説明

貼り合わせ帳票の製造方法および装置

【課題】 2層式、2.5層式の配送伝票等に代表される貼り合わせ帳票を作成する際に、適量の接着剤を適正な箇所に塗布することが可能な貼り合わせ帳票の製造方法および装置を提供する。
【解決手段】 第1給紙部1から給紙される第1シートS1に、シリコーン塗布ユニット3がUV硬化型シリコーンを塗布し、UV照射部4が第1シートS1に塗布されたUV硬化型シリコーンにUV照射し、第1塗布ユニット5がUV照射後の第1シートS1に第1の接着剤を塗布する。一方、第2給紙部2から給紙される第2シートS2に、第2塗布ユニット6が第2の接着剤を塗布し、圧着ローラー7が第1シートS1の第1の接着剤の塗布面と第2シートS2の第2の接着剤の塗布面が向かい合うように重ねて、第1シートS1と第2シートS2を積層する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅配荷物や配送商品を配送業者が配送する際に、配送物に貼付して使用する配送伝票等に代表される貼り合わせ帳票の製造方法および装置に関し、特にラミネート式で貼り合わせ帳票を製造する際に、接着剤を好適に塗布することが可能な配送伝票の製造方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一枚の伝票用紙上に複数種類の伝票を配列させて、各伝票を同時にプリンター印字したものを組とする1パート形式の配送伝票(以下、1パート配送伝票という)が多く利用されるようになってきている。
【0003】
その代表的な1パート配送伝票は、剥離紙、粘着層、タック基材の順に積層されてなるタック紙の前記粘着層の形成された面(以下、タック紙裏面という)と反対側の面(以下、タック紙表面という)に接着層を介して配達票と貼付票とを面状に配置して形成する伝票用紙が設けられ、少なくともその配達票はタック紙表面から剥離可能な構造を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記のような3層式(伝票用紙、タック基材、剥離紙)の1パート配送伝票は、上記のように一枚の伝票用紙上に配達票と貼付票が設けられているので、コンピュータで管理されている配送情報に基づき、お届け先情報、依頼元情報、その他バーコード等の管理用の情報などを、プリンター装置で配送伝票上の所定箇所に高速で印字することが可能である。その使用に当たっては、事前に所定事項がプリンターで印字された1パート配送伝票を用意し、当該1パート配送伝票を構成するタック紙裏面の剥離紙を剥がし、粘着層を介して所定の配送物に貼付する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−12692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近では、コンバータ技術の発展のため、パターンシリコーン、パターン粘着加工技術の発展もあり、上質紙2枚をUV硬化型シリコーンと接着剤(粘着剤等の感圧性接着剤含む)を用いて貼り合わせ、表裏にハーフカットやミシン加工を行い1パート化した、いわゆる2層式、2.5層式の配送伝票も使用されている。2.5層式とは、基材は2層であるが、基材の内面に印字部を設けるなど、複雑な構造なため、単純な2層式と区別するために呼ばれるものである。
【0007】
2層式、2.5層式の配送伝票は、製品の構造上、3層式に比べ、粘着剤(感圧性接着剤)を塗布する面積を大きくすることが困難である。このため、フレキソ方式で粘着剤の塗布量を多めにし、粘着力を維持することが考えられる。この場合、一度に塗布すると、ラベルとして貼付しない部分(粘着剤を必要としない部分)には無駄に粘着剤を塗布してしまうことになる。これに対して、ラベルとして貼付しない部分に、ドット(点状)に粘着剤を塗布すると、その後の使用時に印字ムラが発生する問題がある。そこで、粘着剤を多く塗布するユニットと、少なく塗布するユニットで塗布することが考えられるが、2ユニットの粘着剤が重なり合ってしまい、ムラが発生するという問題がある。この粘着剤の重なりを防ぐため、2ユニットの版の隙間を少し開けると、隙間に空気が入り、プリンタの印字定着に問題が発生する。
【0008】
この問題は、2層式、2.5層式の配送伝票に限らず、帳票を貼り合わせた貼り合わせ帳票においても発生し、粘着剤以外の接着剤の場合にも発生する。
【0009】
