説明

識別装置及び識別方法

【課題】
本発明は、紙に有する紋様を紋様情報として取得する取得手段と、証明対象の内容を上記紙に印画して証明書を作成する作成手段と、上記内容を表す情報及び上記紋様情報を合成する合成手段と、上記合成された合成情報を上記紙の変造を検出する際の基準として上記証明書に記憶させる記憶手段と、上記証明書に記憶された上記合成情報に基づいて、上記証明書を識別するための処理を施す識別処理手段とを設けるようにする。
【解決手段】
本発明の識別装置は、証明対象を表す情報を合成情報から抽出し、証明対象を表す情報を合成情報から抽出し、当該証明対象を表す情報を基準として証明対象の内容を検証することによって、証明書の変造を検証でき、かくして証明書の信頼性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別装置及び識別方法に関し、例えば証明書の変造の有無を識別する場合に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、紙は文書や写真等の各種内容の印画対象として用いられ、当該内容(以下、これを印画内容と呼ぶ)が印画された印画紙は、例えば貨幣等の商品交換媒体、証明書等の内容証明媒体又は個人の著作物等の情報記憶媒体などの各種媒体として機能するため高い価値を有していることが多い。
【0003】
このため、印画紙に印画された印画内容の不正複製を防止する各種対処策が考えられており、当該対処策として、印画紙に有する紋様に基づいて紋様情報を取得して、取得された紋様情報を印画紙に記憶し、当該記憶された紋様情報に基づいて、印画紙の正当性を検証することによって、印画内容を適切に保護し、印画紙に印画された印画内容の不正複製を防止する不正複製防止装置が本願特許出願人により提案されている。
【特許文献1】PCT/JP2005/001176
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、かかる不正複製防止装置においては、印画紙それぞれにおける正当性、すなわち原本性を保証することによって印画内容の不正複製を防止するようになされており、印画紙に有する紋様情報と当該印画紙に記憶された記憶紋様情報とが一致すれば原本性が保証される。このためこの不正複製防止装置では、例えば印画紙自体が高い価値を有する証明書において、当該紋様情報と当該記憶紋様情報とを切り取り、印画内容を変造した変造印画紙に貼り合わせた変造がなされた場合であっても原本性が保証されてしまうため、このような証明書の変造を防止できないという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、証明書の信頼性を向上し得る識別装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明の識別装置においては、紙に有する紋様を紋様情報として取得する取得手段と、証明対象の内容を当該紙に印画して証明書を作成する作成手段と、当該内容を表す情報及び当該紋様情報を合成する合成手段と、当該合成された合成情報を当該紙の変造を検出する際の基準として当該証明書に記憶させる記憶手段と、当該証明書に記憶された当該合成情報に基づいて、当該証明書を識別するための処理を施す識別処理手段とを設けるようにした。
【0007】
これにより、証明対象を表す情報を合成情報から抽出し、当該証明対象を表す情報を基準として証明対象の内容を検証することによって、証明書の変造を検出することができる。
【0008】
また、本発明の識別方法においては、紙に有する紋様を紋様情報として取得する取得ステップと、当該内容を表す情報及び当該紋様情報を合成する合成ステップと、当該合成された合成情報を当該紙の変造を検出する際の基準として当該紙に記憶させると共に、当該紙に証明対象の内容を印画して証明書を作成する作成ステップと、当該証明書に記憶された当該合成情報に基づいて、当該証明書を識別する識別ステップとを設けるようにした。
【0009】
これにより、証明対象を表す情報を合成情報から抽出し、当該証明対象を表す情報を基準として証明対象の内容を検証することによって、証明書の変造を検出することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、証明対象を表す情報を合成情報から抽出し、証明対象を表す情報を合成情報から抽出し、当該証明対象を表す情報を基準として証明対象の内容を検証することによって、証明書の変造を検証でき、かくして証明書の信頼性を向上し得る識別装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0012】
(1)識別手法
図1に示すように、紙は、繊維の複雑な絡み合いにより構成された固有の模様(以下、これを紋様と呼ぶ)を表面ではなく内部に有しており、この紋様は、光にかざすと視認できることからも分かるように、例えば透過型スキャナ等により画像(以下、これを紋様画像と呼ぶ)として得ることができるものである。
【0013】
そこで本実施の形態における識別手法においては、図2に示すように、オリジナルの紙(以下、これをオリジナル紙と呼ぶ)OP1の紋様画像のうち、予め指定された領域(以下、これを指定領域と呼ぶ)AR1における紋様画像が有するパターン(以下、これを紋様パターンと呼ぶ)から当該紋様パターンの特徴を示す紙紋様特徴量MP1を抽出する。
【0014】
さらに本実施の形態における識別手法においては、オリジナル紙OP1に対してこれから印画される印画内容SP1に基づいて、当該印画内容を表す情報(以下、これを印画内容証明情報と呼ぶ)SP2を生成する。
【0015】
そして識別装置は、かかる紙紋様特徴量MP1及び印画内容証明情報SP2を合成することによって合成情報MX1を生成し、この合成情報MX1を2次元バーコードでなる認証用コードBC1としてオリジナル紙OP1における紙面の一部に印画する。
【0016】
一方、識別装置1は、図2(B)に示すように、認証用コードBC1が印画された印画紙(以下、これをコード付印画紙と呼ぶ)XPc1を識別する場合、当該コード付印画紙XPc1の認証用コードBC1に基づいて復元した復元合成情報MX1´から復元紙紋様特徴量MP1´を抽出し、抽出された復元紙紋様特徴量MP1´と指定領域AR1における紋様画像から抽出された紙紋様特徴量(以下、これを比較用紙紋様特徴量と呼ぶ)MP2とを照合することによってコード付印画紙XPc1の原本性(オリジナル紙OP1の有無)を識別するようになされている。
【0017】
また、識別装置1は、かかる復元合成情報MX1´から復元印画内容証明情報SP2´を抽出し、例えば当該復元印画内容証明情報SP2´を表示部等に表示し、当該復元印画内容証明情報SP2´と印画内容SP1とをユーザに直接目視比較させることによって、コード付印画紙XPc1の印画内容SP1の変造の有無を識別させるようになされている。
【0018】
このため図3に示すように、例えばコピー機などの複製装置によってコード付印画紙XPc1から、コード付印画紙XPc2が複製された場合であっても、当該コード付印画紙XPc2にはオリジナル紙OP1の指定領域AR1に存在する同一の紋様パターンは存在し得ないため、比較用紙紋様特徴量MP2と復元紙紋様特徴量MP1´との照合結果が一致することはなく、複製コード付印画紙XPc2が複製であって原本ではないことを検出することができる。
【0019】
また図4に示すように、例えばコード付印画紙XPc1における認証用コードBC1及び指定領域AR1が切り取られ、他の印画紙に貼り合わせられることによって変造コード付印画紙XPc3が作製された場合であっても、認証用コードBC1から復元された復元印画内容証明情報SP2´とコード付印画紙XPc3の印画内容SP1とが一致することはないため、変造コード付印画紙XPc3の印画内容SP1が変造されたものであることを検出することができる。
【0020】
このように識別手法によって、コード付印画紙XPc1がオリジナル紙OPから正当に作成された否かを検証すると共に、印画紙の印画内容SP1が正当であるか否かを検証できるため、即座に上述した商品交換媒体や内容証明媒体等の高付加価値媒体として使用される当該印画紙の不正複製や変造を発見することが可能となる。
【0021】
(2)識別装置の構成
