販売支援装置、販売支援装置システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラム
【課題】ネットワークを介した販売において、確実に顧客対応サービスを提供することのできる販売支援装置、販売支援システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供する販売支援装置であって、アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶部(33c)と、顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶部(33b)と、顧客端末からアシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得部100と、アシスタントの対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて複数の顧客端末のうち対応可能時間においてアシスタントの対応を受ける顧客端末を決定する予約確定部101と、を備えた。
【解決手段】複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供する販売支援装置であって、アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶部(33c)と、顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶部(33b)と、顧客端末からアシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得部100と、アシスタントの対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて複数の顧客端末のうち対応可能時間においてアシスタントの対応を受ける顧客端末を決定する予約確定部101と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客端末とネットワークを介して接続された販売支援装置、販売支援装置システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、顧客端末と店内に設置されたサーバー装置とを用い、店外にいる顧客に対して対面形式で商品を販売する販売システムが提案されている(特許文献1参照)。この対面販売システムは、顧客と店員が音声や文字情報により対話を行いながら販売活動を行うもので、顧客が顧客端末を介して商品に対する要望を店員に伝え、店員が選択した商品の画像と店員の画像を顧客端末に送信し、これを繰り返しながら顧客は購入商品を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−150050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遠隔地に居住している、高齢、障害等の様々な理由で、実際に店舗に足を運ぶことが困難な顧客にとって、上記のようなネットワークを介した販売システムは、実際に店舗に行った感覚を味わいながら買い物をすることができ、非常に有用である。この「実際に店舗に行った感覚」を顧客に与える重要な要素として、店員との対話がある。しかし、上記のようなネットワークを介しての対面販売は、1組の顧客に対して少なくとも1人の店員が、買い物が終了するまで対応しなければならないため、多くの顧客に対して対応する店員が不足し、顧客に対して確実に対面販売のサービスを行えない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、ネットワークを介した販売において、確実に顧客対応サービスを提供することのできる販売支援装置、販売支援システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の販売支援装置は、複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置であって、アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶部と、顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶部と、顧客端末からアシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得部と、アシスタントの対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて、複数の顧客端末のうち、対応可能時間においてアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の販売支援装置の制御方法は、複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置の制御方法であって、販売支援装置が、アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶ステップと、顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶ステップと、顧客端末からアシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得ステップと、対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の購入履歴に基づいて、複数の顧客端末のうち、対応可能時間においてアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、顧客端末から予め予約情報を取得し、当該顧客端末に対しアシスタントサービスを割り当てることができるため、確実に顧客に顧客対応サービスを提供することができる。また、対応可能時間記憶部により、アシスタントのスケジュール管理を行うことができ、アシスタントサービスの割り当てを容易に行うことができる。また、購入履歴に基づいてアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定するため、各顧客に合ったアシスタントサービスを提供することができる。
【0009】
これらの場合、対応可能時間記憶部は、アシスタントごとにアシスタント番号および対応可能時間を紐付けて記憶しており、予約情報取得部は、顧客端末から対応を希望するアシスタント番号をさらに取得し、予約確定部は、アシスタント番号に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、購入履歴に基づいて、複数の顧客端末のうち、アシスタント番号が示すアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、顧客が対応を希望するアシスタントを選択することができる。
【0011】
この場合、購入履歴記憶部は、累計購入金額をさらに記憶し、予約確定部は、累計購入金額に基づいて、アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、例えば、累計購入金額が多い顧客端末に対してアシスタントサービスを提供する構成とすれば、売上向上を図ることができる。
【0013】
この場合、購入履歴には、購入した各商品を特定する商品情報および当該商品情報に紐付けられた商品の属するグループを示すグループ番号が含まれ、対応可能時間記憶部は、アシスタントのアシスタント番号に対して担当するグループ番号をさらに紐付けて記憶しており、予約確定部は、複数の顧客端末のうち、アシスタントが担当しているグループ番号の商品を最も多く購入した顧客端末に対して、アシスタントの対応を確定することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、よく購入する商品のグループを担当するアシスタント(例えば、売り場別にグループ化されている場合、その売り場担当の店員など)を割り当てることができるため、顧客のニーズにあったアシスタントサービスを提供することができる。
【0015】
本発明の販売支援システムは、上記の販売支援装置と、複数の顧客端末と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、顧客に対し確実に顧客対応サービスを提供することができる販売支援システムを実現することができる。
【0017】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の販売支援装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、顧客に対し確実に顧客対応サービスを提供する販売支援装置を実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態にかかる販売支援システムのシステム構成図である。
【図2】販売支援システムの制御構成を示すブロック図である。
【図3】商品データベースの内容を示した図である。
【図4】顧客データベースに含まれる顧客データを示した図である。
【図5】顧客データベースに含まれる購入履歴を示した図である。
