貼り器付き包装箱
【課題】
貼付剤を背中、腰などの手の届きにくい使用者にとって見えない部位へ容易に貼付することが可能である貼り器の携行性、耐久性、あるいはその他実用面を改善した、貼り器付き包装箱を提供することである。
【解決手段】
前記貼り器と前記包装箱とを一体とすることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、前記包装箱が、前記貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱に関するものである。
貼付剤を背中、腰などの手の届きにくい使用者にとって見えない部位へ容易に貼付することが可能である貼り器の携行性、耐久性、あるいはその他実用面を改善した、貼り器付き包装箱を提供することである。
【解決手段】
前記貼り器と前記包装箱とを一体とすることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、前記包装箱が、前記貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱に関するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、包装箱が、貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や医療などの多分野において、各種商品は、包装箱に包装した形態で販売されている。また、包装箱は、各種商品の入れ物としてだけではなく、様々な付加価値を設けた包装箱が開発されている。例えば、特許文献1では蓋部、糊代片およびジッパーを設けた包装箱が、特許文献2では商品の宣伝を印刷表示したディスプレイパネルを設けた包装箱が、特許文献3では直六面体形状の上面に略台形状の取出し口が形成された包装箱が提案されている。
【0003】
例えば、支持体と膏体層と剥離ライナーが積層された貼付剤については、主に組み立て式で、組み立て後に長方形となる包装箱等が使用されている。それらの目的は、貼付剤の外部環境からの保護や、内容物の説明、商品名の表示、ディスプレイのための自立性の付与等である。一方、その構造や材質は厚紙等による成形で、製造時のコスト等への影響から、前記以外の特殊な機能を持たせるなどの工夫はあまりされていない。
【0004】
一方、前記貼付剤について、種々の特徴的な構造を有するものが開発されており、特に、使用者が使用しやすいような工夫を施した貼付剤が開発されている。例えば、貼付剤の粘着面を保護する剥離ライナーに、2本の分割線を設けることにより、剥離ライナーが簡単に三分割され、貼付時に剥離ライナーの中央部を剥離することにより粘着面の一部が露出し、目的の部位に貼付しやすくした貼付剤が市販されている。
【0005】
しかしながら、貼付剤を貼付する際に貼付剤(貼付面)にシワが発生したり、粘着面同士が貼りついて使用できなくなるなど、貼付時における貼付剤の取り扱い性(以下、「ハンドリング性」という)の低下が問題となっている。特に、背中、腰など、手が届きにくいあるいは見えない部位に貼付剤を貼付する場合のハンドリング性については、現状では不十分であり、さらなる改善が望まれていた。
【0006】
前記のハンドリング性の問題を改善するために、種々の貼付剤貼付用補助具(以下、「貼付補助具」という)が提案されている。例えば、特許文献4では感圧接着剤層を一面に有する押圧部材と把手部材からなる貼着具が、特許文献5ではハンガー部材と剛毛粗面部よりなる2個の弾性部材からなる貼付剤貼付器が、特許文献6では支持板と120度以下の角部を有する切り込み部からなる貼付剤貼り付け用補助具が、特許文献7では4枚の矩形シートを筒状に繋ぎ合わせた筒状体、ハンドル部、貼付剤挟持固定具および緩衝材からなる貼付剤貼付用補助具が提案されている。いずれも貼付剤を背中、腰など、手の届きにくいあるいは見えない部位に貼付する場合のハンドリング性を向上させる効果を有するものではあるが、その反面、構造上大きくなり、かさばるため、持ち運び性に問題があり、実用的ではなかった。
【0007】
最近では、剥離ライナーが三分割された貼付剤の特徴を活かした貼付補助具が開発されている。例えば、特許文献8では剛性を有する平板に貼付剤を挿入・保持するための挿入口を有する貼り器が提案されている。
【0008】
特許文献8の発明は、前記特許文献4ないし7の発明と比較して小型で携行性に優れ、実用的である。しかしながら、使用する際に、貼付剤とは別途携行する必要があり、貼付剤を購入等した際に該発明品を携行していないとその場で利用することができない。仮に携行していたとしても、携行中に破損したり、もしくは貼付中に破損したりすると、使用不能になる。また、該発明品は軽く、比較的小さい構造であり、携行性に優れる反面、繰り返し使用した場合の耐久性についても、必ずしも十分なものではない。
【0009】
【特許文献1】特開平11−292063号公報
【特許文献2】特開2005−8238号公報
【特許文献3】特開2009−23721号公報
【特許文献4】実開昭63−176432号公報
【特許文献5】実用新案登録第3117024号公報
【特許文献6】特開2002−301102号公報
【特許文献7】特開2005−218754号公報
