貨物コンテナ
典型的にはISO標準の外径寸法を有するコンテナである貨物コンテナ(10)が、床、壁および屋根を有する。屋根(16)は、壁から持ち上げることができ、荷物を屋根モジュールから吊り下げることができる手段を有し、したがって屋根モジュールが持ち上げられて外されるとき、荷物が屋根モジュールから吊り下げられてコンテナから持ち上げられて出され、また、品物が最初にコンテナの屋根の下に固定されていて、次に屋根と一緒に持ち上げられてコンテナ内の所定の場所に荷積みすることができ、その後で屋根が壁の頂部に固定されてコンテナを囲うようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物コンテナに関し、特に、長い木材などの長尺な荷物を搬送するための(しかしこれ以外を排するものではない)コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
長さの長い物、例えば、木材やパイプなどの荷物を、この種の荷物を標準貨物コンテナと一緒に搬送することができる、いわゆるフラット・ラックに積載して搬送することが知られている。ここで言う標準貨物コンテナとは、ISOコンテナとしても知られているコンテナである。フラット・ラックは使用されていないときは折り畳まれるので、それらが空の状態で出発点へ返送されるときに比較的容積を取らないようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然しながら、それでも上記フラット・ラックを返送することに関連する費用を要することになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、床、壁および屋根モジュールを有する貨物コンテナが提供され、屋根モジュールは壁から持ち上げることができ、該屋根モジュールからコンテナ内部で荷物を吊り下げることができる手段を有しており、したがって、屋根モジュールが持ち上げられるときに、屋根モジュールから吊り下げられた状態で荷物をコンテナから持ち上げて取り出すことができる。
【0005】
屋根を持ち上げることができるということは、長尺の荷物を横に長い状態にしてコンテナ内に積むことができることを意味する。これはフラット・ラックに荷積みするときに行われることである。しかし、本発明のコンテナでは、長尺の荷物を荷降ろし後、屋根モジュールを元に戻すことができ、次にそのコンテナを同じ方法で標準の閉じられたコンテナとして使用することができる。言い換えれば、そのコンテナは一般の荷物も運搬することができ、戻りの運搬においても収入を得ることができる。
【0006】
前記の屋根モジュールは、荷物を吊り下げることができる構造的な荷重支持フレームを組み込んでいることが好ましい。荷物を吊下するために吊索(ちょうさく)を設けることができ、その吊索の端をフレームに取り付けるものである。その吊索は固定の長さのものであってもよく、その長さは、コンテナ断面の内部壁と床に沿うのに十分な長さより僅かに長くしても良い。結果として、屋根モジュールをコンテナ上の所定の位置に設置すると、吊索が緩み、屋根モジュールが持ち上げられるとき吊索によって吊り下げられた荷物が、コンテナの床上に静止して吊索には支持されていないようになる。
【0007】
屋根モジュールは各長手方向の側部に沿ってモジュールの面上に一連のドラムを有することができ、該モジュールの面は使用中にはコンテナの内側にあり、したがって、耐荷吊索はコンテナ内で運搬される荷物の積層体の下を通過し、両端においてドラムに取り付けられるようにすることができる。ドラムはスプリング付きとし、耐荷吊索(帯紐であることが好ましい)が使用されていないときにはドラムに引き込まれるようにすることができる。吊索は使用されていないときには邪魔にならないように片付けられていることが好ましく、それらを屋根モジュール内のドラム上に巻き付けるのが特に好都合である。
【0008】
別の方法としては、コンテナの波型の壁の幾つかをシート材料で掛け渡すようなブリッジングすることによって、波型とシート材料との間にポケットを形成してコンテナの波型壁にポケットを形成するようにすることができる。すると、それらのポケットを吊索の不使用時に吊索の収容に使用することができる。
【0009】
コンテナは、そのコーナーに複数のISOキャスティング(鋳物、成型品)を有し、屋根モジュールがそれらのキャスティングの間に嵌合していることが好ましい。また、屋根モジュールも端と端の間の中間点にISOキャスティングを有することが可能であり、リーチ・スタッカなどの適当な持上げモジュールを中間点のISOキャスティングに取り付けることにより、持ち上げることができるようにすることが可能である(コンテナ全体は、隅部のコーナーキャスティングを使用して既知の方法で持ち上げることができる)。
【0010】
屋根モジュールはコンテナ全体の長さより僅かに短くてよく、コンテナは各端において短い固定された屋根部分を有し、それは屋根モジュールをコンテナから持ち上げて取り去ったときにもその場所に在る。これらの固定された屋根部分は、前記屋根モジュールを持ち上げて取り去ったときにもコンテナの剛性および安定性を維持するのを助ける。
【0011】
屋根モジュールとコンテナ壁の間には耐候性シールが設けられ、屋根モジュールが設置されているときに、コンテナの内部を封止する。屋根モジュールの周辺にはクランプが配置され、該屋根をコンテナの壁にクランプし、シールに力を印加して耐候性シールを供するようにすることができる。クランプはシールが効果的であることを確保するのに十分でなければならないが、クランプを通して外部荷重が伝達されることは、通常はない。
【0012】
また、本発明は荷役の方法にも係わるものであり、その場合、剛性支持フレームが荷物アイテムの積載スタックの頂部上に置かれ、該フレームから吊索がスタックの下部に通されてフレームをクレーンなどによって持ち上げることにより、貨物を持ち上げると、貨物が吊索の内部でフレームから吊り下げられる。
【0013】
本発明は更に他の態様として剛性支持フレームにも係わるものであり、フレームをクレーンなどから吊り下げることができる手段と、そのフレームの下部から積荷を吊り下げるための吊索とを有する。クレーンなどからフレームを吊り下げるための手段は、フレームをリーチ・スタッカにより持ち上げることができるように適当な間隔を置いて並べられた一組のISOキャスティングを備えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