【図6】アシスタントデータベースの内容を示し、(a)はアシスタントデータを示した図であり、(b)はアシスタントの顧客対応スケジュールを示した図である。
【図7】販売支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【図8】顧客端末のディスプレイの表示例であり、(a)は店内用カメラにより撮像された映像の表示例を示す図であり、(b)は商品用カメラにより撮像された映像の表示例を示す図であり、(c)は会計情報の表示例を示す図である。
【図9】(a)は顧客とアシスタントの会話例を示す図であり、(b)は顧客端末のディスプレイの表示例を示す図である。
【図10】予約情報取得時の状態を示したイメージ図である。
【図11】(a)は予約確定処理の条件を示した図であり、(b)は予約確定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる販売支援装置、販売支援システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラムについて説明する。図1は、本発明の販売支援システムSYのシステム構成図である。販売支援システムSYは、小売店等の店内を移動するカート4に可能な取り付けられたアシスタント端末1と、店舗のバックヤードに設けられた店舗サーバー2と、店外にいる顧客が操作する顧客端末3と、から成る。なお、請求項における「販売支援装置」とは、アシスタント端末1および店舗サーバー2により構成される。また、図示では、アシスタント端末1および顧客端末3を1台ずつ記載しているが、実際には、店舗サーバー2には複数のアシスタント端末1および顧客端末3が接続されている。
【0021】
アシスタント端末1は、アシスタントが手押しすることによって店内の各売り場を移動するカート4に取り付けられ、店内を移動しながら店内映像(店内画像)を撮像し、撮像した店内映像を店舗サーバー2を介して顧客端末3に送信する。また、アシスタント端末1は、顧客端末3との通話機能を有しており、アシスタントと顧客端末3を操作する顧客との通話が可能となっている。この通話機能により、アシスタントは顧客の要望に応じて店内を移動することができる。なお、本実施形態におけるアシスタントとは、店舗において販売に従事している店員を指す。
【0022】
店舗サーバー2は、無線LAN等のネットワークNT1を介してアシスタント端末1と接続されており、一方で、インターネット等のネットワークNT2を介して顧客端末3と接続されている。店舗サーバー2は、ディスプレイ5、キーボード6およびマウス7等を有する、一般的なパーソナルコンピュータにより構成される。また、店舗サーバー2は、店舗で販売する商品に関する商品データベース(以下、商品DBという)を記憶しており、アシスタント端末1が撮像した店内映像に含まれた商品に関する商品データ(図3参照)を顧客端末3に送信する。なお、請求項における「商品関連情報」とは、この商品データを指す。
【0023】
顧客端末3は、インターネット等のネットワークNT2を介して店舗サーバー2と接続されており、ディスプレイ8、キーボード9、マウス10、および通話機能(スピーカー47およびマイク46、図2参照)を有する、パーソナルコンピュータにより構成されている。なお、顧客端末3は、携帯電話、スマートフォン等で構成しても良い。顧客端末3を操作する顧客は、アシスタントと通話しながら、ディスプレイ5に表示される店内映像および商品データを確認することができる。また、顧客端末3は、キーボード6およびマウス7の操作によってアシスタント端末1の店内用カメラ14の撮像角度、撮像倍率などを変化させることができる構成となっている。
【0024】
ここで、アシスタント端末1の装置構成について説明する。図1に示すように、アシスタント端末1は、購入対象となる商品を収容して移動するカート4に取り付けられ、店内映像を撮像するWebカメラ11と、Webカメラ11を支持するカメラ支持部12と、撮像した店内映像を表示するための表示装置13と、を備えている。Webカメラ11は、店内に陳列された商品を撮像するための店内用カメラ14と、アシスタントが手に取った商品を撮像するための商品用カメラ15と、を備えている。各カメラは、カート4の持ち手部分に固定され、持ち手部分に対して垂直方に延在する細長のカメラ支持部12に支持されている。店内用カメラ14は、カメラ支持部12の先端付近に配置され、撮像角度、撮像倍率を、可変モータ24(図2参照)によって変化可能に支持されている。一方、商品用カメラ15は、店内用カメラ14の下方に配置され、撮像角度がカート4の前進方向に向くように固定支持されている。すなわち、アシスタントが手に取った商品を商品用カメラ15で撮像しながら、アシスタント自身が目視でも商品を確認することができるようになっている。一方、表示装置13は、各カメラにより撮像した映像をモニタリングするためのディスプレイ16と、アシスタントの音声を取得するマイク17と、顧客端末3からの顧客の音声を出力するスピーカ18と、を備えている。なお、商品用カメラ15の撮像角度、撮像倍率を可変する可変モータを備え、顧客端末3の操作により変化可能に構成しても良い。
【0025】
アシスタントは、顧客端末3を操作する顧客と通話しながら、アシスタント端末1を手押しして店内を移動し、店内用カメラ14で店内映像を撮像する。そして、顧客の要望に応じて、店内の所望の売り場に移動し、所望の商品を手にとって商品用カメラ15で当該商品を撮像する。撮像された映像は、アシスタント端末1から店舗サーバー2を介して顧客端末3に送信される。一方、顧客は、操作している顧客端末3のディスプレイ5に表示された映像を確認しながら、購入対象商品を決定する。
【0026】
次に、図2を参照し、販売支援システムSYの制御構成について説明する。同図は、販売システムSYの制御ブロック図である。上記のとおり、販売システムSYは、アシスタント端末1、店舗サーバー2、および顧客端末3により構成されている。
【0027】
アシスタント端末1は、Webカメラ11、ディスプレイ16、マイク17、スピーカ18、CPU(Central Processing Unit)19、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access
Memory)21、および通信部22、を備え、各構成部が接続バス23により接続されている。
【0028】
Webカメラ11は、上記の通り、店内を撮像するための店内用カメラ14と、商品を撮像するための商品用カメラ15と、店内用カメラ14の撮像角度や撮像倍率をなど可変するための可変モータ24と、を備えている。可変モータ24および店内用カメラ14は、直接接続されている。
【0029】
CPU19は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。ROM20は、CPU19が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶する。具体的には、Webカメラ11の駆動制御プログラム、可変モータ24の駆動制御プログラム、ディスプレイ5の表示制御プログラム等を記憶している。RAM21は、CPU19が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。
【0030】
通信部22は、店舗サーバー2と無線通信を行うためのものであり、主に、Webカメラ11が撮像した映像に基づく画像データ、およびマイク17が取得したアシスタントの音声データの店舗サーバー2への送信や、顧客端末3から取得した顧客の音声データ、および店内用カメラ14の撮像角度、撮像倍率などを変更する操作信号の受信に用いられる。
【0031】
店舗サーバー2は、上記のとおり、ディスプレイ5、キーボード6、マウス7、CPU30、ROM31、RAM32、HDD(Hard disk drive)33(対応可能時間記憶部および購入履歴記憶部)、アシスタント端末用通信部34、顧客端末用通信部35および接続バス36を備えている。
【0032】
CPU30は、中央処理装置であり、店舗サーバー2全体を制御する。ROM31は、基本プログラムを記憶している。具体的には、顧客対応の予約を確定する予約確定プログラム、店内映像からの商品特定プログラム、音声認識によるキーワード検出プログラム、会計処理プログラム等を記憶している。RAM32は、CPU30が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。一方、HDD33は、販売商品の商品DB33a、顧客端末に対応する顧客DB33b、およびアシスタントDB33cをそれぞれ記憶するための記憶領域を有している。
【0033】
アシスタント端末用通信部34は、ネットワークNT1を介して接続された各アシスタント端末1と通信を行うためのものであり、主に店内映像に基づく画像データの受信、音声データの送受信、の送信に用いられる。また、顧客端末用通信部35は、ネットワークNT2を介して接続された各顧客端末3と通信を行うためのものであり、主に、顧客端末3のディスプレイ8に表示するための画面データの送信、音声データの送受信に用いられる。
【0034】
