警告音出力装置
【課題】歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減する。
【解決手段】車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rを備え、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が双方向通行道路であることを判定(S104でNOと判定)した場合、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる。
【解決手段】車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rを備え、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が双方向通行道路であることを判定(S104でNOと判定)した場合、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やハイブリッド車等のモータを走行用の動力源として走行する車両が実用化されている。このようなモータを走行用の動力源として走行する車両は、エンジンを走行用の動力源として走行する車両と比較して騒音が小さいため、歩行者が車両の接近に気付きにくいといった問題がある。
【0003】
そこで、エンジンの作動音を模擬した擬音を発生することにより車両の周囲に車両の接近を報知する装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、車両が高速道路等の走行中であると判定されたときには、エンジンの作動音を模擬した擬音の発生を禁止するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−153929号公報
【特許文献2】特開2002−238101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一方通行道路のように車両の左右両側の直近に歩行者が存在するような道路では、左右両側の歩行者に車両の接近を報知する必要があるが、対向車線が存在するような双方向通行道路では、対向車線等により対向車線側の歩行者と車両との間に一定距離が確保されるため、対向車線側の歩行者に対して車両の接近を報知してもあまり意味がない。また、一方通行道路を走行する場合でも、歩行者が存在する場合には、その歩行者に向けて車両の接近を報知すればよく、歩行者のいない方向へ車両の接近を報知してもあまり意味がない。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載された装置では、このような点について考慮されておらず、車両の接近を報知するための警告音が左右一律に発せられる。このため、道路沿線に住んでいる人など、車両の周囲の歩行者以外の人に不快感を与えてしまう場合があるという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みたもので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカと、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、右側スピーカより出力される警告音の音量が左側スピーカより出力される警告音よりも小さくなるので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカと右側スピーカのいずれからも警告音を出力させないことを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカと右側スピーカのいずれからも警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
【0013】
また、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカと、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、右側スピーカより出力される警告音の音量が左側スピーカより出力される警告音よりも小さくなるので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0015】
また、上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカと、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を右側スピーカより出力させる警告音よりも小さくすることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカより出力される警告音の音量が右側スピーカより出力される警告音よりも小さくなるので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より左側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0017】
なお、請求項5に記載の発明のように、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を同一とすることができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、車両の前方を撮影するカメラと、車両の前方の音を集音するマイクと、カメラにより撮影された車両の前方の撮影画像およびマイクにより集音された音に基づいて車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定する先行車判定手段と、先行車判定手段により車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定された場合、走行道路判定手段は、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴としている。
【0019】
このような構成によれば、車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定された場合に、走行道路判定手段は、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定し、この走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、警告音出力手段により警告音が出力される。すなわち、車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在する場合に、警告音を出力することが可能である。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、車両は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両であり、モータのみを走行用の動力源として走行している場合に、走行道路判定手段は、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、モータのみを走行用の動力源として走行している場合に警告音が出力され、少なくともエンジンを走行用の動力源として走行している間は、警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴としている。
【0023】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0024】
また、請求項9に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴としている。
【0025】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0026】
また、請求項10に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴としている。
【0027】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0028】
また、請求項11に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、記右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とすることを特徴としている。
【0029】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、記右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係る警告音出力装置の構成を示す図である。
【図2】マイクおよびスピーカの配置について説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る警告音出力装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図4】警告音の発出について説明するための図である。
【図5】警告音の発出について説明するための図である。
【図6】警告音の発出について説明するための図である。
【図7】警告音の発出について説明するための図である。
【図8】警告音の発出について説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る警告音出力装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る警告音出力装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る警告音出力装置の構成を図1に示す。本実施形態において、警告音出力装置は、ナビゲーション装置1の一機能として構成されている。本ナビゲーション装置1は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両に搭載されている。
【0032】
本ナビゲーション装置1は、位置検出器10、地図データ取得部11、操作部12、マイク13、カメラ14、表示部15、スピーカ16および制御部17を備えている。
【0033】
位置検出器10は、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、GPS受信機等(いずれも図示せず)により構成されており、これらから入力される現在位置を特定するための情報を制御部17へ出力する。
【0034】
地図データ取得部11は、地図データを記憶した地図データ記憶媒体を有し、この地図データ記憶媒体より地図データを取得するものである。本実施形態における地図データ取得部11は、ハードディスクドライブにより構成されている。地図データには、各リンクの識別情報(リンクID)、始点座標、終点座標、距離、道路種別、道路幅員、一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを示す情報、道路形状、道路名、車線数等を表す道路地図データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ、川、湖、海、鉄道、施設などの位置、形状、名称を表す背景データ、各地の施設の名称、所在位置、施設種類、電話番号等を示す施設データ等が含まれる。
