説明

買物アシストシステム、情報端末装置及び制御プログラム

【課題】情報端末装置を顧客に携帯させ、店舗内で顧客の所望する商品の陳列位置まで顧客を案内して、買物をアシストする買物アシストシステムにおいて、簡易な構成で情報端末装置の位置検出精度を向上する。
【解決手段】情報端末装置は、経路案内時に店舗内で陳列されている商品を特定する商品特定情報を取得し、所定の棚割情報に基づいて特定された商品の陳列位置を当該情報端末装置の店舗内における現在位置として経路案内を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、買物アシストシステム、情報端末装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ショッピングモール、DIYショップ、スーパーマーケット等の大規模小売店においては、取り扱っている商品の種類が多く、売り場面積も大きいため、購入しようとする商品が定まっていても、短時間で所望の商品を見つけて購入するのは困難であった。
これを解決するために、特許文献1には、店舗内における所定の目的地まで案内を行うショッピングカートが提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ショッピングカートの現在位置を検出する方法としては、GPS用電波を送信する送信機を複数配置した構内GPSを用いたり、配置位置が既知の無線アクセスポイントの通信圏内にあることを検出して、電波強度から実際の位置を検出したりすることが考えられる。
このような位置検出システムでは、位置測定精度を向上させるためには、送信機や無線アクセスポイント数を増やすこととなるが、店舗内では台数を増やしても、設置コストがかさむだけで、必ずしも位置測定精度が向上しない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の情報端末装置は、ユーザとともに移動されて、店舗内で経路案内を行う情報端末装置として構成される。
そして、情報端末装置の情報取得手段は、経路案内時に店舗内で陳列されている商品を特定する商品特定情報を取得する。
これにより、案内手段は、所定の棚割情報に基づいて特定された商品の陳列位置を当該情報端末装置の店舗内における現在位置として経路案内を行う。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、実施形態の買物アシストシステムの概要構成ブロック図である。
【図2】図2は、カートの概要構成説明図である。
【図3】図3は、買物アシスト端末装置の概要構成ブロック図である。
【図4】図4は、ルートナビシステムの概要構成ブロック図である。
【図5】図5は、商品マスタDBのデータフォーマットの説明図である。
【図6】図6は、カテゴリマスタDBのデータフォーマットの説明図である。
【図7】図7は、チラシマスタDBのデータフォーマットの説明図である。
【図8】図8は、棚割マスタDBのデータフォーマットの説明図である。
【図9】図9は、顧客マスタDBのデータフォーマットの説明図である。
【図10】図10は、実施形態の概要動作処理フローチャートである。
【図11】図11は、カート貸出登録画面の一例の説明図である。
【図12】図12は、カート貸出登録処理直後の買物アシスト端末装置における商品登録面画の説明図である。
【図13】図13は、カテゴリ構造の説明図である。
【図14】図14は、実施形態の買物リスト登録処理の詳細処理フローチャートである。
【図15】図15は、第2カテゴリの表示例の説明図である。
【図16】図16は、第3カテゴリの表示例の説明図である。
【図17】図17は、第4カテゴリの表示例の説明図である。
【図18】図18は、第5カテゴリに属する商品の商品名の表示例の説明図である。
【図19】図19は、商品選択後、かつ、ルート検索前の表示画面の一例の説明図である。
【図20】図20は、ルート案内及び精算処理の処理フローチャートである。
【図21】図21は、ルート検索後の表示画面の一例の説明図である。
【図22】図22は、商品を陳列するための商品陳列棚に商品を陳列した状態を説明するための説明図である。
【図23】図23は、プライスタグの一例の説明図である。
【図24】図24は、現在地検出処理の処理タイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
次に実施形態の買物アシストシステムについて図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の買物アシストシステムの概要構成ブロック図である。
買物アシストシステム10は、大別すると、店舗全体のシステムを管轄する本部サーバ11と、店舗毎に構築された店舗システムSS−A〜SS−Cと、本部サーバ11と店舗システムSS−A〜SS−Cとを通信可能に接続する通信ネットワーク12と、を備えている。
この場合において、通信ネットワーク12としては、インターネット等の公衆通信ネットワークの他、VPN(Virtual Private Network)等として構築することが可能である。
【0007】
次に各店舗システムSS−A〜SS−Cについて説明するが、店舗システムSS−A〜SS−Cは、同様の構成であるので、店舗システムSS−Aを例として説明する。
店舗システムSS−Aは、POSシステム21と、顧客としての買物客に対し、商品の購入に先立って、レンタルされる買物アシスト端末装置23付きのカート22と、カート22の店舗内での位置を検出するとともに、店舗内における商品購入の際のカート22の移動経路を案内するルートナビシステム25と、店舗内の各所に配置され、買物アシスト端末装置23との間で無線通信を行う複数の無線アクセスポイント(無線AP)26と、を備えている。
【0008】
図2は、カートの概要構成説明図である。
カートは、それぞれ買物かご31を載置することが可能な荷台32、33を有するフレーム34と、最下部に設けられた4個の車輪35により、顧客がフレーム34の後方部に取り付けられた取っ手36を押すと所望の方向に容易に移動可能となっている。
さらに取っ手36の前方には、支持フレーム37に支持された状態で、買物アシスト端末装置23が、顧客が容易に表示画面を視認可能かつ操作可能な位置に設けられている。
【0009】
図3は、買物アシスト端末装置の概要構成ブロック図である。
