説明

識別コード検証装置、識別コード検証システム、識別コード検証方法、識別コード検証プログラム

【課題】識別コードの印刷と検証を別々に行なう場合や、様々なタイプの識別コードの検証を行なう場合に、検証を容易に行なうことができる識別コード検証装置、識別コード検証システム、識別コード検証方法、識別コード検証プログラムを提供することである。
【解決手段】印刷情報取得手段(132,132C)が取得したドットパターン(52b,53b)に対応する検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段(133)と、検証データ特定情報認識手段(133)が認識した検証データ特定情報に対応する検証データを用いて、印刷情報取得手段(132,132C)が取得したバーコード(52c,52d,53c)を検証する検証手段(134)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷されたバーコード等の識別コードを読み取り検証する、識別コード検証装置、識別コード検証システム、識別コード検証方法、識別コード検証プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプリンタを用いて識別コードとしてのバーコードをラベルに印刷し、印刷されたバーコードを、プリンタに内蔵されたスキャナにより読み取り、正常に印刷されたかどうか検証する検証機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−212373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の検証機は、プリンタ本体と、バーコード検証機としてのスキャナとが一体として備えられた検証機であったため、筐体の大型化が避けられなかった。また、検証機は、バーコード印刷及び検証専用のもとなってしまい、汎用性に乏しく、高価なものとなってしまうという問題があった。そのため、プリンタと検証機とが別体となっているものが所望されている。
しかし、プリンタと検証機とを別々に利用しようとした場合に、ラベルの大きさ、種類等が異なる様々なタイプの印刷物の検証をするには、検証すべき内容をその都度検証機に入力したり、検証内容を選択したりする必要が生じ、作業が煩雑になることが想定される。
【0005】
また、特許文献1には、プリンタと検証機とが別体ではなく、検証機と同じ筐体に収められたプリンタを用いてラベルを印刷し、そのラベル上に検証すべき内容自体をバーコード化して印刷する手法が開示されている。
【0006】
仮に、このラベルを応用することにより、プリンタと検証機とが別々の場合に、検証機側で検証すべき内容を特定することは可能である。しかし、検証すべき内容等の情報をバーコード等によりラベルのような印刷物上に印刷したのでは、本来必要なバーコードと同程度か、場合によってはより多くの情報を印刷物上に印刷することになる。その結果、印刷領域を無駄に使用することになり、より多くの用紙及びインクが必要となる。さらには、ラベル上に必要のないバーコードが残ることになり、見栄えも悪くなる。このように、特許文献1に開示されている手法は、実用上問題があった。なお、ラベル上の不要なバーコードは切り取ることも可能だが、切り取る作業が必要となり、また、切り取りを容易にするためには、切り取り線が必要となる等の問題があった。
【0007】
本発明の課題は、識別コードの印刷と検証を別々に行なう場合や、様々なタイプの識別コードの検証を行なう場合に、検証を容易に行なうことができる識別コード検証装置、識別コード検証システム、識別コード検証方法、識別コード検証プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
請求項1の発明は、検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを外部から取得する検証機登録データ取得手段(131)と、外部で印刷された印刷媒体を読み取る内蔵された、又は、外部に接続された読み取り手段(140,140C)と、前記読み取り手段が読み取った、前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報(52b,53b)、及び、識別コード(52c,52d,53c)を取得する印刷情報取得手段(132,132C)と、前記印刷情報取得手段が取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段(133)と、前記検証データ特定情報認識手段が認識した前記検証データ特定情報に対応する前記検証データを用いて、前記印刷情報取得手段が取得した前記識別コードを検証する検証手段(134)と、を備える識別コード検証装置(100,100C)である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の識別コード検証装置において、外部と通信可能な外部インタフェース(109)を備え、前記検証機登録データ取得手段(131)は、前記外部インタフェースを介して前記検証機登録データを外部から取得すること、を特徴とする識別コード検証装置(100,100C)である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の識別コード検証装置において、外部記憶媒体(40)を接続可能な外部記憶媒体インタフェース(110)を備え、前記検証機登録データ取得手段(131)は、前記外部記憶媒体インタフェースを介して前記外部記憶媒体から前記検証機登録データを取得すること、を特徴とする識別コード検証装置100,100C)である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の識別コード検証装置において、前記検証データには、前記識別コード(52c,52d,53c)の位置情報及び内容が含まれていることを特徴とする識別コード検証装置(100,100C)である。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の識別コード検証装置において、前記読み取り手段(140,140C)は、前記印刷媒体上にコード化されて印刷された前記印刷媒体固有情報(52b,53b)を読み取ること、を特徴とする識別コード検証装置(100,100C)である。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の識別コード検証装置において、前記印刷媒体上に印刷された前記印刷媒体固有情報(52b,53b)は、裸眼では読み取り困難な形態で形成されており、前記読み取り手段(140,140C)は、裸眼では読み取り困難な形態で形成されている前記印刷媒体固有情報を読み取り可能であること、を特徴とする識別コード検証装置(100,100C)である。
【0015】
