説明

警備装置および警備システム更新方法

【課題】不審情報を検出する規則を更新するための作業負担を低減しつつ、新たな犯行の手口に迅速に対応することができる警備装置および更新方法を提供する。
【解決手段】物体の動作状態を表す情報であって、状態情報から所定の行動を導出するための行動情報が登録された行動導出規則情報を記憶する行動導出規則記憶部160と、状態情報に基づいて所定の動作状態を不審行動と定めるための不審行動情報が登録された不審行動規則情報を記憶する不審行動規則記憶部170と、更新対象の行動情報と更新対象の不審行動情報とを含む更新データを取得して、行動導出規則記憶部160に記憶された行動導出規則情報を更新対象の行動情報で更新し、不審行動規則記憶部170に記憶された不審行動規則情報を更新対象の不審行動情報で更新する更新部139と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不審情報を検出する規則を更新することができる警備装置および警備システム更新方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラを用いて画像を取得し、これを分析して不審情報を検出する様々な警備装置が開発されている。一方、近年の犯罪についても、多種多様な巧妙な手口が用いられるため、不審情報を一定の規則に基づいて検出するだけでは、十分な警備体制を維持することができなくなってきている。
そこで、警備装置が不審情報を検出する方法を随時更新することにより、最新の犯行手口に対応する必要性が生じている。
【0003】
更新処理に関して、カメラ画像により移動する物体の一連の動きを追跡する方法が「物体認識装置」として開示されている(特許文献1)。これによると、ある特定の注目点の移動を追跡することにより、移動物体全体の認識を行うことができるという技術が提案されている。具体的には、画像の中から特徴的な領域を取り出し、その特徴的な画像そのものを濃淡テンプレートとして登録し、濃淡パターンマッチングすることでテンプレート毎に移動点を求め、この結果を統合処理することで、移動物体全体の認識を行うようにすることが示されている。
そして、特定の注目点の移動を追跡する方法として、移動物体の形状が変化しても、テンプレートを更新することにより柔軟に対応可能である技術が開示されている。
そこで、これを警備装置に応用して、不審情報を検出するための規則を更新することが考えられる。
【0004】
特許文献1では、特定の注目点の移動を追跡する方法として、移動物体の形状が変化しても、テンプレートを更新することにより柔軟に対応可能であるとして、テンプレートを更新する方法の一例が、次のように説明されている。まず、ある時刻の画像において、物体が位置する座標を中心とするテンプレートを登録し、移動物体の速度と移動距離から移動物体が次の時刻の画像に位置する座標を計測する。登録しているテンプレートを、この座標によって定まる比率に応じて小さくし、次の時刻の濃淡画像を再度テンプレートとして登録する。そして、新たに登録された濃淡テンプレートで次のサーチエリアについてマッチング処理し、これを順次実行する。
【0005】
【特許文献1】特開平5−298591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す濃淡テンプレートの更新処理は、映像だけを対象とするため、これをそのまま警備装置に応用しても、映像から不審情報を検知する規則を更新することはできない。また、このような映像処理のみで不審情報を検出する方法では、新たな犯行の手口が発生したような場合に、その都度新たな画像処理を追加する必要が生じ、作業負担が増大するとともに、迅速な対応ができないという問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不審情報を検出する規則を更新するための作業負担を低減しつつ、新たな犯行の手口に迅速に対応することができる警備装置および更新方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、ネットワークを介して接続される監視センタと、監視対象の警備区域における不審者および不審行動を検知する監視カメラに接続される警備装置であって、物体の動作状態を表す情報であって、前記物体の動作の種類を表す動詞と前記物体の動作に関連する名詞である格要素とを含み、前記動詞と前記格要素との間の意味関係を示す格フレームによって表された状態情報を記憶する状態情報記憶部と、前記監視カメラから取得した映像情報を記憶する映像記憶部と、前記状態情報から所定の行動を導出するための行動情報が登録された行動導出規則情報を記憶する行動導出規則記憶部と、前記状態情報に基づいて所定の前記動作状態を不審行動と定めるための不審行動情報が登録された不審行動規則情報を記憶する不審行動規則記憶部と、更新対象の行動情報と更新対象の不審行動情報とを含む更新データを取得して、前記行動導出規則記憶部に記憶された前記行動導出規則情報を前記更新対象の行動情報で更新し、前記不審行動規則記憶部に記憶された前記不審行動規則情報を前記更新対象の不審行動情報で更新する更新部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の警備装置において、前記監視センタから前記更新データを受信する送受信部、をさらに備え、前記更新部は、前記送受信部から前記更新データを取得し、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の行動情報と前記行動導出規則情報に登録された行動情報とを比較し、前記更新対象の行動情報と前記登録された行動情報とに差分がある場合に、差分のある前記行動情報を前記行動導出規則情報に追加することにより、前記行動導出規則情報を更新することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の警備装置において、前記更新部は、さらに、前記送受信部から前記更新データを取得し、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