説明

販売機における画面表示制御方法、販売機及び画面表示制御プログラム

【課題】 身体的状態が異なる複数の利用者それぞれに対応することができる販売機における画面表示制御方法販売機及び画面表示制御プログラムを提供する。
【解決手段】 券売機1は、表示操作部2の表示領域における選択ボタンの表示の位置を、検出した利用者の身体的情報に応じた配置位置に変更する制御を行う制御部10を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売対象に係るボタンを画面に表示して、乗車券又は飲料等の販売対象を販売する販売機において前記画面の表示を制御する方法、並びにその実施に使用する販売機及び画面表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
駅に設置してある券売機にあっては、複数の乗車区間に応じた乗車券を販売すべく、相異なる料金を印字した機械式の複数のボタン、貨幣投入口及び乗車券吐出口等が配設されており、利用者によって所要金額の貨幣が貨幣投入口に投入された後に適宜のボタンが押下された場合、当該ボタンに対応する金額の乗車券を乗車券吐出口から吐出するようになっている。
【0003】
このような券売機では、乗車料金が改定される都度、ボタン又はボタン表面の印字部を交換しなければならないため、ディスプレイ上にタッチパネルを重畳させた表示操作部を設け、該表示操作部の表示画面に相異なる料金を示す複数のボタンを画像として表示するようにした販売機が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
かかる表示操作部を備える販売機では、表示操作部に表示される各ボタンの配置及び大きさ等は、利用頻度が高い大人の平均的な身体的状態に対応して画一的に決定されており、決定された配置及び大きさになるように各ボタンを表示操作部に表示していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−55247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、そのような従来の販売機にあっては、各ボタンが一定の配置及び大きさ等で表示操作部に表示されるため、例えば身長が小さいが子供又は視力が低下した老人が利用する場合、表示された各ボタンの操作に支障を来たすという問題があった。
【0007】
これを解消するため、対象とする利用者に応じて表示操作部の高さ、表示操作部に表示される各ボタンの大きさ等を異ならせた複数種類の販売機を設置することが考えらるが、複数の駅にそれぞれ設置するにはコストが嵩むため実施が困難である。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、身体的状態が異なる複数の利用者それぞれに対応することができる販売機における画面表示制御方法販売機及び画面表示制御プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、利用者に係る複数の身体的状態別に相異なる表示情報を記憶部に記憶させておく一方、利用者の身体的状態を検出し、その検出結果に基づいて、当該利用者の身体的状態を特定し、特定した利用者の身体的状態に係る表示情報を前記記憶部から読み出し、読み出した表示情報に基づいて前記表示操作部の画面を変更させることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、利用者に係る複数の身体的状態別に相異なる表示情報を記憶部に記憶させておく。例えば、表示操作部に表示される画面内の低位領域に各ボタンを配する第1表示情報、予め定めた第1年齢に達していない子供に応じた表示内容を所要のボタンに表示させる第2表示情報、及び/又は表示操作部に表示されるボタンの大きさが相対的に大きい第3表示情報を記憶させておく。
【0011】
販売機は、赤外線センサ、音声センサ及び/又は撮像器といった検出部を備えており、該検出部によって利用者の身体的状態を検出する。
【0012】
そして、検出部の検出結果に基づいて、利用者の身体的状態、例えば、所定身長に達していない利用者か、第1年齢に達していない子供か、及び/又は第2年齢以上の老人か等々を特定し、特定した身体的状態に対応する表示情報を記憶部から読み出し、読み出した表示情報に係る画面になるように表示操作部の画面を変更する。
これによって、1台の販売機にて、身長及び/又は視力等の身体的状態が異なる複数の利用者それぞれに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る販売機の一例を示す模式的外観斜視図である。
