説明

貼付剤および貼付製剤

【課題】粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することが容易にでき、貼付時に貼付剤本体が丸まり、または粘着面同士が接着することがなく、かつ貼付時に粘着面を指で触れずに、貼付剤本体を皮膚面に貼付することが容易にできる貼付剤を提供すること。
【解決手段】支持体3および該支持体3の少なくとも片面に積層された粘着剤層2を備える貼付剤本体4と、該貼付剤本体4の該粘着剤層2の該支持体3側とは反対側の面に剥離ライナー1を備える貼付剤であり、貼付剤本体4の平面面積が1.5〜15cmであり、剥離ライナー1の平面面積の、貼付剤本体4の平面面積に対する比率([剥離ライナー1の平面面積(cm)]/[貼付剤本体4の平面面積(cm)])が1.1〜7であり、かつ剥離ライナー1が分割線11を有することを特徴とする、貼付剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚への貼付時の操作が容易で取扱性が良好な、貼付剤および貼付製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚に貼付して患部の保護等をするための貼付剤や、皮膚面に貼付して経皮的に薬物を投与するための貼付製剤は、広く使用されている。
【0003】
貼付剤は、一般にプラスチックフィルムなどの支持体と、該支持体上に積層された粘着剤層とからなる貼付剤本体を有し、通常、該粘着剤層の該支持体と反対の面に積層された剥離ライナーをさらに有した形態で提供されている。
【0004】
従来、貼付剤の使用者は、使用時に剥離ライナーを手指で貼付剤本体から剥離し、貼付剤本体を皮膚面に貼付しているが、同一の形状および寸法の貼付剤本体と剥離ライナーとが積層されているため、使用者にとって、剥離ライナーを剥離することは容易ではなく、剥離ライナーを剥離する際に、粘着面(粘着剤層の皮膚と接することとなる面)を手指で触れざるを得ないことが多かった。
【0005】
このようにして一度手指で触れた粘着面は、接着力が低下し、貼付剤本体を皮膚面へ貼付した際に、貼付剤本体の皮膚面からの脱落、貼付剤本体端部のめくれといった現象をもたらし得る。
【0006】
このような問題に関して、特許文献1は、口腔内の患部に貼付して治療・保護を行なう多層フィルム製剤であって、剥離紙の一部が把手状をなして当該製剤の外部に突出した多層フィルム製剤を開示し、該突出部によって剥離紙を容易に剥離できることが示されている。しかし、かかる多層フィルム製剤は、主として水溶性高分子で構成されているため、含水前はある程度の剛性を有しており、口腔内に貼付する操作自体に格別の困難性は生じない。
【0007】
一方、貼付剤や貼付製剤は、貼付面が皮膚面であるために、皮膚面の動きに対する追従性が求められ、皮膚面に貼付する貼付剤本体は、動きの激しい皮膚面に追従できる柔軟性を有するように形成されている。そのため、剥離ライナーから剥離した後の貼付剤本体を皮膚面に貼付する操作は、貼付剤本体が意図に反して丸まり、または粘着面同士が接着することがあり、前記のような突出部を剥離ライナーに設けたとしても容易ではない。したがって、貼付剤や貼付製剤を容易に操作するためには特別の考慮が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−235220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、粘着面に指を接触させずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することが容易に行なえるとともに、貼付剤本体が丸まったり、貼付剤の粘着面の異なる部分同士が接着したりすることなく、しかも、粘着面に指を接触させることなく、貼付剤本体を皮膚面に貼付することが容易に行なえる貼付剤および貼付製剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討した結果、支持体及び該支持体の少なくとも片面に積層された粘着剤層を備える貼付剤本体と、該貼付剤本体の該粘着剤層の該支持体側とは反対側の面に設けられた剥離ライナーとを備える貼付剤において、貼付剤本体の平面面積と、剥離ライナーの平面面積の貼付剤本体の平面面積に対する比率とを特定の範囲に設定し、剥離ライナーを分割線を有するものとすることによって、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)支持体及び該支持体の少なくとも片面に積層された粘着剤層を備える貼付剤本体と、該貼付剤本体の該粘着剤層の該支持体側とは反対側の面に設けられた剥離ライナーとを備える貼付剤であって、
貼付剤本体の平面面積は、1.5〜15cmであり、剥離ライナーの平面面積の、貼付剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付剤本体の平面面積(cm)])が、1.1〜7であり、かつ
剥離ライナーは分割線を有する
ことを特徴とする、貼付剤。
(2)貼付剤本体の平面面積が2.5cm以上であり、かつ、剥離ライナーの平面面積の、貼付剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付剤本体の平面面積(cm)])が1.35以上である、前記(1)記載の貼付剤。
(3)剥離ライナーにおける分割線が貼付剤本体の平面面積を不均等に2分する位置に存在する1本の分割線である、前記(1)記載の貼付剤。
(4)剥離ライナーの分割線によって2分される貼付剤本体の分割比([面積の大きいほうの貼付剤本体の面積]/[面積の小さいほうの貼付剤本体の面積])が1.0より大きく、4.0以下である、前記(3)記載の貼付剤。
(5)一方の剥離ライナー断片の面積に対する、他方の剥離ライナー断片の面積の比率([面積の大きいほうの剥離ライナー断片の面積]/[面積の小さいほうの剥離ライナー断片の面積])が、1.1以上、3.0以下である、前記(3)記載の貼付剤。
(6)貼付剤本体は、直線部分で置換されていてもよい曲線部分で輪郭付けられる平面形状を有し、剥離ライナーは略矩形の平面形状を有する、前記(1)記載の貼付剤。
(7)粘着剤層は実質的に水分を含まない、前記(1)記載の貼付剤。
(8)前記(1)記載の貼付剤の粘着剤層が薬物を含んでなる、貼付製剤。
(9)粘着剤層はゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤を含む、前記(1)記載の貼付剤。
(10)前記(3)記載の貼付剤の皮膚への貼付方法であって、剥離ライナーにおける分割線は貼付剤本体を、第一の貼付剤本体と、第一の貼付剤本体より面積の大きい第二の貼付剤本体とに分割するものであり、該方法は:
(a)第一の貼付剤本体に対応する第一の剥離ライナー断片を最初に剥離し、露出された第一の粘着面を皮膚に貼着させること;および
