説明

豆腐製造用の豆乳加熱装置、及び、豆腐の製造方法

【課題】地釜及び直火を使用して製造した豆腐と同様に香ばしい風味を有する豆腐を、地釜を使用せずに連続的に大量に製造する方法、及び、そのための豆乳加熱装置を提供する。
【解決手段】樋状に形成された加熱槽2と、バーナー3と、スクレーパ4と、焦げ滓回収装置5とによって構成され、スクレーパ4は、軌道の下側を周回する羽根8が、加熱槽2の内部空間を仕切った状態で、かつ、先端側のエッジ8bを加熱槽2の底面2fに接触させた状態で、加熱槽2の始端部2a側から終端部2b側へ連続的に移動するように構成され、焦げ滓回収装置5は、無端状フィルター10が、水平軸線周りの軌道上を周回するように、かつ、加熱槽2内の豆乳中に部分的に水没するように支持され、加熱槽2の底面2fから刮げ落とされた焦げ滓を捕捉し、加熱槽2内の豆乳中から引き揚げて回収するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆腐の製造工程に使用される豆乳の加熱装置に関し、特に、香ばしい焦げ風味を有する沖縄風の豆腐の量産を可能にする豆乳加熱装置、及び、当該装置を使用して豆腐を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
豆腐の製造方法には、「煮とり法」と「生しぼり法」という方法がある。煮とり法は、呉汁(大豆を水に浸けて軟化させた後、磨り潰したもの)を加熱し、その後、濾過工程を行って「おから」を取り除き、豆乳を得るというものであり、生しぼり法は、呉汁を濾過して得た豆乳(生豆乳)を加熱するというものである。
【0003】
沖縄においては、古くから生しぼり法によって豆腐が製造されており、豆乳の加熱工程(加熱処理)は、現在も、豆乳を入れた地釜を直火で加熱するという伝統的な方法によって行われることが多い。この伝統的な方法による場合、加熱工程において豆乳に香ばしい焦げ風味が加わり、製造後の豆腐においてもその独特の風味が残ることになる。一方、煮とり法によって豆腐を製造した場合、加熱工程の後に濾過工程が行われるため、焦げ風味は殆ど残らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−323166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
沖縄風の香ばしい風味の豆腐を製造するためには、生しぼり法を実施するとともに、豆乳を入れた地釜を直火で加熱するという伝統的な方法により加熱工程を実施する必要があると考えられるが、この場合、量産が難しいという問題がある。具体的には、加熱工程において地釜を使用する場合、いわゆるバッチ方式となるため、大量に生産するためには、多数の地釜を同時に使用するか、或いは、時間差を置いて多数の地釜を順次加熱していくということになるが、この場合、温度管理が非常に難しくなり、品質を安定させることが難しい。
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決すべくなされたものであって、地釜及び直火を使用して製造した豆腐と同様に香ばしい風味を有する豆腐を、地釜を使用せずに連続的に大量に製造する方法、及び、そのための豆乳加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る豆乳加熱装置は、樋状に形成された加熱槽と、加熱槽の底面を加熱する加熱手段と、多数の羽根が水平軸線周りの軌道上を周回するように構成されたスクレーパと、焦げ滓回収装置とによって構成され、スクレーパは、軌道の下側を周回する羽根が、加熱槽の内部空間を長手方向へ分割するように仕切った状態で、かつ、先端側のエッジを加熱槽の底面に接触させた状態で、加熱槽の始端部側から終端部側へ連続的に移動するように構成され、焦げ滓回収装置は、無端状フィルターが、水平軸線周りの軌道上を周回するように、かつ、加熱槽内の豆乳中に部分的に水没するように支持され、羽根の先端側のエッジによって加熱槽の底面から刮げ落とされた焦げ滓を捕捉し、加熱槽内の豆乳中から引き揚げて回収するように構成されていることを特徴としている。
【0008】