動情報とに差分がある場合に、差分のある前記不審行動情報を前記不審行動導出規則情報に追加することにより、前記不審行動導出規則情報を更新すること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1に記載の警備装置において、前記監視センタから前記更新データを受信する送受信部、をさらに備え、前記更新部は、前記送受信部から前記更新データを取得し、取得した前記更新データに削除要求が含まれる場合に、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の行動情報と前記行動導出規則情報に登録された行動情報とを比較し、前記更新対象の行動情報に一致する前記行動情報が前記登録された行動情報の中に存在する場合には、前記更新対象の行動情報に一致する前記登録された行動情報を前記行動導出規則情報または前記不審行動導出規則情報から削除し、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記不審行動情報が前記登録された不審行動情報の中に存在する場合には、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記登録された不審行動情報を前記行動導出規則情報または前記不審行動導出規則情報から削除する更新処理を行うこと、を特徴とする。
【0012】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置において、利用者による前記更新データの入力を受け付ける入力部、をさらに備え、前記更新部は、前記入力部によって受け付けた前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動情報とに差分がある場合に、差分のある前記更新対象の不審行動情報を前記不審行動導出規則情報に追加する更新処理を行うこと、を特徴とする。
【0013】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の警備装置において、前記更新部は、さらに、前記入力受付部によって、前記更新データの入力とともに削除要求を受け付けた場合には、前記入力部によって受け付けた前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記不審行動情報が前記不審行動情報の中に存在する場合には、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記不審行動情報を前記不審行動導出規則情報から削除する更新処理を行うこと、を特徴とする。
【0014】
また、請求項7にかかる発明は、請求項5または6に記載の警備装置において、前記更新データが画像情報で有る場合には、前記画像情報から前記格フレームに基づいた状態情報を生成し、生成された前記状態情報から前記不審行動情報を生成する生成部を更に備え、前記更新部は、前記生成部によって生成された前記不審行動情報を前記更新データとして、前記更新処理を行うこと、を特徴とする。
【0015】
また、請求項8にかかる発明は、ネットワークを介して接続される監視センタと、監視対象の警備区域における不審者および不審行動を検知する監視カメラに接続される警備装置で実行される更新方法であって、前記警備装置は、物体の動作状態を表す情報であって、前記物体の動作の種類を表す動詞と前記物体の動作に関連する名詞である格要素とを含み、前記動詞と前記格要素との間の意味関係を示す格フレームによって表された状態情報を記憶する状態情報記憶部と、前記監視カメラから取得した映像情報を記憶する映像記憶部と、前記状態情報から所定の行動を導出するための行動情報が登録された行動導出規則情報を記憶する行動導出規則記憶部と、前記状態情報に基づいて所定の前記動作状態を不審行動と定めるための不審行動情報が登録された不審行動規則情報を記憶する不審行動規則記憶部と、を備え、更新対象の行動情報と更新対象の不審行動情報とを含む更新データを取得するステップと、前記行動導出規則記憶部に記憶された前記行動導出規則情報を前記更新対象の行動情報で更新し、前記不審行動規則記憶部に記憶された前記不審行動規則情報を前記更新対象の不審行動情報で更新するステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像情報から検出した物体の動作状態を、テキスト情報である格フレームで表した状態情報として記憶するとともに、行動導出規則情報と不審行動規則情報とを記憶する。そして、これらを相互に対応付け、行動導出規則情報と不審行動規則情報を更新する。このため、画像の分析のみによって監視対象物の動作を認識する方法と比較して、不審情報を検出する規則を更新するための作業負担を低減しつつ、新たな犯行に迅速に対応することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる警備装置および警備システム更新方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、実施例1にかかる警備装置の警備装置の構成を示すブロック図である。警備装置100は、図1に示すように、検知情報受信部131と、画像処理部132と、警備状態切替部133と、操作パネル制御部134と、操作パネル135と、送受信部136と、警備状態記憶部137と、言語構造構築部138と、更新部139と、状態情報データベース140と、映像データベース150と、行動導出規則データベース160と、不審者・不審行動規則データベース170とを備えている。また、本体部130は、ネットワーク300を介して監視センタ200に接続されている。さらに、本体部130は、監視領域に設置されたセンサ110および監視カメラ120と有線または無線で接続されている。
【0019】
センサ110は、検知領域での異常を検知する。センサ110は、例えば赤外線の受光量の変化をもとに人を検知する赤外線センサ、赤外線などが遮られることで人を検知する遮断センサ、電磁波の乱れで人を検知する電波センサ、マグネットにより扉の開閉を検出するマグネットセンサなどの検知領域の異常を検出する各種センサである。検知情報受信部131は、センサ110が異常を検知した際の検知情報を受信する。
