説明

識別データ管理装置、識別データ管理方法、及び識別データ管理プログラム

【課題】 顧客が所有する端末装置を利用して顧客を管理することができるようにする。
【解決手段】 URL管理装置は、顧客が来店したことを示す来店確認を入力し、この入力に応じて顧客に固有の識別情報と顧客を特定するためのデータとを含む識別データを生成して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗等に来店した顧客を管理するための識別データ管理装置、識別データ管理方法、及び識別データ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、居酒屋などの飲食店においては、テーブル毎に設置された発注専用の端末装置を顧客が操作して商品を発注することができるシステムが採用されている。このシステムでは、専用の端末装置を使用するため、何れのテーブルについている顧客からの注文であるかを識別し、テーブル毎に会計の管理などをすることができる。
【0003】
ところで、近年では、高機能な携帯端末、例えば携帯電話機やスマートフォンなどが広く普及しており、顧客が個々に所有するようになっている。携帯端末にはデータ入出力機能や公衆回線網を介した通信機能が備えられており、これらを利用して店舗内の顧客に対してサービスを提供することが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−004992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗内にいる顧客に対してサービスを提供するためには、例えば顧客が何れのテーブルについているかを識別する必要がある。しかしながら、顧客が所有する携帯端末から通信機能を利用して公衆回線網を介してデータを送信したとしても、顧客が何れ場所にいるか特定できず、サービスを提供するための顧客の管理ができない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、顧客が所有する端末装置を利用して顧客を管理することができる識別データ管理装置、識別データ管理方法、及び識別データ管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、顧客が来店したことを示す来店確認を入力する入力手段と、前記入力手段からの入力に応じて、顧客に固有の識別情報と前記顧客を特定するためのデータとを含む識別データを生成する識別データ生成手段と、前記識別データを出力する出力手段とを具備したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の利用者管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるURL管理装置の構成を示すブロック図。
【図3】本実施形態におけるURL管理装置により生成されるURL管理データの一例を示す図。
【図4】本実施形態におけるURL管理装置が発行する識別データとするURLの一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるURL管理装置の来店確認処理を示すフローチャート。
【図6】本実施形態におけるID発行装置のID発行処理を示すフローチャート。
【図7】本実施形態におけるURL管理装置におけるID無効化処理を示すフローチャート。
【図8】本実施形態におけるID発行装置のID無効化処理を示すフローチャート。
【図9】本実施形態の独自形式の識別データを用いた利用者管理システムの構成を示すブロック図。
【図10】本実施形態における携帯端末の注文アプリケーションによる注文処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の利用者管理システムの構成を示すブロック図である。本実施形態における利用者管理システムは、例えば店舗等に来店した顧客が使用する携帯端末25(25−1,…,25−m)を利用して、顧客を管理するためのシステムである。携帯端末25としては、例えば携帯電話機、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ等を用いることができる。
【0010】
図1に示す利用者管理システムは、例えば飲食店の店舗において、顧客が所有する携帯端末を利用して、顧客が店舗内いることを識別すると共に顧客からの注文を受け付けることができる。店舗10−1には、URL管理装置20、URL提供装置21、及びオーダーエントリシステム22が設けられる。
【0011】