そこで、本発明は、2層式、2.5層式の配送伝票等に代表される貼り合わせ帳票を作成する際に、適量の接着剤を適正な箇所に塗布することが可能な貼り合わせ帳票の製造方法および装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の貼り合わせ帳票の製造方法は、第1給紙部から給紙される第1シートに、UV硬化型シリコーンを塗布するシリコーン塗布工程と、前記第1シートに塗布されたUV硬化型シリコーンにUV照射するUV照射工程と、前記UV照射後の第1シートに第1の接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程と、第2給紙部から給紙される第2シートに、第2の接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程と、前記第1シートの接着剤の塗布面と前記第2シートの接着剤の塗布面が向かい合うように重ねて、前記第1シートと第2シートを積層する積層工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項1の貼り合わせ帳票の製造方法によれば、第1シートに、UV硬化型シリコーンを塗布して硬化させた後、第1の接着剤を塗布する一方、第2シートに、第2の接着剤を塗布し、塗布後に第1シートと第2シートを積層するようにしたので、適量の接着剤を適正な箇所に塗布することが可能となる。
【0012】
また、請求項2の貼り合わせ帳票の製造方法は、請求項1の貼り合わせ帳票の製造方法において、前記シリコーン塗布工程におけるUV硬化型シリコーンの塗布領域と、前記第1の接着剤塗布工程における第1の接着剤の塗布領域は、前記第1シート上において互いに重なり合わないように調整されており、前記第2の接着剤塗布工程における第2の接着剤の塗布領域は、前記UV硬化型シリコーンの塗布領域と重なり、前記第1シート上の粘着剤の塗布領域と重ならないように調整されていることを特徴とする。請求項2の貼り合わせ帳票の製造方法によれば、剥離片に対応する部分と剥離片以外に対応する部分で、接着力の差異を明確にすることができ、作成された貼り合わせ帳票から剥離片のみを的確に剥離することが可能となる。
【0013】
また、請求項3の貼り合わせ帳票の製造方法は、請求項1の貼り合わせ帳票の製造方法において、前記シリコーン塗布工程におけるUV硬化型シリコーンの塗布領域は、前記第1の接着剤塗布工程における第1の接着剤の塗布領域に重なる一部分となるように調整されており、前記第2の接着剤塗布工程における第2の接着剤の塗布領域は、前記UV硬化型シリコーンの塗布領域と同一となるように調整されていることを特徴とする。請求項3の貼り合わせ帳票の製造方法によれば、剥離片に対応する部分において接着力を変化させることができ、作成された貼り合わせ帳票から剥離片の一部を剥離させることを目的とする場合に役立つ。
【0014】
また、請求項4の貼り合わせ帳票の製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項の貼り合わせ帳票の製造方法において、前記第1の接着剤、第2の接着剤はともに粘着性を有する感圧性接着剤であることを特徴とする。請求項4の貼り合わせ帳票の製造方法によれば、接着剤が粘着性を有する感圧性接着剤であるため、剥離片を再貼付するのに好適である。
【0015】
また、請求項5の貼り合わせ帳票の製造装置は、第1シートを給紙する第1給紙部と、前記給紙された第1シートにUV硬化型シリコーンを塗布するシリコーン塗布ユニットと、前記第1シートに塗布されたUV硬化型シリコーンにUV照射するUV照射部と、前記UV照射後の第1シートに第1の接着剤を塗布する第1塗布ユニットと、第2シートを給紙する第2給紙部と、前記給紙された第2シートに、第2の接着剤を塗布する第2塗布ユニットと、前記第1シートの接着剤の塗布面と前記第2シートの接着剤の塗布面が向かい合うように重ねて、前記第1シートと第2シートを積層する圧着ローラーと、を有することを特徴とする。
【0016】
請求項5の配送伝票の製造装置によれば、第1シートに、UV硬化型シリコーンを塗布して硬化させた後、第1の接着剤を塗布する一方、第2シートに、第2の接着剤を塗布し、塗布後に第1シートと第2シートを積層するようにしたので、適量の接着剤を適正な箇所に塗布することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、2層式、2.5層式の配送伝票等に代表される貼り合わせ帳票を作成する際に、適量の接着剤を適正な箇所に塗布することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の貼り合わせ帳票の製造方法に用いる製造装置を示す図である。
【図2】本実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造方法により製造された配送伝票を構成する2つのシートを示す図である。
【図3】本実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造方法により製造された配送伝票を構成する2つのシートの異なる例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造方法により製造された配送伝票を構成する2つのシートのさらに異なる例を示す図である。