(b)該第一の粘着面が皮膚に貼着された状態のまま、第二の貼付剤本体に対応する第二の剥離ライナー断片を剥離し、露出された第二の粘着面を皮膚に貼着させること;
を含む方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の貼付剤によれば、貼付剤本体の平面面積が1.5〜15cmであり、かつ、剥離ライナーの平面面積の、貼付剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付剤本体の平面面積(cm)])が1.1〜7であることにより、貼付剤本体を手指で保持しやすく、かつ、剥離ライナーに十分な面積のつかみ代を確保できるので、粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することが容易にでき、しかも、粘着面を指で触れずに貼付剤本体を皮膚に貼付することを容易に行なうことができ、粘着面のある部分と他の部分とが相互に接着したり、貼付剤本体が丸まってしまう等の不具合も防止することができる。
【0012】
また、剥離ライナーが当該剥離ライナーを2以上の複数の剥離ライナー断片に分割する分割線を有することで、分割線によって複数に分割された剥離ライナーのうちの一部を、好ましくは1本の分割線で分割されて得られる面積の小さいほうの剥離ライナー断片を、先に貼付剤本体から剥離し、露出した粘着面から貼付剤本体を部分的に皮膚に貼付して固定し、次いで残りの剥離ライナー断片を剥離し、さらに貼付剤本体を皮膚に貼付することができる。よって、粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することがいっそう容易となり、また粘着面を指で触れずに、貼付剤本体を皮膚に貼付することがいっそう容易となる。
【0013】
また、剥離ライナーが分割線を有することで、貼付剤本体の粘着面全体を一度に露出させずに、部分的に露出させることができるので、粘着面のある部分と他の部分の相互接着や、貼付剤本体が丸まってしまう等の不具合をより一層生じにくくすることができる。
【0014】
さらに、本発明の貼付剤によれば、貼付剤本体の粘着面を手指で触れずに剥離ライナーを貼付剤本体から剥離すること、および貼付剤本体の粘着面を手指で触れずに貼付剤本体を皮膚に貼付することを容易に行なうことができるため、皮膚(患部)への貼付前に粘着面を手指で触れることによる粘着面の接着力の低下を抑制でき、皮膚に貼付された貼付剤本体が皮膚から脱落する可能性や皮膚に貼付された貼付剤本体の端部がめくれる可能性が減少する。
【0015】
本発明の貼付剤は、粘着剤層が薬物を含むことができ、皮膚面に貼付して経皮的に薬物を投与するための貼付製剤を提供し得る。一般に貼付剤の粘着剤層が非含水系の粘着剤層である場合、粘着面を一度手指で触れることで粘着面における接着力は著しく低下する。また、粘着剤層が薬物を含む貼付製剤の貼付操作時に、粘着面に手指が触れると、皮脂などの成分や手指に付着している成分が粘着剤層に混入し得、かかる成分は粘着剤層に配合された薬物に化学変化をもたらし得、薬物の薬効に悪影響を及ぼし得る。このため、貼付操作時に粘着面に触れる必要のない本発明の貼付剤は、粘着剤層が非含水系の粘着剤層である場合や、粘着剤層が薬物を含む場合、特に功を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1例の貼付剤を模式的に示した斜視図(A)および断面図(B)である。
【図2】図2は、本発明の第2例の貼付剤を模式的に示した斜視図(A)および断面図(B)である。
【図3】図3は、本発明の第3例の貼付剤を模式的に示した斜視図(A)および断面図(B)である。
【図4】図(A)〜(D)は本発明の貼付剤の平面視における貼付剤本体と剥離ライナーの相対的な配置関係を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書において、貼付剤とは薬物を含有しないものだけでなく、薬物を含有する貼付製剤も包含する概念であるが、薬物を含有するものは特に貼付製剤とも記すことがある。
【0018】
以下、本発明を、添付図面を引用しつつ、好適な実施態様に即して説明するが以下の詳細な説明および特定の例は、本発明の範囲を限定するものではない。なお、添付図面は、模式図であり、図中の各構成要素の寸法や異なる構成要素間の寸法比は本発明品の実際のそれと一致しているわけではない。
【0019】
図1〜図3は本発明の貼付剤の第1例〜第3例を模式的に示した図であり、図1〜図3のそれぞれにおける図(A)は斜視図、図(B)は断面図である。なお、図1は、貼付剤本体4を紙面の上側に、剥離ライナー1を紙面の下側に位置させた図であり、図2、3は貼付剤本体4を紙面の下側に、剥離ライナー1を紙面の上側に位置させた図である。
【0020】
本発明の貼付剤は、かかる第1例〜第3例の貼付剤(図1〜図3)に示されるように、支持体3および該支持体3の少なくとも片面に積層された粘着剤層2を備える貼付剤本体4と、該貼付剤本体4の該粘着剤層2の該支持体3側とは反対側の面に剥離ライナー1を備える貼付剤であり、貼付剤本体4の平面面積が1.5〜15cmであり、剥離ライナー1の平面面積の、貼付剤本体4の平面面積に対する比率([剥離ライナー1の平面面積(cm)]/[貼付剤本体4の平面面積(cm)])が1.1〜7であり、かつ剥離ライナー1が分割線11を有することが主たる特徴である。
【0021】
本発明において「貼付剤本体の平面面積」は、「支持体の面積」によって代表される。すなわち、支持体の少なくとも片面に形成される粘着剤層は、通常、支持体の片面全域に形成されるので、貼付剤本体の主要面となる粘着剤層の表面の面積は支持体の面積と実質的に同じである。
【0022】
本明細書中、貼付剤本体は、貼付剤が薬物を含有する場合、特に貼付製剤本体とも記すことがある。
【0023】
本発明の貼付剤において、貼付剤本体の平面面積は1.5〜15cmの範囲に設定される。当該面積範囲にあることにより、貼付剤本体を手指で保持しやすく、また、貼付剤本体の粘着剤層の表面(粘着面)が露出された状態にあるときに、粘着面のある部分と他の部分が相互接着しにくく、貼付剤本体が丸まったりしにくいので、貼付剤本体の皮膚への貼付も、粘着面を指で触れることなく容易にできる。
【0024】
貼付剤本体の平面面積が1.5cm未満になると、貼付剤本体を手指で保持することが困難になり、剥離ライナーの剥離及び貼付剤本体の皮膚への貼付がしにくい傾向になる。また、貼付剤本体の平面面積が15cmよりも大きい場合、剥離ライナーを剥離した後、貼付剤本体の露出された粘着面のある部分と他の部分とが相互に接着したり、貼付剤本体が丸まる等の不具合が起きやすくなり、その結果、貼付剤本体を皮膚に貼付することが困難になる。
【0025】