添付の図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明するが、これらは単に例示としてのものに過ぎない。
【0015】
図1に示されているコンテナ10は、外部寸法において標準の45フィートのISO輸送コンテナと同等であり、壁12と、端の扉14と、屋根16とを有する。屋根は3つの部分、すなわち、中央部分16a(これ以降では屋根モジュールと呼ばれる)と、2つの端部分16bとを有する。図面では見られない床は、普通の床である。反対側の端壁は、このようなコンテナにおいて通常であるように閉じられており(すなわち、扉14が無い)、反対側の側壁は見えている側壁12と同じである。
【0016】
図示されているコンテナは45フィートの標準コンテナであるが、本発明は他の標準サイズのコンテナに対しても等しく適用可能であり、また、非ISOコンテナでも使用することができる。
【0017】
コンテナ10の屋根16の中央部分は、着脱可能なモジュール16aの形式になっており、壁の頂部から着脱することができる。この実施形態においては、コンテナの長さは45フィートであり、屋根モジュール16aの長さは40フィートであるので、屋根16はそれぞれ2フィート6インチの長さの固定された端部分16bを有する。これらの短い端部分は、屋根モジュールが持ち上げられて外されたときに、コンテナを安定に保つのに役立つ。
【0018】
このコンテナは、長い側面部(エッジ)のそれぞれに沿って、対(ペア)になったISOキャスティング18a、18bおよび18cを有する。コーナーにある(すなわち、45フィート離れている)キャスティング18aは、コンテナをトレーラに対して、または船上にある他のコンテナに固定するために使用される。キャスティング18bは40フィート離れており、リーチ・スタッカによってコンテナの持ち上げと積み重ねに使用される。キャスティング18cは20フィート離れており、コンテナが20フィート間隔で置かれたキャスティングによって他のコンテナに固定されなければならないときに使用される。しかし、更に重要な点として、屋根モジュールを、該モジュールがコンテナのベースから外されてから、(この場合)20フィートのスプレッダ・バーを使用して持ち上げるときにキャスティング18cが使用されることである。これらのキャスティングはすべて、既知の形式のものであり、これによって、隣接しているコンテナに、および/またはクレーンまたは運搬車両にコンテナをツイスト錠で固定することができる。
【0019】
屋根モジュール16aはそのモジュールに対して強度を付与する一対の隔設されたIビーム50と、同ビーム間に掛け渡された外板52とによって形成されており、これは図5に明示されている。外板52は、その外側縁に下方に曲げられた唇状部54を有しており、ウェザー・シール27がその唇状部の下側に装着されている。また、横方向の固定具53が2つのIビーム50間に設けられ、モジュールの強度を補強している。
【0020】
耐候性シール27(図7、図8および図9)が、屋根モジュール16aと壁12および固定された屋根端部分16bのエッジの頂部との間に設けられ、屋根モジュールを所定位置に配設すると、コンテナの内部が封止され、標準の閉塞型のコンテナの場合と同様に、コンテナの内容物を保護するようになっている。
【0021】
型部62(図7)が壁12の頂部に装着されて座を設け、該座にシール27が水密結合されている。
【0022】
固定された端部分16bの縁部において、横梁56が2つのキャスティング18bを結合している。横梁56はそれぞれ上方に曲げられた唇状部58を有しており、それらがシール27に対して封止係合している(図8)。補強ビーム60が屋根モジュールの隣接しているエッジに掛け渡すように延設されている。
【0023】
クランプ36(図9)がコンテナの周辺回りに配置され、屋根モジュール16を壁12の上に保持する。これらのクランプは回転可能なバー38を備え、それはコンテナの底部40から頂部へ向かって伸びている。該バーは底部においてハンドル42を有しており、頂部においてアーム44を有する。図9において、クランプの底部半分(ハンドル42が付いている)が開かれた位置で示されており、一方、アーム44の付いた上半分が閉じられた位置またはクランプされた位置で示されており、アーム44はIビーム50の下側のフランジに支承されている。例示の目的のために、アーム44とシール27は、クランプが閉じられるときに実際には当接することになる部分から隔てられて示されている。
【0024】
図2に示されているように、そのようなクランプを各側面に沿って4つ配置することができる。
【0025】
図2は、コンテナの壁12から持ち上げて離した屋根モジュール16を示している。
【0026】
この屋根モジュールは、例えば、木材の積み重ね(スタック)などの荷物のスタックを持ち上げるための持上げ用フレームとして使用されるように設計されている。Iビーム50には巻上げ用のドラム70が取り付けられており(図6にそのようなドラムが2つ図示されている)、両側においてドラムから帯紐72がドラムから下方向に伸び、それぞれの端が接続されると、それらが木材の積み重ねの回りに掛け回された吊索を形成する。ドラムは巻戻しスプリングを有し、帯紐が何かに取り付いていないときにドラム上に巻かれるが、積荷がそのモジュールの下に吊り下げられるときはそのドラムを引っ張ることによって巻き戻すことができる。
【0027】
別の実施形態(図10)においては、Iビーム50の下側の固定されているブラケット84に帯紐72が取り付けられている。使用されていないときにドラム上に巻かれる代わりに、帯紐はコンテナの壁12の波型部分内に形成されているポケット86内に格納される。
【0028】
ポケットを形成するために、通常のコンテナの壁の構造の一部として存在する波型部を掛け渡しするように、シート材料のストリップ88が溶接または別の方法で固定される。ストリップ88(これはメッシュまたはそれと類似の構造とすることができる)は、コンテナの壁の頂部の下に終端して、帯紐72をポケット内に押し下げることができる開口部90を残置し、そこに収納された帯紐は、そのコンテナが一般的な荷物運搬のために使用されているときに邪魔にならずに格納される。
【0029】
