説明

貯湯式風呂給湯装置

【課題】ふろの使用状況に合わせて使用感を向上させると共に、湯切れや湯余りの発生を防止できる貯湯式風呂給湯装置を提供する。
【解決手段】浴槽水をふろ熱交換器14に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作の実績を所定の保持期間記憶するふろ加熱実績記憶手段43と、沸き上げ目標温度を低めする少なめモードと沸き上げ目標温度を少なめモード時よりも高めに決定する多めモードのいずれかを設定する沸き上げモード設定手段40と、沸き上げモード設定手段40の設定内容と給湯負荷とに応じて基礎沸き上げ目標温度を決定すると共に、ふろ加熱実績記憶手段43の記憶内容に応じて沸き上げ目標温度を基礎沸き上げ目標温度よりも高い規定温度にする沸き上げ温度決定手段44とを備え、ふろ加熱実績記憶手段43は、所定の保持期間の長さを沸き上げモード設定手段40の設定内容に応じて変更するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンク内の湯水によって浴槽水を加熱可能とした貯湯式風呂給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の貯湯式風呂給湯装置においては、湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンク下部からの湯水を貯湯タンク上部に戻す加熱循環回路と、この加熱循環回路を循環する湯水を沸き上げ目標温度に沸き上げるヒートポンプ式加熱装置と、貯湯タンク内の湯水によって浴槽水を加熱するふろ熱交換器と、このふろ熱交換器と浴槽を浴槽水を循環可能に接続するふろ循環回路と、浴槽水をふろ熱交換器に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作を実行させる制御手段とを備え、ふろ加熱動作に要した熱量と、給湯に要した熱量を計測し、総消費熱量から沸き上げ目標温度を決定するものがあった(特許文献1)。
【0003】
また、ふろ加熱動作に掛かった時間を積算し、積算時間が所定時間を超えたら、沸き上げ目標温度を高くするようにしたものもあった(特許文献2)。
【0004】
また、ふろ熱交換器の浴槽水出入口の温度差からふろ加熱能力を求め、このふろ加熱能力が必要能力に達していない場合に、沸き上げ目標温度を高くするようにしたものがあった(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−226010号公報
【特許文献2】特開2009−281658号公報
【特許文献3】特開2007−127356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、これらのものでは、冷めた浴槽水を沸かし直す動作を行わせた場合に、沸き上げ目標温度が高くなるが、高い沸き上げ目標温度の状態が長期間継続してしまい、浴槽水の沸かし直しをほとんど行わないユーザーにおいては、湯余りが生じてエネルギー効率が悪いものであった。しかし一方で、高い沸き上げ目標温度の状態が継続する期間を単に短くすると、浴槽水の沸かし直しを頻繁に行うユーザーにおいては、沸き上げ目標温度がすぐに低下してしまって浴槽水の沸かし直しができないまたは時間が掛かりすぎる場合が生じ、使用感の悪化を招くものであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するため、請求項1では、湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンクの湯水を沸き上げ目標温度に沸き上げる加熱手段と、前記貯湯タンク内の湯水によって浴槽水を加熱するふろ熱交換器と、このふろ熱交換器と浴槽を浴槽水を循環可能に接続するふろ循環回路と、浴槽水を前記ふろ熱交換器に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作の実績を所定の保持期間記憶するふろ加熱実績記憶手段と、前記沸き上げ目標温度を低めにする少なめモードと前記沸き上げ目標温度を前記少なめモード時よりも高めにする多めモードのいずれかを設定する沸き上げモード設定手段と、前記沸き上げモード設定手段の設定内容と給湯負荷とに応じて基礎沸き上げ目標温度を決定すると共に、前記ふろ加熱実績記憶手段の記憶内容に応じて前記沸き上げ目標温度を前記基礎沸き上げ目標温度よりも高い規定温度にする沸き上げ温度決定手段とを備え、ろ加熱実績記憶手段は、前記所定の保持期間の長さを前記沸き上げモード設定手段の設定内容に応じて変更するようにした。
【0008】