【0020】
監視カメラ120は、撮像領域を撮像する。撮像領域は、監視カメラの機能によって異なり、撮像領域が固定である場合や、監視カメラ120のパンやチルト、ズーム機能により撮像領域を変更することが可能である場合がある。監視カメラ120は、センサ110の検知領域22を含んだ領域を撮像できるように設置されることが通常であるが、撮像領域のレイアウトの変更や、パンやチルト、ズーム機能により撮像領域が検知領域から外れてしまったような場合に、センサ110の検知領域に照射されたレーザ光を含んだ領域を撮像することにより、撮像領域のうちのどの領域がセンサ110の検知領域であるかを撮像された画像情報で視覚的に確認することができる。
【0021】
検知情報受信部131は、センサ110によって異常が検知された場合に送出される検知情報を受信する。検知情報は、センサ110から送出される検知信号であり、センサ110が複数設置されている場合は、検知信号およびセンサを識別するセンサIDである。
【0022】
画像処理部132は、監視カメラ120によって取得された画像に対して、人物の検出や検出した人物の特徴の抽出といった画像処理を行い、言語構造構築部138で行われる言語構造構築処理に必要な情報を取得する。
【0023】
警備状態切替部133は、操作パネル制御部134によって受付けた警備状態を警備状態記憶部137に格納する。警備状態記憶部137は、現在の警備装置100の警備状態である警備モードまたは警備解除モードのいずれかを記憶する。
【0024】
ここで、警備モードとは、センサ110が異常を検知して検知情報を取得した場合に、警備領域での異常を知らせる警報情報をネットワーク300で接続されている監視センタ200に送信する状態をいい、警備解除モードとは、上記検知情報を取得した場合でも異常を知らせる警報情報を監視センタ200に送信しない状態をいう。
【0025】
操作パネル部135は、警備装置100に関する情報が表示され、警備装置100に対して情報が入力される。操作パネル部135は、ボタンの押下等によって警備モードまたは警備解除モードのいずれかの警備状態を入力する。操作パネル制御部134は、操作パネル部135への表示情報の出力や、操作パネル部135から入力された入力情報の取得等の操作パネル135に対する制御を行う。操作パネル部135は、本発明にかかる警備設定手段を構成する。
【0026】
送受信部136は、監視センタ200とネットワーク300を介して各種情報を送受信する。送受信部136は、監視カメラ120が取得した画像情報や言語構造構築部138で構築された状態情報などを監視センタ200に送信する。また、送受信部136は、監視センタ200から送信される、後述する行動規則導出データベース160および不審者・不審行動規則データベース170の更新データを受信する。
【0027】
警備状態記憶部137は、現在の警備装置100の警備状態を記憶する。具体的には、操作パネル部135から入力を受け付けた警備状態を記憶する。警備装置100で設定可能な警備状態には、大別して警備モードと警備解除モードとがある。警備モードとは、センサ110が検知領域で異常を検知した際に送出する検知情報を受信した場合に、警備領域での異常を知らせる警報情報をネットワーク300で接続されている監視センタ200に送信するモードをいい、警備解除モードとは、上記検知情報を受信した場合でも警報情報を監視センタ200に送信しないモードをいう。
【0028】
映像データベース150は、監視カメラ120によって取得した映像に関する情報を記憶する。映像データベース150に蓄積されている情報は、画像処理部132によって人体領域などの情報が抽出される。
【0029】
言語構造構築部138は、画像処理部132によって取得され、映像データベース160に蓄積された画像情報から、物体の動作状態を深層格フレーム構造で表した状態情報を構築し、状態情報データベース140に構築した状態情報を登録する。
状態情報データベース140は、物体の動作状態を深層格フレーム構造で表した状態情報を記憶する。深層格フレーム(以下、単に格フレームとも言う)とは、動詞を基準として、動詞に対する名詞の意味関係を深層格として表した言語構造をいう。図2は、状態情報データベース140に記憶される状態情報のデータ構造の一例を示す図である。図2に示すように、状態情報は、画像中の情報をその意味内容から、動作の名称や、動作を引き起こす主体、動作主格にかかわる情報などの要素(深層格)で分類し、それぞれに行動名、動作主格、属性格、経験者格といった格フレームIDが割り当てられている。格フレームIDは、必要に応じて情報がさらに細分化されている。
また、図3は、状態情報データベース140に記憶される状態情報の具体例を示す図であり、図2に具体的な行動を当てはめて示した一例を示している。図3によれば、例えば、行動名の格フレームは、「しゃがむ」という行動IDが、主格の格フレームには、人物Aという主格IDが割り当てられている。
【0030】
行動導出規則データベース160は、連続する深層格フレーム情報の前後の情報の差から、導出できる行動と付随する情報とを記憶する。まず、監視カメラ120から取得した動画像中の任意の瞬間の画像(フレーム画像)について、任意のフレーム画像を撮影する前に取得した画像を前格フレームとし、後に取得した画像を後格フレームとする。連続する深層格フレームの情報が、データベース中の前格フレームの情報および後格フレームの情報と一致すると、導出できる情報に記載される行動や格情報を導出し、これら導出された情報を行動情報として行動導出規則データベース160に登録される。
【0031】
図4は、行動規則導出データベース160に記憶される行動情報のデータ構造の一例を示す図である。行動情報は、図4に示す「行動」と「格フレーム」の組からなるデータである。
【0032】