顧客端末3は、上記のとおり、マイク46、スピーカー47、ディスプレイ8、キーボード9、マウス10、CPU41、ROM42、RAM43、通信部44、および接続バス45を備えている。CPU41は、中央処理装置であり、顧客端末3全体を制御する。ROM43は、基本プログラムを記憶している。RAM43は、CPU42が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。通信部44は、店舗サーバー2と通信を行うためのものであり、主に、画面データの受信、音声データの送受信に用いられる。
【0035】
ここで、図3を参照し、店舗サーバー2のHDD33に記憶されている商品DB33aについて説明する。商品DB33aには、各商品について当該商品に関する商品データが記憶されている。図示のように、商品データ(商品関連情報)とは、商品を特定するための「商品コード」、当該商品の売り場を示す「グループ番号」、「商品名」、「内容量」、「価格」、当該商品の生産地を示す「生産情報」、および当該商品に特化した情報を示す「キーワード」で構成されている。
【0036】
次に、図4および図5を参照し、HDD33に記憶されている顧客DB33bについて説明する。顧客DB33bには、各顧客端末について当該顧客に関する顧客データおよび購入履歴が記憶されている。図4に示すように、顧客データは、顧客端末を特定するための「顧客番号」、「氏名」、「住所」、「電話番号」、および「メールアドレス」で構成されている。一方、図5に示すように、購入履歴は、「顧客番号」、商品を購入した日時を示す「購入日時」、購入した商品を特定する「購入商品コード」、購入した商品のグループを示す「グループ番号」、購入した商品の単価を示す「価格」、購入した商品の個数を示す「個数」、当該商品の購入した合計金額を示す「合計」、1回の買い物で購入した合計金額を示す「購入金額」、および現在までに購入した累計の合計金額を示す「累計購入金額」で構成されている。
【0037】
次に、図6を参照し、HDD33に記憶されているアシスタントDB33cについて説明する。アシスタントDB33cには、各アシスタントについて当該アシスタントに関するアシスタントデータおよび当日の顧客対応スケジュールが記憶されている。同図(a)に示すように、アシスタントデータは、アシスタントを特定するための「アシスタント番号」、各アシスタントが使用するアシスタント端末1を特定する「使用カード番号」、および各アシスタントが担当する売り場(商品のグループ)を示す「グループ番号」で構成されている。一方、同図(b)に示すように、顧客対応スケジュールは、営業時間(本実施形態では10:00〜18:00とする)を2時間ごとに区切って顧客対応時間を設け、各顧客対応時間に2名ずつ顧客対応を担当するアシスタントを割り当てて構成されている。
【0038】
次に、図7を参照し、販売支援システムSYの機能構成について説明する。同図は、販売システムSYの機能ブロック図である。図示のように、アシスタント端末1は、撮像部51(Webカメラ11)、表示部52(ディスプレイ16)、および通話部53(マイク17およびスピーカー18)、を備えている。店舗サーバー2は、商品DB33a、顧客DB33b、アシスタントBD33c(いずれもHDD33内の各記憶領域に記憶されている)、予約情報取得部100(顧客端末用通信部35)、予約確定部101、撮像制御部54、画像データ取得部55(アシスタント端末用通信部34)、商品特定部56、商品データ抽出部57(請求項における「商品関連情報抽出部」)、画面データ生成部58(CPU30およびアシスタント端末用通信部34)、情報変換部59、音声データ取得部60(アシスタント端末用通信部34、顧客端末用通信部35)、商品選択部61、および会計情報生成部62を備えている。なお、店舗サーバー2の予約確定部101、撮像制御部54、商品特定部56、商品データ抽出部57、画面データ生成部58、情報変換部59、商品選択部61、および会計情報生成部62は、主にCPU30により構成されている。顧客端末3は、予約情報送信部102、予約確定情報取得部103、撮像角度・撮像倍率指示部63(キーボード9およびマウス10)、表示部64(ディスプレイ8)、通話部65(マイク46よびスピーカー47)、および商品選択操作部66(キーボード9およびマウス10)を備えている。
【0039】
以下、主に店舗サーバー2の備える各構成部について説明する。予約情報取得部100は、顧客端末3の予約情報送信部102から予約情報を取得する。予約情報とは、当該顧客端末3が顧客対応を希望する時間を示す「対応希望時間」、および顧客対応を希望するアシスタントを示す「希望アシスタント」で構成されている(図10参照)。予約確定部101は、顧客DB33bおよびアシスタントDB33cを参照して、取得した予約情報に対する予約を確定し、予約確定情報を顧客端末3の予約確定情報取得部103に対して送信する。なお、取得した予約情報に対して予約が確定不可能であった場合は、他に推奨する対応時間を示す情報を送信することが好ましい。
【0040】
撮像制御部54は、顧客端末3の撮像角度・撮像倍率指示部63により店内用カメラ14の撮像角度、倍率の変更させる旨の操作信号を受信すると、アシスタント端末1に店内用カメラ14の撮像角度、撮影倍率を可変させる旨の制御信号を送信する。
【0041】
画像データ取得部55は、アシスタント端末1の撮像部51により撮像された映像の画像データを取得し、顧客端末3の表示部64に送信する。
【0042】
商品特定部56は、取得した画像データに含まれる商品を特定する。具体的には、取得した画像データから商品バーコード(図8(a)参照)を検出し、当該商品バーコードから商品を特定する商品コードを読み取ることによって、画像データに含まれる商品を特定する。
【0043】
商品データ抽出部57は、商品特定部56により特定された商品の商品データを、商品コードに紐付けて商品DB33aから抽出する。また、商品データ抽出部57は、後述の情報変換部59により検出された「キーワード」を含む商品データを抽出する。画面データ生成部58は、画像データ取得部55により取得した画像データと、商品データ抽出部57により抽出された商品データと、に基づいて顧客端末3のディスプレイ8に表示するための画面データを生成する。そして、生成した画面データを顧客端末3に送信する。
【0044】
音声データ取得部60は、顧客端末3およびアシスタント端末1から、顧客およびアシスタントの音声データを取得する。情報変換部59は、不図示の音響分析部、音響モデル、言語モデル、および単語辞書を備え、これらを用いて、取得した音声データをテキスト情報に変換し、不図示の記憶部に記録する。そして、記録したテキスト情報から、商品DB33aに記憶されている「キーワード」を検出する。
【0045】
商品選択部61は、顧客端末3の商品選択操作部66から、商品を選択する旨の操作信号を受信すると、顧客端末3に送信した画面データに含まれる商品データから、選択された商品の商品データを選択する。会計情報生成部62は、商品選択部61により選択された商品データから、選択された商品の合計金額を示す会計情報を生成し、顧客端末3に送信する。
【0046】
次に、図8を参照し、顧客端末3のディスプレイ8に表示される画像について説明する。なお、本実施形態では、アシスタント端末1のディスプレイ16にも同様の画像が表示されるものとする。同図(a)は、アシスタント端末1の店内用カメラ14により撮像された果実売り場の店内映像と、店内映像から抽出された商品データと、が表示された画像の一例を示している。ディスプレイ5の左部には、果実売り場の陳列棚70に陳列された「りんご」、「みかん」、および「もも」の映像が表示されている。また、陳列棚70には、各商品の商品バーコード(図示省略)が記載された商品棚札71が配置されている。そして、ディスプレイ8の右部には、店内映像に映し出された商品バーコードから読み取られた「りんご」、「みかん」、および「もも」の商品データが、縦に配列されて表示されている。各商品データの表示領域には、図示の「りんご」を例に挙げると、上部から、「キーワード」として「無農薬」、「商品名」として「りんご」、「産地情報」として「青森県産」、「内容量」として「1個」、および「価格」として「¥200」の文字が表示されている。
【0047】
図8(b)は、アシスタント端末1の商品用カメラ15により撮像された「りんご」の映像と、商品データと、が表示された画像の一例を示している。ディスプレイ5の左部には、アシスタントが手に取った「りんご」が拡大して表示されている。これにより、顧客は、各「りんご」の個体差までも確認することが出来、所望の商品を選ぶことができる。なお、商品用カメラ15および店内用カメラ14の撮像の切り替えは、アシスタントが行うことが好ましい。また、顧客が同図(a)に示すような店内映像を確認して、通話により、所望の「りんご」を手にとって商品用カメラ15で撮像するようにアシスタントに指示することが好ましい。これによれば、顧客好みの(例えば、甘みのありそうな「りんご」等)商品を顧客が選択することができる。一方、ディスプレイ5の右部には、直前に表示していた店内映像(同図(a))において抽出された商品データが表示されている。
【0048】