本発明の貼付剤において、剥離ライナーの平面面積の貼付剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付剤本体の平面面積(cm)])は、1.1〜7の範囲となるように設定される。前記比率がかかる範囲にあることで、剥離ライナーに十分な面積のつかみ代を確保できるので、粘着面(粘着剤層の皮膚と接することとなる面)を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することが容易にでき、また粘着面を指で触れずに、貼付剤本体を皮膚に貼付することが容易にできる。
【0026】
前記比率が1.1未満の場合、貼付操作性向上といった特徴が見られない。一方、前記比率が7を超えると、剥離ライナーを剥離する際に、粘着剤層の粘着面と剥離ライナーとの間の剥離が生じる部位における、貼付剤本体の粘着剤層に応力が集中する結果、剥離ライナーを剥離した後に、支持体が粘着面が内側となるように湾曲(カール)して、貼付操作が困難となるおそれがある。
【0027】
本発明の貼付剤において、貼付剤本体の平面面積の下限は好ましくは2cm以上、より好ましくは2.5cm以上である。また、貼付剤本体の平面面積の上限は好ましくは12.5cm以下であり、より好ましくは12cm以下であり、とりわけ好ましくは10cm以下である。
【0028】
また、剥離ライナーの平面面積の貼付剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付剤本体の平面面積(cm)])の下限は1.35以上が好ましい。前記比率の上限は、好ましくは6以下であり、より好ましくは3以下である。
【0029】
貼付剤本体の平面面積と、剥離ライナーの平面面積の貼付剤本体の平面面積に対する比率が、このような好適な範囲にあることで、粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することがいっそう容易となり、また粘着面を指で触れずに、貼付剤本体を皮膚に貼付することがいっそう容易となる。
【0030】
上記のとおり、本発明の貼付剤においては、貼付剤本体の平面面積が特定範囲に設定されていることに加え、剥離ライナーの平面面積が貼付剤本体の平面面積よりも特定範囲で大きいことが重要な特徴であり、貼付剤本体を手指で保持しやすく、かつ、剥離ライナーに十分な面積のつかみ代を確保できるので、粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することが容易にでき、しかも、粘着面を指で触れずに貼付剤本体を皮膚に貼付することを容易に行なうことができ、粘着面のある部分と他の部分とが相互に接着したり、貼付剤本体が丸まってしまう等の不具合も防止することができる。
【0031】
また、本発明の貼付剤では、貼付剤本体の粘着面を手指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することや貼付剤本体を皮膚に貼付することを容易に行なえるため、皮膚(患部)への貼付前に粘着面を手指で触れることによる粘着面の接着力の低下を抑制でき、皮膚に貼付された貼付剤本体が皮膚から脱落する可能性や皮膚に貼付された貼付剤本体の端部がめくれる可能性も減少する。
【0032】
本発明の貼付剤において、貼付剤本体の平面形状および剥離ライナーの平面形状は特に限定されず、剥離ライナーの剥離操作、貼付剤本体の貼付操作等に支障をきたさない範囲で任意の形状を採ることができる。貼付剤本体及び剥離ライナーの平面形状としては、それぞれ、例えば、三角形、四角形、五角形などの多角形などの略直線により輪郭付けられる形状、楕円、円形などの曲線により輪郭づけられる形状、略直線と曲線の両方にて輪郭づけられる形状などが例示される。
【0033】
貼付剤本体の平面形状および剥離ライナーの平面形状の好ましい態様としては、剥離ライナーの剥離操作性、貼付剤本体の貼付操作性、貼付剤の製造の容易さ等の点から、図1、2に示されるような、貼付剤本体の平面形状および剥離ライナーの平面形状の双方が矩形または略矩形である態様、図3に示されるような、貼付剤本体の平面形状が円形または楕円形であり、剥離ライナーの平面形状が矩形または略矩形である態様等が挙げられる。
【0034】
なかでも、貼付剤本体の平面形状が楕円形、円形などの曲線部分で輪郭付けられる形状であり、かつ、剥離ライナーの平面形状が略矩形である態様が好ましく、該曲線部分は部分的に直線部分で置換されていてもよい。かかる態様においては、剥離ライナーのつかみ代が、略矩形の剥離ライナーの各角部分と貼付剤本体の該曲線部分の間で特に大きくなることから、粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することが特に容易となり、また粘着面を指で触れずに、貼付剤本体を皮膚に貼付することが特に容易となる。なお、本発明でいう「矩形」とは長方形及び正方形を含む概念である。
【0035】
本発明の貼付剤は、剥離ライナーが分割線を有する。図1〜図3に示す第1例〜第3例の貼付剤では、剥離ライナー1に1本の分割線11を形成している。
【0036】
剥離ライナーにおける分割線とは、剥離ライナーを2以上の複数の剥離ライナー断片に分割する切れ目のことであり、剥離ライナーを2つの断片に分割するように設ける場合が多いが、剥離ライナーを3つ以上の断片に分割するように設ける場合もある。本発明においても、分割線の本数は特に限定されないが、図1〜図3に示す第1例〜第3例の貼付剤のように、剥離ライナーを2つの断片に分割するように、1本の分割線11を設けるのが一般的である。なお、分割線は、通常、剥離ライナーを完全に切断するように形成するが、分割線の一方の終端を剥離ライナーの外周辺の手前までで止めるような態様で設けてもよい。また、切れ目を完全な切断線とせず破線状(ミシン目状)に設けてもよい。
【0037】
分割線(切れ目)の平面形状としては、特に限定されず、図1に示されるような直線、図2および図3に示されるような波線の他、カギ状線、曲線などや、これらの混在したものであってもよいが、分割線の位置についての手がかりを与え、分割線を容易に見つけることができるようにする観点から、波線が好ましい。
【0038】
分割線は、図2、図3に示す第2例、第3例の貼付剤のように、貼付剤本体の平面面積を不均等に2分する位置に存在する1本の分割線であること、すなわち貼付剤本体を第一の貼付剤本体(面積の小さいほうの貼付剤本体)と、第二の貼付剤本体(面積の大きいほうの貼付剤本体)とに分割するものであることが好ましい。より好ましくは、分割線は、分割線によって2分される貼付剤本体の分割比([面積の大きいほうの貼付剤本体の面積]/[面積の小さいほうの貼付剤本体の面積])が1.0より大きく、4.0以下となる位置に存在する1本の分割線である。このような態様においては、(a)第一の貼付剤本体に対応する第一の剥離ライナー断片を最初に剥離し、露出された第一の粘着面を皮膚に貼着させ、(b)次いで、該第一の粘着面が皮膚に貼着された状態のまま、第二の貼付剤本体に対応する第二の剥離ライナー断片を剥離し、露出された第二の粘着面を皮膚に貼着させることで、第一の粘着面の面積および粘着力が十分に確保されることから、第一の粘着面が皮膚に貼着された状態で、第二の剥離ライナー断片を剥離するに際し、第一の貼付剤本体を指で必ずしも十分に押さえることなく剥離を行うことができる。また、面積の小さいほうの貼付剤本体を皮膚に先に貼付するため、面積の大きいほうの貼付剤本体は、貼付剤本体の皮膚への貼付に際して、つかみ代として機能することができる。したがって、粘着面を指で触れずに、貼付剤本体を皮膚に貼付することがきわめて容易になる。
