買物支援装置及び買物支援プログラム
【課題】ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき特典を付与する販売方式を、顧客の購買意欲をより一層高め得て効果的に導入できるようにする。
【解決手段】情報記憶部は、商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する商品の点数と商品を購入した場合の金額とを記憶する。そして、顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる購入を希望する商品の購入総数と情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、購入実績記憶部から得られる購入を希望する商品の購入総額と情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する。
【解決手段】情報記憶部は、商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する商品の点数と商品を購入した場合の金額とを記憶する。そして、顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる購入を希望する商品の購入総数と情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、購入実績記憶部から得られる購入を希望する商品の購入総額と情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店に来店した客の買物を支援する可搬型の買物支援装置及び可搬型のコンピュータを前記買物支援装置として機能させるための買物支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、店舗内のショッピングカートに取り付けられた可搬型の買物支援装置を開示する。この装置は、商品特定手段としてバーコードリーダを備え、バーコードリーダで読取った商品のバーコード情報により商品を特定すると、この商品の商品情報をサーバから取得し、表示部に表示させる。したがって、ショッピングカードを使用する顧客は、自身が購入しようとする商品のバーコードをバーコードリーダに読取らせることによって、当該商品に関する情報を容易に確認することができる。
【0003】
特許文献2は、顧客が小売店で買物をする度に、その顧客が携帯するカードに、購入商品の金額あるいは数量を累積記録し、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき、値引処理を行う売上管理プログラム及びこのプログラムを実装したPOS(Point Of Sales)端末を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に開示されているように、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき値引処理を行う販売方式を導入することによって、顧客の来店頻度が高まり、売上の向上が期待できる。
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示された販売方式では、顧客が購入した商品をPOS端末で会計処理しないと、値引が行われるかどうか判明しない。例えば、売場にて商品を購入しようとしている顧客に対し、その商品を購入することで値引が行われる旨を通知できたならば、顧客の購買意欲を高めることができ、販売の促進につながる。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき、値引等の特典を付与する販売方式を、顧客の購買意欲をより一層高め得て効果的に導入できる可搬型の買物支援装置及びコンピュータを当該買物支援装置として機能させることができる買物支援プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る買物支援装置は、顧客が購入を希望する商品を特定する商品特定手段と、この商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを記憶する情報記憶部と、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する特典付与手段と、この特典付与手段により付与される特典情報を表示部に表示させる表示制御手段と、前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与手段により付与された特典情報とを出力する出力手段とを備えたものである。
【0008】
本発明に係る買物支援プログラムは、表示部を備えた可搬型のコンピュータに、顧客が購入を希望する商品を特定させる商品特定機能と、この商品特定機能により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを情報記憶部に記憶させる情報記憶機能と、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与させる特典付与機能と、この特典付与機能により付与される特典情報を前記表示部に表示させる表示制御機能と、前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与機能により付与された特典情報とを出力させる出力機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき値引等の特典を付与する販売方式を、顧客の購買意欲をより一層高め得て効果的に導入できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のシステム構成図。
【図2】同第1の実施形態において、商品データベースに記憶される商品データレコードのデータ構造を示す模式図。
【図3】同第1の実施形態において、ストアサーバが有する割引パターンテーブルの一例を示す模式図。
【図4】同第1の実施形態において、会員データベースに記憶される会員データレコードのデータ構造を示す模式図。
【図5】同第1の実施形態において、無線通信端末の要部構成を示すブロック図。
【図6】同第1の実施形態において、無線通信端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図7】同第1の実施形態において、POS端末の要部構成を示すブロック図。
【図8】同第1の実施形態において、無線通信端末のCPUが実行する主要な処理ステップを示す流れ図。
【図9】図8に示す処理ステップの値引判定処理ステップを具体的に示す流れ図。
【図10】図8に示す処理ステップの返品処理ステップを具体的に示す流れ図。
【図11】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される買物支援画面の一表示例を示す図。
【図12】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される買上商品情報画面の一表示例を示す図。
【図13】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される買上商品情報画面の他の表示例を示す図。
【図14】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される返品商品情報画面の一表示例を示す図。
【図15】本発明に係る第2の実施形態おいて、無線通信端末のRAMに形成される買上ファイルを示す模式図。
【図16】同第2の実施形態において、POS端末のCPUが実行する会計処理の要部手順を示す流れ図。
【図17】同第2の実施形態において、無線通信端末のCPUが実行する値引判定処理ステップを具体的に示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、来店した顧客がそれぞれ無線通信端末9を所持し、売場にて自身が購入しようとする商品のバーコードを上記端末9のスキャナ25で読取ると、その商品に関する情報が上記端末9のディスプレイ(タッチパネル26)に表示されるようにした買物支援システムに、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき特典を付与する販売方式を導入した場合である。
【0012】
(第1の実施形態)
はじめに、今回の買上商品の購入数も含めて特定商品の購入総数が一定値に到達したとき、値引の特典を付与する第1の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態のシステム構成図である。本システムは、スーパーマーケット等の小売店に構築される。本システムは、その中枢部としてストアサーバ1を備える。そして、このストアサーバ1に、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2を介して、POS(Point Of Sales)端末3、アクセスポイント4及び端末ラックコントローラ5を接続している。
【0014】
ストアサーバ1は、商品データベース11と会員データベース12とを管理する。
商品データベース11は、店舗で販売される商品毎に、図2に示すように、商品コード、商品名、単価、割引番号等を含む商品データレコードを記憶する。商品コードは、各商品を品目単位に識別するために、品目毎に異なるように予め設定されたコードである。この商品コードにより商品を特定できる。商品名及び単価は、商品コードによって特定される商品の名称及び1点あたりの通常販売価格である。
【0015】
割引番号は、後述する割引パターンテーブル13に登録されている複数の割引パターンデータに対して個々に設定された識別番号であり、前記商品データレコードには、そのレコード中の商品コードによって特定される商品に対して適用される割引パターンデータの割引番号がセットされる。
【0016】
割引パターンテーブル13の一例を図3に示す。この割引パターンテーブル13は、2段階の閾値(閾値[1]、閾値[2]:ただし閾値[1]<閾値[2])に対してそれぞれ割引率(割引率[1]、割引率[2]:ただし割引率[1]<割引率[2])が設定された割引パターンデータを4パターン記憶している。
【0017】
閾値は、特定商品の購入総数に対する比較値である。本実施形態では、特定商品の購入総数が当該閾値に達したとき、この閾値に対応した割引率でこの商品を割引販売する。例えば、図3において、割引番号“1”が設定された割引パターンデータの場合、累積購入点数が“10”に達すると10%の割引を行い、累積購入点数が“20”に達すると20%の割引を行うことを意味している。
【0018】
なお、割引パターンテーブル13に設定される閾値の段数は2段に限定されるものではない。3段以上でもよいし、1段だけでもよい。また、割引パターンデータのパターン数も4パターンに限定されないのは言うまでもないことである。
【0019】
会員データベース12は、会員として登録された顧客毎に、図4に示すように、会員コード、会員基本情報、取引履歴データ及び購入実績データを含む会員データレコードを記憶する。会員コードは、会員である顧客に対して設定された固有のコードである。この会員コードによって顧客が特定される。各顧客が所有する会員カードには、少なくともその顧客に対して設定された会員コードが記録されている。
【0020】
会員基本情報は、会員コードによって特定される顧客の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、家族構成等である。取引履歴データは、会員コードによって特定される顧客が当該店舗で買物をした履歴、すなわち取引日時、取引番号、購入商品の商品コード,売上点数、売上金額等の明細、及び合計金額等のデータである。この取引履歴データは、POS端末3から収集したトランザクションデータに基づいて生成され、会員データベース12上で顧客別に蓄積される。購入実績データは、会員コードによって特定される顧客が、予め設定された期間(本実施形態では、前日から1年前の同日までの1年間とする)内に当該店舗で買物をした各商品の商品別購入総数をその商品の商品コードと関連付けたデータである(購入実績記憶部)。
【0021】
ストアサーバ1は、毎営業日の日付が更新される毎に、会員データベースから会員データレコードを1レコードずつ読み出す。そして、前日から1年前の同日までの1年分の取引履歴データを取得し、同一商品コードの売上点数を商品コード別に累積することによって顧客毎に購入実績データを求め、その会員データレコードの購入実績データを更新する処理を行う。なお、購入実績データを求める期間は1年間に限定されるものではなく、店舗の運用に応じて適宜設定変更できるものである。特に、期間を定めなくてもよい。
【0022】
端末ラックコントローラ5は、会員コード入力部6と端末ラック7とを接続している。会員コード入力部6は、会員である各顧客にそれぞれ割り当てられた会員コードの入力に供せられる。例えば会員カードから会員コードを読取るためのカードリーダが該当する。
【0023】
端末ラック7は、複数の端末置き台8を形成している。各置き台8には、それぞれ無線通信端末9が1基ずつ着脱自在に置かれる。また、各置き台8に1対1で対応して、LED等の表示部10を設けている。
【0024】