買物アシスト端末装置23は、買物アシスト端末装置23全体を制御するコントローラ41と、各種情報を表示するディスプレイ42と、ディスプレイと一体となってタッチパネルディスプレイを構成するタッチパネル機能を有する操作部43と、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)等として構成され、各種データを記憶する外部記憶装置44と、無線アクセスポイント26との間で通信を行う通信インタフェース(IF)45と、商品陳列棚のプライスタグから商品を特定するための情報を読み取るID読取装置49と、を備えている。
コントローラ41は、コントローラ41全体を制御するMPU46と、MPU46上で動作する制御プログラム等を格納したROM47と、各種データを一時的に格納するためのRAM48と、を備えている。
【0010】
図4は、ルートナビシステムの概要構成ブロック図である。
ルートナビシステム25は、いわゆるサーバとして構成されており、ルートナビシステム25全体を制御するコントローラ51と、各種情報を表示するディスプレイ52と、キーボード、マウス等の入力装置を有し、オペレータが各種操作を行うための操作部53と、ハードディスクドライブ等として構成され、各種データを記憶する外部記憶装置54と、通信ネットワーク12及び無線アクセスポイント26との間で通信を行う通信インタフェース(IF)55と、を備えている。
【0011】
コントローラ51は、コントローラ51全体を制御するMPU56と、MPU56上で動作する制御プログラム等を格納したROM57と、各種データを一時的に格納するためのRAM58と、を備えている。
【0012】
外部記憶装置54上には、店舗Aで取り扱っている商品に関連するデータが格納された商品マスタデータベース(DB)61と、店舗Aで取り扱っている商品をカテゴライズして取り扱うためのカテゴリマスタデータベース(DB)62と、店舗Aあるいは店舗Aを含む複数の店舗の電子チラシに関するデータを格納したチラシマスタデータベース(DB)63と、商品の店舗A内における棚割の状態を格納した棚割マスタデータベース(DB)64と、当該店舗の顧客に関するデータを格納した顧客マスタデータベース(DB)65と、を備えている。
【0013】
ここで、各データベース61〜64のデータフォーマットについて説明する。
図5は、商品マスタDBのデータフォーマットの説明図である。
商品マスタDB61は、JANコード(Japan Article Number code)等の商品を特定するための商品コードが格納された商品コードデータ61Aと、商品コードデータ61Aに対応する商品の商品名を格納した商品名データ61Bと、商品コードデータ61Aに対応する商品が属するカテゴリを特定するためのカテゴリデータ61Cと、商品コードデータ61Aに対応する商品の価格(販売価格、仕入価格等)が格納された価格データ61Dと、商品コードデータ61Aに対応する商品の在庫状態が格納された在庫状態データ61Eと、を備えている。
【0014】
図6は、カテゴリマスタDBのデータフォーマットの説明図である。
カテゴリマスタDB62は、商品が属するカテゴリを特定するためのデータを格納しており、商品が属する最上位のカテゴリ(最上位カテゴリ)である第1カテゴリを特定するための第1カテゴリデータ62Aと、第1カテゴリの直下のカテゴリである第2カテゴリ(上位カテゴリ)を特定するための第2カテゴリデータ62Bと、第2カテゴリの直下のカテゴリである第3カテゴリ(中位カテゴリ)を特定するための第3テゴリデータ62Cと、第3カテゴリの直下のカテゴリである第4カテゴリ(下位カテゴリ)を特定するための第4カテゴリデータ62Dと、第4カテゴリの直下のカテゴリである第5カテゴリ(最下位カテゴリ)を特定するための第5カテゴリデータ62Eと、を備えている。
【0015】
この場合において、第1カテゴリデータ62Aを除く第2カテゴリデータ62B〜第5カテゴリデータ62Eの各カテゴリデータは、自己のカテゴリ以下のカテゴリデータが存在しない場合には、図5で説明した商品そのものを表す商品コードが格納される。そして、商品コードを格納したカテゴリデータより下位のカテゴリデータには、データを含まないことを表す所定のデータ(ノーデータコード)が格納される。なお、図6においては、カテゴリが最大5階層の木構造を有する場合について説明したが、必要に応じて、さらに階層数を増やした階層構成としたり、階層数を減らした階層構成としたりすることも可能である。
【0016】
図7は、チラシマスタDBのデータフォーマットの説明図である。
チラシマスタDB63は、チラシ印刷に用いる印刷用データをそのまま(例えば、A2サイズ)あるいは所定のサイズ(例えば、元がA2サイズであれば、A3サイズ)に縮小して得られるチラシ画像データ63Aと、チラシ画像データの座標系に合わせて当該チラシ上の画像(例えば、商品画像)毎に当該画像を特定するための領域を表す領域座標データ63Bと、領域座標データ63Bに対応する商品の商品コードデータ63Cと、を備えている。
【0017】
すなわち、チラシマスタDB63は、チラシ画像データに対応するチラシ画像を、例えば、買物アシスト端末装置23のディスプレイ42の表示画面上に表示させ、チラシ画像における商品画像をユーザが選択してクリックしたような場合に、当該クリックされた座標が領域座標データに対応する領域のいずれに含まれるかに基づいて、当該領域に対応する商品を特定するために用いられる。
【0018】
図8は、棚割マスタDBのデータフォーマットの説明図である。
棚割マスタDB64は、商品を陳列する場所を特定すうための棚割データ64Aと、当該陳列場所に陳列すべき商品を特定するための商品コードデータ64Bを格納している。
この場合において、棚割データ64Aは、商品を陳列すべき棚が配置されているフロア、棚のフロア上における配置、棚のどの位置にどのように陳列するかの情報(棚の何段目、棚の上あるいは棚の前、配置幅、配置幅、列数等)を格納している。
【0019】
図9は、顧客マスタDBのデータフォーマットの説明図である。
顧客マスタDB65は、顧客を特定するための顧客IDデータ65Aと、顧客の個人データを含むパーソナルデータ65Bと、過去の所定期間内の購入履歴を格納した購入履歴データ65Cと、前回来店時の購入商品に関する情報を格納した前回購入データ65Dと、を備えている。
