説明

警報連携システム、警報連携方法、警報器及び電力スマートメータ

【課題】需要者の電力使用量の自動検針や制御等を行う電力スマートグリッドシステムのネットワークを利用して相互に遠隔に設置されている複数の警報システムを連携させることでシステム機能を強化し、信頼性と安心感を向上可能とする。
【解決手段】複数の住宅12−1,12−2に、火災を検知した場合に相互に連携して警報する複数の住警器10−11〜10−22を備えた2つの警報システムを設け、インターネット22に接続した電力スマートメータ14−1,14−2を備えた電力スマートグリッドシステムを経由して連携させる。住宅12−1の警報器10−11で火災を検知した場合、電力スマートメータ14−1、電力会社サーバ24及び電力スマートメータ14−2を経由して他の住宅24−2の警報器10−21,10−22に火災連携連動信号を伝送して他システムの火災警報を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる場所に設置された設置された複数の警報システムを、電力スマートメータにより需要者の電力使用量を自動検針する電力スマートグリッドシステムを利用して連携させる警報連携システム、警報連携方法、警報器及び電力スマートメータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異状を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【0003】
例えばこのような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部の検出信号から火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報を出力するようにしており、所謂自動火災報知システムのように専用の受信機等を必要とせず住警器単体で住警器設置場所の火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報が出力されると、他の住警器でも連動して火災警報を出力させる連動型の警報システムも提案されている。
【0005】
このような連動型の警報システムでは、住警器で火災を検知した場合、当該火災を検知した連動元の住警器は、メッセージを含む所定パターンの火災警報音、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」を出力し、一方、連動先の警報器では例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった火災警報音を出力するようにしている。
【0006】
一方、近年にあっては、電力スマートグリッドシステムの構築が広く検討されている。
電力スマートグリッドシステムは概略的に、例えば、通信機能を備えた電力メータとして知られた電力スマートメータにより自動検針した需要者の使用電力情報を、電力会社のサーバで収集できるようになっている。ここで電力スマートメータは、近距離無線ネットワーク等により家電機器と通信しており、電力会社のサーバ側で家電機器の電力使用量を管理したり制御したりすることも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−020663号公報
【特許文献2】特開2009−259125号公報
【特許文献3】特開2010−128810号公報
【特許文献4】特開2011−015521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、このような連動型住警器を用いた従来の火災警報システムにあっては、例えば1つの住戸を監視対象として、火災監視を必要とする場所(所定の監視領域)毎に住警器を設置し、火災を検知して住戸内で連動して警報することを基本としている。
【0009】
しかしながら、連動型住警器を用いた警報システムは、通信可能距離範囲を超える場所の住戸等に設置した警報システムとの間で相互に連携を行うことができない。例えば親世帯と子供世帯が所定距離以上離れた別の場所(住戸)に居住しており、それぞれの住戸に連動型警報器を用いた警報システムを設置していた場合、この2つの警報システム間において、相互に連携した警報ができれば、警報連動可能範囲が拡張される等、警報システムの機能を強化することができると共に、利用者の安心感を高めることが可能であるが、現状では、これに対し利用者が簡易にできる有効な仕組みは設けられていない。
【0010】
本発明は、需要者の電力使用量の自動検針や制御等を行う電力スマートグリッドシステムのネットワークを利用して相互に遠隔に設置されている複数の警報システムを連携させることでシステム機能を強化し、信頼性と安心感を向上可能とする警報連携システム、警報連携方法、警報器及び電力スマートメータを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(警報連携システムA)
本発明は、警報連携システムに於いて、
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムと、
通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムと、
を設け、複数の警報システムを、電力スマートグリッドシステムの電力スマートメータを経由して連携させたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、警報連携システムに於いて、
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムと、
通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムと、
を設け、複数の警報システムを、電力スマートグリッドシステムの電力スマートメータ及びネットワーク上のサーバを経由して連携させたことを特徴とする。
【0013】
ここで、複数の警報システム間の連携は、複数の警報システムのうち、任意の警報システムで異状が検知された場合に、当該警報システム以外の他の警報システムで警報する。
【0014】
サーバは、前記電力スマートメータを経由して複数の警報システムのいずれかで検知した異状を受信した場合、他の警報システムの利用者が保有する利用者端末から異状警報を出力させる。
【0015】
警報システムの一部または全部は、同一の前記警報システム内に設けられた複数の警報器を連動動作させる。
【0016】
警報器は同一の警報システム内に設けられた警報器間の信号を中継する。
【0017】
(警報連携方法A)
本発明は、警報連携システムに於いて、
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを、電力スマートグリッドシステムの通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータを経由して連携させたことを特徴とする。
【0018】
また本発明は、警報連携方法に於いて、
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを、電力スマートグリッドシステムの通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータ及びネットワーク上のサーバを経由して連携させたことを特徴とする。
【0019】
本発明の警報連携方法Aにおける他の特徴は、前述した警報連携システムAの場合と基本的に同様となる。
【0020】
(警報連携システムB)
本発明は、異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを、通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムを経由して連携させる警報連携システムに於いて、
警報器は、
異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に所定の第1通信プロトコルに従って異状連動信号を他の警報器及び前記電力スマートメータへ送信し、一方、他の警報器から送信された記第1通信プロトコルに従った異状連動信号受信を検知した場合に、連動先を示す異状警報を出力する警報制御部と、
電力スマートメータから送信された第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合に、連携先警報システムの異状を示す異状警報を出力する連携警報制御部と、
を備え、
電力スマートメータは、
サーバからの検針要求信号の受信を検知した場合に、測定した電力使用量を第1通信プロトコルとは異なる所定の第2通信プロトコルに従ってサーバへ送信するメータ制御部と、
警報器から送信された第1通信プロトコルに従った異状連動信号の受信を検知した場合に、当該異状連動信号を前記第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換してネットワークへ送信し、一方、他の警報システムの電力スマートメータから前記ネットワークへ送信された第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合、当該異状連携連動信号を第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換して同じ警報システム内の前記警報器へ送信する連携通信制御部と、
を設けたこと特徴とする。
【0021】
(警報器)
本発明は、通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムを経由して連携する複数の警報システムの各々に設けられ、異状を検知した場合に警報する警報器に於いて、
異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に所定の第1通信プロトコルに従って異状連動信号を他の警報器及び前記電力スマートメータへ送信し、一方、他の警報器から送信された第1通信プロトコルに従った異状連動信号受信を検知した場合に、連動先を示す異状警報を出力する警報制御部と、
電力スマートメータから送信された第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合に、連携先警報システムの異状を示す異状警報を出力する連携警報制御部と、
を備えこと特徴とする。
【0022】
(電力スマートメータ)
本発明は、異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを連携させる電力スマートグリッドシステムに設けられた電力メータである電力スマートメータ於いて、
ネットワーク上のサーバからの検針要求信号の受信を検知した場合に、測定した電力使用量を所定の第2通信プロトコルに従って前記サーバへ送信して処理させるメータ制御部と、
警報器から送信された前記第2通信プロトコルとは異なる所定の第1通信プロトコルに従った異状連動信号受信を検知した場合に、当該異状連動信号を第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換してネットワークへ送信し、一方、他の警報システムの電力スマートメータから前記ネットワークへ送信された第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合、当該異状連携連動信号を第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換して同じ警報システム内の警報器へ送信する連携通信制御部と、
を設けたこと特徴とする。

