説明

販売管理装置、販売管理方法、販売管理プログラム

【課題】実店舗とECシステムとの双方の商品情報や売上情報を効率良く管理する。
【解決手段】販売管理装置が、顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、顧客に対して商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、ユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出して店舗通信部を介して精算処理端末に送信し、店舗通信部を介して精算処理端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させる店舗決済処理部と、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出してユーザ通信部を介してユーザ端末に送信し、ユーザ通信部を介してユーザ端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させるユーザ決済処理部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の販売を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
チェーンストアやフランチャイズ等の形態により複数の店舗の運営や管理を行う場合、ネットワークを介して複数店舗のキャッシュレジスタ(POSレジスタ、以下、レジともいう)を接続したPOSシステムにより、複数店舗の商品や売上等の情報を一元的に管理することがある。これにより、いつ、どの商品が、どのような価格で、いくつ売れたか等を経営者が把握することができる。特許文献1には、バーコードリータの機能を備える携帯電話を用いてこのようなPOSシステムを実現しようとすることが記載されている。
一方、情報通信技術の発達により、インターネットや専用線のようなネットワークを介した情報通信により商品を売買する電子商取引(以下、EC(Electronic commerce)ともいう)が行われている。ECシステムでは、例えばウェブサーバに記憶された商品等の情報がネットワークを介してユーザ端末に送信される。ユーザ端末は、ウェブサーバから送信された商品等の情報を表示し、ユーザが購入を希望する商品の選択や決済を行なうクレジットカード情報等の入力をユーザから受け付けて、ウェブサーバに購入要求を送信する。商品の売主は、ウェブサーバに送信された購入要求に応じた商品を、宅配便等によりユーザに発送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−261189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同一の経営者等が複数の店舗を持ちながらECも行っている場合、POSシステムとECシステムとが別のシステムとして構築され、管理されている場合がある。この場合、商品情報や売上情報等がPOSシステムとECシステムとに分かれるため、例えば商品の在庫管理や売上の集計等のために複数のシステムの情報を統合しなければならない等、経営者の負担となっていることがある。そこで、このように実店舗による販売網とECシステムとの双方を運営するような場合に、双方の商品情報や売上情報を効率良く管理することが望ましい。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、実店舗による販売とECシステムとの双方を運営するような場合に、双方の商品情報や売上情報を効率良く管理する販売管理装置、販売管理方法、販売管理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、顧客に対して商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、顧客に商品を販売する店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、顧客のユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出して店舗通信部を介して精算処理端末に送信し、店舗通信部を介して精算処理端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させる店舗決済処理部と、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出してユーザ通信部を介してユーザ端末に送信し、ユーザ通信部を介してユーザ端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させるユーザ決済処理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ユーザ決済処理部は、ユーザ端末から、ユーザ端末に入力されたクレジットカード番号と、クレジットカード番号に対応する有効期限と、クレジットカード番号と有効期限とに基づいて算出された誤り検出符号とが含まれる決済要求を受信し、受信した決済要求に基づいて決済処理を行うことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、顧客に対して商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、顧客に商品を販売する店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、顧客のユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、を備える販売管理装置の販売管理方法であって、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出して店舗通信部を介して精算処理端末