この場合において、パーソナルデータ65Bとしては、顧客の氏名、年齢(年齢層)、性別、住所、電話番号等のいわゆる個人データと、興味の対象(趣味、知らせてほしいイベントの種類等)に関する情報等の販促に必要な情報に関する販促データと、が含まれる。
【0020】
次に実施形態の動作について説明する。
図10は、実施形態の概要動作処理フローチャートである。
まず、店舗Aを訪れた顧客は、カート貸出を受けるために、カート貸出登録処理を行う(ステップS11)。
ここで、カート貸出登録処理は、顧客を特定し、当該顧客の過去の購入履歴等を考慮して顧客毎に最適な情報の提供を行うためのものであり、予め登録され、顧客を特定するための顧客IDを入力させる。
【0021】
図11は、カート貸出登録画面の一例の説明図である。
カート貸出登録画面71は、買物アシスト端末装置23のディスプレイ42の表示画面42Aに表示される。
カート貸出登録画面71には、買物アシスト端末装置23を特定するための装置IDが表示される装置ID表示領域72と、当該買物アシスト端末装置23が載置されたカート22を特定するためのカートIDが表示されるカートID表示領域73と、顧客が図示しないソフトウェアキーボードを用いて顧客IDを入力し、あるいは図示しないカードリーダを介して顧客の会員カードから顧客IDを入力することにより、顧客IDが表示される顧客ID表示領域74と、顧客ID表示領域74に表示された顧客IDに間違いがないことを確認して、貸出登録処理の実行の指示を与える承認ボタン75と、が表示される。
【0022】
そこで、顧客は、顧客IDを入力して顧客ID表示領域74に表示させ、承認ボタン75を押すことにより、コントローラは、カート貸出登録処理を実行することとなる。
このカート貸出登録処理により、当該カート22は、顧客IDに対応する顧客と対応づけられる。
続いて、顧客は、購入予定の商品あるいは購入するか否かを迷っている商品等を当該カート22に載置されている買物アシスト端末装置23に登録する処理を行う(ステップS12)。なお、購入予定商品等の登録処理については、後に詳述する。
【0023】
購入予定商品等の登録処理が完了すると、ルートナビシステム25は、設定されているルート検索モードにしたがって店舗A内における案内ルートの設定処理を行う(ステップS13)。
この場合において、案内ルートの設定には、例えば、遺伝的アルゴリズムを用いた巡回経路探索の技術(例えば、特開2007−177584号公報参照)が用いられる。
【0024】
ここで、遺伝的アルゴリズムを用いた巡回経路探索を行うのは、以下のような理由による。
一般に巡回経路探索は、巡回地点が多くなると現在の一般的な演算処理装置で総当り演算を行った場合、膨大な演算(量及び時間)が必要となり実用上は困難であるため、最適解ではないにしても、より適した近似解を求めるに際し、演算量を少なくして、短時間で求めるためである。
案内ルートの設定処理が完了すると、ルートナビシステム25は、案内ルートデータを買物アシスト端末装置23に通知し、買物アシスト端末装置23は店舗A内での案内を行うルート案内処理を行う(ステップS14)。このルート案内処理については、後に詳述する。
【0025】
その後、買物アシスト端末装置23のコントローラ41は、顧客による操作部43の操作を監視し、所定の操作がなされてルート変更が必要となったか否かを判別する(ステップS15)。ここで、ルート変更が必要となる所定の操作としては、購入予定商品の追加、変更、削除の操作等が考えられる。
ステップS15の判別において、所定の操作がなされてルート変更が必要となった場合には(ステップS15;Yes)、無線アクセスポイント26を介してルートナビシステム25にその旨を通知し、再度、店舗A内における案内ルートの設定処理を行わせて、新たな案内ルートを通知させ、当該新たな案内ルートにしたがったルート案内処理を行うこととなる(ステップS14)。
【0026】
ステップS15の判別において、所定の操作がなされておらず、ルート変更が必要ない場合には(ステップS15;No)、買物アシスト端末装置23のコントローラ41は、購入対象商品の取得が完了しているか否かを判別する(ステップS16)。
ステップS16の判別において、未だ全ての購入対象商品の取得が完了していない場合には(ステップS16;No)、再びステップS14の処理を移行し、ルート案内を継続する。
一方、ステップS16の判別において、全ての購入対象商品の取得が完了した場合には、ルート案内処理の一環として、POSシステム21を構成するPOS端末が配置された精算所への案内処理を行う(ステップS17)。
【0027】
そして、顧客により現金あるいはクレジット払い等により購入商品に対する精算処理がなされ(ステップS18)、カート22を所定の返却位置に戻すことにより、カート返却処理がなされて、当該カート22と、顧客との対応関係を解除する処理を行う(ステップS19)。
ここで、精算処理がなされた段階で、ルートナビシステム25は、顧客マスタDB65において、購入履歴データ65C及び前回購入データ65Dの更新を行う。
【0028】
次に購入予定商品等の登録処理について詳細に説明する。
図12は、カート貸出登録処理直後の買物アシスト端末装置における商品登録面画の説明図である。
商品登録画面81は、買物アシスト端末装置23のディスプレイ42の表示画面42Aに表示される。
【0029】
商品登録画面81は、大別すると、購入予定の商品(買物リストに入れる商品)を選択する商品選択操作領域82と、購入予定の商品リスト(買物リスト)及び上述した商品リスト表示操作領域83と、を備えている。
【0030】
商品選択操作領域82は、商品選択操作を商品が属するカテゴリ、商品名あるいはチラシのいずれの選択方法を用いて行うかをタブにより選択するためのタブ選択領域82Aと、複数の選択項目表示欄SLが設けられ、タブ選択領域82Aにより選択された選択方法に対応する選択項目(カテゴリ名あるいは商品の商品名)を表示する選択項目表示領域82Bと、選択項目表示領域82Bの表示内容を上下方向にスクロールさせるためのスクロール操作部82Cと、を備えている。
【0031】
図12においては、タブ選択領域82Aには、カテゴリ選択タブ84、商品名選択タブ85、チラシ選択タブ86が設けられており、カテゴリ選択タブ84が選択された状態(図12では、太線で示す。)となっている。
ここで、カテゴリ分類について説明する。