無線通信端末9は、本発明に係る買物支援装置の一態様であって、その要部構成は、図5のブロック図によって示される。すなわち無線通信端末9は、持運び自在な可搬型の本体に、CPU21、ROM22、RAM23、無線部24、スキャナ25、タッチパネル26、インターフェース27及びバッテリ28を備えている。
【0025】
スキャナ25は、商品に付されたバーコードの読み取りに供せられる。バーコードには、商品を特定するための商品コードが含まれており、スキャナ25は、商品特定手段として機能する。なお、商品特定手段は、スキャナ25に限定されるものではない。商品を特定可能な商品コードを取得できるものであればよい。例えば、商品に付されたRFIDタグから商品コードを読取るためのRFIDリーダや、商品コードを置数入力可能なキーボード等も商品特定手段として機能する。
【0026】
タッチパネル26は、当該無線通信端末9を使用する顧客の買物支援に必要な情報の表示部及び各種タッチキーの入力部として機能する。なお、キーボードを具備することによって、タッチパネル付でないディスプレイを表示部として用いてもよい。
【0027】
無線部24は、前記アクセスポイント4との間で無線によるデータ通信を行う。インターフェース27は、外部機器との電気的な接続によりデータの送受信を行うとともに、外部機器からの電気信号によりバッテリ28を充電する。
【0028】
図6は、無線通信端末9のRAM23に形成される主要なメモリエリアを示している。図示するように、RAM23には、会員コードメモリ31、買上ファイル32及び割引ファイル33が形成されている。
【0029】
会員コードメモリ31は、当該無線通信端末9を使用する顧客の会員コードを記憶する。
買上ファイル32は、当該無線通信端末9を使用する顧客が購入を決めた商品の商品コード、商品名、単価、点数(数量)、割引率、金額等の商品買上情報を記憶する(情報記憶部)。
【0030】
割引ファイル33は、当該無線通信端末9を使用する顧客が購入を決めた商品の商品コード、購入総数及び割引パターンデータ(閾値[1]、割引率[1]、閾値[2]、割引率[2])を蓄積する。
【0031】
POS端末3は、商品販売データ処理装置の一態様であって、その要部構成は、図7のブロック図によって示される。すなわちPOS端末3は、CPU41、ROM42、RAM43、時計部44、LANコントローラ45、インターフェース46、スキャナ47、キーボード48、オペレータ用表示器49、客用表示器50及びプリンタ51を備えている。
【0032】
インターフェース46には、無線通信端末9のドッキングステーションとして機能するクレイドル60が接続される。このクレイドル60に無線通信端末9が置かれると、クレイドル60を介して無線通信端末9のインターフェース27とPOS端末3のインターフェース46とが電気的に接続される。そして、無線通信端末9とPOS端末3との相互間でデータ信号の授受が可能となる。
【0033】
さて、本システムが構築される小売店では、例えば店の入口に端末ラック7が設置される。端末ラック7の各端末置き台8には、それぞれ無線通信端末9が置かれている。無線通信端末9は、端末置き台8に置かれると、インターフェース27を介して端末ラックコントローラ5と電気的に接続され、バッテリ28が充電される。
【0034】
端末ラック7の近傍には、会員コード入力部6が設けられている。来店した顧客は、会員コード入力部6を介して自身の会員コードを入力する。会員コードが入力されると、端末ラックコントローラ5は、この会員コードをストアサーバ1に送信して、会員問合せを行う。問合せを受けたストアサーバ1は、会員データベース12を検索し、当該会員コードを含む会員データレコードが登録されているか確認する。そして、登録されていることを確認すると、承認応答を端末ラックコントローラ5に返信する。
【0035】
端末ラックコントローラ5は、ストアサーバ1から承認応答を受けると、いずれかの端末置き台8に置かれている1基の無線通信端末9を選択する。そして、その会員コードメモリ31に、会員コード入力部6を介して入力された会員コードを書き込む。また、この無線通信端末9が置かれている端末置き台8に対応した表示部10を例えば点滅させる。なお、この無線通信端末9の買上ファイル32及び割引ファイル33は、初期状態としてクリアされている。
【0036】
表示部10の点滅を確認した顧客は、その表示部10に対応した端末置き台8から無線通信端末9を取り出す。端末置き台8から取り出された無線通信端末9は、駆動電源がバッテリ28に切り換わる。その後、無線通信端末9は、図8の流れ図に示す手順でCPU21が動作する。この動作は、ROM22内の買物支援プログラムによって実現される。
【0037】
上記買物支援プログラムが起動すると、CPU21は、ST(ステップ)1として、タッチパネル26に買物支援画面70を表示させる。
【0038】
買物支援画面70の一表示例を図11に示す。図示するように、買物支援画面70には、当該無線通信端末9を所持する顧客が売場にて購入しようとする商品をショッピングカートまたはそれに類する物の中に入れる際に、その商品に付されているバーコードをスキャナ25で読取ることを指示するメッセージ71と、ショッピングカート等に一旦入れた商品を会計の前に商品棚に戻す際には、タッチパネル26上の返品キー73にタッチし、返品する商品のバーコードをスキャナ25で読取った後に戻すことを指示するメッセージ72とが表示されている。
【0039】
上記買物支援画面70を表示させたCPU21は、ST2として返品キー73がタッチ操作されるか、ST4としてスキャナ25によりバーコードがスキャニングされるのを待機する。タッチパネル26からの信号により返品キー73がタッチ操作されたことを検知すると(ST2のYES)、CPU21は、ST4として返品フラグFを“1”にセットする。そして、再度返品キー73がタッチ操作されるか、バーコードがスキャニングされるのを待機する。なお、返品フラグFは、例えばRAM23で記憶している。
【0040】
スキャナ25からの信号によりバーコードがスキャニングされた場合には(ST3のYES)、CPU21は、ST5としてそのバーコードデータから商品コードを取得する。そして、この商品コードで買上ファイル32を検索する。その結果、ST6として同一の商品コードを含む商品買上情報を検出できない場合には、当該商品コードで特定される商品は新規商品であると判定する。これに対し、同一の商品コードを含む商品買上情報を検出できた場合には、当該商品コードで特定される商品は新規商品でないと判定する。
【0041】
新規商品であると判定された場合(ST6のYES)、CPU21は、ST7として返品フラグFを調べる。返品フラグが“1”にセットされていたならば(ST7のYES)、返品指示された商品は買上商品として未登録であるので、エラーとする。CPU21は、返品フラグFを“0”にリセットした後、ST1の処理に戻る。
【0042】
返品フラグが“0”にリセットされていたならば(ST7のNO)、新規商品の買上が指示されたので、CPU21は、ST8としてこの商品コードで識別される商品を買上商品として特定する(商品特定手段)。そして、この商品コードと会員コードメモリ31に記憶された会員コードとを含む問合せ伝文を作成し、無線部24を介してストアサーバ1に無線送信する。
【0043】
この伝文は、いずれかのアクセスポイント4を経由してストアサーバ1に伝送される。ストアサーバ1は、受信伝文中の商品コードで商品データベース11を検索して、同一の商品コードがセットされた商品データレコードを読み出す。そして、この商品データレコードから商品名,単価等の商品情報を抽出する。また、この商品データレコード中の割引番号で割引パターンテーブル13を検索して、同一の割引番号に対応して記憶されている割引パターンデータ(閾値[1]、割引率[1]、閾値[2]、割引率[2])を読み出す。さらに、受信伝文中の会員コードで会員データベース12を検索して、同一の会員コードがセットされた会員データレコードを読み出す。そして、この会員データレコード中の購入実績データから、受信伝文中の商品コードに関連付けられて記憶されている購入総数を抽出する。かくして、ストアサーバ1は、商品コード,商品名,単価等の商品情報と、割引パターンデータと、上記商品コードによって特定される商品の購入総数とを、問合せ元の無線通信端末9に無線送信する。
【0044】
ストアサーバ1から送信されたデータは、いずれかのアクセスポイント4を経由して問合せ元の無線通信端末9に伝送される。無線部24を介して上記送信データを受信したCPU21は、ST9として買上ファイル32に、商品買上情報として商品コード、商品名及び単価と、点数=“1”と、割引率=“0”と、金額=“(単価×点数)−(単価×点数×割引率)”とを記憶させる。さらに、CPU21は、ST10として割引ファイル33に、受信した商品コード、購入総数及び割引パターンデータを記憶させる。しかる後、ST13として値引判定処理を実行する。
【0045】
一方、バーコードデータから取得した商品コードで買上ファイル32を検索した結果、新規商品でないと判定された場合は(ST6のNO)、CPU21は、ST11として返品フラグFを調べる。ここで、返品フラグが“0”にリセットされていたならば(ST11のNO)、買上商品として既に登録されている商品の2点目以上の買上が指示されたので、CPU21は、ST12として買上ファイル32の入力商品コードがセットされた商品買上情報の点数に“1”を加算する。また、この商品買上情報の金額を、点数加算後の金額に更新する。しかる後、CPU21は、ST13として値引判定処理を実行する。
【0046】
上記値引判定処理の具体的な処理手順は、図9の流れ図によって示される。すなわち、値引判定処理が開始されると、CPU21は、先ず、ST31として買上商品の買上後購入総数Nを算出するために、割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数に、買上ファイル32に記憶された当該買上商品の点数(今回購入点数)を加算する。
【0047】
次に、CPU21は、ST32として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[2]の値と割引率[2]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[2]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[2]の値以上である場合(ST32のNO),CPU21は、ST33として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[2]の値をセットする。そして、ST34として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[2]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。
【0048】
これに対し、買上後購入総数Nが閾値[2]の値未満である場合には(ST32のYES),CPU21は、ST35として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[1]の値と割引率[1]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[1]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[1]の値以上である場合(ST35のNO),CPU21は、ST36として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[1]の値をセットする。そして、ST37として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[1]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。さらに、ST38として閾値[2]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[2]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0049】
また、買上後購入総数Nが閾値[1]の値未満である場合には(ST35のYES),CPU21は、ST39として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報の割引率を“0”とする。そして、ST40として当該買上商品の買上情報の金額を割引なしの金額に更新する。さらに、ST41として閾値[1]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[1]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0050】
上述したような値引判定処理を実行したならば、CPU21は、ST14としてタッチパネル26に買上商品情報画面80を表示させる(表示制御手段)。買上商品情報画面80の表示例を図12及び図13に示す。
【0051】
図12は、単価500円の商品AAAAを、最近1年間で8点購入している顧客が、今回の買物で1点購入するためにスキャナ25でバーコードをスキャニングしたときの買上商品情報画面80Aである。なお、商品AAAAの割引パターンは、図3中、割引番号“1”のパターンとする。
【0052】