に送信し、店舗通信部を介して精算処理端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させるステップと、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出してユーザ通信部を介してユーザ端末に送信し、ユーザ通信部を介してユーザ端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させるステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、顧客に対して商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、顧客に商品を販売する店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、顧客のユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、を備える販売管理装置のコンピュータに、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出して店舗通信部を介して精算処理端末に送信し、店舗通信部を介して精算処理端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させるステップと、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出してユーザ通信部を介してユーザ端末に送信し、ユーザ通信部を介してユーザ端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させるステップと、を実行させる販売管理プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、販売管理装置が、顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、顧客に対して商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、ユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出して店舗通信部を介して精算処理端末に送信し、店舗通信部を介して精算処理端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させる店舗決済処理部と、商品情報記憶部に記憶されている商品情報を読み出してユーザ通信部を介してユーザ端末に送信し、ユーザ通信部を介してユーザ端末から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部に記憶させるユーザ決済処理部と、を備えるようにしたので、実店舗とECシステムとの双方の商品情報や売上情報を効率良く管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による販売管理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による業務用端末に表示される画面の例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるユーザ端末に表示される画面の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による加盟店情報記憶部に記憶される加盟店情報のデータ例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による商品情報記憶部に記憶される商品情報のデータ例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による売上情報記憶部に記憶される売上情報のデータ例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による売上明細情報記憶部に記憶される売上明細情報のデータ例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による決済情報記憶部に記憶される決済情報のデータ例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による顧客情報記憶部に記憶される顧客情報のデータ例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による販売管理装置が業務用端末と通信を行う動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態による販売管理装置がユーザ端末と通信を行う動作例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態による販売管理システムの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による販売管理システム1の構成を示すブロック図である。販売管理システム1は、店舗毎に設置された業務用端末100(業務用端末100−1、業務用端末100−2、・・・)および決済端末110(決済端末110−1、決済端末110−2、・・・)と、ユーザ端末200と、販売管理装置300と、クレジットネットワークシステム400と、クレジットカード決済装置500とを備えている。ここで、業務用端末100−1と業務用端末100−2とが設置された店舗は、それぞれ異なる地域、業種、企業のものであっても良い。複数の業務用端末100、複数の決済端末110は異なる店舗に設置された同様のコンピュータ端末であるため、特に区別しない場合には「−1」、「−2」等の表記を省略して説明する。
【0013】