本実施形態において、商品のカテゴリとは、複数の商品が属する範疇を意味するものとする。
【0032】
図13は、カテゴリ構造の説明図である。図13は、カテゴリ構造が第1カテゴリCT1〜第5カテゴリCT5の5階層のツリー(木)構造を採っている場合のものである。なお、商品のカテゴリによっては、必ずしも5階層構造を採る必要はなく、2階層以上4階層以下の階層構造あるいは6階層以上の階層構造であっても良い。
【0033】
第1カテゴリCT1〜第5カテゴリCT5の内、最下位層の第5カテゴリCT5には、実際には、商品を特定するための商品コードのみが格納され、実際の商品名を表示するには商品マスタDB61を参照する構成を採っているが、図13においては、理解の容易のため、商品名も併せて記載している。なお、第1カテゴリCT1に属するカテゴリのうち、最下位層のカテゴリに商品名データを商品コードとともに格納をするように構成することも可能である。具体的には、第3カテゴリCT3が最下層のカテゴリである場合には、第3カテゴリCT3に商品名データ及び商品コードを格納するようにしても良い。
【0034】
本実施形態においては、第1カテゴリ(最上位カテゴリ)CT1に対応する第1カテゴリデータの具体例としては、「食品」、「ファッション」、「ドリンク・お酒」、…、「購入履歴」、「前回購入」、「目的別」等が挙げられる。
また、第2カテゴリ(上位カテゴリ)CT2に対応する第2カテゴリデータの具体例としては、第1カテゴリデータ=「目的別」の場合、「料理」、「模様替え」、「日用大工」、「大掃除」、「ガーデニング」等が挙げられる。
【0035】
さらに、第3カテゴリ(中位カテゴリ)CT3に対応する第3カテゴリデータの具体例としては、第2カテゴリデータ=「大掃除」の場合、「キッチン周り」、「窓・サッシ・網戸」、…、「照明器具」、「浴室周り」等が挙げられる。
さらにまた、第4カテゴリ(下位カテゴリ)CT4に対応する第4カテゴリデータの具体例としては、第3カテゴリデータ=「浴室周り」の場合、「バスタブ用洗剤」、「タイル用洗剤」、「風呂釜用洗剤」等が挙げられる。
【0036】
また、第5カテゴリ(最下位カテゴリ)CT5に対応する第5カテゴリとしては、商品に対応するJANコード等の商品コードが格納されている。例えば、図13の例の場合、商品が「△▽風呂釜用洗剤」の場合には、商品コードとして「49DDDDDEEEEEF」(D、E、Fはそれぞれ商品毎に所定の数字が用いられる。)
【0037】
図14は、実施形態の買物リスト登録処理の詳細処理フローチャートである。
買物アシスト端末装置23のコントローラ41は、ディスプレイ42の表示画面42A上で商品選択操作領域82のタブ選択領域82Aにおいて、カテゴリ選択タブ84、商品名選択タブ85あるいはチラシ選択タブ86のうち、いずれの選択タブが選択されたかを判別する(ステップS31)。
【0038】
ステップS31の判別において、カテゴリ選択タブ84が選択された場合には(ステップS31;カテゴリ)、図13に示したようなカテゴリ構造を有している場合、コントローラ41は、カテゴリマスタDBを読み出し(ステップS32)、図14に示したように、選択項目表示領域82Bには、第1カテゴリに属するカテゴリ名をカテゴリ一覧として選択可能に表示する(ステップS33)。具体的には、図14の例の場合、「食品」、「ファッション」、「ドリンク・お酒」、…、「購入履歴」、「前回購入」、「目的別」等が選択可能なカテゴリ(第1カテゴリCT1)がカテゴリ一覧として表示される。
【0039】
続いてコントローラ41は、顧客が操作部43を介していずれかのカテゴリ(第1カテゴリ)を選択するカテゴリ選択操作がなされたか否かを判別する(ステップS34)。
ステップS34の判別において、顧客が未だいずれのカテゴリ(第1カテゴリ)も選択しておず、選択操作を行っていない場合には(ステップS34;No)、コントローラ41は、待機状態となる。
【0040】
ステップS34の判別において、顧客がいずれかのカテゴリ(第1カテゴリCT1)を選択する選択操作を行った場合には(ステップS34;Yes)、当該選択操作が当該カテゴリを買物リストに登録する操作あるいは当該カテゴリの直下のカテゴリ(あるいは商品)の表示を指示する操作のいずれであるかを判別する(ステップS35)。ここで、当該カテゴリを買物リストに登録する操作としては、登録対象のカテゴリを表示している選択項目表示欄SLを所定時間以上押し続ける長押し操作が挙げられる。また、当該カテゴリの直下のカテゴリ(あるいは商品)の表示を指示する操作としては、登録対象のカテゴリを表示している選択項目表示欄SLをタップする操作が挙げられる。
【0041】
ステップS35の判別において、当該カテゴリを買物リストに登録する操作がなされた場合には、当該カテゴリ(第1カテゴリ)が買物リストに登録可能なカテゴリか否かを判別する(ステップS26)。ここで、カテゴリが買物リストに登録可能なカテゴリとは、当該カテゴリに属するいずれの商品も店舗A内でまとまった位置に陳列されているようなカテゴリであり、対応する陳列位置に顧客を案内すれば、顧客が当該カテゴリに属する商品を容易に探し出せるような場合である。
【0042】
ステップS36の判別において、当該当該カテゴリ(第1カテゴリCT1)が買物リストに登録可能なカテゴリである場合には(ステップS36;Yes)、コントローラ41は、選択されたカテゴリ名を買物リストに追加して表示させる(ステップS37)。
続いてコントローラ41は、所定の登録終了操作がなされたか否かを判別する(ステップS38)。
ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされた場合には、処理を終了する。
また、ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされなかった場合には(ステップS38;No)、処理を再びステップS21に移行して、以下、同様の処理を行う。
【0043】
一方、ステップS36の判別において、当該当該カテゴリ(第1カテゴリCT1)が買物リストに登録可能なカテゴリではない場合には(ステップS36;No)、当該選択したカテゴリの直下のカテゴリ(第2カテゴリCT2)が、商品コードを含む最下位カテゴリであるか否かを判別する(ステップS39)。
【0044】
