説明

貯湯式給湯装置及び沸上げ運転方法

【課題】貯湯式給湯装置において、昼間時間帯に全量沸上げ運転を行う場合であっても効率的に沸上げる技術を提供する。
【解決手段】制御部100は、沸上げ運転の通電時間帯が第1時間帯(深夜時間帯)か又は第2時間帯(昼間時間帯)のいずれに属しているかを判断する判断部102と、加熱部30の入口直前における水温を検知する入口温度検知部104とを備え、通電時間帯が深夜時間帯に属しているときには、入口温度検知部104が第1温度T1を検知したときに沸上げ運転を終了し、通電時間帯が昼間時間帯に属しているときには、入口温度検知部104が第1温度T1よりも低い第2温度T2を検知したときに沸上げ運転を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯式給湯装置及び貯湯式給湯装置の沸上げ運転方法に関し、特に、時間帯によって電力利用料金が異なる場合の同装置及び沸上げ運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力利用料金が安い深夜電力を利用して水を沸上げてタンクに貯湯し、昼間の温水利用に資する貯湯式給湯装置が実用化されており、例えば下掲の特許文献1ないし特許文献5等に開示されている。また、このような貯湯式給湯装置において、加熱効率の向上、省エネルギー化、環境への配慮の観点から冷媒としてCO2を用いる、自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器が提案されており、このような技術については、下掲の特許文献5等に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−164157号公報
【特許文献2】特開2001−108304号公報
【特許文献3】特開2001−304689号公報
【特許文献4】特開2004−347229号公報
【特許文献5】特開2004−316996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような貯湯式給湯装置において、深夜に沸上げた湯が昼間に不足する場合(いわゆる「湯切れ」の場合)には、電力利用料金が深夜電力よりも割高な昼間の時間帯であっても、湯切れを回避すべく沸上げ運転を行うことがある。このような背景に鑑みて、昼間の沸上げの高効率化を図る技術が例えば上記特許文献2〜4にて提案されている。
【0005】
上記特許文献2では、昼間時間帯における沸上げ温度を夜間時間帯における沸上げ温度(摂氏90度)よりも低い温度(摂氏70度)にすることで電気代を抑制している。また、上記特許文献3では、残湯量と給水水温を監視しつつ昼間時間帯のうち夜間時間帯開始までの所定時間は、沸上げ運転を行わないことで電気代の節約を図っている。さらにまた、上記特許文献4では、昼間時間帯では貯湯タンクの全量沸上げを行わないことで維持費の抑制を図っている。
【0006】
つまり上記特許文献2に開示されている技術では昼間時間帯での沸上げ温度を低減し、上記特許文献3,4に開示されている技術では昼間時間帯での沸上げ運転を行わないか又は沸上げ湯量を低減することによって電気代の節約を図っている。
【0007】
しかしながら、使用量(予想される使用量を含む)に対して貯湯タンク容量が小さい場合など、昼間時間帯であっても貯湯タンクの全量沸上げ運転が必要なときがある。また、上記特許文献2に開示されている技術では、一般に貯湯量を把握するために貯湯タンクに取付けられる温度センサでの温度に基づいて沸上げ温度を判断している。しかしながら、貯湯タンクに取付けられる温度センサで沸上げ温度を判断する場合には次のような問題を招来し得る。すなわち、貯湯タンクに取付けられる温度センサは概して貯湯タンクの最底辺から所定高さよりも高い位置に取付けられるため、給湯に適する温度の湯が貯湯タンク内に満たされているか否かを判断するのが困難であること。また、貯湯タンクとヒートポンプとが離れているために、給湯に適する温度の湯が貯湯タンク内に満たされているか否かを判断するのが更に困難であること。