また、請求項2では、湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンクの湯水を沸き上げ目標温度に沸き上げる加熱手段と、前記貯湯タンク内の湯水によって浴槽水を加熱するふろ熱交換器と、このふろ熱交換器と浴槽を浴槽水を循環可能に接続するふろ循環回路と、浴槽水を前記ふろ熱交換器に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作の実績ありを所定期間記憶すると共に、1回の前記ふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上の大負荷であったことを所定の保持期間記憶するふろ加熱実績記憶手段と、前記沸き上げ目標温度を低めにする少なめモードと前記沸き上げ目標温度を前記少なめモード時よりも高めにする多めモードのいずれかを設定する沸き上げモード設定手段と、前記沸き上げモード設定手段の設定内容と給湯負荷とに応じて基礎沸き上げ目標温度を決定すると共に、前記ふろ加熱実績記憶手段の前記ふろ加熱動作の実績ありの記憶に応じて前記沸き上げ目標温度を前記基礎沸き上げ目標温度より高い第1規定温度にし、前記ふろ加熱実績記憶手段の前記ふろ加熱動作が大負荷であった記憶に応じて前記沸き上げ目標温度を前記第1規定温度より高い第2規定温度にする沸き上げ温度決定手段とを備え、前記ふろ加熱実績記憶手段は、前記所定の保持期間の長さを前記沸き上げモード設定手段の設定内容に応じて変更するようにした。
【0009】
また、請求項3では、請求項1または2のものにおいて、前記少なめモード時の前記所定の保持期間を前記多めモード時の前記所定の保持期間よりも短期間とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、沸き上げモードに応じて沸き上げ目標温度を高くする所定の保持期間を変更し、沸き上げモードが多めモードの時には、沸き上げ目標温度を高くする所定の保持期間を少なめモード時よりも長期間としているので、大きな加熱能力でふろ加熱動作を行え短時間にふろ加熱動作を完了させることができる状態が長く継続して、使用感を向上させることができ、一方、沸き上げモードが少なめモードの時には、沸き上げ目標温度を高くする所定の保持期間を多めモード時よりも短期間としているので、沸き上げ目標温度が短期間で低下して、湯余りの発生を抑制してエネルギー効率を向上させることができる。
【0011】
また、冷めた浴槽水の沸かし直し等の短時間に大きな加熱能力が求められる大負荷のふろ加熱動作が行われた場合は、貯湯タンクに沸き上げる湯の沸き上げ目標温度をさらに高い第2規定温度にするようにしていると共に、沸き上げモードが多めモードの時には、第2規定温度を維持する所定の保持期間を少なめモード時よりも長期間としているので、大きな加熱能力でふろ加熱動作を行え短時間に大負荷のふろ加熱動作を完了させることができる状態が長く継続して、使用感を向上させることができ、一方、沸き上げモードが少なめモードの時には、沸き上げ目標温度を第2規定温度を維持する所定の保持期間を多めモード時よりも短期間としているので、大負荷のふろ加熱動作を頻繁に行わなければ沸き上げ目標温度が短期間で低下して、湯余りの発生を抑制してエネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態の貯湯式風呂給湯装置の概略構成図
【図2】第1実施形態のふろ加熱実績記憶手段の作動を説明するフローチャート
【図3】第1実施形態の沸き上げ動作を説明するフローチャート
【図4】第2実施形態のふろ加熱実績記憶手段の作動を説明するフローチャート
【図5】第2実施形態の沸き上げ動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の第1実施形態の貯湯式風呂給湯装置を図面に基づいて説明する。
1は湯水を貯湯する貯湯タンク、2は貯湯タンク1に給水する給水管、3は給水管2に設けられ給水圧を減圧する減圧弁、4は貯湯タンク1上部から出湯する出湯管、5は出湯管4に設けられ過圧を逃がす過圧逃がし弁、6は減圧弁3の下流側の給水管2から分岐した給水バイパス管、7は出湯管4からの湯水と給水バイパス管6からの水とを混合する給湯混合弁、8は給湯混合弁7からの湯水を給湯する給湯管、9は給湯管8に設けられた給湯温度センサ、10は給湯管8を流れる流量を検出する給湯流量センサ、11は給水温度を検出する給水温度センサ、12は給湯栓である。
【0014】
13は浴槽、14は貯湯タンク1内の上部に設けたふろ熱交換器、15は浴槽13とふろ熱交換器14とを浴槽水が循環可能に接続しているふろ循環回路、16はふろ循環回路15途中に設けられたふろ循環ポンプ、17は浴槽13からふろ熱交換器14へ戻る浴槽水の温度を検出するふろ戻り温度センサ、18はふろ熱交換器14から浴槽13へ往く浴槽水の温度を検出するふろ往き温度センサ、19は浴槽13内の水位を圧力により検出する水位センサ、20は給湯管8から分岐されてふろ循環回路15へ接続された湯張り管、21は湯張り管20の開閉を行う湯張り電磁弁である。
【0015】
22は貯湯タンク1の側面上下に複数設けられ各部の貯湯温度を検出する貯湯温度センサであり、貯湯タンク1上部の貯湯温度を検出する貯湯温度センサ22a、ふろ熱交換器14付近の貯湯温度を検出する貯湯温度センサ22b、ふろ熱交換器14下部の貯湯温度を検出する22c、貯湯タンク1中間部の貯湯温度を検出する22d、貯湯タンク1下部の貯湯温度を検出する22eから構成されている。
【0016】
23は冷媒を圧縮する圧縮機、24は冷媒と湯水を熱交換する給湯熱交換器、25は冷媒を減圧膨張する膨張弁、26は低温冷媒を蒸発させる蒸発器としての空気熱交換器、27は空気熱交換器26に外気を送風する送風ファンであり、これら圧縮機23、給湯熱交換器24、減圧手段25、空気熱交換器26を冷媒配管28で環状に接続し、貯湯タンク1内の湯水を沸き上げ目標温度に沸き上げる加熱手段としてのヒートポンプ式加熱装置29を構成している。
