説明

貴金属を含有するチタノシリケート材料およびその製造方法

貴金属を含有するチタノシリケート材料であって、該チタノシリケート材料は、酸化物表示でxTiO2・100SiO2・yE0m・zEと表され、xは0.001〜50.0の範囲であり;(y+z)は0.0001〜20.0の範囲であり、y/z<5であり;Eは、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、AgおよびAuからなる群より選ばれる一つ以上の貴金属を表し;mは、Eの酸化状態を充足させる数である。上記材料の結晶粒は、中空構造または垂下構造を含んでいる。上記材料では、上記貴金属および上記チタノシリケートとの間の相乗効果が増強される。酸化反応、例えば、プロピレンのエポキシ化による酸化プロピレンの製造のための反応における選択性、触媒活性および反応産物の安定性は、従来技術と比較して明らかに向上している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チタノシリケート材料およびその調製方法に関するものである。特に、本発明は、貴金属を含有するチタノシリケート材料およびその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チタノシリケートは、1980年代早期より開発されている新しいヘテロ原子分子ふるいである。合成されたチタノシリケート分子ふるいとしては、現在、MFI型構造を有するTS−1、MEL型構造を有するTS−2、MWW型構造を有するTi−MCM−22、および相対的に大きな孔構造を有するTS−48が挙げられる。上記チタノシリケート分子ふるいのうち、イタリアのエニケム(Enichem)社によって開発されたチタノシリケートTS−1は、優れた触媒選択性および酸化特性を備えた新しいチタノシリケートであり、遷移金属であるチタンを、ZSM−5構造を有する分子ふるい骨格に導入することにより形成される。TS−1は、チタンの触媒的酸化機能とともに、ZSM−5分子ふるいの形状選択的機能および優れた安定性を備えている。触媒としてのチタノシリケート材料は、様々な有機酸化、例えば、オレフィン類のエポキシ化、アルカン類の部分的酸化、アルコール類の酸化、フェノール類の水酸化、サイクロン類(cyclones)のアンモ酸化等を触媒するために用いられ得る。TS−1分子ふるいを用いた有機物質の酸化では、酸化工程における複雑な技術および環境の汚染を避けるため、汚染がなく低濃度である過酸化水素が酸化剤として用いられ得る。上記酸化は、また、省エネルギーであり、経済的であり、環境に無害であるといった、従来の酸化システムでは不可能である利点を備え、より優れた反応選択性を備えているため、工業的利用における大きな展望を有している。有機物質の選択的酸化のための触媒としてのチタノシリケートは、分子ふるい触媒の分野におけるマイルストーンとみなされている。
【0003】
22は、よく知られた環境にやさしい酸化剤であり、酸化の副産物は水だけである。しかし、H22の水溶液は、貯蔵および輸送することが困難である。H22は、著しく不安定であり、熱、光、粗面、重金属および他の不純物と接触すると分解してしまう。その上、パッケージ化、貯蔵および輸送の際、その腐食性のため、特別な安全対策をとる必要がある。それゆえ、かかる化学生産品は、H22がその場で使用されるか、または、H22の製造工程がH22を使用する下流の工程と組み合わされている場合でしか有効に使用することができない。
【0004】
22は、H2およびO2を用いて直接合成され得、その原子の利用率は100%にも達する。それゆえ、H22を直接使用することによって引き起こされるコストおよび安全上の問題を解決するため、H2およびO2を用いてその場でH22を合成して、有機物質を酸化することが求められている。Pt、Pd、Au等は、H2およびO2を用いてH22を合成するための有効な成分であり、これらをチタノシリケート材料に担持させて、有機物質の選択的酸化のためにその場でH22を製造することについての調査を、多くの特許文献が報告している。例えば、Meiers R. et al (J. Catal., 1998, 176:376-386)では、Pt−Pd/TS−1を触媒として用いたプロピレンの気相エポキシ化についての調査が実施されている。さらに、米国特許公報68673121号および米国特許公報6884898号でもまた、同様の調査が実施されている。ただし、上述の技術は、穏やかな反応条件の下に実施され、良好な選択性(95%を超え得る)を示すが、触媒活性が比較的低く、触媒安定性が悪い等の欠点がある。上述の技術の研究開発における要点は、反応の転換率が向上し、触媒の不活性化への耐性および再生可能性が改善するように、上記触媒を製造および改変することにある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、有機物質の選択的酸化反応工程のためH22をその場で製造するためPt、Pd、Au等の貴金属をチタノシリケート材料に担持させることの欠点を考慮して、貴金属を含有するチタノシリケート材料およびその製造方法を提供する。
【0006】
本発明において提供される貴金属を含有するチタノシリケート材料は、該チタノシリケート材料が、酸化物表示でxTiO2・100SiO2・yE0m・zEと表され、xは0.001〜50.0の範囲であり;(y+z)は0.0001〜20.0の範囲であり、y/z<5であり;Eは、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、AgおよびAuからなる群より選ばれる一つ以上の貴金属を表し;mは、Eの酸化状態を充足させる数であることを特徴としている。上記材料の結晶粒は、中空構造または垂下(凹凸)構造を含んでいる。
【0007】
本発明において提供される貴金属を含有するチタノシリケート材料では、xは、好ましくは、0.005〜25または0.001〜20の範囲であり、より好ましくは、0.005〜20の範囲であり;(y+z)は、好ましくは、0.005〜20または0.001〜10の範囲であり、より好ましくは、0.005〜10の範囲であり、最も好ましくは、0.01〜7の範囲であり;y/zは、好ましくは、3よりも小さく、より好ましくは、2よりも小さく、さらに好ましくは、1よりも小さく、最も好ましくは、0.01〜0.8である。上記貴金属は、好ましくは、Pd、Pt、AgおよびAuからなる群より選択される一つ以上であり、より好ましくは、Pdおよび/またはPtである。上記貴金属が、上記群より選択される2つ以上である場合、上述のyの値は、各貴金属のyの値の合計であり;上述のzの値は、各貴金属のzの値の合計である。例えば、上記貴金属がPtおよびPdである場合、上記材料は、酸化物表示でxTiO2・100SiO2・y1PtO・y2PdO・z1Pt・z2Pdと表される。すなわち、y=y1+y2であり;z=z1+z2である。上記材料の結晶粒は、全体的または部分的に中空構造を含んでおり、上記材料の中空結晶粒の空洞部分は、0.1〜500nm、好ましくは0.5〜300nmの半径を有している。温度が25℃、P/P0=0.10、吸着時間が1時間である条件の下で測定された、上記材料のベンゼン吸着能は、少なくとも25mg/gであり、好ましくは、少なくとも35mg/gである。上記材料の低温窒素吸着の吸着等温線と脱着等温線との間にはヒステリシスループが存在する。相対圧力P/P0が約0.60であるときに、脱着時の窒素吸着能と、吸着時の窒素脱着能との間の差が、吸着時の窒素吸着能の2%よりも大きい。上記空洞部分の形状は固定されたものではなく、様々なもの、例えば、円形、矩形、または不規則な多角形、または不規則な円形、またはそれらの形状の組み合わせであり得る。上記材料の結晶粒は、単結晶の粒であるか、または複数の結晶粒が集まった集合晶の粒である。
【0008】
本発明において提供される上記材料の結晶粒は、全体的または部分的に中空構造または垂下構造を含む。
【0009】
本発明において提供される上記材料では、中空の結晶粒は反応物質および生成分子の分散に有利であり、貴金属とチタノシリケートとの間の相乗効果を増強し、貴金属は、より良好な分散性を有する。その上、本発明において提供される貴金属含有チタノシリケートの中空構造は、炭素堆積物を収容する強力な能力を有している。従来技術(例えば、従来の含漬担持手法)と比較して、酸化反応、例えば、プロピレンのエポキシ化による酸化プロピレンの製造のための反応における、選択性、触媒活性、および反応産物の安定性が、明らかに向上している。