図4に示すように、行動情報は、比較元となる情報であって、時間的に前の状態情報である前格フレームと、比較先となる情報であって、時間的に後の状態情報である後格フレームと、その他の条件と、検出される状態情報とを対応づけた形式となっている。本実施の形態では、後述する更新部139によって、この行動規則導出データベース160に登録された行動情報を更新する。この行動情報は、図3に示す行動名の格フレームに割り当てられる判定基準となる。例えば、図4によれば、例えば、「立つ」という行動IDは、画像処理部132によって画像から抽出した主体重心の変動を基準に判定される。
【0033】
図5は、検出される行動間の遷移関係を表す図である。具体的には、図5は、画像情報から検出される行動と、状態情報データベース140に保存された状態情報を比較し、行動情報によって検出される行動との関係を表している。同図の楕円は、検出される行動名の一例を表している。また、楕円間の矢印に付された文字列は、ある行動から他の行動を検出するための状態情報間の差分の基準を表している。
【0034】
なお、この基準は、図4の行動規則導出データベース160に記憶された行動情報に対応する。例えば、「位置座標の変異」という基準は、図4では行動名「移動する」を検出する最初の行動検出規則に対応する。すなわち、例えば同図の行動名(存在する)に対応する複数の状態情報を比較することにより、「位置座標の変異」という差分が検出された場合は、「移動する」という行動名の行動が新たに検出される。
【0035】
不審者・不審行動規則データベース170は、不審行動と判定される要因を深層格フレームで記述した不審行動情報を登録したものである。この不審者・不審行動規則データベース170に記憶されている情報と同じ深層格フレームが言語構造構築部138において言語構造構築がなされると、不審行動として扱われることとなる。
図6は、不審者・不審行動規則データベース170についての言語構造構築の具体例を示す図である。図6では、一般家屋において、不審者・不審行動と判断される格フレームを行動、深層格、情報の3つに分類しており、行動、深層格、情報の組が不審行動情報となる。言語構造構築の際は、このデータベースに記載されているものと同じ深層格フレームが構築された場合に、不審行動として扱う。しかし、これは一例であり、不審者・不審行動規則データベース170は、季節や時間帯、人物認証結果等の条件と組み合わせ、それぞれの条件下で使用するものと、使用しないものとを切り替えることもできる。
【0036】
更新部139は、送受信部136または操作パネル制御部134によって受信された更新データを取得する。更新データには、追加する対象となる行動情報と不審行動情報が含まれている。また、行動導出規則記憶部160から行動情報を削除する場合、不審行動規則記憶部170から不審行動情報を削除する場合には、更新データに削除要求と削除対象の行動情報または不審行動情報が含まれている。そして、行動導出規則記憶部160に記憶されている行動導出規則情報を更新データの行動情報で更新する。また、不審行動規則記憶部170に記憶されている不審者・不審行動規則情報を更新データの不審行動情報で更新する。
具体的には、更新部139は、取得した更新データに行動情報または不審行動情報のみが含まれ、これらが行動導出規則データベース160または不審者・不審行動規則データベース170に登録済みか否かを確認し、登録されていなければ、更新データを読み込み、読み込んだ更新データを行動規則データベース160または不審者・不審行動規則データベース170に書き込む。また、更新部139は、受信した更新データに削除要求が含まれている場合には、後述する行動導出規則記憶部160または不審行動規則記憶部170からの削除処理を行う。なお、具体的な追加処理および削除処理の詳細については後述する。
【0037】
監視センタ200は、監視領域の異常を検知した警備装置100からの通報を受け、待機中の警備員に対して異常が検知された監視領域へ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行う。また、監視センタ200は、新たな行動を導出するための規則ができたときや、新たな犯罪手口が明らかになったときなどに、システムの更新データを送信する。
【0038】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる警備装置100における言語構造構築の全体の手順について説明する。本実施の形態では、行動導出データベース160および不審者・不審行動データベース170を自動的に更新するようになっている。図7および図8は、本実施の形態にかかる警備装置100における行動導出データベース160および不審者・不審行動データベース170の追加処理を行う自動更新の手順を示すフローチャートである。
自動による更新は、主に、新たな行動を導出するための規則ができたときや、新たな犯罪手口が明らかになったときなどに、システムのアップデートとして行われる。例えば、コンピュータウィルス対策ソフトのようなイメージである。
【0039】
まず、送受信部136が、監視センタ200から行動情報と不審行動情報とを含む更新データを受信する(ステップS501)。次に、更新部139は、行動導出規則データベース160のバージョンを確認する(ステップS502)。そして、取得した更新データの行動情報と行動導出規則データベース160に登録されている行動情報とを比較する(ステップS503)。具体的には、行動情報の行動をキーにして行動導出規則データベース160に登録されている行動情報からキーとして指定された行動と一致する行動情報を検索し、検索された行動情報の格情報が更新データの行動情報の格情報と一致するか否かを比較し、行動情報に差分があれば(ステップS504:Yes)、差分のある行動情報を更新データの行動情報に追加する(ステップS505)。すなわち、上記比較の結果、更新データの行動情報の行動と同一の行動を有する行動情報が行動導出規則データベース160に存在しても、格情報が一致しない場合には、差分があると判断して、差分のある更新データの行動情報(行動と格情報)を追加する。一方、差分が存在しなければ(ステップS504:No)、更新データの行動情報は行動導出規則データベース160に登録されている行動情報と同じなので、追加処理を行わずに、次のステップS507へ進む。
