説明

貯湯装置

【課題】接続口への配管接続が容易に行われる貯湯装置を提供する。
【解決手段】湯水を貯湯する貯湯タンク2と、該貯湯タンク2を収納したタンクユニット1と、前記貯湯タンク2に接続された給水や給湯などの内部配管47とタンクユニット1外の外部配管48とを接続する複数の接続口49と、該接続口49を固定するタンクユニット1内を横断して水平に設けられた板状の接続口取付金具46とを備えたもので、前記接続口取付金具46には、底部を凹まし上部に突出する多角形状の座押し部50が形成され、この座押し部50には接続口49の管部51が底部から挿通する挿通穴52が設けられ、更に座押し部50には接続口49の同形状の座部53が嵌り込んだ状態で、該接続口49がネジ54でこの接続口取付金具46に固定されるので、座押し部50が回り止めとなって接続口49への配管接続が容易に行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、湯水を貯湯する貯湯タンクを有する貯湯装置に於いて、タンクユニット内の内部配管とタンクユニット外の外部配管とを結ぶ接続口の取付に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の貯湯装置では、貯湯タンクを収納したタンクユニット内の内部配管と、給湯管や給水管、ヒーポン循環回路や風呂循環回路を内部配管と接続して構成する外部配管とは、前記タンクユニットの正面下部に備えられた接続口を介して連結されるものであった。(特許文献1参照。)
【0003】
しかしながらこの従来の接続口では、図5に図示したように、ダボ101やパッキン102を備えることで、接続口103の回動を防止しようとするものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4037782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来のものは、ダボ101に接続口103が乗り上げて回ってしまったり、パッキン102を付けることによって、工数の増加やコストアップを招くと言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、湯水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを収納したタンクユニットと、前記貯湯タンクに接続された給水や給湯などの内部配管とタンクユニット外の外部配管とを接続する複数の接続口と、該接続口を固定するタンクユニット内を横断して水平に設けられた板状の接続口取付金具とを備えたものに於いて、前記接続口取付金具には、底部を凹まし上部に突出する多角形状の座押し部が形成され、この座押し部には接続口の管部が底部から挿通する挿通穴が設けられ、更に座押し部には接続口の同形状の座部が嵌り込んだ状態で、該接続口がネジでこの接続口取付金具に固定されるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、同一形状の凹ましに座部が嵌り込むことで、接続口の回り止めが確実に行われ、該接続口の取付がスムーズに行われるものであり、工数や部品を増やすことなく、極めて簡単な構成で実現出来、常に安心して使用出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施形態の貯湯装置の概略構成図。
【図2】同一実施形態の要部の説明図。
【図3】同一実施形態の要部の底面図。
【図4】図3のA−A線拡大断面図。
【図5】従来の同要部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次にこの発明の一実施形態について説明すると、この貯湯装置は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した湯水を給湯に用いるもので、1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を収納したタンクユニット、3は貯湯タンク2内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、4は台所や洗面所等に設けられた給湯栓、5はこの貯湯装置を遠隔操作するリモコン、6は浴槽である。
【0010】