尚、スクレーパの羽根は、基端側の縁部に対し、先端側のエッジを進行方向後方側へ傾斜させた状態で、加熱槽の底面に接触するように構成することが好ましく、また、加熱槽の底面のうち、焦げ滓回収装置が配置されている部位において、基準面よりも低い段差部が形成され、焦げ滓回収装置の無端状フィルターが、加熱槽内においては、当該段差部に沿って、加熱槽の底面の基準面よりも低い位置を通過するように構成することが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る豆乳の製造方法は、呉汁を濾過して得た豆乳を、上記豆乳加熱装置に連続的に供給し、加熱槽の底面において焦げが生じる程度に加熱処理を行い、加熱処理中に加熱槽の底面において生じた焦げ滓をスクレーパによって刮げ落とすとともに、焦げ滓回収装置によって回収したうえで、豆乳加熱装置から加熱処理済みの豆乳を排出し、フィルター装置により、加熱処理済みの豆乳から微細な焦げ滓を除去した後に、凝固工程を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る豆乳加熱装置は、加熱槽内に生豆乳を連続的、定量的に供給しつつ、底面において焦げが生じる程度に加熱槽を加熱することにより、加熱槽内の豆乳に対して加熱処理を行い、加熱処理後の豆乳を連続的、定量的に排出することができ、また、加熱処理によって生じる焦げを、スクレーパによって加熱槽の底面から刮げ落とすとともに、焦げ滓回収装置によって豆乳中から焦げ滓を自動的に回収することができ、その結果、地釜及び直火を使用して製造した豆腐と同様に香ばしい風味を有する豆腐を、地釜を使用せずに連続的に大量に製造することが可能となる。
【0011】
また、底面に付着した焦げを、適切なタイミングで、かつ、焦げの度合いが限度を超えない程度に、量を加減して刮げ取ることができ、焦げの度合いを好適にコントロールし、程良い風味の豆腐を安定した品質で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に係る豆乳加熱装置1(第1の実施形態)の側方断面図である。
【図2】図2は、図1に示したスクレーパ4の斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した焦げ滓回収装置5の主要部、及び、加熱槽2(焦げ滓回収装置5近傍の部位)の斜視図である。
【図4】図4は、図3に示した焦げ滓回収装置5の主要部、及び、加熱槽2(焦げ滓回収装置5近傍の部位)の断面を示す斜視図である。
【図5】図5は、図3に示した焦げ滓回収装置5の主要部の断面、及び、加熱槽2(焦げ滓回収装置5近傍の部位)の断面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に沿って本発明「豆乳加熱装置」の実施形態について説明する。図1は、本発明に係る豆乳加熱装置1(第1の実施形態)の側方断面図である。この豆乳加熱装置1は、基本的には、加熱槽2と、加熱手段(バーナー3)と、スクレーパ4と、焦げ滓回収装置5とによって構成されている。
【0014】
加熱槽2はステンレス製で、細長い樋状に形成されており(内寸:長さ5m、幅500mm、深さ150mm)、一度に350L以上の豆乳を貯留できるようになっている。また、加熱槽2の終端部2b(図1において右端の部分)には、バルブを有する排出口2cが形成されている。
【0015】
加熱槽2の下方には、バーナー3が配置されている。バーナー3は、ガス管3a及び複数のノズル3bとによって構成されており、ノズル3bは、図示されているように、加熱槽2の長手方向(図1における左右方向)に所定の間隔をおいて配列されているほか、加熱槽2の幅方向にも所定の間隔をおいて複数配列されている。
【0016】
スクレーパ4は、一対のローラー6a,6bと、これらの間に張設された無端ベルト7と、無端ベルト7の外側面に取り付けられた多数の羽根8と、図示しないモーターとによって構成されている。これらのうち、ローラー6a,6bは、加熱槽2の上縁部の僅かに上方において回転可能な状態で支持されており、モーターの駆動力を受けて所定方向(図1において反時計回り方向)へ回転するように構成されている。尚、一方のローラー6aは、図示されているように、加熱槽2の始端部2a寄りの位置に、他方のローラー6bは、加熱槽2の終端部2b寄りの位置に配置されている。
【0017】