【特許文献8】特開2008−35934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記の問題を解決することができ、特に貼付剤を背中、腰などの手が届きにくく、使用者にとって見えない部位へ容易に貼付することを可能にした貼付補助具(以下、「貼り器」という)における携行性、耐久性、あるいはその他実用面を改善した、貼り器及び貼付剤用包装箱(以下、「包装箱」という)を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、前記貼り器と前記包装箱とを分離可能に一体とすることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、前記包装箱が、前記貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の貼り器付き包装箱は、貼り器を一般的な包装箱の一部に設けるため、特殊な技術を使用することなく低コストで製造することができる。また、包装箱と貼り器とを一体とすることにより、貼付剤購入時にその場で貼り器を利用して貼付剤を所定の患部に貼付することができ、利便性が向上する。さらに、貼り器を別途携行する必要もなく、携行中の破損も生じない。加えて、貼付剤購入時に新しい貼り器を入手できるので、耐久性の短所もほとんど問題とならない。一方、包装箱と貼り器とを個別に製造した場合、材料、製造設備を別途準備する必要があり、また、製造時に発生する損失(加工後に発生するゴミ等を含む)も余分に発生するが、本発明は一つの材料、一つの製造設備で製造することができ、損失も少なくできる。さらに、本来、貼付剤使用後にゴミとして処分されるべき包装箱の一部を貼り器として利用するため、製造コストの低下に加えて、ゴミの有効利用になり、環境面でも優れた発明である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の貼り器付き包装箱の実施態様の一例を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施態様に何ら制約されるものではない。
【0014】
本発明の貼り器付き包装箱Cは、図1、図10、図11、図12、図13、および図14に示すように、Dの包装箱、H(HAまたはHBを含む)の貼り器、および1の切取り線から構成される。
【0015】
本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、包装箱Dは、特に制限されるものではなく、貼付剤を包装するための包装箱を使用できる。好ましくは、包装または輸送が容易であるため、包装箱Dはすべての面が長方形であることが好ましい。
【0016】
また、図1、図10、図11および図12に示すように、本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、貼付剤使用時に包装箱の開封部分を開封しやすくするために、開封口2を設ける。該開封口は、開封を容易にするために、少なくとも一つの辺に切込みまたはミシン目で形成しても良い。
【0017】
本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、当該貼り器と包装箱との切線上に設けた切取り線1は、貼り器と包装箱との分離を容易にすることができれば特に制限されるものではなく、ミシン目、または、包装箱の外側または内側に印刷で示しても良い。印刷の場合は、使用者がはさみ等で切取り線1に沿って貼り器Hを切り抜いてから使用することができる。はさみ等切り抜く手間を省くため、切取り線1は、ミシン目を用いることが好ましい。
【0018】
該切取り線1の該ミシン目は、図15に示すように、包装箱の材質や厚さ等を考慮して、ミシン目の切込みMaの長さとミシン目の継目Mbの長さとの比率を、1:1〜10:1の範囲で形成してもよく、1:1〜5:1の範囲で形成するのが好ましく、さらに3:1〜5:1の範囲で形成するのがより好ましい。
【0019】
本発明の貼り器Hは、包装箱Dの一部に分離可能に一体に形成できるものであれば特に制限されるものではなく、図1に示すような貼り器HAを用いても良く、または、図13および図14に示すような特開2008−35934号公報に記載されている発明品を参考にした貼り器HBを用いても良い。
【0020】
本発明の包装箱Dは、市販されているような板紙または厚紙などの紙を使用した一般的な包装箱Dを用いることができる。
【0021】
本発明の貼り器Hは、柔軟な貼付剤21を固定できる程度の強度を有する素材であれば特に制限はされないが、例えば、板紙、厚紙、ポリエステルあるいはポリオレフィン等のプラスチックシート、ゴムシート、金属シートあるいはこれらの複合材が挙げられる。その中でも、板紙または厚紙を使用することにより、加工が容易になり、かつ製造コストを低く抑制することができるため、好ましい。
【0022】
また、該貼り器Hおよび該包装箱Dの素材として板紙または厚紙などの紙を使用し、かつ、切取り線1がミシン目である本発明の貼り器付き包装箱Cであって、該切取り線1にミシン目を入れる工程は、(1):必要に応じて商品情報等を印刷した紙から、展開した包装箱Dを切り抜く工程、(2):(1)の後、特開平9−104433号公報の図5に示されるように、包装箱Dにおける右側面Daおよびその向かい合う左側面以外の平面が接着等により連結されており、かつ、たたまれた状態の包装箱Dの工程、(3):(2)の後、立ち上がらせることで立方体に成形する工程、から選ばれる前記(1)ないし(3)のいずれかの工程でも良い。
【0023】
