説明

貯玉遊技システム

【課題】貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合であっても、遊技客に対する利便性を保ちつつ、遊技店は、当日貯玉された貯玉に対して、当日貯玉サービスのメリットを十分提供することを実現すること。
【解決手段】会員となった遊技客によって預け入れられる遊技媒体数を貯玉数として管理する貯玉遊技システムであって、少なくとも当日預け入れられた遊技媒体数を当日区分として貯玉数を会員ごとに記憶して、遊技媒体の預け入れ指示を受け付けた場合、記憶される貯玉数と預け入れる遊技媒体数との合計値が予め設定された貯玉上限数より多いか否かを判定し、合計値が貯玉上限数を超えたと判定された場合に、非当日区分、当日区分の順に区分に対応付けられた貯玉数から所定の遊技媒体数を所定の記録媒体へ関連付けるように貯玉遊技システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技客によって預け入れられる遊技媒体数を貯玉数として管理する貯玉遊技システムに関し、特に、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合であっても、遊技客に対する利便性を保ちつつ、遊技店は、当日貯玉された貯玉に対して、当日貯玉サービスのメリットを十分提供することができる貯玉遊技システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機やパチスロ機といった遊技台が設置されるパチンコ店等の遊技店では、遊技店の会員を募集して集客力の強化を図っている。そして、各遊技店では、会員登録を行った会員に対して貯玉口座を開設し、貯玉した遊技媒体数によって会員が再遊技する(以下、「再プレイ」と記載する)ことができる会員サービスを提供している。
【0003】
なお、「貯玉」とは遊技客が獲得した遊技媒体を遊技店に預けることができるサービスのことで、遊技店側は、遊技客が預けた遊技媒体数を貯玉口座に管理する。そして、遊技客は、貯玉口座を利用することによって当日または翌日以降に遊技媒体を払出して遊技台で遊技を行うこと、すなわち、再プレイすることができる。
【0004】
さらに、遊技店では、貯玉口座に預けた当日の貯玉(以下、「当日貯玉」と記載する)に対しては、再プレイ時の手数料を無料にする等の当日貯玉サービスを含め、遊技客へ多様な娯楽性を提供することで遊技店の集客力の強化を図っている。
【0005】
また、近年では、遊技客による遊技のめり込み防止や、貯玉サービス取り止めの際に生じる貯玉の返却補償額の抑制等を鑑みて、かかる貯玉口座に保有することができる貯玉数の上限(以下、「貯玉上限数」と記載する)を設定している遊技店もある。具体的には、遊技店の倒産による遊技客への返却補償額を担保する必要性があり、無限に補償するとなると、不正目的の倒産などもあるので、貯玉数の上限を設けている。
【0006】
たとえば、特許文献1には、会員の貯玉口座に保有する貯玉数が、所定の貯玉上限数を超えた場合、超過した遊技媒体数を関連付けた記録媒体を発行する貯玉遊技システムが開示されている。
【0007】
そして、特許文献1の貯玉遊技システムでは、遊技客が所望する景品と、かかる記録媒体に関連付けられている玉数とを交換することができる。なお、上記した記録媒体としては、レシート(紙媒体)、ICカード、磁気カード等の任意の記録媒体を用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−68648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の貯玉遊技システムでは、遊技客が獲得した遊技媒体を貯玉口座に預ける際、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数となるまでしか預けることができず、貯玉上限数を超えた分については超過数を関連付けた記録媒体を発行していた。
【0010】
ここで、たとえば記録媒体としてレシートが発行された場合に、レシートは貯玉に置き換えることができないため、レシートの玉数分は再プレイ時の手数料を無料にするというような当日貯玉サービスのメリットが受けられないことになる。
【0011】
このため、特許文献1の貯玉遊技システムを用いた場合、かかる記録媒体に関連付けられた遊技媒体数に対しては、遊技客は上述したような当日貯玉サービスを十分に受けることができないという問題があった。
【0012】
また、会員の所有する会員カードには、貯玉口座の他に、会員が遊技台へ挿入した貨幣の残額やプリペイド価値等も関連付けられており、遊技客は会員カード一枚だけで遊技店内の様々なサービスを受けることができるという利便性がある。
【0013】
しかし、特許文献1の貯玉遊技システムでは、会員カードを所有する会員に対して、残った遊技媒体数を関連付ける記録媒体、たとえばICカードをさらにもう一枚発行することになるので、会員にとって利便性が損なわれるとともに煩わしいという問題があった。
【0014】
これらのことから、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合であっても、遊技客に対する利便性を保ちつつ、遊技店は、当日貯玉された貯玉に対して、当日貯玉サービスのメリットを十分提供することができる貯玉遊技システムをいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0015】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合であっても、遊技客に対する利便性を保ちつつ、遊技店は、当日貯玉された貯玉に対して、当日貯玉サービスのメリットを十分提供することができる貯玉遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、会員となった遊技客によって預け入れられる遊技媒体数を貯