【0017】
30は貯湯タンク1の下部と給湯熱交換器24の入口とを接続し、給湯熱交換器24の出口と貯湯タンク1の上部とを接続する加熱循環回路、31は給湯熱交換器24入口側の加熱循環回路30に設けられ貯湯タンク1下部から取り出した湯水を給湯熱交換器24を介して貯湯タンク1上部に循環させる加熱循環ポンプ、32は給湯熱交換器24に流入する湯水の温度を検出する入水温度センサ、33は給湯熱交換器24から流出する湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ、34は外気温度を検出する外気温センサである。
【0018】
35は給湯温度や各種必要な設定を行うためのリモートコントローラで、給湯設定温度や風呂設定温度を表示する表示部36と、給湯設定温度およびふろ設定温度を設定する温度設定スイッチ37と、浴槽13への所定湯量の湯張りに続いて所定の保温時間だけ保温運転を行わせるフロスイッチ38と、浴槽水を加熱する追焚き動作を行わせる追焚きスイッチ39と、省エネ性を重視して沸き上げ目標温度を低めに設定する少なめモードと使用感を重視して沸き上げ目標温度を少なめモードより高めに設定する多めモードのいずれかを選択する沸き上げモード設定手段としての沸き上げモード設定スイッチ40とを備えている。
【0019】
41はこの貯湯式風呂給湯装置の作動を制御する制御手段で、予め作動を制御するためのプログラムが記憶されていると共に、演算、比較、記憶機能、カウント機能を有し、給湯温度センサ9、給湯流量センサ10、給水温度センサ11、ふろ戻り温度センサ17、ふろ往き温度センサ18、水位センサ19、貯湯温度センサ22a〜e、入水温度センサ32、沸き上げ温度センサ33、外気温センサ34にて検出される値が入力され、給湯混合弁7、ふろ循環ポンプ16、湯張り電磁弁21、圧縮機23、膨張弁25、送風ファン27、加熱循環ポンプ31の駆動を制御し、沸き上げ動作、給湯動作やふろ加熱動作等を制御するもので、リモートコントローラ35と通信可能に接続されているものである。
【0020】
この制御手段41には、浴槽水をふろ熱交換器14に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作の運転実績の有無を所定の保持期間記憶する実績記憶部42を有したふろ加熱実績記憶手段43が設けられ、さらに、ヒートポンプ式加熱装置29で沸き上げて貯湯タンク1に貯湯する湯の目標温度である沸き上げ目標温度を、外気温センサ34で検出した外気温度と、沸き上げモード設定スイッチ40で設定された沸き上げモードと、実績記憶部42の記憶内容とに応じて決定する沸き上げ温度決定手段44が設けられている。
【0021】
そして、実績記憶部42は、ふろ加熱動作が行われた場合、ふろ加熱動作の実績がある旨を所定の保持期間にわたり記憶し、所定の保持期間連続でふろ加熱動作が行われなかった場合に、ふろ加熱動作の実績の記憶をクリアするようにしている。
【0022】
実績記憶部42がふろ加熱実績を記憶する所定の保持時間は、沸き上げモードに応じて決定されるようにしており、ここでは、沸き上げモードが少なめモードの時は、所定の保持期間を例えば3日間とし、沸き上げモードが多めモードの時は、所定の保持期間を少なめモードの時よりも長い例えば7日間としている。
【0023】
沸き上げ温度決定手段44は、実績記憶部42が実績ありを記憶していない場合は、給湯負荷に応じた基礎沸き上げ目標温度を沸き上げ目標温度として決定し、実績記憶部42が実績ありを記憶している場合は、給湯負荷を加味して上で基礎沸き上げ目標温度より高い規定温度を沸き上げ目標温度として決定するもので、外気温度とふろ加熱実績の有無とに応じた沸き上げ目標温度の関係をテーブルデータとして予め記憶しており、ふろ加熱実績がない場合には、給湯負荷に応じた、ここでは外気温度に応じた基礎沸き上げ目標温度を、ふろ加熱実績ありの場合には、さきの基礎沸き上げ目標温度より高く、かつ給湯負荷に応じた、ここでは外気温度に応じた所定の規定温度を沸き上げ目標温度とするようにしている。
【0024】
次に、給湯栓12が開かれ、給湯流量センサ10が給湯開始と見なせる量以上の流量を検出すると、制御手段41は給湯温度センサ9で検出する給湯温度がリモートコントローラ35で設定した給湯設定温度となるように給湯混合弁9の開度を調節し、出湯管4からの湯と給水バイパス管6からの水とを混合して給湯設定温度の湯を給湯する。
【0025】
また、リモートコントローラ35のフロスイッチ38がオンされた場合について説明すると、制御手段41は湯張り電磁弁21を開き、給湯温度センサ9で検出する給湯温度がリモートコントローラ35で設定したふろ設定温度となるように給湯混合弁7の開度を調節してふろ設定温度の湯を湯張りし、給湯流量センサ10が検出する湯張り電磁弁21を開いてからの流量積算値が予めリモートコントローラ35等で設定した湯張り湯量に達すると湯張り電磁弁21を閉じる。
【0026】
そして、湯張り運転を完了すると制御手段41は所定の保温時間(例えば2時間)の保温運転を行う。この保温運転では、定期的にふろ循環ポンプ16を駆動して浴槽水温度をチェックし、ふろ設定温度未満であればふろ加熱要求ありとしてふろ設定温度まで加熱するようにしている。なお、湯張り運転の完了から所定の保温時間が経過すると、浴槽水の保温運転を行わないようにしている。