割引番号“1”の割引パターンは、閾値[1]の値が“10”、閾値[2]の値が“20”、割引率[1]の値が“10%”、割引率[2]の値が“20%”である。一方、買上後購入総数Nは“9”となり、閾値[1]の値に満たない。したがって、値引判定処理のST39〜ST41が実行されるので、買上商品情報画面80Aには、図12に示すように、商品名AAAA、通常単価¥500,1年間の買上累積点数(買上後購入総数)“9”、現在の割引率“0%”、及び、割引後単価¥500と、閾値[1]の値“10”から買上後購入総数“9”を減算した不足数“1”点を購入すると割引率[1]の値“10%”の割引が得られることを顧客に通知するメッセージ81が表示される。また、買物を継続する場合にタッチする「継続」キー82と、買物を終了する場合にタッチする「買物終了」キー83も、買上商品情報画面80A上に表示される。
【0053】
図13は、図12の画面80Aを確認した客が、商品AAAAをもう1点購入するためにスキャナ25でバーコードをスキャニングしたときの買上商品情報画面80Bである。この場合は、買上後購入総数Nが“10”となり、閾値[1]の値に到達する。したがって、この閾値[1]に対応した割引率[1]の値“10%”の値引条件が成立する。すなわち、買上商品情報画面80Bには、図13に示すように、商品名AAAA、通常単価¥500,1年間の買上累積点数(買上後購入総数)“10”の他に、値引が行われていることをユーザに通知する情報として、現在の割引率“10%”と割引後単価¥450とが表示される。それに加え、閾値[2]の値“20”から買上後購入総数“10”を減算した不足数“10”点を購入すると割引率[2]の値“20%”の割引が得られることを顧客に通知するメッセージ84と、「継続」キー82及び「買物終了」キー83も、買上商品情報画面80B上に表示される。
【0054】
一方、ST11にて、返品フラグが“1”にセットされていたならば(ST11のYES)、買上商品として登録されている商品の返品が指示されたので、CPU21は、この商品コードで識別される商品を返品商品として特定する(返品商品特定手段)。そして、CPU21は、ST16として図10に具体的に示す返品処理を実行する。
【0055】
すなわちCPU21は、ST51として買上ファイル32の当該買上商品に対する買上情報の点数から“1”を減算する(返品処理手段)。そして、ST52としてこの減算後の点数が“1”以上であるか、“0”になったかを判断する。
【0056】
減算後の点数が“0”であった場合(ST52のNO)、CPU21は、ST53として買上ファイル32から当該買上商品の買上情報を削除する。また、ST54として割引ファイル33から当該買上商品の商品コード、購入総数及び値引パターンデータを削除する。
【0057】
これに対し、減算後の点数が“1”以上であった場合には(ST52のYES)、CPU21は、ST55〜ST65として、前記値引判定処理のST31〜ST41の処理と同一の処理を実行する。
【0058】
すなわちCPU21は、ST55として返品商品の返品後購入総数Nを算出するために、割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数に、買上ファイル32に記憶された当該買上商品の点数(今回購入点数)を加算する。
【0059】
次に、CPU21は、ST56として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[2]の値と割引率[2]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[2]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[2]の値以上である場合(ST56のNO),CPU21は、ST57として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[2]の値をセットする。そして、ST58として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[2]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。
【0060】
これに対し、買上後購入総数Nが閾値[2]の値未満である場合には(ST56のYES),CPU21は、ST59として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[1]の値と割引率[1]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[1]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[1]の値以上である場合(ST59のNO),CPU21は、ST60として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[1]の値をセットする。そして、ST61として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[1]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。さらに、ST62として閾値[2]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[2]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0061】
また、買上後購入総数Nが閾値[1]の値未満である場合には(ST59のYES),CPU21は、ST63として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報の割引率を“0”とする。そして、ST64として当該買上商品の買上情報の金額を割引なしの金額に更新する。さらに、ST65として閾値[1]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[1]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0062】
上記返品処理を終了すると、CPU21は、ST16として前記返品フラグFを“0”にリセットする。また、ST17としてタッチパネル26に返品商品情報画面90を表示させる(表示制御手段)。返品商品情報画面90の表示例を図14に示す。
【0063】
図14は、図13の画面80Bを確認した客が、その後の買物継続中に商品AAAAを返品したときの返品商品情報画面90である。この場合、客は、買物支援画面70の返品キー73をタッチした後、商品AAAAのバーコードをスキャナ25でスキャニングする。そうすると、買上後購入総数Nが“9”となるので、現在の割引率が“0%”となり、割引後単価も通常単価と同額の¥500となる。また、閾値[1]の値“10”から買上後購入総数“9”を減算した不足数“1”点を購入すると割引率[1]の値“10%”の割引が得られることを顧客に通知するメッセージ81が再び表示される。この他、「継続」キー82と「買物終了」キー83も、返品商品情報画面90上に表示される。
【0064】
買上商品情報画面80または返品商品情報画面90を表示させた後、CPU21は、ST18として「継続」キー82または「買物終了」キー83がタッチ操作されるのを待機する。タッチパネル26からの信号により「継続」キー82のタッチ操作を検知した場合は(ST18のNO)、CPU21は、ST1の処理に戻る。すなわち、タッチパネル26の画面を買物支援画面70に戻して、次の買上商品または返品商品のバーコードがスキャニングされるのを待機する。
【0065】
タッチパネル26からの信号により「買物終了」キーのタッチ操作を検知した場合には(ST18のYES)、CPU21は、ST19としてタッチパネル26の画面を買物支援終了画面に切り換える。そしてCPU21は、ST20として読出要求コマンドを待機する。
【0066】
この状態で、インターフェース27を介して読出要求コマンドを受信したならば(ST20のYES)、CPU21は、ST21として会員コードメモリ31内の会員コードと買上ファイル32のデータとを、インターフェース27を介して要求コマンド送信元に送信する(出力手段)。以上で、今回の処理手順を終了する。
【0067】
売場での買物を終えた顧客は、タッチパネル26の「買物終了」キーをタッチする。そして、買上商品の代金を支払うために会計場所に行き、無線通信端末9をクレイドル60に置く。クレイドル60に無線通信端末9が置かれたことを確認すると、キャッシャは、キーボード48に設けられた会員会計キーを押下する。
【0068】
会員会計キーが押されると、POS端末3のCPU41は、会計処理を実行する。先ず、CPU41は、インターフェース46を介して読出要求コマンドを送信する。読出要求コマンドは、クレイドル60に置かれた無線通信端末9に与えられる。これにより、無線通信端末9は、会員コードメモリ31内の会員コードと買上ファイル32のデータとを送信するので、CPU41は、これらのデータを受信し、RAM43のワークエリアで一時記憶する。
【0069】
次に、CPU41は、無線通信端末9から受信した買上ファイル32のデータを基に、商品販売データの登録処理を行う。この登録処理により、CPU41は、買上商品の明細データを含むトランザクションデータを作成する。また、この登録結果に基づいて、CPU41は、オペレータ用表示器49及び客用表示器50に請求金額等の会計データを表示させる。
【0070】
ここで、POS端末3では、買上ファイルのデータを基に商品販売データの登録処理が行われるので、買上ファイルのデータに割引率がセットされていた場合、その商品はその割引率で割引処理(値引)されることになる。
【0071】
しかる後、CPU41は、キーボード48の締めキーが入力されるのを待機する。そして、締めキーが入力されたならば、CPU41は、会計処理を実行する。この会計処理においては、例えば預り金額の入力を受付け、預り金額が入力されると、この預り金額から請求金額を減額して釣銭額を算出し、表示する。
【0072】
会計処理を終えると、CPU41は、商取引の明細や付与ポイント等が印字されたレシートを発行する。また、CPU41は、無線通信端末9から受信した会員コードと、今回生成したトランザクションデータとを、LANコントローラ45からネットワーク2経由でストアサーバ1に送信する。
【0073】
上記POS端末3からのデータを受信したストアサーバ1は、受信データ中の会員コードで特定される会員データベース12のレコードの取引履歴データに、今回のトランザクションデータを追加する。
【0074】
このように、来店した顧客がそれぞれ無線通信端末9を所持し、売場にて自身が購入しようとする商品のバーコードを上記端末9のスキャナ25で読取ると、その商品に関する情報が上記端末9のタッチパネル26に表示されるようにした買物支援システムに、ある特定商品の今回買物分も含めた購入総数が一定値に到達したとき値引を行う販売方式を導入することができる。
【0075】
しかも、購入しようとする商品のバーコードをスキャナ25で読取った際に値引条件が成立すると、値引が行われていることを前記ユーザに通知する情報として割引率と割引後単価とがタッチパネル26に表示されるので、客は、会計の前に割引サービスを受けられることを的確に把握することができる。したがって、商品の購買意欲が高められ、販売促進の効果が期待できる。
【0076】
それに加えて、割引サービスが受けられない場合でも、割引条件が成立するのに必要に不足点数に関する情報がタッチパネル26に表示されるので、客の購買意欲をより一層高めることができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、前回までの買物により特定商品の購入総数が一定値に到達したとき、値引の特典を付与し、今回の買物も含めて特定商品の購入総数が一定値に到達したときには、サービス券発行の得点を付与する第2の実施形態について説明する。
【0078】
なお、以下では、第1の実施形態に対して異なる部分についてのみ説明し、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0079】
この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点の1つは、買上ファイル32のデータ構造である。図15に示すように、買上ファイル32は、当該無線通信端末9を使用する顧客が購入を決めた商品の商品コード、商品名、単価、点数(数量)、割引率、金額等の商品買上情報に加えてサービスフラグSFを記憶する(情報記憶部)。
【0080】
サービスフラグSFは、対応する商品コードで特定される商品の今回買物分も含めた購入総数が閾値[1]に達するとき、サービス券発行の特典付与をPOS端末3に指示するフラグである。
【0081】
すなわち、POS端末3のCPU41は、会員会計キーが押されたことにより実行する会計処理において、図16に示すように、無線通信端末9から受信した買上ファイル32のデータ中にサービスフラグSFがセットされているデータがあると(ST91のYES)、ST92として、プリンタ51によりサービス券を印字発行する処理を追加する。この場合のサービス券としては、例えば次回の買物の際に提示すると、全品が5%引きとなるような特典が得られる券である。
【0082】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点の別の1つは、無線通信端末9のCPU21が実行する値引判定処理の手順である。第2の実施形態における値引判定処理の具体的な処理手順は、図17の流れ図によって示される。すなわち、値引判定処理が開始されると、CPU21は、先ず、ST71として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数を比較値Mと設定する。