玉数として管理する貯玉遊技システムであって、少なくとも当日預け入れられた前記遊技媒体数を当日区分として前記貯玉数を会員ごとに記憶する貯玉記憶手段と、遊技媒体の預け入れ指示を受け付けた場合、前記貯玉記憶手段に記憶される前記貯玉数と預け入れる前記遊技媒体数との合計値が予め設定された貯玉上限数より多いか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記合計値が前記貯玉上限数を超えたと判定された場合に、非当日区分、前記当日区分の順に区分に対応付けられた前記貯玉数から所定の前記遊技媒体数を所定の記録媒体へ関連付ける記録媒体関連付け手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、前記記録媒体関連付け手段は、前記合計値から前記貯玉上限数を減算した超過数を所定の前記記録媒体へ関連付けることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記の発明において、前記記録媒体関連付け手段は、預け入れる前記遊技媒体数を所定の前記記録媒体へ関連付けることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記の発明において、貯玉による前記遊技媒体の払出指示を受け付けた場合、前記当日区分、前記非当日区分の順に前記区分に対応付けられた前記貯玉数から前記遊技媒体の払出数を引き落とすことによって前記遊技媒体を払出す払出手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記の発明において、遊技店に設けられる記録媒体発行装置が前記記録媒体発行手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記の発明において、遊技台ごとに設けられる各台装置が前記記録媒体発行手段を備えており、前記各台装置は、前記遊技媒体の計数を行う計数手段と、前記貯玉記憶手段に記憶される前記当日区分に対応付けられた前記貯玉数へ前記計数手段によって計数された計数値を加算するよう指示をする加算指示手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、会員となった遊技客によって預け入れられる遊技媒体数を貯玉数として管理する貯玉遊技システムであって、少なくとも当日預け入れられた遊技媒体数を当日区分として貯玉数を会員ごとに記憶して、遊技媒体の預け入れ指示を受け付けた場合、記憶される貯玉数と預け入れる遊技媒体数との合計値が予め設定された貯玉上限数より多いか否かを判定し、合計値が貯玉上限数を超えたと判定された場合に、非当日区分、当日区分の順に区分に対応付けられた貯玉数から所定の遊技媒体数を所定の記録媒体へ関連付けることとしたので、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合であっても、遊技客に対する利便性を保ちつつ、遊技店は、当日貯玉された貯玉に対して、当日貯玉サービスのメリットを十分提供することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、合計値から貯玉上限数を減算した超過数を所定の記録媒体へ関連付けることとしたので、遊技店は、遊技客が貯玉を用いて再プレイする際に、遊技客に不利益を与えることなく再プレイサービスを提供することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、預け入れる遊技媒体数を所定の記録媒体へ関連付けることとしたので、遊技店は、遊技客が貯玉を用いて再プレイする際に、遊技客に不利益を与えることなく再プレイサービスを提供することができるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、貯玉による遊技媒体の払出指示を受け付けた場合、当日区分、非当日区分の順に区分に対応付けられた貯玉数から遊技媒体の払出数を引き落とすことによって遊技媒体を払出すこととしたので、遊技店は、遊技客が貯玉を用いて再プレイする際に、遊技客に不利益を与えることなく再プレイサービスを提供することができるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、遊技店に設けられる記録媒体発行装置が超過数を関連付けた記録媒体を発行することとしたので、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合であっても、遊技客が超過数を正確に認識することができるとともに、遊技客が円滑に超過数を景品へ交換することができるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、遊技台ごとに設けられる各台装置が超過数を関連付けた記録媒体を発行し、遊技媒体の計数を各台装置が行い、記憶される当日区分に対応付けられた貯玉数へ計数された計数値を加算するよう各台装置が指示をすることとしたので、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合であっても、遊技客が円滑に超過数を景品へ交換することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明に係る貯玉遊技システムの概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る貯玉遊技システムのシステム構成図である。
【図3】図3は、本実施例に係る貯玉遊技システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、会員情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、貯玉情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、景品管理装置および会員管理装置が実行する貯玉処理手順その1の概要を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、景品管理装置および会員管理装置が実行する貯玉処理手順その2の概要を示すシーケンス図である。