【0039】
分割線の別の好ましい態様としては、図2、図3に示す第2例、第3例の貼付剤のように、剥離ライナー1を平面面積が大きい剥離ライナー断片1Aと平面面積が小さい剥離ライナー断片1Bの2つに分割する態様が挙げられる。一方の剥離ライナー断片の面積に対する、他方の剥離ライナー断片の面積の比率([面積の大きいほうの剥離ライナー断片の面積]/[面積の小さいほうの剥離ライナー断片の面積])は、好ましくは1.0より大きく4.0以下であり、より好ましくは1.1以上、3.0以下である。このような態様とすることで、貼付剤本体を皮膚に貼付するに際し、分割線によって分割された2つの剥離ライナー断片のうち、平面面積が大きい剥離ライナー断片1Aを手でつかんで、平面面積の小さい方の剥離ライナー断片1Bを剥離し、貼付剤本体の露出した粘着面を皮膚に貼付し、次いで、平面面積の大きい方の剥離ライナー断片1Aを剥離して、貼付剤本体をさらに皮膚に貼付することができる。すなわち、剥離ライナーを2つの等しい面積の剥離ライナー断片に分割するように分割線を設ける態様よりも、手でつかむ剥離ライナー断片を大きくできることから、粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付剤本体から剥離することをより容易に行うことができ、また、粘着面を指で触れずに、貼付剤本体を皮膚に貼付することがより容易になる。
【0040】
前記の分割線が貼付剤本体を第一の貼付剤本体(面積の小さいほうの貼付剤本体)と、第二の貼付剤本体(面積の大きいほうの貼付剤本体)とに分割するものである態様において、第一の貼付剤本体(面積の小さいほうの貼付剤本体)に対応する第一の剥離ライナー断片は、面積の小さいほうの剥離ライナー断片であってもよく、面積の大きいほうの剥離ライナー断片であってもよいが、手でつかむ剥離ライナー断片の平面面積が大きくなることから、特に好ましい態様としては該第一の剥離ライナー断片が面積の小さいほうの剥離ライナー断片である態様が挙げられる。
【0041】
本発明の貼付剤において、貼付剤の平面視における貼付剤本体と剥離ライナーの相対的な配置関係は特に限定されない。例えば、図4(A)〜(D)は平面形状が矩形の貼付剤本体4と平面形状が矩形の剥離ライナー1からなる本発明の貼付剤を模式的に示したものであるが、本発明の貼付剤は、図4(A)のような貼付剤本体4と剥離ライナー1を同心に配置した構成(すなわち、貼付剤本体4の平面の中心点と剥離ライナー1の平面の中心点を重ねた構成)であっても、図4(B)〜図4(D)のような貼付剤本体4と剥離ライナー1を偏心に配置した構成(すなわち、貼付剤本体4の平面の中心点と剥離ライナー1の平面の中心点を離間させた構成)であってもよい。ただし、剥離ライナーの剥離操作性、貼付剤本体の貼付操作性、粘着剤層のはみ出しによる貼付剤の包装体への粘着剤層成分の付着を抑制する等の観点から、図4(A)〜(C)のような、貼付剤本体4の全周において剥離ライナー1のはみ出し部分(つかみ代)1aが形成される配置とすることが好ましく、その場合、最小幅のはみ出し部分(つかみ代)の幅Wが0.5mm以上であることがより好ましい。
【0042】
本発明の貼付剤において、貼付剤本体における支持体としては特に限定されず、自体公知のフィルム状またはシート状材料が用いられる。そのような支持体は、実質的に薬物、添加剤などの粘着剤層中の成分に対して不透過性であるもの、すなわちこれらが支持体中を通って貼付剤背面から失われて含有量が低下することを抑制するものが好ましい。
【0043】
このような支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン、サラン(旭化成、米国ダウケミカル社の登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、サーリン(米国デュポン社の登録商標)などの樹脂単層フィルム、金属箔等の単層フィルム、およびこれらの積層フィルム、ならびに該単層・積層フィルムに多孔質体を積層した積層体等が挙げられる。
【0044】
前記多孔質体としては、単層のものであっても積層体であってもよく、多孔質体に対する粘着剤層の移動を抑制する投錨力を有するものを好適に使用することができる。具体的には紙、織布、不織布、編布、機械的に穿孔処理を施したフィルム、およびこれらの積層体等が挙げられる。これらのうち取扱い性等の観点からは、特に紙、織布、不織布、およびこれらの積層体が好ましく、中でも不織布が好ましい。
【0045】
支持体には、本発明の効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、顔料、帯電防止剤などの各種添加剤が適宜配合されていてもよく、表面にコロナ放電処理、紫外線照射処理などの処理が施されていてもよい。支持体におけるフィルムの厚さ(支持体が多孔質体を積層した積層体である場合は、多孔質体を除くフィルムの厚さ)は、貼付剤の皮膚追従性および貼付操作性等の観点から1〜18μmの範囲であることが好ましい。1μmより小さいと柔軟な粘着剤層を支持する支持体としての機能が不十分となる可能性がある。18μm以下の場合、支持体は剥離ライナーを剥離した際に湾曲(カール)を生じ得ることから、該フィルムの厚さが18μm以下の場合に、本発明の有利性が特に顕在化する。
【0046】
なお、支持体が多孔質体を積層した積層体である場合、支持体の上記特性は、フィルムの特性により支配されると本発明者らは考える。
【0047】
支持体におけるフィルムの厚さ(支持体が多孔質体を積層した積層体である場合は、多孔質体を除くフィルムの厚さ)は、貼付剤を例えばルテニウム酸水溶液で染色した後、凍結ミクロトームにより切断した切断面を、FE−SEM(Hitachi,S−4800)で倍率50〜1000倍で撮像し、ゲージ目盛りを読むことで測定することができる。貼付剤本体の厚さ(支持体の厚さと粘着剤層の厚さの和)は、貼付時の操作性、皮膚追従性などを考慮すると、46〜500μmの範囲が好ましい。
【0048】
次に粘着剤層を形成するための組成物(以下、粘着剤層形成用組成物、または塗工液ともいう)の調製方法、および粘着剤層を構成する成分の配合量について説明する。粘着剤層形成用組成物に含まれる、以下に記載する各成分の重量%単位の量は、溶媒(有機溶剤)を除くすべての粘着剤層形成用組成物の成分の量に対する各成分の量の割合を重量%単位で示したものである。
【0049】
粘着剤層は、粘着剤を必要に応じて薬物、粘着付与剤、有機液状成分などの成分とともに、溶媒の存在下、配合し、混合することにより粘着剤層形成用組成物を得、これを塗布などの方法により層状にし、乾燥することにより形成することができる。