【0010】
本発明は、さらに、上述の貴金属を含有するチタノシリケート材料を調製するための二つの方法を提供する。
【0011】
本発明において提供される調製方法のうちの一つは、チタノシリケート、保護剤、貴金属源、還元剤、アルカリ源を、水とともに均質に混合し、この混合物を熱水処理のための反応釜に提供し、ろ過し、洗浄し、上記材料を得るために乾燥することを包含する。より具体的には、上記方法は、以下の工程を含む。
(1)チタノシリケート(g):保護剤(モル):アルカリ源(モル):還元剤(モル):貴金属源(g、貴金属の単体に基づいて算出):水(モル)を、100:(0.0〜5.0):(0.005〜5.0):(0.005〜15.0):(0.005〜10.0):(200〜10000)の比率で含む混合物を得るために、チタノシリケート、保護剤、貴金属源、還元剤、アルカリ源を水とともに均質に混合する工程;および
(2)工程(1)で得られた混合物を反応釜に供給し、熱水処理条件下で反応させ、チタノシリケート材料を得るために当該生成物を回収する工程。
【0012】
上述の第1の調製方法では、上記混合物は、チタノシリケート(g):保護剤(モル):アルカリ源(モル):還元剤(モル):貴金属源(g、貴金属の単体に基づいて算出):水(モル)の比率が、100:(0.005〜1.0):(0.01〜2.0):(0.01〜10.0):(0.01〜5.0):(500〜5000)であることが好ましい。
【0013】
上述の第1の調製方法において、工程(1)におけるチタノシリケート源としては、様々な構造を有する様々なタイプのチタノシリケート分子ふるい、例えば、TS−1、TS−2、Ti−BETA、Ti−MCM−22、Ti−MCM−41、Ti−ZSM−48、Ti−ZSM−12、Ti−MMM−1、Ti−SBA−15、Ti−MSU、Ti−MCM−48等、好ましくはTS−1が挙げられる。
【0014】
上述の第1の調製方法において、保護剤はポリマーまたは界面活性剤である。ここでは、ポリマーはポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびそれらの誘導体からなる群から選択されるものであり;界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および非イオン性界面活性剤からなる群から選択されるものである。
【0015】
上述の調製方法の工程(1)における還元剤は、ヒドラジン、ホウ化水素およびクエン酸ナトリウムからなる群から選択されるものであり得、ヒドラジンはヒドラジン水和物、塩酸ヒドラジンおよび硫酸ヒドラジンからなる群から選択されるものであり;上記ホウ化水素は水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムからなる群から選択されるものである。
【0016】
上述の調製方法の工程(1)における貴金属源は、上記貴金属の無機物または有機物であり、該貴金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、塩化アンモニウム塩、水酸化物および他の複合体からなる群から選択されるものであり得る。パラジウムを例として挙げれば、パラジウム源は無機および/または有機パラジウム源であり得、無機パラジウム源は酸化パラジウム、炭酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、パラジウム硝酸アンモニウム、パラジウム塩化アンモニウム、水酸化パラジウムおよびパラジウムの他の複合体からなる群から選択されるものであり;有機パラジウム源は酢酸パラジウムおよびアセチルアセトンパラジウムからなる群から選択されるものである。
【0017】
上述の調製方法の工程(1)におけるアルカリ源は、無機または有機のアルカリ源であり、無機アルカリ源は、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化バリウムからなる群より選択されるものであり;有機アルカリ源は、カルバミド、第4級アンモニウムアルカリ化合物、脂肪族アミン化合物、アルコールアミン化合物、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものである。
【0018】
第4級アンモニウムアルカリ化合物は、一般式(R14NOHで示される(式中、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、好ましくはプロピル基である)。
【0019】
脂肪族アミン化合物は、一般式R2(NH2nで示される(式中、R2は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルキリデン基であり、nは1または2である)。脂肪族アミン化合物は、エチルアミン、n−ブチルアミン、ブタンジアミンおよびヘキサンジアミンからなる群から選択されるものである。
【0020】
アルコールアミン化合物は、一般式(HOR3mNH(3-m)で示される(式中、R3は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、mは1、2または3である)。アルコールアミン化合物は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選択されるものである。
【0021】
上述の第1の調製方法では、保護剤は加えても加えなくてもよい。
【0022】
上述した調製方法における熱水処理条件は、80〜200℃、自己圧力下での2〜360時間の熱水処理となる。上述の回収プロセスは、当業者において周知であり、特別なものではない。上述の回収プロセスは、概ね、結晶化した生成物の洗浄、乾燥等のようなプロセスを包含する。
【0023】
本発明において提供される第2の調製方法は、具体的には以下の工程を含む。
(1)チタン源、シリコン源、アルカリ源、保護剤、貴金属源を水とともに均質に混合して、シリコン源:チタン源:アルカリ源:貴金属源:保護剤:水を、100:(0.005〜50.0):(0.005〜20.0):(0.005〜10.0):(0.0001〜5.0):(200〜10000)のモル比(ここで、シリコン源はSiO2で算出し、チタン源はTiO2で算出し、貴金属源は単体で算出する)で含む混合物を得る;中間結晶材料を得るために、その混合物を、少なくとも2時間、120〜200℃で熱水晶出し、その生成物を、取り出し、ろ過し、乾燥させ、焼成する工程;および
(2)工程(1)で得られた中間結晶材料を工程(1)の残留ろ過液に供給し、工程(1)において加えた貴金属源に対してモル比が0.1〜10となる還元剤を加え、80〜200℃、自己圧力下で2〜360時間熱水処理し、チタノシリケート材料を得るために、その生成物を回収する工程。
【0024】
本発明において提供される第2の調製方法において、工程(2)は必要に応じて1回または複数回繰り返され得る。
【0025】
本発明において提供される第2の調製方法では、工程(1)における上記混合物は、シリコン源:チタン源:アルカリ源:貴金属源:保護剤:水のモル比が100:(0.01〜10.0):(0.01〜10.0):(0.01〜5.0):(0.0005〜1.0):(500〜5000)であることが好ましい。
【0026】
本発明において提供される第2の調製方法では、工程(1)におけるシリコン源は、シリカ・ゲル、シリカ・ゾルおよび有機ケイ酸塩からなる群から選択されるものであり、好ましくは有機ケイ酸塩である。有機ケイ酸塩は、一般式R44SiO4で示される(式中、R4は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、好ましくはエチル基である)。
【0027】
本発明において提供される第2の調製方法では、上記チタン源は、無機チタニウム塩または有機チタン酸塩であり、好ましくは有機チタン酸塩である。無機チタニウム塩としては、TiCl4、Ti(SO42、およびTiOCl2が挙げられる。有機チタン酸塩は、一般式Ti(OR54で示される(式中、R5は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、好ましくは2〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)。
【0028】