そこで、本発明は上記課題に鑑み、昼間時間帯に全量沸上げ運転を行う場合であっても、効率的に沸上げる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明に係る貯湯式給湯装置の第1の態様は、貯湯タンク(20)内の水を加熱する加熱部(30)を有し、前記加熱部で予め定められた温度に沸上げて前記貯湯タンクに貯湯する貯湯式給湯装置(10)であって、前記貯湯式給湯装置を制御する制御部(100)を有し、前記制御部は、沸上げ運転の通電時間帯が第1時間帯か又は第2時間帯のいずれに属しているかを判断する判断部(102)と、前記加熱部の入口(30i)直前における水温を検知する入口温度検知部(104)とを備え、前記通電時間帯が前記第1時間帯に属しているときには、前記入口温度検知部が第1温度(T1)を検知したときに前記沸上げ運転を終了し、前記通電時間帯が前記第2時間帯に属しているときには、前記入口温度検知部が前記第1温度よりも低い第2温度(T2)を検知したときに前記沸上げ運転を終了する。
【0009】
本発明に係る貯湯式給湯装置の第2の態様は、その第1の態様であって、前記加熱部(30)の出口(30j)直後における水温を検知する出口温度検知部(106)を更に備え、前記第1温度(T1)は、前記出口温度検知部が検知する水温(T3)よりも低くかつ、給湯設定温度の上限温度(T4)以上である。
【0010】
本発明に係る貯湯式給湯装置の第3の態様は、その第1の態様であって、前記加熱部(30)として二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプが採用され、前記第2温度(T2)は、前記上限温度(T4)よりも低くかつ、前記貯湯タンク(20)内の湯と混合される水の水温(T5)よりも高い。
【0011】
本発明に係る貯湯式給湯装置の第4の態様は、その第1ないし第3の態様であって、前記第1時間帯は、深夜時間帯であり、前記第2時間帯は、前記深夜時間帯以外の時間帯である。
【0012】
本発明に係る沸上げ運転方法の第1の態様は、貯湯タンク(20)内の水を加熱する加熱部(30)へ送り、前記加熱部で予め定められた温度に沸上げて前記貯湯タンクに貯湯する沸上げ運転方法であって、前記加熱部の入口(30i)直前における水温を検知する第1工程(S103)と、前記沸上げ運転の通電時間帯が第1時間帯か又は第2時間帯のいずれに属しているかを判断する第2工程(S104,S105)と、前記通電時間帯が前記第1時間帯に属しているときには、前記水温が第1温度(T1)に達したか否かを判断する第3工程(S106)と、前記通電時間帯が前記第2時間帯に属しているときには、前記水温が前記第1温度よりも低い第2温度(T2)に達したか否かを判断する第4工程(S107)と、前記第3工程又は前記第4工程において肯定的な結果を得たときに前記沸上げ運転を終了する第5工程(S108)とを備える。
【0013】
本発明に係る沸上げ運転方法の第2の態様は、その第1の態様であって、前記第1時間帯は、深夜時間帯であり、前記第2時間帯は、前記深夜時間帯以外の時間帯である。
【発明の効果】
【0014】
電力は深夜時間帯に消費する場合と、それ以外の時間帯に消費する場合とで利用料金が異なる。そこで、本発明に係る貯湯式給湯装置の第1の態様又は、本発明に係る沸上げ運転方法の第1の態様によれば、第1時間帯を深夜時間帯に、第2時間帯を深夜時間帯以外の時間帯に設定することにより、深夜時間帯以外の時間帯に沸上げ運転を行うときのランニングコストを抑制できる。しかも、加熱部の直前における水温に基づいて沸上げ運転の継続/終了を判断するので、貯湯タンク内の適正な温度の湯量を把握しやすい。
【0015】
本発明に係る貯湯式給湯装置の第2の態様によれば、深夜時間帯に沸上げられた貯湯タンク内の湯を全て給湯に供することができる。
【0016】
貯湯タンク容量の全量を、貯湯タンク内の湯と水、例えば給水管からの水とを混合したときに要請される温水の上限温度(給湯設定温度の上限温度)以上に沸上げる場合、沸上げ運転が終了する間際の運転効率は徐々に低下する。本発明に係る貯湯式給湯装置の第3の態様によれば、深夜時間帯以外の時間帯に沸上げ運転を行う場合に、運転効率が低い状態での沸上げ運転時間を低減することができる。
【0017】
本発明に係る貯湯式給湯装置の第4の態様又は、本発明に係る沸上げ運転方法の第2の態様によれば、運転効率が低い状態での沸上げ運転時間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る貯湯式給湯装置の配管系統を例示する図である。
【図2】沸上げ運転時間に対する運転効率を示すグラフである。
【図3】全量沸上げ運転をしたときの昼夜の別を概念的に示す図である。
【図4】実施例に係る貯湯式給湯装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1を初めとする以下の図には、本発明に関係する要素のみを示す。