【0050】
有機溶剤としては、限定されないが、粘着剤層を構成する前記各成分との相溶性を有し、乾燥工程において容易に揮発させることができるものが好ましい。かかる有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、酢酸エチルなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などが挙げられ、これらは単独でまたは二種以上組み合わせて用いてもよい。
【0051】
前記乾燥は、風乾することにより行ってもよく、乾燥装置、熱風、遠赤外線などを用いる公知の方法により行ってもよい。
【0052】
前記各成分の混合方法としては、制限されないが、ニーダー、プラネタリーミキサーなどの混練機、ホモジナイザーなどの分散機、プロペラ型翼攪拌機などの攪拌機などが挙げられ、これらは単独で使用することも2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0053】
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に限定されないが、アクリル系重合体からなるアクリル系粘着剤;スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体(例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体など);ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のゴム系粘着剤;シリコーンゴム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサンベース等のシリコーン系粘着剤;ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系粘着剤;酢酸ビニル−エチレン共重合体等のビニルエステル系粘着剤;ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート等のカルボン酸成分とエチレングリコール等の多価アルコール成分からなるポリエステル系粘着剤等が挙げられる。
【0054】
粘着剤層は、架橋処理を施した架橋粘着剤層であってもよく、架橋処理を施していない非架橋粘着剤層であってもよい。ここで架橋処理とは、貼付剤の皮膚接着力を十分に維持すること、および貼付剤を皮膚表面から剥がす際の皮膚を引っ張り、皮膚の角質層を物理的に剥ぎ取るといった皮膚刺激を低く抑えることを両立させるために、粘着剤層に施される公知の処理を言い、架橋処理としては、化学架橋処理、イオン架橋処理、電子線や紫外線などによる物理架橋処理が挙げられる。架橋剤としては、酢酸亜鉛などの金属塩、エポキシ化合物、アミド化合物、アミン化合物、酸無水物、過酸化物、イソシアネート化合物等が例示される。
【0055】
粘着剤層は、皮膚接着性の観点から疎水性粘着剤層が好ましい。ここで「疎水性粘着剤層」とは、当該粘着剤層の水分濃度が5重量%以下の粘着剤層を意味し、上記水分濃度はカールフィッシャー法により測定される値を意味する。
【0056】
ただし、非含水系粘着剤層は一度皮膚に接着することで接着力低下が著しく、再貼付時に十分な接着力が得られない場合がある。よって、貼付操作において、粘着面に手指などが接すると、貼付後の貼付剤本体の皮膚面からの脱落、貼付後の貼付剤本体端部のめくれ等を生じやすくなる。このため剥離ライナーの剥離操作時、および貼付剤本体の貼付操作時に粘着面に触れる必要がない本発明の貼付剤は、粘着剤層が非含水系の粘着剤層である場合に、特に有利に実施できる。
【0057】
また、ゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤を用いた粘着剤層は粘着剤層の粘着面と粘着面が接着すると剥離が難しく、また、ゴム系粘着剤を用いた粘着剤層は粘着面が皮膚に触れることで粘着面の接着力低下といった現象が見られやすい。このため、剥離ライナーの剥離操作時、および貼付剤本体の貼付操作時に粘着面に触れる必要がない本発明の貼付剤は、粘着剤層がゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤を含む場合に特に有利に実施できる。
【0058】
ゴム系粘着剤は、適度な粘着力および薬剤溶解性を得るために、同一成分または異なる成分で平均分子量の異なるものを混合して使用することができる。例えば、ポリイソブチレンを例に挙げて説明すると、粘度平均分子量1,800,000〜5,500,000の高分子量のポリイソブチレン、粘度平均分子量40,000〜85,000の中分子量のポリイソブチレン、および必要によりさらに低分子量のポリイソブチレンとの混合物が好ましい。なお本発明における粘度平均分子量は、シュタウディンガーインデックス(J)を、20℃にてウベローデ粘度計のキャピラリー1のフロータイムからSchulz-Blaschke式により算出し、このJ値を用いて下式により求めるものである。
【0059】
=ηsp/c(1+0.31ηsp)(Schulz-Blaschke式)
ηsp=t/t−1
t:溶液のフロータイム(Hagenbach-couette補正式による)
:溶媒のフロータイム(Hagenbach-couette補正式による)
c:溶液の濃度(g/cm
=3.06×10−2Mv0.65
Mv:粘度平均分子量
【0060】
ここで、高分子量のポリイソブチレンを10〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、中分子量のポリイソブチレンを0〜90重量%、好ましくは10〜80重量%、低分子量のポリイソブチレンを0〜80重量%、好ましくは0〜60重量%の割合で配合することが好適である。
【0061】
ゴム系粘着剤を用いた粘着剤層には、適度な粘着性を付与するために、例えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂、キシレン樹脂等の粘着付与剤が配合されていてもよく、これらは一種でまたは2種以上を混合して用いられる。前記石油系樹脂としては、脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、共重合体系(C5-C9系)石油樹脂、および芳香族系(C9系)石油樹脂を部分水素添加または完全水素添加することによって得られる脂環族飽和炭化水素樹脂が例示される。脂環族飽和炭化水素樹脂としては、軟化点(環球法)90〜150℃のものが好ましい。粘着付与剤の配合量としては、限定されないが、適度な粘着性を付与し、配合量の増大に伴う粘着付与剤の効果を飽和させない観点から10〜40重量%が例示される。
【0062】
粘着剤層の厚さとしては、皮膚の動きに対する貼付剤本体の追従性、所要の皮膚接着力の確保などの観点から、20〜190μmが好ましい。