図5において、1は本実施の形態による識別装置を示し、この識別装置1全体の制御を司る制御部2に対してバス3を介してスキャナ部4、プリンタ部5及びLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部6が接続されることにより構成されている。
【0022】
この制御部2は、CPU(Central Processing Unit)構成でなり、RAM(Random Access Memory)でなるワークメモリ及びROM(Read Only Memory)でなる情報記憶メモリを有している。
【0023】
この情報記憶メモリには、紙の各種規格サイズそれぞれに対する指定領域AR1(図2)の位置情報(以下、これを領域位置情報と呼ぶ)、2次元バーコード用の文字列情報(以下、これをコード文字列情報と呼ぶ)等の各種情報及びプログラムが記憶されている。従って制御部2は、ワークメモリにロードしたプログラムに従って、情報記憶メモリに記憶された各種情報を適宜用いて各種処理を実行するようになされている。
【0024】
実際上、制御部2(図5)は、印画内容SP1及び認証用コードBC1からなる印画情報を印画させる旨の指令が操作部(図示せず)から与えられた場合、第1のモード(以下、これを印画モードと呼ぶ)に遷移し、紋様画像読取コマンドをスキャナ部4に送出する。
【0025】
そして、制御部2は、このコマンドの応答結果として、スキャナ部4からオリジナル印画紙OP1における紋様画像のデータ(以下、これを紋様画像データと呼ぶ)D1が与えられる。
【0026】
図6に示すように、制御部2は、この紋様画像データD1から紙紋様特徴量MP1を抽出すると共に、印画内容SP1に基づいて印画内容証明情報SP2を生成する。そして制御部2は、この紙紋様特徴量MP1と印画内容証明情報SP2とを合成した合成情報MX1に基づいて2次元バーコードでなる認証用コードBC1を生成する。さらに制御部2は、この認証用コードBC1と印画内容SP1とを合成して印画情報を生成し、プリンタ部5へ送出する。
【0027】
この印画情報は、プリンタ部5において、印画内容SP1及び認証用コードBC1としてオリジナル紙OP1に記憶される。この結果、制御部2は認証用コードBC1を通して当該紙紋様特徴量MP1及び印画内容SP1をリンク付けした状態でオリジナル紙OP1の紙面上に記憶させる。
【0028】
また制御部2は、所定の識別指令が操作部から与えられた場合、第2のモード(以下、このモードを識別モードと呼ぶ)に遷移し、紋様画像読取コマンド及びコード読取コマンドをスキャナ部4に送出する。
【0029】
制御部2は、これらコマンドの応答結果として、スキャナ部4からコード付印画紙XPc1における紋様画像のデータ(以下、これをコード付紋様画像データと呼ぶ)D2と、当該コード付印画紙XPc1に印画された認証用コードBC1の読取結果であるコード画像データD3とが与えられる。
【0030】
図7に示すように、制御部2は、指定領域AR1におけるコード付紋様画像データD2から比較用紙紋様特徴量MP2を抽出すると共に、認証用コードBC1におけるコード画像データD3から復元するようにして復元紙紋様特徴量MP1´及び復元印画内容証明情報SP2´を得る。
【0031】
そして図8に示すように制御部2は、その復元紙紋様特徴量MP1´と比較用紙紋様特徴量MP2とを比較照合する。従って制御部2は、比較照合の結果、各々の特徴量が所定の閾値を超えて一致するか否かを判定し、両者が一致すると認識できた場合には、コード付印画紙XPc1が正当に作成されたオリジナル紙OP1そのものであること、すなわち原本であることを立証し、一方で両者が一致しない場合には、コード付印画紙XPc1の原本性を否定するようになされている。
【0032】
さらに制御部2は、復元印画内容証明情報SP2´を表示部6に表示させることによって、ユーザにコード付印画紙XPc1に印画された印画内容SP1と復元印画内容証明情報SP2´とを比較させ得、ユーザによって両者の一致が認識され得た場合には、コード付印画紙XPc1の印画内容SP1が改ざんされていないこと、すなわち正当であることを立証し、一方で両者が一致しない場合には、コード付印画紙XPc1における印画内容SP1の正当性を否定するようになされている。
【0033】
このようにして制御部2は、コード付印画紙XPc1の原本性と印画内容SP1の正当性を検証し得るため、コード付印画紙XPc1の不正複製や変造を検出でき、かくしてコード付印画紙XPc1の不正複製や変造を防止し得るようになされている。
【0034】
一方、スキャナ部4(図5)は、紋様読取モード、コード読取モードを有し、制御部2から紋様画像読取コマンドが与えられた場合には紋様読取コード、制御部2からコード読取コマンドが与えられた場合にはコード読取モードをそれぞれ実行するようになされている。
【0035】
実際上、スキャナ部4(図5)は、紋様読取モード時には例えば載置台に載置されたオリジナル印画紙OP1又はコード付印画紙XPc1に対して光を照射し、これらを透過する事により得られる紋様投影光を、光学系を介して固体撮像素子に結像する。そしてスキャナ部4は、この固体撮像素子から得られる紋様画像信号に対してA/D(Analog/Digital)変換処理等を施し、この結果得られた紋様画像データD1又はコード付紋様画像データD2を制御部2へ送出する。
【0036】
同様にスキャナ部4は、コード読取モード時には、例えば載置台に載置されたコード付印画紙XPc1に対して光を照射し、これを反射することにより得られるコード反射光を光学系を介して固体撮像素子に結像する。そしてスキャナ部4は、この固体撮像素子から得られるコード画像信号に対してA/D変換処理等を施し、この結果得られたコード画像データD3を制御部2へ送出する。
【0037】
このようにしてスキャナ部4は、制御部2から与えられる各種コマンドに応じたモードを実行することにより、紋様画像、認証用コードBC1(図7)を読み取ることができるようになされている。
【0038】
一方、プリンタ部5(図5)は、制御部2から印画情報が供給されると、この印画情報に対してパルス幅変調処理等を施し、この結果得られた印画データを印画ヘッド部に送出する。この結果、この印画情報に基づく印画ヘッド部の駆動により、このとき印画紙台にセットされた印画紙(オリジナル紙OP1)に印画内容SP1(図6)が印画されると共に、当該印画紙の所定位置に認証用コードBC1が印画される。
【0039】
他方、表示部6は、制御部2から認証用コードBC1から復元された復元印画内容証明情報SP2´(図8)が供給されると、当該復元印画内容証明情報SP2´を表示するようになされている。
【0040】
(3)印画モードにおける制御部の処理内容
図9に示すように、かかる制御部2における印画モード時の処理内容を機能的に分類すると、印画内容証明情報生成部10と、紙紋様画像処理部12と、合成情報生成部13と、2次元コード変換部14、印画情報生成部15とに分けることができる。
【0041】
(3−1)印画内容証明情報生成処理
印画モードにおいて、印画内容証明情報生成部10は、外部から入力された、あるいは図示しない情報記憶メモリから読み出した、写真や文字又はそれらの組み合わされた画像データに基づいて、例えばコンサートの入場券画像を印画内容SP1として生成する。そして印画内容証明情報生成部10は、当該印画内容SP1に基づいて印画内容証明情報SP2を生成する。例えば、当該印画内容SP1がコンサート入場券情報である場合には、コンサートの名称、日時、指定座席等のコンサート及び入場条件等を特定する情報を生成する。そして印画内容証明情報生成部11は、この印画内容証明情報SP2を合成情報生成部13へ送出する。
【0042】
これにより印画内容証明情報生成部10は、印画内容SP1から印画内容を証明する情報のみを抽出し得るため、印画内容証明情報SP2としてのデータ量を小さくし得るようになされている。
【0043】
(3−2)紙紋様特徴量抽出処理
スキャナ部4(図5)から紋様画像データD1が供給された場合、紙紋様画像処理部12(図9)は、当該紋様画像データD1から紙紋様特徴量MP1を抽出するようになされている。ここで、紙紋様画像処理部12における紙紋様特徴量抽出処理の内容を機能的に分類すると、図7に示すように、低周波数成分抽出部21と、画像分離部22と、領域区割部23と、紙紋様特徴量抽出部24とに分けることができる。
【0044】
実際上、制御部2は、スキャナ部4から供給される紋様画像データD1を、低周波数成分抽出部21に入力する。