業務用端末100は、いわゆるPOSシステムにおけるPOSレジスタの機能を備えた精算処理端末であり、キャッシュレジスタである。業務用端末100は、情報を表示するディスプレイである表示部や、店舗における販売員等からの情報の入力を受け付けるキーボードである入力部等を備えている。ディスプレイはタッチパネルを適用して入力部を兼ねるようにしても良い。業務用端末100は、ネットワークを介して販売管理装置300と通信して、店舗において販売する商品を示す商品情報等を受信し、自身の記憶領域に記憶させる。また、商品情報を画面に表示して決済処理を行い、売上情報を販売管理装置300に送信する。図2は、業務用端末100に表示される画面の例を示す図である。図に示すように、業務用端末100の画面下部には、店舗において販売する商品を示すボタンが表示される。このボタンを押下するとその商品が選択されたことが入力される。画面上部には、選択された商品を示す情報が表示される。例えば画面右下の合計ボタンが押下されると、選択された商品の合計金額が業務用端末100によって算出され、画面に表示される。また、業務用端末100は、支払が完了したことを示す情報が入力されると、販売された商品の情報が含まれる売上情報を、販売管理装置300に送信する。
【0014】
決済端末110は、クレジット決済を行なう精算処理端末である。例えば、決済端末110は、磁気ストライプカードであるクレジットカードに記憶された情報を読み出すカードリーダの機能を備え、クレジットネットワークシステム400を介してクレジットカード決済装置500と通信を行うことによりクレジット決済の処理を行う。磁気ストライプカードには、例えば、クレジットカード番号、有効期限、カード所持者氏名、カード保持者生年月日等の情報が含まれる69桁の情報が記憶されている。また、磁気ストライプカードから読み出される情報には、CRC(Cyclic Redundancy Check)等の誤り検出符号が含まれる。決済端末110は、クレジット決済が完了すると、クレジット決済が完了したことを示す決済情報を販売管理装置300に送信する。
【0015】
ユーザ端末200は、顧客であるユーザのコンピュータ端末である。ユーザ端末200は、例えばディスプレイ等の表示部やキーボード等の入力部を備えるPC(Personal Computer)、携帯電話端末等が適用できる。ユーザ端末200は、販売管理装置300から送信される商品情報等を画面に表示し、表示した商品情報に応じてユーザに選択される商品情報の入力を受け付ける。図3は、ユーザ端末200に表示される画面の例を示す図である。ユーザ端末200の画面には、販売管理装置300から送信される商品情報に含まれる商品名や値段、その商品を選択して購入する場合の購入個数が入力されるテキストボックス等が表示される。
【0016】
ユーザによって購入個数が入力され、購入ボタンが押下されると、ユーザ端末200は、購入した商品に応じた支払を行うクレジットカード情報の入力を受け付ける。クレジットカード情報は、例えばクレジットカード番号(例えば、16桁)と、そのクレジットカードの有効期限情報(例えば、4桁)である。クレジットカード情報には、さらにセキュリティコード(3桁)が含まれるようにしても良い。ユーザ端末200は、入力されたクレジットカード情報に基づいて、予め定められたアルゴリズムによりCRC等の誤り検出符号を算出する。ユーザ端末200は、クレジットカード情報と、算出した誤り検出符号とが含まれる決済要求を、販売管理装置300に送信する。この際、決済要求に含まれるクレジットカード番号等の情報は、決済端末110から送信される69桁の情報に合わせて、ゼロパディングをした情報であるようにしても良い。このように、ECサイトから決済処理を行う場合に、クレジットカード情報に誤り検出符号を付加することで、よりセキュリティを高めることができる。
【0017】
販売管理装置300は、ネットワークを介して複数の業務用端末100、決済端末110、ユーザ端末200に接続されたコンピュータ装置である。販売管理装置300は、加盟店情報記憶部301と、商品情報記憶部302と、売上情報記憶部303と、売上明細情報記憶部304と、決済情報記憶部305と、顧客情報記憶部306と、店舗通信部307と、店舗決済処理部308と、ユーザ通信部309と、ユーザ決済処理部310とを備えている。図に示すように、本実施形態の販売管理装置300は、実店舗に設置される業務用端末100と、ECサイトの顧客であるユーザのユーザ端末200との双方の情報を、同一の記憶部に記憶された情報により一元的に管理することで、商品情報や売上情報を効率良く管理する。
【0018】
加盟店情報記憶部301には、販売管理システム1により情報を管理する複数地域における複数業種の複数店舗毎の情報が記憶されている。図4は、加盟店情報記憶部301に記憶される加盟店情報のデータ例を示す図である。加盟店情報には、店舗ID(Identifier)と、店舗名と、業種(大分類)と、業種(中分類)と、住所と、地域と、責任者名と、電話番号との情報が対応付けられる。店舗IDは、ネットワークを介して接続された業務用端末100が設置された店舗を識別する情報である。店舗名は、対応する店舗IDにより識別される店舗の名称を示す。業種(大分類)と業種(中分類)とは、対応する店舗の業種の分類を示す。業種(大分類)としては、例えば小売業界、ゴルフクラブ業界などの業種が対応付けられ、業種(中分類)としては、例えば飲食業界であれば食品、薬品等の業種が対応付けられる。このように、異なる業種の情報を段階的な分類に分けて同一のフォーマットにより記憶することで、異なる業種の情報を横断的に分析することが可能となる。住所は、対応する店舗の住所を示す。地域は、対応する店舗の住所の地域を示し、例えば、市や区等の単位に予め区分された地域の名称が対応付けられる。責任者名は、対応する店舗の責任者の氏名を示す。電話番号は、対応する店舗の電話番号を示す。
【0019】