【0063】
所望により、粘着剤層は有機液状成分を含むことができる。有機液状成分としては、特に限定されず、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;オリーブ油、ヒマシ油等の油脂類;ラノリン;スクアラン、流動パラフィンのような炭化水素類;各種界面活性剤;エトキシ化ステアリルアルコール;オレイン酸モノグリセリド、カプリル酸モノグリセリド、ラウリル酸モノグリセリドのようなグリセリンモノエステル;ポリプロピレングリコールといったポリアルキレングリコールのジアルキルエステル;グリセリンジアセテートなどのグリセリンジエステル、グリセリントリアセテートなどのグリセリントリエステル、またはそれらの混合物;クエン酸トリエチルなどの脂肪酸アルキルエステル;長鎖アルコール;オレイン酸、カプリル酸のような高級脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピルのような高級脂肪酸のアルキルエステル;N−メチルピロリドン、N−ドデシルピロリドンのようなピロリドン類;デシルメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;1,3−ブタンジオール等が挙げられ、これらは1種でまたは2種以上を混合して使用することができる。有機液状成分は、好ましくは0〜60重量%、より好ましくは0〜50重量%の割合で配合することができる。
【0064】
本発明の貼付剤は、所望により粘着剤層が薬物を含むことができ、貼付製剤を提供することができる。ここにいう薬物は特に限定されず、ヒトなどの哺乳動物にその皮膚を通して投与し得る、すなわち経皮吸収可能な薬物が好ましい。
【0065】
そのような薬物としては、具体的には、例えば、全身性麻酔薬、催眠・鎮静薬、抗癲癇薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮暈薬、精神神経用薬、局所麻酔薬、骨格筋弛緩薬、自律神経用薬、鎮痙薬、抗パーキンソン薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、動脈硬化用薬、循環器用薬、呼吸促進薬、鎮咳去痰薬、ホルモン薬、化膿性疾患用外用薬、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎用薬、寄生性皮膚疾患用薬、止血用薬、痛風治療用薬、糖尿病用薬、抗悪性腫瘍用薬、抗生物質、化学療法薬、麻薬、禁煙補助薬などが挙げられる。
【0066】
薬物の含有量は、その経皮吸収による効果が奏され、粘着剤の接着特性が損なわれない範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.1〜60重量%であり、より好ましくは0.1〜40重量%である。0.1重量%より少ないと治療効果が十分でないおそれがある。60重量%より多いと皮膚刺激発生の可能性があり、また経済的にも不利となり得る。
【0067】
貼付製剤の貼付操作時に、粘着面に手指が触れた場合、皮脂などの成分や手指に付着している成分が粘着剤層に混入し得る。かかる成分は粘着剤層に配合された薬物に化学変化をもたらし得、薬物の薬効に悪影響を及ぼし得る。このため、貼付操作時に粘着面に触れる必要のない、本発明の貼付剤は、粘着剤層が薬物を含む貼付製剤として、特に有利に実施できる。
【0068】
本発明の貼付剤において、貼付剤本体の粘着面に設ける剥離ライナーとしては特に限定されず、その材質としては、この分野で自体公知のものが挙げられ、具体的にはポリエチレンテレフタレートをはじめとするポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、各種アクリル系及びメタクリル系ポリマー、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、酢酸セルロース、再生セルロース(セロファン)、セルロイド等のプラスチックフィルム、あるいは上質紙またはグラシン紙等とポリオレフィンとのラミネートフィルム等が例示される。安全性、経済性、薬物移行性の点でポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
【0069】
剥離ライナーの厚さとしては、柔軟な貼付剤本体の形状を一定形状に維持し、貼付剤を持ちやすくする等の観点から25〜100μm程度が好ましい。
【0070】
剥離ライナーは、粘着剤層との剥離を容易にするように粘着剤層との界面側が易剥離処理されたものが好ましい。易剥離処理としては、限定されないが、公知の方法を用いて行うことができ、例えば硬化性シリコーン樹脂を主成分とする離型剤を用いてバーコート、グラビアコートなどの塗布方法により剥離処理層を形成する処理が挙げられる。剥離処理層の厚さは、剥離性および塗膜の均一性確保の観点から0.01〜5μmが好ましい。
【0071】
本発明の貼付剤および貼付製剤の製造方法としては、種々の方法が考えられるが、工業的生産においては例えば以下の方法が、製造効率の点で好ましい。
【0072】
剥離ライナーの少なくとも片面に、粘着剤層形成用組成物を塗工し、乾燥させて粘着剤層を形成する。その上に支持体を積層し、貼付剤製造用シート(以下、粘着剤層が薬物を含む場合は、貼付製剤製造用シートともいう)を得る。
【0073】
あるいは、支持体の少なくとも片面に、粘着剤層形成用組成物を塗工し、乾燥させて粘着剤層を形成する。その上に剥離ライナーを積層し、貼付剤製造用シートを得る。
【0074】
上記積層の手法としては、特に限定されず、プライマーなどの塗布、接着、融着、溶着、圧着などの公知の手法が挙げられる。
【0075】
次に、貼付剤製造用シートの剥離ライナーに、1つ以上の分割線を入れる。分割線を入れる方法は、限定されず、任意の公知の切断方法を用いることができる。例えば貼付剤製造用シートの剥離ライナー側(粘着剤層と反対の側)からフィルム切断用のカッターで実質的に剥離ライナーのみを、後に得られる貼付剤の剥離ライナーにおける分割線が貼付剤本体の平面面積を不均一に2分するような位置で、波線状に完全に切断することによって分割線を入れることができる。分割線の位置は適宜調節することができ、分割線の数および形状は適宜選択することができる。部分的に切断することにより、分割線を入れる方法としては、限定されないが、例えば円形状のカッターであって、その円周部に部分的に刃を有するカッターを回転させて用いればよい。
【0076】
その後、支持体側より支持体と粘着剤層とからなる貼付剤本体のみを、矩形、円形、楕円形などの所定形状に切断(いわゆるアイランドカット)し、平面面積が1.5〜15cmの貼付剤本体の部分を形成することができる。アイランドカットの方法としては、限定されないが、平面面積、切断寸法、および切断形状の調整、ならびに位置合わせが容易であり、きれいな端面が得られることから、1.5〜15cmの貼付剤本体の平面面積を与え得る押し切り刃を用いることが好ましい。かかるアイランドカットは、例えば平坦な台の上で、切断時の押し切り刃と台の間のギャップを調節することで行うことができる。