さらに、前記(3)の工程において、切取り線1にミシン目を入れた本発明の貼り器付き包装箱Cは、立ち上げる方向と逆向きの辺におけるミシン目の部分が変形するなどの問題が生じることがある。例えば、図12の貼り器HAの辺において、立ち上げる方向と逆向きの辺におけるミシン目の部分は、Ha−Hb−HcおよびHd−He−Hfである。立ち上げる方向と逆向きの辺におけるミシン目の部分が変形することを防止する方法としては、<1>包装箱Dの少なくとも一つの辺にミシン目を入れる(例えば、図12に示すように、包装箱Dの辺にミシン目DMを入れる)、<2>貼り器Hの少なくとも一つの辺を包装箱Dの辺と重ねる(例えば、図1、図12および図14に示すように、貼り器HAまたはHBの少なくとも一つの辺を包装箱Dの辺と重ねる)、<3>貼り器Hの少なくとも一つの辺が一番近い包装箱Dの辺と略平行以外である(例えば、図12に示すように、Ha−Hbと、Hb−Hcを含む包装箱Dの辺との角度が略平行以外である)、<4>貼り器Hの少なくとも一つの辺において、ミシン目の切込みMaの長さとミシン目の継目Mbの長さとの比率を2:1〜1:1にする(例えば、図12に示すように、Ha−Hb−Hcにおけるミシン目HMaにおいて、ミシン目の切込みMaの長さとミシン目の継目Mbの長さとの比率が1:1である)、から選択される前記<1>ないし<4>のいずれか一つの方法、またはそれらを組み合わせて用いることができる。
【0024】
本発明の貼り器HAの構成について説明する。該貼り器HAは、図2および図3に示すように、貼り器付き包装箱Cの折りたたみ線17に沿って第一平板11と第二平板12を二つ折りにし、挿入部13を挿入口14にはめ込むことで折りたたんだ状態を維持できる。貼り器Hの折りたたんだ状態において、第二貼付剤保持部16は、第一平板11と第二平板12を折りたたむことで形成された空間のことであり、貼付剤を挿入し保持することができる。第一貼付剤保持部15は、特に制限されるものではなく、例えば、第一平板に切り込みまたはミシン目により一箇所または二箇所以上形成しても良い。なお、切り込みまたはミシン目による第一貼付剤保持部15の形状は、特に制限されるものではなく、半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して使用できる。挿入口14は、特に制限されるものではなく、例えば、第一平板に切り込みまたはミシン目により一箇所または二箇所以上形成しても良い。なお、切り込みまたはミシン目による挿入口14の形状は、特に制限されるものではなく、半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して使用できる。挿入部13は、特に制限されるものではなく、例えば、第二平板に半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して一箇所または二箇所以上形成しても良い。
【0025】
加えて、該貼り器HAは、図3に示すように、貼り器HAを折りたたんだ後、次に図4ないし図7に示すように、第一貼付剤保持部15および第二貼付剤保持部16に貼付剤を挿入し、貼付剤中央部の剥離ライナー22Aを除去する。このとき、図6および図7に示すように、貼付剤両側部の剥離ライナー22Bの一部が貼り器Hの外側へ突出する。貼付剤中央部の剥離ライナー22Aを除去後、図8および図9に示すように、貼付剤中央部の粘着面を目的の貼付部位に貼付し、外側に突出した貼付剤両側部の剥離ライナー22Bを外側に引っ張りながら、貼付剤を貼付することができる。貼付剤21の挿入方向における第二平板12の辺の幅の長さが、貼付剤の挿入方向における中央部の剥離ライナー22Aの最長幅の長さよりも短いことにより、貼付剤を挿入した貼り器を折りたたんだ後、中央部の剥離ライナー22Aの一部分が外側に突出した状態になるので、中央部の剥離ライナー22Aを剥がし易いため、好ましい。また、外側に突出した貼付剤両側部の剥離ライナー22Bを掴み易くするため、貼り器Hの第一平板11に凹部18を設けることが好ましい。凹部18は、特に制限されるものではなく、切り込みまたはミシン目を入れて形成しても良い。なお、切り込みまたはミシン目による凹部18の形状は、特に制限されるものではなく、半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して使用できる。
【0026】
本発明の貼り器Hに使用可能な貼付剤21は、特に制限はなく、一般的に使用されている市販の貼付剤、例えばテープ剤、パップ剤等が挙げられる。その中でも、支持体の伸縮性、柔軟性等が高い織布・不織布等を支持体に使用しているテープ剤、プラスター剤等の貼付に使用した場合、貼り器Hの効果が高く、好ましい。また、貼付剤21に使用されている剥離ライナー22に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子材料で作られた透明または不透明フィルムや、紙の上にシリコーンオイル等を塗布したものなどが挙げられる。さらに好ましくは、貼付剤の粘着面を保護する剥離ライナーに、2本の分割線を設けることにより、剥離ライナーを三分割した貼付剤21の貼付に使用した場合、貼り器Hの効果が高く、特に好ましい。
【0027】