【図8】図8は、各台装置および会員管理装置が実行する貯玉処理手順その1の概要を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、各台装置および会員管理装置が実行する貯玉処理手順その2の概要を示すシーケンス図である。
【図10】図10は、貯玉情報の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0029】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る貯玉遊技システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る貯玉遊技システムの概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る貯玉遊技システムについての実施例を図2〜図10を用いて説明することとする。
【0030】
まず、本発明に係る貯玉遊技システムの概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る貯玉遊技システムの概要を示す図である。なお、図1の(A)には、従来技術に係る貯玉遊技システムを、図1の(B)には、本発明に係る貯玉遊技システムを、それぞれ示している。
【0031】
図1の(A)に示すように、従来技術に係る貯玉遊技システムでは、遊技店の会員が保有する貯玉口座の貯玉数が所定の貯玉上限数を超えた場合、超過数を関連付けた記録媒体を発行していた。なお、上記した記録媒体としては、レシート(紙媒体)、ICカード、磁気カード等の記録媒体が用いられているが、ここでは、記録媒体としてレシートを用いる場合について説明することとする。
【0032】
また、貯玉上限数とは会員単位で設定されている値であって、以下では、貯玉上限数が10000玉であり、貯玉口座には過去分として貯玉数を9000玉所有する会員が、獲得したパチンコ玉2000玉を貯玉口座に預け入れる場合を前提条件として説明する(図1の(A−1)参照)。他の前提条件としては、景品交換においては過去分および当日分は同等の扱いであるが、再プレイに関しては、過去分には再プレイ手数料を取るが、当日分に関しては手数料は発生しない。
【0033】
この場合、従来技術に係る貯玉遊技システムでは、貯玉口座が貯玉上限数の10000玉になるまで、すなわち、貯玉口座には獲得した2000玉のうち1000玉しか当日分の貯玉数として貯玉できない(図1の(A−2)参照)。
【0034】
そして、従来技術に係る貯玉遊技システムでは、残りの1000玉を関連付けたレシートを発行していた(図1の(A−3)参照)。ここで、貯玉口座は既に貯玉上限数に到達しているため、発行されたレシートでは、貯玉に置き換えることができない。したがって、レシートの1000玉分に対して、会員は当日貯玉サービスを受けることができない。もし、会員が当日貯玉サービスを受けたいのであれば、一旦貯玉を景品交換、あるいは再プレイ(手数料あり)することにより、貯玉数を1000玉減らして、再度レシートに貯玉行為を行う必要があり、会員は大変煩雑な操作を強いられることとなる。
【0035】
そこで、本発明に係る貯玉遊技システムでは、図1の(B)に示すように、獲得したパチンコ玉すべてを当日分の貯玉数として貯玉口座に貯玉することができる仕組みを提供することとした。これにより、会員が当日獲得したパチンコ玉すべてについて、再プレイ手数料が無料などの当日貯玉サービスが適用されるようにした。
【0036】
具体的には、図1の(A)と同一の前提条件の場合(図1の(B−1)参照)、本発明に係る貯玉遊技システムでは、貯玉口座に獲得したパチンコ玉2000玉すべてを当日分貯玉数として貯玉する(図1の(B−2)参照)。そして、本発明に係る貯玉遊技システムでは、貯玉上限数を超過した1000玉分については、過去分の貯玉数を充てることによってレシートを発行することとした(図1の(B−3)参照)。
【0037】
さらに、本発明に係る貯玉遊技システムでは、会員が貯玉口座を用いて再プレイを行う際には、過去分貯玉数よりも当日分貯玉数を優先して払出数を引き落とすこととした。
【0038】
したがって、本発明に係る貯玉遊技システムによれば、遊技客に不利益を与えることなく、再プレイ手数料が無料などの当日貯玉サービスのメリットを十分に提供することができる。以下では、図1を用いて説明した本発明に係る貯玉遊技システムについての実施例を詳細に説明する。
【0039】
まず、本実施例に係る貯玉遊技システムの構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施例に係る貯玉遊技システムのシステム構成図である。同図に示すように、遊技店に設置された会員管理装置10には、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、島コントローラ40と、島端計数機50と、精算機60と、景品管理装置20と、携帯端末処理機70とが接続されている。
【0040】
また、島コントローラ40の配下には、複数組の各台装置30およびパチンコ機31が接続されている。なお、同図には、2台の島コントローラ40のみを示しているが、会員管理装置10には所定数の島コントローラ40が接続されるものとする。また、各台装置30は、島コントローラ40と各パチンコ機31との間に介在し、一つの島コントローラ40に対して、所定数の各台装置30が接続されるものとする。
【0041】
会員管理装置10は、会員情報12aおよび貯玉情報12cを記憶部12に記憶しており、会員カードに関連付けられた貯玉に関する情報や会員登録の際に登録された暗証番号等を管理している。