【0083】
次に、CPU21は、ST72として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[2]の値と割引率[2]の値を呼出す。そして、比較値Mと閾値[2]の値とを比較する。その結果、比較値Mが閾値[2]の値以上である場合(ST72のNO),CPU21は、ST73として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[2]の値をセットする。そして、ST74として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[2]の値で割引した金額に更新する(第2の特典付与手段)。
【0084】
これに対し、比較値Mが閾値[2]の値未満である場合には(ST72のYES),CPU21は、ST75として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[1]の値と割引率[1]の値を呼出す。そして、比較値Mと閾値[1]の値とを比較する。その結果、比較値Mが閾値[1]の値以上である場合(ST75のNO),CPU21は、ST76として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[1]の値をセットする。そして、ST77として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[1]の値で割引した金額に更新する(第2の特典付与手段)。
【0085】
一方、比較値Mが閾値[1]の値未満である場合、すなわち第2の特典付与手段による特典付与が成立しないときには(ST75のYES),CPU21は、ST78として買上商品の買上後購入総数Nを算出するために、割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数に、買上ファイル32に記憶された当該買上商品の点数(今回購入点数)を加算する。そして、ST79として買上後購入総数Nが閾値[1]に一致するか否かを判断する。
【0086】
買上後購入総数Nが閾値[1]に一致する場合、CPU21は、ST80として当該買上商品の買上情報にサービスフラグSFをセットする(第1の特典付与手段)。買上後購入総数Nが閾値[1]に満たない場合は、ST80の処理を実行しない。
【0087】
しかる後、CPU21は、ST81として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報の割引率を“0”とする。そして、ST82として当該買上商品の買上情報の金額を割引なしの金額に更新する。さらに、ST83として閾値[1]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[1]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0088】
上述した値引判定処理を実行する第2の実施形態においては、特定商品の指定期間内の購入総数が閾値[1]の値に達するまでは特典が付与されない。ただし、閾値[1]に達するまでの不足数が買上商品情報画面80Aに表示されるので、客の来店頻度を高めることができる。
【0089】
今回の買物分も含めて特定商品の指定期間内の購入総数が閾値[1]の値に達すると、レジでの会計の際にサービス券が発券される。サービス券は、例えば次回の買物の際に提示すると、全品が5%引きとなるような特典が得られる券である。このようなサービス券を有効期限付で発行することにより、客が近いうちに再度来店することが期待できる。
【0090】
そして、この客は、以後、指定期間内の購入総数が閾値[1]の値に達した特定商品を買上げる度に、その商品を割引価格で購入することができる。したがって、客をつなぎとめることができる。
【0091】
なお、この発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0092】
例えば、前記第1の実施形態では、ある特定商品の購入総数が一定値に到達したときに付与される特典として割引による値引を例示し、第2の実施形態では、さらにサービス券の発行を例示したが、特典の種類はこれらに限定されるものではない。例えば割引ではなく価格変更による値引や、景品の贈呈等であってもよい。
【0093】
また、第2の実施形態においては、ST83の不足数演算処理をST82の処理の後に実行している。したがって、不足演算手段は、第2の特典付与手段による特典付与が成立しないとき、購入実績記憶部(会員データベース12)から得られる購入を希望する商品の購入総数と情報記憶部(買上ファイル32)に記憶した当該商品の点数との合計が閾値に達するまでの不足点数を算出する手段となっている。本発明はこれに限定されるものではない。ST79の処理において買上後購入総数Nが閾値に満たないとき(ST79のNO)、不足数演算処理を実行し、その後、ST81の処理に進むようにしてもよい。この場合、不足演算手段は、第1の特典付与手段による特典付与が成立しないとき、購入実績記憶部(会員データベース12)から得られる購入を希望する商品の購入総数と情報記憶部(買上ファイル32)に記憶した当該商品の点数との合計が閾値に達するまでの不足点数を算出する手段となる。
【0094】
また、特定商品の購入総数でなく購入総額が一定値に到達したとき、特典を付与する販売方式であっても、閾値を購入総額に対応する値とすることで、前記各実施形態と同様に適用できるものである。あるいは、点数用と金額用の2種類の閾値を設定することで、購入総数と購入金額のどちらか一方が一定値に到達したならば特典を付与する実施形態としてもよい。
【0095】
また、前記各実施形態では、ストアサーバ1が商品データベース11から読み出された商品データレコード中の割引番号に対応した割引パターンデータを割引パターンテーブル13から取得して問合せ元の無線通信端末9に送信するようにしたが、ストアサーバ1が無線通信端末9に承認応答を送信する際に割引パターンテーブル13をダウンロードし、無線通信端末9のCPU21が、ストアサーバ1から応答のあった商品データレコード中の割引番号に対応した割引パターンデータを割引パターンテーブル13から取得して割引ファイル33にセットするようにしてもよい。
【0096】
また、前記各実施形態では、情報記憶部である買上ファイル32に記憶された商品の商品コード、商品名、単価、点数及び金額の情報と特典付与手段により付与された特典情報、すなわち割引率の情報とを出力する出力手段として、POS端末3への送信出力手段を例示したが、この際のデータ送信先はPOS端末3に限定されるものではない。例えば、買上ファイル32のデータを、無線部24を介してストアサーバ1に無線送信してもよい。この場合、ストアサーバ1は、無線通信端末9から受信した買上ファイル32のデータを、その端末9に設定されている会員コードと関連付けて記憶する。POS端末3には、通常、カードリーダ等の会員コード入力手段が備えられているので、POS端末3は、入力された会員コードを検索キーとしてストアサーバ1に問合せを行い、応答のあった買上ファイル32のデータにより締め処理等を実行する。このような構成を採用することにより、POS端末3からクレイドル60を省略することができる。
【0097】
また、上記出力手段は、送信出力手段に限定されるものではない。例えば、無線通信端末9がプリンタを具備し、買上ファイル32のデータをたとえば二次元データコードに変換して記録紙に印字出力する印字出力手段としてもよい。この場合、POS端末3は、スキャナ47によって二次元データコードを読取り解析することで、買上ファイル32のデータを取得することができる。
【0098】
また、前記各実施形態では、無線通信端末9の本体形状を携帯可能とし、客が手に持って商品コードをスキャニングするようにしたが、ショッピングカートに取り付けて持運びできるようにし、客が手に持つことなく商品コードをスキャニングできるようにしてもよい。
【0099】
さらに、本実施の形態では無線通信端末9の内部に発明を実施するプログラムが予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから無線通信端末9にダウンロードしても良いし、同様のプログラムを記録媒体に記憶させたものを無線通信端末9にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0100】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…ストアサーバ、3…POS端末、4…アクセスポイント、5…端末ラックコントローラ、6…会員番号入力部、7…端末ラック、9…無線通信端末、11…商品データベース、12…会員データベース、13…割引パターンテーブル、31…会員コードメモリ、32…買上ファイル、33…割引ファイル。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2005−182387号公報
【特許文献2】特開平6−119559号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店に来店した客の買物を支援する可搬型の買物支援装置及び可搬型のコンピュータを前記買物支援装置として機能させるための買物支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、店舗内のショッピングカートに取り付けられた可搬型の買物支援装置を開示する。この装置は、商品特定手段としてバーコードリーダを備え、バーコードリーダで読取った商品のバーコード情報により商品を特定すると、この商品の商品情報をサーバから取得し、表示部に表示させる。したがって、ショッピングカードを使用する顧客は、自身が購入しようとする商品のバーコードをバーコードリーダに読取らせることによって、当該商品に関する情報を容易に確認することができる。
【0003】
特許文献2は、顧客が小売店で買物をする度に、その顧客が携帯するカードに、購入商品の金額あるいは数量を累積記録し、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき、値引処理を行う売上管理プログラム及びこのプログラムを実装したPOS(Point Of Sales)端末を開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に開示されているように、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき値引処理を行う販売方式を導入することによって、顧客の来店頻度が高まり、売上の向上が期待できる。
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示された販売方式では、顧客が購入した商品をPOS端末で会計処理しないと、値引が行われるかどうか判明しない。例えば、売場にて商品を購入しようとしている顧客に対し、その商品を購入することで値引が行われる旨を通知できたならば、顧客の購買意欲を高めることができ、販売の促進につながる。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき、値引等の特典を付与する販売方式を、顧客の購買意欲をより一層高め得て効果的に導入できる可搬型の買物支援装置及びコンピュータを当該買物支援装置として機能させることができる買物支援プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る買物支援装置は、顧客が購入を希望する商品を特定する商品特定手段と、この商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを記憶する情報記憶部と、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する特典付与手段と、この特典付与手段により付与される特典情報を表示部に表示させる表示制御手段と、前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与手段により付与された特典情報とを出力する出力手段とを備えたものである。
【0008】
本発明に係る買物支援プログラムは、表示部を備えた可搬型のコンピュータに、顧客が購入を希望する商品を特定させる商品特定機能と、この商品特定機能により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを情報記憶部に記憶させる情報記憶機能と、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与させる特典付与機能と、この特典付与機能により付与される特典情報を前記表示部に表示させる表示制御機能と、前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与機能により付与された特典情報とを出力させる出力機能とを実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる手段を講じた本発明によれば、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき値引等の特典を付与する販売方式を、顧客の購買意欲をより一層高め得て効果的に導入できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のシステム構成図。
