説明

警報システム

【課題】複数の警報器の間で状態信号等の送受信を行う際に、互いの無線信号が衝突しな
いように、かつ、送信を遅延させないキャリアセンス期間を設定する。
【解決手段】他の警報器からの状態信号を間欠受信するとともに、他の警報器に対してイベント信号を送信するときは直前にキャリアセンスを行い、他の警報器が無線信号を送信していないことを判断してから所定の送信期間に状態信号を送信する送受信部、を有し、前記キャリアセンスは、予め設定された固定長の第1のキャリアセンス間隔と、該1のキャリアセンス間隔の前または後に設けられる可変長の第2のキャリアセンス間隔と、から構成される連動先の子器が親器から転送された連動信号を受信できるかを親器が判別できるとともに、消費電力を低減し、設定したタイミング通りに信号の転送を開始することのできる警報システムを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の警報器の間で状態信号等の送受信を行う警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
子器は、室内等に発生した熱や煙等の異常を検知すると、親器に対して子器のアドレス
および火災検出データを含む異常検出信号をアンテナより送信し、親器は、子器から送信
される異常検出信号を解読して異常状態を警報する無線式警報システムが知られている。
【0003】
このような警報システムでは「送信動作に先立ち、まず受信RF側に電源を供給して、
これから送信しようとするチャネル周波数が他の子器により使用されているか否かのキャ
リアセンスを行ない、キャリア検出回路58の検出出力が無ければ送信動作に入る。この
送信動作はT1=8秒間送信し、その後にT2=2秒間休止する動作を繰返す。勿論、次
の送信動作の間には再度キャリアセンスが入る。」という動作を行う(例えば、特許文献
1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平03−201198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の警報システムでは、子器は、異常検出信号を送信する前に送信休止期
間より短い期間に亘ってキャリアセンスを行い、キャリアセンス中に他の子器の無線信号
を検出しなければ異常検出信号を送信する。ただし、キャリアセンスが他の子器の送信休
止時間に行われると、他の子器の信号と衝突する場合があった。また、キャリアセンス時
間が送信休止期間以上設けられると、各種信号を送信することが遅くなっていた。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の警報器の間
で状態信号等の送受信を行う際に、互いの無線信号が衝突しないように、かつ、送信を遅
延させないキャリアセンス期間を設定することのできる警報システムを提供するものであ
る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る警報システムは、複数の警報器の間で状態信号等の送受信を行う警報システムであって、他の警報器からの状態信号を間欠受信するとともに、他の警報器に対してイベント信号を送信するときは直前にキャリアセンスを行い、他の警報器が無線信号を送信していないことを判断してから所定の送信期間に状態信号を送信する送受信部、を有し、前記キャリアセンスは、予め設定された固定長の第1のキャリアセンス間隔と、第1のキャリアセンス間隔の前または後に設けられる可変長の第2のキャリアセンス間隔と、から構成されるものである。
【0008】
本発明に係る警報システムは、前記イベント信号が発生すると直前に実施されたキャリ
アセンスから所定時間が経過しているか否かを判定することによって、第1のキャリアセ
ンス間隔と第2のキャリアセンス間隔との順番が決定されるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、他の警報器からの状態信号を間欠受信するとともに、他の警報器に対
してイベント信号を送信するときは直前にキャリアセンスを行い、他の警報器が無線信号
を送信していないことを判断してから所定の送信期間に状態信号を送信する送受信部、を
有し、前記キャリアセンスは、予め設定された固定長の第1のキャリアセンス間隔と、該
1のキャリアセンス間隔の前または後に設けられる可変長の第2のキャリアセンス間隔と、から構成される。このため、互いの無線信号が衝突しないように、かつ、送信を遅延させないキャリアセンス期間を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る警報システムの構成図である。