URL管理装置20(識別データ管理装置)は、来店した顧客を特定するための識別データを生成して、URL提供装置21を介して出力させる。本実施形態のURL管理装置20は、識別データとしてURL(uniform resource locator)を用いるものとする。本実施形態では、識別データは、来店した顧客に対して、会計処理の単位で生成するものとする。例えば複数の顧客を含むグループで来店があった場合には、このグループに対して識別データを生成し、単独の顧客に対しては、この顧客に対して識別データを生成する。識別データとして使用するURLには、顧客が携帯端末を使用して商品を注文することができる商品注文ページアドレスに、顧客の店舗内における位置を示すデータ及びID発行装置30によって顧客(グループ単位、顧客単位)毎に発行される識別ID(Identification)がパラメータとして付加されるものとする。なお、顧客の店舗内における位置を示すデータは、店舗毎に決められた、例えば顧客が着席しているテーブルの番号や座席番号などを示すものする。以下、会計処理の単位で生成されたURL(識別データ)をトランザクションURL認識用データとも呼称する。
【0012】
URL提供装置21は、URL管理装置20により生成された識別データ(URL)を、顧客が所有する携帯端末25(25−1,…,25−m)に提供するための装置である。URL提供装置21は、例えば表示装置あるいはプリンタ装置によって実現される。URL提供装置21は、URL管理装置20から出力される識別データを、顧客が所有する携帯端末25(25−1,…,25−m)によって容易に読み取ることができる形式で出力する。例えば、URL提供装置21は、携帯端末25に設けられたカメラ機能を利用して読み取りが可能なQR(Quick response)コードやバーコードなどの形式で出力する。なお、URL提供装置21による識別データの提供は、カメラ機能を利用して読み取りが可能な形式に限るものではなく、例えば無線通信(赤外線通信、無線LAN(Local Area Network)、近接無線通信)や電子メールによって識別データを提供するようにしても良い。なお、図1では、URL提供装置21を1つのみ示しているが、複数のURL提供装置21を設けることもできる。例えば、店舗に複数のテーブルが設置されている場合に、各テーブルにURL提供装置21を設置するようにしても良い。
【0013】
オーダーエントリシステム22は、注文の受け付け、厨房等への発注、会計処理等を実現するためのシステムであり、例えば全体を制御するオーダステーション、会計処理を含む販売管理をするためのPOS(Point of Sales)端末、厨房の調理担当や配膳担当者に注文内容を通知するためのキッチンプリンタやキッチンディスプレイ、配膳担当者が注文受け付け等に使用する複数のハンディターミナル、ハンディターミナルと無線により通信する複数の無線アクセスユニットが含まれるものとする。オーダーエントリシステム22のオーダステーションは、例えばインターネットを含むネットワークを介して注文処理サーバ32と接続され、注文処理サーバ32から送信される注文データを受信する機能が設けられているものとする。
【0014】
携帯端末25(25−1,…,25−m)は、顧客が所有するもので、URL提供装置21により出力された識別データを読取ることができる機能が搭載されていれば、商品の注文をするために任意に利用することができる。例えば、カメラ機能を利用したコード読み取り機能が搭載されている場合、携帯端末25は、カメラによってURL提供装置21から出力されたQRコードを撮影し、このQRコードに含まれるデータを抽出することができるものとする。以下の説明では、URL管理装置20により識別コードとして生成されたURLを抽出することができるものとする。また、携帯端末25には、一般的な基本機能として、公衆回線網を通じてインターネットに接続し、インターネット上で公開されている各種サービスを提供するサイトにアクセスするブラウザ機能が搭載されているものとする。本実施形態では、識別データとしてURLを用いているので、特別なアプリケーションプログラムを実装することなく、ブラウザ機能によって識別データ(URL)を注文処理サーバ32に通知することができる。
【0015】
なお、店舗10−2,…,10−kにおいても、図1に示す店舗10−1と同様に、URL管理装置20、URL提供装置21、オーダーエントリシステム22が設けられているものとする。
【0016】
ID発行装置30は、店舗10−1,…,10−kに設置されたURL管理装置20からのID発行要求に対して、例えばランダムにユニークな識別IDを発生して、ID発行要求元のURL管理装置20及び注文処理サーバ32に送信する。ID発行装置30は、同時に同じ識別IDが有効とならないように識別IDを発行する。ID発行装置30は、URL管理装置20から識別IDの無効が通知された場合には、該当識別IDを無効にすると共に注文処理サーバ32に通知する。ID発行装置30を店舗10−1,…,10−kに設置された装置とは独立して設けることで、店舗10−1,…,10−kのURL管理装置20等の処理負担を軽減することができる。
【0017】
注文処理サーバ32は、インターネットを介して注文受け付けサービスを提供するもので、商品注文ページを通じて携帯端末25からの商品の注文を受け付ける。注文処理サーバ32は、携帯端末25が商品注文ページにアクセスするために使用したURLのパラメータをもとに、例えば何れの店舗の何れのテーブルについている顧客からの注文であるかを識別し、該当する店舗のオーダーエントリシステム22に対して注文内容を通知する。