【0042】
なお、遊技店の会員のなかには、会員の所有する携帯端末を会員カードの代わりとして使用している会員(以下、「携帯会員」と記載する)もいる。この場合、携帯端末の識別子であるIDmに関連付けて会員情報12aおよび貯玉情報12cを管理することとしてもよい。
【0043】
島コントローラ40は、遊技島に設けられた一群のパチンコ機31および各台装置30を束ねる中継装置である。パチンコ機31は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行う装置である。
【0044】
島端計数機50は、遊技島の端等に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数し、計数値を会員カードや携帯端末に関連付ける、若しくは、レシートへ計数値を印字し発行する。
【0045】
精算機60は、会員カードまたは一般カードに遊技客によって挿入された各種紙幣の残額が関連付けられている場合に、残額が関連付けられているカードが挿入されると、残額に相当する現金の払出を行う。また、精算機60は、紙幣挿入部32に挿入された各種紙幣の残額が携帯端末に関連付けられている場合に、携帯端末のタッチを受け付けると、残額に相当する現金の払出を行う。
【0046】
景品管理装置20は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり、図示しない交換玉数管理情報を用いて獲得玉と景品との交換を管理する。なお、交換玉数管理情報は、景品毎にその景品との交換に要する交換玉数を対応付けた情報である。
【0047】
ここで、遊技客が一般カードや会員カードを持参し、景品管理装置20へ一般カードや会員カードを挿入した場合には、計数値または貯玉口座の貯玉数に応じた景品を受け取ることができる。また、景品管理装置20では、遊技客がレシートを持参し、持参したレシートに印字された計数値によって景品の交換を行うこともできる。
【0048】
なお、携帯会員の場合は、景品交換カウンタへ携帯端末を持参し、景品管理装置20または景品管理装置20に併設された携帯端末処理機70に携帯端末をタッチすることで、IDmに関連付けられた貯玉または計数値に応じた景品を受け取ることができる。
【0049】
その際、景品交換カウンタ内の従業員が、遊技客の所望する景品に対応する交換ボタンを押下する。交換ボタンの押下を受け付けた景品管理装置20は、指定された景品に相当する交換玉数を計数値から減算する交換制御を実行する。その後、従業員が手作業によって遊技客に指定された景品を渡すこととなる。
【0050】
上述してきたように、遊技店内に設置された会員管理装置10には、種々の装置が接続されている。以下では、本実施例に係る貯玉遊技システムを、会員管理装置10と景品管理装置20との構成によって適用する場合について図3〜図7を用いて説明する。
【0051】
まず、図3は、本実施例に係る貯玉遊技システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、貯玉遊技システムは、会員管理装置10と景品管理装置20とを含んでいる。なお、図3では、会員管理装置10および景品管理装置20の特徴点を説明するために必要な構成要素のみを抜粋して示している。
【0052】
まず、会員管理装置10の構成について説明する。会員管理装置10は、通信I/F(インターフェース)11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。また、制御部13は、会員認証部13aと、判定部13bと、減算部13cとをさらに備えており、記憶部12は、会員情報12aと、貯玉上限数12bと、貯玉情報12cとを記憶する。
【0053】
通信I/F11は、LANカード等の通信デバイスで構成されており、LAN(Local Area Network)等のネットワーク経由で、景品管理装置20や遊技店内に設置された各種機器との間のデータ送受信を行う。
【0054】
記憶部12は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。この記憶部12は、カードIDに関連付けて会員氏名や暗証番号等を会員情報12aとして記憶する。
【0055】
また、記憶部12は、貯玉口座の貯玉数の上限値を貯玉上限数12bとして記憶し、会員識別子に関連付けて会員が貯玉を行った貯玉数を貯玉情報12cとして記憶する。ここで、記憶部12に記憶される会員情報12aおよび貯玉情報12cの詳細について図4〜図5を用いて説明しておく。
【0056】
まず、図4は、会員情報12aの一例を示す図である。図4に示すように、会員情報12aは、「カードID」項目と、「氏名」項目と、「暗証番号」項目とを含んでいる。「カードID」項目は、遊技店の会員の所有する会員カードの識別子であり、遊技店の会員を一意に識別することができる情報である。
【0057】
なお、「カードID」項目は、携帯会員の場合は、携帯会員が所有する携帯端末のIDmと同じであってもよいし、会員番号のような会員を一意に識別することができる会員識別子と同じであってもよい。また、携帯会員の場合の識別子は、IDm以外の携帯端末を一意に識別することができる情報、たとえば、電話番号やメールアドレスを用いることとしてもよい。
【0058】
「氏名」項目は、会員の氏名であり、「暗証番号」項目は、セキュリティ性を担保するために会員本人であるか否かを確認するために用いる会員認証用の番号である。なお、本実施例では、「暗証番号」項目は、番号であることとしたが、文字や数字の組み合わせからなる符号としてもよい。
【0059】
つづいて、貯玉情報12cの詳細について図5を用いて説明する。図5は、貯玉情報12cの一例を示す図である。
【0060】
図5に示すように、貯玉情報12cは、「カードID」項目と、当日分と過去分との区分ごとの貯玉数として「当日分貯玉」項目と、「過去分貯玉」項目とを含んでいる。「カードID」項目は、遊技店の会員の所有する会員カードの識別子であり、遊技店の会員を一意に識別することができる情報である。