本発明の貼り器HAを使用した貼付剤21の貼付方法について説明する。該貼り器HAは、特に制限はないが、好ましい方法の一形態について図1ないし図9を用いて説明する。図中、Cは貼り器付き包装箱、Hは貼り器、1は切取り線、11は第一平板、12は第二平板、13は挿入部、14は挿入口、15は第一貼付剤保持部、16は第二貼付剤保持部、17は折りたたみ線、18は凹部、21は貼付剤、22は剥離ライナー、22Aは貼付剤中央部の剥離ライナー、22Bは貼付剤両側部の剥離ライナー、23は粘着面、24は支持体面、31は腰を示す。まず、本発明の貼り器付き包装箱Cの実施形態1(図1)から、切取り線に沿って貼り器H(図2)を切り抜く。貼り器Hにおいて、第二平板12の挿入部13を挿入口14に挿入し、貼り器Hを折りたたんだ状態(図3)で維持する。貼り器Hを折りたたんだ後、貼り器の第二貼付剤保持部16に貼付剤21の支持体面24が第一平板に重ならないように挿入し(図4)、貼付剤21の支持体面24が第二平板12に重なるように貼付剤21を折りたたみ(図5)、貼り器Hの第一貼付剤保持部15に貼付剤21のもう一方を挿入する(図6)。このとき、貼付剤21の両側の剥離ライナー22Bが外側に突出する(図6)。貼付剤21の中央部の剥離ライナー22Aを除去する(図7)。中央部の剥離ライナー22Aを除去後、中央部の粘着面23が露出した貼付剤21を保持した貼り器Hを目的とする貼付部位に貼付し、外側に突出した剥離ライナー22Bの一方を外側に引っ張りながら、貼付剤21の一方を貼付する(図8)。最後に、外側に突出した剥離ライナー22Bのもう一方を外側に引っ張りながら、貼付剤21のもう一方を貼付し、貼付剤21の全体を貼付する(図9)。
【0028】
本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、貼り器HBを使用した貼付剤21の貼付方法は、特開2008−35934号公報に記載されている方法を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の貼り器付き包装箱Cは、貼付剤を貼付する際に用いることにより他の人の手を借りることなく一人で、肩や腰などの手の届きにくいあるいは使用者にとって見えない部位へ容易に貼付することができる貼り器を設けており、例えば高齢者の方でも一人で容易に貼付剤を貼付することができるようになる。また、商品の包装箱を活用するため、かなり低コストで市場に提供することが可能である。さらに、商品の購入と同時に効率的に配布できるため、使用者にとって実用的である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態1から、切取り線に沿って切り抜いた貼り器を示す正面図である。
【図3】切取り線に沿って切り抜いた、前記図2の貼り器を、折りたたんだ状態の斜視図である。
【図4】折りたたんだ状態の前記図3の貼り器の第二貼付剤保持部に、貼付剤の一方を挿入した図である。
【図5】貼付剤の一方を挿入した前記図4の貼り器において、貼付剤の支持体面が第二平板に重なるように、貼付剤を折りたたんでいる図である。
【図6】貼付剤を折りたたみ、前記図5の貼り器の第一貼付剤保持部に、貼付剤のもう一方を挿入した図である。
【図7】貼付剤を挿入した前記図6の貼り器において、貼付剤の中央部の剥離ライナーを除去している図である。
【図8】貼付剤の中央部の剥離ライナーを除去した前記図7の貼付剤の中央部の粘着面を腰に貼付後、一方の外側に突出した剥離ライナーを片手で引っ張りながら、貼付剤の片側を貼付している図である。
【図9】貼付剤の中央部および片側を貼付した前記図8のもう一方の外側に突出した剥離ライナーを、片手で引っ張りながら貼付剤の片側を貼付した貼付剤を貼り終えた図である。
【図10】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態2を示す斜視図である。
【図11】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態3を示す斜視図である。
【図12】図1の実施形態1の切取り線がミシン目である、本発明の貼り器付き包装箱の実施態様4を示す斜視図である。
【図13】特開2008−35934号公報に記載されている発明品を参考にした貼り器を用いた、本発明の貼り器付き包装箱の実施形態5を示す斜視図である。
【図14】図13の実施形態5の切取り線がミシン目である、本発明の貼り器付き包装箱の実施形態6を示す斜視図である。
【図15】本発明の貼り器付き包装箱に使用できるミシン目の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0031】
C … … 貼り器付き包装箱
D … … 包装箱
Da … 包装箱における右側面
DM … 包装箱の辺におけるミシン目
H … … 貼り器
HA … … 実施態様1の貼り器(図1)
HB … … 特開2008−35934号公報に記載されている発明品を参考にした貼り器
1 … … 切取り線
HMa … 切取り線において、貼り器HAの辺(Ha−Hb−Hc)におけるミシン目
HMb … 切取り線において、貼り器HAの辺(Hc−Hd−He−Hf−Ha)におけるミシン目
2 … … 開封口
3 … … 貼付剤の挿入口
11 … … 第一平板
12 … … 第二平板
13 … … 挿入部
14 … … 挿入口
15 … … 第一貼付剤保持部
16 … … 第二貼付剤保持部
17 … … 折りたたみ線
18 … … 凹部
21 … … 貼付剤
22 … … 剥離ライナー
22A … … 貼付剤中央部の剥離ライナー
22B … … 貼付剤両側部の剥離ライナー
23 … … 粘着面
24 … … 支持体面
31 … … 腰
Ma … … ミシン目の切込み(カット)
Mb … … ミシン目の継目(タイ)
※Ha、Hb,Hc,Hd,He,Hfは、貼り器HAにおけるそれぞれの頂点を示す。
以 上