【0018】
図2は、図1に示すURL管理装置20の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、URL管理装置20は、コンピュータにより実現されるもので、CPU40、メインメモリ41、記録装置42、入力部43、出力部44、及びネットワークインタフェース(I/F)45を有している。
【0019】
CPU40は、メインメモリ41に記録装置42からロードされた識別データ管理プログラムを実行することで、記録装置42に記録されたURL管理データ42aを用いて識別データを管理するための処理を行なう。CPU40は、ネットワークI/F45を通じて、店舗内のオーダーエントリシステム22及びURL提供装置21との通信を制御する他、公衆回線網や意図を通じてID発行装置30との通信を制御する。
【0020】
メインメモリ41は、CPU40によりアクセスされるプログラムや各種データを記録する。
記録装置42は、各種プログラムやデータを記録する。記録装置42に記録されるプログラムには、基本プログラムの他、識別データ(URL)を管理するための来店確認処理やID無効化処理等を実行する識別データ管理プログラムが含まれる。また、識別データ管理プログラムの実行により生成されるURL管理データ42a(図3参照)が記録される。
【0021】
入力部43は、CPU40の制御のもとで、店員等によって操作されるキーボード等の入力デバイスからの入力を制御する。
出力部44は、CPU40の制御のもとで、ディスプレイやプリンタ等の出力デバイスを制御する。
【0022】
ネットワークI/F45は、外部機器との接続を制御するインタフェースであり、例えばURL提供装置21、オーダーエントリシステム22(オーダステーション)、ID発行装置30等と接続される。
【0023】
図3は、本実施形態におけるURL管理装置20により生成されるURL管理データ42aの一例を示す図である。
URL管理データ42aでは、会計処理の単位となる顧客(グループ、個人)に対して提供した識別データ(URL)に含まれるデータが設定されるもので、ID発行装置30により発行された識別IDと対応づけて、店舗内の顧客の位置を示すデータ、例えば顧客が着席したテーブルを示すテーブルデータが設定される。なお、テーブルデータ以外にも識別データが提供された時刻のデータなどを、識別IDと対応づけて設定することも可能である。
【0024】
なお、図3に示す例では、会計単位を単純にテーブル毎にしているためにテーブルデータを用いているが、会計単位とする顧客の位置を特定する他のデータ、例えば部屋番号、座席番号などを示すデータであっても良い。
【0025】
図4は、本実施形態におけるURL管理装置20が発行する識別データとするURLの一例を示す図である。
図4に示すように、URL管理装置20が発行するURLには、注文処理サーバ32が公開している商品注文ページアドレス(「toshi.co.jp/tyuumon」)に、顧客の位置を特定するための店舗に固有な店舗データ(「12345」)及びテーブルデータ(「7890」)、ID発行装置30により発行された識別ID(「abcdef」)がパラメータとして付加されている。
【0026】
店舗10−1に設置されたURL管理装置20は、店舗10−1において提供している商品を注文することができる商品注文ページアドレスを用いて識別データ(URL)を生成する。当然ながら、注文処理サーバ32では、店舗10−1において提供している商品を注文することができる商品注文ページが用意されているものとする。
【0027】
なお、図4に示すURLで使用したパラメータは一例であって、注文処理サーバ32において、何れの店舗の何れの顧客からの発注であるかを識別可能であればどのような形式でパラメータが表現されても良い。
【0028】
次に、本実施形態における利用者管理システムの動作について説明する。ここでは、店舗10−1を対象にして説明する。まず、店舗10−1に顧客が来店した場合の動作について説明する。
図5は、本実施形態におけるURL管理装置20の来店確認処理を示すフローチャート、図6は、本実施形態におけるID発行装置30のID発行処理を示すフローチャートである。
【0029】
店舗10−1に顧客(グループあるいは個人)が来店してテーブルにつくと、店員は、URL管理装置20に対して、来店があったことを示す来店確認を入力する(ステップA1)。この時、顧客が着席したテーブル番号を入力する。
【0030】
なお、URL管理装置20に対して来店確認入力するのではなく、定員が持っているハンディターミナルを使用しても良い。通常、オーダーエントリシステム22が導入されている場合、店員は、顧客の来店時に、来店確認入力として人数や着席したテーブル番号などをハンディターミナルに入力する。ハンディターミナルから入力されたデータは、無線アクセスユニットを通じてオーダステーションに通知される。従って、オーダステーションが来店確認入力を受信した場合に、URL管理装置20に通知するように構成することで、URL管理装置20が来店確認入力を検出することが可能となる。
【0031】