図8(c)は、会計情報が表示された画像の一例を示している。ディスプレイ5の左部には、店内用カメラ14により撮像された店内映像が表示され、ディスプレイ5の右部には、店内映像から抽出された商品情報が表示され、ディスプレイ5の下部には、顧客端末3により選択された商品の合計金額を示す会計情報が表示されている。図示では、「カート内の合計金額」として「¥400」が表示されている。なお、アシスタントは顧客との通話により、顧客が決定した購入対象となる「りんご」をその都度、カート4に収容していく。このとき、商品バーコード等により商品情報が登録できないときは、アシスタントが、アシスタント端末上で、専用の商品登録画面などで商品名や単価、あるいは数量を入力してもよい。これにより、顧客は、自身で選んだ「りんご」を確実に購入することができる。なお、ディスプレイ5の下部に、会計情報として、カート4内にある商品の「商品名」、「個数」、「価格」をさらに表示する構成としてもよい。
【0049】
次に、図9を参照し、アシスタントと顧客との会話からの商品データの抽出について説明する。同図(a)は、アシスタントと顧客との会話の一例を示している。図示の例では、顧客の発話の中に「旬」と言葉が含まれている。この場合、店舗サーバー2の音声データ取得部60および情報変換部59は、音声データ(テキスト情報に変換)から「キーワード」として「旬」という言葉を検出し、商品データ抽出部57は、「キーワード」として「旬」をいう言葉を含んだ商品の商品データを抽出する。図示のように、ディスプレイ5の下部には、「キーワード」として「旬おすすめ」という言葉を含んだ商品である「たまねぎ」および「キャベツ」の商品データが表示されている。なお、音声データからのキーワード検出により抽出される商品データは、すべての売り場(グループ)から抽出してもよいし、所定の限られた売り場から抽出するようにしてもよい。これにより膨大な商品の商品データが抽出されてしまうことを防止することができる。
【0050】
次に、図10および図11を参照して、本実施形態の予約確定処理について説明する。図10は、販売支援(顧客対応)を実施する時間帯「12:00〜14:00」に対して顧客端末3a〜dから予約情報を取得した場合を示している。これに対し、図6(b)に示すように対応可能なアシスタントは、アシスタント2およびアシスタント3である。図11(a)は、予約を確定する顧客端末3を決定するための条件を優先順に示している。店舗サーバー2の予約確定部101は、予約情報に含まれた「希望アシスタント」、購入履歴に記憶された「累計合計金額」、当該顧客端末3が現在までに購入した商品が最も多く属するグループを示す「購入商品最多グループ」を条件として予約を確定する顧客端末3を決定する。
【0051】
図11(b)は、図10における予約状況に対する予約確定結果を示している。アシスタント2が割り当てられた顧客端末3は、アシスタント2を希望した顧客端末3aおよびdのうち、「購入商品最多グループ」がアシスタント2の担当するグループAであった顧客端末3aである。なお、この場合、「累計合計金額」は同額であった。一方、アシスタント3が割り当てられた顧客端末3は、アシスタント3を希望した顧客端末3bおよびcのうち、「累計合計金額」が多い顧客端末3cである。
【0052】
本実施形態の販売支援システムSYによれば、ネットワークを介した販売支援において、アシスタントと顧客とが通話すると共に、店内映像を顧客に提供するため、顧客は、実際に店内で買い物をしているような感覚を得ることができる。すなわち、顧客は、店内映像によって店内に実際に陳列された商品をみることができるため、リアルタイムな情報を得ながら買い物を行うことができる。また、店内映像に映っている商品の商品データを同時に表示させるため、顧客は、より詳細な商品に関する情報を得ることができる。また、顧客とアシスタントとの会話に基づいても商品データを抽出および表示させるため、自動的に、顧客のニーズにあった商品の商品データを表示させ、適切に販売支援を行うことができる。
【0053】
なお、本実施形態では、通話によるアシスタントおよび顧客の会話を想定したが、テレビ電話のようにアシスタントおよび顧客の顔を映すカメラを設け、会話および表情を含めたコミュニケーションを行う構成としてもよい。また、本実施形態では、顧客端末3の操作によって、購入対象商品を選択する構成としたが、アシスタント端末2に、商品バーコードを読み取るスキャナーを設け、アシスタントがスキャナーを用いて、購入対象商品の商品バーコードをスキャンする構成としてもよい。これによれば、アシスタントおよび顧客の対話により決定した購入対象の商品を確実に顧客が購入することができる。例えば、複数の「りんご」の中で、顧客が購入しようとした「りんご」を確実にアシスタントによって購入対象商品として処理することができる。
【0054】
また、本実施形態の販売支援システムSYによれば、顧客の購入履歴に基づいて顧客対を行うアシスタントを決定するため、顧客のニーズにあったアシスタントおよび販売支援サービスを提供することができる。すなわち、顧客のよく購入する商品を担当するアシスタントを対応さえることで、より質の高い販売支援を行うことができる。また、これまでの累計購入金額が大きい顧客端末に対して顧客の所望のアシスタントを割り当てるため、間接的に購入の促進を行うことができる。
【0055】
なお、予約を確定する方法として、アシスタントを指定せず、単に希望時間だけを指定しても良い。また、アシスタント指定に代えて、グループ指定を行っても良い。また、上記の図10の例において、購入商品最多グループによる優先を希望するか否かを選択可能としても良い。なお、各条件の優先順位は、可変可能である。
【0056】
なお、本実施形態では、アシスタント端末1を操作するアシスタントを店員としたが、ロボットで構成しても良い。また、顧客端末3により、店内用カメラ14の撮像角度の操作だけではなく、カート4の移動を操作可能としても良い。
【0057】
また、上記した、販売支援システムSYの各構成要素をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【0058】
また、上述した実施例によらず、販売支援システムSYの装置構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:アシスタント端末 2:店舗サーバー 3:顧客端末 4:カート 11:Webカメラ 14:店内用カメラ 15:商品用カメラ 33a:商品DB 55:画像データ取得部 56:商品特定部 57:商品データ抽出部 59:情報変換部 60:音声データ取得部 61:商品選択部 62:会計情報生成部 SY:販売支援システム 106:予約情報取得部 101:予約確定部 102:予約情報送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客端末とネットワークを介して接続された販売支援装置、販売支援装置システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、顧客端末と店内に設置されたサーバー装置とを用い、店外にいる顧客に対して対面形式で商品を販売する販売システムが提案されている(特許文献1参照)。この対面販売システムは、顧客と店員が音声や文字情報により対話を行いながら販売活動を行うもので、顧客が顧客端末を介して商品に対する要望を店員に伝え、店員が選択した商品の画像と店員の画像を顧客端末に送信し、これを繰り返しながら顧客は購入商品を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−150050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遠隔地に居住している、高齢、障害等の様々な理由で、実際に店舗に足を運ぶことが困難な顧客にとって、上記のようなネットワークを介した販売システムは、実際に店舗に行った感覚を味わいながら買い物をすることができ、非常に有用である。この「実際に店舗に行った感覚」を顧客に与える重要な要素として、店員との対話がある。しかし、上記のようなネットワークを介しての対面販売は、1組の顧客に対して少なくとも1人の店員が、買い物が終了するまで対応しなければならないため、多くの顧客に対して対応する店員が不足し、顧客に対して確実に対面販売のサービスを行えない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、ネットワークを介した販売において、確実に顧客対応サービスを提供することのできる販売支援装置、販売支援システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の販売支援装置は、複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置であって、アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶部と、顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶部と、顧客端末からアシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得部と、アシスタントの対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて、複数の顧客端末のうち、対応可能時間においてアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の販売支援装置の制御方法は、複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置の制御方法であって、販売支援装置が、アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶ステップと、顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶ステップと、顧客端末からアシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得ステップと、対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の購入履歴に基づいて、複数の顧客端末のうち、対応可能時間においてアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、顧客端末から予め予約情報を取得し、当該顧客端末に対しアシスタントサービスを割り当てることができるため、確実に顧客に顧客対応サービスを提供することができる。また、対応可能時間記憶部により、アシスタントのスケジュール管理を行うことができ、アシスタントサービスの割り当てを容易に行うことができる。また、購入履歴に基づいてアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定するため、各顧客に合ったアシスタントサービスを提供することができる。
