説明

警光灯

【課題】コンパクト化を図ることができるとともに、安定した設置が可能な警光灯を提供する。
【解決手段】少なくとも長手方向両端部を透光性を有する発光部7とした横長のケーシング2と、ケーシング2の発光部7内に収納される発光体3と、ケーシング2の長手方向両端部を支持する脚体4とを備えた警光灯である。脚体4を、スピーカ8を内装したスピーカ収納ケース9やサイレン50を内装したサイレン収納ケース51にて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防車などの緊急車両や建造物の緊急退避場所などに設置される警光灯、特に散光式警光灯に関する。
【背景技術】
【0002】
緊急車両のルーフ上に設置される警光灯は、横長透光性のグローブを含む筐体(ケーシング)内の複数箇所に回転灯を配設した散光式警光灯が一般に使用される。このような警光灯のなかには、筐体の長手方向中間位置にスピーカを収納したスピーカ部を設けたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−11674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載のものでは、筐体の下面の長手方向端部に脚(脚体)としての取付金具を取付け、この取付金具を介して緊急車両のルーフ等に設置する。また、筐体内に収納されるスピーカは、筐体の長手方向中央部に配置される。
【0004】
しかしながら、スピーカはその重量が比較的大であり、長手方向中央部にこのスピーカが配置されれば、この長手方向中央部に大きな加重が作用するので、筐体の剛性を大とする必要があり、そのために、筐体の肉厚を大としたり、高剛性を示す材質のもの採用したりする必要がある。しかも、スピーカを収納する分、筐体が大型化する。
【0005】
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、コンパクト化を図ることができるとともに、安定した設置が可能な警光灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の警光灯は、少なくとも長手方向両端部を透光性を有する発光部とした横長のケーシングと、このケーシングの発光部内に収納される発光体と、ケーシングの長手方向両端部を支持する脚体とを備えた警光灯であって、前記脚体を、スピーカを内装したスピーカ収納ケースにて構成したものである。
【0007】
前記脚体を、スピーカを内装したスピーカ収納ケースにて構成するので、スピーカをケーシング内に収納する必要がない。このため、ケーシングのコンパクト化を図ることができる。また、スピーカ収納ケースが脚体となるので、脚体が必要としていた上下方向スペースにスピーカを配置することになり、この警光灯の高さが大となるのを回避できる。
【0008】
各スピーカ収納ケース内のスピーカの放音口の向きを一致させたり、相違させたりすることができる。また、各スピーカ収納ケースにはそれぞれ2個のスピーカを内装し、スピーカ収納ケース毎に、一方のスピーカの放音口を前向きとするとともに、他方のスピーカの放音口の後向きとすることができる。ここで、前向きとは、この警光灯が緊急車両に設置された際の緊急車両の前方を向くことであり、後向きとは、緊急車両の後方を向くことである。
【0009】
また、脚体を、サイレンを内装したサイレン収納ケースにて構成してもよい。このため、サイレンをケーシング内に収納する必要がなく、ケーシングのコンパクト化を図ることができる。サイレン収納ケースが脚体となるので、脚体が必要としていた上下方向スペースにサイレンを配置することになり、この警光灯の高さが大となるのを回避できる。
【0010】
2個の脚体のうち、一方をスピーカを内装したスピーカ収納ケースにて構成するともに、他方をサイレンを内装したサイレン収納ケースにて構成してもよい。
【0011】
このように、スピーカ収納ケース及びサイレン収納ケースが脚体となるようにすれば、スピーカ及びサイレンをケーシング内に収納する必要がない。このため、ケーシングのコンパクト化を図ることができる。脚体が必要としていた上下方向スペースにスピーカ及びサイレンを配置することになり、この警光灯の高さが大となるのを回避できる。
【0012】