【0061】
「当日分貯玉」項目は、遊技当日に会員によって預け入れられた貯玉数であり、「過去分貯玉」項目は、遊技当日に会員によって前日以前に預け入れられた貯玉数である。
【0062】
具体的には、貯玉上限数を10000玉として、貯玉口座に過去分貯玉を9000玉所有する会員が、獲得したパチンコ玉2000玉を貯玉口座に預け入れる場合について説明する(図5の(A)参照)。
【0063】
この場合、会員管理装置10では、貯玉口座に獲得したパチンコ玉2000玉すべてを当日分貯玉へ加算しようとする時に(図5の(B)参照)、貯玉上限数12bを超過した1000玉分(2000玉+9000玉−10000玉)を過去分貯玉数から減算し、過去分貯玉は8000玉となる(図5の(C)参照)。このように、景品管理装置20では、超過数を過去分貯玉から充てることによって、1000玉分のレシートを発行することとなる。そして、加算分を当日貯玉として加算する。また、一旦仮に、先に当日貯玉分として加算しておいてもよい。
【0064】
なお、会員は、会員カードや携帯端末を用いて、自身の所有する貯玉数から払出数を引き落とすことによって再プレイを行うことができる。ここで、当日分貯玉の貯玉数から払出数を引き落とす場合には、手数料を無料にするというような当日貯玉サービスのメリットがある。
【0065】
このため、遊技店は当日貯玉サービスのメリットを十分提供するために、会員が再プレイを行う際には、会員管理装置10では、「過去分貯玉」の貯玉数よりも「当日分貯玉」の貯玉数から優先して払出数を引き落とすこととする。
【0066】
図3の説明に戻り、会員管理装置10の説明をつづける。制御部13は、会員管理装置10の全体制御を行う制御部である。会員認証部13aは、景品管理装置20から受信したカードIDに関連付けられる暗証番号を会員情報12aから検索する。
【0067】
そして、会員認証部13aは、景品管理装置20から受信した会員認証用の暗証番号と、検索した暗証番号とを比較することによって、会員カードを所有する会員本人であるか否かを認証する。また、会員認証部13aは、会員本人であることを認証した場合に、カードIDを判定部13bへ渡す処理を併せて行う。
【0068】
判定部13bは、景品管理装置20から貯玉指示数とともに貯玉指示を受信した場合に、貯玉情報12cを検索し、会員認証部13aから受け付けたカードIDに関連付けられた当日分貯玉に貯玉指示数を加算する処理を行う処理部である。
【0069】
また、判定部13bは、貯玉口座の全貯玉数、すなわち、当日分貯玉と過去分貯玉との合計値が、貯玉上限数12bを超えているか否かを判定する。さらに、判定部13bは、貯玉上限数12bを超えている場合に、超過数を減算部13cへ渡す処理を併せて行う。
【0070】
減算部13cは、判定部13bから受け付けた超過数を貯玉情報12cの過去分貯玉から減算し、超過数を景品管理装置20へ通知する処理を行う処理部である。また、減算部13cは、超過数が過去分貯玉より多い場合に、過去分貯玉を超えた超過数分については、当日分貯玉から減算することとする。
【0071】
つぎに、景品管理装置20の構成について説明する。景品管理装置20は、通信I/F21と、カード読取部22と、表示操作部23と、レシート読取部24と、レシート発行部25と、制御部26とを備えている。
【0072】
通信I/F21は、会員管理装置10や携帯端末処理機70との間で通信データの送受信を行う通信デバイスで構成されている。たとえば、通信I/F21は、遊技客が獲得したパチンコ玉の計数値が印字されたレシートの計数値分の玉を貯玉口座に預け入れる際、会員管理装置10へ計数値を貯玉指示数として貯玉指示とともに送信する。
【0073】
カード読取部22は、遊技客が一般カードや会員カードを持参し景品交換する際、遊技客が獲得したパチンコ玉の計数値または貯玉が関連付けられた会員カード、および、遊技客が獲得した玉数が関連付けられた一般カードの受け付けを行う。具体的には、カード読取部22は、貯玉が関連付けられた会員カードを受け付け、カードIDを読み取り、カードIDをカード情報取得部26aへ渡す。
【0074】
表示操作部23は、カード読取部22で読取った会員カードに関連付けられている当日分貯玉数や過去分貯玉数等の表示を行う表示部と、貯玉指示操作や景品交換操作といった各種操作を受け付ける操作部とを備えている。
【0075】
たとえば、表示操作部23は、レシートに印字された計数値分の玉の貯玉指示ボタンや貯玉指示数を入力するためのテンキー、さらに、遊技客の所望する景品に対応する交換ボタンを備えている。また、表示操作部23では、会員カードを所有する会員本人であるか否かを認証するための暗証番号の入力操作を受け付ける。
【0076】
さらに、表示操作部23は、貯玉口座の全貯玉数、すなわち、当日分貯玉と過去分貯玉との合計値が、貯玉上限数12bを超えていた場合に、その旨を報知する等、会員管理装置10から受信した受信結果を表示する。
【0077】
レシート読取部24は、レシートに印字された計数値分の玉数を貯玉口座に預け入れる際に、遊技客が持参したレシートを受け付け、印字された玉数を読み込み、読み込んだ玉数を貯玉指示部26bへ渡す。
【0078】
レシート発行部25は、貯玉指示操作が行われた際に、会員の所有する貯玉口座の当日分貯玉と過去分貯玉との合計値が、貯玉上限数12bを超えていた場合に、レシートに超過数を印字し、排出する。
【0079】
制御部26は、景品管理装置20の全体制御を行う制御部である。カード情報取得部26aは、カード読取部22で読み取られたカードIDを取得し、表示操作部23から受け付けた会員認証用の暗証番号とともに会員管理装置10へ送信する処理を行う処理部である。また、カード情報取得部26aは、会員管理装置10から受信した会員認証の結果および貯玉数を表示操作部23へ表示する処理を併せて行う。
【0080】