URL管理装置20は、来店確認入力があると、ID発行装置30に対して識別ID発行要求を送信する(ステップA2)。
【0032】
ID発行装置30は、URL管理装置20からの識別ID発行要求を受信すると(図6、ステップB1)、第3者が予測することができないユニークな識別IDをランダムに生成する(ステップB2)。ユニークな認証IDを生成することで、第3者がなりすまして注文処理サーバ32にアクセスして、いたずら注文や店舗外からの注文など不正な注文を発生させないようにできる。ここで生成された認証IDは、ID発行装置30から無効化が要求された後、すなわち識別ID発行要求の対象とした顧客の会計処理が終了した時点で無効となるため、第3者がなりすまして注文処理サーバ32へのアクセスに使用することが困難となっている。
【0033】
ID発行装置30は、識別ID発行要求に応じて生成した識別IDを、要求元のURL管理装置20に送信する(ステップB3)。
【0034】
URL管理装置20は、ID発行装置30から識別IDを受信すると(ステップA3)、注文処理サーバ32が提供する商品注文ページのアドレスに、店舗10−1に対して予め決められた店舗データと、顧客が着席したテーブルに応じたテーブルデータ、及びID発行装置30から受信した識別IDを付加したトランザクションURL認識用データ(識別データ)を生成する(ステップA4)。
【0035】
URL管理装置20は、トランザクションURL認識用データに応じたURL読取用データ、すなわち携帯端末25によって読み取り可能な形式のデータに変換して、URL提供装置21に出力する。例えば、URL提供装置21からQRコードの形式で出力する場合には、トランザクションURL認識用データ(URLを示す文字列)を含むQRコードを生成して出力する(ステップA5)。
【0036】
URL提供装置21は、URL管理装置20から出力されたURL読取用データ(例えば、QRコード)を出力する。例えば、URL提供装置21が表示装置として実現される場合には、各テーブルにURL提供装置21が設置される。顧客は、URL提供装置21に表示されたURL読取用データ(QRコード)を携帯端末25のカメラ機能によって撮影する。これにより、携帯端末25は、URL読取用データ(QRコード)を撮影した画像をデコードして商品注文ページのURLを抽出する。
【0037】
また、URL提供装置21がプリンタ装置(レシートプリンタ等)として実現される場合には、例えば、URL提供装置21あるいはオーダーエントリシステム22(POS端末、ハンディターミナルなど)に対する店員の操作によってURL読取用データ(QRコード)の印刷が実行されるものとする。店員は、URL読取用データ(QRコード)が印刷された用紙を顧客に渡して、商品の注文時に使用することを促す。顧客は、用紙に印刷されたURL読取用データ(QRコード)を携帯端末25のカメラ機能によって撮影する。以下、URL提供装置21が表示装置として実現される場と同様である。URL提供装置21をプリンタ装置として実現した場合、顧客に対してはURL読取用データ(QRコード)が印刷された用紙を渡せばよいので、テーブル毎にURL提供装置21を設置する必要がない。
【0038】
携帯端末25は、URL読取用データ(QRコード)から抽出したURLを用いて、公衆回線網、インターネットを通じて注文処理サーバ32が提供する商品注文ページにアクセス(セッションイン)する。携帯端末25は、商品注文ページのデータを入力して、商品注文ページの画像を表示する。顧客は、携帯端末25を操作することで、商品注文ページに提示されている複数の商品を任意に選択して発注することができる。
【0039】
なお、携帯端末25は、商品注文ページにアクセスした状態を維持することで、任意のタイミングで発注することができる。また、商品注文ページへのアクセスを中断したとしても、URL読取用データ(QRコード)から抽出したURLを記録しておくことで、容易に商品注文ページへアクセスすることができる。
【0040】
また、グループに含まれる複数の顧客が、それぞれ所有する携帯端末25−1,…,25mを用いて、並行して発注することも可能である。すなわち、前述したようにURL提供装置21から出力されたURL読取用データ(QRコード)を、携帯端末25−1,…,25mによってそれぞれ読取ることで、個々に商品注文ページにアクセスにアクセスして発注することができる。
【0041】
注文処理サーバ32は、商品注文ページへのアクセスがあると、アクセスに使用されたURLに付加されたパラメータをもとに、有効な識別IDを用いたアクセスであるか判別する。識別IDが有効でない場合には、商品注文ページを通じて携帯端末25に対して、注文受け付け付加であることを通知する。
【0042】
一方、注文処理サーバ32は、識別IDが有効である場合には、商品注文ページを通じて入力された注文内容を、URLのパラメータに設定された店舗データが示す店舗(オーダーエントリシステム22)に対して、発注した顧客を特定するためのテーブルデータと共に送信する。
【0043】