【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、例えば複数の住戸のいずれかに設けた警報システムの警報器で火災等所定の異状を検知した場合、火災を検知した警報器及び同じ住戸(警報システム)に設置している他の警報器から火災警報を出力すると共に、同住戸につき電気機器の使用電力を自動検針する電力スマートグリッドシステムに設けた電力スマートメータ、ネットワークび、他の住戸の電力スマートメータを経由して火災連携連動信号を送信して、当該他の住戸でも火災警報を出力させることができ、相互に離れた住戸等に別々に設置している各警報システムを相互に連携させることで、全体的な連動可能範囲を簡単且つフレキシブルに拡張することができ、またそれぞれの利用者の対応の余地を拡大して安心感を高めることができる。
【0024】
また電力スマートグリッドシステムの電力スマートメータに警報器と通信する近距離通信機能(第1通信部)を設け、又は電力スマートメータと警報器の通信を仲介する中継アダプタを設けることで、特別な警報器を設置する必要がなく、簡単にシステム拡張することができ、コスト的にも安価にできる。
【0025】
また電力スマートグリッドシステムにあっては、複数の警報システムの警報連携という新たな機能サービスを利用者に提供することができ、サービス利用者の利便性を向上することができる。
【0026】
更に、いずれかの警報システムで例えば火災が検知された場合、警報システムから電力スマートメータを経由して火災連携連動信号を受信したネットワーク上のサーバは、更に例えば利用者端末となる例えば携帯電話等と連携して、同端末にも発生住戸を特定した火災警報を出力させることで、利用者が外出中であっても不在中に検知した火災を知り、迅速かつ適切な対応をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】2住宅に設置された警報システムを、電力スマートグリッドを利用して連携する本発明による警報連携システムの概略構成を示した説明図
【図2】本発明における警報システムを連携させる2つの通信方式の概略を示した説明図
【図3】本発明の警報連携システムにより携帯電話に表示される火災警報画面の一例を示した説明図
【図4】本発明で用いる住警器の外観を示した説明図
【図5】本発明で用いる住警器の実施形態を示したブロック図
【図6】本発明で用いる電力スマートメータの実施形態を示したブロック図
【図7】図4の住警器による処理の概略を例示したフローチャート
【図8】図7に続く、住警器による処理の概略を例示したフローチャート
【図9】図6の電力スマートメータによる処理の概略を例示したフローチャート
【図10】図1の電力会社サーバによる処理の概略を例示したフローチャート
【図11】電力スマートグリッドシステムの広域通信網として携帯電話網と公衆無線LAN網を用いた、本発明の警報連携システムの概略構成を示した説明図
【図12】図10のシステムで用いる電力スマートメータの実施形態を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、2住宅(2住戸)に設置された警報システムを、家電品等電気機器の電力使用量の自動検針等を行う電力スマートグリッドシステムを利用して連携させる場合の、本発明による警報連携システムの概略構成を示した説明図である。このような警報連携システムは例えば、高齢者住居とその管理者住居、被介護者住居と介護者住居、託児所とそこに預けられた子の親の住居、学校と生徒の住居、職場と自宅、企業内の異なる事業所、同一施設の複数の建屋間等で利用することができる。
【0029】
図1において、住宅12−1は例えば親世帯の住宅であり、住宅12−2は子世帯の住宅であり、両者は異なった場所に離れて建てられている。住宅12−1の台所、居間、主寝室、階段室など所定の警戒エリア(監視領域)には、その異状として火災を検知して連動警報する無線連動型の住警器(住宅用火災警報器)10−11、10−12が設置され、連動型の警報システムを構築している。また住宅12−2にも同様に、無線連動型の住警器(住宅用火災警報器)10−21、10−22が設置され、連動型の警報システムを構築している。
【0030】
なお、住宅12−1,12−2は説明の都合上、それぞれ住警器を2台設置した場合を例示しているが、それぞれの警報システムを構成する警報器の台数(連動台数)は任意で、1台であっても3以上の複数台であっても良く、それぞれの警報システム毎に必要に応じ適宜の数を設置できる。また、以下、住警器10−11〜10−22をそれぞれ区別せず総称する場合は住警器10という場合がある。
【0031】
またここでは、同一の警報システム内で警報器同士が連動する場合を「連動」といい、異なる警報システム同士が連動する場合を「連携」という。また警報システムの連携の結果、連携先の警報システム内で警報器が連動することを「連携連動」という場合がある。
【0032】
また同一警報システム内で警報器同士が送受信する信号を「連動信号」といい、異なる警報システム間で送受信する信号を「連携連動信号」という。前者の連動信号には例えば、火災連動信号、火災復旧連動信号、警報停止連動信号及び障害連動信号等があり、後者の連携連動信号には例えば、火災連携連動信号、火災復旧連携連動信号、警報停止連携連動信号及び障害連携連動信号等がある。
【0033】
住警器10は、連動信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について火災発生の有無を監視している。いま住宅12−1で万一、火災が発生したとすると、例えば住警器10−11が火災を検知して警報を開始する。このように住警器が火災を検知して警報を開始することを、「発報」という。
【0034】
住警器10−11が発報するとき、住警器10−11は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−12へ火災連動信号を無線送信する。他の住警器10−12は、連動元の住警器10−11からの火災連動信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。なお、警報システムの住警器が1台である場合、当該住警器は、他の住警器との連動機能は省略することができる。
【0035】
ここで、住警器10は、受信した連動信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致したことによって自己のグループに属する連動信号であることを確認し、且つ信号内容を正常認識したときに、この連動信号を有効受信したことを検知するようにしている。さらに、連動信号を有効受信した住警器10は必要に応じて当該連動信号の中継送信を行う。グループ符号は警報システム毎に固有の符号として設定されており、各住警器はこの符号を認識することによって自己の属する警報システムに関連する連動信号のみを識別処理することができる。
【0036】
連動元となった住警器10−11の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−12にあっては、例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる火災警報音を出力する。
【0037】
また連動元となった住警器10−11の警報表示としては、例えばLEDを点灯する。一方、連動先の住警器10−12にあっては、LEDを点滅する。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0038】
住警器10は、自己が火災を検知した場合(火災連動元となった場合)、所定の第1通信プロトコルに従った火災連動信号を同じ警報システムに属する他の住警器へ送信する。また住警器10は、同じ警報システムに属する他の住警器から第1通信プロトコルに従って送信(又は中継送信)された火災連動信号を受信する。各警報システムにおける基本的な警報連動動作は、このような住警器10の送受信機能によって実現される。
【0039】
本実施形態の住警器10における第1通信プロトコルによる送受信(第1通信部による送受信)は、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。もちろん日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。特定小電力無線局に準拠した住警器10の送信電力は、STD−30の場合は10mW以下であり、STD−T67の場合は10mW以下または1mW以下であり、見通し通信距離は概ね数十〜100メートル程度となる。
【0040】
なお、住警器10及び電力スマートメータ14の第1通信プロトコルとしては、前述したSTD−30またはSTD−60以外に、例えばRFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)に割当てられた900MHzの周波数、即ち950〜957MHzを使用したZ−Wave(R)やZigBee(R)として知られたセンサネットワーク用の近距離無線通信プロトコルを使用しても良い。
【0041】
住宅12−1,12−2には家電品等電気機器の電力使用状況を測定して自動検針する電力スマートグリッドシステムを構築するための端末機器として、電力スマートメータ14−1,14−2を設置している。以下、電力スマートメータ14−1,14−2をそれぞれ区別せず総称する場合は電力スマートメータ14という。
【0042】
電力スマートメータ14は通信機能を備えた電力メータであり、本実施形態にあっては、広域通信機能としてゲートウェイ機能が設けられ、インターネット22を経由して電力会社サーバ24との間で信号を送受信する。電力スマートメータ14のゲートウェイ機能は、電力会社サーバ24との間で、本実施形態の第2通信プロトコルとなるTCP/IPとして知られたインターネット通信プロトコルに従って信号を送受信する(第2通信部による送受信)。
【0043】
即ち電力会社サーバ24はインターネット通信プロトコルに従ったIP信号(インターネットプロトコル信号)を送信し、これを電力スマートメータ14で受信してTCP信号(転送プロトコル信号)に変換して処理する。また電力スマートメータ14はTCP信号をインターネット通信プロトコルに従ったIP信号に変換して電力会社サーバ24へ送信する。
【0044】
このような電力スマートメータ14のゲートウェイ機能によるインターネット22との接続は、例えば周知のようにインターネットサービスプロバイダ(ISP)の保有するサーバによる接続サービスを利用する。
【0045】
電力スマートメータ14−1,14−2は住宅12−1,12−2に設けた分電盤16に対する商用交流電源引込線の1次側に配置され、分電盤16から、電力需要者である家庭(住宅12)に設置しているテレビ18やエアコン20といった電気機器に供給する電力使用量を測定し、電力会社サーバ24から検針要求信号を受けた場合、測定結果に基づき使用電力量を示す検針応答信号を送信する。
【0046】
また本実施形態の電力スマートメータ14−1,14−2には住宅12−1,12−2に設けた警報システムを構築する住警器10との間で、前述した400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格の第1通信プロトコルに従って信号を送受信する近距離無線通信機能(第1通信部の機能)が設けられている。
【0047】
電力会社サーバ24にはソフトウェアアプリケーションとして検針管理部34の機能を設けており、電力スマートメータ14へ定期的に検針要求信号を送信し、これに対し送られてきた検針応答信号から住宅12の単位時間当りの電力使用量や所定期間の総電力使用量等を求め、これに基づき、図示しない電力会社の集計センタへ送信して課金処理を行うようにしている。
【0048】
また検針管理部34は集計結果を例えば携帯電話32等の利用者端末に対し携帯電話網28及び携帯電話基地局30を介して送信し、当該利用者端末で住宅12の電力使用量を利用者が閲覧管理できるような電力管理サービスを提供することもできる。
【0049】
このような自動検針や電力管理、閲覧サービスを提供するため、電力会社サーバ24にはデータベース36が設けられ、データベース36には例えば住宅を特定する住宅IDをインデックスとして、電力スマートメータ14のIPアドレス、利用者の保有する携帯電話32の電話番号やメールアドレス等の利用者情報、使用電力情報等の情報を必要に応じ格納している。住宅IDとしては例えば電力スマートメータ14に割当てられた電力メータ番号や顧客番号等を利用する。
