説明

財務データを分析してフロード費用を求める方法及びシステム[関連出願の相互参照]本出願は、米国法典第35編第119条(e)項に基づき、参照により本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第60/938,897(2007年5月18日出願)の優先権を主張するものである。

財務データを分析して、商品又はサービスの提供者に提示可能な財務情報提示デバイスに関するフロード費用を求めるシステムが提供される。プロセッサが実行可能なフロード査定モジュールは、共に財務情報提示デバイスに関する売上データ及び業務費用データを受信するとともに、受信したデータに基づいて、直接フロード損失及びフロード業務費用を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理システムに関し、より詳細には、財務情報提示デバイスに関するフロード費用データを求めるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、加盟店、アクワイアラ、及びイシュアが関係する支払カード取引業において、各処理主体は、カードの悪用による費用(支払いフロード費用と呼ぶ場合がある)を、そのままその主体が負担する損失に直結するフロード費用として、即ち主体が負担する純貸倒損失として算出することができる。例えば、イシュアは、フロード費用をイシュアの被る消費者フロードの被害額として算出し、フロード損失として記録する。アクワイアラは、フロード費用をアクワイアラが負担するフロード損失として算出することができ、こうしたフロード損失についてはこれまでイシュアからチャージバックが行われてきた。
【0003】
しかし、フロードの「本当の」費用は処理メンバーにも良く理解されてはおらず、実際のフロード費用は利害関係者の計算よりもかなり高い可能性がある。例えば、フロードに関係するチャージバックの取り扱いに伴う費用やリスク管理部門については、必ずしも考慮に入れられるわけではない。業界全体で見ても、カードを拒否することにより失われるカード使用や、電子支払いフロードに関するセキュリティ上の問題ないしは不安を回避するために消費者が他の支払いチャネルを用いることによって、機会費用の損失を被っている。
【0004】
財務報告上の会計方針や経費分類についても、処理主体同士で違いがある。処理主体間のこうした違いにより、各主体の業績を業界標準と比較することが難しくなっている。このように一貫性のある比較ができないため、例えばカードの悪用に伴う費用を最小化する等、事業改善のための投資判断を上手く行うツールを持たない主体が少なくない。
【0005】
このことから、カードの悪用に伴う全ての費用を主体毎に分析し求めるシステム及び方法を提供することが望まれている。このようなツールがあれば、情報に基づいてフロードリスクを管理するための経営判断を行うことが可能になる。リスクマネージャやプロダクトマネージャは、この枠組みを用いることで、新たな事業戦略を開発して適正化したり、業務手順を強化したり、ソリューション、製品、及びサービスのフロード対策を改善したりすることができる。
【0006】
更に、カードの悪用に伴うフロード費用について、各関係主体で用いる業界標準のベンチマーク/参照データを分析し求めるシステム及び方法を提供することが望まれている。リスクマネージャやプロダクトマネージャは、こうしたフロード費用の標準ベンチマークを参照して、自社のフロード費用を評価し、投資判断を最適化するのに役立てることができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様では、財務データを分析して、商品又はサービスの提供者に提示可能な財務情報提示デバイスに関するフロード費用を求めるシステムが提供される。当該システムのプロセッサが実行可能なフロード査定モジュールは、財務情報提示デバイスに関する財務データを受信し、直接フロード損失及びフロード業務費用を求めるとともに、その結果に基づく報告書を生成する。
【0008】
また、本発明の別の態様では、財務データを分析して、財務情報提示デバイスに関するフロード費用を求める方法が提供される。この方法は、共に財務情報提示デバイスに関する売上データ及び業務費用データを受信するステップと、フロード費用を求めるステップと、その結果に基づく報告書を生成するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】カード取引に関するフロード費用を求める処理フローを示す図。
【図2】査定管理ソフトウェアモジュールを格納し実行するコンピュータシステムのブロック図。
【図3】イシュア分、アクワイアラ分、及び加盟店分を含む総フロード費用を査定する方法を示す図。
【図4】査定管理システムに対するイシュア入力を示すブロック図。
【図5】査定管理システムに対するアクワイアラ入力を示すブロック図。
【図6】査定管理システムに対する加盟店入力を示すブロック図。
【図7A】査定管理システムに入力するイシュアの入力の概要の上部分を示す図。
【図7B】図7Aに一部を示した査定管理システムに入力するイシュアの入力の概要の下部分を示す図。
【図7C】査定管理システムに入力するアクワイアラの入力の概要の上部分を示す図。
【図7D】図7Cに一部を示した査定管理システムに入力するアクワイアラの入力の概要の下部分を示す図。
【図7E】査定管理システムに入力する加盟店の入力の概要の上部分を示す図。
【図7F】図7Eに一部を示した査定管理システムに入力する加盟店の入力の概要の下部分を示す図。
【図8A】イシュアに対する総フロード費用の各要素の内訳を示すブロック図。
【図8B】アクワイアラに対する総フロード費用の各要素の内訳を示すブロック図。
【図8C】加盟店に対する総フロード費用の各要素の内訳を示すブロック図。
【図9】イシュアに対する総フロード費用の各要素に配分される費用を示すフロード報告書の例を示す図。