【0020】
〈貯湯式給湯装置の構成の概要〉
図1に示すように、本発明に係る貯湯式給湯装置10は例えば、貯湯タンク20と、加熱部30と、制御部100とを備える。制御部100の制御によって加熱部30で予め定められた温度に水を沸上げて貯湯タンク20に貯湯する。貯湯された湯と水道水とを混合部22にて混合して温水利用(図中「給湯」と記載している)に供する。なお、制御部100が沸上げ運転を開始する条件としては例えば、貯湯タンク20内の残湯量が所定量以下になるか、深夜時間帯になるか、操作者からの開始命令を受付けるか、等がある。
【0021】
貯湯タンク20と加熱部30とは、貯湯タンク20の底部から加熱部30の入口30iへと水を導く往路管41aと、加熱部30の出口30jから貯湯タンク20に湯を戻す配管41bとにより接続されている。往路管41aには排水用三方弁42及び循環ポンプ43が設けられている。また、配管41bは三方弁44によって、貯湯タンク20の上部に湯を戻す復路管41cと、加熱部30から貯湯タンク20の底部に湯を戻すバイパス管41dとに分岐してそれぞれが貯湯タンク20に接続されている。
【0022】
貯湯タンク20の側壁には、底部から上部に向かう縦方向に予め定められた間隔を空けて複数(図1においては6個)のサーミスタ21a〜21fが設けられている。ここで、貯湯タンク20の上部から底部へと向けて、第1サーミスタ21a、第2サーミスタ21b、第3サーミスタ21c、第4サーミスタ21d、第5サーミスタ21e、第6サーミスタ21fとする。第1サーミスタ21aは、加熱部30から復路管41cを経由して貯湯タンク20に戻された湯の温度を測定する。第2サーミスタ21bから第5サーミスタ21eは主に貯湯タンク20内に貯められた湯の熱量を測定するために供される。
【0023】
往路管41aのうち加熱部30の直前には、加熱部30の入口直前における水温を検知する入口温度検知部104が設けられている。入口温度検知部104は、加熱部30に入っていく水の温度を測定して制御部100へと伝達する。また、配管41bのうち加熱部30の直後には、加熱部30の直後における水温を検知する出口温度検知部106が設けられている。出口温度検知部106は、加熱部30から出た水(湯)の温度を測定して制御部100へと伝達する。
【0024】
本実施形態における貯湯式給湯装置10は2つの給水箇所を有している。一の給水箇所は貯湯タンク20であり、他の給水箇所は混合部22である。給水源に接続された給水管45には三方弁46を介して第1給水管45a及び第2給水管45bが接続されている。三方弁46は第1給水管45a及び第2給水管45bへの給水圧力を調整する。具体例を挙げれば、貯湯タンク20内の湯量が減少すると三方弁46の第1給水管45a側が開いて貯湯タンク20内に給水する。また、混合部22が貯湯タンク20内の湯と水道水との混合を開始すると三方弁46の第2給水管45b側が開いて混合部22に給水する。
【0025】
また、貯湯タンク20の上部には貯湯タンク20内に貯湯された湯を給湯するための給湯管47が接続されている。給湯管47の途中には混合部22を介して第2給水管45bが接続されている。混合部22は、第2給水管45bからの水と、給湯管47からの湯とを任意の比率で混合する。水と湯との混合比率は、操作者が操作部(図示省略)で設定する温度(以下、「給湯設定温度」とも称する)によって定められる。
【0026】
なお、本実施形態においては貯湯タンク20への給水と、混合部22への給水とを三方弁46を用いて一の給水管45で行っているが、それぞれに個別の給水管を接続しても良い。また、混合部22で混合された湯の給湯先(給湯端末)は、キッチン、シャワー、浴槽等を含む。
【0027】
制御部100は時計機能を有しており、制御部100には、沸上げ運転の通電時間帯が第1時間帯か又は第2時間帯のいずれに属しているかを判断する判断部102を備えている。具体例を挙げれば、電力利用料金が割安になる午後11時から翌朝午前7時までのいわゆる深夜時間帯を第1時間帯とし、それ以外の午前7時から午後11時までのいわゆる昼間時間帯を第2時間帯として、沸上げ運転時間帯が深夜時間帯か又は昼間時間帯のいずれに属しているかを判断する。
【0028】