【0050】
更に電力会社サーバ24には、住宅12−1に設けた警報システムの住警器10−11,10−12と住宅12−2に設けた警報システムの住警器10−21,10−22とを連携するため連携制御部38の機能を設けている。例えば住警器10−11で火災を検知した場合、当該住警器10−11は連動元としての警報動作を行うと共に、第1通信プロトコルに従った火災連動信号を住警器10−12及び電力スマートメータ14−1へ送信する。これを有効受信した住警器10−12では、連動先としての警報動作が行われる。一方、住警器10−11から第一通信プロトコルに従う火災連動信号を有効受信した電力スマートメータ14−1はゲートウェイ機能により、当該火災連動信号を第2通信プロトコルとなるインターネット通信プロトコルに従う火災連携連動信号に変換し、インターネット22上の電力会社サーバ24を経由して住宅12−2の電力スマートメータ14−2へ送信するか、又はインターネット24を経由して直接電力スマートメータ14−2へ送信する。
【0051】
住戸12−2の電力スマートメータ14−2は、第2通信プロトコルに従って受信した火災連携連動信号を第1通信プロトコルに従った火災連携連動信号に変換して住警器10−21,10−22に無線送信し、これを有効受信した住警器10−21,10−22は、自己の属する警報システムを設けた住宅とは異なる、住宅12−1における火災発生を示す他システム火災警報を出力する(連携先警報動作)。
【0052】
これを実現するため、各連動信号および連携連動信号には送信側警報システムのグループ符号が付されており、各住警器10及び電力スマートメータ14はこれを識別処理するが、これに加えて連動元住警器10のIDを付して同様に認識処理するようにすることで、他システムの火災発生を示す連携火災警報出力は、火災が発生した送信元の住宅を特定するだけでなく、どの住警器10によって検知されたかまでを特定して報知する内容とすることができる。
【0053】
ここで本発明によるインターネット通信機能を備えた電力スマートグリッドシステムを利用した警報システムの連携には図2に示す2つの通信方式がある。
(1) 電力スマートメータ間直接通信方式
(2) サーバ経由電力スマートメータ間通信方式
【0054】
図3(A)は(1)の電力スマートメータ間直接通信方式の概略であり、例えば住宅12−1の住警器10−11で火災を検知した場合、電力スマートメータ14−1が、連携先として登録されている住宅12−2の電力スマートメータ14−1のIPアドレスを宛先アドレスに指定して火災連携連動信号を送信する。これは2つの電力スマートメータ14−1,14−2のピア・ツー・ピア通信(1対1通信)であり、電力会社サーバ24を経由しない分、処理が簡単で高速に連携できる。なお、電力スマートメータ14−1,14−2によるインターネット22との接続は、周知のようにインターネットサービスプロバイダ(ISP)の保有するサーバ(図示せず)による接続サービスを利用する。このようにして、最終的に住宅12−2の住警器10−21,10−22(図示省略)で住宅12−1での火災発生が他システム火災警報として出力される。
【0055】
ここで、図2では、住警器10−11で火災を検知された場合として、電力スマートメータ14−1が住警器10−11から直接火災連動信号を受信して上記処理を行う例を示しているが、住警器10−12から中継送信された火災連動信号を受信して同様の処理を行う場合がある。この点は図2(B)も同様である。
【0056】
図2(B)は上記(2)のサーバ経由電力スマートメータ間通信方式の概略であり、例えば住宅12−1の住警器10−11で火災を検知した場合、電力スマートメータ14−1が電力会社サーバ24のIPアドレスを宛先アドレスに指定して火災連携連動信号を送信する。電力スマートメータ14−1から火災連携連動信号を受信した電力会社サーバ24は、連携制御部38により、連携連動信号に含まれる電力スマートメータ14−2のID(グループ符号でも良い)等と関連付けた顧客番号等のインデックス情報を元にデータベース36を検索して、警報連携先情報として予め割り当て登録した住宅12−2の電力スマートメータ14−2のIPアドレスを取得して火災連携連動信号を送信し、これを有効受信した電力スマートメータ14−2を経由して、住宅12−2の住警器10−21,10−22(図示省略)から住宅12−1の火災発生を示す他システム火災警報が出力される。
【0057】
このサーバ経由電力スマートメータ間通信方式のメリットは、電力スマートメータ毎に連携先警報システムに対応する電力スマートメータのIPアドレスを設定する必要が無く、電力会社サーバ24のデータベース36を編集するだけで宛先IPアドレス等の連携関係を自由に設定できるため、例えば火災連携連動信号を住宅12−2の電力スマートメータ14−2のみならず、別の住宅12−3の電力スマートメータ14−3にも送信することができ、1対n通信を可能とし、3以上の警報システムを連携させることができ、また連携関係の変更等も簡単に行うことができる。このような電力会社サーバ24のデータベース36における連携関係データの編集は、利用者端末である携帯電話32やパーソナルコンピュータからインターネットを経由して、電力会社サーバ24に設けられたユーザ用編集機能画面にアクセスし、利用者が直接行うようにしても良い。
【0058】
またこのサーバ経由電力スマートメータ間通信方式においては、電力会社サーバ24に設けた連携制御部38により、利用者端末である例えば携帯電話32と連携し、電力会社サーバ24で火災連携連動信号を受信した場合、データベース36に登録した利用者の携帯電話32から連携元及び連携先警報システムに関する火災警報を出力させることができる。
【0059】
図3は上記(2)、図2(B)のサーバ経由電力スマートメータ間通信方式により携帯電話32に表示される火災警報画面の一例を示した説明図である。図3において、携帯電話32は電力会社サーバ24から火災連携連動信号の受信に基づく住戸間火災警報信号を受信した場合に警報画面300を表示すると共に火災警報音を出力する。
【0060】
警報画面300には例えば住宅12−1の名称を「住宅A」、住宅12−1の名称を「住宅B」とすると、例えば「住宅A(住宅B)の火災警報器が作動しました 確認してください」といった警報メッセージ302が表示される。もちろん、火災を検知した火災警報器までを特定する内容とすることもできる。「住宅A」、「住宅B」の特定は例えば、電力会社サーバ24或いは携帯電話32が火災連携連動信号内の符号に基づき、予め設定された住宅名称との対応を認識して行うが、詳細説明を省略する。
【0061】
また警報画面300上の警報メッセージ302の下側には操作部位として確認釦304、住宅A自動ダイヤル釦306、住宅B自動ダイヤル釦308、119自動ダイヤル釦310、110自動ダイヤル釦312及び警報停止釦314などが表示され、各釦部は透明なタッチパネルを備えていることから、必要な操作を行なうことができる。
【0062】
例えば確認釦304を操作すると確認信号が携帯電話地上局30及び携帯電話ネットワーク28、インターネット22を経由して電力会社サーバ24へ送信され、これを有効受信した電力会社サーバ24は利用者に火災警報が通知されたことを認識し、必要に応じ対応処理を行う。また、住宅A自動ダイヤル釦306又は住宅B自動ダイヤル釦308を操作すると、それぞれに対応して住宅12−1又は12−2に設置された固定電話との通話接続を可能とする。もちろん、固定電話に限らず他の携帯電話との通話接続を可能とするようにしても良い。
【0063】
更に、119自動ダイヤル釦310、110自動ダイヤル釦312を操作することで、必要に応じて消防機関や警察機関との通話接続を可能とする。また警報停止釦314を操作した場合には、警報停止連携連動信号が電力会社サーバ24宛てへ送信され、これを有効受信した電力会社サーバ24は住宅12−1,12−2に設置している電力スマートメータ14−1,14−2宛てに警報停止連携連動信号を送信し、住警器10−11〜10−22から出力されている火災警報を停止させる。
【0064】
なお、電力会社サーバ24に設けた携帯電話32から火災情報を報知するためのデータベース36や連携制御部38が持つ機能構成の任意の一部または全部を携帯電話32側に設けても良い。また、既に述べた通り、データベース36を電力会社サーバ24側に設ける場合には、住警器識別符号等の登録を、携帯電話32や別のパーソナルコンピュータ等からインターネット22経由で電力会社サーバ24のユーザ用ホームページ等へアクセスして行うようにしても良い。
【0065】
このようにサーバ経由電力スマートメータ間通信方式は、住宅12−1,12−2の警報システムで火災が検知された場合、インターネット22上の電力会社サーバ24に火災連携連動信号を送信し、電力会社サーバ24の処理を経て例えば利用者(住宅12−1,12−2の居住者)の携帯電話32から発生住戸を特定した火災警報を出力させることで、利用者が外出中であっても不在中に検知した自宅または連携する他の住宅の火災を知り、迅速かつ適切な対応をとることができる。
【0066】
また図2(A),(B)に示した上記(1),(2)の何れの通信方式においても、例えば住宅12−1の住警器10−11で火災を検知して住戸12−1及び住戸12−2で火災を警報した後に、住警器10−11で火災復旧を検知した場合、または住警器10−11に設けた操作部の警報停止操作を検知した場合、当該住警器10−11は、住警器10−12及び電力スマートメータ14−1へ第1通信プロトコルに従って火災復旧連動信号または警報停止連動信号を送信する。住警器10−11からの火災復旧連動信号または警報停止連動信号を受信した住警器10−12は連動先火災警報を停止する。
【0067】
また住警器10−11からの火災復旧連動信号または警報停止連動信号を受信した電力スマートメータ14−1は、当該火災復旧連動信号または警報停止連動信号を第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連携連動信号または警報停止連携連動信号に変換し、電力スマートメータ14−2のIPアドレスを宛先指定したうえで、インターネット22を介して電力スマートメータ14−2に直接送信するか、又は電力会社サーバ24を経由して電力スマートメータ14−2へ送信する。なお、電力会社サーバ24を経由する場合は、の電力会社サーバ24のIPアドレスを指定し、電力会社サーバ24が電力スマートメータ14−2のIPアドレスを指定することになる。当該火災復旧連携連動信号または警報停止連携連動信号電力スマートメータ14−2は更に第1通信プロトコルに従った火災復旧連携連動信号または警報停止連携連動信号に変換して住宅12−2の住警器10−21,10−22へ送信し、住警器10−21,10−22から出力されている住宅12−1の火災発生を示す他システム火災警報を停止させる。
【0068】
ここで、図1における各通信経路を整理すると、例えば住宅12−1に設置した住警器10−11,10−12の間は通信経路11aとなり、住警器10−11,10−12と電力スマートメータ14−1との間は通信経路11bとなる。住戸12−2についても同様に図示してある。これら通信経路においては何れも、第1通信プロトコルを用いている。
【0069】
また、住警器10は他の住警器または他の警報システムの電力スマートメータ14から第1通信プロトコルにより送信された火災、火災復旧、警報停止操作を示す連動信号または連携連動信号の有効受信を検知した場合には、必要に応じ、第1通信プロトコルにより別の住警器に対して対応する連動信号又は連携連動信号を中継送信する。
【0070】