請求項7の発明は、検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを生成する検証機登録データ生成装置(10)と、前記検証機登録データ生成装置から検証機登録データを取得し、取得した前記検証機登録データに基づいて前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報(52b,53b)、及び、識別コード(52c,52d,53c)を印刷媒体に印刷するプリンタ(20,20B)と、識別コード検証装置(100,100C)と、を有する識別コード検証システムであって、前記識別コード検証装置は、前記検証機登録データ生成装置が生成した前記検証機登録データを取得する検証機登録データ取得手段(131)と、前記プリンタが印刷した印刷媒体を読み取る内蔵された、又は、外部に接続された読み取り手段(140,140C)と、前記読み取り手段が読み取った、前記印刷媒体固有情報、及び、前記識別コードを取得する印刷情報取得手段(132,132C)と、前記印刷情報取得手段が取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段(133)と、前記検証データ特定情報認識手段が認識した前記検証データ特定情報に対応する前記検証データを用いて、前記印刷情報取得手段が取得した前記識別コードを検証する検証手段(134)と、を備えること、を特徴とする識別コード検証システムである。
【0016】
請求項8の発明は、検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを外部から取得し(S201)、外部で印刷された印刷媒体を内蔵された、又は、外部に接続された読み取り手段(140,140C)を用い読み取り(S202,S206)、読み取った前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報(52b,53b)、及び、識別コード(52c,52d,53c)を取得し(S203,S207)、取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識し(S204)、前記識別コードを前記検証データに基づき検証する(S208)こと、を特徴とする識別コード検証方法である。
【0017】
請求項9の発明は、コンピュータを、検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを外部から取得する検証機登録データ取得手段(131)と、外部で印刷された印刷媒体から読み取った、前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報(52b,53b)、及び、識別コード(52c,52d,53c)を取得する印刷情報取得手段(132,132C)と、前記印刷情報取得手段が取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段(133)と、前記検証データ特定情報認識手段が認識した前記検証データ特定情報に対応する前記検証データを用いて、前記印刷情報取得手段が取得した前記識別コードを検証する検証手段(134)として機能させるための識別コード検証プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0019】
(1)識別コード検証装置は、印刷情報取得手段が取得した印刷媒体固有情報に対応する検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段と、検証データ特定情報認識手段が認識した検証データ特定情報に対応する検証データを用いて、印刷情報取得手段が取得した識別コードを検証する検証手段とを備える。よって、識別コード検証装置は、識別コードの印刷と検証を別々に行なう場合や、様々なタイプの識別コードの検証を行なう場合に、検証を容易に行なうことができる。
【0020】
(2)識別コード検証装置は、外部と通信可能な外部インタフェースを備え、検証機登録データ取得手段は、外部インタフェースを介して検証機登録データを外部から取得する。よって、識別コード検証装置は、外部で生成された検証機登録データを、通信により簡単に取得できる。
【0021】
(3)識別コード検証装置は、外部記憶媒体を接続可能な外部記憶媒体インタフェースを備え、検証機登録データ取得手段は、外部記憶媒体インタフェースを介して外部記憶媒体から検証機登録データを取得する。よって、識別コード検証装置は、外部で生成された検証機登録データを、メモリカードなどの外部記憶媒体を介して簡単に取得できる。
【0022】
(4)検証データには、識別コードの位置情報及び内容が含まれている。よって、識別コード検証装置は、識別コードの位置及び内容を検証できる。
【0023】
(5)読み取り手段は、印刷媒体上にコード化されて印刷された印刷媒体固有情報を読み取る。よって、識別コード検証装置は、印刷媒体固有情報の読み取りを簡単に行なえる。
【0024】
(6)読み取り手段は、裸眼では読み取り困難な形態で形成されている印刷媒体固有情報を読み取る。よって、識別コード検証装置は、印刷媒体固有情報が目立たない又は見えないように印刷されている印刷媒体の検証を行なえる。
【0025】
(7)識別コード検証システムは、検証機登録データ生成装置と、プリンタと、識別コード検証装置とを有し、識別コード検証装置は、印刷情報取得手段が取得した印刷媒体固有情報に対応する検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段と、検証データ特定情報認識手段が認識した検証データ特定情報に対応する検証データを用いて、印刷情報取得手段が取得した識別コードを検証する検証手段とを備える。よって、識別コード検証システムは、識別コードの印刷と検証を別々に行なう場合や、様々なタイプの識別コードの検証を行なう場合に、検証を容易に行なうことができる。
【0026】
(8)識別コード検証方法は、読み取った前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報、及び、識別コードを取得し、取得した印刷媒体固有情報に対応する検証データ特定情報を認識し、識別コードを、検証データに基づき検証する。よって、本発明の識別コード検証方法によれば、識別コードの印刷と検証を別々に行なう場合や、様々なタイプの識別コードの検証を行なう場合に、検証を容易に行なうことができる。
【0027】
(9)識別コード検証プログラムは、コンピュータを、印刷情報取得手段が取得した印刷媒体固有情報に対応する検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段と、検証データ特定情報認識手段が認識した検証データ特定情報に対応する検証データを用いて、印刷情報取得手段が取得した識別コードを検証する検証手段として機能させる。よって、識別コード検証プログラムは、識別コードの印刷と検証を別々に行なう場合や、様々なタイプの識別コードの検証を行なう場合に、検証を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による識別コード検証装置100を用いた識別コード検証システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】検証機登録データ生成装置10により生成された検証機登録データを示す図である。
【図3】連続紙50上のバーコードラベル52の平面図である。
【図4】バーコードラベル52及びバーコードラベル53の印刷例を示す図である。
【図5】識別コード検証装置100の内部構造を示す概略側面図である。