【図2】実施の形態1に係る火災警報器の機能ブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る火災警報器における無線送信イベント発生時のキャリアセンス動作を示すタイミングチャートである。
【図4】実施の形態1に係る火災警報器における無線送信イベント発生時のキャリアセンス動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係る火災警報器における無線送信イベント発生時のキャリアセンス動作を示す別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
以下、本実施の形態1では、電池で駆動されて無線通信を行う火災警報器からなる警報
システムに本発明を適用した場合を例に説明する。
【0012】
[警報システム及び火災警報器の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る警報システム200の構成を示す図である。警報シ
ステム200は、複数の火災警報器100で構成される。これらの各火災警報器100は
、それぞれ火災を検出する機能を有するとともに、独自に警報する機能を有している。
後述するように、火災警報器100はいずれも同様に構成されており、動作設定部(図
示せず)の設定により親器としても子器としても動作することができる。なお、各火災警
報器100を区別して説明するために、火災警報器A、火災警報器B、火災警報器C、火
災警報器Dと称する場合があり、本実施の形態1では、火災警報器Aが親器であって、火
災警報器B〜Dが子器であるものとする。ここで、火災警報器A〜火災警報器Dは1つの
同じグループに属している。また、図1において、各火災警報器100同士を結ぶ実線は
無線通信により互いに通信可能であることを示している。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態に係る火災警報器100の主要構成を示す機能ブロック図
である。
図2において、火災警報器100は、制御回路1、電池2、電源回路3、電池電圧検出
回路4、送受信回路5、アンテナ6、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路9
を備える。
【0014】
電池2は、電源回路3に直流電源を供給する。電源回路3は、電池2の電圧を所定電圧
に制御し、制御回路1、送受信回路5、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路
9に供給する。
【0015】
電池電圧検出回路4は、電源回路3に印加される電池2の電圧を検出し、検出した電圧
に応じた電池電圧検出信号を制御回路1に出力する。電池電圧検出回路4は、電池残量が
低下したこと、又は、電池切れの閾値を超えたこと、を検出すると、制御回路1に信号を
出力し、警報音制御回路8と表示灯回路9を駆動させるとともに、電池切れの状態情報を
含む状態信号を送受信回路5より出力させる。
【0016】
火災検出回路7は本発明の状態検出部に相当し、火災現象に基づく煙又は熱等の検知対
象物の物理量又は物理的変化を検出して、検出内容に応じた信号を制御回路1に出力する
。警報音制御回路8は、ブザー・スピーカ等による音声鳴動の動作を制御する回路である
。表示灯回路9は、発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。
【0017】
送受信回路5は、無線信号を送受信するためのアンテナ6に接続されており、送信回路
51と受信回路52とを備える。受信回路52は、制御回路1により制御されて、所定周
期で間欠受信動作を行ってアンテナ6から入力された無線信号を検出し、自己宛の信号の
場合には受信処理を行う。そして、自己宛以外の信号の場合には受信処理を行わない。受
信処理した信号は、制御回路1へ出力する。また、送信回路51は、制御回路1に制御さ
れて、後述する状態信号や火災信号などの無線信号の送信処理を行う。
【0018】
制御回路1は本発明の状態判別部に相当し、火災検出回路7によって出力された信号に
基づいて火災状態等を判別する機能を有する。また、本発明の制御部に相当し、火災状態
であると判別した場合には、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して音声及び表示
灯によって警報を行う。また、送受信回路5が受信した信号に基づいて必要な処理を行う
とともに、必要に応じて送受信回路5を制御して他の火災警報器に状態信号などの信号を
送信する。
【0019】
記憶素子11は、EEPROMなどの不揮発性メモリであり、制御回路1が実行するプ