【図2】図1に示した販売機の要部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示した制御部による表示操作部の画面制御手順を示すフローチャートである。
【図4】図2に示した制御部による表示操作部の画面制御手順を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した制御部による表示操作部の画面制御手順を示すフローチャートである。
【図6】標準画面の一例を説明する説明図である。
【図7】ROMに記憶された画面データの一例を示す表図である。
【図8】第1小人用画面の一例を説明する説明図である。
【図9】第2小人用画面の一例を説明する説明図である。
【図10】老人用画面の一例を説明する説明図である
【図11】他の実施の形態に係る販売機を示す模式的斜視図である。
【図12】他の実施の形態に係る販売機を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(本発明の実施形態)
図1は、本発明に係る販売機の一例を示す模式的外観斜視図であり、乗車券を販売する券売機として適用した場合を示している。
図1に示したように、券売機1は、直方体殻の表部上位領域を斜断した筐体40を備えている。筐体40の斜断部分の略中央位置には、ディスプレイ上にタッチパネルを重畳させてなる表示操作部2が配設してあり、表示操作部2には後述するように料金を示する複数のボタンが表示されるようになっている。この表示操作部2の下方位置には、硬貨を投入する硬貨投入口45、紙幣を挿入する紙幣挿入口46、おつり紙幣を返却する紙幣返却口47、おつり硬貨を返却する硬貨返却口48、及び乗車券を吐出する乗車券吐出口49がそれぞれ配設されている。
【0015】
また、券売機1には、図2に示したように、投入された硬貨及び挿入された紙幣を各別に収納する入金用収納部15、投入された硬貨を判別する硬貨判別部13、挿入された紙幣を判別する紙幣判別部14、おつり用の硬貨・紙幣を各別に収納する出金用収納部16、出金用収納部16から所要金額のおつりを出金する出金部17、帯状紙の裏面に磁気層を形成してなる乗車券用ロールから所要長さの帯体の送り出し、切断及び吐出を行う発券部(放出部)18、発券部18によって送り出される帯体の表面に乗車金額及び乗車駅名等を印刷する印刷部19、発券部18によって送り出される帯体の裏面磁気層に乗車金額及び乗車駅名等の磁気情報を記録する記録部20等が格納されている。
これら入金用収納部15、硬貨判別部13、紙幣判別部14、出金用収納部16、出金部17、発券部18、印刷部19、及び記録部20の動作は制御部10によって制御されている。
【0016】
硬貨投入口45に硬貨が投入され及び/又は紙幣挿入口46に紙幣が挿入された場合、硬貨判別部13及び/又は紙幣判別部14が硬貨及び/又は紙幣を判別し、表示操作部2に表示された各ボタンの内、総金額以内の対応する金額までの各ボタンが点灯表示される。表示操作部2が適宜のボタンがタッチされたことを検出すると、印刷部19は発券部18によって送出された帯体の表面に乗車金額及び乗車駅名等を印刷し、記録部20は当該帯体の裏面に乗車金額及び乗車駅名等の磁気情報を記録する。このようにして、印刷・記録された帯体は発券部18によって所定の長さに切断された後、乗車券吐出口49から吐出される。
【0017】
なお、本実施の形態では硬貨及び紙幣を用いるように構成してあるが、本発明はこれに限らず、プリペイドカード、クレジットカード、又は電子マネーを用いることができる構成、或いはこれらと硬貨及び紙幣とを両方用いることができる構成にしてもよい。
【0018】
本発明に係る券売機にあっては、更に、相対的に身長が小さい利用者であるか及び小人又は老人の利用者であるか等、利用者の身体的状態を検出するための検出部3が、筐体40の適宜位置に設けてあり、検出部3がそのような利用者を検出した場合、後述するように表示操作部2による各ボタンの表示が検出結果に応じて変更されるようになっている。
このようなボタン配列の情報及びその変更情報等は券売機1のROM(Read Only Memory)11に予め設定されており、所要の情報をRAM(Random Access Memory)12に展開して表示操作部2に表示させるようになっている。
【0019】
ところで、前述した検出部3としては、例えば、赤外線センサといった人感センサ31,31を筐体40の設置面から適宜の高さ位置、例えば140cmの高さ位置及び90cmの高さ位置にそれぞれ配設し、また、利用者の声を入力するためのマイク32を設けて構成することができる。マイク32に入力された音声は声音信号として年齢推定部4に与えられ、該年齢推定部4によって、音声を入力した利用者の年齢が推定される。