【図6】スキャナ140の構造を示す概略斜視図である。
【図7】識別コード検証装置100が備える制御部のブロック図である。
【図8】本実施形態の識別コード検証システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の識別コード検証システムの識別コード検証装置100が行なう検証動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明による識別コード検証装置100を用いた識別コード検証システムの第2実施形態を示す図である。
【図11】本発明による識別コード検証装置100Cを用いた識別コード検証システムの第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0030】
(第1実施形態)
図1は、本発明による識別コード検証装置100を用いた識別コード検証システムの第1実施形態を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、動作等を示して説明を行なうが、これらは、適宜変更することができる。
【0031】
第1実施形態の識別コード検証システムは、検証機登録データ生成装置10と、プリンタ20と、識別コード検証装置100とを備えている。
検証機登録データ生成装置10は、検証機登録データ生成手段11を備えている。検証機登録データ生成装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータを用いることができる。この場合、パーソナルコンピュータにラベルレイアウト作成発行プログラムをインストールして動作させることにより、検証機登録データ生成装置10としてパーソナルコンピュータを検証機登録データ生成装置10として用いることができる。
検証機登録データ生成手段11は、検証機登録データと、印刷データとを生成する。
【0032】
ここで、本システムで取り扱うデータとバーコードラベルについて説明する。
図2は、検証機登録データ生成装置10により生成された検証機登録データを示す図である。
検証機登録データは、検証データと、IDとを含むデータである。この検証機登録データは、識別コード検証装置100がバーコードラベルを検証するときに参照される。
【0033】
検証データは、バーコード種類と、バーコード内容と、データ天地幅と、データ印刷位置とを含んでいる。
バーコード種類は、例えば、JANコード、CODE39、CODE128、NW−7等のバーコードの種類を設定する項目である。
バーコード内容は、バーコードラベルにバーコードの形で印刷される情報の内容である。
データ天地幅は、バーコードの送り方向の高さを示す寸法である。
データ印刷位置は、ラベル先端部52a又はラベル先端部53a(図3及び図4参照)からのバーコードの印刷開始位置までの寸法である。
なお、バーコードラベルが連続紙上に形成されていない枚葉形態である場合には、データ天地幅、及び、データ印刷位置については、後述するドットパターンが設けられている位置に近い一辺をラベル先端部とみなして規定する。
【0034】
IDは、検証データを特定する検証データ特定情報である。このIDは、検証すべきバーコードラベルのタイプ毎に異なるIDが付与されているので、IDによって検証データを特定できる。したがって、識別コード検証装置100は、バーコードラベルのIDを知ることにより、検証すべき内容がわかる。すなわち、識別コード検証装置100は、そのIDに対応するバーコードラベル上のどの位置にどのような内容のバーコードが印刷されているかがわかる。
【0035】
印刷データは、バーコードラベル印刷に用いるデータであり、その内容は、検証機登録データに含まれる情報のうち、印刷されるバーコードラベルに関する情報のみからなるデータである。
本実施形態の印刷データは、プリンタ20を制御するためのラベルレイアウト作成発行ソフトウェア専用のデータ形式である。なお、印刷データは、画像データ等、他の形式でもよい。
【0036】
図3は、連続紙50上のバーコードラベル52の平面図である。
連続紙50は、台紙51と、台紙51上に仮着されたバーコードラベル52とを有している。
台紙51の裏面側(図2では破線で図示)には、予め位置検出マーク55がラベル先端部52aから幅MKの領域に印刷されている。
位置検出マーク55は、ラベル先端部52aを検出するときに用いられる。なお、識別コード検証装置が用いるラベル先端部52aの位置検出方法によっては、位置検出マーク55が不要となる場合もある。
【0037】
図4は、本実施形態のバーコードラベル52及びバーコードラベル53の印刷例を示す図である。図4(a)は、2つのバーコードを二段に印刷したバーコードラベル52の例を示している。図4(b)は、1つのバーコードを印刷したバーコードラベル53の例を示している。
【0038】
バーコードラベル52には、ドットパターン52bと、バーコード52c及びバーコード52dとが印刷されている。
バーコード52cは、図2に示したバーコード内容をJANコードにより識別コード化したバーコードである。すなわち、具体的には、ID:1の「0123456789012」をJANコードにより表したバーコードである。
バーコード52dは、図2に示したバーコード内容をCode39により識別コード化したバーコードである。すなわち、具体的には、ID:1の「ABC0123456789」をCode39により表したバーコードである。
【0039】
バーコードラベル53には、バーコードラベル52とは異なる大きさのラベルに、異なるドットパターン53bと、バーコード53cとが印刷されている。
バーコード53cは、図2に示したバーコード内容をCode39により識別コード化したバーコードである。すなわち、具体的には、ID:2の「DEF0123456」をCode39により表したバーコードである。
【0040】
ドットパターン52b及びドットパターン53bは、それぞれバーコードラベルを特定するようにバーコードラベルのタイプ毎に異なるドットパターンで形成された印刷媒体固有情報である。このドットパターン52b及びドットパターン53bは、それぞれIDと1対1で対応している。ドットパターン52bは、図2の表のID:1に対応しており、ドットパターン53bは、ID:2に対応している。また、ドットパターン52b及びドットパターン53bは、上述の位置検出マーク55の幅MKの領域に印刷されている。
【0041】
なお、本実施形態の連続紙50では、ドットパターン52bは、識別コード検証装置100によりバーコード52c、52dより先に読み取られる。同様に、ドットパターン53bは、バーコード53cより先に読み取られる。
また、ここでは、説明のためドットパターン52b及びドットパターン53bは、強調して大きめに図示しているが、実際は、スキャナ140による読み取りは可能だが、裸眼では読み取り困難な大きさと濃さで印刷されている。
【0042】
図4(a)に示したバーコードラベル52のバーコード52c及び52dは、バーコードラベル52のドットパターン52bに対応する図2の表のID:1のバーコード内容を、バーコードの形で印刷したものである。
バーコード52c及び52dは、ID:1のデータ天地幅により、バーコードの送り方向の高さが設定されている。バーコード52cのデータ天地幅はB1であり、バーコード52dのデータ天地幅はB2である。