【0035】
操作部12は、表示部15のディスプレイに重ねて設けられたタッチスイッチおよび表示部15のディスプレイの周囲に設けられたメカニカルスイッチ等によって構成され、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部17へ出力する。
【0036】
マイク13は、車両の前方の音を集音するためのものであり、図2に示すように車両前方に取り付けられている。マイク13は、集音した音に応じた音声信号を制御部17へ送出する。
【0037】
カメラ14は、車両の前方を撮影するものであり、車両前方に取り付けられている。カメラ14は、車両前方を撮影した映像を制御部17へ送出する。
【0038】
表示部15は、液晶等のディスプレイを有し、制御部17から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0039】
スピーカ16は、図2に示すように、車室内に設けられた車室内用スピーカ16INと、車両の進行方向より左側へ向けて車両の周囲に車両の接近を示す警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて同様の警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rを有している。
【0040】
制御部17は、CPU、内部メモリ、I/O等を備えたコンピュータによって構成されており、CPUは、内部メモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。制御部17は、カメラ14により撮影された映像に画像処理を施して車両周辺に存在する歩行者の位置、車両前方の車両、センターライン、追い越し車線、対向車線等を認識する画像認識処理を行う。
【0041】
制御部17の処理としては、位置検出器10から入力される信号に基づいて現在位置を特定する現在位置特定処理、地図データ取得部11を介して自車位置周辺の地図データを取得し、自車位置周辺の地図上に自車位置マークを重ねた画像を表示させる地図表示処理、ダイクストラ法等を用いて現在地から目的地に至る最適経路を探索して案内経路を形成する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を実施する走行案内処理等がある。
【0042】
また、本ナビゲーション装置1は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する機能を有している。
【0043】
次に、図3に従って、制御部17の処理について説明する。車両のイグニッションスイッチがオンすると、本ナビゲーション装置1は動作状態となり、制御部17は、現在位置特定処理、地図表示処理等とともに図3に示す処理を周期的に実施する。
【0044】
まず、車両が静音モードであるか否かを判定する(S100)。具体的には、車両が少なくともエンジンを動力源として走行しているエンジン走行モードを通常モード、モータのみを動力源として走行しているモータ走行モードを静音モードとして、どちらのモードかを判定する。なお、車両の走行モードについては、車両の駆動制御を行うハイブリッド制御部(図示せず)により決定される。ここでは、ハイブリッド制御部より車両の走行モードを取得して車両が静音モードであるか否かを判定する。
【0045】
ここで、車両がエンジン走行モードで走行している場合、S100の判定はNOとなり、S100の判定を繰り返す。したがって、左側スピーカ16Lおよび右側スピーカ16Rのいずれからも警告音は出力されない。
【0046】
また、車両がモータ走行モードで走行している場合には、S100の判定はYESとなり、次に、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像およびマイク13により集音された車両前方の音に基づいてエンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定する(S102)。具体的には、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に先行車両が含まれ、かつ、マイク13により集音された車両前方の音に、エンジン音と同等の周波数帯の音と車両の接近を報知する警告音と同等の周波数帯の音のいずれも含まれない場合、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定する。
【0047】
ここで、例えば、車両の前方にエンジン走行中の車両が存在する場合、S102の判定はNOとなり、S100へ戻る。また、車両の前方に、モータ走行中で、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在する場合、S102の判定はYESとなり、次に、車両の現在位置および道路地図データに含まれる一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを示す情報に基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する(S104)。
【0048】
ここで、車両の走行道路が一方通行道路である場合、S104の判定はYESとなり、次に、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に基づいて車両の進行方向より左側に歩行者が存在するか否かを判定する(S106)。
【0049】
また、S108およびS112では、それぞれカメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に基づいて車両の進行方向より右側に歩行者が存在するか否かを判定する。
【0050】
したがって、図4に示すように、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しない場合、S106の判定はNO、S108の判定はYESとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させ、左側スピーカ16Lより警告音を出力させないようにする(S110)。
【0051】
また、図5に示すように、車両の進行方向より右側と左側の両側に歩行者が存在する場合、S106の判定はYES、S112の判定もYESとなり、右側スピーカ16Rと左側スピーカ16Lの両方から警告音を出力させる(S114)。具体的には、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量と左側スピーカ146Lより出力させる警告音の音量を同一とする。
【0052】
また、図6に示すように、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し、車両の進行方向より右側に歩行者が存在しない場合、S106の判定はYES、S112の判定はNOとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0053】
また、車両の走行道路が双方向通行道路の場合には、S104の判定はNOとなり、次に、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に基づいて車両の進行方向より左側に歩行者が存在するか否かを判定する(S118)。
【0054】
ここで、車両の進行方向より左側に歩行者が存在する場合、S118の判定はYESとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0055】
したがって、図7に示すように、車両の走行道路が双方向通行道路となっており、車両の進行方向より左側に歩行者が存在する場合、S104の判定はNO、S118の判定はYESとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0056】
また、車両の走行道路が双方向通行道路となっており、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しない場合には、S104の判定はNO、S118の判定もNOとなり、左側スピーカ16Lと右側スピーカ16Rのいずれからも警告音を出力させないようにし、S100へ戻る。
【0057】
また、図8に示すように、車両の方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在し、車両の走行道路が一方通行道路となっており、車両の進行方向より左側に歩行者が存在する場合には、S102の判定はYES、S104の判定はYES、S106の判定はYES、S112の判定はNOとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0058】
上記した構成によれば、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16R備え、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が双方向通行道路であると判定した場合、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量を左側スピーカ16Lより出力させる警告音よりも小さくするので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。なお、双方向通行道路では、車両の進行方向の右側に歩行者がいても、対向車線等により車両と歩行者の間に一定距離が確保されるので、右側スピーカ16Rより出力される警告音の音量を小さくしても安全上問題となることもない。
【0059】
また、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカ16Lと右側スピーカ16Rのいずれからも警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
【0060】
また、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rを備え、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定するとともに、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出し、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量を左側スピーカ16Lより出力させる警告音よりも小さくするので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0061】
また、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rと、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定するとともに、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出し、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカ16Lより出力させる警告音の音量を右側スピーカ16Rより出力させる警告音よりも小さくするので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より左側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0062】
