説明

警告装置及び方法、並びに情報機器

【課題】自車の周辺にいる歩行者が携帯する小型発信器の電波を受信した場合に、一律に運転者等への警告が行われることのないような適切な警告を行う。
【解決手段】警告装置1は、車両の走行状態が所定状態にある場合に、当該車両の周辺に存在する無線通信機を当該無線通信機から発せられる電波によって検出する検出手段51と、当該検出手段51による検出結果に基づいて、警告を行う警告手段53とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両の運転者等に対して警告を行う警告装置及び方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の周辺にいる歩行者等の安全を確保するため、歩行者等に小型発信器を携帯させると共に車両に受信機を搭載する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、歩行者が携帯している小型発信器が送信する電波を車両に搭載された受信機が受信すると、ランプの点灯等によって歩行者等が車両の周辺に存在することを示す警告を車両の運転者等に対して行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−32228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、小型発信器が発信する電波を受信機が受信した場合には、一律に運転者等への警告が行われてしまう。このため、本来であれば警告を行うべきではない場面において、意図せず又は不必要に警告が行われてしまうという技術的な問題点が生ずる。例えば、交差点において車両が赤信号に従って停止している場合には、青信号に従って交差点を横断している歩行者が携帯する小型発信器から送信される電波が受信機によって受信されることで、常に警告が行われてしまう。しかしながら、車両が赤信号で停止しているがゆえに、必ずしも必要ではない警告が常に行われてしまい、結果として、警告の実用性が相対的に薄れてしまいかねない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、適切な警告を行うことが可能な警告装置及び方法、並びに情報機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、警告装置は、車両の走行状態が所定状態にある場合に、当該車両の周辺に存在する無線通信機を当該無線通信機から発せられる電波によって検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、警告を行う警告手段とを備える。
【0007】
上記課題を解決するために、警告方法は、車両の走行状態が所定状態にある場合に、当該車両の周辺に存在する無線通信機を当該無線通信機から発せられる電波によって検出する検出工程と、前記検出工程における検出結果に基づいて、警告を行う警告工程とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために、情報機器は、上述した警告装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例のナビゲーション装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施例のナビゲーション装置の動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【図3】車両の周辺の状況を模式的に示す平面図である。
【図4】本実施例のナビゲーション装置の変形動作の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、警告装置及び方法の実施形態について順に説明する。
【0011】
(警告装置の実施形態)
本実施形態の警告装置は、車両の走行状態が所定状態にある場合に、当該車両の周辺に存在する無線通信機を当該無線通信機から発せられる電波によって検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、警告を行う警告手段とを備える。
【0012】
本実施形態の警告装置によれば、検出手段は、当該警告装置が搭載される車両の周辺に存在する無線通信機を検出する。検出手段は、例えば、無線通信機が発している電波等を受信することで、車両の周辺に存在する無線通信機を検出してもよい。或いは、検出手段は、例えばその他の手法(例えば、互いの存在を確認するためのデータの送受信等)を用いて、車両の周辺に存在する無線通信機を検出してもよい。
【0013】
無線通信機は、例えば、人(例えば、歩行者や自転車に乗っている人やその他道路上にいる任意の人等)が携帯していることが好ましい。無線通信機としては、例えば、携帯電話やスマートフォンや持ち運び可能な任意のポータブル機器等が一例としてあげられる。
【0014】
尚、本実施形態における「周辺(つまり、「周辺」という概念に含まれるエリア)」は、例えば、車両を基準として予め若しくは適宜設定される任意のエリアであって、具体的にその大きさが明確に特定されていなくともよい。つまり、本実施形態における「周辺」は、本実施形態の警告装置が適用される条件に応じて適宜設定すればよい。例えば、車両の周辺のエリアとして、車両から所定距離以内に収まるエリアや、車両をその一部に包含するエリアや、無線通信機からの電波が車両に到達可能なエリア等が一例としてあげられる。
【0015】
本実施形態では、検出手段は、警告装置が搭載される車両の走行状態が所定の状態にある場合に、車両の周辺に存在する無線通信機を検出する。言い換えれば、検出手段は、警告装置が搭載される車両の走行状態が所定の状態にない場合には、車両の周辺に存在する無線通信機を検出しなくともよい。尚、「所定の状態」については後に詳述するが、例えば、一例として、車両の運転者等に対して周辺の状況についての警告を行うことが好ましい状態が一例としてあげられる。或いは、「所定の状態」の一例として、例えば、車両の周辺にいる歩行者等に対して車両についての警告を行うことが好ましい状態が一例としてあげられる。
【0016】