使用時において、輸送される荷物(例えば、木材)は、コンテナの内部空間とほぼ同じ容積の積み重ね荷物として集められる。屋根モジュールがそのスタックの頂部上に降下させられる。帯紐72が片側にあるドラム70から引き外されて、積み重ね荷物、つまりスタックの下を通され、そのモジュールの反対側にある対応のドラムからの帯紐72の端と出会う。帯紐の端は図5で円Aの位置において一緒に接続される。帯紐はこの段階においては緩んでいるので、次に、2つの帯紐間の接合部を位置Bへスタックの回りで引っ張ることができ、したがって、その接合部はスタックがコンテナ内に下げられるときに邪魔にならない。
【0030】
帯紐72の端は任意の好都合な方法で接合することができる。図5aは1つの可能性を示しており、この場合、両方の帯紐がそれぞれの自由端においてDリング80を有し、その端を接続するためにスナップ・シャックル82などが使用される。両方の端を接合する多くの別の方法が可能であるが、その接合は帯紐が緩んだときに外れないように完全であることが重要であることは明らかである。
【0031】
しかし、吊索を形成する帯紐24は多くの異なる方法で作ることができる。それらは図示されているように、それぞれの端においてループまたはリング80が付けられた固定長のものであってもよい。2つの端がスタックの片側の側面において出会うように、一方の長さは他方より長い必要がある。その組み合わされた長さは、コンテナの1つの壁の高さの2倍と、床の幅と、少し余分の長さとを加算した値である必要があり、可及最大容積の荷物がコンテナ内に設置されているときにも、その荷物がコンテナの床の上に静止して置かれ、屋根モジュールが完全に所定の位置に在るとき、吊索が緩むようになっている必要がある。
【0032】
ある状況下においては、吊索の長さを調整できることが望ましい場合がある。調整は任意の適切な従来の方法、例えば、既知のラチェット式張力印加バックルなどによって提供することができる。
【0033】
モジュールは適切な持上げ用ギアをキャスティング18cと係合させることによって持ち上げられる。モジュールが持ち上げられるときに最初に発生することは、帯紐72がピンと張つめられることである。帯紐が張りつめられると、モジュールをさらに持ち上げることによって、スタック90が持ち上げられ、モジュールの下部に吊り下げられることになる。次に、スタックおよびモジュールがコンテナ本体の上空で位置決めされ、コンテナ内に下げられる。スタックがコンテナ内に完全に入ると、そのスタックはコンテナの床の上に着地し、モジュールがコンテナの頂部上に置かれると、帯紐が再び緩んだ状態になる。そのとき、コンテナは出荷準備ができた状態になる。
【0034】
スタックの長さはコンテナの内部空間の長さより短いので、通常の荷物拘束バーをそのコンテナの端に当てがい、荷物が端の空間内で長手方向に移動しないように停止させることができる。
【0035】
コンテナの荷降ろしのプロセスは、荷積みのプロセスの逆である。
【0036】
このコンテナは、屋根モジュールを適切にクランプして普通のエンドロード型のコンテナとして使用することができる。巻取り用ドラムは屋根の中に収容され、積荷の空間内にはほとんど突き出さない。帯紐はそのドラム上に完全に巻き付けられる。
【0037】
図5において、木材スタック26の頂部と屋根モジュールとの間には隙間があることが分かる。この隙間は、屋根モジュールがコンテナの頂部に取り付けられるとき、吊り索24が緩んだ状態で木材がコンテナの床の上に静止する必要があるので発生する。したがって、屋根モジュールが最初に持ち上げられるとき、それはその吊索が張りつめ状態になるまである距離だけ持ち上げ、荷物を動かし、次に屋根モジュールをさらに持ち上げると、荷物も持ち上がることになる。荷物がコンテナ内に下げられるとき、ある点において、木材の荷物が床と接触して床の上に着地し、その後、屋根モジュールが壁の頂部上の所定の位置に設置される。この点において、吊索が緩むことになる。
【0038】
この目的を達成するために、帯紐が巻かれるスプールの軸は垂直であってもよく、帯紐がスプールの上に巻かれるように帯紐を90°回転させることができる。
【0039】
図4は、屋根モジュールが、ロード・トレーラ34の上に木材を下げるためのスプレッダおよび積荷フレームとして使用されていることを示している。重量がトレーラの上に移されると、吊索24を解放することができ、屋根モジュールおよび吊索がはずされ、木材26が従前に搬送されてきたコンテナへと戻される。
【0040】
もちろん、ここでの荷積みの説明は荷降ろしの段階にも等しく適用される。逆もそうである。
【0041】
ここで説明されたコンテナは、コンテナ・ライナーのオペレータに、取引ルートの荷物および装置の不平衡を訂正するためのコンテナの装置のオプションを提供する。任意のスケジュールされたコンテナ化ライナー・サービスの収益性を決定する際の2つの最も重要な操業的要因は、行き帰りの運搬の両方において運ばれる荷物の容積を最大にし、収益が得られない空のコンテナ装置の位置変更または空での戻りを最小にすることである。
【0042】
行きまたは帰りで空の装置を移動させることのコストは、海上輸送での収入なしで輸送のスペースを取ることのコストに加え、両側でのトラック輸送および空(から)のリフトのコストをも追加されなければならないので、過小評価することはできない。
【0043】
例としてここで示されている構成は、40フィートのコンテナのタイプに適用され、そのコンテナは片道の取引に対して8フィート6インチのドライ・バン標準コンテナとして操業することができ、帰りには、適切な場合は、標準のコンテナでは運搬されない荷物を運ぶために、異なるタイプのトップからの荷積み/荷降ろしに変えることができる。頂部が取外し可能になっていることによって、長い荷物を垂直に荷積みまたは荷降ろしすることができる。また、頂部は荷物の持ち上げ用スプレッダとしても働き、したがって、木材などの物資を、最大重量の積荷を十分に支持するために適切に構造化されている頂部から下に吊り下げることによって荷積みおよび荷降ろしを行うことができる。輸出の荷積みおよび輸入の荷降ろしの時点で、頂部がベース・モジュールに対して持ち上げられるか、または降ろされるとき以外は、輸送の全行程において、常にコンテナの床に荷物が横たわっている状態で(吊索が緩んでいて)、適切なロック装置によって頂部がコンテナに取り付けられたままになる。
【0044】
したがって、ベース・モジュールとの間で荷物の全体(例えば、35トンの)を荷積み/荷降ろしすることは、屋根モジュールおよび荷物をコンテナから分離するための(または、先方への出荷のために屋根モジュールおよび荷物をコンテナ内に置くための)1回のリフトの機能でできる。したがって、これはコンテナ・ポートの波止場地帯において、普通は必要となる、遠方の荷物開梱施設までコンテナを運ぶことをせずに行うことができる。