ログラムや各種データを格納している。また、後述する送信期間、送信休止期間、及び間
欠受信間隔、キャリアセンス時のRSSI(受信信号強度検出)レベルの閾値に関する設
定データ等も格納しており、制御回路1はこれらのデータに従って送受信回路5の送受信
動作の制御を行う。
【0020】
[キャリアセンス動作]
次に、火災警報器100のキャリアセンス動作(受信動作と送信動作)について説明す
る。図3は、実施の形態1に係る火災警報器100における無線送信イベント発生時のキ
ャリアセンス動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態1では、標準規格RC
R STD−30に準拠し、送信時間が3秒以下、かつ、送信休止時間が2秒以上となる
ように送信動作を行う。

【0021】
(受信動作)
図3に示す通り、制御回路1は、受信回路52を間欠受信(キャリアセンス)間隔Ts
毎に起動させ、間欠受信を行う。そして、所定の無線信号が受信できる(記憶素子11に
格納されたRSSIレベルの閾値以上のキャリアが検出される)か否かをチェックし、当
該無線信号が検出できた場合には受信処理を行う。当該無線信号が検出できなければ、受
信回路52の動作を停止させる。このように、間欠受信(キャリアセンス)間隔Ts毎に
受信回路52を起動させ、その他の場合は停止状態としておくことで、受信回路52の消
費電流量を大幅に低減することができる。さらに、間欠受信(キャリアセンス)間隔Ts
を長くすると(例えば6秒以上)、消費電流の低減効果が大きくなる。
【0022】
(送信動作)
一方、制御回路1は、無線送信イベントが発生したと判別すると送信回路51を動作さ
せて他の火災警報器へイベント信号を送信する。そして、無線送信イベントが発生したと
判別すると、直前のキャリアセンスから所定時間X秒(例えば、Ts/2)以内であるか
を判定することにより、(a)または(b)のいずれかのキャリアセンス動作を実行する
。直前のキャリアセンスから所定時間以内でないと判定した場合は、(a)のように、無
線送信イベントが発生直後に1回目のキャリアセンスを実行し、1回目からY秒(例えば
、送信休止期間=2秒)後に2回目のキャリアセンスを実行する。さらに、2回目のキャ
リアセンスからX2秒後に間欠受信間隔Tsで行われている3回目のキャリアセンスが実
行され、他の火災警報器の無線信号を検出しなければ送信回路51を動作させてイベント
信号を他の火災警報器に送信する。
また、直前のキャリアセンスから所定時間X秒(例えば、Ts/2)以内であると判定
した場合は、(b)のように、直前に実施された間欠受信(キャリアセンス)を1回目と
する。そして、無線送信イベントが発生した直後(1回目からX1秒後)に2回目のキャ
リアセンスを実行し、2回目からY秒(例えば、送信休止期間=2秒)後に3回目のキャ
リアセンスを実行し、他の火災警報器の無線信号を検出しなければ送信回路51を動作さ
せてイベント信号を他の火災警報器に送信する。
なお、Yは予め設定された固定長の第1のキャリアセンス間隔であり、X1またはX2
は無線送信イベントが発生するタイミングによってランダムに設定される可変長の第2の
キャリアセンス間隔である。そして、(a)と(b)は、最初または最後の1回は間欠受
信(キャリアセンス)動作を兼用している。このため、間欠受信とイベント信号送信前と
のキャリアセンス動作をそれぞれ別々に行う場合より、省電力化できるうえ、他の火災警
報器にイベント信号を早く送信することができる。
【0023】
[定期送信動作]
上記のように構成された火災警報器100からなる警報システム200においては、各
火災警報器100の状態を確認するため、火災監視(定常状態)中に、状態確認のための
定期送信を行っている。
(親器の定期送信)
まず、親器(火災警報器A)が、子器に対して実施する定期送信について説明する。
親器は、所定時間G1毎に、自身が属するグループID、送信元を識別するための自己
アドレス、及び自身の状態を含む情報を、状態信号としてグループ内のすべての子器(火
災警報器B〜D)に対して一斉に送信する。
【0024】
子器は、前述のように間欠受信を行っており、この間欠受信において自己宛の信号を受
信している。子器は、この間欠受信において、親器からの定期送信を前回受信してから所
定時間G2内に次の定期送信が受信できない場合には、電波異常が確定したと判断する。
電波異常確定と判断した子器は、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示
灯によって、電波異常が発生したことをユーザに報知する。一方、所定時間G2内に親器
からの定期送信が受信できれば、電波異常は発生しておらず正常であると判断する。なお