【0027】
また、リモートコントローラ35の追焚きスイッチ39がオンされると、制御手段41は、ふろ加熱要求ありとしてふろ設定温度まで加熱する追焚き運転を行うようにしており、保温運転あるいは追焚き運転によってふろ加熱要求が発生すると、ふろ循環ポンプ16を駆動開始し、浴槽水をふろ熱交換器14に循環させて、貯湯タンク1内の貯湯熱によって浴槽水を加熱するふろ加熱動作を開始すると共に、実績記憶部42はふろ加熱実績ありを記憶し、そして、ふろ戻り温度センサ17がふろ設定温度以上を検出すると、ふろ循環ポンプ16を駆動停止してふろ加熱動作を終了する。
【0028】
ここで、ふろ加熱動作が終了する前に、貯湯温度センサ22で検出する貯湯熱量が担保熱量未満まで減少すると、ここでは貯湯温度センサ22cが担保温度(ここでは50℃)未満を検出すると、貯湯熱量が担保熱量未満まで減少したと見なして、ヒートポンプ式加熱装置29を駆動開始しして所定熱量または所定時間の沸き上げを行う沸き増し運転を行う。なお、この沸き増し運転は、ふろ加熱動作の開始や停止に関係なく、貯湯熱量が担保熱量未満を検出した時点で開始されるようにしているものである。
【0029】
次に、ふろ加熱実績記憶手段43の作動について、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
ふろ加熱実績記憶手段43はふろ加熱要求の発生を常に監視しており、ふろ加熱要求が発生すると(ステップS1でYes)、実績記憶部42にふろ加熱実績ありの旨を記憶させる(ステップS2)。
【0030】
そして、ふろ加熱実績記憶手段43は、沸き上げモード設定スイッチ40で設定されている沸き上げモードが少なめモードであると(ステップS3で少なめ)、ふろ加熱実績ありの記憶を継続する所定の保持期間を3日間に設定し(ステップS4)、一方、沸き上げモードが多めモードであると(ステップS3で多め)、ふろ加熱実績ありの記憶を継続する所定の保持期間を7日間に設定し(ステップS5)、保持期間のカウントをカウントする。
【0031】
次に、ふろ加熱実績記憶手段43は、保持期間のカウントがステップS4またはステップS5で設定した期間を経過したかどうかを判別し(ステップS6)、保持期間が経過していなければ(ステップS6でNo)、ステップS1へ戻り、再度ふろ加熱要求の発生を監視する。
【0032】
ふろ加熱要求がなければ(ステップS1でNo)、ステップS7へ進み、実績記憶部42でふろ加熱実績ありの記憶があるか否かを判別し、ここでは、ふろ加熱実績ありなのでステップS7でYesとなって、ステップS6へ進んで保持期間の経過を判別する。
【0033】
保持期間が経過する前に再度ふろ加熱要求が発生すると(ステップS1でYes)、ふろ加熱実績記憶手段43は、実績記憶部42にふろ加熱実績ありの旨を改めて記憶させ(ステップS2)、沸き上げモードに応じた所定の保持期間を設定し直す(ステップS3からステップS4またはステップS5)。
【0034】
そして、ふろ加熱要求が発生しないまま所定の保持期間が経過すると(ステップS6でYes)、ふろ加熱実績記憶手段43は、実績記憶部42の記憶内容をクリアし(ステップS8)、再度ステップS1へ戻り、ふろ加熱要求の発生を監視するようにしている。
【0035】
次に、電力料金単価の安価な深夜の沸き上げ動作について、図3のフローチャートに基づいて説明する。ここでは、一例として23時から翌朝7時までの深夜時間帯がそれ以外の昼間時間帯よりも電力料金単価が安価な料金制度に基づいて説明するが、これに限られず、例えば22時から翌朝8時までを安価な深夜時間帯とする料金制度でもよいものである。
【0036】
現在時刻が23時になると(ステップS11でYes)、ステップS12へ進み、沸き上げ温度決定手段44は沸き上げ目標温度を決定する。このステップS12では、沸き上げ温度決定手段44は、外気温センサ34で検出した外気温度の平均値と、実績記憶部42の記憶内容ととからテーブルデータに基づき沸き上げ目標温度を決定する。
【0037】
ここでは、沸き上げ温度決定手段44は、実績記憶部42にふろ加熱実績ありが記憶されていない場合には、外気温度が15℃未満であると基礎沸き上げ目標温度の70℃を沸き上げ目標温度とし、外気温度が15℃以上であると基礎沸き上げ目標温度の65℃を沸き上げ目標温度とする。
【0038】
また、実績記憶部42にふろ加熱実績ありが記憶されている場合には、沸き上げ温度決定手段44は、外気温度が15℃未満であると基礎沸き上げ目標温度(70℃)より高い規定温度の75℃を沸き上げ目標温度とし、外気温度が15℃以上であると基礎沸き上げ目標温度(65℃)より高い規定温度の70℃を沸き上げ目標温度として決定する。
【0039】
そして、制御手段41は、翌日に必要な貯湯熱量を沸き上げるのに必要な時間を算出し、この時間を深夜時間帯の終了時刻である7時から逆算して沸き上げ開始する時刻(ピークシフト時刻)を算出する(ステップS13)。
【0040】
次に、現在時刻がピークシフト時刻となると(ステップS14でYes)、前記ステップS12で決定した沸き上げ目標温度での沸き上げ動作を開始すべく、ヒートポンプ式加熱装置29を駆動開始する(ステップS15)。
【0041】