【0020】
そのような音声信号より利用者の年齢を推定する方法としては、例えば、峰松信明,広瀬啓吉,関口真理子,“話者認識技術を利用した主観的高齢者の同定とそれに基づく主観的年代の推定.”情報処理学会論文誌,vol.43,No.7,pp.2186−2196,2002、小川厚徳,山口義和,松永昭一,“小学生音声データベース構築とそれを用いた子供音声認識の一検討.”信学技報,SP2002−36,pp.1−6,2002に開示されている方法を適用することができる。
【0021】
かかる構成の検出部3にあっては、低位の人感センサ31が検知したにも拘らず、高位の人感センサ31が検知しなかった場合、相対的に身長が小さい利用者であると判断することができる。また、マイク32から入力された声音の推定年齢が所定年齢が、例えば12歳以下である場合、小人の利用者であると判断することができ、一方、例えば65歳以上である場合、老人の利用者であると判断することができる。
【0022】
なお、検出部3の構成としてはこれ以外に、マイク32で構成することもできる。この場合、マイク32から入力された声音の推定年齢が所定年齢、例えば10歳以下である場合、相対的に身長が小さい利用者であると定めておくことで、かかる利用者を検出することができる。
【0023】
また、2つの撮像器を互いに所定距離隔てて配置し、両撮像器によって撮像して得られた利用者の画像データより利用者の身長、年齢を推定する推定部を設ける構成にしてもよい。この場合、画像データ中の利用者像の高さ方向の寸法、両撮像器から利用者までの距離及び両撮像器間の距離等から利用者の身長を推定することができ、また、利用者像の顔のしわの状態等から利用者の年齢を推定することができる。
【0024】
なお、図1に示した券売機1では、マイク32はフレキシブル支持管によって支持されているが、本発明はこれに限らず、筐体40の1又は複数の高さ位置にマイクを埋設するようにしてもよい。
【0025】
図3〜図5は、図2に示した制御部10による表示操作部2の画面制御手順を示すフローチャートである。
図3に示したように、制御部10は、ROM11に記憶された標準画面データを読み出してRAMに展開し、その標準画面を表示操作部2に表示させる(ステップS1,S2)。
【0026】
図6は標準画面の一例を説明する説明図である。ここで標準画面とは、検出部3によって利用者が検出されない場合、及び、後述するように相対的に身長が小さい利用者及び小人又は老人の利用者でない利用者が検出された場合に表示操作部2に表示される画面をいう。
【0027】
図6に示したように、標準画面では、乗車券を販売するための複数の乗車券ボタン21,21,…及び入場券を販売するための入場券ボタン24が表示操作部2内の縦・横方向へ互いに所定の距離を隔てて配列してある。各乗車券ボタン21,21,…は、所定形状の枠内に、複数の乗車区間別に当該乗車区間の大人料金を示す文字が表示されており、点灯/消灯し得るようになっている。また、入場券ボタン24は、所定形状の枠内に、入場券の大人料金を示す文字が表示されており、前同様点灯/消灯し得るようになっている。
【0028】
更に、基準画面には、各乗車券ボタン21,21,…の表示を大人料金から小人料金に変更するための小人用ボタン23、及び変更された小人料金を大人料金に復帰させるための大人用ボタン22も設けてある。
【0029】
図7は、ROM11に記憶された画面データの一例を示す表図である。
図7に示したように、画面データとして、標準画面を生成するための標準画面データ、後述する小人用画面を生成するための小人用画面データ、後述する老人用画面を生成するための老人用画面データが設定されている。なお、小人用画面データには、後述する異なる種類の画面をそれぞれ生成するデータが設定されている。
【0030】
各画面データには、各乗車区間別に対応する複数の商品コードが設定されており、各商品コード別に、生成された画面における位置を定める表示位置、表示するボタンの大きさ及び色等を定める表示種類、ボタン内に表示する文字を定める表示内容、及び当該商品コードの単価がそれぞれ設定されている。なお、単価は一つの商品コードについて大人料金の単価と小人料金の単価が定められており、標準画面データ及び老人用画面データには大人料金の単価が、小人用画面データには小人料金の単価が設定されている。なお、これら単価は画面には表示されない。また、表示内容としては、乗車区間の料金のみならず、降車駅の名称及び降車駅までの料金を表示するようにしてもよい。
【0031】