【図2】同第1の実施形態において、商品データベースに記憶される商品データレコードのデータ構造を示す模式図。
【図3】同第1の実施形態において、ストアサーバが有する割引パターンテーブルの一例を示す模式図。
【図4】同第1の実施形態において、会員データベースに記憶される会員データレコードのデータ構造を示す模式図。
【図5】同第1の実施形態において、無線通信端末の要部構成を示すブロック図。
【図6】同第1の実施形態において、無線通信端末のRAMに形成される主要なメモリエリアを示す模式図。
【図7】同第1の実施形態において、POS端末の要部構成を示すブロック図。
【図8】同第1の実施形態において、無線通信端末のCPUが実行する主要な処理ステップを示す流れ図。
【図9】図8に示す処理ステップの値引判定処理ステップを具体的に示す流れ図。
【図10】図8に示す処理ステップの返品処理ステップを具体的に示す流れ図。
【図11】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される買物支援画面の一表示例を示す図。
【図12】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される買上商品情報画面の一表示例を示す図。
【図13】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される買上商品情報画面の他の表示例を示す図。
【図14】同第1の実施形態において、無線通信端末のタッチパネルに表示される返品商品情報画面の一表示例を示す図。
【図15】本発明に係る第2の実施形態おいて、無線通信端末のRAMに形成される買上ファイルを示す模式図。
【図16】同第2の実施形態において、POS端末のCPUが実行する会計処理の要部手順を示す流れ図。
【図17】同第2の実施形態において、無線通信端末のCPUが実行する値引判定処理ステップを具体的に示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を用いて説明する。
なお、この実施形態は、来店した顧客がそれぞれ無線通信端末9を所持し、売場にて自身が購入しようとする商品のバーコードを上記端末9のスキャナ25で読取ると、その商品に関する情報が上記端末9のディスプレイ(タッチパネル26)に表示されるようにした買物支援システムに、ある特定商品の購入総額または購入総数が一定値に到達したとき特典を付与する販売方式を導入した場合である。
【0012】
(第1の実施形態)
はじめに、今回の買上商品の購入数も含めて特定商品の購入総数が一定値に到達したとき、値引の特典を付与する第1の実施形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態のシステム構成図である。本システムは、スーパーマーケット等の小売店に構築される。本システムは、その中枢部としてストアサーバ1を備える。そして、このストアサーバ1に、LAN(Local Area Network)等のネットワーク2を介して、POS(Point Of Sales)端末3、アクセスポイント4及び端末ラックコントローラ5を接続している。
【0014】
ストアサーバ1は、商品データベース11と会員データベース12とを管理する。
商品データベース11は、店舗で販売される商品毎に、図2に示すように、商品コード、商品名、単価、割引番号等を含む商品データレコードを記憶する。商品コードは、各商品を品目単位に識別するために、品目毎に異なるように予め設定されたコードである。この商品コードにより商品を特定できる。商品名及び単価は、商品コードによって特定される商品の名称及び1点あたりの通常販売価格である。
【0015】
割引番号は、後述する割引パターンテーブル13に登録されている複数の割引パターンデータに対して個々に設定された識別番号であり、前記商品データレコードには、そのレコード中の商品コードによって特定される商品に対して適用される割引パターンデータの割引番号がセットされる。
【0016】
割引パターンテーブル13の一例を図3に示す。この割引パターンテーブル13は、2段階の閾値(閾値[1]、閾値[2]:ただし閾値[1]<閾値[2])に対してそれぞれ割引率(割引率[1]、割引率[2]:ただし割引率[1]<割引率[2])が設定された割引パターンデータを4パターン記憶している。
【0017】
閾値は、特定商品の購入総数に対する比較値である。本実施形態では、特定商品の購入総数が当該閾値に達したとき、この閾値に対応した割引率でこの商品を割引販売する。例えば、図3において、割引番号“1”が設定された割引パターンデータの場合、累積購入点数が“10”に達すると10%の割引を行い、累積購入点数が“20”に達すると20%の割引を行うことを意味している。
【0018】
なお、割引パターンテーブル13に設定される閾値の段数は2段に限定されるものではない。3段以上でもよいし、1段だけでもよい。また、割引パターンデータのパターン数も4パターンに限定されないのは言うまでもないことである。
【0019】
会員データベース12は、会員として登録された顧客毎に、図4に示すように、会員コード、会員基本情報、取引履歴データ及び購入実績データを含む会員データレコードを記憶する。会員コードは、会員である顧客に対して設定された固有のコードである。この会員コードによって顧客が特定される。各顧客が所有する会員カードには、少なくともその顧客に対して設定された会員コードが記録されている。
【0020】
会員基本情報は、会員コードによって特定される顧客の氏名、年齢、性別、住所、電話番号、家族構成等である。取引履歴データは、会員コードによって特定される顧客が当該店舗で買物をした履歴、すなわち取引日時、取引番号、購入商品の商品コード,売上点数、売上金額等の明細、及び合計金額等のデータである。この取引履歴データは、POS端末3から収集したトランザクションデータに基づいて生成され、会員データベース12上で顧客別に蓄積される。購入実績データは、会員コードによって特定される顧客が、予め設定された期間(本実施形態では、前日から1年前の同日までの1年間とする)内に当該店舗で買物をした各商品の商品別購入総数をその商品の商品コードと関連付けたデータである(購入実績記憶部)。
【0021】
ストアサーバ1は、毎営業日の日付が更新される毎に、会員データベースから会員データレコードを1レコードずつ読み出す。そして、前日から1年前の同日までの1年分の取引履歴データを取得し、同一商品コードの売上点数を商品コード別に累積することによって顧客毎に購入実績データを求め、その会員データレコードの購入実績データを更新する処理を行う。なお、購入実績データを求める期間は1年間に限定されるものではなく、店舗の運用に応じて適宜設定変更できるものである。特に、期間を定めなくてもよい。
【0022】
端末ラックコントローラ5は、会員コード入力部6と端末ラック7とを接続している。会員コード入力部6は、会員である各顧客にそれぞれ割り当てられた会員コードの入力に供せられる。例えば会員カードから会員コードを読取るためのカードリーダが該当する。
【0023】
端末ラック7は、複数の端末置き台8を形成している。各置き台8には、それぞれ無線通信端末9が1基ずつ着脱自在に置かれる。また、各置き台8に1対1で対応して、LED等の表示部10を設けている。
【0024】
無線通信端末9は、本発明に係る買物支援装置の一態様であって、その要部構成は、図5のブロック図によって示される。すなわち無線通信端末9は、持運び自在な可搬型の本体に、CPU21、ROM22、RAM23、無線部24、スキャナ25、タッチパネル26、インターフェース27及びバッテリ28を備えている。
【0025】
スキャナ25は、商品に付されたバーコードの読み取りに供せられる。バーコードには、商品を特定するための商品コードが含まれており、スキャナ25は、商品特定手段として機能する。なお、商品特定手段は、スキャナ25に限定されるものではない。商品を特定可能な商品コードを取得できるものであればよい。例えば、商品に付されたRFIDタグから商品コードを読取るためのRFIDリーダや、商品コードを置数入力可能なキーボード等も商品特定手段として機能する。
【0026】
タッチパネル26は、当該無線通信端末9を使用する顧客の買物支援に必要な情報の表示部及び各種タッチキーの入力部として機能する。なお、キーボードを具備することによって、タッチパネル付でないディスプレイを表示部として用いてもよい。
【0027】
無線部24は、前記アクセスポイント4との間で無線によるデータ通信を行う。インターフェース27は、外部機器との電気的な接続によりデータの送受信を行うとともに、外部機器からの電気信号によりバッテリ28を充電する。
【0028】
図6は、無線通信端末9のRAM23に形成される主要なメモリエリアを示している。図示するように、RAM23には、会員コードメモリ31、買上ファイル32及び割引ファイル33が形成されている。
【0029】
会員コードメモリ31は、当該無線通信端末9を使用する顧客の会員コードを記憶する。
買上ファイル32は、当該無線通信端末9を使用する顧客が購入を決めた商品の商品コード、商品名、単価、点数(数量)、割引率、金額等の商品買上情報を記憶する(情報記憶部)。
【0030】
割引ファイル33は、当該無線通信端末9を使用する顧客が購入を決めた商品の商品コード、購入総数及び割引パターンデータ(閾値[1]、割引率[1]、閾値[2]、割引率[2])を蓄積する。
【0031】
POS端末3は、商品販売データ処理装置の一態様であって、その要部構成は、図7のブロック図によって示される。すなわちPOS端末3は、CPU41、ROM42、RAM43、時計部44、LANコントローラ45、インターフェース46、スキャナ47、キーボード48、オペレータ用表示器49、客用表示器50及びプリンタ51を備えている。
【0032】
インターフェース46には、無線通信端末9のドッキングステーションとして機能するクレイドル60が接続される。このクレイドル60に無線通信端末9が置かれると、クレイドル60を介して無線通信端末9のインターフェース27とPOS端末3のインターフェース46とが電気的に接続される。そして、無線通信端末9とPOS端末3との相互間でデータ信号の授受が可能となる。
【0033】
さて、本システムが構築される小売店では、例えば店の入口に端末ラック7が設置される。端末ラック7の各端末置き台8には、それぞれ無線通信端末9が置かれている。無線通信端末9は、端末置き台8に置かれると、インターフェース27を介して端末ラックコントローラ5と電気的に接続され、バッテリ28が充電される。
【0034】
端末ラック7の近傍には、会員コード入力部6が設けられている。来店した顧客は、会員コード入力部6を介して自身の会員コードを入力する。会員コードが入力されると、端末ラックコントローラ5は、この会員コードをストアサーバ1に送信して、会員問合せを行う。問合せを受けたストアサーバ1は、会員データベース12を検索し、当該会員コードを含む会員データレコードが登録されているか確認する。そして、登録されていることを確認すると、承認応答を端末ラックコントローラ5に返信する。
【0035】
端末ラックコントローラ5は、ストアサーバ1から承認応答を受けると、いずれかの端末置き台8に置かれている1基の無線通信端末9を選択する。そして、その会員コードメモリ31に、会員コード入力部6を介して入力された会員コードを書き込む。また、この無線通信端末9が置かれている端末置き台8に対応した表示部10を例えば点滅させる。なお、この無線通信端末9の買上ファイル32及び割引ファイル33は、初期状態としてクリアされている。
【0036】
表示部10の点滅を確認した顧客は、その表示部10に対応した端末置き台8から無線通信端末9を取り出す。端末置き台8から取り出された無線通信端末9は、駆動電源がバッテリ28に切り換わる。その後、無線通信端末9は、図8の流れ図に示す手順でCPU21が動作する。この動作は、ROM22内の買物支援プログラムによって実現される。
【0037】
上記買物支援プログラムが起動すると、CPU21は、ST(ステップ)1として、タッチパネル26に買物支援画面70を表示させる。
【0038】
買物支援画面70の一表示例を図11に示す。図示するように、買物支援画面70には、当該無線通信端末9を所持する顧客が売場にて購入しようとする商品をショッピングカートまたはそれに類する物の中に入れる際に、その商品に付されているバーコードをスキャナ25で読取ることを指示するメッセージ71と、ショッピングカート等に一旦入れた商品を会計の前に商品棚に戻す際には、タッチパネル26上の返品キー73にタッチし、返品する商品のバーコードをスキャナ25で読取った後に戻すことを指示するメッセージ72とが表示されている。
【0039】
上記買物支援画面70を表示させたCPU21は、ST2として返品キー73がタッチ操作されるか、ST4としてスキャナ25によりバーコードがスキャニングされるのを待機する。タッチパネル26からの信号により返品キー73がタッチ操作されたことを検知すると(ST2のYES)、CPU21は、ST4として返品フラグFを“1”にセットする。そして、再度返品キー73がタッチ操作されるか、バーコードがスキャニングされるのを待機する。なお、返品フラグFは、例えばRAM23で記憶している。
【0040】