【図10】カードイシュアによる機会費用のブロック図。
【図11A】図4のイシュア入力に対するイシュアのデータ配分の概要の上部分を示す図。
【図11B】図11Aに一部を示したイシュアのデータ配分の概要の下部分を示す図。
【図12A】図5のアクワイアラ入力に対するアクワイアラのデータ配分の概要の上部分を示す図。
【図12B】図12Aに一部を示したアクワイアラのデータ配分の概要の下部分を示す図。
【図13】図6の加盟店入力に対する加盟店のデータ配分の概要を示す図。
【図14A】イシュアに関する業績評価指標リストの例の上部分を各業績評価指標の式とともに示す図。
【図14B】図14Aに一部を示した業績評価指標リストの例の下部分を示す図。
【図14C】アクワイアラに関する業績評価指標リストの例の上部分を、アクワイアラに対する各業績評価指標の式とともに示す図。
【図14D】図14Cに一部を示した業績評価指標リストの例の下部分を示す図。
【図14E】加盟店に関する業績評価指標リストの例の上部分を、加盟店に対する各業績評価指標の式とともに示す図。
【図14F】図14Eに一部を示した業績評価指標リストの例の下部分を示す図。
【図15】カードイシュア、アクワイアラ、及び加盟店における総フロード費用の概要の例を示す図。
【図16】総フロード費用をその全ての構成要素とともにグラフで示す管理報告書の例を示す図。
【図17】ベンチマークデータとして用いる、カードイシュア、アクワイアラ、及び加盟店における総フロード費用の概要の参照データを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実例を示すとともに明確さを期するため、本発明の査定管理機能について、クレジットカード及びデビットカードに関するフロード費用を例に説明する。なお、本明細書に開示の新規特徴は、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、電子カード型フードスタンプ(electronic benefit card)、チャージカード、バーチャルカード、スマートカード、キーホルダー型デバイス、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、及びストアードバリューデバイスを含むとともにこれらに限定されない、支払いのために商品又はサービスの販売者に提示可能なあらゆる財務情報提示デバイスに関するフロード費用に適用されるものであることは当業者には理解されよう。また、本明細書に開示の特徴は、対面、非対面(CNP:Card Not Present)、インターネット、電子商取引、リカーリング、及びモバイル支払取引を含むとともにこれらに限定されないあらゆる支払取引チャネルに関するフロード費用に適用されるものである。
【0011】
図1に、カード取引に関するフロード費用を求める処理フローを例示するとともに、一般的なカード取引に関係する全ての主体を示す。ユーザ12は、クレジットカードを用いて加盟店14で品物を購買する。加盟店14は、取引承認要求をアクワイアラ16へ送る。アクワイアラは、その要求を例えばビザ(Visa)等の取引ファシリテータ18へ転送する。次に、ファシリテータ18は、その要求をイシュア20へ送る。イシュア20は、取引要求を承認するか否かを決定し、返答メッセージをファシリテータ18へ返す。ファシリテータ18は、返答メッセージをアクワイアラ16を介して加盟店14へ転送する。
【0012】
本発明によれば、査定モジュール34(図2参照)は、加盟店14、アクワイアラ16、又はイシュア20にアクセスされるか、あるいは加盟店14、アクワイアラ16、又はイシュア20に提供される。各主体では、査定モジュール34の入力画面11に要求される情報を入力する。一実施形態では、査定モジュールは、本明細書で後ほど詳述する全ての入力プロンプト、推定値、配分計算値、及び報告機能を含む、例えばMicrosoft Excelスプレッドシート等の電子スプレッドシートを備える。
【0013】
査定モジュール34は、次に、入力データを入力した各主体14、16、20に対する総フロード費用やその他の報告書を求める。
【0014】
場合によっては、一つの企業が、例えばアクワイアラやイシュア等の複数の側面を有することがある。そうした場合、その企業主体は、アクワイアラ及びイシュア双方の必要な入力データを全て入力する。次に、査定モジュール34は、アクワイアラとしての報告書、イシュアとしての報告書、及び連結主体としての総フロード費用の配分額を含む連結報告書を生成する。
【0015】
総フロード費用を査定するフロード査定管理システム10の一例を図2に示す。本発明のフロード査定管理システム10は、上述した各主体に関する入力を受信し、受信した入力からのフロード費用を配分して各主体の総フロード費用を生成する。
【0016】
査定管理システム10は、I/Oインタフェース28を介して入力を受信するように構成されている。図2の査定管理システム10は、データメモリ30と、プロセッサ(CPU)26と、プログラムメモリ32とを含み、これらは通例、バス36を介して全て互いに接続されている。プログラムメモリ32は、特に査定モジュール又はプログラム34を格納する。プログラムメモリ32内のソフトウェアプログラムモジュールは、必要に応じてデータメモリ32に転送され、CPU26により実行される。
【0017】
査定管理システム10は、例えばパーソナルコンピュータ、ミニコンピュータワークステーション、メインフレーム、又はその組み合わせ等の任意のコンピュータであって良い。システム10を取引ファシリテータ18に配置して、各主体が例えばインターネット等のコンピュータネットワークを介してシステムにアクセスしても良い。あるいは、個々の処理主体にシステムを配置し、取引ファシリテータ18が提供する査定モジュール34を各主体で実行しても良い。
【0018】
総フロード費用を査定する方法について、図3を参照しつつ説明する。
【0019】