、所定時間G2は、親器の定期送信周期である所定時間G1よりも長い時間であり、例え
ば、所定時間G1の約3倍とすることができる。
【0025】
(子器の定期送信)
次に、子器が、親器に対して実施する定期送信について説明する。
子器は、所定時間G3毎に、自身が属するグループID、送信元を識別するための自己
アドレス、及び自身の状態を含む情報を、状態信号として親器(火災警報器A)に対して
送信する。なお、子器(火災警報器B〜D)のアドレスや製造番号等に基づいてランダム
に発生させた遅延時間を所定時間G3に増減させ、各子器の定期送信タイミングをずらす
ようにしてもよい。このようにすることで、子器が同時に定期送信を行うことによる混信
が発生する確率を低減することができる。
【0026】
一方、親器は、前述のように間欠受信を行っており、この間欠受信において自己宛の信
号を受信している。親器は、この間欠受信において、子器からの定期送信を前回受信して
から所定時間G4内に次の定期送信が受信できない場合は、電波異常の発生が確定したと
判断する。一方、所定時間G4内に子器からの定期送信が受信できれば、電波異常は発生
しておらず正常であると判断する。親器は、自身のグループに登録されている子器(図1
の例では火災警報器B〜D)の各々について、電波異常の有無を判断する。また、所定時
間G4は、子器の定期送信周期である所定時間G3よりも長い時間であり、例えば、所定
時間G3の約3倍とすることができる。
【0027】
この定期送信において送信される状態信号には、送信元の火災警報器100の自己アド
レスが含まれているので、定期送信を受信した火災警報器100は、どの火災警報器から
の信号であるかを区別できる。また、定期送信において送信される親器及び子器(火災警
報器A〜D)に関する状態情報の例としては、電池残量、火災検出回路7のセンサ状態(
劣化、汚損等)、受信処理回数(規定以外の無線に対する処理の回数)などが挙げられる
。また、グループに関する状態情報の例としては、異常が発生している子器のアドレスや
グループID、無線通信が成立していない子器のアドレスやグループIDなどが挙げられ
る。
【0028】
このように、親器は、所定時間G1毎に子器に対して定期送信を実施し、子器は、親器
からの定期送信を前回受信してから所定時間G2内に次の定期送信を受信できたか否かに
より、電波異常発生の有無を判断する。
また、子器は、所定時間G3毎に親器に対して定期送信を実施し、親器は、各子器から
の定期送信を前回受信してから所定時間G4内に次の定期送信を受信できたか否かにより
、電波異常発生の有無を判断する。
【0029】
[火災検出時の動作]
次に、火災監視(定常状態)中に、警報システム200の監視領域において火災が発生
した場合の動作概要を説明する。
親器である火災警報器Aが設置された環境で火災が発生すると、火災警報器Aは、火災
検出回路7により火災を検出し、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示
灯によって警報を行う。また、送信回路51により、火災検知に関する情報を連動信号と
して他の子器(火災警報器B〜D)に同報送信する。そして、親器(火災警報器A)によ
り送信された連動信号を受信した子器(火災警報器B〜D)は、警報音制御回路8や表示
灯回路9を制御して音声や表示灯によって連動警報を行う。その後、親器(火災警報器A
)が火災を検出しなくなると自己復旧して警報停止するとともに、他の子器(火災警報器
B〜D)への連動信号の送信を停止する。そして、連動信号を受信しなくなった他の子器
(火災警報器B〜D)も警報を停止する。
【0030】
また、子器である火災警報器Bが設置された環境で火災が発生すると、火災警報器Bは
火災検出回路7により火災を検出し、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や
表示灯によって警報を行うとともに、火災検知に関する情報を連動信号として親器(火災
警報器A)と他の子器(火災警報器C、D)に同報送信する。そして、火災警報器Bによ
り送信された連動信号を受信した親器(火災警報器A)と他の子器(火災警報器C、D)
は、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示灯によって連動警報を行う。
【0031】
さらに、子器である火災警報器Bにより発せられた連動信号を受信した親器(火災警報
器A)は、すべての子器(火災警報器B、C、D)に連動信号を転送する。よって、各子
器同士(火災警報器B〜D)が離れているために、火災警報器Bが送信した連動信号が火
災警報器C、Dで受信されなくても、親器(火災警報器A)により転送された連動信号が
