説明

販売促進体の取り付け構造

【課題】この発明は、自動販売機が販売する商品に関連した販売促進情報の表示及び変更が簡単且つ容易に行え、販売促進に要する費用及びコストの低減を図ることができる販売促進体の取り付け構造の提供を目的とする。
【解決手段】自動販売機Aの見本陳列部Aaに設置される幅広型見本1の表面にシート状の販売促進体8を取り付ける際に、販売促進体8の左右下縁部に形成された切欠き部8a,8bを、見本体2に印刷された山形の印刷パターンと対応する張出し部3の左右山頂部の係止部3a,3bに係止して取り付ける。これにより、販売促進体8が装着された幅広型見本1或いは見本体2に形成された見本部4A,4Bが目立つことになるので、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動販売機が販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝広告、注目度等の訴求力を高めるために用いられる販売促進体の取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記商品の見本を陳列する商品見本体としては、例えば自動販売機の装着台に取り付けられる本体の表面に、半割状の商品見本部と宣伝広告表示部を備えた特許文献1の自動販売機用商品見本体がある。
しかし、商品見本体の表面には、販売促進する商品に関連したキャッチコピーのような宣伝広告文や宣伝広告用の図柄などが印刷されているが、その広告文や図柄を変更する場合、装着台に設置された商品見本体を、新しい広告文や図柄が印刷された商品見本体に取り替えなければならず、商品見本体の取り替え作業に手間及び時間が掛かる。
また、広告文や図柄を変更する度に、新しい商品見本体を製作しなければならず、販売促進に要する費用負担が大きく、コストが掛かる。また、新商品に入れ替わるまで、入替中が表示された表示物を装着台に取り付けておくこともあるが、他の商品見本体を目立たせる効果や販売促進する効果が得られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−209307
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、自動販売機が販売する商品に関連した販売促進情報の表示及び変更が簡単且つ容易に行え、販売促進に要する費用及びコストの低減を図ることができる販売促進体の取り付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品と対応する縦断半割り形状の見本部が形成された幅広型の見本であって、前記見本体の表面に、該見本体に印刷された印刷パターンと対応して、前記商品に関連する販売促進情報が印刷されたシート状の販売促進体を取り付けるための販売促進体取付け部を形成した販売促進体の取り付け構造であることを特徴とする。
【0006】
この発明の態様として、前記販売促進体取付け部を、前記印刷パターンと対応して前記見本体の表面に形成された係止部で構成し、前記販売促進体の前記係止部と対向する縁部に、該係止部に係止される切欠き部又は係止片を形成することができる。
【0007】
また、この発明の態様として、前記販売促進体取付け部を、前記印刷パターンと対応して前記見本体の表面に形成された突起で構成し、前記販売促進体の前記突起と対向する平面部に、該突起が差し込み固定される孔部を形成することができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記販売促進体取付け部を、前記印刷パターンと対応して前記見本体の表面に形成された一対の支持部で構成し、前記販売促進体の前記一対の支持部間と対向する端部に、該一対の支持部間に対し差し込み固定される差込み片を形成することができる。
【0009】
前記幅広型見本は、例えば真空成形、加圧成形、ブロー成形、押出し成形等の成形方法で成形され、同一形状或いは異なる形状の見本部が複数配置された幅広型の見本体で構成することができる。
【0010】
幅広型見本及び販売促進体は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等の透光性を有するプラスチック、或いは、透明なプラスチックや着色された半透明なプラスチックで構成することができる。
【0011】