イシュア等の組織は、プロジェクトチームを任命してその組織が被る総フロード費用の査定を行うのが一般的である。プロジェクトチームは、ステップ42において、最終結果を得るのに必要なデータを収集する。収集したデータは、ステップ43において、査定モジュール34に入力される。
【0020】
査定モジュール34は、判断46において、イシュア入力を受信したかどうかを判断する。イシュア入力を受信した場合、制御をステップ48に移して、イシュアの直接フロード損失を配分する。直接フロード損失には、その主体が負担する損失に直結するフロード費用、すなわち主体が負担する純貸倒損失が含まれる。また、査定モジュール34は、ステップ50において、イシュアのフロード業務費用を配分する。フロード業務費用には、財務情報提示デバイスに関するフロード損失の防止、検出、調査、及び回収活動に伴う業務経費が含まれる。ステップ52において、査定モジュール34は更にイシュアの機会費用を配分する。機会費用には、フロード関連活動の結果として失われる収入機会が含まれる。以上のステップによって、査定モジュールは、直接フロード損失だけでなく、以前は無視されていたイシュアの業務費用及び機会費用も含めて総フロード費用を求めている。
【0021】
判断54において、査定モジュール34は、アクワイアラ入力を受信したかどうかを判断する。アクワイアラ入力を受信した場合、制御をステップ56に移行して、アクワイアラの直接フロード損失を配分する。また、査定モジュール34は、ステップ58において、アクワイアラの業務費用を配分する。ステップ60において、査定モジュール34は更にアクワイアラの機会費用を配分する。以上のステップによって、査定モジュールは、直接フロード損失だけでなく、以前は無視されていたアクワイアラの業務費用及び機会費用も含めて総フロード費用を求めている。
【0022】
判断62において、査定モジュール34は、加盟店入力を受信したかどうかを判断する。加盟店入力を受信した場合、制御をステップ64に移行して、加盟店の直接フロード損失を配分する。また、査定モジュール34は、ステップ66において、加盟店の業務費用を配分する。ステップ68において、査定モジュール34は更にアクワイアラの機会費用を配分する。以上のステップによって、査定モジュールは、直接フロード損失だけでなく、以前は無視されていた加盟店の業務費用及び機会費用も含めて総フロード費用を求めている。
【0023】
各主体のフロード損失、業務費用、及び機会費用を配分した後、査定モジュール34は、ステップ70において、総フロード費用を生成する。ステップ72において、査定モジュール34は、フロード費用の配分に基づいて、以下で詳述するように各種の報告書を生成することができる。
【0024】
以上、総フロード費用を査定する方法を説明してきたが、ここで図4〜図7Fを参照して、各主体の入力の詳細について説明する。
【0025】
図4に示すように、イシュア入力100は、一般パラメータ101、売上単位データ102、及び業務費用データ104という3つの主要素からなる。以下、本明細書から明らかなように、これらの要素の入力データによって、フロード関連の直接財務費用、業務費用、及び機会費用が配分される。入力カテゴリに含まれるのは、一般に以下の通りである。(1)一般パラメータ101及びそのパラメータカテゴリ103、(2)カード発行カテゴリ106(例えば、カードの総発行数)、カード交換カテゴリ108、及びPIN送付カテゴリ110を含む売上単位データ102、並びに(3)カスタマーサービス112、フロード業務114、人的資源116、間接費118、システム・サービス120、及び業務経費122の各カテゴリに関連する業務費用を含む業務費用データ104。
【0026】
同様に、図5に示すように、アクワイアラ入力200は、一般パラメータ201、売上単位データ202、及び業務費用データ204という3つの主要素からなる。一般パラメータ201要素は、パラメータカテゴリ203を含む。アクワイアラ入力200の売上単位データ202要素は、加盟店サービス206カテゴリを含む。業務費用データ204要素は、カスタマーサービス212、フロード業務214、人的資源216、間接費218、システム・サービス220、及び業務経費222の各カテゴリを含む。
【0027】
同様に、図6に示すように、加盟店入力300も、一般パラメータ301、売上単位データ302、及び業務費用データ304という3つの主要素からなる。一般パラメータ301要素は、パラメータ303カテゴリを含む。売上単位データ302要素は、カードサービス306カテゴリを含む。業務費用データ304要素は、カスタマーサービス312、フロード業務314、人的資源316、間接費318、システム・サービス320、及び業務経費322の各カテゴリを含む。
【0028】
図4のイシュア側入力について、図7A〜図7Fを参照しつつ詳しく説明する。一実施形態では、これらの入力は、査定モジュール34の一部である電子スプレッドシートに入力される。
【0029】
一般パラメータ101要素に対して、ユーザは、例えばラベル(報告書のタイトルに使用する)、財務データの期間、現在の入力フォーマット、標準的な一稼動日の時間数、標準的な一稼動週の日数(一般的に5日)、標準的な一稼動年の週数、及び課税前純利益率すなわち(総収入−総経費)÷(総売上高+現金量)等の一般データを入力する。
【0030】
図7A及び図7Bに示すように、売上単位データ102要素に関する入力を、査定モジュール34のスプレッドシートに入力する。具体的には、ユーザは、カード発行106、カード交換108、及びPIN送付110の入力カテゴリにおける各データ項目を入力する。例えば、PIN送付カテゴリ110の場合、入力されるデータ項目は、「PIN送付数」、「PIN送付費用(1PIN当たり):標準」、「送付済みPIN:標準(%)」、「PIN送付費用(1PIN当たり):その他」である。「送付済みPIN:その他(%)」は自動的に計算される。売上単位データ102要素に入力する各データ項目の定義を、以下の表1に示す。
【表1】