【0045】
この転用可能な形式のISOコンテナを有することによって、オペレータは、普通は自分の装置の機能の範囲内にない荷物を運ぶことができ、標準の装置を空で返すためにお金をかけることなしに、オペレータはその新しい柔軟性のあるブレークバルク運搬操業機能から輸送収益を得ることができる。
【0046】
また、出荷者、輸入者または取扱いポートにとって、従来の容器を荷降ろしするための時間が節約できるというメリットがあり、荷積みおよび荷降ろしに対していつも支払いが必要である輸入者にとって費用が安くなるというメリットもある。
【0047】
したがって、このコンテナは自然の標準ドライ・バン貨物輸送が大幅に不均衡であるライナー・サービスにおいて特に貴重である。装置をブレーク・バルク機能に変えることができることによって、取引および装置を均衡状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるコンテナの閉じられた状態における斜視図である。
【図2】屋根モジュールが持ち上げられた状態における図1のコンテナを示す図である。
【図3】コンテナの床および壁から分離されたコンテナの屋根モジュールを示し、同モジュールの下にはコンテナ内に荷積みされた長い木材が置かれている状態を示す図である。
【図4】平ベッド型トレーラ上に木材のスタックを荷降ろしするために準備しているモジュールを示す図である。
【図5】図3のラインV‐V矢視における、屋根モジュールと吊り下げられた荷物の断面図である。
【図5a】図5の円Aの部分の詳細図である。
【図6】屋根モジュールの一部として配設されているウインチを示す詳細図である。
【図7】図1のラインVII‐VII矢視に沿って切断した断面図である。
【図8】図1のラインVIII‐VIII矢視に沿って切断した断面図である。
【図9】図1のラインIX‐IX矢視に沿って切断した断面図である。
【図10】図1のラインVIII‐VII矢視に沿って切断した断面図であり、図7に示すものの別実施形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物コンテナに関し、特に、長い木材などの長尺な荷物を搬送するための(しかしこれ以外を排するものではない)コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
長さの長い物、例えば、木材やパイプなどの荷物を、この種の荷物を標準貨物コンテナと一緒に搬送することができる、いわゆるフラット・ラックに積載して搬送することが知られている。ここで言う標準貨物コンテナとは、ISOコンテナとしても知られているコンテナである。フラット・ラックは使用されていないときは折り畳まれるので、それらが空の状態で出発点へ返送されるときに比較的容積を取らないようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然しながら、それでも上記フラット・ラックを返送することに関連する費用を要することになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、床、壁および屋根モジュールを有する貨物コンテナが提供され、屋根モジュールは壁から持ち上げることができ、該屋根モジュールからコンテナ内部で荷物を吊り下げることができる手段を有しており、したがって、屋根モジュールが持ち上げられるときに、屋根モジュールから吊り下げられた状態で荷物をコンテナから持ち上げて取り出すことができる。
【0005】
屋根を持ち上げることができるということは、長尺の荷物を横に長い状態にしてコンテナ内に積むことができることを意味する。これはフラット・ラックに荷積みするときに行われることである。しかし、本発明のコンテナでは、長尺の荷物を荷降ろし後、屋根モジュールを元に戻すことができ、次にそのコンテナを同じ方法で標準の閉じられたコンテナとして使用することができる。言い換えれば、そのコンテナは一般の荷物も運搬することができ、戻りの運搬においても収入を得ることができる。
【0006】
前記の屋根モジュールは、荷物を吊り下げることができる構造的な荷重支持フレームを組み込んでいることが好ましい。荷物を吊下するために吊索(ちょうさく)を設けることができ、その吊索の端をフレームに取り付けるものである。その吊索は固定の長さのものであってもよく、その長さは、コンテナ断面の内部壁と床に沿うのに十分な長さより僅かに長くしても良い。結果として、屋根モジュールをコンテナ上の所定の位置に設置すると、吊索が緩み、屋根モジュールが持ち上げられるとき吊索によって吊り下げられた荷物が、コンテナの床上に静止して吊索には支持されていないようになる。
【0007】
屋根モジュールは各長手方向の側部に沿ってモジュールの面上に一連のドラムを有することができ、該モジュールの面は使用中にはコンテナの内側にあり、したがって、耐荷吊索はコンテナ内で運搬される荷物の積層体の下を通過し、両端においてドラムに取り付けられるようにすることができる。ドラムはスプリング付きとし、耐荷吊索(帯紐であることが好ましい)が使用されていないときにはドラムに引き込まれるようにすることができる。吊索は使用されていないときには邪魔にならないように片付けられていることが好ましく、それらを屋根モジュール内のドラム上に巻き付けるのが特に好都合である。
【0008】
別の方法としては、コンテナの波型の壁の幾つかをシート材料で掛け渡すようなブリッジングすることによって、波型とシート材料との間にポケットを形成してコンテナの波型壁にポケットを形成するようにすることができる。すると、それらのポケットを吊索の不使用時に吊索の収容に使用することができる。
【0009】
コンテナは、そのコーナーに複数のISOキャスティング(鋳物、成型品)を有し、屋根モジュールがそれらのキャスティングの間に嵌合していることが好ましい。また、屋根モジュールも端と端の間の中間点にISOキャスティングを有することが可能であり、リーチ・スタッカなどの適当な持上げモジュールを中間点のISOキャスティングに取り付けることにより、持ち上げることができるようにすることが可能である(コンテナ全体は、隅部のコーナーキャスティングを使用して既知の方法で持ち上げることができる)。
【0010】
屋根モジュールはコンテナ全体の長さより僅かに短くてよく、コンテナは各端において短い固定された屋根部分を有し、それは屋根モジュールをコンテナから持ち上げて取り去ったときにもその場所に在る。これらの固定された屋根部分は、前記屋根モジュールを持ち上げて取り去ったときにもコンテナの剛性および安定性を維持するのを助ける。