ステップS39の判別において、当該選択したカテゴリの直下のカテゴリ(第2カテゴリCT2)が、商品コードを含む最下位カテゴリである場合には(ステップS39;Yes)、コントローラ41は、商品マスタDBを検索し(ステップS40)、当該選択したカテゴリの直下のカテゴリ(第2カテゴリCT2)に属する商品の商品名を選択可能に表示する(ステップS41)。
【0045】
一方、ステップS39の判別において、当該選択したカテゴリの直下のカテゴリ(第2カテゴリCT2)が、商品コードを含む最下位カテゴリではない場合には(ステップS39;No)、再び処理をステップS33に移行し、当該選択したカテゴリの直下のカテゴリ(第2カテゴリCT2)に属するカテゴリ名(あるいは商品名)を選択可能に表示する(ステップS33)。
【0046】
図15は、第2カテゴリの表示例の説明図である。
具体的には、図17の例の場合、第1カテゴリCT1として「目的別」に対応する選択項目表示欄SL(SLS)を選択した場合には、「料理」、「模様替え」、「日曜大工」、「大掃除」、…、「季節の行事」、「ダイエット」等が選択可能なカテゴリ(第2カテゴリ)が新たなカテゴリ一覧として複数の選択項目表示欄SLに表示される。
この状態において、顧客がいずれかの選択項目表示欄SLをタップする等の、いずれかの商品名を選択する商品選択操作を行うと(ステップS42)、コントローラ41は、選択された商品を買物リストに追加登録し(ステップS43)、購入予定金額に価格を積算して、ディスプレイ42の表示画面42Aに表示する。
【0047】
続いてコントローラ41は、所定の登録終了操作がなされたか否かを判別する(ステップS38)。
ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされた場合には、処理を終了する。
また、ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされなかった場合には(ステップS38;No)、コントローラ41は、処理を再びステップS31に移行して、以下、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0048】
図16は、第3カテゴリの表示例の説明図である。
具体的には、第2カテゴリCT2として「大掃除」に対応する選択項目表示欄SL(SLS)を選択した場合には、図18に示すように、「キッチン周り」、「浴室周り」、「トイレ周り」、…、「壁・壁紙」、「エアコン」、「ベランダ・エクステリア周り」等が選択可能なカテゴリ(第3カテゴリ)CT3が新たなカテゴリ一覧として表示される。
【0049】
図17は、第4カテゴリの表示例の説明図である。
具体的には、第3カテゴリCT3として「浴室周り」に対応する選択項目表示欄SL(SLS)を選択した場合には、図17に示すように、「風呂釜用洗剤」、「浴槽用洗剤」、「タイル用洗剤」、…、「浴室用スポンジ・タワシ・ブラシ」、「曇り止め剤」、「タイル目地補修剤」等が選択可能なカテゴリ(第4カテゴリCT4)が新たなカテゴリ一覧として表示される。
【0050】
図18は、第5カテゴリに属する商品の商品名の表示例の説明図である。
この第5カテゴリCT5は、ステップS39の判別において、当該選択した第4カテゴリCT4の直下のカテゴリ(第5カテゴリCT5)が、商品コードを含む最下位カテゴリであると判別され(ステップS39;Yes)、コントローラ41は、商品マスタDBを検索し(ステップS40)、当該選択したカテゴリの直下のカテゴリ(第5カテゴリCT)に属する商品の商品名を選択可能に表示する(ステップS41)。
【0051】
具体的には、第4カテゴリCT4として「風呂釜用洗剤」に対応する選択項目表示欄SL(SLS)を選択した場合には、図18に示すように、「△▽風呂釜用洗剤」、「風呂釜用洗剤●●」、「スーパー○○風呂釜用」、…、「風呂釜エース」、「風呂釜クリーン□□」、「風呂釜洗剤△▽一つ穴用」等が選択可能な商品の商品名(第5カテゴリ)が表示される。
この状態において、顧客がいずれかの選択項目表示欄SLをタップする等のいずれかの商品名を選択する商品選択操作を行うと(ステップS42)、コントローラ41は、選択された商品を買物リストに追加登録し(ステップS43)、購入予定金額に価格を積算して、ディスプレイ42の表示画面42Aに表示する。
【0052】
続いてコントローラ41は、所定の登録終了操作がなされたか否かを判別する(ステップS38)。
ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされた場合には、処理を終了する。
また、ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされなかった場合には(ステップS38;No)、処理を再びステップS31に移行して、以下、同様の処理を行う。
【0053】
また、ステップS21の判別において、タブ選択がなされ、商品名選択タブ85が選択された場合には(ステップS31;商品)、買物アシスト端末装置23は、商品名あるいは商品名の一部をテキスト入力するように顧客に促すための図示しない商品名入力ボックスを表示画面上に表示する。
そして、顧客が商品名入力ボックスに商品名あるいは商品名の一部を入力すると、ルートナビシステム25は、商品マスタDBを検索し(ステップS44)、買物アシスト端末装置23を介して入力された商品名あるいは商品名の一部を有する検索条件に合致する商品の商品名を商品選択領域に表示する(ステップS45)。
【0054】
これにより顧客が商品選択領域に表示された商品のいずれかを選択する商品選択操作を行うと(ステップS46)、当該選択された商品を買物リストに表示することとなる(ステップS47)。
続いてコントローラ41は、所定の登録終了操作がなされたか否かを判別する(ステップS38)。
ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされた場合には、処理を終了する。
【0055】
また、ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされなかった場合には(ステップS38;No)、処理を再びステップS21に移行して、以下、同様の処理を行う。
また、ステップS31の判別において、タブ選択がなされ、チラシ選択タブ86が選択された場合には(ステップS31;チラシ)、買物アシスト端末装置23は、チラシマスタDBを検索して(ステップS48)、現在表示可能な電子チラシに対応するチラシ画像データを読み出し、買物アシスト端末装置23のディスプレイの表示画面に電子チラシを表示させる(ステップS49)。