(続く)
【表1】

【0031】
同様に、業務費用データ104要素において、カスタマーサービス112、フロード業務114、人的資源116、間接費118、システム・サービス120、及び業務経費122のカテゴリに入力する各データ項目の定義を以下の表2〜表7に示す。
【表2】

(続く)
【表2】

【表3】

(続く)
【表3】

(続く)
【表3】

【表4】

(続く)
【表4】

(続く)
【表4】

【表5】

(続く)
【表5】

(続く)
【表5】

【表6】

(続く)
【表6】

【表7】

【0032】
図7A及び図7Bのイシュア入力と同様、アクワイアラ側の入力(図5)を、図7C及び図7Dに示すように実施形態に係る査定モジュール34の電子スプレッドシートに入力する。一般パラメータ201要素について、ユーザは、例えばラベル、財務データの期間、現在の入力フォーマット、標準的な一稼動日の時間数、標準的な一稼動週の日数(一般的に5日)、標準的な一稼動年の週数、及び課税前純利益率すなわち(総収入−総経費)÷(総売上高+現金量)等の一般データを入力する。
【0033】
アクワイアラの売上単位データ202要素(加盟店サービス206カテゴリ)について、ユーザは、査定モジュール34の電子スプレッドシートに入力を行う。加盟店サービス206カテゴリは、アクワイアラのポートフォリオに属する加盟店が行った取引から求める。具体的には、ユーザは、「加盟店数(平均)」、「取引数(平均)」、「加盟店割引率(%)」、「インターチェンジレート(平均)」、及び「加盟店売上高(平均)」の入力カテゴリにおける各データ項目を入力する。売上単位データ202要素に入力する各データ項目の定義を、以下の表8に示す。
【表8】

【0034】
同様に、カスタマーサービス212、フロード業務214、人的資源216、間接費218、システム・サービス220、及び業務経費222のカテゴリに入力する各データ項目の定義を、以下の表9〜表14に示す。
【表9】

【表10】

【表11】

(続く)
【表11】

(続く)
【表11】

(続く)
【表11】

【表12】

(続く)
【表12】

(続く)
【表12】

【表13】

(続く)
【表13】

【表14】

【0035】
加盟店側については、イシュア入力(図7A及び図7B)並びにアクワイアラ入力(図7C及び図7D)と同様の加盟店入力(図7E及び図7F)を、本実施形態に係る査定モジュール34の電子スプレッドシートに入力する。一般パラメータ301要素については、図6に示すように、ユーザは、例えばラベル、財務データの期間、現在の入力フォーマット、標準的な一稼動日の時間数、標準的な一稼動週の日数(一般的に5日)、標準的な一稼動年の週数、及び課税前純利益率すなわち(総収入−総経費)÷(総売上高+現金量)等の一般データを入力する。
【0036】
次に、ユーザは、加盟店に対する売上単位データ302要素を査定モジュール34の電子スプレッドシートに入力する。ユーザは、分類上、売上単位データ302要素に属するカードサービス306カテゴリの入力を行う。具体的には、ユーザは、「対面」、「非対面(CNP)」、「クレジット」、「デビット」、及び「その他」の入力カテゴリにおける各データ項目を入力する。売上単位データ302要素に入力される各データ項目の定義を、以下の表15に示す。
【表15】

【0037】
同様に、業務費用データ304要素について、カスタマーサービス312、フロード業務314、人的資源316、間接費318、システム・サービス320、及び業務経費322のカテゴリに入力する各データ項目の定義を以下の表16〜表21に示す。
【表16】