また、車両の前方を撮影するカメラ14と、車両の前方の音を集音するマイク13と、カメラ14により撮影された車両の前方の撮影画像およびマイク13により集音された音に基づいて車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定し、先行車判定手段により車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定した場合、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定するので、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合に警告音が出力される。すなわち、車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在する場合に、警告音を出力することが可能である。
【0063】
また、車両は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両であり、モータのみを走行用の動力源として走行している場合に警告音が出力され、少なくともエンジンを走行用の動力源として走行している間は、警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る警告音出力装置の構成を図9に示す。なお、上記実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を中心に説明する。本実施形態における警告音出力装置は、図1に示した警告音出力装置の構成に対し、照度センサ18とメータECU19が追加されている点が異なる。
【0064】
照度センサ18は、車両周辺の明るさを検出するためのもので、車両周辺の日射量に応じた信号を出力する。
【0065】
メータECU19には、前照灯の点灯および消灯を操作するための前照灯スイッチが接続されており、この前照灯スイッチからTAIL信号が入力されるようになっている。
【0066】
図2に、本実施形態に係る制御部17のフローチャートを示す。本実施形態に係る制御部17の処理は、図3に示したものと比較して、S108にてYESと判定された場合の処理、S112にてYESと判定された場合の処理、S118にてYESと判定された場合の処理が異なる。
【0067】
すなわち、S104にて車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、S106にて車両の進行方向より左側に歩行者が存在すると判定され、S112にて車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された後、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定する。具体的には、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定し(S220)、更に、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定し(S222)、更に、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定し(S224)、S220にて車両が住宅街を走行中であると判定され、かつ、S222にて夜間であると判定され、かつ、S224にて車両周辺の騒音が規定値以下であると判定された場合には、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定する。
【0068】
なお、本実施形態では、昼夜を判定するための情報として、照度センサ18より入力される信号とメータECU19より入力されるTAIL信号を収集し、車両周辺の日射量が規定値より大きく、かつ、TAIL信号より車両の前照灯が点灯していると判定した場合に、夜間であると判定する。また、マイク13を介して入力される音の音量が規定値未満の場合に車両周辺の騒音が規定値以下であると判定する。
【0069】
そして、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定した場合、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにして、左側スピーカ16Lより第1の音量で警告音を出力させ(S228)、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定した場合、左側スピーカ16Lより第1の音量よりも小さい第2の音量で警告音を出力させる(S226)。
【0070】
また、S104にて車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、S106にて車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、S108にて車両の進行方向より右側に歩行者が存在すると判定された後、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定する。具体的には、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定し(S200)、更に、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定し(S202)、更に、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定し(S204)、S200にて車両が住宅街を走行中であると判定され、かつ、S202にて夜間であると判定され、かつ、S204にて車両周辺の騒音が規定値以下であると判定された場合には、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定する。
【0071】
そして、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定した場合、左側スピーカ16Lより警告音を出力させないようにして、右側スピーカ16Rより第1の音量で警告音を出力させ(S208)、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定した場合、右側スピーカ16Rより第1の音量よりも小さい第2の音量で警告音を出力させる(S206)。
【0072】
また、S104にて車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、S106にて車両の進行方向より左側に歩行者が存在すると判定され、S112にて車両の進行方向より右側にも歩行者が存在すると判定された後、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定する。具体的には、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定し(S210)、更に、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定し(S212)、更に、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定し(S214)、S210にて車両が住宅街を走行中であると判定され、かつ、S212にて夜間であると判定され、かつ、S214にて車両周辺の騒音が規定値以下であると判定された場合には、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定する。
【0073】
そして、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定した場合、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量と左側スピーカ16Lより出力させる警告音の音量を同一として、第1の音量で警告音を出力させ(S218)、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定した場合、第1の音量よりも小さい第2の音量で警告音を出力させる(S216)。
【0074】
上記した構成によれば、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0075】
また、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0076】
また、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、記右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、本警告音出力装置をモータとエンジンを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両に搭載して例を示したが、ハイブリッド車両に限定されるものではなく、電気自動車、燃料電池車等、モータを走行用の動力源とする各種車両に搭載することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、左側スピーカと右側スピーカが別々に配置した構成を示したが、左側スピーカと右側スピーカを一体化したものとしてもよい。
【0078】
また、上記第1実施形態では、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかの判定(S104)と、車両の進行方向に対する歩行者の位置の判定(S106、S108、S112)に基づいて左右のスピーカ16L、16Rより出力させる警告音の音量を変更させたが、車両の進行方向に対する歩行者の位置の判定(S106、S108、S112)と関係なく、車両の走行道路が一方通行道路であることを判定した場合に、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにしてもよい。また、第2実施形態においても、同様に、車両の進行方向に対する歩行者の位置の判定(S106、S108、S112)と関係なく、車両の走行道路が一方通行道路であることを判定した場合に、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにしてもよい。
【0079】
また、上記第1実施形態では、S110において、右側スピーカから警告音を出力させ、左側スピーカから警告音を出力させないようにしたが、左側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、左側スピーカから出力させる警告音の音量を右側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。なお、第2実施形態においても、同様に、S206、S208において、左側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、左側スピーカから出力させる警告音の音量を右側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。