警告手段は、検出手段による検出結果に基づいて警告を行う。例えば、警告手段は、車両の運転者等に対して周辺の状況についての警告が行われるべきであると検出手段による検出結果が示している場合には、車両の運転者等に対して、車両の周辺の状況についての警告を行う。他方で、例えば、警告手段は、車両の運転者等に対して周辺の状況についての警告が行われなくともよいと検出手段による検出結果が示している場合には、車両の運転者等に対して、車両の周辺の状況についての警告を行わなくともよい。或いは、例えば、警告手段は、車両の周辺にいる歩行者等に対して車両についての警告が行われるべきであると検出手段による検出結果が示している場合には、車両の周辺にいる歩行者等に対して、車両についての警告を行う。或いは、例えば、警告手段は、車両の周辺にいる歩行者等に対して車両についての警告が行われなくともよいと検出手段による検出結果が示している場合には、車両の周辺にいる歩行者等に対して、車両についての警告を行わなくともよい。尚、警告手段は、例えば、警告画面の表示や警告音の出力等によって警告を行ってもよい。
【0017】
以上説明した警告装置によれば、車両の周辺に存在する無線通信機の検出動作は、車両の走行状態が所定の状態にある場合に選択的に行われる。その結果、警告動作もまた、車両の走行状態が所定の状態にある場合に選択的に行われる。従って、本実施形態の警告装置によれば、車両の走行状態に関わらず車両の周辺に存在する無線通信機の検出動作及び警告動作が常に行われる比較例の警告装置と比較して、適切な状況下で警告を行うことができる。具体的には、例えば、本来であれば警告を行うべきではない場面においても警告が行われてしまう不都合を好適に抑制することができる。或いは、例えば、本来警告を行うべき場面において適切に警告を行うことができる。
【0018】
本実施形態の警告装置の一の態様では、前記所定状態は、前記車両がバック走行している状態である。
【0019】
この態様によれば、車両がバック走行している場合には、事故を未然に防ぐために、車両の運転者等がより一層の注意を払うことが好ましい状況であると想定される。従って、この態様によれば、車両がバック走行している場合に車両の周辺に存在する無線通信機の検出動作及び警告動作が行われることで、車両の運転者等及び車両の周辺に位置する歩行者等の少なくとも一方に対して、警告を適切に行うことができる。従って、車両の運転者等及び車両の周辺に位置する歩行者等の少なくとも一方は、本実施形態の警告装置が行う警告を有意義に活用することができる。
【0020】
本実施形態の警告装置の他の態様では、前記所定状態は、前記車両が停止状態から走行状態に移行する状態である。
【0021】
この態様によれば、車両が停止状態から走行状態に移行する(つまり、走行を開始する)場合には、事故を未然に防ぐために、車両の運転者等がより一層の注意を払うことが好ましい状況であると想定される。従って、この態様によれば、車両が停止状態から走行状態に移行する場合に車両の周辺に存在する無線通信機の検出動作及び警告動作が行われることで、車両の運転者等及び車両の周辺に位置する歩行者等の少なくとも一方に対して、警告を適切に行うことができる。従って、車両の運転者等及び車両の周辺に位置する歩行者等の少なくとも一方は、本実施形態の警告装置が行う警告を有意義に活用することができる。
【0022】
本実施形態の警告装置の他の態様では、前記警告手段は、(i)所定数以上の前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記所定数以上の前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わない。
【0023】
この態様によれば、検出手段によって検出される無線通信機の数に応じて、警告手段によって行われる警告の態様を変えることができる。従って、警告手段は、検出手段によって検出される無線通信機の数に応じて、警告を適切に行うことができる。
【0024】
本実施形態の警告装置の他の態様では、前記警告手段は、(i)前記車両との間の距離が所定距離以下となる前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記車両との間の距離が前記所定距離以下となる前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わない。
【0025】
この態様によれば、検出手段によって検出される無線通信機と車両(つまり、警告装置が搭載される車両)との間の距離に応じて、警告手段によって行われる警告の態様を変えることができる。従って、警告手段は、検出手段によって検出される無線通信機と車両との間の距離に応じて、警告を適切に行うことができる。
【0026】
本実施形態の警告装置の他の態様では、前記警告手段は、(i)所定の時間帯に前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記所定の時間帯に前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わない。
【0027】
この態様によれば、検出手段によって無線通信機が検出される時間帯に応じて、警告手段によって行われる警告の態様を変えることができる。従って、警告手段は、検出手段によって無線通信機が検出される時間帯に応じて、警告を適切に行うことができる。
【0028】
本実施形態の警告装置の他の態様では、前記警告手段は、(i)前記検出手段によって前記車両の進行方向の前方側において前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記検出手段によって前記車両の進行方向の前方側において前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わない。
【0029】
この態様によれば、検出手段によって無線通信機が検出される位置と車両の進行方向との間の関係に応じて、警告手段によって行われる警告の態様を変えることができる。従って、警告手段は、検出手段によって無線通信機が検出される位置と車両の進行方向との間の関係に応じて、警告を適切に行うことができる。
【0030】
本実施形態の警告装置の他の態様では、前記警告手段は、(i)前記車両が所定の地点に位置する時点で前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記車両が前記所定の地点に位置しない時点で前記無線通信機の存在が検出される場合に、前記警告を行わない。
【0031】
