説明

貯湯式給湯装置

【課題】変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供する。
【解決手段】補助加熱手段A及び水混合手段Bを制御する制御手段Dが、補助加熱手段Aを停止させる停止モード運転処理と、補助加熱手段Aを加熱作動させる加熱作動モード運転処理とを実行するように構成され、且つ、貯湯槽からの出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値以下になると補助加熱必要状態であると判別し、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値よりも大きな不要判別用設定値以上になると補助加熱不要状態であると判別し、且つ、加熱作動モード運転処理の実行中において給湯路からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間内に前記給湯路からの出湯が開始されたときには、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯槽から送出されて給湯路を通流する湯水を加熱する補助加熱手段と、
前記貯湯槽からの出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、
前記補助加熱手段と前記貯湯槽との間に位置する給湯路部分に給水路からの水を混合する水混合手段と、
前記給湯路からの出湯状態を検出する出湯検出手段と、
前記出湯手段にて出湯が検出されたときには、前記出湯温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯路から出湯される給湯温度が設定された目標温度になるように、前記補助加熱手段及び前記水混合手段を作動させる制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段の作動を停止させた状態にて前記目標温度の湯水を前記給湯路から出湯できる補助加熱不要状態のときには、前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御し、かつ、前記補助加熱手段を停止させる停止モード運転処理を実行し、且つ、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段を作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、前記補助加熱手段を前記目標温度に湯水を加熱するように作動させ、かつ、前記補助加熱手段を加熱作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなることを抑制するように前記水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行するように構成された貯湯式給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる貯湯式の給湯装置は、カランやシャワー等の湯水消費箇所に給湯路を通して湯水を供給するものである。そして、目標温度と貯湯槽から供給される湯水の出湯温度との関係が補助加熱手段の作動を停止させた状態にて目標温度の湯水を給湯路から出湯できる補助加熱不要状態のときには、停止モード運転処理が実行され、且つ、目標温度と出湯温度との関係が補助加熱手段を作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、加熱作動運転処理が実行されることにより、給湯路から出湯される給湯温度が目標温度に制御されることになる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ちなみに、前記補助加熱必要状態のとき及び前記補助加熱不要状態のときの判別の形態としては、特許文献1においては、出湯温度と目標温度との差が判別用設定値(例えば、2℃)以下であれば、補助加熱必要状態であるとし、出湯温度と目標温度との差が前記判別用設定値(例えば、2℃)より大きければ、補助加熱不要状態であると判別する形態が採用されている。ちなみに、前記判別用設定値としては、2℃に代えて0℃を用いることもできるが、2℃等の0℃よりも大きな値を用いれば、貯湯槽から補助加熱手段までの給湯路部分が長い場合等において、貯湯槽から出湯された湯水の温度が低下するようなことがあっても、補助加熱手段にて目標温度に加熱した後に給湯できるものとなる。
また、前記補助加熱必要状態のとき及び前記補助加熱不要状態のときの判別の形態としては、上記した特許文献1に記載の形態の他、例えば、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値(例えば、2℃)以下であれば、補助加熱必要状態であるとし、出湯温度と目標温度との差が前記加熱判別用設定値(例えば、2℃)より大きな不要判別用設定値(例えば、3℃)以上になれば、補助加熱不要状態と判別するようにする形態も考えられるものであり、この形態の場合には、補助加熱必要状態となって、一旦、加熱作動モード運転処理が開始されると、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値(例えば、2℃)より大きな不要判別用設定値(例えば、3℃)以上になるまで、加熱作動モード運転処理が継続されるものとなるから、停止モード運転処理と加熱作動モード運転処理とが頻繁に切り換ることを抑制できるものとなる。
【0004】
前記加熱作動モード運転処理における水混合手段の制御について説明を加えると、補助加熱手段には、その加熱作動における最低加熱量が存在するものであり、出湯温度と目標温度との差が小さいときには、貯湯槽の湯水をそのまま補助加熱手段にて加熱すると、補助加熱手段をその最低加熱量にて作動させても、補助加熱手段にて加熱された湯水の温度が目標温度より高くなることがあり、このような理由により給湯温度が目標温度よりも高くなることを抑制するように水混合手段が制御されることになる。つまり、貯湯槽からの湯水に給水路からの水を混合して補助加熱手段に供給される湯水の温度を目標温度よりも低下させることになるのであり、そして、その給水路からの水の混合量は、一般には、補助加熱手段を最低加熱量にて作動させたときに目標温度の湯水が給湯される量となるように制御されることが多い。
尚、出湯温度と目標温度との差が大きくなって、貯湯槽の湯水をそのまま補助加熱手段にて加熱しても、補助加熱手段にて加熱された湯水の温度が目標温度より高くなることがなくなったとき、つまり、貯湯槽の湯水を補助加熱手段にて目標温度に加熱できるようになったときには、一般には給水路からの水の混合を停止することになるが、給水路からの水を混合させ続けても良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−010115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の如く、加熱作動モード運転処理が行われているときには、貯湯槽からの湯水に給水路からの水が混合されて補助加熱手段に供給される湯水の温度が目標温度よりも低下される状態となることがあるが、このような状態で加熱作動モード運転処理が実行されているときに、目標温度が低下側に変更設定されて、出湯温度と目標温度との関係が補助加熱不要状態になり、加熱作動モード運転処理を実行する状態から停止モード運転処理が実行される状態に切り換ることがある。このように加熱作動モード運転処理を実行する状態から停止モード運転処理が実行される状態に切り換る場合において、その直後においては、水混合手段と補助加熱手段の間の給湯路部分に位置する湯水は、貯湯槽からの湯水に給水路からの水が混合されたものであり、その湯水の温度が変更設定された目標温度よりも低い場合が生じる虞がある。
このため、加熱作動モード運転処理を実行する状態から停止モード運転処理が実行される状態に切り換ったときに、その直後に、水混合手段と補助加熱手段の間の給湯路部分に位置する低温の湯水が補助加熱手段にて加熱されずに給湯されることに起因して、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されて、使用者に不快感を与える虞があり、改善が望まれるものであった。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の貯湯式給湯装置における第1特徴構成は、
貯湯槽から送出されて給湯路を通流する湯水を加熱する補助加熱手段と、
前記貯湯槽からの出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、
前記補助加熱手段と前記貯湯槽との間に位置する給湯路部分に給水路からの水を混合する水混合手段と、
前記給湯路からの出湯状態を検出する出湯検出手段と、
前記出湯手段にて出湯が検出されたときには、前記出湯温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯路から出湯される給湯温度が設定された目標温度になるように、前記補助加熱手段及び前記水混合手段を作動させる制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段の作動を停止させた状態にて前記目標温度の湯水を前記給湯路から出湯できる補助加熱不要状態のときには、前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御し、かつ、前記補助加熱手段を停止させる停止モード運転処理を実行し、且つ、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段を作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、前記補助加熱手段を前記目標温度に湯水を加熱するように作動させ、かつ、前記補助加熱手段を加熱作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなることを抑制するように前記水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行するように構成されたものにおいて、
前記制御手段が、前記加熱作動モード運転処理の実行を開始したときには、前記給湯路からの出湯が連続している間は、前記補助加熱不要状態になっても、その加熱作動モード運転処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0009】
すなわち、加熱作動モード運転処理が開始されると、給湯路からの出湯が連続していれば、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理が継続されることになる。
つまり、給湯中において、目標温度が低下側に変更設定されて、出湯温度と目標温度との関係が補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理が継続される結果、水混合手段と補助加熱手段の間の給湯路部分に位置する低温の湯水が補助加熱手段にて加熱されずに給湯されることを回避して、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを回避できるものとなる。
ちなみに、加熱不要状態であるものの加熱作動モード運転処理を継続するものであるから、給水路からの水を貯湯槽からの湯水に混合して、補助加熱手段に供給される湯水の温度を低下させることにより、給湯温度が目標温度よりも高くなることを抑制するように水混合手段が制御されることは勿論である。
【0010】
従って、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0011】
本発明の貯湯式給湯装置の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記加熱作動モード運転処理の実行中において前記給湯路からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間内に前記給湯路からの出湯が開始されたときには、前記補助加熱不要状態になっても、前記加熱作動モード運転処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0012】
すなわち、加熱作動モードの運転処理の実行中おいて給湯路からの出湯が停止された場合に、その停止後において設定時間(例えば、3分)内に給湯路からの出湯が開始されたときには、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理が継続されるものとなる。
つまり、給湯路からの出湯を停止し、その停止中において、目標温度が低下側に変更設定されて、出湯温度と目標温度との関係が補助加熱不要状態になっても、停止後において設定時間内に給湯路からの出湯が開始されたときには、加熱作動モード運転処理が継続される結果、水混合手段と補助加熱手段の間の給湯路部分に位置する低温の湯水が補助加熱手段にて加熱されずに給湯されることを回避して、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを回避できるものとなる。