【0045】
かかる紋様画像データD1が入力されると、低周波数成分抽出部21は、図10に示すように、当該紋様画像データD1から指定領域AR1における領域紋様画像IM1(図10(A))を取得し、この領域紋様画像IM1から低域成分紋様画像IM2(図10(B))を抽出し、当該低域成分紋様画像IM2を画像分離部22(図9)へ送出する。
【0046】
これにより低周波数成分抽出部21は、一般に画像の高周波成分に含まれる各種ノイズ成分を除去し、紙紋様特徴量の抽出精度の低下を防止し、ひいては照合部33における照合結果の信頼性を向上させ得るようになされている。
【0047】
画像分離部22は、図11(A)、(B)及び(C)に示すように、低域周波数成分抽出部11で抽出された低域成分紋様画像IM2(図11(A))を、白成分紋様画像WIM(図11(B))と黒成分紋様画像BIM(図11(C))とに分離する。
【0048】
具体的に画像分離部22は、かかる低域成分紋様画像IM2の輝度値を画素ごとに順次検出し、高輝度閾値以上となる輝度値を有する白成分紋様画像WIMを抽出し、この白成分紋様画像WIMを領域区割部23へ送出する。
【0049】
また画像分離部22は、低域成分紋様画像IM2における各画素の検出結果が低輝度閾値以下となる輝度値を有する黒成分紋様画像BIMを抽出し、この黒成分紋様画像BIMを領域区割部23へ送出する。
【0050】
このように画像分離部22は、低域成分紋様画像IM2を白成分紋様画像WIMと黒成分紋様画像BIMとに分離して、紋様パターンの複雑さを低減し得るようになされている。この結果、画像分離部22は、紋様パターンの複雑さの程度が大きいことに起因する紙紋様特徴量抽出部24における紙紋様特徴量の抽出精度の低下を防止し得るようになされている。
【0051】
領域区画部23は、図12に示すように、白成分紋様画像WIM(図11(B))が有する紋様を、隣接する白画素の集合を単位とする領域(以下、これを白ダマと呼ぶ)に区割りするとともに、黒成分紋様画像BIM(図11(C))が有する紋様を、隣接する黒画素の集合を単位とする領域(以下、これを黒ダマと呼ぶ)に区割りする。
【0052】
具体的に領域区割部23は、画像分離部22から供給される白成分紋様画像WIMから全ての白画素を検出した後、図12(B)に示すように、任意の注目画素APと隣接する上下左右方向の4画素及び斜め方向の4画素の計8画素(以下、これを8近傍画素と呼ぶ)の白画素を順次連結していく。
【0053】
そして領域区割部23は、画像分離部12から供給される黒成分紋様画像BIMについても白成分紋様画像WIMと同様にして複数の黒ダマBD1〜BDnを形成するようになされている。
【0054】
このようにして領域区割部23は、白成分紋様画像WIMが有する紋様を複数の白ダマWD(WD1〜WDn)に区割すると共に、黒成分紋様画像BIMが有する紋様を複数の黒ダマBD(BD1〜BDn)に区割することにより、当該紋様を細分化し得るようになされている。
【0055】
この結果、領域区割部23は白成分紋様画像WIM及び黒成分紋様画像BIMが有する紋様を細かく分析可能になるため、紙紋様特徴量抽出部24での紙紋様特徴量の抽出精度を向上させ得るようになされている。
【0056】
さらに領域区割部23は、区割された白成分紋様画像WIM(図13(A))から所定の連結数以下となるダマを除去する(図13(B))ようになされており、当該除去した結果得られた残りの白ダマデータWDを紙紋様特徴量抽出部24へ送出する。
【0057】
同様に領域区割部23(図9)は黒成分紋様画像BIMから所定の連結数以下となるダマを除去して、当該除去した結果得られた残りの黒ダマデータBDを紙紋様特徴量抽出部24へ送出する。
【0058】
これにより領域区割部23は、白成分紋様画像WIM及び黒成分紋様画像BIMが有する紋様の特徴部分のみを白ダマデータWD及び黒ダマデータBDとして抽出することができるため、紙紋様特徴量抽出部24における紙紋様特徴量の抽出精度を一段と向上させ得るようになされている。
【0059】
紙紋様特徴量抽出部24は、白ダマデータWD及び黒ダマデータBDにおける形状の特徴量を算出するようにして紙紋様特徴量を抽出するようになされている。この場合、紙紋様特徴量抽出部24では、白ダマデータWD及び黒ダマデータBDにおける各形状の特徴量をそのまま算出する際、その形状が複雑であって困難なことから、当該白ダマデータWD及び黒ダマデータBDの形状をそれぞれ矩形近似させ、その結果得られる矩形情報値を紙紋様特徴量MP1として抽出するようになされている。そして紙紋様特徴量抽出部24は、この紙紋様特徴量MP1を合成情報生成部13へ送出する。
【0060】
(3−3)合成情報生成処理
合成情報生成部13は、上述した印画内容証明情報SP2と、紙紋様特徴量MP1とが供給された場合、例えば当該印画内容証明情報SP2の先頭に当該紙紋様特徴量MP2を付加する事によって合成した合成情報MX1を生成し、この合成情報MX1を2次元コード変換部14へ送出する。
【0061】
(3−4)印画情報生成処理
2次元コード変換部14は、かかる合成情報MX1が供給された場合、当該合成情報MX1に基づいて所定の2次元バーコードでなる認証用コードBC1を生成し、これを印画情報生成部15へ送出する。
【0062】
印画情報生成部15は、かかる認証用コードBC1が供給されると、認証用コードBC1がオリジナル紙OP1の所定位置に配置されるように、認証用コードBC1及び印画内容SP1とを合成した印画情報PIを生成し、この印画情報PIをプリンタ部5へ送出する。
【0063】
この結果、制御部2(図5)は、プリンタ部5によって認証用コードBC1を通して当該紙紋様特徴量MP1及び印画内容SP1をリンク付けした状態でオリジナル紙OP1の紙面上に記憶する。
【0064】
このようにして識別装置1では、印画内容証明情報SP2(図6)と紙紋様特徴量MP1とが合成された合成情報MX1に基づいた認証用コードBC1、及び印画内容SP1をオリジナル紙OP1に印画するようになされている。
【0065】
(4)照合モードにおける制御部の処理内容
ここで、この照合モードにおける制御部2の処理内容を機能的に分類すると、図9との対応部分に同一符号を附した図14に示すように、紙紋様画像処理部12と、二次元コード復元部31と、情報分離部32と、照合部33とに分けることができる。ここで紙紋様画像処理部12の処理内容については、既に説明した通りであるため、ここでは説明の便宜上省略する。
【0066】
制御部2(図5)は、スキャナ部4からコード付紋様画像データD2及びコード画像データD3が供給された場合、当該コード付紋様画像データD2を紙紋様画像処理部12(図14)へ入力し、当該紙紋様画像処理部12によって当該コード付紋様画像データD2から比較用紙紋様特徴量MP2を抽出し、照合部33へ送出する。一方で、制御部2は、当該コード画像データD3を2次元コード復元部31へ入力するようになされている。
【0067】
(4−1)認証用コード復元処理
2次元コード復元部31は、かかるコード画像データD3が入力された場合、所定のコード文字列情報に基づいて2次元バーコード変換処理を施すことによって、認証用コードBC1を復元するようにして生成した復元合成情報MX1´を生成し、当該復元合成情報MX1´を情報分離部32へ送出する。
【0068】
情報分離部32は、かかる復元合成情報MX1´が供給されると、当該復元合成情報MX1´に基づいてオリジナル紙OP1における指定領域AR1の紙紋様特徴量を示す復元紙紋様特徴量MP1´と、オリジナル紙OP1に併せて印画された印画内容SP1を表す復元印画内容証明情報SP2´とを生成する。そして情報分離部32は、当該復元紙紋様特徴量MP1´を照合部33へ送出する。また、情報分離部32は、復元印画内容証明情報SP2´を表示部6へ送出し、この結果ユーザに対して表示部6に表示させた当該復元印画内容証明情報SP2´と、コード付印画紙XPc1における印画内容SP1とを目視比較させるようになされている。
【0069】
(4−2)照合処理
照合部33は、情報分離部32から供給される復元紙紋様特徴量MP1´と、紙紋様画像処理部12から供給される比較用紙紋様特徴量MP2とを照合することにより、コード付印画紙XPc1が原本であるか否かを検証するようになされている。
【0070】
このようにして、制御部2は、コード付印画紙XPc1の原本性及び印画内容SP1の正当性を識別し得るようになされている。