また、第1通信プロトコルによる住警器10相互間の連動信号や中継送信された連動信号、住警器10と電力スマートメータ14の間の連動信号と連携連動信号、電力スマートメータ14から電力会社サーバ24、携帯電話基地局28、携帯電話32への連携連動信号は、説明の簡単のため通信プロトコル以外には特に区別していないが、一連の連動に伴う信号の内容(例えばひとつの火災検知に伴う火災発生の旨)につき、各通信区間で必要となる情報(例えばその火災発生の旨等)が各通信規格やプロトコルに適合する形式で含まれていれば必ずしも同一の内容である必要は無く、それぞれに適宜異なる内容のものであっても良いことはもちろんである。これは、後述のように伝送方向が逆向きとなる場合、即ち携帯電話側から警報システム側への伝送を行う場合にも同様である。
【0071】
なお、連携先警報システムでの火災発生を示す他システム火災警報の内容を連動先火災警報と同じものとする場合には、住警器10として従来と全く同じ構成の連動型住警器を使用することもできる。これらは火災警報だけでなく、後述する火災復旧連動信号やローバッテリーなど各種の障害連動信号、障害復旧連動信号の連携連動の場合も同様である。
【0072】
図4は本発明で使用する無線連動型の煙式住警器の外観を例示した説明図であり、図4(A)に正面図を、図4(B)に側面図を示している。なお、取付フック45を設けているほうを上側とする。
【0073】
図4において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー42と本体44で構成されている。カバー42の中央には突出部を設け、突出部の周囲側面に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部46が配置され、火災に伴う煙が検煙部46に流入して所定濃度に達したときに後述する警報制御部で火災を検知するようにしている。検煙部46としては、例えば公知の散乱光式検煙機構が適用できる。
【0074】
カバー42の左下側には複数の音響孔48が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。カバー42の下側には警報停止スイッチ50が設けられている。
【0075】
警報停止スイッチ50は、透光性部材で形成されたスイッチカバーを押圧操作すると、これに連携してプッシュスイッチ(図示せず)が押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行うLED52が配置されており、LED52が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ50のスイッチカバーの部分を透過して作動状態が外部から視認できるようにしている。
【0076】
警報停止スイッチ50は外部から住警器10の所定機能の自己点検実施を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。例えば、火災警報出力中に警報停止スイッチ50が操作されると火災警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ50が操作されると所定の機能について自己点検を実施してLED52やスピーカ等により結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報出力中または障害警報出力中でない状態を指す。
【0077】
また本体44の裏側上部にはその略中央部に挿通孔を有する取付フック45が設けられており、設置する部屋の壁面にビスなどをねじ込み、この取付フック45の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0078】
図5は本発明で用いる住警器の要部構成を例示したブロック図である。なお、以下の説明は図2(B)のサーバ経由電力スマートメータ間通信方式を例にとって説明する。
【0079】
また、これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0080】
また図5では、住宅12−1に設置した住警器10−11について示しているが、他の住警器10−12〜10−22についても同様の構成となる。
【0081】
図5において、住警器10−11にはワンチップCPUとして知られたプロセッサ100が設けられ、プロセッサ100に対しては、アンテナ104を備えた第1通信プロトコルの送受信を行う第1通信部102、メモリ106、センサ部108、報知部110、操作部112を設け、電池電源114はこれらを含め必要各部に電源を供給している。
【0082】
第1通信部102にはアンテナ104を接続した第1送信回路116と第1受信回路118が設けられる。第1通信部102は他の住警器10−12及び電力スマートメータ14−1との間で、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第1通信プロトコルに従って火災、火災復旧、警報停止、障害などの各種の連動信号または連携連動信号を送受信する。
【0083】
第1通信部102の第1送信回路116における第1通信プロトコルによる連動信号の送信は、所定時間T1、例えばT1=3秒に亘り連動信号を送信する動作を、所定時間T2、例えばT2=2秒の休止時間を空けて例えば4回繰り返している。このT1=3秒送信、T=2秒休止は特定小電力無線局の標準規格に準拠したものである。またT1=3秒の送信動作は、その内の最初から例えば2.8秒はダミー信号の送信であり、残り0.2秒の時間に連動信号の反復送信を行う。中継送信する場合も同様である。
【0084】
また、第1通信部102の第1受信回路118における第1通信プロトコルによる信号受信は、住警器10−11と同じグループに属する他の住警器10−12からの連動信号を間欠受信する。間欠受信は、所定周期T3毎に、例えばT3=7秒毎に受信可能時間T4、例えばT4=100ミリ秒のあいだ受信動作を繰り返しており、受信可能時間T4の間へ送信ダミー信号をキャリアセンスにより検知すると所定時間のあいだ連続受信に切替えてダミー信号に続く連動信号を受信する。このような第1受信回路118の受信動作は電力スマートメータ14−1から送信された連携連動信号の受信についても同様となる。また、中継送受信についても同様である。
【0085】
なお、受信した信号はプロセッサ100に設けた警報制御部122で解読される。以下、この解読までを含めて受信と呼ぶことがある。また特に、解読の結果有効な信号と判定されることを区別して表す場合には有効受信と呼ぶ。
【0086】
また第1通信プロトコルでは、住警器10−11自身が火災又は火災以外の事象を検知して連動信号を送信した場合、住警器10−11と同じグループに属し、これを受信した他の住警器10−12から連動信号を正常に受信したことを示す確認応答信号(以下「ACK信号」と云う)が返信されるようになっており、住警器10−11では連動信号の送信後にこのACK信号が有効受信されるか否か監視している。ACK信号も、必要に応じ他の住警器によって中継されることがある。
【0087】
住警器10−11は自己が送信した連動信号に対して住警器10−12からACK信号(返信)が受信されない場合には、通信障害等と判定し、所定の報知処理や後述する連携処理等を行うことになる。
【0088】
第1通信プロトコルで送受信する信号は、連番、送信元識別符号、グループ符号及び事象符号を含むフォーマットとして構成されている。連番は住警器毎に独立して生成される符号であり、連動信号の生成順或いは送信順を示す連続番号である。これに基づいて例えば再中継の禁止等の管理を行うことができる。識別符号は各住警器を特定する例えば住警器のシリアル番号等であり、グループ符号は図1のように住宅12−1,12−2のそれぞれに設置した住警器10−11,10−12又は10−21,10−22の各グループ内で相互に連動を行う連動グループを構成するための符号であり、電力スマートメータ14についても、対応する警報グループのグループ符号を割り当てることになる。
【0089】
事象符号は、火災などの事象内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば、
0001=火災
0010=ACK
0011=警報停止
0100=復旧
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
としている。
【0090】
更に本実施形態にあっては住戸間での連携連動信号の送受信に対応した事象符号として、
0111=他システム火災
1000=他システム警報停止
1001=他システム復旧
1010=他システムセンサ障害
1011=他システムローバッテリー障害
を追加している。
【0091】
なお、中継送信する連動信号には、送信元(連動元)の住警器を示す識別符号と中継を行う住警器の識別符号の両方を付加する。更に送信先(宛先)を指定する識別符号を付加しても良い。
【0092】
メモリ106には、連動信号の生成および照合、解読に使用する連番、識別符号、グループ符号等、また警報音の出力時に使用する各種音声データ等が格納されている。
【0093】
センサ部108には、既に説明したとおり例えば散乱光式の煙検知原理によって煙を検出して、煙濃度に応じた煙検出信号を出力する検煙部46を設けている。
【0094】
報知部110には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ120と警報表示等を行うLED52が、図示しないそれぞれの駆動回路と共に設けられている。スピーカ120は、警報制御部122または連携警報制御部124からの制御を受けて、メモリ106などに保持している各種のデータ等に基づいて音声メッセージや警報音等を出力する。LED52は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異状その他事象を表示により報知する。
【0095】
操作部112には警報停止スイッチ50が設けられ、警報停止スイッチ50は前述したように点検スイッチとしての機能を兼ねている。
【0096】
電池電源114は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、必要各部へ電源を供給する。電池容量としては住警器10−11における回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の寿命を保証している。
【0097】
プロセッサ100にはプログラムの実行により実現される機能として、警報制御部122と連携警報制御部124の機能が設けられる。
【0098】
警報制御部122は、センサ部108に設けた検煙部46からの煙検出信号出力に基づく火災の有無、操作部112による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部108に設けた検煙部46からの煙検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧の有無、図示しない各種監視回路からの信号に基づくセンサ障害や故障、ローバッテリー障害有無等の事象を検知する。また警報制御部122は第1受信回路118で受信した他の住警器10−12からの連動信号を解読して連動信号有効受信の有無およびその連動内容等の情報を検知する。
【0099】
また警報制御部122は、センサ部108に設けた検煙部46の煙検出信号に基づき火災(有り)を検知した場合に、報知部110に対しスピーカ120から連動元を示す火災警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です 確認して下さい」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED52を点灯させて連動元を示す火災警報表示を行わせる制御を行い、また、第1通信部102の第1送信回路116から第1通信プロトコルに従った火災連動信号を他の住警器10−12及び電力スマートメータ14−1へ送信させる。
【0100】