本発明において提供される第2の調製方法では、工程(1)におけるアルカリ源は、第4級アンモニウムアルカリ化合物、または、第4級アンモニウムアルカリ化合物、脂肪族アミン化合物およびアルコールアミン化合物の混合物である。第4級アンモニウムアルカリ化合物は、一般式(R64NOHで示される(式中、R6は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、好ましくはプロピル基である)。脂肪族アミン化合物は、一般式R7(NH2nで示される(式中、R7は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルキリデン基であり、nは1または2である)。脂肪族アミン化合物は、エチルアミン、n−ブチルアミン、ブタンジアミンおよびヘキサンジアミンからなる群から選択されるものである。アルコールアミン化合物は、一般式(HOR8mNH(3-m)で示される(式中、R8は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、mは1、2または3である)。アルコールアミン化合物は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選択されるものである。
【0029】
本発明において提供される第2の調製方法では、保護剤はポリマーまたは界面活性剤である。ここでは、ポリマーはポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびそれらの誘導体からなる群から選択されるものであり;界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および非イオン性界面活性剤からなる群から選択されるものである。
【0030】
上述した第2の調製方法の工程(1)における貴金属源は、上記貴金属に係る無機物または有機物であり、該貴金属の酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、塩化アンモニウム塩、水酸化物および他の複合体からなる群から選択されるものであり得る。パラジウムを例として挙げれば、パラジウム源は無機および/または有機パラジウム源であり得、無機パラジウム源は酸化パラジウム、炭酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、パラジウム硝酸アンモニウム、パラジウム塩化アンモニウム、水酸化パラジウムおよびパラジウムの他の複合体からなる群から選択されるものであり;有機パラジウム源は酢酸パラジウムおよびアセチルアセトンパラジウムからなる群から選択されるものである。
【0031】
本発明において提供される第2の調製方法では、工程(1)の還元剤はヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ホウ化水素およびクエン酸ナトリウムからなる群から選択されるものであり、ヒドラジンはヒドラジン水和物、塩酸ヒドラジンおよび硫酸ヒドラジンからなる群から選択されるものであり;上記ホウ化水素は水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムからなる群から選択されるものである。
【0032】
従来技術と比較すると、触媒活性および酸化活性、ならびに本発明において提供される調製方法の生成物選択性は、明らかに向上される。同時に、上記方法は触媒活性および安定性に優れている(実施例12を参照のこと)。さらに、本明細書において提供される物質の結晶粒によって封じ込められる中空構造または垂下構造が、触媒反応における反応物質および生成分子、特に高分子(例えば、芳香族化合物)の分散に有利であるため、芳香族化合物、環状化合物などの触媒酸化に特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、比較例1の比較サンプルDB−1における低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図2】図2は、実施例1のサンプルAにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図3】図3は、実施例2のサンプルBにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図4】図4は、実施例3のサンプルCにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図5】図5は、実施例4のサンプルDにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図6】図6は、実施例5のサンプルEにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図7】図7は、実施例6のサンプルFにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図8】図8は、実施例7のサンプルGにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図9】図9は、実施例8のサンプルHにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図10】図10は、実施例9のサンプルIにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図11】図11は、実施例10のサンプルJにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図12】図12は、実施例11のサンプルKにおける低温窒素吸着の吸脱等温曲線を示す。
【図13】図13は、比較例1の比較例DB−1の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図14】図14は、実施例1のサンプルAの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図15】図15は、実施例2のサンプルBの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図16】図16は、実施例3のサンプルCの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図17】図17は、実施例4のサンプルDの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図18】図18は、実施例5のサンプルEの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図19】図19は、実施例6のサンプルFの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図20】図20は、実施例7のサンプルGの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図21】図21は、実施例8のサンプルHの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図22】図22は、実施例9のサンプルIの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図23】図23は、実施例10のサンプルJの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【図24】図24は、実施例11のサンプルKの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の実施例では、本発明に関してさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0035】