見本部は、自動販売機が販売する商品の一例として、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型等の商品と酷似する外観及び意匠に形成された縦断半割り形状(例えば半円筒形状、半矩形状等)に構成することができる。
【0012】
販売促進体は、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートで構成することができる。また、販売促進体の裏面又は表面に印刷される印刷パターンは、例えば新発売、キャンペーン中、キャッチコピー、メッセージなどの宣伝広告文、或いは、宣伝広告用の商標、文字、模様、図柄、入替中等の販売促進する商品に関連した販売促進情報で構成することができるが、例えば茶葉、茶畑、花、樹木などの植物、或いは、空、海、山、川等の自然、或いは、犬、猫、鳥、人などの動物等の印刷パターンで構成してもよい。
【0013】
販売促進体取付け部は、例えば見本体に形成された係止部、突起、支持部等で構成することができる。また、見本体の係止部、突起、支持部には、販売促進体に形成された切欠き部、孔部、差込み片等がそれぞれ係止される
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、見本体に印刷された印刷パターンと対応して該見本体の表面に形成された販売促進体取付け部に、商品に関連した販売促進情報が印刷された販売促進体を取り付けるので、販売促進体を折り曲げたり、複雑な加工を施したり、別部品を用いる必要がなく、幅広型見本の表面に対し販売促進体を取り付ける作業が簡単且つ容易に行える。
【0015】
また、見本陳列部に陳列された他の見本に比べて、販売促進体が装着された幅広型見本の方が目立つことになるので、自動販売機に近づく人や商品を購入しようとする人の注目を引くことができ、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】幅広型見本が設置された自動販売機を示す正面図。
【図2】幅広型見本に対する販売促進体の取り付け方を示す斜視図。
【図3】図2の販売促進体の取り付け方を示す正面図。
【図4】販売促進体が取り付けられた幅広型見本の設置構造を示す正面図。
【図5】図4の幅広型見本の設置構造を示す中央縦断側面図。
【図6】幅広型見本に対する販売促進体の他の取り付け方を示す斜視図。
【図7】図6の販売促進体の取り付け方を示す正面図。
【図8】幅広型見本に対する販売促進体のその他の取り付け方を示す斜視図。
【図9】図8の販売促進体の取り付け方を示す正面図。
【図10】同一形状の見本部を備えた幅広型見本に対する暖簾型の販売促進体のその他の取り付け例を示す斜視図。
【図11】同一形状の見本部を備えた幅広型見本に対する販売促進体のその他の取り付け例を示す斜視図。
【図12】異なる形状の見本部を備えた幅広型見本に対する販売促進体のその他の取り付け例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0017】
図1は、幅広型見本1が設置された自動販売機Aを示す正面図、図2は、幅広型見本1に対する販売促進体8の取り付け方を示す斜視図、図3、図2の販売促進体8の取り付け方を示す正面図、図4、販売促進体8が取り付けられた幅広型見本1の設置構造を示す正面図、図5、図4の幅広型見本1の設置構造を示す中央縦断側面図である。
【0018】
実施例の販売促進体8は、自動販売機Aの見本陳列部Aa内に設置された幅広型見本1の表面に取り付けられ、該自動販売機Aが販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝効果、注目度等の訴求力を高める際にPOP広告として用いられるものである。
【0019】
販売促進体8が取り付けられる幅広型見本1は、図2〜図5に示すように、正面から見て矩形の見本体2が、透光性を有するプラスチック製のシートを用いて図示しない真空成形装置によって真空成形されている。
また、見本体2の後述する見本部4Aを除く裏面側には、商品の販売イメージと対応する印刷パターン(例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等)が印刷されている。
【0020】
見本体2は、見本陳列部Aaの陳列パネルAb上に設置される3個の見本Bを並列配置してなる横幅より幅広で、4個の見本Bを並列配置してなる横幅より幅狭に形成され、該陳列パネルAb上に設置が許容される奥行及び高さに形成されている。
また、見本体2の中央表面には、商品の販売イメージと対応する自然の風景を模した正面から見て山形の張出し部3が該見本体2の表面より前方へ張り出すように形成されている。