火災警報器C、Dで受信される。その後、火災警報器Bが火災を検出しなくなると自己復
旧して警報停止するとともに、親器(火災警報器A)と他の子器(火災警報器C、D)へ
の連動信号の送信を停止する。そして、連動信号を受信しなくなった親器(火災警報器A
)と子器(火災警報器C、D)も警報を停止する。このように、親器(火災警報器A)と
子器(火災警報器B〜D)は、互いに連動して警報動作を行うことで、より確実に使用者
に警報を伝えることができる。
【0032】
[キャリアセンスの動作]
次に、火災警報器100が火災を検出した場合の連動信号の送信時におけるキャリアセ
ンス動作について、さらに説明する。
図4は、実施の形態1に係る火災警報器における無線送信イベント発生時のキャリアセ
ンス動作を示すフローチャートである。
【0033】
S1において、火災警報器100は無線送信イベントが発生するとS2に進み、自己が
直前に実施した間欠受信(キャリアセンス)動作からX秒以内であるかを判定する。S2
において、直前の間欠受信(キャリアセンス)からX秒以内であるかを判定しなければ(
NO)、S3に進み、キャリアセンス(1回目)を実施してS4に進む。S4において、
キャリアセンスを実施したときのRSSIを A(1)とし、記憶素子11に記憶してS
5に進む。S5において、予め設定されたY秒(例えば、送信休止期間=2秒)待機して
、S6に進む。S6において、キャリアセンス(2回目)を実施してS7に進む。S7に
おいて、キャリアセンスを実施したときのRSSIを A(2)とし、記憶素子11に記
憶してS8に進む。S8において、次の間欠受信(キャリアセンス)動作まで待機して、
S9に進む。S9において、キャリアセンス(3回目)を実施(間欠受信動作と兼用する
)してS10に進む。S10においてキャリアセンスを実施したときのRSSIを A(
3)とし、記憶素子11に記憶してS11に進む。S11において、他の火災警報器にイ
ベント信号を送信する。
一方、S2において、直前に実施した間欠受信(キャリアセンス)動作からX秒以内で
あることを判定すれば(YES)、S12に進み、自己が直前に実施した間欠受信(キャリアセンス)動作(1回目)を実施したときのRSSIを A(1)とし、記憶素子11に記憶してS13に進む。S13において、キャリアセンス(2回目)を実施してS14に進む。S14において、キャリアセンスを実施したときのRSSIを A(2)とし、記憶素子11に記憶してS15に進む。S15において、予め設定されたY秒(例えば、送信休止期間=2秒)待機して、S16に進む。S16において、キャリアセンス(3回目)を実施してS17に進む。S17において、キャリアセンスを実施したときのRSSIをA(3)とし、記憶素子11に記憶してS11に進む。S11において、他の火災警
報器にイベント信号を送信する。
図4の左側のフローチャートは図3(a)に対応し、右側のフローチャートは図3(b)
に対応している。
【0034】
図5は、図4がキャリアセンス動作に特化して示したのに対して火災検出等の動作も含
めた、無線送信イベント発生時のキャリアセンス動作を示す別のフローチャートである。
まず、火災警報器100は、火災検出サンプリング間隔(例えば、3秒)と間欠受信(
キャリアセンス)間隔(例えば、7秒)と設定され、制御回路1の図示しない内部タイマ
の割り込みが、例えば、1秒周期に設定されて、タイマ割り込みが発生する毎にカウンタ
をインクリメントさせ、規定のカウントに達した場合に火災検出サンプリングや間欠受信
(キャリアセンス)を行うものである。なお、タイマ割り込みが発生するまでは待機して
いる。S21において、火災警報器100は電源投入されるとS22に進む。S22において、記憶素子11からデータ(無線通信制御に関するデータ)を読み出してS23に進む。S23において、キャリアセンス間隔X(無線送信イベント発生時に次回のキャリアセンスまでの時間を比較するための基準時間)とキャリアセンス間隔Y(無線送信イベントが発生した際に2回実施するキャリアセンスの間隔)を格納する。S24において、内部タイマの割込みがあるかを判定すると(YES)、S25に進む。一方、内部タイマの割り込みが無ければ(NO)、S24に戻る。S25において、間欠受信(キャリアセンス)動作のタイミングでないと判定すると(NO)、S26に進む。S26において、火災検出サンプリングのタイミングでないと判定すると(NO)、S27に進む。S27において、内部処理を実施(内部カウンタのカウントアップなど)してS28に進む。S28において、待機モードに移行(低消費電流モード)して、S24に戻る。
また、S25において、間欠受信(キャリアセンス)動作のタイミングであると判定す
ると(YES)、S39に進む。S39において、キャリアセンスを実施して、S40に