【0011】
屋根モジュールとコンテナ壁の間には耐候性シールが設けられ、屋根モジュールが設置されているときに、コンテナの内部を封止する。屋根モジュールの周辺にはクランプが配置され、該屋根をコンテナの壁にクランプし、シールに力を印加して耐候性シールを供するようにすることができる。クランプはシールが効果的であることを確保するのに十分でなければならないが、クランプを通して外部荷重が伝達されることは、通常はない。
【0012】
また、本発明は荷役の方法にも係わるものであり、その場合、剛性支持フレームが荷物アイテムの積載スタックの頂部上に置かれ、該フレームから吊索がスタックの下部に通されてフレームをクレーンなどによって持ち上げることにより、貨物を持ち上げると、貨物が吊索の内部でフレームから吊り下げられる。
【0013】
本発明は更に他の態様として剛性支持フレームにも係わるものであり、フレームをクレーンなどから吊り下げることができる手段と、そのフレームの下部から積荷を吊り下げるための吊索とを有する。クレーンなどからフレームを吊り下げるための手段は、フレームをリーチ・スタッカにより持ち上げることができるように適当な間隔を置いて並べられた一組のISOキャスティングを備えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
添付の図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明するが、これらは単に例示としてのものに過ぎない。
【0015】
図1に示されているコンテナ10は、外部寸法において標準の45フィートのISO輸送コンテナと同等であり、壁12と、端の扉14と、屋根16とを有する。屋根は3つの部分、すなわち、中央部分16a(これ以降では屋根モジュールと呼ばれる)と、2つの端部分16bとを有する。図面では見られない床は、普通の床である。反対側の端壁は、このようなコンテナにおいて通常であるように閉じられており(すなわち、扉14が無い)、反対側の側壁は見えている側壁12と同じである。
【0016】
図示されているコンテナは45フィートの標準コンテナであるが、本発明は他の標準サイズのコンテナに対しても等しく適用可能であり、また、非ISOコンテナでも使用することができる。
【0017】
コンテナ10の屋根16の中央部分は、着脱可能なモジュール16aの形式になっており、壁の頂部から着脱することができる。この実施形態においては、コンテナの長さは45フィートであり、屋根モジュール16aの長さは40フィートであるので、屋根16はそれぞれ2フィート6インチの長さの固定された端部分16bを有する。これらの短い端部分は、屋根モジュールが持ち上げられて外されたときに、コンテナを安定に保つのに役立つ。
【0018】
このコンテナは、長い側面部(エッジ)のそれぞれに沿って、対(ペア)になったISOキャスティング18a、18bおよび18cを有する。コーナーにある(すなわち、45フィート離れている)キャスティング18aは、コンテナをトレーラに対して、または船上にある他のコンテナに固定するために使用される。キャスティング18bは40フィート離れており、リーチ・スタッカによってコンテナの持ち上げと積み重ねに使用される。キャスティング18cは20フィート離れており、コンテナが20フィート間隔で置かれたキャスティングによって他のコンテナに固定されなければならないときに使用される。しかし、更に重要な点として、屋根モジュールを、該モジュールがコンテナのベースから外されてから、(この場合)20フィートのスプレッダ・バーを使用して持ち上げるときにキャスティング18cが使用されることである。これらのキャスティングはすべて、既知の形式のものであり、これによって、隣接しているコンテナに、および/またはクレーンまたは運搬車両にコンテナをツイスト錠で固定することができる。
【0019】
屋根モジュール16aはそのモジュールに対して強度を付与する一対の隔設されたIビーム50と、同ビーム間に掛け渡された外板52とによって形成されており、これは図5に明示されている。外板52は、その外側縁に下方に曲げられた唇状部54を有しており、ウェザー・シール27がその唇状部の下側に装着されている。また、横方向の固定具53が2つのIビーム50間に設けられ、モジュールの強度を補強している。
【0020】
耐候性シール27(図7、図8および図9)が、屋根モジュール16aと壁12および固定された屋根端部分16bのエッジの頂部との間に設けられ、屋根モジュールを所定位置に配設すると、コンテナの内部が封止され、標準の閉塞型のコンテナの場合と同様に、コンテナの内容物を保護するようになっている。
【0021】
型部62(図7)が壁12の頂部に装着されて座を設け、該座にシール27が水密結合されている。
【0022】
固定された端部分16bの縁部において、横梁56が2つのキャスティング18bを結合している。横梁56はそれぞれ上方に曲げられた唇状部58を有しており、それらがシール27に対して封止係合している(図8)。補強ビーム60が屋根モジュールの隣接しているエッジに掛け渡すように延設されている。
【0023】
クランプ36(図9)がコンテナの周辺回りに配置され、屋根モジュール16を壁12の上に保持する。これらのクランプは回転可能なバー38を備え、それはコンテナの底部40から頂部へ向かって伸びている。該バーは底部においてハンドル42を有しており、頂部においてアーム44を有する。図9において、クランプの底部半分(ハンドル42が付いている)が開かれた位置で示されており、一方、アーム44の付いた上半分が閉じられた位置またはクランプされた位置で示されており、アーム44はIビーム50の下側のフランジに支承されている。例示の目的のために、アーム44とシール27は、クランプが閉じられるときに実際には当接することになる部分から隔てられて示されている。
【0024】
図2に示されているように、そのようなクランプを各側面に沿って4つ配置することができる。
【0025】
図2は、コンテナの壁12から持ち上げて離した屋根モジュール16を示している。
【0026】
この屋根モジュールは、例えば、木材の積み重ね(スタック)などの荷物のスタックを持ち上げるための持上げ用フレームとして使用されるように設計されている。Iビーム50には巻上げ用のドラム70が取り付けられており(図6にそのようなドラムが2つ図示されている)、両側においてドラムから帯紐72がドラムから下方向に伸び、それぞれの端が接続されると、それらが木材の積み重ねの回りに掛け回された吊索を形成する。ドラムは巻戻しスプリングを有し、帯紐が何かに取り付いていないときにドラム上に巻かれるが、積荷がそのモジュールの下に吊り下げられるときはそのドラムを引っ張ることによって巻き戻すことができる。