スキャナ25からの信号によりバーコードがスキャニングされた場合には(ST3のYES)、CPU21は、ST5としてそのバーコードデータから商品コードを取得する。そして、この商品コードで買上ファイル32を検索する。その結果、ST6として同一の商品コードを含む商品買上情報を検出できない場合には、当該商品コードで特定される商品は新規商品であると判定する。これに対し、同一の商品コードを含む商品買上情報を検出できた場合には、当該商品コードで特定される商品は新規商品でないと判定する。
【0041】
新規商品であると判定された場合(ST6のYES)、CPU21は、ST7として返品フラグFを調べる。返品フラグが“1”にセットされていたならば(ST7のYES)、返品指示された商品は買上商品として未登録であるので、エラーとする。CPU21は、返品フラグFを“0”にリセットした後、ST1の処理に戻る。
【0042】
返品フラグが“0”にリセットされていたならば(ST7のNO)、新規商品の買上が指示されたので、CPU21は、ST8としてこの商品コードで識別される商品を買上商品として特定する(商品特定手段)。そして、この商品コードと会員コードメモリ31に記憶された会員コードとを含む問合せ伝文を作成し、無線部24を介してストアサーバ1に無線送信する。
【0043】
この伝文は、いずれかのアクセスポイント4を経由してストアサーバ1に伝送される。ストアサーバ1は、受信伝文中の商品コードで商品データベース11を検索して、同一の商品コードがセットされた商品データレコードを読み出す。そして、この商品データレコードから商品名,単価等の商品情報を抽出する。また、この商品データレコード中の割引番号で割引パターンテーブル13を検索して、同一の割引番号に対応して記憶されている割引パターンデータ(閾値[1]、割引率[1]、閾値[2]、割引率[2])を読み出す。さらに、受信伝文中の会員コードで会員データベース12を検索して、同一の会員コードがセットされた会員データレコードを読み出す。そして、この会員データレコード中の購入実績データから、受信伝文中の商品コードに関連付けられて記憶されている購入総数を抽出する。かくして、ストアサーバ1は、商品コード,商品名,単価等の商品情報と、割引パターンデータと、上記商品コードによって特定される商品の購入総数とを、問合せ元の無線通信端末9に無線送信する。
【0044】
ストアサーバ1から送信されたデータは、いずれかのアクセスポイント4を経由して問合せ元の無線通信端末9に伝送される。無線部24を介して上記送信データを受信したCPU21は、ST9として買上ファイル32に、商品買上情報として商品コード、商品名及び単価と、点数=“1”と、割引率=“0”と、金額=“(単価×点数)−(単価×点数×割引率)”とを記憶させる。さらに、CPU21は、ST10として割引ファイル33に、受信した商品コード、購入総数及び割引パターンデータを記憶させる。しかる後、ST13として値引判定処理を実行する。
【0045】
一方、バーコードデータから取得した商品コードで買上ファイル32を検索した結果、新規商品でないと判定された場合は(ST6のNO)、CPU21は、ST11として返品フラグFを調べる。ここで、返品フラグが“0”にリセットされていたならば(ST11のNO)、買上商品として既に登録されている商品の2点目以上の買上が指示されたので、CPU21は、ST12として買上ファイル32の入力商品コードがセットされた商品買上情報の点数に“1”を加算する。また、この商品買上情報の金額を、点数加算後の金額に更新する。しかる後、CPU21は、ST13として値引判定処理を実行する。
【0046】
上記値引判定処理の具体的な処理手順は、図9の流れ図によって示される。すなわち、値引判定処理が開始されると、CPU21は、先ず、ST31として買上商品の買上後購入総数Nを算出するために、割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数に、買上ファイル32に記憶された当該買上商品の点数(今回購入点数)を加算する。
【0047】
次に、CPU21は、ST32として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[2]の値と割引率[2]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[2]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[2]の値以上である場合(ST32のNO),CPU21は、ST33として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[2]の値をセットする。そして、ST34として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[2]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。
【0048】
これに対し、買上後購入総数Nが閾値[2]の値未満である場合には(ST32のYES),CPU21は、ST35として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[1]の値と割引率[1]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[1]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[1]の値以上である場合(ST35のNO),CPU21は、ST36として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[1]の値をセットする。そして、ST37として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[1]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。さらに、ST38として閾値[2]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[2]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0049】
また、買上後購入総数Nが閾値[1]の値未満である場合には(ST35のYES),CPU21は、ST39として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報の割引率を“0”とする。そして、ST40として当該買上商品の買上情報の金額を割引なしの金額に更新する。さらに、ST41として閾値[1]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[1]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0050】
上述したような値引判定処理を実行したならば、CPU21は、ST14としてタッチパネル26に買上商品情報画面80を表示させる(表示制御手段)。買上商品情報画面80の表示例を図12及び図13に示す。
【0051】
図12は、単価500円の商品AAAAを、最近1年間で8点購入している顧客が、今回の買物で1点購入するためにスキャナ25でバーコードをスキャニングしたときの買上商品情報画面80Aである。なお、商品AAAAの割引パターンは、図3中、割引番号“1”のパターンとする。
【0052】
割引番号“1”の割引パターンは、閾値[1]の値が“10”、閾値[2]の値が“20”、割引率[1]の値が“10%”、割引率[2]の値が“20%”である。一方、買上後購入総数Nは“9”となり、閾値[1]の値に満たない。したがって、値引判定処理のST39〜ST41が実行されるので、買上商品情報画面80Aには、図12に示すように、商品名AAAA、通常単価¥500,1年間の買上累積点数(買上後購入総数)“9”、現在の割引率“0%”、及び、割引後単価¥500と、閾値[1]の値“10”から買上後購入総数“9”を減算した不足数“1”点を購入すると割引率[1]の値“10%”の割引が得られることを顧客に通知するメッセージ81が表示される。また、買物を継続する場合にタッチする「継続」キー82と、買物を終了する場合にタッチする「買物終了」キー83も、買上商品情報画面80A上に表示される。
【0053】
図13は、図12の画面80Aを確認した客が、商品AAAAをもう1点購入するためにスキャナ25でバーコードをスキャニングしたときの買上商品情報画面80Bである。この場合は、買上後購入総数Nが“10”となり、閾値[1]の値に到達する。したがって、この閾値[1]に対応した割引率[1]の値“10%”の値引条件が成立する。すなわち、買上商品情報画面80Bには、図13に示すように、商品名AAAA、通常単価¥500,1年間の買上累積点数(買上後購入総数)“10”の他に、値引が行われていることをユーザに通知する情報として、現在の割引率“10%”と割引後単価¥450とが表示される。それに加え、閾値[2]の値“20”から買上後購入総数“10”を減算した不足数“10”点を購入すると割引率[2]の値“20%”の割引が得られることを顧客に通知するメッセージ84と、「継続」キー82及び「買物終了」キー83も、買上商品情報画面80B上に表示される。
【0054】
一方、ST11にて、返品フラグが“1”にセットされていたならば(ST11のYES)、買上商品として登録されている商品の返品が指示されたので、CPU21は、この商品コードで識別される商品を返品商品として特定する(返品商品特定手段)。そして、CPU21は、ST16として図10に具体的に示す返品処理を実行する。
【0055】
すなわちCPU21は、ST51として買上ファイル32の当該買上商品に対する買上情報の点数から“1”を減算する(返品処理手段)。そして、ST52としてこの減算後の点数が“1”以上であるか、“0”になったかを判断する。
【0056】
減算後の点数が“0”であった場合(ST52のNO)、CPU21は、ST53として買上ファイル32から当該買上商品の買上情報を削除する。また、ST54として割引ファイル33から当該買上商品の商品コード、購入総数及び値引パターンデータを削除する。
【0057】
これに対し、減算後の点数が“1”以上であった場合には(ST52のYES)、CPU21は、ST55〜ST65として、前記値引判定処理のST31〜ST41の処理と同一の処理を実行する。
【0058】
すなわちCPU21は、ST55として返品商品の返品後購入総数Nを算出するために、割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数に、買上ファイル32に記憶された当該買上商品の点数(今回購入点数)を加算する。
【0059】
次に、CPU21は、ST56として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[2]の値と割引率[2]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[2]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[2]の値以上である場合(ST56のNO),CPU21は、ST57として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[2]の値をセットする。そして、ST58として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[2]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。
【0060】
これに対し、買上後購入総数Nが閾値[2]の値未満である場合には(ST56のYES),CPU21は、ST59として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[1]の値と割引率[1]の値を呼出す。そして、買上後購入総数Nと閾値[1]の値とを比較する。その結果、買上後購入総数Nが閾値[1]の値以上である場合(ST59のNO),CPU21は、ST60として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[1]の値をセットする。そして、ST61として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[1]の値で割引した金額に更新する(特典付与手段)。さらに、ST62として閾値[2]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[2]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0061】
また、買上後購入総数Nが閾値[1]の値未満である場合には(ST59のYES),CPU21は、ST63として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報の割引率を“0”とする。そして、ST64として当該買上商品の買上情報の金額を割引なしの金額に更新する。さらに、ST65として閾値[1]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[1]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0062】
