説明

警報器

【課題】使用者が警報器の特徴を特に理解していなくても本来の性能を発揮でき、厨房などで発生する油分や水分などの影響を受け難い警報器を提供する。
【解決手段】検出対象となる煙、特定ガス及び熱のうち少なくとも一つを定量的に検出する検出手段と、検出手段による警報レベルを超える煙、特定ガスまたは熱の検出に基づいて警報を作動させる警報機構と、警報機構による警報の作動を一時停止させるための停止スイッチとを備え、停止スイッチの押し操作に基づいて、警報レベルが初期値から次第により高い警報レベルへと段階的に設定変更され、停止スイッチの押し操作からの一定期間の経過、または、検出手段による煙、特定ガスまたは熱の初期値を下回る検出に基づいて、警報レベルが初期値に復帰されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出対象となる煙、特定ガス、熱などの存在を定量的に検出する検出部と、前記検出部による警報レベルを超える煙、特定ガス、熱などの検出に基づいて警報を作動させる警報機構と、警報機構による警報の作動を一時停止させるための停止スイッチとを備える警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の警報器に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1に記された警報器は、警報作動中に引き紐式の停止スイッチが1度だけ引き操作された場合は警報が短時間だけ停止される短時間モードとなり、もしも警報作動中の一定期間内に停止スイッチが複数回引き操作された場合は警報が長時間にわたって停止される長時間モードとなるように構成されている。したがって、作動中の警報は例えばタバコの通常の煙、或いは、厨房での料理用酒類から発生したアルコールによる誤報であって、火災による正しい警報作動ではないことを使用者が明らかに理解した場合には、停止スイッチを複数回連続的に操作することで、警報を長時間にわたって停止状態にしておくことができるので、頻繁に停止スイッチを操作する必要がなくなる。これによって、場合によっては、火災でないにも拘わらず作動する警報を煩わしく感じた使用者が、警報器の電源プラグをコンセントから抜き取るなどの処置を取る行為を抑制するなどの効果も得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−308577号公報(請求項1、図2、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記された警報器では、一定期間内に停止スイッチを複数回にわたって操作すれば警報が長時間停止されるという警報器の特徴を使用者が常に認識しておく必要があり、また、どの程度の速さで何回引けば長時間モードになるのかなどの判断が必ずしも明快でないという問題があった。また、停止スイッチの被操作部が厨房などで発生する油分や水分などの影響で迅速に戻り動作できなくなっている場合、停止スイッチの複数回操作そのものが実質的に実行不可能になる虞があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術による警報器が与える課題に鑑み、使用者が警報器の特徴を特に理解していなくても本来の性能を発揮できる警報器を提供すること、また、厨房などで発生する油分や水分などの影響を受け難い警報器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、
検出対象となる煙、特定ガス及び熱のうち少なくともいずれか一つを定量的に検出する検出部と、
前記検出部による警報レベルを超える煙、特定ガスまたは熱の検出に基づいて警報を作動させる警報機構と、
前記警報機構による警報の作動を一時停止させるための停止スイッチと、を備える警報器であって、
前記停止スイッチの押し操作に基づく警報停止操作に基づいて、前記警報レベルが初期値から次第により高い警報レベルへと段階的に設定変更されること、および
前記押し操作からの一定期間の経過、または、前記検出部による煙、特定ガスまたは熱の、前記警報レベルの前記初期値を下回る前記検出に基づいて、前記警報レベルが前記初期値に復帰されること、にある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成による警報器では、もしも2度目の警報停止操作が行われたら警報レベルが最初の警報レベルより高い第2警報レベルに変更され、さらに3度目の警報停止操作が行われたら警報レベルが第2警報レベルよりも更に高い第3警報レベルに変更される。したがって、作動開始された警報が例えばタバコの通常の煙、或いは、厨房での料理用酒類から発生したアルコールによる誤報であって、火災などによる本来の警報作動ではない場合には、検出される煙、特定ガスまたは熱の量が、高く設定変更された警報レベルに達しなくなるために次の警報が作動されない傾向となり、この場合は最早使用者は警報に煩わされない。そのため、使用者は警報器の特徴について特に認識や知識を持たなくても警報器の特徴を享受できる。