【0080】
同様に、上記第1実施形態では、S116において、左側スピーカから警告音を出力させ、右側スピーカから警告音を出力させないようにしたが、右側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、右側スピーカから出力させる警告音の音量を左側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。なお、第2実施形態においても、同様に、S226、S228において、右側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、右側スピーカから出力させる警告音の音量を右側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。
【0081】
また、上記実施形態では、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が一方通行道路を走行中であるか否かを判定したが、例えば、カメラを用いて車両前方を撮影し、このカメラ画像に画像認識処理を施して、追い越し車線および/または対向車線を画像認識し、これらの認識結果に基づいて車両の走行中の道路が追い越し車線および/または対向車線が存在する道路であるか否かを判定し、車両の走行中の道路が追い越し車線および/または対向車線が存在する道路であると判定した場合、右側スピーカで出力させる警告音の音量を左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくするようにしてもよい。なお、追い越し車線と対向車線は、センターライン、中央分離帯、周辺の走行車両の向き等を認識することにより認識することが可能である。このように、車両の走行中の道路が追い越し車線または対向車線が存在する道路である場合には、追い越し車線または対向車線により対向車線側の歩行者と車両との間に一定距離が確保されるため、対向車線側の歩行者に対する警告音の音量を小さくしても安全上問題となることはなく、また、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、車両前方に存在する歩行者の位置を検出し、車両前方に存在する歩行者の位置に応じて警告音の音量を変更したが、車両前方に存在する歩行者の位置に限定されるものではなく、車両の側方、車両の後方等、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出し、車両周辺に存在する歩行者の位置に応じて警告音の音量を変更するようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、日本のような車両が左側通行の地域での使用を前提とした装置構成を示したが、車両が右側通行の地域では、左右反対となるように警告音の音量を変更すればよい。
【0084】
また、上記第2実施形態では、照度センサ18より入力される信号とメータECU19より入力されるTAIL信号を昼夜を判定するための情報として収集して夜間か昼間かを判定したが、これらの情報に限定されるものではなく、例えば、時間に基づいて夜間か昼間かを判定するようにしてもよい。
【0085】
また、上記第2実施形態では、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定するようにしたが、例えば、車両周辺の騒音と関係なく、車両が住宅街を夜間に走行中か否かを判定するようにするようにしてもよい。
【0086】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、位置検出器10から入力される信号に基づいて現在位置を特定する現在位置特定処理が現在位置特定手段に相当し、S104が走行道路判定手段に相当し、S110、S114、S116が警告音出力手段に相当し、カメラ14により撮影された映像に画像処理を施して車両周辺に存在する歩行者の位置等を認識する画像認識処理が歩行者位置検出手段に相当し、S102が先行車判定手段に相当する。
【符号の説明】
【0087】
1 ナビゲーション装置
10 位置検出器
11 地図データ取得部
12 操作部
13 マイク
14 カメラ
15 表示部
16 スピーカ
16R 右側スピーカ
16L 左側スピーカ
17 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やハイブリッド車等のモータを走行用の動力源として走行する車両が実用化されている。このようなモータを走行用の動力源として走行する車両は、エンジンを走行用の動力源として走行する車両と比較して騒音が小さいため、歩行者が車両の接近に気付きにくいといった問題がある。
【0003】
そこで、エンジンの作動音を模擬した擬音を発生することにより車両の周囲に車両の接近を報知する装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、車両が高速道路等の走行中であると判定されたときには、エンジンの作動音を模擬した擬音の発生を禁止するようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−153929号公報
【特許文献2】特開2002−238101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、一方通行道路のように車両の左右両側の直近に歩行者が存在するような道路では、左右両側の歩行者に車両の接近を報知する必要があるが、対向車線が存在するような双方向通行道路では、対向車線等により対向車線側の歩行者と車両との間に一定距離が確保されるため、対向車線側の歩行者に対して車両の接近を報知してもあまり意味がない。また、一方通行道路を走行する場合でも、歩行者が存在する場合には、その歩行者に向けて車両の接近を報知すればよく、歩行者のいない方向へ車両の接近を報知してもあまり意味がない。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載された装置では、このような点について考慮されておらず、車両の接近を報知するための警告音が左右一律に発せられる。このため、道路沿線に住んでいる人など、車両の周囲の歩行者以外の人に不快感を与えてしまう場合があるという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みたもので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカと、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、右側スピーカより出力される警告音の音量が左側スピーカより出力される警告音よりも小さくなるので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカと右側スピーカのいずれからも警告音を出力させないことを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカと右側スピーカのいずれからも警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
【0013】
また、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカと、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、右側スピーカより出力される警告音の音量が左側スピーカより出力される警告音よりも小さくなるので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0015】
また、上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカと、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を右側スピーカより出力させる警告音よりも小さくすることを特徴としている。
【0016】
このような構成によれば、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカより出力される警告音の音量が右側スピーカより出力される警告音よりも小さくなるので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より左側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0017】
なお、請求項5に記載の発明のように、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を同一とすることができる。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、車両の前方を撮影するカメラと、車両の前方の音を集音するマイクと、カメラにより撮影された車両の前方の撮影画像およびマイクにより集音された音に基づいて車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定する先行車判定手段と、先行車判定手段により車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定された場合、走行道路判定手段は、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴としている。
【0019】
このような構成によれば、車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定された場合に、走行道路判定手段は、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定し、この走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、警告音出力手段により警告音が出力される。すなわち、車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在する場合に、警告音を出力することが可能である。
【0020】
また、請求項7に記載の発明は、車両は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両であり、モータのみを走行用の動力源として走行している場合に、走行道路判定手段は、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴としている。
【0021】
このような構成によれば、モータのみを走行用の動力源として走行している場合に警告音が出力され、少なくともエンジンを走行用の動力源として走行している間は、警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴としている。
【0023】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0024】
また、請求項9に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴としている。
【0025】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0026】
また、請求項10に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴としている。
【0027】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0028】
また、請求項11に記載の発明は、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、住宅街走行判定手段、昼夜判定手段および雑音判定手段の判定結果により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、警告音出力手段は、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、記右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とすることを特徴としている。
【0029】
このような構成によれば、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、記右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、歩行者位置検出手段により車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、状況判定手段により車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態に係る警告音出力装置の構成を示す図である。
【図2】マイクおよびスピーカの配置について説明するための図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る警告音出力装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【図4】警告音の発出について説明するための図である。
【図5】警告音の発出について説明するための図である。
【図6】警告音の発出について説明するための図である。
【図7】警告音の発出について説明するための図である。
【図8】警告音の発出について説明するための図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る警告音出力装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る警告音出力装置の制御部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る警告音出力装置の構成を図1に示す。本実施形態において、警告音出力装置は、ナビゲーション装置1の一機能として構成されている。本ナビゲーション装置1は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両に搭載されている。
【0032】
本ナビゲーション装置1は、位置検出器10、地図データ取得部11、操作部12、マイク13、カメラ14、表示部15、スピーカ16および制御部17を備えている。
【0033】
位置検出器10は、地磁気センサ、ジャイロスコープ、距離センサ、GPS受信機等(いずれも図示せず)により構成されており、これらから入力される現在位置を特定するための情報を制御部17へ出力する。
【0034】
地図データ取得部11は、地図データを記憶した地図データ記憶媒体を有し、この地図データ記憶媒体より地図データを取得するものである。本実施形態における地図データ取得部11は、ハードディスクドライブにより構成されている。地図データには、各リンクの識別情報(リンクID)、始点座標、終点座標、距離、道路種別、道路幅員、一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを示す情報、道路形状、道路名、車線数等を表す道路地図データ、位置検出精度を向上するためのいわゆるマップマッチングデータ、川、湖、海、鉄道、施設などの位置、形状、名称を表す背景データ、各地の施設の名称、所在位置、施設種類、電話番号等を示す施設データ等が含まれる。
【0035】
操作部12は、表示部15のディスプレイに重ねて設けられたタッチスイッチおよび表示部15のディスプレイの周囲に設けられたメカニカルスイッチ等によって構成され、ユーザのスイッチ操作に応じた信号を制御部17へ出力する。
【0036】
マイク13は、車両の前方の音を集音するためのものであり、図2に示すように車両前方に取り付けられている。マイク13は、集音した音に応じた音声信号を制御部17へ送出する。
【0037】
カメラ14は、車両の前方を撮影するものであり、車両前方に取り付けられている。カメラ14は、車両前方を撮影した映像を制御部17へ送出する。
【0038】
表示部15は、液晶等のディスプレイを有し、制御部17から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0039】
スピーカ16は、図2に示すように、車室内に設けられた車室内用スピーカ16INと、車両の進行方向より左側へ向けて車両の周囲に車両の接近を示す警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて同様の警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rを有している。
【0040】
制御部17は、CPU、内部メモリ、I/O等を備えたコンピュータによって構成されており、CPUは、内部メモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。制御部17は、カメラ14により撮影された映像に画像処理を施して車両周辺に存在する歩行者の位置、車両前方の車両、センターライン、追い越し車線、対向車線等を認識する画像認識処理を行う。
【0041】
制御部17の処理としては、位置検出器10から入力される信号に基づいて現在位置を特定する現在位置特定処理、地図データ取得部11を介して自車位置周辺の地図データを取得し、自車位置周辺の地図上に自車位置マークを重ねた画像を表示させる地図表示処理、ダイクストラ法等を用いて現在地から目的地に至る最適経路を探索して案内経路を形成する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を実施する走行案内処理等がある。
【0042】
また、本ナビゲーション装置1は、車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する機能を有している。
【0043】
次に、図3に従って、制御部17の処理について説明する。車両のイグニッションスイッチがオンすると、本ナビゲーション装置1は動作状態となり、制御部17は、現在位置特定処理、地図表示処理等とともに図3に示す処理を周期的に実施する。
【0044】
まず、車両が静音モードであるか否かを判定する(S100)。具体的には、車両が少なくともエンジンを動力源として走行しているエンジン走行モードを通常モード、モータのみを動力源として走行しているモータ走行モードを静音モードとして、どちらのモードかを判定する。なお、車両の走行モードについては、車両の駆動制御を行うハイブリッド制御部(図示せず)により決定される。ここでは、ハイブリッド制御部より車両の走行モードを取得して車両が静音モードであるか否かを判定する。
【0045】
ここで、車両がエンジン走行モードで走行している場合、S100の判定はNOとなり、S100の判定を繰り返す。したがって、左側スピーカ16Lおよび右側スピーカ16Rのいずれからも警告音は出力されない。
【0046】
また、車両がモータ走行モードで走行している場合には、S100の判定はYESとなり、次に、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像およびマイク13により集音された車両前方の音に基づいてエンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定する(S102)。具体的には、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に先行車両が含まれ、かつ、マイク13により集音された車両前方の音に、エンジン音と同等の周波数帯の音と車両の接近を報知する警告音と同等の周波数帯の音のいずれも含まれない場合、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定する。
【0047】
ここで、例えば、車両の前方にエンジン走行中の車両が存在する場合、S102の判定はNOとなり、S100へ戻る。また、車両の前方に、モータ走行中で、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在する場合、S102の判定はYESとなり、次に、車両の現在位置および道路地図データに含まれる一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを示す情報に基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する(S104)。
【0048】
ここで、車両の走行道路が一方通行道路である場合、S104の判定はYESとなり、次に、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に基づいて車両の進行方向より左側に歩行者が存在するか否かを判定する(S106)。
【0049】
また、S108およびS112では、それぞれカメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に基づいて車両の進行方向より右側に歩行者が存在するか否かを判定する。
【0050】
したがって、図4に示すように、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しない場合、S106の判定はNO、S108の判定はYESとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させ、左側スピーカ16Lより警告音を出力させないようにする(S110)。
【0051】
また、図5に示すように、車両の進行方向より右側と左側の両側に歩行者が存在する場合、S106の判定はYES、S112の判定もYESとなり、右側スピーカ16Rと左側スピーカ16Lの両方から警告音を出力させる(S114)。具体的には、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量と左側スピーカ146Lより出力させる警告音の音量を同一とする。
【0052】
また、図6に示すように、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し、車両の進行方向より右側に歩行者が存在しない場合、S106の判定はYES、S112の判定はNOとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0053】
また、車両の走行道路が双方向通行道路の場合には、S104の判定はNOとなり、次に、カメラ14により撮影された車両前方の撮影画像に基づいて車両の進行方向より左側に歩行者が存在するか否かを判定する(S118)。