【0056】
これにより、顧客が電子チラシの表示画面上のいずれかの位置をタップする領域選択操作を行うと(ステップS50)、タップ位置に対応する電子チラシ上の座標に変換し、領域座標データ63Bを参照して、タップ位置に対応する領域を特定し、当該特定した領域に対応する商品コードデータ63Cから商品コードを読み出し、さらに商品マスタDB61を検索し、商品コードに対応する商品の商品名を買物リストに表示することとなる(ステップS51)。
続いてコントローラ41は、所定の登録終了操作がなされたか否かを判別する(ステップS38)。
【0057】
ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされた場合には(ステップS38;Yes)、処理を終了する。
また、ステップS38の判別において、所定の登録終了操作がなされなかった場合には(ステップS38;No)、処理を再びステップS31に移行して、以下、同様の処理を行う。
【0058】
ところで、以上の説明においては、どのような場合にカテゴリを買物リストに登録するかについて詳細には説明しなかったが、このような構成を採ったのは以下のような理由による。
顧客によっては、自分がどのような商品を購入したいかは理解していても、具体的にどのような商品を購入するのかを決めかねているような状況においては、自分が購入したい商品を売っている売場へ案内してもらえれば、あとは実際に商品を見て、価格、機能、用途等から選択することができるからである。
【0059】
例えば、図13の例の場合、顧客が風呂釜用洗剤を購入しようとしている場合であって、具体的な洗剤名まで把握していない場合には、「風呂釜用洗剤」に属する商品を陳列している場所に案内してくれれば十分である。
そこで、本実施形態においては、このような場合には、当該「風呂釜用洗剤」のカテゴリを、商品に代えて登録することによりルート設定を行い、ルート案内を行えるようにしているのである。
【0060】
以下、具体例を挙げて、商品名ではない、より上位のカテゴリでルート案内を行う場合について説明する。
上述したように、いずれかのカテゴリ一覧を表示している場合に、当該カテゴリに属するいずれかの項目を選択すると、当該下位のカテゴリが存在する場合には、当該選択した項目に対応する下位のカテゴリ一覧が表示され、当該カテゴリに属するいずれかの項目を買物リストに追加したい場合には、例えば、当該カテゴリに属するいずれかの項目を長押しする。これにより、下位のカテゴリ一覧の表示に移行せずに、当該項目が買物リストに追加される。
この状態が図12で示したような状態となる。
【0061】
図19は、商品選択後、かつ、ルート検索前の表示画面の一例の説明図である。
ディスプレイ42の表示画面42Aには、図19に示すように、大別すると、案内ルートを表示するための店舗内地図を表示する地図表示領域90と、上述した商品リスト表示操作領域83と、が表示されている。
【0062】
地図表示領域90には、出入口の配置、各売場の配置、POSシステムを構成するPOS端末の配置、カート貸出場所の配置が表示された店内マップ91上に、商品リスト表示領域83Aに表示されている購入予定の商品の店舗Aにおける陳列場所を示すバルーンアイコンBI1〜BI6及びカート22の現在位置としてのカート現在位置マーク22Nが表示されている。
この場合において、カート22の現在位置を表すカート現在位置マーク22Nは、カート22に搭載されている買物アシスト端末装置23と通信可能な無線アクセスポイント26における電波強度や、通信エラーレート等に基づいて算出したカート22の位置に相当する位置に表示されている。
【0063】
一方、商品リスト表示領域83Aの各商品名表示欄CLには、バルーンアイコンBI1〜BI6との対応関係を示すバルーンアイコンインデックスPIDと、顧客が取得済(商品を購入しようと買物かごに商品を取得済みである場合に、当該領域をタップすることによりチェックマークを表示させるチェックマークボックスCHKと、購入予定の商品の商品名表示欄NAMと、商品名表示欄NAMに表示した商品の購入数を表示する商品購入数表示欄NUMと、商品購入数表示欄NUMに表示した購入数を変更するためのカウントボタンCNTと、購入予定商品の価格を表示する価格表示欄PRと、を備えている。
【0064】
図19においては、上から5番目の商品名表示欄CL5には、カテゴリ名として「風呂釜用洗剤」が表示されており、購入しようとする風呂釜用洗剤の商品が定まっていないため、価格表示欄PRには、価格が表示されていない。このため、買物リストに登録されている商品が「にんじん」、「ペットボトルお茶」、「ブリの切り身」、「食パン」、「風呂釜用洗剤(商品未定)」、「ハンカチ」の6種類のみであるとすると、購入予定金額は、666円となっており、風呂釜用洗剤の価格が含まれていない状態である。
【0065】
図19の状態においては、いまだいずれの商品もチェックマークボックスCHKにチェックマークがされていないため、買物かごに取得済みの商品はないものとして、購入商品合計金額表示欄には、0円が表示されている。
これに伴い、バルーンアイコンBI5の表示位置は、購入予定の商品である風呂釜用洗剤が多数種類陳列されている場所を表している。
【0066】
図20は、ルート案内及び精算処理の処理フローチャートである。
図19の画面が表示された状態において、ルート検索ボタン83Hをタップすると、買物アシスト端末装置23のコントローラ41は、より顧客の移動距離が短くなるように上述した遺伝アルゴリズムを応用したルート検索プログラムにしたがってルート設定処理を行う(ステップS61)。
【0067】
図21は、ルート検索後の表示画面の一例の説明図である。
ディスプレイ42の表示画面42Aには、図21に示すように、地図表示領域90には、ルート検索によって検索された案内ルートNR1が、店舗の地図上に表示されている(ステップS62)。
【0068】
続いて、顧客がカート22を押しつつ店舗A内を案内ルートNR1にしたがって移動を開始すると、コントローラ41は、カート22の店内移動時の処理と(ステップS63)、カート22の現在位置検出処理(ステップS64)と、を並行して行う。
【0069】