また警報制御部122は、第1通信部102の第1受信回路118で受信した他の住警器10−12からの第1通信プロトコルに従った火災連動信号を解読して有効受信を検知した場合に、連動先を示す警報動作として報知部110のスピーカ120から連動先としての警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED52を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行わせる制御を行う。また更に、第1送信回路116に、連動元からの火災連動信号を受信したことに伴う応答信号(返信)としてACK信号を送信させる制御を行う。
【0101】
また警報制御部122は、連動元を示す火災警報音の出力中に警報停止スイッチ50の操作を検知した場合、報知部110を制御してスピーカ120からの警報音出力とLED52の警報表示出力による火災警報動作を停止させると共に、第1通信部102の第1送信回路116に対して第1通信プロトコルに従った警報停止連動信号を他の住警器10−12へ送信させる。
【0102】
なお、住警器10−11は、連動元を示す火災警報音の出力中に他の住警器10−12からの警報停止連動信号の有効受信を警報制御部122で検知した場合、警報制御部122は火災警報音と火災警報表示のうち少なくとも一方を、少なくとも所定期間が経過するまで停止せずに出力維持し、連動元が識別できるようにする。
【0103】
また警報制御部122は、連動先を示す警報音の出力中に警報停止スイッチ50の操作又は他の住警器10−12からの警報停止連動信号の有効受信を検知した場合、報知部110を制御してスピーカ120からの音声メッセージによる警報音とLED52の警報表示による火災警報動作を停止させる。さらに、火災連動信号受信時と同様に、警報停止連動信号受信に伴うACK信号を返信する。
【0104】
なお、後述する各ケースでも同様であるので、住警器間の通信に伴うACK信号の返信については説明を省略する。なお、住警器10と電力スマートメータ14間の通信においても同様にACK信号の送受信処理を行うようにすることができるが、これも説明を省略する。また、通信のリトライやタイムアウト処理等についても適宜行うようにすることができるが、本明細書では説明を省略している。
【0105】
また警報制御部122には、図示しない電圧監視回路と協働して電池電源114から供給される電源電圧が所定レベル未満となるローバッテリー障害の監視機能が設けられ、このローバッテリー障害監視はビルトインテストとしてバックグラウンドで周期的に自動実行され、その都度、結果がメモリ44に更新記録されている。
【0106】
また警報制御部122は、通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチ50の操作による点検指示操作(点検指示入力)を検知した場合、メモリ106にローバッテリー障害フラグ又はセンサ障害フラグがセット記憶されていることを判別した場合には、報知部110からローバッテリー障害警報又はセンサ障害警報を出力させ、更に、第1通信部102の第1送信回路116から第1通信プロトコルに従ってローバッテリー障害連動信号又はセンサ障害連動信号を他の住警器10−12、電力スマートメータ14−1へ送信して障害連動先を示すローバッテリー障害警報又はセンサ障害警報を出力させる。
【0107】
もちろん、ローバッテリー障害やセンサ障害は、点検指示操作によらずビルトインテストでその障害を検知した時点で報知、連動信号送信するようにしても良い。
【0108】
ローバッテリー障害やセンサ障害以外にも、各種の回路故障や経年劣化等の障害を検知して同様の処理を行わせることができる。
【0109】
連携警報制御部124は、第1通信部102の第1受信回路118で受信した電力スマートメータ14−1からの第1通信プロトコルに従った火災連携連動信号を解読して有効受信を検知した場合、報知部110を制御して他システム火災警報を出力させる。
【0110】
この他システム火災警報としては例えば「ウーウー 住戸Bの火災警報器が作動しました 確認してください」といった住戸を特定した音声メッセージをスピーカ120から繰り返し出力させると共に、LED52を点滅させて火災警報表示を行わせる。ここで、既に説明したとおり、「住戸B」の、どの住警器が火災を検知したかまで特定して報知することもできる。
【0111】
また連携警報制御部124は、第1通信部102の第1受信回路118で受信した電力スマートメータ14−1からの第1通信プロトコルに従った火災復旧連携連動信号を解読して有効受信を検知した場合、報知部110を制御して他システム火災警報を停止させる。
【0112】
また連携警報制御部124は、第1通信部102の第1受信回路118で受信した電力スマートメータ14−1からの第1通信プロトコルに従った警報停止連携連動信号を解読して有効受信を検知した場合、報知部110を制御して他システム火災警報を停止させる。
【0113】
また連携警報制御部124は、第1通信部102の第1受信回路118で受信した電力スマートメータ14−1からの第1通信プロトコルに従った障害連携連動信号を解読して有効受信を検知した場合、報知部110に指示してローバッテリー障害またはセンサ障害を示す他システム障害警報を出力させる。障害警報の復旧、警報停止については、火災復旧、火災警報停止の場合と同様である。
【0114】
図6は本発明で用いる電力スマートメータ14−1の実施形態を示した要部構成ブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能の任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0115】
また図6では、住宅12−1に設置した電力スマートメータ14−1について示しているが、住宅12−2に設置した電力スマートメータ14−2についても同様の構成となる。
【0116】
図6において、電力スマートメータ14−1には商用交流電源を入力するインレット200と、インレット200から入力した商用交流電源を分電盤に出力するアウトレット202が設けている。インレット200からアウトレット202に至る電源ラインには電力測定部204を設け、アウトレット202から分電盤を経て家庭内負荷(電気機器)へ供給される交流電力の消費状況を測定している。
【0117】
また電力スマートメータ14−1にはプロセッサ206、第1通信部208及び第2通信部212を設けている。第1通信部208にはアンテナ210を接続した第1送信回路228と第1受信回路230を設け、図5に示した住警器10−11の第1通信部102と同様、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した第1通信プロトコルに従って火災、火災復旧、警報停止、障害などの各種の連動信号を同住宅の住警器10−11,10−12との間で送受信し、また第1通信プロトコルに従って火災、火災復旧、警報停止、障害などの各種の連携連動信号を同住宅の住警器10−11,10−12へ送信する。
【0118】
第2通信部212にはコネクタ214を介して、インターネット22に繋がるADSLや光電話などの通信回線(伝送路)216を接続した第2送信回路232と第2受信回路234を設け、回線216を介してインターネットサービスプロバイダ(ISP)の保有するサーバを経由して、図1に示した電力会社サーバ24との間で本実施形態の第2通信プロトコルであるインターネット通信プロトコルに従って信号を送受信する。
【0119】
電力測定部204は例えば電流センサで検出された電流検出信号を所定の演算部で所定演算して使用電力量及び積算使用電力量を算出し、これら使用電力情報をプロセッサ206に使用電力情報として出力してメモリ222に記憶させている。なお、電力測定部204として電流センサのみを設け、使用電力及び使用電力量を積算する機能はプロセッサ206によるプログラムの実行による機能として実現しても良い。
【0120】
プロセッサ206にはプログラムの実行により実現する機能として、メータ制御部236と連携通信制御部238を設けている。メータ制御部236は第2通信部212の第2受信回路234により図1の電力会社サーバ24からの検針要求信号を受信し、これを解読して検針要求信号の有効受信を検知した場合、そのときメモリ222に記憶している電力測定部204で算出した使用電力量及び積算使用電力量を含む使用電力情報を読み出し、当該使用電力情報及び電力会社サーバ24のIPアドレスを含む第2通信プロトコルに従った検針応答信号を生成し、第2通信部212の第2送信回路232を制御して、通信回線216からインターネット22を経由して電力会社サーバ24へ送信させる。
【0121】
なお、電力測定部204における消費電力や消費電力等の演算はその一部又は全部を電力会社サーバ24側で行うようにしても良く、この場合例えば第2送信回路232から電力会社サーバ24へ送信する信号は演算完了前のデータ、例えば電流検出データを含む検針応答信号となる。
【0122】
連携通信制御部238は、第1通信部208の第1受信回路230により住警器10から第1通信プロトコルに従った火災連動信号を受信した場合に、当該受信信号を解読することで有効受信を検知すると、当該火災連動信号を第2通信プロトコルに従う、電力会社サーバ24のIPアドレスを宛先とする火災連携連動信号に変換し、第2通信部212の第2送信回路232に指示してこれを通信回線216からインターネット22を経由して電力会社サーバ24へ送信させる。電力会社サーバ24は、これを受け住宅12−2の電力スマートメータ14−2へ第2通信プロトコルで転送することになる。
【0123】
また、連携通信制御部238は、第1通信部208の第1受信回路230により住警器10から第一通信プロトコルに従う火災復旧、警報停止又は障害、障害復旧等を示す連動信号を受信した場合に、当該受信信号を解読することで有効受信を検知すると、有効受信した当該連動信号を第2通信プロトコルに従う、電力会社サーバ24のIPアドレスを宛先とする火災復旧、警報停止又は障害、障害復旧等を示す連携連動信号に変換し、第2通信部212の第2送信回路234に指示して、第2通信プロトコルに従って通信回線216からインターネット22を経由して電力会社サーバ24へ送信させる。電力会社サーバ24は、これを受け住宅12−2の電力スマートメータ14−2へ第2通信プロトコルで転送することになる。
【0124】
また、連携通信制御部238は、別の住宅12−2の警報システムに設けた例えば住警器10−21による火災検知に基づき電力スマートメータ14−2、インターネット上の電力会社サーバ24、通信回線216を経由して第2通信プロトコルに従った火災連携連動信号を第2通信部212の第2受信回路234で受信した場合に、これを解読して有効受信を検知すると、当該火災連携連動信号を第1通信プロトコルに従った火災連携連動信号に変換し、第1通信部208の第1送信回路228に指示して住警器10−11,10−12へ送信させる。これを受信した住警器10−11,10−12は他システム火災警報を出力することになる。
【0125】
また、連携通信制御部238は、別の住宅12−2に設けた例えば住警器10−21による火災復旧、警報停止又は障害、障害復旧等の検知に基づき電力スマートメータ14−2、インターネット上の電力会社サーバ24、通信回線216を経由して第2通信プロトコルに従った火災復旧、警報停止又は障害、障害復旧等を示す連携連動信号を第2通信部212の第2受信回路234で受信した場合に、これを解読して有効受信を検知すると、当該連携連動信号を第1通信プロトコルに従った火災連携連動信号に変換し、第1通信部208の第1送信回路228に指示して住警器10−11,10−12へ送信させる。これを受信した住警器10−11,10−12は信号の内容に応じ他システム火災警報を停止するか、または他システム障害警報を出力することになる。
【0126】
また、連携通信制御部238は、図3に示した携帯電話32の火災警報画面300に設けた警報停止釦314の操作に伴い電力会社サーバ24、通信回線216を経由して送られてくる警報停止連携連動信号を第2通信部212の第2受信回路234で受信した場合に、これを解読して有効受信を検知すると、当該警報停止連携連動信号を第1通信プロトコルに従った警報停止連携連動御信号に変換し、第1通信部208の第1送信回路228に指示して住警器10−11,10−12へ送信させる。これを受けた住警器10−11,10−12では住戸火災警報を停止させることになる。