商品情報記憶部302には、顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される。図5は、商品情報記憶部302に記憶される商品情報のデータ例を示す図である。商品情報には、店舗IDと、商品コードと、大分類と、中分類と、小分類(品目)と、商品名と、値段との情報が対応付けられる。店舗IDは、加盟店情報記憶部301に記憶された店舗IDに対応する情報である。商品コードは、対応する商品を識別する情報である。大分類、中分類、小分類(品目)は、対応する商品の分類を示す。例えば、大分類が食品である場合、中分類として飲料、パン等の情報が対応付けられ、中分類が飲料である場合、小分類(品目)として牛乳、水等の情報が対応付けられる。このように、異なる業種の商品の情報を段階的な分類に分けて同一のフォーマットにより記憶することで、異なる業種の情報を横断的に分析することが可能となる。商品名は、対応する商品の名称である。値段は、対応する商品が販売される際の値段である。
【0020】
売上情報記憶部303には、顧客に対して商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される。図6は、売上情報記憶部303に記憶される売上情報のデータ例を示す図である。売上情報には、店舗IDと、伝票番号と、取引種別と、支払種別と、売上金額と、年齢層と、性別と、販売員と、承認番号と、顧客IDと、日時との情報が対応付けられる。店舗IDは、加盟店情報記憶部301に記憶された店舗IDに対応する情報である。伝票番号は、店舗において顧客との取引が行われる毎に生成される伝票を識別する情報である。取引種別は、対応する取引の内容の種別を示す。支払種別は、対応する取引における支払の種別を示す。売上金額は、対応する取引において支払われた金額を示す。年齢層は、対応する取引を行った顧客の年齢層を示す。性別は、対応する取引を行った顧客の性別を示す。年齢層および性別は、例えば店舗において業務用端末100を操作する従業員により入力される。あるいは、ECサイトにおける決済を行った場合には、決済を行ったユーザ端末200に対応するユーザの顧客情報が入力される。販売員は、店舗において販売を行った従業員の氏名を示す。承認番号は、支払種別がクレジットである場合にクレジットカード会社によって承認されたことを識別する情報であり、クレジットカード会社によって付与される。顧客IDは、決済がECサイトにおいて行われた場合に、その決済を行ったユーザ端末200に対応するユーザの顧客IDが記憶される。日時は、対応する取引が行われた日時を示す。日時は、例えばYYYYMMDDHHMMSS形式により年月日と時間とを示す。
【0021】
売上明細情報記憶部304には、売上情報記憶部303に記憶された取引毎の明細が記憶される。図7は、売上明細情報記憶部304に記憶される売上明細情報のデータ例を示す図である。売上明細情報には、伝票番号と、商品コードと、商品名と、単価と、税種別と、個数と、金額とが対応付けられる。伝票番号は、売上情報記憶部303に記憶された伝票番号に対応する情報である。商品コードは、商品情報記憶部302に記憶された商品コードに対応する情報であり、取引された商品を識別する。商品名は、商品コードに対応する商品名である。単価は、対応する商品の値段である。税種別は、対応する取引の税の種別を示す。個数は、対応する商品が取引された個数を示す。金額は、対応する単価に税種別と個数とを考慮した金額を示す。
【0022】
決済情報記憶部305には、クレジットカードにより決済が行なわれた場合の決済情報が記憶される。図8は、決済情報記憶部305に記憶される決済情報のデータ例を示す図である。決済情報には、伝票番号と、カード番号と、売上金額と、支払種別と、承認番号と、端末機識別番号との情報が対応付けられる。伝票番号は、売上情報記憶部303に記憶された伝票番号に対応する情報である。カード番号は、決済に使用されたクレジットカードを識別する情報である。売上金額は、対応するクレジットカードにより決済された金額を示す。支払種別は、対応する支払の種別を示す。承認番号は、クレジットカード会社によって承認されたことを識別する情報である。端末機識別番号は、クレジット決済を行なった決済端末110を識別する情報である。
【0023】
顧客情報記憶部306には、販売管理装置300が提供するECサイトに登録されたユーザを示す顧客情報が記憶される。図9は、顧客情報記憶部306に記憶される顧客情報のデータ例を示す図である。顧客情報には、顧客IDと、氏名と、住所と、年齢と、性別と、ポイントとの情報が対応付けられる。顧客IDは、ユーザ端末200のユーザを識別する情報である。氏名は、顧客IDにより識別される顧客の氏名である。住所は、対応する顧客の住所であり、例えば、ECサイトにより注文された商品の宛先である。年齢は、対応する顧客の年齢である。性別は、対応する顧客の性別である。ポイントは、例えば購入金額に対する一定割合のポイントを付与するサービスなどを行っている場合に、対応するユーザに付与されたポイントの残高を示す情報である。
【0024】
店舗通信部307は、顧客に商品を販売する店舗における精算処理を行う業務用端末100や決済端末110等の精算処理端末にネットワークを介して接続され、これらの精算処理端末と通信を行う。
店舗決済処理部308は、商品情報記憶部302に記憶されている商品情報を読み出して店舗通信部307を介して業務用端末100に送信し、店舗通信部307を介して業務用端末100から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部303に記憶させる。
【0025】
ユーザ通信部309は、顧客のユーザ端末200にネットワークを介して接続され、ユーザ端末200と通信を行う。