この態様によれば、検出手段によって無線通信機が検出される時点で車両が位置する地点に応じて、警告手段によって行われる警告の態様を変えることができる。従って、警告手段は、検出手段によって無線通信機が検出される時点で車両が位置する地点に応じて、警告を適切に行うことができる。
【0032】
(警告方法の実施形態)
本実施形態の警告方法は、車両の走行状態が所定状態にある場合に、当該車両の周辺に存在する無線通信機を検出する検出工程と、前記検出工程における検出結果に基づいて、警告を行う警告工程とを備える。
【0033】
本実施形態の警告方法によれば、上述した本実施形態の警告装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。
【0034】
尚、上述した本実施形態の警告装置が取り得る各種態様に対応して、本実施形態の警告方法も各種態様を取ることができる。
【0035】
(情報機器の実施形態)
本実施形態の情報機器は、上述した本実施形態の警告装置(但し、その各種態様を含む)を備える。
【0036】
本実施形態の情報機器によれば、上述した本実施形態の警告装置が享受することができる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。尚、情報機器としては、例えば車両に搭載される車載用の情報機器(例えば、ナビゲーション装置や、オーディオ機器や、映像機器や、ETC(Electric Toll Correction)車載器や、レーダー探知機や、その他任意の機器)が一例としてあげられる。或いは、情報機器としては、持ち運び可能な又は取り外し可能な情報機器(例えば、モバイルパソコンや、スマートフォンや、携帯電話や、無線端末や、ポータブルオーディオプレーヤや、その他任意のポータブル機器等)が一例としてあげられる。
【0037】
尚、上述した本実施形態の警告装置が取り得る各種態様に対応して、本実施形態の情報機器も各種態様を取ることができる。
【0038】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の警告装置は、検出手段と、警告手段とを備える。本実施形態の警告方法は、検出工程と、警告工程とを備える。本実施形態の情報機器は、本実施形態の警告装置を備える。従って、警告を適切に行うことができる。
【実施例】
【0040】
以下、図面を参照しながら、警告装置及び方法、並びに情報機器の実施例について説明する。尚、以下では、情報機器の一例としてのナビゲーション装置を用いる例について説明する。
【0041】
(1)ナビゲーション装置の構成
図1を参照して、本実施例のナビゲーション装置1の構成の一例について説明する。図1は、本実施例のナビゲーション装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、センサ部10と、GPS受信部20と、微弱電波受信部30と、ハードディスク40と、CPU(Central Processing Unit)50と、メモリ60と、出力装置70と、入力装置80と、データバス90とを備えて構成されている。尚、本実施例では、ナビゲーション装置1は、ナビゲーションの対象物である車両に搭載されていることが好ましい。但し、ナビゲーション装置1は、車両以外の任意の移動体に搭載されていてもよい。
【0043】
センサ部10は、ナビゲーションの対象物である車両の状態に関する情報を検知する。センサ部10は、車速センサ11と、パーキングブレーキセンサ12と、バックセンサ13とを備える。車速センサ11は、車両の移動速度を検知するセンサである。パーキングブレーキセンサ12は、車両のパーキングブレーキがオン状態にある(つまり、ブレーキがかかっている状態にある)のか否かを検知するセンサである。バックセンサ13は、車両のトランスミッションがバックギアに設定されているか否かを検知するセンサである。尚、センサ部10の検知結果は、CPU50に対して出力される。
【0044】
尚、ナビゲーション装置1はセンサ部10を備えていなくともよい。この場合、ナビゲーション装置1(具体的には、CPU50)は、車両が備えるセンサ部10の検知結果を取得することが好ましい。
【0045】
GPS受信部20は、GPS用衛星との間でGPS電波により情報を送受信することで、車両の現在位置を特定することが可能である。特定された現在位置は、CPU50に対して出力される。
【0046】
微弱電波受信部30は、通話中の又は待受け中の携帯電話が発している微弱電波を受信する。本実施例では、微弱電波受信部30は、車両の周辺に設定される所定の検知エリア内に位置する携帯電話が発している微弱電波を受信することが好ましい。微弱電波受信部30による微弱電波の受信結果は、後述するCPU50が備える微弱電波検出部52に対して出力される。
【0047】
ハードディスク40は、ナビゲーション用の地図データを格納する。ハードディスク40は、CPU50の制御の下で、必要に応じて地図データの一部又は全部を読み出す。
【0048】
CPU50は、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。CPU50は、GPS受信部20から出力される車両の現在位置及びハードディスク40内に含まれる地図データに基づいて、車両のナビゲーション処理を行う。CPU50は更に、その内部に実現される物理的な、論理的な又は機能的な処理ブロックとして、車両状態判定部51と、微弱電波検出部52と、警告通知部53とを備える。
【0049】
車両状態判定部51は、センサ部10の検出結果に基づいて、ナビゲーション装置1が搭載される車両の状態が所定の状態(例えば、後述するバック走行状態等)にあるか否かを判定する。
【0050】
微弱電波検出部52は、微弱電波受信部30による携帯電話の微弱電波の受信結果に基づいて、車両の周辺に設定される所定の検知エリア内に存在する携帯電話(言い換えれば、携帯電話を保有している人)を検出する。特に、微弱電波検出部52は、後に詳述するように、車両状態判定部51によって車両の状態が所定の状態にあると判定される場合に、検知エリア内に存在する携帯電話を検出することが好ましい。
【0051】
警告通知部53は、微弱電波検出部52による検知エリア内の携帯電話の検出結果に基づいて、車両の運転者に対して警告を行う。例えば、警告通知部53は、検知エリア内に携帯電話が存在すると検出された場合には、車両の運転者に対して、車両の周辺に歩行者等の人が存在する旨の警告を行う。或いは、例えば、警告通知部53は、検知エリア内に携帯電話が存在すると検出されなかった場合には、車両の運転者に対して、車両の周辺に歩行者等の人が存在する旨の警告を行わなくともよい。