本発明にあっては、小人用画面データ(第1及び第2表示情報)及び老人用画面データ(第3表示情報)が設定してあり、表示種類及び/又は表示位置が標準画面データの対応する値と異ならせてあり、これによって子供及び老人が表示操作部2を操作し易いようになっている。
【0032】
なお、小人画面用データの表示位置には一つの商品コードについて2種類の値が設定してあるが、一方(第2表示情報)は標準画面データの対応する位置データの値と同じに、他方(第1表示情報)は標準画面データの対応する位置データより下位の値が設定してある。かかる小人画面データによって、後述する如く標準画面に表示する各ボタンの位置より低い位置に各ボタンが表示される第1小人用画面と、標準画面に表示する各ボタンの位置と同じ位置に各ボタンが表示される第2小人用画面とが生成される。
【0033】
図3に示したように、制御部10は、検出部3が利用者を検出したか否かを繰り返し判断しており(ステップS3)、検出部3が利用者を検出したと判断した場合、検出部3から出力される検出結果を取り込む(ステップS4)。制御部10は、取り込んだ検出結果に基づいて、当該利用者は12歳以下の子供か否かを判断し(ステップS5)、そうである場合、所定身長以上であるか否かを判断する(ステップS6)。制御部10は、所定身長に達しないと判断した場合、ROM11に記憶された第1小人用画面データを読み出し(ステップS7)、その第1小人用画面を表示操作部2に表示させる(ステップS8)。
【0034】
一方、制御部10は、ステップS6で所定身長以上であると判断した場合、ROM11に記憶された第2小人用画面データを読み出し(ステップS9)、その第2小人用画面を表示操作部2に表示させる(ステップS10)。
【0035】
図8は第1小人用画面の一例を説明する説明図であり、図9は第2小人用画面の一例を説明する説明図である。なお、両図中、図6に示した部分に対応する部分には同じ番号を付してある。
【0036】
第1小人用画面では、図8に示したように、表示操作部2内の略下半分の領域に、大人用ボタン22、小人用ボタン23、各乗車券ボタン21,21,…、及び入場券ボタン24が配置されており、小人用ボタン23が点灯されている。また、他の乗車券ボタン21,21,…の表示に切り替えるためのつぎへボタン25が配置されている。
【0037】
このように表示操作部2内の略下半分の領域に各ボタン21,21,…が配置されているため、所定身長に達しない子供であっても、表示操作部2に表示された各ボタン21,21,…を容易に操作することができる。
【0038】
一方、図9に示したように、第2小人用画面では、各ボタン21,21,…の配置は、図6に示した標準画面の各ボタン21,21,…の位置と略同じであるが、各乗車券ボタン21,21,…には対応する小人料金がそれぞれ表示されている。
【0039】
11〜12歳の子供にあっては所定身長を超える利用者も存在するが、検出部3によってかかる利用者も検出することができる。そして、そのような利用者については、標準画面のボタン21,21,…、22,23,24,の位置と同様な位置に各ボタン21,21,…,22,23,24を配置にすることによって、表示操作部2の操作性を保つことができる。一方、各乗車券ボタン21,21,…には、小人料金が表示されているため、表示操作部2の操作性が高い。
【0040】
ところで、制御部10は、ステップS5で子供でないと判断した場合、図4に示したステップS21へ移って、検出結果に基づいて推定された利用者の推定年齢が所定年齢(例えば65歳)を超えているか否かを判断し(ステップS21)、そうであると判断した場合、ROM11に記憶された老人用画面データを読み出し(ステップS22)、それを表示操作部2に表示させる(ステップS23)。
【0041】
図10は、老人用画面の一例を説明する説明図である。なお、図中、図6に対応する部分には同じ番号を付してある。
図10に示したように、老人用画面にあっては、乗車券ボタン21,21,…の表示面積が、図6に示した標準画面の乗車券ボタン21,21,…の表示面積より広くなっており、各乗車券ボタン21,21,…に対応する大人料金が表示されている。また、つぎへボタン25が適宜位置に設けてあり、大人用ボタン22が点灯されている。
【0042】
これによって、視力が低下している老人であっても、各乗車券ボタン21,21,…、及び乗車券ボタン21,21,…に表示された料金を比較的容易に判別することができ、表示操作部2の操作性が高い。
【0043】
一方、制御部10は、検出結果に基づいて利用者が子供でもなく、老人でもないと判断した場合、小人用画面又は老人用画面への変更を行わない。従って、表示操作部2には標準画面が表示されている。
【0044】