【0027】
別の実施形態(図10)においては、Iビーム50の下側の固定されているブラケット84に帯紐72が取り付けられている。使用されていないときにドラム上に巻かれる代わりに、帯紐はコンテナの壁12の波型部分内に形成されているポケット86内に格納される。
【0028】
ポケットを形成するために、通常のコンテナの壁の構造の一部として存在する波型部を掛け渡しするように、シート材料のストリップ88が溶接または別の方法で固定される。ストリップ88(これはメッシュまたはそれと類似の構造とすることができる)は、コンテナの壁の頂部の下に終端して、帯紐72をポケット内に押し下げることができる開口部90を残置し、そこに収納された帯紐は、そのコンテナが一般的な荷物運搬のために使用されているときに邪魔にならずに格納される。
【0029】
使用時において、輸送される荷物(例えば、木材)は、コンテナの内部空間とほぼ同じ容積の積み重ね荷物として集められる。屋根モジュールがそのスタックの頂部上に降下させられる。帯紐72が片側にあるドラム70から引き外されて、積み重ね荷物、つまりスタックの下を通され、そのモジュールの反対側にある対応のドラムからの帯紐72の端と出会う。帯紐の端は図5で円Aの位置において一緒に接続される。帯紐はこの段階においては緩んでいるので、次に、2つの帯紐間の接合部を位置Bへスタックの回りで引っ張ることができ、したがって、その接合部はスタックがコンテナ内に下げられるときに邪魔にならない。
【0030】
帯紐72の端は任意の好都合な方法で接合することができる。図5aは1つの可能性を示しており、この場合、両方の帯紐がそれぞれの自由端においてDリング80を有し、その端を接続するためにスナップ・シャックル82などが使用される。両方の端を接合する多くの別の方法が可能であるが、その接合は帯紐が緩んだときに外れないように完全であることが重要であることは明らかである。
【0031】
しかし、吊索を形成する帯紐24は多くの異なる方法で作ることができる。それらは図示されているように、それぞれの端においてループまたはリング80が付けられた固定長のものであってもよい。2つの端がスタックの片側の側面において出会うように、一方の長さは他方より長い必要がある。その組み合わされた長さは、コンテナの1つの壁の高さの2倍と、床の幅と、少し余分の長さとを加算した値である必要があり、可及最大容積の荷物がコンテナ内に設置されているときにも、その荷物がコンテナの床の上に静止して置かれ、屋根モジュールが完全に所定の位置に在るとき、吊索が緩むようになっている必要がある。
【0032】
ある状況下においては、吊索の長さを調整できることが望ましい場合がある。調整は任意の適切な従来の方法、例えば、既知のラチェット式張力印加バックルなどによって提供することができる。
【0033】
モジュールは適切な持上げ用ギアをキャスティング18cと係合させることによって持ち上げられる。モジュールが持ち上げられるときに最初に発生することは、帯紐72がピンと張つめられることである。帯紐が張りつめられると、モジュールをさらに持ち上げることによって、スタック90が持ち上げられ、モジュールの下部に吊り下げられることになる。次に、スタックおよびモジュールがコンテナ本体の上空で位置決めされ、コンテナ内に下げられる。スタックがコンテナ内に完全に入ると、そのスタックはコンテナの床の上に着地し、モジュールがコンテナの頂部上に置かれると、帯紐が再び緩んだ状態になる。そのとき、コンテナは出荷準備ができた状態になる。
【0034】
スタックの長さはコンテナの内部空間の長さより短いので、通常の荷物拘束バーをそのコンテナの端に当てがい、荷物が端の空間内で長手方向に移動しないように停止させることができる。
【0035】
コンテナの荷降ろしのプロセスは、荷積みのプロセスの逆である。
【0036】
このコンテナは、屋根モジュールを適切にクランプして普通のエンドロード型のコンテナとして使用することができる。巻取り用ドラムは屋根の中に収容され、積荷の空間内にはほとんど突き出さない。帯紐はそのドラム上に完全に巻き付けられる。
【0037】
図5において、木材スタック26の頂部と屋根モジュールとの間には隙間があることが分かる。この隙間は、屋根モジュールがコンテナの頂部に取り付けられるとき、吊り索24が緩んだ状態で木材がコンテナの床の上に静止する必要があるので発生する。したがって、屋根モジュールが最初に持ち上げられるとき、それはその吊索が張りつめ状態になるまである距離だけ持ち上げ、荷物を動かし、次に屋根モジュールをさらに持ち上げると、荷物も持ち上がることになる。荷物がコンテナ内に下げられるとき、ある点において、木材の荷物が床と接触して床の上に着地し、その後、屋根モジュールが壁の頂部上の所定の位置に設置される。この点において、吊索が緩むことになる。
【0038】
この目的を達成するために、帯紐が巻かれるスプールの軸は垂直であってもよく、帯紐がスプールの上に巻かれるように帯紐を90°回転させることができる。
【0039】
図4は、屋根モジュールが、ロード・トレーラ34の上に木材を下げるためのスプレッダおよび積荷フレームとして使用されていることを示している。重量がトレーラの上に移されると、吊索24を解放することができ、屋根モジュールおよび吊索がはずされ、木材26が従前に搬送されてきたコンテナへと戻される。
【0040】
もちろん、ここでの荷積みの説明は荷降ろしの段階にも等しく適用される。逆もそうである。
【0041】
ここで説明されたコンテナは、コンテナ・ライナーのオペレータに、取引ルートの荷物および装置の不平衡を訂正するためのコンテナの装置のオプションを提供する。任意のスケジュールされたコンテナ化ライナー・サービスの収益性を決定する際の2つの最も重要な操業的要因は、行き帰りの運搬の両方において運ばれる荷物の容積を最大にし、収益が得られない空のコンテナ装置の位置変更または空での戻りを最小にすることである。
【0042】
行きまたは帰りで空の装置を移動させることのコストは、海上輸送での収入なしで輸送のスペースを取ることのコストに加え、両側でのトラック輸送および空(から)のリフトのコストをも追加されなければならないので、過小評価することはできない。
【0043】