【図5】図2〜図4の例に示したシートを積層して得られた配送伝票の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造装置を示す図である。図1において、1は第1給紙部、2は第2給紙部、3はシリコーン塗布ユニット、4はUV照射部、5は第1塗布ユニット、6は第2塗布ユニット、7は圧着ローラー、S1は第1シート、S2は第2シート、S3は積層シートである。
【0020】
シリコーン塗布ユニット3は、UV硬化型シリコーン3aを第1シートS1に塗布するためのユニットであり、絞りローラー3b、アニロックスロール3c、版胴3d、圧胴3eを有している。第1塗布ユニット5は、第1の接着剤5aを第1シートS1に塗布するためのユニットであり、絞りローラー5b、アニロックスロール5c、版胴5d、圧胴5eを有している。第2塗布ユニット6は、第2の接着剤6aを第2シートS2に塗布するためのユニットであり、絞りローラー6b、アニロックスロール6c、版胴6d、圧胴6eを有している。図1において、アニロックスロール3c、版胴3d、圧胴3e、アニロックスロール5c、版胴5d、圧胴5e、アニロックスロール6c、版胴6d、圧胴6eに付された矢印は、それぞれの回転方向を示している。なお、絞りローラー3b、5b、6bに代えて、それぞれドクターローラーを用いても良い。
【0021】
次に、本発明の一実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造方法について説明する。第1シートS1、第2シートS2がそれぞれ第1給紙部1、第2給紙部2にセットされた後、製造装置を起動させると、第1給紙部1から排紙された第1シートS1の所定の位置に、シリコーン塗布ユニット3がUV硬化型シリコーン3aを塗布する。続いて、第1シートS1上のUV硬化型シリコーン3aが塗布された領域に対して、UV照射部4が紫外線を照射し、UV硬化型シリコーン3aを硬化させる。さらに、UV硬化型シリコーン3a硬化後の第1シートS1の所定の位置に、第1塗布ユニット5が第1の接着剤5aを塗布する。
【0022】
一方、第2給紙部2から排紙された第2シートS2の所定の位置に、第2塗布ユニット6が第2の接着剤6aを塗布する。そして、圧着ローラー7が、UV硬化型シリコーン3aおよび第1の接着剤5aが塗布された第1シートS1と、第2の接着剤6aが塗布された第2シートS2を積層して圧着する。これにより、圧着された積層シートS3が得られる。積層シートS3は、下流側にある切断機構(図示省略)により切断され、個別の配送伝票に分離される。
【0023】
図2は、本実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造方法により製造された配送伝票を構成する2つのシートを示す図である。図2に示すように、第1シートS10には、シリコーン塗布領域11、第1接着剤塗布領域12が形成され、第2シートS20には、第2接着剤塗布領域21が形成されている。第1シートS10、第2シートS20は、図1に示した製造装置において、積層後、切断により個別に分離されたものである。したがって、現実には、分離後に第1シートS10と第2シートS20を積層することはないが、説明の便宜上、図2では、個別に分離されたシートを用いている。
【0024】
図2においては、第1シートS10、第2シートS20ともに、第1シートS10と第2シートS20を重ね合わせた際に、第2シートS20側から見た状態を示している。従って、第1シートS10は塗布面が見える状態であり、第2シートS20は塗布面が見えない状態である。そのため、第2シートS20の第2粘着剤塗布領域21は見えない状態であるが、図2においては、第2粘着剤塗布領域21の位置を網掛けを施して示している。
【0025】
図2に示すように、第1シートS10は、シリコーン塗布領域11と第1粘着剤塗布領域12に区分されている。シリコーン塗布領域11と第1接着剤塗布領域12は、区分して設定しておいても、製造工程において完全に合わせるのは困難であるため、現実には、多少の隙間を開けて設定し、UV硬化型シリコーンと第1の接着剤が重ならないようにしておく。また、第2の接着剤についても、第2接着剤塗布領域21からはみ出さないように、ほんの少しの隙間を開けるか略同じに設定する。この結果、第1シートS10と第2シートS20を重ね合わせた場合に、第1接着剤塗布領域12に塗布された第1の接着剤と、第2接着剤塗布領域21に塗布された第2の接着剤を塗布する際には混ざり合うことがなく、第1接着剤塗布領域12に塗布された第1の接着剤と、第2接着剤塗布領域21に塗布された第2の接着剤の隙間を最小限にすることができ、第1の接着剤と第2の接着剤の材料に異なったものを用いることも可能となる。