【表17】

【表18】

(続く)
【表18】

【表19】

【表20】

(続く)
【表20】

(続く)
【表20】

【表21】

【0038】
図8Aに示すように、イシュアに関して入力した入力データ項目に基づいて、査定モジュール34は、入力データ項目の各部を直接フロード費用602、フロード管理経費604、及び機会費用612の各要素に配分する。直接フロード費用602要素は、フロード損失606及び第一者好意的フロード費用608カテゴリを含む。
【0039】
フロード損失606カテゴリ(支払いフロード費用)は、当事者によるカード悪用の費用に関し、対応する主体(この場合は、イシュア)が負担する損失(純フロード貸倒損失)に直結するものである。アクワイアラは、フロード損失606をアクワイアラが負担するフロード損失として算出することができ、このフロード損失はこれまではイシュアにチャージバックされている。加盟店では、フロード損失606を自分のアクワイアラから引き受けるフロード損失として算出することができ、またカード保有者から直接連絡があった場合には、カードアカウントに対するクレジットとは別に行う払い戻しとして算出することができる。
【0040】
第一者好意的フロード費用608は、イシュアのアカウント名義人が使用法を誤って解釈すること(例えば、カード保有者の家族会員がカードを不正使用すること)に直接起因する損失(純クレジット貸倒損失)に関し、これまでは対応するイシュアが負担している。
【0041】
直接フロード費用602の他にも、査定モジュール34は、入力データ項目の各部をフロード管理経費604及び機会費用612要素に配分する。
【0042】
イシュア又はアクワイアラ側から見ると、フロード管理経費604は、フロード防止、フロード検出、及びフロード調査・回収の費用、ならびにその他の業務費用に関する。加盟店側から見ると、フロード管理経費804は、フロード防止の費用及びその他の業務費用に関する。
【0043】
機会費用612は、フロードを防止するためのフロード関連活動又は行動の結果として失われる収入機会、具体的には、フロードを理由とする誤ったカードの拒否、カード受け入れの減少、及びカード使用の減少を始めとする売上げの減少による逸失利益に関連した活動に関するものである。
【0044】
同様に、図8Bに示すように、アクワイアラに関して入力した入力データ項目に基づいて、査定モジュール34は、入力データ項目の各部を直接フロード費用702、フロード管理経費704、及び機会費用712の各要素に配分する。直接フロード費用702要素は、フロード損失706カテゴリを含む。フロード管理経費704要素は、フロード業務費用710カテゴリを含む。
【0045】
図8Cに、入力した入力データ項目に基づく加盟店データの配分を示す。査定モジュール34は、入力データ項目の各部を直接フロード費用802、フロード管理経費804、及び機会費用812の各要素に配分する。直接フロード費用802要素は、フロード損失806カテゴリを含む。フロード管理経費804要素は、フロード業務812カテゴリを含む。
【0046】
イシュアにおける総フロード費用の各要素に配分された費用を示すフロード報告書の例を図9に示す。この概要報告書は、図8で述べたような各フロード費用に実際に配分されたドル価値とともに、総フロード費用(5,315,265.28ドル)を示している。報告書はまた、各費用要素を総フロード費用に対する百分率で示す。報告書は、例えばイシュアのフロード業務費用4,889,244.68ドルが全体の91.98%であるとともに、純貸倒損失(フロード被害総額)89,000ドルによる直接フロード損失が全体の1.67%しかないことを示している。純貸倒損失(フロード被害総額)が総フロード費用の数パーセントに過ぎないことが当業者には理解されよう。従って、本発明によると、実際のフロード被害額だけでフロードを分析したのでは、フロードの本当の費用を著しく過小評価することになることが分かる。配分額の計算については後ほど詳述する。
【0047】
図10に、機会費用612に対するデータ項目の配分を更に詳しく示す。機会費用612は、具体的には、逸失収入624×利益率626と定義される。逸失収入624は、誤った拒否630、顧客の買い控え632、及びカード使用不能634の3つからなる。
【0048】
誤った拒否630は、直接拒否した取引及び照会後に拒否した取引を始めとして、フロードに対する方針又は照会を理由に誤ってオーソリゼーションを拒否したことにより失われる収入である。顧客の買い控え632は、フロード及び不審アカウントを始めとして、カード保有者がフロードを経験した結果、顧客の信頼が低下したためにアカウントの使用が減ることにより失われる収入である。カード使用不能634は、フロード及び不審アカウントを始めとして、カード交換期間により失われる収入である。
【0049】
更に詳しくは、誤った拒否630は、直接拒否による収入損失636(フロード分638及び不審アカウント分640の和)及び照会拒否による収入損失642(フロード分644及び不審アカウント分646の和)の合計である。
【0050】
顧客の買い控え632は、アカウント使用の減少による収入損失648(フロード分650及び不審アカウント分652の和)を含む。同様に、カード使用不能634は、カード交換期間による収入損失654と定義され、フロード分656と不審アカウント分658との和である。
【0051】
以上、査定管理システムによる配分を大まかに説明してきたが、ここでイシュアのデータ配分の出力について、図11A及び図11Bを参照しつつ説明する。本実施形態では、出力を計算する際、該当する場合には必ず年換算した数値を用いる。また、各計算結果に対して、次の2つの調整を行う。第一に、各計算結果は、(報告期間が年間でない場合には)所望の報告期間に合わせて調整するものとする。第二に、各計算結果は、(最初に他国通貨で報告されたものの場合)米ドル相当に換算するものとする。以下、それぞれの出力/結果欄をどのように計算するかについて概説する。
【0052】
図8A及び図9において上述したように、イシュアのデータ配分600は、以下のカテゴリからなる。即ち、直接フロード費用602となるフロード損失606及び第一者(「好意的」)フロード608、フロード管理経費604となるフロード業務費用610、並びに機会費用612である。フロード業務費用610カテゴリは、更に、フロード防止、フロード検出、フロード調査・回収、及びその他の業務費用というサブカテゴリに細分化される。
【0053】
各カテゴリ及びサブカテゴリについて、生成する全ての出力項目を図11A及び図11Bに示す。各出力項目の定義及び式を、以下の表22〜表28に示す。
【表22】

【表23】

(続く)
【表23】

(続く)
【表23】

【表24】

(続く)
【表24】

(続く)
【表24】

(続く)
【表24】

【表25】

(続く)
【表25】

(続く)
【表25】

(続く)
【表25】

【表26】

(続く)
【表26】

(続く)
【表26】

【表27】

【表28】

(続く)
【表28】

(続く)
【表28】

【0054】
イシュアのデータ配分600と同様、アクワイアラのデータ配分700は、以下のカテゴリからなる。すなわち、直接フロード費用702となるフロード損失706、フロード管理経費704となるフロード業務費用710、及び機会費用712である。フロード業務費用710カテゴリは、更に、フロード防止、フロード検出、フロード調査・回収、及びその他の業務費用というサブカテゴリに細分化される。
【0055】
各カテゴリ及びサブカテゴリについて、生成する全ての出力項目を図12A及び図12Bに示す。各出力項目の定義及び式を、以下の表29〜表34に示す。
【表29】