【0052】
メモリ60は、ファームウェア等のプログラム等が記録されており、CPU50の動作を規定している。更に、メモリ60は、CPU50の処理の際にデータを一時的に記録する記憶媒体として用いられる。
【0053】
出力装置70は、ディスプレイ71及びスピーカ72を含んでいる。ディスプレイ71は、CPU50の制御の下に、ナビゲーション処理に応じて、道路状況或いは経路案内等を表示したり、或いは、入力装置80を用いて外部からの指示を入力するための画面を表示したりする。更に、ディスプレイ71は、上述した警告画面を表示する。スピーカ72は、CPU50の制御の下に、ナビゲーション処理に応じて、道路状況或いは経路案内等の音声を出力する。更に、スピーカ72は、上述した警告音を出力する。
【0054】
入力装置80は、例えば、リモコン、コントローラ或いはタッチパネル等を含んでおり、外部からナビゲーション装置1への指示を受け付ける。
【0055】
データバス90は、センサ部10と、GPS受信部20と、微弱電波受信部20と、ハードディスク40と、CPU50と、メモリ60と、出力装置70と、入力装置80との間でのデータ伝送の際に使用される。
【0056】
(2)ナビゲーション装置の動作例
図2及び図3を参照して、本実施例のナビゲーション装置1の動作の流れの一例について説明する。図2は、本実施例のナビゲーション装置1の動作の流れの一例を示すフローチャートである。図3は、車両の周辺の状況を模式的に示す平面図である。
【0057】
図2に示すように、車両のエンジンがスタート(つまり、始動)すると(ステップS11)、ナビゲーション装置1は動作を開始する。例えば、ナビゲーション装置1は、地図表示や経路案内等のナビゲーション処理を行う。
【0058】
本実施例では、ナビゲーション装置1は、上述したナビゲーション処理と並行して、ステップS12からステップS17に示す警告動作を行う。具体的には、車両状態判定部51は、センサ部10によって検知される車両の状態が所定の状態にあるか否かを判定する(ステップS12)。
【0059】
ステップS12では、車両状態判定部51は、車両がバック走行状態にあるか否かを判定してもよい。この場合、車両状態判定部51は、バックセンサ13の検知結果に基づいて、車両がバック走行状態にあるか否かを判定してもよい。例えば、車両のトランスミッションがバックギアに設定されているという検知結果がバックセンサ13から出力されている場合には、車両状態判定部51は、車両がバック走行状態にあると判定してもよい。つまり、車両状態判定部51は、車両の状態が所定の状態にあると判定してもよい。他方で、例えば、車両のトランスミッションがバックギアに設定されているという検知結果がバックセンサ13から出力されていない場合には、車両状態判定部51は、車両がバック走行状態にないと判定してもよい。つまり、車両状態判定部51は、車両の状態が所定の状態にないと判定してもよい。
【0060】
或いは、ステップS12では、車両状態判定部51は、車両が停止状態から走行状態に遷移しているか否かを判定してもよい。この場合、車両状態判定部51は、車速センサ11の検知結果に基づいて、車両が停止状態から走行状態に遷移しているか否かを判定してもよい。例えば、車速が0の状態からプラスの状態に変化したという検知結果が車速センサ11から出力されている場合には、車両状態判定部51は、車両が停止状態から走行状態に遷移していると判定してもよい。つまり、車両状態判定部51は、車両の状態が所定の状態にあると判定してもよい。他方で、例えば、車速が0の状態からプラスの状態に変化したという検知結果が車速センサ11から出力されていない場合には、車両状態判定部51は、車両が停止状態から走行状態に遷移していないと判定してもよい。つまり、車両状態判定部51は、車両の状態が所定の状態にないと判定してもよい。
【0061】
或いは、ステップS12では、車両状態判定部51は、車両が、車両の運転者が周辺に対して相対的に高い注意を払わなければならない又は払うことが好ましい状態にあるか否かを判定してもよい。車両が、車両の運転者が周辺に対して相対的に高い注意を払わなければならない又は払うことが好ましい状態にある場合には、車両が所定の状態にあると判定される。他方で、車両が、車両の運転者が周辺に対して相対的に高い注意を払わなければならない又は払うことが好ましい状態にない場合には、車両が所定の状態にないと判定される。例えば、車両が右折又は左折をする場合には、車両が直進する場合と比較して、車両の運転者は、車両の周辺に対して相対的に高い注意を払うことが好ましいと想定される。従って、車両状態判定部51は、車両が右折又は左折中であるか否かを判定してもよい。車両が右折又は左折中であるか否かを判定してもよい。このような判定を行うため、センサ部10は、判定に必要な各種センサを備えていることが好ましい。例えば、車両が右折又は左折をしているか否かが判定される場合には、センサ部10は、例えば、操舵輪の舵角(或いは、ステアリングホイールの回転角)を検出するセンサを備えていることが好ましい。
【0062】
ステップS12における判定の結果、車両の状態が所定の状態にないと判定される場合には(ステップS12:No)、車両状態判定部51は、ステップS12の判定を継続して行う。
【0063】
他方で、ステップS12における判定の結果、車両の状態が所定の状態にあると判定される場合には(ステップS12:Yes)、車両状態判定部51は、微弱電波受信部30の動作を開始させるため制御信号を、微弱電波受信部30に対して出力する。その結果、微弱電波受信部30は、動作を開始する(ステップS13)。つまり、微弱電波受信部30は、車両の周辺に設定される所定の検知エリア内に位置する携帯電話が発している微弱電波を受信する。
【0064】
尚、車両の状態が所定の状態にあると判定されていない場合には、微弱電波受信部30の動作は、一時的に停止されていることが好ましい。つまり、車両の状態が所定の状態にあると判定されていない間は、微弱電波受信部30の動作は、一時的に停止されていることが好ましい。
【0065】