また、バーコード52c及び52dは、ID:1のデータ印刷位置により、印刷位置が設定されている。バーコード52cのデータ印刷開始位置は、ラベル先端部52aから幅F1であり、バーコード52dのデータ印刷開始位置は、ラベル先端部52aから幅F1+B1+F2である。なお、ラベル終端部までの幅F3をデータに加えてもよい。
さらに、検証機登録データのID:1のバーコード内容に基づき、バーコード52cには、製造番号を示す「0123456789012」が、バーコード52dには、供給者企業コードを示す「ABC0123456789」がそれぞれ印刷されている。このように、バーコード内容によりバーコード52c及び52dは使い分けられている。
【0043】
図4(b)に示したバーコードラベル53の例でも同様に、バーコードラベル53のドットパターン53bに対応する図2の表のID:2のバーコード内容に基づき、バーコード53cの天地幅はA1であり、データ印刷開始位置は、ラベル先端部53aから幅F0である。なお、ラベル終端部までのF4をデータに加えてもよい。
また、検証機登録データのID:2のバーコード内容に基づき、バーコード53cには、供給者企業コードを示す「DEF0123456」を印刷している。
【0044】
なお、本実施形態の識別コード検証装置100では、バーコードラベル53も含めた様々な形態のバーコードラベルを取り扱うことができるが、以下の説明では、特に断りのない限りバーコードラベル52を取り扱う場合を例に挙げて説明を行なう。
【0045】
図1に戻って、プリンタ20は、プリンタ制御手段21を備えている。
プリンタ制御手段21は、検証機登録データ生成装置10から印刷データを受け取り、印刷データに基づきドットパターン52bとバーコード52cとバーコード52dとをバーコードラベル52への印刷をプリンタ20に実行させる。
【0046】
識別コード検証装置100は、CPU130と、スキャナ140とを備えている。
CPU130は、検証機登録データ取得手段131と、印刷情報取得手段132と、ID認識手段133と、検証手段134とを備えている。
検証機登録データ取得手段131は、後述する外部インタフェース109、又は、外部メモリインタフェース110を介して検証機登録データ生成装置10により生成された検証機登録データを取得する。
印刷情報取得手段132は、スキャナ140により読み取ったドットパターンとバーコードとを取得する。
ID認識手段133は、印刷情報取得手段132により取得したドットパターンに対応するIDを認識する検証データ特定情報認識手段である。
検証手段134は、検証機登録データ取得手段131より検証機登録データを取得する。また、検証手段134は、ID認識手段133が認識したIDから検証対象データを特定する。さらに、検証手段134は、印刷情報取得手段132により取得されたバーコードを取得する。検証手段134は、取得した検証機登録データと、スキャナ140が読み取った情報を用いて、バーコードを検証する。
【0047】
スキャナ140は、プリンタ20により印刷されたバーコードラベル52の表面に印刷されている情報を読み取る。
【0048】
図5は、識別コード検証装置100の内部構造を示す概略側面図である。
識別コード検証装置100は、本体114aと、カバー114bと、ガイド板115と、を有している。また、識別コード検証装置100は、搬送方向上流側から順に挿入口116と、挿入センサ117と、第1搬送ローラ118と、透過センサ119と、反射センサ120と、搬送速度検出部材121と、第2搬送ローラ122と、排紙ローラ123と、排出センサ124と、排出口125と、を有している。さらに、識別コード検証装置100は、搬送速度検出部材121、第2搬送ローラ122の上方にスキャナ140を有している。
【0049】
本体114aは、上方をカバー114bにより覆われている。
カバー114bは、排出口125側の図示しない支軸により本体114aに対して開閉可能である。
【0050】
ガイド板115は、識別コード検証装置100の挿入口116側(搬送方向上流側)の識別コード検証装置100の外側端部に連続紙50が挿入される側に向かって延出し、挿入される連続紙50の下方への垂れ下がりを防止し、適切に挿入口116に向けて連続紙50を導く。
【0051】
挿入口116は、連続紙50が挿入される開口部である。
挿入センサ117は、挿入口116の搬送方向下流側の直近に設けられ、連続紙50の先端を検出し、検出信号をCPU130に伝達する。この挿入センサ117の検出信号が発せられると、CPU130が、第1搬送ローラ118と第2搬送ローラ122と排紙ローラ123とを駆動する。
【0052】
第1搬送ローラ118は、本体114a側に設けられた駆動ローラ118aと、この駆動ローラ118aに対向して設けられた従動ローラ118bとを備えている。
駆動ローラ118aは、図示しないモータに接続されて回転駆動し、駆動ローラ118aの回転力によって従動ローラ118bがともに回転する。駆動ローラ118aと従動ローラ118bとに挟持された状態で連続紙50が排出口125に向けて搬送される。
【0053】
透過センサ119は、台紙51上にバーコードラベル52が仮着されている位置と台紙51にバーコードラベル52が仮着されていない位置との光の透過率の差によって台紙51上におけるバーコードラベル52の位置を検出する。
【0054】
反射センサ120は、台紙51のバーコードラベル52が仮着されている面と反対の面に一定間隔を空けて印刷された位置検出マーク55を検出することによってバーコードラベル52の位置を検出する。
なお、透過センサ119及び反射センサ120は、連続紙50の位置検出マーク55の有無によっていずれか一方が用いられる。
【0055】
搬送速度検出部材121は、本体114a側に設けられている。搬送速度検出部材121は、搬送する連続紙50に追従して回転するロータリエンコーダ121aと、ガイドローラ121bとを備えている。
ロータリエンコーダ121aは、連続紙50の搬送速度を検出する。
ガイドローラ121bは、ロータリエンコーダ121aと対向して設けられロータリエンコーダ121aとともに連続紙50を挟持することで追従して回転する。
【0056】
第2搬送ローラ122は、駆動ローラ122aと、従動ローラ122bとを備えている。
駆動ローラ122aは、本体114a側に設けられている。駆動ローラ122aは、図示しないモータに接続されており、モータの回転駆動力により回転する。
従動ローラ122bは、駆動ローラ122aに対向し設けられており、駆動ローラ122aの回転力によって共に回転する。
駆動ローラ122aと従動ローラ122bとに挟持された状態で連続紙50が排出口125に向けて搬送される。
【0057】
排紙ローラ123は、駆動ローラ123aと、従動ローラ123bとを備えている。
駆動ローラ123aは、本体114a側に設けられている。駆動ローラ123aは、図示しないモータに接続されており、モータの回転駆動力により回転する。
従動ローラ123bは、駆動ローラ123aに対向し設けられており、駆動ローラ123aの回転力によって共に回転する。
駆動ローラ123aと従動ローラ123bとに挟持された状態で連続紙50が排出口125に向けて搬送される。
【0058】