【0077】
最後に、剥離ライナーの平面面積の、貼付剤本体の平面面積に対する比率が、1.1〜7となるように、剥離ライナーを所定の位置で切断し、貼付剤(粘着剤層が薬物を含有する場合は、貼付製剤)を得ることができる。切断は、例えば剥離ライナーが略矩形の平面形状となるように行うことができる。この切断の方法も、限定されず、レーザー、押し切り刃など任意の公知の切断方法を用いることができる。
【実施例】
【0078】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0079】
実施例1〜17
<粘着剤層形成用組成物(塗工液)の調製>
高分子量ポリイソブチレン(粘度平均分子量4×10)のトルエン溶液(約8重量%)313gを秤量し、これに中分子量ポリイソブチレン(粘度平均分子量5.5×10)のトルエン溶液(約55重量%)64g、粘着付与剤(脂環族飽和炭化水素樹脂、軟化点141℃(環球法))20g、および薬物としてスコポラミン5gを加え攪拌した。その後、有機液状成分として流動パラフィン15g、および有機溶剤としてトルエン209gをさらに加え、均一になるように十分に攪拌し、塗工液を得た。
【0080】
<貼付製剤製造用シートの作製>
塗工液を、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」とも記す)製の易剥離処理された剥離ライナー(厚さ75μm)の易剥離処理された面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが100μmとなるように塗布し、乾燥機により乾燥させ(100℃)、粘着剤層が形成された剥離ライナーを得た。粘着面(粘着剤層が形成された面)を、支持体としての、厚さ2μmのPET製フィルムと目付け量12g/mのPET製不織布との積層体と圧着することにより貼り合わせて貼付製剤製造用シートを作製した。得られた貼付製剤製造用シートの粘着剤層は、このように薬物を含み、実質的に水分を含まない、非含水系のものであった。また、粘着剤層のカールフィッシャー法による水分濃度は0.5重量%以下であった。
【0081】
<貼付製剤の作製>
上記のようにして得た貼付製剤製造用シートの剥離ライナーを、刃物で粘着剤層と反対の側から、後に得られる貼付製剤の貼付製剤本体の面積を約1:1.5に不等分に分割する位置にて完全に切断し、波線状の分割線(1本)を入れた。その後、所定の形状(矩形、円形、または楕円形)に型抜き加工をすることができる所定の形状(矩形、円形、または楕円形)の押し切り刃を用いて、支持体側より支持体と粘着剤層とからなる貼付製剤本体のみを平坦な台の上で、切断時の押し切り刃と台の間のギャップを調節して、所定形状に切断(いわゆるアイランドカット)し、図2に示すような矩形、または図3に示すような円形もしくは楕円形の貼付製剤本体の部分を形成した。貼付製剤本体の切断(アイランドカット)は、貼付製剤本体の平面面積が、2〜10cmとなるように行った。最後に、剥離ライナーの平面面積の、貼付製剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付製剤本体の平面面積(cm)])が1.2〜4となるように剥離ライナーを矩形に切断し、剥離ライナーと貼付製剤本体が実質的に同心で配置される図2または図3に示す態様の貼付製剤を得た。
【0082】
各実施例における、貼付製剤本体の平面面積、及び剥離ライナーの平面面積の貼付製剤本体の平面面積に対する比率を表1に、貼付製剤本体の形状および寸法を表2に示した。なお、以下、表1などにおいて、平面面積は単に面積とも記している。
【0083】
比較例1〜26
貼付製剤本体の平面形状および寸法が表2に示した通りになるように貼付製剤本体の切断(アイランドカット)を行ったこと、ならびに貼付製剤本体の平面面積、および剥離ライナーの平面面積の貼付製剤本体の平面面積に対する比率が表1に示した通りになるように貼付製剤本体の切断(アイランドカット)および剥離ライナーの切断を行ったことのほかは、実施例1〜17と同様に塗工液を調製し、貼付製剤製造用シートを作製し、そして貼付製剤を作製した。
【0084】
実施例18〜25および参考例1〜6
貼付製剤本体の平面形状および寸法が表4に示した通りになるように貼付製剤本体の切断(アイランドカット)を行ったこと、ならびに貼付製剤本体の平面面積、剥離ライナーの平面面積の貼付製剤本体の平面面積に対する比率、および分割線が貼付製剤本体の面積を分割する比率が表3に示した通りになるように貼付製剤本体の切断(アイランドカット)および剥離ライナーの切断を行ったことのほかは、実施例1〜17と同様に塗工液を調製し、貼付製剤製造用シートを作製し、そして貼付製剤を作製した。
【0085】
【表1】

【0086】
【表2】

【0087】
【表3】

【0088】
【表4】

【0089】
試験例1(剥離ライナーのはがしやすさ及び貼付製剤の貼付しやすさの評価)
専門の評価者(5名)が表1および表2に示した実施例1〜17および比較例1〜26における貼付製剤を評価した。評価は、平面面積の小さい方の剥離ライナー断片をまず剥離し、露出した粘着面から貼付製剤本体を部分的に皮膚に貼付し、次いで平面面積の大きい方の剥離ライナー断片を剥離し、貼付製剤本体をさらに皮膚に貼付して、以下の評価基準に基づき、1〜4の評価点を用いて行った。結果は、実施例1〜17および比較例1〜26に係る43種類の貼付製剤について、各評価者が評価し、各評価者の評価点の平均値を最も近い整数に丸めた評価点として得た。
【0090】
<評価基準>
1:粘着面を指で触れずに剥離ライナーを貼付製剤本体から剥離することがきわめて容易であり、かつ粘着面を指で触れずに貼付製剤本体を皮膚に貼付することがきわめて容易である。
2:粘着面を指で触れずに剥離ライナーを貼付製剤本体から剥離すること、または粘着面を指で触れずに貼付製剤本体を皮膚に貼付することのいずれかがきわめて容易であり、他方は可能である。
3:粘着面を指で触れずに剥離ライナーを貼付製剤本体から剥離することがやや困難であり、および/または粘着面を指で触れずに貼付製剤本体を皮膚に貼付することがやや困難である。
4:粘着面を指で触れずに剥離ライナーを貼付製剤本体から剥離することが困難であり、および/または粘着面を指で触れずに貼付製剤本体を皮膚に貼付することが困難である。
【0091】
試験例1の結果を表5に示す。表5の結果から明らかなように、剥離ライナーの平面面積の、貼付製剤本体の平面面積に対する比率が1.2〜4であり、かつ貼付製剤本体の平面面積が、2.0〜10cmであることで、剥離ライナーのはがしやすさ及び貼付製剤の貼付しやすさに問題はなく、少なくとも、粘着面を指で触れずに剥離ライナーを貼付製剤本体から剥離すること、または粘着面を指で触れずに貼付製剤本体を皮膚に貼付することのいずれかがきわめて容易であり、他方は可能であった。貼付時に貼付製剤本体が丸まり、または粘着面同士が接着することもなかった。さらに、剥離ライナーの平面面積の、貼付製剤本体の平面面積に対する比率が1.5〜2であり、かつ貼付製剤本体の平面面積が、5.0cm以上であることで、粘着面を指で触れずに、剥離ライナーを貼付製剤本体から剥離することがきわめて容易であり、かつ粘着面を指で触れずに、貼付製剤本体を皮膚に貼付することがきわめて容易であり、したがって貼付製剤の操作性が特に良好であった。