【0071】
(5)使用例
次に、上述の識別装置1を適用した実施形態について説明する。
【0072】
(5−1)オンラインチケットシステム
図15において、50は全体としてオンラインチケットシステムを示し、ウェブ管理サーバ52と、インターネット53と、パーソナルコンピュータ(以下、これをPCと呼ぶ)54と、照合装置56とから構成されている。
【0073】
ウェブ管理サーバ52及びPC54はインターネット53を介して接続されている。ユーザはPC54によって当該ウェブ管理サーバ52が管理するウェブサイトに接続し、チケットを申し込むようになされている。そしてユーザは、PC54によってウェブ管理サーバ52から供給されたチケット画像である印画情報PIを自宅にある紙に印画することによって、認証用コードBC1が印画されたチケット(以下、これをコード付チケットCTと呼ぶ)の発行を自宅から行い得るようになされている。
【0074】
一方、上述したコード付チケットCTと交換に入場を許可するイベント会場では、照合装置56A〜56Cがそれぞれ設置されており、これらの照合装置56によって当該コード付チケットCTの原本性及びチケット内容の正当性を検証し得るようになされている。
【0075】
(5−1−1)コード付チケットの発行
図16に示すように、ウェブ管理サーバ52は、制御部52Aと通信インターフェース52Bとによって構成され、通信インターフェース52Bを介してインターネット53に接続されている。一方、PC54は、このPC54全体の制御を司る制御部54Dに対してバス54Fを介してスキャナ部54Aと、表示部54Bと、プリンタ部54Cと、通信インターフェース54Eとが接続されることによって構成されている。そしてPC54は、通信インターフェース54Eを介してインターネット53に接続されている。かくして、ウェブ管理サーバ52及びPC54はインターネット53を介して相互に接続し得るようになされている。
【0076】
ウェブ管理サーバ52の制御部52A、PC54のスキャナ部54A、プリンタ部54Cは、上述した識別装置1(図5)における制御部2、スキャナ部4、プリンタ部5にそれぞれ対応し、上述した各種処理を行うようになされている。また、コード付チケットCTはコード付印画紙XPc1に、チケット内容TN1は印画内容SP1に、チケット内容証明情報TN2は印画内容証明情報SP2に、復元チケット内容証明情報TN2´は復元印画内容証明情報SP2´にそれぞれ対応する。
【0077】
実際上、ウェブ管理サーバ52の制御部52A(図16)は、ユーザの操作によってPC54からチケットを申し込む旨のチケット申込コマンドが供給されると、処理を開始する。そして制御部52Aは、PC54に対してオリジナル紙OP1に基づく紋様画像データD1を取得する旨の紋様画像取得要求を行う。
【0078】
この結果、制御部52Aは、この紋様画像取得要求に基づく表示画面をPC54の表示部54Bに表示させるようになされている。そして制御部52Aは、当該表示画面に応じたユーザのPC54に対する操作により、スキャナ部54Aによってオリジナル紙OP1の指定領域AR1における紋様画像データD1(図6)を取得させ、インターネット53を介して制御部52Aに供給させるようになされている。
【0079】
そして制御部52A(図16)では、PC54から紋様画像データD1が供給されると、紙紋様特徴量抽出処理(3−2)によって紙紋様特徴量MP1を抽出する。一方制御部52Aは、図17に示すように、例えば予めメモリに記憶されているサッカーの試合等のイベント名や、開催時間、座席番号等のイベントに関する文字情報や画像情報から、証明対象の内容としてチケット申込内容に基づいてチケット内容TN1を生成する。さらに制御部52Aは、当該チケット内容TN1に基づいて、印画内容証明情報生成処理(3−1)によってチケットの内容を特定する情報を抽出し、チケット内容証明情報TN2を生成する。
【0080】
制御部52A(図16)は、かかる紙紋様特徴量MP1及びチケット内容証明情報TN2から、合成情報生成処理(3−3)、印画情報生成処理(3−4)によって印画情報PIを生成する。同時に制御部52Aは、当該チケット申込内容に基づいて課金要求を生成し、インターネット53を介してPC54へ送出する。
【0081】
この結果、制御部52Aは、かかる課金要求に応じたPC54からの指令により、インターネット53を介して決済機関(図示せず)に接続し、所定の決済処理を行うようになされている。この決済処理が終了すると、制御部52Aは、先ほど生成した印画情報PIをPC54へ送出する。
【0082】
PC54は、かかる印画情報PIが供給されると、プリンタ部54Cによって当該印画情報PIをオリジナル紙OP1に印画する。
【0083】
ここで、オンラインチケットシステム50では、PC54にかかる印画情報PIを印画させることにより、チケット内容TN1と認証用コードBC1を同時に印画させることができるため、2度に渡って印画処理を行う場合と比較して、紙詰まりや等の印画処理に関するトラブルが生じる可能性を減少させ得ると共に、印画処理に要する時間を短縮させることができるようになされている。
【0084】
この結果PC54は、プリンタ部54Cによってチケット内容TN1をオリジナル紙OP1に印画すると共に、認証用コードBC1をオリジナル紙OP1における紙面の一部として指定領域AR1の近傍(図6)に印画することにより、認証用コードBC1を通して当該紙紋様特徴量MP1及びチケット内容TN1をリンク付けした状態でオリジナル紙OP1の紙面上に記憶させ、コード付チケットCTを発行し得るようになされている。
【0085】
そしてPC54(図16)は、ユーザの操作に応じて印画処理を終了した旨の印画処理終了通知をウェブ管理サーバ52へ送出する。
【0086】
かかる構成に加えて、オンラインチケットシステム50では、コード付チケットCTが正常に発行されたことを確認するための確認処理を行うようになされている。
【0087】
ウェブ管理サーバ52の制御部52Aは、上述した印画処理終了通知が供給されると、PC54に対してコード付チケットCTのコード付紋様画像データD2を取得する旨の印画紙画像取得要求画像を送出する。この結果、制御部52Aは、この印画紙画像取得要求画像をPC54の表示部54Bに表示させるようになされている。そして制御部52Aは、当該紋様画像取得要求画像に基づくユーザのPC54に対する操作により、スキャナ部54Aによってコード付チケットCTのコード付紋様画像データD2を取得させ、インターネット53を介して制御部52Aに供給させるようになされている。
【0088】
そして制御部52Aは、かかるコード付紋様画像データD2が供給されると、当該コード付紋様画像データD2から比較用紙紋様特徴量MP2を抽出すると共に、認証用コードBC1から復元するようにして復元紙紋様特徴量MP1´及び復元チケット内容証明情報TN2´を得る。そして制御部52Aは、当該復元紙紋様特徴量MP1´と情報メモリから読み出された紙紋様特徴量MP1とを比較照合する。
【0089】
従って制御部52Aは、比較照合の結果、各々の特徴量が所定の閾値を超えて一致するか否かを判定し、両者が一致すると認識できた場合、このことは認証用コードBC1がオリジナル紙OP1に正常に印画されていることを意味しており、コード付チケットCTの発行が終了した旨のチケット発行終了通知をPC54に送出し、コード付チケットCTの発行を完了する。
【0090】
一方で制御部52Aは、比較照合の結果、各々の特徴量が一致しないと認識できた場合、このことは認証用コードBC1がオリジナル紙OP1に正常に印画されていないことを意味しているため、再度別のオリジナル紙OP2の紋様画像データD1を取得する旨の通知をPC54に送出し、コード付チケットCTの発行に係る処理を再度行うようになされている。
【0091】
これにより、制御部52Aは、例えば認証用コードBC1がオリジナル紙OP1以外の紙に印画された場合や、印画ミス等によるトラブルによって正常に印画されなかった場合であっても、新しいオリジナル紙OP2を用いてコード付チケットCTの発行を再度行うことができ、確実にチケットの発行を行うことが可能となる。
【0092】