そして、貯湯温度センサ22eまたは入水温度センサ32がそれぞれ規定の温度以上を検出して貯湯タンク1が満タンになるか(ステップS16でYes)、現在時刻が深夜時間帯の終了時刻である7時に到達すると(ステップS17でYes)、ヒートポンプ式加熱手段29を駆動停止して沸き上げ動作を終了する(ステップS18)。
【0042】
このように、沸き上げモードが多めモードの時には、沸き上げ目標温度を高くする所定の保持期間を少なめモード時よりも長期間としているので、大きな加熱能力でふろ加熱動作を行え短時間にふろ加熱動作を完了させることができる状態が長く継続して、使用感を向上させることができ、一方、沸き上げモードが少なめモードの時には、沸き上げ目標温度を高くする所定の保持期間を多めモード時よりも短期間としているので、沸き上げ目標温度が短期間で低下して、湯余りの発生を抑制してエネルギー効率を向上させることができる。また、沸き上げ目標温度が低下することでヒートポンプ式加熱装置29での加熱効率が向上し、さらなるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0043】
また、外気温度が高い場合は、沸き上げ目標温度を低めに決定し、外気温度が低い場合は沸き上げ目標温度を高めに決定するため、給湯負荷が少ない時には放熱ロスを低減すると共に、ヒートポンプ式加熱手段29での加熱効率を向上させることができ、さらには使用感を損なうことなく湯余りや湯切れの発生を防止することができる。
【0044】
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
この制御手段41には、浴槽水をふろ熱交換器14に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作の運転実績の有無を所定期間記憶する実績記憶部42と、1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷であったことを所定の保持期間記憶する大負荷記憶部45と、を有したふろ加熱実績記憶手段43が設けられ、さらに、ヒートポンプ式加熱装置29で沸き上げて貯湯タンク1に貯湯する湯の目標温度である沸き上げ目標温度を、沸き上げモード設定スイッチ40で設定された沸き上げモードと、実績記憶部42の記憶内容と、大負荷記憶部45の記憶内容とに応じて決定する沸き上げ温度決定手段44が設けられている。
【0046】
そして、実績記憶部42は、ふろ加熱動作が行われた場合、ふろ加熱動作の実績がある旨を所定期間にわたり記憶し、所定期間連続でふろ加熱動作が行われなかった場合に、ふろ加熱動作の実績の記憶をクリアするようにしており、また、大負荷記憶部45は、ふろ加熱動作開始時にふろ戻り温度センサ17で検出するふろ戻り温度とふろ設定温度との差が所定温度差(ここでは5℃)以上あると、1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷であると判定し、その旨を所定の保持期間にわたり記憶し、所定の保持期間連続で、ふろ加熱動作が行われないか、ふろ加熱動作が行われても大負荷でなかった場合に、大負荷である旨の記憶をクリアするようにしている。
【0047】
大負荷記憶部45が大負荷であった旨を記憶する所定の保持時間は、沸き上げモードに応じて決定されるようにしており、ここでは、沸き上げモードが少なめモードの時は、所定の保持期間を例えば当日(大負荷と判定されてから深夜の沸き上げ開始時刻までの期間)のみとし、沸き上げモードが多めモードの時は、所定の保持期間を少なめモードの時よりも長い期間、例えば3日間(大負荷と判定されてから3日目の深夜の沸き上げ開始時刻までの期間)としている。なお、ここでは、実績記憶部42がふろ加熱実績ありを記憶する所定期間を、沸き上げモードの種類に関わらず所定の保持期間よりも長い一定期間(例えば7日間)に固定している。
【0048】
また、制御手段41には、1日の間に貯湯タンク1から給湯された給湯熱量を検出する給湯熱量積算手段46が設けられており、ここでは、給湯流量センサ10からの流量と給水温度センサ11で検出する給水温度と給湯設定温度とから給湯動作毎の給湯熱量を算出、積算して記憶している。
【0049】
沸き上げ温度決定手段44は、給湯熱量積算手段46で積算された1日の給湯熱量と沸き上げモード設定スイッチ40で設定されている沸き上げモードから基礎沸き上げ目標温度Tsを決定するようにしており、ここでは、沸き上げ温度決定手段44は、沸き上げモードが少なめモードに設定されている場合は、給湯熱量算出手段46で積算された1日の給湯熱量に少なめに設定された余裕熱量を加算した値から基礎沸き上げ目標温度Tsを算出し、沸き上げモードが多めモードに設定されている場合は、給湯熱量算出手段46で積算された1日の給湯熱量に多めに設定された余裕熱量を加算した値から基礎沸き上げ目標温度Tsを算出するようにしている。
【0050】