貯玉指示部26bは、表示操作部23から貯玉指示操作を受け付けた場合、会員管理装置10へ貯玉指示を送信し、貯玉口座の貯玉数合計が貯玉上限数12bを超えていた場合に、会員管理装置10から受信した超過数を表示操作部23へ表示する処理を行う処理部である。
【0081】
結果取得部26cは、会員管理装置10から貯玉処理が正常に完了したか否かの通知を受信した場合、その旨を表示操作部23へ表示するとともに、超過数を関連付けたレシートの発行指示をレシート発行部25へ渡す処理を行う処理部である。
【0082】
つぎに、本実施例に係る貯玉遊技システムが実行する処理について図6〜7を用いて説明する。図6は会員管理装置10および景品管理装置20が実行する貯玉処理手順その1の概要を示すシーケンス図であり、図7は会員管理装置10および景品管理装置20が実行する貯玉処理手順その2の概要を示すシーケンス図である。
【0083】
ここでは、会員が、島端計数機50によって計数されたパチンコ玉の計数値が印字されたレシートと会員カードとを持参した場合について説明する。この場合、図6に示すように、景品管理装置20のレシート読取部24は、会員が持参したレシートを読み込み(ステップS101)、レシートに印字された玉数を読み取る(ステップS102)。
【0084】
つづいて、カード読取部22は、会員カードを受け付け(ステップS103)、会員カードのカードIDを読み取り(ステップS104)、表示操作部23は、会員認証用の暗証番号の入力を受け付ける(ステップS105)。
【0085】
そして、カード情報取得部26aは、会員カードに関連付けられている貯玉数を送信するよう、会員管理装置10へ指示を出すとともに(ステップS106)、カードID、暗証番号および計数値を会員管理装置10へ送信する。
【0086】
一方、会員管理装置10の会員認証部13aでは、受信したカードIDと暗証番号とに基づいて会員本人であることを認証する(ステップS107)。ここでは、会員認証部13aによって会員本人であると認証された場合について説明する。会員認証部13aは、ステップS107で会員本人であると認証した場合、カード情報取得部26aへ貯玉数を送信する。
【0087】
カード情報取得部26aは、会員管理装置10から受信した会員認証の結果とともに現在会員が所有する貯玉数を表示操作部23へ表示する(ステップS108)。ここで、表示操作部23は、会員または従業員によって入力された貯玉口座に預け入れるパチンコ玉の数(以下、「貯玉指示数」と記載する)を受け付ける(ステップS109)。
【0088】
そして、貯玉指示部26bは、表示操作部23で受け付けた貯玉指示数とともに判定部13bへ貯玉指示を送信する(ステップS110)。一方、判定部13bは、受信した貯玉指示数と貯玉口座の当日分貯玉と過去分貯玉との合計値(以下、単に「合計値」と記載する)が、貯玉上限数12bを超えているか否かを判定する。
【0089】
ここでは、合計値が貯玉上限数12bを超えていた場合について説明する。この場合、判定部13bは、合計値と貯玉上限数12bとの差分、すなわち、超過数を算出して(ステップS111)、貯玉指示部26bへ超過数を送信する。
【0090】
一方、貯玉指示部26bは、受信した超過数を表示操作部23へ表示するとともに超過数をレシートに関連付ける旨を表示し(ステップS112)、表示操作部23は、会員または従業員による確認操作を受け付ける(ステップS113)。
【0091】
そして、貯玉指示部26bは、確認操作を受け付けたならば、確認結果、ここでは「OK」を判定部13bへ送信する。判定部13bでは、「OK」を受信したならば、貯玉指示数を貯玉情報12cの当日分貯玉へ加算する(ステップS114)。
【0092】
そして、減算部13cは、貯玉情報12cの過去分貯玉からステップS111で算出した超過数を減算し(ステップS115)、貯玉が完了した旨を結果取得部26cへ通知する(ステップS116)。
【0093】
一方、結果取得部26cは、貯玉完了通知を受信したならば、表示操作部23へ貯玉が完了した旨を表示し(ステップS116)、ステップS112で受信した超過数を印字したレシートを発行し(ステップS117)、会員管理装置10および景品管理装置20が実行する一連の貯玉処理を終了する。
【0094】
なお、会員が、島端計数機50によって計数されたパチンコ玉の計数値が印字されたレシートと会員カードとを持参した場合に、会員管理装置10および景品管理装置20が実行する貯玉処理手順について図6および図7を用いて説明した。
【0095】
しかし、景品管理装置20が会員管理装置10へ貯玉指示を送信するのではなく、島端計数機50が会員管理装置10へ貯玉指示を送信することとしてもよい。具体的には、島端計数機50によって会員が獲得したパチンコ玉を計数し、計数した計数値を島端計数機50が、会員管理装置10へ送信するとともに貯玉指示を送信することとしてもよい。
【0096】
また、近年、パチンコ機31に併設される各台装置30において遊技客が獲得したパチンコ玉を計数し、計数値を会員カードや一般カードに関連付ける各台計数機能付きの各台装置30を設置する遊技店もある。そして、かかる各台装置30が計数した計数値によって各台装置30から会員管理装置10へ貯玉処理の指示を送信することとしてもよい。
【0097】
そこで、本実施例に係る貯玉遊技システムを、各台計数機能付きの各台装置30と会員管理装置10との構成によって適用する場合について図8〜図9を用いて説明する。図8は、各台装置30および会員管理装置10が実行する貯玉処理手順その1の概要を示すシーケンス図であり、図9は、各台装置30および会員管理装置10が実行する貯玉処理手順その2の概要を示すシーケンス図である。
【0098】
図8に示すように、会員が再プレイする際に、各台装置30は、会員によって会員カードが挿入されたならば、会員カードを受け付け(ステップS201)、会員カードのカードIDを読み取り(ステップS202)、会員認証用の暗証番号の入力を受け付ける(ステップS203)。
【0099】