上記返品処理を終了すると、CPU21は、ST16として前記返品フラグFを“0”にリセットする。また、ST17としてタッチパネル26に返品商品情報画面90を表示させる(表示制御手段)。返品商品情報画面90の表示例を図14に示す。
【0063】
図14は、図13の画面80Bを確認した客が、その後の買物継続中に商品AAAAを返品したときの返品商品情報画面90である。この場合、客は、買物支援画面70の返品キー73をタッチした後、商品AAAAのバーコードをスキャナ25でスキャニングする。そうすると、買上後購入総数Nが“9”となるので、現在の割引率が“0%”となり、割引後単価も通常単価と同額の¥500となる。また、閾値[1]の値“10”から買上後購入総数“9”を減算した不足数“1”点を購入すると割引率[1]の値“10%”の割引が得られることを顧客に通知するメッセージ81が再び表示される。この他、「継続」キー82と「買物終了」キー83も、返品商品情報画面90上に表示される。
【0064】
買上商品情報画面80または返品商品情報画面90を表示させた後、CPU21は、ST18として「継続」キー82または「買物終了」キー83がタッチ操作されるのを待機する。タッチパネル26からの信号により「継続」キー82のタッチ操作を検知した場合は(ST18のNO)、CPU21は、ST1の処理に戻る。すなわち、タッチパネル26の画面を買物支援画面70に戻して、次の買上商品または返品商品のバーコードがスキャニングされるのを待機する。
【0065】
タッチパネル26からの信号により「買物終了」キーのタッチ操作を検知した場合には(ST18のYES)、CPU21は、ST19としてタッチパネル26の画面を買物支援終了画面に切り換える。そしてCPU21は、ST20として読出要求コマンドを待機する。
【0066】
この状態で、インターフェース27を介して読出要求コマンドを受信したならば(ST20のYES)、CPU21は、ST21として会員コードメモリ31内の会員コードと買上ファイル32のデータとを、インターフェース27を介して要求コマンド送信元に送信する(出力手段)。以上で、今回の処理手順を終了する。
【0067】
売場での買物を終えた顧客は、タッチパネル26の「買物終了」キーをタッチする。そして、買上商品の代金を支払うために会計場所に行き、無線通信端末9をクレイドル60に置く。クレイドル60に無線通信端末9が置かれたことを確認すると、キャッシャは、キーボード48に設けられた会員会計キーを押下する。
【0068】
会員会計キーが押されると、POS端末3のCPU41は、会計処理を実行する。先ず、CPU41は、インターフェース46を介して読出要求コマンドを送信する。読出要求コマンドは、クレイドル60に置かれた無線通信端末9に与えられる。これにより、無線通信端末9は、会員コードメモリ31内の会員コードと買上ファイル32のデータとを送信するので、CPU41は、これらのデータを受信し、RAM43のワークエリアで一時記憶する。
【0069】
次に、CPU41は、無線通信端末9から受信した買上ファイル32のデータを基に、商品販売データの登録処理を行う。この登録処理により、CPU41は、買上商品の明細データを含むトランザクションデータを作成する。また、この登録結果に基づいて、CPU41は、オペレータ用表示器49及び客用表示器50に請求金額等の会計データを表示させる。
【0070】
ここで、POS端末3では、買上ファイルのデータを基に商品販売データの登録処理が行われるので、買上ファイルのデータに割引率がセットされていた場合、その商品はその割引率で割引処理(値引)されることになる。
【0071】
しかる後、CPU41は、キーボード48の締めキーが入力されるのを待機する。そして、締めキーが入力されたならば、CPU41は、会計処理を実行する。この会計処理においては、例えば預り金額の入力を受付け、預り金額が入力されると、この預り金額から請求金額を減額して釣銭額を算出し、表示する。
【0072】
会計処理を終えると、CPU41は、商取引の明細や付与ポイント等が印字されたレシートを発行する。また、CPU41は、無線通信端末9から受信した会員コードと、今回生成したトランザクションデータとを、LANコントローラ45からネットワーク2経由でストアサーバ1に送信する。
【0073】
上記POS端末3からのデータを受信したストアサーバ1は、受信データ中の会員コードで特定される会員データベース12のレコードの取引履歴データに、今回のトランザクションデータを追加する。
【0074】
このように、来店した顧客がそれぞれ無線通信端末9を所持し、売場にて自身が購入しようとする商品のバーコードを上記端末9のスキャナ25で読取ると、その商品に関する情報が上記端末9のタッチパネル26に表示されるようにした買物支援システムに、ある特定商品の今回買物分も含めた購入総数が一定値に到達したとき値引を行う販売方式を導入することができる。
【0075】
しかも、購入しようとする商品のバーコードをスキャナ25で読取った際に値引条件が成立すると、値引が行われていることを前記ユーザに通知する情報として割引率と割引後単価とがタッチパネル26に表示されるので、客は、会計の前に割引サービスを受けられることを的確に把握することができる。したがって、商品の購買意欲が高められ、販売促進の効果が期待できる。
【0076】
それに加えて、割引サービスが受けられない場合でも、割引条件が成立するのに必要に不足点数に関する情報がタッチパネル26に表示されるので、客の購買意欲をより一層高めることができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、前回までの買物により特定商品の購入総数が一定値に到達したとき、値引の特典を付与し、今回の買物も含めて特定商品の購入総数が一定値に到達したときには、サービス券発行の得点を付与する第2の実施形態について説明する。
【0078】
なお、以下では、第1の実施形態に対して異なる部分についてのみ説明し、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0079】
この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点の1つは、買上ファイル32のデータ構造である。図15に示すように、買上ファイル32は、当該無線通信端末9を使用する顧客が購入を決めた商品の商品コード、商品名、単価、点数(数量)、割引率、金額等の商品買上情報に加えてサービスフラグSFを記憶する(情報記憶部)。
【0080】
サービスフラグSFは、対応する商品コードで特定される商品の今回買物分も含めた購入総数が閾値[1]に達するとき、サービス券発行の特典付与をPOS端末3に指示するフラグである。
【0081】
すなわち、POS端末3のCPU41は、会員会計キーが押されたことにより実行する会計処理において、図16に示すように、無線通信端末9から受信した買上ファイル32のデータ中にサービスフラグSFがセットされているデータがあると(ST91のYES)、ST92として、プリンタ51によりサービス券を印字発行する処理を追加する。この場合のサービス券としては、例えば次回の買物の際に提示すると、全品が5%引きとなるような特典が得られる券である。
【0082】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点の別の1つは、無線通信端末9のCPU21が実行する値引判定処理の手順である。第2の実施形態における値引判定処理の具体的な処理手順は、図17の流れ図によって示される。すなわち、値引判定処理が開始されると、CPU21は、先ず、ST71として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数を比較値Mと設定する。
【0083】
次に、CPU21は、ST72として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[2]の値と割引率[2]の値を呼出す。そして、比較値Mと閾値[2]の値とを比較する。その結果、比較値Mが閾値[2]の値以上である場合(ST72のNO),CPU21は、ST73として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[2]の値をセットする。そして、ST74として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[2]の値で割引した金額に更新する(第2の特典付与手段)。
【0084】
これに対し、比較値Mが閾値[2]の値未満である場合には(ST72のYES),CPU21は、ST75として割引ファイル33に記憶された当該買上商品の割引パターンデータから閾値[1]の値と割引率[1]の値を呼出す。そして、比較値Mと閾値[1]の値とを比較する。その結果、比較値Mが閾値[1]の値以上である場合(ST75のNO),CPU21は、ST76として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報に、割引率[1]の値をセットする。そして、ST77として当該買上商品の買上情報の金額を割引率[1]の値で割引した金額に更新する(第2の特典付与手段)。
【0085】
一方、比較値Mが閾値[1]の値未満である場合、すなわち第2の特典付与手段による特典付与が成立しないときには(ST75のYES),CPU21は、ST78として買上商品の買上後購入総数Nを算出するために、割引ファイル33に記憶された当該買上商品の購入総数に、買上ファイル32に記憶された当該買上商品の点数(今回購入点数)を加算する。そして、ST79として買上後購入総数Nが閾値[1]に一致するか否かを判断する。
【0086】
買上後購入総数Nが閾値[1]に一致する場合、CPU21は、ST80として当該買上商品の買上情報にサービスフラグSFをセットする(第1の特典付与手段)。買上後購入総数Nが閾値[1]に満たない場合は、ST80の処理を実行しない。
【0087】
しかる後、CPU21は、ST81として買上ファイル32の当該買上商品の買上情報の割引率を“0”とする。そして、ST82として当該買上商品の買上情報の金額を割引なしの金額に更新する。さらに、ST83として閾値[1]の値から買上後購入総数Nを減算した値を、割引率[1]までの不足数として算出する(不足演算手段)。
【0088】
上述した値引判定処理を実行する第2の実施形態においては、特定商品の指定期間内の購入総数が閾値[1]の値に達するまでは特典が付与されない。ただし、閾値[1]に達するまでの不足数が買上商品情報画面80Aに表示されるので、客の来店頻度を高めることができる。
【0089】
今回の買物分も含めて特定商品の指定期間内の購入総数が閾値[1]の値に達すると、レジでの会計の際にサービス券が発券される。サービス券は、例えば次回の買物の際に提示すると、全品が5%引きとなるような特典が得られる券である。このようなサービス券を有効期限付で発行することにより、客が近いうちに再度来店することが期待できる。
【0090】
そして、この客は、以後、指定期間内の購入総数が閾値[1]の値に達した特定商品を買上げる度に、その商品を割引価格で購入することができる。したがって、客をつなぎとめることができる。
【0091】
なお、この発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0092】
例えば、前記第1の実施形態では、ある特定商品の購入総数が一定値に到達したときに付与される特典として割引による値引を例示し、第2の実施形態では、さらにサービス券の発行を例示したが、特典の種類はこれらに限定されるものではない。例えば割引ではなく価格変更による値引や、景品の贈呈等であってもよい。
【0093】
また、第2の実施形態においては、ST83の不足数演算処理をST82の処理の後に実行している。したがって、不足演算手段は、第2の特典付与手段による特典付与が成立しないとき、購入実績記憶部(会員データベース12)から得られる購入を希望する商品の購入総数と情報記憶部(買上ファイル32)に記憶した当該商品の点数との合計が閾値に達するまでの不足点数を算出する手段となっている。本発明はこれに限定されるものではない。ST79の処理において買上後購入総数Nが閾値に満たないとき(ST79のNO)、不足数演算処理を実行し、その後、ST81の処理に進むようにしてもよい。この場合、不足演算手段は、第1の特典付与手段による特典付与が成立しないとき、購入実績記憶部(会員データベース12)から得られる購入を希望する商品の購入総数と情報記憶部(買上ファイル32)に記憶した当該商品の点数との合計が閾値に達するまでの不足点数を算出する手段となる。
【0094】
また、特定商品の購入総数でなく購入総額が一定値に到達したとき、特典を付与する販売方式であっても、閾値を購入総額に対応する値とすることで、前記各実施形態と同様に適用できるものである。あるいは、点数用と金額用の2種類の閾値を設定することで、購入総数と購入金額のどちらか一方が一定値に到達したならば特典を付与する実施形態としてもよい。
【0095】
また、前記各実施形態では、ストアサーバ1が商品データベース11から読み出された商品データレコード中の割引番号に対応した割引パターンデータを割引パターンテーブル13から取得して問合せ元の無線通信端末9に送信するようにしたが、ストアサーバ1が無線通信端末9に承認応答を送信する際に割引パターンテーブル13をダウンロードし、無線通信端末9のCPU21が、ストアサーバ1から応答のあった商品データレコード中の割引番号に対応した割引パターンデータを割引パターンテーブル13から取得して割引ファイル33にセットするようにしてもよい。