【0009】
これらの場合、対応可能時間記憶部は、アシスタントごとにアシスタント番号および対応可能時間を紐付けて記憶しており、予約情報取得部は、顧客端末から対応を希望するアシスタント番号をさらに取得し、予約確定部は、アシスタント番号に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、購入履歴に基づいて、複数の顧客端末のうち、アシスタント番号が示すアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、顧客が対応を希望するアシスタントを選択することができる。
【0011】
この場合、購入履歴記憶部は、累計購入金額をさらに記憶し、予約確定部は、累計購入金額に基づいて、アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、例えば、累計購入金額が多い顧客端末に対してアシスタントサービスを提供する構成とすれば、売上向上を図ることができる。
【0013】
この場合、購入履歴には、購入した各商品を特定する商品情報および当該商品情報に紐付けられた商品の属するグループを示すグループ番号が含まれ、対応可能時間記憶部は、アシスタントのアシスタント番号に対して担当するグループ番号をさらに紐付けて記憶しており、予約確定部は、複数の顧客端末のうち、アシスタントが担当しているグループ番号の商品を最も多く購入した顧客端末に対して、アシスタントの対応を確定することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、よく購入する商品のグループを担当するアシスタント(例えば、売り場別にグループ化されている場合、その売り場担当の店員など)を割り当てることができるため、顧客のニーズにあったアシスタントサービスを提供することができる。
【0015】
本発明の販売支援システムは、上記の販売支援装置と、複数の顧客端末と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、顧客に対し確実に顧客対応サービスを提供することができる販売支援システムを実現することができる。
【0017】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記の販売支援装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、顧客に対し確実に顧客対応サービスを提供する販売支援装置を実現するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態にかかる販売支援システムのシステム構成図である。
【図2】販売支援システムの制御構成を示すブロック図である。
【図3】商品データベースの内容を示した図である。
【図4】顧客データベースに含まれる顧客データを示した図である。
【図5】顧客データベースに含まれる購入履歴を示した図である。
【図6】アシスタントデータベースの内容を示し、(a)はアシスタントデータを示した図であり、(b)はアシスタントの顧客対応スケジュールを示した図である。
【図7】販売支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【図8】顧客端末のディスプレイの表示例であり、(a)は店内用カメラにより撮像された映像の表示例を示す図であり、(b)は商品用カメラにより撮像された映像の表示例を示す図であり、(c)は会計情報の表示例を示す図である。
【図9】(a)は顧客とアシスタントの会話例を示す図であり、(b)は顧客端末のディスプレイの表示例を示す図である。
【図10】予約情報取得時の状態を示したイメージ図である。
【図11】(a)は予約確定処理の条件を示した図であり、(b)は予約確定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる販売支援装置、販売支援システム、販売支援装置の制御方法、およびプログラムについて説明する。図1は、本発明の販売支援システムSYのシステム構成図である。販売支援システムSYは、小売店等の店内を移動するカート4に可能な取り付けられたアシスタント端末1と、店舗のバックヤードに設けられた店舗サーバー2と、店外にいる顧客が操作する顧客端末3と、から成る。なお、請求項における「販売支援装置」とは、アシスタント端末1および店舗サーバー2により構成される。また、図示では、アシスタント端末1および顧客端末3を1台ずつ記載しているが、実際には、店舗サーバー2には複数のアシスタント端末1および顧客端末3が接続されている。
【0021】
アシスタント端末1は、アシスタントが手押しすることによって店内の各売り場を移動するカート4に取り付けられ、店内を移動しながら店内映像(店内画像)を撮像し、撮像した店内映像を店舗サーバー2を介して顧客端末3に送信する。また、アシスタント端末1は、顧客端末3との通話機能を有しており、アシスタントと顧客端末3を操作する顧客との通話が可能となっている。この通話機能により、アシスタントは顧客の要望に応じて店内を移動することができる。なお、本実施形態におけるアシスタントとは、店舗において販売に従事している店員を指す。
【0022】
店舗サーバー2は、無線LAN等のネットワークNT1を介してアシスタント端末1と接続されており、一方で、インターネット等のネットワークNT2を介して顧客端末3と接続されている。店舗サーバー2は、ディスプレイ5、キーボード6およびマウス7等を有する、一般的なパーソナルコンピュータにより構成される。また、店舗サーバー2は、店舗で販売する商品に関する商品データベース(以下、商品DBという)を記憶しており、アシスタント端末1が撮像した店内映像に含まれた商品に関する商品データ(図3参照)を顧客端末3に送信する。なお、請求項における「商品関連情報」とは、この商品データを指す。
【0023】
顧客端末3は、インターネット等のネットワークNT2を介して店舗サーバー2と接続されており、ディスプレイ8、キーボード9、マウス10、および通話機能(スピーカー47およびマイク46、図2参照)を有する、パーソナルコンピュータにより構成されている。なお、顧客端末3は、携帯電話、スマートフォン等で構成しても良い。顧客端末3を操作する顧客は、アシスタントと通話しながら、ディスプレイ5に表示される店内映像および商品データを確認することができる。また、顧客端末3は、キーボード6およびマウス7の操作によってアシスタント端末1の店内用カメラ14の撮像角度、撮像倍率などを変化させることができる構成となっている。
【0024】
ここで、アシスタント端末1の装置構成について説明する。図1に示すように、アシスタント端末1は、購入対象となる商品を収容して移動するカート4に取り付けられ、店内映像を撮像するWebカメラ11と、Webカメラ11を支持するカメラ支持部12と、撮像した店内映像を表示するための表示装置13と、を備えている。Webカメラ11は、店内に陳列された商品を撮像するための店内用カメラ14と、アシスタントが手に取った商品を撮像するための商品用カメラ15と、を備えている。各カメラは、カート4の持ち手部分に固定され、持ち手部分に対して垂直方に延在する細長のカメラ支持部12に支持されている。店内用カメラ14は、カメラ支持部12の先端付近に配置され、撮像角度、撮像倍率を、可変モータ24(図2参照)によって変化可能に支持されている。一方、商品用カメラ15は、店内用カメラ14の下方に配置され、撮像角度がカート4の前進方向に向くように固定支持されている。すなわち、アシスタントが手に取った商品を商品用カメラ15で撮像しながら、アシスタント自身が目視でも商品を確認することができるようになっている。一方、表示装置13は、各カメラにより撮像した映像をモニタリングするためのディスプレイ16と、アシスタントの音声を取得するマイク17と、顧客端末3からの顧客の音声を出力するスピーカ18と、を備えている。なお、商品用カメラ15の撮像角度、撮像倍率を可変する可変モータを備え、顧客端末3の操作により変化可能に構成しても良い。