すべての例において用いた試薬は、市販の化学的に純粋な試薬である。比較例および実施例において用いたチタノシリケートTS−1は、先行技術のZeolites, 1992, Vol.12, 943に記載された方法に基づいて調製し;比較例および実施例において用いたチタノシリケートTi−BETAは、先行技術のJ. Catal., 1994, Vol.145, 151に記載された方法に基づいて調製し;比較例および実施例において用いたチタノシリケートTS−2は、先行技術のAppl. Catal., 1990, Vol.58, L1に記載された方法に基づいて調製し;そこで用いたチタノシリケートTi−ZSM−48は先行技術のJ. Chem. Soc. Chem. Commun., 1994, 745に基づいて調製し;そこで用いたチタノシリケートTi−ZSM−12は、先行技術のZeolites, 1995, Vol.15, 236に記載された方法に基づいて調製した。サンプルの低温窒素吸着の吸脱等温曲線は、ASAP2405静的窒素吸着装置(マイクロメリティクス(Micromeritics)、米国)上でASTM D4222−98標準方法により測定した。サンプルの透過型電子顕微鏡(TEM)写真は、オランダのエフイー・アイ社(FEI)のTecnai G2F20S−TWIN型透過型電子顕微鏡によって、加速電圧20kVで得た。さらに、サンプルのベンゼン吸着量は、従来の静的吸着プロセスにより測定した。
【0036】
〔比較例1〕
本比較例は、担持型のパラジウム/チタノシリケート触媒の従来の調製プロセスを示す。
【0037】
20gのチタノシリケートTS−1と、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)20mlのパラジウム硝酸アンモニウム複合溶液とを、20mlの脱イオン水に加えた。混合物を均質に攪拌し、厳密に封止し、温度40℃下で24時間含浸させ、自然乾燥させた後、水素雰囲気において150℃下で3時間還元活性化することにより、従来の担持型パラジウム/チタノシリケート触媒DB−1を得た。解析の結果、上記触媒は、酸化物表示で6TiO2・100SiO2・0.7PdO・0.3Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループは存在しなかった(図1)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造または垂下構造ではなく、充填構造を示した(図13)。
【0038】
〔実施例1〕
20gのチタノシリケートTS−1、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)パラジウム硝酸アンモニウム複合溶液、適切な量のヒドラジン水和物、およびセチルトリメチル臭化アンモニウムを、テトラプロピル水酸化アンモニウム水溶液(10%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、チタノシリケート(g):セチルトリメチル臭化アンモニウム(モル):テトラプロピル水酸化アンモニウム(モル):ヒドラジン水和物(モル):パラジウム硝酸ナトリウム複合体(g、パラジウムにより算出):水(モル)を、100:0.005:0.5:3.0:2.0:1000の比率で含む混合物を得た。その後、上記混合物をステンレス製の密封反応釜に供給し、150℃、自己圧力下48時間熱水処理した。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに180℃で3時間乾燥することにより、本発明に係る新しい貴金属含有チタノシリケート材料Aを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で4TiO2・100SiO2・0.01PdO・0.09Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図2)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図14)。
【0039】
〔実施例2〕
20gのチタノシリケートTi−BETA、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)塩化パラジウム複合溶液、適切な量の塩酸ヒドラジン、およびポリプロピレンを、水酸化ナトリウム水溶液(15%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、チタノシリケート(g):ポリプロピレン(モル):水酸化ナトリウム(モル):塩酸ヒドラジン(モル):塩化パラジウム(g、パラジウムにより算出):水(モル)を、100:0.9:1.8:0.15:0.1:4600の割合で含む混合物を得た。その後、上記混合物をステンレス製の密封反応釜に供給し、180℃、自己圧力下で24時間熱水処理した。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに110℃で3時間乾燥することにより、本発明に係る新しい貴金属含有チタノシリケート材料Bを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で8TiO2・100SiO2・0.006PdO・0.008Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図3)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図15)。
【0040】
〔実施例3〕
テトラエチルオルトケイ酸、テトラブチルチタン酸塩、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)酢酸パラジウムおよびTween80を、テトラプロピル水酸化アンモニウムおよびブタンジアミンの水溶液(10%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、シリコン源:チタニウム源:アルカリ源:パラジウム源:保護剤:水(モル)を、100:0.03:0.5:0.05:0.02:550の割合で含む混合物を得た。ここでは、シリコン源はSiO2で算出し、チタニウム源はTiO2で算出し、パラジウム源はPdで算出する。その後、上記混合物を密封反応釜に供給し、120℃、自己圧力下で120時間熱水処理した。得られた物質を取り出し、ろ過および乾燥させた後、焼成することにより、中間結晶材料を得た。上記中間結晶材料を残留ろ過液に供給した後、適切な量のヒドラジン水和物を、170℃、自己圧力で36時間熱水処理するために加えた。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに150℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Cを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で0.008TiO2・100SiO2・0.01PdO・0.2Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図4)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図16)。
【0041】
〔実施例4〕
シリカ・ゾル、テトラブチルチタン酸塩、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)パラジウム塩化アンモニウム、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを、テトラプロピル水酸化アンモニウムおよびブタンジアミンの水溶液(15%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、シリコン源:チタン源:アルカリ源:パラジウム源:保護剤:水(モル)を、100:2.0:5.2:2.0:0.5:2500の割合で含む混合物を得た。ここでは、シリコン源はSiO2で算出し、チタン源はTiO2で算出し、パラジウム源はPdで算出する。その後、上記混合物をステンレス製の密封反応釜に供給し、150℃、自己圧力下で96時間熱水処理した。得られた物質を取り出し、ろ過および乾燥させた後、焼成することにより、中間結晶材料を得た。上記中間結晶材料を残留ろ過液に供給した後、適切な量の塩酸ヒドラジンを、120℃、自己圧力下で48時間熱水処理するために加えた。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに120℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Dを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で19TiO2・100SiO2・0.5PdO・1.3Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図5)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図17)。