図3に示したように、制御部10は、硬貨判別部13及び/又は紙幣判別部14から貨幣判別情報が与えられるまで待機し(ステップS30)、貨幣判別情報が与えられた場合、判別された金額に対応する金額内の乗車券ボタン21,21,…を点灯させる(ステップS31)。制御部10は、いずれかのボタン21,21,…,22,23,24,25にタッチされるまで待機し(ステップS32)、タッチされたと判断した場合、それはつぎへボタン25であるか否かを判断する(ステップS33)。そして、制御部10は、つぎへボタン25であると判断すると、RAM12に展開された次画面の情報を表示操作部2に与え、表示操作部2に次画面を表示させる(ステップS34)。
【0045】
一方、制御部10は、ステップS33でつぎへボタン25でないと判断した場合、乗車券ボタン21か否かを判断し(ステップS35)、そうでない場合は対応する処理を実行する(ステップS36)。
【0046】
制御部10は、ステップS35で乗車券ボタン21であると判断した場合、発券部18、印刷部19及び記録部20をして当該乗車券ボタン21に対応する乗車券を発行せしめる(ステップS37)。また、制御部10は、おつりがあるか否かを判断し(ステップS38)、おつりがある場合は出金部17に相当のおつりを返還させる(ステップS39)。
このように本発明に係る券売機にあっては、1台の券売機にて、身長及び/又は視力等の身体的状態が異なる複数の利用者それぞれに対応することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、第1小人用画面、第2小人用画面及び老人用画面を表示し得るようにしてあるが、本発明はこれに限らず、第1小人用画面、第2小人用画面及び老人用画面のいずれか一つ、又は二つを表示し得るようにしてもよい。
【0048】
また、第1小人用画面に対応する老人用画面を予め用意しておき、身長が小さい老人については表示操作部2に表示される画面の低位領域に各ボタン21,21,…,22,23,24,25を表示させる構成にすることもできる。この場合、表示操作部2に表示される画面の低位領域に、標準画面のボタンより大きいボタンが表示されるため、ボタン操作を容易に行うことができる。
【0049】
なお、老人用画面にあっては、ボタン及び当該ボタンに表示される文字を相対的に大きくなすのに加えて、文字幅を大きくする、ボタンに表示される文字が強調されるように彩色する等の措置を講じることもできる。
【0050】
一方、本実施の形態では、第1小人用画面及び第2小人用画面に対応する表示情報をそれぞれ設定するようになしてあるが、本発明はこれに限らず、標準画面データのボタン配置に対応する小人用画面データを設定しておき、身長が小さい子供を検出した場合は、表示操作部2に表示される画面の低位領域に各ボタン21,21,…22,23,24,25が表示されるように、その表示開始位置データを第1表示情報として別途設定しておくようにしてもよい。
【0051】
(その他の実施形態)
図11及び図12は他の実施の形態に係る販売機を示す模式的斜視図であり、飲料の自動販売機に適用した場合を示している。
【0052】
図11に示したように、直方体殻状の販売機1の正面中央部には縦長の表示操作部2が設置してあり、表示操作部2には標準画面が表示されている。
【0053】
標準画面は、図11に示したように、複数の販売対象の商品像27,27,…の下方に料金を示した選択ボタン21a,21a,…をそれぞれ配置して構成してあり、商品像27,27,…及び選択ボタン21a,21a,…は、表示操作部2内の下位領域を除く、上位領域から中位領域にかけて配列してある。
【0054】
また、販売機1には、前記表示操作部2の下方位置に商品を取り出すための横長の取出口41が設けてある。一方、表示操作部2の一側方であって、販売機1の高さ方向の略中央位置には、硬貨を投入するための硬貨投入口45が設けてあり、硬貨投入口45の下方位置には紙幣を挿入する紙幣挿入口46及び貨幣返却口48がそれぞれ設けてある。
【0055】
更に、販売機1の正面であって表示操作部2の側方には、例えば赤外線センサを用いてなる人感センサ31,31が販売機1の高さ方向へ適宜の距離を隔てて配設してあり、両人感センサ31,31によって検出部3が構成されている。かかる人感センサ31,31は、例えば、一方の人感センサ31を販売機1の設置面から140cmの高さ位置に、他方の人感センサ31は、販売機1の設置面から90cmの高さ位置に設置する。
【0056】