また、沸き上げ温度決定手段44は、実績記憶部42が実績ありを記憶していない、かつ大負荷記憶部45が大負荷である旨を記憶していない場合は、給湯負荷に応じた基礎沸き上げ目標温度を沸き上げ目標温度Tsとして決定し、実績記憶部42が実績ありを記憶している、かつ大負荷記憶部45が大負荷である旨を記憶していない場合は、給湯負荷を加味した上で基礎沸き上げ目標温度Tsより高い第1規定温度(ここでは、第1の所定温度α(ここでは5℃)を基礎沸き上げ目標温度Tsに加算した温度)を沸き上げ目標温度として決定し、実績記憶部42が実績ありを記憶している、かつ大負荷記憶部45が大負荷である旨を記憶している場合は、給湯負荷を加味した上で第1規定温度より高い第2規定温度(基礎沸き上げ目標温度Tsに第1の所定温度α(ここでは5℃)と第2の所定温度β(ここでは3℃)を加算した温度)を沸き上げ目標温度として決定するようにしている。
【0051】
また、リモートコントローラ35の追焚きスイッチ39がオンされると、制御手段41は、ふろ加熱要求ありとしてふろ設定温度まで加熱する追焚き運転を行うようにしており、保温運転あるいは追焚き運転によってふろ加熱要求が発生すると、ふろ循環ポンプ16を駆動開始し、浴槽水をふろ熱交換器14に循環させて、貯湯タンク1内の貯湯熱によって浴槽水を加熱するふろ加熱動作を開始すると共に、実績記憶部42はふろ加熱実績ありを記憶する。
【0052】
このふろ加熱動作中に、ふろ戻り温度センサ17で検出するふろ戻り温度とふろ設定温度との差が所定温度差(ここでは5℃)以上あるかどうかを判定し、所定温度差以上であると、大負荷記憶部45は大負荷であった旨を記憶する。そして、ふろ戻り温度センサ17がふろ設定温度以上を検出すると、ふろ循環ポンプ16を駆動停止してふろ加熱動作を終了する。
【0053】
ここで、ふろ加熱動作が終了する前に、貯湯温度センサ22で検出する貯湯熱量が担保熱量未満まで減少すると、ここでは貯湯温度センサ22cが担保温度(ここでは50℃)未満を検出すると、貯湯熱量が担保熱量未満まで減少したと見なして、ヒートポンプ式加熱装置29を駆動開始しして所定熱量または所定時間の沸き上げを行う沸き増し運転を行う。なお、この沸き増し運転は、ふろ加熱動作の開始や停止に関係なく、貯湯熱量が担保熱量未満を検出した時点で開始されるようにしているものである。
【0054】
次に、ふろ加熱実績記憶手段43の作動について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
ふろ加熱実績記憶手段43は1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷であるかどうかを常に監視しており、ふろ加熱要求が発生してその回の1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上であると判定すると(ステップS21でYes)、大負荷記憶部45に大負荷であった旨を記憶させる(ステップS22)。
【0055】
そして、ふろ加熱実績記憶手段43は、沸き上げモード設定スイッチ40で設定されている沸き上げモードが少なめモードであると(ステップS23で少なめ)、大負荷の記憶を継続する所定の保持期間を当日のみに設定し(ステップS24)、一方、沸き上げモードが多めモードであると(ステップS23で多め)、大負荷の記憶を継続する所定の保持期間を3日間に設定し(ステップS25)、保持期間のカウントをカウントする。
【0056】
次に、ふろ加熱実績記憶手段43は、保持期間のカウントがステップS24またはステップS25で設定した期間を経過したかどうかを判別し(ステップS26)、保持期間が経過していなければ(ステップS26でNo)、ステップS21へ戻り、再度1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷であるかどうかを監視する。
【0057】
ふろ加熱要求があっても1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷でなければ(ステップS21でNo)、ステップS27へ進み、大負荷記憶部45で大負荷の記憶があるか否かを判別し、ここでは、大負荷の記憶ありなのでステップS27でYesとなって、ステップS26へ進んで保持期間の経過を判別する。
【0058】
保持期間が経過する前に再度ふろ加熱要求が発生して1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷であると判定すると(ステップS21でYes)、ふろ加熱実績記憶手段43は、大負荷記憶部45に大負荷の旨を改めて記憶させ(ステップS22)、沸き上げモードに応じた所定の保持期間を設定し直す(ステップS23からステップS24またはステップS25)。
【0059】
そして、ふろ加熱要求が発生しないまま所定の保持期間が経過するか、ふろ加熱要求が発生しても1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷でなければ(ステップS26でYes)、ふろ加熱実績記憶手段43は、大負荷記憶部45の記憶内容をクリアし(ステップS28)、再度ステップS21へ戻り、1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷であるかどうかを監視するようにしている。
【0060】
次に、電力料金単価の安価な深夜の沸き上げ動作について、図5のフローチャートに基づいて説明する。現在時刻が23時になると(ステップS31でYes)、沸き上げ温度決定手段42は給湯熱量積算手段46で記憶している当日の給湯熱量と、沸き上げモードとから基礎沸き上げ目標温度Tsを算出する(ステップS32)。ここでは、給湯熱量に沸き上げモードに応じた余裕分を加算した値を貯湯タンク1の容量で除した値に給水温度を加算して基礎沸き上げ目標温度Tsを算出している。