【表30】

(続く)
【表30】

(続く)
【表30】

(続く)
【表30】

【表31】

(続く)
【表31】

(続く)
【表31】

(続く)
【表31】

【表32】

(続く)
【表32】

(続く)
【表32】

(続く)
【表32】

【表33】

【表34】

【0056】
イシュアのデータ配分及びアクワイアラのデータ配分(600、700)と同様に、加盟店のデータ配分800は、以下のカテゴリからなる。すなわち、直接フロード費用802となるフロード損失806、フロード管理経費804となるフロード業務費用810、及び機会費用812である。フロード業務費用810は、更に、フロード損失防止、及びその他の業務費用というサブカテゴリに細分化される。
【0057】
各カテゴリ及びサブカテゴリについて、生成される全ての出力項目を図13に示す。各出力項目の定義及び式を、以下の表35〜表38に示す。
【表35】

【表36】

(続く)
【表36】

(続く)
【表36】

(続く)
【表36】

(続く)
【表36】

【表37】

【表38】

【0058】
以上の(イシュア、アクワイアラ、及び加盟店のフロード損失に関する)データ配分により、各処理主体は、フロードの経済的な影響をより良く理解することができる。更に、これらの主体(イシュア、アクワイアラ、及び加盟店)がフロード損失の業界全体への影響を把握したい場合には、本発明により、比較分析を何度も行うことで関係する主体間のベンチマーク(すなわち相互業績ベンチマーク)を容易に得ることができる。本発明以前には、主体が全クライアントに対して同じ活動を行うわけではなく、またデータの定義も一貫していないため、それぞれの主体の活動と経費を突き合わせることが難しかった(例えば、加盟店とイシュアとではフロード管理費用の定義が異なる)。
【0059】
本発明の業績評価報告書(図14A〜14F)に、関係する処理主体のさまざまな機能に適用する一貫した比較評価法の一例を示す。そこから分かるように、例えば「単位当たりの総フロード費用」、「総取引額に対する総フロード費用」、及び「単位当たりの機会費用」を始めとする種々の業績評価指標は、図11A〜図13のデータ配分及び図7A〜図7Fの入力からそれぞれの式を用いて求められる。例えば、「単位当たりの機会費用」は、機会費用を単位数で割ることで求める。イシュアの場合、この単位はクレジットカードアカウントに関し、アクワイアラの場合、この単位は当該アクワイアラと取引のある加盟店のポートフォリオに関する。比較評価法を用いることにより、これらの業績評価指標を使って異なる主体に対してより有意義な分析を行うことが可能である。
【0060】
図15に、イシュア、アクワイアラ、及び加盟店の総フロード費用の概要から集約した、総フロード費用の各要素に配分される費用を示す総フロード費用報告書の例を示す。この報告書から、例えば各主体における機会費用等のフロード費用に実際に配分されたドル価値や、関係する全主体における総フロード費用(12,097,623.96ドル)が分かる。比較評価法を用いることにより、本発明では、加盟店、アクワイアラ、及びイシュアを含む主体の本当の総フロード費用の報告書が生成される。
【0061】
図16に、総フロード費用のそれぞれの要素をグラフで示す。報告書では、各費用要素が総フロード費用に対する百分率で示されている。この報告書によると、第一者フロードによる貸し倒れ、加盟店のフロード損失、アクワイアラのフロード損失、イシュアのフロード損失、及び機会費用を含むフロード費用が、総フロード費用のごく一部に過ぎないことが分かる。当業者には、イシュア、アクワイアラ、及び加盟店の業務費用が、総フロード費用の86%を占めることが理解されよう。このように本発明によると、直接フロード損失が総フロード費用のほんの一部に過ぎないことが分かる。
【0062】
別の実施形態では、査定モジュール34は、複数のイシュア、加盟店、及びアクワイアラから入力(図7A〜図7F参照)を受信して、業界全体のフロード費用の参照データを提供し、このフロード費用の集約データを個々の主体がベンチマークデータとして用いる。
【0063】
図示の実施形態では、入力フォーム11は、単一の電子スプレッドシートであって、イシュア、アクワイアラ、及び加盟店を含む全企業主体に共通する一組の定義済み入力項目を含むものである。このうち、イシュア向けの入力項目群がデータを提供する全てのイシュアに共通し、アクワイアラ向けの入力項目群が全てのアクワイアラに共通し、加盟店向けの入力項目群が全ての加盟店に共通するものである。あるいは、イシュア、アクワイアラ、及び加盟店それぞれに共通の定義済み入力項目群を含む3つのスプレッドシートを別個に用意しても良い。
【0064】
更に別の実施形態では、関係する企業主体(利害関係者)にスプレッドシートを配布するのではなく、主体の方からインターネットを介してフロード査定モジュール34にアクセスし、入力データを入力するようにしても良い。この場合、フロード査定モジュールは、集約した受信データに基づいて、直接フロード損失、フロード管理経費(フロード業務費用)、及び機会費用を含むフロード費用の参照データを求めるようにする。
【0065】
フロード費用の参照データは、図14A〜図14Fと同様の総合業績評価指標、及び図15の参照総フロード費用の内訳報告書を含むものであるが、特定の企業主体に関するデータではなく、業界全体に渡って集約したデータの平均を示す点が異なる。イシュアの総合業績評価指標データは、全イシュアの入力値及び/又は配分額を集約して計算する。例えば、「アカウント1つ当たりのイシュアの総フロード費用」という業績評価指標(図14A参照)を求めるには、配分額「純フロード損失+フロード管理経費+機会費用」を全イシュアについて合計し、全イシュアの「アカウント数」の合計で除算する。アクワイアラ及び加盟店の総合業績評価指標についても、同様に計算する(図14C〜図14F参照)。
【0066】
イシュアの総合参照総フロード費用の内訳は、フロード損失、フロード業務経費、及び機会費用を集約するほか、全イシュアの配分額を集約して計算する。例えば、査定モジュールは、全イシュアの「フロード防止」(図17参照)の配分額を合計し(463,244,000.05ドル)、全イシュアの総フロード費用(5,295,265,000.29ドル)に対する合計額の割合(8.76%)を計算する。これは、イシュア1社が平均して総フロード費用の8.76%をフロード防止の管理経費に費やすことを意味する。別の例では、図17から、アクワイアラ1社が平均して総フロード費用の78.07%をフロード管理経費(フロード業務費用)に費やすことが分かる。同様に計算したフロード費用の参照データを図17に示す。
【0067】
図17下部に、イシュア、アクワイアラ、及び加盟店を含む全企業主体の総フロード費用の参照データの計算値を示す。参照データには、加盟店からの直接フロード損失、アクワイアラからの直接フロード損失、イシュアからの直接フロード損失、イシュアからの第一者損失、全企業主体からのフロード業務費用、全企業主体からの機会費用、及び全企業主体からの総フロード費用が含まれる。参照データには、また、全主体の総フロード費用に対するデータ項目の割合が含まれる。例えば、図17から、企業主体1社の平均機会費用が全主体の総フロード費用の1.84%に当たることが分かる。
【0068】
図17に示すように、イシュア、アクワイアラ、及び加盟店を含む全企業主体のフロード費用の参照データは、関係する各主体のベンチマークデータとなる。
【0069】