【0026】
図3は、本実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造方法により製造された配送伝票を構成する2つのシートの異なる例を示す図である。図3の例では、第1シートS10の全面に第1の接着剤が塗布されている点が、図2の例と異なっている。すなわち、第1接着剤塗布領域12には、図2と同様、第1の接着剤のみが塗布されているが、シリコーン・接着剤塗布領域13には、UV硬化型シリコーンと第1の接着剤が塗布されている。図1を用いて説明したように、第1シートS10には、先にUV硬化型シリコーンが塗布される。したがって、シリコーン・粘着剤塗布領域13においては、第1シートS10に直接UV硬化型シリコーンが塗布され、UV硬化型シリコーンの上層に第1の接着剤が塗布されることになる。
【0027】
図3の例の場合は、第1の接着剤と第2の接着剤が接することになるため、第1接着剤塗布領域12とシリコーン・接着剤塗布領域13の境界、および第2接着剤塗布領域21の外縁において、隙間を開けて塗布範囲を設定する必要はない。図3の例では、第1シートS10と第2シートS20を重ね合わせた場合に、接着剤が過剰に塗布されることがない。
【0028】
図4は、本実施形態に係る貼り合わせ帳票の製造方法により製造された配送伝票を構成する2つのシートのさらに異なる例を示す図である。図4の例では、UV硬化型シリコーンが塗布される位置が、図3の例と異なっている。図3においては、第1接着剤塗布領域12bには、第1の接着剤のみが塗布されており、シリコーン・接着剤塗布領域13bには、UV硬化型シリコーンと第1の接着剤が塗布されている。上述のように、第1シートS10には、先にUV硬化型シリコーンが塗布される。したがって、シリコーン・接着剤塗布領域13bにおいては、第1シートS10に直接UV硬化型シリコーンが塗布され、UV硬化型シリコーンの上層に第1の接着剤が塗布されることになる。
【0029】
また、図4の例では、第2シートS20における第2粘着剤塗布領域21bの位置が、図2、3の例とは異なっている。図4の例では、第1シートS10と第2シートS20を重ね合わせると、第2粘着剤塗布領域21bとシリコーン・粘着剤塗布領域13bが少なくとも一部重なることになる。重なった一部は接着力が強くなるため、剥離片を剥がし貼付した際には、一部重なる部分は十分な接着力を有することになる。
【0030】
図5は、図2〜図4の例に示したシートを積層して得られた配送伝票の平面図である。図5(a)〜(c)は、それぞれ図2〜図4に対応しているが、積層後、第1シート側から見たものであるため、図2〜図4とは剥離片22、22b、22cの位置が左右逆になっている。図5(a)〜(c)に示す剥離片22、22b、22cは、いずれもハーフカット等の加工による分離線で形成されている。ハーフカット加工は、図1に示した製造装置の圧着ローラー7より下流側で、上述の切断機構(図示省略)より上流側の加工手段により行われる。
【0031】
図5(a)に示した配送伝票では、剥離片22の下層側全面に第2の接着剤が塗布され、さらにその下層側全面にUV硬化型シリコーンが塗布されている。図5(a)の配送伝票では、第2の接着剤がUV硬化型シリコーンから剥離されることにより、剥離片22が配送伝票本体から剥離される。
【0032】
図5(b)に示した配送伝票では、剥離片22bの下層側全面に第2の接着剤が塗布され、さらにその下層側全面に順に第1の接着剤、UV硬化型シリコーンが塗布されている。図5(b)の配送伝票では、第1の接着剤と第2の接着剤が一体となってUV硬化型シリコーンから剥離されることにより、剥離片22bが配送伝票本体から剥離される。
【0033】
図5(c)に示した配送伝票では、剥離片22cの下層側の一部(図4の例では左上部)に第2の接着剤が塗布され、さらにその下層側の全面に順に第1の接着剤、UV硬化型シリコーンが塗布されており、図5(c)の配送伝票では、第1の接着剤と第2の接着剤の一部が一体となってUV硬化型シリコーンから剥離されることにより、剥離片22cが配送伝票本体から剥離される。
【0034】
配送伝票の基材となる第1シート、第2シートとしては、充分な強度とプリンターによる印字適性及び搬送適性を有するものであれば使用でき、例えば、上質紙、クラフト紙、複写用紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成紙、樹脂フィルムによりラミネートされた紙等の紙が好適に用いられるが、セロファン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムであっても良い。第1シート、第2シートの厚さは20〜200μm程度が好ましい。さらに、控票などを配送伝票の上に重ねた場合に、複写特性をもたせるために、ロイコ系染料などからなる感熱発色層を設けても良い。