【0025】
アシスタントは、顧客端末3を操作する顧客と通話しながら、アシスタント端末1を手押しして店内を移動し、店内用カメラ14で店内映像を撮像する。そして、顧客の要望に応じて、店内の所望の売り場に移動し、所望の商品を手にとって商品用カメラ15で当該商品を撮像する。撮像された映像は、アシスタント端末1から店舗サーバー2を介して顧客端末3に送信される。一方、顧客は、操作している顧客端末3のディスプレイ5に表示された映像を確認しながら、購入対象商品を決定する。
【0026】
次に、図2を参照し、販売支援システムSYの制御構成について説明する。同図は、販売システムSYの制御ブロック図である。上記のとおり、販売システムSYは、アシスタント端末1、店舗サーバー2、および顧客端末3により構成されている。
【0027】
アシスタント端末1は、Webカメラ11、ディスプレイ16、マイク17、スピーカ18、CPU(Central Processing Unit)19、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access
Memory)21、および通信部22、を備え、各構成部が接続バス23により接続されている。
【0028】
Webカメラ11は、上記の通り、店内を撮像するための店内用カメラ14と、商品を撮像するための商品用カメラ15と、店内用カメラ14の撮像角度や撮像倍率をなど可変するための可変モータ24と、を備えている。可変モータ24および店内用カメラ14は、直接接続されている。
【0029】
CPU19は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。ROM20は、CPU19が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶する。具体的には、Webカメラ11の駆動制御プログラム、可変モータ24の駆動制御プログラム、ディスプレイ5の表示制御プログラム等を記憶している。RAM21は、CPU19が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。
【0030】
通信部22は、店舗サーバー2と無線通信を行うためのものであり、主に、Webカメラ11が撮像した映像に基づく画像データ、およびマイク17が取得したアシスタントの音声データの店舗サーバー2への送信や、顧客端末3から取得した顧客の音声データ、および店内用カメラ14の撮像角度、撮像倍率などを変更する操作信号の受信に用いられる。
【0031】
店舗サーバー2は、上記のとおり、ディスプレイ5、キーボード6、マウス7、CPU30、ROM31、RAM32、HDD(Hard disk drive)33(対応可能時間記憶部および購入履歴記憶部)、アシスタント端末用通信部34、顧客端末用通信部35および接続バス36を備えている。
【0032】
CPU30は、中央処理装置であり、店舗サーバー2全体を制御する。ROM31は、基本プログラムを記憶している。具体的には、顧客対応の予約を確定する予約確定プログラム、店内映像からの商品特定プログラム、音声認識によるキーワード検出プログラム、会計処理プログラム等を記憶している。RAM32は、CPU30が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。一方、HDD33は、販売商品の商品DB33a、顧客端末に対応する顧客DB33b、およびアシスタントDB33cをそれぞれ記憶するための記憶領域を有している。
【0033】
アシスタント端末用通信部34は、ネットワークNT1を介して接続された各アシスタント端末1と通信を行うためのものであり、主に店内映像に基づく画像データの受信、音声データの送受信、の送信に用いられる。また、顧客端末用通信部35は、ネットワークNT2を介して接続された各顧客端末3と通信を行うためのものであり、主に、顧客端末3のディスプレイ8に表示するための画面データの送信、音声データの送受信に用いられる。
【0034】
顧客端末3は、上記のとおり、マイク46、スピーカー47、ディスプレイ8、キーボード9、マウス10、CPU41、ROM42、RAM43、通信部44、および接続バス45を備えている。CPU41は、中央処理装置であり、顧客端末3全体を制御する。ROM43は、基本プログラムを記憶している。RAM43は、CPU42が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。通信部44は、店舗サーバー2と通信を行うためのものであり、主に、画面データの受信、音声データの送受信に用いられる。
【0035】
ここで、図3を参照し、店舗サーバー2のHDD33に記憶されている商品DB33aについて説明する。商品DB33aには、各商品について当該商品に関する商品データが記憶されている。図示のように、商品データ(商品関連情報)とは、商品を特定するための「商品コード」、当該商品の売り場を示す「グループ番号」、「商品名」、「内容量」、「価格」、当該商品の生産地を示す「生産情報」、および当該商品に特化した情報を示す「キーワード」で構成されている。
【0036】
次に、図4および図5を参照し、HDD33に記憶されている顧客DB33bについて説明する。顧客DB33bには、各顧客端末について当該顧客に関する顧客データおよび購入履歴が記憶されている。図4に示すように、顧客データは、顧客端末を特定するための「顧客番号」、「氏名」、「住所」、「電話番号」、および「メールアドレス」で構成されている。一方、図5に示すように、購入履歴は、「顧客番号」、商品を購入した日時を示す「購入日時」、購入した商品を特定する「購入商品コード」、購入した商品のグループを示す「グループ番号」、購入した商品の単価を示す「価格」、購入した商品の個数を示す「個数」、当該商品の購入した合計金額を示す「合計」、1回の買い物で購入した合計金額を示す「購入金額」、および現在までに購入した累計の合計金額を示す「累計購入金額」で構成されている。
【0037】
次に、図6を参照し、HDD33に記憶されているアシスタントDB33cについて説明する。アシスタントDB33cには、各アシスタントについて当該アシスタントに関するアシスタントデータおよび当日の顧客対応スケジュールが記憶されている。同図(a)に示すように、アシスタントデータは、アシスタントを特定するための「アシスタント番号」、各アシスタントが使用するアシスタント端末1を特定する「使用カード番号」、および各アシスタントが担当する売り場(商品のグループ)を示す「グループ番号」で構成されている。一方、同図(b)に示すように、顧客対応スケジュールは、営業時間(本実施形態では10:00〜18:00とする)を2時間ごとに区切って顧客対応時間を設け、各顧客対応時間に2名ずつ顧客対応を担当するアシスタントを割り当てて構成されている。
【0038】
次に、図7を参照し、販売支援システムSYの機能構成について説明する。同図は、販売システムSYの機能ブロック図である。図示のように、アシスタント端末1は、撮像部51(Webカメラ11)、表示部52(ディスプレイ16)、および通話部53(マイク17およびスピーカー18)、を備えている。店舗サーバー2は、商品DB33a、顧客DB33b、アシスタントBD33c(いずれもHDD33内の各記憶領域に記憶されている)、予約情報取得部100(顧客端末用通信部35)、予約確定部101、撮像制御部54、画像データ取得部55(アシスタント端末用通信部34)、商品特定部56、商品データ抽出部57(請求項における「商品関連情報抽出部」)、画面データ生成部58(CPU30およびアシスタント端末用通信部34)、情報変換部59、音声データ取得部60(アシスタント端末用通信部34、顧客端末用通信部35)、商品選択部61、および会計情報生成部62を備えている。なお、店舗サーバー2の予約確定部101、撮像制御部54、商品特定部56、商品データ抽出部57、画面データ生成部58、情報変換部59、商品選択部61、および会計情報生成部62は、主にCPU30により構成されている。顧客端末3は、予約情報送信部102、予約確定情報取得部103、撮像角度・撮像倍率指示部63(キーボード9およびマウス10)、表示部64(ディスプレイ8)、通話部65(マイク46よびスピーカー47)、および商品選択操作部66(キーボード9およびマウス10)を備えている。
【0039】
以下、主に店舗サーバー2の備える各構成部について説明する。予約情報取得部100は、顧客端末3の予約情報送信部102から予約情報を取得する。予約情報とは、当該顧客端末3が顧客対応を希望する時間を示す「対応希望時間」、および顧客対応を希望するアシスタントを示す「希望アシスタント」で構成されている(図10参照)。予約確定部101は、顧客DB33bおよびアシスタントDB33cを参照して、取得した予約情報に対する予約を確定し、予約確定情報を顧客端末3の予約確定情報取得部103に対して送信する。なお、取得した予約情報に対して予約が確定不可能であった場合は、他に推奨する対応時間を示す情報を送信することが好ましい。
【0040】
撮像制御部54は、顧客端末3の撮像角度・撮像倍率指示部63により店内用カメラ14の撮像角度、倍率の変更させる旨の操作信号を受信すると、アシスタント端末1に店内用カメラ14の撮像角度、撮影倍率を可変させる旨の制御信号を送信する。