ユーザ決済処理部310は、商品情報記憶部302に記憶されている商品情報を読み出してユーザ通信部309を介してユーザ端末200に送信し、ユーザ通信部309を介してユーザ端末200から送信される売上情報を受信して売上情報記憶部303に記憶させる。ここで、ユーザ決済処理部310は、例えばウェブサーバの機能を備えており、HTML形式の商品情報をユーザ端末200に送信する。また、ユーザ決済処理部310は、ユーザ端末200から、そのユーザ端末200に入力されたクレジットカード情報と、そのクレジットカード情報に基づいて算出された誤り検出符号とが含まれる決済要求を受信し、受信した決済要求に基づいて決済処理を行う。決済要求は、ユーザ端末200によって暗号化された後に送信され、ユーザ決済処理部310が復号するようにしても良い。ここで、ユーザ決済処理部310は、決済要求に含まれる誤り検出符号に基づいて、定められたアルゴリズムによりクレジットカード情報の誤り検出処理を行う。そして、誤りが検出された場合には決済処理を行わず、誤りを検出しなかった場合には決済処理を行う。このように、ユーザ決済処理部310は、クレジットカード情報の誤り検出を行うようにしたので、クレジットカード情報の完全性を検証することができる。決済処理は、クレジットネットワークシステム400を介してクレジットカード決済装置500と通信することにより行なう。
【0026】
このように、本実施形態では、業務用端末100と通信を行う店舗通信部307と、ユーザ端末200と通信を行うユーザ通信部309とが、同一の記憶部に記憶された情報に基づいて通信を行うようにしたので、商品情報や売上情報等の情報を一元的に効率良く管理することが可能となる。ここで、店舗通信部307および決済端末110と業務用端末100との間の通信、並びにユーザ通信部309とユーザ端末200との間の通信のインタフェースを、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol over Secure Socket Layer)にそろえるようにすることができる。
【0027】
クレジットネットワークシステム400は、決済端末110および販売管理装置300と、クレジットカード会社のクレジットカード決済装置500とをオンライン回線で接続し、クレジットカードの正当性の検証や利用限度額などの有効性を判定するコンピュータシステムである。
クレジットカード決済装置500は、ユーザによる料金支払をクレジットカードにより決済する処理を行うコンピュータ装置である。ここでは、1台のクレジットカード決済装置500を図示して説明するが、販売管理システム1は、クレジットカードを発行してクレジットカードサービスを運営する複数のクレジットカード会社に設置されたクレジットカード決済装置500に接続されるようにして良い。
【0028】
次に、本実施形態による販売管理装置300の動作例を説明する。図10は、販売管理装置300が業務用端末100と通信を行う動作例を示すフローチャートである。
店舗決済処理部308は、業務用端末100−1の店舗IDに対応する商品情報を商品情報記憶部302から読み出し、読み出した商品情報を業務用端末100−1に送信する(ステップS1)。業務用端末100−1は、販売管理装置300から送信された商品情報を記憶し、画面に表示させる。また、業務用端末100−1は、店舗において顧客に商品が販売され、決済が完了したことが入力されると、売上情報を生成して販売管理装置300に送信する。販売管理装置300のユーザ決済処理部310は、業務用端末100−1から送信された売上情報を、ユーザ通信部309を介して受信し、受信した売上情報を売上情報記憶部303に記憶させる(ステップS2)。
【0029】
図11は、販売管理装置300がユーザ端末200と通信を行う動作例を示すフローチャートである。
販売管理装置300のユーザ決済処理部310は、ユーザ通信部309を介して、ユーザ端末200−1から送信される商品情報要求を受信すると、商品情報記憶部302に記憶されている商品情報を読み出し、ユーザ端末200−1に送信する(ステップS10)。ユーザ端末200−1は、販売管理装置300から送信された商品情報を受信し、画面に表示させる。また、ユーザ端末200−1は、商品が選択され、クレジットカード情報が入力されると誤り検出符号を算出し、販売管理装置300に決済要求を送信する。販売管理装置300のユーザ通信部309が、ユーザ端末200から送信される決済要求を受信する(ステップS11)と、ユーザ決済処理部310は、決済要求に含まれるクレジットカード情報と誤り検出符号とに基づいて、誤り検出処理を行う(ステップS12)。
【0030】
ユーザ決済処理部310が、送信されたクレジットカード情報に誤りを検出すれば(ステップS12:YES)、エラーとして決済処理を行わずに処理を終了する(ステップS13)。一方、ユーザ決済処理部310が、送信されたクレジットカード情報に誤りを検出しないと判定すれば(ステップS12:NO)、クレジットネットワークシステム400を介してクレジットカード決済装置500と通信を行い、購入することが選択された商品の合計金額に応じた決済処理を行う(ステップS14)。また、ユーザ決済処理部310は、決済を行なった売上情報を、売上情報記憶部303に記憶させる(ステップS15)。
【0031】
図12は、このような販売管理システム1の実施例を示す図である。例えば、決済アプリ(AP)、決済用ライブラリ等が記憶され、店舗毎に設置された業務用端末100と、ユーザのユーザ端末200と、クラウドコンピューティング基盤上に構成された販売管理装置300とを、インタ−ネットを介して接続する。決済処理においては、業務用端末100においても、販売員が手入力によりクレジットカード情報をマニュアル入力する場合があり、これにより決済処理を行う場合と、ユーザ端末200においてユーザにより手入力されるクレジットカード情報により決済処理を行うとは、店舗向けにもECサイト向けにも同一の機能部を流用することができる。また、売上管理において、売上情報、商品情報、顧客情報が記憶されている記憶部(データベース)を、店舗向けのウェブサーバとECサイト向けのウェブサーバとで共用することができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、実店舗における売上情報とECサイトにおける売上情報とを一元管理できるため、効率良く売上の集計作業等を行うことができる。また、同一のハードウェアや機能を、複数の企業等で流用し、クラウド型のサービスにより提供することができるため、トータルのコストを大幅に抑えることが可能となる。