【0042】
〔実施例5〕
20gのチタノシリケートTS−2、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)硝酸パラジウム、適切な量の水素化ホウ素ナトリウム、およびTween80を、ブタンジアミン水溶液(10%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、チタノシリケート(g):Tween80(モル):ブタンジアミン(モル):水素化ホウ素ナトリウム(モル):酢酸パラジウム(g、パラジウムにより算出):水(モル)を、100:0.1:0.02:0.05:0.03:520の割合で含む混合物を得た。その後、上記混合物をステンレス製の密封反応釜に供給し、120℃、自己圧力下で120時間熱水処理した。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに150℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Eを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で0.1TiO2・100SiO2・0.66PdO・0.12Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図6)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図18)。
【0043】
〔実施例6〕
20gのチタノシリケートTi−ZSM−48、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)パラジウム塩化アンモニウム、適切な量の硫酸ヒドラジン、およびプルロニック(Pluronic(登録商標))P123を、テトラプロピル水酸化アンモニウム水溶液(10%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、チタノシリケート(g):プルロニックP123(モル):テトラプロピル水酸化アンモニウム(モル):硫酸ヒドラジン(モル):パラジウム塩化アンモニウム(g、パラジウムにより算出):水(モル)を、100:0.5:0.1:8.5:4.8:2000の割合で含む混合物を得た。その後、上記混合物をステンレス製の密封反応釜に供給し、90℃、自己圧力下で240時間熱水処理した。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに120℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Fを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で0.04TiO2・100SiO2・3.6PdO・1.1Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図7)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図19)。
【0044】
〔実施例7〕
テトラエチルオルトケイ酸、テトラエチルチタン酸塩、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)酢酸パラジウム、およびセチルトリメチル臭化アンモニウムを、テトラプロピル水酸化アンモニウム水溶液(13%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、シリコン源:チタン源:アルカリ源:パラジウム源:保護剤:水(モル)を、100:8.2:7.5:0.1:0.005:800の割合で含む混合物を得た。ここでは、シリコン源はSiO2で測定し、チタン源はTiO2で測定し、パラジウム源はPdで測定する。その後、上記混合物を密封反応釜に供給し、160℃、自己圧力下で96時間熱水処理した。得られた物質を取り出し、ろ過および乾燥させた後、焼成することにより、中間結晶材料を得た。上記中間結晶材料を残留ろ過液に供給した後、適切な量の塩酸ヒドラジンを、170℃、自己圧力下で36時間熱水処理するために加えた。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに150℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Gを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で23TiO2・100SiO2・0.004PdO・0.8Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図8)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図20)。
【0045】
〔実施例8〕
テトラメチルオルトケイ酸、TiCl4、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)パラジウム硝酸アンモニウム、およびポリクロロビニルを、テトラプロピル水酸化アンモニウム水溶液(15%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、シリコン源:チタン源:アルカリ源:パラジウム源:保護剤:水(モル)を、100:5.0:0.02:4.5:0.9:4800の割合で含む混合物を得た。ここでは、シリコン源はSiO2で測定し、チタン源はTiO2で測定し、パラジウム源はPdで測定する。その後、上記混合物を密封反応釜に供給し、150℃、自己圧力下で96時間熱水処理した。得られた物質を取り出し、ろ過および乾燥させた後、焼成することにより、中間結晶材料を得た。上記中間結晶材料を残留ろ過液に供給した後、適切な量の水素化ホウ素ナトリウムを、120℃、自己圧力下で48時間熱水処理するために加えた。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに120℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Hを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で12TiO2・100SiO2・0.01PdO・6.4Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図9)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図21)。
【0046】
〔実施例9〕
20gのチタノシリケートTi−ZSM−12、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)10mlの酢酸パラジウムのエタノール溶液、適切な量のクエン酸ナトリウム、およびポリエチレングリコールを、トリエタノールアミン水溶液(18%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、チタノシリケート(g):ポリエチレングリコール(モル):トリエタノールアミン(モル):クエン酸ナトリウム(モル):酢酸パラジウム(g、パラジウムにより算出):水(モル)を、100:0.01:1.2:0.05:1.0:1500の割合で含む混合物を得た。その後、上記混合物を反応釜に供給し、130℃、自己圧力下で320時間熱水処理した。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに140℃で3時間することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Iを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で0.5TiO2・100SiO2・0.7PdO・1.3Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図10)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図22)。
【0047】
〔実施例10〕