羽根8は、図2に示すように、それぞれ矩形の板状に成形されており、横幅が、加熱槽2の内側の横幅とほぼ等しい寸法に設定されている。また、羽根8は、基端側の縁部8aが、無端ベルト7の横断方向(加熱槽2の長手方向と直交する方向)と一致する向きで無端ベルト7に取り付けられ、水平軸線(ローラー6a,6bの軸線)周りの軌道上を周回するように構成されている。尚、隣接する羽根8同士の間隔は、均一(いずれも300mm)に設定されている。
【0018】
スクレーパ4は、無端ベルト7の長さ方向が、加熱槽2の長さ方向と一致する向きで、所定の高さ位置(無端ベルト7の下側が、加熱槽2内に導入される豆乳内に水没せず、かつ、無端ベルト7の下側に取り付けられている羽根8の先端側のエッジ8bが、加熱槽2の底面2fと接触する高さ位置)において支持されている。
【0019】
焦げ滓回収装置5は、図3に示すように、四つのローラー9a〜9dと、これらの外側に張設された無端状フィルター10と、ガイドローラー12と、図示しないモーターとによって構成されている。これらのうち、無端状フィルター10は、目の粗いメッシュ状の素材を一定の幅(300mm程度)で帯状に成形したものを、長手方向の両端部を連結して環状(無端状)に構成したものである。
【0020】
ローラー9a,9dは、加熱槽2の上縁部の僅かに上方において回転可能な状態で支持されており、モーターの駆動力を受けて所定方向へ回転するように構成されている。また、ローラー9b,9cは、加熱槽2の下縁部の僅かに下方において回転可能な状態で支持されている。無端状フィルター10は、加熱槽2の上方から、加熱槽2の右側方、下側、左側方を通って、再び加熱槽2の上方へ至る水平軸線(ローラー9a〜9dの軸線)周りの軌道上を周回するように、ローラー9a〜9dの外側に張設されている。
【0021】
尚、加熱槽2のうち、殆どの部位は、幅寸法が一定(500mm)であり、また、深さ寸法も一定(150mm)であるが、焦げ滓回収装置5が配置されている部位においては、図3に示すように、左右方向へそれぞれ突出する延長部2d,2eが形成されることによって、部分的に幅寸法が大きくなっている。無端状フィルター10は、これらの延長部2d,2eの外側を通るように張設されている。
【0022】
また、無端状フィルター10は、加熱槽2内の豆乳中に部分的に水没するように支持されている。より詳細には、加熱槽2の底面2fのうち、焦げ滓回収装置5が配置されている部位(延長部2d,2e及びこれらの中間の部位)においては、加熱槽2の通常の底面2f(焦げ滓回収装置5が配置されている部位以外の底面(基準面))よりも低い段差部2gが形成されており(図1、図4、及び、図5参照)、無端状フィルター10のうち、ローラー9a,9d(加熱槽2の上方に位置するローラー)の間に張設される部分の中間部位が、図3〜図5に示すように、ガイドローラー12によって下方へ押し下げられ、加熱槽2内の段差部2gに沿って、加熱槽2の通常の底面2f(基準面)よりも低い位置を通過するように構成されている。
【0023】
本実施形態の豆乳加熱装置1は、上記のような構成に係るものであるところ、図1に示す供給口11から加熱槽2内に生豆乳を連続的、定量的に供給しつつ、底面2fにおいて焦げが生じる程度に、バーナー3によって加熱槽2の底面2fを加熱することにより、加熱槽2内の豆乳に対して加熱処理を行い、加熱処理後の豆乳を排出口2cから連続的、定量的に排出することができる。そして、加熱処理によって生じる焦げを、スクレーパ4によって加熱槽2の底面2fから刮げ落とすとともに、焦げ滓回収装置5によって豆乳中から焦げ滓を自動的に回収することができ、その結果、地釜及び直火を使用して製造した豆腐と同様に香ばしい風味を有する豆腐を、地釜を使用せずに連続的に大量に製造することが可能となる。
【0024】
より具体的に説明すると、上述の通りスクレーパ4は、羽根8の先端側のエッジ8bが加熱槽2の底面2fと接触する高さ位置において支持されており、羽根8の横幅は、加熱槽2の内側の横幅とほぼ等しい寸法に設定されているため、加熱槽2の内部空間(無端ベルト7の下側の部分)は、加熱槽2の長手方向に隣接する羽根8によって、長手方向へ分割するように仕切られた状態となっている。そして、モーターを駆動させてローラー6a,6bを所定方向(図1において反時計回り方向)へ回転させると、無端ベルト7が同方向へ回転し、無端ベルト7の外側に取り付けられている羽根8が軌道上を周回し、無端ベルト7の下側においては、軌道の下側を周回する羽根8が、加熱槽2の内部空間を長手方向へ分割するように仕切った状態で、始端部2a側から終端部2b側へ連続的に移動することになる。