【0013】
そして、出湯される湯水を浴用のために体に浴びる場合や食器の洗浄等のために手指にて接触して使用する場合等、使用者が出湯される湯水を体の部位にて接触させる状態で使用する場合においては、一旦、湯水の使用を停止し、短時間の後に再び湯水を使用するときには、前回の使用時における湯水の温度を湯水に接触している体の部位が記憶しているため、再び湯水を使用するときに、意図していな低温の湯水が出湯されると、使用者は意図していない温度の湯水であると明確に判断して不快感を覚えるものとなるが、上述の如く、出湯の停止中において、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを回避できるため、使用者が不快感を覚えることを回避することができるものとなる。
【0014】
従って、第1特徴構成による作用効果に加えて、給湯を停止した後に再び出湯するときにも、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されたことにより前記補助加熱不要状態になった場合には、前記加熱作動モード運転処理を実行し、且つ、前記出湯温度が高温側に変化したことにより、前記補助加熱不要状態になった場合には、前記停止モード運転処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0016】
すなわち、補助加熱不要状態になっても加熱作動モード運転処理を継続させるにあたって、目標温度が低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になった場合には、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制するために、加熱作動モード運転処理を実行させるようにするものの、出湯温度が高温側に変化したことにより補助加熱不要状態になった場合には、出湯槽から出湯される湯水に多量の水を混合させることになる無駄や、補助加熱手段を作動させることによる無駄等の無駄なエネルギー消費を抑制するために、加熱作動モード運転処理を継続せずに、停止モード運転処理を行うようにするのである。
つまり、補助加熱不要状態になっても加熱作動モード運転処理を継続させることを、目標温度が低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になった場合に限定して、出湯温度が高温側に変化したことにより補助加熱不要状態になった場合には、停止モード運転処理を行うようにすることにより、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることにより使用者に不快感を与えることを抑制しながらも、無駄なエネルギー消費を抑制するのである。
【0017】
説明を加えると、目標温度が変更設定されるときとは、使用者にとっては今までの湯水の温度が不適であり、新たな湯水の温度を望むときであるため、給湯される湯水の温度を強く意識するときであるため、このようなときに、給湯される湯水の温度が意図する温度よりも低下すると、使用者に大きな不快感を与える虞があるが、給湯される湯水を継続して使用しているときに、給湯される湯水の温度が低下しても、使用者は給湯される湯水の温度を強く意識していないものであるため、使用者に大きな不快感を与える虞が少ないものである点に鑑みて、目標温度が低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になった場合には、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを的確に抑制するために、加熱作動モード運転処理を実行させ、そして、出湯温度が高温側に変化したことにより補助加熱不要状態になった場合には、無駄なエネルギー消費を抑制するために、加熱作動モード運転処理を継続せずに、停止モード運転処理を行うようにするのである。
【0018】
従って、第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、無駄なエネルギー消費を抑制しながら、使用者に不快感を与えることを極力回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0019】
本発明の第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記制御手段が、前記補助加熱不要状態になっても、前記加熱作動モード運転処理を実行する場合には、前記補助加熱手段を最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0020】
すなわち、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理が実行される場合には、最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度になるようにする湯水が補助加熱手段に供給されることになるため、出湯温度の変化により、補助加熱手段にて供給される湯水の温度が変化しても、補助加熱手段から目標温度の湯水が出湯されるものとなる結果、目標温度の湯水を給湯できるものとなるのである。
つまり、貯湯槽からの出湯温度は、例えば、貯湯槽内に温度成層を形成するように貯湯する場合においてその貯湯されている湯水の温度成層の乱れにより変化したり、出湯温度検出手段の検出誤差により変化する等、種々の要因により変化するものであり、そして、水混合手段の制御には遅れ時間が伴うものである。このため、目標温度が低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理が実行される場合において、最低加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度になるようにする湯水を補助加熱手段に供給するようにすると、出湯温度の変化により、補助加熱手段にて供給される湯水の温度が最低加熱量にては目標温度よりも高温になる温度となる虞があり、その結果、補助加熱手段から出湯されて給湯される給湯温度が、目標温度が低温側に変更されたのにも拘わらず高温となり、使用者に不快感を与えるものとなるが、このように使用者に不快感を与えることを回避できるのである。
【0021】
したがって、第1〜第3特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、出湯温度が変化しても目標温度を適切に給湯できるようにして、使用者に不快感を与えることを極力回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0022】
本発明の第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記制御手段が、前記補助加熱不要状態になっても、前記加熱作動モード運転処理を実行する場合において、前記補助加熱手段を最低加熱量にて作動させても前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなると判断したときには、前記停止モード運転処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0023】
すなわち、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、補助加熱手段を最低加熱量にて作動させても給湯温度が前記目標温度よりも高くなるときには、停止モード運転処理が実行されることになる。
つまり、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、貯湯槽から出湯される湯水の温度が上昇されることや、給水路から給水される水の温度が上昇することに起因して、水混合手段を制御して得られる湯水の温度が、補助加熱手段を最低加熱量にて作動させても給湯温度が前記目標温度よりも高くなる状態となる温度になる虞があるが、このような場合には、加熱作動モード運転処理が停止されて、停止モード運転処理が実行されることにより、目標温度よりも高温の湯水が給湯されることが回避されることになる。
【0024】
したがって、第1〜第4特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、貯湯槽から出湯される湯水の温度が上昇されることや、給水路から給水される水の温度が上昇することがあっても、目標温度よりも高温の湯水が給湯されることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0025】
本発明の貯湯式給湯装置の第6特徴構成は、
貯湯槽から送出されて給湯路を通流する湯水を加熱する補助加熱手段と、
前記貯湯槽からの出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、
前記補助加熱手段と前記貯湯槽との間に位置する給湯路部分に給水路からの水を混合する水混合手段と、
前記給湯路からの出湯状態を検出する出湯検出手段と、
前記出湯手段にて出湯が検出されたときには、前記出湯温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯路から出湯される給湯温度が設定された目標温度になるように、前記補助加熱手段及び前記水混合手段を作動させる制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段の作動を停止させた状態にて前記目標温度の湯水を前記給湯路から出湯できる補助加熱不要状態のときには、前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御し、かつ、前記補助加熱手段を停止させる停止モード運転処理を実行し、且つ、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段を作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、前記補助加熱手段を前記目標温度に湯水を加熱するように作動させ、かつ、前記補助加熱手段を加熱作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなることを抑制するように前記水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行するように構成されたものにおいて、
前記制御手段が、
前記出湯温度と前記目標温度との差が加熱判別用設定値以下になると前記補助加熱必要状態であると判別し、前記出湯温度と前記目標温度との差が前記加熱判別用設定値よりも大きな前記不要判別用設定値以上になると前記補助加熱不要状態であると判別するように構成され、且つ、
前記加熱作動モード運転処理の実行中において前記給湯路からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間内に前記給湯路からの出湯が開始されたときには、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更するように構成されている点を特徴とする。
【0026】
すなわち、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値以下になると補助加熱必要状態であると判別し、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値よりも大きな不要判別用設定値以上になると補助加熱不要状態であると判別するように構成されるものであるから、補助加熱必要状態となって、一旦、加熱作動モード運転処理が開始されると、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値より大きな不要判別用設定値以上になるまで、加熱作動モード運転処理が継続されるものとなるから、停止モード運転処理と加熱作動モード運転処理とが頻繁に切り換ることを抑制できるものとなって、給湯温度の安定化を図り易いものとなる。
【0027】
そして、加熱作動モード運転処理の実行中において給湯路からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間内に給湯路からの出湯が開始されたときには、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更するように構成されているものであるから、給湯を一旦停止して、設定時間経過するまでの間に、目標温度が低下側に変更設定されるようなことがあっても、その目標温度の低下側への変更量が、不要判別用設定値を変更する設定量よりも小さいときには、加熱作動モード運転処理が継続される結果、水混合手段と補助加熱手段の間の給湯路部分に位置する低温の湯水が補助加熱手段にて加熱されずに給湯されることを回避して、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを回避できるものとなる。
【0028】