また、ステップS12における判定の結果、車両の状態が所定の状態にあると判定される場合には(ステップS12:Yes)、車両状態判定部51は、微弱電波検出部52及び警告通知部53の動作を開始させるため制御信号を、微弱電波検出部52及び警告通知部53に対して出力してもよい。その結果、微弱電波検出部52及び警告通知部53は、動作を開始してもよい(ステップS13)。つまり、微弱電波検出部52は、微弱電波受信部30による携帯電話の微弱電波の受信結果に基づいて、車両の周辺に設定される所定の検知エリア内に存在する携帯電話(言い換えれば、携帯電話を保有している人)を検出してもよい。また、警告通知部53は、微弱電波検出部52の検出結果に応じて警告を行ってもよい。尚、車両の状態が所定の状態にあると判定されていない場合には、微弱電波検出部52及び警告通知部53の動作は、一時的に停止されていてもよいし、一時的に停止されていなくともよい。
【0066】
その後、微弱電波検出部52は、微弱電波受信部30による携帯電話の微弱電波の受信結果に基づいて、車両の周辺に設定される所定の検知エリア内に携帯電話が存在するか否かを判定する(ステップS14)。
【0067】
尚、検知エリアは、例えば、車両を中心とした所定半径のエリアが一例としてあげられる。但し、検知エリアは、車両の周辺に位置する任意のエリアであってもよく、その大きさや範囲等は任意に設定されてもよい。
【0068】
ステップS14における判定の結果、図3(a)に示すように検知エリア内に携帯電話が存在すると判定される場合には(ステップS14:Yes)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨(或いは、車両の周辺の歩行者に注意する旨)の警告を行う(ステップS15)。警告通知部53は、例えば、ディスプレイ71上に警告画面が表示されるようにディスプレイ71の動作を制御することで、警告を行ってもよい。或いは、警告通知部53は、例えば、スピーカ72から警告音が出力されるようにスピーカ72の動作を制御することで、警告を行ってもよい。
【0069】
他方で、ステップS14における判定の結果、図3(b)に示すように検知エリア内に携帯電話が存在すると判定されない場合には(ステップS14:No)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨(或いは、車両の周辺の歩行者に注意する旨)の警告を行わなくともよい。
【0070】
その後、車両状態判定部51は、センサ部10によって検出される車両の状態が所定の状態にあるか否かを判定する(ステップS16)。
【0071】
ステップS16における判定の結果、車両の状態が所定の状態にあると判定される場合には(ステップS16:Yes)、ステップS14以降の動作が繰り返される。つまり、微弱電波検出部52は、検知エリア内に携帯電話が存在するか否かを判定し(ステップS14)、警告通知部53は、必要に応じて、車両の周辺に歩行者等がいる旨(或いは、車両の周辺の歩行者に注意する旨)の警告を行う(ステップS15)。
【0072】
他方で、ステップS16における判定の結果、車両の状態が所定の状態にないと判定される場合には(ステップS16:No)、車両状態判定部51は、微弱電波受信部30の動作を一時的に停止させるため制御信号を、微弱電波受信部30に対して出力する。その結果、微弱電波受信部30は、動作を一時的に停止する(ステップS17)。つまり、微弱電波受信部30は、車両の周辺に設定される所定の検知エリア内に位置する携帯電話が発している微弱電波を受信しない。
【0073】
また、ステップS16における判定の結果、車両の状態が所定の状態にないと判定される場合には(ステップS16:No)、車両状態判定部51は、微弱電波検出部52及び警告通知部53の動作を一時的に停止させるため制御信号を、微弱電波検出部52及び警告通知部53に対して出力してもよい。その結果、微弱電波検出部52及び警告通知部53は、動作を一時的に停止してもよい(ステップS17)。
【0074】
以上説明したように、本実施例のナビゲーション装置1によれば、車両が所定の状態にある場合に、選択的に検知エリア内に携帯電話が存在するか否かの判定及び判定結果に応じた警告動作が行われる。具体的には、例えば、本実施例のナビゲーション装置1によれば、車両の状態が、車両の運転者が周辺に対して相対的に高い注意を払わなければならない又は払うことが好ましい状態にある場合に、選択的に検知エリア内に携帯電話が存在するか否かの判定及び判定結果に応じた警告動作が行われる。このため、不必要に又は無駄に多くの警告が行われることが殆ど又は全くなくなる。つまり、ナビゲーション装置1は、必要な場合に適切に警告を行うことができる。
【0075】
例えば、仮に、検知エリア内に携帯電話が存在するか否かの判定及び判定結果に応じた警告動作が、車両の状態に関わらず常に行われる場合を想定する。この場合、例えば、交差点において車両が赤信号に従って停止している場合には、青信号に従って交差点を横断している多くの歩行者が保有している携帯電話から送信される微弱電波が検出されるため、常に警告が行われてしまう。しかしながら、車両が赤信号で停止しているがゆえに運転者等が周囲に注意を払う必要は必ずしもない又は運転者等は既に注意を払っているとも考えられるため、必ずしも必要ではない警告が常に行われてしまいかねない。その結果、警告の実用性が相対的に薄れてしまいかねない。しかるに、本実施例のナビゲーション装置1では、警告が選択的に行われるがゆえにこのような不都合が生ずることが殆ど又は全くなくなり、結果として、警告の実用性を相対的に高めることができる。
【0076】
加えて、本実施例では、歩行者等が保有している携帯電話が発している微弱電波を受信することで、検知エリア内に携帯電話が存在するか否かが判定される。従って、歩行者等が専用の小型発信器を備えていなくとも、ナビゲーション装置1は、検知エリア内に携帯電話が存在するかを判定することができる。
【0077】
加えて、本実施例では、車両に搭載されているナビゲーション装置1を用いて、検知エリア内に携帯電話が存在するかの判定及び判定結果に応じた警告動作が行われる。従って、車両に専用の受信機(つまり、歩行者等が備える専用の小型発信器から発せられる電波を受信する受信機)が車両に搭載されていなくとも、ナビゲーション装置1は、検知エリア内に携帯電話が存在するかを判定し且つ判定結果に応じて警告を行うことができる。
【0078】