【0008】
しかも、停止スイッチの押し操作からの一定期間の経過、または、検出手段による煙、特定ガスまたは熱の警報レベルよりも低い所定レベルを下回る検出に基づいて、警報レベルは初期値に復帰されるので、警報レベルがいつまでも高めに保持され続けることで本来の火災などに対する警報作動の機能が阻害される等の、新たな問題が生じ難い。
【0009】
本発明の他の特徴構成は、前記設定変更の度に、前記警報レベルの上がり幅が増す点にある。
【0010】
本構成であれば、例えば3度目の警報停止操作では、2度目の警報停止操作の際よりも、警報レベルの設定変更幅が更に大きくなるので、検出される煙、特定ガスまたは熱の量が警報レベルに更に達し難くなる。したがって、誤報に基づく2度目以降の警報作動をより積極的に規制することができる。
【0011】
本発明の他の特徴構成は、前記停止スイッチに対する最後の前記押し操作からの所定長さの時間経過に基づいて、前記警報レベルが初期値に向かって段階的に下げられる点にある。
【0012】
本構成であれば、停止スイッチに対する最後の押し操作から予め設定された或る時間が経過した時点で警報レベルが一気に初期値に戻されるのではなく、時間の経過に伴って段階的に戻されていくので、検出される煙、特定ガスまたは熱の量が僅かずつしか低下しない場合でも、誤報に基づく2度目以降の警報作動をより積極的に抑制することができる。
また、例えば、押し操作からの時間経過に基づいて警報レベルが一度に初期値に復帰されてしまう構成であれば、誤報による警報が再度作動した際に警報から解放されるためには、停止スイッチによる停止操作を改めて段階的に複数回行うことを強いられる可能性がある。しかし、本構成であれば、警報レベルが一段階だけ低い警報レベルに下げられているので、誤報による警報が再度作動した際に、停止スイッチによる一度の停止操作によって警報から解放され易い。
【0013】
本発明の他の特徴構成は、前記検出部による煙、特定ガスまたは熱の、現在設定中の前記警報レベルを下回る前記検出に基づいて、前記警報レベルが一段階低い警報レベルに下げられる点にある。
【0014】
本構成であれば、現在設定中の前記警報レベルを下回る前記検出に基づいて、前記警報レベルが一段階低い前記警報レベルに下げられることで、結果的に、警報レベルがより低めに設定されるため、警報器の警報動作モードを可及的に災害の防止の上での安全サイドに設定することができる。
また、例えば、現在設定中の警報レベルを下回る検出に基づいて警報レベルが一度に初期値に復帰されてしまう構成であれば、誤報による警報が再度作動した際に警報から解放されるためには、停止スイッチによる停止操作を改めて段階的に複数回行うことを強いられる可能性がある。しかし、本構成であれば、警報レベルが一段階だけ低い警報レベルに下げられているので、誤報による警報が再度作動した際に、停止スイッチによる一度の停止操作によって警報から解放され易い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による警報器の構成を示す概略構成図である。
【図2】従来技術による警報器における警報のON/OFF動作パターンを示す説明図である。
【図3】本発明による警報器における警報のON/OFF動作パターンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
(警報器の構成)
図1に示すように、本発明の警報器100は、検出対象となる煙、特定ガスまたは熱を定量的に検出する検出部10と、検出部10による一定レベルを超える煙、特定ガスまたは熱の検出に基づいて警報を作動させる警報機構20と、警報機構20による警報の作動を一時停止させるための引き紐状などの停止スイッチ40とを備える。
また、警報器100は、検出部10或いは停止スイッチ40から発された電気信号に基づいて警報機構20をON/OFF操作する制御装置50を備える。
【0017】