【0041】
画像データ取得部55は、アシスタント端末1の撮像部51により撮像された映像の画像データを取得し、顧客端末3の表示部64に送信する。
【0042】
商品特定部56は、取得した画像データに含まれる商品を特定する。具体的には、取得した画像データから商品バーコード(図8(a)参照)を検出し、当該商品バーコードから商品を特定する商品コードを読み取ることによって、画像データに含まれる商品を特定する。
【0043】
商品データ抽出部57は、商品特定部56により特定された商品の商品データを、商品コードに紐付けて商品DB33aから抽出する。また、商品データ抽出部57は、後述の情報変換部59により検出された「キーワード」を含む商品データを抽出する。画面データ生成部58は、画像データ取得部55により取得した画像データと、商品データ抽出部57により抽出された商品データと、に基づいて顧客端末3のディスプレイ8に表示するための画面データを生成する。そして、生成した画面データを顧客端末3に送信する。
【0044】
音声データ取得部60は、顧客端末3およびアシスタント端末1から、顧客およびアシスタントの音声データを取得する。情報変換部59は、不図示の音響分析部、音響モデル、言語モデル、および単語辞書を備え、これらを用いて、取得した音声データをテキスト情報に変換し、不図示の記憶部に記録する。そして、記録したテキスト情報から、商品DB33aに記憶されている「キーワード」を検出する。
【0045】
商品選択部61は、顧客端末3の商品選択操作部66から、商品を選択する旨の操作信号を受信すると、顧客端末3に送信した画面データに含まれる商品データから、選択された商品の商品データを選択する。会計情報生成部62は、商品選択部61により選択された商品データから、選択された商品の合計金額を示す会計情報を生成し、顧客端末3に送信する。
【0046】
次に、図8を参照し、顧客端末3のディスプレイ8に表示される画像について説明する。なお、本実施形態では、アシスタント端末1のディスプレイ16にも同様の画像が表示されるものとする。同図(a)は、アシスタント端末1の店内用カメラ14により撮像された果実売り場の店内映像と、店内映像から抽出された商品データと、が表示された画像の一例を示している。ディスプレイ5の左部には、果実売り場の陳列棚70に陳列された「りんご」、「みかん」、および「もも」の映像が表示されている。また、陳列棚70には、各商品の商品バーコード(図示省略)が記載された商品棚札71が配置されている。そして、ディスプレイ8の右部には、店内映像に映し出された商品バーコードから読み取られた「りんご」、「みかん」、および「もも」の商品データが、縦に配列されて表示されている。各商品データの表示領域には、図示の「りんご」を例に挙げると、上部から、「キーワード」として「無農薬」、「商品名」として「りんご」、「産地情報」として「青森県産」、「内容量」として「1個」、および「価格」として「¥200」の文字が表示されている。
【0047】
図8(b)は、アシスタント端末1の商品用カメラ15により撮像された「りんご」の映像と、商品データと、が表示された画像の一例を示している。ディスプレイ5の左部には、アシスタントが手に取った「りんご」が拡大して表示されている。これにより、顧客は、各「りんご」の個体差までも確認することが出来、所望の商品を選ぶことができる。なお、商品用カメラ15および店内用カメラ14の撮像の切り替えは、アシスタントが行うことが好ましい。また、顧客が同図(a)に示すような店内映像を確認して、通話により、所望の「りんご」を手にとって商品用カメラ15で撮像するようにアシスタントに指示することが好ましい。これによれば、顧客好みの(例えば、甘みのありそうな「りんご」等)商品を顧客が選択することができる。一方、ディスプレイ5の右部には、直前に表示していた店内映像(同図(a))において抽出された商品データが表示されている。
【0048】
図8(c)は、会計情報が表示された画像の一例を示している。ディスプレイ5の左部には、店内用カメラ14により撮像された店内映像が表示され、ディスプレイ5の右部には、店内映像から抽出された商品情報が表示され、ディスプレイ5の下部には、顧客端末3により選択された商品の合計金額を示す会計情報が表示されている。図示では、「カート内の合計金額」として「¥400」が表示されている。なお、アシスタントは顧客との通話により、顧客が決定した購入対象となる「りんご」をその都度、カート4に収容していく。このとき、商品バーコード等により商品情報が登録できないときは、アシスタントが、アシスタント端末上で、専用の商品登録画面などで商品名や単価、あるいは数量を入力してもよい。これにより、顧客は、自身で選んだ「りんご」を確実に購入することができる。なお、ディスプレイ5の下部に、会計情報として、カート4内にある商品の「商品名」、「個数」、「価格」をさらに表示する構成としてもよい。
【0049】
次に、図9を参照し、アシスタントと顧客との会話からの商品データの抽出について説明する。同図(a)は、アシスタントと顧客との会話の一例を示している。図示の例では、顧客の発話の中に「旬」と言葉が含まれている。この場合、店舗サーバー2の音声データ取得部60および情報変換部59は、音声データ(テキスト情報に変換)から「キーワード」として「旬」という言葉を検出し、商品データ抽出部57は、「キーワード」として「旬」をいう言葉を含んだ商品の商品データを抽出する。図示のように、ディスプレイ5の下部には、「キーワード」として「旬おすすめ」という言葉を含んだ商品である「たまねぎ」および「キャベツ」の商品データが表示されている。なお、音声データからのキーワード検出により抽出される商品データは、すべての売り場(グループ)から抽出してもよいし、所定の限られた売り場から抽出するようにしてもよい。これにより膨大な商品の商品データが抽出されてしまうことを防止することができる。
【0050】
次に、図10および図11を参照して、本実施形態の予約確定処理について説明する。図10は、販売支援(顧客対応)を実施する時間帯「12:00〜14:00」に対して顧客端末3a〜dから予約情報を取得した場合を示している。これに対し、図6(b)に示すように対応可能なアシスタントは、アシスタント2およびアシスタント3である。図11(a)は、予約を確定する顧客端末3を決定するための条件を優先順に示している。店舗サーバー2の予約確定部101は、予約情報に含まれた「希望アシスタント」、購入履歴に記憶された「累計合計金額」、当該顧客端末3が現在までに購入した商品が最も多く属するグループを示す「購入商品最多グループ」を条件として予約を確定する顧客端末3を決定する。
【0051】
図11(b)は、図10における予約状況に対する予約確定結果を示している。アシスタント2が割り当てられた顧客端末3は、アシスタント2を希望した顧客端末3aおよびdのうち、「購入商品最多グループ」がアシスタント2の担当するグループAであった顧客端末3aである。なお、この場合、「累計合計金額」は同額であった。一方、アシスタント3が割り当てられた顧客端末3は、アシスタント3を希望した顧客端末3bおよびcのうち、「累計合計金額」が多い顧客端末3cである。
【0052】
本実施形態の販売支援システムSYによれば、ネットワークを介した販売支援において、アシスタントと顧客とが通話すると共に、店内映像を顧客に提供するため、顧客は、実際に店内で買い物をしているような感覚を得ることができる。すなわち、顧客は、店内映像によって店内に実際に陳列された商品をみることができるため、リアルタイムな情報を得ながら買い物を行うことができる。また、店内映像に映っている商品の商品データを同時に表示させるため、顧客は、より詳細な商品に関する情報を得ることができる。また、顧客とアシスタントとの会話に基づいても商品データを抽出および表示させるため、自動的に、顧客のニーズにあった商品の商品データを表示させ、適切に販売支援を行うことができる。
【0053】
なお、本実施形態では、通話によるアシスタントおよび顧客の会話を想定したが、テレビ電話のようにアシスタントおよび顧客の顔を映すカメラを設け、会話および表情を含めたコミュニケーションを行う構成としてもよい。また、本実施形態では、顧客端末3の操作によって、購入対象商品を選択する構成としたが、アシスタント端末2に、商品バーコードを読み取るスキャナーを設け、アシスタントがスキャナーを用いて、購入対象商品の商品バーコードをスキャンする構成としてもよい。これによれば、アシスタントおよび顧客の対話により決定した購入対象の商品を確実に顧客が購入することができる。例えば、複数の「りんご」の中で、顧客が購入しようとした「りんご」を確実にアシスタントによって購入対象商品として処理することができる。
【0054】
また、本実施形態の販売支援システムSYによれば、顧客の購入履歴に基づいて顧客対を行うアシスタントを決定するため、顧客のニーズにあったアシスタントおよび販売支援サービスを提供することができる。すなわち、顧客のよく購入する商品を担当するアシスタントを対応さえることで、より質の高い販売支援を行うことができる。また、これまでの累計購入金額が大きい顧客端末に対して顧客の所望のアシスタントを割り当てるため、間接的に購入の促進を行うことができる。
【0055】