尚、上述の実施例では、警告通知部53による警告が車両の運転者等を対象としている例について説明している。しかしながら、警告通知部53による警告が、車両の周辺に位置する歩行者等を対象として行われてもよい。このように構成しても、適切な警告を行い、その結果、事故を減らすことができる。
【0079】
また、上述の実施例では、歩行者等が保有する携帯電話から送信される微弱電波を検出する例について説明している。しかしながら、携帯電話から送信される微弱電波以外の任意の電波又は携帯電話以外の任意の無線機器から送信される微弱電波若しくは任意の電波を検出することで、上述した各種動作が行われてもよい。
【0080】
(3)変形動作
図4を参照して、本実施例のナビゲーション装置1の変形動作の流れの一例について説明する。図4は、本実施例のナビゲーション装置1の変形動作の流れの一例を示すフローチャートである。尚、図2を用いて説明した動作と同一の動作については、同一のステップ番号を付してその詳細な説明については省略する。
【0081】
図4に示すように、変形動作においても、ステップS11からステップS14までの動作が行われる。つまり、車両のエンジンがスタートする(つまり、始動)する(ステップS11)と、ナビゲーション装置1は動作を開始する。その後、車両状態判定部51は、センサ部10によって検出される車両の状態が所定の状態にあるか否かを判定する(ステップS12)。その後、車両の状態が所定の状態にあると判定される場合には(ステップS12:Yes)、微弱電波受信部30は、動作を開始する(ステップS13)。その後、微弱電波検出部52は、微弱電波受信部30による携帯電話の微弱電波の受信結果に基づいて、車両の周辺に設定される所定の検知エリア内に携帯電話が存在するか否かを判定する(ステップS14)。
【0082】
変形動作では特に、ステップS14における判定の結果、検知エリア内に携帯電話が存在すると判定される場合には(ステップS14:Yes)、微弱電波検出部52は、検知エリア内に存在する携帯電話が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS21)。
【0083】
ステップS21における判定の結果、検知エリア内に存在する携帯電話が所定の条件を満たすと判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨(或いは、車両の周辺の歩行者に注意する旨)の警告を行う(ステップS15)。他方で、ステップS21における判定の結果、検知エリア内に存在する携帯電話が所定の条件を満たすと判定されない場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨(或いは、車両の周辺の歩行者に注意する旨)の警告を行わなくともよい。
【0084】
以降は、変形動作においても、ステップS16及びステップS17の動作が行われる。つまり、車両状態判定部51は、センサ部10によって検出される車両の状態が所定の状態にあるか否かを判定する(ステップS16)。車両の状態が所定の状態にないと判定される場合には(ステップS16:No)、微弱電波受信部30は、動作を一時的に停止する(ステップS17)。
【0085】
以下、変形動作の特徴であるステップS21の判定動作で参照される「所定の条件」について説明を進める。
【0086】
ステップS21では、微弱電波検出部52は、検知エリア内に存在する携帯電話の数が所定数であるか否か(或いは、所定数以上であるか否か)を判定してもよい。検知エリア内に存在する携帯電話の数が所定数である(或いは、所定数以上である)と判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行ってもよい(ステップS15)。他方で、検知エリア内に存在する携帯電話の数が所定数でない(或いは、所定数以上でない)と判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行わなくともよい。
【0087】
より具体的には、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話の数が1台又は2台であると判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、警告を行ってもよい(ステップS15)。車両の周辺に1台又は2台の携帯電話が検出される場合には、当該携帯電話を保有している歩行者等が車両の周辺に位置していると想定される。従って、この場合には、警告通知部53は、警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促すことができる。
【0088】
他方で、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話の数が0台又は3台以上である(つまり、1台又は2台でない)と判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、警告を行わなくともよい。車両の周辺に3台以上の携帯電話が検出される場合には、警告通知部53が車両の運転者等に警告を行わなくとも、車両の運転者等は周辺に多数存在する歩行者等を認識している可能性が高いとも想定される。また、車両の周辺に1台も携帯電話が存在しなければ、警告通知部53が車両の運転者等に警告を行う必要性は相対的に低いとも想定される。従って、この場合には、警告通知部53は、敢えて警告を行わなくともよい。もちろん、警告通知部53は、検知エリア内に存在する携帯電話が3台以上であると判定される場合にも警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促してもよい。
【0089】
また、ステップS21では、微弱電波検出部52は、検知エリア内に存在する携帯電話と車両との間の距離が所定距離以下であるか否かを判定してもよい。検知エリア内に存在する携帯電話と車両との間の距離が所定距離以下であると判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行ってもよい(ステップS15)。他方で、検知エリア内に存在する携帯電話と車両との間の距離が所定距離以下でないと判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行わなくともよい。
【0090】