検出部10は、煙を検出する煙検出部2と、COガスを検出するCO検出部3と、都市ガスなどの可燃性ガスを検出する可燃性ガス検出部4とを有し、これらの各検出部2,3,4は検出した各検出物(煙、COガスまたは可燃性ガス)の量に応じた強さの電気信号を検出信号として発生する。
警報機構20は、警告音を発するブザーやスピーカおよび警告用の光を出すLED型のライトなどで構成される。
【0018】
制御装置50は、検出部10を構成する煙検出部2、CO検出部3から送られてきた検出信号のいずれかが警報レベルを超える場合には、基本的に警報機構20をON操作する。
また、警報機構20による警報の作動中に停止スイッチ40が人の手などによって操作されると、停止スイッチ40から制御装置50に停止信号が送られる。制御装置50は停止信号を受けると、警報機構20をOFF操作し、一定時間にわたってOFF(停止)状態に保持させる。
【0019】
煙検出部2としては例えば散乱光式煙センサを適用可能である。散乱光式煙センサは、発光部と受光部とを備え、発光部付近に進入した煙粒子が、発光部から発された光を散乱し、受光部の受光素子がこの散乱光を受けて生じる電流の変化によって煙を検出するものである。
CO検出部3としては例えば熱線型半導体式センサを適用可能である。熱線型半導体式センサは、白金/パラジウム合金等からなる貴金属線材を、酸化インジウム、酸化タングステン、酸化スズ等の金属酸化物を主成分とする金属酸化物半導体で被覆、焼結したガス感応部を備える。
可燃性ガス検出部4としては例えば半導体式センサを適用可能である。
【0020】
制御装置50は、煙検出部2から送られた信号に基づいて煙濃度を算出する煙濃度算出部12、CO検出部3から送られた信号に基づいてCO濃度を算出するCO濃度算出部13、可燃性ガス検出部4から送られた信号に基づいて可燃性ガス濃度を算出する可燃性ガス濃度算出部14、その時々の状況に応じて警報レベルを設定する警報レベル設定部15、および、警報レベル設定部15によって設定された警報レベルなどに基づいて警報機構20のON/OFF操作を決定する警報動作決定部17を備える。
また、制御装置50は、停止スイッチ40が押し操作されてからの経過時間などを計測する時間計測部18、および、警報レベル設定部15によって変更された設定の内容などをスピーカ(不図示)で使用者にアナウンスする設定告知部19を備える。
【0021】
(制御装置の基本的動作)
制御装置50の基本的動作について煙の検出機能を例に説明するが、制御装置50は他のCOガスおよび可燃性ガスに関しても同様の基本的動作を行う。
警報器100がリセットされると、警報レベル設定部15は、煙の警報レベルを第1警報レベル(初期値)に設定する。この状態で、煙検出部2がこの警報レベルを超える煙を検出したら、警報動作決定部17は警報機構20をON操作する。煙の第1警報レベル(初期値)は10%/mとされている。
【0022】
この警報機構20の駆動中に停止スイッチ40が操作されると、警報機構20が一定長さの停止期間(例:5min)に渡ってOFF操作され、同時に、警報レベル設定部15は、煙の警報レベルを第1警報レベルよりも高い第2警報レベルに設定する。煙の第2警報レベルは11.5%/mとされている。
【0023】
上記の停止期間が経過した時点で、煙、特定ガスまたは熱の検出値が第2警報レベルを超えなければ、警報機構20はON操作されない。しかし、第2警報レベルを超える煙、特定ガスまたは熱が検出されたら、警報動作決定部17は警報機構20を再びON操作する。
この2回目の警報機構20の駆動中に停止スイッチ40が操作されると、警報機構20が一定長さの停止期間(例:5min)に渡ってOFF操作され、同時に、警報レベル設定部15は、煙の警報レベルを第2警報レベルよりも高い第3警報レベルに設定する。例えば、煙の第3警報レベルは14.5%/mとされている。すなわち、第2警報レベルから第3警報レベルへの上げ幅は、第1警報レベル(初期値)から第2警報レベルへの上げ幅の2倍になっている。
但し、停止スイッチの押し操作による警報停止操作が何度繰り返されても、警報レベルが住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令によって定められた警報レベルの上限値(煙:15%/m)を超えることはない。
【0024】
尚、COガスの検出に関しては、第1警報レベル(初期値)は50ppm、第2警報レベルは60ppm、第3警報レベルは80ppmとされている。また、可燃性ガスの検出に関しては、第1警報レベル(初期値)は1/100LEL、第2警報レベルは1/50LEL、第3警報レベルは1/10LELとされている。