各企業主体は、参照データを用いて自社のフロード関連データとの比較を行い、より賢い判断をすることができる。例えば、図17に示すようにイシュア1社当たりのフロード検出の平均費用が総フロード費用の17.27%であり、イシュアの平均フロード損失が1.59%であることが参照データで示されるとともに、あるイシュア自身のフロード検出費用が5%しかなく、イシュアの直接フロード損失が17%である場合、そのイシュアは、フロード検出に費やす額が業界平均よりもはるかに少ないことこそが、平均を上回る17%という直接フロード損失の原因として考えられるということが分かるようになる。こうした情報は非常に有益なものであり、イシュアは、フロード検出経費を若干増やすことで直接フロード損失を大幅に減らし、経費を削減できる可能性がある。
【0070】
フロード費用データを業界団体別、又は関連産業別に集約することにより、フロード費用の参照データを更に有益なものにすることが可能である。例えば、査定モジュールは、旅行業界の加盟店のデータだけを集約して、同業界の参照データを提供しても良い。
【0071】
上述の実施形態は、本発明を実施する方法をいくつか示したに過ぎない。本発明の精神から逸脱することなく、他にも多くの実施形態が可能である。本発明の範囲は、従って上述の明細書に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲によって与えられるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
財務データを分析して、商品又はサービスの提供者に提示可能な財務情報提示デバイスに関するフロード費用を求めるシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能なフロード査定モジュールとを備え、
前記フロード査定モジュールは、
共に財務情報提示デバイスに関する売上データ及び業務費用データを受信し、
前記受信した売上データ及び費用データに基づいて、直接フロード損失及びフロード業務費用を求めるとともに、
その結果に基づく報告書を生成することができる
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記フロード査定モジュールは、フロード関連活動の結果として失われる収入機会を表す機会費用を求めることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記フロード査定モジュールは、前記機会費用に、財務情報提示デバイスを誤って拒否することによる収入損失を配分することを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記フロード査定モジュールは、前記機会費用に、
財務情報提示デバイスを誤って拒否することによる収入損失と、
ユーザの財務情報提示デバイスに関するフロードの結果としてユーザの信頼が低下することによる収入損失と
を配分することを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記フロード査定モジュールは、前記機会費用に、不審アカウントに伴う収入損失を配分することを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項6】
前記フロード査定モジュールは、前記機会費用に、財務情報提示デバイスの交換期間における収入損失を配分することを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項7】
前記フロード査定モジュールは、財務情報提示デバイスの正規保有者が使用法を誤って解釈することによる損失を表す第一者フロードを、前記直接フロード損失の一部として求めることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記フロード業務費用は、財務情報提示デバイスに関するフロード損失の防止、検出、調査、及び回収活動に伴う業務経費を含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記フロード査定モジュールは、
共に財務情報提示デバイスに関する売上データ及び業務費用データを、イシュア及びアクワイアラから受信するとともに、
イシュアによるフロード業務費用とアクワイアラによるフロード業務費用とを含む総フロード費用を前記報告書内に生成する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記フロード査定モジュールは、IT(Information Technology)システムに関するとともにフロード業務に起因する費用データを受信するようになされていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記フロード査定モジュールは、受信通話に関するとともにフロード関連の問合せに起因する費用データを受信するようになされていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記フロード査定モジュールは、財務情報提示デバイスのユーザへの発信通話に関するとともにフロード関連の問合せに起因する費用データを受信するようになされていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記フロード査定モジュールは、財務情報提示デバイスの交換に関するとともにフロードに起因する費用データを受信するようになされていることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項14】
財務データを分析して、商品又はサービスの提供者に提示可能な財務情報提示デバイスに関するフロード費用を求めるシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能なフロード査定モジュールとを備え、
前記フロード査定モジュールは、
財務情報提示デバイスに関する財務データを受信し、
前記受信したデータに基づいて、
財務情報提示デバイスに関するフロード損失の防止、検出、調査、及び回収活動に伴う業務経費を含むフロード業務費用と、
フロード関連の活動の結果として失われる収入機会に関する機会費用と
を求めるとともに、
その結果に基づく報告書を生成することができる
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記フロード査定モジュールは、前記機会費用に、
財務情報提示デバイスを誤って拒否することによる収入損失と、
ユーザの財務情報提示デバイスに関するフロードの結果としてユーザの信頼が低下することによる収入損失と
を配分することを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記フロード査定モジュールは、前記機会費用に、
不審アカウントに伴う収入損失と、
財務情報提示デバイスの交換期間における収入損失と
を配分することを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記フロード査定モジュールは、前記受信したデータに基づいて、財務情報提示デバイスの正規保有者が使用法を誤って解釈することによる損失を表す第一者フロードを求めることを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項18】
前記フロード査定モジュールは、
IT(Information Technology)システムに関するとともにフロード業務に起因する費用データと、
受信通話に関するとともにフロード関連の問合せに起因する費用データと、
財務情報提示デバイスのユーザへの発信通話に関するとともにフロード関連の問合せに起因する費用データと、
財務情報提示デバイスの交換に関するとともにフロードに起因する費用データ
のうちの一つ又は複数を受信するようになされていることを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項19】
財務データを分析して、商品又はサービスの提供者に提示可能な財務情報提示デバイスに関するフロード費用を求める方法であって、