オーダーエントリシステム22(オーダステーション)は、注文処理サーバ32から注文内容及びテーブルデータを受信すると、店員によってハンディターミナルから入力された注文と同様に扱い、注文内容及びテーブルデータをキッチンプリンタやキッチンディスプレイに出力する。
【0044】
こうして、本実施形態における利用者管理システムでは、来店した顧客に対して、顧客が所有する携帯端末25を用いて商品注文ページにアクセスするためのURL(識別データ)をURL管理装置20により発行するので、顧客が携帯端末25を用いて商品の発注することが可能となる。URLには、ID発行装置30により発行されたユニークな識別ID、及び店舗データと顧客を特定するテーブルデータがパラメータとして付加されているので、顧客が所有する携帯端末25を利用しても、何れの店舗の何れのテーブルについている顧客から発注であるか管理することが可能となる。
【0045】
次に、店舗10−1の顧客について会計処理をした場合の動作について説明する。
図7は、本実施形態におけるURL管理装置20におけるID無効化処理を示すフローチャート、図8は、本実施形態におけるID発行装置30のID無効化処理を示すフローチャートである。
【0046】
店舗10−1では、オーダーエントリシステム22のPOS端末により会計処理が実行される。会計処理ではPOS端末に顧客を特定するデータ、例えば顧客が着席していたテーブルを示すテーブルデータ(番号)が入力される。テーブルデータは、POS端末からオーダステーションを介して、URL管理装置20に通知される。
【0047】
URL管理装置20は、会計処理を終了したテーブルのテーブルデータをオーダーエントリシステム22から入力すると(ステップC1)、URL管理データ42aを参照してテーブルデータに対応する識別IDを検索する。そして、URL管理装置20は、テーブルデータに対応する識別IDをID発行装置30に送信する(ステップC2)。すなわち、顧客が注文に使用していたURLに含まれる識別IDを無効化するようにID発行装置30に要求する。また、URL管理装置20は、該当する識別IDを含むURL(識別データ)のURL提供装置21への出力を停止する。
【0048】
一方、ID発行装置30は、URL管理装置20から無効化すべき識別IDを受信すると(ステップD1)、この識別IDの無効化すると共に注文処理サーバ32に無効化を指示する(ステップD2)。これにより、注文処理サーバ32は、無効化された識別IDを含むURLにより商品注文ページにアクセスがあっても商品の注文を受け付けないようにでき、不正な発注を防ぐことができる。
【0049】
なお、前述した説明では、外部のID発行装置30において生成された顧客毎の識別IDを用いて、URL管理装置20により識別データ(URL)を生成しているが、URL管理装置20に識別IDを生成する機能を設けても良い。また、オーダーエントリシステム22に前述したURL管理装置20が含まれる構成としても良い。さらに、オーダーエントリシステム22、ID発行装置30、及びURL管理装置20の機能が一体化されても良い。
【0050】
また、前述した説明では、識別データをURLとすることで、携帯端末25に搭載されたブラウザ機能を利用して、注文処理サーバ32に識別データを通知しているが、独自の形式の識別データを用いることも可能である。この場合、顧客が使用する携帯端末では、独自の形式の識別データを処理する機能を実現するアプリケーションプログラム(以下、注文アプリケーションと称する)がインストールされるものとする。
【0051】
図9は、本実施形態の独自形式の識別データを用いた利用者管理システムの構成を示すブロック図である。図9において、ID管理装置60、ID提供装置61、携帯端末65(65−1,…,65−n)、注文処理サーバ70は、図1におけるURL管理装置20、URL提供装置21、携帯端末25、注文処理サーバ32にそれぞれ対応するものとして詳細な説明を省略する。なお、ID管理装置60は、前述したURL管理装置20とは異なり、顧客毎に固有の識別データ(ID)を生成して、ID提供装置61から出力させるものとする。携帯端末65は、注文アプリケーションを実行することで、ID提供装置61から提供される識別データ(ID)を読み取って処理することができる。なお、識別データ(ID)は、前述と同様にして、店舗50と顧客の位置(例えば、テーブルデータ)を示すデータが含まれるものとする。また、図9に示すID管理装置60は、図1に示すURL管理装置20と同様にして、オーダーエントリシステムと連携することも可能である。
【0052】
図10は、本実施形態における携帯端末65(65−1,…,65−n)の注文アプリケーションによる注文処理を示すフローチャートである。
店舗50に顧客(グループあるいは個人)が来店してテーブルにつくと、店員は、ID管理装置60に対して、来店があったことを示す来店確認を入力する。これにより、ID管理装置60は、店舗データと顧客が着席したテーブルを示すテーブルデータとを含む識別データ(ID)を生成して、ID提供装置61から出力させる。
【0053】
顧客は、商品の注文をする場合、注文アプリケーションを起動し(ステップE1)、ID提供装置61から出力された識別データを読取る(ステップE2)。識別データの読み取りは、前述と同様にして実現することができる。