排出センサ124は、連続紙50の後端が通過したことを検出し、検出信号をCPU130に伝達する。この検出信号に基づき、CPU130は、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ122及び排紙ローラ123の駆動を停止する。
排出口125は、搬送されてきた連続紙50を排出する開口部である。
【0059】
図6は、スキャナ140の構造を示す概略斜視図である。なお、図6は、搬送速度検出部材121や第2搬送ローラ122等のスキャナ140以外の構成を図面上省略している。
【0060】
スキャナ140は、LED照明141と、ミラー142と、レンズ143と、ラインCCDセンサ144とを備えている。
LED照明141は、波長660nmを代表とする赤色の光を照射する。照射された光は、ミラー142によってバーコードラベル52に向けて角度を変える。そして、バーコードラベル52から反射された光は、再度、ミラー142によってレンズ143に向けて角度を変え、ラインCCDセンサ144上に反射光によるバーコードラベル52の像を作る。CPU130は、この像を解析することによってバーコードラベル52の情報を判読することができる。
【0061】
図5に戻って、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ122及び排紙ローラ123のそれぞれの駆動ローラ118a、122a、123aには、過負荷制御手段としてのトルクリミッタが設けられている。プリンタ20における連続紙50の搬送速度と同じ速度で連続紙50を搬送し、駆動ローラ118a、122a、123aの用紙搬送力を調整可能としている。また、それぞれの駆動ローラ118a、122a、123aは、ベルトを介した単一のモータによる駆動であっても、それぞれの駆動ローラ118a、122a、123aに対してそれぞれ別のモータによる駆動としてもよい。
【0062】
図7は、識別コード検証装置100が備える制御部のブロック図である。
識別コード検証装置100は、さらに、ROM101と、RAM102と、搬送制御部103と、用紙検出部104と、外部インタフェース109と、外部メモリインタフェース110と、インタフェース111とを備えている。
【0063】
ROM101は、制御プログラム等を記憶している。
RAM102は、ROM101に記憶されている制御プログラムにしたがってCPU130が動作するときに、各種データを展開するメモリである。また、RAM102は、CPU130が動作する上で必要となる各種データを記憶する。
【0064】
搬送制御部103は、モータにパルス信号を供給し、第1搬送ローラ118と、第2搬送ローラ122と、排紙ローラ123とのそれぞれの駆動ローラ118a、122a、123aを駆動制御し、連続紙50の搬送を制御する。
【0065】
用紙検出部104は、挿入センサ117、透過センサ119、反射センサ120、排出センサ124それぞれの発光部から連続紙50に向かって光を出射させるとともに、それぞれの受光部から出力される電気信号を受け取り、デジタルデータに変換してCPU130に情報を伝える。
【0066】
外部インタフェース109は、外部と通信可能とするためのインタフェースである。本実施形態では、外部インタフェース109は、ネットワーク30を介して検証機登録データ生成装置10に接続し、検証機登録データ生成手段が生成した検証機登録データ等の情報を取得する。
なお、外部インタフェース109は、ネットワーク30を介することなく、直接、検証機登録データ生成装置10に接続してもよい。また、外部インタフェース109が行なう外部との通信は、有線通信であっても、無線通信であってもよい。
【0067】
外部メモリインタフェース110は、装着された外部メモリとの間で、データの受け渡しを行なうインタフェースである。本実施形態では、外部メモリインタフェース110は、外部メモリとしてメモリカード40を用いて、検証機登録データ生成装置10が生成した検証機登録データ等を取得する。
【0068】
インタフェース111は、エラー報知や設定確認音等を発するブザー112と、各種設定情報を入力する入力部113と、入力部113から入力された情報や不良品の警告を表示する表示部114とが接続されており、これらを制御する。
なお、CPU130は、データバス150によって上述したそれぞれの構成と接続されており、各種動作を制御する。
【0069】
次に、本実施形態の識別コード検証装置100の検証動作について説明する。
図8は、本実施形態の識別コード検証システムの動作を示すフローチャートである。
ステップ(以下、Sと記す)101では、検証機登録データ生成装置10は、検証機登録データ生成手段11を用い検証機登録データと印刷データとを生成する。
例えば、検証機登録データ生成装置10は、検証機登録データ生成装置としてパーソナルコンピュータを動作させる専用のラベルレイアウト作成発行プログラムをパーソナルコンピュータ上で起動することにより、パーソナルコンピュータを検証機登録データ生成装置10として用いることができる。そして、その検証機登録データ生成装置10としてのパーソナルコンピュータから入力した情報に基づき、検証機登録データを生成する。また、検証機登録データ生成装置10は、バーコードラベル52に印刷を行なうための印刷データを生成する。
なお、検証機登録データ生成装置10は、検証機登録データを生成するときには、データ毎に異なるIDを付与するように、すでに生成した検証機登録データを参照し、同じIDを使用しないように動作する。
【0070】
S102では、プリンタ20は、プリンタ制御手段21により、検証機登録データ生成手段11で生成した印刷データを取得するとともに、裏面の位置検出マーク55により、ラベル印刷開始位置を検出する。
【0071】
S103では、プリンタ制御手段21は、S102において取得した印刷データ及び検出したラベル印刷開始位置に基づき、搬送される連続紙50上のバーコードラベル52に印字部によりドットパターン52b、バーコード52c、バーコード52d等の印刷データを印刷する。
また、プリンタ20は、ラベルの大きさ、種類等が異なるタイプのバーコードラベル53のドットパターン53bとバーコード53cも同様に印刷可能である。
【0072】
S104では、識別コード検証装置100は、S103においてバーコードラベル52に印刷された印刷結果であるバーコード52c、バーコード52dの印刷位置及び印刷内容と、検証機登録データ生成手段11により生成された検証機登録データとを照合し検証する。
【0073】
図9は、本実施形態の識別コード検証システムの識別コード検証装置100が行なう検証動作を示すフローチャートである。図9のフローチャートは、図8のS104における検証動作を詳しく表したサブルーチンのフローである。
【0074】
S201では、識別コード検証装置100の検証機登録データ取得手段131は、検証機登録データ生成装置10の検証機登録データ生成手段11により生成した、検証データと検証データとを特定するIDとを含む検証機登録データを取得する。
なお、本実施形態では、検証機登録データ取得手段131は、検証機登録データを検証機登録データ生成装置10からネットワーク30を介して取得するが、メモリカード40等に保存された検証機登録データを、外部メモリインタフェース110を介して取得してもよい。
【0075】