ちなみに、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更することにより加熱作動モード運転処理を継続するものであるから、給水路からの水を貯湯槽からの湯水に混合して、補助加熱手段に供給される湯水の温度を低下させることにより、給湯温度が目標温度よりも高くなることを抑制するように水混合手段が制御されることは勿論である。
【0029】
従って、給湯を一旦停止して、目標温度を低下側に変更して、再び給湯する場合において、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0030】
本発明の貯湯式給湯装置の第7特徴構成は、上記第6特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されたときには、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、且つ、前記出湯温度が上昇したときには、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている点を特徴とする。
【0031】
すなわち、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更して、加熱作動モード運転処理を継続させるにあたって、目標温度が低温側に変更されたときには、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更して、加熱作動モード運転処理が実行され易くするものの、出湯温度が高温側に変化したときには、出湯槽から出湯される湯水に多量の水を混合させることになる無駄や、補助加熱手段を作動させることによる無駄等の無駄なエネルギー消費を抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更せずに、停止モード運転処理が実行され易くするのである。
つまり、加熱作動モード運転処理が継続され易くすることを、目標温度が低温側に変更された場合に限定して、出湯温度が高温側に変化した場合には、停止モード運転処理が実行され易くすることにより、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることにより使用者に不快感を与えることを抑制しながらも、無駄なエネルギー消費を抑制するのである。
【0032】
説明を加えると、目標温度が変更設定されるときとは、使用者にとっては今までの湯水の温度が不適であり、新たな湯水の温度を望むときであるため、給湯される湯水の温度を強く意識するときであるため、このようなときに、給湯される湯水の温度が意図する温度よりも低下すると、使用者に大きな不快感を与える虞があるが、目標温度を変更することなく、給湯される湯水を継続して使用しているときに、給湯される湯水の温度が低下しても、使用者は給湯される湯水の温度を強く意識していないものであるため、使用者に大きな不快感を与える虞が少ないものである点に鑑みて、目標温度が低温側に変更された場合には、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを的確に抑制するために、加熱作動モード運転処理を実行させ易くし、そして、出湯温度が高温側に変化したこと場合には、無駄なエネルギー消費を抑制するために、加熱作動モード運転処理を継続せずに、停止モード運転処理が行われ易くするのである。
【0033】
従って、第6特徴構成による作用効果に加えて、無駄なエネルギー消費を抑制しながら、使用者に不快感を与えることを極力回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0034】
本発明の貯湯式給湯装置の第8特徴構成は、上記第6又は第7特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されることと、前記出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合において、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇の大きさ未満である場合には、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている点を特徴とする。
【0035】
すなわち、目標温度が低温側に変更されることと、出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合において、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更して、加熱作動モード運転処理が実行され易くするものの、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ未満である場合には、貯湯槽から出湯される湯水に多量の水を混合させることになる無駄や、補助加熱手段を作動させることによる無駄等の無駄なエネルギー消費を抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更せずに、停止モード運転処理が実行され易くするのである。
つまり、目標温度が低温側に変更されることと、出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合においては、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、加熱作動モード運転処理が継続され易くし、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ未満である場合には、停止モード運転処理が実行され易くすることにより、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることにより使用者に不快感を与えることを抑制しながらも、無駄なエネルギー消費を抑制するのである。
【0036】
従って、第6又は第7特徴構成による作用効果に加えて、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0037】
本発明による貯湯式給湯装置の第9特徴構成は、
貯湯槽から送出されて給湯路を通流する湯水を加熱する補助加熱手段と、
前記貯湯槽からの出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、
前記補助加熱手段と前記貯湯槽との間に位置する給湯路部分に給水路からの水を混合する水混合手段と、
前記給湯路からの出湯状態を検出する出湯検出手段と、
前記出湯手段にて出湯が検出されたときには、前記出湯温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯路から出湯される給湯温度が設定された目標温度になるように、前記補助加熱手段及び前記水混合手段を作動させる制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段の作動を停止させた状態にて前記目標温度の湯水を前記給湯路から出湯できる補助加熱不要状態のときには、前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御し、かつ、前記補助加熱手段を停止させる停止モード運転処理を実行し、且つ、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段を作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、前記補助加熱手段を前記目標温度に湯水を加熱するように作動させ、かつ、前記補助加熱手段を加熱作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなることを抑制するように前記水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行するように構成されたものにおいて、
前記制御手段が、
前記出湯温度と前記目標温度との差が加熱判別用設定値以下になると前記補助加熱必要状態であると判別し、前記出湯温度と前記目標温度との差が前記加熱判別用設定値よりも大きな前記不要判別用設定値以上になると前記補助加熱不要状態であると判別するように構成され、且つ、
前記加熱作動モード運転処理の実行中に前記目標温度が低温側に変更された場合には、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更するように構成されている点を特徴とする。
【0038】
すなわち、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値以下になると補助加熱必要状態であると判別し、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値よりも大きな不要判別用設定値以上になると補助加熱不要状態であると判別するように構成されるものであるから、補助加熱必要状態となって、一旦、加熱作動モード運転処理が開始されると、出湯温度と目標温度との差が加熱判別用設定値より大きな不要判別用設定値以上になるまで、加熱作動モード運転処理が継続されるものとなるから、停止モード運転処理と加熱作動モード運転処理とが頻繁に切り換ることを抑制できるものとなって、給湯温度の安定化を図り易いものとなる。
【0039】
そして、加熱作動モード運転処理の実行中に目標温度が低温側に変更された場合には、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更するように構成されているものであるから、加熱作動モード運転処理の実行中に目標温度が低下側に変更設定されたときに、その目標温度の低下側への変更量が、変更された不要判別用設定値よりも小さいときには、加熱作動モード運転処理が継続される結果、水混合手段と補助加熱手段の間の給湯路部分に位置する低温の湯水が補助加熱手段にて加熱されずに給湯されることを回避して、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを回避できるものとなる。
【0040】
ちなみに、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更することにより加熱作動モード運転処理を継続するものであるから、給水路からの水を貯湯槽からの湯水に混合して、補助加熱手段に供給される湯水の温度を低下させることにより、給湯温度が目標温度よりも高くなることを抑制するように水混合手段が制御されることは勿論である。
【0041】
従って、加熱作動モード運転処理の実行中に目標温度が低下側に変更設定されたときに、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0042】
本発明の貯湯式給湯装置の第10特徴構成は、上記第9特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されたときには、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、且つ、前記出湯温度が上昇したときには、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている点を特徴とする。
【0043】
すなわち、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更して、加熱作動モード運転処理を継続させるにあたって、目標温度が低温側に変更されたときには、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更して、加熱作動モード運転処理が実行され易くするものの、出湯温度が高温側に変化したときには、出湯槽から出湯される湯水に多量の水を混合させることになる無駄や、補助加熱手段を作動させることによる無駄等の無駄なエネルギー消費を抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更せずに、停止モード運転処理が実行され易くするのである。
つまり、加熱作動モード運転処理が継続され易くすることを、目標温度が低温側に変更された場合に限定して、出湯温度が高温側に変化した場合には、停止モード運転処理が実行され易くすることにより、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることにより使用者に不快感を与えることを抑制しながらも、無駄なエネルギー消費を抑制するのである。
【0044】
説明を加えると、目標温度が変更設定されるときとは、使用者にとっては今までの湯水の温度が不適であり、新たな湯水の温度を望むときであるため、給湯される湯水の温度を強く意識するときであるため、このようなときに、給湯される湯水の温度が意図する温度よりも低下すると、使用者に大きな不快感を与える虞があるが、目標温度を変更することなく、給湯される湯水を継続して使用しているときに、給湯される湯水の温度が低下しても、使用者は給湯される湯水の温度を強く意識していないものであるため、使用者に大きな不快感を与える虞が少ないものである点に鑑みて、目標温度が低温側に変更された場合には、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを的確に抑制するために、加熱作動モード運転処理を実行させ易くし、そして、出湯温度が高温側に変化したこと場合には、無駄なエネルギー消費を抑制するために、加熱作動モード運転処理を継続せずに、停止モード運転処理が行われ易くするのである。