このようにして、オンラインチケットシステム50では、PC54のスキャナ部54Aによってオリジナル紙OP1から紋様画像データD1を取得し、ウェブ管理サーバ52の制御部52Aによって生成した当該紋様画像データD1とチケット内容TN1とから生成した印画情報PIをPC54Cのスキャナ部54Cによって当該オリジナル紙OP1に印画するようにしたため、PC54によってチケットの発行をし得、インターネット等のオンライン上でコード付チケットCTの発行をすることができる。
【0093】
このときPC54は、オリジナル紙OP1から紋様画像データD1を取得し、ウェブ管理サーバ52によって生成された印画情報PIを印画するだけの処理でチケット発行を行うことができるため、特別なソフトを必要とせず、簡易な構成でコード付チケットCTの発行を実行し得るようになされている。
【0094】
(5−1−2)チケットの識別
図16に示したように、照合装置56は、制御部56Aと、スキャナ部56Bと、表示部56Cとによって構成され、制御部56Aの制御によって各部を制御することによって各種処理を実行し得るようになされている。
【0095】
照合装置56の制御部56A、スキャナ部56Bと、表示部56Cは、各々識別装置1(図5)における制御部2、スキャナ部4、表示部6に対応し、上述した処理を行うようになされている。
【0096】
実際上、照合装置56の制御部56Aは、コード付チケットCTの原本性と印画内容の正当性を識別する旨の命令が操作部(図示せず)を介して与えられると処理を開始する。
【0097】
制御部56Aは、スキャナ部56Aによって取得したコード付チケットCT(図17)の認証用コードBC1におけるコード画像データD3から上述した認証用コード復元処理(4−1)によって復元紙紋様特徴量MP1´及び復元チケット内容証明情報TN2´を得ると共に、指定領域AR1におけるコード付紋様画像データD2から、上述した紙紋様特徴量抽出処理(3−2)によって比較用紙紋様特徴量MP2を得る。
【0098】
そして制御部56A(図16)は、その復元紙紋様特徴量MP1´と比較用紙紋様特徴量MP2との照合処理(4−2)をすると共に、復元チケット内容証明情報TN2´を表示部56Cに表示させ、ユーザにチケット内容TN1と復元チケット内容証明情報TN2´とをユーザに直製目視比較させることによってコード付チケットCTの原本性及びチケット内容TN1の正当性を検証し得、かくしてコード付チケットCTの正当性を識別し得るようになされている。
【0099】
このとき照合装置56Aでは、コード付チケットCTの指定領域AR1における紙紋様と認証用コードBC1とによって上述した照合処理をし得、管理サーバに接続する必要がないため、チケットを識別するための識別情報と管理サーバにおいて管理される管理情報とを照合する従来の方法と比較して、簡易な構成にすることができると共に、通信に要する時間を必要としないため照合にかかる処理時間を短縮することができる。
【0100】
オンラインチケットシステム50では、PC54によって印画されたコード付チケットCTの原本性及びチケット内容TN1の正当性を照合装置56Aによって速やかに識別し得るため、不正複製や変造されたチケットが使用されるのを防止でき、かくしてチケットの不正複製や変造を防止することができる。
【0101】
この結果、オンラインチケットシステム50では、識別手法によってチケットの不正複製や変造を防止できることにより、チケット内容TN1やオリジナル紙OP1に特別な変造防止対策を施す必要がないため、チケット発行のために特別な装置や紙を必要とせず、通常の紙であるオリジナル紙OP1と、パーソナルコンピュータ等の汎用電子通信機器とを利用でき、オンラインによって不特定多数のユーザに対してコード付チケットCTの発行をすることができる。
【0102】
また、オンラインチケットシステム50では、固体物である紙が有する紙紋様と認証用コードBC1として記憶されたデータとの組み合わせることによって初めてコード付チケットCTが正当であると識別され得るため、例えばハッキング等により紋様画像データD1や印画情報PI等の電子情報が漏洩した場合であっても、当該電子情報を不正利用されることを防止することができる。
【0103】
このようにして、オンラインチケットシステム50では、オンラインにおいて安全にコード付チケットCTの発行及び利用を行い得るようになされている。
【0104】
(5−2)本人確認システム
(5−2−1)本人確認システムの構成
図18において90は全体として本人確認システムを示し、ATM(Automatic teller machine)91と、管理サーバ92と、キャッシュカード94と、本人確認カード95(図18では95A、95B)とによって構成される。このATM91は管理サーバ92とは相互に接続され、情報の授受を行うようになされている。
【0105】
本人確認システム90では、ユーザがATM91を利用する際、本人確認のためのIDカードとしてキャッシュカード94及び本人確認カード95が必要となる。すなわち、本人確認カード95は、ユーザがキャッシュカード94を使用する際に当該ユーザがユーザ本人であることを確認するためのIDカードとして使用される。
【0106】
ここで本人確認カード95は、印画内容SP1として例えばユーザの氏名と前回ATM91を利用した日時が記載されており、紙面右下に指定領域AR1(ARa、ARb)が設けられ、さらにその近傍に認証用コードBC1(BCa、BCb)が印画されている。そして認証用コードBC1は、上述した指定領域AR1から抽出された紙紋様特徴量MP1と、印画内容SP1に基づく印画内容証明情報SP2とに加えて、本人確認カード95が発行された時刻に基づく時刻情報(以下、これを発行時刻情報と呼ぶ)とが記憶されている。
【0107】
この本人確認カード95は、ユーザがATM91を利用する時に、次回のATM91を利用する時のために新規に発行されるようになされている。すなわち、この本人確認カード95は、ユーザがATM91を利用する時に毎回発行されるようになされている。
【0108】
図19に示すように、ATM91は、ATM91全体の制御を司る制御部91Dと、バス91Eを介して接続されたスキャナ部91Aと、表示部91Bと、プリンタ部91C及び通信インターフェース部91Eとによって構成される。この制御部91Dと、スキャナ部91Aと、プリンタ部91Cとはそれぞれ識別装置1の制御部2、スキャナ部4、プリンタ部5に対応し、各種処理を実行するようになされている。
【0109】
また、本人確認カード95は認証用コードBC1が印画されたコード付印画紙XPc1に対応する。
【0110】
一方管理サーバ92は、管理顧客情報を管理すると共に、本人確認カード95Aに記憶される発行時刻情報及び印画内容証明情報SP2を管理顧客情報と対応付けて記憶しており、情報供給コマンドの供給に応じて当該管理顧客情報に基づく印画内容証明情報SP2を生成すると共に発行時刻情報を生成し、ATM91へ送出するようになされている。
【0111】
(5−2−2)本人確認システムの処理内容
次に、かかる本人確認システムの処理内容について説明する。
【0112】
ATM91の制御部91Dは、キャッシュカード94が認証されると、識別モードに遷移し、表示部91Bに表示することによってユーザに対して本人確認カード95の供給を要求する。この要求の結果として本人確認カード95Aが供給されると、制御部91Dはスキャナ部91Aによって当該本人確認カード95Aからコード付紋様画像データD2及びコード画像データD3を取得する。
【0113】
制御部91Dは、このコード画像データD3から上述した認証用コード復元処理(4−1)によって復元紙紋様特徴量MP1´と、復元印画内容証明情報SP2´と、復元発行時刻情報とを復元するようにして取得すると共に、コード付紋様画像データD2から紙紋様特徴量抽出処理(3−2)によって比較用紙紋様特徴量MP2を取得する。そして制御部91Dは、この復元紙紋様特徴量MP1´と比較用紙紋様特徴量MP2とを照合処理(4−2)によって照合することによって原本性を検証する。
【0114】
さらに制御部91Dは、印画内容証明情報SP2及び発行時刻情報を供給する旨の命令である特定情報供給コマンドを生成し、管理サーバ92へ送出する。
【0115】
そして管理サーバ92の制御部92Aは、通信インターフェース92Bを介してATM91から特定情報供給コマンドが供給されると、当該管理顧客情報に基づいて最新の発行時刻情報及び印画内容証明情報SP2を特定し、当該発行時刻情報及び当該印画内容証明情報SP2とをATM91へ送出する。
【0116】