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、包装箱が、貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品や医療などの多分野において、各種商品は、包装箱に包装した形態で販売されている。また、包装箱は、各種商品の入れ物としてだけではなく、様々な付加価値を設けた包装箱が開発されている。例えば、特許文献1では蓋部、糊代片およびジッパーを設けた包装箱が、特許文献2では商品の宣伝を印刷表示したディスプレイパネルを設けた包装箱が、特許文献3では直六面体形状の上面に略台形状の取出し口が形成された包装箱が提案されている。
【0003】
例えば、支持体と膏体層と剥離ライナーが積層された貼付剤については、主に組み立て式で、組み立て後に長方形となる包装箱等が使用されている。それらの目的は、貼付剤の外部環境からの保護や、内容物の説明、商品名の表示、ディスプレイのための自立性の付与等である。一方、その構造や材質は厚紙等による成形で、製造時のコスト等への影響から、前記以外の特殊な機能を持たせるなどの工夫はあまりされていない。
【0004】
一方、前記貼付剤について、種々の特徴的な構造を有するものが開発されており、特に、使用者が使用しやすいような工夫を施した貼付剤が開発されている。例えば、貼付剤の粘着面を保護する剥離ライナーに、2本の分割線を設けることにより、剥離ライナーが簡単に三分割され、貼付時に剥離ライナーの中央部を剥離することにより粘着面の一部が露出し、目的の部位に貼付しやすくした貼付剤が市販されている。
【0005】
しかしながら、貼付剤を貼付する際に貼付剤(貼付面)にシワが発生したり、粘着面同士が貼りついて使用できなくなるなど、貼付時における貼付剤の取り扱い性(以下、「ハンドリング性」という)の低下が問題となっている。特に、背中、腰など、手が届きにくいあるいは見えない部位に貼付剤を貼付する場合のハンドリング性については、現状では不十分であり、さらなる改善が望まれていた。
【0006】
前記のハンドリング性の問題を改善するために、種々の貼付剤貼付用補助具(以下、「貼付補助具」という)が提案されている。例えば、特許文献4では感圧接着剤層を一面に有する押圧部材と把手部材からなる貼着具が、特許文献5ではハンガー部材と剛毛粗面部よりなる2個の弾性部材からなる貼付剤貼付器が、特許文献6では支持板と120度以下の角部を有する切り込み部からなる貼付剤貼り付け用補助具が、特許文献7では4枚の矩形シートを筒状に繋ぎ合わせた筒状体、ハンドル部、貼付剤挟持固定具および緩衝材からなる貼付剤貼付用補助具が提案されている。いずれも貼付剤を背中、腰など、手の届きにくいあるいは見えない部位に貼付する場合のハンドリング性を向上させる効果を有するものではあるが、その反面、構造上大きくなり、かさばるため、持ち運び性に問題があり、実用的ではなかった。
【0007】
最近では、剥離ライナーが三分割された貼付剤の特徴を活かした貼付補助具が開発されている。例えば、特許文献8では剛性を有する平板に貼付剤を挿入・保持するための挿入口を有する貼り器が提案されている。
【0008】
特許文献8の発明は、前記特許文献4ないし7の発明と比較して小型で携行性に優れ、実用的である。しかしながら、使用する際に、貼付剤とは別途携行する必要があり、貼付剤を購入等した際に該発明品を携行していないとその場で利用することができない。仮に携行していたとしても、携行中に破損したり、もしくは貼付中に破損したりすると、使用不能になる。また、該発明品は軽く、比較的小さい構造であり、携行性に優れる反面、繰り返し使用した場合の耐久性についても、必ずしも十分なものではない。
【0009】
【特許文献1】特開平11−292063号公報
【特許文献2】特開2005−8238号公報
【特許文献3】特開2009−23721号公報
【特許文献4】実開昭63−176432号公報
【特許文献5】実用新案登録第3117024号公報
【特許文献6】特開2002−301102号公報
【特許文献7】特開2005−218754号公報
【特許文献8】特開2008−35934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記の問題を解決することができ、特に貼付剤を背中、腰などの手が届きにくく、使用者にとって見えない部位へ容易に貼付することを可能にした貼付補助具(以下、「貼り器」という)における携行性、耐久性、あるいはその他実用面を改善した、貼り器及び貼付剤用包装箱(以下、「包装箱」という)を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、前記貼り器と前記包装箱とを分離可能に一体とすることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、前記包装箱が、前記貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の貼り器付き包装箱は、貼り器を一般的な包装箱の一部に設けるため、特殊な技術を使用することなく低コストで製造することができる。また、包装箱と貼り器とを一体とすることにより、貼付剤購入時にその場で貼り器を利用して貼付剤を所定の患部に貼付することができ、利便性が向上する。さらに、貼り器を別途携行する必要もなく、携行中の破損も生じない。加えて、貼付剤購入時に新しい貼り器を入手できるので、耐久性の短所もほとんど問題とならない。一方、包装箱と貼り器とを個別に製造した場合、材料、製造設備を別途準備する必要があり、また、製造時に発生する損失(加工後に発生するゴミ等を含む)も余分に発生するが、本発明は一つの材料、一つの製造設備で製造することができ、損失も少なくできる。さらに、本来、貼付剤使用後にゴミとして処分されるべき包装箱の一部を貼り器として利用するため、製造コストの低下に加えて、ゴミの有効利用になり、環境面でも優れた発明である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の貼り器付き包装箱の実施態様の一例を、図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施態様に何ら制約されるものではない。