ケーシングが全長に渡って透光性を有し、前記発光体の光をケーシングの長手方向略全長から放光することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、スピーカやサイレンをケーシング内に収納する必要がなく、ケーシングのコンパクト化を図ることができる。しかも、ケーシングを高剛性とする必要がなくなって、ケーシングの肉厚を比較的薄く設定でき、重量の軽減を図ることが可能であって、取り扱い易くなる。さらに、ケーシングの材質としても、選択の幅が広く種々のものを使用することができ、設計自由度が大となる。スピーカ収納ケースやサイレン収納ケースが脚体となるので、脚体が必要としていた上下方向スペースにスピーカやサイレンを配置することになり、この警光灯の高さが大となるのを回避でき、警光灯を含めた車両の高さが高くなるのを抑えることができる。
【0014】
各スピーカ収納ケース内のスピーカの放音口の向きを一致させれば、各スピーカから同一方向に向かって音声等を放音することができ、各スピーカからの出力が小さくても、この同一方向に大きく出力することができる。このため、各スピーカの小型を図ることができる。
【0015】
また、各スピーカ収納ケース内のスピーカの放音口の向きを相違させれば、各スピーカから放音される音声等の方向が相違するので、警光灯に対して各スピーカの放音口側の歩行者等に向かって放音することができる。これによって、広範囲の人に音声等による警告を行うことができる。
【0016】
各スピーカ収納ケース9にそれぞれ2個のスピーカ8を内装するようにして、スピーカ収納ケース毎に、一方のスピーカの放音口を前向きとするとともに、他方のスピーカの放音口を後向きとするようにできる。これにより、前方及び後方に向けて音声などを放音することができ、警報・警告の効果が向上する。
【0017】
ケーシングが全長に渡って透光性を有し、前記発光体の光をケーシングの長手方向略全長から放光することができる。これにより、広範囲の歩行者等が警告光を知ることができる。すなわち、従来のように長手方向中央部にスピーカを配置したものと本発明の警光灯とを比較した場合、その長手方向長さが同じであれば、警告光を広範囲に発光させることができ、発光量が同じであれば、本発明の警光灯の長手方向長さを短くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明の実施の形態を図1〜図17に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図4は第1実施形態を示し、この第1実施形態における警光灯1は、ケーシング2と、ケーシングの収納される回転灯等からなる発光体3と、ケーシング2の長手方向両端部を支持する脚体4とを備える。
【0020】
ケーシング2は、赤、青、黄色等の有色に着色された透光性を有する樹脂製の中空横長扁平体からなる。ケーシング2は、上壁2aと、下壁2bと、前壁2cと、後壁2dと、左側壁2eと、右側壁2fとからなる。発光体3の光がケーシング2を透過する際に、ケーシング2の色が着色され、このケーシング2の色の光を放光する。このように、この実施形態では、ケーシング2に、長手方向全長にわかって発光部7が形成される。
【0021】
発光体3を構成する回転灯は、図3に示すように、2つの椀形状体5、5を有する反射筒6と、この反射筒6の中心部に配設されるハロゲンランプ等の発光部(図示省略)とを有し、図示省略の駆動機構にてその軸心廻りに回転する。
【0022】
脚体4は、図4に示すように、スピーカ8が収納されるスピーカ収納ケース9にて構成している。スピーカ収納ケース9は、断面矩形状の周壁9aと、この周壁9aの一方(後方)側の開口部を塞ぐ後壁9bと、スピーカ8を保持する仕切壁9cとからなる。周壁9aは、水平壁からなる上壁29と、水平壁からなる下壁30と、下方側が内部側へ湾曲した側壁31a、31bとからなる。
【0023】
スピーカ8は、ドライブ部10と放音部(ホーン)11とを備える。ドライブ部10は、仕切壁9cと後壁9bとの間に形成されるドライブ部収納室12に収納される。この場合、仕切壁9cの中心ボス部13の中心孔14は、ドライブ部収納室側の大径部14aと、反ドライブ部収納室側の中径部14bと、大径部14aと中径部14bとの間の小径部14cとからなり、大径部14aにドライブ部10の出力部10aが嵌合され、ドライブ部10がドライブ部収納室12に支持される。
【0024】
放音部11は、中心ボス部13の中心孔14の中径部14bにその基部が嵌合されて第1ホーン部15aを形成する第1筒状体15と、第1筒状体15の外周側を包囲状して第2ホーン部16aを形成する第2筒状体16を備える。第2筒状体16には、第1筒状体15の音声放射口17に相対面する反射面部18が連設されている。