【0021】
張出し部3の表面には、自動販売機Aが販売する缶型の商品と酷似する外観及び意匠に形成され、該商品を前後に2つ割りしてなる縦断半割り形状の見本部4Aが3個形成されている。
また、見本部4Aは、張出し部3の表面より前方へ張り出すように形成され、見本の一例である缶型の商品の前側半分と対応する曲率半径でもって半円筒形状に形成されている。
【0022】
見本部4Aの裏面側には、自動販売機Aが販売する缶型の商品に印刷された表示内容と同一か、或いは、該表示内容と酷似する内容(例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等)の印刷パターンが印刷されている。また、商品と対応する表示内容の印刷パターンを印刷する代わりに、表示内容が印刷された表示ラベルを貼着してもよい。
【0023】
前記張出し部3の下部表面には、該見本体2と同一幅の台座部5が幅方向に形成されている。また、台座部5は、陳列パネルAb上に設置が許容される前後幅に形成され、見本部4Aの表面より前方へ張り出した状態に形成されている。
【0024】
台座部5の中央下面には、図3〜図5に示すように、陳列パネルAbの陳列面に開口された平面視丸形状の開口部Acに対し係合される横断面視半円形状の第1挿入部6が形成されている。また、第1挿入部6を中心とする台座部5の左右下面には、第1挿入部6が係合される開口部Acの左右に開口された開口部Acに対し係合される横断面視台形状の第2挿入部7が形成されている。
【0025】
第1挿入部6の下端部外周面には、開口部Acの下面側周縁部に係止される凸状の鍔部6aが周方向に連続して形成されている。また、鍔部6aより上方の外周面には、開口部Acの前側周縁部が係止される凹状の溝部6bが周方向に連続して形成されている。
【0026】
第1挿入部6の前側外周面には、開口部Acの前側周縁部に形成された凹状の切欠き部Adに係止される凸状の突起6cが形成されている。また、第1挿入部6の両側外周面には、開口部Acの両側周縁部に形成された凹状の切欠き部Aeに係止される凸状の突起6dが形成されている。
【0027】
つまり、見本体2の第1挿入部6を陳列パネルAbの開口部Acに上方から挿入し、左右の第2挿入部7を左右の開口部Acにそれぞれ挿入する。また、第1挿入部6の鍔部6aを開口部Acの周縁部に係止し、第1挿入部6の溝部6bを開口部Acの周縁部に係止して抜止めする。また、第1挿入部6の突起6c,6dと開口部Acの切欠き部Ad,Aeを合致して位置決めする。
これにより、幅広型見本1が、自動販売機Aの前面と対応して見本体2の表面が正面向きとなるように、見本陳列部Aa内の陳列パネルAb上に対し略鉛直に起立した状態に設置固定される(図5参照)。
【0028】
なお、見本体2の裏面側に印刷された印刷パターンは、例えば商標、文字、模様、図柄等、或いは、キャッチコピー、メッセージなどの宣伝広告文、或いは、茶葉、茶畑、花、樹木等の植物、或いは、空や海、山、川等の自然、或いは、犬や猫、鳥等の動物等で構成されている。
【0029】
販売促進体8は、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートで形成され、見本体2の張出し部3より上側の正面から見て左側表面から右側表面に跨って取り付けられる大きさ及び形状に形成されている。
また、販売促進体8の裏面又は表面には、前記商品に関連した販売促進情報(例えば新発売、キャンペーン中、キャッチコピー、メッセージなどの宣伝広告文、或いは、宣伝広告用の商標、文字、模様、図柄、入替中等)が印刷されている。
【0030】
販売促進体8の下縁部は、見本体2に形成された正面から見て山形の張出し部3と対応して、該張出し部3の山頂部と合致する大きさ及び形状に形成されている。
販売促進体8の正面から見て左側下縁部には、張出し部3の正面から見て左側山頂部と対応して、正面から見て山形の切欠き部8aが形成されている。
販売促進体8の正面から見て右側下縁部には、張出し部3の正面から見て右側山頂部と対応して、切欠き部8aより小さい正面から見て山形の切欠き部8bが形成されている。
【0031】
切欠き部8aは、張出し部3の正面から見て左側山頂部の係止部3aに対し係止される大きさ及び形状に切欠き形成されている。また、切欠き部8bは、張出し部3の正面から見て右側山頂部の係止部3bに対し係止される大きさ及び形状に切欠き形成されている。
【0032】