ここで、店内移動時の処理とは、例えば、顧客が商品を購入しようとして、買物かご内に当該商品を入れた場合に、買物リストのチェックマークボックスCHKをタップして、チェックマークを表示させたり、買物リストに新たな商品を追加したり、買物リストに含まれている商品を削除したり、これらの商品の追加に伴って、案内ルートNRの変更が必要となった場合に、再設定をルートナビシステム25に依頼したりするような処理である。
また、現在地検出処理とは、ルートナビシステム25はに問い合わせを行って、自己が搭載されているカート22の現在位置を取得し、地図画面上にカート現在位置マーク22Nを表示する処理である。
【0070】
ここで、プライスタグを用いて現在地を検出する方法について詳細に説明する。
図22は、商品を陳列するための商品陳列棚に商品を陳列した状態を説明するための説明図である。
図22においては、商品陳列棚SLF1〜SLF3が通路に沿って連続して配置されている状態を表している。なお、図22においては、説明の簡略化のため、商品陳列棚SLF2についてのみ、商品を陳列した状態を図示している。
【0071】
商品陳列棚SLF2は、4段構成となっており、最上段である第1段目の棚板部BD1には、商品GD1、GD2、GD3が陳列されており、各商品GD1、GD2、GD3に対応する位置に商品名、価格、内容量及び商品コード(例えば、JANコード)が記載された紙媒体あるいは小型ディスプレイで構成されたプライスタグPT1、PT2、PT3が棚板部BD1の側面(顧客側からみた正面)に設置されている。
【0072】
また、第2段目の棚板部BD2には、商品GD4、GD5が陳列されており、各商品GD4、GD5に対応する位置にプライスタグPT4、PT5が棚板部BD2の側面に設置されている。
また、第3段目の棚板部BD3には、商品GD6、GD7、GD8が陳列されており、各商品GD6、GD7、GD8に対応する位置にプライスタグPT6、PT7、PT8が棚板部BD3の側面に設置されている。
さらに最下段である第4段目の棚板部BD4には、商品GD9、GD10が陳列されており、各商品GD9、GD10に対応する位置にプライスタグPT9、PT10が棚板部BD4の側面に設置されている。
【0073】
図23は、プライスタグの一例の説明図である。
上述したプライスタグPT1〜PT10(図23中、符号PTで示す。)は、同様の構成を有しており、プライスタグが商品に対応するIDを組み込んだRFタグとして構成したり、商品に対応する商品コードが印刷あるいは小型のディスプレイに表示されたバーコードを有するものとして構成することが可能である。
例えば、図23(a)に示すように、プライスタグが商品に対応するIDを組み込んだRFタグICCである場合には、買物アシスト端末装置23に組み込まれ、RFIDリーダとして構成されたID読取装置49により当該プライスタグが対応するID(例えば、SGID:Serialized Global Trade Item Number)をプライスタグIDとして読み込むこととなる。そして、例えば、プライスタグIDがSGIDである場合には、そのままでは、本実施形態のシステムでは扱えないので、これを商品コードに変換して取り扱うこととなる。
また、プライスタグが、図23(b)に示すように、商品に対応する商品コードが印刷あるいは小型のディスプレイに表示されたバーコード(一次元あるいは二次元)BCである場合には、買物アシスト端末装置23に組み込まれ、ディジタルカメラとして構成されたID読取装置(バーコードリーダ)49により、当該プライスタグが対応するバーコードBCを読み込み、商品コードをプライスタグIDとして特定することとなる。
【0074】
図24は、現在地検出処理の処理タイミングチャートである。
買物アシスト端末装置23は、商品陳列棚のプライスタグから商品特定情報を読み取る(ステップS71)。
そして、買物アシスト端末装置23は、取得したプライスタグIDを通信インタフェースを介してルートナビシステム25に送信する(ステップS72)。
ルートナビシステム25のコントローラ51は、プライスタグIDを受信すると(ステップS73)、棚割マスタDB64を参照し、プライスタグIDに対応する商品が商品陳列棚のいずれの位置に陳列されているものであるかを特定する(ステップS74)。
続いてルートナビシステム25のコントローラ51は、特定した商品の陳列位置を店舗内におけるカート22の位置座標である現在位置座標に変換する(ステップS75)。
そして、現在位置座標を通信インタフェースを介して買物アシスト端末装置23に通知する(ステップS76)。
これにより、買物アシスト端末装置23は、通信インタフェースを介して現在位置座標を受信すると(ステップS77)、当該現在位置座標に基づいてディスプレイ42の表示画面42Aにカートの現在位置として、カート現在位置マーク22Nを表示するとともに、ルート案内を行うこととなる(ステップS78)。
【0075】
その後、表示画面は徐々に変更され、顧客が案内ルートNR1又は案内ルートNR2にしたがって買物を行い、カート22がカート現在位置マーク22Nに示す位置に移動するとともに、各購入予定商品をカート22にピックアップ(取得)する毎に、購入予定商品の商品名表示欄CLに対応する各チェックマークボックスCHKをタップして、チェックマークを表示させた状態とする。
【0076】
これと並行して買物アシスト端末装置23のコントローラ41は、精算処理に向かって良いか否か、すなわち、全ての購入予定商品の商品名表示欄CLに対応するチェックマークボックスCHKがタップされて、全てのチェックマークボックスにチェックマークが表示されているか否かを判別する(ステップS55)。
ステップS55の判別において、未だ全てのチェックマークボックスにチェックマークが表示されていない場合には(ステップS55;No)、処理を再びステップS52に移行する。
また、ステップS55の判別において、全ての購入予定商品がカート22に入れられ、購入確認チェックボックスが全てチェックされた場合には(ステップS55;Yes)、コントローラ41は、POS端末が配置された精算所へカート22を誘導する精算所案内処理を行う。そして、顧客が現金あるいはクレジットカード等を用いて精算処理を行わせる(ステップS56)。精算処理が完了し、POSシステム21からルートナビシステム25に決済が完了した旨が通知される。これによりルートナビシステム25は、無線アクセスポイント26を介して、対応するカート22に搭載された買物アシスト端末装置23にその旨を通知する。