【0025】
第1筒状体15は、内径および外径が仕切壁9c側(ケース内部側)から順次反射面部18側(ケース外部側)に向かって順次拡径している。また、第2筒状体16は、内径および外径が反射面部18側から仕切壁9c側に向かって拡径している。
【0026】
第2筒状体16の外周側は、スピーカ収納ケース9の仕切壁9cよりも開口部側の周壁9aにて包囲されている。このため、この包囲部が放音部11の第3ホーン部19aを構成する。
【0027】
前記スピーカ8は、ドライブ部10によって発生した音が、第1ホーン部15aを通過し、反射面部18で反射されて第2ホーン部16aを通過し、仕切壁9cで反射されて第3ホーン部19aを通過してスピーカ開口(放音口)20から放射される。すなわち、スピーカ8の放音口20から、消防広報メーセージ等を放音することができる。
【0028】
ケーシング2の底壁(下壁)2bには、図4に示すように孔部(窓部)21が形成され、この孔部21がケース取付け板22にて塞がれている。ケース取付け板22は、基板部22aを備え、基板部22aの前方側及び後方側に中空室23a、23b、24a、24bが設けられている。また、ケース取付け板22の端縁には、底壁2bの孔部21の端縁の嵌合片部25が嵌合する嵌合溝26が形成されている。
【0029】
また、中空室23a、23bにねじ部材28の頭部28aが嵌合され、中空室23a、23bの下壁の長手方向に沿った貫通孔27に、ねじ部材28のねじ軸部28bが挿通さされている。そして、この中空室23a、23bにその頭部28aが嵌合されたねじ部材28が、ケース9の周壁9aの上壁29の貫孔(円孔)33に挿通されてケース内部に突入する。このねじ部材28のケース突入部にナット部材32が螺着することによって、ケース9をケーシング2に取付けることができる。
【0030】
ねじ部材28をケース長手方向にスライドさせることによって、ケース9のケース長手方向位置を変更することができる。すなわち、ケース9にて構成される脚体4、4をケース長手方向に沿って図1に示すように矢印A、B方向にスライドさせることができる。
【0031】
ケース9の周壁9aの下壁30には、緊急車両等の被取付部位(図示省略)に取付けるためのねじ部材34が取付けられている。取付ける際には、例えば、ケース9の前壁2cを前方に向けて、スピーカ8の放音口20が前方を向く(前向きとなる)ように設置することができる。ここで、前向きとは、この警光灯が緊急車両に設置された際の緊急車両の前方を向くことである。また、逆に、ケース9の後壁2dを前方に向けて、スピーカ8の放音口20が後方を向く(後向きとなる)ように設置してもよい。後向きとは、緊急車両の後方を向くことである。
【0032】
本発明の警光灯では、スピーカ8をケーシング2内に収納する必要がなく、ケーシング2のコンパクト化を図ることができる。しかも、ケーシング2を高剛性とする必要がなくなって、ケーシング2の肉厚を比較的薄く設定でき、重量の軽減を図ることが可能であって、取り扱い易くなる。さらに、ケーシング2の材質としても、選択の幅が広く種々のものを使用することができ、設計自由度が大となる。スピーカ収納ケース9が脚体となるので、脚体4が必要としていた上下方向スペースにスピーカ8を配置することになり、この警光灯の高さが大となるのを回避できる。警光灯を含めた車両の高さが高くなるのを抑えることができる。
【0033】
各スピーカ収納ケース9内のスピーカ8の放音口20の向きを一致させている(前向きしている)ので、各スピーカ8から同一方向(前方)に向かって音声等を放音することができ、各スピーカ8からの出力が小さくても、全体として大きくなる。このため、各スピーカ8の小型を図ることができる。
【0034】
また、ケーシング2が全長に渡って透光性を有しているので、前記発光体3の光をケーシングの長手方向略全長から放光することができる。すなわち、従来のように長手方向中央部にスピーカを配置したものと本発明の警光灯とを比較した場合、その長手方向長さが同じであれば、警告光を広範囲に発光させることができ、発光量が同じであれば、本発明の警光灯の長手方向長さを短くできる。
【0035】
第1実施形態では、脚体4、4をケース長手方向に沿って矢印A、B方向にスライドさせることができるので、被設置部位(取付部位)に応じて脚体4、4の位置を変更して対応することができる。このため、取付け作業性を向上させることができる。
【0036】