ATM91の制御部91Dは、かかる特定情報供給コマンドの応答結果として発行時刻情報及び印画内容証明情報SP2とが供給されると、当該印画内容証明情報SP2と先ほど復元した復元印画内容証明情報SP2´とを照合する。
【0117】
この印画内容証明情報SP2と復元印画内容証明情報SP2´とが一致した場合、ATM91は、本人確認カード95Aが正規ユーザの本人確認カード95Aであり、正当であると判別する。一方で、両者が一致しなかった場合には、この本人確認カード95Aは正規ユーザのものではないと判別する。このように、ATM91では、本人確認カード95Aの正当性を検証し得るようになされている。
【0118】
さらに制御部91Dは、管理サーバ92から取得した最新の発行時刻情報と、先ほど復元した復元発行時刻情報とを照合する。
【0119】
この最新の発行時刻情報と復元発行時刻情報とが一致した場合、制御部91Dは、本人確認カード95Aが最新に発行されたものであると判別する。一方で制御部91Dは、両者が一致しなかった場合は、この本人確認カード95が最新のものでないと判別する。このように、ATM91では、本人確認カード95Aが最新のものであるか否かを識別し得るようになされている。
【0120】
従って、このATM91では、本人確認カード95Aにおける原本性及び正当性を検証できるだけでなく、復元発行時刻情報を管理サーバ92に照合することによって発行時刻の前後関係を明確にすることができるため、最新に発行された本人確認カード95Aのみを使用できるようにすることが可能となる。
【0121】
また、最新の本人確認カード95しか使用できないため、古い本人確認カード95を悪用することを防止することができる。
【0122】
そして、ATM91は、キャッシュカード94の認証と本人確認カード95の識別後、サービス提供を行い、このサービス提供が終了すると、サービスの提供を証明する利用明細書等の使用証明書と共に新規に本人確認カード95Bを発行する。
【0123】
この場合、ATM91の制御部91Dは、スキャナ部91Aによって新しいオリジナル紙OP2の指定領域AR2から紋様画像データD1を取得すると、上述した紙紋様抽出処理(3−2)によって紙紋様特徴量MP1を抽出する。そして制御部91Dは、印画内容証明情報SP2及び発行時刻情報を供給する旨の命令である生成情報供給コマンドを通信インターフェース91Eを介して管理サーバ92へ送出する。
【0124】
一方、管理サーバ92の制御部92Aは、かかる生成情報供給コマンドが供給されると、当該情報供給コマンドを受信した受信時刻を発行時刻情報と認識し、管理顧客情報から印画内容証明情報SP2を生成し、当該発行時刻情報と当該印画内容証明情報SP2とを通信インターフェース92Bを介してATM91へ送出すると共に、これらの情報を管理顧客情報に対応付けて記憶する。
【0125】
ATM91の制御部91Dは、発行時刻情報と印画内容証明情報SP2とが供給されると、先ほど抽出した紙紋様特徴量MP1と、当該発行時刻情報と、当該印画内容証明情報SP2とから合成情報生成処理(3−3)及び印画情報生成処理(3−4)によって、認証用コードBC1を生成する。そして制御部91Dは、プリンタ部91Cによって当該認証用コードBC1と所定の印画内容SP1とを印画することによって、本人確認カード95を発行するようになされている。
【0126】
これにより、ATM91では、本人確認カード95を毎回更新するため、古い本人確認カード95に基づいて当該本人確認カード95を変造させることを防止することができるため、IDカードとしての本人確認カード95のセキュリティを向上させることができる。
【0127】
また、ATM91では、本人確認カード95をATM91の利用時に毎回発行し、1度きりしか使用させないため、紛失した古い本人確認カード95が繰り返し使用されて悪用されるのを防止し得る。
【0128】
さらに、ATM91では、本人確認カード95をATM91を使用した状態を表す使用証明書と共に印画するため、本人確認カード95の印画のために特別な設備を必要とせず、簡易な構成にすることができる。
【0129】
さらに、ATM91では、ATM91を使用する際に必要となる暗証番号による本人確認の代わりとして本人確認カード95を使用させるため、ユーザに暗証番号を暗記させる必要がなく、簡便に当該ATM91を利用させることが可能となる。
【0130】
また、この本人確認カード95は、紙が有する固有の紙紋様によって本人確認カード95の正当性を識別するようになされており、識別処理に本人確認カード95自体を必要とし、スキミングによって紋様画像を取得したとしても当該紋様画像から紙紋様を作製することが不可能なため、スキミングによる本人確認カード95の変造を防止することができる。
【0131】
さらに、本人確認カード95は、正当なユーザとしてのIDカードであるキャッシュカード94に対して付随的に使用されることにより、キャッシュカード94とは異なりスキミングや変造がされ得ないため、キャッシュカード94の弱点を補うことができ、セキュリティを向上させることができる。
【0132】
(6)本実施の形態による動作及び効果
以上の構成において、本発明の識別装置1は、オリジナル紙OP1から取得した紋様画像データD1から抽出した紙紋様特徴量MP1と、証明対象の内容である印画内容SP1の内容を表す印画内容証明情報SP2とを合成し、この結果生成された合成情報MX1をオリジナル紙OP1の変造を検出する際の基準となる認証用コードBC1として印画内容SP1と共にオリジナル紙OP1に印画する。この結果、印画されたコード付印画紙XPc1には、認証用コードBC1を通して当該印画内容SP1と当該紙紋様特徴量MP1とがリンク付けされた状態で登録される。
【0133】
この場合、識別装置1では、コード付印画紙XPc1を識別する処理として、当該コード付印画紙XPc1に登録された認証用コードBC1から得られた復元紙紋様特徴量MP1´と指定領域AR1から得られた比較用紙紋様特徴量MP2とを比較照合することによって原本性の検証をし得ると共に、認証用コードBC1から得られた復元印画内容証明情報SP2´と印画内容SP1を比較することによって当該印画内容SP1の正当性を検証し得、かくしてコード付印画紙XPc1の原本性及び印画内容SP1の正当性を識別し得る。
【0134】
一方、オンラインチケットシステム50では、識別装置1はPC54とウェブ管理サーバ52とがインターネット53を介して接続されることによって構成される。従って、このオンラインチケットシステム50では、PC54によって取得したオリジナル紙OP1の紋様画像データD1から、ウェブ管理サーバ52によって紙紋様特徴量MP1を抽出し、チケット内容SP1の内容を表す印画内容証明情報SP2と当該紙紋様特徴量MP1を合成し、この結果生成された合成情報MX1をPC54によって認証用コードBC1として印画内容SP1と共にオリジナル紙OP1に印画する。
【0135】
この結果、オンラインチケットシステム50では、オリジナル紙OP1として通常の紙を使用でき、PC54として紋様画像データD1を取得してウェブ管理サーバ52へ送出すると共に、供給された印画内容SP1及び認証コードBCを印画するだけで良く、汎用のパーソナルコンピュータ等を使用できるため、自宅や職場においてオリジナル紙OP1に印画内容SP1と認証用コードBC1とが印画されたコード付チケットCTを発行することができる。
【0136】
他方、本人確認システム90では、管理サーバ92とATM91とが接続されることによって構成され、ATM91によってオリジナル紙OP1から取得した紋様画像データD1から抽出した紙紋様特徴量MP1と、管理サーバ92によって生成された印画内容SP1の内容を表す印画内容証明情報SP2及び作成時刻を表す発行時刻情報をATM91によって合成し、ATM91によってこの結果生成された合成情報MX1を認証用コードBC1として印画内容SP1と共にオリジナル紙OP1に印画する。従って、この本人確認システム90では、紙紋様特徴量MP1と発行時刻情報とをリンク付けした認証用コードBC1を本人確認カード95に登録すると共に、本人確認カード95をATM91を介した管理サーバ92の使用状態を示す使用証明書の一部として、ATM91の利用毎に逐次発行し、最新の当該時刻情報TPを管理サーバ92によって保持する。
【0137】