【0054】
ここで、車両の進行方向より左側に歩行者が存在する場合、S118の判定はYESとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0055】
したがって、図7に示すように、車両の走行道路が双方向通行道路となっており、車両の進行方向より左側に歩行者が存在する場合、S104の判定はNO、S118の判定はYESとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0056】
また、車両の走行道路が双方向通行道路となっており、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しない場合には、S104の判定はNO、S118の判定もNOとなり、左側スピーカ16Lと右側スピーカ16Rのいずれからも警告音を出力させないようにし、S100へ戻る。
【0057】
また、図8に示すように、車両の方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在し、車両の走行道路が一方通行道路となっており、車両の進行方向より左側に歩行者が存在する場合には、S102の判定はYES、S104の判定はYES、S106の判定はYES、S112の判定はNOとなり、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにし、左側スピーカ16Lより警告音を出力させる(S116)。
【0058】
上記した構成によれば、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16R備え、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が双方向通行道路であると判定した場合、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量を左側スピーカ16Lより出力させる警告音よりも小さくするので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。なお、双方向通行道路では、車両の進行方向の右側に歩行者がいても、対向車線等により車両と歩行者の間に一定距離が確保されるので、右側スピーカ16Rより出力される警告音の音量を小さくしても安全上問題となることもない。
【0059】
また、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカ16Lと右側スピーカ16Rのいずれからも警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
【0060】
また、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rを備え、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定するとともに、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出し、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量を左側スピーカ16Lより出力させる警告音よりも小さくするので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より右側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0061】
また、車両の進行方向より左側へ向けて警告音を出力するように配置された左側スピーカ16Lと、車両の進行方向より右側へ向けて警告音を出力するように配置された右側スピーカ16Rと、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定するとともに、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出し、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、左側スピーカ16Lより出力させる警告音の音量を右側スピーカ16Rより出力させる警告音よりも小さくするので、歩行者に対する警告を行いつつ、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。例えば、車両の進行方向より左側の道路沿線に住んでいる人への不快感を低減することができる。
【0062】
また、車両の前方を撮影するカメラ14と、車両の前方の音を集音するマイク13と、カメラ14により撮影された車両の前方の撮影画像およびマイク13により集音された音に基づいて車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定し、先行車判定手段により車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定した場合、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定するので、車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合に警告音が出力される。すなわち、車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在する場合に、警告音を出力することが可能である。
【0063】
また、車両は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両であり、モータのみを走行用の動力源として走行している場合に警告音が出力され、少なくともエンジンを走行用の動力源として走行している間は、警告音が出力されないので、歩行者以外の人への不快感をより低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る警告音出力装置の構成を図9に示す。なお、上記実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分を中心に説明する。本実施形態における警告音出力装置は、図1に示した警告音出力装置の構成に対し、照度センサ18とメータECU19が追加されている点が異なる。
【0064】
照度センサ18は、車両周辺の明るさを検出するためのもので、車両周辺の日射量に応じた信号を出力する。
【0065】
メータECU19には、前照灯の点灯および消灯を操作するための前照灯スイッチが接続されており、この前照灯スイッチからTAIL信号が入力されるようになっている。
【0066】
図2に、本実施形態に係る制御部17のフローチャートを示す。本実施形態に係る制御部17の処理は、図3に示したものと比較して、S108にてYESと判定された場合の処理、S112にてYESと判定された場合の処理、S118にてYESと判定された場合の処理が異なる。
【0067】
すなわち、S104にて車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、S106にて車両の進行方向より左側に歩行者が存在すると判定され、S112にて車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された後、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定する。具体的には、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定し(S220)、更に、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定し(S222)、更に、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定し(S224)、S220にて車両が住宅街を走行中であると判定され、かつ、S222にて夜間であると判定され、かつ、S224にて車両周辺の騒音が規定値以下であると判定された場合には、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定する。
【0068】
なお、本実施形態では、昼夜を判定するための情報として、照度センサ18より入力される信号とメータECU19より入力されるTAIL信号を収集し、車両周辺の日射量が規定値より大きく、かつ、TAIL信号より車両の前照灯が点灯していると判定した場合に、夜間であると判定する。また、マイク13を介して入力される音の音量が規定値未満の場合に車両周辺の騒音が規定値以下であると判定する。
【0069】
そして、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定した場合、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにして、左側スピーカ16Lより第1の音量で警告音を出力させ(S228)、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定した場合、左側スピーカ16Lより第1の音量よりも小さい第2の音量で警告音を出力させる(S226)。
【0070】
また、S104にて車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、S106にて車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、S108にて車両の進行方向より右側に歩行者が存在すると判定された後、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定する。具体的には、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定し(S200)、更に、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定し(S202)、更に、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定し(S204)、S200にて車両が住宅街を走行中であると判定され、かつ、S202にて夜間であると判定され、かつ、S204にて車両周辺の騒音が規定値以下であると判定された場合には、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定する。
【0071】
そして、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定した場合、左側スピーカ16Lより警告音を出力させないようにして、右側スピーカ16Rより第1の音量で警告音を出力させ(S208)、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定した場合、右側スピーカ16Rより第1の音量よりも小さい第2の音量で警告音を出力させる(S206)。
【0072】