【0054】
携帯端末65は、識別データの読み取りに成功すると、注文アプリケーションによって注文メニューを表示する(ステップE3)。注文メニューでは、顧客の携帯端末65に対する入力操作によって、任意に商品を選択することができる(ステップE4)。
【0055】
注文メニューにおいて注文商品の選択が確定すると、携帯端末65(注文アプリケーション)は、識別データと対応づけて注文商品のデータを注文処理サーバ70に送信する(ステップE6)。
【0056】
注文処理サーバ70は、携帯端末65から識別データと共に注文商品のデータを受信すると、識別データに対応する店舗40のID管理装置60に対して、注文商品のデータを送信する。
【0057】
以下、同様にして、携帯端末65は、注文処理の終了が指示され、注文アプリケーションが停止されるまで(ステップE7)、注文メニューからの注文商品の選択を入力して、注文処理サーバ70に送信する。
【0058】
このようにして、ID管理装置60が独自の形式の識別データを用いる場合であっても、携帯端末65に識別データの読み取りを実行する注文アプリケーションをインストールことで対応することができる。また、注文アプリケーションによって注文メニューを提供し、注文商品の選択を入力して注文処理サーバ70に送信することができるので、注文処理サーバ70に依存することなく商品の注文を受け付けることができる。
【0059】
なお、前述した説明では、飲食店においてURL管理装置20,60を使用する場合を例にしているが、店舗等に来店した顧客を管理する必要がある他の場所において適用することも可能である。
【0060】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0061】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0062】
10−1,10−2,10−k…店舗、20…URL管理装置、21…URL提供装置、25…携帯端末、30…ID発行装置、32…注文処理サーバ、40…CPU、41…メインメモリ、42…記録装置、43…入力部、44…出力部、45…ネットワークI/F。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が来店したことを示す来店確認を入力する入力手段と、
前記入力手段からの入力に応じて、顧客に固有の識別情報と前記顧客を特定するためのデータとを含む識別データを生成する識別データ生成手段と、
前記識別データを出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする識別データ管理装置。
【請求項2】
前記顧客についての会計処理が終了した時点で前記識別データを無効にする無効手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の識別データ管理装置。
【請求項3】
前記識別データ生成手段は、商品の注文先を示すURL(uniform resource locator)を含む識別データを生成することを特徴とする請求項1記載の識別データ管理装置。
【請求項4】
前記識別データ生成手段は、前記顧客を特定するためのデータとして、前記店舗と前記顧客の店舗内における位置を示すデータを、前記URLのパラメータとして付加することを特徴とする請求項3記載の識別データ管理装置。
【請求項5】
前記入力手段からの入力に応じて、前記識別情報を外部装置から入力する識別情報入力手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の識別データ管理装置。
【請求項6】
前記URLが示す商品の注文先に対して送信された注文内容と、前記注文内容に対応する前記顧客を特定するためのデータを外部装置から受信する受信手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の識別データ管理装置。
【請求項7】
顧客が来店したことを示す来店確認を入力し、
来店確認の入力に応じて、顧客に固有の識別情報と前記顧客を特定するためのデータとを含む識別データを生成し、
この生成された前記識別データを出力する識別データ管理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
顧客が来店したことを示す来店確認を入力する入力手段と、
前記入力手段からの入力に応じて、顧客に固有の識別情報と前記顧客を特定するためのデータとを含む識別データを生成する識別データ生成手段と、
前記識別データを出力する出力手段として機能させるための識別データ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−69074(P2013−69074A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206496(P2011−206496)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】