そして、各台装置30は、挿入された会員カードの所有者本人であるか否かの認証処理を指示するため、カードIDおよび暗証番号を会員管理装置10へ送信する(ステップS204)。
【0100】
一方、会員管理装置10の会員認証部13aでは、受信したカードIDと暗証番号とに基づいて会員カードの所有者本人であることを認証したならば(ステップS205)、認証結果を各台装置30へ通知する。会員カードの所有者本人であるこがを認証されたことより、会員は会員カードに関連付けられた貯玉数によって再プレイすることができる。
【0101】
そして、かかる会員がパチンコ玉を獲得した場合、各台装置30は会員が獲得したパチンコ玉を計数する(ステップS206)。各台装置30では、計数した計数値によって貯玉処理が行われる際、会員によって入力された貯玉指示数を受け付け(ステップS207)、貯玉指示数とともに会員管理装置10の判定部13bへ貯玉指示を送信する(ステップS208)。
【0102】
一方、会員管理装置10が受信した貯玉指示数に基づいて貯玉上限数12bを超えているか否かを判定し、過去分貯玉から超過数を減算するまでの、会員管理装置10で行う処理(ステップS209〜ステップS213)は、上記した図7におけるステップS209〜ステップS115と同じ処理であるので、説明を省略する。
【0103】
ステップS214では、各台装置30は、会員管理装置10から貯玉完了通知を受信したならば、各台装置30に備える表示部等へ貯玉が完了した旨を表示する(ステップS214)。
【0104】
そして、各台装置30は、貯玉上限数12bまで貯玉された貯玉口座の貯玉数を会員カードへ関連付けてかかる会員カードを返却する(ステップS215)。つづいて、各台装置30は、会員管理装置10から受信した超過数を一般カードに関連付けて発行し(ステップS216)、各台装置30および会員管理装置10が一連の貯玉処理を終了する。
【0105】
ここで、会員は、発行された一般カードを遊技店内の景品交換カウンタへ持参して、一般カードに関連付けられた玉数と会員の所望する景品とを交換することとなる。なお、本実施例では、超過数を一般カードに関連付けて発行することとしたが、遊技客が所有する携帯端末の識別子へ一時的に超過数を関連付けて会員管理装置10が記憶することとしてもよい。この場合、携帯端末の識別子は、携帯端末を一意に識別することができるものであればよく、IDm、電話番号およびメールアドレス等いずれでも構わない。
【0106】
また、本実施例では、図2に示したように、各台計数機能と玉貸機能とを兼ね備えた1台の各台装置30に対して本発明を適用した場合について説明したが、各台計数機能を有する第1の各台装置(計数サンド)と、玉貸機能を有する第2の各台装置(CRユニット)とを併設するシステム(いわゆるダブルサンド方式)に対して本発明を適用することとしてもよい。
【0107】
ここでは、各台計数機能付きの各台装置30が超過数を一般カードに関連付けて発行することとした。しかし、各台装置30で一般カードの発行をせず、会員管理装置10で、超過数を会員管理装置10の貯玉情報12cに、景品交換の対象とする玉数として記憶することによって超過数を管理することとしてもよい。
【0108】
そこで、以下では、貯玉情報12cの変形例について図10を用いて説明する。図10は、貯玉情報の変形例を示す図である。
【0109】
図10の(A)に示すように、貯玉情報は、「カードID」項目と、「当日分貯玉」項目と、「過去分貯玉」項目と、「交換対象」項目とを含んでいる。なお、図5の貯玉情報12cと比較して異なる要素である「交換対象」項目についてのみ説明する。
【0110】
景品交換の対象とする玉数を示す「交換対象」項目は、各台装置30から受信した貯玉指示数と貯玉口座の当日分貯玉と過去分貯玉との合計値から貯玉上限数12bを減算した差分、すなわち、超過数である。
【0111】
たとえば、図10の(A)に示すように、カードID:101の会員カードを所有する会員が、貯玉口座に過去分貯玉を9000玉所有している場合、貯玉情報には、図10の(A)に示すように、過去分貯玉:9000玉と記憶されている。
【0112】
ここで、かかる会員が、パチンコ玉を2000玉獲得したならば、図10の(B)に示すように、当日分貯玉には2000玉と記憶される。また、貯玉上限数12bを10000玉として、超過数は1000玉(2000玉+9000玉−10000玉)となり、超過数は過去分貯玉から減算され、過去分貯玉は8000玉となる。
【0113】
そして、超過数の1000玉を「交換対象」に記憶する。このように、貯玉情報に超過数を関連付けておくことによって、各台装置30で超過数を関連付けた一般カードを発行する必要がなくなる。そして、かかる会員は、遊技終了時に返却された会員カードを遊技店内の景品交換カウンタへ持参して、会員カードに関連付けられた「交換対象」の玉数と会員の所望する景品とを交換することとなる。
【0114】
また、かかる会員が、パチンコ玉を獲得した後に、再プレイを継続して行うこともできる。この場合、過去分貯玉より当日分貯玉から優先して用いることによってパチンコ玉の払出しが行われるが、再プレイの際、貯玉上限数12bに基づいて超過数の再算出を行うこととしてもよい。
【0115】
具体的には、図10の(C)に示すように、パチンコ玉を獲得した図10の(B)の状態から300玉分パチンコ玉が払出されて再プレイが行われた場合に、当日分貯玉は払出された300玉が減算され、1700玉となる。
【0116】
そして、貯玉上限数12bは10000玉としたので、過去分貯玉へ300玉加算して8300玉として、一方、交換対象の玉数からは同数の300玉を減算して700玉とすることとしてもよい。
【0117】
このように、本実施例に係る貯玉遊技システムは、会員の所有する貯玉口座へ会員が獲得したパチンコ玉を預け入れる際、獲得したパチンコ玉の数を当日分貯玉として加算することとした。そして、本実施例に係る貯玉遊技システムは、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた超過数については過去分貯玉から減算することによって、会員は当日分の貯玉を用いて再プレイを行う場合には、手数料が無料であるといった当日貯玉サービスのメリットを十分に受けることができる。