これにより、本人確認システム90では、この最新の発行時刻情報と、認証用コードBC1から復元された復元発行時刻情報とを照合することにより、本人確認カード95が最新のものであるか否かを識別できるため、最新の本人確認カード95のみを使用できるようにし得、古い本人確認カード95が悪用されるのを防止できる。また、本人確認カード95は紙が有する固有の紙紋様によって識別されるため、紛失によって紙紋様自体の情報が漏洩した場合でも、次の本人確認カード95に影響を及ぼすことがなく、安全に新しい本人確認カード95を発行することができる。
【0138】
また、かかる本人確認カード95は、キャッシュカード94のロックを解除して使用可能状態にするための暗証番号として代用されるため、ユーザは暗証番号を記憶する必要がなく、簡便にキャッシュカード94のロックを解除することができる。本人確認カード95は、識別に紙紋様自体、すなわち本人確認カード95自体を必要とするため、スキミングによる変造がされ得ず、かつ有体物であるため、ユーザに本人確認カード95の盗難や紛失を気付かせ易くできるため、変造、盗難及び紛失によって不正利用される危険性を小さくすることができる。さらに、この本人確認カード95は、1度きりしか使用できないため、紛失等した本人確認カード95を不正使用されることを防止できるため、犯罪における被害を最小限にすることができ、キャッシュカード95のセキュリティを向上させることができる。
【0139】
以上の構成によれば、識別装置1では、コード付印画紙XPc1の原本性及び印画内容SP1の正当性を識別することができるため、当該コード付印画紙XPc1の印画内容SP1の不正複製や変造を防止することができる。
【0140】
(7)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、紋様画像から紙紋様特徴量MP1を抽出し、当該紙紋様特徴量MP1を用いることによって、コード付印画紙XPc1の識別を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばボロノイ分割等の手法によって紋様パターンを抽出し、当該紋様パターンを用いてコード付印画紙XPc1の識別を行うようにしても良い。
【0141】
また上述の実施の形態においては、印画内容証明情報SP2の先頭に紙紋様特徴量MP2を付加する事によって合成情報MX1を生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電子透かし等、その他種々の手法を用いることができる。
【0142】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50において、サーバ等に接続されていないローカルの照合装置56によってコード付チケットCTを識別するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、照合装置56をサーバに接続するようにし、各コード付チケットCTを識別する識別情報を印画内容証明情報SP2の一部として認証用コードBC1に記憶させるようにし、又は指定領域AR1を識別情報とし、当該識別情報を当該サーバに記憶させ、識別時に照合することによって、当該コード付チケットが正当に発行されたものであることを識別するようにしても良い。
【0143】
これにより、コード付チケットCTの原本性及びチケット内容TN1の正当性に加え、当該コード付チケットCTが実際に発行されたか否かを識別でき、一段と確実に当該コード付チケットCTの不正複製及び変造を防止することができる。
【0144】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50において、コード付チケットCTがイベント会場への入場に使用されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、乗車券や商品券、パーティへの入場券など、種々のチケット類に適用するようにしても良い。
【0145】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50において、コード付チケットCTがイベント会場への入場に使用されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、ホテルに対してオンラインで宿泊予約を行うことによって自宅においてコード付チケットCTを発行し、当該コード付チケットCTに印画された認証用コードBC1をホテルの部屋の鍵として使用するようにしても良い。これにより、ホテルにおけるチェックインが不要となり、ユーザは一段と簡便にオンラインチケットシステム50を利用することができる。
【0146】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50の確認処理において、PC54のスキャナ部54Aによってコード付紋様画像データD2及びコード画像データD3を取得するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、さらに印画内容SP1の画像データを取得し、当該印画内容SP1の画像データと、ウェブ管理サーバ52の情報記憶メモリにデータとして記憶されている印画内容SP1とを照合するようにしても良い。
【0147】
これにより、オンラインチケットシステム50では、認証用コードBC1がオリジナル紙OP1に正常に印画されたことに加えて印画内容SP1が正常に印画されたことを検証し得るため、より確実にコード付チケットCTの発行を実行することができる。
【0148】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50において、オリジナル紙OP1として、通常の紙を使用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばはがきを使用することによって、コード付チケットCTをギフトとして郵便で送付することが可能となる。
【0149】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50において、コード付チケットCTの印画内容SP1としてイベント情報等を印画するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば本人のみに分かる暗号等を印画内容SP1として印画することによって、当該コード付チケットCTの内容を他人に知らせないようにすることができ、これにより例えば郵送中等の盗難の危険性を小さくすることができる。
【0150】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50において、ウェブ管理サーバ52によって課金処理を行うようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、課金処理を行わないようにしても良い。
【0151】
さらに上述の実施の形態においては、本人確認システム90において、認証用コードBC1から復元された復元印画内容証明情報SP2´と管理サーバ92によって保持されたSP2´とを照合するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ATM91によって印画内容SP1の画像データを取得し、当該画像データに所定の処理を施すことによって復元印画内容証明情報SP2´と照合するようにしても良い。
【0152】
さらに上述の実施の形態においては、本人確認システム90において、管理サーバ92によって印画内容証明情報SP2と、発行時刻情報とを生成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ATM91によって生成するようにしても良く、同様に管理サーバ92によって紙紋様特徴量抽出処理、印画情報生成処理、照合処理を行うようにしても良い。
【0153】
さらに上述の実施の形態においては、本人確認システム90において、管理サーバ92によって印画内容証明情報SP2と発行時刻情報とを記憶するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ATM91によって記憶するようにしても良い。
【0154】