次に、更新部139は、不審者・不審行動規則データベース170のバージョンを確認する(ステップS507)。そして、取得した更新データの不審行動情報と行動導出規則データベース160に登録されている不審行動情報とを比較する(ステップS508)。具体的には、不審行動情報(行動、深層格、情報の組)の行動をキーにして不審者・不審行動導出規則データベース170に登録されている不審行動情報からキーとして指定された行動と一致する不審行動情報を検索し、検索された不審行動情報の深層格および格フレームが更新データの不審行動情報の深層格および情報と一致するか否かを比較し、不審行動情報に差分があれば(ステップS509:Yes)、差分のある不審行動情報を更新データの不審行動情報に追加する(ステップS510)。すなわち、上記比較の結果、更新データの不審行動情報の行動と同一の行動を有する不審行動情報が不審者・不審行動導出規則データベース170に存在しても、深層格と情報が一致しない場合には、差分があると判断して、差分のある不審行動情報(行動と深層格と情報)を追加する。一方、差分が存在しなければ(ステップS509:No)、更新データの不審行動情報は不審者・不審行動導出規則データベース170に登録されている不審行動情報と同じなので、追加処理を行わずに、終了する。
【0040】
次に、自動更新による削除処理の手順を説明する。図9は、本実施の形態にかかる警備装置100における行動導出データベース160および不審者・不審行動データベース170の削除処理を行う自動更新の手順を示すフローチャートである。
【0041】
まず、送受信部136が、監視センタ200から行動情報と不審行動情報とを含む更新データを受信する(ステップS601)。次に、更新部139は、取得した更新データが削除要求を含むか否かを確認する(ステップS602)。そして、更新データが削除要求を含む場合(ステップS602:Yes)、取得した更新データの行動情報と行動導出規則データベース160に登録されている行動情報とを比較する(ステップS603)。具体的には、行動情報の行動をキーにして行動導出規則データベース160に登録されている行動情報からキーとして指定された行動と一致する行動情報を検索し、検索された行動情報の格情報が更新データの行動情報の格情報と一致するか否かを比較し、一致する行動情報があれば(ステップS604:Yes)、一致する行動情報を行動導出規則データベース160から削除する(ステップS605)。一方、更新データに削除要求が含まれていなければ(ステップS602:No)、削除処理を行わずに終了する。
次に、更新部139は、取得した更新データと不審者・不審行動規則データベース170に登録されている不審行動情報とを比較する(ステップS606)。具体的には、不審行動情報(行動、深層格、情報の組)の行動をキーにして不審者・不審行動導出規則データベース170に登録されている不審行動情報からキーとして指定された行動と一致する不審行動情報を検索し、検索された不審行動情報の深層格および格フレームが更新データの不審行動情報の深層格および情報と一致するか否かを比較し、一致する不審行動情報があれば(ステップS607:Yes)、一致する不審行動情報を不審者・不審行動規則データベース170から削除する(ステップS608)。一方、一致する不審行動情報が存在しなければ(ステップS607:No)、削除処理を行わずに、終了する。
【0042】
このように、実施の形態1の警備装置100は、取得した更新データに含まれる更新データの行動情報と行動導出規則データベース160に登録された行動情報とを比較し、比較結果に基づいて、行動情報を追加または削除する。従って、設置現場へ出向し、手動入力により更新する必要がないため、不審行動情報を検出する規則を更新するための作業負担を低減することができる。また、監視センタ200から最新の行動情報および不審行動情報を取得することが可能であるので、新たな犯行の手口に迅速に対応することができる。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態1では、自動により、行動導出データベース160および不審者・不審行動データベース170の更新処理を行っていた。これに対し、本実施の形態の警備装置100では、手動により、不審者・不審行動データベース170の更新処理を行う。
【0044】
本実施の形態の警備装置100の構成は、実施の形態1と同様である。本実施の形態では、更新部139は、実施の形態1と同様の機能を有する他、さらに、不審者・不審行動データベース170を手動により更新することが可能となっている。
図11は、不審者・不審行動データベース170の手動更新処理を行う手順を示すフローチャートである。手動による更新は、システム設置先に特有な行動を不審行動として登録したいときなどに行われ、不審者・不審行動規則データベース170を更新する。なお、手動による更新は、端末利用者だけではなく、監視センタ等の遠隔地からでも行うことができ、更新先を個別あるいは複数指定して行うこともできる。
【0045】
最初に、利用者が、操作パネル部135から更新データを入力する。操作パネル部135には、図10に示すような更新データの入力を行う入力画面700が表示され、利用者は、この画面から更新データを入力する。更新データとしては、映像等の画像、自然言語文、格フレームを用いることができる。具体的には、更新データとして映像等の画像を入力する場合には、入力画面700の映像選択ボタンを押下して、不審行動の映像等の画像を選択する。すると、入力画面700の左側の映像表示部に選択した映像等の画像が表示されるので、それを確認し、映像入力における格フレームボタンを押下する。また、更新データとして自然言語文を入力する場合には、入力画面700の言語入力フィールドに自然言語文を入力し、言語入力における格フレームボタンを押下する。更新データとして格フレームを用いる場合には、入力画面700の格フレーム入力において、深層格を選択し、格フレームを入力する。次いで、利用者は、このようにして入力した更新データを、不審行動情報として不審者・不審行動データベース170に登録する場合には、更新の方法として入力画面700の下部に表示された「DBへ登録」ボタンを押下する。一方、更新データと同一の不審行動情報を不審者・不審行動データベース170から消去する場合には、利用者は、更新の方法として入力画面700の下部に表示された「DBから消去」ボタンを押下する。