また、S104にて車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、S106にて車両の進行方向より左側に歩行者が存在すると判定され、S112にて車両の進行方向より右側にも歩行者が存在すると判定された後、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定する。具体的には、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が住宅街を走行中か否かを判定し(S210)、更に、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定し(S212)、更に、車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定し(S214)、S210にて車両が住宅街を走行中であると判定され、かつ、S212にて夜間であると判定され、かつ、S214にて車両周辺の騒音が規定値以下であると判定された場合には、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定する。
【0073】
そして、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定した場合、右側スピーカ16Rより出力させる警告音の音量と左側スピーカ16Lより出力させる警告音の音量を同一として、第1の音量で警告音を出力させ(S218)、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定した場合、第1の音量よりも小さい第2の音量で警告音を出力させる(S216)。
【0074】
上記した構成によれば、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側に歩行者が存在し車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0075】
また、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、走行道路判定手段により車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より右側に歩行者が存在し車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
【0076】
また、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、記右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、右側スピーカより出力させる警告音の音量と左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とするので、より近隣住民に配慮した警告音の出力を行うことができる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、本警告音出力装置をモータとエンジンを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両に搭載して例を示したが、ハイブリッド車両に限定されるものではなく、電気自動車、燃料電池車等、モータを走行用の動力源とする各種車両に搭載することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、左側スピーカと右側スピーカが別々に配置した構成を示したが、左側スピーカと右側スピーカを一体化したものとしてもよい。
【0078】
また、上記第1実施形態では、車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかの判定(S104)と、車両の進行方向に対する歩行者の位置の判定(S106、S108、S112)に基づいて左右のスピーカ16L、16Rより出力させる警告音の音量を変更させたが、車両の進行方向に対する歩行者の位置の判定(S106、S108、S112)と関係なく、車両の走行道路が一方通行道路であることを判定した場合に、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにしてもよい。また、第2実施形態においても、同様に、車両の進行方向に対する歩行者の位置の判定(S106、S108、S112)と関係なく、車両の走行道路が一方通行道路であることを判定した場合に、右側スピーカ16Rより警告音を出力させないようにしてもよい。
【0079】
また、上記第1実施形態では、S110において、右側スピーカから警告音を出力させ、左側スピーカから警告音を出力させないようにしたが、左側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、左側スピーカから出力させる警告音の音量を右側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。なお、第2実施形態においても、同様に、S206、S208において、左側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、左側スピーカから出力させる警告音の音量を右側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。
【0080】
同様に、上記第1実施形態では、S116において、左側スピーカから警告音を出力させ、右側スピーカから警告音を出力させないようにしたが、右側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、右側スピーカから出力させる警告音の音量を左側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。なお、第2実施形態においても、同様に、S226、S228において、右側スピーカから警告音を全く出力させないようにするのではなく、右側スピーカから出力させる警告音の音量を右側スピーカよりも小さくするようにしても、歩行者以外の人への不快感を低減することが可能である。
【0081】
また、上記実施形態では、車両の現在位置および道路地図データに基づいて車両が一方通行道路を走行中であるか否かを判定したが、例えば、カメラを用いて車両前方を撮影し、このカメラ画像に画像認識処理を施して、追い越し車線および/または対向車線を画像認識し、これらの認識結果に基づいて車両の走行中の道路が追い越し車線および/または対向車線が存在する道路であるか否かを判定し、車両の走行中の道路が追い越し車線および/または対向車線が存在する道路であると判定した場合、右側スピーカで出力させる警告音の音量を左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくするようにしてもよい。なお、追い越し車線と対向車線は、センターライン、中央分離帯、周辺の走行車両の向き等を認識することにより認識することが可能である。このように、車両の走行中の道路が追い越し車線または対向車線が存在する道路である場合には、追い越し車線または対向車線により対向車線側の歩行者と車両との間に一定距離が確保されるため、対向車線側の歩行者に対する警告音の音量を小さくしても安全上問題となることはなく、また、歩行者以外の人への不快感を低減することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、車両前方に存在する歩行者の位置を検出し、車両前方に存在する歩行者の位置に応じて警告音の音量を変更したが、車両前方に存在する歩行者の位置に限定されるものではなく、車両の側方、車両の後方等、車両周辺に存在する歩行者の位置を検出し、車両周辺に存在する歩行者の位置に応じて警告音の音量を変更するようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、日本のような車両が左側通行の地域での使用を前提とした装置構成を示したが、車両が右側通行の地域では、左右反対となるように警告音の音量を変更すればよい。
【0084】
また、上記第2実施形態では、照度センサ18より入力される信号とメータECU19より入力されるTAIL信号を昼夜を判定するための情報として収集して夜間か昼間かを判定したが、これらの情報に限定されるものではなく、例えば、時間に基づいて夜間か昼間かを判定するようにしてもよい。
【0085】
また、上記第2実施形態では、車両が閑静な住宅街を夜間に走行中か否かを判定するようにしたが、例えば、車両周辺の騒音と関係なく、車両が住宅街を夜間に走行中か否かを判定するようにするようにしてもよい。
【0086】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、位置検出器10から入力される信号に基づいて現在位置を特定する現在位置特定処理が現在位置特定手段に相当し、S104が走行道路判定手段に相当し、S110、S114、S116が警告音出力手段に相当し、カメラ14により撮影された映像に画像処理を施して車両周辺に存在する歩行者の位置等を認識する画像認識処理が歩行者位置検出手段に相当し、S102が先行車判定手段に相当する。
【符号の説明】
【0087】
1 ナビゲーション装置
10 位置検出器
11 地図データ取得部
12 操作部
13 マイク
14 カメラ
15 表示部
16 スピーカ
16R 右側スピーカ
16L 左側スピーカ
17 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、
前記車両の進行方向より左側へ向けて前記警告音を出力するように配置された左側スピーカと、
前記車両の進行方向より右側へ向けて前記警告音を出力するように配置された右側スピーカと、
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、
前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を前記左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴とする警告音出力装置。
【請求項2】
前記車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、前記左側スピーカと前記右側スピーカのいずれからも前記警告音を出力させないことを特徴とする請求項1に記載の警告音出力装置。
【請求項3】
車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、
前記車両の進行方向より左側へ向けて前記警告音を出力するように配置された左側スピーカと、
前記車両の進行方向より右側へ向けて前記警告音を出力するように配置された右側スピーカと、
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、
前記車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、
前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を前記左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴とする警告音出力装置。
【請求項4】
車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、
前記車両の進行方向より左側へ向けて前記警告音を出力するように配置された左側スピーカと、