例としてここで示されている構成は、40フィートのコンテナのタイプに適用され、そのコンテナは片道の取引に対して8フィート6インチのドライ・バン標準コンテナとして操業することができ、帰りには、適切な場合は、標準のコンテナでは運搬されない荷物を運ぶために、異なるタイプのトップからの荷積み/荷降ろしに変えることができる。頂部が取外し可能になっていることによって、長い荷物を垂直に荷積みまたは荷降ろしすることができる。また、頂部は荷物の持ち上げ用スプレッダとしても働き、したがって、木材などの物資を、最大重量の積荷を十分に支持するために適切に構造化されている頂部から下に吊り下げることによって荷積みおよび荷降ろしを行うことができる。輸出の荷積みおよび輸入の荷降ろしの時点で、頂部がベース・モジュールに対して持ち上げられるか、または降ろされるとき以外は、輸送の全行程において、常にコンテナの床に荷物が横たわっている状態で(吊索が緩んでいて)、適切なロック装置によって頂部がコンテナに取り付けられたままになる。
【0044】
したがって、ベース・モジュールとの間で荷物の全体(例えば、35トンの)を荷積み/荷降ろしすることは、屋根モジュールおよび荷物をコンテナから分離するための(または、先方への出荷のために屋根モジュールおよび荷物をコンテナ内に置くための)1回のリフトの機能でできる。したがって、これはコンテナ・ポートの波止場地帯において、普通は必要となる、遠方の荷物開梱施設までコンテナを運ぶことをせずに行うことができる。
【0045】
この転用可能な形式のISOコンテナを有することによって、オペレータは、普通は自分の装置の機能の範囲内にない荷物を運ぶことができ、標準の装置を空で返すためにお金をかけることなしに、オペレータはその新しい柔軟性のあるブレークバルク運搬操業機能から輸送収益を得ることができる。
【0046】
また、出荷者、輸入者または取扱いポートにとって、従来の容器を荷降ろしするための時間が節約できるというメリットがあり、荷積みおよび荷降ろしに対していつも支払いが必要である輸入者にとって費用が安くなるというメリットもある。
【0047】
したがって、このコンテナは自然の標準ドライ・バン貨物輸送が大幅に不均衡であるライナー・サービスにおいて特に貴重である。装置をブレーク・バルク機能に変えることができることによって、取引および装置を均衡状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるコンテナの閉じられた状態における斜視図である。
【図2】屋根モジュールが持ち上げられた状態における図1のコンテナを示す図である。
【図3】コンテナの床および壁から分離されたコンテナの屋根モジュールを示し、同モジュールの下にはコンテナ内に荷積みされた長い木材が置かれている状態を示す図である。
【図4】平ベッド型トレーラ上に木材のスタックを荷降ろしするために準備しているモジュールを示す図である。
【図5】図3のラインV‐V矢視における、屋根モジュールと吊り下げられた荷物の断面図である。
【図5a】図5の円Aの部分の詳細図である。
【図6】屋根モジュールの一部として配設されているウインチを示す詳細図である。
【図7】図1のラインVII‐VII矢視に沿って切断した断面図である。
【図8】図1のラインVIII‐VIII矢視に沿って切断した断面図である。
【図9】図1のラインIX‐IX矢視に沿って切断した断面図である。
【図10】図1のラインVIII‐VII矢視に沿って切断した断面図であり、図7に示すものの別実施形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物コンテナであって、床と、壁と、屋根モジュールとを有し、前記屋根モジュールを前記壁から持ち上げることができ、前記モジュールは荷物を前記屋根モジュールから吊り下げることができる手段を有し、したがって該荷物は、前記屋根モジュールが持ち上げられるときに、前記屋根モジュールから吊り下げられてコンテナから持ち上げ、取り出すことができるように構成されたことを特徴とする貨物コンテナ。
【請求項2】
前記屋根モジュールが構造上の荷重支持フレームを組み込み、前記荷物を前記フレームから吊り下げることができる、請求項1に記載の貨物コンテナ。
【請求項3】
前記荷物を吊り下げるための吊索が設けられ、前記吊索の端が前記フレーム上に取着される、請求項2に記載の貨物コンテナ。
【請求項4】
前記コンテナがその隅部に複数のISOキャスティングを有し、前記屋根モジュールがそれらのキャスティング間に装着される、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項5】
前記屋根モジュールが複数の端部の各中間点においてISOキャスティングを有し、したがって前記屋根モジュールが、前記ISOキャスティングに適切な持ち上げ用モジュールを取り付けることによって持ち上げることができる、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項6】
前記屋根モジュールが前記コンテナより短く、前記コンテナが各端において固定された屋根部分を有し、該屋根部分が前記屋根モジュールと一緒に、コンテナ全体を覆う、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項7】
前記屋根モジュール内に複数のドラムが装着され、使用する必要がないときに前記吊索を前記ドラム上に巻き取ることができる、請求項3から6の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項8】
前記ドラムがスプリング荷重されて前記吊索が必要でないときに、該吊索を巻き取るようにした、請求項7に記載の貨物コンテナ。
【請求項9】
前記吊索が帯紐である、請求項3から8の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項10】
前記コンテナの壁が垂直の波型部分を有し、シート材料で前記波型部分を掛け渡すことにより、ポケットが前記壁のところで形成され、前記吊索が使用されていないときに、前記ポケットが前記吊索を収容するように配設される、請求項1から6の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項11】
前記屋根モジュールと前記コンテナの壁との間に耐候性シールが設けられ、前記屋根モジュールが所定の位置に設置されているときに前記コンテナの内部を封止するように構成した、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項12】