【0046】
このように操作パネル部135に表示された入力画面700から更新データが入力されると、更新部139は、操作パネル制御部134が操作パネル部135から受信した更新データの入力を受け付ける(ステップS801)。次に、入力された更新データが、格フレームであるか、自然言語文であるか、画像であるかを判断する(ステップS802〜S804)。入力された更新データが、自然言語文であれば(ステップS802:No、ステップS803:Yes)、言語構造構築部138が、言語処理により図2、3に示すような格フレームを生成する(ステップS805)。また、入力されたデータが、画像であれば(ステップS802:No、ステップS804:Yes)、言語構造構築部138により入力された画像から格フレームを生成する(ステップS806)。一方、入力された更新データが、格フレームであれば(ステップS802:Yes)、上記のような生成処理を要せず、そのまま次のステップへ進む。
ここで、ステップS803における自然言語文から格フレームの生成処理については、既存の様々な従来技術、例えば公知の形態素解析処理や構造解析処理などの自然言語処理を用いることができる。また、ステップS806における画像から格フレームを生成する具体的な方法は、後述する。
次に、更新部139は、図10入力画面700から利用者が指定した更新の方法が、不審者・不審行動規則データベース170へ入力された更新データを不審行動情報として登録するものであるか(ステップS807)、不審者・不審行動規則データベース170から、入力された更新データと同一の不審行動情報のデータを消去するものであるか(ステップS808)を確認する。具体的には、図10の更新データ入力画面700において「DBへ登録」のボタンが押下された場合には、不審者・不審行動規則データベース170へ入力データを登録すると判断する。また、図10更新データ入力画面700において「DBから消去」のボタンが押下された場合には、不審者・不審行動規則データベース170から入力データと同一の不審行動情報を消去すると判断する。登録により更新される場合は(ステップS807:Yes)、更新データの不審行動情報と、不審者・不審行動規則データベース170に登録された不審行動情報とを比較する(ステップS809)。そして、更新データの不審行動情報と不審者・不審行動規則データベース170に登録されている不審行動情報とに差分があるか否かを確認する(ステップS811)。差分があれば(ステップS811:Yes)、差分のある不審行動情報を追加する(ステップS813)。一方、差分がなければ(ステップS811:No)、追加処理を行わずに終了する。
ステップS807に戻り、更新の方法が、不審者・不審行動規則データベース170から入力データを消去するものであれば(ステップS807No、ステップS808:Yes)、更新データの不審行動情報と不審者・不審行動規則データベース170に登録された不審行動情報とを比較する(ステップS810)。比較した結果、更新データの不審行動情報に一致する不審行動情報が不審者・不審行動規則データベース170の中にあれば(ステップS812:Yes)、一致した不審行動情報を不審者・不審行動規則データベース170から削除する(ステップS813)。一方、一致する不審行動情報が不審者・不審行動規則データベース170の中になければ(ステップS812:No)、更新処理を行わずに終了する。
【0047】
ステップS802に戻り、入力されたデータが、画像であった場合に(ステップS802:No、ステップS804:Yes)、画像処理により格フレームを生成する方法を具体的に説明する(ステップS806)。
【0048】
図12は、画像から格フレームを生成する手順を示すフローチャートである。画像からの動作検出処理とは、監視カメラ120で撮影された画像情報から人物等の動作(行動)を検出する処理をいう。
【0049】
まず、画像処理部132は、監視カメラ120が撮影した画像情報を入力する(ステップS901)。次に、言語構造構築部138が、画像情報から人物領域を検出する(ステップS902)。次に、言語構造構築部138は、人物領域が検出されたか否かを判断する(ステップS903)。人物領域が検出されなかった場合は(ステップS903:NO)、次の画像情報を入力して処理を繰り返す(ステップS901)。
【0050】
人物領域が検出された場合(ステップS903:YES)、言語構造構築部138は、行動名=「存在する」の格フレームを作成する(ステップS904)。なお、作成した格フレームの格フレームIDには、他の格フレームと重複しない値を割り当てる。
【0051】
次に、言語構造構築部138は、検出した人物領域の各部位の検出位置を場所格へ格納する(ステップS905)。例えば、言語構造構築部138は、検出した人物領域に含まれる頭部、体、手、顔、および脚部の座標を算出し、それぞれ頭部位置、体位置、手位置、顔位置、および脚部位置として場所格に格納する。なお、人物領域の各部位は、部位ごとの照合パターンと照合して検出する方法などの従来から用いられているあらゆる方法により検出できる。
【0052】
言語構造構築部138は、ステップS904〜ステップS905と並行して、人物同定処理(ステップS906〜ステップS907)、顔検出処理(ステップS908〜ステップS910)、体型判定処理(ステップS911〜ステップS912)、および歩容検出処理(ステップS913〜ステップS914)の各処理を実行する。なお、これらの各処理は必ずしも並行して処理する必要はなく、任意の順序で実行するように構成することができる。
【0053】
人物同定処理では、言語構造構築部138は、抽出済みの人物領域と照合する方法などにより、抽出された人物を同定する(ステップS906)。そして、言語構造構築部138は、同定した人物に既に割り当てられているエージェントID(図2のAgtID)を、作成した格フレームの主格に格納する(ステップS907)。