【0127】
またプロセッサ206に対しては表示部218、操作部220、メモリ222を設けている。表示部218は図示しない駆動回路を介し、プロセッサ206の制御を受けて電力測定部204で測定算出された電力使用量や積算使用電力量等の使用電力情報を例えばデジタル表示する。また、電力スマートメータ14−1は、電源回路部224及び予備電源部226を備えており、電源回路部224はインレット200を介して供給される商用交流電源から所定の直流電源を生成してプロセッサ206、第1通信部208、第2通信部212その他必要各部へ供給する。予備電源部226は電源回路部224により充電される2次電池を備え、交流電源の停電時にはこれにより電源供給をバックアップし、少なくとも連携警報機能を可能な限り維持するようにしている。
【0128】
図7及び図8は図5の住警器10−11の処理の概略を例示したフローチャートである。なお、このフローチャートでは先に説明したACK信号の送受信とそれに伴う処理は省略している。
【0129】
図7において、住警器10−11の電池電源114による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、各種設定の読み込み等を実行し、異常がなければステップS2に進み、火災の有無を検知している。ステップS1で初期化異常があった場合には報知部110でその旨を報知して動作を途中停止するか、或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0130】
ステップS2において、センサ部108に設けた検煙部46から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災有りが検知されてステップS3に進み、連動元火災警報処理を行う。ステップS3の連動元火災警報処理は、第1通信プロトコルに従った火災連動信号を生成して他の住警器10−12及び電力スマートメータ14−1に無線送信すると共に、自己の警報動作として報知部110のスピーカ120から音声メッセージ等による警報音とLED52の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0131】
なお、ステップS3の連動元火災警報処理で電力スマートメータ14−1へ送信された第1通信プロトコルに従った火災連動信号は、第2無線通信プロトコルに従った火災連携連動信号に変換され、電力会社サーバ24を経由して住宅12−2の電力スマートメータ14−2へ送信され、そこで第1通信プロトコルに従った火災連携連動信号に変換されて住警器10−21,10−22へ送信されて他システム火災警報を出力させる。
【0132】
続いて、ステップS4で検煙部16からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧検知の有無を判別しており、火災復旧検知を判別するとステップS5に進み、火災復旧処理を行う。ステップS5の火災復旧処理は、第1通信プロトコルに従った火災復旧連動信号を他の住警器10−12及び電力スマートメータ14−1へ送信すると共に、スピーカ120からの警報音とLED52の点灯による連動元を示す火災警報を停止する。ここで、LED22による警報表示は警報音の停止から所定時間経過後に消灯しても良い。
【0133】
なお、ステップS5の火災復旧処理で電力スマートメータ14−1へ送信された第1通信プロトコルに従った火災復旧連動信号は、第2無線通信プロトコルに従った火災復旧連携連動信号に変換され、電力会社サーバ24を経由して住宅12−2の電力スマートメータ14−2へ送信され、そこで第1通信プロトコルに従った火災復旧連携連動信号に変換されて住警器10−21,10−22へ送信されて他システム火災警報を停止させる。
【0134】
続いてステップS6で警報停止スイッチ20の警報停止指示操作検知の有無を判別しており、スイッチ操作検知を判別するとステップS7に進み、警報停止処理を行う。ステップS7の警報停止処理は、第1通信プロトコルに従った警報停止連動信号を他の住警器10−12及び電力スマートメータ14−1へ送信すると共に、自己のスピーカ120からの連動元を示す警報音出力を停止し、LED52の点灯による警報表示を消灯する。この場合、LED22による警報表示は警報音の停止からは所定時間経過後に消灯しても良い。
【0135】
なお、ステップS7の警報停止処理で電力スマートメータ14−1へ送信された第1通信プロトコルに従った警報停止連動信号は、第2無線通信プロトコルに従った警報停止連携連動信号に変換され、電力会社サーバ24を経由して住宅12−2の電力スマートメータ14−2へ送信され、そこで第1通信プロトコルに従った警報停止連携連動信号に変換されて住警器10−21,10−22へ送信されて他システム火災警報を停止させる。
【0136】
続いてステップS8に進み、他の住警器10−12から送信または中継送信された第1通信プロトコルに従った火災連動信号の有効受信検知の有無を判別している。他の住警器10−12からの火災連動信号の有効受信検知を判別すると、ステップS9に進み、連動先火災警報処理を行い、連動先を示す火災警報として自己の報知部1100のスピーカ120から音声メッセージ等による警報音を出力し、例えばLED52の点滅による警報表示を行う。このとき、必要に応じて他の住警器への中継送信或いは再中継送信を行うが、説明を省略する。ステップS11、S13についても同様である。
【0137】
次にステップS10で他の住警器10−12から送信または中継送信された第1通信プロトコルに従った火災復旧連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、火災復旧連動信号の有効受信検知を判別すると、ステップS11に進み、連動元火災復旧処理として、自己のスピーカ120からの連動先を示す警報音出力を停止し、LED52の点滅による警報表示を消灯する。
【0138】
次に図8のステップS12に進み、他の住警器10−12から送信または中継送信された第1通信プロトコルに従った警報停止連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、警報停止連動信号の有効受信検知を判別すると、ステップS13に進み、連動警報停止処理として、自己のスピーカ120からの連動先を示す警報音出力を停止し、LED52の点滅による警報表示を消灯する。
【0139】
続いてステップS14に進み、電力スマートメータ14−1から第1通信プロトコルに従った送信された他の住宅12−2の例えば警報器10−21の火災検知に基づく火災連携連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、火災連携連動信号の有効受信検知を判別すると、ステップS15に進み、住戸間火災警報処理(警報動作)として、自己の報知部110のスピーカ120から音声メッセージ等による他システム火災警報音を出力し、例えばLED52の点滅による警報表示を行う。
【0140】
続いてステップS16に進み、電力スマートメータ14−1から第1通信プロトコルに従って送信された他の住宅12−2の警報器10−21の火災復旧検知に基づく火災復旧連携連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、火災復旧連携連動信号の有効受信検知を判別するとステップS17に進み、住戸間火災復旧処理としてスピーカ120からの他システム火災警報音を停止し、例えばLED22の点滅による警報表示を停止する。
【0141】
続いてステップS18に進み、電力スマートメータ14−1から第1通信プロトコルに従って送信された他の住宅12−2の警報器10−21の警報停止操作検知に基づく警報停止連携連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、警報停止連携連動信号の有効受信検知を判別するとステップS19に進み、住戸間警報停止処理としてスピーカ120からの他システム火災警報音を停止し、例えばLED22の点滅による警報表示を停止する。
【0142】
続いてステップS20に進み、住警器10−11自身で障害検知(ローバッテリー障害検知またはセンサ障害検知)を判別した場合、他の住警器10−12から第1通信プロトコルに従い障害連動信号の有効受信検知を判別した場合、または電力スマートメータ14−1から第1通信プロトコルに従った障害連携連動信号の有効受信検知を判別した場合、ステップS21に進み、障害警報処理を行う。
【0143】
ステップS21の障害警報処理は、住警器10−11自身で障害検知を判別した場合は、連動元を示す障害警報を警報音と警報表示で行うと共に、第1通信プロトコルに従った障害連動信号を生成して他の住警器10−12及び電力スマートメータ14−1へ送信する。
【0144】
また他の住警器10−12から第1通信プロトコルに従った障害連動信号の有効受信検知を判別した場合は、連動元を示す障害警報を警報音出力と警報表示で行う。
【0145】
更に、電力スマートメータ14−1から第1通信プロトコルに従った障害連携連動信号の有効受信検知を判別した場合は、自己の報知部110のスピーカ120から音声メッセージ等による他システム障害警報音を出力し、例えばLED52の点滅による障害警報表示を行う。
【0146】
図9は本発明の警報連携システムに使用する図6の電力スマートメータ14−1の処理の概略を例示したフローチャートである。
【0147】
図9において、電力スマートメータ14−1の電源回路部224による電源供給が開始されると、ステップS31で初期化、自己診断、各種設定の読み込み等を実行し、異常がなければステップS32に進み、電力測定処理を実行する。ステップS31で初期化異常があった場合には表示部218でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS31の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0148】
ステップS32の電力測定処理にあっては、電力測定部204により家庭で使用している使用電力量と積算電力量を求めてメモリ222に保存する。
【0149】
続いてステップS33で電力会社サーバ24からの第2通信プロトコルに従った検針要求信号の有効受信検知の有無を判別しており、検針要求信号の有効受信検知を判別するとステップS34に進み、メモリ222から使用電力量と積算電力量を使用電力情報として読み出し、当該使用電力情報を含む第2通信プロトコルに従った検針応答信号を生成し、インターネット22を経由して電力会社サーバ24へ送信する。
【0150】
続いてステップS35で第1通信プロトコルに従った火災、火災復旧、警報停止、または障害を示す連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、いずれかの連動信号の有効受信検知を判別するとステップS36に進み、第2通信プロトコルに従った火災、火災復旧、警報停止または障害を示す電力会社サーバ24のIPアドレスを宛先とした連携連動信号に変換し、インターネット24を経由して電力会社サーバ24へ送信する。
【0151】
続いてステップS37でインターネット22を経由して電力会社サーバ24から送信された第2通信プロトコルに従った火災、火災復旧、警報停止、または障害を示す連携連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、いずれかの連携連動信号の有効受信検知を判別するとステップS38に進み、第1通信プロトコルに従った火災、火災復旧、警報停止または障害を示す連携連動信号に変換し、住警器10−11,10−12へ送信して他システムに対応した火災警報、警報停止または書外警報を行う。
【0152】