【0025】
このため、加熱槽2の始端部2a付近に配置された供給口11から加熱槽2内に供給された生豆乳は、スクレーパ4の羽根8によって、終端部2b側へ向かって加熱槽2内を移送されることになる。尚、羽根8は、1分間に200mmという速度で進行するように設定されており、豆乳は、バーナー3によって加熱されながらゆっくりと移動していくことになる。そして、加熱槽2の終端部2bに達した豆乳は、十分な加熱処理が施された状態で、排出口2cから排出される。
【0026】
このように、本実施形態の豆乳加熱装置1を用いれば、生豆乳の加熱処理(従来はバッチ式で行われていた)を、連続的、定量的に行うことができる。尚、バーナー3を用いた直火による加熱処理を行うと、加熱槽2の底面2fのうち、バーナー3により加熱される部分に焦げ付きが生じることになる。この焦げ付きは、生しぼり法によって製造した豆腐における特有の風味のもとであり、沖縄風の香ばしい風味の豆腐を製造するためには、必須のファクターであるが、この焦げ付きを放置したまま加熱処理を継続すると、累積、増大し、焦げの度合いが限界を超え、焦げ臭い豆腐が製造されてしまう結果となる。つまり、加熱処理を継続的に行うにあたっては、品質を一定に保つために、焦げの度合いをコントロールする必要がある。
【0027】
本実施形態においては、スクレーパ4の羽根8の先端側のエッジ8bが、焦げ付きが生じる加熱槽2の底面2fに接触した状態で移動するように構成されているため、底面2fに付着した焦げが、一定のタイミングで刮げ取られるようになっている。また、加熱される底面2fの温度と焦げ付きの度合いとを考慮に入れたうえで、適切なタイミングで焦げを刮げ取ることができるように、羽根8の進行速度、及び、ピッチ(間隔)が設定されているため、程良い風味の豆腐を安定した品質で製造することができる。
【0028】
尚、羽根8の先端側のエッジ8bによって、底面2fの焦げを完全に刮げ取ってしまうと、十分な風味が得られなくなってしまうため、本実施形態においては、焦げの度合いが限度を超えない程度に、焦げを軽く刮げ取ることができるように、羽根8を、進行方向後方側へ寝かせた状態(基端側の縁部8aに対し、先端側のエッジ8bを進行方向後方側へ傾斜させた状態)で底面2fに接触させている。
【0029】
羽根8の先端側のエッジ8bによって刮げ取られた焦げ滓は、豆乳よりも比重が大きいため、加熱槽2の底面2f付近に滞留し、スクレーパ4の羽根8により、加熱槽2の終端部2bへ向かって移送されていくことになる。そして、加熱槽2の終端部2bの手前側には、図1に示すように焦げ滓回収装置5が配置されており、加熱槽2の底面2fに沿って移送される焦げ滓は、この焦げ滓回収装置5によって回収されることになる。
【0030】
より詳細には、焦げ滓回収装置5は、上述の通り、無端状フィルター10のうち、ローラー9a,9dの間に張設される部分の中間部位が、ガイドローラー12によって下方へ押し下げられ、上面10aが、加熱槽2の通常の底面2fよりも低い位置を通過するように構成されているため、スクレーパ4により焦げ滓回収装置5まで移送された焦げ滓は、加熱槽2の底面2fから無端状フィルター10の上に掃き出され、上面10aにおいて捕捉されることになる。
【0031】
焦げ滓回収装置5は、豆乳加熱装置1において加熱処理が行われている間は、常時稼働するように設定されている。従って、ローラー9a,9dは、モーターの駆動力をうけて所定方向へ回転しており、それらの外側に張設されている無端状フィルター10も同方向へ常時回転している。このため、無端状フィルター10によって捕捉された焦げ滓は、加熱槽2内の豆乳中から引き揚げられることになる。
【0032】
また、この焦げ滓回収装置5においては、無端状フィルター10が加熱槽2の外側を通る際、図示しない除去手段(エアブロー装置、ブラシ装置等)により、捕捉された焦げ滓が無端状フィルター10の表面から除去され、図示しない回収箱へ落下し、回収されるように構成されている。