係止部3a,3bは、見本体2に印刷された山形の印刷パターンと対応する部分の表面に対し、該見本体2の表面から前方に向けて張り出すようにして形成されている。実施例では、見本体2に印刷された山形の印刷パターンと対応する張出し部3の左右山頂部に形成されている。
つまり、係止部3a,3bが形成された部分の印刷パターンが立体的に見えるだけでなく、自動販売機Aに近づく人や商品を購入しようとする人の注目を引くことができる。また、販売促進体8を取り付けなくても、張出し部3に形成された係止部3a,3bによって、商品の販売イメージ或いは張出し部3の意匠価値が損なわれることがない。
【0033】
前記幅広型見本1の上側表面に販売促進体8を取り付ける場合、先ず、図2、図3に示すように、販売促進体8を、商品に関連した販売促進情報が印刷された表示面が正面向きとなるようにして、見本体2の張出し部3より上側表面に沿って垂直に下降させ、販売促進体8の切欠き部8a,8bを、張出し部3の係止部3a,3bに対し上方から係止する。
【0034】
つまり、販売促進体8の左側下縁部に形成された切欠き部8aを、張出し部3の左側山頂部に形成された係止部3aに係止する。また、販売促進体8の右側下縁部に形成された切欠き部8bを、張出し部3の右側山頂部に形成された係止部3bに係止する。
【0035】
これにより、販売促進体8を、見本体2の張出し部3より上側表面に対し、商品に関連した販売促進情報が印刷された表面が正面向きとなるように取り付けることができる。
【0036】
次に、図4、図5に示すように、販売促進体8が取り付けられた幅広型見本1を、自動販売機Aの前面と対応して見本体2の表面が正面向きとなるように、見本陳列部Aaの陳列パネルAb上に対し略鉛直に起立した状態に設置固定する。
【0037】
つまり、自動販売機Aの見本陳列部Aaに設置される幅広型見本1の上側表面に、該自動販売機Aが販売する商品に関連した販売促進情報が印刷された販売促進体8を取り付けるだけで、見本陳列部Aaに陳列された他の見本Bに比べて、販売促進体8が装着された幅広型見本1或いは見本体2に形成された見本部4A,4Bが目立つことになる。
【0038】
これにより、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。また、販売促進体8を取り付けるだけであるので、商品に関連した販売促進情報の表示及び変更が簡単且つ容易に行える。また、幅広見本1全体を交換する必要がなく、販売促進に要する費用及びコストの低減を図ることができる。
【0039】
販売促進体8を上方に引き上げて、張出し部3の係止部3a,3bから販売促進体8の切欠き部8a,8bを抜き取るだけで、幅広型見本1から販売促進体8を取り外す作業や、別の販売促進情報が印刷された販売促進体8に取り換える作業が簡単且つ容易に行える。
【0040】
販売促進体8の左右下縁部には、切欠き部8a,8bを形成するだけであるため、販売促進体8を折り曲げたり、複雑な加工を施したり、別部品を用いて取り付ける必要がなく、幅広型見本1の上側表面に対し販売促進体8を取り付ける作業が簡単且つ容易に行える。なお、別部品は、例えば両面粘着テープ、マグネット、面ファスナー、ネジ、粘着剤等で構成される。
【0041】
図6は、幅広型見本1に対する販売促進体8の他の取り付け方を示す斜視図、図7は、図6の販売促進体8の取り付け方を示す正面図である。
【0042】
本例の販売促進体8は、見本体2の張出し部3より上側の正面から見て左側表面から右側表面に跨って取り付けられる大きさ及び形状に形成されている。
【0043】
販売促進体8の正面から見て左側下端部には、正面から見て丸形状の孔部8cが形成されている。また、販売促進体8の正面から見て右側下端部には、正面から見て丸形状の孔部8dが形成されている。なお、孔部8cは、孔部8dより大径に形成されている。
【0044】
孔部8cは、張出し部3より上側の左側表面に形成された正面から見て丸形状の突起9cが係止される孔径及び形状に形成されている。また、孔部8dは、張出し部3より上側の右側表面に形成された正面から見て丸形状の突起9dが係止される孔径及び形状に形成されている。なお、突起9cは、突起9dより大径に形成されている。
【0045】
突起9c,9dは、張出し部3より上側の左右表面に印刷された花形や星形の印刷パターンと対応する部分の表面に形成されている。つまり、見本体2を真空成形する際に、該見本体2の表面から前方に向けて張り出すように突出された筒状の軸部9c1,9d1と、該軸部9c1,9d1の突出側端部に形成された頭部9c2,9d2とで構成されている(図7のb部に示す拡大横断平面図を参照)。