図10は図1に示した電力会社サーバ24の処理の概略を例示したフローチャートである。図10において、電力会社サーバ24が電源投入により起動すると、ステップS41で初期化、自己診断、各種設定の読み込み等を実行し、異状がなければステップS42に進み、検針先を設定する。この検針先の設定は、データベース36に格納している電力需要者が設置している電力スマートメータ14のIPアドレスを順番に選択して設定する。
【0153】
続いてステップS42に進み、データベース36から取得した電力スマートメータ14のIPアドレスを検針先とする検診要求信号を生成し、第2通信プロトコルに従って電力スマートメータ14へ送信する。この検針要求信号の送信は、電力需要者毎に例えば1週間に1回となる頻度で送信される。
【0154】
続いてステップS44で電力スマートメータ14からの検針応答信号の有効受信検知の有無を判別しており、検針応答信号の有効受信検知を判別するとステップS45に進み、有効受信した検針応答信号を解読して使用電力量及び積算使用電力量を取得し、データベース36に使用電力情報として格納する。データベース36に格納された使用電力情報は、所定のタイミングで例えば電力会社のデータセンタの処理装置に転送し、課金と決済処理が行われる。
【0155】
続いてステップS46で住警器10(の何れか。以下同じ。)の火災検知に基づく電力スマートメータ14からの火災連携連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、火災連携連動信号の有効受信検知を判別するとステップS47に進み、火災連携連動処理を行う。
【0156】
ステップS47の火災連携連動処理は、火災連携連動信号から取得した送信元符号またはグループ符号などによるデータベース36の検索により、連携先となる警報システムに設けた電力スマートメータのIPドレス及び利用者端末としての携帯電話番号を取得し、連携先となる警報システムの電力スマートメータに火災連携連動信号を送信して住警器から他システム火災警報を出力させると共に、検索した携帯電話番号に基づき利用者の携帯電話に火災警報信号を送信して警報表示させる。
【0157】
続いてステップS48で住警器10の火災復旧検知に基づく電力スマートメータ14からの火災復旧連携連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、火災復旧連携連動信号の有効受信検知を判別するとステップS49に進み、ステップS47と同様にして、連携先となる警報システムの電力スマートメータに火災復旧連携連動信号を送信して住警器からの他システム火災警報を停止させると共に、検索した携帯電話番号に基づき利用者の携帯電話に火災復旧信号を送信して警報停止させる。
【0158】
続いてステップS50で住警器10の警報停止操作の検知に基づく電力スマートメータ14からの警報停止連携連動信号の有効受信検知の有無を判別しており、警報停止連携連動信号の有効受信検知を判別するとステップS51に進み、ステップS47と同様にして、連携先となる警報システムの電力スマートメータに警報停止連動信号を送信して住警器からの他システム火災警報を停止させると共に、検索した携帯電話番号に基づき利用者の携帯電話に警報停止信号を送信して警報停止させる。
【0159】
続いてステップS52で住警器10のローバッテリー障害などの障害検知に基づく電力スマートメータ14からの障害連携連動信号の有効受信検知を判別した場合、ステップS53に進み、ステップS47と同様にして、連携先となる警報システムの電力スマートメータに障害連携連動信号を送信して住警器からの他システム障害警報を出力させると共に、検索した携帯電話番号に基づき利用者の携帯電話に障害警報信号を送信して障害警報を出力させる。
【0160】
図11は本発明による警報連携システムの他の実施形態における概略構成を示した説明図であり、本実施形態にあっては、電力スマートメータに設けた第2通信プロトコルによる広域通信機能(第2通信部の機能)として、携帯電話網と公衆無線LAN網を使用するようにしたことを特徴とする。またネットワーク上のサーバとして、電力会社サーバ以外に警報連携専用の異状監視サーバを設けたことを特徴とする。
【0161】
図11において、住宅12−1,12−2には警報システムを構築する住警器10−11〜10−22と、電力スマートグリッドシステムの電力スマートメータ14−1,14−2を設置しており、住警器10−11〜10−22は図1の実施形態と同じになる。また電力スマートグリッドシステムで使用する電力会社サーバ24の他に連携警報を制御する専用の異状監視サーバ26をインターネット24に接続している。電力会社サーバ24は検針処理部34とデータベース36を備え、この点は図1の実施形態と同様である。具体的には図10に示したステップS42〜S45の検針処理を実行する。
【0162】
異状監視サーバ26には連携制御部38とデータベース40が設けられ、連携制御部38は図1の場合と同様であり、具体的には、図10のステップS46〜S53の警報連携制御を実行する。
【0163】
住宅12−1,12−2に設けた本実施形態の電力スマートメータ14は、第2通信部として携帯電話通信機能を備えており、携帯電話基地局30、携帯電話網28及びインターネット22を経由して電力会社サーバ24及び異状監視サーバ26との間で信号を送受信することができる。
【0164】
電力スマートメータ14の第2通信部による携帯電話通信機能は、例えば3G通信として知られた第3世代移動通信となる国際電気通信連合(ITU)が定めるIMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)規格に準拠した携帯態電話通信機能とする。
【0165】
また、電力スマートメータ14は、第2通信部として公衆無線LAN通信機能も備えており、公衆無線LAN通信網60に設けたアクセスポイント62を経由してインターネット22上の電力会社サーバ24及び異状監視サーバ26との間で信号を送受信することもできる。
【0166】
電力スマートメータ14の携帯電話通信機能と公衆無線LAN通信機能は自動又は手動により切替でき、携帯電話網28のサービス圏では携帯電話通信機能を選択し、公衆無線LAN網60のサービス圏では公衆無線LAN通信機能を選択する。この切替は自動切替としても良いし、手動切替としても良い。
【0167】
このように電力スマートメータ14は外部の電力会社サーバ24及び異状監視サーバ26と携帯電話網28または公衆無線LAN網60といった広域無線通信網を使用して接続できることで、電話回線によるインターネット22との接続を不要とし、電力スマートメータ14の設置が簡単且つ低コストで実現できる。電力スマートメータ14の広域無線通信機能以外の点は図1の実施形態と同じになる。
【0168】
ここで、図11における各通信経路を整理すると、住宅12−1においては、住警器10−11と住警器10−12の間は第1通信プロトコルによる通信経路11aとなり、住警器10−11,10−12と電力スマートメータ14−1との間は同じく第1通信プロトコルにより通信経路11bとなり、また住宅12−1は例えば携帯電話網28のサービス圏にあるため、電力スマートメータ14−1と携帯基地局30との間は携帯電話通信プロトコル(第2通信プロトコルの1形態)による通信経路11cとなる。
【0169】
また住宅12−2においては、住警器10−21と住警器10−22の間は第1通信プロトコルによる通信経路11aとなり、住警器10−21,10−22と電力スマートメータ14−2との間は同じく第1通信プロトコルにより通信経路11bとなり、また住宅12−2は例えば公衆無線LAN網60のサービス圏にあるため、電力スマートメータ14−21とアクセスポイント62との間は公衆無線LAN通信プロトコル(第2通信プロトコルの他形態)による通信経路11dとなる。
【0170】
なお、図11のサーバ構成を図1の実施形態に設けても良く、また図1のサーバ構成を図11の実施形態に設けても良い。
【0171】
図12は図11の警報連携システムに設けた電力スマートメータ14−1の実施形態を示した概略構成のブロック図である。図12において、電力スマートメータ14−1は、インレット200、アウトレット202、電力測定部204、プロセッサ206、第1通信部208、第2通信部212、表示部218、操作部220、メモリ222、電源回路部224及び予備電源部226を備え、第2通信部212以外は図6の実施形態と同様である。
【0172】
第2通信部212には、アンテナ242を接続した携帯電話通信部240と、アンテナ246を接続した無線LAN通信部242を設け、携帯電話網28のサービス圏であれば携帯電話通信部240を選択して動作状態とし、電力会社サーバ24からの検針要求信号と応答信号の送受信と、異状監視サーバ26との間の火災、火災復旧、警報停止または障害を示す連携連動信号の送受信を第2通信プロトコルの1形態となる携帯電話通信プロトコルに従って行う。
【0173】
一方、公衆無線LAN網60のサービス圏であれば無線LAN通信部244を選択して動作状態とし、電力会社サーバ24からの検針要求信号と応答信号の送受信と、異状監視サーバ26との間の火災、火災復旧、警報停止または障害を示す連携連動信号の送受信を第2通信プロトコルの他形態となる公衆無線LAN通信プロトコルに従って行う。それ以外の点は図6の電力スマートメータ14の実施形態と同様になる。
【0174】
なお、上記の実施形態は2住宅に設置した警報システムの警報連携を例にとるものであったが、必要に応じて3住宅、4住宅というように適宜の数の住宅警報システムを、電気機器の電力使用量の検針等を行う電力スマートグリッドシステムを利用して連携させることができる。各住宅に配置する警報システムは、住宅毎に、1台の警報器からなるものであっても、3台以上の警報器を連動可能としたものであっても良い。
【0175】
また、連携に係る通信は、一方の警報システムから他方の警報システム、或いは1の警報システムから他の警報システムへの一方向伝送としても良い。つまり、本発明は、少なくとも所定の警報システムで異状が検知された場合に、他の警報システムへ連携連動信号が送信されて、これに基づき当該他の警報システムで「他システム警報動作」が行われるようにすればよく、この逆方向の伝送による連携関係を必須としない。
【0176】
また上記の実施形態にあっては、電力スマートメータに住警器との間で第1通信プロトコルに従って信号を送受信する第1通信部を設けているが、電力スマートメータに第1通信部を設けず、電力スマートメータと警報器の通信を仲介する中継アダプタを設けるようにしても良い。この中継アダプタは、住警器からの第1通信プロトコルに従った信号を受信して第2通信プロトコルに従った信号に変換して電力スマートメータへ送信し、また電力スマートメータからの第2通信プロトコルに従った信号を受信して第1通信プロトコルに従った信号に変換して住警器へ送信する。
【0177】
また、上記の実施形態における電力スマートメータは、外部ネットワーク上のサーバと間で第2通信プロトコルに従って信号を送受信する第2通信部を備えているが、この第2通信部を分離して独立した通信アダプタとして構成し、通信アダプタに電力スマートメータを所定のインタフェースを使用して信号線接続するようにしても良い。
【0178】
また、電力スマートメータとして近距離無線通信網(センサネットワークを含む)との通信機能を備えた宅内用電力スマートメータと、外部の広域無線通信網との通信機能を備えた広域用電力スマートメータの2種類を準備し、1台の広域用電力スマートメータと複数台の宅内用電力スマートメータをグループ化し、複数台の宅内用電力スマートメータの多段中継により広域用電力スマートメータを経由して外部の広域無線通信網との間の通信を行うようにしても良い。この場合、広域用電力スマートメータを、電力メータの機能を持たない広域用通信アダプタとしても良い。
【0179】
また、上記の実施形態は、連携警報を行う利用者端末として携帯電話を例にとっているが、インターネットに接続可能なコンピュータ装置などの適宜の端末を含む。
【0180】