より具体的には、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話と車両との間の距離が所定距離以下である(つまり、携帯電話と車両との間の距離が相対的に短い)と判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、警告を行ってもよい(ステップS15)。この場合は、車両の走行に伴って車両と接触してしまいかねない程度の距離に歩行者等が位置している可能性が相対的に高いと想定される。従って、警告通知部53は、警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促すことができる。
【0091】
他方で、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話と車両との間の距離が所定距離以下である(つまり、携帯電話と車両との間の距離が相対的に長い)と判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、警告を行わなくともよい。この場合は、車両の走行に伴って車両と接触してしまいかねない程度の距離に歩行者等が位置している可能性が相対的に低いと想定される。従って、警告通知部53は、敢えて警告を行わなくともよい。もちろん、警告通知部53は、検知エリア内に存在する携帯電話と車両との間の距離が所定距離以下であると判定される場合にも警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促してもよい。
【0092】
また、ステップS21では、微弱電波検出部52は、検知エリア内に存在する携帯電話が検出された時間帯が所定の時間帯であるか否かを判定してもよい。検知エリア内に存在する携帯電話が検出された時間帯が所定の時間帯であると判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行ってもよい(ステップS15)。他方で、検知エリア内に存在する携帯電話が検出された時間帯が所定の時間帯でないと判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行わなくともよい。
【0093】
より具体的には、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話が検出された時間帯が夜間の時間帯(例えば、日の入りから日の出までの間の時間帯)であると判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、警告を行ってもよい(ステップS15)。夜間の時間帯は、車両の運転者等や車両の周辺に位置する歩行車等にとっても視認性が相対的に悪化すると想定される。従って、この場合には、警告通知部53は、警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促すことができる。
【0094】
他方で、例えば、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話が検出された時間帯が昼間の時間帯(例えば、日の出から日の入りまでの間の時間帯)であると判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、警告を行わなくともよい。昼間の時間帯は、夜間の時間帯と比較して、車両の運転者等や車両の周辺に位置する歩行車等にとっての視認性の悪化が相対的には抑制される。従って、この場合には、警告通知部53は、敢えて警告を行わなくともよい。もちろん、警告通知部53は、検知エリア内に存在する携帯電話が検出された時間帯が昼間の時間帯であると判定される場合にも警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促してもよい。
【0095】
また、ステップS21では、微弱電波検出部52は、検知エリア内に存在する携帯電話の位置が車両の進行方向に対して所定位置にあるのか否かを判定してもよい。検知エリア内に存在する携帯電話の位置が車両の進行方向に対して所定位置にあると判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行ってもよい(ステップS15)。他方で、検知エリア内に存在する携帯電話の位置が車両の進行方向に対して所定位置にないと判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行わなくともよい。
【0096】
より具体的には、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話の位置が車両の進行方向に対して前方側にあると判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、警告を行ってもよい(ステップS15)。この場合には、車両の走行に伴って車両と接触してしまいかねない方向ないしは方角に歩行者等が位置している可能性が相対的に高いと想定される。従って、警告通知部53は、警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促すことができる。
【0097】
他方で、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話の位置が車両の進行方向に対して後方側にあると判定される場合に(ステップS21:No)、警告通知部53は、警告を通知しなくともよい。この場合は、車両の走行に伴って車両と接触してしまいかねない方向ないしは方角に歩行者等が位置している可能性が相対的に低いと想定される。従って、この場合には、警告通知部53は、敢えて警告を行わなくともよい。もちろん、警告通知部53は、検知エリア内に存在する携帯電話の位置が車両の進行方向に対して後方側にある場合にも警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促してもよい。
【0098】
また、ステップS21では、微弱電波検出部52は、検知エリア内に存在する携帯電話が、車両が所定場所に存在する時点で検出されたか否かを判定してもよい。検知エリア内に存在する携帯電話が、車両が所定場所に存在する時点で検出されたと判定される場合には(ステップS21:Yes)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行ってもよい(ステップS15)。他方で、検知エリア内に存在する携帯電話が、車両が所定場所以外の場所に存在する時点で検出されたと判定される場合には(ステップS21:No)、警告通知部53は、車両の周辺に歩行者等がいる旨の警告を行わなくともよい。