全量沸上げ運転をする際、制御部100は、判断部102での判断結果と入口温度検知部104で検知された水温とに基づいて加熱部30を制御する。具体的には、判断部102が沸上げ運転の通電時間帯が深夜時間帯に属していると判断したときには、入口温度検知部104が第1温度T1(例えば摂氏65度)を検知したときに、制御部100は加熱部30での沸上げ運転を停止する。また、判断部102が沸上げ運転の通電時間帯が昼間時間帯に属していると判断したときには、入口温度検知部104が第2温度T2(<T1、例えば摂氏50度)を検知したときに、制御部100は加熱部30での沸上げ運転を停止する。つまり、入口温度検知部104で検知する温度が、加熱部30での沸上げ運転を停止するか否かの判断基準となる。
【0029】
加熱部30で所定温度に沸上げられても、貯湯タンク20に貯湯された湯には温度勾配が存在する。特に給水管45から供給される水がいったん貯湯タンク20に入ってから加熱部30へと供給されるために温度勾配が存在する。したがって、第2サーミスタ21b〜第5サーミスタ21eでの検知温度によって沸上げ運転の継続/終了を判断するよりも、入口温度検知部104での検知温度によって沸上げ運転の継続/終了を判断する方が、給湯に適する湯量の把握が簡単である。
【0030】
第1温度T1は、出口温度検知部106が検知する水温T3よりも低くかつ、給湯設定温度の上限温度T4以上に設定される。ここで、給湯設定温度とは、上述のとおり操作者が操作部で設定する温度であって、給水管45から供給される水の水温T5よりも高くかつ、貯湯タンク20内に貯湯された湯の温度以下の範囲で任意に選択される温度である。換言すれば、給湯設定温度とは、加熱部30で加熱されて貯湯タンク20内に貯湯された湯と給水管45からの水とが混合される温水に要請される温度と把握できる。
【0031】
第2温度T2は、給湯設定温度の上限温度T4よりも低くかつ、給水管45から供給される水の水温T5よりも高くに設定される。
【0032】
加熱部30は、二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプが採用される。本発明に係る貯湯式給湯装置10のように、貯湯タンク20内の水を循環させながらヒートポンプで沸上げる場合、冷媒として二酸化炭素を採用したヒートポンプの運転効率は、運転時間に対して図2のように変化する。沸上げ運転開始直後は、初期動作として水以外に熱を奪われるために運転効率が低く、定常状態においては一定の高さで運転効率を維持する。しかし、運転時間が長くなり、貯湯タンク20内の水温が上昇する、すなわち加熱部30への入水温度が高くなると、運転効率は低下していく。つまり、冷媒として二酸化炭素を採用したヒートポンプにおいては例えば、摂氏30度の水を摂氏85度に沸上げるのと、摂氏65度の水を摂氏85度に沸上げるのとでは、前者よりも後者の方が運転効率が低い。
【0033】
要するに本発明に係る貯湯式給湯装置10では全量沸上げを行う場合、図3に示すように昼夜で沸上げ運転終了後の水温Twを異ならせる。電力利用料金が割安になる深夜時間帯には従来どおりに温度T4≦水温Tw<水温T3にし、昼間時間帯には水温T5<水温Tw<水温T4にする。なお、本実施形態においては加熱部30が沸上げる温度は一定、すなわち、出口温度検知部106が検知する温度は温度T3で一定とする。また、温度T4>水温T5である。
【0034】
〈貯湯式給湯装置の動作−沸上げ運転方法〉
上述のような貯湯式給湯装置10が行う処理を図4のフローチャートに示す。なお、本フローチャートでは、全量沸上げ運転に関する処理のみを示し、その他の処理動作については図示及び説明を省略している。また、特に記載のない場合は、貯湯式給湯装置10における一連の処理は制御部100によって自動的に行われる。
【0035】
図4に示すように、貯湯式給湯装置10では、全量沸上げ運転を開始する条件(貯湯タンク20内の残湯量が所定量以下になるか、深夜時間帯になるか、操作者からの開始命令を受付けるか等)を満足すると全量沸上げ運転(加熱部30での加熱)を開始する(ステップS101,S102)。全量沸上げ運転を開始すると、入口温度検知部104が加熱部30への入水温度を検知しつつ、沸上げ運転の通電時間帯を検知して通電時間帯が深夜時間帯か又は昼間時間帯かを判断する(ステップS103〜S105)。
【0036】
通電時間帯が深夜時間帯の場合にはステップS105においてYesを選択して、入口温度検知部104が検知する水温が第1温度T1に達したか否かを判断し、判断結果が否定的であればステップS104に戻る。通電時間帯が深夜時間帯であってかつ、入口温度検知部104が検知する水温が第1温度T1に達した場合には沸上げ運転を停止する(ステップS108)。