【0033】
なお、本実施形態では、1台のコンピュータ装置である販売管理装置300が、加盟店情報記憶部301からユーザ決済処理部310までの全ての機能部を備える例を示したが、複数のコンピュータ装置が分散してこれらの機能を備えるようにしても良い。例えば、加盟店情報記憶部301から顧客情報記憶部306までの記憶部を備えるデータベースサーバであるコンピュータ装置と、店舗通信部307と店舗決済処理部308とを備えて複数の業務用端末100や決済端末110と通信を行うコンピュータ装置と、ユーザ通信部309とユーザ決済処理部310とを備えて複数のユーザ端末200と通信を行うウェブサーバであるコンピュータ装置とを個別に構成し、複数のコンピュータ装置が互いに連携して動作するようにしても良い。
【0034】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより販売管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0035】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 販売管理システム
100 業務用端末
110 決済端末
200 ユーザ端末
300 販売管理装置
301 加盟店情報記憶部
302 商品情報記憶部
303 売上情報記憶部
304 売上明細情報記憶部
305 決済情報記憶部
306 顧客情報記憶部
307 店舗通信部
308 店舗決済処理部
309 ユーザ通信部
310 ユーザ決済処理部
400 クレジットネットワークシステム
500 クレジットカード決済装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、
前記顧客に対して前記商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、
前記顧客に商品を販売する店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、
前記顧客のユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、
前記商品情報記憶部に記憶されている前記商品情報を読み出して前記店舗通信部を介して前記精算処理端末に送信し、当該店舗通信部を介して当該精算処理端末から送信される売上情報を受信して前記売上情報記憶部に記憶させる店舗決済処理部と、
前記商品情報記憶部に記憶されている前記商品情報を読み出して前記ユーザ通信部を介して前記ユーザ端末に送信し、当該ユーザ通信部を介して当該ユーザ端末から送信される売上情報を受信して前記売上情報記憶部に記憶させるユーザ決済処理部と、
を備えることを特徴とする販売管理装置。
【請求項2】
前記ユーザ決済処理部は、前記ユーザ端末から、当該ユーザ端末に入力されたクレジットカード番号と、当該クレジットカード番号に対応する有効期限と、当該クレジットカード番号と当該有効期限とに基づいて算出された誤り検出符号とが含まれる決済要求を受信し、受信した当該決済要求に基づいて決済処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の販売管理装置。
【請求項3】
顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、前記顧客に対して前記商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、前記顧客に商品を販売する店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、前記顧客のユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、を備える販売管理装置の販売管理方法であって、
前記商品情報記憶部に記憶されている前記商品情報を読み出して前記店舗通信部を介して前記精算処理端末に送信し、当該店舗通信部を介して当該精算処理端末から送信される売上情報を受信して前記売上情報記憶部に記憶させるステップと、
前記商品情報記憶部に記憶されている前記商品情報を読み出して前記ユーザ通信部を介して前記ユーザ端末に送信し、当該ユーザ通信部を介して当該ユーザ端末から送信される売上情報を受信して前記売上情報記憶部に記憶させるステップと、
を備えることを特徴とする販売管理方法。
【請求項4】
顧客に対して販売する商品を示す商品情報が記憶される商品情報記憶部と、前記顧客に対して前記商品を販売した売上を示す売上情報が記憶される売上情報記憶部と、前記顧客に商品を販売する店舗における精算処理を行う精算処理端末にネットワークを介して接続される店舗通信部と、前記顧客のユーザ端末にネットワークを介して接続されるユーザ通信部と、を備える販売管理装置のコンピュータに、
前記商品情報記憶部に記憶されている前記商品情報を読み出して前記店舗通信部を介して前記精算処理端末に送信し、当該店舗通信部を介して当該精算処理端末から送信される売上情報を受信して前記売上情報記憶部に記憶させるステップと、
前記商品情報記憶部に記憶されている前記商品情報を読み出して前記ユーザ通信部を介して前記ユーザ端末に送信し、当該ユーザ通信部を介して当該ユーザ端末から送信される売上情報を受信して前記売上情報記憶部に記憶させるステップと、
を実行させる販売管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−234403(P2012−234403A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103122(P2011−103122)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)