【0046】
突起9cの軸部9c1は、孔部8cより小径に形成されている。また、突起9cの頭部9c2は、孔部8cに対し挿入が許容される大きさに変形可能であって、該孔部8cの周縁部に対し係止される大きさに復元可能に形成されている。
【0047】
突起9dの軸部9d1は、孔部8dより小径に形成されている。また、突起9dの頭部9d2は、孔部8dに対し挿入が許容される大きさに変形可能であって、該孔部8dの周縁部に対し係止される大きさに復元可能に形成されている。なお、突起9c,9dは、見本体2を真空成形する際に形成される。
【0048】
前記幅広型見本1の上側表面に販売促進体8を取り付ける場合、販売促進体8を、商品に関連した販売促進情報が印刷された表示面が正面向きとなるようにして、見本体2の張出し部3より上側表面に対し正面側から押し付け、販売促進体8の孔部8c,8dに、張出し部3より上側の左右表面に形成された突起9c,9dを挿入する。
【0049】
つまり、販売促進体8の左側孔部8cに、張出し部3の左側表面に形成された突起9cを差し込み固定する。また、孔部8dに、張出し部3の右側表面に形成された突起9dを差し込み固定する。
【0050】
これにより、販売促進体8を、見本体2の張出し部3より上側表面に対し、商品に関連した販売促進情報が印刷された表面が正面向きとなるように取り付けることができる。
また、突起9c,9dは、張出し部3の上側表面に印刷された花形や星形の印刷パターンと対応する大きさ及び形状に形成されているので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0051】
見本体2の突起9c,9dは、該見本体2を真空成形する際に形成される。また、販売促進体8の左右下端部には、丸形状の孔部8c,8dを形成するだけであるので、販売促進体8を折り曲げたり、他の部品を用いて取り付けるような手間及び作業が省け、幅広型見本1の上側表面に対し販売促進体8をシート状態のまま取り付ける作業が簡単且つ容易に行える。
【0052】
なお、見本体2の同径に形成された突起9c,9dを、販売促進体8の同径に形成された孔部8c,8dに差し込み固定してもよい。
また、突起9c,9d及び孔部8c,8dの正面から見た形状を、例えば星形、花形、楕円形、菱形、ハート形、雲形、卵形、或いは、正方形、矩形、三角形、五角形、六角形等の形状に形成してもよい。
【0053】
図8は、幅広型見本1に対する販売促進体10,11の他の取り付け方を示す斜視図、図9は、図8の販売促進体10,11の取り付け方を示す正面図である。
【0054】
本例の販売促進体10,11は、正面から見てT字状に形成された販売促進体10と、左側上部に差込み固定される正面から見て傘形状に形成された販売促進体11とで構成されている。
【0055】
販売促進体10が取り付けられる見本体2の張出し部3より上側の正面から見て左側表面には、販売促進体10の下端側中央部に連設された差込み片10aを支持するための支持部12が対で形成されている。
【0056】
一対の支持部12は、差込み片10aが垂直方向に差込み許容される間隔に隔てて配置されている。また、支持部12,12の間は、上端側から下端側に向けて同一となる差し込み幅に形成され、差込み片10aが垂直に差し込まれた状態に保持される間隔に隔てられている。
【0057】
販売促進体11が取り付けられる見本体2の張出し部3より上側の正面から見て右側表面には、販売促進体11の下端側中央部に連設された差込み片11aを差し込むための支持部13が対で形成されている。
【0058】
一対の支持部13は、差込み片11aが垂直方向に差込み許容される間隔に隔てて配置されている。また、支持部13,13の間は、上端側から下端側に向けて徐々に幅狭となる差し込み幅に形成され、差込み片11aが垂直に差し込まれた状態に保持される間隔に隔てられている。
【0059】
支持部12,12及び支持部13,13は、張出し部3の上側表面に印刷された樹木形の印刷パターンと対応する部分の表面に形成されている。つまり、見本体2を真空成形する際に、該見本体2の表面から前方に向けて張り出すように形成されている(図8のc部に示す拡大横断平面図を参照)。
【0060】
前記幅広型見本1の上側表面に販売促進体10,11を取り付ける場合、販売促進体10,11を、商品に関連した販売促進情報が印刷された表示面が正面向きとなるようにして、見本体2の張出し部3より上側表面に沿って垂直に下降させ、販売促進体10,11の差込み片10a,11aを、張出し部3より上側の左右表面に形成された支持部12,12と支持部13,13に差し込む。