進む。S40において、既定のRSSIレベル以上であると判定すると(YES)、S4
1に進み、受信データに応じた処理を行い(例えば、キャリアセンスの際に他の機器から
の火災信号を受信した場合は連動警報を実施するなど)、S27に進む。
また、S26において、火災検出サンプリングのタイミングであると判定すると(YE
S)、S29に進む。S29において、火災検出動作を実施してS30に進む。S30に
おいて、火災または復旧の送信要求がない(火災検出サンプリングの結果、火災または復
旧確定となった場合)と判定すると(NO)、S27に進む。
また、S30において、火災または復旧の送信要求がある(火災検出サンプリングの結
果、火災または復旧確定となった場合)と判定すると(YES)、S31に進む。S31
において、キャリアセンスを実施して、S32に進む。S32において、キャリアセンス
を実施してS33に進む。S33において、キャリアセンスを実施してS34に進む。S
34において、次回の間欠受信(キャリアセンス)動作までX秒以内であると判定しない
と(NO)S35に進む。S35において、無線送信実施してS36に進む。S36にお
いて、乱数処理によりXを設定して(他の機器で同時に無線送信イベントが発生した場合
に電波の干渉を回避するための方策をとる)S27に進む。
また、S34において、次回の間欠受信(キャリアセンス)動作までX秒以内であると
判定すると(YES)S37に進み、次回の間欠受信(キャリアセンス)動作まで待機し
てS38に進む。S38において、キャリアセンスを実施してS35に進む。S35にお
いて、無線送信実施する。
【0035】
なお、特許文献1の短時間の送信前キャリアセンスの場合、火元の子器がキャリアセン
ス後に異常検出信号を送信する際に、送信休止期間であった第2報の子器が異常検出信号
を送信すると信号同士が衝突することが懸念されるために、従来は、送信期間=3秒以下、かつ、送信休止期間=2秒以上とされた複数の火災警報器間で無線通信するためには、例えば、間欠受信間隔とは別に固定長のキャリアセンス間隔(例えば、送信休止期間×2=4秒)を設けていた。そのため、送信イベントを送信開始するまで時間がかかっていた。
本発明は、最初または最後のキャリアセンス動作を間欠受信間隔と兼用したため、他の
警報器への送信が遅くならない。
上記に限定されずに、第1のキャリアセンス間隔と第2のキャリアセンス間隔とが共に
可変長(ランダム)に設定されても同様な効果が得られる。
【0036】
なお、上記説明では、電池で駆動されて無線通信を行う火災警報器に本発明を適用した
場合を例に説明したが、火災警報器の電源の供給方法や通信方式を限定するものではなく
、また、火災警報器以外に異常検出用などの警報器に適用することも可能である。また、
自動火災報知システムの受信機と感知器に用いてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 制御回路、2 電池、3 電源回路、4 電池電圧検出回路、5 送受信回路、6
アンテナ、7 火災検出回路、8 警報音制御回路、9 表示灯回路、11 記憶素子
、51 送信回路、52 受信回路、100 火災警報器、200 警報システム、Ts
間欠受信間隔、X1、X2、Y キャリアセンス間隔。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の警報器の間で状態信号等の送受信を行う警報システムであって、
他の警報器からの状態信号を間欠受信するとともに、他の警報器に対してイベント信号
を送信するときは直前にキャリアセンスを行い、他の警報器が無線信号を送信していない
ことを判断してから所定の送信期間に状態信号を送信する送受信部、を有し、
前記キャリアセンスは、予め設定された固定長の第1のキャリアセンス間隔と、該1の
キャリアセンス間隔の前または後に設けられる可変長の第2のキャリアセンス間隔と、か
ら構成されることを特徴とする警報システム。

【請求項2】
前記イベント信号が発生すると直前に実施されたキャリアセンスから所定時間が経過し
ているか否かを判定することによって、第1のキャリアセンス間隔と第2のキャリアセン
ス間隔との順番が決定されることを特徴とする請求項1記載の警報システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−216099(P2012−216099A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81221(P2011−81221)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】