【0014】
本発明の貼り器付き包装箱Cは、図1、図10、図11、図12、図13、および図14に示すように、Dの包装箱、H(HAまたはHBを含む)の貼り器、および1の切取り線から構成される。
【0015】
本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、包装箱Dは、特に制限されるものではなく、貼付剤を包装するための包装箱を使用できる。好ましくは、包装または輸送が容易であるため、包装箱Dはすべての面が長方形であることが好ましい。
【0016】
また、図1、図10、図11および図12に示すように、本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、貼付剤使用時に包装箱の開封部分を開封しやすくするために、開封口2を設ける。該開封口は、開封を容易にするために、少なくとも一つの辺に切込みまたはミシン目で形成しても良い。
【0017】
本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、当該貼り器と包装箱との切線上に設けた切取り線1は、貼り器と包装箱との分離を容易にすることができれば特に制限されるものではなく、ミシン目、または、包装箱の外側または内側に印刷で示しても良い。印刷の場合は、使用者がはさみ等で切取り線1に沿って貼り器Hを切り抜いてから使用することができる。はさみ等切り抜く手間を省くため、切取り線1は、ミシン目を用いることが好ましい。
【0018】
該切取り線1の該ミシン目は、図15に示すように、包装箱の材質や厚さ等を考慮して、ミシン目の切込みMaの長さとミシン目の継目Mbの長さとの比率を、1:1〜10:1の範囲で形成してもよく、1:1〜5:1の範囲で形成するのが好ましく、さらに3:1〜5:1の範囲で形成するのがより好ましい。
【0019】
本発明の貼り器Hは、包装箱Dの一部に分離可能に一体に形成できるものであれば特に制限されるものではなく、図1に示すような貼り器HAを用いても良く、または、図13および図14に示すような特開2008−35934号公報に記載されている発明品を参考にした貼り器HBを用いても良い。
【0020】
本発明の包装箱Dは、市販されているような板紙または厚紙などの紙を使用した一般的な包装箱Dを用いることができる。
【0021】
本発明の貼り器Hは、柔軟な貼付剤21を固定できる程度の強度を有する素材であれば特に制限はされないが、例えば、板紙、厚紙、ポリエステルあるいはポリオレフィン等のプラスチックシート、ゴムシート、金属シートあるいはこれらの複合材が挙げられる。その中でも、板紙または厚紙を使用することにより、加工が容易になり、かつ製造コストを低く抑制することができるため、好ましい。
【0022】
また、該貼り器Hおよび該包装箱Dの素材として板紙または厚紙などの紙を使用し、かつ、切取り線1がミシン目である本発明の貼り器付き包装箱Cであって、該切取り線1にミシン目を入れる工程は、(1):必要に応じて商品情報等を印刷した紙から、展開した包装箱Dを切り抜く工程、(2):(1)の後、特開平9−104433号公報の図5に示されるように、包装箱Dにおける右側面Daおよびその向かい合う左側面以外の平面が接着等により連結されており、かつ、たたまれた状態の包装箱Dの工程、(3):(2)の後、立ち上がらせることで立方体に成形する工程、から選ばれる前記(1)ないし(3)のいずれかの工程でも良い。
【0023】
さらに、前記(3)の工程において、切取り線1にミシン目を入れた本発明の貼り器付き包装箱Cは、立ち上げる方向と逆向きの辺におけるミシン目の部分が変形するなどの問題が生じることがある。例えば、図12の貼り器HAの辺において、立ち上げる方向と逆向きの辺におけるミシン目の部分は、Ha−Hb−HcおよびHd−He−Hfである。立ち上げる方向と逆向きの辺におけるミシン目の部分が変形することを防止する方法としては、<1>包装箱Dの少なくとも一つの辺にミシン目を入れる(例えば、図12に示すように、包装箱Dの辺にミシン目DMを入れる)、<2>貼り器Hの少なくとも一つの辺を包装箱Dの辺と重ねる(例えば、図1、図12および図14に示すように、貼り器HAまたはHBの少なくとも一つの辺を包装箱Dの辺と重ねる)、<3>貼り器Hの少なくとも一つの辺が一番近い包装箱Dの辺と略平行以外である(例えば、図12に示すように、Ha−Hbと、Hb−Hcを含む包装箱Dの辺との角度が略平行以外である)、<4>貼り器Hの少なくとも一つの辺において、ミシン目の切込みMaの長さとミシン目の継目Mbの長さとの比率を2:1〜1:1にする(例えば、図12に示すように、Ha−Hb−Hcにおけるミシン目HMaにおいて、ミシン目の切込みMaの長さとミシン目の継目Mbの長さとの比率が1:1である)、から選択される前記<1>ないし<4>のいずれか一つの方法、またはそれらを組み合わせて用いることができる。
【0024】