これによって、他方の人感センサ31が利用者を検出したにも拘らず、一方の人感センサ31が利用者を検出しなかった場合、身長が相対的に低い利用者であると特定することができ、かかる利用者にあっては前述した標準画面では選択ボタン21a,21a…の操作に不都合を生じる虞がある。一方、両人感センサ31,31が利用者を検出した場合、身長が相対的に高い利用者であると特定することができ、かかる利用者にあっては標準画面での選択ボタン21a,21a,…の操作に不都合を生じる虞は無い。
【0057】
従って、両人感センサ31,31によって利用者の身体的状態を検出した結果が前者であった場合、販売機1は、図12に示したように、対応する低位用画面に変更する。
すなわち、低位用画面にあっては、商品像27,27,…及び選択ボタン21a,21a,…は、表示操作部2内の上位領域を除く、中位領域から下位領域にかけて配列してある。
これによって、身長が相対的に低い利用者であっても選択ボタン21a,21a,…の操作に不都合を生じる虞は無い。
【0058】
なお、本実施の形態では、商品像27,27,…の表示位置及び選択ボタン21a,21a,…の表示位置を共に変更するようにしてあるが、本発明はこれに限らず、選択ボタン21a,21a,…の表示位置だけを変更するようにしてもよい。
また、表示操作部2の商品像27,27,…及び選択ボタン21a,21a,…を表示していない領域には、広告等を表示するようにしてもよい。
【0059】
一方、本実施の形態では、人感センサ31,31によって利用者の身体状態を検出するようにしてあるが、本発明はこれに限らず、音声によって利用者の年齢を推定するようにしてもよい。この場合、所定年齢に達していないと推定した利用者に対して、各商品から低年齢者向けの商品を選択し、当該商品の商品像27,27,…及び対応する選択ボタン21a,21a,…を表示操作部2の低位位置に変更表示するようになすことができる。これによって、例えば、低年齢者にとっては刺激の強い商品を除外することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 券売機(販売機)
2 表示操作部
3 検出部
4 年齢推定部
10 制御部
11 ROM
12 RAM
18 発券部
21 乗車券ボタン
21a 選択ボタン
22 大人用ボタン
23 小人用ボタン
31 人感センサ
32 マイク
40 筐体
45 硬貨投入口
46 紙幣挿入口
48 硬貨返却口
49 乗車券吐出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面表示を備えた販売機における画面表示制御方法において、
前記画面表示部の表示領域における選択ボタンの表示の位置を、検出した利用者の身体的情報に応じた位置に変更する制御を行う、
ことを特徴とする販売機における画面表示制御方法。
【請求項2】
前記変更する制御を行った後、前記変更する制御に基づき位置が変更される前に前記選択ボタンの表示が配置されていた位置を利用して、広告を表示する制御を行う
ことを特徴とする請求項に記載の販売機における画面表示制御方法。
【請求項3】
画面表示部を備えた販売機において、
前記画面表示部の表示領域における選択ボタンの表示の位置を、検出した利用者の身体的情報に応じた配置位置に変更する制御を行う制御部を備える、
ことを特徴とする販売機。
【請求項4】
前記制御部は前記変更する制御を行った後、前記変更する制御に基づき位置が変更される前に前記選択ボタンが配置されていた位置を利用して、広告を表示する制御を行うことを特徴とする請求項に記載の販売機。
【請求項5】
販売機の画面表示部の表示を制御するように、コンピュータを機能させる画面表示制御プログラムにおいて、
コンピュータを、前記画面表示部の表示領域における選択ボタンの表示の位置を、検出した利用者の身体的情報に応じた配置位置に変更する制御を行う制御手段として機能させる画面表示制御プログラム。
【請求項6】
前記制御手段は前記変更する制御を行った後、前記変更する制御に基づき位置が変更される前に前記選択ボタンが配置されていた位置を利用して、広告を表示する制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の画面表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−12257(P2013−12257A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232322(P2012−232322)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2007−36760(P2007−36760)の分割
【原出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】