【0045】
従って、第9特徴構成による作用効果に加えて、無駄なエネルギー消費を抑制しながら、使用者に不快感を与えることを極力回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0046】
本発明の第11特徴構成は、上記第9又は第10特徴構成に加えて、
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されることと、前記出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合において、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇大きさ未満である場合には、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている点を特徴とする。
【0047】
すなわち、目標温度が低温側に変更されることと、出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合において、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更して、加熱作動モード運転処理が実行され易くするものの、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ未満である場合には、貯湯槽から出湯される湯水に多量の水を混合させることになる無駄や、補助加熱手段を作動させることによる無駄等の無駄なエネルギー消費を抑制するために、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更せずに、停止モード運転処理が実行され易くするのである。
つまり、目標温度が低温側に変更されることと、出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合においては、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、加熱作動モード運転処理が継続され易くし、目標温度の低温側への低下の大きさが出湯温度の高温側への上昇の大きさ未満である場合には、停止モード運転処理が実行され易くすることにより、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることにより使用者に不快感を与えることを抑制しながらも、無駄なエネルギー消費を抑制するのである。
【0048】
従って、第9又は第10特徴構成による作用効果に加えて、変更設定された目標温度よりも低い湯水が給湯されることを抑制して、使用者に不快感を与えることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0049】
本発明の第12特徴構成は、上記第6〜11特徴構成のいずかに加えて、
前記制御手段が、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、前記加熱作動モード運転処理を実行する場合には、前記補助加熱手段を最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0050】
すなわち、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、加熱作動モード運転処理を実行する場合には、最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度になるようにする湯水が補助加熱手段に供給されることになるため、出湯温度の変化や目標温度の変更により、補助加熱手段にて供給される湯水の温度が変化しても、補助加熱手段から目標温度の湯水が出湯されるものとなる結果、目標温度の湯水を給湯できるものとなるのである。
つまり、貯湯槽からの出湯温度は、貯湯槽内に貯湯されている湯水の乱れや出湯温度検出手段の検出誤差等の種々の要因により、変化するものであり、そして、水混合手段の制御には遅れ時間が伴うものである。このため、加熱作動モード運転処理が実行される場合において、最低加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度になるようにする湯水を補助加熱手段に供給するようにすると、出湯温度の変化や目標温度の変更により、補助加熱手段にて供給される湯水の温度が最低加熱量にては目標温度よりも高温になる温度となる虞があり、その結果、補助加熱手段から出湯されて給湯される給湯温度が、目標温度よりも高温となり、使用者に不快感を与えるものとなるが、このように使用者に不快感を与えることを回避できるのである。
【0051】
したがって、第6〜第11特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、出湯温度が変化しても目標温度を適切に給湯できるようにして、使用者に不快感を与えることを極力回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0052】
本発明の第13特徴構成は、第6〜第12特徴構成のいずれかに加えて、
前記制御手段が、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、前記加熱作動モード運転処理を実行する場合において、前記補助加熱手段を最低加熱量にて作動させても前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなると判断したときには、前記停止モード運転処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
【0053】
すなわち、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、補助加熱手段を最低加熱量にて作動させても給湯温度が前記目標温度よりも高くなるときには、停止モード運転処理が実行されることになる。
つまり、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、貯湯槽から出湯される湯水の温度が上昇されること、給水路から給水される水の温度が上昇すること、及び、目標温度が低温側に変更されることに起因して、水混合手段を制御して得られる湯水の温度が、補助加熱手段を最低加熱量にて作動させても給湯温度が前記目標温度よりも高くなる状態となる温度になる虞があるが、このような場合には、加熱作動モード運転処理が停止されて、停止モード運転処理が実行されることにより、目標温度よりも高温の湯水が給湯されることが回避されることになる。
【0054】
したがって、第6〜第12特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、貯湯槽から出湯される湯水の温度が上昇されることや、給水路から給水される水の温度が上昇することがあっても、目標温度よりも高温の湯水が給湯されることを回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【0055】
本発明の第14特徴構成は、上記第1〜第13特徴構成のいずれかに加えて、
前記制御手段が、前記加熱作動モード運転処理において、前記補助加熱手段を最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御するように構成されている点を特徴とする。
【0056】
すなわち、加熱作動モード運転処理を実行する場合には、最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度になるようにする湯水が補助加熱手段に供給されることになるため、出湯温度の変化により、補助加熱手段にて供給される湯水の温度が変化しても、補助加熱手段から目標温度の湯水が出湯されるものとなる結果、目標温度の湯水を給湯できるものとなるのである。
つまり、貯湯槽からの出湯温度は、貯湯槽内に貯湯されている湯水の乱れや出湯温度検出手段の検出誤差等の種々の要因により、変化するものであり、そして、水混合手段の制御には遅れ時間を伴うものである。このため、加熱作動モード運転処理が実行される場合において、最低加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度になるようにする湯水を補助加熱手段に供給するようにすると、出湯温度の変化により、補助加熱手段にて供給される湯水の温度が最低加熱量にては目標温度よりも高温になる温度となる虞があり、その結果、湯水が供給されると、補助加熱手段から出湯されて給湯される給湯温度が、目標温度よりも高温となり、使用者に不快感を与えるものとなるが、このように使用者に不快感を与えることを回避できるのである。
【0057】
したがって、第1〜第13特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、出湯温度が変化しても目標温度を適切に給湯できるようにして、使用者に不快感を与えることを極力回避できる貯湯式給湯装置を提供するに至った。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】貯湯式給湯装置の概略構成図
【図2】制御構成を示すブロック図
【図3】水混合手段の開度調整を示す図
【図4】第1実施形態における出湯温度と目標温度との差による加熱指令と停止指令との関係を示す図
【図5】第1実施形態における制御内容を示すフローチャート
【図6】第2実施形態における出湯温度と目標温度との差による加熱指令と停止指令との関係を示す図
【図7】第2実施形態における制御内容を示すフローチャート
【図8】第2実施形態における制御内容を示すフローチャート
【図9】第3実施形態における出湯温度と目標温度との差による加熱指令と停止指令との関係を示す図
【図10】第3実施形態における制御内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0059】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。尚、この第1実施形態は、第1〜第5特徴構成、及び、第14特徴構成に対応する。
図1に示すように、貯湯槽1からの湯水が給湯路2を通して給湯栓等の湯水消費箇所3に給湯される貯湯式給湯装置が設けられている。
そして、貯湯槽1から送出されて給湯路2を通流する湯水を加熱する補助加熱手段A、及び、その補助加熱手段Aと前記貯湯槽との間に位置する給湯路部分に給水路4からの水を混合する水混合手段Bが設けられて、後述の如く、給湯路2から出湯される給湯温度が設定された目標温度Mに調整されるように構成されている。尚、給水路4は、一般には、水道水を供給するように構成されることになる。
【0060】
前記貯湯槽1には、ガスエンジン5を備えた発電装置Gにて発生する排熱を回収した湯水が貯留されるように構成されている。つまり、ガスエンジン5の冷却水ジャケット5Aと接続される冷却水循環路6を通して冷却水が通流される液々熱交換式の冷却水熱交換器7、及び、冷却水循環ポンプ8が設けられて、ガスエンジン5の排熱が冷却水熱交換器7に供給されるように構成されている。貯湯槽1の底部と上部とに接続され且つ湯水循環ポンプ9を備える湯水循環路10を通して、貯湯槽1の湯水が冷却水熱交換器7を通して循環されることにより、ガスエンジン5の排熱にて加熱された湯水が、温度成層を形成する状態で貯湯されるように構成されている。
そして、貯湯槽1の底部には、前記給水路4が接続されており、給水路4の水道圧にて貯湯槽1の湯水が給湯路2に供給されるように構成されている。
【0061】
図2に示すように、貯湯槽1に湯水を貯湯する貯湯運転及び水混合手段Bの作動を制御する貯湯制御手段Dが設けられている。貯湯制御手段Dは、マイクロコンピュータを用いて構成されるものであって、リモコンRにて指令された運転時間帯において貯湯運転すべく、発電装置Gに運転指令を指令し、冷却水循環ポンプ8、及び、湯水循環ポンプ9を作動させて貯湯槽1に貯湯する貯湯運転制御を実行することになる。
また、貯湯制御手段Dは、リモコンRにて指令された値に基づいて定める目標温度Mや、加熱作動の必要を示す加熱指令及び加熱作動の停止を示す停止指令を補助加熱手段Aに指令し、さらに、水混合手段Bの作動を制御する湯水温度調整処理を実行することになり、詳細は後述の通りである。
尚、貯湯運転制御を実行する運転時間帯は、上述の如くリモコンRにて指令するに代えて、電気負荷や給湯負荷の時系列的な実績データを管理して、その時系列的な実績データに基づいて予測負荷データを求め、その予測負荷データに基づいて、省エネ等の運転メリットの高い時間帯を求めて、その時間帯を運転時間帯とする形態で実施しても良い。
【0062】