テトラエチルオルトケイ酸、テトラプロピルチタン酸、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)酢酸パラジウム、およびテトラドデシルトリメチル臭化アンモニウムを、テトラプロピル水酸化アンモニウム水溶液(13%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、シリコン源:チタン源:アルカリ源:パラジウム源:保護剤:水(モル)を、100:0.1:0.1:1.1:0.001:1500の割合で含む混合物を得た。ここでは、シリコン源はSiO2で算出し、チタン源はTiO2で算出し、パラジウム源はPdで算出する。その後、上記混合物をステンレス製の密封反応釜に供給し、160℃、自己圧力下で72時間熱水処理した。得られた物質を取り出し、ろ過および乾燥させた後、焼成することにより、中間結晶材料を得た。上記中間結晶材料を残留ろ過液に供給した後、適切な量の塩酸ヒドラジンを、170℃、自己圧力下で36時間熱水処理するために加えた。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに150℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Jを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で2TiO2・100SiO2・0.6PdO・3.3Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図11)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図23)。
【0048】
〔実施例11〕
20gのチタノシリケートTS−1、濃度が0.01g/mlである(パラジウムもしくは白金原子に基づいて算出)パラジウム硝酸アンモニウムおよび白金硝酸アンモニウムの複合溶液、ヒドラジン水和物、ならびにセチルトリメチル臭化アンモニウムを、テトラプロピル水酸化アンモニウム水溶液(14%重量パーセント濃度である)に加え、均質に混合および攪拌することにより、チタノシリケート(g):セチルトリメチル臭化アンモニウム(モル):テトラプロピル水酸化アンモニウム(モル):ヒドラジン水和物(モル):白金硝酸アンモニウム(g、白金により算出):パラジウム硝酸アンモニウム(g、パラジウムにより算出):水(モル)を、100:0.1:1.2:2.0:0.8:1.2:1800の割合で含む混合物を得た。その後、上記混合物をステンレス製の密封反応釜に供給し、180℃、自己圧力下で72時間熱水処理した。得られた物質をろ過し、水で洗浄し、自然乾燥させた後、さらに180℃で3時間乾燥することにより、本発明の新しい貴金属含有チタノシリケート材料Kを得た。解析の結果、上記材料は、酸化物表示で4TiO2・100SiO2・0.3PdO・0.1PtO・0.9Pd・0.7Ptと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した(図12)。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した(図24)。
【0049】
〔比較例2〕
本比較例は、担持型のパラジウム−白金/チタノシリケート触媒の従来の調製プロセスを示す。
【0050】
20gのチタノシリケートTS−1、ならびに濃度が0.01g/mlである(パラジウムまたは白金原子に基づいて算出)パラジウム硝酸アンモニウムおよび白金硝酸アンモニウムの複合溶液それぞれ10mlを、20mlの脱イオン水に加えた。上記混合物を均質に攪拌し、厳密に封止し、温度40℃下で24時間含浸させ、自然乾燥させた後、水素雰囲気において150℃下で3時間還元活性化することにより、従来の担持型パラジウム−白金/チタノシリケート触媒DB−2を得た。解析の結果、上記触媒は、酸化物表示で6TiO2・100SiO2・0.8PdO・0.4PtO・0.2Pd・0.5Ptと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループは存在しなかった。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示さなかった。
【0051】
〔比較例3〕
本比較例は、担持型のパラジウム/チタノシリケート触媒の従来の調製プロセスを示す。
【0052】
中国特許公報1132699号の実施例1に記載されている方法に基づいて調製した20gのチタノシリケートと、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)20mlのパラジウム硝酸アンモニウム複合溶液とを、20mlの脱イオン水に加えた。上記混合物を均質に攪拌し、厳密に封止し、温度40℃下で24時間含浸させ、自然乾燥させた後、水素雰囲気において150℃下で3時間還元活性化することにより、従来の担持型パラジウム−白金/チタノシリケート触媒DB−3を得た。解析の結果、上記触媒は、酸化物表示で6TiO2・100SiO2・0.9PdO・0.1Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループが存在した。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造を示した。
【0053】
〔比較例4〕
本比較例は、担持型のパラジウム/チタノシリケート触媒の従来の調製プロセスを示す。
【0054】
20gのチタノシリケートTS−2と、濃度が0.01g/mlである(パラジウム原子に基づいて算出)15mlのパラジウム硝酸アンモニウム複合溶液とを、30mlの脱イオン水に加えた。上記混合物を均質に攪拌し、厳密に封止し、温度40℃下で24時間含浸させ、自然乾燥させた後、水素雰囲気において150℃下で1時間還元活性することにより、従来の担持型パラジウム/チタノシリケート触媒DB−4を得た。解析の結果、上記触媒は、酸化物表示で7TiO2・100SiO2・0.2PdO・0.6Pdと表されるものであった。低温窒素吸着の吸脱等温曲線において、ヒステリシス・ループはなかった。透過型電子顕微鏡(TEM)の写真は、中空構造ではなく、充填構造を示した。
【0055】
〔実施例12〕
本実施例は、実施例サンプル、および本発明の比較例において水素存在下で調製されたサンプルの、プロピレン気相エポキシ化による酸化プロピレン調製の反応効果を示す。
【0056】
上述した実施例1〜11ならびに比較例1、2、3および4において調製された各サンプル0.5gを、80mlのメタノールが入っているエポキシ化反応容器にそれぞれ加えた。プロピレン、酸素、水素および窒素を、上記容器に供給して、プロピレン−酸素−水素−窒素混合気(モル比は1:1:1:7)を形成した。上記混合気を60℃、圧力1.0MPa、およびプロピレン空間速度10h-1の条件でエポキシ化することにより、酸化プロピレン(PO)を得た。
【0057】
上記反応の2時間後および12時間後におけるプロピレン転換率およびPO選択性のデータを、表1および2にそれぞれ示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

表1および2より、本発明において提供される材料の活性が、比較例に対して明らかに高く、その選択性もいくらか向上していることがわかり、その触媒酸化活性および選択性が、従来技術に対して明らかに強化されているとともに、本発明の材料が、優れた触媒活性の安定性を有することを示している。
【0060】
上記サンプルの、25℃、P/P0=0.10、吸着時間1時間の条件におけるベンゼン吸着量、ならびに空洞半径の長さのデータを表3に示す。
【0061】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
貴金属を含有するチタノシリケート材料であって、該チタノシリケート材料は、酸化物表示でxTiO2・100SiO2・yE0m・zEと表され、xは0.001〜50.0の範囲であり;(y+z)は0.0001〜20.0の範囲であり、y/z<5であり;Eは、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、AgおよびAuからなる群より選ばれる一つ以上の貴金属を表し;mは、Eの酸化状態を充足させる数であり;該チタノシリケート材料の結晶粒は、中空構造または垂下構造を含んでいることを特徴とするチタノシリケート材料。
【請求項2】