【0096】
また、前記各実施形態では、情報記憶部である買上ファイル32に記憶された商品の商品コード、商品名、単価、点数及び金額の情報と特典付与手段により付与された特典情報、すなわち割引率の情報とを出力する出力手段として、POS端末3への送信出力手段を例示したが、この際のデータ送信先はPOS端末3に限定されるものではない。例えば、買上ファイル32のデータを、無線部24を介してストアサーバ1に無線送信してもよい。この場合、ストアサーバ1は、無線通信端末9から受信した買上ファイル32のデータを、その端末9に設定されている会員コードと関連付けて記憶する。POS端末3には、通常、カードリーダ等の会員コード入力手段が備えられているので、POS端末3は、入力された会員コードを検索キーとしてストアサーバ1に問合せを行い、応答のあった買上ファイル32のデータにより締め処理等を実行する。このような構成を採用することにより、POS端末3からクレイドル60を省略することができる。
【0097】
また、上記出力手段は、送信出力手段に限定されるものではない。例えば、無線通信端末9がプリンタを具備し、買上ファイル32のデータをたとえば二次元データコードに変換して記録紙に印字出力する印字出力手段としてもよい。この場合、POS端末3は、スキャナ47によって二次元データコードを読取り解析することで、買上ファイル32のデータを取得することができる。
【0098】
また、前記各実施形態では、無線通信端末9の本体形状を携帯可能とし、客が手に持って商品コードをスキャニングするようにしたが、ショッピングカートに取り付けて持運びできるようにし、客が手に持つことなく商品コードをスキャニングできるようにしてもよい。
【0099】
さらに、本実施の形態では無線通信端末9の内部に発明を実施するプログラムが予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから無線通信端末9にダウンロードしても良いし、同様のプログラムを記録媒体に記憶させたものを無線通信端末9にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0100】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…ストアサーバ、3…POS端末、4…アクセスポイント、5…端末ラックコントローラ、6…会員番号入力部、7…端末ラック、9…無線通信端末、11…商品データベース、12…会員データベース、13…割引パターンテーブル、31…会員コードメモリ、32…買上ファイル、33…割引ファイル。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2005−182387号公報
【特許文献2】特開平6−119559号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入を希望する商品を特定する商品特定手段と、
この商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを記憶する情報記憶部と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する特典付与手段と、
この特典付与手段により付与される特典情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与手段により付与された特典情報とを出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする可搬型の買物支援装置。
【請求項2】
前記特典付与手段による特典付与が成立しないとき、前記顧客が購入した各商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計が前記閾値に達するまでの不足点数、または、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計が前記閾値に達するまでの不足金額を算出する不足演算手段、をさらに具備し、
前記表示制御手段は、前記不足演算手段により算出される前記不足点数または不足金額を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の買物支援装置。
【請求項3】
前記商品特定手段により特定された商品の中から返品する商品を特定する返品商品特定手段と、
この返品商品特定手段により前記商品の中から返品する商品が特定されると、前記情報記憶部における当該商品の点数及び金額から返品に相当する分を減算する返品処理手段と、をさらに具備し、
この返品処理手段による減算処理の結果、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計の両方が前記閾値未満になると、前記商品の購入に対する特典付与を取止めることを特徴とする請求項1または2記載の買物支援装置。
【請求項4】
顧客が購入を希望する商品を特定する商品特定手段と、
この商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを記憶する情報記憶部と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数、及び前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額のうち、少なくとも一方が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する第1の特典付与手段と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、または前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する第2の特典付与手段と、
前記第1または第2の特典付与手段により付与される特典情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記第1または第2の特典付与手段により付与された特典情報とを出力する出力手段と、
を具備し、
前記第1の特典付与手段は、前記第2の特典付与手段による特典付与が成立しない場合に実行することを特徴とする可搬型の買物支援装置。
【請求項5】
前記第1または第2の特典付与手段による特典付与が成立しないとき、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計が前記閾値に達するまでの不足点数、または、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計が前記閾値に達するまでの不足金額を算出する不足演算手段、をさらに具備し、
前記表示制御手段は、前記不足演算手段により算出される前記不足点数または不足金額を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項4記載の買物支援装置。
【請求項6】
表示部を備えた可搬型のコンピュータに、
顧客が購入を希望する商品を特定させる商品特定機能と、
この商品特定機能により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを情報記憶部に記憶させる情報記憶機能と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与させる特典付与機能と、
この特典付与機能により付与される特典情報を前記表示部に表示させる表示制御機能と、
前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与機能により付与された特典情報とを出力させる出力機能と、
を実現させるための買物支援プログラム。
【請求項1】
顧客が購入を希望する商品を特定する商品特定手段と、
この商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを記憶する情報記憶部と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する特典付与手段と、
この特典付与手段により付与される特典情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与手段により付与された特典情報とを出力する出力手段と、
を具備したことを特徴とする可搬型の買物支援装置。
【請求項2】
前記特典付与手段による特典付与が成立しないとき、前記顧客が購入した各商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計が前記閾値に達するまでの不足点数、または、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計が前記閾値に達するまでの不足金額を算出する不足演算手段、をさらに具備し、
前記表示制御手段は、前記不足演算手段により算出される前記不足点数または不足金額を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の買物支援装置。
【請求項3】
前記商品特定手段により特定された商品の中から返品する商品を特定する返品商品特定手段と、
この返品商品特定手段により前記商品の中から返品する商品が特定されると、前記情報記憶部における当該商品の点数及び金額から返品に相当する分を減算する返品処理手段と、をさらに具備し、
この返品処理手段による減算処理の結果、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計の両方が前記閾値未満になると、前記商品の購入に対する特典付与を取止めることを特徴とする請求項1または2記載の買物支援装置。
【請求項4】
顧客が購入を希望する商品を特定する商品特定手段と、
この商品特定手段により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを記憶する情報記憶部と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数、及び前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額のうち、少なくとも一方が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する第1の特典付与手段と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、または前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与する第2の特典付与手段と、
前記第1または第2の特典付与手段により付与される特典情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記第1または第2の特典付与手段により付与された特典情報とを出力する出力手段と、
を具備し、
前記第1の特典付与手段は、前記第2の特典付与手段による特典付与が成立しない場合に実行することを特徴とする可搬型の買物支援装置。
【請求項5】
前記第1または第2の特典付与手段による特典付与が成立しないとき、前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計が前記閾値に達するまでの不足点数、または、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計が前記閾値に達するまでの不足金額を算出する不足演算手段、をさらに具備し、
前記表示制御手段は、前記不足演算手段により算出される前記不足点数または不足金額を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項4記載の買物支援装置。
【請求項6】
表示部を備えた可搬型のコンピュータに、
顧客が購入を希望する商品を特定させる商品特定機能と、
この商品特定機能により特定された前記商品の情報として少なくとも購入を希望する前記商品の点数と前記商品を購入した場合の金額とを情報記憶部に記憶させる情報記憶機能と、
前記顧客が購入した商品の情報を記憶する購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総数と前記情報記憶部に記憶した当該商品の点数との合計、及び、前記購入実績記憶部から得られる前記購入を希望する商品の購入総額と前記情報記憶部に記憶した当該商品の金額との合計のうち、少なくとも一方の合計が閾値以上であるとき、前記購入を希望する商品の購入に対して特典を付与させる特典付与機能と、
この特典付与機能により付与される特典情報を前記表示部に表示させる表示制御機能と、
前記情報記憶部に記憶された前記商品の情報と前記特典付与機能により付与された特典情報とを出力させる出力機能と、
を実現させるための買物支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−113549(P2011−113549A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272556(P2009−272556)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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