補助加熱手段Aは、周知の瞬間湯沸器を用いて構成されるものであり、その詳細な説明は省略して簡単に説明すると、図1に示すように、湯水が通流する給湯加熱用熱交換器11、その給湯加熱用熱交換器11を加熱する加熱用バーナ12、その加熱用バーナ12へのガス燃料の供給量を調整するガス燃料調整弁13、加熱用バーナ12へのガス燃料供給路14を開閉して、加熱用バーナ12へのガス燃料供給を断続するガス開閉弁15、湯水の通水量を検出する通水量検出センサ16、給湯加熱用熱交換器11に流入する湯水の温度を検出する入水温センサ17、給湯加熱用熱交換器11から出湯される湯水の温度を検出する出湯温センサ18、及び、例示はしないが、点火用のイグナイタ、着火検出用熱電対等を備え、そして、図2に示すように、マイクロコンピュータを用いて構成される加熱制御手段19が、貯湯制御手段Dから指令された目標温度Mに通流する湯水を加熱するように、加熱用バーナ12の燃焼を制御する燃焼制御を行うように構成されている。
【0063】
加熱制御手段19は、前述の如く、貯湯制御手段Dから加熱作動の必要を示す加熱指令が指令されると、燃焼制御を実行し、貯湯制御手段Dから加熱作動の停止を示す停止指令が指令されると、燃焼制御を実行しないことになる。
加熱制御手段19が実行する燃焼制御について説明すると、通水量検出センサ16にて検出される通水量が点火用通水量を超えると、点火用のガス燃料量を供給した状態で加熱用バーナ12の燃焼を開始し、通水量が点火用通水量以下になると、加熱用バーナ12の燃焼を停止することになる。
加熱用バーナ12の燃焼を開始したのちは、通水量検出センサ16にて検出される通水量、入水温センサ17にて検出される湯水の温度、及び、目標温度Mに基づく、いわゆるフィードフォワード制御と、出湯温センサ18にて検出される湯水の温度及び目標温度Mに基づく、いわゆるフィードバック制御とにより、加熱用バーナ12の目標燃焼量を求めて、その求めた目標燃焼量にて燃焼させるように、加熱用バーナ12に供給するガス燃料量を制御することになる。
そして、目標燃焼量を定めるにあたって、求めた目標燃焼量が、補助加熱手段Aの最低加熱量に対応する最低燃焼量よりも小さいときには、最低燃焼量を目標燃焼量に定めることになる。
【0064】
水混合手段Bは、図1に示すように、給湯路2を通流する湯水量を調整する給湯路側調整弁20と、給水路4を通流する水量を調整する給水路側調整弁21とからなり、図3に示すように、貯湯制御手段Dが、給湯路側調整弁20の開度を全開にする状態で給水路側調整弁21の開度を全閉から全開に調整し、引き続き、給水路側調整弁21の開度を全開にする状態で給湯路側調整弁20の開度を全開から全閉にする形態で、給湯路2を通流する湯水量と給水路4を通流する水量との比率を調整するように構成されている。
【0065】
貯湯制御手段Dは、貯湯槽1からの出湯温度Nを検出する出湯温度検出手段としての、
貯湯槽1の上部温度を検出する上部温度センサ22の検出情報、給湯路2からの出湯状態を検出する出湯検出手段としての、給湯路2の通水量Wを検出する水量センサ23の検出情報に基づいて、水量センサ23にて設定通水量以上の通水状態であること、つまり、出湯が検出されたときには、上部温度センサ22の検出情報に基づいて、給湯路2から出湯される給湯温度が設定された目標温度Mになるように、補助加熱手段A及び水混合手段Bを作動させることになる。
【0066】
説明を加えると、貯湯制御手段Dは、目標温度Mと出湯温度Nとの関係が補助加熱手段Aの作動を停止させた状態にて目標温度Mの湯水を給湯路2から出湯できる補助加熱不要状態のときには、給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御し、かつ、停止指令を補助加熱手段Aに指令して補助加熱手段Aを停止させる停止モード運転処理を実行することになる。
また、貯湯制御手段Dは、目標温度Mと出湯温度Nとの関係が補助加熱手段Aを作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、加熱指令を補助加熱手段Aに指令して補助加熱手段Aを目標温度Mに湯水を加熱するように作動させ、かつ、補助加熱手段Aを加熱作動させることにより給湯温度が目標温度Mよりも高くなることを抑制するように水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行することになる。
そして、貯湯制御手段Dは、図4に示すように、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが加熱判別用設定値K(例えば、2℃)以下になると前記補助加熱必要状態であると判別し、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが加熱判別用設定値Kよりも大きな不要判別用設定値J(例えば、3℃)以上になると前記補助加熱不要状態であると判別するように構成されている。
【0067】
さらに、貯湯制御手段Dは、加熱作動モード運転処理の実行を開始したときには、給湯路2からの出湯が連続している間は、補助加熱不要状態になっても、その加熱作動モード運転処理を実行するように構成され、加熱作動モード運転処理の実行中において給湯路2からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間(例えば、3分)内に給湯路2からの出湯が開始されたときには、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行するように構成されている。
そして、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になった場合には、加熱作動モード運転処理を実行し、且つ、出湯温度Nが高温側に変化したことにより、補助加熱不要状態になった場合には、前記停止モード運転処理を実行するように構成されている。
【0068】
また、貯湯制御手段Dは、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高くなると判断したときには、停止モード運転処理を実行するように構成されている
説明を加えると、給水路4には給水される水の温度を検出する水温検出センサ25が設けられている。
そして、その水温検出センサ25にて検出される水の温度、上部温度センサ22にて検出される出湯温度N、水量検出センサ23にて検出される通水量W、目標温度M、及び、最低加熱量に基づいて、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高くなるか否かを判別することになる。
すなわち、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させたときに給湯温度が目標温度Mになるようにするために、水混合手段Bにて湯水を混合して得る目標混合温度Lを求め、水混合手段Bを最も低温側の調整状態にしたときに得られる湯水の混合温度Vが、目標混合温度Lよりも高ければ、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高くなると判断することになる。
つまり、目標混合温度L=目標温度M−(最低加熱量/通水量W)の関係であり、水混合手段Bを最も低温側の調整状態にしたときに得られる湯水の混合温度Vが、目標混合温度Lよりも高くなると、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高くなると判断することになるのである。
ちなみに、本実施形態においては、水混合手段Bの最も低温側の調整状態は、給水路側調整弁21の開度を全開とし、且つ、給湯路側調整弁20の開度を全閉とする状態に対応するものであるから、水温検出センサ25にて検出される水の温度が、水混合手段Bを最も低温側の調整状態にしたときに得られる湯水の混合温度Vに相当することになる。
【0069】
加えて、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行する場合には、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるようにすべく水混合手段Bを制御するように構成されている。
そして、貯湯制御手段Dは、上述の如く、目標温度Mが低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になっても加熱作動モード運転処理を実行する場合に限らず、加熱作動モード運転処理においては、常に、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成されている。
【0070】
貯湯制御手段Dが実行する湯水温度調整処理に説明を加えると、図1に示すように、給湯路2の水混合箇所の直後には、混合後の湯水の温度を検出する混合温度検出センサ24が設けられている。
そして、停止モード運転処理においては、混合温度検出センサ24にて検出される混合温度Vが目標温度Mになるように、貯湯制御手段Dが水混合手段Bを制御する。
また、加熱作動モード運転処理においては、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになる目標混合温度Lを、水量センサ23にて検出される通水量W、目標温度M、及び、設定加熱量Hに基づいて求めて、混合温度検出センサ24にて検出される混合温度Vが目標混合温度Lになるように、貯湯制御手段Dが水混合手段Bを制御することになる。
ちなみに、目標混合温度L=目標温度M−(設定加熱量H/通水量W)の関係であるから、この関係式に基づいて、目標混合温度Lが求められることになる。
【0071】
次に、貯湯制御手段Dの制御内容を、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、出湯開始であるか、つまり、水量センサ23にて検出されるWが設定通水量以上であるか否かが判別される(#1)。出湯開始である場合には、前回の停止から設定時間以内かつまり3分以内であるか否かが判別され(#2)、前回の停止から3分以内の場合には、前回は加熱作動モードであるか否かが判別される(#3)。
前回が加熱作動モードである場合には、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、不要判別用設定値J以上であるか否かが判別され(#4)、差Sが不要判別用設定値J以上である場合には、目標温度Mが低下された場合であるか否かが判別される(#5)。そして、差Sが不要判別用設定値J以上で無い場合や、差Sが不要判別用設定値J以上であっても、目標温度Mが低下された場合には、加熱作動モード運転処理が実行される(#6)。
次に、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高温となる状態であるか否かが判別され(#7)、高温でない場合には、出湯中であるか、つまり、水量センサ23にて検出されるWが設定通水量以上であるか否かが判別され(#1)、出湯中である場合には、#4の処理に戻り、出湯中で無い場合には、水混合手段Bの作動を停止し、補助加熱手段Aの作動を停止させる等の停止処理を実行する(#9)。
【0072】
そして、#2にて前回の停止から設定時間以内で無いと判別した場合や、#3にて前回は加熱作動モードで無いと判別した場合には、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、加熱判別用設定値K以下であるか否かが判別され(#10)、差Sが加熱判別用設定値K以下の場合には、#6の加熱作動モード運転処理を実行することになり、差Sが加熱判別用設定値Kよりも大きい場合には、停止モード運転処理を実行する(#11)。
次に、出湯中であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別され(#12)、出湯中である場合には、#10の処理に戻り、出湯中で無い場合には、#9の停止処理を実行する。
【0073】
また、#5にて目標温度の低下でないことが判別された場合や、#7にて高温の出湯であることが判別された場合には、#11の停止モード運転処理を実行することになる。
【0074】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。尚、この第2実施形態は、第6〜第8特徴構成、及び、第14特徴構成に対応する。
この第2実施形態は、貯湯制御手段Dの制御内容が、上述の第1実施形態と異なるものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、以下、貯湯制御手段Dの制御内容について説明して、その他の説明は省略する。
【0075】
貯湯制御手段Dは、貯湯槽1からの出湯温度Nとして、貯湯槽1の上部温度を検出する
上部温度センサ22の検出情報、給湯路2からの出湯状態として、給湯路2の通水量Wを検出する水量センサ23の検出情報に基づいて、水量センサ23にて設定通水量以上の通水状態であること、つまり、出湯が検出されたときには、上部温度センサ22の検出情報に基づいて、給湯路2から出湯される給湯温度が設定された目標温度Mになるように、補助加熱手段A及び水混合手段Bを作動させることになる。