さらに上述の実施の形態においては、本人確認システム90において、本人確認カード95をキャッシュカード94の使用時に併用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、本人確認カード95は、ポイントカードや、クレジットカードとの併用等によって、様々な場面で本人確認カード95を使用するようにできる。このとき、本人確認システム90では、管理サーバ92において本人確認カード95の使用状況を一括管理することによって、統一された一つの本人確認カード95を様々な状況で使用するようにでき、この場合、当該一つの本人確認カード95の使用回数が多くなるため、当該本人確認カード95の紛失時等にユーザに気付き易くさせ得る。
【0155】
さらに上述の実施の形態においては、本人確認システム90において、管理サーバ92によって最新の発行時刻情報を保持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該最新の発行時刻情報から所定時間経過するまで本人確認カード95を使用できないように設定しても良く、これによりユーザが本人確認カード95を紛失した場合であっても、当該所定時間の間にユーザに紛失を気付かせることができ、本人確認カード95の不正使用の危険性を小さくすることができる。
【0156】
このとき、管理サーバ92によって発行時刻情報から所定時間経過するまでの間当該本人確認カード95を使用できないように判断させるようにしても良く、また、ATM91によって判断させるようにしても良い。また、認証用コードBC1に印画内容証明情報SP2の一部として使用開始可能時刻を含ませるようにし、ATM91又は管理サーバ92の判断によって当該使用開始可能時刻になるまでは当該本人確認カード95を使用できないようにしても良い。なお、この所定時間は、ATN91の図示しない操作部を介してユーザにより設定させるようにすることができる。
【0157】
同様に、所定時間経過後は本人確認カード95を使用できないようにしても良い。これにより、長時間経過したために信頼性を失った本人確認カード95を使用させないようにすることができる。
【0158】
さらに上述の実施の形態においては、本人確認システム90において、本人確認カード95はキャッシュカード94のロックを解除して使用状態にするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ATM91のロックを解除して使用状態にするようにしても良い。
【0159】
さらに上述の実施の形態においては、本人確認システム90において、本人確認カード95はATM91のプリンタ部91Cによって使用証明書と共に発行されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、使用証明書として、若しくは使用証明書の一部として発行されるようにしても良い。
【0160】
さらに上述の実施の形態においては、オンラインチケットシステム50と本人確認システム90は別のシステムとして述べたが、本人確認カード95を、コード付チケットCTと併用するようにしても良い。これにより、コード付チケットCTのセキュリティを一段と向上させることができる。
【0161】
さらに上述の実施の形態においては、識別手法をオンラインチケットシステム50や本人確認システム90に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば領収書等の発行に適用するようにしても良く、これにより領収書等の悪用を防止することができる。
【0162】
さらに上述の実施の形態においては、取得手段としてのスキャナ部4、紙紋様画像処理部12と、作成手段としてのプリンタ部5と、合成手段としての印画内容証明情報生成部10、合成情報生成部13と、記憶手段としての2次元コード変換部、印画情報生成部15、プリンタ部5と、識別処理手段としての2次元コード復元部31と、情報分離部32、照合部33、表示部6及び制御部2とによって識別装置1が構成されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる取得手段と、作成手段と、記憶手段と、合成手段と、識別処理手段とによって識別装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明の識別装置及び識別方法は、例えばチケット等の商品交換媒体や、身分や資格、経歴等を証明する証明書類の識別に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】紙の紋様を示す略線図である。
【図2】識別手法の説明に供する略線図である。
【図3】不正複製の検出の説明に供する略線図である。
【図4】変造の検出の説明に供する略線図である。
【図5】識別装置の構成を示す略線図である。
【図6】紙紋様特徴量及び印画内容に応じた認証用コードの登録の説明に供する略線図である。
【図7】紙紋様特徴量及び印画内容証明情報の抽出の説明に供する略線図である。
【図8】照合処理の説明に供する略線図である。
【図9】印画モードにおける処理内容の説明に供する略線図である。
【図10】低域周波数成分の抽出を示す略線図である。
【図11】紙紋様パターン画像の分離説明に供する略線図である。
【図12】白ダマ(黒ダマ)の区割の説明に供する略線図である。
【図13】小ダマの除去の説明に供する略線図である。
【図14】識別モードにおける処理内容の説明に供する略線図である。
【図15】オンラインチケットシステムの説明に供する略線図である。
【図16】オンラインチケットシステムの構成を示す略線図である。
【図17】コード付チケットの説明に供する略線図である。
【図18】本人確認システムの説明に供する略線図である。
【図19】本人確認システムの構成を示す略線図である。
【符号の説明】
【0165】
1……識別装置、2……制御部、3……バス、4……スキャナ部、5……プリンタ部、10……印画内容証明情報生成部、12……紙紋様画像処理部、13……合成情報生成部、14……2次元コード変換部、15……印画情報生成部、31……2次元コード復元部、32……情報分離部、33……照合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙に有する紋様を紋様情報として取得する取得手段と、
証明対象の内容を上記紙に印画して証明書を作成する作成手段と、
上記内容を表す情報及び上記紋様情報を合成する合成手段と、
上記合成された合成情報を上記紙の変造を検出する際の基準として上記証明書に記憶させる記憶手段と、
上記証明書に記憶された上記合成情報に基づいて、上記証明書を識別するための処理を施す識別処理手段と
を具えることを特徴とする識別装置。
【請求項2】
上記合成手段は、
上記内容を表す情報及び上記紋様情報に加えて、上記証明書の作成時刻情報を合成し、
上記識別装置は、
上記証明書における最新の作成時刻情報を保持する保持手段
を具え、
上記識別手段は、
上記保持手段によって保持された上記最新の作成時刻情報と、上記合成された作成時刻情報とに基づいて、最新の上記証明書を識別する
ことを特徴とする請求項1に記載の識別装置。
【請求項3】
上記証明書が、
管理サーバで管理されて管理対象の使用状態を上記内容として印画され、上記管理サーバを利用する際に逐次発行されるものである
ことを特徴とする請求項1に記載の識別装置。
【請求項4】
上記登録証明書は、キャッシュカードであること
を特徴とする請求項1に記載の識別装置。
【請求項5】
紙に有する紋様を紋様情報として取得する取得ステップと、
上記内容を表す情報及び上記紋様情報を合成する合成ステップと、
上記合成された合成情報を上記紙の変造を検出する際の基準として上記紙に記憶させると共に、上記紙に証明対象の内容を印画して証明書を作成する作成ステップと、
上記証明書に記憶された上記合成情報に基づいて、上記証明書を識別する識別ステップと
を具えることを特徴とする識別方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図1】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−4479(P2007−4479A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−183891(P2005−183891)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】