【0118】
なお、上述した実施例では、会員が所有する会員カードに関連付けられる貯玉口座に預け入れる場合について説明したが、携帯会員が所有する携帯端末に関連付けられる貯玉口座に預け入れる場合についても本発明を適用することとしてもよい。
【0119】
また、上述した実施例では、貯玉情報に当日分貯玉および過去分貯玉の区分ごとに貯玉口座を管理することとした。しかし、会員管理装置では、貯玉した日付と貯玉数とを関連付けて貯玉口座を管理して、日付ごとの貯玉数の合計が貯玉上限数を超えた場合は、日付の古い貯玉数から日付の新しい貯玉数へと順に超過数を減算することとしてもよい。
【0120】
また、各台装置等では、従業員が立ち会うことなく遊技客自身で貯玉行為が行われることが考えられるので、遊技客自身の貯玉操作により貯玉上限数を超えた場合などは、その旨を報知するようにしてもよい。報知手段として、貯玉処理した端末(各台装置、島端計数機等)では、ランプ点灯、音での報知、モニターがあればモニターへの表示を行う。さらに島端にあるランプを点灯させたり、店員の所有する無線機等へ報知することで、店員への周知を行ってもよい。
【0121】
また、上述した実施例では、超過数をカード等に関連付けることとしたが、超過数ではなく、新規に貯玉口座に預け入れる遊技媒体数全てあるいは超過数以上で、かつ、遊技客が所望する遊技媒体数分をカード等に関連付けることとしてもよい。その場合も、過去分貯玉の貯玉数からカード等に関連付ける遊技媒体数が減算される。
【0122】
また、近年、複数の貸出レートによる運用を行う遊技店が増えている。具体的には、従来は、1玉4円(4円レート)でパチンコ玉の貸出を行っていたが、1円レートや2円レートでの運用を並行して行う遊技店が増えている。そのような遊技店での貯玉上限数は、貸出レートに応じて金額への換算を行い、換算された各レートの合計金額によって貯玉上限数を決めることとしてもよい。
【0123】
また、上述した実施例では、パチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合、または、パチスロ遊技のみを対象とした場合にも同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
以上のように、本発明に係る貯玉遊技システムは、貯玉口座の貯玉数が貯玉上限数を超えた場合に有用であり、特に、遊技客に対する利便性を保ちつつ、遊技店側が、当日貯玉された貯玉に対して、当日貯玉サービスのメリットを十分提供したい場合に適している。
【符号の説明】
【0125】
10 会員管理装置
11 通信I/F
12 記憶部
12a 会員情報
12b 貯玉上限数
12c 貯玉情報
13 制御部
13a 会員認証部
13b 判定部
13c 減算部
20 景品管理装置
21 通信I/F
22 カード読取部
23 表示操作部
24 レシート読取部
25 レシート発行部
26 制御部
26a カード情報取得部
26b 貯玉指示部
26c 結果取得部
30 各台装置
31 パチンコ機
40 島コントローラ
50 島端計数機
60 精算機
70 携帯端末処理機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員となった遊技客によって預け入れられる遊技媒体数を貯玉数として管理する貯玉遊技システムであって、
少なくとも当日預け入れられた前記遊技媒体数を当日区分として前記貯玉数を会員ごとに記憶する貯玉記憶手段と、
遊技媒体の預け入れ指示を受け付けた場合、前記貯玉記憶手段に記憶される前記貯玉数と預け入れる前記遊技媒体数との合計値が予め設定された貯玉上限数より多いか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記合計値が前記貯玉上限数を超えたと判定された場合に、非当日区分、前記当日区分の順に区分に対応付けられた前記貯玉数から所定の前記遊技媒体数を所定の記録媒体へ関連付ける記録媒体関連付け手段と
を備えたことを特徴とする貯玉遊技システム。
【請求項2】
前記記録媒体関連付け手段は、
前記合計値から前記貯玉上限数を減算した超過数を所定の前記記録媒体へ関連付けることを特徴とする請求項1に記載の貯玉遊技システム。
【請求項3】
前記記録媒体関連付け手段は、
預け入れる前記遊技媒体数を所定の前記記録媒体へ関連付けることを特徴とする請求項1または2に記載の貯玉遊技システム。
【請求項4】
貯玉による前記遊技媒体の払出指示を受け付けた場合、前記当日区分、前記非当日区分の順に前記区分に対応付けられた前記貯玉数から前記遊技媒体の払出数を引き落とすことによって前記遊技媒体を払出す払出手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の貯玉遊技システム。
【請求項5】
遊技店に設けられる記録媒体発行装置が前記記録媒体関連付け手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の貯玉遊技システム。
【請求項6】
遊技台ごとに設けられる各台装置が前記記録媒体関連付け手段を備えており、
前記各台装置は、
前記遊技媒体の計数を行う計数手段と、
前記貯玉記憶手段に記憶される前記当日区分に対応付けられた前記貯玉数へ前記計数手段によって計数された計数値を加算するよう指示をする加算指示手段と
を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の貯玉遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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