前記タンクユニット1の貯湯タンク2は、上端に出湯管7と、下端に給水管8とが接続され、更に下部にヒーポン循環回路を構成するヒーポン往き管9と、上部にヒーポン循環回路を構成するヒーポン戻り管10とが接続され、前記ヒートポンプユニット3によってヒーポン往き管9から取り出した貯湯タンク2内の湯水を沸き上げてヒーポン戻り管10から貯湯タンク2内に戻して貯湯され、給水管8からの給水により貯湯タンク2内の湯水が押し上げられて貯湯タンク2内上部の高温水が出湯管7から押し出されて給湯されるものである。
【0011】
前記ヒートポンプユニット3は、圧縮機11と凝縮器としての冷媒水熱交換器12と電子膨張弁13と強制空冷式の蒸発器14とで構成されたヒートポンプ回路15と、貯湯タンク2内の湯水を前記ヒーポン往き管9およびヒーポン戻り管10を介して冷媒水熱交換器12に循環させるヒーポン循環ポンプ16と、それらの駆動を制御するヒーポン制御部17とを備えており、ヒートポンプ回路15内には冷媒として二酸化炭素が用いられて超臨界ヒートポンプサイクルを構成しているものである。なお、冷媒に二酸化炭素を用いているので、低温水を電熱ヒータなしで約90℃の高温まで沸き上げることが可能なものである。
【0012】
ここで、前記冷媒水熱交換器12は冷媒と被加熱水たる貯湯タンク2内の湯水とが対向して流れる対向流方式を採用しており、超臨界ヒートポンプサイクルでは熱交換時において冷媒は超臨界状態のまま凝縮されるため効率良く高温まで被加熱水を加熱することが出来、被加熱水の冷媒水熱交換器12入口温度と冷媒の出口温度との温度差が一定になるように前記電子膨張弁12または圧縮機11を制御することで、COP(エネルギー消費効率)がとても良い状態で被加熱水を加熱することが可能なものである。
【0013】
次に、18は前記浴槽6の湯水を加熱するためのステンレス製の蛇管よりなる熱交換器で、貯湯タンク2内の上部に配置されていると共に、この熱交換器18には風呂往き管19および風呂循環ポンプ20を備えた風呂戻り管21よりなる風呂循環回路22が接続されて浴槽6の湯水が循環可能にされ、浴槽6内の湯水が貯湯タンク2内の高温水により加熱されて風呂の保温或いは風呂の追い焚きが行われるものである。
【0014】
23は風呂戻り管21を介して熱交換器18に流入する浴槽水の温度を検出する風呂戻り温度センサ、24は熱交換器18を流出して風呂往き管19を介して浴槽6へ流れる浴槽水の温度を検出する風呂往き温度センサである。25は風呂戻り管21に設けられた水位センサで、風呂循環口26から上の浴槽水位を検出するものである。
【0015】
27は出湯管7からの湯と給水管8から分岐された給水バイパス管28からの低温水を混合する電動ミキシング弁より構成された給湯混合弁であり、その下流の給湯管29に設けた給湯温度センサ30で検出した湯温がリモコン5でユーザーが設定した給湯設定温度になるように混合比率が制御されるものである。
【0016】
31は給湯管29から分岐されて風呂戻り管21に連通された湯張り管で、この湯張り管31には、浴槽6への湯張りの開始/停止を行う湯張り弁32と、浴槽6への湯張り量をカウントする風呂流量カウンタ33と、浴槽水が給湯管29へ逆流するのを防止する逆止弁34とが設けられているものである。
【0017】
35は貯湯タンク2の上下方向に複数個配置された貯湯温度センサで、この実施形態では5つの貯湯温度センサが配置され上から35a、35b、35c、35d、35eと呼び、この貯湯温度センサ35が検出する温度情報によって、貯湯タンク2内にどれだけの熱量が残っているかを検知し、そして貯湯タンク2内の上下方向の温度分布を検知するものである。
【0018】
前記リモコン5には、給湯設定温度を設定する給湯温度設定スイッチ36、および風呂設定温度を設定する風呂温度設定スイッチ37がそれぞれ設けられていると共に、浴槽6へ風呂設定温度の湯をリモコン5の湯張り量設定スイッチ(図示せず)で設定された湯張り量だけ湯張りし所定時間保温させる風呂自動スイッチ38と、浴槽水を追い焚きさせる追い焚きスイッチ39が設けられているものである。
【0019】
40はタンクユニット1内の各センサの入力を受け各アクチュエータの駆動を制御するマイコンを有し制御部を構成する給湯制御部である。この給湯制御部40に前記リモコン5が無線または有線により接続されユーザーが任意の給湯設定温度および風呂設定温度を設定できるようにしているものである。
【0020】
なお、41は貯湯タンク2の過圧を逃す過圧逃し弁、42は給水の圧力を減圧する減圧弁、43は給湯する湯水の量をカウントする給湯流量カウンタ、44は給水の温度を検出する給水温度センサ、45は風呂循環回路22に備えられた電動三方弁である。
【0021】