【0054】
顔検出処理では、言語構造構築部138は、顔領域パターンと照合する方法などによって顔領域を検出する(ステップS908)。また、言語構造構築部138は、照合結果に応じて、視線方向、マスクの有無、およびサングラスの有無などの顔情報を属性格に格納する(ステップS909)。視線方向が検出された場合は、言語構造構築部138は、行動名=「見る」の格フレームを作成する(ステップS910)。
【0055】
体型判定処理では、言語構造構築部138は、照合した人物パターンに予め付与された体型を求める方法などにより、検出した人物の体型を判定する(ステップS911)。そして、言語構造構築部138は、判定した体型を、作成した格フレームの属性格に格納する(ステップS912)。
【0056】
歩容検出処理では、言語構造構築部138は、主に検出した人物領域の脚部を解析することにより、歩速、歩幅、脚長、姿勢などの歩容情報を検出する(ステップS913)。歩速は、例えば連続する画像情報の脚部の位置を比較することにより算出することができる。そして、言語構造構築部138は、検出した歩容情報を、作成した格フレームの属性格に格納する(ステップS912)。
【0057】
次に、言語構造構築部138は、画像情報から物体を検出する(ステップS915)。なお、物体検出処理は、人物領域検出処理(ステップS902)とともに実行してもよい。
【0058】
次に、言語構造構築部138は、物体が検出されたか否かを判断する(ステップS916)。物体が検出された場合(ステップS916:YES)、言語構造構築部138は、物体が前の画像情報で検出されていたか否か、および物体と人物領域の位置関係に応じて、行動名=「触る」または「取り出す」の格フレームを作成する(ステップS917)。
【0059】
具体的には、言語構造構築部138は、前の画像情報で検出された物体と照合することなどにより、物体が既に検出されていると判断でき、かつ、人物の手の位置と物体の位置とが重なると判断できる場合は、行動名=「触る」の格フレームを新たに作成する。また、言語構造構築部138は、未検出の物体が新たに検出されたと判断でき、かつ、人物の手の位置と物体の位置とが重なると判断できる場合は、行動名=「取り出す」の格フレームを新たに作成する。
【0060】
ステップS916で物体が検出されなかったと判断された場合(ステップS916:NO)、またはステップS917で新たな格フレームを作成後、言語構造構築部138は、これまでに作成した格フレームを状態情報データベース140に保存し(ステップS918)、画像からの動作検出処理を終了する。
【0061】
このように、実施の形態2の警備装置100では、更新データに含まれる更新データの不審行動情報と不審行動規則データベース170に登録された不審行動情報とを比較し、比較結果に基づいて不審行動情報を追加または削除する更新処理を行う。すなわち、自動更新により登録した不審行動規則情報であっても、利用者の選択により一部または全部を変更することが可能である。従って、自動更新を活用しつつも、利用者独自が不審行動情報を検出するための規則の一部を自在に変更することが可能であるため、新たな犯行の手口に迅速に対応することができるとともに、更新作業の負担を低減することができる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態にかかる監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】状態情報データベースに記憶される状態情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】状態情報データベースに記憶される行動情報の具体例を示す図である。
【図4】状態情報データベースに記憶される行動導出規則のデータの一例を示す図である。
【図5】検出される行動間の遷移関係を表す図である。
【図6】不審者・不審行動規則データベースに記憶される不審行動検出規則のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態における自動による更新処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態における自動による追加の更新処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図9】本実施の形態における自動による削除の更新処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態における手動による更新処理を受け付ける操作画面の画像の一例を示す図である。
【図11】本実施の形態における手動による更新処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図12】画像から格フレームを生成する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
100 警備装置
110 センサ
120 監視カメラ
130 警備操作部
131 検知情報受信部
132 画像処理部
133 警備状態切替部
134 操作パネル制御部
135 操作パネル
136 送受信部
137 警備状態記憶部
138 言語構造構築部
139 更新部
140 状態情報データベース
150 映像データベース
160 行動導出規則データベース
170 不審者・不審行動規則データベース
200 監視センタ
300 ネットワーク
700 更新データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続される監視センタと、監視対象の警備区域における不審者および不審行動を検知する監視カメラに接続される警備装置であって、
物体の動作状態を表す情報であって、前記物体の動作の種類を表す動詞と前記物体の動作に関連する名詞である格要素とを含み、前記動詞と前記格要素との間の意味関係を示す格フレームによって表された状態情報を記憶する状態情報記憶部と、
