の選別装置。
【請求項14】
前記屈曲箇所では、誘導路が直角に曲がっていることを特徴とする請求項13に記載の選別装置。
【請求項15】
遊技媒体を一つずつ誘導路に放出する玉切手段が誘導路の上流に備えられていることを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の選別装置。
【請求項16】
選別手段は、遊技媒体に付されている識別コードに基づいて特定の種類の遊技媒体を選別することを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の選別装置。
【請求項17】
遊技媒体に付されている識別コードは、点群であって、点群のレイアウトに情報が対応付けられたマークであり、点群における2点間の最小距離Lmよりも、遊技媒体に映り込んでいるカメラレンズの画像上の直径Lcが小さくなるように、誘導路とカメラの間の距離が設定されていることを特徴とする請求項16に記載の選別装置。
【請求項18】
選別手段は、
識別コードのテンプレートを記憶しており、遊技媒体の画像とテンプレートを比較してテンプレートが抽出できたか否かを出力し、
テンプレートが抽出できた遊技媒体とテンプレートを抽出できなかった遊技媒体を選別することを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載の選別装置。
【請求項19】
選別手段は、遊技媒体に付されている識別コードとテンプレートとの一致度を算出し、一致度が閾値よりも高い遊技媒体を選別することを特徴とする請求項18に記載の選別装置。
【請求項20】
選別手段は、複数の画像の夫々に対して一致度を算出し、複数の一致度に基づいて遊技媒体を選別することを特徴とする請求項19に記載の選別装置。
【請求項21】
請求項11から20のいずれか1項に記載の選別装置を備えた遊技機。
【請求項22】
請求項11から20のいずれか1項に記載の選別装置を備えたアウトメータ。
【請求項23】
請求項11から20のいずれか1項に記載の選別装置を備えた遊技媒体計数機。
【請求項24】
請求項11から20のいずれか1項に記載の選別装置を備えた遊技媒体補給装置。
【請求項25】
電解着色法によって識別コードが付された遊技媒体。
【請求項26】
球状の遊技媒体に電解着色法によって識別コードを印刷する装置であり、
半球状の窪みを有しており、当該窪みに識別コードの形状に貫通孔が設けられた一対のステンシルと、
一対のステンシルで球状遊技媒体を挟み込むとともに、球状遊技媒体に電解液を介して通電する電極と、
を備えることを特徴とする識別コード印刷装置。
【請求項27】
規定直径の遊技媒体と規定直径よりも小径の遊技媒体を選別する選別装置であり、
規定直径よりも小さい直径の貫通孔が設けられた円板と、
円板を回転させるモータと、
貫通孔が供給ポジションに位置するときに円板の一方の面側から貫通孔に遊技媒体を供給する供給路と、
円板が回転して貫通孔がチェックポジションに移動した際に貫通孔に嵌っている遊技媒体を一方の面側から他方の面側へ押し付けるチェック突起と、
円板がさらに回転して貫通孔が排出ポジションに移動した際に貫通孔に嵌っている遊技媒体を一方の面側へ押し出す排出突起と、
を備えることを特徴とする選別装置。
【請求項28】
規定直径の遊技媒体と規定直径よりも小径の遊技媒体を選別する選別装置であり、
規定直径よりも小さい直径の貫通孔が設けられている円板と、
貫通孔が供給ポジションに位置するときに円板の一方の面側から貫通孔に遊技媒体を供給する供給路と、
円板が回転して貫通孔が排出ポジションに移動した際に貫通孔に嵌っている遊技媒体を一方の面側へ押し出す排出突起と、
を備えることを特徴とする選別装置。
【請求項29】
貫通孔は一方の面側から他方の面側へ向けて先細りのテーパに形成されていることを特徴とする請求項27又は28に記載の選別装置。
【請求項30】
円板の周方向に沿って並ぶ複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項27から29のいずれか1項に記載の選別装置。
【請求項31】
規定直径の遊技媒体と規定直径よりも小径の遊技媒体を選別する選別装置であり、
遊技媒体を流す通路と、
想定している小径の遊技媒体の直径と同じ高さで光線が通路を横切るように配置された主発光素子と、
主発光素子が発した光線であって通路を横切った後の光線を受光する主受光素子と、
遊技媒体が光線を横切ったときに主受光素子が受光した光量に応じて、光線横断後の遊技媒体の通路を切り換える切換器と、
を備えることを特徴とする選別装置。
【請求項32】
主発光素子が発する光線よりも低い位置で光線が通路を横切るように配置された通過確認用発光素子と、
通過確認用発光素子が発した光線であって通路を横切った後の光線を受光する通過確認用受光素子と、
をさらに備えており、
切換器は、通過確認用の受光素子によって遊技媒体の通過が確認されたときに主受光素子が受光した光量に応じて、光線横断後の遊技媒体の通路を切り換えることを特徴とする請求項31に記載の選別装置。
【請求項33】
主受光素子の上方に配置されたサブ受光素子と、サブ受光素子の上方から通路の上方へと伸びている光遮蔽板と、
をさらに備えており、
切換器は、遊技媒体が光線を横切ったときに主受光素子とサブ受光素子が受光したそれぞれの光量に応じて、光線横断後の遊技媒体の通路を切り換えることを特徴とする請求項31又は32に記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−187318(P2012−187318A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54606(P2011−54606)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000106690)サン電子株式会社 (161)
【Fターム(参考)】