【0092】
実施例13〜17においては、貼付製剤本体の平面形状が円形、または楕円形であることから、剥離ライナーのつかみ代が、矩形の剥離ライナーの各角部分と貼付製剤本体の周辺部分の間で特に大きくなり、剥離ライナーを特に容易に剥離でき、貼付時の操作性が特に良好であった。
【0093】
【表5】

【0094】
試験例2(後に剥離する方の剥離ライナー断片のはがしやすさ及び先に貼付する貼付製剤本体の部分の貼付しやすさの評価)
専門の評価者(5名)が表3および表4に示した実施例18〜25および参考例1〜6における貼付製剤を評価した。評価は、貼付製剤本体の面積を不等分に分割する位置に存在する分割線によって分割されて得られた剥離ライナー断片のうち平面面積の小さい方の剥離ライナー断片をまず剥離し、露出した粘着面から貼付製剤本体を部分的に皮膚に貼付し、次いで平面面積の大きい方の剥離ライナー断片を剥離し、貼付製剤本体をさらに皮膚に貼付して、以下の評価基準に基づき、1〜3の評価点を用いて行った。すなわち大きい方の剥離ライナー断片を剥離する際に、先に貼付した貼付製剤本体の部分が皮膚から剥離することなく、大きい方の剥離ライナー断片を剥離することが可能であるかについて評価した。また、先に剥離した小さい方の剥離ライナー断片に対応する貼付製剤本体の部分の皮膚への貼付前のカールの程度についても目視評価した。結果は、実施例18〜25および参考例1〜6に係る14種類の貼付製剤について、各評価者が評価し、各評価者の評価点の平均値を最も近い整数に丸めた評価点として得た。
【0095】
<評価基準>
1:貼付製剤本体の先に貼付した部分を指で押さえなくても、後に剥離する剥離ライナー断片を容易に剥離することができる。
2:貼付製剤本体の先に貼付した部分を指で押さえると、後に剥離する剥離ライナー断片の剥離は可能である。
3:先に剥離した剥離ライナー断片に対応する貼付製剤本体の部分に、皮膚に貼付する前に、ややカールがみられる。
【0096】
試験例2の結果を表6に示す。表6に示されるように、貼付製剤本体の平面面積、および剥離ライナーの平面面積の貼付製剤本体の平面面積に対する比率が一定の場合、分割線を、貼付製剤本体の平面面積を1.1〜3.0の分割比で分割する位置に存在させることで、貼付製剤本体の先に貼付した部分を指で押さえなくても、後に剥離する剥離ライナー断片を容易に剥離することができ、貼付製剤の貼付時の操作性が非常に良好であった。かかる態様と比較すると、分割線が貼付製剤本体の平面面積を1.0の分割比で分割する位置に存在する場合には、先に剥離した剥離ライナー断片に対応する貼付製剤本体の部分に、皮膚に貼付する前に、ややカールがみられ、貼付製剤の貼付操作性がやや劣る結果となった。
【0097】
【表6】

【0098】
本発明の説明は、単に例示的な性質のものであり、本発明の要旨から逸脱しないその変形態様は、本発明の範囲内であるべきことが意図される。そのような変形態様は、本発明の趣旨および範囲から逸脱するものとしてみなされるべきではない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明の貼付剤は、皮膚表面の患部を被覆保護するための医療用の貼付剤として好適に使用することができ、薬物を包含させた場合は経皮吸収性薬物を連続的に経皮投与するための貼付製剤として使用することができる。本発明の貼付剤は、粘着剤層が非含水系の粘着剤層である場合や、粘着剤層が薬物を含む場合、特に有利に実施することができる。本発明の貼付剤および貼付製剤は、効率的に製造することができ、工業的生産にも適している。
【符号の説明】
【0100】
1 剥離ライナー
2 粘着剤層
3 支持体
4 貼付剤本体(貼付製剤本体)
11 分割線
1A 平面面積が大きい剥離ライナー断片
1B 平面面積が小さい剥離ライナー断片
1a 剥離ライナーのはみ出し部分(つかみ代)
W 剥離ライナーの最小幅のはみ出し部分(つかみ代)の幅


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体及び該支持体の少なくとも片面に積層された粘着剤層を備える貼付剤本体と、該貼付剤本体の該粘着剤層の該支持体側とは反対側の面に設けられた剥離ライナーとを備える貼付剤であって、
貼付剤本体の平面面積は、1.5〜15cmであり、剥離ライナーの平面面積の、貼付剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付剤本体の平面面積(cm)])が、1.1〜7であり、かつ
剥離ライナーは分割線を有する
ことを特徴とする、貼付剤。
【請求項2】
貼付剤本体の平面面積が2.5cm以上であり、かつ、剥離ライナーの平面面積の、貼付剤本体の平面面積に対する比率([剥離ライナーの平面面積(cm)]/[貼付剤本体の平面面積(cm)])が1.35以上である、請求項1記載の貼付剤。
【請求項3】
剥離ライナーにおける分割線が貼付剤本体の平面面積を不均等に2分する位置に存在する1本の分割線である、請求項1記載の貼付剤。
【請求項4】
剥離ライナーの分割線によって2分される貼付剤本体の分割比([面積の大きいほうの貼付剤本体の面積]/[面積の小さいほうの貼付剤本体の面積])が1.0より大きく、4.0以下である、請求項3記載の貼付剤。
【請求項5】
一方の剥離ライナー断片の面積に対する、他方の剥離ライナー断片の面積の比率([面積の大きいほうの剥離ライナー断片の面積]/[面積の小さいほうの剥離ライナー断片の面積])が、1.1以上、3.0以下である、請求項3記載の貼付剤。
【請求項6】
貼付剤本体は、直線部分で置換されていてもよい曲線部分で輪郭付けられる平面形状を有し、剥離ライナーは略矩形の平面形状を有する、請求項1記載の貼付剤。
【請求項7】
粘着剤層は実質的に水分を含まない、請求項1記載の貼付剤。
【請求項8】
請求項1記載の貼付剤の粘着剤層が薬物を含んでなる、貼付製剤。
【請求項9】
粘着剤層はゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤を含む、請求項1記載の貼付剤。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−163367(P2010−163367A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4948(P2009−4948)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】