【0076】
説明を加えると、貯湯制御手段Dは、目標温度Mと出湯温度Nとの関係が補助加熱手段Aの作動を停止させた状態にて目標温度Mの湯水を給湯路2から出湯できる補助加熱不要状態のときには、給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御し、かつ、停止指令を補助加熱手段Aに指令して補助加熱手段Aを停止させる停止モード運転処理を実行することになる。
また、貯湯制御手段Dは、目標温度Mと出湯温度Nとの関係が補助加熱手段Aを作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、加熱指令を補助加熱手段Aに指令して補助加熱手段Aを目標温度Mに湯水を加熱するように作動させ、かつ、補助加熱手段Aを加熱作動させることにより給湯温度が目標温度Mよりも高くなることを抑制するように水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行することになる。
そして、貯湯制御手段Dは、図6に示すように、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが加熱判別用設定値K(例えば、2℃)以下になると前記補助加熱必要状態であると判別し、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが加熱判別用設定値Kよりも大きな不要判別用設定値J(例えば、3℃)以上になると前記補助加熱不要状態であると判別するように構成されている。
【0077】
さらに、貯湯制御手段Dは、加熱作動モード運転処理の実行中において給湯路2からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間(例えば、3分)内に前記給湯路からの出湯が開始されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Q(例えば、5℃)に変更するように構成されている。
そして、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、且つ、出湯温度が上昇したときには、不要判別用設定値Jを変更しないように構成されている。
また、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したこととが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上である場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満である場合には、不要判別用設定値Jを変更しないように構成されている。
【0078】
また、貯湯制御手段Dは、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更して、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が前記目標温度Mよりも高くなると判断したときには、停止モード運転処理を実行するように構成されている。
すなわち、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させたときに給湯温度が目標温度Mになるようにするために、水混合手段Bにて湯水を混合して得る目標混合温度Lを求め、水混合手段Bを最も低温側の調整状態にしたときに得られる湯水の混合温度Vが、目標混合温度Lよりも高ければ、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高くなると判断することになるが、その具体構成は、第1実施形態と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
【0079】
加えて、貯湯制御手段Dは、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更して、加熱作動モード運転処理を実行する場合には、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成されている。
また、貯湯制御手段Dは、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更して、加熱作動モード運転処理を実行する場合に限らず、加熱作動モード運転処理を実行するときは、常に、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成されている。
【0080】
貯湯制御手段Dが実行する湯水温度調整処理は、上記第1実施形態と同じであり、その説明は省略する。
【0081】
次に、貯湯制御手段Dの制御内容を、図7及び図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、出湯開始であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別される(#21)。出湯開始である場合には、前回の停止から設定時間以内かつまり3分以内であるか否かが判別され(#22)、前回の停止から3分以内の場合には、前回は加熱作動モードであるか否かが判別される(#23)。
そして、前回の停止から3分以内で無い場合や、前回の停止から3分以内であっても、前回が加熱作動モードで無い場合には、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、加熱判別用設定値K以下であるか否かが判別され(#33)、以下の場合には、加熱作動モード運転処理が実行され(#36)、以下で無い場合には、停止モード運転処理が実行される(#34)。
【0082】
#36にて加熱作動モード運転処理を実行した後は、出湯中であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別され(#37)、出湯中である場合には、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、不要判別用設定値J以上であるか否かが判別され(#38)、以上で無い場合には#36の加熱作動モード運転処理のステップに戻り、以上の場合には、#34の停止モード運転処理のステップに移行することになる。そして、#37にて出湯中で無い場合には、水混合手段Bの作動を停止する等の停止処理を実行する(#31)。
【0083】
#34にて停止モード運転処理を実行した後は、出湯中であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別され(#35)、出湯中である場合には、#33の処理に戻り、出湯中で無い場合には、水混合手段Bの作動を停止する等の停止処理を実行する(#31)。
【0084】
#22と#23との判別により、前回の停止から3分以内で、前回が加熱作動モードであることが判別された場合には、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、不要判別用設定値Jよりも設定量大きな値Q以上であるか否かが判別され(#24)、差Sが設定量大きな値Q以上である場合には、#34の停止モード運転処理のステップに移行する。
【0085】
出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、設定量大きな値Q以上で無い場合には、差Sが不要判別用設定値J以上であるか否かが判別され(#25)、差Sが不要判別用設定値J以上である場合には、出湯温度が上昇しかつ目標温度が低下された状態であるか否かが判別され(#26)、出湯温度が上昇しかつ目標温度が低下された状態である場合には、目標温度の低下の大きさの方が出湯温度の上昇の大きさよりも大きいか否かが判別され(#32)、出湯温度の上昇の大きさの方が大きい場合には、#34の停止モード運転処理のステップに移行する。
また、#26にて、出湯温度が上昇しかつ目標温度が低下された状態で無いと判別された場合には、目標温度の低下であるか否かが判別され(#27)、目標温度の低下で無い場合には、#34の停止モード運転処理のステップに移行する。
【0086】
そして、#25にて、差Sが不要判別用設定値J以上で無いと判別された場合、#32にて、目標温度の低下の大きさの方が出湯温度の上昇の大きさよりも大きいと判別された場合、及び、#27にて、目標温度の低下であると判別された場合には、加熱作動モード運転処理を実行する(#28)。
【0087】
次に、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高温となる状態であるか否かが判別され(#29)、高温でない場合には、出湯中であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別され(#30)、出湯中である場合には、#24の処理に戻り、出湯中で無い場合には、水混合手段Bの作動を停止する等の停止処理を実行する(#31)。
【0088】
ちなみに、貯湯制御手段Dは、出湯が開始されたときに、前回の停止から3分以内で、前回が加熱作動モードであることが判別された場合には、#24にて、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、不要判別用設定値Jよりも設定量大きな値Q以上であるか否かを判別して、差Sが設定量大きな値Q以上である場合には、#34の停止モード運転処理のステップに移行するものであり、このような処理を行うことが、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更することに対応することになる。
そして、本第2実施形態では、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、出湯温度Nが上昇したときには、不要判別用設定値Jを変更しないものであるため、#27の判別により、目標温度Mが低温側に変更されたものであると判別されたときには、加熱作動モード運転処理が実行されるものの、そうでない場合、つまり、出湯温度Nが高温側に上昇したものであると判別されたときには、停止モード運転処理が実行されることになる。
【0089】
加えて、本第2実施形態では、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したことが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上である場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満である場合には、不要判別用設定値Jを変更しないものであるため、#26、及び、#32の判別により、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したことが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上であることが判別されると、加熱作動モード運転処理が実行されるものの、そうでない場合、つまり、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満であることが判別されると、停止モード運転処理が実行されることになる。
【0090】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。尚、この第3実施形態は、第9〜第14特徴構成に対応する。
この第3実施形態は、貯湯制御手段Dの制御内容が、上述の第1実施形態と異なるものであって、その他の構成は第1実施形態と同様であるので、以下、貯湯制御手段Dの制御内容について説明して、その他の説明は省略する。
【0091】
貯湯制御手段Dは、貯湯槽1からの出湯温度Nとして、貯湯槽1の上部温度を検出する
上部温度センサ22の検出情報、給湯路2からの出湯状態として、給湯路2のWを検出する水量センサ23の検出情報に基づいて、水量センサ23にて設定通水量以上の通水状態であること、つまり、出湯が検出されたときには、上部温度センサ22の検出情報に基づいて、給湯路2から出湯される給湯温度が設定された目標温度Mになるように、補助加熱手段A及び水混合手段Bを作動させることになる。
【0092】
説明を加えると、貯湯制御手段Dは、目標温度Mと出湯温度Nとの関係が補助加熱手段Aの作動を停止させた状態にて目標温度Mの湯水を給湯路2から出湯できる補助加熱不要状態のときには、給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御し、かつ、停止指令を補助加熱手段Aに指令して補助加熱手段Aを停止させる停止モード運転処理を実行することになる。
また、貯湯制御手段Dは、目標温度Mと出湯温度Nとの関係が補助加熱手段Aを作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、加熱指令を補助加熱手段Aに指令して補助加熱手段Aを目標温度Mに湯水を加熱するように作動させ、かつ、補助加熱手段Aを加熱作動させることにより給湯温度が目標温度Mよりも高くなることを抑制するように水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行することになる。