46はタンクユニット1内を横断して水平に設けられた板状で外枠の一部を構成する接続口取付金具で、給湯混合弁27を有する給湯管29、貯湯タンク2底部に連通した給水管8、ヒーポン往き管9、ヒーポン戻り管10、風呂往き管19、風呂戻り管21などのタンクユニット1内の内部配管47と、これらのタンクユニット1外の外部配管48とを接続する接続口49が備えられている。
【0022】
更にこの接続口取付金具46には、底部を凹まし上部に突出する5角形状の座押し部50が複数形成され、各座押し部50の中央部には接続口49から上部に突出した接続用の管部51が挿通する挿通穴52が設けられており、接続口49は挿通穴52に管部51を通し、座押し部50と同形状で稍小形の座部53が該座押し部50に嵌り込んだ状態で、3本のネジ54で接続口取付金具46に固定されることにより取付られるものである。
【0023】
次にこの状態の接続口49に内部配管47と外部配管48を接続するのであるが、接続口49は座部53が座押し部50に嵌り込んでいることにより、強力な回り止めとなり、配管の接続作業が容易に行われるものであり、簡単な構造で部品点数を増やすことなく安価な回り止めを提供出来、しかも座押し部50は接続口取付金具46の上部に突出しているので、上面で水漏れが発生しても突出部分が堰の役目を果たし、タンクユニット1外への水漏れを防止することが出来るものである。
【0024】
次にこのように配管接続が完了した後は、まず、深夜電力時間帯になって貯湯温度センサ35が貯湯タンク2内に翌日に必要な熱量が残っていないことを検出すると、給湯制御部40はヒーポン制御部17に対して沸き上げ開始指令を発する。指令を受けたヒーポン制御部17は圧縮機11を起動した後にヒーポン循環ポンプ16を駆動開始し、貯湯タンク2下部に接続されたヒーポン往き管9から取り出した5〜20℃程度の低温水を冷媒水熱交換器12で70〜90℃程度の高温に加熱し、貯湯タンク2上部に接続されたヒーポン戻り管10から貯湯タンク2内に戻し、貯湯タンク2の上部から順次積層して高温水を貯湯していく。貯湯温度センサ35が必要な熱量が貯湯されたことを検出すると、給湯制御部40はヒーポン制御部17に対して沸き上げ停止指令を発し、ヒーポン制御部17は圧縮機11を停止すると共にヒーポン循環ポンプ16も停止して沸き上げ動作を終了するものである。
【0025】
次に、給湯運転について説明すると、給湯栓4を開くと、給水管8からの給水が貯湯タンク2内に流れ込む。そして貯湯タンク2に貯められた高温水が出湯管7を介して給湯混合弁27へ流入し、給水バイパス管28からの低温水と混合され、給湯制御部40により給湯混合弁27の混合比率が調整されて給湯設定温度の湯が給湯栓4から給湯される。そして、給湯栓4の閉止によって給湯が終了するものである。
【0026】
次に、浴槽6への湯張り運転について説明すると、リモコン5の風呂自動スイッチ38が操作されると、給湯制御部40が湯張り弁32を開弁する。そして、給湯混合弁27によって風呂設定温度に調整された湯水が湯張り管31から風呂戻り管21を介して浴槽6へ湯張りされ、湯張り管31途中に設けられた風呂流量カウンタ33が所定の湯張り量をカウントすると給湯制御部40が湯張り弁32を閉弁して湯張り運転を終了するものである。
【符号の説明】
【0027】
1 タンクユニット
2 貯湯タンク
46 接続口取付金具
47 内部配管
48 外部配管
49 接続口
50 座押し部
51 管部
52 挿通穴
53 座部
54 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを収納したタンクユニットと、前記貯湯タンクに接続された給水や給湯などの内部配管とタンクユニット外の外部配管とを接続する複数の接続口と、該接続口を固定するタンクユニット内を横断して水平に設けられた板状の接続口取付金具とを備えたものに於いて、前記接続口取付金具には、底部を凹まし上部に突出する多角形状の座押し部が形成され、この座押し部には接続口の管部が底部から挿通する挿通穴が設けられ、更に座押し部には接続口の同形状の座部が嵌り込んだ状態で、該接続口がネジでこの接続口取付金具に固定される事を特徴とする貯湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−215359(P2012−215359A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81820(P2011−81820)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】