【0099】
例えば、検知エリア内に存在する携帯電話が、車両が駐車場ないしは相対的に狭い路地等に存在する時点で検出されたと判定される場合に(ステップS21:Yes、警告通知部53は、警告を行ってもよい(ステップS15)。この場合には、車両の走行に伴って車両と接触してしまいかねない歩行者等が位置している可能性が相対的に高いと想定される。或いは、この場合には、車両の運転者の死角が相対的に大きいと想定される。従って、この場合には、警告通知部53は、警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促すことができる。
【0100】
他方で、例えば、検知エリア内に存在する携帯電話が、車両が相対的に広い大通り等に存在する時点で検出されたと判定される場合に(ステップS21:No)、警告通知部53は、警告を行わなくともよい。この場合には、車両の走行に伴って車両と接触してしまいかねない歩行者等が位置している可能性が相対的に低いと想定される。或いは、この場合には、車両の運転者の死角が相対的に小さいと想定される。従って、この場合には、警告通知部53は、敢えて警告を行わなくともよくなる。もちろん、警告通知部53は、検知エリア内に存在する携帯電話が検出された時点での車両が相対的に広い大通り等に位置する場合にも警告を行うことで、車両の運転者等に注意を促してもよい。
【0101】
以上説明したように、変形動作によれば、図2を用いて説明した動作によって得られる各種効果と同様の効果を好適に享受することができる。加えて、変形動作によれば、検知エリア内に存在する携帯電話が所定の条件を満たすか否かに応じて警告の態様を変えることができる。従って、上述したように、不要な又は無駄な警告をより一層なくすことができる。
【0102】
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う警告装置及び方法、並びに情報機器もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1 ナビゲーション装置
10 センサ部
11 車速センサ
12 パーキングブレーキセンサ
13 バックセンサ
30 微弱電波受信部
50 CPU
51 車両状態判定部
52 微弱電波検出部
53 警告通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状態が所定状態にある場合に、当該車両の周辺に存在する無線通信機を当該無線通信機から発せられる電波によって検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、警告を行う警告手段と
を備えることを特徴とする警告装置。
【請求項2】
前記所定状態は、前記車両がバック走行している状態であることを特徴とする請求項1に記載の警告装置。
【請求項3】
前記所定状態は、前記車両が停止状態から走行状態に移行する状態であることを特徴とする請求項1又は2に記載の警告装置。
【請求項4】
前記警告手段は、(i)所定数以上の前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記所定数以上の前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の警告装置。
【請求項5】
前記警告手段は、(i)前記車両との間の距離が所定距離以下となる前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記車両との間の距離が前記所定距離以下となる前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わないことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の警告装置。
【請求項6】
前記警告手段は、(i)所定の時間帯に前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記所定の時間帯に前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わないことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の警告装置。
【請求項7】
前記警告手段は、(i)前記検出手段によって前記車両の進行方向の前方側において前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記検出手段によって前記車両の進行方向の前方側において前記無線通信機が検出されない場合に、前記警告を行わないことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の警告装置。
【請求項8】
前記警告手段は、(i)前記車両が所定の地点に位置する時点で前記無線通信機が検出される場合に、前記警告を行い、(ii)前記車両が前記所定の地点に位置しない時点で前記無線通信機の存在が検出される場合に、前記警告を行わないことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の警告装置。
【請求項9】
車両の走行状態が所定状態にある場合に、当該車両の周辺に存在する無線通信機を当該無線通信機から発せられる電波によって検出する検出工程と、
前記検出工程における検出結果に基づいて、警告を行う警告工程と
を備えることを特徴とする警告方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の警告装置を備える情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−220998(P2012−220998A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83074(P2011−83074)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】