【0061】
つまり、販売促進体10の差込み片10aを、張出し部3より上側の左側表面に形成された支持部12,12の間に差し込み、該販売促進体10の表示面が正面向きとなるように取り付ける。
【0062】
販売促進体11の差込み片11aを、張出し部3より上側の右側表面に形成された支持部13,13の間に上方から差し込み、該販売促進体11の表示面が正面向きとなるように取り付ける。
【0063】
これにより、販売促進体10,11を、見本体2の張出し部3より上側表面に対し、商品に関連した販売促進情報が印刷された表面が正面向きとなるように取り付けることができる。
また、支持部12,12及び支持部13,13は、張出し部3の上側表面に印刷された樹木形の印刷パターンと対応する大きさ及び形状に形成されているので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0064】
なお、販売促進体10,11の大きさ及び形状は、商品の販売イメージや販売促進情報に応じて変更することができる。
また、支持部12,12及び支持部13,13を、張出し部3の上側表面に形成すれば、張出し部3の上側表面に対し販売促進体10,11を正面向きに取り付けることができる。
【0065】
図10は、同一形状の見本部4Aを3個備えた幅広型見本1に対する暖簾型の販売促進体18のその他の取り付け例を示す斜視図である。
図に示す販売促進体18は、見本体2の中央部表面を除いて、残り周縁部表面が覆われる大きさ及び形状に形成されている。また、販売促進体18の中央部には、見本体2に形成された3個の見本部4Aを露出するための窓部18aが開口されている。
【0066】
見本体2の張出し部3より上側表面には、販売促進体18の上縁部を裏面側へ押し返してなる係止片18bを係止するための凸状の係止部14が形成されている。
【0067】
係止部14は、張出し部3の上側表面に印刷された印刷パターンと対応する部分に形成され、見本体2を真空成形する際に、該見本体2の表面から前方に向けて張り出すように形成されている。
【0068】
前記幅広型見本1の表面に販売促進体18を取り付ける場合、販売促進体18の上縁部を裏面側へ押し返してなる係止片18bを、見本体2の張出し部3より上側表面に形成された凸状の係止部14に係止する。
【0069】
これにより、幅広型見本1の表面に沿って販売促進体18が暖簾状に垂れ下げられ、幅広型見本1の中央表面を除いく表面全体が覆われた状態に取り付けられる。また、中央の見本部4が窓部18aから露出され、その露出された見本部4が目立つことになるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0070】
図11の(c)〜(e)は、同一形状の見本部4Aを備えた幅広型見本1に対する販売促進体18C〜18Iのその他の取り付け例を示す斜視図である。
(c)に示す見本体2の上部表面には、弧状の販売促進体18Cが前方に向けて突き出した状態に取り付けられている。また、見本部4の中央表面には、帯状の販売促進体18Dが巻き付けた状態に取り付けられている。また、見本部4の上部平面には、旗状の販売促進体18Eが起立した状態に取り付けられている。
【0071】
(d)に示す見本体2の上部表面には、販売促進体18Fが側面から見て略半円形状に湾曲して取り付けられている。また、見本体2の下部表面には、販売促進体18Gが前方に向けてへ字状に突き出した状態に取り付けられている。
【0072】
(e)に示す見本体2の上部表面には、フラットに形成された販売促進体18Hが見本体2の上部表面に沿って取り付けられている。また、見本体2の表面には、見本体2の横幅より大径に形成され、中央部に窓部18Iaが開口された丸形状の販売促進体18Iが取り付けられている。
【0073】
つまり、図11の(c)〜(e)に示す販売促進体18C〜18Iを、前記実施例の取り付け構造を用いて幅広型見本1に取り付けることにより、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0074】
図12の(f)〜(i)は、見本部4A,4Bを備えた幅広型見本1に対する販売促進体18J〜18Mのその他の取り付け例を示す斜視図である。
【0075】