【0077】
これにより買物アシスト端末装置23のコントローラ41は、カート22を返却場所へ戻すように促す表示をディスプレイ42に表示する。
この結果、顧客が所定の返却場所までカート22を移動させると、当該返却場所に設置された無線アクセスポイント26を介して検知し、買物アシスト端末装置23と顧客との対応関係の設定をキャンセルし、初期化する処理を行って処理を終了する。
【0078】
以上の説明のように、本実施形態によれば、買物アシスト端末装置23の位置検出を商品単位で行うことができ、簡易な構成にもかかわらず、高精度で位置検出を行ってより正確な経路案内を行うことができる。
特に通路の両側の商品陳列棚に商品が並べられているような状況においては、いずれの商品陳列棚に近い側を顧客が移動しているかも把握可能となり、より正確に商品陳列場所を伝えることも可能となる。
顧客にとっては、商品単位で経路案内がなされるため、目的の商品を容易に探すことができるため、目的の商品が見つけられないことによるストレスを軽減し、次回の来店を促すことも可能となる。
【0079】
以上の説明においては、経路設定をルートナビシステム25が行う構成を採っていたが、買物アシスト端末装置23が経路設定を行うように構成することも可能である。この場合には、ルートナビシステム25から経路設定に必要な情報を受信したり、ルートナビシステム25における経路設定の機能だけを買物アシスト端末装置23に持たせるようにすればよい。
【0080】
また、本実施形態の買物アシスト端末装置23で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0081】
また、本実施形態の買物アシスト端末装置23で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の買物アシスト端末装置23で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
また、本実施形態の買物アシスト端末装置23で実行される制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 買物アシストシステム
11 本部サーバ
12 通信ネットワーク
21 POSシステム
22 カート
22N カート現在位置マーク
23 買物アシスト端末装置
25 ルートナビシステム(経路設定手段)
26 無線アクセスポイント
41 コントローラ(案内手段)
42 ディスプレイ(案内手段)
42A 表示画面
43 操作部
44 外部記憶装置
45 通信インタフェース(第1通信手段)
49 ID読取装置(情報取得手段)
51 コントローラ(経路設定手段)
55 通信インタフェース(第2通信手段)
61 商品マスタデータベース
62 カテゴリマスタデータベース
62A 第1カテゴリデータ
62B 第2カテゴリデータ
62C 第3テゴリデータ
62D 第4カテゴリデータ
62E 第5カテゴリデータ
63 チラシマスタデータベース
64 棚割マスタデータベース
65 顧客マスタデータベース
66 販促マスタデータベース
65C 購入履歴データ
65D 前回購入データ
84 カテゴリ選択タブ
CHK チェックマークボックス
CT1〜CT5 第1カテゴリ〜第5カテゴリ
NR1、NR2 案内ルート
SL 選択項目表示欄
SS−A〜SS−C 店舗システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開平11−152041号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザとともに移動されて、店舗内で経路案内を行う情報端末装置であって、
前記経路案内時に店舗内で陳列されている商品を特定する商品特定情報を取得する情報取得手段と、
所定の棚割情報に基づいて特定された商品の陳列位置を当該情報端末装置の店舗内における現在位置として前記経路案内を行う案内手段と、
を備える情報端末装置。
【請求項2】
前記情報取得手段は、前記商品特定情報として、前記店舗内の商品陳列棚に陳列されている商品のプライスタグの情報を読み取るタグ情報読取手段を備える請求項1記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記プライスタグには、バーコード情報が表示されており、
前記タグ情報読取手段は、前記プライスタグの撮影画像から前記バーコード情報を抽出する、
請求項2記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記プライスタグは、無線ICタグとして構成されており、
前記タグ情報読取手段は、ICタグ読取装置として構成されている、
請求項2記載の情報端末装置。
【請求項5】
店舗内で陳列されている商品を特定する商品特定情報を取得する情報取得手段と、前記取得した商品特定情報を送信し、現在位置情報を受信する第1通信手段と、受信した現在位置情報に基づいて経路案内を行う案内手段と、を備え、ユーザとともに移動される情報端末装置と、
所定の棚割情報を記憶する棚割情報記憶手段と、前記棚割情報に基づいて、特定された商品の陳列位置に基づいて前記現在位置情報を生成する現在位置情報生成手段と、前記商品特定情報を受信し、前記生成された現在位置情報を送信する第2通信手段と、を備えたサーバ装置と、
を備える買物アシストシステム。
【請求項6】
ユーザとともに移動されて、店舗内で経路案内を行う情報端末装置をコンピュータにより制御するための制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記経路案内時に店舗内で陳列されている商品を特定する商品特定情報を取得する情報取得手段と、
所定の棚割情報に基づいて特定された商品の陳列位置を当該情報端末装置の店舗内における現在位置として前記経路案内を行う案内手段と、
して機能させる制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−185576(P2012−185576A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46867(P2011−46867)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】