そして、貯湯制御手段Dは、図9に示すように、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが加熱判別用設定値K(例えば、2℃)以下になると前記補助加熱必要状態であると判別し、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが加熱判別用設定値Kよりも大きな不要判別用設定値J(例えば、3℃)以上になると前記補助加熱不要状態であると判別するように構成されている。
【0093】
さらに、貯湯制御手段Dは、加熱作動モード運転処理を実行したときに目標温度Mが低温側に変更されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値P(例えば、5℃)に変更するように構成されている。
そして、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更し、且つ、出湯温度が上昇したときには、不要判別用設定値Jを変更しないように構成されている。
また、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したこととが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上である場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更し、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満である場合には、不要判別用設定値Jを変更しないように構成されている。
【0094】
また、貯湯制御手段Dは、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更して、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が前記目標温度Mよりも高くなると判断したときには、停止モード運転処理を実行するように構成されている。
すなわち、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させたときに給湯温度が目標温度Mなるようにするために、水混合手段Bにて湯水を混合して得る目標混合温度Lを求め、水混合手段Bを最も低温側の調整状態にしたときに得られる湯水の混合温度Vが、目標混合温度Lよりも高ければ、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高くなると判断することになるが、その具体構成は第1実施形態と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
加えて、貯湯制御手段Dは、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更して、加熱作動モード運転処理を実行する場合には、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成されている。
また、貯湯制御手段Dは、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更して、加熱作動モード運転処理を実行する場合に限らず、加熱作動モード運転処理を実行するときは、常に、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成されている。
【0096】
貯湯制御手段Dが実行する湯水温度調整処理は、上記第1実施形態と同じであり、その説明は省略する。
【0097】
次に、貯湯制御手段Dの制御内容を、図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、出湯開始であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別される(#51)。出湯開始である場合には、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、加熱判別用設定値K以下であるか否かが判別され(#52)、以下の場合には、加熱作動モード運転処理が実行され(#53)、以下で無い場合には、停止モード運転処理が実行される(#64)。
【0098】
#64にて停止モード運転処理を実行した後は、出湯中であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別され(#65)、出湯中である場合には、#52の処理に戻り、出湯中で無い場合には、水混合手段Bの作動を停止する等の停止処理を実行する(#63)。
【0099】
#53にて加熱作動モード運転処理を実行した後は、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、不要判別用設定値Jよりも設定量大きな値P以上であるか否かが判別され(#55)、差Sが設定量大きな値P以上である場合には、#64の停止モード運転処理のステップに移行する。
【0100】
出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、設定量大きな値P以上で無い場合には、差Sが不要判別用設定値J以上であるか否かが判別され(#56)、差Sが不要判別用設定値J以上である場合には、出湯温度が上昇しかつ目標温度が低下された状態であるか否かが判別され(#57)、出湯温度が上昇しかつ目標温度が低下された状態である場合には、目標温度の低下の大きさの方が出湯温度の上昇の大きさよりも大きいか否かが判別され(#58)、出湯温度の低下の大きさの方が大きい場合には、#64の停止モード運転処理のステップに移行する。
また、#58にて、出湯温度が上昇しかつ目標温度が低下された状態で無いと判別された場合には、目標温度の低下であるか否かが判別され(#59)、目標温度の低下で無い場合には、#63の停止モード運転処理のステップに移行する。
【0101】
そして、#56にて、差Sが不要判別用設定値J以上で無いと判別された場合、#58にて、目標温度の低下の大きさの方が出湯温度の上昇の大きさよりも大きいと判別された場合、及び、#59にて、目標温度の低下であると判別された場合には、加熱作動モード運転処理を実行する(#60)。
【0102】
次に、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させても給湯温度が目標温度Mよりも高温となる状態であるか否かが判別され(#61)、高温でない場合には、出湯中であるか、つまり、水量センサ23にて検出される通水量Wが設定通水量以上であるか否かが判別され(#62)、出湯中である場合には、#55の処理に戻り、出湯中で無い場合には、水混合手段Bの作動を停止する等の停止処理を実行する(#63)。
【0103】
ちなみに、貯湯制御手段Dは、#53の加熱作動モード運転処理を実行を開始したのちは、#56にて、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが、不要判別用設定値Jよりも設定量大きな値P以上であるか否かを判別して、差Sが以上である場合には、#64の停止モード運転処理のステップに移行するものであり、このような処理を行うことが、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更することに対応することになる。
そして、本第3実施形態では、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、出湯温度Nが上昇したときには、不要判別用設定値Jを変更しないものであるため、#59の判別により、目標温度Mが低温側に変更されたものであると判別されたときには、加熱作動モード運転処理が実行されるものの、そうでない場合、つまり、出湯温度Nが高温側に上昇したものであると判別されたときには、停止モード運転処理が実行されることになる。
【0104】
加えて、本第3実施形態では、貯湯制御手段Dは、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したことが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上である場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満である場合には、不要判別用設定値Jを変更しないものであるため、#57、及び、#58の判別により、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したことが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上であることが判別されると、加熱作動モード運転処理が実行されるものの、そうでない場合、つまり、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満であることが判別されると、停止モード運転処理が実行されることになる。
【0105】
〔別実施形態〕
以下、上記実施形態の各部を変更する別実施形態について説明する。
【0106】
上記第1〜第3実施形態では、貯湯制御手段Dが、補助加熱手段Aの加熱制御手段19に対して、加熱指令及び停止指令を指令するように構成して、補助加熱手段Aと水混合手段Bとを制御する制御手段が、貯湯制御手段Dを主要部として、その貯湯制御手段Dと加熱制御手段19とから構成される場合を例示したが、貯湯制御手段Dが、補助加熱手段Aの作動を制御する構成としても良い。
【0107】
上記第1〜第3実施形態では、出湯温度検出手段として、貯湯槽1の上部温度を検出する上部温度センサ22を例示したが、給湯路2における貯湯槽1に接続される部分を通流する湯水の温度を検出する温度センサを設けても良い。
【0108】
上記第1〜第3実施形態では、出湯検出手段として、給湯路2の通水量を検出する水量センサ23を例示したが、給水路4の通水量を検出するようにしても良く、また、通水量を検出するセンサに代えて、設定量以上の通水量であるか否かを検出する通水スイッチを設けても良い。
【0109】
上記第1〜第3実施形態では、加熱作動モード運転処理を行う場合には、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御する場合を例示したが、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御する形態で実施しても良い。
【0110】
上記第1〜第3実施形態では、水混合手段Bを、給湯路側調整弁20と給水路側調整弁21との2つの弁から構成する場合を例示したが、一つの弁体にて給湯路側の開度と給水路側の開度とを調整する形態の一つの弁にて構成しても良い。
【0111】
上記第1実施形態では、加熱作動モード運転処理の実行中において給湯路2からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間内に給湯路2からの出湯が開始されたときには、補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行するにしたが、給湯路2からの出湯が停止したのちにおいて、補助加熱不要状態になれば、停止運転モード運転処理を実行するように構成しても良い。
【0112】
上記第1実施形態では、目標温度Mが低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になった場合には、加熱作動モード運転処理を実行し、且つ、出湯温度が高温側に変化したことにより、補助加熱不要状態になった場合には、前記停止モード運転処理を実行するように構成したが、出湯温度が高温側に変化したことにより、補助加熱不要状態になった場合にも、加熱作動モード運転処理を実行するように構成しても良い。
また、上記第1実施形態では、前記目標温度Mが低温側に変更されたことにより補助加熱不要状態になっても、加熱作動モード運転処理を実行する場合には、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成したが、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させることにより給湯温度が目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成しても良い。
【0113】
上記第1実施形態では、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sが加熱判別用設定値K以下になると補助加熱必要状態であると判別し、出湯温度Nと目標温度Mとの差が加熱判別用設定値Kよりも大きな不要判別用設定値J以上になると補助加熱不要状態であると判別するように構成したが、一つの判別値を設定して、出湯温度Nと目標温度Mとの差Sがその判別値以下になると補助加熱必要状態であると判別し、差Sが判別値よりも大きくなると補助加熱不要状態であると判別する形態で実施しても良い。
【0114】