次に、図5〜図7は第2実施形態を示し、この場合、ケース9の周壁9aの下壁30に、ねじ軸取付け片35が付設されている。ねじ軸取付け片35は、周壁9aの下壁30の固着される脚体受け片部35aと、ねじ軸36が固着される支持片部35bと、脚体受け片部35aと支持片部35bとを連結する連結片部35cとからなる。
【0037】
脚体受け片部35aは、周壁9aの下壁30の下面にボルトとナットとからなる固着具37にて固着され、下壁30の中心線に沿って配設される。また、支持片部35bは、連結片部35cを介して長手方向外方へ延びて、周壁9aの下壁30と略平行に配置される。このため、この警光灯は、緊急車両等の被取付部位上に載置した状態でねじ軸36を介して被取付部位に取付けることができる。
【0038】
また、第2実施形態の警光灯では、ケーシング2の下壁2bに合する凹部38、38が設けられ、スピーカ収納ケース9の上部がこの凹部38に嵌合している。このため、ピーカ収納ケース9の長手方向のスライドが規制されるので、ケーシング2の下壁2bの貫通孔27を長孔とする必要がない。
【0039】
なお、図5〜図7に示す警光灯において、他の構成は図1等に示す警光灯と同様であるので、同一構成については図1等に示す同一の符号を付してそれらの説明は省略する。
【0040】
このため、脚体4、4をケース長手方向に沿って矢印A、B方向にスライドさせることができない点を省いて、図5〜図7に示す警光灯においても、図1等に示す警光灯と同様の作用効果を奏する。
【0041】
第2実施形態のように、ねじ軸取付け片35を有する場合、図8に示すように、各脚体4に2個設けるようにしてもよい。この場合、一方のねじ軸取付け片35Aがケーシング長手方向内側に配置され、他方のねじ軸取付け片35Bがケーシング長手方向外側に配置される。そして、一方のねじ軸取付け片35Aの支持片部35bが下壁30の中心線に沿って配設される。なお、仮想線で示す一方のねじ軸取付け片35Aを省略しても、実線で示す他方のねじ軸取付け片35Bを省略してもよい。
【0042】
前記図5や図8等に示すように、ケーシング2に脚体4の上部が嵌合する凹部38を設ければ、警光灯全体の高さ寸法を小さくでき、コンパクト化を図る上でより好ましい。このように、高さ寸法を小さくすることによる薄型化によって、省資源化及びコストダウンを図ることができる。
【0043】
また、スピーカ収納ケース9として、図9と図10に示すようなものであってもよい。この場合、スピーカ収納ケース9は、下壁30が内部側へ膨出する湾曲壁からなり、この下方開口部を基板40にて塞いでいる。そして、基板40からねじ部材34のねじ軸が突設されている。
【0044】
なお、図5等に示すねじ軸36(頭を有さないねじ軸)を設ける場合、図11と図12に示すように、ねじ軸取付け片35を省略することも可能である。この際、ねじ軸36の基部をスピーカ収納ケース9の下壁30に埋設すればよい。また、図13と図14に示すように、ねじ軸36を有さないものであってもよい。
【0045】
ケーシング2として、図15に示すように、長手方向中央部の下部に標識部41を備えたものであっても、図16に示すように、長手方向中央部の下部に膨出部42を備えたものであってもよい。
【0046】
すなわち、図15に示す標識部41は、前面に透光性を有する標識パネル43を備えたケース44と、このケース44内に収納されるバックライト(図示省略)とからなる。標識パネル43には、例えば、図例のように「標識灯」の文字が記載(塗布)されている。バックライトの背面照明でこの「標識灯」の文字を鮮明に表示するようにしている。すなわち、「標識灯」の認識性を高めて、外部からこの文字を確認できるようにしている。なお、標識パネル43に表示される文字は「標識灯」に限るものではなく、また、表示されるものとしては、文字に限らず、記号や絵等であってもよい。
【0047】
また、図16に示す膨出部42を設けたものでは、ケーシング2からの光の警光効果を一層高めることができる。
【0048】
図15及び図16に示すケーシング2に取付ける脚体4は、前記第1実施形態及び第2実施形態等に示す種々のケース9を使用することができる。
【0049】
ところで、前記実施形態等では、各スピーカ収納ケース9内のスピーカ8のスピーカ開口(放音口)20が前方に向いているが、逆に後方を向くようにしてもよく、さらには、一方のスピーカ収納ケース9内のスピーカ8の放音口20を前方に向けるとともに、他方の スピーカ収納ケース9内のスピーカ8の放音口20を後方に向けるようにしてもよい。
【0050】