本発明の貼り器HAの構成について説明する。該貼り器HAは、図2および図3に示すように、貼り器付き包装箱Cの折りたたみ線17に沿って第一平板11と第二平板12を二つ折りにし、挿入部13を挿入口14にはめ込むことで折りたたんだ状態を維持できる。貼り器Hの折りたたんだ状態において、第二貼付剤保持部16は、第一平板11と第二平板12を折りたたむことで形成された空間のことであり、貼付剤を挿入し保持することができる。第一貼付剤保持部15は、特に制限されるものではなく、例えば、第一平板に切り込みまたはミシン目により一箇所または二箇所以上形成しても良い。なお、切り込みまたはミシン目による第一貼付剤保持部15の形状は、特に制限されるものではなく、半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して使用できる。挿入口14は、特に制限されるものではなく、例えば、第一平板に切り込みまたはミシン目により一箇所または二箇所以上形成しても良い。なお、切り込みまたはミシン目による挿入口14の形状は、特に制限されるものではなく、半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して使用できる。挿入部13は、特に制限されるものではなく、例えば、第二平板に半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して一箇所または二箇所以上形成しても良い。
【0025】
加えて、該貼り器HAは、図3に示すように、貼り器HAを折りたたんだ後、次に図4ないし図7に示すように、第一貼付剤保持部15および第二貼付剤保持部16に貼付剤を挿入し、貼付剤中央部の剥離ライナー22Aを除去する。このとき、図6および図7に示すように、貼付剤両側部の剥離ライナー22Bの一部が貼り器Hの外側へ突出する。貼付剤中央部の剥離ライナー22Aを除去後、図8および図9に示すように、貼付剤中央部の粘着面を目的の貼付部位に貼付し、外側に突出した貼付剤両側部の剥離ライナー22Bを外側に引っ張りながら、貼付剤を貼付することができる。貼付剤21の挿入方向における第二平板12の辺の幅の長さが、貼付剤の挿入方向における中央部の剥離ライナー22Aの最長幅の長さよりも短いことにより、貼付剤を挿入した貼り器を折りたたんだ後、中央部の剥離ライナー22Aの一部分が外側に突出した状態になるので、中央部の剥離ライナー22Aを剥がし易いため、好ましい。また、外側に突出した貼付剤両側部の剥離ライナー22Bを掴み易くするため、貼り器Hの第一平板11に凹部18を設けることが好ましい。凹部18は、特に制限されるものではなく、切り込みまたはミシン目を入れて形成しても良い。なお、切り込みまたはミシン目による凹部18の形状は、特に制限されるものではなく、半円形、四角形など、またはそれらの類似した形状を適宜選択して使用できる。
【0026】
本発明の貼り器Hに使用可能な貼付剤21は、特に制限はなく、一般的に使用されている市販の貼付剤、例えばテープ剤、パップ剤等が挙げられる。その中でも、支持体の伸縮性、柔軟性等が高い織布・不織布等を支持体に使用しているテープ剤、プラスター剤等の貼付に使用した場合、貼り器Hの効果が高く、好ましい。また、貼付剤21に使用されている剥離ライナー22に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子材料で作られた透明または不透明フィルムや、紙の上にシリコーンオイル等を塗布したものなどが挙げられる。さらに好ましくは、貼付剤の粘着面を保護する剥離ライナーに、2本の分割線を設けることにより、剥離ライナーを三分割した貼付剤21の貼付に使用した場合、貼り器Hの効果が高く、特に好ましい。
【0027】
本発明の貼り器HAを使用した貼付剤21の貼付方法について説明する。該貼り器HAは、特に制限はないが、好ましい方法の一形態について図1ないし図9を用いて説明する。図中、Cは貼り器付き包装箱、Hは貼り器、1は切取り線、11は第一平板、12は第二平板、13は挿入部、14は挿入口、15は第一貼付剤保持部、16は第二貼付剤保持部、17は折りたたみ線、18は凹部、21は貼付剤、22は剥離ライナー、22Aは貼付剤中央部の剥離ライナー、22Bは貼付剤両側部の剥離ライナー、23は粘着面、24は支持体面、31は腰を示す。まず、本発明の貼り器付き包装箱Cの実施形態1(図1)から、切取り線に沿って貼り器H(図2)を切り抜く。貼り器Hにおいて、第二平板12の挿入部13を挿入口14に挿入し、貼り器Hを折りたたんだ状態(図3)で維持する。貼り器Hを折りたたんだ後、貼り器の第二貼付剤保持部16に貼付剤21の支持体面24が第一平板に重ならないように挿入し(図4)、貼付剤21の支持体面24が第二平板12に重なるように貼付剤21を折りたたみ(図5)、貼り器Hの第一貼付剤保持部15に貼付剤21のもう一方を挿入する(図6)。このとき、貼付剤21の両側の剥離ライナー22Bが外側に突出する(図6)。貼付剤21の中央部の剥離ライナー22Aを除去する(図7)。中央部の剥離ライナー22Aを除去後、中央部の粘着面23が露出した貼付剤21を保持した貼り器Hを目的とする貼付部位に貼付し、外側に突出した剥離ライナー22Bの一方を外側に引っ張りながら、貼付剤21の一方を貼付する(図8)。最後に、外側に突出した剥離ライナー22Bのもう一方を外側に引っ張りながら、貼付剤21のもう一方を貼付し、貼付剤21の全体を貼付する(図9)。
【0028】
本発明の貼り器付き包装箱Cにおいて、貼り器HBを使用した貼付剤21の貼付方法は、特開2008−35934号公報に記載されている方法を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の貼り器付き包装箱Cは、貼付剤を貼付する際に用いることにより他の人の手を借りることなく一人で、肩や腰などの手の届きにくいあるいは使用者にとって見えない部位へ容易に貼付することができる貼り器を設けており、例えば高齢者の方でも一人で容易に貼付剤を貼付することができるようになる。また、商品の包装箱を活用するため、かなり低コストで市場に提供することが可能である。さらに、商品の購入と同時に効率的に配布できるため、使用者にとって実用的である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態1から、切取り線に沿って切り抜いた貼り器を示す正面図である。