上記第2実施形態では、目標温度Mが低温側に変更されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、且つ、出湯温度Nが上昇したときには、不要判別用設定値Jを変更しないように構成したが、出湯温度Nが上昇したときにも、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更する形態で実施しても良い。
【0115】
上記第2実施形態では、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したこととが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上である場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更し、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満である場合には、不要判別用設定値Jを変更しないようにする場合を例示したが、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したこととが同時に生じた場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Qに変更する形態で実施しても良い。
【0116】
上記第3実施形態では、目標温度Mが低温側に変更されたときには、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更し、且つ、出湯温度Nが上昇したときには、不要判別用設定値Jを変更しないように構成したが、出湯温度Nが上昇したときも、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更する形態で実施しても良い。
【0117】
上記第3実施形態では、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したこととが同時に生じた場合において、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ以上である場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更し、目標温度Mの低温側への低下の大きさが出湯温度Nの高温側への上昇の大きさ未満である場合には、不要判別用設定値Jを変更しないように構成したが、目標温度Mが低温側に変更されることと、出湯温度Nが上昇したこととが同時に生じた場合には、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Pに変更する形態で実施しても良い。
【0118】
上記第2及び第3実施形態では、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Q又はPに変更したときに、加熱作動モード運転処理を実行する場合には、補助加熱手段Aを最低加熱量よりも大きな設定加熱量Hにて作動させることにより給湯温度が記目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成したが、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Q又はPに変更したときに、加熱作動モード運転処理を実行する場合において、補助加熱手段Aを最低加熱量にて作動させることにより給湯温度が記目標温度Mになるように水混合手段Bを制御するように構成しても良い。
【0119】
上記第2及び第3実施形態おいて、不要判別用設定値Jを設定量大きな値Q又はPに変更する具体構成としては、不要判別用設定値Jに設定量を加算して大きな値Q又はPを求めるようにする構成や、大きな値Q又はPを予め記憶しておいて、その記憶していた大きな値Q又はPを用いるようにする構成を採用することができる。
【0120】
貯湯槽1に貯湯する湯水を加熱する手段としては、ガスエンジン5を備えた発電装置Gに代えて、燃焼式の熱源、ヒートポンプ、電気式のヒータ、燃料電池等の種々のものを用いることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 貯湯槽
2 給湯路
4 給水路
22 出湯温度検出手段
23 出湯検出手段
A 補助加熱手段
B 水混合手段
D 制御手段
H 設定加熱量
J 不要判別用設定値
K 加熱判別用設定値
M 目標温度
N 出湯温度
P 設定量大きな値
Q 設定量大きな値
S 差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯槽から送出されて給湯路を通流する湯水を加熱する補助加熱手段と、
前記貯湯槽からの出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、
前記補助加熱手段と前記貯湯槽との間に位置する給湯路部分に給水路からの水を混合する水混合手段と、
前記給湯路からの出湯状態を検出する出湯検出手段と、
前記出湯検出手段にて出湯が検出されたときには、前記出湯温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯路から出湯される給湯温度が設定された目標温度になるように、前記補助加熱手段及び前記水混合手段を作動させる制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段の作動を停止させた状態にて前記目標温度の湯水を前記給湯路から出湯できる補助加熱不要状態のときには、前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御し、かつ、前記補助加熱手段を停止させる停止モード運転処理を実行し、且つ、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段を作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、前記補助加熱手段を前記目標温度に湯水を加熱するように作動させ、かつ、前記補助加熱手段を加熱作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなることを抑制するように前記水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行するように構成された貯湯式給湯装置であって、
前記制御手段が、
前記出湯温度と前記目標温度との差が加熱判別用設定値以下になると前記補助加熱必要状態であると判別し、前記出湯温度と前記目標温度との差が前記加熱判別用設定値よりも大きな前記不要判別用設定値以上になると前記補助加熱不要状態であると判別するように構成され、且つ、
前記加熱作動モード運転処理の実行中において前記給湯路からの出湯が停止した場合に、その出湯停止後の設定時間内に前記給湯路からの出湯が開始されたときには、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更するように構成されている貯湯式給湯装置。
【請求項2】
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されたときには、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、且つ、前記出湯温度が上昇したときには、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている請求項1記載の貯湯式給湯装置。
【請求項3】
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されることと、前記出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合において、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇の大きさ未満である場合には、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている請求項1又は2記載の貯湯式給湯装置。
【請求項4】
貯湯槽から送出されて給湯路を通流する湯水を加熱する補助加熱手段と、
前記貯湯槽からの出湯温度を検出する出湯温度検出手段と、
前記補助加熱手段と前記貯湯槽との間に位置する給湯路部分に給水路からの水を混合する水混合手段と、
前記給湯路からの出湯状態を検出する出湯検出手段と、
前記出湯検出手段にて出湯が検出されたときには、前記出湯温度検出手段の検出情報に基づいて、前記給湯路から出湯される給湯温度が設定された目標温度になるように、前記補助加熱手段及び前記水混合手段を作動させる制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段の作動を停止させた状態にて前記目標温度の湯水を前記給湯路から出湯できる補助加熱不要状態のときには、前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御し、かつ、前記補助加熱手段を停止させる停止モード運転処理を実行し、且つ、
前記目標温度と前記出湯温度との関係が前記補助加熱手段を作動させる必要がある補助加熱必要状態のときには、前記補助加熱手段を前記目標温度に湯水を加熱するように作動させ、かつ、前記補助加熱手段を加熱作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなることを抑制するように前記水混合手段を制御する加熱作動モード運転処理を実行するように構成された貯湯式給湯装置であって、
前記制御手段が、
前記出湯温度と前記目標温度との差が加熱判別用設定値以下になると前記補助加熱必要状態であると判別し、前記出湯温度と前記目標温度との差が前記加熱判別用設定値よりも大きな前記不要判別用設定値以上になると前記補助加熱不要状態であると判別するように構成され、且つ、
前記加熱作動モード運転処理の実行中に前記目標温度が低温側に変更された場合には、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更するように構成されている貯湯式給湯装置。
【請求項5】
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されたときには、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、且つ、前記出湯温度が上昇したときには、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている請求項4記載の貯湯式給湯装置。
【請求項6】
前記制御手段が、前記目標温度が低温側に変更されることと、前記出湯温度が上昇したこととが同時に生じた場合において、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇の大きさ以上である場合には、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更し、前記目標温度の低温側への低下の大きさが前記出湯温度の高温側への上昇大きさ未満である場合には、前記不要判別用設定値を変更しないように構成されている請求項4又は5記載の貯湯式給湯装置。
【請求項7】
前記制御手段が、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、前記加熱作動モード運転処理を実行する場合には、前記補助加熱手段を最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置。
【請求項8】
前記制御手段が、前記不要判別用設定値を設定量大きな値に変更したときに、前記加熱作動モード運転処理を実行する場合において、前記補助加熱手段を最低加熱量にて作動させても前記給湯温度が前記目標温度よりも高くなると判断したときには、前記停止モード運転処理を実行するように構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置。
【請求項9】
前記制御手段が、前記加熱作動モード運転処理において、前記補助加熱手段を最低加熱量よりも大きな設定加熱量にて作動させることにより前記給湯温度が前記目標温度になるように前記水混合手段を制御するように構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の貯湯式給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−40762(P2013−40762A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232216(P2012−232216)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2008−186337(P2008−186337)の分割
【原出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】