S202では、スキャナ140は、連続紙50のバーコードラベル52上に印刷されたドットパターン52bを読み取る。また、バーコードラベル53の場合にも同様にドットパターン53bを読み取る。
【0076】
識別コード検証装置100が、バーコードラベル52を検証するために読み取りを行なうときには、挿入口116から識別コード検証装置100の内部に連続紙50を挿入する。挿入口116から連続紙50が挿入されると挿入センサ117が連続紙50の存在を検出し、用紙有りの検出信号を用紙検出部104を介してCPU130に伝達する。なお、挿入センサ117は、常に挿入口116からの連続紙50の挿入の有無を監視している。
【0077】
用紙挿入の検出信号が発せられると、CPU130は、図示しないモータを駆動して第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ122及び排紙ローラ123のそれぞれの駆動ローラ118a及び駆動ローラ122a及び駆動ローラ123aの駆動を開始する。識別コード検証装置100内に挿入された連続紙50は、搬送経路に沿って搬送され、第1搬送ローラ118まで導かれる。連続紙50は、駆動ローラ118aと従動ローラ118bとによって挟持された状態で搬送方向下流側の排出口125方向に向けて搬送される。連続紙50が第1搬送ローラ118により搬送されると、透過センサ119又は反射センサ120によって検出される。このとき台紙51のバーコードラベル52が仮着されている面と反対の面に位置検出マーク55が付されているか否か、すなわち使用する連続紙50の種類によって、透過センサ119又は反射センサ120のいずれかが用いられる。いずれのセンサもバーコードラベル52の位置を検出するために用いられる。
【0078】
反射センサ120が位置検出マーク55を検出しない場合には、透過センサ119による検出を行なう。反射センサ120が位置検出マーク55を検出した場合には、例えば、反射センサ120による検出を行なうような自動切換えを行なう。また、予め反射センサ120又は透過センサ119のいずれを用いるかについて選択するようにしてもよい。その場合、選択した情報をメモリカード40内に設定情報として記憶し、設定情報に基づいていずれかのセンサを使用するかを決定してもよい。
【0079】
次に、連続紙50は、ロータリエンコーダ121aとガイドローラ121bとの間に導かれ、連続紙50の搬送に追従してロータリエンコーダ121aとガイドローラ121bとが回転する。ロータリエンコーダ121aの回転により連続紙50の搬送速度が検出され、検出された搬送速度がCPU130に伝達される。
検出した搬送速度に基づき、LED照明141からスキャナ140の直下を通過するバーコードラベル52に向けて光を照射する。
【0080】
S203では、印刷情報取得手段132は、S202においてスキャナ140が読み取ったドットパターン52bを取得する。
S204では、ID認識手段133は、S203において印刷情報取得手段132が取得したドットパターン52bに対応するIDを認識する。すなわち、ID認識手段133は、読み取ったドットパターン52bのパターンが、いずれのIDを示すものであるのかを不図示のテーブルを参照して、ID:1であることを認識する。この認識したIDが検証対象のバーコードラベルを特定するID(以下、検証対象ID)である。
【0081】
S205では、検証手段134は、ID認識手段133から検証対象IDを伝えられ、この検証対象IDから対応する検証データを特定する。具体的には、例えば、ドットパターン52bは、図2の表のID:1を表している。このID:1は、検証データとして、バーコード種類:JANコード及びCODE39と、バーコード内容:0123456789012及びABC0123456789と、データ天地幅:B1及びB2と、データ印刷位置:F1及びF1+B1+F2とを特定する。
バーコードラベル53の場合も同様である。すなわち、ドットパターン53bは、図2の表のID=2を表している。このID:2は、検証データとして、バーコード種類:CODE39と、バーコード内容:DEF0123456と、データ天地幅:A1と、データ印刷位置:F0とを特定する。
【0082】
S206では、スキャナ140は、連続紙50のバーコードラベル52上に印刷されたバーコード52cとバーコード52dとを読み取る。
S207では、印刷情報取得手段132は、スキャナ140が読み取ったバーコード52cとバーコード52dとを取得する。
【0083】
なお、S206の動作は、S202におけるドットパターン52bを読み取る動作から連続して行なわれる。S203、S204、及びS205の動作は、S202においてドットパターン52bを読み取った直後からごくわずかな時間で行なわれる。したがって、S202からS207では、第1搬送ローラ118及び第2搬送ローラ122等は動作を停止することなく連続紙50の搬送を継続し、スキャナ140による読み取り動作も停止することなく継続して行なわれる。
【0084】
S208では、検証手段134は、S206においてスキャナ140が読み取ったバーコード52c及びバーコード52dと、S205において特定した検証対象IDに対応する検証データとを用い、読み取ったバーコード52c及びバーコード52dの内容、及び位置が検証データと一致するか否かを検証する。
【0085】
具体的には、例えば、バーコードラベル52について、バーコード52cはF1のデータ印刷位置にあるか、データ天地幅はB1の寸法であるか、バーコード内容は「0123456789012」であるか、をそれぞれ検証する。また、バーコード52dは、F1+B1+F2のデータ印刷位置にあるか、データ天地幅はB2の寸法であるか、バーコード内容は「ABC0123456789」であるか、をそれぞれ検証する。なお、データ印刷位置と天地幅の寸法は、予め設定された許容範囲内の誤差であれば正しく印刷されていると判断する。
また、バーコードラベル53を検証する場合も、同様に検証をする。
【0086】
検証データと、読み取ったバーコード52c及びバーコード52dとが一致する場合には、連続紙50上のバーコードラベル52を排出口125に向けて搬送し、図9のS104へ戻る。搬送された連続紙50の後端が排出センサ124により検出されると、駆動ローラ118a及び駆動ローラ122a及び駆動ローラ123aの駆動を停止し検証動作を終える。なお、次のバーコードラベル52の検証を継続する場合には、駆動を停止することなく検証動作を継続する。
【0087】
また、排出センサ124が連続紙50の後端を検出しない場合、用紙ジャム等のエラーと判断し、ブザー112や表示部114によってエラーを報知する。なお、排出センサ124による検出の代わりにロータリエンコーダ121aの回転の停止によって連続紙50の後端を検出し、この検出信号から所定時間経過後に排出口125から排出されたとみなすこともできる。
検証データとバーコード52c、52dとが一致しない場合には、S207に進む。
【0088】
S209では、識別コード検証装置100は、バーコードラベルが正しく印刷されていないことを警告する処理を行なう。例えば、当該バーコードラベルが不良である旨を図7の表示部114により表示するとともに、ブザー112等の警報手段により知らせる。
【0089】