なお、予約を確定する方法として、アシスタントを指定せず、単に希望時間だけを指定しても良い。また、アシスタント指定に代えて、グループ指定を行っても良い。また、上記の図10の例において、購入商品最多グループによる優先を希望するか否かを選択可能としても良い。なお、各条件の優先順位は、可変可能である。
【0056】
なお、本実施形態では、アシスタント端末1を操作するアシスタントを店員としたが、ロボットで構成しても良い。また、顧客端末3により、店内用カメラ14の撮像角度の操作だけではなく、カート4の移動を操作可能としても良い。
【0057】
また、上記した、販売支援システムSYの各構成要素をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【0058】
また、上述した実施例によらず、販売支援システムSYの装置構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:アシスタント端末 2:店舗サーバー 3:顧客端末 4:カート 11:Webカメラ 14:店内用カメラ 15:商品用カメラ 33a:商品DB 55:画像データ取得部 56:商品特定部 57:商品データ抽出部 59:情報変換部 60:音声データ取得部 61:商品選択部 62:会計情報生成部 SY:販売支援システム 106:予約情報取得部 101:予約確定部 102:予約情報送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置であって、
前記アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶部と、
前記顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶部と、
前記顧客端末から前記アシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得部と、
前記アシスタントの前記対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて、前記複数の顧客端末のうち、前記対応可能時間において前記アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定部と、を備えたことを特徴とする販売支援装置。
【請求項2】
前記対応可能時間記憶部は、前記アシスタントごとにアシスタント番号および対応可能時間を紐付けて記憶しており、
前記予約情報取得部は、前記顧客端末から対応を希望する前記アシスタント番号をさらに取得し、
前記予約確定部は、前記アシスタント番号に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、前記購入履歴に基づいて、前記複数の顧客端末のうち、前記アシスタント番号が示すアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することを特徴とする請求項1に記載の販売支援装置。
【請求項3】
前記購入履歴記憶部は、累計購入金額をさらに記憶し、
前記予約確定部は、前記累計購入金額に基づいて、前記アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の販売支援装置。
【請求項4】
前記購入履歴には、購入した各商品を特定する商品情報および当該商品情報に紐付けられた前記商品の属するグループを示すグループ番号が含まれ、
前記対応可能時間記憶部は、前記アシスタントのアシスタント番号に対して担当する前記グループ番号をさらに紐付けて記憶しており、
前記予約確定部は、前記複数の顧客端末のうち、前記アシスタントが担当している前記グループ番号の商品を最も多く購入した顧客端末に対して、前記アシスタントの対応を確定することを特徴とする請求項2に記載の販売支援装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の販売支援装置と、
複数の前記顧客端末と、を備えたことを特徴とする販売支援システム。
【請求項6】
複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置の制御方法であって、
前記販売支援装置が、
前記アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶ステップと、
前記顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶ステップと、
前記顧客端末から前記アシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得ステップと、
前記対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて、前記複数の顧客端末のうち、前記対応可能時間において前記アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定ステップと、を実行することを特徴とする販売支援装置の制御方法。
【請求項7】
コンピューターに、請求項6に記載の販売支援装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
【請求項1】
複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置であって、
前記アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶部と、
前記顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶部と、
前記顧客端末から前記アシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得部と、
前記アシスタントの前記対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて、前記複数の顧客端末のうち、前記対応可能時間において前記アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定部と、を備えたことを特徴とする販売支援装置。
【請求項2】
前記対応可能時間記憶部は、前記アシスタントごとにアシスタント番号および対応可能時間を紐付けて記憶しており、
前記予約情報取得部は、前記顧客端末から対応を希望する前記アシスタント番号をさらに取得し、
前記予約確定部は、前記アシスタント番号に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、前記購入履歴に基づいて、前記複数の顧客端末のうち、前記アシスタント番号が示すアシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することを特徴とする請求項1に記載の販売支援装置。
【請求項3】
前記購入履歴記憶部は、累計購入金額をさらに記憶し、
前記予約確定部は、前記累計購入金額に基づいて、前記アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の販売支援装置。
【請求項4】
前記購入履歴には、購入した各商品を特定する商品情報および当該商品情報に紐付けられた前記商品の属するグループを示すグループ番号が含まれ、
前記対応可能時間記憶部は、前記アシスタントのアシスタント番号に対して担当する前記グループ番号をさらに紐付けて記憶しており、
前記予約確定部は、前記複数の顧客端末のうち、前記アシスタントが担当している前記グループ番号の商品を最も多く購入した顧客端末に対して、前記アシスタントの対応を確定することを特徴とする請求項2に記載の販売支援装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の販売支援装置と、
複数の前記顧客端末と、を備えたことを特徴とする販売支援システム。
【請求項6】
複数の顧客端末とネットワークを介して接続され、各顧客端末に対してアシスタントが販売支援を行うアシスタントサービスを提供するための販売支援装置の制御方法であって、
前記販売支援装置が、
前記アシスタントの顧客対応可能な対応可能時間を記憶する対応可能時間記憶ステップと、
前記顧客端末ごとに購入履歴を記憶する購入履歴記憶ステップと、
前記顧客端末から前記アシスタントの対応を希望する対応希望時間を示す予約情報を取得する予約情報取得ステップと、
前記対応可能時間に対して複数の顧客端末から予約情報を取得した場合、各顧客端末の前記購入履歴に基づいて、前記複数の顧客端末のうち、前記対応可能時間において前記アシスタントの対応を確定する顧客端末を決定する予約確定ステップと、を実行することを特徴とする販売支援装置の制御方法。
【請求項7】
コンピューターに、請求項6に記載の販売支援装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−216117(P2012−216117A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81682(P2011−81682)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
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