【0061】
次に、沸き上げ温度決定手段42は、実績記憶部42がふろ加熱実績ありを記憶しているか否かを判別し、実績ありを記憶していれば(ステップS33でYes)、大負荷記憶部45が大負荷であったことを記憶しているか否かを判別し、大負荷であった旨を記憶していれば(ステップS34でYes)、ステップS32で算出した基礎沸き上げ目標温度Tsの値に第1の所定温度αと第2の所定温度βを加算した値を沸き上げ目標温度として決定する(ステップS35)。
【0062】
一方、ステップS33で、実績記憶部42がふろ加熱実績ありを記憶していなければ、ステップS32で算出した基礎沸き上げ目標温度Tsの値を沸き上げ目標温度として決定する(ステップS36)。また、ステップS34で、大負荷であった旨が記憶されていない場合は、ステップS32で算出した基礎沸き上げ目標温度Tsの値に第1の所定温度αのみを加算した値を沸き上げ目標温度として決定する(ステップS37)。
【0063】
そして、制御手段41は、給湯熱量に沸き上げモードに応じた余裕分を加算した値をヒートポンプ式加熱装置29の定格加熱能力で除して、翌日に必要な貯湯熱量を沸き上げるのに必要な時間を算出し、この時間を深夜時間帯の終了時刻である7時から逆算して沸き上げ開始する時刻(ピークシフト時刻)を算出する(ステップS38)。
【0064】
次に、現在時刻がピークシフト時刻となると(ステップS39でYes)、前記ステップS35、ステップS36またはステップS37の何れかのステップで決定した沸き上げ目標温度での沸き上げ動作を開始すべく、ヒートポンプ式加熱装置29を駆動開始する(ステップS40)。
【0065】
そして、貯湯温度センサ22eまたは入水温度センサ32がそれぞれ規定の温度以上を検出して貯湯タンク1が満タンになるか(ステップS41でYes)、現在時刻が深夜時間帯の終了時刻である7時に到達すると(ステップS42でYes)、ヒートポンプ式加熱装置29を駆動停止して沸き上げ動作を終了する(ステップS43)。
【0066】
このように、大負荷のふろ加熱動作が行われず、保温動作のような昇温幅の小さなふろ加熱動作しか行われない場合には、貯湯タンク1に沸き上げる湯の沸き上げ目標温度をふろ加熱実績がない時の基礎沸き上げ目標温度より高い第1規定温度として必要最小限に抑えてむやみに上げてしまうことがなく、必要なふろ加熱能力を確保することができると共に、貯湯タンク1内の湯が使われることなく余る湯余りの発生を抑制することができ、さらには、ヒートポンプ式加熱装置29での加熱効率の悪化を防止することができる。
【0067】
冷めた浴槽水の沸かし直し等の短時間に大きな加熱能力が求められる大負荷のふろ加熱動作が行われた場合は、保温動作のような昇温幅の小さなふろ加熱動作しか行われない場合に比べて貯湯タンク1に沸き上げる湯の沸き上げ目標温度を第1規定温度より高い第2規定温度まで高めるようにしているため、大負荷のふろ加熱動作を頻繁に利用する場合は、大きな加熱能力でふろ加熱動作を行え、短時間にふろ加熱動作を完了させることができ、使用感を向上させることができる。
【0068】
また、ふろ加熱動作が全く行われなかった場合には、給湯負荷に応じた基礎沸き上げ目標温度を沸き上げ目標温度として低めの温度とするので、ヒートポンプ式加熱装置29での加熱効率を向上させることができると共に、湯余りの発生を抑制できる。
【0069】
そして、冷めた浴槽水の沸かし直し等の短時間に大きな加熱能力が求められる大負荷のふろ加熱動作が行われた場合は、貯湯タンクに沸き上げる湯の沸き上げ目標温度をさらに高い第2規定温度にするようにしていると共に、沸き上げモードが多めモードの時には、第2規定温度を維持する所定の保持期間を少なめモード時よりも長期間としているので、大きな加熱能力でふろ加熱動作を行え短時間に大負荷のふろ加熱動作を完了させることができる状態が長く継続して、使用感を向上させることができ、一方、沸き上げモードが少なめモードの時には、沸き上げ目標温度を第2規定温度を維持する所定の保持期間を多めモード時よりも短期間としているので、大負荷のふろ加熱動作を頻繁に行わなければ沸き上げ目標温度が短期間で低下して、湯余りの発生を抑制してエネルギー効率を向上させることができる。また、沸き上げ目標温度が低下することでヒートポンプ式加熱装置29での加熱効率が向上し、さらなるエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0070】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、例えば、ふろ熱交換器14をプレート式熱交換器等の一次流路と二次流路とを有した構成として貯湯タンク1の外部に設け、貯湯タンク1から取り出した湯水をふろ熱交換器の一次流路に流通させ、浴槽水をふろ熱交換器の二次流路に流通させるようにしてもよい。
【0071】
また、貯湯タンク1内の湯水を沸き上げる加熱手段としてヒートポンプ式加熱装置29を例示して説明したが、これに限らず、例えば貯湯タンク1内に電熱ヒータを配置した構成の加熱手段としてもよい。
【0072】