【0033】
一方、豆乳加熱装置1から排出された加熱処理済みの豆乳は、次工程(凝固、型入、水分除去)のために移送されることになるが、焦げ滓回収装置5によって回収することができなかった微細な焦げ滓が混入している可能性があるため、凝固工程の前に、豆乳を簡便なフィルター装置(微塵取り装置)にかけて、微細な焦げ滓を除去しておくことが好ましい。
【0034】
尚、本実施形態においては、加熱槽2を加熱するための手段として、ガス管3aとノズル3bとからなるバーナー3(ガスバーナー)が用いられているが、加熱手段は、ガスバーナーに限定されるものではなく、加熱槽2の底面2fを加熱することができるとともに、底面2fにおいて豆乳の焦げを生じさせることができるものであれば、どのような手段(例えば、電熱ヒーター、IH、灯油バーナー、炭、薪等)を用いることもできる。
【符号の説明】
【0035】
1:豆乳加熱装置、
2:加熱槽、
2a:始端部、
2b:終端部、
2c:排出口、
2d,2e:延長部、
2f:底面、
2g:段差部、
3:バーナー、
3a:ガス管、
3b:ノズル、
4:スクレーパ、
5:焦げ滓回収装置、
6a,6b:ローラー、
7:無端ベルト、
8:羽根、
8a:基端側の縁部、
8b:先端側のエッジ、
9a〜9d:ローラー、
10:無端状フィルター、
10a:上面、
11:供給口、
12:ガイドローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樋状に形成された加熱槽と、前記加熱槽の底面を加熱する加熱手段と、多数の羽根が水平軸線周りの軌道上を周回するように構成されたスクレーパと、焦げ滓回収装置とによって構成され、
前記スクレーパは、前記軌道の下側を周回する羽根が、前記加熱槽の内部空間を長手方向へ分割するように仕切った状態で、かつ、先端側のエッジを前記加熱槽の底面に接触させた状態で、前記加熱槽の始端部側から終端部側へ連続的に移動するように構成され、
前記焦げ滓回収装置は、無端状フィルターが、水平軸線周りの軌道上を周回するように、かつ、前記加熱槽内の豆乳中に部分的に水没するように支持され、前記羽根の先端側のエッジによって前記加熱槽の底面から刮げ落とされた焦げ滓を捕捉し、前記加熱槽内の豆乳中から引き揚げて回収するように構成されていることを特徴とする豆乳加熱装置。
【請求項2】
前記羽根が、基端側の縁部に対し、先端側のエッジを進行方向後方側へ傾斜させた状態で、前記加熱槽の底面に接触するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の豆乳加熱装置。
【請求項3】
前記加熱槽の底面のうち、前記焦げ滓回収装置が配置されている部位において、基準面よりも低い段差部が形成され、
前記焦げ滓回収装置の無端状フィルターが、前記加熱槽内においては、前記段差部に沿って、前記加熱槽の底面の基準面よりも低い位置を通過するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の豆乳加熱装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の豆乳加熱装置を用いて豆腐を製造する方法であって、
呉汁を濾過して得た豆乳を、前記豆乳加熱装置に連続的に供給し、前記加熱槽の底面において焦げが生じる程度に加熱処理を行い、
加熱処理中に前記加熱槽の底面において生じた焦げ滓を前記スクレーパによって刮げ落とすとともに、前記焦げ滓回収装置によって回収したうえで、前記豆乳加熱装置から加熱処理済みの豆乳を排出し、
フィルター装置により、前記加熱処理済みの豆乳から微細な焦げ滓を除去した後に、凝固工程を行うことを特徴とする豆腐の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−44933(P2012−44933A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190666(P2010−190666)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(594075260)株式会社川西 (5)
【出願人】(508283772)株式会社まえさと (1)
【Fターム(参考)】