【0035】
上記第1の接着剤、第2の接着剤は、粘着性を有さない接着剤でも可能であるが、配送物等に貼り合わせ帳票を貼付可能とするため、粘着剤(感圧性接着剤)を採用することが望ましい。特に、アクリル系粘着剤が最も好ましいが、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤等でも良い。粘着層を形成するための粘着剤の塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜50g/m2であり、塗布厚は0.1〜50μmである。
【0036】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、配送伝票を製造する場合を例にとって説明したが、配送伝票に限らず、複数の用紙を接着した様々な帳票に適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・第1給紙部
2・・・第2給紙部
3・・・シリコーン塗布ユニット
4・・・UV照射部
5・・・第1塗布ユニット
6・・・第2塗布ユニット
7・・・圧着ローラー
11・・・シリコーン塗布領域
12、12b・・・第1接着剤塗布領域
13、13b・・・シリコーン・接着剤塗布領域
21、21b・・・第2接着剤塗布領域
22、22b、22c・・・剥離片
S1・・・第1シート
S2・・・第2シート
S3・・・積層シート
S10・・・個別に分離された第1シート
S20・・・個別に分離された第2シート
S30・・・個別に分離された積層シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1給紙部から給紙される第1シートに、UV硬化型シリコーンを塗布するシリコーン塗布工程と、
前記第1シートに塗布されたUV硬化型シリコーンにUV照射するUV照射工程と、
前記UV照射後の第1シートに第1の接着剤を塗布する第1の接着剤塗布工程と、
第2給紙部から給紙される第2シートに、第2の接着剤を塗布する第2の接着剤塗布工程と、
前記第1シートの接着剤の塗布面と前記第2シートの接着剤の塗布面が向かい合うように重ねて、前記第1シートと第2シートを積層する積層工程と、
を有することを特徴とする貼り合わせ帳票の製造方法。
【請求項2】
前記シリコーン塗布工程におけるUV硬化型シリコーンの塗布領域と、前記第1の接着剤塗布工程における接着剤の塗布領域は、前記第1シート上において互いに重なり合わないように調整されており、
前記第2の接着剤塗布工程における接着剤の塗布領域は、前記UV硬化型シリコーンの塗布領域と重なり、前記第1シート上の接着剤の塗布領域と重ならないように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせ帳票の製造方法。
【請求項3】
前記シリコーン塗布工程におけるUV硬化型シリコーンの塗布領域は、前記第1の接着剤塗布工程における接着剤の塗布領域に重なる一部分となるように調整されており、
前記第2の接着剤塗布工程における接着剤の塗布領域は、前記UV硬化型シリコーンの塗布領域と同一となるように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の貼り合わせ帳票の製造方法。
【請求項4】
前記第1の接着剤、第2の接着剤はともに粘着性を有する感圧性接着剤であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の貼り合わせ帳票の製造方法。
【請求項5】
第1シートを給紙する第1給紙部と、
前記給紙された第1シートにUV硬化型シリコーンを塗布するシリコーン塗布ユニットと、
前記第1シートに塗布されたUV硬化型シリコーンにUV照射するUV照射部と、
前記UV照射後の第1シートに第1の接着剤を塗布する第1塗布ユニットと、
第2シートを給紙する第2給紙部と、
前記給紙された第2シートに、第2の接着剤を塗布する第2塗布ユニットと、
前記第1シートの接着剤の塗布面と前記第2シートの接着剤の塗布面が向かい合うように重ねて、前記第1シートと第2シートを積層する圧着ローラーと、
を有することを特徴とする貼り合わせ帳票の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−107308(P2013−107308A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254723(P2011−254723)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)