COガスや可燃性ガスに関しても、停止スイッチの押し操作による警報停止操作が何度繰り返されても、警報レベルが(財団法人)日本ガス機器検査協会及び高圧ガス保安協会が定めた規格によって定められた警報レベルの上限値(COガス:550ppm、可燃性ガス:1/4LEL)を超えることはない。
また、警報機構20が警報を作動中でない時には、停止スイッチ40を何度押し操作しても警報レベル設定部15による警報レベルの変更は行われない。
【0025】
停止スイッチ40の押し操作から一定期間が経過すると、警報レベルは初期値に向かって段階的に下げられるが、必要に応じて、段階的ではなく一度に下げられる構成としても良い。
また、停止スイッチ40の押し操作から一定期間が経過しなくても、検出手段による煙、特定ガスまたは熱の警報レベルよりも低い複数の所定レベルを下回る検出が行われた際も、一旦設定変更された警報レベルが初期値に向かって段階的に下げられるが、これも、必要に応じて段階的ではなく一度に下げられる構成としても良い。
【0026】
(警報動作パターン)
以下に、従来技術(図2)および本発明(図3)による警報器における警報のON/OFF動作パターンについて、やはり煙の検出機能を例に解説する。
図2は、従来技術による警報器における警報のON/OFF動作パターンを示す。すなわち、この従来技術による警報器では、停止スイッチの押し操作に基づく警報停止操作に基づいて警報レベルを段階的に高く設定変更する警報レベル設定部が設けられていない。
【0027】
図2から理解されるように、従来技術による警報器では、停止スイッチの押し操作に基づいて警報レベルを高めに設定変更する警報レベル設定部などは設けられておらず、警報レベルは一貫して単一の値に固定されている。したがって、例えば、時刻t1に煙濃度が警報レベルを超えると警報が作動され、調理など危険性のない原因による煙だと判っている場合に、警報作動中の時刻t2に停止スイッチが押されると、警報は停止されるが、警報停止期間が終わる時点(時刻t3)で相変わらず煙濃度が警報レベルを超えていれば、再び警報が作動される。この2回目の警報作動中の時刻t4に停止スイッチが押されると、警報は停止されるが、警報停止期間が終わる時点(時刻t5)で相変わらず煙濃度が警報レベルを超えていれば、再び警報が作動される。そして、この警報と停止スイッチ操作とが交互に繰り返される状態、または、警報が連続的に作動する状態は、この図の例では、時刻t6に煙濃度が警報レベルを下回ることで警報が自然に停止するまで継続されることになる。
【0028】
他方、図3から理解されるように、本発明による警報器では概して以下のようなON/OFF動作パターンが実行されることになる。
すなわち、例えば、時刻t1に煙濃度が第1警報レベル(10%/m)を超えると警報が作動され、調理など危険性のない原因による煙だと判っている場合に、警報作動中の時刻t2に停止スイッチが押されると、警報は一旦停止され、同時に、警報レベル設定部15によって警報レベルが第2警報レベル(11.5%/m)に引き上げられる。
【0029】
図3の例のように、警報停止期間(ここでは5分間)が終わる時点(時刻t3)で相変わらず煙濃度が警報レベルを超えている場合は、警報レベルの引き上げに拘わらず、再び警報が作動される。この2回目の警報作動中の時刻t4に停止スイッチが押されると、警報は停止され、同時に、警報レベル設定部15によって警報レベルが第3警報レベル(14.5%/m)に引き上げられる。
図3の例では、警報停止期間が終わる時点(時刻t5)で、煙濃度が第3警報レベルを下回っているので、警報停止期間(5分間)が終わっても3回目の警報は発されない。
【0030】
停止スイッチが押し操作された時刻t4から一定の停止後監視期間(ここでは15分間)が経過した時点で、煙濃度が第1警報レベルを下回っていれば、警報レベル設定部15によって警報レベルが第1警報レベル(10%/m)に復帰される。
また、煙濃度が第1警報レベルを初めて下回った時刻t6から一定の検出後監視期間(3分間)が経過した時点で、煙濃度が相変わらず第1警報レベルを下回っている場合も、警報レベル設定部15によって警報レベルが第1警報レベル(10%/m)に復帰される。
【0031】
尚、図3の例では、1回目に停止スイッチを押し操作した時点で、警報器100に付随したスピーカから「感度を低めの第2レベルに変更しました」、2回目に停止スイッチを押し操作した時点で「感度をさらに低目の第3レベルに変更しました」、そして、警報レベルが第1警報レベルに復帰された時点で「感度を初期の第1レベルに戻しました」などの音声アナウンスが出力される構成となっている。