前記吊索の長さが、前記2つのコンテナの壁の高さに前記コンテナの床の幅を加算した長さより僅かに長い、請求項3から11の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項13】
貨物取扱い方法であって、貨物の積み重ね体の頂部に剛性支持フレームを設置し、吊索を前記積み重ね体の下を通して前記支持フレームから掛け渡し、前記支持フレームがクレーンなどによって持ち上げられて貨物を持ち上げ、該貨物を前記吊索内で前記フレームから吊り下げるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項14】
剛性支持フレームであって、クレーンなどに前記フレームを取り付けることができる手段と、前記支持フレームの下側から積荷を吊り下げるための吊索とを有する剛性支持フレーム。
【請求項15】
クレーンなどから前記フレームを吊り下げるための前記手段が、適宜間隔をあけて配設した一組のISOキャスティングを備え、前記フレームをリーチ・スタッカによって持ち上げることができるように構成した請求項14に記載の支持フレーム。
【請求項1】
貨物コンテナであって、床と、壁と、屋根モジュールとを有し、前記屋根モジュールを前記壁から持ち上げることができ、前記モジュールは荷物を前記屋根モジュールから吊り下げることができる手段を有し、したがって該荷物は、前記屋根モジュールが持ち上げられるときに、前記屋根モジュールから吊り下げられてコンテナから持ち上げ、取り出すことができるように構成されたことを特徴とする貨物コンテナ。
【請求項2】
前記屋根モジュールが構造上の荷重支持フレームを組み込み、前記荷物を前記フレームから吊り下げることができる、請求項1に記載の貨物コンテナ。
【請求項3】
前記荷物を吊り下げるための吊索が設けられ、前記吊索の端が前記フレーム上に取着される、請求項2に記載の貨物コンテナ。
【請求項4】
前記コンテナがその隅部に複数のISOキャスティングを有し、前記屋根モジュールがそれらのキャスティング間に装着される、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項5】
前記屋根モジュールが複数の端部の各中間点においてISOキャスティングを有し、したがって前記屋根モジュールが、前記ISOキャスティングに適切な持ち上げ用モジュールを取り付けることによって持ち上げることができる、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項6】
前記屋根モジュールが前記コンテナより短く、前記コンテナが各端において固定された屋根部分を有し、該屋根部分が前記屋根モジュールと一緒に、コンテナ全体を覆う、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項7】
前記屋根モジュール内に複数のドラムが装着され、使用する必要がないときに前記吊索を前記ドラム上に巻き取ることができる、請求項3から6の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項8】
前記ドラムがスプリング荷重されて前記吊索が必要でないときに、該吊索を巻き取るようにした、請求項7に記載の貨物コンテナ。
【請求項9】
前記吊索が帯紐である、請求項3から8の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項10】
前記コンテナの壁が垂直の波型部分を有し、シート材料で前記波型部分を掛け渡すことにより、ポケットが前記壁のところで形成され、前記吊索が使用されていないときに、前記ポケットが前記吊索を収容するように配設される、請求項1から6の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項11】
前記屋根モジュールと前記コンテナの壁との間に耐候性シールが設けられ、前記屋根モジュールが所定の位置に設置されているときに前記コンテナの内部を封止するように構成した、前記請求項の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項12】
前記吊索の長さが、前記2つのコンテナの壁の高さに前記コンテナの床の幅を加算した長さより僅かに長い、請求項3から11の何れか1項に記載の貨物コンテナ。
【請求項13】
貨物取扱い方法であって、貨物の積み重ね体の頂部に剛性支持フレームを設置し、吊索を前記積み重ね体の下を通して前記支持フレームから掛け渡し、前記支持フレームがクレーンなどによって持ち上げられて貨物を持ち上げ、該貨物を前記吊索内で前記フレームから吊り下げるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項14】
剛性支持フレームであって、クレーンなどに前記フレームを取り付けることができる手段と、前記支持フレームの下側から積荷を吊り下げるための吊索とを有する剛性支持フレーム。
【請求項15】
クレーンなどから前記フレームを吊り下げるための前記手段が、適宜間隔をあけて配設した一組のISOキャスティングを備え、前記フレームをリーチ・スタッカによって持ち上げることができるように構成した請求項14に記載の支持フレーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−510666(P2008−510666A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528950(P2007−528950)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003678
【国際公開番号】WO2006/021734
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507061937)ティンバーボックス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/GB2004/003678
【国際公開番号】WO2006/021734
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507061937)ティンバーボックス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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