上記貴金属Eが、Pd、Pt、AgおよびAuからなる群より選ばれる一つ以上の貴金属であることを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項3】
上記貴金属Eが、Pdおよび/またはPtであることを特徴とする請求項2に記載のチタノシリケート材料。
【請求項4】
上記貴金属Eが、Pdであることを特徴とする請求項3に記載のチタノシリケート材料。
【請求項5】
xは、0.005〜25.0の範囲であり、(y+z)は、0.005〜20.0の範囲であり、y/z<3であることを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項6】
xは、0.001〜20.0の範囲であり、(y+z)は、0.001〜10.0の範囲であり、y/z<2であることを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項7】
xは、0.005〜20.0の範囲であり、(y+z)は、0.005〜10.0の範囲であり、y/z<1であることを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項8】
温度が25℃、P/P0=0.10、吸着時間が1時間である条件の下で測定した上記チタノシリケート材料のベンゼン吸着能が、少なくとも25mg/gであることを特徴とする請求項1に記載の上記チタノシリケート材料。
【請求項9】
温度が25℃、P/P0=0.10、吸着時間が1時間である条件の下で測定した上記チタノシリケート材料のベンゼン吸着能が、少なくとも35mg/gであることを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項10】
上記チタノシリケート材料の低温窒素吸着の吸着等温線と脱着等温線との間にヒステリシスループが存在することを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項11】
相対圧力P/P0が約0.60であるときに、脱着時の窒素吸着能と、吸着時の窒素脱着能との間の差が、吸着時の窒素吸着能の2%よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項12】
上記チタノシリケート材料の結晶粒が、全体的または部分的に、中空構造または垂下構造を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項13】
上記チタノシリケート材料の中空結晶粒の空洞部分が、0.1〜500nmの半径を有することを特徴とする請求項12に記載のチタノシリケート材料。
【請求項14】
上記チタノシリケート材料の中空結晶粒の空洞部分が、0.5〜300nmの半径を有することを特徴とする請求項12に記載のチタノシリケート材料。
【請求項15】
上記チタノシリケート材料の中空結晶粒の空洞部分が、矩形、円形、不規則な円形、不規則な多角形、およびそれらの組み合わせから選択される形状を有していることを特徴とする請求項12に記載のチタノシリケート材料。
【請求項16】
上記チタノシリケート材料の結晶粒が、単結晶の粒であるか、または、複数の結晶粒が集まった集合晶の粒であることを特徴とする請求項1に記載のチタノシリケート材料。
【請求項17】
以下の工程を包含していることを特徴とする請求項1に記載の貴金属を含有するチタノシリケート材料の調製方法:
(1)チタノシリケート:保護剤:アルカリ源:還元剤:貴金属源:水を、100:(0.0〜5.0):(0.005〜5.0):(0.005〜15.0):(0.005〜10.0):(200〜10000)の比率(ここでは、チタノシリケートについてはグラムで計算され、保護剤、アルカリ源、還元剤および水についてはモルで計算され、貴金属源については、貴金属単体のグラムで計算される。)で含む混合物を得るために、チタノシリケート、保護剤、貴金属源、還元剤、アルカリ源を水とともに均質に混合する工程;および
(2)工程(1)で得られた該混合物を反応釜に供給し、熱水処理条件下で反応させ、チタノシリケート材料を得るために当該生成物を回収する工程。
【請求項18】
工程(1)における上記チタノシリケートが、TS−1、TS−2、Ti−BETA、Ti−MCM−41、Ti−ZSM−48、Ti−ZSM−12、Ti−MMM−1、Ti−MCM−22、Ti−SBA−15、Ti−MSU、Ti−MCM−48およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項19】
工程(1)における上記チタノシリケートが、TS−1であることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項20】
工程(1)における上記保護剤が、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびそれらの誘導体からなる群より選択されるポリマーまたはそれらの混合体であることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項21】
工程(1)における上記保護剤が、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および非イオン性界面活性剤からなる群から選択される界面活性剤であることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項22】
工程(1)における上記還元剤が、ヒドラジン、ホウ化水素およびクエン酸ナトリウムからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項23】
工程(1)における上記貴金属源が、貴金属の、酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、塩化アンモニウム塩、水酸化物および他の複合体からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項24】
工程(1)における上記貴金属源が、パラジウム源であることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項25】
上記パラジウム源が、酸化パラジウム、炭酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、パラジウム硝酸アンモニウム、パラジウム塩化アンモニウム、水酸化パラジウムおよびパラジウムの他の複合体からなる群から選択されるものであるか、または、酢酸パラジウムおよびアセチルアセトンパラジウムからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項24に記載の調製方法。
【請求項26】
工程(1)における上記アルカリ源が、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化バリウムからなる群より選択されるものであるか、または、カルバミド、第4級アンモニウムアルカリ化合物、脂肪族アミン化合物、アルコールアミン化合物、およびそれらの混合物からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項27】
上記第4級アンモニウムアルカリ化合物は、一般式(R14NOHで示され、R1は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする請求項26に記載の調製方法。
【請求項28】
1がプロピル基であることを特徴とする請求項27に記載の調製方法。
【請求項29】
上記脂肪族アミン化合物は、一般式R2(NH2nで示され、R2は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルキリデン基であり、nは1または2であることを特徴とする請求項26に記載の調製方法。
【請求項30】
上記脂肪族アミン化合物は、エチルアミン、n−ブチルアミン、ブタンジアミンおよびヘキサンジアミンからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項29に記載の調製方法。
【請求項31】
上記アルコールアミン化合物は、一般式(HOR3mNH(3-m)で示され、R3は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、mは1、2または3であることを特徴とする請求項26に記載の調製方法。
【請求項32】