共に財務情報提示デバイスに関する売上データ及び業務費用データを受信し、
前記受信した売上データ及び費用データに基づいて、直接フロード損失及びフロード業務費用を求めるとともに、
その結果に基づく報告書を生成する
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記求めるステップでは、フロード関連活動の結果として失われる収入機会を表す機会費用を求めることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
機会費用を求める前記ステップでは、前記機会費用に、財務情報提示デバイスを誤って拒否することによる収入損失を配分することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
機会費用を求める前記ステップでは、前記機会費用に、
財務情報提示デバイスを誤って拒否することによる収入損失と、
ユーザの財務情報提示デバイスに関するフロードの結果としてユーザの信頼が低下することによる収入損失と
を配分することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】
機会費用を求める前記ステップでは、前記機会費用に、不審アカウントに伴う収入損失を配分することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
機会費用を求める前記ステップでは、前記機会費用に、財務情報提示デバイスの交換期間における収入損失を配分することを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
前記求めるステップでは、財務情報提示デバイスの正規保有者が使用法を誤って解釈することによる損失を表す第一者フロード損失を求めることを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項26】
前記フロード業務費用は、財務情報提示デバイスに関するフロード損失の防止、検出、調査、及び回収活動に伴う業務経費を含むことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項27】
前記受信するステップでは、共に財務情報提示デバイスに関する売上データ及び業務費用データを、イシュア及びアクワイアラから受信するとともに、
前記生成するステップでは、イシュアによるフロード業務費用とアクワイアラによるフロード業務費用とを含む総フロード費用を前記報告書内に生成する
ことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項28】
前記受信するステップでは、IT(Information Technology)システムに関するとともにフロード業務に起因する費用データを受信することを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項29】
前記受信するステップでは、受信通話に関するとともにフロード関連の問合せに起因する費用データを受信することを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項30】
前記受信するステップでは、財務情報提示デバイスのユーザへの発信通話に関するとともにフロード関連の問合せに起因する費用データを受信することを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項31】
前記受信するステップでは、財務情報提示デバイスの交換に関するとともにフロードに起因する費用データを受信することを特徴とする請求項19記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A(1)】
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【図7A(2)】
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【図7B(1)】
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【図7B(2)】
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【図7C(1)】
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【図7C(2)】
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【図7D】
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【図7E(1)】
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【図7E(2)】
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【図7E(3)】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11A(1)】
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【図11A(2)】
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【図11B】
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【図12A(1)】
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【図12A(2)】
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【図13A(1)】
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【図13A(2)】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図14F(1)】
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【図14F(2)】
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【図15(1)】
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【図15(2)】
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【図16】
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【図17(1)】
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【図17(2)】
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【公表番号】特表2010−528353(P2010−528353A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508628(P2010−508628)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/064064
【国際公開番号】WO2008/144618
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(500313592)ビザ・インターナショナル・サービス・アソシエーション (8)