上述した検証動作を行なうことにより、複数種類の異なるバーコードラベルの検証を容易に行える。すなわち、バーコードラベル53には、ドットパターン53bによりバーコードラベル52とは異なるIDが付与されている。したがって、識別コード検証装置100は、バーコードラベル52の検証を行なっている最中に、バーコードラベル52とは異なる大きさ、情報のバーコードラベル53が次の検証対象として挿入された場合にも、IDから必要な検証データを特定できる。また、識別コード検証装置100は、新たに検証データを入力したり選択したりすることなく、検証を容易に行える。
【0090】
以上説明したように、第1実施形態によれば、プリンタ20は、バーコードラベルに、検証データと1対1で対応するドットパターンを印刷する。識別コード検証装置100は、ドットパターンから認識される検証対象IDに対応する検証データを特定し、その検証データに基づきバーコードラベルの検証を行なう。よって、識別コード検証装置100は、プリンタとは別に独立した装置として設けられていても、バーコードラベルの検証を行なうことができる。例えば、印刷工場や家庭用プリンタ等により事前に印刷されたバーコードラベル52及びバーコードラベル53等を、後日、別途全く別の場所に設置された識別コード検証装置100により検証することも可能である。このように、所望のタイミングや場所で検証を行なうことができる。
【0091】
また、バーコードラベルは、ラベルの大きさ、種類等が異なる様々なタイプのバーコードラベルであっても、バーコードラベルのタイプ毎にドットパターンにより異なるIDが付与されている。したがって、識別コード検証装置100は、検証に必要なデータの再入力や、選択等が行われなくとも自動で検証すべき内容(検証データ)をIDから特定できる。よって、複数種類のバーコードラベルの検証を行なう場合であっても、作業者が特別な作業を行なうことなく検証を行える。
【0092】
さらに、バーコードラベル上には、IDのみを表すドットパターンを用いるので、検証に必要なバーコードラベル上に検証のために印刷される情報を少なくできる。したがって、検証データに相当する情報量の多い検証専用のバーコード等の印刷をする必要がなくなる。よって、ラベルの印刷領域を有効に活用でき、また、ラベルとして用いるときに不要な検証用の印刷を目立たなくできる。
【0093】
(第2実施形態)
図10は、本発明による識別コード検証装置100を用いた識別コード検証システムの第2実施形態を示す図である。
第2実施形態は、検証機登録データ生成装置10から識別コード検証装置100へ検証機登録データを伝える経路が異なる他は、第1実施形態と同様の形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態のプリンタ20は、印刷データとして印刷媒体に印刷する情報のみを取得するのに対して、第2実施形態のプリンタ20Bは、検証機登録データを取得する。
プリンタ制御手段21Bは、取得した検証機登録データから作業者により選択されたバーコードラベルの印刷データを生成し、印刷媒体に印刷をする。
また、識別コード検証装置100の検証機登録データ取得手段131は、プリンタ20Bが取得した検証機登録データを、プリンタ20Bのプリンタ制御手段21Bから取得する。
すなわち、第2実施形態では、検証機登録データ生成装置10により生成された検証機登録データが、プリンタ20Bを介して識別コード検証装置100により取得される。その他は、第1実施形態と同様である。
【0094】
第2実施形態によれば、検証機登録データ生成装置10により生成された検証機登録データは、プリンタ20Bに対して送られるだけでよい。したがって、検証機登録データと印刷データとを別々に生成してそれぞれを識別コード検証装置やプリンタに送るという作業を簡素化できる。
【0095】
(第3実施形態)
図11は、本発明による識別コード検証装置100Cを用いた識別コード検証システムの第3実施形態を示す図である。
第3実施形態は、スキャナ140Cが識別コード検証装置100Cから独立した装置として設けられている点のみが第1実施形態と異なる例である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0096】
CPU130Cは、印刷情報取得手段132Cが第1実施形態と異なる。
印刷情報取得手段132Cは、スキャナ140CよりID及びバーコードを取得する。
スキャナ140Cは、識別コード検証装置100Cとは別体で設けられた読み取り装置であり、識別コード検証装置100Cと通信可能に接続されている。
なお、識別コード検証装置100Cと、CPU130と、印刷情報取得手段132Cと、スキャナ140Cとは、上記の説明以外の動作については、それぞれ、第1実施形態の識別コード検証装置100と、印刷情報取得手段132と、スキャナ140と同様である。
【0097】
第3実施形態によれば、識別コード検証装置100Cは、スキャナ140Cを別体としたので、識別コード検証装置100Cとスキャナ140Cには、より汎用性の高い機器を用いることができる。すなわち、スキャナ140Cは、印刷媒体を読み取り、そのデータを出力できればよい。また、識別コード検証装置100Cは、スキャナ140Cより印刷媒体固有情報及び識別コードを取得でき、検証装置としての演算処理と結果の出力ができればよい。よって、スキャナ140Cには、汎用のスキャナを用いることができる。また、識別コード検証装置100Cには、汎用のパーソナルコンピュータを用いることができる。なお、その場合は、識別コード検証装置として必要な動作を実現できるプログラムをパーソナルコンピュータにインストールし、実行すればよい。
【0098】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0099】
(1)各実施形態において、検証の対象をバーコードとしたが、これに限らず照射した光の反射光による読み取り方式で読取り可能な識別コードであればよく、例えば二次元コード等でもよい。また、スキャナのラインCCDを、CCDイメージセンサとしてもよいし、識別コード以外の日付等の文字データや捺印の認識等にも応用することも可能である。
【0100】
(2)各実施形態において、ドットパターンは、スキャナ140により読み取り可能だが、裸眼では読み取り困難な大きさと濃さで印刷されている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、紫外線を当てることにより可視化される不可視インクを用いて印刷してもよい。
【0101】
(3)第1実施形態において、ドットパターンの読み込み(S202)からバーコードの読み取り(S206)までの間に、ドットパターンから検証対象IDの認識(S203からS205)を行なう例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、ドットパターン及びバーコードの読み取りを完了した後に、ドットパターンから検証対象IDの認識を行なうようにしてもよい。このようにすれば、ドットパターン及びバーコードの読み取りを順次行なう形態のみならず、バーコードラベルの全体を一気に読み取る形態としてもよい。
【0102】
なお、第1実施形態〜第3実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0103】