各スピーカ収納ケース9内のスピーカ8の放音口20の向きを相違させれば、各スピーカ8から放音される音声等の方向が相違するので、警光灯に対して各スピーカ8の放音口20側の歩行者等に向かって放音することができる。これによって、広範囲の人に音声等による警告を行うことができる。
【0051】
さらに、各スピーカ収納ケース9にはそれぞれ2個のスピーカ8を内装するようにして、スピーカ収納ケース9毎に、一方のスピーカ8の放音口20を前向きとするとともに、他方のスピーカ8の放音口20を後向きとすることができる。これにより、前方及び後方に向けて音声などを放音することができ、警報・警告の効果が向上する。
【0052】
ところで、脚体4をスピーカ収納ケース9にて構成していたが、図17に示す第3実施形態のように、サイレン(モータサイレン)50を内装したサイレン収納ケース51にて脚体4を構成してもよい。このサイレン収納ケース51は、例えば、図1に示すスピーカ収納ケース9の仕切壁9cを省略したものにて構成することができる。すなわち、サイレン収納ケース51は、上壁51aと下壁51bと側壁51cと側壁51dとからなる周壁52と、周壁52の後方開口部を塞ぐ後壁53とを備える。
【0053】
サイレン50は、サイレン本体50aと、このサイレン本体50aの胴部から突設される一対の脚50b、50bとからなる。そして、脚50b、50bがサイレン収納ケース51の下壁51bにボルト・ナット結合等の取付手段を介して固着される。これによって、サイレン50がスピーカ収納ケース9に内装される。この際、サイレン50の放音口55が、サイレン収納ケース51の開口部56を介して外部に開口している。このため、この警光灯1はサイレン50からサイレン音を放音することができる。
【0054】
なお、図17に示す警光灯において、他の構成は前記図1等に示す警光灯と同様であるので、図1の警光灯と同一構成については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0055】
このように、脚体4をサイレン収納ケース51にて構成すれば、サイレン50をケーシング2内に収納する必要がなく、ケーシング2のコンパクト化を図ることができる。しかも、ケーシング2を高剛性とする必要がなくなって、ケーシング2の肉厚を比較的薄く設定でき、重量の軽減を図ることが可能であって、取り扱い易くなる。さらに、ケーシング2の材質としても、選択の幅が広く種々のものを使用することができ、設計自由度が大となる。サイレン収納ケース51が脚体となるので、脚体4が必要としていた上下方向スペースにサイレン50を配置することになり、この警光灯の高さが大となるのを回避でき、警光灯を含めた車両の高さが高くなるのを抑えることができる。
【0056】
前記サイレン50が内装されるサイレン収納ケース51としては、前記各実施形態における種々のスピーカ収納ケース9を用いることができる。サイレン50も既存の種々ものを使用することができる。なお、サイレン収納ケース51において、開口部56を、サイレン音の放音を妨げないもの、例えばメッシュ部材等にて塞ぐようにするも好ましい。このように、サイレン収納ケース51の開口部56を塞げば、ごみ等の異物のケース内への進入を防止することができる。
【0057】
また、2個の脚体4、4のうち、一方の脚体4をスピーカ収納ケース9とし、他方の脚体4をサイレン収納ケース51とするようにしてもよい。スピーカ8から音声などを放音することができ、サイレン50からサイレン音を放音することができる。これによれば、警報・警告の方法が拡大する。
【0058】
スピーカ収納ケース9等にて構成される脚体4は、2個に限るものではなく、3個以上であっても、逆にケーシング長手方向中央部等に1個が配設されるものであってもよい。また、スピーカ8として、図4等に示すものに限るものではなく、既存の種々のスピーカを採用することができる。また、スピーカ8やサイレン50の放音口20、55が前後方向に対して直交する横方向や斜め方向に向いていてもよい。
【0059】
前記実施形態では、ケーシング2が全長に渡って透光性を有していたが、長手方向両端部のみが透光性を有するものであってもよい。すなわち、長手方向両端部のみが発光部7に形成されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る警光灯の第1実施形態の正面図である。
【図2】図1に示す警光灯の側面図である。
【図3】図1に示す警光灯の平面図である。
【図4】図1に示す警光灯の拡大断面図である。