前記監視カメラから取得した映像情報を記憶する映像記憶部と、
前記状態情報から所定の行動を導出するための行動情報が登録された行動導出規則情報を記憶する行動導出規則記憶部と、
前記状態情報に基づいて所定の前記動作状態を不審行動と定めるための不審行動情報が登録された不審行動規則情報を記憶する不審行動規則記憶部と、
更新対象の行動情報と更新対象の不審行動情報とを含む更新データを取得して、前記行動導出規則記憶部に記憶された前記行動導出規則情報を前記更新対象の行動情報で更新し、前記不審行動規則記憶部に記憶された前記不審行動規則情報を前記更新対象の不審行動情報で更新する更新部と、
を備えることを特徴とする警備装置。
【請求項2】
前記監視センタから前記更新データを受信する送受信部、をさらに備え、
前記更新部は、前記送受信部から前記更新データを取得し、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の行動情報と前記行動導出規則情報に登録された行動情報とを比較し、前記更新対象の行動情報と前記登録された行動情報とに差分がある場合に、差分のある前記行動情報を前記行動導出規則情報に追加することにより、前記行動導出規則情報を更新することを特徴とする請求項1に記載の警備装置。
【請求項3】
前記更新部は、さらに、前記送受信部から前記更新データを取得し、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動情報とに差分がある場合に、差分のある前記不審行動情報を前記不審行動導出規則情報に追加することにより、前記不審行動導出規則情報を更新すること、を特徴とする請求項2に記載の警備装置。
【請求項4】
前記監視センタから前記更新データを受信する送受信部、をさらに備え、
前記更新部は、前記送受信部から前記更新データを取得し、取得した前記更新データに削除要求が含まれる場合に、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の行動情報と前記行動導出規則情報に登録された行動情報とを比較し、前記更新対象の行動情報に一致する前記行動情報が前記登録された行動情報の中に存在する場合には、前記更新対象の行動情報に一致する前記登録された行動情報を前記行動導出規則情報または前記不審行動導出規則情報から削除し、取得した前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記不審行動情報が前記登録された不審行動情報の中に存在する場合には、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記登録された不審行動情報を前記行動導出規則情報または前記不審行動導出規則情報から削除する更新処理を行うこと、
を特徴とする請求項1に記載の警備装置。
【請求項5】
利用者による前記更新データの入力を受け付ける入力部、をさらに備え、
前記更新部は、前記入力部によって受け付けた前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動情報とに差分がある場合に、差分のある前記更新対象の不審行動情報を前記不審行動導出規則情報に追加する更新処理を行うこと、
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の警備装置。
【請求項6】
前記更新部は、さらに、前記入力受付部によって、前記更新データの入力とともに削除要求を受け付けた場合には、前記入力部によって受け付けた前記更新データに含まれる前記更新対象の不審行動情報と前記不審行動規則情報に登録された不審行動情報とを比較し、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記不審行動情報が前記不審行動情報の中に存在する場合には、前記更新対象の不審行動情報に一致する前記不審行動情報を前記不審行動導出規則情報から削除する更新処理を行うこと、
を特徴とする請求項5に記載の警備装置。
【請求項7】
前記更新データが画像情報で有る場合には、前記画像情報から前記格フレームに基づいた状態情報を生成し、生成された前記状態情報から前記不審行動情報を生成する生成部を更に備え、
前記更新部は、前記生成部によって生成された前記不審行動情報を前記更新データとして、前記更新処理を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の警備装置。
【請求項8】
ネットワークを介して接続される監視センタと、監視対象の警備区域における不審者および不審行動を検知する監視カメラに接続される警備装置で実行される更新方法であって、
前記警備装置は、物体の動作状態を表す情報であって、前記物体の動作の種類を表す動詞と前記物体の動作に関連する名詞である格要素とを含み、前記動詞と前記格要素との間の意味関係を示す格フレームによって表された状態情報を記憶する状態情報記憶部と、前記監視カメラから取得した映像情報を記憶する映像記憶部と、前記状態情報から所定の行動を導出するための行動情報が登録された行動導出規則情報を記憶する行動導出規則記憶部と、前記状態情報に基づいて所定の前記動作状態を不審行動と定めるための不審行動情報が登録された不審行動規則情報を記憶する不審行動規則記憶部と、を備え、
更新対象の行動情報と更新対象の不審行動情報とを含む更新データを取得するステップと、
前記行動導出規則記憶部に記憶された前記行動導出規則情報を前記更新対象の行動情報で更新し、前記不審行動規則記憶部に記憶された前記不審行動規則情報を前記更新対象の不審行動情報で更新するステップと、
を含むことを特徴とする更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−205617(P2009−205617A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49747(P2008−49747)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】