10 検証機登録データ生成装置
11 検証機登録データ生成手段
20 プリンタ
20B プリンタ
21 プリンタ制御手段
21B プリンタ制御手段
30 ネットワーク
40 メモリカード
50 連続紙
51 台紙
52 バーコードラベル
52a ラベル先端部
52b ドットパターン
52c バーコード
52d バーコード
53 バーコードラベル
53a ラベル先端部
53b ドットパターン
53c バーコード
55 位置検出マーク
100 識別コード検証装置
100C 識別コード検証装置
101 ROM
102 RAM
103 搬送制御部
104 用紙検出部
109 外部インタフェース
110 外部メモリインタフェース
111 インタフェース
112 ブザー
113 入力部
114 表示部
114a 本体
114b カバー
115 ガイド板
116 挿入口
117 挿入センサ
118 第1搬送ローラ
118a 駆動ローラ
118b 従動ローラ
119 透過センサ
120 反射センサ
121 搬送速度検出部材
121a ロータリエンコーダ
121b ガイドローラ
122 第2搬送ローラ
122a 駆動ローラ
122b 従動ローラ
123 排紙ローラ
123a 駆動ローラ
123b 従動ローラ
124 排出センサ
125 排出口
130 CPU
130C CPU
131 検証機登録データ取得手段
132 印刷情報取得手段
132C 印刷情報取得手段
133 ID認識手段
134 検証手段
140 スキャナ
140C スキャナ
141 LED照明
142 ミラー
143 レンズ
144 センサ
150 データバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを外部から取得する検証機登録データ取得手段と、
外部で印刷された印刷媒体を読み取る内蔵された、又は、外部に接続された読み取り手段と、
前記読み取り手段が読み取った、前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報、及び、識別コードを取得する印刷情報取得手段と、
前記印刷情報取得手段が取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段と、
前記検証データ特定情報認識手段が認識した前記検証データ特定情報に対応する前記検証データを用いて、前記印刷情報取得手段が取得した前記識別コードを検証する検証手段と、
を備える識別コード検証装置。
【請求項2】
請求項1に記載の識別コード検証装置において、
外部と通信可能な外部インタフェースを備え、
前記検証機登録データ取得手段は、前記外部インタフェースを介して前記検証機登録データを外部から取得すること、
を特徴とする識別コード検証装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の識別コード検証装置において、
外部記憶媒体を接続可能な外部記憶媒体インタフェースを備え、
前記検証機登録データ取得手段は、前記外部記憶媒体インタフェースを介して前記外部記憶媒体から前記検証機登録データを取得すること、
を特徴とする識別コード検証装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の識別コード検証装置において、
前記検証データには、前記識別コードの位置情報及び内容が含まれていることを特徴とする識別コード検証装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の識別コード検証装置において、
前記読み取り手段は、前記印刷媒体上にコード化されて印刷された前記印刷媒体固有情報を読み取ること、
を特徴とする識別コード検証装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の識別コード検証装置において、
前記印刷媒体上に印刷された前記印刷媒体固有情報は、裸眼では読み取り困難な形態で形成されており、
前記読み取り手段は、裸眼では読み取り困難な形態で形成されている前記印刷媒体固有情報を読み取り可能であること、
を特徴とする識別コード検証装置。
【請求項7】
検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを生成する検証機登録データ生成装置と、
前記検証機登録データ生成装置から検証機登録データを取得し、取得した前記検証機登録データに基づいて前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報、及び、識別コードを印刷媒体に印刷するプリンタと、
識別コード検証装置と、
を有する識別コード検証システムであって、
前記識別コード検証装置は、前記検証機登録データ生成装置が生成した前記検証機登録データを取得する検証機登録データ取得手段と、
前記プリンタが印刷した印刷媒体を読み取る内蔵された、又は、外部に接続された読み取り手段と、
前記読み取り手段が読み取った、前記印刷媒体固有情報、及び、前記識別コードを取得する印刷情報取得手段と、
前記印刷情報取得手段が取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段と、
前記検証データ特定情報認識手段が認識した前記検証データ特定情報に対応する前記検証データを用いて、前記印刷情報取得手段が取得した前記識別コードを検証する検証手段と、
を備えること、
を特徴とする識別コード検証システム。
【請求項8】
検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを外部から取得し、
外部で印刷された印刷媒体を内蔵された、又は、外部に接続された読み取り手段を用い読み取り、
読み取った前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報、及び、識別コードを取得し、
取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識し、
前記識別コードを、前記検証データに基づき検証すること、
を特徴とする識別コード検証方法。
【請求項9】
コンピュータを、
検証データ及び前記検証データを特定する検証データ特定情報を含む検証機登録データを外部から取得する検証機登録データ取得手段と、
外部で印刷された印刷媒体から読み取った、前記検証データ特定情報に対応する印刷媒体固有情報、及び、識別コードを取得する印刷情報取得手段と、
前記印刷情報取得手段が取得した前記印刷媒体固有情報に対応する前記検証データ特定情報を認識する検証データ特定情報認識手段と、
前記検証データ特定情報認識手段が認識した前記検証データ特定情報に対応する前記検証データを用いて、前記印刷情報取得手段が取得した前記識別コードを検証する検証手段として機能させるための識別コード検証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−198036(P2011−198036A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64132(P2010−64132)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】