【図3】切取り線に沿って切り抜いた、前記図2の貼り器を、折りたたんだ状態の斜視図である。
【図4】折りたたんだ状態の前記図3の貼り器の第二貼付剤保持部に、貼付剤の一方を挿入した図である。
【図5】貼付剤の一方を挿入した前記図4の貼り器において、貼付剤の支持体面が第二平板に重なるように、貼付剤を折りたたんでいる図である。
【図6】貼付剤を折りたたみ、前記図5の貼り器の第一貼付剤保持部に、貼付剤のもう一方を挿入した図である。
【図7】貼付剤を挿入した前記図6の貼り器において、貼付剤の中央部の剥離ライナーを除去している図である。
【図8】貼付剤の中央部の剥離ライナーを除去した前記図7の貼付剤の中央部の粘着面を腰に貼付後、一方の外側に突出した剥離ライナーを片手で引っ張りながら、貼付剤の片側を貼付している図である。
【図9】貼付剤の中央部および片側を貼付した前記図8のもう一方の外側に突出した剥離ライナーを、片手で引っ張りながら貼付剤の片側を貼付した貼付剤を貼り終えた図である。
【図10】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態2を示す斜視図である。
【図11】本発明の貼り器付き包装箱の実施形態3を示す斜視図である。
【図12】図1の実施形態1の切取り線がミシン目である、本発明の貼り器付き包装箱の実施態様4を示す斜視図である。
【図13】特開2008−35934号公報に記載されている発明品を参考にした貼り器を用いた、本発明の貼り器付き包装箱の実施形態5を示す斜視図である。
【図14】図13の実施形態5の切取り線がミシン目である、本発明の貼り器付き包装箱の実施形態6を示す斜視図である。
【図15】本発明の貼り器付き包装箱に使用できるミシン目の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0031】
C … … 貼り器付き包装箱
D … … 包装箱
Da … 包装箱における右側面
DM … 包装箱の辺におけるミシン目
H … … 貼り器
HA … … 実施態様1の貼り器(図1)
HB … … 特開2008−35934号公報に記載されている発明品を参考にした貼り器
1 … … 切取り線
HMa … 切取り線において、貼り器HAの辺(Ha−Hb−Hc)におけるミシン目
HMb … 切取り線において、貼り器HAの辺(Hc−Hd−He−Hf−Ha)におけるミシン目
2 … … 開封口
3 … … 貼付剤の挿入口
11 … … 第一平板
12 … … 第二平板
13 … … 挿入部
14 … … 挿入口
15 … … 第一貼付剤保持部
16 … … 第二貼付剤保持部
17 … … 折りたたみ線
18 … … 凹部
21 … … 貼付剤
22 … … 剥離ライナー
22A … … 貼付剤中央部の剥離ライナー
22B … … 貼付剤両側部の剥離ライナー
23 … … 粘着面
24 … … 支持体面
31 … … 腰
Ma … … ミシン目の切込み(カット)
Mb … … ミシン目の継目(タイ)
※Ha、Hb,Hc,Hd,He,Hfは、貼り器HAにおけるそれぞれの頂点を示す。
以 上
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、前記包装箱が、前記貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱。
【請求項2】
前記包装箱から前記貼り器を切り離すための切取り線を有することを特徴とする請求項1に記載の貼り器付き包装箱。
【請求項3】
前記切取り線が、ミシン目であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の貼り器付き包装箱。
【請求項1】
支持体、膏体層及び剥離ライナーを積層してなる貼付剤を包装するための包装箱において、前記包装箱が、前記貼付剤を貼付する際に使用する貼り器を含むことを特徴とする貼り器付き包装箱。
【請求項2】
前記包装箱から前記貼り器を切り離すための切取り線を有することを特徴とする請求項1に記載の貼り器付き包装箱。
【請求項3】
前記切取り線が、ミシン目であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の貼り器付き包装箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−14376(P2013−14376A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150395(P2011−150395)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(390000929)祐徳薬品工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(390000929)祐徳薬品工業株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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