【0037】
通電時間帯が昼間時間帯の場合にはステップS105においてNoを選択して、入口温度検知部104が検知する水温が第2温度T2に達したか否かを判断し、判断結果が否定的であればステップS104に戻る。通電時間帯が昼間時間帯であってかつ、入口温度検知部104が検知する水温が第2温度T2に達した場合には沸上げ運転を停止する(ステップS108)。
【0038】
〈変形例〉
以上、本発明の好適な態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、給水源から貯湯タンク20を介して加熱部30へと水を供給しているが、給水管を直接に加熱部30へと接続(接続態様については図示省略)し、加熱部30で加熱された湯を貯湯タンク20に貯湯するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
10 貯湯式給湯装置
100 制御部
102 判断部
104 入口温度検知部
106 出口温度検知部
T1,T2,T3,T4,T5 温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンク(20)内の水を加熱する加熱部(30)を有し、
前記加熱部で予め定められた温度に沸上げて前記貯湯タンクに貯湯する貯湯式給湯装置(10)であって、
前記貯湯式給湯装置を制御する制御部(100)を有し、前記制御部は、
沸上げ運転の通電時間帯が第1時間帯か又は第2時間帯のいずれに属しているかを判断する判断部(102)と、
前記加熱部の入口(30i)直前における水温を検知する入口温度検知部(104)と
を備え、
前記通電時間帯が前記第1時間帯に属しているときには、前記入口温度検知部が第1温度(T1)を検知したときに前記沸上げ運転を終了し、
前記通電時間帯が前記第2時間帯に属しているときには、前記入口温度検知部が前記第1温度よりも低い第2温度(T2)を検知したときに前記沸上げ運転を終了する、貯湯式給湯装置。
【請求項2】
前記加熱部(30)の出口(30j)直後における水温を検知する出口温度検知部(106)を更に備え、
前記第1温度(T1)は、
前記出口温度検知部が検知する水温(T3)よりも低くかつ、
給湯設定温度の上限温度(T4)以上である、
請求項1記載の貯湯式給湯装置(10)。
【請求項3】
前記加熱部(30)として二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプが採用され、
前記第2温度(T2)は、
前記上限温度(T4)よりも低くかつ、
前記貯湯タンク(20)内の湯と混合される水の水温(T5)よりも高い、
請求項1記載の貯湯式給湯装置(10)。
【請求項4】
前記第1時間帯は、深夜時間帯であり、
前記第2時間帯は、前記深夜時間帯以外の時間帯である、
請求項1ないし請求項3のいずれか記載の貯湯式給湯装置。
【請求項5】
貯湯タンク(20)内の水を加熱する加熱部(30)へ送り、前記加熱部で予め定められた温度に沸上げて前記貯湯タンクに貯湯する沸上げ運転方法であって、
前記加熱部の入口(30i)直前における水温を検知する第1工程(S103)と、
前記沸上げ運転の通電時間帯が第1時間帯か又は第2時間帯のいずれに属しているかを判断する第2工程(S104,S105)と、
前記通電時間帯が前記第1時間帯に属しているときには、前記水温が第1温度(T1)に達したか否かを判断する第3工程(S106)と、
前記通電時間帯が前記第2時間帯に属しているときには、前記水温が前記第1温度よりも低い第2温度(T2)に達したか否かを判断する第4工程(S107)と、
前記第3工程又は前記第4工程において肯定的な結果を得たときに前記沸上げ運転を終了する第5工程(S108)と
を備える、沸上げ運転方法。
【請求項6】
前記第1時間帯は、深夜時間帯であり、
前記第2時間帯は、前記深夜時間帯以外の時間帯である、
請求項5記載の沸上げ運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−12879(P2011−12879A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156894(P2009−156894)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)