(f)に示す販売促進体18Jは、見本体2の左側表面、上部表面、下部表面が覆われる大きさ及び形状に形成されている。また、販売促進体18Jの右側には、見本部4Aを露出するための窓部18Jaが開口されている。
【0076】
(g)に示す販売促進体18Kは、見本部4Aの上部平面及び見本部4Bが覆われる大きさ及び形状に形成されている。また、販売促進体18Kの右側上面には、正面から見て略半円形状の表示部18Kaが起立した状態に形成されている。
【0077】
(h)に示す販売促進体18Lは、見本部4Aの上部平面及び見本部4Bが覆われる大きさ及び形状に形成されている。また、販売促進体18Lの左側は、上方から見て略半円形状に湾曲され、見本部4Bが覆われる状態に取り付けられる。また、販売促進体18Lの上端には、フラットに形成された略半円形状の表示部18Laが一体的に形成されている。
【0078】
(i)に示す販売促進体18Mは、中央部に形成された折り目に沿って上方から見て三角形状に折り曲げられる。また、販売促進体18Mの裏側へ折り返された両側縁部は、見本部4Bの表面に取り付けられる。
【0079】
つまり、図12の(f)〜(i)に示す販売促進体18J〜18Mを、前記実施例の取り付け構造を用いて幅広型見本1に取り付けることにより、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【0080】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の販売促進体取付け部は、係止部3a,3b,14と、突起9c,9dと、支持部12,13に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0081】
例えば係止部3a,3b,14に、販売促進体8の下縁部又は上縁部を差し込むための図示しないスリットを形成してもよい。
また、前記実施例の取り付け構造を複数組み合わせてもよく、単一の取り付け構造のみで取り付けるよりも、販売促進体8,18,18C〜18Mを確実且つ強固に取り付けることができる。
また、販売促進体8,18,18C〜18Mを複数組み合わせて取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0082】
A…自動販売機
Aa…見本陳列部
Ab…陳列パネル
Ac…開口部
1…幅広型見本
2…見本体
3…張出し部
3a,3b…係止部
4A,4B…見本部
5…台座部
6…第1挿入部
7…第2挿入部
8…販売促進体
8a,8b…切欠き部
8c,8d…孔部
9c,9d…突起
10,11…販売促進体
10a,11a…差込み片
12,13…支持部
14…係止部
18…販売促進体
18b…係止片
18C〜18M…販売促進体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品と対応する縦断半割り形状の見本部が形成された幅広型の見本であって、
前記見本体の表面に、該見本体に印刷された印刷パターンと対応して、前記商品に関連する販売促進情報が印刷されたシート状の販売促進体を取り付けるための販売促進体取付け部を形成した
販売促進体の取り付け構造。
【請求項2】
前記販売促進体取付け部を、前記印刷パターンと対応して前記見本体の表面に形成された係止部で構成し、
前記販売促進体の前記係止部と対向する縁部に、該係止部に係止される切欠き部又は係止片を形成した
請求項1に記載の販売促進体の取り付け構造。
【請求項3】
前記販売促進体取付け部を、前記印刷パターンと対応して前記見本体の表面に形成された突起で構成し、
前記販売促進体の前記突起と対向する平面部に、該突起が差し込み固定される孔部を形成した
請求項1に記載の販売促進体の取り付け構造。
【請求項4】
前記販売促進体取付け部を、前記印刷パターンと対応して前記見本体の表面に形成された一対の支持部で構成し、
前記販売促進体の前記一対の支持部間と対向する端部に、該一対の支持部間に対し差し込み固定される差込み片を形成した
請求項1に記載の販売促進体の取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−28360(P2011−28360A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170958(P2009−170958)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(391034765)中井銘鈑株式会社 (29)
【Fターム(参考)】