本発明による警報器100では、煙以外の検出対象であるCOガスや可燃性ガスに関しても、図3とほぼ同様のON/OFF動作パターンが実行される。
【0032】
〔別実施形態〕
〈1〉上記実施形態と異なり、停止スイッチが押し操作された時刻から一定の停止後監視期間が経過した時点で、その段階での煙濃度と無関係に警報レベルが第1警報レベルに復帰される形態で実施してもよい。
また、複数段階を経て高めに設定変更された警報レベルが、停止スイッチが押し操作された時刻t4から一定の停止後監視期間が経過した時点で、例えば先ず第3警報レベルから第2警報レベルへ、さらに時間が経過すると第2警報レベルから第1警報レベルへ、などと段階的に下げられていくような形態で実施してもよい。
【0033】
〈2〉停止スイッチが押し操作されてからの経過時間と無関係に、第1警報レベルを下回る検出が一定期間継続するという条件に基づいて警報レベルが第1警報レベルへ復帰される形態で実施しても良い。
また、第3警報レベルに設定中に、先ず、第2警報レベルを下回る検出が一定期間継続すれば警報レベルが第2警報レベルへ設定変更され、第1警報レベルを下回る検出が一定期間継続すれば警報レベルが第1警報レベルへ復帰されるというように、警報レベルが段階的に下げられる形態で実施しても良い。
【0034】
〈3〉以上の実施形態では、煙、COガスおよび可燃性ガスの3つを検出部による検出対象とした警報器について解説したが、警報器はこれらの検出対象の他に熱を検出可能な検出部を備えたものであっても良い。また、これらの検出対象のうちの二つ或いは一つだけを検出対象とした警報器であっても良い。尚、熱の検出部は、サーミスタなどの感熱手段、赤外線を検出するセンサなどで構成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
検出対象となる煙、特定ガスまたは熱の存在を定量的に検出する検出部と、検出部による警報レベルを超える煙、特定ガスまたは熱の検出に基づいて警報を作動させる警報機構と、前記警報機構による警報の作動を一時停止させるための停止スイッチとを備える警報器を、使用者が警報器の特徴を特に理解していなくても本来の性能を発揮できる、或いは、厨房などで発生する油分や水分などの影響を受け難いように改善する。
【符号の説明】
【0036】
2 煙検出部
3 CO検出部
4 可燃性ガス検出部
10 検出部
12 煙濃度算出部
13 CO濃度算出部
14 可燃性ガス濃度算出部
15 警報レベル設定部
17 警報動作決定部
18 時間計測部
20 警報機構
40 停止スイッチ
50 制御装置
100 警報器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象となる煙、特定ガス及び熱のうち少なくともいずれか一つを定量的に検出する検出部と、
前記検出部による警報レベルを超える煙、特定ガスまたは熱の検出に基づいて警報を作動させる警報機構と、
前記警報機構による警報の作動を一時停止させるための停止スイッチと、を備える警報器であって、
前記停止スイッチの押し操作に基づく警報停止操作に基づいて、前記警報レベルが初期値から次第により高い警報レベルへと段階的に設定変更されること、および
前記押し操作からの一定期間の経過、または、前記検出部による煙、特定ガスまたは熱の、前記警報レベルの前記初期値を下回る前記検出に基づいて、前記警報レベルが前記初期値に復帰されること、を特徴とする警報器。
【請求項2】
前記警報レベルの設定変更の度に、前記警報レベルの上がり幅が増すことを特徴とする請求項1に記載の警報器。
【請求項3】
前記停止スイッチに対する最後の前記押し操作からの所定長さの時間経過に基づいて、前記警報レベルが前記初期値に向かって段階的に下げられることを特徴とする請求項1または2に記載の警報器。
【請求項4】
前記検出部による煙、特定ガスまたは熱の、現在設定中の前記警報レベルを下回る前記検出に基づいて、前記警報レベルが一段階低い警報レベルに下げられることを特徴とする請求項1または2に記載の警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−2904(P2011−2904A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143557(P2009−143557)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000190301)新コスモス電機株式会社 (112)
【Fターム(参考)】