【図5】本発明に係る警光灯の第2実施形態の正面図である。
【図6】図5に示す警光灯の側面図である。
【図7】図5に示す警光灯の拡大断面図である。
【図8】一つの脚体にねじ軸取付け片を2個取付け可能な警光灯の正面図である。
【図9】他の脚体の正面図である。
【図10】図9の脚体の側面図である。
【図11】別の脚体の正面図である。
【図12】図11の脚体の側面図である。
【図13】さらに別の脚体の正面図である。
【図14】図13の脚体の側面図である。
【図15】他のケーシングの正面図である。
【図16】別のケーシングの正面図である。
【図17】本発明に係る警光灯の第3実施形態の正面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 警光灯
2 ケーシング
2a 上壁
2b 下壁
2c 前壁
2d 後壁
2e 左側壁
2f 右側壁
3 発光体
4 脚体
5 椀形状体
6 反射筒
7 発光部
8 スピーカ
9 スピーカ収納ケース
9a 周壁
9b 後壁
9c 仕切壁
10 ドライブ部
10a 出力部
11 放音部
12 ドライブ部収納室
13 中心ボス部
14 中心孔
14a 大径部
14b 中径部
14c 小径部
15 筒状体
15a ホーン部
16 筒状体
16a ホーン部
17 音声放射口
18 反射面部
19a ホーン部
20 スピーカ開口
20 放音口
21 孔部
22 ケース取付け板
22a 基板部
23a 中空室
25 嵌合片部
26 嵌合溝
27 貫通孔
28、34 ねじ部材
28a 頭部
28b 軸部
29 上壁
30 下壁
31a 側壁
32 ナット部材
35、35A、35B ねじ軸取付け片
35a 脚体受け片部
35b 支持片部
35c 連結片部
36 ねじ軸
37 固着具
38 凹部
40 基板
41 標識部
42 膨出部
43 標識パネル
44 ケース
50 サイレン
50a サイレン本体
50b 脚
51 サイレン収納ケース
51a 上壁
51b 下壁
51c 側壁
51d 側壁
52 周壁
53 後壁
55 放音口
56 開口部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも長手方向両端部を透光性を有する発光部とした横長のケーシングと、このケーシングの発光部内に収納される発光体と、ケーシングの長手方向両端部を支持する脚体とを備えた警光灯であって、前記脚体を、スピーカを内装したスピーカ収納ケースにて構成したことを特徴とする警光灯。
【請求項2】
各スピーカ収納ケース内のスピーカの放音口の向きを一致させたことを特徴とする請求項1の警光灯。
【請求項3】
各スピーカ収納ケース内のスピーカの放音口の向きを相違させたことを特徴とする請求項1の警光灯。
【請求項4】
各スピーカ収納ケースにはそれぞれ2個のスピーカが内装され、スピーカ収納ケース毎に、一方のスピーカの放音口を前向きとするとともに、他方のスピーカの放音口を後向きとしたことを特徴とする請求項1の警光灯。
【請求項5】
少なくとも長手方向両端部が透光性を有する発光部とした横長のケーシングと、このケーシングの発光部内に収納される発光体と、ケーシングの長手方向両端部を支持する脚体とを備えた警光灯であって、前記脚体を、サイレンを内装したサイレン収納ケースにて構成したことを特徴とする警光灯。
【請求項6】
少なくとも長手方向両端部が透光性を有する発光部とした横長のケーシングと、このケーシングの発光部内に収納される発光体と、ケーシングの長手方向両端部を支持する脚体とを備えた警光灯であって、2個の脚体のうち、一方をスピーカを内装したスピーカ収納ケースにて構成するともに、他方をサイレンを内装したサイレン収納ケースにて構成したことを特徴とする警光灯。
【請求項7】
ケーシングが全長に渡って透光性を有し、前記発光体の光をケーシングの長手方向略全長から放光することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の警光灯。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−128813(P2007−128813A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322190(P2005−322190)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000149103)株式会社大阪サイレン製作所 (4)
【Fターム(参考)】