前記車両の進行方向より右側へ向けて前記警告音を出力するように配置された右側スピーカと、
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、
前記車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、
前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を前記右側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴とする警告音出力装置。
【請求項5】
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により前記車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量と前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を同一とすることを特徴とする請求項3または4に記載の警告音出力装置。
【請求項6】
前記車両の前方を撮影するカメラと、
前記車両の前方の音を集音するマイクと、
前記カメラにより撮影された前記車両の前方の撮影画像および前記マイクにより集音された音に基づいて前記車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定する先行車判定手段と、
前記先行車判定手段により前記車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定された場合、前記走行道路判定手段は、前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の警告音出力装置。
【請求項7】
前記車両は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両であり、
前記モータのみを走行用の動力源として走行している場合に、前記走行道路判定手段は、前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の警告音出力装置。
【請求項8】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴とする請求項1に記載の警告音出力装置。
【請求項9】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を前記第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴とする請求項3に記載の警告音出力装置。
【請求項10】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を前記第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴とする請求項4に記載の警告音出力装置。
【請求項11】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により前記車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、
前記右側スピーカより出力させる警告音の音量と前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により前記車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量と前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とすることを特徴とする請求項5に記載の警告音出力装置。
【請求項1】
車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、
前記車両の進行方向より左側へ向けて前記警告音を出力するように配置された左側スピーカと、
前記車両の進行方向より右側へ向けて前記警告音を出力するように配置された右側スピーカと、
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、
前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を前記左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴とする警告音出力装置。
【請求項2】
前記車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、前記左側スピーカと前記右側スピーカのいずれからも前記警告音を出力させないことを特徴とする請求項1に記載の警告音出力装置。
【請求項3】
車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、
前記車両の進行方向より左側へ向けて前記警告音を出力するように配置された左側スピーカと、
前記車両の進行方向より右側へ向けて前記警告音を出力するように配置された右側スピーカと、
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、
前記車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、
前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を前記左側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴とする警告音出力装置。
【請求項4】
車両の周囲に当該車両の接近を知らせる警告音を出力する警告音出力装置であって、
前記車両の進行方向より左側へ向けて前記警告音を出力するように配置された左側スピーカと、
前記車両の進行方向より右側へ向けて前記警告音を出力するように配置された右側スピーカと、
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定する走行道路判定手段と、
前記車両周辺に存在する歩行者の位置を検出する歩行者位置検出手段を備え、
前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を前記右側スピーカより出力させる警告音よりも小さくする警告音出力手段と、を備えたことを特徴とする警告音出力装置。
【請求項5】
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により前記車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量と前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を同一とすることを特徴とする請求項3または4に記載の警告音出力装置。
【請求項6】
前記車両の前方を撮影するカメラと、
前記車両の前方の音を集音するマイクと、
前記カメラにより撮影された前記車両の前方の撮影画像および前記マイクにより集音された音に基づいて前記車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在するか否かを判定する先行車判定手段と、
前記先行車判定手段により前記車両の先方に、エンジン音をさせないで、かつ、車両の接近を報知する警告音を発生させていない車両が存在すると判定された場合、前記走行道路判定手段は、前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の警告音出力装置。
【請求項7】
前記車両は、エンジンおよびモータを走行用の動力源として走行するハイブリッド車両であり、
前記モータのみを走行用の動力源として走行している場合に、前記走行道路判定手段は、前記車両の走行道路が一方通行道路であるか双方向通行道路であるかを判定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の警告音出力装置。
【請求項8】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が双方向通行道路であると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴とする請求項1に記載の警告音出力装置。
【請求項9】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を前記第1の音量よりも小さい第2の音量とし、右側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴とする請求項3に記載の警告音出力装置。
【請求項10】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により、前記車両の進行方向より右側に歩行者が存在し前記車両の進行方向より左側に歩行者が存在しないと判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量を前記第1の音量よりも小さな第2の音量とし、左側スピーカより出力させる警告音の音量を第2の音量よりも小さな第3の音量とすることを特徴とする請求項4に記載の警告音出力装置。
【請求項11】
前記車両の現在位置および道路地図データに基づいて前記車両が住宅街を走行中か否かを判定する住宅街走行判定手段と、昼夜を判定するための情報を収集して夜間か昼間かを判定する昼夜判定手段と、前記車両周辺の騒音が規定値以下か否かを判定する雑音判定手段と、を有し、前記住宅街走行判定手段、前記昼夜判定手段および前記雑音判定手段の判定結果により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であるか否かを判定する状況判定手段を備え、
前記警告音出力手段は、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により前記車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中でないと判定された場合、
前記右側スピーカより出力させる警告音の音量と前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量とし、前記走行道路判定手段により前記車両の走行道路が一方通行道路であると判定され、かつ、前記歩行者位置検出手段により前記車両の進行方向より左側と右側の両側に歩行者が存在すると判定され、かつ、前記状況判定手段により前記車両が閑静な住宅街を夜間に走行中であると判定された場合、前記右側スピーカより出力させる警告音の音量と前記左側スピーカより出力させる警告音の音量を第1の音量よりも小さな第2の音量とすることを特徴とする請求項5に記載の警告音出力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−195140(P2011−195140A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37077(P2011−37077)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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