上記アルコールアミン化合物は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項31に記載の調製方法。
【請求項33】
工程(1)における上記混合物が、チタノシリケート:保護剤:アルカリ源:還元剤:貴金属源:水を、100:(0.005〜1.0):(0.01〜2.0):(0.01〜10.0):(0.01〜5.0):(500〜5000)の比率(ここでは、チタノシリケートについてはグラムで計算され、保護剤、アルカリ源、還元剤および水についてはモルで計算され、貴金属源については、貴金属単体のグラムで計算される。)で含んでいることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項34】
工程(2)における熱水処理条件が、80〜200℃、自己圧力下での2〜360時間の熱水処理となることを特徴とする請求項17に記載の調製方法。
【請求項35】
以下の工程を包含していることを特徴とする請求項1に記載の貴金属を含有するチタノシリケート材料の調製方法:
(1)チタン源、シリコン源、アルカリ源、保護剤、貴金属源を水とともに均質に混合して、シリコン源:チタン源:アルカリ源:貴金属源:保護剤:水を、100:(0.005〜50.0):(0.005〜20.0):(0.005〜10.0):(0.0001〜5.0):(200〜10000)のモル比(ここで、シリコン源はSiO2で算出し、チタン源はTiO2で算出し、貴金属源は単体で算出する)で含む混合物を得;中間結晶材料を得るために、その混合物を、少なくとも2時間、120〜200℃で熱水晶出し、その生成物を、取り出し、ろ過し、乾燥させ、焼成する工程;および
(2)工程(1)で得られた中間結晶材料を工程(1)の残留ろ過液に供給し、工程(1)において加えた貴金属源に対してモル比が0.1〜10となる還元剤を加え、80〜200℃、自己圧力下で2〜360時間熱水処理し、チタノシリケート材料を得るために、その生成物を回収する工程。
【請求項36】
工程(1)におけるシリコン源が、シリカ・ゲル、シリカ・ゾルおよび有機ケイ酸塩からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項35に記載の調製方法。
【請求項37】
上記有機ケイ酸塩は、一般式R44SiO4で示され、R4は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする請求項36に記載の調製方法。
【請求項38】
4は、エチル基であることを特徴とする請求項37に記載の調製方法。
【請求項39】
上記チタン源は、無機チタニウム塩または有機チタン酸塩であることを特徴とする請求項35に記載の調製方法。
【請求項40】
上記無機チタニウム塩が、TiCl4、Ti(SO42、およびTiOCl2からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項39に記載の調製方法。
【請求項41】
上記有機チタン酸塩が、一般式Ti(OR54で示され、R5は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする請求項39に記載の調製方法。
【請求項42】
5が2〜4個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする請求項41に記載の調製方法。
【請求項43】
工程(1)における上記アルカリ源は、第4級アンモニウムアルカリ化合物、または、第4級アンモニウムアルカリ化合物、脂肪族アミン化合物およびアルコールアミン化合物の混合物であることを特徴とする請求項35に記載の調製方法。
【請求項44】
上記第4級アンモニウムアルカリ化合物は、一般式(R64NOHで示され、R6は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であることを特徴とする請求項42に記載の調製方法。
【請求項45】
6はプロピル基であることを特徴とする請求項44に記載の調製方法。
【請求項46】
上記脂肪族アミン化合物は、一般式R7(NH2nで示され、R7は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基またはアルキリデン基であり、nは1または2であることを特徴とする請求項43に記載の調製方法。
【請求項47】
上記脂肪族アミン化合物は、エチルアミン、n−ブチルアミン、ブタンジアミンおよびヘキサンジアミンからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項43に記載の調製方法。
【請求項48】
上記アルコールアミン化合物は、一般式(HOR8mNH(3-m)で示され、R8は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、mは1、2または3であることを特徴とする請求項43に記載の調製方法。
【請求項49】
上記アルコールアミン化合物は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項43に記載の調製方法。
【請求項50】
工程(1)における上記保護剤が、ポリマーまたは界面活性剤であり、該ポリマーはポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンおよびそれらの誘導体ならびにそれらの混合物からなる群から選択され;該界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および非イオン性界面活性剤からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項35に記載の調製方法。
【請求項51】
工程(1)における上記貴金属源は、上記貴金属の無機物または有機物であることを特徴とする請求項35に記載の調製方法。
【請求項52】
上記貴金属源が、無機および/または有機パラジウム源であることを特徴とする請求項51に記載の調製方法。
【請求項53】
上記無機パラジウム源は、酸化パラジウム、炭酸パラジウム、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、パラジウム硝酸アンモニウム、パラジウム塩化アンモニウム、水酸化パラジウムおよびパラジウムの他の複合体からなる群から選択され;該有機パラジウム源は酢酸パラジウムおよびアセチルアセトンパラジウムからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項52に記載の調製方法。
【請求項54】
工程(1)における上記混合物は、シリコン源:チタン源:アルカリ源:貴金属源:保護剤:水のモル比が100:(0.01〜10.0):(0.01〜10.0):(0.01〜5.0):(0.0005〜1.0):(500〜5000)であることを特徴とする請求項35に記載の調製方法。
【請求項55】
工程(2)における上記還元剤は、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ホウ化水素、クエン酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項35に記載の調製方法。
【請求項56】
上記ヒドラジンが、ヒドラジン水和物、塩酸ヒドラジンおよび硫酸ヒドラジンからなる群から選択され;上記ホウ化水素が、水素化ホウ素ナトリウムおよび水素化ホウ素カリウムからなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項55に記載の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2010−522689(P2010−522689A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501357(P2010−501357)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/CN2008/000616
【国際公開番号】WO2008/119252
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(503191287)中国石油化工股▲ふん▼有限公司 (35)
【出願人】(509059424)中国石油化工股▲ふん▼有限公司石油化工科学研究院 (14)
【Fターム(参考)】