また、給湯負荷に応じて基礎沸き上げ目標温度を決めるにあたり、給湯負荷を外気温度から類推した構成と、実際に給湯した熱量を計測する構成を例示して説明したが、これに限らず、例えば、1日のヒートポンプ式加熱装置29による加熱熱量の積算値から深夜時間帯の開始時刻での貯湯熱量を減算して求めた給湯熱量から基礎沸き上げ目標温度を決めたりしてもよい。
【0073】
また、第2実施形態において、1回のふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上である大負荷であったことを、ふろ戻り温度センサ17で検出するふろ戻り温度とふろ設定温度との差が所定温度差(ここでは5℃)以上あるかどうかで判別するようにしているが、これに限らず、例えば、ふろ戻り温度センサ17で検出するふろ加熱動作開始時の浴槽水温度が所定戻り温度以下であると大負荷であると判定するようにしたり、ふろ設定温度とふろ戻り温度と浴槽内の湯量とから算出した熱量が所定熱量以上であると大負荷であると判定するようにしたり、ふろ加熱動作に寄与可能な貯湯熱量が所定値以上ある状態で、ふろ加熱動作開始後のふろ往き温度センサ18で検出するふろ往き温度が所定往き温度以下であったり、ふろ加熱動作の継続時間が所定時間以上となると大負荷であると判定するようにしたり、ふろ加熱動作時のふろ加熱能力を算出して算出したふろ加熱能力が所定能力以上であると大負荷であると判定するしてもよいものである。
【0074】
また、第2実施形態では、実績記憶部42がふろ加熱実績を記憶する所定期間を固定期間としていたが、第1実施形態と同じように沸き上げモードに応じて変更するようにしてもよく、その場合、大負荷記憶部45が大負荷である旨を記憶する所定の保持期間よりもそれぞれの沸き上げモードにおいて長期間となるようにすることが望ましいものである。
【符号の説明】
【0075】
1 貯湯タンク
13 浴槽
14 ふろ熱交換器
15 ふろ循環回路
29 ヒートポンプ式加熱装置(加熱手段)
40 沸き上げモード設定スイッチ(沸き上げモード設定手段)
42 実績記憶部
43 ふろ加熱実績記憶手段
44 沸き上げ温度決定手段
45 大負荷記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンクの湯水を沸き上げ目標温度に沸き上げる加熱手段と、前記貯湯タンク内の湯水によって浴槽水を加熱するふろ熱交換器と、このふろ熱交換器と浴槽を浴槽水を循環可能に接続するふろ循環回路と、
浴槽水を前記ふろ熱交換器に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作の実績を所定の保持期間記憶するふろ加熱実績記憶手段と、
前記沸き上げ目標温度を低めにする少なめモードと前記沸き上げ目標温度を前記少なめモード時よりも高めにする多めモードのいずれかを設定する沸き上げモード設定手段と、
前記沸き上げモード設定手段の設定内容と給湯負荷とに応じて基礎沸き上げ目標温度を決定すると共に、前記ふろ加熱実績記憶手段の記憶内容に応じて前記沸き上げ目標温度を前記基礎沸き上げ目標温度よりも高い規定温度にする沸き上げ温度決定手段とを備え、
前記ふろ加熱実績記憶手段は、前記所定の保持期間の長さを前記沸き上げモード設定手段の設定内容に応じて変更するようにしたことを特徴とする貯湯式風呂給湯装置。
【請求項2】
湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンクの湯水を沸き上げ目標温度に沸き上げる加熱手段と、前記貯湯タンク内の湯水によって浴槽水を加熱するふろ熱交換器と、このふろ熱交換器と浴槽を浴槽水を循環可能に接続するふろ循環回路と、
浴槽水を前記ふろ熱交換器に循環させて浴槽水をふろ設定温度に加熱するふろ加熱動作の実績ありを所定期間記憶すると共に、1回の前記ふろ加熱動作における必要熱量が所定熱量以上の大負荷であったことを所定の保持期間記憶するふろ加熱実績記憶手段と、
前記沸き上げ目標温度を低めにする少なめモードと前記沸き上げ目標温度を前記少なめモード時よりも高めにする多めモードのいずれかを設定する沸き上げモード設定手段と、
前記沸き上げモード設定手段の設定内容と給湯負荷とに応じて基礎沸き上げ目標温度を決定すると共に、前記ふろ加熱実績記憶手段の前記ふろ加熱動作の実績ありの記憶に応じて前記沸き上げ目標温度を前記基礎沸き上げ目標温度より高い第1規定温度にし、前記ふろ加熱実績記憶手段の前記ふろ加熱動作が大負荷であった記憶に応じて前記沸き上げ目標温度を前記第1規定温度より高い第2規定温度にする沸き上げ温度決定手段とを備え、
前記ふろ加熱実績記憶手段は、前記所定の保持期間の長さを前記沸き上げモード設定手段の設定内容に応じて変更するようにしたことを特徴とする貯湯式風呂給湯装置。
【請求項3】
前記少なめモード時の前記所定の保持期間を前記多めモード時の前記所定の保持期間よりも短期間としたことを特徴とする請求項1または2記載の貯湯式風呂給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−207806(P2012−207806A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71460(P2011−71460)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】