また上記の実施形態における警報システムは異状として火災を検知して警報する住警器の連動システムを例にとるものであったが、住警器以外の火災警報器、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器、地震警報器(緊急地震放送受信機など)、その他任意の警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。更に、これらの警報器に加え中継装置や受信装置を含むシステムにも適用できる。
【0181】
また図5の住警器10−11にあっては、検煙部46を備え、火災に伴い発生する煙を検出して監視領域の火災を検知する煙式火災警報器を例に取っているが、これ以外に火災に伴う熱を検出するサーミスタ等の温度検知素子を備えた熱式火災警報器、火災に伴うその他の環境変化を検知する火災警報器、火災以外にガス漏れを検知する警報器、侵入者や地震その他の異状を検知する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。
【0182】
また、警報器の連動や各部の連携に係る通信は無線によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。このとき、各通信プロトコルはそれらに適合したものに代えれば良い。また、インターネットについても、本発明の機能を実現できる他のネットワークに代えることができる。
【0183】
また、本発明の機器連携システムは、警報システムを構成する警報器が1台であることを妨げない。
【0184】
また上記の実施形態における電力スマートグリッドシステムは、需要者の使用電力を測定して自動検針する場合を例にとるものであったが、センサネットワークにより各種の環境変化を検知してエアコン等の家電機器を最適制御するといった適宜のHEMSと連携することもできる。もちろん、電力管理制御とこのような環境管理制御とを複合的に行う連携システムとしても良い。
【0185】
また、上記実施形態における各第2無線通信部としては、必ずしも市販の無線送受信チップを用いる必要は無く、その機能を実現できれば他のモジュールや回路ブロック等を採用することができる。
【0186】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定処理やその他の処理を挿入する等ができる。
【0187】
また、上記実施の形態で示したプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
【0188】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報システムと機器管理システムの連携にも適用できる。
【0189】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0190】
10−11〜10−22:住警器
12−1,12−2:住宅
14−1,14−2:電力スマートメータ
16:分電盤
22:インターネット
24:電力会社サーバ
26:異状監視サーバ
28:携帯電話網
30:携帯電話基地局
32:携帯電話
34:検針処理部
36,40:データベース
38:連携制御部
46:検煙部
50:警報停止スイッチ
60:公衆無線LAN通信網
62:アクセスポイント
100,206:プロセッサ
102,208第1通信部
104,210,242,246:アンテナ
106:メモリ
108:センサ部
110:報知部
112:操作部
114:電池電源
116,228:第1送信回路
118,230:第1受信回路
122:警報制御部
124:連携制御部
212:第2通信部
232:第1送信回路
234:第1受信回路
236:メータ制御部
238:連携通信制御部
240:携帯電話通信部
244:無線LAN通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムと、
通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムと、
を設け、
前記複数の警報システムを、前記電力スマートグリッドシステムの電力スマートメータを経由して連携させたことを特徴とする警報連携システム。
【請求項2】
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムと、
通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムと、
を設け、
前記複数の警報システムを、前記電力スマートグリッドシステムの電力スマートメータ及びネットワーク上のサーバを経由して連携させたことを特徴とする警報連携システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の警報連携システムに於いて、前記複数の警報システム間の連携は、前記複数の警報システムのうち、任意の警報システムで異状が検知された場合に、当該警報システム以外の他の警報システムで警報することを特徴とする警報連携システム。
【請求項4】
請求項2記載の警報連携システムに於いて、前記サーバは、前記電力スマートメータを経由して前記複数の警報システムのいずれかで検知した異状を受信した場合、他の警報システムの利用者が保有する利用者端末から異状警報を出力させることを特徴とする警報連携システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の警報連携システムに於いて、前記警報システムの一部または全部は、同一の前記警報システム内に設けられた複数の警報器を連動動作させることを特徴とする警報連携システム。
【請求項6】
請求項1又は2記載の警報連携システムに於いて、前記警報器は同一の警報システム内に設けられた警報器間の信号を中継することを特徴とする警報連携システム。
【請求項7】
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを、電力スマートグリッドシステムの通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータを経由して連携させたことを特徴とする警報連携方法。
【請求項8】
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを、電力スマートグリッドシステムの通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータ及びネットワーク上のサーバを経由して連携させたことを特徴とする警報連携方法。
【請求項9】
請求項7又は8記載の警報連携方法に於いて、前記複数の警報システム間の連携は、前記複数の警報システムのうち、任意の警報システムで異状が検知された場合に、当該警報システム以外の他の警報システムで警報することを特徴とする警報連携方法。
【請求項10】
請求項8記載の警報連携方法に於いて、前記サーバは、前記電力スマートメータを経由して前記複数の警報システムのいずれかで検知した異状を受信した場合、他の警報システムの利用者が保有する利用者端末から異状警報を出力させることを特徴とする警報連携方法。
【請求項11】
請求項7又は8記載の警報連携方法に於いて、前記警報システムの一部または全部は、同一の前記警報システム内に設けられた複数の警報器を連動動作させることを特徴とする警報連携方法。
【請求項12】
請求項7又は8記載の警報連携方法に於いて、前記複数の警報システムの少なくとも1つは、他の警報システムとは異なる所在地に設けられることを特徴とする警報連携方法。
【請求項13】
請求項7又は8記載の警報連携方法に於いて、前記警報器は同一の警報システム内に設けられた警報器間の信号を中継することを特徴とする警報連携方法。
【請求項14】
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを、通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムを経由して連携させる警報連携システムに於いて、
前記警報器は、
異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に所定の第1通信プロトコルに従って異状連動信号を他の警報器及び前記電力スマートメータへ送信し、一方、他の警報器から送信された前記第1通信プロトコルに従った異状連動信号受信を検知した場合に、連動先を示す異状警報を出力する警報制御部と、
前記電力スマートメータから送信された前記第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合に、連携先警報システムの異状を示す異状警報を出力する連携警報制御部と、
を備え、
前記電力スマートメータは、
前記サーバからの検針要求信号の受信を検知した場合に、測定した電力使用量を前記第1通信プロトコルとは異なる所定の第2通信プロトコルに従って前記サーバへ送信するメータ制御部と、
前記警報器から送信された前記第1通信プロトコルに従った異状連動信号の受信を検知した場合に、当該異状連動信号を前記第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換して前記ネットワークへ送信し、一方、他の警報システムの電力スマートメータから前記ネットワークへ送信された前記第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合、当該異状連携連動信号を前記第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換して同じ警報システム内の前記警報器へ送信する連携通信制御部と、
を設けたこと特徴とする警報連携システム。
【請求項15】
通信機能を備えた電力メータである電力スマートメータで検知した機器の使用電力をネットワーク上のサーバへ送信して処理させる電力スマートグリッドシステムを経由して連携する複数の警報システムの各々に設けられ、異状を検知した場合に警報する警報器に於いて、
異状を検知した場合に、連動元を示す異状警報を出力すると共に所定の第1通信プロトコルに従って異状連動信号を他の警報器及び前記電力スマートメータへ送信し、一方、他の警報器から送信された前記第1通信プロトコルに従った異状連動信号受信を検知した場合に、連動先を示す異状警報を出力する警報制御部と、
前記電力スマートメータから送信された前記第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合に、連携先警報システムの異状を示す異状警報を出力する連携警報制御部と、
を備えこと特徴とする警報器。
【請求項16】
異状を検知した場合に警報する警報器を備えた複数の警報システムを連携させる電力スマートグリッドシステムに設けられた電力メータである電力スマートメータ於いて、
ネットワーク上のサーバからの検針要求信号の受信を検知した場合に、測定した電力使用量を所定の第2通信プロトコルに従って前記サーバへ送信して処理させるメータ制御部と、
前記警報器から送信された前記第2通信プロトコルとは異なる所定の第1通信プロトコルに従った異状連動信号受信を検知した場合に、当該異状連動信号を前記第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換して前記ネットワークへ送信し、一方、他の警報システムの電力スマートメータから前記ネットワークへ送信された前記第2通信プロトコルに従った異状連携連動信号の受信を検知した場合、当該異状連携連動信号を前記第1通信プロトコルに従った異状連携連動信号に変換して同じ警報システム内の前記警報器へ送信する連携通信制御部と、
を設けたこと特徴とする電力スマートメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−97492(P2013−97492A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238396(P2011−238396)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】